JP7843593B2 - 表装材 - Google Patents

表装材

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JP7843593B2 JP2020072273A JP2020072273A JP7843593B2 JP 7843593 B2 JP7843593 B2 JP 7843593B2 JP 2020072273 A JP2020072273 A JP 2020072273A JP 2020072273 A JP2020072273 A JP 2020072273A JP 7843593 B2 JP7843593 B2 JP 7843593B2
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Description

この発明は、不燃性及び耐傷性が良好な表装材に関する。
従来、シート状の表装材とこれを壁面等に接合する際の仕上げ方法として、特許文献1記載の技術が提案されていた(特許文献1の段落[0005]、並びに[図3]及び[図4]参照)。
また、難燃性を有する表装材、並びに使用可能な基材や骨材等として、特許文献2記載の技術が提案されていた(特許文献2の段落[0004]及び[0005]参照)。
特許第3140680号公報 特許第2542992号公報
しかし、上記した従来の技術では、不燃性の点で十分でなかった。
本発明の一態様は、従来の難燃性を有する表装材と比較し、不燃性及び耐傷性が良好な表装材を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の一態様は、既存の表装材に対して骨材、吸熱性物質の比率を高めつつ、特定の材料の硬化物層を形成することで、不燃性と耐傷性とを両立した表装材を提供することを目的とする。
また、本発明の一態様は、コーティング組成物を特定することで、密着性の良好な表装材を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、シート材の厚み規定により、不燃性と易施工性とを両立できることを目的とする。
本発明の一態様は、吸熱性物質の選定により、シート材に確実な不燃性を付与することを目的とする。
本発明の一態様は、シート材を押出成形により加工することで、シート材の生産性を向上させることを目的とする。
本発明の一態様は、シート材を吹付け塗装により加工することで、シート材により自然な立体感や風合いを付与することを目的とする。
本発明の一態様に係る表装材は、上記目的を達成するため、下地材の表面に施工するための表装材であって、表装材は、合成樹脂類、骨材、吸熱性物質を主たる要素とし、合成樹脂類を6~12重量%、骨材及び前記吸熱性物質を80~90重量%を含むシート材であり、シート材の一方の面側に積層された、縮合硬化型シリコーン組成物を含むコーティング組成物の硬化物層を備えることを特徴とする。
本発明の一態様に係る表装材は、コーティング組成物が、アミノ基を含有するシランカップリング剤を含むことを特徴とする。
本発明の一態様に係る表装材は、シート材の厚みが1.3~2.2mmの範囲内であることを特徴とする。
本発明の一態様に係る表装材は、吸熱性物質は、少なくとも一つの金属水酸化物を含むことを特徴とする。
本発明の一態様に係る表装材の製造方法は、シート材を押出成形により加工することを特徴とする。
本発明の一態様に係る表装材の製造方法は、シート材を吹付け塗装により加工することを特徴とする。
本発明の一態様によれば、不燃性及び耐傷性が良好な表装材を提供することができる。
すなわち、本発明の一態様によれば、既存の表装材に対して骨材、吸熱性物質の比率を高めつつ、特定の材料の硬化物層を形成することで、不燃性と耐傷性とを両立した表装材を提供することができる。
また、本発明の一態様によれば、コーティング組成物を特定することで、密着性の良好な表装材を提供することができる。
本発明の一態様によれば、シート材の厚み規定により、不燃性と易施工性とを両立することができる。
本発明の一態様によれば、吸熱性物質の選定により、シート材に確実な不燃性を付与することができる。
本発明の一態様によれば、シート材を押出成形により加工することで、シート材の生産性を向上させることができる。
本発明の一態様によれば、シート材を吹付け塗装により加工することで、シート材により自然な立体感や風合いを付与することができる。
本発明の第1実施形態に係る表装材の断面図である。 本発明の第2実施形態に係る表装材の断面図である。 本発明の第3実施形態に係る表装材の断面図である。
