JP7829497B2 - 活性水素基含有側鎖を有する環状分子、および該環状分子を含む硬化性組成物 - Google Patents

活性水素基含有側鎖を有する環状分子、および該環状分子を含む硬化性組成物

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Description

本発明は、ポリウレタン等の樹脂の原料として好適に使用できる、重合性環状化合物を用いて末端に活性水素基が導入された側鎖を有する環状分子に関する。
半導体分野、光学材料分野では、高度な平滑性が要求される場合があり、その際には研磨加工が必要となる。具体的には、通常、研磨加工時に、被研磨部材を、砥粒をアルカリ溶液、または酸溶液に分散させたスラリー(研磨液)を供給して研磨するCMP(Chemical Mechanical Polishing)法により、研磨加工が行われる。
この際、被研磨部材を研磨剤より平坦化する際に使用される研磨用部材、例えば研磨用パッドとして、ポリウレタン樹脂を用いる技術が開示されている(特許文献1参照)。
前記CMP法においての研磨用パッドの研磨特性としては、被研磨部材の平坦性に優れ、研磨レート(研磨速度)が大きいことが要求される。また、生産性の向上のため、耐摩耗性の向上が望まれているが、特許文献1に開示の技術では不十分な点があり、さらなるこれら性能の向上が求められている。
一方、近年、新規な構造の化合物として、ポリロタキサンが着目されている。このポリロタキサンは、軸分子と該軸分子を包接する複数の環状分子とからなる複合分子構造を有する機能的な材料である。このポリロタキサンは、その特性から半導体分野、光学材料分野等、様々な分野で使用されている。
そこで、本発明者等は、前記した研磨用パッドに用いるポリウレタン樹脂の原料として、このポリロタキサンを用いることで、優れた研磨特性の発現が可能である研磨用パッドとすることを開示している(特許文献2参照)。
特開2007-77207号公報 国際公開第2018/092826号
しかしながら、近年、前記研磨用パッドは、より一層の性能向上、特に、被研磨部材の平坦性(縁ダレ防止)や耐摩耗性に優れつつ、且つ優れた機械特性を有するものが求められており、特許文献2に記載のポリロタキサンをポリウレタン樹脂の原料として用いた技術では改善の余地があった。
したがって、本発明の目的は、樹脂(例えばポリウレタン樹脂)の原料であって、得られる樹脂からなる研磨用パッドを用いて被研磨部材を研磨した際の被研磨部材の平坦性(縁ダレ防止)に優れ、得られる樹脂の耐摩耗性が高く、優れた機械特性を発現できる樹脂の原料、特に研磨用パッドに有用な樹脂の原料を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた。そして、上記課題を克服することを目的として本発明者らが検討した結果、重合性環状化合物を用いて末端に活性水素基が導入された側鎖を有する環状分子(以下、「活性水素基含有側鎖を有する環状分子」または「(A)成分」ともいう)を、ポリウレタン等の樹脂の原料として用いることにより、得られた樹脂が、耐摩耗性及び機械特性が比較的良好であり、さらに、前記樹脂からなる研磨用パッドは、被研磨部材の平坦性が一定程度優れることを見出した。
しかしながら、前記活性水素基含有側鎖を有する環状分子を用いた場合でも、十分な特性を有しないことがあった。本発明者等がさらに検討を進めた結果、活性水素基含有側鎖を有する環状分子における前記重合性環状化合物に起因する不純物の含有量を、10質量%以下とすることにより、それを樹脂の原料として用いた場合に、得られた樹脂が、より耐摩耗性が高く、優れた機械特性を有し、かつ該樹脂からなる研磨パッドは、被研磨部材の平坦性に優れ、さらには研磨レートが高まることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、第一の本発明によれば、
重合性環状化合物を用いて末端に活性水素基が導入された側鎖を有する環状分子であって、前記重合性環状化合物に起因する不純物の含有量が、10質量%以下である環状分子であり、
第二の本発明は、第一の本発明である活性水素基含有側鎖を有する環状分子と、活性水素基含有側鎖を有する環状分子の活性水素基と重合し得る重合性官能基を有する重合性モノマー(以下、単に「重合性モノマー」または「(B)成分」ともいう)と、を含む硬化性組成物であり、
第三の本発明は、第二の本発明である硬化性組成物を硬化して得られる硬化体、および該硬化体からなる研磨用パッドであり、
第四の本発明は、活性水素基含有側鎖を有する環状分子の製造方法である。
詳細には、本発明は以下の[1]~[9]に関する。
[1]重合性環状化合物を用いて末端に活性水素基が導入された側鎖を有する環状分子であって、前記重合性環状化合物に起因する不純物の含有量が10質量%以下である、活性水素基含有側鎖を有する環状分子。
[2]前記重合性環状化合物に起因する不純物が、前記重合性環状化合物が開環した化合物を含む、上記[1]に記載の活性水素基含有側鎖を有する環状分子。
[3]前記環状分子が、シクロデキストリンであり、前記重合性環状化合物が、環状ラクトン及び環状ラクタムから選択される少なくとも1種類であり、前記末端に活性水素基が導入された側鎖の分子量が、数平均分子量で300以上である、上記[1]または[2]に記載の活性水素基含有側鎖を有する環状分子。
[4]前記活性水素基が、水酸基及びアミノ基から選択されるいずれかの基である上記[1]~[3]のいずれか1項に記載の活性水素基含有側鎖を有する環状分子。
[5]上記[1]~[4]のいずれか1項に記載の活性水素基含有側鎖を有する環状分子と、前記活性水素基含有側鎖を有する環状分子の活性水素基と重合し得る重合性官能基を有する重合性モノマーと、を含む硬化性組成物。
[6]さらに、微小中空粒子を含む上記[5]に記載の硬化性組成物。
[7]上記[5]または[6]に記載の硬化性組成物を硬化して得られる硬化体。
[8]上記[7]に記載の硬化体からなる研磨用パッド。
[9]重合性環状化合物と前記重合性環状化合物と反応し得る環状分子とを含む反応系において、反応系中の水分量を10000ppm以下で、重合性環状化合物を開環重合して前記環状分子に側鎖を導入することを特徴とする、活性水素基含有側鎖を有する環状分子の製造方法。
本発明の活性水素基含有側鎖を有する環状分子は、該活性水素基含有側鎖を有する環状分子を原料として得られる樹脂が、耐摩耗性が高く、優れた機械特性を発現する。さらに、前記樹脂からなる研磨用パッドは、被研磨部材の平坦性に優れ、研磨レートが大きいという特性を有する。
または、本発明の活性水素基含有側鎖を有する環状分子は、研磨用パッドに用いる樹脂の原料だけでなく、種々の高機能性樹脂の原料に用いることができ、各種高機能材料、あるいはそれらの原料としても有用に用いることができる。
本発明の活性水素基含有側鎖を有する環状分子は、重合性環状化合物を用いて末端に活性水素基が導入された側鎖を有する環状分子であって、前記重合性環状化合物に起因する不純物の含有量が、10質量%以下である活性水素基含有側鎖を有する環状分子である。
本発明の活性水素基含有側鎖を有する環状分子は、例えば後述するように、環状分子に重合性環状化合物を反応させて得ることができる。前記反応の際に、環状分子に、重合性環状化合物に由来する側鎖が導入されるとともに、重合性環状化合物に由来する活性水素基が側鎖に導入される。したがって、本発明の活性水素基含有側鎖を有する環状分子((A)成分)は、重合性環状化合物を用いて末端に活性水素基が導入された側鎖を導入した環状分子ということもできる。なお、前記活性水素基は、後述するように、例えば、水酸基、アミノ基、および、チオール基等である。
以下、詳細に説明する。
<活性水素基含有側鎖を有する環状分子((A)成分)>
本発明の(A)成分を形成するための原料として用いられる環状分子としては、重合性環状化合物を用いて末端に活性水素基が導入された側鎖を、導入できる環状分子であれば特に制限されない。該環状分子としては、後述するように反応性官能基を有する環状分子が好ましい。また、(A)成分である活性水素基含有側鎖を有する環状分子は、環状分子と、該環状分子に導入された末端に活性水素基を有する3個以上の側鎖のみで構成されることが好ましい。このような(A)成分は、先行技術で使用されているポリロタキサンのように高分子量とはなりにくく、ハンドリング性に優れる傾向にある。
たとえば、このような環状分子としては、シクロデキストリン、クラウンエーテル、ベンゾクラウン、ジベンゾクラウン、ジシクロヘキサノクラウン、シクロビス(パラクアット-1,4-フェニレン)、ジメトキシピラーアレーン、カリックスアレーン及びフェナントロリン、を挙げることができ、中でもシクロデキストリン、カリックスレゾルシンアレーンが好ましく、最も好ましいのはシクロデキストリンである。
該シクロデキストリンには、α体(環内径0.45~0.6nm)、β体(環内径0.6~0.8nm)、γ体(環内径0.8~0.95nm)がある。また、これらの混合物を使用することもできる。本発明では、特にα-シクロデキストリン、及びβ-シクロデキストリンが好ましく、コスト面と物性から最も好ましいのはβ-シクロデキストリンである。
該カリックスレゾルシンアレーンは、レゾルシノールと様々なアルデヒドを環状縮合反応させることで得られる環状分子である。前記レゾルシノールとしては、レゾルシノールだけに限定されず、たとえば2-ニトロレゾルシノール等のレゾルシノール誘導体をもちいてもよい。前記アルデヒドとしては、公知のアルデヒドが何ら制限なく使用でき、例えば、n-ブタナール、イソブタナール、ヘプタナール等の脂肪族アルデヒド、ベンズアルデヒド、バニリン、4-ニトロベンズアルデヒド等の芳香族アルデヒドが挙げられ、これらを2種以上混合して用いてもよい。中でもヘプタナール、ベンズアルデヒド、バニリンが好適に用いられる。また、本発明において、前記カリックスレゾルシンアレーンは、4量体であることが好ましいが、これに限定されるものではない。
前記末端に活性水素基が導入された側鎖は、たとえば、環状分子が有する反応性官能基を利用し、この反応性官能基に反応させることによって導入することができる。
該反応性官能基としては、たとえば、水酸基、アミノ基などが挙げられ、中でも水酸基が好ましい。たとえば、β-シクロデキストリンは、反応性官能基として21個のOH基(水酸基)を有しており、このOH基に反応させて側鎖が導入される。そのため、1つのβ-シクロデキストリンに対しては最大で21個の側鎖を導入できることとなる。本発明においては、前述した側鎖の機能を十分に発揮させるためには、少なくとも、該末端に活性水素基が導入された側鎖は3個以上導入されていることが好ましい。好ましくは、該末端に活性水素基が導入された側鎖が5個以上導入されている環状分子であり、より好ましくは該末端に活性水素基が導入された側鎖が7個以上導入されている環状分子であり、もっとも好ましくは該末端に活性水素基が導入された側鎖が8個以上導入されている環状分子である。上限は特に限定されないが、導入数が多すぎると、活性水素基含有側鎖を有する環状分子の粘度が高くなりハンドリング性が低下する恐れがある。その為、8個~18個の範囲で側鎖が導入されていることが特に好ましい。
次に、本発明において、重合性環状化合物を用いて末端に活性水素基が導入された側鎖(以下、「活性水素基含有側鎖」ともいう。)、すなわち環状分子が有する側鎖について説明する。
前記活性水素基含有側鎖としては、特に制限されるものではないが、炭素数が3~20の範囲にある有機鎖の繰り返しにより形成されていることが好適である。このような活性水素基含有側鎖の数平均分子量は、好ましくは300~10000、より好ましくは350~5000、特に好ましくは400~5000の範囲であり、最も好ましいのは400~1500の範囲である。この範囲にあることで得られる硬化体の硬度や物性を調整し易くなる。この活性水素基含有側鎖の数平均分子量は、活性水素基含有側鎖の導入時に使用する重合性環状化合物の量により調整ができ、計算や、H-NMRの測定から求めることができる。
前記活性水素基含有側鎖の数平均分子量の下限を上記のとおりにすることにより、優れた力学特性が発現し、本発明の硬化性組成物を硬化させた硬化体を研磨用パッドに用いる際、研磨レートが向上する傾向にある。さらに、(B)成分との相溶性も向上する傾向にある。一方、側鎖の数平均分子量の上限を上記のとおりにすることにより、該硬化体の硬度が低下せず、耐摩耗性も低下しない傾向にある。
前記重合性環状化合物に起因する不純物は、後述する重合性環状化合物を用いて環状分子に側鎖を導入する際に、環状分子に導入されなかった重合性環状化合物由来の化合物である。
重合性環状化合物に起因する不純物は、具体的には、重合性環状化合物が開環した化合物(重合性環状化合物のみで開環・重合した化合物)、または、重合性環状化合物の未反応物である。通常、重合性環状化合物に起因する不純物は、重合性環状化合物が開環した化合物を含み、重合性環状化合物が開環した化合物のみからなる場合が多い。
これら重合性環状化合物に起因する不純物が、活性水素基含有側鎖を有する環状分子に多く含まれていると、それらを用いて硬化体を作製した際に架橋密度が低下し、樹脂物性が低下してしまう。そのため、活性水素基含有側鎖を有する環状分子における重合性環状化合物に起因する不純物の含有量は、10質量%以下であり、好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは3質量%以下であり、さらに好ましくは1質量%以下である。なお、上記した重合性環状化合物に起因する不純物の含有量は、活性水素基含有側鎖を有する環状分子全量(100質量%)に対する含有量(質量%)で表している。
