JP7788954B2 - 燃料電池システム - Google Patents

燃料電池システム

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Description

本願は、燃料電池システムに関するものである。
燃料電池は、燃料極(以下、アノードと称する)と空気極(以下、カソードと称する)の間に電解質を挟んで構成した単セルを何層も積層したスタックと称される形態で使用される。燃料電池スタックは、炭化水素系の原燃料を改質した水素を含む改質ガスと酸化剤を、電解質を介して隔てた状態で電気化学反応を生じさせることで発電する。そのため、内燃機関等と比べてエネルギ変換効率が高く環境負荷が少ないことから、民生用、産業用のオンサイト発電装置として盛んに開発が進められている。
しかし、アノードから排出される残余の改質ガス(アノード排気)には、二酸化炭素、水蒸気の他に、電気化学反応で消費されず、原料として再利用できる水素と一酸化炭素が含まれている。そこで、アノード排気を燃焼器で燃焼し改質器の反応熱に利用したり、アノード排気の一部を原燃料に循環したりすることで、アノード排気が有するエネルギを有効利用することが一般に行われている。
このようにアノード排気の有効利用は進められてはいるが、アノード排気由来の燃焼排ガス中に含まれる二酸化炭素はそのまま大気に排出され環境への負荷となる。これは、炭化水素系の原料を利用する限りにおいて宿命的なものであり、他の燃料電池と比べて動作温度が高いため、さらにエネルギ変換効率が高い固体酸化物形燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)であっても同様である。
また、燃焼の支燃ガスに空気を利用することが一般的であるため、燃焼排ガス中には窒素が多く含まれることになり、排ガス中の二酸化炭素の濃度が下がるため、二酸化炭素の回収と利用を困難にしていた。そこで、アノード排気を原燃料に循環するリサイクルガス回路を設けたシステムにおいて、リサイクルガス回路に二酸化炭素分離装置を導入し、アノード排気中の二酸化炭素を分離回収する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
特表2009―503791号公報(段落0050~0070、図1、図5)
アノード排気は、燃焼排ガスと比べて二酸化炭素濃度が高いため、分離効率が良いとされ、また二酸化炭素が分離された後の水素濃度の高いガスが、リサイクルガスとして原燃料に戻されるので、スタックの出力増加が期待される。しかしながら、リサイクルガス回路のアノード排気から二酸化炭素を分離するため、二酸化炭素を分離した後のガスがリサイクルされることになり、リサイクルによるアノード排気の二酸化炭素濃度の上昇効果が期待できない。そのため、アノード排気中の二酸化炭素濃度は、ドライベースでせいぜい50%前後までしか上昇せず、二酸化炭素分離のための動力が大きく、効率よく分離することができないという問題があった。
本願は、上記のような課題を解決するための技術を開示するものであり、効率的に二酸化炭素を分離回収できるシステムを提供することを目的とする。
本願に開示される燃料電池システムは、炭化水素を含む原燃料と水蒸気とを改質反応させて水素を含む改質ガスを生成する改質器、熱を前記改質器に与える燃焼器、空気と前記改質ガスとの電気化学反応によって電気エネルギを発生させ、直流電力を出力する燃料電池スタック、前記燃料電池スタックのアノードから排出されたアノード排気を受け入れ、前記原燃料に混合して循環させるリサイクルガスとして導くリサイクルガス回路と、前記燃焼器の燃焼に用いる燃焼用ガスとして導く燃焼用ガス回路とに途中で分岐する分岐点を有するアノード排気回路前記燃焼用ガス回路に設けられ、前記燃焼用ガスに含まれる二酸化炭素を分離回収する二酸化炭素分離回収装置、システム内の機器を連携制御する制御装置、前記燃料電池スタックの出力を計測する出力測定器、および前記原燃料の流量を調節する流量調節器、を備え、前記制御装置は、前記燃料電池スタックにおける燃料利用率が一定範囲内に収まり、かつ前記アノード排気の量に対する前記リサイクルガスの量の比が前記改質反応による吸熱と前記燃焼器による発熱との熱バランスが維持可能なように、前記出力に応じて前記流量を調整することを特徴とする。
本願に開示される燃料電池システムによれば、アノード排気のうち、燃焼器に導く回路に二酸化炭素分離回収装置を設けることで、処理対象ガス中の二酸化炭素濃度を高めることができるので、効率的に二酸化炭素を分離回収できるシステムを得ることができる。
実施の形態1にかかる燃料電池システムの構成を示すフロー図である。 実施の形態1にかかる燃料電池システムにおいて、リサイクル比に対する発電効率、二酸化炭素濃度、および原燃料流量の関係を示す図である。 実施の形態2にかかる燃料電池システムの構成を示すフロー図である。 実施の形態3にかかる燃料電池システムの構成を示すフロー図である。 実施の形態4にかかる燃料電池システムの構成を示すフロー図である。 実施の形態4にかかる燃料電池システムにおいて、再エネ燃料を利用した際のリサイクル比増加の効果を示す図である。 実施の形態5にかかる燃料電池システムの構成を示すフロー図である。 実施の形態6にかかる燃料電池システムの構成を示すフロー図である。 実施の形態7にかかる燃料電池システムの構成を示すフロー図である。 実施の形態7にかかる燃料電池システムの制御装置、あるいは制御を実行するための演算実行部分のハードウェア構成を示すブロック図である。
以下、図面を参照して、本願が開示する燃料電池システムにおける実施の形態ごとの詳細な説明を行う。なお、以下に示す実施の形態は一例であり、これらの実施の形態によって本願が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1と図2は、実施の形態1にかかる燃料電池システムの構成、および動作について説明するためのものであり、図1は燃料電池システムの構成を示す模式的なフロー図、図2は燃料利用率を固定した際の、リサイクル比に対する発電効率、二酸化炭素濃度、および原燃料流量の関係を示すグラフ形式の図である。
本実施の形態1を含む本願の燃料電池システムは、原燃料と水蒸気を反応させて水素を含む改質ガスを生成する改質器と、空気と改質ガスとの電気化学反応によって電気エネルギを発生させる燃料電池スタックとを備えたものである。そして、燃料電池スタックのアノード排気をリサイクルガスと燃焼用ガスに分岐し、燃焼用ガスを燃焼器に導く燃焼用ガス回路の途中に二酸化炭素分離回収装置を備えたことを特徴とするものである。
実施の形態1にかかる燃料電池システム100は、図1に示すように、主要構成機器として、燃料電池スタック1、改質器2、および二酸化炭素分離回収装置60を備える。燃料電池スタック1は、改質ガスFf2と空気Fa1を電気化学反応させて発電する。改質器2は、原燃料Ff0(厳密には、水蒸気Fsと混合した燃料ガスFf1)を改質して改質ガスFf2を生成する。二酸化炭素分離回収装置60は、燃料電池スタック1のアノード1aから排出されるアノード排気Ff3のうち、燃焼器3に導かれる燃焼用ガスFf32中の二酸化炭素を分離回収する。
つぎに、実施の形態1にかかる燃料電池システム100の全体構成、および主要機器の構成、機能について説明する。なお、説明は燃料の流れにしたがって説明する。すなわち、主要機器の構成、機能説明を改質器2→燃料電池スタック1→二酸化炭素分離回収装置60の順で説明する。その後、全体的な処理と機能について説明する。
<主要機器>