(第1実施形態に係る表装材1)
図1を用いて第1実施形態に係る表装材について説明する。
図1中、「1」は、表装材である。
表装材1は、シート材2と、シート材2の裏面側に位置する基布3、シート材2の表面側に位置する硬化物層4との3層から構成されている。
なお、表装材1の3層の厚みの比率は、図1に限定されない。
(シート材2)
シート材2は、合成樹脂類、骨材、吸熱性物質を主たる要素とする。なお、シート材2には、合成樹脂類と、骨材と、吸熱性物質に加え、例えば、湿潤剤、分散剤、増粘剤、光安定剤、架橋剤を含有させても良い。
シート材2としては、例えば、天然石或いはその砕石、着色骨材、寒水砂、セラミック砕粒から選ばれた骨材、充填材に加えて水酸化アルミニウムを例とする「吸熱性物質」を骨材或いは充填材として使用し、合成樹脂成分を結合材とするものをシート化したものを使用することができる。
(合成樹脂類)
合成樹脂類としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-α-オレフィン共重合体、プロピレン-α-オレフィン共重合体等のポリオレフィン樹脂や、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-ビニルアルコール共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体、エチレン-不飽和カルボン酸共重合体金属中和物(アイオノマー)等のオレフィン系共重合体樹脂等のポリオレフィン系樹脂や、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート-イソフタレート共重合体、1,4-シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリカーボネート等のポリエステル系樹脂、ポリ(メタ)アクリロニトリル、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート、ポリアクリルアミド等のアクリル系樹脂、6-ナイロン、6,6-ナイロン、6,10-ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂等のスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール等のビニル系樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフロロエチレン、エチレン-テトラフロロエチレン共重合体、エチレン-パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体等のフッ素系樹脂等或いはそれらの2種以上の混合物、共重合体、複合体、積層体等を使用できる。
(骨材)
骨材としては、先に説明したように、例えば、天然石或いはその砕石、着色骨材、寒水砂、セラミック砕粒から選ばれたものを使用する。
第1実施形態においては、骨材として、着色細骨材を用いたが、これに限定されない。
(吸熱性物質)
吸熱性物質は、少なくとも一つの金属水酸化物を含んでいれば良い。
吸熱性物質としては、例えば、フッ化アルミニウム、水酸化アルミニウム、第二リン酸カルシウム、シュウ酸カルシウム、水酸化コバルト、ほう砂、水酸化マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、塩化コバルトアンモニア錯体等があり、熱分解する際に吸熱する物質のことである。水酸化アルミニウムには天然鉱物もあり、ベーマイト、ギブサイト、ダイアスボアがある。
第1実施形態においては、吸熱性物質として、水酸化アルミニウムを用いたが、これに限定されない。
シート基材2の風合いや加工性、ハンドリング性、不燃性などを考慮すると、結合材としての合成樹脂成分と、骨材,充填材,吸熱性物質成分の割合は、前者が6~12重量%、後者が80~90重量%程度とすることが望ましい。なかでも、吸熱性物質は、シート材として不燃性が発現するに足る量を添加する必要がある。
シート材2の厚みとしては、特に制限はない。シート材2の厚みとしては、シートの加工性や不燃性等を考慮すると、例えば1.3mm~2.2mm程度、望ましくは1.5mm~2.0mm程度とするのが好ましい。
(基布3)
基布3は、織布又は不織布からなる。
基布3の材質としては、特に制限はないが、シートの不燃性を考慮すると、ガラス繊維、シリカ繊維等の耐熱性の高い繊維を使用するのが好ましい。
第1実施形態においては、基布3として、ガラス不織布を用いたが、これに限定されない。
(硬化物層4)