前記重合性環状化合物に起因する不純物の含有量の上限値を上記のとおりにすることにより、優れた力学特性が発現することができ、本発明の硬化性組成物を硬化させた硬化体を研磨用パッドに用いる際、優れた研磨特性を発現することができる。前記重合性環状化合物に起因する不純物が上記の範囲外であると、樹脂物性が低下してしまい、研磨特性も低下する傾向にある。
前記重合性環状化合物に起因する不純物の量については、単離して求めることもできるが、ゲル浸透クロマトグラフィー法(以下「GPC法」と略す)の面積値で測定した値で求めることができる。
なお、不純物の算出に使用するGPC法における分子量は、ポリエチレンオキサイド換算の分子量であり、平均分子量が既知であるポリエチレンオキサイド標品の溶出時間を基に換算したものである。重合性環状化合物に起因する不純物は、通常、活性水素基含有側鎖を有する環状分子よりも小さな分子量ピークになる。そこで、GPC法における活性水素基含有側鎖を有する環状分子が占める面積をarea-proとし、重合性環状化合物に起因する不純物が占める面積をarea-byproとした時、活性水素基含有側鎖を有する環状分子に対して、前記重合性環状化合物に起因する不純物の含有量(質量%)は、[100/(area-pro+area-bypro)]×area-bypro(質量%)として求めることができる。
また、前記(A)成分は、ある粘度範囲を持つことが好ましい。そうすることで、優れたハンドリング性を有することが可能である。好ましい粘度範囲としては、60度での粘度が500mPa・s~50,000mPa・sであり、さらに好ましいくは、500mPa・s~10,000mPa・sであり、最も好ましいのは1000mPa・s~6,000mPa・sである。これらは、たとえば回転粘度計で求めることができる。
さらに、(A)成分の分子量は、大きすぎると、他の成分、たとえば、(B)成分等と混合した際に、扱いが困難となるばかりか、相溶性が悪くなる傾向がある。このような観点から(A)成分の重量平均分子量Mwは、1,500~100,000であり、特に2,000~30,000、特に好ましくは2,500~10,000の範囲にあり、最も好ましいのは3,000~8,000の範囲にあることが好適である。また、安定した物性を発揮するためには、分散度は1.2以下であることが好ましい。なお、この重量平均分子量Mwと分散度は、後述する実施例で記載したGPC測定方法で測定した値である。また、上記したとおり、(A)活性水素基含有側鎖を有する環状分子の分子量は大きすぎると、取り扱い性や相溶性が悪くなる傾向があるため、(A)活性水素基含有側鎖を有する環状分子は、他の分子と複合体を形成していないことが好ましい。
本発明において、前記活性水素基含有側鎖は、直鎖状であってもよいし、分枝状であってもよい。
前記活性水素基含有側鎖の導入方法は、国際公開第2015/159875号に開示されている手法や化合物を適宜導入することが可能であり、たとえば、開環重合;カチオン重合;アニオン重合などが利用できる。上記手法により、適宜選択された化合物を前記環状分子が有する反応性官能基に反応させることによって適宜の大きさの側鎖を導入することができる。
本発明で用いる重合性環状化合物としては、開環重合により環が開環することで、環状分子に側鎖分子を導入できるものであれば制限なく利用できる。該重合性環状化合物の具体例としては、環状エーテル、環状シロキサン、環状ラクトン、環状ラクタム、環状アセタール、環状アミン、環状カーボネート、環状イミノエーテル、環状チオカーボネート等が挙げられる。
前記重合性環状化合物の中でも、反応性が高く、さらには分子量の調整が容易であるという観点から、環状エーテル、環状ラクトン、環状ラクタムを用いることが好ましい。
前記した環状ラクトンや環状エーテル等の重合性環状化合物を開環重合して導入した側鎖は、該側鎖の末端に水酸基が導入されることとなり、環状ラクタムを開環重合して導入した側鎖は、該側鎖の末端にアミノ基が導入されることとなる。
以下、好適に用いられる環状エーテル、環状ラクトン、環状ラクタム、および環状カーボネートを例示する。
環状エーテル;
エチレンオキシド、1,2-プロピレンオキシド、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、1,2-ブチレンオキシド、2,3-ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド、オキセタン、3-メチルオキセタン、3,3-ジメチルオキセタン、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、3-メチルテトラヒドロフラン等
環状ラクトン;
4員環ラクトン;β-プロピオラクトン、β-メチルプロピオラクトン、L-セリン-β-ラクトン等
5員環ラクトン;γ-ブチロラクトン、γ-ヘキサノラクトン、γ-ヘプタノラクトン、γ-オクタノラクトン、γ-デカノラクトン、γ-ドデカノラクトン、α-ヘキシル-γ-ブチロラクトン、α-ヘプチル-γ-ブチロラクトン、α-ヒドロキシ-γ-ブチロラクトン、γ-メチル-γ-デカノラクトン、α-メチレン-γ-ブチロラクトン、α,α-ジメチル-γ-ブチロラクトン、D-エリスロノラクトン、α-メチル-γ-ブチロラクトン、γ-ノナノラクトン、DL-パントラクトン、γ-フェニル-γ-ブチロラクトン、γ-ウンデカノラクトン、γ-バレロラクトン、2,2-ペンタメチレン-1,3-ジオキソラン-4-オン、α-ブロモ-γ-ブチロラクトン、γ-クロトノラクトン、α-メチレン-γ-ブチロラクトン、α-メタクリロイルオキシ-γ-ブチロラクトン、β-メタクリロイルオキシ-γ-ブチロラクトン等
6員環ラクトン;δ-バレロラクトン、δ-ヘキサノラクトン、δ-オクタノラクトン、δ-ノナノラクトン、δ-デカノラクトン、δ-ウンデカノラクトン、δ-ドデカノラクトン、δ-トリデカノラクトン、δ-テトラデカノラクトン、DL-メバロノラクトン、4-ヒドロキシ-1-シクロヘキサンカルボン酸δ-ラクトン、モノメチル-δ-バレロラクトン、モノエチル-δ-バレロラクトン、モノヘキシル-δ-バレロラクトン、1,4-ジオキサン-2-オン、1,5-ジオキセパン-2-オン等
7員環ラクトン;ε-カプロラクトン、モノメチル-ε-カプロラクトン、モノエチル-ε-カプロラクトン、モノヘキシル-ε-カプロラクトン、ジメチル-ε-カプロラクトン、ジ-n-プロピル-ε-カプロラクトン、ジ-n-ヘキシル-ε-カプロラクトン、トリメチル-ε-カプロラクトン、トリエチル-ε-カプロラクトン、トリ-n-ε-カプロラクトン、ε-カプロラクトン、5-ノニル-オキセパン-2-オン、4,4,6-トリメチル-オキセパン-2-オン、4,6,6-トリメチル-オキセパン-2-オン、5-ヒドロキシメチル-オキセパン-2-オン等
8員環ラクトン;ζ-エナントラクトン等
その他のラクトン;ラクトン、ラクチド、ジラクチド、テトラメチルグリコシド、1,5-ジオキセパン-2-オン、t-ブチルカプロラクトン等
環状ラクタム;
4員環ラクタム;4-ベンゾイルオキシ-2-アゼチジノン等
5員環ラクタム;γ-ブチロラクタム、2-アザビシクロ(2,2,1)ヘプタ-5-エン-3-オン、5-メチル-2-ピロリドン等
6員環ラクタム;2-ピペリドン-3-カルボン酸エチル等
7員環ラクタム;ε-カプロラクタム、DL-α-アミノ-ε-カプロラクタム等
8員環ラクタム;ω-ヘプタラクタム等
環状カーボネート;
エチレンカーボネート、炭酸プロピレン、炭酸1,2-ブチレングリセロール1,2-カルボナート、4-(メトキシメチル)-1,3-ジオキソラン-2-オン、(クロロメチル)エチレンカーボネート、炭酸ビニレン、4,5-ジメチル-1,3-ジオキソール-2-オン、4-クロロメチル-5-メチル-1,3-ジオキソール-2-オン、4-ビニル-1,3-ジオキソラン-2-オン、4,5-ジフェニル-1,3-ジオキソラン-2-オン、4,4-ジメチル-5-メチレン-1,3-ジオキソラン-2-オン、1,3-ジオキサン-2-オン、5-メチル-5-プロピル-1,3-ジオキソラン-2-オン、5,5-ジエチル-1,3-ジオキソラン-2-オン
上記の重合性環状化合物は、単独で使用することも、2種以上を併用して使用することもできる。
本発明において、好適に使用される重合性環状化合物は、環状ラクトン及び環状ラクタムから選択される少なくとも1種であり、より好適に使用される重合性環状化合物は環状ラクトンである。
特に好適な環状ラクトンは、ε-カプロラクトン、α-アセチル-γ-ブチロラクトン、α-メチル-γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、γ-ブチロラクトン等であり、特に好適な環状ラクタムは、ε-カプロラクタム、γ-ブチロラクタム、DL-α-アミノ-ε-カプロラクタムである。これらの中で、さらにもっとも好ましいのは、ε-カプロラクトン、ε-カプロラクタムである。
また、開環重合により環状化合物を反応させて側鎖を導入する場合、環状分子の反応性官能基(たとえば水酸基)が反応性に乏しく、特に立体障害などにより大きな重合性環状化合物を直接反応させることが困難な場合がある。このような場合には、たとえば、前記した環状ラクトンや環状ラクタムなどを反応させる前に、一旦、プロピレンオキシドなどの低分子化合物を環状分子の反応性官能基と反応させてヒドロキシプロピル化等を行ない、事前に反応性に富んだ官能基を導入する方法が好適である。その後、前記した重合性環状化合物を用いた開環重合により、側鎖を導入するという手段を採用することができる。この場合、ヒドロキシプロピル化等した部分も側鎖と見なすことができる。
本発明の(A)成分の製造方法は、特に限定されず、公知の方法を採用すればよいが、反応系中の水分量をコントロールすることが好ましい。水分が反応系中に存在すると、重合性環状化合物に起因する不純物が生成し、硬化体を作製した際の樹脂物性を低下させてしまうおそれがある。
具体的には、(A)成分の製造方法としては、重合性環状化合物と前記重合性環状化合物と反応し得る環状分子とを含む反応系において、反応系中の水分量を10000ppm以下で、重合性環状化合物を開環重合して前記環状分子に側鎖を導入する方法が好ましい。ここで、重合性環状化合物と反応し得る環状分子とは、上述した反応性官能基を有する環状分子である。
このように、環状分子と重合性環状化合物との反応系中の水分量を10000ppm以下にして開環重合することが好適であり、好ましくは5000ppm以下にして開環重合することが好ましく、より好ましくは3000ppm以下にして開環重合すること、さらに好ましくは1000ppm以下にして開環重合することが好ましい。なお、反応系中の水分量は、後述する実施例で記載したカールフィッシャー法により測定することができる。
さらに前記した開環重合には、公知の触媒が何ら制限なく利用できる。たとえば、テトラメチルチタネート、テトラエチルチタネート、テトラプロピルチタネート、テトラブチルチタネート等の有機チタン化合物、2-エチルヘキサ酸スズ、ジブチルスズジラウレート、オクチル酸スズ、ジブチルスズオキサイド、ジブチルスズアセテート等の有機スズ化合物、塩化第一スズ、臭化第一スズ、ヨウ化第一スズ等のハロゲン化第一スズ化合物、さらに種々の金属のアセチルアセトナート化合物、有機カルボン酸金属塩等が使用できる。なお、前記触媒が側鎖導入後にある量が残存していると、(A)成分と(B)成分とを含む硬化性組成物を硬化させる際に触媒として作用してしまい、硬化が早すぎて硬化不良になるおそれがある。そのため、残存する触媒量は、触媒に利用した種々の金属換算で、(A)成分に対して5000ppm以下とすることが好ましい。より好ましくは1000ppm以下であることがより好ましく、最も好ましいのは600ppm以下である。残存触媒量のうち、たとえば、残存スズ量に関しては、後述する実施例で記載したICP発光で測定することができる。一方、触媒が少なすぎると反応が遅すぎる場合もある。よって、触媒を用いる際の触媒量は、触媒に利用した種々の金属換算で、(A)成分に対して50ppm以上が好ましく、100ppm以上がさらに好ましい。
また、前記した開環重合では、上述した触媒や下述する有機溶媒を用いることも出来るし、無溶剤での反応も可能である。有機溶剤を用いる際の好ましい有機溶媒は、例えば、DMSO、DMF、THF、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、クロロホルム等を用いることができるがこれらに限定されない。
本発明において利用する開環重合では簡便性やコスト面から、無溶剤で実施することが好ましい。無溶剤で前期した開環重合を実施することにより、上述した金属触媒の量も低減可能であり、溶媒費用や溶媒留去の時間のみならず、スズ等の触媒の除去費用等も必要なくなり、工業生産に大きく有用である。
また、前記した開環重合での好ましい反応温度は80℃以上200℃未満であることが好ましく、100℃以上180℃未満であることがさらに好ましく、110℃以上150℃未満であることが最も好ましい。そうすることで、金属触媒の量が少なくとも安定した製造が可能となる。
また、前記した開環重合での好ましい反応時間は触媒や反応温度により異なるが、長時間の加熱は、重合度の分布を広げる可能性があり好ましくない。その為、好ましい反応時間は1時間~120時間であり、さらに好ましくは3時間~72時間であり、もっとも好ましくは、3時間~48時間である。
