JPH0112829B2 - - Google Patents
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- JPH0112829B2 JPH0112829B2 JP56033537A JP3353781A JPH0112829B2 JP H0112829 B2 JPH0112829 B2 JP H0112829B2 JP 56033537 A JP56033537 A JP 56033537A JP 3353781 A JP3353781 A JP 3353781A JP H0112829 B2 JPH0112829 B2 JP H0112829B2
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- JP
- Japan
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- sodium polysulfide
- stainless steel
- corrosion resistance
- molybdenum
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- Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)
- Secondary Cells (AREA)
Description
本発明は溶融多硫化ナトリウム用としての耐食
材料に係り、特にナトリウム―硫黄電池における
陽極活物質を収容する容器(電槽)などに好適に
用いられ得る耐食性に優れたステンレス鋼に関す
るものである。 近年、電力貯蔵システム用、電気自動車用など
として各種の二次電池が検討されてきているが、
なかでもナトリウム―硫黄(Na―S)電池は高
エネルギー密度で、充電効率にも優れており、し
かも資源的に豊富で、安価な、Na,Sを用いる
ものであるところから、極めて有望な電池と考え
られている。そして、このNa―S電池は、一般
に固体電解質にナトリウムイオンの電導性が大き
いβ―アルミナを使用している一方、陰極活物質
として溶融ナトリウム、陽極活物質として溶融硫
黄と多硫化ナトリウムを使用し、200〜400℃の高
温で作動させるようにしている。 ところで、このようなNa―S電池の開発及び
実用化上における問題点は、陰極活物質としての
溶融ナトリウムを収容する固体電解質(β―アル
ミナ)チユーブの大型化及び安定化と、該β―ア
ルミナチユーブの外側に同心的に配される金属陽
極容器(電槽)の陽極活物質;多硫化ナトリウム
(Na2S3〜5)による高温下での腐食とされている。
そして、前者の固体電解質の問題に関しては最近
ほぼその解決の見通しが得られ、実用化上の障害
を取り除き得ることとなつたが、後者の陽極材料
の腐食の問題は、高温度下において溶融している
陽極活物質、特に多硫化ナトリウムの強い腐食性
の故に、解決が困難で、その実用的な解決策が見
い出されていないのが実状である。 尤も、実験室的な規模においては、前記陽極材
料として、ステンレス鋼からなる電槽の内側に純
モリブデン板を内張りしたものが用いられている
が、それには純モリブデンが極めて高価であると
ころに実用上のネツクがあり、また純モリブデン
の内張りされていない電槽底部などには依然とし
て腐食の問題が内在している他、純モリブデンの
溶接が難しく、それ故パイプなどへの加工が困難
であるのであり、加て溶接部分も弱いという問題
も内在しているのである。 ここにおいて、本発明者らは、かかる事情に鑑
み、300℃、更には400℃にも達する高温度下に溶
融している多硫化ナトリウム(或は溶融硫黄の共
存下)に対する耐食性について種々検討した結
果、従来から実験室的規模においてその耐食性が
認められている純モリブデンと同等あるいはそれ
以上の耐食効果を有し、しかも純モリブデンより
遥かに安価で、実用的なステンレス鋼を見い出
し、本発明を完成するに至つたのである。 すなわち、本発明は、重量で、(a)17.5〜40%の
クロムと、(b)15〜40%のニツケルと、(c)0.2%ま
での炭素と、(d)2.0%までのケイ素と、(e)5.0%ま
でのマンガンと、(f)それぞれ0.1〜10%のモリブ
デン、アルミニウム及びチタンのうちの1種また