硬化物層4は、「縮合硬化型シリコーン組成物」を含むコーティング組成物である。
「縮合硬化型シリコーン組成物」とは、加水分解性シリル基又はシラノール基を有し、これらの基が湿気と触媒又は加熱環境下により加水分解縮合してシリコーン骨格を形成する組成物を意味する。具体的には、触媒存在下で空気中の湿気と反応して硬化被膜を形成し得る「シリコーンオリゴマー」や、シラノール基を有し、加熱硬化により硬化可能なシリコーンレジン等が挙げられ、特に、室温での硬化が可能なシリコーンオリゴマーが好ましい。
また、「縮合硬化型シリコーン組成物」としては、この他に無機基材表面との密着性が良好な「シランカップリング剤」も使用することができる。
ここで、「シリコーンオリゴマー」としては、メチル基を有するシリコーンオリゴマーであるKC-89S、KR-515、KR-500、X-40-9225、X-40-9246、X-40-9250(以上、信越化学工業(株)製);メチル基とフェニル基とを有するシリコーンオリゴマーであるKR-401N、X-40-9227、KR-510、KR-9218、KR-213(以上、信越化学工業(株)製);エポキシ基を有するシリコーンオリゴマーであるKR-517、X-41-1059A、X-24-9590、KR-516(以上、信越化学工業(株)製);メルカプト基を有するシリコーンオリゴマーであるX-41-1805、X-41-1810、X-41-1818(以上、信越化学工業(株)製);アクリル基を有するシリコーンオリゴマーであるKR-513(信越化学工業(株)製)、メタクリル基を有するシリコーンオリゴマーであるX-40-9296(信越化学工業(株)製)、ビニル基を有するシリコーンオリゴマーであるKR-511(信越化学工業(株)製)等が挙げられる。
第1実施形態においては、シリコーンオリゴマーとして、KR-401N(メチル基とフェニル基を有するシリコーンオリゴマー、メトキシ基量33質量%、信越化学工業(株)製)を用いたが、これに限定されない。
シリコーンオリゴマーを硬化させるための「硬化触媒」としては、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウム、スズ等の化合物が挙げられ、具体的には、ジイソプロポキシ(エチルアセトアセテート)アルミニウム、イソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チタニウム、ジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)チタニウム、テトラキス(2-ブトキシエチルアルコラート)チタニウム、ジブトキシビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(2-ブトキシエチルアルコラート)ジルコニウム、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズビス(オクチロキシカルボニルメチルチオラート)等が挙げられ、これらの市販品として、D-20、D-25、DX-9740(以上、信越化学工業(株)製)等がある。
第1実施形態においては、硬化触媒として、D-25(信越化学工業(株)製)を用いたが、これに限定されない。
ここで、「シランカップリング剤」としては公知のものが好適に使用され、(メタ)アクリルシランカップリング剤、エポキシシランカップリング剤、アミノシランカップリング剤、メルカプトシランカップリング剤等が例示される。中でも、アミノ基を含有するシランカップリング剤を好適に使用することができる。具体的には、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-トリエトキシシリル-N-(1,3-ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N,N-ビス〔3-(トリメトキシシリル)プロピル〕エチレンジアミン等が挙げられるが、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシランが特に好ましい。また、例えばこれらのアミノ基を含有するシランカップリング剤の中に他のアルコキシラン類、例えばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシランなどを適宜加えても良い。
好ましくは、「シランカップリング剤」としては、3-アミノプロピルトリエトキシシラン単体を5g/m程度形成する。
(不燃性)
