本発明は、細胞又は哺乳動物においてLPA遺伝子の発現を調節するための組成物及び方法に関する。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、apo(a)タンパク質をコードするLPA遺伝子から転写されるmRNAを標的化し、且つ細胞又は哺乳動物においてapo(a)発現を低減させるRNAiコンストラクトを含む。このようなRNAiコンストラクトは、Lp(a)血清レベルを低減させ、アテローム性動脈硬化症、冠動脈疾患、末梢動脈疾患、大動脈弁狭窄症などの様々な形態の心血管疾患を治療又は予防し、心筋梗塞又は脳卒中のリスクを低減させるのに有用である。
本明細書で使用する場合、「RNAiコンストラクト」という用語は、細胞に導入されるとRNA干渉機構を介して標的遺伝子(例えば、LPA遺伝子)の発現を下方制御することができるRNA分子を含む薬剤を指す。RNA干渉は、核酸分子が、例えば、RNA誘導サイレンシング複合体(RISC)経路を介して、配列特異的な様式で標的RNA分子(例えば、メッセンジャーRNA又はmRNA分子)の切断及び分解を誘導するプロセスである。いくつかの実施形態では、RNAiコンストラクトは、ハイブリダイズして二重鎖領域を形成するのに十分なほど互いに相補的な、連続したヌクレオチドの2本の逆平行鎖を含む二本鎖RNA分子を含む。「ハイブリダイズする」又は「ハイブリダイゼーション」は、典型的には、2つのポリヌクレオチドにおける相補的な塩基間の水素結合(例えば、ワトソン-クリック、フーグスティーン又は逆フーグスティーン水素結合)を介した相補的なポリヌクレオチドの対合を指す。標的配列(例えば、標的mRNA)と実質的に相補的な配列を有する領域を含む鎖は、「アンチセンス鎖」と称される。「センス鎖」は、アンチセンス鎖の領域と実質的に相補的な領域を含む鎖を指す。いくつかの実施形態では、センス鎖は、標的配列と実質的に同一の配列を有する領域を含み得る。
二重鎖RNA分子は、リボヌクレオチドに対する化学修飾を含んでよく、リボース糖、塩基、又はリボヌクレオチドの骨格構成要素に対する修飾、例えば、本明細書に記載されるもの、又は当該技術において知られているものが挙げられる。二本鎖RNA分子(例えば、siRNA、shRNAなど)で使用されるような任意のこのような修飾は、本開示の目的上、「二本鎖RNA」という用語によって包含される。
本明細書で使用する場合、生理的条件などの特定の条件下において、第1の配列を含むポリヌクレオチドが、第2の配列を含むポリヌクレオチドにハイブリダイズして二重鎖領域を形成することができる場合、第1の配列は第2の配列に「相補的」である。他のこのような条件としては、中程度又はストリンジェントなハイブリダイゼーション条件を挙げることができ、これらは当業者に公知である。第1の配列を含むポリヌクレオチドが、第2の配列を含むポリヌクレオチドと、一方又は両方のヌクレオチド配列の全長にわたっていかなるミスマッチもなく塩基対形成する場合、第1の配列は、第2の配列と完全に相補的(100%相補的)であるとみなされる。配列が標的配列と少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%相補的である場合、配列は、標的配列と「実質的に相補的」である。相補性パーセントは、第2の配列又は標的配列内の対応する位置の塩基と相補的な第1の配列内の塩基の数を第1の配列の全長で割ることによって算出することができる。2つの配列がハイブリダイズする場合、30塩基対の二重鎖領域にわたって5、4、3又は2個以下のミスマッチが存在する場合、配列は他方の配列に対して実質的に相補的であると言うこともできる。一般に、本明細書で定義されるようなヌクレオチドオーバーハングが存在する場合、そのようなオーバーハングの配列は、2つの配列間の相補性の程度を判断する際に考慮されない。例として、ハイブリダイズして各鎖の3’末端に2ヌクレオチドのオーバーハングを有する19塩基対の二重鎖領域を形成する、21ヌクレオチド長のセンス鎖及び21ヌクレオチド長のアンチセンス鎖は、この用語が本明細書に使用される場合、完全に相補的であるとみなされることになる。
いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖の領域は、標的RNA配列(例えば、LPAのmRNA)の領域と実質的に又は完全に相補的な配列を含む。このような実施形態では、センス鎖は、アンチセンス鎖の配列と完全に相補的な配列を含み得る。他のこのような実施形態では、センス鎖は、アンチセンス鎖の配列と実質的に相補的な配列、例えば、センス鎖及びアンチセンス鎖によって形成される二重鎖領域に1、2、3、4又は5個のミスマッチを有する配列を含み得る。特定の実施形態では、任意のミスマッチが末端領域内(例えば、鎖の5’末端及び/又は3’末端の6、5、4、3又は2ヌクレオチド以内)に生じることが好ましい。一実施形態では、センス鎖及びアンチセンス鎖から形成される二重鎖領域における任意のミスマッチは、アンチセンス鎖の5’末端の6、5、4、3又は2ヌクレオチド以内に生じる。
特定の実施形態では、二本鎖RNAのセンス鎖及びアンチセンス鎖は、ハイブリダイズして二重鎖領域を形成するが、そうでなければ分離している別々の2つの分子であり得る。別々の2つの鎖から形成されるこのような二本鎖RNA分子は、「低分子干渉RNA」又は「短干渉RNA」(siRNA)と称される。従って、いくつかの実施形態では、本発明のRNAiコンストラクトはsiRNAを含む。
他の実施形態では、ハイブリダイズして二重鎖領域を形成するセンス鎖及びアンチセンス鎖は、単一のRNA分子の一部であってもよく、すなわち、センス鎖及びアンチセンス鎖は、単一のRNA分子の自己相補的領域の一部である。このような場合、単一のRNA分子は、二重鎖領域(ステム領域とも称される)及びループ領域を含む。センス鎖の3’末端は、不対ヌクレオチドの隣接配列によってアンチセンス鎖の5’末端に結合され、これがループ領域を形成することになる。ループ領域は、通常、アンチセンス鎖がセンス鎖と塩基対を形成して二重鎖又はステム領域を形成することができるように、RNA分子がそれ自身で再度折り畳まれることが可能なほど十分な長さを有する。ループ領域は、約3~約25個、約5~約15個又は約8~約12個の不対ヌクレオチドを含み得る。少なくとも部分的に自己相補的な領域を有するこのようなRNA分子は、「低分子ヘアピン型RNA」(shRNA)と称される。特定の実施形態では、本発明のRNAiコンストラクトは、shRNAを含む。単一の、少なくとも部分的に自己相補的なRNA分子の長さは、約40ヌクレオチド~約100ヌクレオチド、約45ヌクレオチド~約85ヌクレオチド、又は約50ヌクレオチド~約60ヌクレオチドであってよく、本明細書に列記される長さをそれぞれ有する二重鎖領域及びループ領域を含む。
いくつかの実施形態では、本発明のRNAiコンストラクトは、センス鎖及びアンチセンス鎖を含み、アンチセンス鎖は、LPAのメッセンジャーRNA(mRNA)配列と実質的に又は完全に相補的な配列を有する領域を含む。本明細書で使用する場合、「LPAのmRNA配列」は、任意の種(例えば、非ヒト霊長類、ヒト)由来のapo(a)タンパク質のバリアント又はアイソフォームを含む、apo(a)タンパク質をコードする対立遺伝子バリアント及びスプライスバリアントを含む任意のメッセンジャーRNA配列を指す。LPA遺伝子(AK38、APOA、及びLPとしても公知である)は、リポタンパク質(a)又はLp(a)として公知の低密度リポタンパク質粒子の主要な構成成分である。ヒトの場合、LPA遺伝子は、遺伝子座6q25.3-q26の6番染色体に見られる。LPA遺伝子は、遺伝子の対立遺伝子が、2~40コピー以上の範囲となる可能性のあるクリングルIVタイプ2(KIV-2)ドメインのコピー数が個体間で異なることにより、高度の多型性を有する(例えば、Kronenberg and Utermann,J.Intern.Med.,Vol.273:6-30,2013を参照されたい)。
LPAのmRNA配列はまた、その相補的DNA(cDNA)配列として発現する転写物配列を含む。cDNA配列は、RNA塩基(例えば、グアニン、アデニン、ウラシル、及びシトシン)ではなく、DNA塩基(例えば、グアニン、アデニン、チミン、及びシトシン)として表される、mRNA転写物の配列を指す。従って、本発明のRNAiコンストラクトのアンチセンス鎖は、標的のLPAのmRNA配列又はLPAのcDNA配列と実質的に又は完全に相補的な配列を有する領域を含み得る。LPAのmRNA又はcDNA配列は、NCBI参照配列NM_005577.4(ヒト、図1、配列番号1)、XM_015448520.1(カニクイザル)、XM_028847001.1(アカゲザル)、XM_024357489.1(チンパンジー)、及びXM_031012244.1(ゴリラ)から選択される任意のLPAのmRNA又はcDNA配列を含み得るが、これらに限定されない。特定の実施形態では、LPAのmRNA配列は、参照配列NM_005577.4(図1、配列番号1を参照されたい)としてNCBIデータベースに列記されるヒト転写物である。
アンチセンス鎖の領域は、LPAのmRNA配列の少なくとも15個の連続したヌクレオチドと実質的に又は完全に相補的であり得る。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖が相補的な領域を含むLPAのmRNA配列の標的領域は、約15~約30個の連続したヌクレオチド、約16~約28個の連続したヌクレオチド、約18~約26個の連続したヌクレオチド、約17~約24個の連続したヌクレオチド、約19~約30個の連続したヌクレオチド、約19~約25個の連続したヌクレオチド、約19~約23個の連続したヌクレオチド、又は約19~約21個の連続したヌクレオチドの範囲であり得る。特定の実施形態では、LPAのmRNA配列と実質的に又は完全に相補的な配列を含むアンチセンス鎖の領域は、いくつかの実施形態では、表1又は表2に列記されるアンチセンス配列由来の少なくとも15個の連続したヌクレオチドを含み得る。他の実施形態では、アンチセンス配列は、表1又は表2に列記されるアンチセンス配列由来の少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、又は少なくとも19個の連続したヌクレオチドを含む。
RNAiコンストラクトのセンス鎖は、通常、2本の鎖が生理的条件下でハイブリダイズして二重鎖領域を形成するように、アンチセンス鎖の配列と十分に相補的な配列を含む。「二重鎖領域」は、ワトソン-クリック塩基対合又は他の水素結合相互作用のいずれかによって互いに塩基対形成し、2つのポリヌクレオチド間で二重鎖を生成する2つの相補的又は実質的に相補的なポリヌクレオチドの領域を指す。RNAiコンストラクトの二重鎖領域は、例えば、ダイサー酵素及び/又はRISC複合体が会合することによってRNAiコンストラクトがRNA干渉経路に入ることができるほど十分な長さでなければならない。例えば、いくつかの実施形態では、二重鎖領域は、約15~約30塩基対長である。この範囲内の二重鎖領域の他の長さ、例えば約15~約28塩基対、約15~約26塩基対、約15~約24塩基対、約15~約22塩基対、約17~約28塩基対、約17~約26塩基対、約17~約24塩基対、約17~約23塩基対、約17~約21塩基対、約19~約25塩基対、約19~約23塩基対又は約19~約21塩基対も好適である。特定の実施形態では、二重鎖領域は、約17~約24塩基対長である。他の実施形態では、二重鎖領域は、約19~約21塩基対長である。一実施形態では、二重鎖領域は、約19塩基対長である。別の実施形態では、二重鎖領域は、約21塩基対長である。
センス鎖及びアンチセンス鎖が2つの別々の分子である(例えば、RNAiコンストラクトがsiRNAを含む)実施形態では、センス鎖及びアンチセンス鎖は、二重鎖領域の長さと同じ長さである必要はない。例えば、一方又は両方の鎖が二重鎖領域よりも長く、二重鎖領域に隣接する1つ以上の不対ヌクレオチド又はミスマッチを有してもよい。従って、いくつかの実施形態では、RNAiコンストラクトは、少なくとも1つのヌクレオチドオーバーハングを含む。本明細書で使用する場合、「ヌクレオチドオーバーハング」は、鎖の末端における不対ヌクレオチド又は二重鎖領域を越えて延在するヌクレオチドを指す。ヌクレオチドオーバーハングは、通常、一方の鎖の3’末端が他方の鎖の5’末端を越えて延在するか、又は一方の鎖の5’末端が他方の鎖の3’末端を越えて延在する場合に生成される。ヌクレオチドオーバーハングの長さは、一般に、1~6ヌクレオチド、1~5ヌクレオチド、1~4ヌクレオチド、1~3ヌクレオチド、2~6ヌクレオチド、2~5ヌクレオチド、又は2~4ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、ヌクレオチドオーバーハングは、1、2、3、4、5又は6ヌクレオチドを含む。特定の一実施形態では、ヌクレオチドオーバーハングは、1~4ヌクレオチドを含む。特定の実施形態では、ヌクレオチドオーバーハングは、2ヌクレオチドを含む。特定の他の実施形態では、ヌクレオチドオーバーハングは、単一のヌクレオチドを含む。
オーバーハング内のヌクレオチドは、本明細書に記載されるようなリボヌクレオチド又は修飾ヌクレオチドであり得る。いくつかの実施形態では、オーバーハング内のヌクレオチドは、2’-修飾ヌクレオチド(例えば、2’-フルオロ修飾ヌクレオチド、2’-O-メチル修飾ヌクレオチド)、デオキシリボヌクレオチド、脱塩基ヌクレオチド、逆位ヌクレオチド(例えば、逆位脱塩基ヌクレオチド、逆位デオキシリボヌクレオチド)、又はこれらの組み合わせである。例えば、一実施形態では、オーバーハング内のヌクレオチドは、デオキシリボヌクレオチド、例えばデオキシチミジンである。別の実施形態では、オーバーハング内のヌクレオチドは、2’-O-メチル修飾ヌクレオチド、2’-フルオロ修飾ヌクレオチド、2’-メトキシエチル修飾ヌクレオチド、又はこれらの組み合わせである。他の実施形態では、オーバーハングは、5’-ウリジン-ウリジン-3’(5’-UU-3’)ジヌクレオチドを含む。このような実施形態では、UUジヌクレオチドは、リボヌクレオチド又は修飾ヌクレオチド、例えば2’-修飾ヌクレオチドを含み得る。他の実施形態では、オーバーハングは、5’-デオキシチミジン-デオキシチミジン-3’(5’-dTdT-3’)ジヌクレオチドを含む。ヌクレオチドオーバーハングがアンチセンス鎖に存在する場合、オーバーハング内のヌクレオチドは、標的遺伝子配列に相補的である場合もあり、標的遺伝子配列とミスマッチを形成する場合もあり、又は何らかの他の配列を含む場合もある(例えばポリピリミジン又はポリプリン配列、例えばUU、TT、AA、GGなど)。
ヌクレオチドオーバーハングは、一方又は両方の鎖の5’末端又は3’末端に存在してもよい。例えば、一実施形態では、RNAiコンストラクトは、アンチセンス鎖の5’末端及び3’末端にヌクレオチドオーバーハングを含む。別の実施形態では、RNAiコンストラクトは、センス鎖の5’末端及び3’末端にヌクレオチドオーバーハングを含む。いくつかの実施形態では、RNAiコンストラクトは、センス鎖の5’末端及びアンチセンス鎖の5’末端にヌクレオチドオーバーハングを含む。他の実施形態では、RNAiコンストラクトは、センス鎖の3’末端及びアンチセンス鎖の3’末端にヌクレオチドオーバーハングを含む。
RNAiコンストラクトは、二重鎖RNA分子の一方の末端に単一のヌクレオチドオーバーハングを含み、且つ他の末端に平滑末端を含み得る。「平滑末端」は、センス鎖及びアンチセンス鎖が分子の末端で完全に塩基対を形成しており、二重鎖領域を越えて延在する不対ヌクレオチドがないことを意味する。いくつかの実施形態では、RNAiコンストラクトは、センス鎖の3’末端にヌクレオチドオーバーハングを含み、且つセンス鎖の5’末端及びアンチセンス鎖の3’末端に平滑末端を含む。他の実施形態では、RNAiコンストラクトは、アンチセンス鎖の3’末端にヌクレオチドオーバーハングを含み、且つアンチセンス鎖の5’末端及びセンス鎖の3’末端に平滑末端を含む。特定の実施形態では、RNAiコンストラクトは、二本鎖RNA分子の両末端に平滑末端を含む。このような実施形態では、センス鎖及びアンチセンス鎖は同じ長さを有し、二重鎖領域はセンス鎖及びアンチセンス鎖と同じ長さである(すなわち、分子は、その全長にわたって二本鎖である)。
本発明のRNAiコンストラクトのセンス鎖及びアンチセンス鎖は、それぞれ独立して約15~約30ヌクレオチド長、約19~約30ヌクレオチド長、約18~約28ヌクレオチド長、約19~約27ヌクレオチド長、約19~約25ヌクレオチド長、約19~約23ヌクレオチド長、約19~約21ヌクレオチド長、約21~約25ヌクレオチド長、又は約21~約23ヌクレオチド長であり得る。特定の実施形態では、センス鎖及びアンチセンス鎖は、それぞれ独立して約18、約19、約20、約21、約22、約23、約24、又は約25ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態では、センス鎖及びアンチセンス鎖は、同じ長さを有するが、RNAiコンストラクトが2つのヌクレオチドオーバーハングを有するように、これらの鎖よりも短い二重鎖領域を形成する。例えば、一実施形態では、RNAiコンストラクトは、(i)それぞれ21ヌクレオチド長のセンス鎖及びアンチセンス鎖、(ii)19塩基対長の二重鎖領域、並びに(iii)センス鎖の3’末端及びアンチセンス鎖の3’末端の両方における2個の不対ヌクレオチドのヌクレオチドオーバーハングを含む。別の実施形態では、RNAiコンストラクトは、(i)それぞれ23ヌクレオチド長のセンス鎖及びアンチセンス鎖、(ii)21塩基対長の二重鎖領域、並びに(iii)センス鎖の3’末端及びアンチセンス鎖の3’末端の両方における2個の不対ヌクレオチドのヌクレオチドオーバーハングを含む。他の実施形態では、センス鎖及びアンチセンス鎖は、同じ長さを有し、二本鎖分子のいずれの末端にもヌクレオチドオーバーハングが存在しないように、その全長にわたって二重鎖領域を形成する。このような一実施形態では、RNAiコンストラクトは平滑末端であり、(i)それぞれ21ヌクレオチド長のセンス鎖及びアンチセンス鎖、並びに(ii)21塩基対長の二重鎖領域を含む。別のこのような実施形態では、RNAiコンストラクトは平滑末端であり、(i)それぞれ23ヌクレオチド長のセンス鎖及びアンチセンス鎖、並びに(ii)23塩基対長の二重鎖領域を含む。更に別のこのような実施形態では、RNAiコンストラクトは平滑末端であり、(i)それぞれ19ヌクレオチド長のセンス鎖及びアンチセンス鎖、並びに(ii)19塩基対長の二重鎖領域を含む。
他の実施形態では、センス鎖又はアンチセンス鎖は、RNAiコンストラクトが少なくとも1つのヌクレオチドオーバーハングを含むように、他方の鎖よりも長く、2本の鎖が短い方の鎖の長さに等しい長さを有する二重鎖領域を形成する。例えば、一実施形態では、RNAiコンストラクトは、(i)19ヌクレオチド長のセンス鎖、(ii)21ヌクレオチド長のアンチセンス鎖、(iii)19塩基対長の二重鎖領域、及び(iv)アンチセンス鎖の3’末端における2個の不対ヌクレオチドのヌクレオチドオーバーハングを含む。別の実施形態では、RNAiコンストラクトは、(i)21ヌクレオチド長のセンス鎖、(ii)23ヌクレオチド長のアンチセンス鎖、(iii)21塩基対長の二重鎖領域、及び(iv)アンチセンス鎖の3’末端における2個の不対ヌクレオチドのヌクレオチドオーバーハングを含む。