改質器2は、改質触媒が充填され、そこで原燃料Ff0に水蒸気Fsを添加した燃料ガスFf1を受け入れて、原燃料Ff0中の炭化水素を分解する改質反応が行われ、水素と一酸化炭素を含む改質ガスFf2が生成される。例えば、原燃料Ff0としてメタンを用いたときの代表的な改質反応を式(1)および式(2)に示す。
CH+HO ⇔ CO+3H (1)
CO+HO ⇔ CO+H (2)
改質反応は吸熱反応であり、この吸熱を補償するための改質器2への熱源として燃焼器3が設けられる。燃料電池スタック1のアノード1aから排出されるアノード排気Ff3の一部を分岐した燃焼用ガスFf32(本願では、二酸化炭素回収後の燃焼用ガスFf4)が燃料として燃焼器3に供給され、そこで燃焼が行われ改質器2に熱が与えられる。
燃料電池スタック1は、アノード(負極)1a、カソード(正極)1c、および両極が挟む符号を付さない電解質で構成されるセルを積層したものである。燃料電池スタック1では、改質器2で生成された改質ガスFf2中の水素、および一酸化炭素などの燃料成分と空気Fa1中の酸素が電気化学的に反応することで発電が行われる。空気Fa1は、空気ブロワ10から供給される。
燃料電池スタック1は、例えば600℃~700℃で動作し、アノード1aからは高温のアノード排気Ff3が、カソード1cからは高温のカソード排気Fa2が排出され、その熱は後流側で利用される。燃料電池スタック1での代表的な反応式を式(3)、式(4)に示す。
アノード:H+O2- → HO+2e (3)
カソード:1/2O+2e → O2- (4)
二酸化炭素分離回収装置60は、燃焼用ガスFf32が燃焼器3に供給される途上(燃焼用ガス回路27)に設けられ、通過する燃焼用ガスFf32中の二酸化炭素を分離回収することで、燃焼器3を経由して系外に排出される二酸化炭素を抑制する。
<全体構成と機能>
つぎに、燃料電池システム100の全体構成と機能について説明する。
都市ガス等の炭化水素系の原燃料Ff0は、原燃料回路21を経て燃料電池システム100に投入され、混合器30で水蒸気FsおよびリサイクルガスFf31と混合した後、燃料ガス回路22を経由して改質器2に導入される。改質器2では、燃焼器3から熱を与えられて、水素と一酸化炭素を含む改質ガスFf2が生成される。
改質ガスFf2は改質ガス回路23を経由して、燃料電池スタック1のアノード1aに導かれ、ここで電気化学反応が行われて水素と一酸化炭素による燃料の一部が反応に消費される。反応に使われない残りの燃料は、アノード排気Ff3としてアノード排気回路24に送出され、後段で利用される。
一方、燃料電池スタック1のカソード1cには、空気ブロワ10からの空気Fa1が、熱交換器34を通り、燃焼排ガスFxと熱交換して加熱された後に供給され、ここで電気化学反応により空気Fa1中の酸素が一部消費される。カソード1cから排出されたカソード排気Fa2は、カソード排気回路12を経由して、燃焼器3に送られて燃焼の支燃ガスとして消費されたり、あるいは改質器2の加熱に利用されたりした後、燃焼排ガスFxとして大気に排出される。
燃料電池スタック1のアノード1aから排出されたアノード排気Ff3は、アノード排気回路24に導かれ、水蒸気発生器31、アノード排気凝縮器32を経由した後、分岐点42でリサイクルガスFf31と燃焼用ガスFf32に分岐する。アノード排気Ff3のうち、リサイクルガスFf31として分岐したガスは、リサイクルガス回路26を経由し混合器30へ導かれて原燃料Ff0と混合される。残りは、燃焼用ガスFf32として燃焼用ガス回路27を経由して燃焼器3へ導かれ、その途中に設けた二酸化炭素分離回収装置60で、ガス中の二酸化炭素が分離回収される。
このガスの流れを実現するために、アノード排気回路24上には循環ブロワ33が配置される。アノード排気Ff3の一部を燃料ガス回路22に戻して、燃料のリサイクルを行う方法は、燃料電池スタック1の燃料の利用率を高めて発電効率を向上させる目的があり、燃料電池システムでは良く知られた技術である。また、アノード排気Ff3の一部を燃焼して系内でエネルギを有効利用することも旧知の技術である。
アノード排気回路24の途中に設けた水蒸気発生器31は、アノード排気Ff3の熱を利用して改質反応に必要な水蒸気Fsを発生させる目的で設置され、同時にアノード排気Ff3の温度を下げる機能を合わせ持つ。
アノード排気Ff3の温度を下げる目的は、アノード排気Ff3中の水分を凝縮し、系内で水回収を行うことと、アノード排気Ff3を下流側に循環しやすくするためである。水回収のために、水蒸気発生器31の下流側にアノード排気凝縮器32が合わせて設置される。ここでアノード排気Ff3は、例えば60℃程度に冷却される。アノード排気凝縮器32で回収された水は、図示しない水処理装置で処理されて純水Fcとなり、給水回路50を通って水蒸気発生器31に送られる。このような水蒸気発生器31を含む水の循環システムは、一般的なもので公知であるため詳しい説明は省略する。
水蒸気発生器31では、純水Fcが給水回路50から導かれる。水蒸気発生器31でアノード排気Ff3から熱を与えられて発生した水蒸気Fsは、水蒸気回路51を経由して混合器30に導かれる。原燃料Ff0と水蒸気とが混合した燃料ガスは、リサイクルガスFf31と混合して燃料ガスFf1として改質器2に導かれ、ここで改質反応が行われて水素および一酸化炭素が生成される。
つぎに、理解を助けるために、燃料電池スタック1の発電効率η、アノード排気Ff3の二酸化炭素濃度に関係するいくつかの運転パラメータについて説明する。
原燃料流量Qfは、燃料電池システム100に供給される原燃料の流量、燃料利用率Ufは、燃料電池スタック1に供給される水素と一酸化炭素が燃料電池スタック1内で(電気化学反応によって)消費される割合である。また、リサイクル比αは、アノード排気Ff3が、リサイクルガスFf31として循環される割合である。
ここで、発電効率ηに関係する直接のパラメータは原燃料流量Qfであり、一定の発電出力に対して、原燃料流量Qfが少ないほど発電効率ηは高くなる。一方で原燃料流量Qfを減らすことで燃料電池スタック1に供給される改質ガスFf2の量が減り、必然的に燃料利用率Ufが高くなる。しかし、燃料利用率Ufを高くしすぎると、一部の単セル、あるいは電極面で燃料が不足する可能性が生じ、燃料電池スタック1の性能に影響するので上限があり、一般には80%を超えて運転することは望ましくない。
また、リサイクル比αも燃料利用率Ufに関係し、原燃料流量Qfが一定でも、リサイクル比αが増加すればアノード排気Ff3のリサイクル割合が増えてスタックに供給されるガスの量が実質増えるので、燃料利用率Ufが低下する。したがって、リサイクル比αを増加することは燃料利用率Ufを下げる効果があるので、燃料利用率Ufを一定以下に維持することを前提に考えれば、リサイクル比αを増加することで原燃料流量Qfを下げることができる。つまり、リサイクル比αを増加させることにより発電効率ηを上げることが可能となる。
一方で、アノード排気Ff3中の二酸化炭素濃度Ccに注目してみると、燃料利用率Ufを一定にして、リサイクル比αを増加することは、燃料のリサイクルによって二酸化炭素が濃縮されることになる。つまり、アノード排気Ff3の一定量を、燃焼器3を通して系外に排出しつつ、アノード排気Ff3のリサイクルで二酸化炭素の濃縮を定常に維持することが可能である。
この収支バランスをシミュレーションで検討した結果の一例を図2に示す。図2では、リサイクル比αを0とした場合に、燃料利用率Ufが例えば80%となる原燃料流量Qfを100%とし、燃料利用率Ufを固定してリサイクル比αを変化させた場合の二酸化炭素濃度Cc、発電効率η、原燃料流量Qf(%表示)の関係を示す。