不燃性については、建築基準法施工令に規定の不燃材料の技術的基準においては、ISO5660-1に準拠したコーンカロリーメータ試験機による発熱性試験において下記の要件を満たしている必要がある(建築基準法施工令第108条の2第1号及び第2号)。本第1実施形態の表装材1が不燃材料として認定されるためには、50kW/mの輻射熱による加熱にて20分間の加熱時間において下記の1~3の要求項目をすべて満たす必要がある。
1.総発熱量が8MJ/m以下
2.最高発熱速度が10秒以上継続して200kW/mを超えない
3.防炎上有害な裏面まで貫通する亀裂及び穴が生じない
第1実施形態の表装材1によれば、シート材2を上記のような配合にて形成することで、不燃材料としての認定を取得することができる。
(表装材1の製造方法)
表装材1の製造方法としては、基布3としてガラス不織布を用い、このガラス不織布上に、結合材としての合成樹脂成分を10重量%、着色細骨材を10重量%、水酸化アルミニウムを80重量%含むシート材2を押出成形により形成する。
このシート材2の一方の面に、下記コーティング組成物をDry5.0g/mにて塗布し、23℃、55%RH条件下で1日間放置して養成することで硬化物層4を形成する。

・シリコーンオリゴマー:KR-401N(メチル基とフェニル基を有するシリコーンオリゴマー、メトキシ基量33質量%、信越化学工業(株)製) 98質量部
・硬化触媒:D-25(信越化学工業(株)製) 2質量部
第1実施形態の表装材1によれば、シート材を押出成形により加工することで、シート材の生産性を向上させることができる。
なお、表装材1の製造方法として、シート材2の押出成形を例示したが、これに限定されず、吹付け塗装により加工したり、型押し成形により加工しても良い。
シート材を吹付け塗装により加工した場合には、シート材により自然な立体感や風合いを付与することができる。シート材を型押し成形により加工した場合には、シート材に立体形状をはじめとする様々な表面形状を付与することができる。
(第2実施形態に係る表装材1)
図2を用いて第2実施形態に係る表装材について説明する。
硬化物層4の表面には、別の有機樹脂を含有する被膜層5が形成されている。
なお、被膜層5を加えた4層の厚みの比率は、図2に限定されない。
被膜層5は、シート材2の表面物性を向上させるためのものである。
被膜層5及び硬化物層4を合わせた層全体の単位面積当たりの質量は、3.0g/m以上20.0g/m以下の範囲内である。
被膜層5には、表面保護性能を付与可能であれば、有機樹脂を含有する公知のものが使用できる。
被膜層5は、例えば、ポリウレタン系、アクリル系、アクリルシリコン系、ポリエステル系等から適宜選択できる。被膜層5は、形態も水性、エマルジョン、溶剤系いずれでも可能である。被膜層5は、イソシアネートを添加して架橋させる2液タイプを使うことも可能である。
化粧シートの表面の硬度をさらに向上させたい場合には、紫外線や電子線照射で硬化する樹脂の使用も可能である。
さらに、耐候性を向上させるために紫外線吸収剤及び光安定剤を適宜添加しても良い。
これに加えて、表面の意匠性や艶調整のため、或いは耐磨耗性を付与するために、アルミナ、シリカ、窒化珪素、炭化珪素、ガラスビーズ等の添加も任意に行える。また、難燃剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤等を適宜添加しても良い。
(第3実施形態に係る表装材1)
図3を用いて第3実施形態に係る表装材について説明する。
シート材2の表面には、硬化物層4との間に、絵柄層6を形成している。
また、シート材2と絵柄層6の間に、図示しないが、インク密着性を向上させるためのプライマー層を別途設けても良い。
なお、絵柄層6を加えた5層の厚みの比率は、図3に限定されない。
ここで、絵柄層6は、印刷対象となるシート材の種類や表面形状に応じて、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷等の各種公知の印刷方式によって設けることができる。特に、シート材の表面が凹凸形状を有している場合は、非接触の印刷方式であるインクジェット印刷法を用いることが望ましい。
使用するインクは、従来公知の材料を使用することができる。特に、インクジェット印刷法を用いる場合は、水系、溶剤系、UV系など各種従来公知のインクを使用することができ、印刷対象となるシート材の種類等に応じて適宜選択することができる。ここで、インクの成分としては、着色剤としての顔料又は染料を含んでおり、使用するインクの色に合わせて従来公知の顔料、染料を使用することができる。