本発明のRNAiコンストラクトのアンチセンス鎖は、表1若しくは表2に列記されるアンチセンス配列、これらのアンチセンス配列のいずれかのヌクレオチド1~19の配列、又はこれらのアンチセンス配列のいずれかのヌクレオチド2~19の配列のいずれか1つの配列を含むか又はそれからなっていてもよい。従って、いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、配列番号134~241、437~601、611、又は617~619から選択される配列を含むか又はそれからなる。他の実施形態では、アンチセンス鎖は、配列番号134~241、437~601、611、又は617~619のいずれか1つのヌクレオチド1~19の配列を含むか又はそれからなる。更に他の実施形態では、アンチセンス鎖は、配列番号134~241、437~601、611、又は617~619のいずれか1つのヌクレオチド2~19の配列を含むか又はそれからなる。特定の実施形態では、アンチセンス鎖は、配列番号137、配列番号145、配列番号164、配列番号175、配列番号177、配列番号178、配列番号189、配列番号194、配列番号196、配列番号198、配列番号200、配列番号205、配列番号216、配列番号224、配列番号225、配列番号440、配列番号448、配列番号471、配列番号492、配列番号497、配列番号499、配列番号515、配列番号525、配列番号530、配列番号536、配列番号540、配列番号546、配列番号547、配列番号550、配列番号568、配列番号576、又は配列番号577から選択される配列を含むか又はそれからなる。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、配列番号145、配列番号175、配列番号177、配列番号194、配列番号196、配列番号198、配列番号200、配列番号448、配列番号492、配列番号497、配列番号525、配列番号530、配列番号536、又は配列番号540から選択される配列を含むか又はそれからなる。
これら及び他の実施形態では、本発明のRNAiコンストラクトのセンス鎖は、表1若しくは表2に列記されるセンス配列、これらのセンス配列のいずれかのヌクレオチド1~19の配列、又はこれらのセンス配列のいずれかのヌクレオチド2~19の配列のいずれか1つの配列を含むか又はそれよりなっていてもよい。従って、いくつかの実施形態では、センス鎖は、配列番号2~133、242~436、610、又は612~616から選択される配列を含むか又はそれからなる。他の実施形態では、センス鎖は、配列番号2~133、242~436、610、又は612~616のいずれか1つのヌクレオチド1~19の配列を含むか又はそれからなる。更に他の実施形態では、センス鎖は、配列番号2~133、242~436、610、又は612~616のいずれか1つのヌクレオチド2~19の配列を含むか又はそれからなる。特定の実施形態では、センス鎖は、配列番号5、配列番号13、配列番号35、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号54、配列番号71、配列番号78、配列番号79、配列番号83、配列番号85、配列番号86、配列番号91、配列番号106、配列番号115、配列番号117、配列番号245、配列番号253、配列番号282、配列番号304、配列番号307、配列番号312、配列番号314、配列番号341、配列番号350、配列番号357、配列番号362、配列番号364、配列番号370、配列番号372、配列番号377、配列番号378、配列番号404、配列番号413、又は配列番号415から選択される配列を含むか又はそれからなる。特定の他の実施形態では、センス鎖は、配列番号13、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号78、配列番号79、配列番号83、配列番号85、配列番号106、配列番号253、配列番号304、配列番号307、配列番号312、配列番号350、配列番号357、配列番号362、配列番号370、又は配列番号404から選択される配列を含むか又はそれからなる。
本発明の特定の実施形態では、RNAiコンストラクトは、(i)2~133、242~436、610、又は612~616から選択される配列を含むか又はそれからなるセンス鎖、及び(ii)配列番号134~241、437~601、611、又は617~619から選択される配列を含むか又はそれからなるアンチセンス鎖を含む。いくつかの実施形態では、RNAiコンストラクトは、(i)配列番号5、配列番号13、配列番号35、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号54、配列番号71、配列番号78、配列番号79、配列番号83、配列番号85、配列番号86、配列番号91、配列番号106、配列番号115、配列番号117、配列番号245、配列番号253、配列番号282、配列番号304、配列番号307、配列番号312、配列番号314、配列番号341、配列番号350、配列番号357、配列番号362、配列番号364、配列番号370、配列番号372、配列番号377、配列番号378、配列番号404、配列番号413、又は配列番号415から選択される配列を含むか又はそれからなるセンス鎖、及び(ii)配列番号137、配列番号145、配列番号164、配列番号175、配列番号177、配列番号178、配列番号189、配列番号194、配列番号196、配列番号198、配列番号200、配列番号205、配列番号216、配列番号224、配列番号225、配列番号440、配列番号448、配列番号471、配列番号492、配列番号497、配列番号499、配列番号515、配列番号525、配列番号530、配列番号536、配列番号540、配列番号546、配列番号547、配列番号550、配列番号568、配列番号576、又は配列番号577から選択される配列を含むか又はそれからなるアンチセンス鎖を含む。他の実施形態では、RNAiコンストラクトは、(i)配列番号13、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号78、配列番号79、配列番号83、配列番号85、配列番号106、配列番号253、配列番号304、配列番号307、配列番号312、配列番号350、配列番号357、配列番号362、配列番号370、又は配列番号404から選択される配列を含むか又はそれからなるセンス鎖、及び(ii)配列番号145、配列番号175、配列番号177、配列番号194、配列番号196、配列番号198、配列番号200、配列番号448、配列番号492、配列番号497、配列番号525、配列番号530、配列番号536、又は配列番号540から選択される配列を含むか又はそれからなるアンチセンス鎖を含む。
特定の実施形態では、本発明のRNAiコンストラクトは、(i)配列番号13の配列を含むか又はそれからなるセンス鎖及び配列番号145の配列を含むか又はそれからなるアンチセンス鎖、(ii)配列番号35の配列を含むか又はそれからなるセンス鎖及び配列番号164の配列を含むか又はそれからなるアンチセンス鎖、(iii)配列番号53の配列を含むか又はそれからなるセンス鎖及び配列番号177の配列を含むか又はそれからなるアンチセンス鎖、(iv)配列番号91の配列を含むか又はそれからなるセンス鎖及び配列番号205の配列を含むか又はそれからなるアンチセンス鎖、(v)配列番号49の配列を含むか又はそれからなるセンス鎖及び配列番号175の配列を含むか又はそれからなるアンチセンス鎖、(vi)配列番号71の配列を含むか又はそれからなるセンス鎖及び配列番号189の配列を含むか又はそれからなるアンチセンス鎖、(vii)配列番号51の配列を含むか又はそれからなるセンス鎖及び配列番号175の配列を含むか又はそれからなるアンチセンス鎖、(viii)配列番号79の配列を含むか又はそれからなるセンス鎖及び配列番号194の配列を含むか又はそれからなるアンチセンス鎖、(ix)配列番号85の配列を含むか又はそれからなるセンス鎖及び配列番号198の配列を含むか又はそれからなるアンチセンス鎖、(x)配列番号106の配列を含むか又はそれからなるセンス鎖及び配列番号216の配列を含むか又はそれからなるアンチセンス鎖、(xi)配列番号83の配列を含むか又はそれからなるセンス鎖及び配列番号200の配列を含むか又はそれからなるアンチセンス鎖、(xii)配列番号78の配列を含むか又はそれからなるセンス鎖及び配列番号196の配列を含むか又はそれからなるアンチセンス鎖、(xiii)配列番号5の配列を含むか又はそれからなるセンス鎖及び配列番号137の配列を含むか又はそれからなるアンチセンス鎖、(xiv)配列番号117の配列を含むか又はそれからなるセンス鎖及び配列番号225の配列を含むか又はそれからなるアンチセンス鎖、(xv)配列番号115の配列を含むか又はそれからなるセンス鎖及び配列番号224の配列を含むか又はそれからなるアンチセンス鎖、(xvi)配列番号54の配列を含むか又はそれからなるセンス鎖及び配列番号178の配列を含むか又はそれからなるアンチセンス鎖、或いは(xvii)配列番号86の配列を含むか又はそれからなるセンス鎖及び配列番号198の配列を含むか又はそれからなるアンチセンス鎖を含む。
いくつかの実施形態では、本発明のRNAiコンストラクトは、(i)配列番号253による修飾ヌクレオチドの配列を含むか又はそれからなるセンス鎖及び配列番号448による修飾ヌクレオチドの配列を含むか又はそれからなるアンチセンス鎖、(ii)配列番号282による修飾ヌクレオチドの配列を含むか又はそれからなるセンス鎖及び配列番号471による修飾ヌクレオチドの配列を含むか又はそれからなるアンチセンス鎖、(iii)配列番号312による修飾ヌクレオチドの配列を含むか又はそれからなるセンス鎖及び配列番号497による修飾ヌクレオチドの配列を含むか又はそれからなるアンチセンス鎖、(iv)配列番号378による修飾ヌクレオチドの配列を含むか又はそれからなるセンス鎖及び配列番号547による修飾ヌクレオチドの配列を含むか又はそれからなるアンチセンス鎖、(v)配列番号304による修飾ヌクレオチドの配列を含むか又はそれからなるセンス鎖及び配列番号492による修飾ヌクレオチドの配列を含むか又はそれからなるアンチセンス鎖、(vi)配列番号341による修飾ヌクレオチドの配列を含むか又はそれからなるセンス鎖及び配列番号515による修飾ヌクレオチドの配列を含むか又はそれからなるアンチセンス鎖、(vii)配列番号377による修飾ヌクレオチドの配列を含むか又はそれからなるセンス鎖及び配列番号550による修飾ヌクレオチドの配列を含むか又はそれからなるアンチセンス鎖、(viii)配列番号307による修飾ヌクレオチドの配列を含むか又はそれからなるセンス鎖及び配列番号492による修飾ヌクレオチドの配列を含むか又はそれからなるアンチセンス鎖、(ix)配列番号350による修飾ヌクレオチドの配列を含むか又はそれからなるセンス鎖及び配列番号525による修飾ヌクレオチドの配列を含むか又はそれからなるアンチセンス鎖、(x)配列番号362による修飾ヌクレオチドの配列を含むか又はそれからなるセンス鎖及び配列番号536による修飾ヌクレオチドの配列を含むか又はそれからなるアンチセンス鎖、(xi)配列番号404による修飾ヌクレオチドの配列を含むか又はそれからなるセンス鎖及び配列番号568による修飾ヌクレオチドの配列を含むか又はそれからなるアンチセンス鎖、(xii)配列番号370による修飾ヌクレオチドの配列を含むか又はそれからなるセンス鎖及び配列番号540による修飾ヌクレオチドの配列を含むか又はそれからなるアンチセンス鎖、(xiii)配列番号357による修飾ヌクレオチドの配列を含むか又はそれからなるセンス鎖及び配列番号530による修飾ヌクレオチドの配列を含むか又はそれからなるアンチセンス鎖、(xiv)配列番号245による修飾ヌクレオチドの配列を含むか又はそれからなるセンス鎖及び配列番号440による修飾ヌクレオチドの配列を含むか又はそれからなるアンチセンス鎖、(xv)配列番号415による修飾ヌクレオチドの配列を含むか又はそれからなるセンス鎖及び配列番号577による修飾ヌクレオチドの配列を含むか又はそれからなるアンチセンス鎖、(xvi)配列番号413による修飾ヌクレオチドの配列を含むか又はそれからなるセンス鎖及び配列番号576による修飾ヌクレオチドの配列を含むか又はそれからなるアンチセンス鎖、(xvii)配列番号314による修飾ヌクレオチドの配列を含むか又はそれからなるセンス鎖及び配列番号499による修飾ヌクレオチドの配列を含むか又はそれからなるアンチセンス鎖、(xviii)配列番号377による修飾ヌクレオチドの配列を含むか又はそれからなるセンス鎖及び配列番号546による修飾ヌクレオチドの配列を含むか又はそれからなるアンチセンス鎖、(xix)配列番号364による修飾ヌクレオチドの配列を含むか又はそれからなるセンス鎖及び配列番号536による修飾ヌクレオチドの配列を含むか又はそれからなるアンチセンス鎖、或いは(xx)配列番号372による修飾ヌクレオチドの配列を含むか又はそれからなるセンス鎖及び配列番号540による修飾ヌクレオチドの配列を含むか又はそれからなるアンチセンス鎖を含む。
本発明のRNAiコンストラクトは、表1~15に列記される二重鎖化合物(化合物の未修飾ヌクレオチド配列及び/又は修飾ヌクレオチド配列を含む)のいずれか1つであってよい。いくつかの実施形態では、RNAiコンストラクトは、表1に列記される二重鎖化合物のいずれかである。他の実施形態では、RNAiコンストラクトは、表2に列記される二重鎖化合物(化合物の未修飾ヌクレオチド配列及び/又は修飾ヌクレオチド配列を含む)のいずれかである。特定の実施形態では、RNAiコンストラクトは、4601、4613、4930、4970、6150、6182、6247、8395、8401、10927、11318、11344、11351、11374、11580、17188、17205、18436、18444、又は18446である。特定の一実施形態では、RNAiコンストラクトは、4601である。別の特定の実施形態では、RNAiコンストラクトは、4613である。別の実施形態では、RNAiコンストラクトは、10927である。別の実施形態では、RNAiコンストラクトは、11351である。別の実施形態では、RNAiコンストラクトは、11374である。更に別の実施形態では、RNAiコンストラクトは、11580である。なお別の実施形態では、RNAiコンストラクトは、18436である。別の実施形態では、RNAiコンストラクトは、18444である。
本発明のRNAiコンストラクトは、1つ以上の修飾ヌクレオチドを含み得る。「修飾ヌクレオチド」は、ヌクレオシド、核酸塩基、ペントース環又はホスフェート基に対して1つ以上の化学修飾を有するヌクレオチドを指す。本明細書で使用する場合、修飾ヌクレオチドは、アデノシン一リン酸、グアノシン一リン酸、ウリジン一リン酸、及びシチジン一リン酸を含有するリボヌクレオチドを包含しない。しかしながら、RNAiコンストラクトは、修飾ヌクレオチド及びリボヌクレオチドの組み合わせを含み得る。二本鎖RNA分子の一方又は両方の鎖に対する修飾ヌクレオチドの組み込みは、例えば、ヌクレアーゼ及び他の分解プロセスに対する分子の感受性を低減させることにより、RNA分子のインビボ安定性を向上させることができる。修飾ヌクレオチドの組み込みにより、標的遺伝子の発現を低減させるためのRNAiコンストラクトの効力を増強させることもできる。
特定の実施形態では、修飾ヌクレオチドは、リボース糖の修飾を有する。これらの糖修飾には、ペントース環の2’位及び/又は5’位における修飾並びに二環式糖修飾が含まれ得る。2’-修飾ヌクレオチドは、OH以外の置換基を2’位に有するペントース環を有するヌクレオチドを指す。このような2’-修飾としては、2’-H(例えば、デオキシリボヌクレオチド)、2’-O-アルキル(例えば、O-C1~C10又はO-C1~C10置換アルキル)、2’-O-アリル(O-CH2CH=CH2)、2’-C-アリル、2’-デオキシ-2’-フルオロ(2’-F又は2’-フルオロとも称される)、2’-O-メチル(OCH3)、2’-O-メトキシエチル(O-(CH2)2OCH3)、2’-OCF3、2’-O(CH2)2SCH3、2’-O-アミノアルキル、2’-アミノ(例えば、NH2)、2’-O-エチルアミン、及び2’-アジドが挙げられるがこれらに限定されない。ペントース環の5’位における修飾としては、5’-メチル(R又はS)、5’-ビニル及び5’-メトキシが挙げられるが、これらに限定されない。
「二環式糖修飾」は、架橋により環の2つの原子を連結して第2の環を形成し、二環式糖構造を生じさせる、ペントース環の修飾を指す。いくつかの実施形態では、二環式糖修飾は、ペントース環の4’炭素と2’炭素との間に架橋を含む。二環式糖修飾を有する糖部分を含むヌクレオチドは、本明細書では二環式核酸又はBNAと称される。例示的な二環式糖修飾としては、α-L-メチレンオキシ(4’-CH2-O-2’)二環式核酸(BNA);β-D-メチレンオキシ(4’-CH2-O-2’)BNA(ロックド核酸又はLNAとも称される);エチレンオキシ(4’-(CH2)2-O-2’)BNA;アミノオキシ(4’-CH2-O-N(R)-2’)BNA;オキシアミノ(4’-CH2-N(R)-O-2’)BNA;メチル(メチレンオキシ)(4’-CH(CH3)-O-2’)BNA(拘束エチル又はcEtとも称される);メチレン-チオ(4’-CH2-S-2’)BNA;メチレン-アミノ(4’-CH2-N(R)-2’)BNA;メチル炭素環式(4’-CH2-CH(CH3)-2’)BNA;プロピレン炭素環式(4’-(CH2)3-2’)BNA;及びメトキシ(エチレンオキシ)(4’-CH(CH2OMe)-O-2’)BNA(拘束MOE又はcMOEとも称される)が挙げられるが、これらに限定されない。本発明のRNAiコンストラクトに組み込むことができるこれら及び他の糖修飾ヌクレオチドは、米国特許第9,181,551号明細書、米国特許出願公開第2016/0122761号明細書、及びDeleavey and Damha,Chemistry and Biology,Vol.19:937-954,2012に記載され、これらの全ては参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、RNAiコンストラクトは、1つ以上の2’-フルオロ修飾ヌクレオチド、2’-O-メチル修飾ヌクレオチド、2’-O-メトキシエチル修飾ヌクレオチド、2’-O-アルキル修飾ヌクレオチド、2’-O-アリル修飾ヌクレオチド、二環式核酸(BNA)、デオキシリボヌクレオチド、又はこれらの組み合わせを含む。特定の実施形態では、RNAiコンストラクトは、1つ以上の2’-フルオロ修飾ヌクレオチド、2’-O-メチル修飾ヌクレオチド、2’-O-メトキシエチル修飾ヌクレオチド、又はこれらの組み合わせを含む。特定の一実施形態では、RNAiコンストラクトは、1つ以上の2’-フルオロ修飾ヌクレオチド、2’-O-メチル修飾ヌクレオチド、又はこれらの組み合わせを含む。