シミュレーション結果によれば、リサイクル比αが増加するにつれて、原燃料流量Qf(実線)が減少して発電効率η(点線)が向上すること、および二酸化炭素濃度Cc(破線)が増加することを示している。収支バランスの検討で、リサイクル比αを70%程度(65%以上)に上げることにより、アノード排気Ff3中の二酸化炭素濃度Ccが70%以上(ドライベース)に濃縮することが確認された。このシミュレーション結果を実際の燃料電池スタック1と改質器2を用いて検証し、発電効率ηの向上と二酸化炭素濃縮の効果を確かめることができた。
分岐点42から分岐した燃焼用ガス回路27には、二酸化炭素分離回収装置60が設けられ、ここで二酸化炭素を分離回収することで、系外への二酸化炭素の排出を抑えることが可能となる。アノード排気Ff3中の二酸化炭素が上述したように高濃度に濃縮されているので、二酸化炭素の分離回収が比較的容易になるという点が、本願の燃料電池システム100の特徴的な効果である。
二酸化炭素の分離は、一般に分離対象のガス中の二酸化炭素濃度が高い方が、分離がし易く有利とされている。二酸化炭素の分離は、液化にしても膜分離にしても吸着分離にしても圧縮のプロセスを必要とするので、二酸化炭素濃度が高いほど圧縮に要する動力が低くなり、分離効率が良くなる。回収二酸化炭素の利用という観点では、二酸化炭素の液化分離が望ましく、二酸化炭素濃度が高ければ、比較的容易に液化分離できる。
この場合、シミュレーションと実機検証で確認できた二酸化炭素濃度Ccを70%以上とするのが望ましく、高いほど有利とされている。二酸化炭素の液化回収の方法は、工業的に行われている脱湿、圧縮、冷却液化、気液分離のプロセスが考えられる。これに限定するものではなく、効果的に二酸化炭素を液化分離できるものであれば方法を問わない。
一例を示せば、アノード排気Ff3の成分は、水素22%、一酸化炭素7%、二酸化炭素71%(ドライベース)である。このような組成のガスに対し、二酸化炭素分離回収装置60において、二酸化炭素以外の随伴ガスは、二酸化炭素液化の過程で、気液分離により分離回収される。気液分離によって分離し難いガス成分(例えば一酸化炭素)は、液化処理の手前で分離し易いガスに変換することが考えられる。水素は比較的容易に気液分離で回収される。
さて、このような二酸化炭素濃縮を行うのに、リサイクル比αが重要なパラメータとなるが、リサイクル比αを設定する方法を図1のフロー図を参考にして説明する。アノード排気Ff3は分岐点42で分岐し、一方はリサイクルガス回路26を経て混合器30へ、もう一方は燃焼用ガス回路27を経て燃焼器3に導かれるが、この流れを形成するためにアノード排気回路24上に第一の循環ブロワ33が配置される。
アノード排気Ff3は上述したように、分岐点42から、リサイクルガスFf31と燃焼用ガスFf32に分岐される。この分配比は、リサイクルガス回路26に設けた第一の流量調節器40と、燃焼用ガス回路27に設けた第二の流量調節器41のそれぞれを調整することにより変化させることが可能である。つまりリサイクル比αは、この二つの流量調節器(第一の流量調節器40、第二の流量調節器41)の調整によって、任意の値に設定することが可能である。
例えば、リサイクル比αを70%に設定したい場合、リサイクルガスFf31と燃焼用ガスFf32の流量比を7対3の比率に調整すれば良い。なお、この分配比の調整は、第一の流量調節器40と第二の流量調節器41のいずれか一方単独でもなし得る。この場合、いずれか一方を手動弁などの固定的な流量制限要素に置き換え、他方の流量調節器を調整することによって、分配比を任意に調整できる。
なお、第一の流量調節器40と第二の流量調節器41は、質量流量計と制御弁が一体となったマスフローコントローラのようなものが想定されるが、流量計と制御弁を別に組み合わせたものでも良い。
混合器30は2種類以上の気体を攪拌混合するもので、静止ミキサーとも呼ばれる。必須のものではなく、後段の配管で気体が十分混合される場合はこれを省略しても良く、水蒸気回路51とリサイクルガス回路26を直接原燃料回路21に接続、合流させるようにしても良い。あるいは、原燃料回路21に合流後に混合器30を設けても良い。
上述したように、実施の形態1にかかる燃料電池システム100は、原燃料Ff0と水蒸気Fsを反応させて水素を含む改質ガスFf2を生成する改質器2と、空気Fa1と改質ガスFf2との電気化学反応によって電気エネルギを発生させる燃料電池スタック1を備えている。そして、燃料電池スタック1のアノード排気Ff3を、リサイクルガスFf31と燃焼用ガスFf32に分岐し、リサイクルガスFf31を燃料ガス回路22に、燃焼用ガスFf32を燃焼器3に導き、さらに燃焼用ガス回路27の途中に二酸化炭素分離回収装置60を設けたものである。このため、実施の形態1の燃料電池システム100は、高い発電効率を実現し、かつアノード排気Ff3の二酸化炭素濃度を高めることで二酸化炭素の分離回収を容易にできる。
実施の形態2.
上記実施の形態1においては、流量調節器を用いてリサイクル比を制御する例について説明した。本実施の形態2では、ブロワを用いてリサイクル比を制御する例について説明する。図3は、実施の形態2にかかる燃料電池システムの構成について説明するための模式的なフロー図である。なお、リサイクル比の制御以外の構成と動作については、実施の形態1で説明したのと同様であり、同様部分の説明を省略するとともに、実施の形態1で用いた図2を援用する。
実施の形態2にかかる燃料電池システムは、実施の形態1で説明したアノード排気回路上の循環ブロワを廃し、リサイクルガス回路と燃焼用ガス回路のそれぞれに、流量調節器に代えてブロワを設けたものである。
以下、実施の形態2の燃料電池システムについて、実施の形態1との差異を中心に説明する。実施の形態2の燃料電池システム100では、図3に示すように、実施の形態1で説明したアノード排気回路24上の循環ブロワ33を廃した。そして、リサイクルガス回路26と燃焼用ガス回路27のそれぞれに、流量調節器(第一の流量調節器40と第二の流量調節器41)に代えて第二の循環ブロワ35、ブロワ36を設けたものである。
リサイクルガス回路26に第二の循環ブロワ35を、燃焼用ガス回路27にブロワ36を設けることで、アノード排気Ff3がリサイクルガスFf31と燃焼用ガスFf32に所定の割合で分流されてアノード排気Ff3の循環が形成される。つまり、実施の形態1における循環ブロワ33の役割を、この二つのブロワ(第二の循環ブロワ35、ブロワ36)が担う。
また、第二の循環ブロワ35、ブロワ36それぞれの出力を調整することによって、実施の形態1と同様に、リサイクルガスFf31と燃焼用ガスFf32の流量比を変えることができる。つまり、リサイクル比αの調整が可能である。ブロワ(第二の循環ブロワ35、ブロワ36)それぞれの出力の変更は、例えばモータ駆動の出力周波数を調整することにより可能である。あるいは、ブロワ(第二の循環ブロワ35、ブロワ36)それぞれと直列に図示しない調節弁を設け、調節弁を調整することによっても可能である。この場合、ブロワ(第二の循環ブロワ35、ブロワ36)それぞれと調節弁のセットで流量調節の機能を果たす。
上述したように、実施の形態2にかかる燃料電池システム100では、リサイクルガス回路26に第二の循環ブロワ35を、燃焼用ガス回路27にブロワ36を設けた。これによって、リサイクルガスFf31と燃焼用ガスFf32の流量比を変えることができ、リサイクル比αを調整することが可能となる。
実施の形態3.