は2種以上の元素とを含み、且つ残余が実質的に
鉄からなることを特徴とするものであつて、この
ような組成のステンレス鋼材料を用いることによ
り、高温下において溶融している多硫化ナトリウ
ム(溶融硫黄が共存している場合も含む)に対し
て著しく優れた耐食性能を発揮し得たのであり、
また純モリブデンに比して著しく安価と為し得た
のである。 また、かかる本発明に従う耐食材料は、基本的
にはステンレス鋼の範疇に入り、特にオーステナ
イト系ステンレス鋼として好適に用いられるもの
であるため、従来の純モリブデン内張り電槽の如
き構成を採る必要は全くなく、該材料からそのま
まNa―S電池の電槽を製作することが出来るこ
ととなつたのである。 なお、本発明では、前記(a),(b),(c),(d),(e),
(f)からなる合金配合成分に加えて、更に(g)4.0%
を越えない量の銅を、残余の鉄に配合せしめるこ
とにより、前記溶融多硫化ナトリウムに対する耐
食性能が更に相乗的に向上せしめられることとな
り、より一層望ましい耐食材料が得られるのであ
る。 かくの如き本発明に従う耐食材料において、鉄
に配せしめられるクロムは、ステンレス鋼の基本
構成元素であり、鉄をベースとする材料に充分な
耐食性能を与えるには、材料中に少なくとも17.5
%(重量基準、以下同じ)の割合で存在せしめる
ことが必要である。しかし、40%を越える余りに
も多量の配合は得られる材料の熱間加工性などを
悪化せしめ、望ましくないので、クロム配合量は
40%以下に止めなければならない。 そして、かかるクロムと共に含有せしめられる
ニツケルも、ステンレス鋼の基本構成元素であつ
て、クロム同様に、目的とする充分な耐食性能を
付与するために、15%以上の高割合で含有せしめ
られることとなる。なお、40%を越える余りにも
多量のニツケルの配合は、材料の他の性能を低下
せしめることとなるので、避けなければならな
い。 また、モリブデンとアルミニウムとチタンの単
独あるいは複合添加により、溶融多硫化ナトリウ
ムに対する耐食性が高められる。かかる耐食性向
上効果は、少なくとも0.1%以上のモリブデン、
アルミニウム、またはチタンをそれぞれ配合せし
めることによつて発揮され、そしてその配合量を
増すに従つて増大せしめられ得るが、それらの10
%を越える割合の配合は材料の熱間加工性を悪化
せしめるので、それらの余りにも多量の配合は避
けなければならない。材料の良好な熱間加工性を
維持するためには、、モリブデン、アルミニウム、
またはチタンの配合量は10%以下に止めるべきで
ある。 さらに、炭素、ケイ素及びマンガンは、材料の
製鋼工程において必然的に導入され、得られる鋼
材料に機械的強度などの望ましい物理的諸性質を
付与する。しかし、炭素は、材料の耐食性を高く
保つ上において、その含有量が0.2%以下となる
ように、含有せしめる必要があり、これによつて
加工性も良好となるのである。また、ケイ素は、
鋼の脱酸素工程において脱酸剤として加えられ、
得られる鋼材料の耐酸化性などを高める効果を有
するが、多量に存在すると、耐食性を悪化せし
め、また靭性や熱間加工性を阻害するので、2%
以下の含有量に止めなければならない。更に、マ
ンガンは、通常上記ケイ素と同様に脱酸剤として
加えられることによつて導入されるものである
他、硫黄と化合してMnSを生成せしめることに
よつて材料の熱間脆性が生ずるのを防ぐ作用を為
す。しかし、多量に含有せしめても、その含有量
に応じて効果を向上せしめ得ず、反つて他の物理
的諸性能を悪化せしめるので、マンガンの含有量
は5%以下に止める必要がある。 更に加えて、上記クロム;ニツケル;モリブデ
ン、チタン、アルミニウムの少なくとも1種;炭
素;ケイ素;マンガンと共に、鉄に配合せしめら
れて、得られる材料により一層の耐食性能を付与
する銅は、4.0%を越えない割合で用いられる必
要があり、かかる範囲内での使用において材料の
熱間加工性を低下せしめることなく相剰的に耐食
性能の向上に寄与する。 このような成分組成において、溶融多硫化ナト
リウムに対する耐食性に著しく優れた材料に、特
にオーステナイト組織のステンレス鋼が有利に得
られるのであるが、より熱間加工性を高めたい場
合、例えば大型ビレツトを用いて製品圧延を行な
う場合などには、ジルコニウム、バナジウム、ニ