RNAiコンストラクトのセンス鎖及びアンチセンス鎖は、どちらも1つ又は複数の修飾ヌクレオチドを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、センス鎖は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個以上の修飾ヌクレオチドを含む。特定の実施形態では、センス鎖の全てのヌクレオチドが修飾ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個以上の修飾ヌクレオチドを含む。他の実施形態では、アンチセンス鎖の全てのヌクレオチドが修飾ヌクレオチドである。特定の他の実施形態では、センス鎖の全てのヌクレオチド及びアンチセンス鎖の全てのヌクレオチドが修飾ヌクレオチドである。これら及び他の実施形態では、修飾ヌクレオチドは、2’-フルオロ修飾ヌクレオチド、2’-O-メチル修飾ヌクレオチド、又はこれらの組み合わせであり得る。
特定の実施形態では、本発明のRNAiコンストラクトの鎖の一方又は両方に組み込まれる修飾ヌクレオチドは、核酸塩基(本明細書では「塩基」とも称される)の修飾を有する。「修飾核酸塩基」又は「修飾塩基」は、天然に存在するプリン塩基であるアデニン(A)及びグアニン(G)、並びにピリミジン塩基であるチミン(T)、シトシン(C)及びウラシル(U)以外の塩基を指す。修飾核酸塩基は、合成又は天然に生じる修飾であってもよく、ユニバーサル塩基、5-メチルシトシン(5-me-C)、5-ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン(X)、ヒポキサンチン(I)、2-アミノアデニン、6-メチルアデニン、6-メチルグアニン、並びにアデニン及びグアニンの他のアルキル誘導体、アデニン及びグアニンの2-プロピル及び他のアルキル誘導体、2-チオウラシル、2-チオチミン及び2-チオシトシン、5-ハロウラシル及びシトシン、5-プロピニルウラシル及びシトシン、6-アゾウラシル、シトシン及びチミン、5-ウラシル(プソイドウラシル)、4-チオウラシル、8-ハロ、8-アミノ、8-チオール、8-チオアルキル、8-ヒドロキシル並びに他の8-置換アデニン及びグアニン、5-ハロ、特に5-ブロモ、5-トリフルオロメチル並びに他の5-置換ウラシル及びシトシン、7-メチルグアニン及び7-メチルアデニン、8-アザグアニン及び8-アザアデニン、7-デアザグアニン及び7-デアザアデニン、並びに3-デアザグアニン及び3-デアザアデニンが挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、修飾塩基は、ユニバーサル塩基である。「ユニバーサル塩基」は、得られた二重鎖領域の二重らせん構造を変えることなく、RNA及びDNAの天然の塩基の全てと無差別に塩基対を形成する塩基類似体を指す。ユニバーサル塩基は当業者に公知であり、イノシン、C-フェニル、C-ナフチル及び他の芳香族誘導体、アゾールカルボキサミド、並びに3-ニトロピロール、4-ニトロインドール、5-ニトロインドール及び6-ニトロインドールなどのニトロアゾール誘導体を含むが、これらに限定されない。
本発明のRNAiコンストラクトに組み込むことができる他の好適な修飾塩基としては、Herdewijn,Antisense Nucleic Acid Drug Dev.,Vol.10:297-310,2000、及びPeacock et al.,J.Org.Chem.,Vol.76:7295-7300,2011に記載されているものが挙げられ、これらの両方が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。グアニン、シトシン、アデニン、チミン及びウラシルを、そのような置換核酸塩基を有するヌクレオチドを含むポリヌクレオチドの塩基対形成特性を実質的に変えることなく、上述の修飾核酸塩基などの他の核酸塩基で置換してもよいことを、当業者は十分に認識している。
いくつかの実施形態では、RNAiコンストラクトのセンス鎖及びアンチセンス鎖は、1つ以上の脱塩基ヌクレオチドを含み得る。「脱塩基ヌクレオチド」又は「脱塩基ヌクレオシド」は、リボース糖の1’位に核酸塩基がないヌクレオチド又はヌクレオシドである。特定の実施形態では、脱塩基ヌクレオチドは、RNAiコンストラクトのセンス鎖及び/又はアンチセンス鎖の末端に組み込まれる。一実施形態では、センス鎖は、その3’末端、その5’末端、又はその3’末端及び5’末端の両方に、末端ヌクレオチドとして脱塩基ヌクレオチドを含む。別の実施形態では、アンチセンス鎖は、その3’末端、その5’末端、又はその3’末端及び5’末端の両方に、末端ヌクレオチドとして脱塩基ヌクレオチドを含む。脱塩基ヌクレオチドが末端ヌクレオチドであるこのような実施形態では、末端ヌクレオチドが逆位ヌクレオチドであってよく、すなわち、天然の3’-5’ヌクレオチド間結合ではなく、3’-3’ヌクレオチド間結合(鎖の3’末端上にある場合)を介して、又は5’-5’ヌクレオチド間結合(鎖の5’末端上にある場合)を介して、隣接するヌクレオチドに結合される。脱塩基ヌクレオチドはまた、上記に記載される糖修飾のいずれかなどの糖修飾を含み得る。特定の実施形態では、脱塩基ヌクレオチドは、2’-フルオロ修飾、2’-O-メチル修飾、又は2’-H(デオキシ)修飾などの2’-修飾を含む。一実施形態では、脱塩基ヌクレオチドは、2’-O-メチル修飾を含む。別の実施形態では、脱塩基ヌクレオチドは2’-H修飾を含む(すなわち、デオキシ脱塩基ヌクレオチド)。
本発明のRNAiコンストラクトはまた、1つ以上の修飾ヌクレオチド間結合を含み得る。本明細書で使用する場合、「修飾ヌクレオチド間結合」という用語は、天然の3’-5’ホスホジエステル結合以外のヌクレオチド間結合を指す。いくつかの実施形態では、修飾ヌクレオチド間結合は、ホスホトリエステル、アミノアルキルホスホトリエステル、アルキルホスホネート(例えば、メチルホスホネート、3’-アルキレンホスホネート)、ホスフィネート、ホスホロアミダート(例えば、3’-アミノホスホロアミダート及びアミノアルキルホスホロアミダート)、ホスホロチオエート(P=S)、キラルホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、チオノホスホロアミダート、チオノアルキルホスホネート、チオノアルキルホスホトリエステル、及びボラノホスフェートなどのリン含有ヌクレオチド間結合である。一実施形態では、修飾ヌクレオチド間結合は、2’-5’ホスホジエステル結合である。他の実施形態では、修飾ヌクレオチド間結合は、リン非含有ヌクレオチド間結合であり、従って修飾ヌクレオシド間結合と称する場合もある。このようなリン非含有結合としては、モルホリノ結合(ヌクレオシドの糖部分から部分的に形成される);シロキサン結合(-O-Si(H)2-O-);スルフィド結合、スルホキシド結合及びスルホン結合;ホルムアセチル結合及びチオホルムアセチル結合;アルケン含有骨格;スルファマート骨格;メチレンメチルイミノ(-CH2-N(CH3)-O-CH2-)結合及びメチレンヒドラジノ結合;スルホネート及びスルホンアミド結合;アミド結合;並びに混合されたN、O、S及びCH2構成要素部分を有する他のものが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、修飾ヌクレオシド間結合は、米国特許第5,539,082号明細書;同第5,714,331号明細書;及び同第5,719,262号明細書に記載されているような、ペプチド核酸すなわちPNAを生成するためのペプチドベースの結合(例えば、アミノエチルグリシン)である。本発明のRNAiコンストラクトに使用され得る他の好適な修飾ヌクレオチド間結合及びヌクレオシド間結合は、米国特許第6,693,187号明細書、同第9,181,551号明細書、米国特許出願公開第2016/0122761号明細書、及びDeleavey and Damha,Chemistry and Biology,Vol.19:937-954,2012に記載されており、これらの全ては参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
特定の実施形態では、本発明のRNAiコンストラクトは、1つ以上のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む。ホスホロチオエートヌクレオチド間結合は、RNAiコンストラクトのセンス鎖、アンチセンス鎖、又は両方の鎖に存在し得る。例えば、いくつかの実施形態では、センス鎖は、1、2、3、4、5、6、7、8個以上のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む。他の実施形態では、アンチセンス鎖は、1、2、3、4、5、6、7、8個以上のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む。更に他の実施形態では、両方の鎖は、1、2、3、4、5、6、7、8個以上のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む。RNAiコンストラクトは、センス鎖、アンチセンス鎖、又は両方の鎖の3’末端、5’末端、又は3’末端及び5’末端の両方に1つ以上のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み得る。例えば、特定の実施形態では、RNAiコンストラクトは、センス鎖、アンチセンス鎖又は両方の鎖の3’末端に、約1個~約6個以上(例えば、約1、2、3、4、5、6個以上)の連続したホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む。他の実施形態では、RNAiコンストラクトは、センス鎖、アンチセンス鎖又は両方の鎖の5’末端に、約1個~約6個以上(例えば、約1、2、3、4、5、6個以上)の連続したホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む。
いくつかの実施形態では、RNAiコンストラクトは、センス鎖の3’末端の末端ヌクレオチド間に単一のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む。他の実施形態では、RNAiコンストラクトは、センス鎖の3’末端の末端ヌクレオチド間に2つの連続したホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む。一実施形態では、RNAiコンストラクトは、センス鎖の3’末端の末端ヌクレオチド間に単一のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み、アンチセンス鎖の3’末端の末端ヌクレオチド間に単一のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む。別の実施形態では、RNAiコンストラクトは、アンチセンス鎖の3’末端の末端ヌクレオチド間に2つの連続したホスホロチオエートヌクレオチド間結合(すなわち、アンチセンス鎖の3’末端の第1及び第2のヌクレオチド間結合にホスホロチオエートヌクレオチド間結合)を含む。別の実施形態では、RNAiコンストラクトは、アンチセンス鎖の3’末端及び5’末端の両方の末端ヌクレオチド間に2つの連続したホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む。なお別の実施形態では、RNAiコンストラクトは、アンチセンス鎖の3’末端及び5’末端の両方の末端ヌクレオチド間に2つの連続したホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み、センス鎖の5’末端に2つの連続したホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む。更に別の実施形態では、RNAiコンストラクトは、アンチセンス鎖の3’末端及び5’末端の両方の末端ヌクレオチド間に2つの連続したホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み、センス鎖の3’末端の末端ヌクレオチド間に2つの連続したホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む。別の実施形態では、RNAiコンストラクトは、アンチセンス鎖の3’末端及び5’末端の両方の末端ヌクレオチド間に2つの連続したホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み、センス鎖の3’末端及び5’末端の両方の末端ヌクレオチド間に2つの連続したホスホロチオエートヌクレオチド間結合(すなわち、アンチセンス鎖の5’末端及び3’末端の両方の第1及び第2のヌクレオチド間結合にホスホロチオエートヌクレオチド間結合、並びにセンス鎖の5’末端及び3’末端の両方の第1及び第2のヌクレオチド間結合にホスホロチオエートヌクレオチド間結合)を含む。なお別の実施形態では、RNAiコンストラクトは、アンチセンス鎖の3’末端及び5’末端の両方の末端ヌクレオチド間に2つの連続したホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み、センス鎖の3’末端の末端ヌクレオチド間に単一のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む。一方又は両方の鎖が1つ以上のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む実施形態のいずれかでは、鎖内の残りのヌクレオチド間結合が、天然の3’-5’ホスホジエステル結合であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、センス鎖及びアンチセンス鎖の各ヌクレオチド間結合は、ホスホジエステル及びホスホロチオエートから選択され、少なくとも1つのヌクレオチド間結合がホスホロチオエートである。
RNAiコンストラクトがヌクレオチドオーバーハングを含む実施形態では、オーバーハング内の不対ヌクレオチドの2つ以上が、ホスホロチオエートヌクレオチド間結合によって連結されていてもよい。特定の実施形態では、アンチセンス鎖及び/又はセンス鎖の3’末端のヌクレオチドオーバーハング内の全ての不対ヌクレオチドが、ホスホロチオエートヌクレオチド間結合によって連結されている。他の実施形態では、アンチセンス鎖及び/又はセンス鎖の5’末端のヌクレオチドオーバーハング内の全ての不対ヌクレオチドが、ホスホロチオエートヌクレオチド間結合によって連結されている。更に他の実施形態では、あらゆるヌクレオチドオーバーハング内の全ての不対ヌクレオチドが、ホスホロチオエートヌクレオチド間結合によって連結されている。
本発明のRNAiコンストラクトのいくつかの実施形態では、センス鎖、アンチセンス鎖、又はアンチセンス鎖及びセンス鎖の両方の5’末端は、ホスフェート部分を含む。本明細書で使用する場合、「ホスフェート部分」という用語は、非修飾ホスフェート(-O-P=O)(OH)OH)及び修飾ホスフェートを含む末端ホスフェート基を指す。修飾ホスフェートとしては、O及びOH基の1つ以上がH、O、S、N(R)又はアルキル(ここで、Rは、H、アミノ保護基又は非置換若しくは置換アルキルである)で置換されているホスフェートが挙げられる。例示的なホスフェート部分としては、5’-モノホスフェート;5’-ジホスフェート;5’-トリホスフェート;5’-グアノシンキャップ(7-メチル化若しくは非メチル化);5’-アデノシンキャップ又は任意の他の修飾若しくは非修飾ヌクレオチドキャップ構造;5’-モノチオホスフェート(ホスホロチオエート);5’-モノジチオホスフェート(ホスホロジチオエート);5’-α-チオトリホスフェート;5’-γ-チオトリホスフェート;5’-ホスホロアミダート;5’-ビニルホスフェート;5’-アルキルホスホネート(例えば、アルキル=メチル、エチル、イソプロピル、プロピルなど);及び5’-アルキルエーテルホスホネート(例えば、アルキルエーテル=メトキシメチル、エトキシメチルなど)を含むが、これらに限定されない。
本発明のRNAiコンストラクトに組み込むことができる修飾ヌクレオチドは、本明細書に記載される2つ以上の化学修飾を有し得る。例えば、修飾ヌクレオチドは、リボース糖に対する修飾と、核酸塩基に対する修飾とを有し得る。例として、修飾ヌクレオチドは、2’糖修飾(例えば、2’-フルオロ又は2’-O-メチル)を含んでもよく、修飾塩基(例えば、5-メチルシトシン又はプソイドウラシル)を含んでもよい。他の実施形態では、修飾ヌクレオチドは、修飾ヌクレオチドがポリヌクレオチドに組み込まれたときに、修飾ヌクレオチド間結合又はヌクレオシド間結合を生成することになる、5’ホスフェートに対する修飾と組み合わされた糖修飾を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、修飾ヌクレオチドは、2’-フルオロ修飾、2’-O-メチル修飾、又は二環式糖修飾、及び5’ホスホロチオエート基などの糖修飾を含み得る。従って、いくつかの実施形態では、本発明のRNAiコンストラクトの一方又は両方は、2’修飾ヌクレオチド又はBNA及びホスホロチオエートヌクレオチド間結合の組み合わせを含む。特定の実施形態では、本発明のRNAiコンストラクトのセンス鎖及びアンチセンス鎖の両方の鎖は、2’-フルオロ修飾ヌクレオチド、2’-O-メチル修飾ヌクレオチド、及びホスホロチオエートヌクレオチド間結合の組み合わせを含む。修飾ヌクレオチド及び修飾ヌクレオチド間結合を含む例示的なRNAiコンストラクトを表2に示す。
本発明のRNAiコンストラクトは、当技術分野において公知の技術を用いて、例えば従来の核酸固相合成法を用いて容易に作製することができる。RNAiコンストラクトのポリヌクレオチドは、標準的なヌクレオチド又はヌクレオシド前駆体(例えば、ホスホラミダイト)を使用して、好適な核酸合成装置で構築することができる。自動核酸合成装置は、いくつかのベンダーによって市販されており、Applied Biosystems(Foster City、CA)社製のDNA/RNA合成装置、BioAutomation(Irving、TX)社製のMerMade合成装置、及びGE Healthcare Life Sciences(Pittsburgh、PA)社製のOligoPilot合成装置が挙げられる。本発明のRNAiコンストラクトを合成するための例示的な方法を、実施例1で説明する。
2’シリル保護基を、リボヌクレオシドの5’位で酸に不安定なジメトキシトリチル(DMT)と共に使用し、ホスホラミダイト化学特性によってオリゴヌクレオチドを合成することができる。最終脱保護条件は、RNA産物を著しく分解しないことが知られている。全ての合成は、任意の自動又は手動の合成装置中で大規模、中規模又は小規模に実行することができる。合成は、複数のウェルプレート、カラム又はスライドガラス中で実行することもできる。
2’-O-シリル基は、フッ化物イオンに曝露することによって除去することができ、フッ化物イオンとしては、フッ化物イオンのあらゆる源、例えば無機対イオンと対形成されるフッ化物イオンを含有する塩、例えばフッ化セシウム及びフッ化カリウム、又は有機対イオンと対形成されるフッ化物イオンを含有する塩、例えばフッ化テトラアルキルアンモニウムを挙げることができる。脱保護反応では、クラウンエーテル触媒を無機フッ化物と組み合わせて使用することができる。好ましいフッ素イオン源は、フッ化テトラブチルアンモニウム又はアミノヒドロフルオリドである(例えば、双極性非プロトン溶媒、例えばジメチルホルムアミド中で水性HFをトリエチルアミンと混合する)。