上記実施の形態1、2においては、混合器を用いて原燃料とリサイクルガスと水蒸気を混合する例について説明した。本実施の形態3では、混合器に代えてエジェクタを用いた例について説明する。図4は、実施の形態3にかかる燃料電池システムの構成を示す模式的なフロー図である。なお、混合器に代えてエジェクタを用いたこと以外の構成と動作については、実施の形態1または2で説明したのと同様であり、同様部分の説明を省略するとともに、実施の形態1で用いた図2を援用する。
実施の形態3にかかる燃料電池システム100は、図4に示すように、実施の形態1、2で説明した混合器30の代わりに、エジェクタ38を設けたものである。以下、実施の形態3の燃料電池システム100について、実施の形態1または2との差異を中心に説明する。
実施の形態1の燃料電池システム100では、リサイクルガス回路26を混合器30に導くことで、リサイクルガスFf31が燃料ガスFf1として循環される構成であり、この循環の駆動力になるのが循環ブロワ33であった。また実施の形態2では、二つのブロワ(第二の循環ブロワ35、ブロワ36)がこの役割を担った。実施の形態3では、これらのブロワを廃するとともに、混合器30の代わりにエジェクタ38を設けた。
エジェクタ38は、水蒸気発生器31で発生した水蒸気Fsを駆動力として、原燃料Ff0、およびリサイクルガスFf31を吸引し、混合した燃料ガスFf1を改質器2へ送るものである。そのため、エジェクタ38には、水蒸気回路51が図示しない駆動流体の接続口に接続されるとともに、原燃料回路21とリサイクルガス回路26も別の接続口に接続される。
エジェクタ38を用いれば、アノード排気Ff3を循環する循環ブロワが不要になり、また原燃料Ff0の圧力が低くても原燃料Ff0を吸引することが可能になる。例えば、原燃料Ff0に低圧の都市ガスを利用する場合、特別な昇圧手段を設けなくても、エジェクタ38で都市ガスを吸引することが可能である。エジェクタ38は可動部分がないので、とくに可燃ガスを扱う場合において、信頼性の高い循環システムを実現できる。なお、この場合、必要な量の燃焼用ガスFf4が燃焼器3に供給されるように、第一の流量調節器40を調整して分岐点42の圧力を維持するか、あるいは第二の流量調節器41の代わりに図示しないブロワを挿入して調整しても良い。
なお、原燃料Ff0の圧力が高い場合、例えば中圧、高圧の都市ガスを利用する場合、図示は省略するが、エジェクタ38の駆動流体として原燃料Ff0を利用することも可能である。この場合、原燃料Ff0が駆動流体となって、水蒸気FsとリサイクルガスFf31を吸引する構成となり、同様に循環ブロワを省略できる。
上述したように、実施の形態3にかかる燃料電池システム100は、混合器30の代わりにエジェクタ38を設けたので、ブロワを不要にできる他、特別な原燃料昇圧手段を省略でき、簡素で信頼性の高いシステムを構築できる。
実施の形態4.
実施の形態4にかかる燃料電池システムでは、原燃料とは別に、外部から受け入れた再生可能エネルギの燃料(再エネ燃料)を、燃焼器、および燃料ガス回路の少なくともいずれかに導くように構成したものである。図5と図6は、実施の形態4にかかる燃料電池システムの構成、および動作について説明するためのものであり、図5は燃料電池システムの構成を示す模式的なフロー図、図6は再エネ燃料を利用したリサイクル比増加の効果を示す図として、燃料利用率を固定した際の、リサイクル比に対する発電効率、二酸化炭素濃度、原燃料流量、および再エネ燃料流量の関係を示すグラフ形式の図である。なお、図5においては、変形例として、燃料ガス回路へも再エネ燃料を導くための構成も併せて描画している。
実施の形態4にかかる燃料電池システム100は、図5に示すように、再エネ燃料Frを燃焼器3に導く燃焼用再エネ燃料回路71を設けたものである。以下、実施の形態4の燃料電池システム100について、実施の形態1~3との差異を中心に説明する。
実施の形態1において、リサイクル比αの効果として、図2を用い、リサイクル比αを増加させることにより、原燃料流量Qfを減らし発電効率ηが向上すること、同時にアノード排気Ff3の二酸化炭素濃度Ccが増加することを説明した。
一方で、リサイクル比αを増加させることにより、燃焼用ガス回路27を経て燃焼器3に導かれる燃焼用ガスFf32の量が減り、それに伴って燃焼器3の燃焼量が低減する。燃焼器3の燃焼によって、改質器2の反応に必要な熱が与えられるので、必要以上に燃焼量が減れば、改質器2の反応を維持することができなくなり、改質器2は機能を果たせなくなる。つまりシステムの熱バランスが保たれなくなる。
つまり燃料電池スタック1の燃料利用率Ufを一定にする条件でリサイクル比αを増加させることは、熱バランス上で限界がある。そのため、リサイクル比αの熱バランス上の上限を上限値α0とすれば、リサイクル比αを上限値α0以上に増やして発電効率ηを向上させたり、アノード排気Ff3の二酸化炭素濃度Ccを増加させたりすることはできない。燃料利用率Ufにもよるが、例えばリサイクル比αとして65~70%程度が熱バランス上の限界(上限値α0)となる。
燃焼量が不足する場合、燃焼を原燃料Ff0で補うことも考えられるが、原燃料Ff0は炭化水素系燃料なので、燃焼後に二酸化炭素が燃焼排ガスFx中に含まれることになり、二酸化炭素の排出抑制にはならない。
それに対して実施の形態4では、再エネ燃料Frを燃焼器3に導くように構成したので、リサイクル比αを増加させるのに制限がなくなり、リサイクル比αの増加に応じてアノード排気Ff3の二酸化炭素濃度Ccを増加させることが可能となる。つまり、リサイクル比αの増加によって燃焼器3の燃焼量が不足しても、再エネ燃料Frが不足熱量を補うことができ、リサイクル比αの制限がなくなる。例えば、リサイクル比αを80%以上に上げて、二酸化炭素濃度Ccを80%以上に濃縮することが可能である。
この場合、発電効率ηは、原燃料流量Qfをベースに考えれば、リサイクル比αの増加とともに増加する。ただし、再エネ燃料Frの投入量を原燃料Ff0に加えて発電効率ηを評価すれば、図6に示すように再エネ燃料Frの流量(再エネ燃料流量Qr)を増加する時点からの発電効率ηの向上はない。つまり、再エネ燃料Fr投入後の発電効率ηは、リサイクル比αの増加に関わらずほぼ一定となる。二酸化炭素濃度Ccは、再エネ燃料Frの投入有無にかかわらず、リサイクル比αの増加により確実に増加する。
実施の形態1において、二酸化炭素濃度Ccを70%程度以上に濃縮すれば、二酸化炭素の分離回収が容易であることを述べた。つまり、リサイクル比αを少なくとも65%以上に高めることにより、二酸化炭素の分離回収が容易なレベルに二酸化炭素を濃縮できる。再エネ燃料Frを利用することにより、さらなる濃縮ができれば、さらに二酸化炭素の分離回収が容易になり、メリットが大きい。ただし、循環量が増えることで循環動力が増加したり、圧力損失が過大になったりすることがあり、再エネ燃料Frを利用することで上限値α0を超えたリサイクル比αの設定は可能であるが、システム上の限界(限界値α)以下に保つ必要はある。
変形例.
なお、図5には、変形例として、再エネ燃料Frを、燃焼器3とは別に混合器30に導き、原燃料に投入する例も描画している。つまり、再エネ燃料Frを流通させる回路として、上述した再エネ燃料回路70から燃焼器3へ導く燃焼用再エネ燃料回路71の代わりに、混合器30へ導く原料用再エネ燃料回路72を設けた。
リサイクル比αの増加によって燃焼器3の燃焼量が不足する場合、再エネ燃料Frを燃料ガス回路22に投入することによっても、系内で循環して燃焼器3に熱量が与えられるので、燃焼器3に直接投入する場合と同等の効果が得られる。なお、再エネ燃料Frは、例えば、図5のように再エネ燃料回路70から燃焼器3へ導く燃焼用再エネ燃料回路71と、混合器30へ導く原料用再エネ燃料回路72とに分岐する分岐点43を設けるようにしてもよい。つまり、燃焼器3か混合器30のいずれかではなく、両方に供給しても良い。
なお、再エネ燃料とは、二酸化炭素を排出しない燃料のことで、例えば再生エネルギ電源(再エネ電源)で製造した水素[グリーン水素]、アンモニア[グリーンアンモニア]、あるいはバイオガスなどである。再エネ電源で製造した、炭化水素系のガス燃料あるいは液体燃料でも良い。
上述したように、実施の形態4にかかる燃料電池システム100は、外部から受け入れた再エネ燃料Frを、燃焼器3、および燃料ガス回路22の少なくともいずれかに導くように構成した。そのため、改質器2の熱量バランスを考慮することなく、リサイクル比αを増加させて、アノード排気Ff3の二酸化炭素濃度Ccを上げることが可能である。
実施の形態5.