例えば、顔料として好適に使用できる無機顔料の一例として、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、鉛白、炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム、ホワイトカーボン、アルミナホワイト、カオリンクレー、タルク、ベントナイト、黒色酸化鉄、カドミウムレッド、べんがら、モリブデンレッド、モリブデートオレンジ、クロムバーミリオン、黄鉛、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、チタンイエロー、酸化クロム、ビリジアン、チタンコバルトグリーン、コバルトグリーン、コバルトクロムグリーン、ビクトリアグリーン、群青、紺青、コバルトブルー、セルリアンブルー、コバルトシリカブルー、コバルト亜鉛シリカブルー、マンガンバイオレット、及びコバルトバイオレット、等が挙げられる。
また、有機顔料の一例として、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料、染料レーキ顔料、蛍光顔料等が挙げられる。
ブラック顔料としては、ファーネス法、チャネル法で製造されたカーボンブラックが挙げられる。
カーボンブラックのほかにも、本第3実施形態で使用することができるブラック顔料としては、例えば、アニリンブラック、ルモゲンブラック、アゾメチンアゾブラック等が挙げられる。また、シアン顔料、マゼンタ顔料、イエロー顔料や、ブラウン顔料、オレンジ顔料等の有彩色顔料を複数使用し、ブラック顔料とすることもできる。
第3実施形態で用いることのできる染料としては、特に制限はなく、油性染料、分散染料、直接染料、酸性染料及び塩基性染料等の例を挙げることができる。色相としては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、ブルー、グリーン、レッドが好ましく用いられ、特に好ましくは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各染料である。油溶性染料の中には、水溶性染料を長鎖の塩基と造塩することにより油溶性を示す染料も含まれる。また、C.I.ディスパーズイエロー、C.I.ディスパーズレッド、C.I.ディスパーズブルー等の分散染料を用いることもできる。
特に、長期の耐候性を付与したい場合は、無機顔料を使用したインクを用いて形成することが望ましい。
(絵柄層6の製造方法)
図1を用いて説明した第1実施形態と同様にしてシート材2を成形し、このシート材2の一方の面に絵柄層6を形成する。
絵柄層6は、カチオン硬化性UVインクジェットインキを用いたインクジェット印刷法により、御影石調の意匠を印刷することで形成する。カチオン硬化性UVインクジェットインキには、着色剤として無機顔料のみを使用した。印刷した基材シートは、反応を進行させるために室温にて24時間以上保管した。
この絵柄層6の上に、下記コーティング組成物をDry5.0g/mにて塗布し、23℃、55%RH条件下で1日間放置して養成することで硬化物層4を形成した。

・シリコーンオリゴマー:KR-401N(メチル基とフェニル基を有するシリコーンオリゴマー、メトキシ基量33質量%、信越化学工業(株)製) 96質量部
・硬化触媒:D-25(信越化学工業(株)製) 2質量部
・アミノシラン:3-アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBE-903) 2質量部
第3実施形態によれば、絵柄層6をインクジェット印刷法により形成することで、シート材2の表面形状によらず、様々な絵柄を表現することが可能となる。
(本発明の他の特徴点)
本発明において、特許請求の範囲に記載した特徴点のほか、次の特徴点及び効果を有する。
第1の特徴点として、表装材であって、硬化物層の前記シート材とは反対側の面に積層された、有機樹脂を含有する被膜層をさらに備えることを特徴とする。
第2の特徴点として、表装材であって、硬化物層及び被膜層を合わせた層全体の単位面積当たりの質量が3.0g/m以上20.0g/m以下の範囲内であることを特徴とする。
第3の特徴点として、表装材であって、シート材の他方の面側には、織布又は不織布からなる基布が積層されていることを特徴とする。
第4の特徴点として、表装材であって、基布は、ガラス繊維からなることを特徴とする。
第5の特徴点として、表装材であって、表装材が、ISO5660-1に準拠したコーンカロリーメータ試験機による発熱性試験において、建築基準法施工令第108条の2第1号および第2号に記載の要件を満たす不燃材料であることを特徴とする。