亜リン酸トリエステル及びホスホトリエステルに使用する保護基を選択することにより、フッ化物に対するトリエステルの安定性を変化させることができる。ホスホトリエステル又は亜リン酸トリエステルをメチル保護することにより、フッ化物イオンに対して結合を安定化させ、且つプロセス収率を向上させることができる。
リボヌクレオシドは、反応性の2’ヒドロキシル置換基を有するため、RNAの反応性の2’位を、5’-O-ジメトキシトリチル保護基に対して直交性である保護基、例えば酸処理に対して安定な保護基で保護することが望ましい場合がある。シリル保護基はこの条件を満たし、最終的なフッ化物脱保護工程において容易に除去することが可能であり、これによりRNA分解を最小減に抑えることが可能となる。
標準的なホスホラミダイトカップリング反応に、テトラゾール触媒を使用することができる。好ましい触媒としては、例えば、テトラゾール、S-エチル-テトラゾール、ベンジルチオテトラゾール、p-ニトロフェニルテトラゾールが挙げられる。
当業者によって理解され得るように、本明細書に記載のRNAiコンストラクトを合成する更なる方法は、当業者には明らかであろう。加えて、様々な合成工程を代替の順番又は順序で実施して、所望の化合物を得てもよい。本明細書に記載のRNAiコンストラクトの合成に有用な他の合成化学転換、保護基(例えば、塩基に存在するヒドロキシル、アミノなどのための)、及び保護基の方法論(保護及び脱保護)は、当技術分野において公知であり、例えば、R.Larock,Comprehensive Organic Transformations,VCH Publishers(1989);T.W.Greene and P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,2d.Ed.,John Wiley and Sons(1991);L.Fieser and M.Fieser,Fieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis,John Wiley and Sons(1994);及びL.Paquette,ed.,Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis,John Wiley and Sons(1995)、並びにそれらの後続の版に記載されているものなどが挙げられる。RNAi薬剤のカスタム合成は、Dharmacon,Inc.(Lafayette、CO)、AxoLabs GmbH(Kulmbach、Germany)、及びAmbion,Inc.(Foster City、CA)を含むいくつかの民間のベンダーからも入手可能である。
本発明のRNAiコンストラクトは、リガンドを含み得る。本明細書で使用する場合、「リガンド」は、別の化合物又は分子と直接的又は間接的に相互作用することができる任意の化合物又は分子を指す。リガンドの別の化合物又は分子との相互作用は、生物学的応答を誘発する(例えば、シグナル伝達カスケードを惹起する、受容体依存性エンドサイトーシスを誘導する)ものであってよく、又は単に物理的会合であってよい。リガンドは、結合する二本鎖RNA分子の1つ以上の特性、例えばRNA分子の薬力学、薬物動態、結合、吸収、細胞分布、細胞取込み、電荷及び/又はクリアランス特性を改変することができる。
リガンドは、血清タンパク質(例えば、ヒト血清アルブミン、低密度リポタンパク質、グロブリン)、コレステロール部分、ビタミン(ビオチン、ビタミンE、ビタミンB12)、葉酸部分、ステロイド、胆汁酸(例えば、コール酸)、脂肪酸(例えば、パルミチン酸、ミリスチン酸)、炭水化物(例えば、デキストラン、プルラン、キチン、キトサン、イヌリン、シクロデキストリン、若しくはヒアルロン酸)、グリコシド、リン脂質、又は抗体若しくはその結合断片(例えば、肝臓などの特定の細胞型に対してRNAiコンストラクトを標的化する抗体若しくは結合断片)を含み得る。リガンドの他の例としては、色素、挿入剤(例えば、アクリジン)、架橋剤(例えば、ソラレン、マイトマイシンC)、ポルフィリン(TPPC4、テキサフィリン、サフィリン)、多環式芳香族炭化水素(例えば、フェナジン、ジヒドロフェナジン)、人工エンドヌクレアーゼ(例えば、EDTA)、親油性分子、例えば、アダマンタン酢酸、1-ピレン酪酸、ジヒドロテストステロン、1,3-ビス-O(ヘキサデシル)グリセロール、ゲラニルオキシヘキシル基、ヘキサデシルグリセロール、ボルネオール、メントール、1,3-プロパンジオール、ヘプタデシル基、O3-(オレオイル)リトコール酸、O3-(オレオイル)コレン酸、ジメトキシトリチル又はフェノキサジン、ペプチド(例えば、アンテナペディアペプチド、Tatペプチド、RGDペプチド)、アルキル化剤、ポリエチレングリコール(PEG)(例えば、PEG-40K)などのポリマー、ポリアミノ酸、及びポリアミン(例えば、スペルミン、スペルミジン)が挙げられる。
特定の実施形態では、リガンドは、エンドソーム溶解特性を有する。エンドソーム溶解リガンドは、エンドソームの溶解、及び/又は、本発明のRNAiコンストラクト若しくはその構成要素のエンドソームから細胞の細胞質への輸送を促進する。エンドソーム溶解リガンドは、pH依存性膜活性及び膜融合性を示すポリカチオンペプチド又はペプチド模倣体であり得る。一実施形態では、エンドソーム溶解リガンドは、エンドソームのpHでその活性立体配座をとる。「活性」立体配座は、エンドソーム溶解リガンドが、エンドソームの溶解、及び/又は、本発明のRNAiコンストラクト若しくはその構成要素のエンドソームから細胞の細胞質への輸送を促進する立体配座である。例示的なエンドソーム溶解リガンドとしては、GALAペプチド(Subbarao et al.,Biochemistry,Vol.26:2964-2972,1987)、EALAペプチド(Vogel et al.,J.Am.Chern.Soc.,Vol.118:1581-1586,1996)、及びこれらの誘導体(Turk et al.,Biochem.Biophys.Acta,Vol.1559:56-68,2002)が挙げられる。一実施形態では、エンドソーム溶解構成分は、pHの変化に応答して電荷又はプロトン化に変化を起こす化学基(例えば、アミノ酸)を含有し得る。エンドソーム溶解成分は、直鎖状又は分枝状であってよい。
いくつかの実施形態では、リガンドは、脂質又は他の疎水性分子を含む。一実施形態では、リガンドは、コレステロール部分又は他のステロイドを含む。コレステロールコンジュゲート型オリゴヌクレオチドは、それらの非コンジュゲート型オリゴヌクレオチドよりも活性であることが報告されている(Manoharan,Antisense Nucleic Acid Drug Development,Vol.12:103-228,2002)。核酸分子にコンジュゲートするためのコレステロール部分及び他の脂質を含むリガンドは、米国特許第7,851,615号明細書;同第7,745,608号明細書;及び同第7,833,992号明細書にも記載されており、これらの全ては参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。別の実施形態では、リガンドは、葉酸部分を含む。葉酸部分とコンジュゲートしたポリヌクレオチドは、受容体依存性エンドサイトーシス経路を介して細胞に取り込まれることが可能となる。このような葉酸-ポリヌクレオチドコンジュゲートは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,188,247号明細書に記載されている。
LPA遺伝子は、主に肝臓に発現する。従って、特定の実施形態では、本発明のRNAiコンストラクトを肝臓細胞に特異的に送達することが望ましい。従って、特定の実施形態では、リガンドは、以下でより詳細に記載するように、様々な手段を用いてRNAiコンストラクトの肝臓細胞(例えば、肝細胞)への特異的な送達を標的化する。特定の実施形態では、RNAiコンストラクトは、表面に発現したアシアロ糖タンパク質受容体(ASGR)又はその構成成分(例えば、ASGR1、ASGR2)に結合するリガンドにより、肝臓細胞に標的化される。
いくつかの実施形態では、RNAiコンストラクトは、肝臓細胞の表面上に発現するタンパク質と結合又は相互作用するリガンドを用いることによって、肝臓に特異的に標的化され得る。例えば、特定の実施形態では、リガンドは、アシアロ糖タンパク質受容体及びLDL受容体などの肝細胞に発現する受容体に特異的に結合する抗原結合タンパク質(例えば、抗体又はその結合断片(例えば、Fab、scFv))を含み得る。特定の一実施形態では、リガンドは、ASGR1及び/又はASGR2に特異的に結合する抗体又はその結合断片を含む。別の実施形態では、リガンドは、ASGR1及び/又はASGR2に特異的に結合する抗体のFab断片を含む。「Fab断片」は、1つの免疫グロブリン軽鎖(すなわち、軽鎖可変領域(VL)及び定常領域(CL))、並びに1つの免疫グロブリン重鎖のCH1領域及び可変領域(VH)から構成される。別の実施形態では、リガンドは、ASGR1及び/又はASGR2に特異的に結合する、抗体の単鎖可変抗体断片(scFv断片)を含む。「scFv断片」は、抗体のVH領域及びVL領域を含み、これらの領域は単鎖ポリペプチドに存在しており、任意選択により、Fvが抗原結合に望ましい構造を形成することができるVH領域とVL領域との間にペプチドリンカーを含む。本発明のRNAiコンストラクトを肝臓に標的化するためのリガンドとして使用することができる、ASGR1に特異的に結合する例示的な抗体及びその結合断片は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2017/058944号パンフレットに記載されている。本発明のRNAiコンストラクトのリガンドとして使用するのに好適なASGR1、LDL受容体、又は他の肝臓の表面に発現するタンパク質に特異的に結合する他の抗体又はその結合断片は市販されている。
特定の実施形態では、リガンドは、炭水化物を含む。「炭水化物」は、酸素、窒素又は硫黄原子が各炭素原子に結合された、少なくとも6個の炭素原子(鎖状、分枝状又は環状であってよい)を有する1つ以上の単糖単位から構成される化合物を指す。炭水化物としては、糖(例えば、単糖、二糖、三糖、四糖、及び約4、5、6、7、8又は9個の単糖単位を含有するオリゴ糖)、並びにデンプン、グリコーゲン、セルロース及び多糖類ガムなどの多糖が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、リガンドに組み込まれる炭水化物は、ペントース、ヘキソース、又はヘプトースから選択される単糖、並びにこのような単糖単位を含む二糖及び三糖である。他の実施形態では、リガンドに組み込まれる炭水化物は、ガラクトサミン、グルコサミン、N-アセチルガラクトサミン、及びN-アセチルグルコサミンなどのアミノ糖である。
いくつかの実施形態では、リガンドは、ヘキソース又はヘキソサミンを含む。ヘキソースは、グルコース、ガラクトース、マンノース、フコース、又はフルクトースから選択してもよい。ヘキソサミンは、フルクトサミン、ガラクトサミン、グルコサミン、又はマンノサミンから選択してもよい。特定の実施形態では、リガンドは、グルコース、ガラクトース、ガラクトサミン、又はグルコサミンを含む。一実施形態では、リガンドは、グルコース、グルコサミン、又はN-アセチルグルコサミンを含む。別の実施形態では、リガンドは、ガラクトース、ガラクトサミン、又はN-アセチル-ガラクトサミンを含む。特定の実施形態では、リガンドは、N-アセチル-ガラクトサミンを含む。グルコース、ガラクトース、及びN-アセチル-ガラクトサミン(GalNAc)を含むリガンドは、このようなリガンドが肝細胞の表面に発現するASGRに結合するため、化合物を肝臓細胞に標的化するのに特に有効である。例えば、D’Souza and Devarajan,J.Control Release,Vol.203:126-139,2015を参照されたい。本発明のRNAiコンストラクトに組み込むことができるGalNAc又はガラクトース含有リガンドの例は、米国特許第7,491,805号明細書;同第8,106,022号明細書;及び同第8,877,917号明細書;米国特許出願公開第20030130186号明細書;並びに国際公開第2013166155号パンフレットに記載されており、これらの全ては参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
特定の実施形態では、リガンドは、多価炭水化物部分を含む。本明細書で使用する場合、「多価炭水化物部分」は、独立して他の分子と結合又は相互作用することができる2つ以上の炭水化物単位を含む部分を指す。例えば、多価炭水化物部分は、2つ以上の異なる分子又は同じ分子の2つ以上の異なる部位に結合することが可能な炭水化物からなる2つ以上の結合ドメインを含む。炭水化物部分の価数は、炭水化物部分内の個々の結合ドメインの数を示す。例えば、炭水化物部分に関する「一価」、「二価」、「三価」及び「四価」という用語は、それぞれ1、2、3及び4個の結合ドメインを有する炭水化物部分を指す。多価炭水化物部分は、多価ラクトース部分、多価ガラクトース部分、多価グルコース部分、多価N-アセチル-ガラクトサミン部分、多価N-アセチル-グルコサミン部分、多価マンノース部分、又は多価フコース部分を含み得る。いくつかの実施形態では、リガンドは、多価ガラクトース部分を含む。他の実施形態では、リガンドは、多価N-アセチル-ガラクトサミン部分を含む。これら及び他の実施形態では、多価炭水化物部分は、二価、三価、又は四価であり得る。このような実施形態では、多価炭水化物部分は、二分岐又は三分岐であり得る。特定の一実施形態では、多価N-アセチル-ガラクトサミン部分は、三価又は四価である。別の特定の実施形態では、多価ガラクトース部分は、三価又は四価である。本発明のRNAiコンストラクトに組み込むための例示的な三価又は四価GalNAc含有リガンドを以下に詳述する。
リガンドは、RNAiコンストラクトのRNA分子に直接的又は間接的に結合又はコンジュゲートされていてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、リガンドは、RNAiコンストラクトのセンス鎖又はアンチセンス鎖に直接共有結合されている。他の実施形態では、リガンドは、RNAiコンストラクトのセンス鎖又はアンチセンス鎖にリンカーを介して共有結合されている。リガンドは、本発明のRNAiコンストラクトのポリヌクレオチド(例えば、センス鎖又はアンチセンス鎖)の核酸塩基、糖部分、又はヌクレオチド間結合に結合されていてもよい。プリン核酸塩基又はその誘導体へのコンジュゲーション又は結合は、環内原子及び環外原子を含む任意の位置で起こり得る。特定の実施形態では、プリン核酸塩基の2位、6位、7位又は8位がリガンドに結合される。ピリミジン核酸塩基又はその誘導体へのコンジュゲーション又は結合もまた、任意の位置で起こり得る。いくつかの実施形態では、ピリミジン核酸塩基の2位、5位及び6位がリガンドに結合されていてもよい。ヌクレオチドの糖部分へのコンジュゲーション又は結合は、任意の炭素原子で起こり得る。リガンドに結合され得る糖部分の例示的な炭素原子としては、2’、3’及び5’炭素原子が挙げられる。例えば、脱塩基ヌクレオチドでは、1’位もリガンドに結合することができる。ヌクレオチド間結合もリガンドの結合を促進することができる。リン含有結合(例えば、ホスホジエステル、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホロアミダートなど)の場合、リガンドは、リン原子又はリン原子に結合したO、N若しくはS原子に直接結合されていてもよい。アミン含有ヌクレオシド間結合又はアミド含有ヌクレオシド間結合(例えば、PNA)の場合、リガンドは、アミン若しくはアミドの窒素原子又は隣接する炭素原子に結合されていてもよい。
いくつかの実施形態では、リガンドは、センス鎖又はアンチセンス鎖のいずれかの3’末端又は5’末端に結合されていてもよい。特定の実施形態では、リガンドは、センス鎖の5’末端に共有結合されている。このような実施形態では、リガンドは、センス鎖の5’末端ヌクレオチドに結合される。これら及び他の実施形態では、リガンドは、センス鎖の5’末端ヌクレオチドの5’位で結合される。逆位脱塩基ヌクレオチドがセンス鎖の5’末端ヌクレオチドであり、5’-5’ヌクレオチド間結合を介して隣接するヌクレオチドに結合される実施形態では、リガンドは、逆位脱塩基ヌクレオチドの3’位に結合されていてもよい。他の実施形態では、リガンドは、センス鎖の3’末端に共有結合されている。例えば、いくつかの実施形態では、リガンドは、センス鎖の3’末端ヌクレオチドに結合される。このような特定の実施形態では、リガンドは、センス鎖の3’末端ヌクレオチドの3’位で結合される。逆位脱塩基ヌクレオチドがセンス鎖の3’末端ヌクレオチドであり、3’-3’ヌクレオチド間結合を介して隣接するヌクレオチドに結合される実施形態では、リガンドは、逆位脱塩基ヌクレオチドの5’位に結合されていてもよい。代替的な実施形態では、リガンドは、センス鎖の3’末端近傍に結合されるが、1つ以上の末端ヌクレオチドの前(すなわち、1、2、3又は4個の末端ヌクレオチドの前)で結合される。いくつかの実施形態では、リガンドは、センス鎖の3’末端ヌクレオチドの糖の2’位で結合される。他の実施形態では、リガンドは、センス鎖の5’末端ヌクレオチドの糖の2’位で結合される。
特定の実施形態では、リガンドは、リンカーを介してセンス鎖又はアンチセンス鎖に結合される。「リンカー」は、リガンドをRNAiコンストラクトのポリヌクレオチド構成要素に共有結合させる原子又は原子団である。リンカーは、約1~約30原子長、約2~約28原子長、約3~約26原子長、約4~約24原子長、約6~約20原子長、約7~約20原子長、約8~約20原子長、約8~約18原子長、約10~約18原子長、及び約12~約18原子長であってよい。いくつかの実施形態では、リンカーは、一般に、2つの官能基を有するアルキル部分を含む二官能性結合部分を含み得る。官能基の一方は、目的の化合物(例えば、RNAiコンストラクトのセンス鎖又はアンチセンス鎖)に結合するように選択され、他方は、本明細書に記載されるようなリガンドなどの任意の選択された基に実質的に結合するように選択される。特定の実施形態では、リンカーは、エチレングリコール単位又はアミノ酸単位などの繰返し単位からなる鎖構造又はオリゴマーを含む。二官能性結合部分に通常用いられる官能基の例としては、求核性基と反応させるための求電子剤及び求電子性基と反応させるための求核剤が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、二官能性結合部分としては、アミノ、ヒドロキシル、カルボン酸、チオール、及び不飽和(例えば、二重結合又は三重結合)などが挙げられる。
リガンドを本発明のRNAiコンストラクトのセンス鎖又はアンチセンス鎖に結合するために使用してもよいリンカーとしては、ピロリジン、8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸、4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボン酸スクシンイミジル、6-アミノヘキサン酸、置換C1~C10アルキル、置換若しくは非置換C2~C10アルケニル、又は置換若しくは非置換C2~C10アルキニルが挙げられるが、これらに限定されない。このようなリンカーに好ましい置換基としては、ヒドロキシル、アミノ、アルコキシ、カルボキシ、ベンジル、フェニル、ニトロ、チオール、チオアルコキシ、ハロゲン、アルキル、アリール、アルケニル及びアルキニルが挙げられるが、これらに限定されない。