オブ、タンタル、カルシウム、マグネシウム、タ
ングステン、稀土類元素(イツトリウム,ランタ
ン,セリウムなど)、ハフニウム,ホウ素からな
る群より選ばれた1種または2種以上の元素を、
合計量で3.0%を越えない量で添加してもよい。 なお、その他、以上に挙げた元素に加え、更に
加工性の改良などのための公知の元素を、本発明
の効果に悪影響をもたらさない限度において、添
加せしめることは何等差支えない。 そして、これら合金配合成分は、目的とする耐
食材料の要求性能などに応じて上記規制範囲内の
配合量が適宜決定され、残余の鉄に配合せしめら
れて、通常の製鋼手法に従つてステンレス鋼材料
とされるのであるが、該ステンレス鋼は一般にオ
ーステナイト組織のものとして所定の用途、例え
ば前述したNa―S電池の電槽材料に用いられる
こととなる。 また、かくして得られる本発明に従うステンレ
ス鋼材料は、前述の如く、従来では全く検討が為
されていなかつた、腐食性の高い、高温下の溶融
多硫化ナトリウム(或は溶融硫黄共存下)に対し
て格別顕著な耐食性能を有するものであつて、特
にかかる溶融多硫化ナトリウムと溶融硫黄が共存
するNa―S電池における陽極活物質を収容する
電槽(容器)材料として、換言すれば陽極金属材
料として好適に用いられ得るものであるが、その
他溶融多硫化ナトリウムが取り扱われる分野にお
いてそれに対する耐食材料として好適に用いられ
得ることは言うまでもないところである。 以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に明
らかにするが、本発明がかかる実施例の記載によ
つて何等の制約をも受けるものでないことは言う
までもないところである。 実施例 第1表に示す成分組成(残部は鉄)を有する、
Ni/Cr/Mo/Al/Ti/C/Si/Mn系ステンレ
ス鋼塊をそれぞれ鋳造した後、5mm厚の熱間圧延
せしめ、ついで所定の熱処理を施すことにより、
本発明に従う各種のオーステナイト系ステンレス
鋼からなる供試材(No.1〜10)を得た。一方、比
較のために、純モリブデンまたは従来のステンレ
ス鋼からなる各種の比較供試材(No.11〜14)を作
製した。 また、第2表に示す成分組成(残部は鉄)を有
する、Ni/Cr/Mo/Al/Ti/Cu/C/Si/Mn
系の本発明に従うオーステナイト系ステンレス鋼
からなる供試材(No.15〜18)を、上記と同様な方
法によつて得た。 ついで、これら供試材より、巾10mm、長さ30
mm、厚さ3〜4mmの試験片を機械加工によつてそ
れぞれ作製し、多硫化ナトリウム腐食試験を行な
つた。試験方法としては、所定の試験片を多硫化
ナトリウム(Na2〜S3〜5)と共に反応管(ガラス
製)に収容せしめ、ついで該反応管内を減圧下に
維持しつつ(脱気しつつ)、加熱炉にて約350℃に
加熱せしめることにより、かかる多硫化ナトリウ
ムを溶融せしめ、その溶融物中に各試験片が浸漬
された状態下において、所定時間の間、加熱保持
する方法が採用された。そして、所定時間の間、
350℃に加熱保持された後、反応管から試験片が
取り出されて該試験片の腐食減量が求められ、次
いでその腐食減量から当該試験片の年間の厚さ減
少量(mm/Y)を換算して求められ、その結果が
第3表に示されている。 第3表の結果より明らかなように、本発明に従
う合金組成のステンレス鋼からなる試験片(No.1
〜10,15〜18)は、通常のステンレス鋼からなる
それ(No.12〜14)に比して、溶融多硫化ナトリウ
ムに対する耐食性能において著しく優れているこ
とは勿論、純モリブデンからなる試験片(No.11)
と比べても、それと同等乃至はそれ以上の耐食性
能を示すことが認められた。
材料に係り、特にナトリウム―硫黄電池における
陽極活物質を収容する容器(電槽)などに好適に
用いられ得る耐食性に優れたステンレス鋼に関す
るものである。 近年、電力貯蔵システム用、電気自動車用など
として各種の二次電池が検討されてきているが、
なかでもナトリウム―硫黄(Na―S)電池は高
エネルギー密度で、充電効率にも優れており、し
かも資源的に豊富で、安価な、Na,Sを用いる
ものであるところから、極めて有望な電池と考え
られている。そして、このNa―S電池は、一般
に固体電解質にナトリウムイオンの電導性が大き
いβ―アルミナを使用している一方、陰極活物質