実施の形態5にかかる燃料電池システムでは、アノード排気回路上、あるいは燃焼用ガス回路上の二酸化炭素分離回収装置の上流側に、CO変成器を設けたものである。図7は、実施の形態5にかかる燃料電池システムの構成を示す模式的なフロー図である。なお、CO変成器を設けたこと以外の構成と動作については、上述した実施の形態1~4で説明したのと同様であり、同様部分の説明を省略するとともに、実施の形態1で用いた図2、あるいは実施の形態4で用いた図6を援用する。
実施の形態5にかかる燃料電池システム100は、図7に示すように、アノード排気回路24上にCO変成器61を設けたものである。あるいは、描画とは異なるが、燃焼用ガス回路27上における二酸化炭素分離回収装置60の上流側にCO変成器61を設けたものである。以下、実施の形態5の燃料電池システム100について、実施の形態1、2との差異を中心に説明する。
実施の形態1で二酸化炭素分離回収装置60の例を示したように、二酸化炭素の液化過程で、随伴ガスである水素と一酸化炭素が、気液分離により二酸化炭素から分離される。分離された水素と一酸化炭素は、後段の燃焼器3に送られて燃料として利用される。分離された水素と一酸化炭素は、改質器2に必要な熱を与えるための燃料となるので、二酸化炭素分離回収装置60では、水素と一酸化炭素が損失無く分離されることが望ましい。
ここで、水素に比べて一酸化炭素は比較的分離が難しいとされ、とくに二酸化炭素の液化分離を行う場合、一酸化炭素の一部が液体二酸化炭素に溶解し、これに伴って液体二酸化炭素の純度が下がるとともに、一酸化炭素のロスが発生する。また、分離された一酸化炭素は燃焼器3で燃焼されて二酸化炭素として大気に排出されるので、二酸化炭素排出抑制の点でも望ましくない。
それに対して実施の形態5では、このような一酸化炭素のロスを避けるために、アノード排気Ff3を二酸化炭素分離回収装置60に導く回路上(上流側)に、CO変成器61を設けた。具体的な場所は、図7に示すようなアノード排気回路24上におけるアノード排気凝縮器32の上流側か、あるいは燃焼用ガス回路27上における二酸化炭素分離回収装置60の上流側である。
CO変成器61では、式(5)に示すシフト反応により一酸化炭素と水蒸気を水素と二酸化炭素に変換する。
CO+HO ⇔ CO+H (5)
シフト反応により、一酸化炭素が水素に変換されるので、二酸化炭素分離回収装置60での分離が容易になる。また、一酸化炭素から水素への変換は、エネルギ的なロスが少なく、燃焼器3における燃焼量への影響は抑えられ、かつ大気への二酸化炭素排出が抑制される。
CO変成器61のシフト反応は、式(5)に示すように、一酸化炭素と同等の水蒸気を必要とし、且つ200℃前後の反応温度を必要とする。このため、アノード排気回路24上におけるアノード排気凝縮器32の上流側に設置することが、反応に必要な温度と水蒸気(量)の条件を満たす上で望ましい。
また、CO変成器61の負荷を減らすために、燃焼用ガス回路27上における二酸化炭素分離回収装置60の上流側に設置することも考えられる。この回路のガス温度は低いので、シフト反応を行うのに加熱を行う必要があるが、CO変成器61の負荷は数分の一に、正確には(1―α)倍に低減する。
なお、シフト反応は発熱反応であり、反応の効率を上げるために温度の過上昇を抑制する必要があり、CO変成器61の冷却を行うことが望ましい。例えば、冷却媒体として水蒸気回路51より水蒸気Fsを導くことが考えられ、この場合、反応熱はそのまま水蒸気Fsに転嫁され、系内で回収される。CO変成器61の温度管理は既知の技術であるため、詳細な説明と図示は省略する。
上述したように、実施の形態5にかかる燃料電池システム100は、アノード排気Ff3を二酸化炭素分離回収装置60に導く回路の途中にCO変成器61を導入した。そのため、アノード排気Ff3に含まれる一酸化炭素が除かれ、二酸化炭素の効果的な分離回収を行うことが可能となる。
実施の形態6.
本実施の形態6にかかる燃料電池システムは、アノード排気に含まれる水分の凝縮を制限することで、原燃料への水蒸気の供給を省略したものである。図8は、実施の形態6にかかる燃料電池システムの構成を示す模式的なフロー図である。なお、水蒸気発生器を省略したこと以外の構成と動作については、上述した実施の形態1~5で説明したのと同様であり、同様部分の説明を省略するとともに、実施の形態1で用いた図2、あるいは実施の形態4で用いた図6を援用する。
実施の形態6にかかる燃料電池システム100は、図8に示すように、図1等で示したアノード排気回路24上のアノード排気凝縮器32(および水蒸気発生器31)の代わりにアノード排気冷却器37を設けたものである。以下、実施の形態7の燃料電池システムについて、実施の形態1、2との差異を中心に説明する。
実施の形態1、2では、給水回路50から純水Fcが水蒸気発生器31に導かれ、そこで発生した水蒸気Fsが混合器30に導かれ、原燃料Ff0に混合する構成を示した。水蒸気Fsは、改質器2の改質反応(式(1)、式(2))に必要な成分であるが、アノード排気Ff3のリサイクルを行う場合、元々アノード排気Ff3に水蒸気が含まれている。そのため、アノード排気凝縮器32で水分を凝縮しなくても、リサイクル比αに相当する割合の水蒸気は、リサイクルガス回路26を通って燃料ガス回路22に循環される。
この場合、リサイクル比αが小さいと、必要な水蒸気の一部しか供給されないが、リサイクル比αがある程度以上になれば、改質反応に必要な水蒸気の全量がリサイクルガスFf31に含まれて供給されるようになる。例えば、アノード排気Ff3には55%程度の水蒸気が含まれるが、リサイクル比αが60%以上ではアノード排気Ff3中の水蒸気の60%以上がリサイクルされ、この量は改質反応に必要な水蒸気の全量を賄うことができる。つまり、リサイクル比αをある程度以上に増やすことにより、リサイクルのみで改質反応に必要な水蒸気を賄うことができるので、実施の形態1、2に示す水蒸気発生器31とアノード排気凝縮器32、および水蒸気回路51を省略することができる。
なお、循環系を構成するための循環ブロワ、あるいは流量調節器を用いる場合は、アノード排気Ff3の温度を下げる必要があり、このためにアノード排気凝縮器32の代わりに、アノード排気冷却器37が設置される。アノード排気冷却器37では、アノード排気Ff3を、水蒸気が凝縮しない程度の温度、例えば85~90℃に冷却する。
上述したように、実施の形態6にかかる燃料電池システム100は、アノード排気Ff3に含まれる水分の凝縮を制限し、リサイクルガスFf31が有する水蒸気を有効利用して水蒸気が循環するように構成した。そのため、原燃料Ff0に水蒸気Fsを供給するための手段(水蒸気発生器31とアノード排気凝縮器32、および水蒸気回路51など)を省略でき、簡素なシステムを構築することができる。
実施の形態7.