特定の実施形態では、リンカーは切断可能である。切断可能リンカーは、細胞外部で十分に安定であるが、標的細胞に入ると切断されて、リンカーが一体に保持している2つの部分を放出する。いくつかの実施形態では、切断可能リンカーは、対象の血液中又は第2の参照条件下(例えば、血液若しくは血清中で見られる条件を模倣するか又はその条件を表すように選択され得る)よりも、標的細胞中又は第1の参照条件下(例えば、細胞内条件を模倣するか又は細胞内条件を表すように選択され得る)では、少なくとも10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍以上、又は少なくとも100倍速く切断される。
切断可能リンカーは、切断剤、例えばpH、酸化還元電位又は分解性分子の存在に対して感受性である。一般に、切断剤は、血清又は血液中よりも細胞内部で優勢であるか、又は高いレベル若しくは活性で見出される。このような分解性薬剤の例としては、例えば、細胞内に存在し、還元によって酸化還元切断可能リンカーを分解することができるメルカプタンなどの酸化酵素若しくは還元酵素又は還元剤を含む、特定の基質のために選択されるか、又は基質特異性のない酸化還元剤;エステラーゼ;エンドソーム又は酸性環境を生成することができる薬剤、例えば、5以下のpHをもたらすもの;一般的な酸として作用することによって酸切断可能リンカーを加水分解又は分解することができる酵素、ペプチダーゼ(基質特異的であり得る)及びホスファターゼが挙げられる。
切断可能リンカーは、pHに対して感受性のある部分を含み得る。ヒト血清のpHは7.4だが、平均的な細胞内のpHはそれより僅かに低く、約7.1~7.3の範囲である。エンドソームのpHは、5.5~6.0の範囲でより酸性であり、リソソームのpHは、約5.0でより一層酸性である。いくつかのリンカーは、好ましいpHで切断され、それによってリガンドから細胞内部に、又は細胞の所望の区画にRNA分子を放出する切断可能な基を有する。
リンカーは、特定の酵素によって切断可能となる切断可能な基を含み得る。リンカーに組み込まれる切断可能な基の種類は、標的化される細胞に依存し得る。例えば、肝臓標的化リガンドは、エステル基を含むリンカーを介してRNA分子に結合されてもよい。肝臓細胞がエステラーゼに富んでいるため、このリンカーは、エステラーゼに富んでいない細胞型よりも肝臓細胞でより効果的に切断されることになる。エステラーゼに富む他の種類の細胞としては、肺、腎皮質、及び精巣の細胞が挙げられる。肝細胞及び滑膜細胞などのペプチダーゼに富む細胞を標的化する場合に、ペプチド結合を含有するリンカーを用いることができる。
一般に、切断可能リンカー候補の適合性は、リンカー候補を切断する分解性薬剤の能力(又は条件)を試験することによって評価することができる。切断可能リンカー候補を血液中、又は他の非標的組織と接触させた場合に、切断に抵抗する能力について試験することも望ましい。従って、標的細胞内で切断を示すように選択される第1の条件と、他の組織又は体液、例えば血液又は血清内で切断を示すように選択される第2の条件との間で、切断に対する相対的感受性を判断することができる。評価は、無細胞系、細胞、細胞培養物、臓器若しくは組織培養物中で、又は動物全体で実行することができる。無細胞又は培養条件で初期評価を行い、更に動物全体で評価することによって確認することが有用であり得る。いくつかの実施形態では、有用なリンカー候補は、血液又は血清(又は細胞外条件を模倣するように選択されたインビトロ条件下)と比較して、細胞(又は細胞内条件を模倣するように選択されたインビトロ条件下)内では少なくとも2倍、4倍、10倍、20倍、50倍、70倍又は100倍速く切断される。
他の実施形態では、酸化還元切断可能リンカーが使用される。酸化還元切断可能リンカーは、還元又は酸化されると切断される。還元的に切断可能な基の一例は、ジスルフィド結合基(-S-S-)である。切断可能リンカー候補が、好適な「還元的な切断可能リンカー」であるかどうか、又は例えば特定のRNAiコンストラクト及び特定のリガンドと共に使用するのに好適であるかどうかを判断するために、本明細書に記載の1つ以上の方法を使用することができる。例えば、ジチオスレイトール(DTT)、又は細胞、例えば標的細胞中で観察される切断速度を模倣する、当技術分野で公知の他の還元剤とインキュベートすることにより、リンカー候補を評価することができる。リンカー候補は、血液条件又は血清条件を模倣するように選択された条件下で評価することもできる。特定の実施形態では、リンカー候補は、血液中で最大10%切断される。他の実施形態では、有用なリンカー候補は、血液(又は細胞外条件を模倣するように選択されるインビトロ条件下)と比較して、細胞(又は細胞内条件を模倣するように選択されるインビトロ条件下)内では少なくとも2倍、4倍、10倍、20倍、50倍、70倍又は100倍速く分解される。
なお他の実施形態では、ホスフェート基を分解又は加水分解する薬剤によって切断されるホスフェート系切断可能リンカーを用いて、RNAiコンストラクトのセンス鎖又はアンチセンス鎖にリガンドを共有結合する。細胞内でホスフェート基を加水分解する薬剤の例としては、細胞内のホスファターゼなどの酵素がある。ホスフェート系の切断可能な基の例は、-O-P(O)(ORk)-O-、-O-P(S)(ORk)-O-、-O-P(S)(SRk)-O-、-S-P(O)(ORk)-O-、-O-P(O)(ORk)-S-、-S-P(O)(ORk)-S-、-O-P(S)(ORk)-S-、-S-P(S)(ORk)-O-、-O-P(O)(Rk)-O-、-O-P(S)(Rk)-O-、-S-P(O)(Rk)-O-、-S-P(S)(Rk)-O-、-S-P(O)(Rk)-S-、及び-O-P(S)(Rk)-S-であり、ここで、Rkは、水素又はアルキルであり得る。特定の実施形態としては、-O-P(O)(OH)-O-、-O-P(S)(OH)-O-、-O-P(S)(SH)-O-、-S-P(O)(OH)-O-、-O-P(O)(OH)-S-、-S-P(O)(OH)-S-、-O-P(S)(OH)-S-、-S-P(S)(OH)-O-、-O-P(O)(H)-O-、-O-P(S)(H)-O-、-S-P(O)(H)-O-、-S-P(S)(H)-O-、-S-P(O)(H)-S-、及び-O-P(S)(H)-S-が挙げられる。別の特定の実施形態は、-O-P(O)(OH)-O-である。これらのリンカー候補は、上記に記載されるものに類似する方法を用いて評価することができる。
他の実施形態では、リンカーは、酸性条件下で切断される基である、酸切断可能な基を含み得る。いくつかの実施形態では、酸切断可能な基は、pH約6.5以下(例えば、約6.0、5.5、5.0以下)の酸性環境で、又は一般的な酸として作用することができる酵素などの薬剤によって切断される。細胞内では、エンドソーム及びリソソームなどの特定の低pHオルガネラが、酸切断可能な基に切断環境を提供することができる。酸切断可能な結合基の例としては、ヒドラゾン、エステル及びアミノ酸のエステルが挙げられるが、これらに限定されない。酸切断可能な基は、一般式-C=NN-、C(O)O、又は-OC(O)を有し得る。特定の実施形態は、エステルの酸素(アルコキシ基)に結合した炭素が、アリール基、置換アルキル基、又はジメチル、ペンチル若しくはt-ブチルなどの三級アルキル基である場合である。これらの候補は、上記に記載したものに類似する方法を用いて評価することができる。
他の実施形態では、リンカーは、細胞内のエステラーゼ及びアミダーゼなどの酵素によって切断される、エステル系の切断可能な基を含み得る。エステル系の切断可能な基の例としては、アルキレン、アルケニレン及びアルキニレン基のエステルが挙げられるが、これらに限定されない。エステル切断可能な基は、一般式-C(O)O-、又は-OC(O)-を有する。これらのリンカー候補は、上記に記載されるものに類似する方法を用いて評価することができる。
更なる実施形態では、リンカーは、細胞内のペプチダーゼ及びプロテアーゼなどの酵素によって切断される、ペプチド系の切断可能な基を含み得る。ペプチド系の切断可能な基は、オリゴペプチド(例えば、ジペプチド、トリペプチドなど)及びポリペプチドを生じるような、アミノ酸間で形成されたペプチド結合である。ペプチド系の切断可能な基は、アミド基(-C(O)NH-)を含む。アミド基は、任意のアルキレン、アルケニレン又はアルキニレン間に形成されていてもよい。ペプチド結合は、ペプチド及びタンパク質を生じるような、アミノ酸間で形成される特殊なタイプのアミド結合である。ペプチド系の切断可能な基は、一般に、ペプチド及びタンパク質を生じさせる、アミノ酸間で形成されるペプチド結合(すなわち、アミド結合)に限定される。ペプチド系の切断可能な連結基は、一般式-NHCHRAC(O)NHCHRBC(O)-を有し、式中、RA及びRBは、2つの隣接するアミノ酸の側鎖である。これらの候補は、上記に記載したものに類似する方法を用いて評価することができる。
リガンドを本発明のRNAiコンストラクトのセンス鎖又はアンチセンス鎖に結合させるのに好適な他の種類のリンカーは、当技術分野において公知であり、米国特許第7,723,509号明細書;同第8,017,762号明細書;同第8,828,956号明細書;同第8,877,917号明細書;及び同第9,181,551号明細書に記載されるリンカーを挙げることができ、これらの全てはその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
特定の実施形態では、本発明のRNAiコンストラクトのセンス鎖又はアンチセンス鎖に共有結合されるリガンドは、GalNAc部分、例えば多価GalNAc部分を含む。いくつかの実施形態では、多価GalNAc部分は三価GalNAc部分であり、センス鎖の3’末端に結合される。他の実施形態では、多価GalNAc部分は三価GalNAc部分であり、センス鎖の5’末端に結合される。なお他の実施形態では、多価GalNAc部分は四価GalNAc部分であり、センス鎖の3’末端に結合される。更に他の実施形態では、多価GalNAc部分は四価GalNAc部分であり、センス鎖の5’末端に結合される。
特定の実施形態では、本発明のRNAiコンストラクトは、構造1:
の構造を有するリガンドを含む。
好ましい実施形態では、この構造を有するリガンドは、本明細書に記載のリンカーなどのリンカーを介してセンス鎖の5’末端に共有結合される。一実施形態では、リンカーはアミノヘキシルリンカーである。
本発明のRNAiコンストラクトの二本鎖RNA分子に結合することができる、例示的な三価及び四価GalNAc部分とリンカーとを以下の構造式I~IXに示す。本明細書に列記される式中の「Ac」は、アセチル基を表す。
一実施形態では、RNAiコンストラクトは、以下の式Iの構造を有するリガンド及びリンカーを含み、式中、各nは独立して1~3であり、kは1~3であり、mは1又は2であり、jは1又は2であり、リガンドは、二本鎖RNA分子(実線の波線で表される)のセンス鎖の3’末端に結合される。
別の実施形態では、RNAiコンストラクトは、以下の式IIの構造を有するリガンド及びリンカーを含み、式中、各nは独立して1~3であり、kは1~3であり、mは1又は2であり、jは1又は2であり、リガンドは、二本鎖RNA分子(実線の波線で表される)のセンス鎖の3’末端に結合される。
なお別の実施形態では、RNAiコンストラクトは、以下の式IIIの構造を有するリガンド及びリンカーを含み、式中、リガンドは、二本鎖RNA分子(実線の波線で表される)のセンス鎖の3’末端に結合される。
更に別の実施形態では、RNAiコンストラクトは、以下の式IVの構造を有するリガンド及びリンカーを含み、式中、リガンドは、二本鎖RNA分子(実線の波線で表される)のセンス鎖の3’末端に結合される。
特定の実施形態では、RNAiコンストラクトは、以下の式Vの構造を有するリガンド及びリンカーを含み、式中、各nは独立して1~3であり、kは1~3であり、リガンドは、二本鎖RNA分子(実線の波線で表される)のセンス鎖の5’末端に結合される。
他の実施形態では、RNAiコンストラクトは、以下の式VIの構造を有するリガンド及びリンカーを含み、式中、各nは独立して1~3であり、kは1~3であり、リガンドは、二本鎖RNA分子(実線の波線で表される)のセンス鎖の5’末端に結合される。
特定の一実施形態では、RNAiコンストラクトは、以下の式VIIの構造を有するリガンド及びリンカーを含み、式中、X=O又はSであり、リガンドは、二本鎖RNA分子(波線で表される)のセンス鎖の5’末端に結合される。
いくつかの実施形態では、RNAiコンストラクトは、以下の式VIIIの構造を有するリガンド及びリンカーを含み、式中、各nは独立して1~3であり、リガンドは、二本鎖RNA分子(実線の波線で表される)のセンス鎖の5’末端に結合される。
特定の実施形態では、RNAiコンストラクトは、以下の式IXの構造を有するリガンド及びリンカーを含み、式中、リガンドは、二本鎖RNA分子(実線の波線で表される)のセンス鎖の5’末端に結合される。
リガンド及びリンカーを核酸鎖に共有結合させるために、ホスホロチオエート結合を式I~IXのいずれか1つに示されるホスホジエステル結合と置き換えることができる。
本発明はまた、本明細書に記載のRNAiコンストラクト及び薬学的に許容される担体、賦形剤、又は希釈剤を含む医薬組成物及び製剤を含む。このような組成物及び製剤は、それを必要とする患者においてLPA遺伝子の発現を低減させるのに有用である。臨床上の用途が想定される場合、医薬組成物及び製剤は、目的の用途に適切な形態で調製される。一般に、このことは、パイロジェンだけでなく、ヒト又は動物に有害となる可能性のある他の不純物も実質的に含まない組成物の調製を伴う。
「薬学的に許容される」又は「薬理学的に許容される」という語句は、動物又はヒトに投与された場合、有害反応、アレルギー反応、又は他の不都合な反応をもたらすことのない分子実体及び組成物を指す。本明細書で使用する場合、「薬学的に許容される担体、賦形剤、又は希釈剤」としては、ヒトに投与するのに好適な薬剤などの薬剤を製剤するのに使用するために許容される溶媒、緩衝液、溶液、分散媒、コーティング、抗菌剤及び抗真菌剤、等張剤及び吸収遅延剤などが挙げられる。薬学的に活性な物質に対するこのような媒体及び薬剤の使用は、当技術分野においてよく知られている。従来のあらゆる媒体又は薬剤が本発明のRNAiコンストラクトと適合しない場合を除いて、治療組成物におけるその使用が想定される。補助的な活性成分を、それらが組成物のRNAiコンストラクトを不活性化しないという条件で組成物に組み込むこともできる。
医薬組成物を製剤化するための組成及び方法は、投与経路、治療を受ける疾患若しくは傷害の種類及び程度、又は投与される用量が挙げられるが、これらに限定されないいくつかの基準によって決まる。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、目的の送達経路に基づいて製剤化される。例えば、特定の実施形態では、医薬組成物は、非経口送達用に製剤化される。非経口の送達形態としては、静脈内、動脈内、皮下、髄腔内、腹腔内又は筋肉内の注射又は注入が挙げられる。一実施形態では、医薬組成物は、静脈内送達用に製剤化される。このような実施形態では、医薬組成物は、脂質ベースの送達ビヒクルを含み得る。別の実施形態では、医薬組成物は、皮下送達用に製剤化される。このような実施形態では、医薬組成物は、標的化リガンド(例えば、本明細書に記載のGalNAc含有リガンド又は抗体含有リガンド)を含み得る。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、有効量の本明細書に記載のRNAiコンストラクトを含む。「有効量」は、有益な又は所望の臨床結果をもたらすのに十分な量である。いくつかの実施形態では、有効量は、対象の特定の組織又は細胞型(例えば、肝臓又は肝細胞)においてLPA遺伝子の発現を低減させるのに十分な量である。有効量の本発明のRNAiコンストラクトは、約0.01mg/kg体重~約100mg/kg体重であってよく、毎日、毎週、毎月、又はそれよりも長い間隔で投与してもよい。有効量及び有効な投与頻度とみなされるものを正確に判断することは、患者の身長、年齢、及び全身状態、治療を受ける障害の種類(例えば、心筋梗塞、冠動脈疾患、末梢動脈疾患、脳卒中)、使用される特定のRNAiコンストラクト、並びに投与経路を含むいくつかの要因に基づき得る。
本発明の医薬組成物の投与は、標的組織がその経路を介して利用できる限り、一般的なあらゆる経路を介するものであってよい。そのような経路としては、非経口(例えば、皮下、筋肉内、腹腔内、又は静脈内)、経口、経鼻、頬側、皮内、経皮、及び舌下経路、又は肝臓組織への直接注射若しくは肝門脈を介する送達が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、非経口投与される。例えば、特定の実施形態では、医薬組成物は、静脈内投与される。他の実施形態では、医薬組成物は、皮下投与される。
水中油型エマルション、ミセル、混合ミセル、及びリポソームを含む巨大分子複合体、ナノカプセル、マイクロスフェア、ビーズ、及び脂質ベース系などのコロイド分散系を、本発明のRNAiコンストラクトの送達ビヒクルとして使用してもよい。本発明の核酸を送達するのに好適な市販の脂肪エマルションとしては、Intralipid(登録商標)(Baxter International Inc.)、Liposyn(登録商標)(Abbott Pharmaceuticals)、Liposyn(登録商標)II(Hospira)、Liposyn(登録商標)III(Hospira)、Nutrilipid(B.Braun Medical Inc.)、及び他の類似の脂質エマルションが挙げられる。インビボにおける送達ビヒクルとして使用するための好ましいコロイド系は、リポソーム(すなわち、人工膜小胞)である。本発明のRNAiコンストラクトは、リポソーム内に封入してもよく、又はリポソーム、特にカチオン性リポソームと複合体を形成してもよい。或いは、本発明のRNAiコンストラクトは、脂質、特にカチオン性脂質と複合体を形成してもよい。好適な脂質及びリポソームとしては、中性(例えば、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、及びジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン)、陰性(例えば、ジミリストイルホスファチジルグリセロール(DMPG))、並びにカチオン性(例えば、ジオレオイルテトラメチルアミノプロピル(DOTAP)及びジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOTMA))が挙げられる。このようなコロイド分散系の調製及び使用は、当技術分野においてよく知られている。例示的な製剤は、米国特許第5,981,505号明細書、米国特許第6,217,900号明細書;米国特許第6,383,512号明細書;米国特許第5,783,565号明細書;米国特許第7,202,227号明細書;米国特許第6,379,965号明細書;米国特許第6,127,170号明細書;米国特許第5,837,533号明細書;米国特許第6,747,014号明細書;及び国際公開第03/093449号パンフレットにも開示されている。