なお、本発明においては、側鎖の官能基と他の化合物とを反応させて、該他の化合物に由来する構造を導入する反応を「変性」という場合もある。変性に用いる化合物は、特に、側鎖の官能基と反応可能な化合物であれば使用できる。該化合物を選定することで、たとえば、側鎖に様々な重合性官能基を導入することもできる。
上記した説明から理解されるように、環状分子に導入される側鎖は、様々な方法で側鎖末端に種々の官能基を導入することが可能である。
(好適な(A)成分の構成)
本発明において、最も好適に使用される(A)成分は、環状分子として、α-シクロデキストリン、又はβ-シクロデキストリンを用い、重合性環状化合物として、ε-カプロラクトンを用いて、該環状分子に、側鎖の末端に活性水素基である水酸基が導入されているものである。この際、α-シクロデキストリン、又はβ-シクロデキストリンの水酸基をヒドロキシプロピル化した後、開環重合によりε-カプロラクトンに由来するポリカプロラクトン鎖を導入してもよい。
そして、側鎖の分子量や修飾率は、前記の通りであることが好ましい。導入された側鎖は、全ての末端が活性水素を有する基とすることもできるし、活性水素のモル数を所望のものとするため、非反応性の基に変性することもできる。
前記活性水素基としては、水酸基、アミノ基、および、チオール基等が挙げられる。中でも、本発明において、好ましい活性水素基は、水酸基、および、アミノ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の活性水素基であり、最も好ましいのは水酸基である。
<(B)(A)成分の活性水素基と重合し得る重合性官能基を有する重合性モノマー>
本発明において、(B)成分は、(A)成分の活性水素基と重合し得る重合性官能基を有する重合性モノマーであれば、公知の化合物が何ら制限なく使用できる。そして、当然のことながら、(A)成分以外の重合性モノマーである。たとえば、国際公開第2015/068798号に記載されている重合性モノマーがあげられる。
前記(B)成分は、(A)成分が有している活性水素基が水酸基、チオール基、アミノ基(本発明におけるアミノ基とは、第一級アミノ基(-NH)、及び第二級アミノ基(-NHR;Rは置換基、たとえば、アルキル基)の両方を指す。)から選ばれる重合性官能基を有する場合には、(B)成分は、(B1)分子内に少なくとも2つのイソ(チオ)シアネート基を有するイソ(チオ)シアネート化合物(以下、「(B1)イソ(チオ)シアネート化合物」、または「(B1)成分」ともいう)が選択できる。
また、(A)成分が有している活性水素基が水酸基、アミノ基の場合には、(B)成分は、(B2)エポキシ基を有するエポキシ基含有モノマー(以下、「(B2)エポキシ基含有モノマー」または「(B2)成分」ともいう)も選択できる。
本発明の硬化性組成物は、(A)成分および(B)成分を含むものであれば、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の成分を含んでいてもよい。たとえば、前記硬化性組成物には、(A)成分とは重合しない、(B)成分とは異なる他の重合性モノマー(以下、「他の重合性モノマー」ともいう)を含むことができる。具体的には、(A)成分と、(A)成分と重合し得る(B)成分とが含まれている前記硬化性組成物に、(A)成分と重合せず、(B)成分とは重合する他の重合性モノマーを存在させることにより、(A)成分、(B)成分、および、前記他の重合性モノマーとで共重合させることができる。すなわち、前記硬化性組成物は、(A)成分および(B)成分だけではなく、(B)成分と共重合可能な他の重合性モノマー(以下、(C)成分ともいう。)を含むことができる。
それら(C)成分を例示すると、(C1)水酸基、およびチオール基から選ばれる基を少なくとも1つ有する(チ)オール化合物(以下、「(C1)(チ)オール化合物」または「(C1)成分」ともいう)、並びに(C2)アミノ基を有するアミノ基含有モノマー(以下、「(C2)アミノ基含有モノマー」または「(C2)成分」ともいう)が挙げられる。
上述した例をより詳細に説明する。具体的には、たとえば、(B)成分として(B1)イソ(チオ)シアネート化合物を用い、さらに、前記(C1)(チ)オール化合物、及び/または前記(C2)アミノ基含有モノマーを含む硬化性組成物の場合、(A)成分、(B1)成分、(C1)成分及び/または(C2)成分が共重合した硬化体とすることができる。なお、当然のことながら、この場合、硬化性組成物には、さらに(B2)成分を含むこともできる。
以下、(B)成分および(C)成分について、個々に詳細を説明する。
<(B1)イソ(チオ)シアネート化合物;(B1)成分>
(B1)イソ(チオ)シアネート化合物は、イソシアネート基及びイソチオシアネート基からなる群から選択される基を少なくとも2つ有する化合物である。もちろん、イソシアネート基とイソチオシアネート基の二つの基を有している化合物も選択される。中でも、イソ(チオ)シアネート基を分子内に、2~6個有する化合物が好ましく、2~4個有する化合物がより好ましく、2~3個有する化合物がさらに好ましい。
また、前記(B1)イソ(チオ)シアネート化合物は、下記に記載する(B13)分子内にイソシアネート基及びイソチオシアネート基からなる群から選択される基の合計が2個の2官能イソ(チオ)シアネート化合物(以下、「(B13)成分」ともいう)と、(C12)分子内に2つの活性水素含有基を有する2官能活性水素含有化合物(以下、「(C12)成分」ともいう)との反応により製造される、(B12)ウレタンプレポリマー(以下、「(B12)成分」ともいう)であってもよい。(B1)成分に該当する(B12)ウレタンプレポリマーは、未反応のイソシアネート基またはイソチオシアネート基を2つ以上含む一般に使用されているものが、何ら制限なく、本発明においても使用でき、好ましくはイソシアネート基を2つ以上含む(B12)ウレタンプレポリマーであることが好ましい。
なお、前記(C12)成分における活性水素含有基は、水酸基、チオール基、アミノ基から選ばれる基である。また、具体的な(C12)成分は、下記に詳述する(C1)(チ)オール化合物、または(C2)アミノ基含有モノマーに例示しているものが使用される。
前記(B1)イソ(チオ)シアネート化合物としては、大きく分類すれば、脂肪族イソシアネート、脂環族イソシアネート、芳香族イソシアネート、イソチオシアネート、その他のイソシアネート、(B12)ウレタンプレポリマーに分類することができる。また、前記(B1)成分は、1種類の化合物を使用することもできるし、複数種類の化合物を使用することもできる。複数種類の化合物を使用する場合には、基準となる質量は、複数種類の化合物の合計量である。これら(B1)成分を具体的に例示すると以下が挙げられる。
脂肪族イソシアネート;(B1)成分
エチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、ノナメチレンジイソシアネート、2,2’-ジメチルペンタンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ブテンジイソシアネート、1,3-ブタジエン-1,4-ジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6,11-トリメチルウンデカメチレンジイソシアネート、1,3,6-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,8-ジイソシアネート-4-イソシアネートメチルオクタン、2,5,7-トリメチル-1,8-ジイソシアネート-5-イソシアネートメチルオクタン、ビス(イソシアネートエチル)カーボネート、ビス(イソシアネートエチル)エーテル、1,4-ブチレングリコールジプロピルエーテル-ω,ω’-ジイソシアネート、リジンジイソシアネートメチルエステル、2,4,4,-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の2官能イソシアネート(下記に詳述する(B12)ウレタンプレポリマーを構成する(B13)成分に該当する)。
脂環族イソシアネート;(B1)成分
イソホロンジイソシアネート、(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,5-ジイル)ビスメチレンジイソシアネート、(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,6-ジイル)ビスメチレンジイソシアネート、2β,5α-ビス(イソシアネート)ノルボルナン、2β,5β-ビス(イソシアネート)ノルボルナン、2β,6α-ビス(イソシアネート)ノルボルナン、2β,6β-ビス(イソシアネート)ノルボルナン、2,6-ジ(イソシアネートメチル)フラン、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネート、4,4-イソプロピリデンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ジシクロヘキシルジメチルメタンジイソシアネート、2,2’-ジメチルジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ビス(4-イソシアネート-n-ブチリデン)ペンタエリスリトール、ダイマー酸ジイソシアネート、2,5-ビス(イソシアネートメチル)-ビシクロ〔2,2,1〕-ヘプタン、2,6-ビス(イソシアネートメチル)-ビシクロ〔2,2,1〕-ヘプタン、3,8-ビス(イソシアネートメチル)トリシクロデカン、3,9-ビス(イソシアネートメチル)トリシクロデカン、4,8-ビス(イソシアネートメチル)トリシクロデカン、4,9-ビス(イソシアネートメチル)トリシクロデカン、1,5-ジイソシアネートデカリン、2,7-ジイソシアネートデカリン、1,4-ジイソシアネートデカリン、2,6-ジイソシアネートデカリン、ビシクロ[4.3.0]ノナン-3,7-ジイソシアネート、ビシクロ[4.3.0]ノナン-4,8-ジイソシアネート、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,5-ジイソシアネートとビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,6-ジイソシアネート、ビシクロ[2,2,2]オクタン-2,5-ジイソシアネート、ビシクロ[2,2,2]オクタン-2,6-ジイソシアネート、トリシクロ[5.2.1.02.6]デカン-3,8-ジイソシアネート、トリシクロ[5.2.1.02.6]デカン-4,9-ジイソシアネート等の2官能イソシアネート(下記に詳述する(B12)ウレタンプレポリマーを構成する(B13)成分に該当する)。
2-イソシアネートメチル-3-(3-イソシアネートプロピル)-5-イソシアネートメチル-ビシクロ〔2,2,1〕-ヘプタン、2-イソシアネートメチル-3-(3-イソシアネートプロピル)-6-イソシアネートメチル-ビシクロ〔2,2,1〕-ヘプタン、2-イソシアネートメチル-2-(3-イソシアネートプロピル)-5-イソシアネートメチル-ビシクロ〔2,2,1〕-ヘプタン、2-イソシアネートメチル-2-(3-イソシアネートプロピル)-6-イソシアネートメチル-ビシクロ〔2,2,1〕-ヘプタン、2-イソシアネートメチル-3-(3-イソシアネートプロピル)-5-(2-イソシアネートエチル)-ビシクロ〔2,2,1〕-ヘプタン、2-イソシアネートメチル-3-(3-イソシアネートプロピル)-6-(2-イソシアネートエチル)-ビシクロ〔2,1,1〕-ヘプタン、2-イソシアネートメチル-2-(3-イソシアネートプロピル)-5-(2-イソシアネートエチル)-ビシクロ〔2,2,1〕-ヘプタン、2-イソシアネートメチル-2-(3-イソシアネートプロピル)-6-(2-イソシアネートエチル)-ビシクロ〔2,2,1〕-ヘプタン、1,3,5-トリス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等の多官能イソシアネート。
芳香族イソシアネート;(B1)成分