実施の形態7では、燃料電池システムの機能、動作に必要な制御装置、および調節器、測定器等を追加して、具体的な制御系の構成を説明するものである。図9は、実施の形態7にかかる燃料電池システムの構成を示す模式的なフロー図である。制御装置、調節器、測定器等の追加以外の構成と動作については、上述した実施の形態1~6で説明したのと同様であり、同様部分の説明を省略する。
実施の形態7にかかる燃料電池システム100は、図9に示すように、実施の形態1~6で説明したシステムに対し、制御装置80をはじめ、各種流体の流量とスタック出力の制御に必要な機器を追加したものである。以下、実施の形態7の燃料電池システムについて、実施の形態1、2、4との差異を中心に説明する。
燃料電池システム100は、制御装置80(図中、「CTR」と表示)を備え、原燃料回路21に原燃料流量調節器82、燃料電池スタック1に出力測定器81を備える。そして、制御装置80は、原燃料流量調節器82と出力測定器81、および第一の流量調節器40と第二の流量調節器41それぞれと信号で連携する。また、水蒸気回路51を通じて水蒸気Fsを供給する場合は、水蒸気回路51に水蒸気流量調節器86を備え、制御装置80と信号で連携する。
燃料電池システム100において、リサイクル比αを調整する際の重要なポイントは、燃料電池スタック1の燃料利用率Ufを、ある一定の値に、あるいはある範囲内に維持しつつ、原燃料流量Qfを制御することである。実施の形態1で述べたように、リサイクル比αを増加させることによって発電効率ηおよびアノード排気Ff3の二酸化炭素濃度Ccを増加させるには、燃料利用率Ufが下がらないように、原燃料流量Qfを減らす必要がある。
燃料利用率Ufは燃料電池スタック1の出力Poと原燃料流量Qfの関係で決まり、ある一定の出力Poと一定のリサイクル比αの条件に対して、燃料利用率Ufを維持するために必要な原燃料流量Qfの値は一義的に定まる。出力Poと燃料利用率Ufが一定の場合のリサイクル比αと原燃料流量Qfの関係は図2で説明した通りである。
上述したことを踏まえ、燃料電池システム100の具体的な運転制御について説明する。燃料電池システム100は、図示しない出力制御装置から燃料電池スタック1に出力指令が出されて、所定の出力Poで運転される。このとき、出力Poに応じて原燃料流量Qfおよびリサイクル比αの調整が行われる。
具体的には、制御装置80より、原燃料流量調節器82、第一の流量調節器40、第二の流量調節器41に対して指令が発せられ、原燃料流量Qfとリサイクル比αの制御が行われる。制御装置80は、燃料電池スタック1の出力Poに対応して燃料利用率Ufが一定に維持されるような原燃料流量Qfとリサイクル比αの関数を持っているので、所定のリサイクル比αを設定することで、原燃料流量Qfが自動的に制御される。
リサイクル比αの値は、制御装置80で任意に設定されるが、発電効率ηおよび二酸化炭素濃度Ccの点で高い値に設定されることが望ましい。ただし改質器2の熱バランスが維持されるための上限値α0があり、このため、例えば改質器2の温度を監視しながら、上限値α0を設定することが考えられる。あるいは、予め出力Poに対する上限値α0を求めておいて、常にこの値で自動運転を行う方法が考えられる。改質器2の熱バランスを維持できる上限値α0は、実施の形態4で説明したように65~70%程度であるが、この値は燃料電池スタック1、およびシステムの特性で変わる。
なお、改質反応には原燃料Ff0の量に対応した水蒸気Fsの供給が必要であり、原燃料流量の制御と同時に水蒸気流量の制御が必要である。このため、原燃料流量調節器82への指令と同時に、水蒸気流量調節器86にも指令が発せられる。ただし、水蒸気回路51を持たない実施の形態6の場合は、これに該当しない。
また、実施の形態4で説明した再エネ燃料Frを導入する場合においては、新たな制御要素が必要で、燃焼用再エネ燃料回路71に燃焼用再エネ燃料流量調節器84、または原料用再エネ燃料回路72に原料用再エネ燃料流量調節器85が設置される。
再エネ燃料Frを導入するのは、改質器2の反応に必要な熱が不足する場合であり、リサイクル比αが上述の上限値α0を超える場合である。上限値α0を超えてリサイクル比αを増加させる目的は、アノード排気Ff3の二酸化炭素濃度Ccをさらに上げるためであり、図6を用いて説明した通りである。追加の燃料は再エネ燃料Frなので、これによる二酸化炭素の排出はない。
この場合の具体的な制御方法について説明する。
リサイクル比αを増加させて改質器2の熱バランスが取れなくなった場合、追加で制御装置80より、燃焼用再エネ燃料流量調節器84、または原料用再エネ燃料流量調節器85に対して指令が出され、改質器2の反応に必要な熱を補う。これによって、さらなる二酸化炭素の濃縮が可能となる。
上限値α0を超えてリサイクル比αを増加させる場合、原燃料流量Qfを減らしつつ、改質器2の温度を監視しながら、燃焼用再エネ燃料流量調節器84、または原料用再エネ燃料流量調節器85を制御する。あるいは、予め上限値α0を超える領域でリサイクル比αと再エネ燃料流量の関係を求めておいて、リサイクル比αを設定することで再エネ燃料Frの流量を自動で調整することが考えられる。さらには、上限値α0を超える領域で予め出力Poに対するリサイクル比αの値を定めておいて、常にこの値で自動運転を行う方法が考えられる。
なお、再エネ燃料Frを入手できない場合は、リサイクル比αは上限値α0で運転することになる。また再エネ燃料Frを利用できる場合でも、リサイクル比αが高くなりすぎれば、リサイクルガスFf31が大量に循環されることになる。その結果、改質ガスFf2中の水素濃度が下がって燃料電池スタック1の性能に悪影響が出ることが考えられること、さらに循環量が増えることで循環動力が増加したり、圧力損失が過大になったりすることが考えられる。このため、実施の形態4で説明したように、再エネ燃料Frを使用してもリサイクル比αの増加には限界(限界値α)があり、最大でも90%程度と予想される。限界値αは燃料電池スタック1、およびシステムの特性によっても変わる。
再エネ燃料Frは、燃焼器3に供給して直接燃焼しても良いし、または混合器30に供給して原燃料Ff0に混合しても良く、また両方に供給しても良い。原燃料Ff0に混合した場合、再エネ燃料Frが、燃料電池スタック1の反応に使われることと、燃料電池スタック1で消費された残りの再エネ燃料が循環して燃焼器3に供給されることになる。そのため、結果的に原燃料流量Qfを削減でき、アノード排気Ff3の二酸化炭素濃度Ccを増加できる。
なお、燃料電池システム100において、マイコンを用いたソフトウェアで演算処理の実行部分を構成する場合、制御装置80は、図10に示すようにプロセッサ801と記憶装置802を備えたひとつのマイコン800によって構成することも考えられる。記憶装置802は、図示していないが、ランダムアクセスメモリ等の揮発性記憶装置と、フラッシュメモリ等の不揮発性の補助記憶装置とを具備する。
また、フラッシュメモリの代わりにハードディスクの補助記憶装置を具備してもよい。プロセッサ801は、記憶装置802から入力されたプログラムを実行する。この場合、補助記憶装置から揮発性記憶装置を介してプロセッサ801にプログラムが入力される。また、プロセッサ801は、演算結果等のデータを記憶装置802の揮発性記憶装置に出力してもよいし、揮発性記憶装置を介して補助記憶装置にデータを保存してもよい。
上述したように、実施の形態7にかかる燃料電池システム100は、実施の形態1~6の燃料電池システム100に対し、機能、動作に必要な制御装置80をはじめ、各種流体の流量とスタック出力の制御に必要な機器を追加したものである。実施の形態7にかかる燃料電池システム100は、リサイクル比αを制御することで、原燃料Ff0の消費を抑えて発電効率ηを向上するとともに、二酸化炭素を濃縮することが可能となる。また、再エネ燃料Frを利用することで、さらなる二酸化炭素の濃縮が可能となる。