いくつかの実施形態では、本発明のRNAiコンストラクトは、脂質製剤内に完全に封入されており、例えばSNALP又は他の核酸脂質粒子を形成する。本明細書で使用する場合、「SNALP」という用語は、安定な核酸脂質粒子を指す。SNALPは、通常、カチオン性脂質、非カチオン性脂質、及び粒子の凝集を防止する脂質(例えば、PEG脂質コンジュゲート)を含有する。SNALPは、静脈内注射後に長期間の循環寿命を示し、遠位部位(例えば、投与部位から物理的に離れた部位)に蓄積されるため、全身投与に極めて有用である。核酸脂質粒子は、通常、平均直径が約50nm~約150nm、約60nm~約130nm、約70nm~約110nm、又は約70nm~約90nmであり、実質的に非毒性である。加えて、核酸脂質粒子中に存在しているときの核酸は、水溶液中におけるヌクレアーゼによる分解に対して耐性がある。核酸脂質粒子及びそれらの調製方法は、例えば、米国特許第5,976,567号明細書、同第5,981,501号明細書、同第6,534,484号明細書、同第6,586,410号明細書、同第6,815,432号明細書、及び国際公開第96/40964号パンフレットに開示されている。
注射用途に好適な医薬組成物としては、例えば、滅菌水溶液又は分散体、及び滅菌注射溶液又は分散体の即時調製用の滅菌粉末が挙げられる。一般に、これらの調製物は、滅菌済みであり、容易に注射可能である程度の流体である。調製物は、製造及び保存条件下で安定でなければならず、細菌及び真菌などの微生物の汚染作用に対して保護されていなければならない。適切な溶媒又は分散媒は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレングリコールなど)、これらの好適な混合液及び植物油を含有してもよい。例えば、レシチンなどのコーティングの使用により、分散体の場合に必要とされる粒径を維持することにより、及び界面活性剤の使用により、適切な流動性を維持することができる。微生物の作用の予防は、様々な抗菌剤及び抗真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、及びチメロサールなどによって実現することができる。多くの場合、等張剤、例えば、糖又は塩化ナトリウムを含むことが好ましい。注射用組成物の持続的吸収は、吸収を遅延する作用物質、例えばモノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンを組成物に使用することによって実現することができる。
滅菌注射溶液は、活性化合物を適切な量で所望の(例えば、上記に列挙したような)他の任意の成分と共に溶媒中に加えた後に、濾過滅菌することによって調製してもよい。一般に、分散体は、例えば、上記に列挙したような塩基性分散媒及び所望の他の成分を含有する滅菌ビヒクル中に、滅菌した種々の活性成分を加えることによって調製される。滅菌注射溶液を調製するための滅菌粉末の場合、好ましい調製方法としては、それらの予め滅菌濾過した溶液から、活性成分に加えて任意の追加の所望の成分の粉末が得られる、真空乾燥及び凍結乾燥技術が挙げられる。
本発明の組成物は、一般に、中性又は塩形態で製剤化されてもよい。薬学的に許容される塩としては、例えば、無機酸(例えば、塩酸若しくはリン酸)又は有機酸(例えば、酢酸、シュウ酸、酒石酸、及びマンデル酸など)から誘導される酸付加塩(遊離アミノ基により形成される)が挙げられる。遊離カルボキシル基と共に形成される塩は、無機塩基(例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、又は水酸化第二鉄)から誘導することもでき、又は有機塩基(例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ヒスチジン、プロカインなど)から誘導することもできる。いくつかの実施形態では、本発明のRNAiコンストラクトは、ナトリウム塩として製剤化される。
例えば、水溶液中で非経口投与するために、溶液は一般に適切に緩衝化され、液体希釈剤は、例えば十分な生理食塩水又はグルコースによって最初に等張化される。このような水溶液を、例えば、静脈内、筋肉内、皮下及び腹腔内投与に使用してもよい。特に本開示を考慮すれば、当業者に知られているような滅菌水性媒体を使用することが好ましい。実例として、単回用量を等張NaCl溶液1ml中に溶解して皮下注入液1000mlに添加してもよく、又は提示された注入部位に注射してもよい(例えば、“Remington’s Pharmaceutical Sciences”15th Edition,pages 1035-1038 and 1570-1580を参照されたい)。ヒトに投与する場合、調製物は、FDA基準に要求される無菌性、発熱性、一般的安全性及び純度の基準を満たさなければならない。特定の実施形態では、本発明の医薬組成物は、滅菌生理食塩水及び本明細書に記載のRNAiコンストラクトを含むか又はそれらからなる。他の実施形態では、本発明の医薬組成物は、本明細書に記載のRNAiコンストラクト及び滅菌水(例えば、注射用水、WFI)を含むか又はそれらからなる。更に他の実施形態では、本発明の医薬組成物は、本明細書に記載のRNAiコンストラクト及びリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を含むか又はそれらからなる。
いくつかの実施形態では、本発明の医薬組成物は、投与用デバイスによりパッケージ化されるか、又はその内部に貯蔵される。注射用製剤用のデバイスとしては、注射ポート、プレフィルドシリンジ、自動注入装置、注射ポンプ、オンボディインジェクター、及び注射ペンが挙げられるが、これらに限定されない。エアロゾル化製剤又は粉末製剤用のデバイスとしては、インヘラー、吸入器、吸引器などが挙げられるが、これらに限定されない。従って、本発明は、本明細書に記載される障害又は疾患の1つ以上を治療又は予防するための本発明の医薬組成物を含む投与デバイスを含む。
本発明は、細胞を本明細書に記載のRNAiコンストラクトのいずれか1つと接触させることによって、細胞(例えば、肝臓細胞)におけるLPA遺伝子の発現、従ってapo(a)タンパク質の生成を低減又は阻害するための方法を提供する。細胞は、インビトロ又はインビボであってよい。LPA遺伝子発現は、LPAのmRNA、apo(a)タンパク質、又はLp(a)の血清レベルなどのLPA発現に関連する別のバイオマーカーの量又はレベルを測定することによって評価することができる。本発明のRNAiコンストラクトで処置した細胞又は動物におけるLPA発現の低減は、RNAiコンストラクトで処置しない、又は対照RNAiコンストラクトで処置した細胞又は動物におけるLPA発現と比較して判断することができる。例えば、いくつかの実施形態では、LPA発現の低減は、(a)本発明のRNAiコンストラクトで処置した肝臓細胞におけるLPAのmRNAの量又はレベルを測定すること、(b)対照RNAiコンストラクト(例えば、肝臓細胞に発現しないRNA分子を対象とするRNAiコンストラクト、又はナンセンス配列若しくはスクランブル配列を有するRNAiコンストラクト)で処置した肝臓細胞、或いはコンストラクトなしで処置した肝臓細胞におけるLPAのmRNAの量又はレベルを測定すること、及び(c)(a)で処置した細胞から測定したLPAのmRNAレベルを、(b)の対照細胞から測定したLPAのmRNAレベルと比較することによって評価する。比較前に、処置した細胞及び対照細胞のLPAのmRNAレベルを、対照遺伝子(例えば、18SリボソームRNA又はハウスキーピング遺伝子)のRNAレベルに正規化してもよい。LPAのmRNAレベルは、ノーザンブロット分析、ヌクレアーゼプロテクションアッセイ、蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)、逆転写酵素(RT)-PCR、リアルタイムRT-PCR、定量PCR、ドロップレットデジタルPCRなどを含む様々な方法で測定することができる。
他の実施形態では、LPA発現の低減は、(a)本発明のRNAiコンストラクトで処置した肝臓細胞におけるapo(a)タンパク質の量又はレベルを測定すること、(b)対照RNAiコンストラクト(例えば、肝臓細胞で発現しないRNA分子を対象とするRNAiコンストラクト、又はナンセンス配列若しくはスクランブル配列を有するRNAiコンストラクト)で処置した肝臓細胞、或いはコンストラクトなしで処置した肝臓細胞におけるapo(a)タンパク質の量又はレベルを測定すること、及び(c)(a)で処置した細胞から測定したapo(a)タンパク質レベルを、(b)の対照細胞から測定したapo(a)タンパク質レベルと比較することによって評価する。apo(a)タンパク質レベルを測定する方法は当業者に公知であり、ウエスタンブロット、イムノアッセイ(例えば、ELISA)及びフローサイトメトリーが挙げられる。LPAのmRNA又はapo(a)タンパク質を測定することができる任意の方法を使用して、本発明のRNAiコンストラクトの有効性を評価することができる。
いくつかの実施形態では、LPA発現レベルを評価するための方法は、LPA遺伝子を自然に発現する細胞(例えば、肝臓細胞)、又はLPA遺伝子を発現するように操作された細胞においてインビトロで実施される。特定の実施形態では、本方法は、肝臓細胞においてインビトロで実施される。好適な肝臓細胞としては、初代肝細胞(例えば、ヒト及び非ヒト霊長類の肝細胞)、HepAD38細胞、HuH-6細胞、HuH-7細胞、HuH-5-2細胞、BNLCL2細胞、Hep3B細胞、又はHepG2細胞が挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、肝臓細胞は、HuH-7細胞である。別の実施形態では、肝臓細胞は、ヒト初代肝細胞である。
他の実施形態では、LPA発現レベルを評価するための方法は、インビボで実施される。RNAiコンストラクト及び任意の対照RNAiコンストラクトを動物(例えば、LPA遺伝子を発現するトランスジェニック動物又は非ヒト霊長類)に投与して、処置後の動物から採取した膵臓組織におけるLPAのmRNAレベル又はapo(a)タンパク質レベルを評価することができる。或いは、又は更に、LPA発現に関連するバイオマーカー又は機能表現型を、処置した動物で評価することができる。例えば、apo(a)タンパク質は、血清又は血漿中に存在するLp(a)の主成分である。従って、Lp(a)の血清又は血漿レベルを本発明のRNAiコンストラクトで処置した動物で測定し、LPA発現の低減の機能的有効性を評価することができる。血清又は血漿Lp(a)レベルの例示的な測定方法は、実施例3及び4に記載されている。
特定の実施形態では、LPAの発現は、本発明のRNAiコンストラクトによって、肝臓細胞で少なくとも40%、少なくとも45%、又は少なくとも50%低減する。いくつかの実施形態では、LPAの発現は、本発明のRNAiコンストラクトによって、肝臓細胞で少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、又は少なくとも85%低減する。他の実施形態では、LPAの発現は、本発明のRNAiコンストラクトによって、肝臓細胞で約90%以上、例えば、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%以上低減する。LPA発現の低減率は、本明細書に記載の方法のいずれか、及び当技術分野で公知の他の方法によって測定することができる。
本発明は、それを必要とする患者におけるLPA遺伝子の発現、従ってapo(a)タンパク質の生成を低減又は阻害するための方法、及びLPA発現若しくはapo(a)活性に関連する病態、疾患、又は障害を治療又は予防する方法を提供する。「LPA発現に関連する病態、疾患、又は障害」は、LPA発現レベルが変化するか、又はLPAの発現レベルの上昇が、病態、疾患、若しくは障害の発症リスクの増大に関連する病態、疾患、又は障害を指す。LPA発現に関連する病態、疾患、又は障害はまた、Lp(a)、コレステロール、脂質、トリグリセリドなどの異常な若しくは上昇したレベルを生じる変化、又はこれらの分子のクリアランス障害を生じる変化などの、リポタンパク質代謝の異常な変化から生じた病態、疾患、又は障害を含み得る。apo(a)タンパク質はLp(a)の主成分であり、Lp(a)レベルの上昇は心血管疾患のリスクの増大に関連付けられている(例えば、Nordestgaard et al.,Eur.Heart J.,Vol.31;2844-2853,2010;Kronenberg and Utermann,J.Intern.Med.,Vol.273:6-30,2013;Nordestgaard et al.,J.Lipid Res.,Vol.57:1953-1975,2016;及びTsimikas,J.Am.Coll.Cardiol.,Vol.69:692-711,2017を参照されたい)。従って、特定の実施形態では、本発明のRNAiコンストラクトは、心血管疾患(例えば、冠動脈疾患及び心筋梗塞)の治療又は予防、並びにLp(a)の血中レベルを低減させるのに特に有用である。
本発明の方法に従って治療又は予防することができるLPA発現に関連する病態、疾患、及び障害としては、心筋梗塞、心不全、脳卒中(虚血性及び出血性)、アテローム性動脈硬化症、冠動脈疾患、末梢血管疾患(例えば、末梢動脈疾患)、脳血管疾患、脆弱性プラーク、及び大動脈弁狭窄症などの心血管疾患;家族性高コレステロール血症;静脈血栓症;高コレステロール血症;高脂血症;並びに脂質異常症が挙げられるが、これらに限定されない。
特定の実施形態では、本発明は、それを必要とする患者のLPAの発現を低減するための方法であって、本明細書に記載のRNAiコンストラクトのいずれかを患者に投与することを含む方法を提供する。本明細書で使用する場合、「患者」という用語は、ヒトを含む哺乳動物を指し、「対象」という用語と互換的に使用することができる。好ましくは、患者の肝細胞におけるLPAの発現レベルは、RNAiコンストラクトを与えられていない患者のLPA発現レベルと比較して、又はRNAiコンストラクトを投与する前の患者のLPA発現レベルと比較して、RNAiコンストラクトの投与後に低減する。いくつかの実施形態では、本発明のRNAiコンストラクトを投与した後の患者におけるLPAの発現は、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、又は少なくとも90%、例えば、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%低減する。LPA発現の低減率は、本明細書に記載の方法のいずれか、及び当技術分野で公知の他の方法によって測定することができる。特定の実施形態では、LPA発現の低減率は、本明細書に記載の方法に従って患者の血清又は血漿中のLp(a)レベルを評価することによって決定する。
いくつかの実施形態では、LPA発現を低減することが必要な患者は、心筋梗塞を患うリスクのある患者である。心筋梗塞を患うリスクのある患者は、心筋梗塞の病歴を有する(例えば、以前に心筋梗塞を患ったことがある)患者であり得る。心筋梗塞を患うリスクのある患者はまた、心筋梗塞の家族歴を有するか、又は1つ以上の心筋梗塞のリスク因子を有する患者であり得る。このようなリスク因子としては、高血圧、非HDLコレステロールのレベルの上昇、トリグリセリドのレベルの上昇、糖尿病、肥満症、又は自己免疫疾患(例えば、関節リウマチ、狼瘡)が挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、心筋梗塞を患うリスクのある患者は、冠動脈疾患を患っているか、又は冠動脈疾患と診断された患者である。これら及び他の患者の心筋梗塞のリスクは、本明細書に記載のRNAiコンストラクトのいずれかを患者に投与することによって低減させることができる。従って、本発明は、それを必要とする患者の心筋梗塞のリスクを低減させるための方法であて、本明細書に記載のRNAiコンストラクトを患者に投与することを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、それを必要とする患者の心筋梗塞のリスクを低減するための医薬の調製における、本明細書に記載のRNAiコンストラクトのいずれかの使用を含む。他の実施形態では、本発明は、それを必要とする患者の心筋梗塞のリスクを低減させるための方法に使用するための、LPA標的化RNAiコンストラクトを提供する。
特定の実施形態では、LPA発現を低減することが必要な患者は、心血管疾患と診断されるか、又は心血管疾患のリスクのある患者である。従って、本発明は、本発明のRNAiコンストラクトのいずれかを投与することによって、それを必要とする患者の心血管疾患を治療又は予防するための方法を含む。いくつかの実施形態では、本発明は、それを必要とする患者の心血管疾患を治療又は予防するための医薬の調製における、本明細書に記載のRNAiコンストラクトのいずれかの使用を含む。他の実施形態では、本発明は、それを必要とする患者の心血管疾患を治療又は予防するための方法に使用するための、LPA標的化RNAiコンストラクトを提供する。心血管疾患としては、心筋梗塞、心不全、脳卒中(虚血性及び出血性)、アテローム性動脈硬化症、冠動脈疾患、末梢血管疾患(例えば、末梢動脈疾患)、脳血管疾患、脆弱性プラーク、及び大動脈弁狭窄症が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、本発明の方法に従って治療又は予防される心血管疾患は、冠動脈疾患である。他の実施形態では、本発明の方法に従って治療又は予防される心血管疾患は、心筋梗塞である。なお他の実施形態では、本発明の方法に従って治療又は予防される心血管疾患は、脳卒中である。更に他の実施形態では、本発明の方法に従って治療又は予防される心血管疾患は、末梢動脈疾患である。特定の実施形態では、本明細書に記載のRNAiコンストラクトの投与は、非致死性の心筋梗塞、致死性及び非致死性の脳卒中、特定の種類の心臓手術(例えば、血管形成、バイパス)、心不全のための入院、心疾患患者における胸痛、並びに/又は確定した心疾患患者における心血管事象(例えば、心筋梗塞の既往、心臓手術の既往、及び/若しくは動脈閉塞の徴候がある胸痛)のリスクを低減させる。いくつかの実施形態では、本発明の方法に従った本明細書に記載のRNAiコンストラクトの投与は、再発性の心血管事象のリスクを低減させるために使用することができる。
