JP7847029B2 - ダイヤフラムポンプ - Google Patents

ダイヤフラムポンプ

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Description

本発明は、弁座のシート面に接離する吸入弁を備えたダイヤフラムポンプに関する。
従来のダイヤフラムポンプとしては、モーターの回転を往復運動に変換してダイヤフラムを駆動する構造のものがある。この種のダイヤフラムポンプにおいて吐出量を少なくするためには、モーターに印加する電圧を低下させてモーターの回転数を減少させて行うことが多い。
ところで、従来のダイヤフラムポンプには、例えば特許文献1や特許文献2に記載されているようにポンプ室内の圧力を意図的に漏洩させるリーク構造を備えているものがある。特許文献1に開示されているリーク構造は、ダイヤフラムのベース部分とケースとの合わせ面に凹凸により形成された微細な連通路によって構成されている。この微細な連通路は、ポンプ室の内外を連通している。
特許文献2に記載されているリーク構造は、吸入弁の弁体が接離するシート面に設けられた突起を用いて構成されている。このリーク構造によれば、吸入弁が閉じている状態であっても突起の周囲に形成された隙間を通って流体が漏洩する。
実公昭62-43535号公報 特開2001-73953号公報
モーターの回転を往復運動に変換してダイヤフラムを駆動する構成のダイヤフラムポンプにおいては、吐出流量を著しく低い流量(例えば定格流量の3%等)まで少なく抑えることは難しいという問題があった。この理由は、モーターの印加電圧を著しく下げる必要があり、モーターがトルク不足で停止してしまうか、回転が不安定となってポンプ運動の脈動が大きくなり、安定した低流量を得ることができないからである。
このような不具合は、例えば特許文献1や特許文献2に開示されているリーク構造を採用することによりある程度は解消することができる。この理由は、モーターの印加電圧をモーターがトルク不足で停止することがない印加電圧としたり、回転が不安定になることがない印加電圧としたとしても、リーク構造から流体がリークするために吐出流量を少なく抑えることができるからである。
しかしながら、特許文献1に示すようにリーク構造を微細な連通路によって実現する場合は、連通路に異物が挟まった場合には、基本的に異物を除去することはできないから、吐出流量を少なくすることはできなくなる。このため、このリーク構造を備えたダイヤフラムポンプでは、性能が不安定になるおそれがある。
特許文献2に示すようにリーク構造をシート面に設けた突起によって構成する場合は、シート面を形成する部材の硬度が吸入弁の硬度より高いため、突起に繰り返し接触する吸入弁の弁体が摩耗して粉塵等が発生する。このため、このリーク構造を備えたダイヤフラムポンプでは、耐久性能が低くなる。
本発明の目的は、吐出流量を著しく低い流量まで少なく抑えることが可能で、しかも、性能の安定性や耐久性能の向上を図ることが可能なダイヤフラムポンプを提供することである。
この目的を達成するために本発明に係るダイヤフラムポンプは、カップ状の変形部を有するダイヤフラムと、前記変形部の開口部分を閉塞し、前記変形部と協働してポンプ室を形成する隔壁と、前記隔壁を貫通する吸入用貫通孔を介して前記ポンプ室に連通された吸入通路と、前記隔壁を貫通する吐出用貫通孔を介して前記ポンプ室に連通された吐出通路と、モーターの回転を往復運動に変換して前記変形部を前記ポンプ室の容積が増大する方向と前記ポンプ室の容積が減少する方向とに交互に変形させる駆動機構と、前記隔壁に形成されたシート面に接離する弁体を有し、前記ポンプ室の容積が増大する行程で前記吸入通路を開き、その他の行程で前記吸入通路を閉じる吸入弁と、前記吐出通路内に配置されて前記隔壁に取付けられ、前記ポンプ室の容積が減少する行程で前記吐出通路を開き、その他の行程で前記吐出通路を閉じる吐出弁とを備え、前記吸入弁の前記弁体は、前記シート面との間に微細な流路が形成されるリーク構造を有しているものである。
本発明は、前記ダイヤフラムポンプにおいて、前記リーク構造は、前記弁体の前記シート面と対向するシール面の全域に設けられた凹凸によって構成されていてもよい。
本発明は、前記ダイヤフラムポンプにおいて、前記凹凸は、前記弁体を成型する金型に設けられたシボ加工用の成型面の形状が転写された凹凸であってもよい。