第6の特徴点として、表装材であって、シート材の基布とは反対側の表面には、絵柄層が積層されている。
第7の特徴点として、表装材を製造するための方法であって、シート材を型押し成形により加工することを特徴とする。
第8の特徴点として、表装材を製造するための方法であって、絵柄層をインクジェット印刷法により形成することを特徴とする。
(本発明の他の特徴点による効果)
第1の特徴点によれば、表面に被膜層をさらに備えることにより、種々の表面性能を備えた表装材を提供することができる。
第2の特徴点によれば、表面に積層する硬化物層及び被膜層の質量を規定することで、種々の表面性能を備えつつ、シート材に確実な不燃性を付与することができる。
第3の特徴点によれば、基布を構成することにより、シート材の生産性を向上させることができる。
第4の特徴点によれば、基布の材質を選定することにより、より確実な不燃性を付与することができる。
第5の特徴点によれば、不燃性試験の規格を満足することにより、不燃材としての利用が可能となる。
第6の特徴点によれば、絵柄層を設けることにより、貴重な石材を表現するなど、意匠性を向上させることができる。
第7の特徴点によれば、シート材を型押し成形により加工することで、シート材に立体形状をはじめとする様々な表面形状を付与することができる。
第8の特徴点によれば、絵柄層をインクジェット印刷法により形成することで、シート材の表面形状によらず、様々な絵柄を表現することが可能となる。
第1~第3実施形態を参照しつつ、以下、実施例1~6、並びに比較例1~5の表装材について説明する。
(実施例1)
実施例1においては、基布としてガラス不織布を用い、このガラス不織布上に、結合材としての合成樹脂成分を10重量%、着色細骨材を10重量%、水酸化アルミニウムを80重量%含むシート材を押出成形により形成した。シート厚みは2mmとした。また、このシート材の一方の面に、下記コーティング組成物をDry5.0g/mにて塗布し、23℃、55%RH条件下で1日間放置して養成することで硬化物層を形成した。

・シリコーンオリゴマー:KR-401N(メチル基とフェニル基を有するシリコーンオリゴマー、メトキシ基量33質量%、信越化学工業(株)製) 98質量部
・硬化触媒:D-25(信越化学工業(株)製) 2質量部
(実施例2)
実施例2においては、実施例1と同様にしてシート材を成形し、このシート材の一方の面に、下記コーティング組成物をDry5.0g/mにて塗布し、23℃、55%RH条件下で1日間放置して養成することで硬化物層を形成した。

・シリコーンオリゴマー:KR-401N(メチル基とフェニル基を有するシリコーンオリゴマー、メトキシ基量33質量%、信越化学工業(株)製) 96質量部
・硬化触媒:D-25(信越化学工業(株)製) 2質量部
・アミノシラン:3-アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBE-903) 2質量部
(実施例3)
実施例3においては、実施例1と同様にしてシート材を成形し、このシート材の一方の面に、下記コーティング組成物をDry5.0g/mにて塗布し、120℃で乾燥した後、23℃、55%RH条件下で1日間放置して養成することで硬化物層を形成した。

・アミノシラン:3-アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBE-903)希釈水溶液(希塩酸を含む) 100質量部
(実施例4)
実施例4においては、実施例1と同様にしてシート材を成形し、このシート材の一方の面に、下記コーティング組成物をDry5.0g/mにて塗布し、120℃で乾燥した後、23℃、55%RH条件下で1日間放置して養成することで硬化物層を形成した。

・アミノシラン:3-アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBE-903)希釈水溶液(希塩酸を含む) 100質量部
さらに、この硬化物層の上にアクリル系の樹脂材料を用いて被膜層をDry10.2g/mにて形成した。
(実施例5)
実施例5においては、実施例1と同様にしてシート材を成形し、このシート材の一方の面に絵柄層を形成した。絵柄層は、カチオン硬化性UVインクジェットインキを用いたインクジェット印刷法により、御影石調の意匠を印刷することで形成した。カチオン硬化性UVインクジェットインキには、着色剤として無機顔料のみを使用した。印刷した基材シートは、反応を進行させるために室温にて24時間以上保管した。
この絵柄層の上に、下記コーティング組成物をDry5.0g/mにて塗布し、23℃、55%RH条件下で1日間放置して養成することで硬化物層を形成した。