特定の他の実施形態では、LPA発現を低減することが必要な患者は、Lp(a)の血中レベルが上昇した患者である。従って、いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に記載のRNAiコンストラクトのいずれかを患者に投与することによって、それを必要とする患者のLp(a)の血清又は血漿レベルを低減させるための方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、それを必要とする患者のLp(a)の血清又は血漿レベルを低減させるための医薬の調製における、本明細書に記載のRNAiコンストラクトのいずれかの使用を含む。他の実施形態では、本発明は、それを必要とする患者のLp(a)の血清又は血漿レベルを低減させるための方法に使用するための、LPA標的化RNAiコンストラクトを提供する。上記に記載したように、血中のLp(a)レベルの上昇は、心血管疾患のリスクの増大と関連付けられている。いくつかの実施形態では、RNAiコンストラクトを投与する前の患者の血清又は血漿中のLp(a)レベルと比較して、又はRNAiコンストラクトを与えられていない患者の血清又は血漿中のLp(a)レベルと比較して、RNAiコンストラクトを投与した後の患者の血清又は血漿中のLp(a)レベルが低減する。特定の実施形態では、本発明のRNAiコンストラクトを投与した後に、患者の血清又は血漿中のLp(a)レベルが、約150nmol/L以下、約125nmol/L以下、約100nmol/L以下、約75nmol/L以下、約70nmol/L以下、約65nmol/L以下、約60nmol/L以下、約55nmol/L以下、約50nmol/L、約45nmol/L以下、約40nmol/L以下、約35nmol/L以下、又は約30nmol/L以下まで低減する。粒子濃度の単位(例えば、nmol/L)において測定されたLp(a)レベルに優先傾向があるが(例えば、Wilson et al.,Journal of Clinical Lipidology,Vol.13;374-392,2019を参照されたい)、Lp(a)レベルを質量濃度の単位(例えば、mg/dL)で計算してもよい。このような実施形態では、本発明のRNAiコンストラクトは、患者の血清又は血漿中のLp(a)レベルを、投与後に約100mg/dL以下、約90mg/dL以下、約80mg/dL以下、約70mg/dL以下、約60mg/dL以下、約50mg/dL以下、約45mg/dL以下、約40mg/dL以下、約35mg/dL以下、約30mg/dL以下、約25mg/dL以下、約20mg/dL以下、又は約15mg/dL以下まで低減させることができる。血漿又は血清試料中のLp(a)レベルは、Mercodia AB(Uppsala、Sweden)社製のLp(a)ELISAアッセイキット、Randox Laboratories Ltd.(Crumlin、United Kingdom)社製のLp(a)免疫比濁アッセイ、若しくはF.Hoffmann-La Roche Ltd.(Basel、Switzerland)社製のTina-quant(登録商標)Lp(a)アッセイなどの市販のキットを使用して、又はMarcovina and Albers,J.Lipid Res.,Vol.57:526-537,2016に記載されるような、当技術分野において公知の他の方法を使用して測定することができる。
いくつかの実施形態では、本発明の方法に従って治療を受ける患者は、Lp(a)の血中レベルが上昇した(例えば、Lp(a)の血清又は血漿レベルが上昇した)患者である。本発明の方法に従って治療を受ける患者は、約50nmol/L以上、約55nmol/L以上、約60nmol/L以上、約65nmol/L以上、約70nmol/L以上、約75nmol/L以上、約100nmol/L以上、約125nmol/L以上、約150nmol/L以上、約175nmol/L以上、又は約200nmol/L以上の血中Lp(a)レベルを有し得る。特定の実施形態では、患者が約100nmol/L以上の血清又は血漿Lp(a)レベルを有する場合、患者に本発明のRNAiコンストラクトが投与される。一実施形態では、患者が約125nmol/L以上の血清又は血漿Lp(a)レベルを有する場合、患者に本発明のRNAiコンストラクトが投与される。別の実施形態では、患者が約150nmol/L以上の血清又は血漿Lp(a)レベルを有する場合、患者に本発明のRNAiコンストラクトが投与される。血中Lp(a)レベルが質量濃度単位で測定される実施形態では、本発明の方法に従って治療を受ける患者は、約30mg/dL以上、約35mg/dL以上、約40mg/dL以上、約45mg/dL以上、約50mg/dL以上、約55mg/dL以上、約60mg/dL以上、約65mg/dL以上、約70mg/dL以上、約75mg/dL以上、又は約100mg/dL以上の血中Lp(a)レベルを有し得る。一実施形態では、患者が約50mg/dL以上の血清又は血漿Lp(a)レベルを有する場合、患者に本発明のRNAiコンストラクトが投与される。別の実施形態では、患者が約70mg/dL以上の血清又は血漿Lp(a)レベルを有する場合、患者に本発明のRNAiコンストラクトが投与される。
特定の実施形態では、本発明の方法に従って治療を受ける患者は、脆弱性プラーク(不安定プラークとも称する)を患う患者である。脆弱性プラークは、動脈壁の内皮内膜の下にマクロファージ及び主にコレステロールを含有する脂質が蓄積したものである。これらの脆弱性プラークは、破裂して血栓の形成が生じる可能性があり、場合によりこの血栓が動脈を流れる血流を遮断し、心筋梗塞又は脳卒中を引き起こす可能性がある。脆弱性プラークは、血管内超音波及びコンピュータ断層撮影を含むがこれらに限定されない、当技術分野において公知の方法によって識別することができる(Sahara et al.,European Heart Journal,Vol.25;2026-2033,2004;Budhoff,J.Am.Coll.Cardiol.,Vol.48;319-321,2006;Hausleiter et al.,J.Am.Coll.Cardiol.,Vol.48;312-318,2006)。
実施した実験及び達成された結果を含む以下の実施例は、例示の目的のみのために提供されるものであり、添付の特許請求の範囲を限定するものとして解釈すべきではない。
実施例1.LPAのRNAiコンストラクトの設計及び合成
ヒトLPA転写物のバイオインフォマティクス解析によって、ヒトLPA遺伝子を標的化する治療用のsiRNA分子の設計のための候補配列を同定し、その配列を配列番号1として本明細書に示す(NCBI参照配列番号NM_005577.4、図1を参照されたい)。ヒトLPA遺伝子は、遺伝子の対立遺伝子でクリングルIV-2(KIV-2)ドメインリピート数が個体間で異なることにより、高度の多型性を有する。KIV-2ドメインリピートは、個体間で2~43コピーの範囲であり得る。配列番号1として本明細書に示される転写物は、15コピーのKIV-2ドメインを含有する対立遺伝子のバリアントである。インハウスのsiRNA設計アルゴリズムを使用して配列を分析し、特定の基準を満たす場合に選択する。配列を、カニクイザル由来のLPA遺伝子(NCBI参照配列番号XM_015448520.1)との交差反応性、他のヒト遺伝子配列との配列相同性、及びオフターゲット効果を予測するためのヒトマイクロRNA(miRNA)配列とのシード配列の一致、並びに公知の一塩基多型との重複についても評価した。バイオインフォマティクス解析の結果に基づいて465個の配列を選択し、そのうちの320個の配列を最初の合成及びインビトロ検査に優先させた。
固相ホスホラミダイト化学特性を用いてRNAiコンストラクトを合成した。合成は、MerMade12又はMerMade192X(Bioautomation)機器で実施した。2’-フルオロ修飾ヌクレオチド、2’-O-メチル修飾ヌクレオチド、脱塩基ヌクレオチド、及びホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む種々の化学修飾を分子に組み込んだ。RNAiコンストラクトは、一般に、アンチセンス鎖及び/又はセンス鎖の3’末端にオーバーハングがない状態(二重鎖ブラントマー(double bluntmer)、又は2ヌクレオチドの1個若しくは2個のオーバーハングを有する状態のいずれかでアニーリングした場合、19~21塩基対の二重鎖に形式化される。RNAiコンストラクトのセンス鎖を、更に下記に記載される三価N-アセチル-ガラクトサミン(GalNAc)部分にコンジュゲートした。
材料
アセトニトリル(DNA合成等級、AXO152-2505、EMD)
キャッピング試薬A(80:10:10(v/v/v)テトラヒドロフラン/ルチジン/無水酢酸、BIO221/4000、EMD)
キャッピング試薬B(16%1-メチルイミダゾール/テトラヒドロフラン、BIO345/4000、EMD)
活性剤溶液(アセトニトリル中0.25Mの5-(エチルチオ)-1H-テトラゾール(ETT)、BIO152/0960、EMD)
脱トリチル化試薬(ジクロロメタン中3%ジクロロ酢酸、BIO830/4000、EMD)
酸化試薬(70:20:10(v/v/v)テトラヒドロフラン/ピリジン/水中0.02Mのヨウ素、BIO420/4000、EMD)
ジエチルアミン溶液(アセトニトリル中20%DEA、NC0017-0505、EMD)
チオール化試薬(40:60(v/v)ピリジン/アセトニトリル中0.05Mの5-N-[(ジメチルアミノ)メチレン]アミノ-3H-1,2,4-ジチアゾール-3-チオン(BIOSULII/160K))
約10mLのモレキュラーシーブ(3Å、J.T.Baker)上のアセトニトリル中のアデノシン、グアノシン、シトシン、及びウリジンの5’-アミノヘキシルリンカーホスホラミダイト、リン酸化ホスホラミダイト、2’-デオキシチミジンホスホラミダイト、並びに2’-メトキシ及び2’-フルオロホスホラミダイト(Thermo Fisher Scientific)、0.10M
CPG支持体(高負荷汎用支持体、500A(BH5-3500-G1)、79.6μmol/g、0.126g(10μmol))
水酸化アンモニウム(高濃度、J.T.Baker)
合成
MerMade12機器に、試薬溶液、ホスホラミダイト溶液、及び溶媒を接続した。各カラム(上下フリットを備える4mLのSPEチューブ)に固体支持体を添加し、このカラムを機器に取り付けた。カラムをアセトニトリルで2回洗浄した。ホスホラミダイト及び試薬溶液ラインをパージした。Poseidonソフトウェアを使用して合成を開始した。合成は、脱保護/カップリング/酸化/キャッピングの合成サイクルを繰り返すことによって実行した。具体的には、固体支持体に脱トリチル化試薬を添加し、5’-ジメトキシトリチル(DMT)保護基を除去した。固体支持体をアセトニトリルで洗浄した。支持体にホスホラミダイト及び活性剤溶液を添加した後、入ってくるヌクレオチドを遊離5’-ヒドロキシル基に結合させるためにインキュベートした。支持体をアセトニトリルで洗浄した。支持体に酸化試薬又はチオール化試薬を添加して、亜リン酸トリエステルをリン酸トリエステル又はホスホロチオエートに変換した。支持体にキャッピング試薬A及びBを添加して、あらゆる未反応のオリゴヌクレオチド鎖を終結させた。支持体をアセトニトリルで洗浄した。最終反応サイクル後、レジンをジエチルアミン溶液で洗浄し、2-シアノエチル保護基を除去した。支持体をアセトニトリルで洗浄し、真空下で乾燥させた。
GalNAcコンジュゲーション
5’-アミノヘキシルリンカーを用いて、三価GalNAc部分(下記の式VIIに示す構造)にコンジュゲートするためのセンス鎖を調製した。自動合成後、機器からカラムを取り出し、フード内で真空マニホールドに移した。5’-モノメトキシトリチル(MMT)保護基を、真空濾過でジクロロメタン(DCM)中1%のトリフルオロ酢酸(TFA)の2mLのアリコートによって連続的に処理することで固体支持体から除去した。溶出液中で橙色/黄色がこれ以上観察されなくなったら、レジンをジクロロメタンで洗浄した。レジンを5mLのN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)中2%のジイソプロピルエチルアミンで洗浄した。別のバイアル中で、GalNAc3-Lys2-Ahx(67mg、40μmol)(その構造及び合成を下記に記載する)のDMF(0.5mL)溶液を、1,1,3,3-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート(TATU、12.83mg、40μmol)及びジイソプロピルエチルアミン(DIEA)(13.9μL、80μmol)を用いて調製した。活性化したカップリング溶液をレジンに添加し、カラムに蓋をして室温で一晩インキュベートした。レジンをDMF、DCMで洗浄し、真空下で乾燥させた。
切断
合成装置又は真空マニホールドから合成カラムを取り出した。各カラムから固体支持体を10mLバイアルに移した。固体支持体に4mLの高濃度水酸化アンモニウムを添加した。ボトルにキャップをしっかりと取り付け、混合物を55℃で4時間加熱した。ボトルを冷凍庫に移し、20分間冷却してからフード内で開封した。混合物を8mLのSPEチューブで濾過し、固体支持体を除去した。バイアル及び固体支持体を、1mLの50:50エタノール/水ですすいだ。
分析及び精製
陰イオン交換クロマトグラフィーにより、合わせた濾液の一部を分析及び精製した。プールした画分を、サイズ排除クロマトグラフィーによって脱塩し、イオン対逆相高速液体クロマトグラフ質量分析(HPLC-MS)によって分析した。プールした画分を凍結乾燥し、白色の非晶質粉末を得た。
分析的アニオン交換クロマトグラフィー(AEX):
カラム:Thermo DNAPac PA200RS(4.6×50mm、4μm)
機器:Agilent 1100 HPLC
緩衝液A:20mMリン酸ナトリウム、10%アセトニトリル、pH8.5
緩衝液B:20mMリン酸ナトリウム、10%アセトニトリル、pH8.5、1M臭化ナトリウム
流速:40℃で1mL/分
勾配:6.2分で20~65%B
分取陰イオン交換クロマトグラフィー(AEX):
カラム:東ソー株式会社 TSK Gel SuperQ-5PW、21×150mm、13μm
機器:Agilent 1200 HPLC
緩衝液A:20mMリン酸ナトリウム、10%アセトニトリル、pH8.5
緩衝液B:20mMリン酸ナトリウム、10%アセトニトリル、pH8.5、1M臭化ナトリウム
流速:8mL/分
注入量:5mL
勾配:20分にわたって35~55%B
分取サイズ排除クロマトグラフィー(SEC):
カラム:GE Hi-Prep 26/10
機器:GE AKTA Pure
緩衝液:水中20%エタノール
流速:10mL/分
注入量:試料負荷ポンプを用いて15mL
イオン対逆相(IP-RP)HPLC:
カラム:Water Xbridge BEH OST C18、2.5μm、2.1×50mm
機器:Agilent 1100 HPLC
緩衝液A:水中15.7mMのDIEA、50mMのヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)
緩衝液B:50:50水/アセトニトリル中15.7mMのDIEA、50mMのHFIP
流速:0.5mL/分
勾配:6分にわたって10~30%B
アニーリング
少量のセンス鎖及びアンチセンス鎖を個々のバイアルに秤量した。バイアルにsiRNA再構成緩衝液(Qiagen)又はリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を添加して、乾燥重量を基準として約2mMの濃度にした。実際の試料濃度をNanoDrop One(ssDNA、吸光係数=33μg/OD260)で測定した。続いて、2つの鎖を等モル比で混合し、試料を90℃のインキュベーターで5分間加熱し、室温となるまでゆっくりと冷却させた。試料をAEXによって分析した。二重鎖を登録し、下記でより詳細に記載するようにインビトロ及びインビボ試験に供した。
GalNAc3-Lys2-Ahxの調製
式中、X=O又はSである。波線はRNAiコンストラクトのセンス鎖の5’末端ヌクレオチドに結合する箇所を表す。
50mLのfalconチューブに、DCM(30mL)中のFmoc-Ahx-OH(1.13g、3.19mmol)、続いてDIEA(2.23mL、12.78mmol)を添加した。この溶液を50mLの遠心チューブ内の2-Cl塩化トリチルレジン(3.03g、4.79mmol)に添加し、振とう器に2時間投入した。溶媒を排出し、レジンを17:2:1のDCM/MeOH/DIEA(30ml×2)、DCM(30mL×4)で洗浄して乾燥させた。290nmのUV分光光度検出により、投入量を0.76mmol/gと測定した。
投入した3gの2-Clトリチルレジンを、DMF(20mL)中20%の4-メチルピペリジンに懸濁させ、30分後に溶媒を排出した。このプロセスを更に1回繰り返し、レジンをDMF(30mL×3)及びDCM(30mL×3)で洗浄した。
Fmoc-Lys(ivDde)-OH(3.45g、6mmol)のDMF(20mL)溶液に、TATU(1.94g、6mmol)、続いてDIEA(1.83mL、10.5mmol)を添加した。続いて、溶液を上記の脱保護されたレジンに添加し、懸濁液を振とう器上に一晩置いた。溶媒を排出し、レジンをDMF(30mL×3)及びDCM(30mL×3)で洗浄した。
レジンをDMF(15mL)中20%の4-メチルピペリジンで処理し、10分後に溶媒を排出した。このプロセスを更に1回繰り返し、レジンをDMF(15mL×4)及びDCM(15mL×4)で洗浄した。
Fmoc-Lys(Fmoc)-OH(3.54g、6mmol)のDMF(20mL)溶液に、TATU(1.94g、6mmol)、続いてDIEA(1.83mL、10.5mmol)を添加した。続いて、溶液を上記の脱保護されたレジンに添加し、懸濁液を振とう器上に一晩置いた。溶媒を排出し、レジンをDMF(30mL×3)及びDCM(30mL×3)で洗浄した。
レジンをDMF(20mL)中5%のヒドラジンで処理し、5分後に溶媒を排出した。このプロセスを更に4回繰り返し、レジンをDMF(30mL×4)及びDCM(30mL×4)で洗浄した。
5-(((2R,3R,4R,5R,6R)-3-アセトアミド-4,5-ジアセトキシ-6-(アセトキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)ペンタン酸(4.47g、10mmol)のDMF(40mL)溶液にTATU(3.22g、10mmol)を添加し、溶液を5分間撹拌した。この溶液にDIEA(2.96mL、17mmol)を添加し、続いてこの混合物を上記のレジンに添加した。懸濁液を一晩室温に保ち、溶媒を排出した。レジンをDMF(3×30mL)及びDCM(3×30mL)で洗浄した。
レジンをDCM(30mL、3%トリイソプロピルシランを含む)中1%のTFAで処理し、5分後に溶媒を排出した。このプロセスを更に3回繰り返し、合わせた濾液を減圧下で濃縮した。残渣をジエチルエーテル(50mL)で粉砕し、懸濁液を濾過し、乾燥させて粗生成物を得た。粗生成物を逆相クロマトグラフィーで精製し、水中0~20%のMeCNで溶出した。画分を合わせて凍結乾燥し、白色固体として生成物を得た。
実施例2に記載するようなインビトロ細胞ベースアッセイ、及び実施例3に記載するようなインビトロトランスジェニックマウス試験の活性に基づき、ヒトLPA転写物の特定の領域を標的化する137個の配列を構造活性相関(SAR)試験用に選択した。下記の表1には、137個の配列のファミリーのそれぞれの分子の未修飾のセンス配列及びアンチセンス配列が列記されている。また、ヒトLPA転写物(配列番号1)内のそれぞれの配列ファミリーのsiRNA分子によって標的化されるヌクレオチドの範囲が表1に示されている。上述のように、ヒトLPA遺伝子は、KIV-2ドメインリピートを含有するため、標的部位がKIV-2ドメイン又は他のKIVドメイン中の保存領域内に存在する場合、siRNA分子は転写物内に2つ以上の標的部位を有する可能性がある。明確にするために、転写物内の最初の標的部位のみが示されている。