として溶融ナトリウム、陽極活物質として溶融硫
黄と多硫化ナトリウムを使用し、200〜400℃の高
温で作動させるようにしている。 ところで、このようなNa―S電池の開発及び
実用化上における問題点は、陰極活物質としての
溶融ナトリウムを収容する固体電解質(β―アル
ミナ)チユーブの大型化及び安定化と、該β―ア
ルミナチユーブの外側に同心的に配される金属陽
極容器(電槽)の陽極活物質;多硫化ナトリウム
(Na2S3〜5)による高温下での腐食とされている。
そして、前者の固体電解質の問題に関しては最近
ほぼその解決の見通しが得られ、実用化上の障害
を取り除き得ることとなつたが、後者の陽極材料
の腐食の問題は、高温度下において溶融している
陽極活物質、特に多硫化ナトリウムの強い腐食性
の故に、解決が困難で、その実用的な解決策が見
い出されていないのが実状である。 尤も、実験室的な規模においては、前記陽極材
料として、ステンレス鋼からなる電槽の内側に純
モリブデン板を内張りしたものが用いられている
が、それには純モリブデンが極めて高価であると
ころに実用上のネツクがあり、また純モリブデン
の内張りされていない電槽底部などには依然とし
て腐食の問題が内在している他、純モリブデンの
溶接が難しく、それ故パイプなどへの加工が困難
であるのであり、加て溶接部分も弱いという問題
も内在しているのである。 ここにおいて、本発明者らは、かかる事情に鑑
み、300℃、更には400℃にも達する高温度下に溶
融している多硫化ナトリウム(或は溶融硫黄の共
存下)に対する耐食性について種々検討した結
果、従来から実験室的規模においてその耐食性が
認められている純モリブデンと同等あるいはそれ
以上の耐食効果を有し、しかも純モリブデンより
遥かに安価で、実用的なステンレス鋼を見い出
し、本発明を完成するに至つたのである。 すなわち、本発明は、重量で、(a)17.5〜40%の
クロムと、(b)15〜40%のニツケルと、(c)0.2%ま
での炭素と、(d)2.0%までのケイ素と、(e)5.0%ま
でのマンガンと、(f)それぞれ0.1〜10%のモリブ
デン、アルミニウム及びチタンのうちの1種また
は2種以上の元素とを含み、且つ残余が実質的に
鉄からなることを特徴とするものであつて、この
ような組成のステンレス鋼材料を用いることによ
り、高温下において溶融している多硫化ナトリウ
ム(溶融硫黄が共存している場合も含む)に対し
て著しく優れた耐食性能を発揮し得たのであり、
また純モリブデンに比して著しく安価と為し得た
のである。 また、かかる本発明に従う耐食材料は、基本的
にはステンレス鋼の範疇に入り、特にオーステナ
イト系ステンレス鋼として好適に用いられるもの
であるため、従来の純モリブデン内張り電槽の如
き構成を採る必要は全くなく、該材料からそのま
まNa―S電池の電槽を製作することが出来るこ
ととなつたのである。 なお、本発明では、前記(a),(b),(c),(d),(e),
(f)からなる合金配合成分に加えて、更に(g)4.0%
を越えない量の銅を、残余の鉄に配合せしめるこ
とにより、前記溶融多硫化ナトリウムに対する耐
食性能が更に相乗的に向上せしめられることとな
り、より一層望ましい耐食材料が得られるのであ
る。 かくの如き本発明に従う耐食材料において、鉄
に配せしめられるクロムは、ステンレス鋼の基本
構成元素であり、鉄をベースとする材料に充分な
耐食性能を与えるには、材料中に少なくとも17.5
%(重量基準、以下同じ)の割合で存在せしめる
ことが必要である。しかし、40%を越える余りに
も多量の配合は得られる材料の熱間加工性などを
悪化せしめ、望ましくないので、クロム配合量は
40%以下に止めなければならない。 そして、かかるクロムと共に含有せしめられる
ニツケルも、ステンレス鋼の基本構成元素であつ
て、クロム同様に、目的とする充分な耐食性能を
付与するために、15%以上の高割合で含有せしめ
られることとなる。なお、40%を越える余りにも
多量のニツケルの配合は、材料の他の性能を低下
せしめることとなるので、避けなければならな
い。 また、モリブデンとアルミニウムとチタンの単
独あるいは複合添加により、溶融多硫化ナトリウ
ムに対する耐食性が高められる。かかる耐食性向
上効果は、少なくとも0.1%以上のモリブデン、
アルミニウム、またはチタンをそれぞれ配合せし