・シリコーンオリゴマー:KR-401N(メチル基とフェニル基を有するシリコーンオリゴマー、メトキシ基量33質量%、信越化学工業(株)製) 96質量部
・硬化触媒:D-25(信越化学工業(株)製) 2質量部
・アミノシラン:3-アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBE-903) 2質量部
(実施例6)
実施例6においては、基布としてガラス不織布を用い、このガラス不織布上に、結合材としての合成樹脂成分を10重量%、着色細骨材を10重量%、水酸化アルミニウムを80重量%含むシート材を型押し成形により形成した。シート厚みは、薄い箇所で1.5mm、厚い箇所で2.0mmであった。得られたシート材の表面には、杉の木目模様が立体的に表現されており、実際の木材を再現したような意匠が表現されていた。このシート材の一方の面に、実施例1と同様にして硬化物層を形成した。
(比較例1)
比較例1においては、結合材としての合成樹脂成分を30重量%、着色細骨材を70重量%を含むシートを用意した以外は実施例1と同様にして、比較例1に係る表装材を作製した。
(比較例2)
比較例2においては、結合材としての合成樹脂成分を5重量%、着色細骨材を15重量%、水酸化アルミニウムを80重量%含むシート材とした以外は実施例1と同様にして、比較例2に係る表装材を作製した。
(比較例3)
比較例3においては、硬化物層を、アクリル系の樹脂材料を用いてDry12.2g/mにて形成した以外は実施例1と同様にして、比較例3に係る表装材を作製した。
(比較例4)
比較例4においては、硬化物層の塗布量を30g/mに変更した以外は実施例1と同様にして、比較例4に係る表装材を作製した。
(比較例5)
比較例5においては、硬化物層の塗布量を1g/mに変更した以外は実施例1と同様にして、比較例5に係る表装材を作製した。
(評価方法)
上記した実施例1~6及び比較例1~5について、(1)不燃性、(2)耐傷性、(3)意匠性、(4)施工性の4つの項目について評価した。
(不燃性)
不燃性については、ISO5660-1に準拠したコーンカロリーメータ試験機による発熱性試験を行なった。具体的には、50kW/mの輻射熱による加熱にて20分間の加熱時間において下記の1~3の要求項目をすべて満たすかどうか評価した。

1.総発熱量が8MJ/m以下
2.最高発熱速度が10秒以上継続して200kW/mを超えない
3.防炎上有害な裏面まで貫通する亀裂及び穴が生じない
(耐傷性)
耐傷性については、JIS5600‐5‐4に準拠した引っかき硬度〈鉛筆法〉にて評価した。具体的には、45°に固定した鉛筆に750gの荷重をかけ、硬化物層や被膜層の硬度を測定した。鉛筆の芯は、硬度が2B~4Hのものを使用した。硬度の測定は、各層に圧痕が生じるまで繰り返し、表装材としての耐傷性を評価した。HB以上で合格「〇」とし、HB未満の場合には不合格「×」とした。
(意匠性)
意匠性については、印刷表現を施したものに対して、目視にて印刷意匠を評価した。目視評価の合格「○」し、それ以外の場合に不合格「×」とした。
(施工性)
施工性については、シートを軽く曲げた際に、クラック等が発生するかどうかを目視で確認した。目視の確認の結果、クラック等が目視確認の結果、発見できない場合が合格「○」で、発見できた場合が不合格「×」とした。
(評価結果)
実施例1~6及び比較例1~5の評価結果を、次の表1に示すものである。
(不燃性の観点からの評価)
上記評価結果の通り、実施例1~6に係る表装材は、不燃性、耐傷性、施工性の3個の評価項目においてすべて合格「〇」であった。
これに対し、比較例1~5に係る表装材においては、不燃性、耐傷性、施工性の3個の評価項目の少なくとも1個以上に不合格「×」が存在していた。
まず、不燃性の観点から見ると、比較例1、比較例3及び比較例4に不合格「×」が存在している。
比較例1は、実施例1と比較し、水酸化アルミニウムを含んでいない。このため、実施例1に含まれている水酸化アルミニウムが、不燃性に関して有利に働くことが確認できた。
比較例3及び比較例4は、実施例1と比較し、硬化物層が異なっている。このため、硬化物層が不燃性に関連していることが確認できた。
比較例3を、実施例1と比較すると、両者はコーティング組成物が異なっている。このため、不燃性の観点から見ると、比較例3で用いたアクリル系の樹脂材料が好ましくなく、実施例1のシリコーンオリゴマーと硬化触媒の組み合わせや、実施例2及び実施例3で用いたアミノシランを用いることが好ましいことが確認できた。