表2には、SAR試験から生じた例示的な二重鎖に化学修飾を有するセンス鎖及びアンチセンス鎖の配列が示されている。ヌクレオチド配列を、以下の表記法に従って列記する:a、u、g、及びc=対応する2’-O-メチルリボヌクレオチド;Af、Uf、Gf、及びCf=対応する2’-デオキシ-2’-フルオロ(「2’-フルオロ」)リボヌクレオチド;Phos=末端ヌクレオチドがその5’末端にモノホスフェート基を有する;及びinvAb=逆位脱塩基ヌクレオチド(すなわち、鎖の3’末端上にあるときはその3’位の置換基を介して隣接するヌクレオチドに結合し(3’-3’結合)、又は鎖の5’末端上にあるときはその5’位の置換基を介して隣接するヌクレオチドに結合した(5’-5’ヌクレオチド間結合)脱塩基ヌクレオチド)。配列中の「s」の挿入は、2つの隣接するヌクレオチドがホスホロチオジエステル基(例えば、ホスホロチオエートヌクレオチド間結合)によって結合されていることを示す。別段の指示がない限り、全ての他のヌクレオチドは、3’-5’ホスホジエステル基によって結合されている。[GalNAc3]は、式VIIに示されるGalNAc部分を表し、「s」が[GalNAc3]表記に続く場合、センス鎖の5’末端にホスホジエステル結合又はホスホロチオエート結合を介して共有結合されている。
実施例2.細胞ベースアッセイにおけるLPAのRNAiコンストラクトのインビトロ評価
最初に、実施例1に記載されているバイオインフォマティクス解析によって優先順位を付けた320個の異なる配列に基づき、400個のGalNAcコンジュゲートLPAのsiRNA分子を、インビトロ初代ヒト肝細胞アッセイでLPAのmRNA合成を阻害するかどうかについて単一の濃度(12nM)で評価した。製造業者のプロトコルに従って、ヒト初代肝細胞(Xenotech/Sekisuiドナーロット番号HC10-23)を、OptiThaw培地(Xenotechカタログ番号K8000)中で解凍した。細胞を遠心分離し、培地吸引後、OptiPlate肝細胞培地(Xenotechカタログ番号K8200)に再懸濁し、96ウェルのコラーゲンコーティングプレート(Greinerカタログ番号655950)に蒔いた。3~4時間のインキュベーション期間の後、培地を除去し、OptiCulture肝細胞培地(Xenotechカタログ番号K8300)に置き換えた。OptiCulture培地を添加して3~5時間後、単一点(12nM)又は用量反応形式(0.2μM~4μM)のいずれかでGalNAcコンジュゲートsiRNAを自由取り込みによって(トランスフェクション試薬なしで)細胞に送達した。細胞を37℃及び5%CO2で約66~72時間インキュベートした。Qiagen QIACube HT(9001793)機器又はThermoFisher KingFisher Flex(5400630)機器のいずれかでRNA抽出を実行した。Qiagen QIACube HTシステムを使用して、1%2-メルカプトエタノール(Sigma、M-3148)を加えたQiagen RLT緩衝液(79216)で細胞を溶解し、溶解物を-20℃で保存した。Qiagen QIACube HT機器のQiagen QIACube HTキット(74171)を使用して、製造業者の指示書に従ってRNAを精製した。QIAxpertシステム(9002340)を使用して試料を分析した。ThermoFisher KingFisher Flexシステムによって、溶解/結合濃縮物(ThermoFisher Scientific AM8500)を使用して細胞を溶解した。細胞溶解物を-20℃で保存するか、又は場合によっては細胞を溶解した直後にRNA抽出を実行した。Flex機器上でThermoFisher Scientific MagMAXTM-96トータルRNA分離キット(ThermoFisher Scientific AM1830)を使用して、製造業者の指示書に従ってRNAを精製した。
Applied Biosystems High Capacity cDNA逆転写キット(4368813)を使用してRNA試料からcDNAを合成し、反応物を製造業者の指示書に従って組み立て、インプットRNAの濃度を試料によって変動させた。逆転写は、BioRadの4つ組のサーマルサイクラー(モデル番号PTC-0240G)で以下の条件で実行した:25℃で10分、37℃で120分、85℃で5分、その後(任意選択で)4℃で保持し続ける。BioRadのQX200 AutoDGドロップレットデジタルPCRシステムを使用して、製造業者の指示書に従ってドロップレットデジタルPCR(ddPCR)を実施した。プローブ用BioRad ddPCRスーパーミックス(1863010)、LPA(IDT Hs.PT.58.1145110、プライマー対プローブ比 3.6:1、各45ナノモルの順方向プライマー及び逆方向プライマー、12.5ナノモルの6-FAM/ZEN/IBFQ標識プローブで注文)用の蛍光標識qPCRアッセイ、並びにTATAボックス結合タンパク質(TBP)(IDT Hs.PT.53a.20105486、プライマー対プローブ比 3.6:1、各45ナノモルの順方向プライマー及び逆方向プライマー、12.5ナノモルのHEX/ZEN/IBFQ標識プローブで注文)、並びにRNaseフリー水(Ambion、AM9937)を使用して、反応物をEppendorfの透明96ウェルPCRプレート(951020303)に組み立てた。プライマー/プローブ配列を以下に示す。プライマー/プローブの最終濃度は、それぞれ900nM/250nMであり、インプットcDNAの濃度をウェル間で変動させた。
製造業者によって推奨される消耗品(BioRad DG32カートリッジ1864108、BioRadチップ1864121、Eppendorf青色96ウェルPCRプレート951020362、BioRadプローブ用ドロップレット生成オイル1864110及びBioRadドロップレットプレート組立品)と共に設置されたBioRad Auto DGドロップレット生成器(1864101)を使用して、ドロップレットを形成した。ドロップレットは、BioRad C1000 touchサーマルサイクラー(1851197)上で以下の条件を用いて増幅した:酵素活性化に95℃で10分、変性に94℃で30秒、その後アニーリング/伸長に60℃で1分間、2℃/秒のランプ速度を用いて40サイクル、酵素不活性化に98℃で10分間、その後(任意選択により)4℃で保持し続ける。続いて、BioRad QX200ドロップレットリーダー上で試料を読み取り、LPA又はTBPのmRNA濃度とそれぞれ相関するFAM/HEXシグナルを測定した。BioRadのQuantaSoftソフトウェアパッケージを使用してデータを分析した。試料をチャネル(蛍光標識)によりゲーティングして、試料当たりの濃度を測定した。続いて、試料負荷量における差異を調節するために、各試料を目的遺伝子(LPA)の濃度/ハウスキーピング遺伝子(TBP)の濃度の比として表した。続いて、データをGenedata Screenerにインポートし、各試験のsiRNAを中立対照ウェル(緩衝液のみ又は対照siRNA)の中央値に正規化し、POC(対照の割合)として表した。
ddPCRアッセイ配列
LPA:
プライマー1:5’-CAAAATGGAACATAAGGAAGTGGT-3’(配列番号602)
プライマー2:5’-GTGACAGTGGTGGAGTACG-3’(配列番号603)
プローブ:5’-/56-FAM/CATGGCTTT(配列番号604)/ZEN/GCTCAGGTGCTGC(配列番号605)/3IABkFQ/-3’
TBP:
プライマー1:5’-ATGACCCCCATCACTCCT-3’(配列番号606)
プライマー2:5’-TCAAGTTTACAACCAAGATTCACTG-3’(配列番号607)
プローブ:5’-/5HEX/AGCTGCGGT(配列番号608)/ZEN/ACAATCCCAGAACTC(配列番号609)/3IABkFQ/-3’
単一濃度アッセイの結果に基づき、初代ヒト肝細胞のddPCRアッセイの10点用量反応形式(0.2μM~4μM)で更に試験するため、GalNAcコンジュゲートLPAのsiRNA分子のサブセットを選択した。GalNAcコンジュゲートLPAのsiRNA分子と肝細胞との72時間のインキュベーション期間の後に、LPAのmRNAの濃度とTBPのmRNAの濃度の比率を測定した。GalNAcコンジュゲートLPAのsiRNA分子のそれぞれのEC50値を用量反応曲線から算出し、残存するLPAのmRNAの割合(すなわち、対照の割合)として表したそれぞれの分子の最大アンタゴニスト活性と共に下記の表3に示す。
LPAのsiRNA分子のいくつかは、siRNA分子で処置しなかった肝細胞と比較して、LPAのmRNAレベルの85%以上の最大限の低減を示しており、一桁のナノモル範囲のEC50値を有していた。
表3からより効力のあるsiRNA分子のサブセットを選択し、デュアルルシフェラーゼレポーター系を使用する第2のインビトロアッセイで更に試験した。加えて、デュアルルシフェラーゼレポーターアッセイをSAR試験で実施例3に記載されるトランスジェニックマウスモデルと組み合わせて使用した。このアッセイでは、LPA遺伝子発現の阻害の大きさ及び程度を最適化するような配列ファミリーを選択するために、siRNA分子の配置及び化学修飾の数及び/又は構成(例えば、鎖の長さ及び末端の性質)が変更されている。
ウミシイタケルシフェラーゼ及びホタルルシフェラーゼの両方のコーディングDNA配列(CDS)を含む市販のpsiCHECKプラスミド(Promega、Madison、WI)から、デュアルルシフェラーゼレポータープラスミド(pMIR0660)を構築した。このプラスミドにKIV-3~KIV-10を含むヒトLPAのCDSの一部をクローニングして、ウミシイタケルシフェラーゼのCDSとヒトLPAのCDSとの融合体を生成した。LPA標的配列の翻訳をsiRNAを媒介して阻害することにより、融合体のmRNAが分解され、ウミシイタケルシフェラーゼのシグナルが低下する。LPA遺伝子のノックダウンを、プラスミドによって恒常的に発現したホタルルシフェラーゼレベルに正規化したウミシイタケルシフェラーゼレベルを測定することによって評価した。ヒト肝細胞癌細胞株であるHuh7細胞を、96ウェルプレートに蒔いた。一晩インキュベートした後、細胞をデュアルレポータープラスミドpMIR0660でコトランスフェクトし、製造業者の指示書に従って異なる濃度のLipofectamine(商標)2000トランスフェクション試薬でsiRNA分子を試験した。8~11点用量漸増法(0~10nM)を実行した(3回)。2度目に一晩インキュベートした後、Envision照度計(PerkinElmer、Waltham、MA)でデュアルルシフェラーゼ活性を測定した。評価されたLPAのsiRNA分子のそれぞれのEC50値及び最大アンタゴニスト活性(ウミシイタケルシフェラーゼレベルとホタルルシフェラーゼレベルの最も低い割合として測定した)を下記の表4に報告する。
実施例3.ヒトアポリポタンパク質を発現するトランスジェニックマウスにおけるLPAのRNAiコンストラクトのインビボ有効性
LPAのRNAiコンストラクトのインビボ有効性を評価するために、ダブルトランスジェニックマウスモデルを使用した。マウスにはLPA遺伝子のオーソログが存在せず、apo(a)(LPA遺伝子によってコードされる)は一般に、霊長類のみに発現する。完全ヒトLPA遺伝子を含有する酵母人工染色体(YAC)からヒトapo(a)を発現するトランスジェニックマウス(Frazer et al.,Nature Genetics,Vol.9:424-431,1995)を、ヒトapoB-100を発現するトランスジェニックマウス(Linton et al.,J.Clin.Invest.,Vol.92:3029-3037,1993)と交配させた。得られたダブルトランスジェニックマウスは、血清のベースラインのLp(a)レベルが平均で約50~60mg/dLの完全に機能的なヒトLp(a)粒子を発現する。雌のダブルトランスジェニックマウスを、ベースラインのLp(a)血清レベル、体重、及び年齢に基づいて各試験の異なる処置群にランダム化した。生理食塩水又はLPAのRNAiコンストラクトを、0.5mg/kg、1mg/kg、又は2mg/kgの用量で単回皮下注射として投与した。注射前に、続いて注射後の1、2、3、4、6、8、10、及び12週目に、又は血清Lp(a)レベルがベースラインレベルに戻るまで血清試料を採取した。Lp(a)ELISAアッセイ(カタログ番号10-1106-01、Mercodia AB、Uppsala、Sweden)を用いて血清中のLp(a)濃度を測定した。動物のベースラインのLp(a)レベルに基づき、特定の時点の各動物のLp(a)レベルの変化率を算出した。異なるLPAのRNAiコンストラクトによるトランスジェニックマウスの11回の個別の試験の結果を、下記の表5~15に示す。データは、各治療群のベースラインからの平均変化率として表す(n=4又は5動物/群、n=6動物/群である試験10及び11を除く)。
試験したLPAのRNAiコンストラクトの大部分は、トランスジェニック動物において1mg/kg又は2mg/kgの用量での単回皮下注射の2週間後に血清Lp(a)レベルを少なくとも50%低減させた。生成されたいくつかのRNAiコンストラクトは、Lp(a)血清レベルの阻害を単回注射で4週目まで持続させた。例えば、コンストラクト4601、4613、4930、4970、6150、6182、6247、8395、8401、10927、11318、11344、11351、11374、11580、17188、18436、18444、及び18446の1mg/kg又は2mg/kgの単回注射後に、Lp(a)血清レベルがなお4週目に約50%以上低減した。
実施例4.非ヒト霊長類におけるLPAのRNAiコンストラクトのインビトロ有効性
選択されたLPAのRNAiコンストラクトの有効性を、個々の3つの試験でカニクイザルにおいて評価した。このRNAiコンストラクトは、カニクイザルLPA遺伝子(NCBI参照配列番号XM_015448520.1)の配列と交差反応させた配列を有していた。第1の試験では、カニクイザル(治療群当たりn=3)に、LPAのRNAiコンストラクト4601、4613、又は4970の2mg/kgの単回皮下注射を受けさせた。血液試料を-1日目(投与前)、及び1日目の投与後の4、7、14、21、28、35、42、49、56、63、70、77、84、91、98、105、112、119、126、133、及び140日目に採取した。Lp(a)ELISAアッセイ(カタログ番号10-1106-01、Mercodia AB、Uppsala、Sweden)を用いて、各試料のLp(a)血清レベルを分析した。第1の試験の結果を図2に示す。データは、投与前のベースラインと比較した残存Lp(a)血清レベルの割合として表す。コンストラクト4601及び4613は、ベースラインレベルと比較して少なくとも6週間(例えば、少なくとも42日目まで)の間に血清Lp(a)レベルを80%以上抑制した。
第2の試験では、カニクイザル(治療群当たりn=3)に、LPAのRNAiコンストラクト8401、10927、11318、11344、又は11351の2mg/kgの単回皮下注射を受けさせた。血液試料を第1の試験と同じ時点で採取し、上記に記載したように血清中のLp(a)レベルを分析した。第2の試験の結果を図3に示す。データは、投与前のベースラインと比較した残存Lp(a)血清レベルの割合として表す。注目すべきことに、コンストラクト10927及び11351は、8週目までにLp(a)血清レベルの抑制がほぼ完了した。なお、血清Lp(a)レベルの大幅な低減は、単回用量を注射した後の112日、ほぼ4ヵ月まで観察された。対照的に、コンストラクト8401及び11344では、血清Lp(a)レベルにより穏やかで一時的な低減が生じた。コンストラクト11318は、血清中のLp(a)をベースラインの約40%のレベルまで抑制し、この低減したレベルは数週間持続した。
第3の試験では、カニクイザル(治療群当たりn=3)に、LPAのRNAiコンストラクト11374、11580、17205、18444、又は18436の2mg/kgの単回皮下注射を受けさせた。血液試料を同じ時点で採取し、上記に記載したような前述の2つの試験のように血清中のLp(a)レベルを分析した。第3の試験の結果を図4に示す。データは、投与前のベースラインと比較した残存Lp(a)血清レベルの割合として表す。この分子の群のうちでコンストラクト11374が最も有効性があり、単回皮下注射後の約6週間の間にLp(a)血清レベルをベースラインレベルの20%まで抑制した。
実施例5.LPAのRNAiコンストラクトの粘度評価
リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中のLPAのRNAiコンストラクト11374の粘度を異なる濃度で評価した。凍結乾燥した11374をPBSで製剤化し、原液を調製した。PBSで原液を希釈して、150~350mg/mLの範囲の濃度で、異なる11374コンストラクトの製剤を調製した。比較のために、LPAのRNAiコンストラクトAD03851(国際公開第2017/059223号パンフレットに記載されている)の粘度も並行して評価した。AD03851の修飾ヌクレオチド配列を下記に記載する:
センス配列:5’-csagccccuUfAfUfuguuauacgs(invdA)-3’(配列番号620)
アンチセンス配列:5’-usCfsgUfaUfaacaaUfaAfgGfgGfcsUfsg-3’(配列番号621)
(式中、a、u、g、及びc=対応する2’-O-メチルリボヌクレオチド;Af、Uf、Gf、及びCf=対応する2’-デオキシ-2’-フルオロリボヌクレオチド;invdA=逆位デオキシアデノシンヌクレオチド(すなわち、3’-3’結合);並びにs=ホスホロチオエートヌクレオチド間結合)。センス鎖の5’末端を、ホスホロチオエート結合を介して三価GalNAc部分(NAG25であって、その構造は国際公開第2017/059223号パンフレットに記載されている)に共有結合させた。
11374製剤の濃度を算出するために、Agilent 8453 G1103A紫外可視分光光度計を使用して、試料の260nmにおける吸光度を測定した。260nmにおけるAD03851の測定された減衰係数である19.1 mL*mg-1*cm-1の近似減衰係数、及び1cmの通路長を使用し、続いてベールの法則を用いて製剤の濃度を算出した。
Anton Paar MCR 302コーンプレートレオメーターを用いて、各製剤の粘度を1000s-1の剪断速度にて、25℃で測定した。PBS中の異なる濃度の2つのLPAのRNAiコンストラクトの粘度の測定値を下記の表16に示す。
LPAのRNAiコンストラクト11374は、基準となるRNAiコンストラクトであるAD03851と比較すると、濃度に応じて低い粘度を有し、これによってより高濃度の製剤と低減した注入量が可能となる。
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当業者であれば、通常の実験を行うだけで、本明細書に記載される本発明の特定の実施形態との多数の等価物を認識するか、又は確認することができるであろう。このような等価物は、下記の特許請求の範囲によって包含されることが意図される。