めることによつて発揮され、そしてその配合量を
増すに従つて増大せしめられ得るが、それらの10
%を越える割合の配合は材料の熱間加工性を悪化
せしめるので、それらの余りにも多量の配合は避
けなければならない。材料の良好な熱間加工性を
維持するためには、、モリブデン、アルミニウム、
またはチタンの配合量は10%以下に止めるべきで
ある。 さらに、炭素、ケイ素及びマンガンは、材料の
製鋼工程において必然的に導入され、得られる鋼
材料に機械的強度などの望ましい物理的諸性質を
付与する。しかし、炭素は、材料の耐食性を高く
保つ上において、その含有量が0.2%以下となる
ように、含有せしめる必要があり、これによつて
加工性も良好となるのである。また、ケイ素は、
鋼の脱酸素工程において脱酸剤として加えられ、
得られる鋼材料の耐酸化性などを高める効果を有
するが、多量に存在すると、耐食性を悪化せし
め、また靭性や熱間加工性を阻害するので、2%
以下の含有量に止めなければならない。更に、マ
ンガンは、通常上記ケイ素と同様に脱酸剤として
加えられることによつて導入されるものである
他、硫黄と化合してMnSを生成せしめることに
よつて材料の熱間脆性が生ずるのを防ぐ作用を為
す。しかし、多量に含有せしめても、その含有量
に応じて効果を向上せしめ得ず、反つて他の物理
的諸性能を悪化せしめるので、マンガンの含有量
は5%以下に止める必要がある。 更に加えて、上記クロム;ニツケル;モリブデ
ン、チタン、アルミニウムの少なくとも1種;炭
素;ケイ素;マンガンと共に、鉄に配合せしめら
れて、得られる材料により一層の耐食性能を付与
する銅は、4.0%を越えない割合で用いられる必
要があり、かかる範囲内での使用において材料の
熱間加工性を低下せしめることなく相剰的に耐食
性能の向上に寄与する。 このような成分組成において、溶融多硫化ナト
リウムに対する耐食性に著しく優れた材料に、特
にオーステナイト組織のステンレス鋼が有利に得
られるのであるが、より熱間加工性を高めたい場
合、例えば大型ビレツトを用いて製品圧延を行な
う場合などには、ジルコニウム、バナジウム、ニ
オブ、タンタル、カルシウム、マグネシウム、タ
ングステン、稀土類元素(イツトリウム,ランタ
ン,セリウムなど)、ハフニウム,ホウ素からな
る群より選ばれた1種または2種以上の元素を、
合計量で3.0%を越えない量で添加してもよい。 なお、その他、以上に挙げた元素に加え、更に
加工性の改良などのための公知の元素を、本発明
の効果に悪影響をもたらさない限度において、添
加せしめることは何等差支えない。 そして、これら合金配合成分は、目的とする耐
食材料の要求性能などに応じて上記規制範囲内の
配合量が適宜決定され、残余の鉄に配合せしめら
れて、通常の製鋼手法に従つてステンレス鋼材料
とされるのであるが、該ステンレス鋼は一般にオ
ーステナイト組織のものとして所定の用途、例え
ば前述したNa―S電池の電槽材料に用いられる
こととなる。 また、かくして得られる本発明に従うステンレ
ス鋼材料は、前述の如く、従来では全く検討が為
されていなかつた、腐食性の高い、高温下の溶融
多硫化ナトリウム(或は溶融硫黄共存下)に対し
て格別顕著な耐食性能を有するものであつて、特
にかかる溶融多硫化ナトリウムと溶融硫黄が共存
するNa―S電池における陽極活物質を収容する
電槽(容器)材料として、換言すれば陽極金属材
料として好適に用いられ得るものであるが、その
他溶融多硫化ナトリウムが取り扱われる分野にお
いてそれに対する耐食材料として好適に用いられ
得ることは言うまでもないところである。 以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に明
らかにするが、本発明がかかる実施例の記載によ
つて何等の制約をも受けるものでないことは言う
までもないところである。 実施例 第1表に示す成分組成(残部は鉄)を有する、
Ni/Cr/Mo/Al/Ti/C/Si/Mn系ステンレ
ス鋼塊をそれぞれ鋳造した後、5mm厚の熱間圧延
せしめ、ついで所定の熱処理を施すことにより、
本発明に従う各種のオーステナイト系ステンレス
鋼からなる供試材(No.1〜10)を得た。一方、比
較のために、純モリブデンまたは従来のステンレ
ス鋼からなる各種の比較供試材(No.11〜14)を作