比較例4を、実施例1と比較すると、硬化物層の塗布量が異なっている。このため、不燃性の観点から見ると、比較例3の塗布量が多過ぎることが確認できた。
(耐傷性の観点からの評価)
つぎに、耐傷性の観点から見ると、比較例2、比較例3及び比較例5に不合格「×」が存在している。
比較例2は、実施例1と比較し、合成樹脂成分及び着色細骨材の比率が異なっている。このため、耐傷性の観点においては、実施例1による合成樹脂成分及び着色細骨材の比率が適切であることが確認できた。
比較例3を、実施例1と比較すると、両者はコーティング組成物が異なっている。このため、耐傷性の観点から見ると、比較例3で用いたアクリル系の樹脂材料が好ましくないことが確認できた。
比較例5を、実施例1と比較すると、硬化物層の塗布量が異なっている。このため、耐傷性の観点から見ると、比較例5の塗布量が少な過ぎることが確認できた。
(施工性の観点からの評価)
施工性の観点から見ると、比較例4に不合格「×」が存在している。比較例4は、実施例1と比較し、硬化物層の塗布量が異なっている。このため、施工性の観点においては、比較例4の硬化物層の塗布量が多過ぎることが確認できた。
(意匠性からの評価)
意匠性の観点から見ると、「○」が存在するには実施例5の一例のみである。実施例5の「絵柄層」の評価が良好であることの確認ができた。
(総合的な評価)
実施例1~6に係る表装材を互いに比較した。
実施例2は、実施例1と比較すると、硬化物層のコーティング組成物の構成と比率とが異なっているが、不燃性、耐傷性、施工性の3個の評価項目においてすべて合格「〇」であり、差異が無いことが確認できた。
実施例3は、実施例1と比較すると、硬化物層のコーティング組成物をアミノシランにすべて置き換えているが、不燃性、耐傷性、施工性の3個の評価項目においてすべて合格「〇」であり、差異が無いことが確認できた。
実施例4は、実施例1と比較すると、硬化物層の上に被膜層を形成しているが、不燃性、耐傷性、施工性の3個の評価項目においてすべて合格「〇」であり、差異が無いことが確認できた。
実施例5は、実施例1と比較すると、硬化物層の上にインクジェット印刷法により被膜層を形成しているが、不燃性、耐傷性、施工性の3個の評価項目においてすべて合格「〇」であり、差異が無いことが確認できた。
実施例6は、実施例1と比較すると、型押し成形によりシート材を形成したことから、シート材の厚みが変化しているが、不燃性、耐傷性、施工性の3個の評価項目においてすべて合格「〇」であり、差異が無いことが確認できた。
総合的に評価すると、実施例1~6に係る表装材は、不燃性、耐傷性、施工性の3個の評価項目をすべて満足できる表装材を提供できることが確認できた。
1 表装材
2 シート材
3 基布
4 硬化物層
5 被膜層
6 絵柄層

Claims (5)

  1. 下地材の表面に施工するための表装材であって、
    前記表装材は、合成樹脂類、骨材、吸熱性物質を主たる要素とし、前記合成樹脂類を6~12重量%、前記骨材及び前記吸熱性物質を80~90重量%を含むシート材と、
    前記シート材の一方の面側に積層された、縮合硬化型シリコーン組成物を含むコーティング組成物の硬化物層と、
    前記シート材のもう一方の面に積層された基布と、を備え、
    前記基布は、織布のみからなり、
    前記硬化物層の塗布量は、1g/m超30g/m未満であることを特徴とする表装材。
  2. 下地材の表面に施工するための表装材であって、
    前記表装材は、合成樹脂類、骨材、吸熱性物質を主たる要素とし、前記合成樹脂類を6~12重量%、前記骨材及び前記吸熱性物質を80~90重量%を含む1層からなるシート材と、
    前記シート材の一方の面側に積層された、縮合硬化型シリコーン組成物を含むコーティング組成物の硬化物層と、
    前記シート材のもう一方の面に積層された基布と、を備え、
    前記基布は、織布のみからなり、
    前記硬化物層の塗布量は、1g/m超30g/m未満であることを特徴とする表装材。
  3. 前記基布は、繊維状の含水マグネシウムケイ酸塩を含まないことを特徴とする請求項1又は2に記載の表装材。
  4. 前記骨材は、天然石或いはその砕石、着色骨材、寒水砂、及びセラミック砕粒から選択した1つもしくは2つ以上の材料からなることを特徴とする請求項3に記載の表装材。
  5. 前記シート材と前記硬化物層との間に絵柄層を備え、
    前記絵柄層は、無機顔料または有機顔料を含むことを特徴とする請求項4に記載の表装材。
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