なお、実施の形態1から実施の形態7においては、いずれも燃料電池スタック1として固体酸化物形燃料電池を適用した例を示したが、これに限ることはない。例えば、溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC:Molten Carbonate Fuel Cell)など、運転温度が水の沸点(例えば、100℃)以上の高温型燃料電池と称される他の燃料電池も利用可能である。とくに、MCFCにおいては、反応に伴って二酸化炭素が空気極側から燃料極側に移動し、燃料極側では、燃料の消費による二酸化炭素濃度の上昇よりもさらに高い濃度になるとともに、空気極側には二酸化炭素を供給する必要がある。そのため、本願の二酸化炭素回収技術はさらに重要になる。
また、実施の形態1から実施の形態7において、原燃料Ff0に、食品廃棄物、畜産廃棄物、下水等の有機物由来のバイオガスを利用することが可能で、この場合でも実施の形態1から実施の形態7と同じ機能が実現できる。この場合、バイオガスを利用すること自体でカーボンゼロの発電システムとなるが、さらに回収二酸化炭素を地中化および建設資材化などで固定化できれば、カーボンネガティブとなり、さらに社会性の高いシステムを構築できる。
なお、本願は、様々な例示的な実施の形態および実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、および機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。したがって、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
以上のように、本願の燃料電池システム100によれば、炭化水素を含む原燃料Ff0と水蒸気Fsとを改質反応させて水素を含む改質ガスFf2を生成する改質器2、熱を改質器2に与える燃焼器3、空気Fa1と改質ガスFf2との電気化学反応によって電気エネルギを発生させ、直流電力を出力する燃料電池スタック1、燃料電池スタック1のアノード1aから排出されたアノード排気Ff3を受け入れ、原燃料Ff0に混合して循環させるリサイクルガスFf31として導くリサイクルガス回路26と、燃焼器3の燃焼に用いる燃焼用ガスFf32として導く燃焼用ガス回路27とに途中で分岐する分岐点42を有するアノード排気回路24、および燃焼用ガス回路27に設けられ、燃焼用ガスFf32に含まれる二酸化炭素を分離回収する二酸化炭素分離回収装置60、を備えるようにした。これにより、リサイクルガスFf31中の二酸化炭素濃度Ccを高く保つことができるので、効率よく二酸化炭素を分離、回収できる。さらに、アノード排気Ff3全量を処理対象とした場合よりも処理ガス量が少なくなるので、過大な二酸化炭素分離回収装置を必要とせず、回収に必要な動力が低減できる。
リサイクルガス回路26、および燃焼用ガス回路27の少なくとも一方に設けられ、アノード排気Ff3の量に対するリサイクルガスFf31の量の比(リサイクル比α)を調整する流量調整器(第一の流量調節器40、第二の流量調節器41)を備えれば、容易にリサイクル比αを調節できる。
アノード排気回路24の分岐点42の上流側に設けられた循環ブロワ33を備えることで、リサイクルガスFf31を容易に原燃料Ff0に混合でき、流量調整も容易になる。
あるいは、リサイクルガス回路26、および燃焼用ガス回路27それぞれに設けられ、アノード排気Ff3の量に対するリサイクルガスFf31の量の比(リサイクル比α)を調整するブロワ(第二の循環ブロワ35、ブロワ36)を備えることでもリサイクルガスFf31を容易に原燃料Ff0に混合でき、流量調整も容易になる。
改質反応に用いる水蒸気Fsを駆動流体とし、原燃料Ff0とリサイクルガスFf31を吸引して、改質器2に導くエジェクタ38を備えるようにすれば、ブロワを用いなくてもリサイクルガスFf31を容易に原燃料Ff0に混合できる。
アノード排気回路24の分岐点42の上流側、あるいは分岐点42と二酸化炭素分離回収装置60との間に設けられ、一酸化炭素をシフト反応によって水素に変換するCO変成器61を備えるようにすれば、二酸化炭素の分離回収性が向上し、二酸化炭素の大気排出量を抑制できる。
リサイクルガスFf31は、改質反応に対応する量の水蒸気を含んだ状態で原燃料Ff0に混合されるように構成すれば、水蒸気Fsを生成するための機器を省略でき、システムの簡素化が図れる。
システム内の機器を連携制御する制御装置80、燃料電池スタック1の出力Poを計測する出力測定器81、および原燃料Ff0の流量(原燃料流量Qf)を調節する原燃料流量調節器82、を備え、制御装置80は燃料電池スタック1における燃料利用率Ufが一定範囲内(例えば、70~80%)に収まり、かつアノード排気Ff3の量に対するリサイクルガスFf31の量の比(リサイクル比α)が改質反応による吸熱と燃焼器3による発熱との熱バランスから設定された上限値α0を超えないように、出力Poに応じて流量(原燃料流量Qf)を調整するように構成すれば、熱バランスを損なうことなく二酸化炭素濃度Ccを最大限にして、効率よく二酸化炭素の分離、回収を行える。
再生可能エネルギ燃料(再エネ燃料Fr)を、燃焼器3および改質器2の少なくともいずれかに導く再生可能エネルギ燃料回路(再エネ燃料回路70)を備えれば、二酸化炭素の発生を増加させることなく、改質器2の熱バランスの制約を考慮せず、リサイクル比αを設定できる。
その際、システム内の機器を連携制御する制御装置80、燃料電池スタック1の出力Poを計測する出力測定器81、原燃料Ff0の流量(原燃料流量Qf)を調節する原燃料流量調節器82、および再生可能エネルギ燃料(再エネ燃料Fr)の流量(再エネ燃料流量Qr)を調整する第二流量調節器(燃焼用再エネ燃料流量調節器84、および原料用再エネ燃料流量調節器85の少なくともいずれか)、を備え、制御装置80は、燃料電池スタック1における燃料利用率Ufが一定範囲内に収まり、かつアノード排気Ff3の量に対するリサイクルガスFf31の量の比(リサイクル比α)が改質反応による吸熱と燃焼器3による発熱との熱バランスから設定された上限値α0を超え(上限値α0より高く、限界値αL以下の値)、改質器2の熱バランスが取れるように出力Poに応じて流量(原燃料流量Qfと再エネ燃料流量Qr)を調整するように構成すれば、さらに二酸化炭素濃度を上昇させ効率よく二酸化炭素の分離、回収を行える。
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)
炭化水素を含む原燃料と水蒸気とを改質反応させて水素を含む改質ガスを生成する改質器、
熱を前記改質器に与える燃焼器、
空気と前記改質ガスとの電気化学反応によって電気エネルギを発生させ、直流電力を出力する燃料電池スタック、
前記燃料電池スタックのアノードから排出されたアノード排気を受け入れ、前記原燃料に混合して循環させるリサイクルガスとして導くリサイクルガス回路と、前記燃焼器の燃焼に用いる燃焼用ガスとして導く燃焼用ガス回路とに途中で分岐する分岐点を有するアノード排気回路、および
前記燃焼用ガス回路に設けられ、前記燃焼用ガスに含まれる二酸化炭素を分離回収する二酸化炭素分離回収装置、
を備えたことを特徴とする燃料電池システム。
(付記2)
前記リサイクルガス回路、および前記燃焼用ガス回路の少なくとも一方に設けられ、前記アノード排気の量に対する前記リサイクルガスの量の比を調整する流量調整器を備えたことを特徴とする付記1に記載の燃料電池システム。
(付記3)
前記アノード排気回路の前記分岐点の上流側に設けられた循環ブロワを備えたことを特徴とする付記1または付記2に記載の燃料電池システム。
(付記4)
前記リサイクルガス回路、および前記燃焼用ガス回路それぞれに設けられ、前記アノード排気の量に対する前記リサイクルガスの量の比を調整するブロワを備えたことを特徴とする付記1に記載の燃料電池システム。
(付記5)
前記水蒸気を駆動流体とし、前記原燃料と前記リサイクルガスを吸引して、前記改質器に導くエジェクタを備えたことを特徴とする付記1または付記2に記載の燃料電池システム。
(付記6)
前記アノード排気回路の前記分岐点の上流側、あるいは前記分岐点と前記二酸化炭素分離回収装置との間に設けられ、一酸化炭素をシフト反応によって水素に変換するCO変成器を備えたことを特徴とする付記1から付記5のいずれか1に記載の燃料電池システム。
(付記7)
前記リサイクルガスは、前記改質反応に対応する量の水蒸気を含んだ状態で前記原燃料に混合されることを特徴とする付記1から付記6のいずれか1に記載の燃料電池システム。