キシリレンジイソシアネート(o-、m-,p-)、テトラクロロ-m-キシリレンジイソシアネート、メチレンジフェニル-4,4’-ジイソシアネート、4-クロル-m-キシリレンジイソシアネート、4,5-ジクロル-m-キシリレンジイソシアネート、2,3,5,6-テトラブロム-p-キシリレンジイソシアネート、4-メチル-m-キシリレンジイソシアネート、4-エチル-m-キシリレンジイソシアネート、ビス(イソシアネートエチル)ベンゼン、ビス(イソシアネートプロピル)ベンゼン、1,3-ビス(α,α-ジメチルイソシアネートメチル)ベンゼン、1,4-ビス(α,α-ジメチルイソシアネートメチル)ベンゼン、α,α,α’,α’-テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ビス(イソシアネートブチル)ベンゼン、ビス(イソシアネートメチル)ナフタリン、ビス(イソシアネートメチル)ジフェニルエーテル、ビス(イソシアネートエチル)フタレート、2,6-ジ(イソシアネートメチル)フラン、フェニレンジイソシアネート(o-,m-,p-)、トリレンジイソシアネート、エチルフェニレンジイソシアネート、イソプロピルフェニレンジイソシアネート、ジメチルフェニレンジイソシアネート、ジエチルフェニレンジイソシアネート、ジイソプロピルフェニレンジイソシアネート、トリメチルベンゼントリイソシアネート、ベンゼントリイソシアネート、1,3,5-トリイソシアネートメチルベンゼン、1,5-ナフタレンジイソシアネート、メチルナフタレンジイソシアネート、ビフェニルジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2'-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’-ジメチルジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、ビベンジル-4,4’-ジイソシアネート、ビス(イソシアネートフェニル)エチレン、3,3’-ジメトキシビフェニル-4,4’-ジイソシアネート、フェニルイソシアネートメチルイソシアネート、フェニルイソシアネートエチルイソシアネート、テトラヒドロナフチレンジイソシアネート、ヘキサヒドロベンゼンジイソシアネート、ヘキサヒドロジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネート、エチレングリコ-ルジフェニルエーテルジイソシアネート、1,3-プロピレングリコールジフェニルエーテルジイソシアネート、ベンゾフェノンジイソシアネート、ジエチレングリコ-ルジフェニルエーテルジイソシアネート、ジベンゾフランジイソシアネート、カルバゾールジイソシアネート、エチルカルバゾールジイソシアネート、ジクロロカルバゾールジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート等の2官能イソシアネート(下記に詳述する(B12)ウレタンプレポリマーを構成する(B13)成分に該当する)。
メシチリレントリイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメリックMDI、ナフタリントリイソシアネート、ジフェニルメタン-2,4,4’-トリイソシアネート、3-メチルジフェニルメタン-4,4’,6-トリイソシアネート、4-メチル-ジフェニルメタン-2,3,4’,5,6-ペンタイソシアネート等の多官能イソシアネート化合物。
イソチオシアネート;(B1)成分
p-フェニレンジイソチオシアネート、キシリレン-1,4-ジイソチオシアネート、及びエチリジンジイソチオシアネート等の2官能イソチオシアネート(下記に詳述する(B12)ウレタンプレポリマーを構成する(B13)成分に該当する)。
その他のイソシアネート:(B1)成分
その他のイソシアネートとして、ヘキサメチレンジイソシアネートやトリレンジイソシアネートなどのジイソシアネート類を主原料としたビュレット構造、ウレトジオン構造、イソシアヌレート構造(たとえば、特開2004-534870号公報には、脂肪族ポリイソシアネートのビュレット構造、ウレトジオン構造、イソシアヌレート構造の変性の方法が開示されている)を有する多官能イソシアネートやトリメチロールプロパンなどの3官能以上のポリオールとのアダクト体として多官能としたもの等が挙げられる(成書(岩田敬治編 ポリウレタン樹脂ハンドブック 日刊工業新聞社(1987))等に開示されている)。
(B12)ウレタンプレポリマー;両末端イソ(チオ)シアネート基を有する(B1)成分
本発明においては、前記(B13)成分と後述する(C12)分子内に2つの活性水素含有基を有する2官能活性水素含有化合物との反応により製造される、(B12)ウレタンプレポリマーを、(B1)成分として使用することもできる。
(B12)ウレタンプレポリマーは、特に制限されるものではないが、(B13)成分としては、特に、次に例示するモノマーを使用することが好ましい。具体的には、1,5-ナフタレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート(o-,m-,p-)、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート(o-,m-,p-)、2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネート、(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,5(2,6)-ジイル)ビスメチレンジイソシアネートを使用することが好ましい。これらに(C12)2官能活性水素含有化合物を反応させて、両末端にイソシアネート基及びイソチオシアネート基から選ばれるいずれかの基を有する(B12)成分とすることが好ましい。
また、最終的に得られる前記樹脂が、特に優れた特性を発揮するためには、少なくとも1種類の分子量(数平均分子量)が300~2000の(C12)2官能活性水素含有化合物を使用して(B12)ウレタンプレポリマーを製造することが好ましい。活性水素含有基とは、水酸基、チオール基、アミノ基を指す。中でも、反応性を考慮すると、(C12)2官能活性水素含有化合物における活性水素含有基は、水酸基であることが好ましい。
分子量(数平均分子量)が300~2000の(C12)2官能活性水素含有化合物は、種類の異なるもの、分子量の異なるものを組み合わせて使用することもできる。また、最終的に得られる前記樹脂の硬度や強度等を調整するために、(B12)ウレタンプレポリマーを形成する際に、該分子量(数平均分子量)が300~2000の(C12)成分と、該分子量(数平均分子量)が90~300の(C12)成分とを組み合わせて使用することもできる。この場合、使用する(C12)成分、および(B13)2官能イソ(チオ)シアネート化合物成分の種類、およびそれらの使用量にもよるが、分子量300~2000の(C12)成分を100質量部とした時、分子量90~300の(C12)成分を0~50質量部とすることが好ましい。さらには、分子量90~300の(C12)成分を1~40質量部とすることが好ましい。本発明の硬化性組成物を研磨用パッドとして使用する際は、上述した(B12)ウレタンプレポリマーを用いることが好ましい。さらに好ましくは、前記(B12)ウレタンプレポリマーが、該分子量(数平均分子量)が300~2000の(C12)成分と、該分子量(数平均分子量)が90~300の(C12)成分とを組み合わせて合成されたものを用いることが好ましい。また、該分子量(数平均分子量)が300~2000の(C12)成分と、該分子量(数平均分子量)が90~300の(C12)成分の比は、該分子量(数平均分子量)が300~2000の(C12)成分と、該分子量(数平均分子量)が90~300の(C12)成分の合計質量部を100質量部とした際、該分子量(数平均分子量)が300~2000の(C12)成分が60~95質量部であることが好ましく、70~95質量部であることがより好ましい。
また、(B12)ウレタンプレポリマーは、分子の両末端がイソシアネート基および/またはイソチオシアネート基とならなければならない。そのため、(B12)ウレタンプレポリマーは、(B13)2官能イソ(チオ)シアネート化合物におけるイソシアネート基および/またはイソチオシアネート基の合計モル数(n5)と、(C12)2官能活性水素含有化合物の活性水素含有基(水酸基、チオール基、またはアミノ基)の合計モル数(n6)とが、1<(n5)/(n6)≦2.3となる範囲で製造することが好ましい。2種類以上の、分子の末端が(B13)成分を用いる場合、該イソシアネート基および/またはイソチオシアネート基のモル数(n5)は、もちろん(B13)成分のイソシアネート基および/またはイソチオシアネート基の合計モル数とする。また、2種類以上の(C12)2官能活性水素含有化合物の活性水素含有基のモル数(n6)は、もちろん活性水素含有基の合計の活性水素のモル数とする。活性水素含有基が第一級アミノ基である場合であっても、第一級アミノ基を1モルと考える。つまり、第一級アミノ基において、2つ目のアミノ基(-NH)が反応するには、かなりのエネルギーを要する(第一級アミノ基であっても、2つ目の-NHは反応し難い)。そのため、本発明においては、第一級アミノ基を有する(C12)2官能活性水素含有化合物を使用したとしても、第一級アミノ基を1モルと計算できる。
該(B12)ウレタンプレポリマーのイソ(チオ)シアネート当量(イソシアネート当量および/またはイソチオシアネート当量の総量)は、(B12)ウレタンプレポリマーが有するイソシアネート基および/またはイソチオシアネート基をJIS K 7301に準拠して定量することにより、求めることができる。該イソシアネート基および/またはイソチオシアネート基は、以下の逆滴定法によって定量できる。先ず、得られた(B12)ウレタンプレポリマーを乾燥溶媒に溶解させる。次に、(B12)ウレタンプレポリマーが有するイソシアネート基および/またはイソチオシアネート基の量よりも、明らかに過剰量であって、かつ濃度が既知のジ-n-ブチルアミンを、該乾燥溶媒に加え、(B12)ウレタンプレポリマーの全イソシアネート基および/またはイソチオシアネート基と、ジ-n-ブチルアミンとを反応させる。次いで、消費されなかった(反応に関与しなかった)ジ-n-ブチルアミンを酸で滴定して、消費されたジ-n-ブチルアミンの量を求める。この消費されたジ-n-ブチルアミンと、(B12)ウレタンプレポリマーが有するイソシアネート基および/またはイソチオシアネート基とは、同量であることからイソ(チオ)シアネート当量を求めることができる。また、(B12)ウレタンプレポリマーは、両末端がイソシアネート基および/またはイソチオシアネート基の直鎖状のウレタンプレポリマーであることから、(B12)ウレタンプレポリマーの数平均分子量は、イソ(チオ)シアネート当量の2倍となる。この(B12)ウレタンプレポリマーの分子量は、ゲルパーミネーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した値と一致し易い。なお、たとえば、該(B12)ウレタンプレポリマーと(B13)2官能イソ(チオ)シアネート化合物とを併用して使用する場合には、両者の混合物を上記方法に沿って測定すればよい。
前記(B12)ウレタンプレポリマーは、特に制限されるものではないが、イソ(チオ)シアネート当量が好ましくは300~5000、より好ましくは350~3000、特に好ましくは350~2000が好ましい。この理由は、特に明らかではないが、以下のように考えられる。すなわち、ある程度の分子量を有する(B12)ウレタンプレポリマーが活性水素基含有側鎖を有する環状分子の活性水素基と反応することにより、側鎖を含めた分子の稼働部位が大きくなって分子自体の動きが大きくなり、その結果、変形に対しても回復(弾性回復;低ヒステリック)し易くなると考えられる。さらには、(B12)ウレタンプレポリマーが使用されることにより、前記樹脂における架橋点が分散し易くなってランダムに且つ均一に存在するようになり、安定した性能が発揮されるものと考えられる。そして、(B12)ウレタンプレポリマーを使用して得られる前記樹脂は、製造時の制御がし易くなる。たとえば、本発明の硬化性組成物を研磨パッドとして用いる際には好適に使用できるようになると考えられる。このような効果は、(B12)ウレタンプレポリマーと(B13)2官能イソ(チオ)シアネート化合物とを併用した場合において、ポリイソ(チオ)シアネート化合物の平均のイソ(チオ)シアネート当量が300~5000であっても、発現するものと考えられる。ただし、前記効果は、(B12)ウレタンプレポリマーのみである場合の方が顕著になると考えられる。
本発明に用いる、(B12)ウレタンプレポリマーの製造方法は、水酸基、アミノ基、またはチオール基等の分子内に2つの活性水素含有基を有する(C12)2官能活性水素含有化合物と(B13)2官能イソ(チオ)シアネート化合物とを反応させて、分子の末端にイソシアネート基、またはイソチオシアネート基を有する(B12)ウレタンプレポリマーを製造すればよい。末端にイソシアネート基、またはイソチオシアネート基を有するプレポリマーを得ることが出来れば、何ら制限はない。
上述しているが、(B12)ウレタンプレポリマーを得るための好ましい(C12)2官能活性水素含有化合物と、(B13)2官能イソ(チオ)シアネート化合物の配合量は、以下の通りである。具体的には、(B13)成分におけるイソシアネート基、またはイソチオシアネート基のモル数(n5)と(C12)2官能活性水素含有化合物の活性水素のモル数(n6)とが、1<(n5)/(n6)≦2.3となる範囲で製造することが好ましい。
また、ウレタンプレポリマーの製造のために反応においては、必要に応じて加熱やウレタン化触媒を添加することで製造することが可能である。
本発明で用いられる(B1)成分で最も好ましい例を挙げると、形成される前記樹脂の強度や、反応性の制御の観点から、イソホロンジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネート、(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,5(2,6)-ジイル)ビスメチレンジイソシアネートの脂環族イソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(o-、m-,p-)の芳香族イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートやトリレンジイソシアネートなどのジイソシアネート類を主原料としたビュレット構造、ウレトジオン構造、イソシアヌレート構造の多官能イソシアネート、3官能以上のポリオールとのアダクト体として多官能イソシアネート、または、(B12)ウレタンプレポリマーが挙げられる。