製した。 また、第2表に示す成分組成(残部は鉄)を有
する、Ni/Cr/Mo/Al/Ti/Cu/C/Si/Mn
系の本発明に従うオーステナイト系ステンレス鋼
からなる供試材(No.15〜18)を、上記と同様な方
法によつて得た。 ついで、これら供試材より、巾10mm、長さ30
mm、厚さ3〜4mmの試験片を機械加工によつてそ
れぞれ作製し、多硫化ナトリウム腐食試験を行な
つた。試験方法としては、所定の試験片を多硫化
ナトリウム(Na2〜S3〜5)と共に反応管(ガラス
製)に収容せしめ、ついで該反応管内を減圧下に
維持しつつ(脱気しつつ)、加熱炉にて約350℃に
加熱せしめることにより、かかる多硫化ナトリウ
ムを溶融せしめ、その溶融物中に各試験片が浸漬
された状態下において、所定時間の間、加熱保持
する方法が採用された。そして、所定時間の間、
350℃に加熱保持された後、反応管から試験片が
取り出されて該試験片の腐食減量が求められ、次
いでその腐食減量から当該試験片の年間の厚さ減
少量(mm/Y)を換算して求められ、その結果が
第3表に示されている。 第3表の結果より明らかなように、本発明に従
う合金組成のステンレス鋼からなる試験片(No.1
〜10,15〜18)は、通常のステンレス鋼からなる
それ(No.12〜14)に比して、溶融多硫化ナトリウ
ムに対する耐食性能において著しく優れているこ
とは勿論、純モリブデンからなる試験片(No.11)
と比べても、それと同等乃至はそれ以上の耐食性
能を示すことが認められた。
【表】
【表】
【表】
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 溶融多硫化ナトリウムに対する耐食性に優れ
たステンレス鋼にして、重量で、17.5〜40%のク
ロムと、15〜40%のニツケルと、0.2%までの炭
素と、2.0%までのケイ素と、5.0%までのマンガ
ンと、それぞれ0.1〜10%のモリブデン、アルミ
ニウム及びチタンのうちの1種または2種以上の
元素とを含み、且つ残余が実質的に鉄からなるこ
とを特徴とする耐溶融多硫化ナトリウム材料。 2 溶融多硫化ナトリウムに対する耐食性に優れ
たステンレス鋼にして、重量で、17.5〜40%のク
ロムと、15〜40%のニツケルと、0.2%までの炭
素と、2.0%までのケイ素と、5.0%までのマンガ
ンと、それぞれ0.1〜10%のモリブデン、アルミ
ニウム及びチタンのうちの1種または2種以上の
元素とを含み、且つジルコニウム、バナジウム、
ニオブ、タンタル、カルシウム、マグネシウム、
タングステン、稀土類元素、ハフニウムおよびホ
ウ素からなる群より選ばれた1種または2種以上
の元素を、合計量で3.0重量%を越えない量で更
に含む、残余が実質的に鉄からなることを特徴と
する耐溶融多硫化ナトリウム材料。 3 溶融多硫化ナトリウムに対する耐食性に優れ
たステンレス鋼にして、重量で、17.5〜40%のク
ロムと、15〜40%のニツケルと、0.2%までの炭
素と、2.0%までのケイ素と、5.0%までのマンガ
ンと、4.0%までの銅と、それぞれ0.1〜10%のモ
リブデン、アルミニウム及びチタンのうちの1種
または2種以上の元素とを含み、且つ残余が実質
的に鉄からなることを特徴とする耐溶融多硫化ナ
トリウム材料。 4 溶融多硫化ナトリウムに対する耐食性に優れ
たステンレス鋼にして、重量で、17.5〜40%のク
ロムと、15〜40%のニツケルと、0.2%までの炭
素と、2.0%までのケイ素と、5.0%までのマンガ
ンと、4.0%までの銅と、それぞれ0.1〜10%のモ
リブデン、アルミニウム及びチタンのうちの1種
または2種以上の元素とを含み、且つジルコニウ
ム、バナジウム、ニオブ、タンタル、カルシウ
ム、マグネシウム、タングステン、稀土類元素、
ハフニウムおよびホウ素からなる群より選ばれた
1種または2種以上の元素を、合計量で3.0重量
%を越えない量で更に含む、残余が実質的に鉄か
らなることを特徴とする耐溶融多硫化ナトリウム