(付記8)
システム内の機器を連携制御する制御装置、
前記燃料電池スタックの出力を計測する出力測定器、および
前記原燃料の流量を調節する流量調節器、を備え、
前記制御装置は前記燃料電池スタックにおける燃料利用率が一定範囲内に収まり、かつ前記アノード排気の量に対する前記リサイクルガスの量の比が前記改質反応による吸熱と前記燃焼器による発熱との熱バランスが維持可能なように、前記出力に応じて前記流量を調整することを特徴とする付記1から付記7のいずれか1に記載の燃料電池システム。
(付記9)
再生可能エネルギ燃料を、前記燃焼器および前記改質器の少なくともいずれかに導く再生可能エネルギ燃料回路を備えたことを特徴する付記1から付記7のいずれか1に記載の燃料電池システム。
(付記10)
システム内の機器を連携制御する制御装置、
前記燃料電池スタックの出力を計測する出力測定器、
前記原燃料の流量を調節する流量調節器、および
前記再生可能エネルギ燃料の流量を調整する第二流量調節器、を備え、
前記制御装置は、前記燃料電池スタックにおける燃料利用率が一定範囲内に収まり、かつ前記アノード排気の量に対する前記リサイクルガスの量の比の上限を超えても改質器の熱バランスが取れるように、前記出力に応じてリサイクルガス量と前記原燃料の流量と前記再生可能エネルギ燃料の流量を調整することを特徴とする付記9に記載の燃料電池システム。
1:燃料電池スタック、 100:燃料電池システム、 1a:アノード、 1c:カソード、 2:改質器、 21:原燃料回路、 22:燃料ガス回路、 23:改質ガス回路、 24:アノード排気回路、 26:リサイクルガス回路、 27:燃焼用ガス回路、 3:燃焼器、 30:混合器、 31:水蒸気発生器、 32:アノード排気凝縮器、 33:循環ブロワ、 35:第二の循環ブロワ、 36:ブロワ、 37:アノード排気冷却器、 38:エジェクタ、 40:第一の流量調節器、 41:第二の流量調節器、 42:分岐点、 43:分岐点、 60:二酸化炭素分離回収装置、 61:CO変成器、 70:再エネ燃料回路、 71:燃焼用再エネ燃料回路、 72:原料用再エネ燃料回路、 80:制御装置、 81:出力測定器、 82:原燃料流量調節器、 84:燃焼用再エネ燃料流量調節器、 85:原料用再エネ燃料流量調節器、 86:水蒸気流量調節器、 Fa1:空気、 Fa2:カソード排気、 Ff1:燃料ガス、 Ff2:改質ガス、 Ff3:アノード排気、 Ff31:リサイクルガス、 Ff32:燃焼用ガス、 Fr:再エネ燃料、 Fx:燃焼排ガス、 Qf:原燃料流量、 Qr:再エネ燃料流量、 Uf:燃料利用率、 α:リサイクル比。

Claims (12)

  1. 炭化水素を含む原燃料と水蒸気とを改質反応させて水素を含む改質ガスを生成する改質器、
    熱を前記改質器に与える燃焼器、
    空気と前記改質ガスとの電気化学反応によって電気エネルギを発生させ、直流電力を出力する燃料電池スタック、
    前記燃料電池スタックのアノードから排出されたアノード排気を受け入れ、前記原燃料に混合して循環させるリサイクルガスとして導くリサイクルガス回路と、前記燃焼器の燃焼に用いる燃焼用ガスとして導く燃焼用ガス回路とに途中で分岐する分岐点を有するアノード排気回路
    前記燃焼用ガス回路に設けられ、前記燃焼用ガスに含まれる二酸化炭素を分離回収する二酸化炭素分離回収装置、
    システム内の機器を連携制御する制御装置、
    前記燃料電池スタックの出力を計測する出力測定器、および
    前記原燃料の流量を調節する流量調節器、を備え、
    前記制御装置は、前記燃料電池スタックにおける燃料利用率が一定範囲内に収まり、かつ前記アノード排気の量に対する前記リサイクルガスの量の比が前記改質反応による吸熱と前記燃焼器による発熱との熱バランスが維持可能なように、前記出力に応じて前記流量を調整することを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記リサイクルガス回路、および前記燃焼用ガス回路の少なくとも一方に設けられ、前記アノード排気の量に対する前記リサイクルガスの量の比を調整する流量調整器を備えたことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記アノード排気回路の前記分岐点の上流側に設けられた循環ブロワを備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記リサイクルガス回路、および前記燃焼用ガス回路それぞれに設けられ、前記アノード排気の量に対する前記リサイクルガスの量の比を調整するブロワを備えたことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  5. 前記水蒸気を駆動流体とし、前記原燃料と前記リサイクルガスを吸引して、前記改質器に導くエジェクタを備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池システム。
  6. 前記アノード排気回路の前記分岐点の上流側、あるいは前記分岐点と前記二酸化炭素分離回収装置との間に設けられ、一酸化炭素をシフト反応によって水素に変換するCO変成器を備えたことを特徴とする請求項1、2、4のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  7. 前記アノード排気回路の前記分岐点の上流側、あるいは前記分岐点と前記二酸化炭素分離回収装置との間に設けられ、一酸化炭素をシフト反応によって水素に変換するCO変成器を備えたことを特徴とする請求項5に記載の燃料電池システム。
  8. 前記リサイクルガスは、前記改質反応に対応する量の水蒸気を含んだ状態で前記原燃料に混合されることを特徴とする請求項1、2、4のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  9. 前記リサイクルガスは、前記改質反応に対応する量の水蒸気を含んだ状態で前記原燃料に混合されることを特徴とする請求項6項に記載の燃料電池システム。
  10. 再生可能エネルギ燃料を、前記燃焼器および前記改質器の少なくともいずれかに導く再生可能エネルギ燃料回路を備えたことを特徴する請求項1、2、4のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  11. 炭化水素を含む原燃料と水蒸気とを改質反応させて水素を含む改質ガスを生成する改質器、
    熱を前記改質器に与える燃焼器、
    空気と前記改質ガスとの電気化学反応によって電気エネルギを発生させ、直流電力を出力する燃料電池スタック、
    前記燃料電池スタックのアノードから排出されたアノード排気を受け入れ、前記原燃料に混合して循環させるリサイクルガスとして導くリサイクルガス回路と、前記燃焼器の燃焼に用いる燃焼用ガスとして導く燃焼用ガス回路とに途中で分岐する分岐点を有するアノード排気回路、
    前記燃焼用ガス回路に設けられ、前記燃焼用ガスに含まれる二酸化炭素を分離回収する二酸化炭素分離回収装置、
    再生可能エネルギ燃料を、前記燃焼器および前記改質器の少なくともいずれかに導く再生可能エネルギ燃料回路、
    システム内の機器を連携制御する制御装置、
    前記燃料電池スタックの出力を計測する出力測定器、
    前記原燃料の流量を調節する流量調節器、および
    前記再生可能エネルギ燃料の流量を調整する第二流量調節器、を備え、
    前記制御装置は、前記燃料電池スタックにおける燃料利用率が一定範囲内に収まり、かつ前記アノード排気の量に対する前記リサイクルガスの量の比の上限を超えても改質器の熱バランスが取れるように、前記出力に応じてリサイクルガス量と前記原燃料の流量と前記再生可能エネルギ燃料の流量を調整することを特徴とする燃料電池システム。
  12. 前記リサイクルガス回路、および前記燃焼用ガス回路の少なくとも一方に設けられ、前記アノード排気の量に対する前記リサイクルガスの量の比を調整する流量調整器を備えたことを特徴とする請求項11に記載の燃料電池システム。
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