本発明によれば、リーク構造から流体がリークすることにより吐出流量を少なく抑えることができる。また、吸入弁の弁体が接離するシート面は平滑面に形成できるから、このシート面に繰り返し接触する弁体のリーク構造は摩耗し難い。リーク構造に異物が挟まった場合は、弁体が開閉に伴って移動することにより異物がリーク構造から脱落して除去される。したがって、本発明によれば、吐出流量を著しく低い流量まで抑えることが可能な構成を採っているにもかかわらず、性能の安定性や耐久性能の向上を図ることが可能なダイヤフラムポンプを提供することができる。
図1は、本発明に係るダイヤフラムポンプの断面図である。 図2は、吸入弁とバルブホルダーの一部の断面図である。 図3は、吸入弁の平面図である。 図4は、吸入弁の一部を拡大して示す断面図である。 図5は、金型の一部を拡大して示す断面図である。
以下、本発明に係るダイヤフラムポンプの一実施の形態を図1~図5を参照して詳細に説明する。
図1に示すダイヤフラムポンプ1は、図1において最も下に位置するモーター2に取付けられ、このモーター2によって駆動されて動作する。この実施の形態によるダイヤフラムポンプ1は、空気を吸込んで吐出するポンプである。
このダイヤフラムポンプ1は、モーター2に固定されたハウジング3を備えている。このダイヤフラムポンプ1を構成する機能部品は、このハウジング3に保持されている。
ハウジング3は、複数の部材をモーター2の軸線方向に組み合わせて円柱状に形成されており、モーター2の回転軸4と同一軸線上に位置付けられている。ハウジング3を構成する複数の部材は、モーター2に取付けられた有底円筒状の底体5と、この底体5の開口部分に取付けられたダイヤフラムホルダー6と、このダイヤフラムホルダー6との間に後述するダイヤフラム7が挟まれる状態でダイヤフラムホルダー6に取付けられた円板状のバルブホルダー8と、このバルブホルダー8に重なる状態で取付けられた蓋体9などである。この実施の形態においては、バルブホルダー8が本発明でいう「隔壁」に相当する。
ダイヤフラム7は、ダイヤフラムホルダー6とバルブホルダー8とに挟まれて保持されている。また、ダイヤフラム7は、バルブホルダー8に向けて開口する複数のカップ状の変形部11を有している。これらの変形部11は、ハウジング3の周方向において、ダイヤフラム7を複数に分割する位置にそれぞれ設けられている。
変形部11の開口部分は、バルブホルダー8によって閉塞されている。
この変形部11とバルブホルダー8との間にポンプ室12が形成されている。すなわち、バルブホルダー8は、変形部11と協働してポンプ12を形成している。
カップ状を呈する変形部11の底壁11aには、ポンプ室12とは反対方向に向けて突出する連結片13が設けられている。連結片13には駆動機構21が接続されている。
駆動機構21は、モーター2の回転軸4に取付けられたクランク体22と、このクランク体22に駆動軸23を介して連結された駆動体24などを備えている。クランク体22は、回転軸4に固定されており、回転軸4と一体に回転する。
駆動軸23は、モーター2の回転軸4に対して傾斜した状態でクランク体22の偏芯した部分に固着されている。駆動軸23が傾斜する方向は、駆動軸23の先端部において回転軸4に対する偏心量が少なくなる方向である。
駆動体24は、駆動軸23が接続された円柱状の軸部25と、この軸部25から径方向の外側に突出する複数の腕部26とによって構成されている。
駆動体24の腕部26は、ダイヤフラム7の変形部11毎に設けられており、軸部25から放射状に径方向の外側へ延びている。腕部26には貫通穴26aが穿設されている。この貫通穴26aには、ダイヤフラム7の連結片13が係入されている。連結片13は、腕部26を貫通した状態で腕部26に固定されている。このため、腕部26は、ダイヤフラム7の複数の変形部11にそれぞれ接続されている。
この駆動機構21によれば、モーター2の回転軸4が回転することによりクランク体22および駆動軸23が回転軸4を中心として回転する。このとき、駆動体24は、ダイヤフラム7によって回転が規制されているために、駆動軸23の傾斜する方向の変化に伴って揺動する。この揺動により、腕部26が変形部11を押したり引いたりする。このため、駆動体24が回転軸4の回転を往復運動に変換して変形部11に伝達する。