その中でも特に好ましいのは、(B12)ウレタンプレポリマーが挙げられる。(B12)ウレタンプレポリマーを用いることで好ましい樹脂物性を得ることが可能となる。特に好ましくは、(B12)ウレタンプレポリマーが芳香族イソシアネートからなるウレタンプレポリマーが好ましく、最も好ましいのは2,4-トリレンジイソシアネート、または、2,6-トリレンジイソシアネートからなるウレタンプレポリマーが最も好ましい。
<;(B2)エポキシ基含有モノマー;(B2)成分>
エポキシ基含有モノマーは、重合性官能基として、分子内にエポキシ基を有するものである。
このようなエポキシ化合物は、大きく分けて、脂肪族エポキシ化合物、脂環族エポキシモノマー及び芳香族エポキシモノマーに分類され、その好適な具体例としては、国際公開第2015/068798号に記載されているものを用いることができる。
硬化性組成物における(B)成分の含有量は特に限定されないが、(A)成分100質量部に対して、好ましくは100~1000質量部であり、より好ましくは300~800質量部である。
<(C1)(チ)オール化合物;(C1)成分>
(C1)(チ)オール化合物は、水酸基、及びチオール基からなる群から選択される基を少なくとも1分子中に2個以上有している化合物であれば制限なく使用できる。もちろん、水酸基とチオール基の二つの基を有している化合物も選択される。
前記(C1)成分を、大きく分類すれば、脂肪族アルコール、脂環族アルコール、芳香族アルコール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリアクリルポリオール、ヒマシ油系ポリオール、チオール、OH/SH型重合性基含有モノマー、イソシアネート基と重合可能な水酸基及び/またはチオール基を有するポリロタキサンに分類される。具体例としては、以下のものが挙げられる。
脂肪族アルコール;(C1)成分
エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、1,5-ジヒドロキシペンタン、1,6-ジヒドロキシヘキサン、1,7-ジヒドロキシヘプタン、1,8-ジヒドロキシオクタン、1,9-ジヒドロキシノナン、1,10-ジヒドロキシデカン、1,11-ジヒドロキシウンデカン、1,12-ジヒドロキシドデカン、ネオペンチルグリコール、モノオレイン酸グリセリル、モノエライジン、ポリエチレングリコール、3-メチル-1,5-ジヒドロキシペンタン、ジヒドロキシネオペンチル、2-エチル-1,2-ジヒドロキシヘキサン、2-メチル-1,3-ジヒドロキシプロパン等の2官能ポリオール(前記ウレタンプレポリマー(B12)を構成する(C12)2官能活性水素含有化合物に該当する)。
グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、トリメチロールプロパントリポリオキシエチレンエーテル(たとえば、日本乳化剤株式会社のTMP-30、TMP-60、TMP-90等)、ブタントリオール、1,2-メチルグルコサイド、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール、トリペンタエリトリトール、ソルビトール、エリスリトール、スレイトール、リビトール、アラビニトール、キシリトール、アリトール、マンニトール、ドルシトール、イディトール、グリコール、イノシトール、ヘキサントリオール、トリグリセロール、ジグリセロール、トリエチレングリコール等の多官能ポリオール。
脂環族アルコール;(C1)成分
水添ビスフェノールA、シクロブタンジオール、シクロペンタンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘプタンジオール、シクロオクタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ヒドロキシプロピルシクロヘキサノール、トリシクロ〔5,2,1,02,6〕デカン-ジメタノール、ビシクロ〔4,3,0〕-ノナンジオール、ジシクロヘキサンジオール、トリシクロ〔5,3,1,13,9〕ドデカンジオール、ビシクロ〔4,3,0〕ノナンジメタノール、トリシクロ〔5,3,1,13,9〕ドデカン-ジエタノール、ヒドロキシプロピルトリシクロ〔5,3,1,13,9〕ドデカノール、スピロ〔3,4〕オクタンジオール、ブチルシクロヘキサンジオール、1,1’-ビシクロヘキシリデンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,3-シクロヘキサンジメタノール、1,2-シクロヘキサンジメタノール、及びo-ジヒドロキシキシリレン等の2官能ポリオール(前記(B12)ウレタンプレポリマーを構成する(C12)2官能活性水素含有化合物に該当する)。
トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、シクロヘキサントリオール、スクロース、マルチトール、ラクチトール等の多官能ポリオール。
芳香族アルコール;(C1)成分
ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゼン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、キシリレングリコール、テトラブロムビスフェノールA、ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、1,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-ナフチルメタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-フェニルエタン、2-(4-ヒドロキシフェニル)-2-(3-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ペンタン、3,3-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)オクタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-4-メチルペンタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘプタン、4,4-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)トリデカン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)オクタン、2,2-ビス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-エチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-n-プロピル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-イソプロピル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-sec-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-シクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-アリル-4'-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-メトキシ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(2,3,5,6-テトラメチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)シアノメタン、1-シアノ-3,3-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘプタン、1,1-ビス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス(3,5-ジクロロ-4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)-4-メチルシクロヘキサン、1,1-ビス (4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ノルボルナン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)アダマンタン、4,4'- ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4'- ジヒドロキシ-3,3'-ジメチルジフェニルエーテル、エチレングリコールビス(4-ヒドロキシフェニル)エーテル、4,4'- ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3'-ジメチル-4,4'-ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3'-ジシクロヘキシル-4,4'-ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3'-ジフェニル-4,4'-ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4'-ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、3,3'-ジメチル-4,4'-ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4'-ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4'-ジヒドロキシ-3,3'-ジメチルジフェニルスルホン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)ケトン、7,7'-ジヒドロキシ-3,3',4,4'-テトラヒドロ-4,4,4',4'-テトラメチル-2,2'-スピロビ(2H-1-ベンゾピラン)、トランス-2,3-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-2-ブテン、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン、3,3-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノン、1,6-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1,6-ヘキサンジオン、4,4'-ジヒドロキシビフェニル、m-ジヒドロキシキシリレン、p-ジヒドロキシキシリレン、1,4-ビス(2-ヒドロキシエチル)ベンゼン、1,4-ビス(3-ヒドロキシプロピル)ベンゼン、1,4-ビス(4-ヒドロキシブチル)ベンゼン、1,4-ビス(5-ヒドロキシペンチル)ベンゼン、1,4-ビス(6-ヒドロキシヘキシル)ベンゼン、2,2-ビス〔4-(2”-ヒドロキシエチルオキシ)フェニル〕プロパン、及びハイドロキノン、レゾールシン等の2官能ポリオール(前記(B12)ウレタンプレポリマーを構成する(C12)2官能活性水素含有化合物に該当する)。
トリヒドロキシナフタレン、テトラヒドロキシナフタレン、ベンゼントリオール、ビフェニルテトラオール、ピロガロール、(ヒドロキシナフチル)ピロガロール、トリヒドロキシフェナントレン等の多官能ポリオール。
ポリエステルポリオール;(C1)成分
ポリオールと多塩基酸との縮合反応により得られる化合物が挙げられる。中でも、数平均分子量が400~2000であることが好ましく、500~1500より好ましく、600~1200が最も好ましい。分子の両末端にのみ(分子内に2つの)水酸基を有するものは、前記(B12)ウレタンプレポリマーを構成する(C12)2官能活性水素含有化合物に該当する。
ここで、前記ポリオールとしては、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、3,3’-ジメチロールヘプタン、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、3,3-ビス(ヒドロキシメチル)ヘプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパンなどが挙げられ、これらは単独で使用しても、2種類以上を混合して使用しても構わない。また、前記多塩基酸としては、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、シクロペンタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、オルトフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、これらは単独で使用しても、2種類以上を混合して使用しても構わない。
これらポリエステルポリオールは、試薬としてまたは工業的に入手可能であり、市販されているものを例示すれば、DIC株式会社製「ポリライト(登録商標)」シリーズ、日本ポリウレタン工業株式会社製「ニッポラン(登録商標)」シリーズ、川崎化成工業株式会社製「マキシモール(登録商標)」シリーズ、株式会社クラレ製「クラレポリオール(登録商標)」シリーズなどを挙げることができる。