材料。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3353781A JPS57149458A (en) | 1981-03-09 | 1981-03-09 | Corrosion-resistant material |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3353781A JPS57149458A (en) | 1981-03-09 | 1981-03-09 | Corrosion-resistant material |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS57149458A JPS57149458A (en) | 1982-09-16 |
| JPH0112829B2 true JPH0112829B2 (ja) | 1989-03-02 |
Family
ID=12389308
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3353781A Granted JPS57149458A (en) | 1981-03-09 | 1981-03-09 | Corrosion-resistant material |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS57149458A (ja) |
Families Citing this family (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| SE451466B (sv) * | 1983-06-10 | 1987-10-12 | Sandvik Ab | Anvendning av en austenitisk manganlegerad krom-nickel-jernlegering i sulfiderande miljo vid hog temperatur |
| JPS6046343A (ja) * | 1983-08-23 | 1985-03-13 | Daido Steel Co Ltd | 排気バルブ用合金 |
| JPS60230966A (ja) * | 1984-04-27 | 1985-11-16 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 塩化物の存在する高温乾食環境用鋼 |
| CA1263041A (en) * | 1984-11-13 | 1989-11-21 | William Lawrence Mankins | Nickel-chromium-molybdenum alloy |
| JPS61179835A (ja) * | 1985-01-10 | 1986-08-12 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 高温強度の優れた耐食性オーステナイト鋼 |
| JPH0772317B2 (ja) * | 1985-11-26 | 1995-08-02 | 株式会社東芝 | ガラス溶融炉用電極合金 |
| JPH01100239A (ja) * | 1987-10-13 | 1989-04-18 | Daido Steel Co Ltd | 高硬度耐食合金 |
| US5873950A (en) * | 1996-06-13 | 1999-02-23 | Inco Alloys International, Inc. | Strengthenable ethylene pyrolysis alloy |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS56261A (en) * | 1979-06-12 | 1981-01-06 | Nippon Stainless Steel Co Ltd | Austenitic stainless steel of low recrystallization temperature and excellent corrosion resistance |
-
1981
- 1981-03-09 JP JP3353781A patent/JPS57149458A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS57149458A (en) | 1982-09-16 |
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