ダイヤフラム7の変形部11が腕部26によってモーター2側に引かれて拡張することにより、ポンプ室12の容積が増大する。一方、ダイヤフラム7の変形部11が腕部26によってバルブホルダー8側へ押されることにより、変形部11が収縮されてポンプ室12の容積が減少する。このため、クランク体22が連続して回転することにより、ポンプ室12の容積が増大する状態と容積が減少する状態とが交互に繰り返される。
バルブホルダー8におけるポンプ室12の壁を構成する部分には、吸入弁31が設けられているとともに、吸入用貫通孔32と吐出用貫通孔33とが形成されている。吸入弁31は、ゴム材料によって形成され、ポンプ室12毎に設けられている。この実施の形態による吸入弁31は、図2に示すように、バルブホルダー8に穿設された軸孔34に通されてバルブホルダー8に固定された軸部31aと、バルブホルダー8におけるポンプ室12側の壁面であるシート面35に接離する弁体31bとを有している。シート面35は、平滑面となるように形成されている。
吸入弁31の弁体31bは、図3に示すように円環板状に形成されている。この実施の形態による弁体31bは、図2に示すように外周縁に向かうにしたがって次第にシート面35に接近するように湾曲した形状に形成されている。
また、弁体31bは、図4に示すように、シート面35との間に微細な流路36が形成されるリーク構造37を有している。リーク構造37は、シート面35と対向する弁体31bのシール面38の全域に設けられた凹部39と凸部40とからなる凹凸41によって構成されている。シール面38が形成される範囲は、図3中にハッチングを施して示す範囲である。図4は、リーク構造37の構成を理解し易くするために、凹凸41を波形の曲線によって描いてあるが、凹凸41には、急峻な傾斜面を有する角部や谷部などが存在してもよい。
凹凸41は、弁体31bを成型する金型42(図5参照)に設けられたシボ加工用の成型面42aの形状が転写された凹凸である。すなわち、凹凸41は、弁体31bを所定の形状に成型する金型42を使用して弁体31bの成型時にシール面38にシボ加工を施すことによって形成されている。シボ加工により形成される凹凸41の表面形状は、例えば皮革模様、木目、岩目、砂目、なし地、幾何学模様等の形状に形成することができる。
吸入用貫通孔32は、バルブホルダー8を貫通してポンプ室12と後述する吸入通路51とを連通する孔である。吸入用貫通孔32のポンプ室12側の開口は吸入弁31の弁体31bによって開閉される。この開口から弁体31bが離れることにより吸入通路51が開き、この開口を弁体31bが閉塞することにより吸入通路51が閉じる。すなわち、吸入弁31は、ポンプ室12の容積が増大する行程で吸入通路51を開き、その他の行程で吸入通路51を閉じる。
吸入通路51は、吸入用貫通孔32が開口する吸入用流体室52と、この吸入用流体室52に図示していない連通路を介して接続されたハウジング3内の駆動機構収容室53と、駆動機構収容室53からバルブホルダー8と蓋体9とを貫通するように延びる入口通路54などによって構成されている。吸入用流体室52はバルブホルダー8と蓋体9との間に形成されている。駆動機構収容室53は、駆動機構21が収容されている空間である。入口通路54は、バルブホルダー8に形成された貫通孔56と、蓋体9に設けられた吸入パイプ57の中空部を含む貫通孔58とによって形成されている。
吐出用貫通孔33は、バルブホルダー8を貫通してポンプ室12と吐出通路61とを連通する孔である。
吐出通路61は、バルブホルダー8と蓋体9との間の中央部に形成された吐出用流体室62と、蓋体9の軸心部に突設された吐出パイプ63とによって構成されている。吐出用流体室62内には吐出弁64が配置されている。この吐出弁64は、いわゆるハット形のもので、ゴム材料によって形成されている。
吐出弁64は、吐出用貫通孔33の開口を開閉する円環板状の弁体65を有し、バルブホルダー8の突起66に嵌合してバルブホルダー8に固定されている。
吐出用貫通孔33の吐出用流体室62側の開口は、吐出弁64の弁体65によって開閉される。この開口から弁体65が離れることにより吐出通路61が開き、この開口を弁体65が閉塞することにより吐出通路61が閉じる。すなわち、吐出弁64は、ポンプ室12の容積が増大する行程で吐出通路61を閉じ、その他の行程で吐出通路61を開く。
吐出弁64が開いてポンプ室12内の空気が吐出通路61に吐出される吐出行程においては、吸入弁31の弁体31bがポンプ室12内の圧力によってシート面35に押し付けられる。このとき、弁体31bのシート面35と対向するシール面38がシート面35に接触する。シール面38には微細な流路36が形成されている。