ポリエーテルポリオール;(C1)成分
アルキレンオキシドの開環重合、または、分子中に活性水素含有基を2個以上有する化合物とアルキレンオキサイドとの反応により得られる化合物およびその変性体が挙げられる。中でも、数平均分子量が400~2000であることが好ましく、500~1500より好ましく、600~1200が最も好ましい。分子の両末端にのみ(分子内に2つの)水酸基を有するものは、前記(B12)ウレタンプレポリマーを構成する(C12)2官能活性水素含有化合物に該当する。
ここで、前記ポリエーテルポリオールとしては、ポリマーポリオール、ウレタン変性ポリエーテルポリオール、ポリエーテルエステルコポリマーポリオール等を挙げることができ、上記分子中に活性水素含有基を2個以上有する化合物としては、水、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、トリエタノールアミン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオールなどの分子中に水酸基を1個以上有するグリコール、グリセリン等のポリオール化合物が挙げられ、これらは単独で使用しても、2種類以上を混合して使用してもよい。
また、前記アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフラン等の環状エーテル化合物が挙げられ、これらは単独で使用しても2種類以上を混合して使用しても構わない。
このようなポリエーテルポリオールは、試薬としてまたは工業的に入手可能であり、市販されているものを例示すれば、旭硝子株式会社製「エクセノール(登録商標)」シリーズ、「エマルスター(登録商標)」、株式会社ADEKA製「アデカポリエーテル」シリーズなどを挙げることができる。
ポリカプロラクトンポリオール;(C1)成分
ε-カプロラクトンの開環重合により得られる化合物が挙げられる。中でも、数平均分子量が400~2000であることが好ましく、500~1500より好ましく、600~1200が最も好ましい。分子の両末端にのみ(分子内に2つの)水酸基を有するものは、前記(B12)ウレタンプレポリマーを構成する(C12)2官能活性水素含有化合物に該当する。
これらポリカプロラクトンポリオールは、試薬としてまたは工業的に入手可能であり、市販されているものを例示すれば、ダイセル化学工業株式会社製「プラクセル(登録商標)」シリーズなどを挙げることができる。
ポリカーボネートポリオール;(C1)成分
低分子ポリオールの1種類以上をホスゲン化して得られる化合物あるいはエチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート等を用いてエステル交換して得られる化合物が挙げられる。中でも、数平均分子量が400~2000であることが好ましく、500~1500より好ましく、600~1200が最も好ましい。分子の両末端にのみ(分子内に2つの)水酸基を有するものは、前記(B12)ウレタンプレポリマーを構成する(C12)2官能活性水素含有化合物に該当する。
ここで、前記低分子ポリオールとしては、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-エチル-4-ブチル-1,3-プロパンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン-1,4-ジオール、シクロヘキサン-1,4-ジメタノール、ダイマー酸ジオール、ビスフェノールA のエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド付加物、ビス(β-ヒドロキシエチル)ベンゼン、キシリレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の低分子ポリオール類が挙げられる。
ポリアクリルポリオール;(C1)成分
(メタ)アクリレート酸エステルやビニルモノマーを重合させて得られるポリオール化合物が挙げられる。分子の両末端にのみ(分子内に2つの)水酸基を有するものは、前記(B12)ウレタンプレポリマーを構成する(C12)2官能活性水素含有化合物に該当する
ヒマシ油系ポリオール;(C1)成分
ヒマシ油系ポリオールとしては、天然油脂であるひまし油を出発原料としているポリオール化合物が挙げられる。なお、分子の両末端にのみ(分子内に2つの)水酸基を有するものは、前記(B12)ウレタンプレポリマーを構成する(C12)成分に該当する。
これらヒマシ油ポリオールは、試薬としてまたは工業的に入手可能であり、市販されているものを例示すれば、伊藤製油株式会社製「URIC(登録商標)」シリーズなどを挙げることができる。
チオール;(C1)成分
チオールの好適な具体例としては、国際公開第2015/068798号パンフレットに記載されているものを用いることができる。その中でも、特に好適なものを例示すれば以下のものが挙げられる。
テトラエチレングリコールビス(3-メルカプトプロピオネート)、1,4-ブタンジオールビス(3-メルカプトプロピオネート)、1,6-ヘキサンジオールビス(3-メルカプトプロピオネート)、1,4-ビス(メルカプトプロピルチオメチル)ベンゼン(前記(B12)ウレタンプレポリマーを構成する(C12)2官能活性水素含有化合物に該当する)。
トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3-メルカプトプロピオネート)、1,2-ビス[(2-メルカプトエチル)チオ]-3-メルカプトプロパン、2,2-ビス(メルカプトメチル)-1,4-ブタンジチオール、2,5-ビス(メルカプトメチル)-1,4-ジチアン、4-メルカプトメチル-1,8-ジメルカプト-3,6-ジチアオクタン、1,1,1,1-テトラキス(メルカプトメチル)メタン、1,1,3,3-テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,1,2,2-テトラキス(メルカプトメチルチオ)エタン、4,6-ビス(メルカプトメチルチオ)-1,3-ジチアン、トリス-{(3-メルカプトプロピオニルオキシ)エチル}-イソシアヌレ-ト等のチオール。
OH/SH型重合性基含有モノマー;(C1)成分
2-メルカプトエタノール、1-ヒドロキシ-4-メルカプトシクロヘキサン、2-メルカプトハイドロキノン、4-メルカプトフェノール、1-ヒドロキシエチルチオ-3-メルカプトエチルチオベンゼン、4-ヒドロキシ-4’-メルカプトジフェニルスルホン、2-(2-メルカプトエチルチオ)エタノール、ジヒドロキシエチルスルフィドモノ(3-メルカプトプロピオネート)、ジメルカプトエタンモノ(サルチレート)(前記(B12)ウレタンプレポリマーを構成する(C12)2官能活性水素含有化合物に該当する)。
3-メルカプト-1,2-プロパンジオール、グルセリンジ(メルカプトアセテート)、2,4-ジメルカプトフェノール、1,3-ジメルカプト-2-プロパノール、2,3-ジメルカプト-1-プロパノール、1,2-ジメルカプト-1,3-ブタンジオール、ペンタエリスリトールトリス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールモノ(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールビス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールトリス(チオグリコレート)、ペンタエリスリトールペンタキス(3-メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシメチル-トリス(メルカプトエチルチオメチル)メタン、ヒドロキシエチルチオメチルートリス(メルカプトエチルチオ)メタン等の多官能OH/SH型重合性基含有モノマー。
イソシアネート基と重合可能な水酸基及び/またはチオール基を有するポリロタキサン;(C1)成分
ポリロタキサンとは、複数の環状分子の環内を鎖状の軸分子が貫通しており、かつ、軸分子の両端に嵩高い基が結合していて立体障害により環状分子が軸分子から抜けなくなった構造を有している分子の複合体であり、超分子(Supramolecule)とも呼ばれている。本発明の(C1)成分で使用できるポリロタキサンは、イソシアネート基と重合可能な水酸基及び/またはチオール基を有するポリロタキサンである。本発明の(C1)成分で用いられる水酸基及び/またはチオール基を有するポリロタキサンは特に限定されないが、たとえば国際出願第2018/092826号公報に記載のポリロタキサンが例示される。
<(C2)アミノ基含有モノマー;(C2)成分>
本発明に使用される(C2)アミノ基含有モノマーは、一分子中に1級及び2級のアミノ基から選択される基を2個以上有しているモノマーであれば制限なく使用できる。前記アミノ基含有モノマーを大きく分類すれば、脂肪族アミン、脂環族アミン、芳香族アミン、およびイソシアネート基と重合可能なアミノ基を有するポリロタキサンに分類される。
(C2)アミノ基含有モノマーの具体例としては、以下のものが挙げられる。
脂肪族アミン;(C2)成分
エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、ウンデカンメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、メタキシレンジアミン、1,3-プロパンジアミン、プトレシン等の2官能アミン(前記(B12)ウレタンプレポリマーを構成する(C12)2官能活性水素含有化合物に該当する)。
ジエチレントリアミン等のポリアミン等の多官能アミン。
脂環族アミン;(C2)成分
イソホロンジアミン、シクロヘキシルジアミン等の2官能アミン(前記(B12)ウレタンプレポリマーを構成する(C12)2官能活性水素含有化合物に該当する)。
芳香族アミン;(C2)成分
4,4’-メチレンビス(o-クロロアニリン)(MOCA)、2,6-ジクロロ-p-フェニレンジアミン、4,4’-メチレンビス(2,3-ジクロロアニリン)、4,4’-メチレンビス(2-エチル-6-メチルアニリン)、3,5-ビス(メチルチオ)-2,4-トルエンジアミン、3,5-ビス(メチルチオ)-2,6-トルエンジアミン、3,5-ジエチルトルエン-2,4-ジアミン、3,5-ジエチルトルエン-2,6-ジアミン、トリメチレングリコール-ジ-p-アミノベンゾエート、ポリテトラメチレングリコール-ジ-p-アミノベンゾエート、4,4’-ジアミノ-3,3’,5,5’-テトラエチルジフェニルメタン、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジイソプロピル-5,5’-ジメチルジフェニルメタン、4,4’-ジアミノ-3,3’,5,5’-テトライソプロピルジフェニルメタン、1,2-ビス(2-アミノフェニルチオ)エタン、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジエチル-5,5’-ジメチルジフェニルメタン、N,N’-ジ-sec-ブチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジエチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、m-キシリレンジアミン、N,N’-ジ-sec-ブチル-p-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、p-キシリレンジアミン、p-フェニレンジアミン、3,3’-メチレンビス(メチル-6-アミノベンゾエート)、2,4-ジアミノ-4-クロロ安息香酸-2-メチルプロピル、2,4-ジアミノ-4-クロロ安息香酸-イソプロピル、2,4-ジアミノ-4-クロロフェニル酢酸-イソプロピル、テレフタル酸-ジ-(2-アミノフェニル)チオエチル、ジフェニルメタンジアミン、トリレンジアミン、ピペラジン等の2官能アミン(前記(B12)ウレタンプレポリマーを構成する(C12)2官能活性水素含有化合物に該当する)。
1,3,5-ベンゼントリアミン、メラミン等の多官能アミン。
イソシアネート基と重合可能なアミノ基を有するポリロタキサン;(C2)成分
本発明の(C2)成分で使用できるポリロタキサンは、イソシアネート基と重合可能なアミノ基を有するポリロタキサンである。本発明の(C2)成分で用いられるアミノ基を有するポリロタキサンは特に限定されないが、たとえば国際出願第2018/092826号公報に記載のポリロタキサンが例示される。
本発明において、(A)成分と(B)成分、および必要に応じて(C)成分を含む硬化性組成物を用い、本発明の硬化体を製造する場合、(A)成分と、(B1)成分、(B2)成分、(C1)成分、と(C2)成分を含む硬化性組成物は、以下の配合となることが好ましい。
具体的には、(B1)成分、(B2)成分、(C1)成分、および、(C2)成分の合計量(以下、「(B)及び(C)成分量」ともいう)と、(A)成分との合計100質量部に対し、(A)成分を2~70質量部、(B)及び(C)成分量を30~98質量部の範囲で含有することが好ましい。この割合で(A)成分を含むことにより、得られる前記硬化体が、優れた機械特性を発現させることが可能となる。また、使用する用途において、好ましい範囲を調製することができる。たとえば、研磨用パッド用途で使用する際は、硬化体がウレタン樹脂であることが好ましい。なお、硬化体がウレタン樹脂である場合は(B1)成分が必須となる。研磨用パッド用途で使用する際は、より好ましくは(A)成分を5~70量部、(B)及び(C)成分量を30~95量部の範囲で含有することが好ましく、さらに好ましくは(A)成分を8~50量部、(B)及び(C)成分量を50~92量部の範囲で含有することが好ましい。このような範囲で含有することで優れた耐摩耗性と研磨特性を発現させることが可能となる。