ポンプ室12の容積が減少する吐出行程でポンプ室12の圧力が上昇する際の速度が相対的に速い場合、すなわちモーター2の回転数が相対的に高い場合は、流路36が実質的に絞りとして機能し、このときにポンプ室12内から流路36を通って吸入通路51に漏洩する空気の量は相対的に少なくなる。このため、この場合のダイヤフラムポンプ1の吐出量は、モーター2の回転数に略見合った量となる。
しかし、モーター2の回転数が相対的に低い場合、すなわちモーター2がトルク不足で停止したり、回転が不安定となることがない程度に低い回転数である場合は、吐出行程でポンプ室12内の空気が流路36を通って吸入通路51に漏れる量が増える。このため、モーター2が停止したり回転が不安定になるようなことがない最低限の回転数でモーター2を回転させながら、ダイヤフラムポンプ1の吐出量をリーク構造37が設けられていない場合と較べて減少させることができる。
吸入弁31の弁体31bが接離するシート面35は、平滑面となるように形成されている。このため、このシート面35に繰り返し接触する弁体31bのリーク構造37は摩耗し難い。摩耗し難いことは粉塵の発生が少ないとともに耐久性が高くなることを意味する。また、リーク構造37に異物が挟まった場合は、弁体31bが開閉に伴って移動することにより異物がリーク構造37から脱落して除去される。このため、リーク構造37は、高い安定性を有するものとなる。
したがって、この実施の形態によれば、吐出流量を著しく低い流量まで抑えることが可能で、しかも、性能の安定性や耐久性能の向上を図ることが可能なダイヤフラムポンプを提供することができる。
この実施の形態によるリーク構造37は、弁体31bのシート面35と対向するシール面38の全域に設けられた凹凸41によって構成されている。このため、シール面38の全域から空気を漏洩させることが可能になるから、吐出流量を低回転時により一層減少させることができる。
この実施の形態による凹凸41は、弁体31bを成型する金型42に設けられたシボ加工用の成型面42a形状が転写された凹凸である。このため、複雑な形状の凹凸41を簡単に形成することができ、ダイヤフラムポンプ1の性能に応じた凹凸41を容易に形成することができる。
1…ダイヤフラムポンプ、2…モーター、7…ダイヤフラム、8…バルブホルダー(隔壁)、11…変形部、12…ポンプ室、32…吸入用貫通孔、33…吐出用貫通孔、21…駆動機構、31…吸入弁、31b…弁体、35…シート面、36…流路、37…リーク構造、41…凹凸、42…金型、42a…成型面、51…吸入通路、61…吐出通路、64…吐出弁。

Claims (3)

  1. カップ状の変形部を有するダイヤフラムと、
    前記変形部の開口部分を閉塞し、前記変形部と協働してポンプ室を形成する隔壁と、
    前記隔壁を貫通する吸入用貫通孔を介して前記ポンプ室に連通された吸入通路と、
    前記隔壁を貫通する吐出用貫通孔を介して前記ポンプ室に連通された吐出通路と、
    モーターの回転を往復運動に変換して前記変形部を前記ポンプ室の容積が増大する方向と前記ポンプ室の容積が減少する方向とに交互に変形させる駆動機構と、
    前記隔壁に形成されたシート面に接離する弁体を有し、前記ポンプ室の容積が増大する行程で前記吸入通路を開き、その他の行程で前記吸入通路を閉じる吸入弁と、
    前記吐出通路内に配置されて前記隔壁に取付けられ、前記ポンプ室の容積が減少する行程で前記吐出通路を開き、その他の行程で前記吐出通路を閉じる吐出弁とを備え、
    前記吸入弁の前記弁体は、前記シート面との間に前記ポンプ室の容積が減少する行程において前記吸入通路と連通する微細な流路が形成されるリーク構造を有していることを特徴とするダイヤフラムポンプ。
  2. 請求項1記載のダイヤフラムポンプにおいて、
    前記リーク構造は、前記弁体の前記シート面と対向するシール面の全域に設けられた凹凸によって構成されていることを特徴とするダイヤフラムポンプ。
  3. 請求項2記載のダイヤフラムポンプにおいて、
    前記凹凸は、前記弁体を成型する金型に設けられたシボ加工用の成型面の形状が転写された凹凸であることを特徴とするダイヤフラムポンプ。
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