さらには、研磨用パッド用途で使用する際は(B)及び(C)成分量を100質量%としたとき、(B1)成分20~100質量%、(B2)成分0~100質量%、(C1)成分0~80質量%、および(C2)成分0~30質量%とすることが、優れた機械特性を発現するため好ましい。この効果をより発揮するためには、(B1)成分20~95質量%、(B2)成分0~20質量%、(C1)成分0~70質量%、および(C2)成分0~25質量%とすることがさらに好ましく、(B1)成分40~95質量%、(B2)成分0~5質量%、(C1)成分0~35質量%、および(C2)成分0~20質量%とすることが最も好ましい。
以上の中でも、最終的に得られる前記硬化体が、特に優れた特性を発揮するためには、少なくとも(B1)成分として(B12)ウレタンプレポリマーを用いることが好ましい。その場合、研磨用パッド用途で使用する際は(B)及び(C)成分量を100質量%としたとき、(B12)成分以外の(B1)成分0~10質量%、(B12)成分50~90質量%、(B2)成分0~5質量%、(C1)成分0~20質量%、および(C2)成分0~20質量%とすることが、好ましい。
<好適な硬化性組成物について>
上記(A)成分、および(B)成分、および必要に応じて(C)成分を含む硬化性組成物は、上記の組成が特に限定されず使用可能である。
中でも、好ましい研磨用パッド材料に用いる場合の硬化性組成物は、(A)成分の活性水素基が水酸基、アミノ基から選択されるのが好ましく、(B)成分は(B1)イソ(チオ)シアネート化合物を含むものであることが好ましい。これらから選択することで、硬化体はウレタン系樹脂からなる硬化体となる。
その中でも、(B1)成分は(B12)ウレタンプレポリマーから選ばれることが好ましい。こうすることで、優れた機械特性と研磨特性を調整し易くなる。中でも、特に、上記(A)成分が有する活性水素基が、少なくとも水酸基、又はアミノ基を含み、(B)成分に含まれる(B1)イソ(チオ)シアネート化合物が、(B12)成分を含むものであることが好ましい。
前記(B)成分は、(B1)イソ(チオ)シアネート化合物と、さらに、(C1)(チ)オール化合物および/または(C2)アミノ基含有モノマーを含むことが好ましい。この場合も、上記(B1)成分は(B12)成分であることがさらに好ましい。なお、本発明において、ウレタン樹脂とは、硬化体が、ウレタン結合、ウレア結合、チオウレタン結合、チオウレア結合のいずれか、またはそれらが混合した結合を有する樹脂を指す。
<硬化性組成物に配合されるその他の配合成分>
本発明の硬化性組成物においては、前記した(A)成分や(B)成分の種類に応じて、その硬化を速やかに促進させるために各種の(D)重合硬化促進剤(以下、(D)成分ともいう。)を使用することもできる。
たとえば、(B)成分が(B1)イソ(チオ)シアネート化合物を含む場合には、(D)成分として(D1)ウレタン或いはウレア用反応触媒や(D2)縮合剤が使用される。
また、(B)成分が、(B2)エポキシ基含有モノマーを含む場合には、(D)成分として(D3)エポキシ硬化剤や、エポキシ基を開環重合させるための(D4)カチオン重合触媒が使用される。
本発明で好適に使用できる上記(D1)~(D4)の重合促進剤としては、具体例としては、国際公開第WO2015/068798号に記載されているものを用いることができる。
これら各種の(D)成分は、それぞれ、1種単独でも、2種以上を併用することもできるが、その使用量は、所謂触媒量でよく、たとえば、(A)成分、(B)成分および必要に応じて含む(C)成分の合計100質量部当たり、0.001~10質量部、特に0.01~5質量部の範囲でよい。
本発明の硬化性組成物は、その他にも、本発明の効果を損なわない範囲で、公知の各種配合剤を用いることができる。たとえば、砥粒、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、着色防止剤、蛍光染料、染料、フォトクロミック化合物、顔料、香料、界面活性剤、難燃剤、可塑剤、充填剤、帯電防止剤、整泡剤、溶剤、レベリング剤、その他の添加剤を加えてもよい。これらの添加剤は単独で用いても2種以上を併用してもよい。これら添加剤は、硬化性組成物に含有させ、該硬化性組成物を硬化することにより、本発明の硬化体に含有させることができる。
本発明の硬化性組成物を製造する方法は、特に制限されず、公知の方法で、上述した各成分を混合することにより、製造することができる。中でも、反応し合う各成分(たとえば、(A)成分と(B)成分)は、硬化する前は分けて保存し、硬化する直前に混合して硬化性組成物とすることが好ましい。 本発明で用いられる硬化方法は、公知の方法を採用できる。逐次付加反応の場合には、国際公開第2015/068798号、国際公開第2016/143910、国際公開第2018/092826に記載の条件を採用できる。具体的には、ワンポット法、プレポリマー法等の乾式法、および、溶剤を用いた湿式法等を用いることができる。その中でも、乾式法が好適に採用される。連鎖重合の場合には、国際公開第2014/136804号、国際公開第2015/068798号の記載の条件が好適に採用される。
本発明において、前記硬化性組成物を硬化させた硬化体は、前記硬化体を発泡させた発泡硬化体とすることもできる。所望する用途や硬度などから発泡硬化体とするか、無発泡硬化体とするかを選択すればよいが、本発明において研磨用パッドとして用いる場合は発泡硬化体であることがより好ましい。このような発泡硬化体は、公知で知られている発泡方法等、たとえば、前記硬化性組成物に発泡剤や微粒子を配合する、又は、ガスを吹き込んだ後、該硬化性組成物を硬化することで発泡硬化体を得ることができる。前記硬化体を発泡させる具体的な方法を例示すれば、低沸点炭化水素等の揮発性の発泡剤や、水などを添加する発泡剤発泡法、微小中空粒子(マイクロバルーン)を分散硬化させる方法、熱膨張性の微粒子を混合したのち加熱し微粒子を発泡させる方法、または混合中に空気や窒素等の不活性ガスを吹き込むメカニカルフロス発泡法が例示できる。中でも、得られる硬化体を発泡体とする場合に好適に使用できる微小中空粒子が好適である。
以下、微小中空粒子について説明する。
<(E)微小中空粒子>
前記(E)微小中空粒子(以下、「(E)成分」ともいう)は、公知のものが何ら制限なく使用できる。具体例を示せば、塩化ビニリデン樹脂、(メタ)アクリレート系樹脂、アクリルニトリルと塩化ビニリデン共重合体、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂等が外殻を形成する粒子を使用できる。中でも、前記(E)成分は、ウレタン系樹脂、及びメラミン樹脂からなる外殻部と、該外殻部に囲まれた中空部とから構成される中空粒子であることが好ましい。本発明において、該ウレタン系樹脂とは、ウレタン結合、および/またはウレア結合を有する樹脂である。該メラミン樹脂とはメラミンとホルムアルデヒドを重縮合により作製される樹脂である。この中空粒子を使用した場合には、効率よく、容易に、均一な発泡体を製造できる。さらに、この中空粒子を使用した場合には、スクラッチ等の欠陥が出にくくなり、さらにヒステリシスロスも低減される。
(E)成分の平均粒子径は、特に制限されるものではないが、以下の範囲であることが好ましい。具体的には、1μm~500μmであることが好ましく、5μm~200μmであることがより好ましく、10μm~100μmであることが最も好ましい。
また、(E)成分の密度も、特に制限されるものではないが、以下の範囲であることが好ましい。具体的には、0.01g/cm~0.5g/cmであることが好ましく、0.02g/cm~0.3g/cmであることがより好ましい。なお、前記密度は、膨張した際の(E)成分の密度である。なお、本発明の硬化性組成物と混合する段階では未膨張タイプの粒子であって、硬化させる際の熱によって膨張する(E)成分であれば、膨張した際の密度が、上記の密度であることが好ましい。
(E)成分の配合量は、目的とする用途に応じて適宜決定すればよい。中でも、得られる硬化体を研磨用パッドとして使用する場合には、以下の配合量とすることが好ましい。具体的には、(A)成分、(B)成分および必要に応じて含む(C)成分の合計100質量部当たり、(E)成分を0.1~20質量部とすることが好ましく、0.2~10質量部とすることがより好ましく、0.5~8質量部とすることがさらに好ましい。
発泡させた場合の前記硬化体の密度は、0.40~0.95g/cmであることが好ましい。また、(B)成分としてイソ(チオ)シアネート化合物を含有する硬化性組成物を用いる場合、水を添加する発泡剤発泡法では、水とイソ(チオ)シアネート基とが反応した後、二酸化炭素とアミノ基となり、二酸化炭素が発泡ガスとして、一方、アミノ基はさらにイソ(チオ)シアネート基と反応しウレア結合および/またはチオウレア結合を形成する。
本発明の硬化性組成物から得られる硬化体を研磨用パッドとして用いる場合、該硬化体は、任意の好適な硬さを有することができる。硬さは、ショアー(Shore)法に従って測定することができ、たとえば、JIS規格(硬さ試験)K6253に従って測定することができる。該硬化体は、本発明において、研磨用パットとして用いる場合の該硬化体のショアー硬さは、30A~70Dであることが好ましく、40A~60Dであることがさらに好ましい(「A」はショアー「A」スケールを、「D」はショアー「D」スケールでの硬さを示している)。硬さは、必要に応じて配合組成、及び配合量を変えることにより、任意の硬さとすることができる。
本発明の硬化性組成物から得られる硬化体を研磨用パッドとして用いる場合、該硬化体のヒステリシスロスは、60%以下となることが好ましく、50%以下となることがより好ましく、40%以下となることがさらに好ましい。ヒステリシスロスは、例えば、JIS K 6251に準拠した方法で測定できる。具体的には、ダンベル状に準備した試験片を、100%伸長した後、元に戻すことで、ヒステリシスロス(伸長し、元に戻した際の伸びと応力の面積/伸長した際の伸びと応力の面積×100)を測定できる。ヒステリシスロスが低くなることにより、研磨用パッドとして使用し場合に、砥粒の運動エネルギーを均一に被研磨物の研磨に利用できると推察されるため、優れた平坦性、高い研磨レートを発現することが可能となる。さらに、ヒステリシスロスが低くなることで、柔らかいパッドにおいても、優れた研磨レートを発現できるものと考えられる。前記したヒステリシスロスの測定における「伸長し、元に戻した際の伸びと応力の面積」は、「伸長時の応力歪み曲線の面積-収縮時の応力歪み曲線の面積」で表され、前記した「伸長した際の伸びと応力の面積」は、「伸長時の応力歪み曲線の面積」を意味する。
本発明の硬化性組成物から得られる硬化体を研磨用パッドとして用いる場合、硬化体の耐摩耗性は、テーバー摩耗試験において60mg以下となることが好ましく、さらに好ましくは、50mg以下となることが好ましい。テーバー摩耗量が少なくなることにより、研磨用パッドとして使用し場合に、優れた耐摩耗性を発現することが可能となる。テーバー摩耗試験の詳しい実施方法は、後述する実施例で記載した方法を用いることが出来る。
さらに、本発明の硬化性組成物から得られる硬化体を研磨用パッド部材として用いる場合、硬化体がある範囲の圧縮率であることが被研磨物の平坦性を発現させる上で好ましい。圧縮率は、JIS L 1096に準拠した方法により測定することが可能である。該硬化体の圧縮率は、0.5%~50%であることが好ましい。上記範囲内であることで、優れた被研磨物の平坦性を発現させることが可能となる。
また、複数の層で研磨用パットを構成する場合、少なくともいずれかの層で前記した硬化体を研磨用パットの部材として用いることができる。たとえば、研磨用パットを2層で構成する場合、研磨を行う際に被研磨物と接触する研磨面を有する第1層と、前記第1層の研磨面に相対する面で前記第1層と接する第2層との2層構成となる。この場合、第2層と第1層とを違う硬度や弾性率とすることで、研磨用パッドの特性を調整することが可能となる。本発明においては、第1層または第2層の少なくともどちらかに前記硬化体で構成すればよい。
また、前記硬化体は、研磨用パッドとして用いる場合、前記硬化性組成物に砥粒を含有させて硬化することにより、固定砥粒硬化体とすることもできる。前記砥粒としては、たとえば、酸化セリウム、酸化珪素、アルミナ、炭化珪素、ジルコニア、酸化鉄、二酸化マンガン、酸化チタン及びダイヤモンドから選択される材料からなる粒子、またはこれら材料からなる二種以上の粒子等が挙げられる。これら砥粒を含有させる方法は、特に限定されないが、たとえば上記硬化性組成物にこれら砥粒を分散させた後に、該硬化性組成物を硬化させることで、硬化体に含有させることができる。
本発明において、研磨用パッドの形状は、特に制限されるものではなく、その表面に溝構造を形成することもできる。特に、該溝構造は、被研磨部材を研磨する際に、スラリーを保持・更新する形状とすることが好ましい。具体的には、たとえば、X(ストライプ)溝、XY格子溝、同心円状溝、貫通孔、貫通していない穴、多角柱、円柱、螺旋状溝、偏心円状溝、放射状溝、およびこれらの溝を組み合わせたものが挙げられる。
上記溝構造の作製方法は特に限定されるものではない。たとえば、所定サイズのバイトのような治具を用い機械切削する方法、所定の表面形状を有した金型に樹脂を流しこみ、硬化させることにより作製する方法、所定の表面形状を有したプレス板で樹脂をプレスし作製する方法、フォトリソグラフィを用いて作製する方法、印刷手法を用いて作製する方法、炭酸ガスレーザーなどを用いたレーザー光による作製方法などが挙げられる。
本発明においては、前記硬化性組成物を、たとえば、不織布に塗布あるいは含浸させた後、硬化して、不織布状の研磨用パッドとすることもできる。
また、本発明の硬化体は、フォトクロミック化合物を配合して、フォトクロミック硬化性組成物としてもよい。このようなフォトクロミック硬化性組成物を硬化することで、フォトクロミック硬化体を得ることができる。該フォトクロミック硬化体は、フォトクロミック眼鏡レンズなどに好適に使用することができる。
本発明の硬化体の用途は、研磨用パッドやフォトクロミック硬化体の他にも、緩衝材、制振材料、吸音材料等に用いることも可能である。さらに、本発明において、硬化性組成物を、不織布に塗布あるいは含浸後、硬化させた不織布状の硬化体は、前記した不織布状の研磨用パッドだけでなく、緩衝材、制振材料、吸音材料用途に適用することも可能である。
次に、実施例及び比較例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。以下の実施例及び比較例において、評価方法等は、以下のとおりである。
[測定方法]
(分子量測定;ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC測定))
GPCの測定は、装置として液体クロマトグラフ装置(日本ウォーターズ社製)を用いた。カラムは分析するサンプルの分子量に応じて、昭和電工株式会社製Shodex GPC KF-802(排除限界分子量:5000)、KF802.5(排除限界分子量:20000)を適宜使用した。また、展開液としてジメチルホルムアミド(DMF)を用い、流速1ml/min、温度40℃の条件にて測定した。標準試料にポリエチレンオキサイドを用い、比較換算により(A)成分の重量平均分子量を求めた。なお、検出器には示差屈折率計を用いた。
(粘度測定)
粘度測定は、ブルックフィールド式回転粘度計(英弘精機株式会社製BROOKFIELD RST-CPS Rheometer)を用い、60℃でせん断応力100(Pa)の条件下で測定した。
(残存スズ測定;ICP発光)
ICP発光の測定は、溶媒をメチルイソブチルケトンとイソプロピルアルコールの混合液にサンプルを1000ppmで溶解させ、ICP発光分光分析装置(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製i CAP 6500 DUO)を用い、抽出液に含まれる金属量を算出した。
(反応系中の水分量の測定;カールフィッシャー法)
水分量の測定は、反応系中の液を4g抜き出し、水分量既知の脱水DMF8gに溶解し、その液をカールフィッシャー水分計のKF-31型シリーズ(日東精工アナリテック社製)にて、容量法で測定した。使用した脱水溶媒はGEX(三菱ケミカル社製)であり、滴定剤はSS-Z(三菱ケミカル社製)を用い測定した。
[評価方法]
(1)密度:東洋精機製の(DSG-1)にて密度(g/cm)を測定した。
(2)D硬度:JIS規格(硬さ試験)K6253に従って、高分子計器製のデュロメーターによりショアーD硬度を測定した。厚みは6mmになるように重ねて測定した。硬度が比較的低いものはショアーA硬度、比較的高いものはショアーD硬度で測定した。
(3)耐摩耗性:テーバー社製の5130型の装置でテーバー摩耗試験を測定した。荷重は1Kg、回転速度は60rpm、回転数は1000回転、摩耗輪はH-18でテーバー摩耗試験を実施し、摩耗量を測定した。
(4)ヒステリシスロス:厚み2mmのダンベル8号形状に打ち抜いた樹脂を島津社製AG-SXのオートグラフにて10mm/minで20mm伸長させ、その後、応力がゼロになるまで戻した際のヒステリシスロスを測定した。
(5)研磨レート:下記条件にて、研磨を実施した際の研磨レートを測定した。研磨レートは2インチサファイアウエハ10枚での平均値である。
CMP研磨パッド:表面に同心円状の溝を形成した、大きさ500mmφ、厚さ1mmのパッド
スラリー:FUJIMI コンポール 80原液
圧力:4psi
回転数:45rpm
時間:1時間
(6)表面粗さ(Ra):上記(5)で記載した条件で研磨した際の10枚の2インチサファイアウエハの表面をナノサーチ顕微鏡SFT-4500(株式会社島津製作所製)により表面粗さ(Ra)を測定した。表面粗さは2インチサファイアウエハ10枚の平均値である。
(7)縁ダレ性:(5)の研磨レートに記載した条件と同様の条件で研磨した際の2インチサファイアウエハの縁ダレを確認した。
評価は以下の基準で実施した。
1:レーザー顕微鏡でウエハのエッジ部位を測定し、縁ダレが30μm以内のもの
2:レーザー顕微鏡でウエハのエッジ部位を測定し、縁ダレが30μm超であり50μm以内のもの
3:レーザー顕微鏡でウエハのエッジ部位を測定し、縁ダレが50μm超であり70μm以内のもの
4:レーザー顕微鏡でウエハのエッジ部位を測定し、縁ダレが70μmを超えるもの
<実施例1>:(A-1の製造)
ヒドロキシプロピル化β-シクロデキストリン(株式会社シクロケム社製)10gとε-カプロラクトン32.0gを、乾燥窒素をフローしながら130℃に加温しながら攪拌し均一溶液にした後、20kPaの減圧下で5時間かけて脱水を実施し、反応系中の水分量が80ppmであることを確認した。その後、2-エチルヘキサン酸錫(II)0.04gを加え16時間反応させ活性水素基含有側鎖を有する環状分子であるA-1を取得した。A-1の物性は以下の通りであった。また、GPC測定においては、主生成物のシングルピークの他に、低分子領域に重合性環状化合物に起因する不純物と考えられる小さなピークを確認した。なお、純度は、全ピーク中の主生成物のシングルピークの比率から算出した。
重量平均分子量Mw(GPC):4800
分散度(GPC):1.05
純度(GPC):99.8%
重合性環状化合物に起因する不純物の含有量:0.2質量%
側鎖の修飾度:0.43(%で表示すると43%となる)
側鎖の分子量:平均で約560
粘度:3,800mPa・s
残存スズ量:300ppm
<実施例2>:(A-2の製造)
20kPaの減圧下で2時間かけて脱水を実施し、反応系中の水分量が700ppmであることを確認した以外は、前記A-1と同様に製造し、A-2を得た。A-2の物性は以下の通りであった。
重量平均分子量Mw(GPC):4800
分散度(GPC):1.05
純度(GPC):99.2%
重合性環状化合物に起因する不純物の含有量:0.8質量%
側鎖の修飾度:0.43(%で表示すると43%となる)
側鎖の分子量:平均で約550
粘度:3,800mPa・s
残存スズ量:300ppm
<実施例3>:(A-3の製造)
20kPaの減圧下で1時間かけて脱水を実施し、反応系中の水分量が1800ppmであることを確認した以外は、前記A-1と同様に製造し、A-3を得た。A-3の物性は以下の通りであった。
重量平均分子量Mw(GPC):4800
分散度(GPC):1.05
純度(GPC):98.5%
重合性環状化合物に起因する不純物の含有量:1.5質量%
側鎖の修飾度:0.42(%で表示すると42%となる)
側鎖の分子量:平均で約550
粘度:3,800mPa・s
残存スズ量:300ppm
<実施例4>:(A-4の製造)
30kPaの減圧下で1時間かけて脱水を実施し、反応系中の水分量が5000ppmであることを確認した以外は、前記A-1と同様に製造し、A-4を得た。A-4の物性は以下の通りであった。
重量平均分子量Mw(GPC):4800
分散度(GPC):1.05
純度(GPC):97.2%
重合性環状化合物に起因する不純物の含有量:2.8質量%
側鎖の修飾度:0.42(%で表示すると43%となる)
側鎖の分子量:平均で約540
粘度:3,800mPa・s
残存スズ量:300ppm
<実施例5>:(A-5の製造)
30kPaの減圧下で0.5時間かけて脱水を実施し、反応系中の水分量が10000ppmであることを確認した以外は、前記A-1と同様に製造し、A-5を得た。A-5の物性は以下の通りであった。
重量平均分子量Mw(GPC):4800
分散度(GPC):1.05
純度(GPC):94.5%
重合性環状化合物に起因する不純物の含有量:5.5質量%
側鎖の修飾度:0.42(%で表示すると42%となる)
側鎖の分子量:平均で約530
粘度:3,800mPa・s
残存スズ量:300ppm
<実施例6>:(A-6の製造)
2-エチルヘキサン酸錫(II)0.007gを加えた以外は、前記A-1と同様に製造し、A-6を得た。A-6の物性は以下の通りであった。
分散度(GPC):1.23
純度(GPC):99.8%
重合性環状化合物に起因する不純物の含有量:0.2質量%
側鎖の修飾度:0.43(%で表示すると43%となる)
側鎖の分子量:平均で約560
粘度:4,200mPa・s
残存スズ量:50ppm
<比較例1>:(M-1の製造)
脱水工程を実施せずに、反応系中の水分量が15000ppmであることを確認した以外は、前記A-1と同様に製造し、M-1を得た。M-1の物性は以下の通りであった。
重量平均分子量Mw(GPC):4800
分散度(GPC):1.05
純度(GPC):89.5%
重合性環状化合物に起因する不純物の含有量:10.5質量%
側鎖の修飾度:0.41(%で表示すると41%となる)
側鎖の分子量:平均で約510
粘度:3,900mPa・s
残存スズ量:300ppm
<(B)重合性モノマー>
(B12)成分 ウレタンプレポリマー
Pre-1:イソ(チオ)シアネート当量が840の末端イソシアネートウレタンプレポリマー
窒素導入管、温度計、攪拌機を備えたフラスコに窒素雰囲気下中、2,4-トリレンジイソシアネート348gとポリオキシテトラメチレングリコール(数平均分子量;650)650gを80度で3時間反応後、ジエチレングリコール40gを、80℃で3時間反応させ、イソ(チオ)シアネート当量が840の末端イソシアネートウレタンプレポリマー(Pre-1)を得た。
(C2)成分 アミノ基含有モノマー
MOCA:4,4’-メチレンビス(o-クロロアニリン)
<(E)中空粒子(微小中空粒子)>
中空粒子1:中空の粒径40μm、密度0.03g/cm3のマイクロカプセル920-40(日本フィライト社製)
<実施例7>
(A)成分であるA-1:13質量部と(C2)成分の4,4’-メチレンビス(o-クロロアニリン)(MOCA):6質量部とを120℃で混合して均一溶液にした後、十分に脱気し、A液を調製した。別途、70℃に加温した上記で製造した(B)成分のPre-1:81質量部に(E)成分の中空粒子1:0.8質量部を加え、自転公転攪拌機で攪拌して均一な溶液のB液を調整した。前記で調合したB液に、A液を加え、均一混合し、硬化性組成物とした。前記硬化性組成物を金型へ注入し、100℃で15時間硬化させた。硬化終了後、鋳型から取り外し、硬化体を得た。各配合量を表1に示した。
次に、得られた硬化体をスライスして、厚さ2mmと厚さ1mmの硬化体を作成した。スライスして得られた厚さ2mmの硬化体を用い、上記のとおり説明した各種評価を行った。その結果、得られた硬化体の密度は0.8g/cm、ショアーD硬度は27D、耐摩耗性は19mg、ヒステリシスロスは25%であった。
また、スライスで得られた厚さ1mmの硬化体表面にスパイラル状の溝を形成し、裏面に両面テープを張り付けることで、大きさ500mmφ、厚さ1mmの硬化体からなる研磨用パッドとした。
上記で得られた硬化体からなる研磨用パッドの研磨レートは3.3μm/hr、被研磨物であるウエハの研磨後の表面粗さ0.25nm、縁ダレは1であった。結果を表1にも示す。
<実施例8~12、比較例2>
表1に示した組成を用いた以外は、実施例6と同様な方法で硬化体、及び、研磨用パッドを作製し、評価を行なった。結果を表1に示す。

Claims (7)

  1. 環状ラクトンと、シクロデキストリンとを含み、水分量が10000ppm以下の反応系において、前記環状ラクトンを開環重合して、前記シクロデキストリンに活性水素基を含む側鎖を導入することを含む、側鎖含有環状分子の製造方法。
  2. 有機チタン化合物、有機スズ化合物、ハロゲン化第一スズ化合物、金属のアセチルアセトナート化合物、及び、有機カルボン酸金属塩からなる群より選ばれる触媒を、前記反応系と混合することにより前記開環重合を生じさせることを含む、請求項に記載の側鎖含有環状分子の製造方法。
  3. 前記側鎖の数平均分子量は、300以上である、請求項1又は2に記載の側鎖含有環状分子の製造方法。
  4. 請求項1~3の何れか1項に記載の方法で得られた前記側鎖含有環状分子と、前記活性水素基と重合可能な重合性官能基を有する重合性モノマーとを混合することを含む、硬化性組成物の製造方法。
  5. 微小中空粒子を更に混合することを含む、請求項に記載の硬化性組成物の製造方法。
  6. 請求項4又は5に記載の方法で得られた硬化性組成物を、硬化させることを含む硬化体の製造方法。
  7. 請求項4又は5に記載の方法で得られた硬化性組成物を、硬化させることを含む研磨パッドの製造方法。
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