JPH0120248B2 - - Google Patents
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- JPH0120248B2 JPH0120248B2 JP62185239A JP18523987A JPH0120248B2 JP H0120248 B2 JPH0120248 B2 JP H0120248B2 JP 62185239 A JP62185239 A JP 62185239A JP 18523987 A JP18523987 A JP 18523987A JP H0120248 B2 JPH0120248 B2 JP H0120248B2
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Description
[産業上の利用分野]
本発明は塩基性染料可染型の改質ポリエステル
繊維の製造方法に関するものである。 更に詳しくは、染色性が良好で糸強度が高く、
耐アルカリ性に優れ、かつ染色物の耐光堅牢性に
優れた塩基性染料可染型の改質ポリエステル繊維
の製造方法に関するものである。 [従来の技術] 従来より、特公昭34―10497号公報において塩
基性染料可染型ポリエステルは知られているが、
この方法は染色性を満足させるために金属スルホ
ネート基を含有するイソフタル酸成分(以下S成
分と略す)を多量に含有させるため、通常の方法
で紡糸すると、ポリマの溶融粘度が高く紡糸が困
難となる。従つてS成分を多量に含有したポリマ
を通常の方法で紡糸するにはポリマの重合度を低
くし、溶融粘度を通常紡糸できる範囲まで下げる
必要がある。この結果、糸強度が低下し、また多
量のS成分の添加により耐アルカリ性が低下する
ので得られたポリエステル繊維の用途が制限され
る。さらにまたS成分を多量に添加すると、当然
ながら原料コストが大幅にアツプする。 上記問題点を改善するためにS成分を減少さ
せ、それによる染色性低下を補うために、イソフ
タル酸、アジピン酸などの酸成分等、グリコール
成分を共重合する方法が知られている。 例えば特公昭55―17806号公報にはS成分を共
重合したコポリマーにポリアルキレングリコール
を1〜10重量%共重合する例が記載されている。
かかる例では確かにグリコール成分の共重合によ
り染色性が向上しているが、糸強度が不充分であ
りアルカリ処理に耐えられる糸質は得られていな
い。 [発明が解決しようとする問題点] 本発明者らはS成分共重合系でグリコール成分
を共重合させることにより以下のことが可能とな
ることを見い出している。 その一つはグリコール成分の共重合により少な
いS成分の共重合量で満足できる染色性を得るこ
とが出来ることで、これはグリコール成分がポリ
マー中のS成分の塩基性染料に対する有効利用率
をあげる働き(染色性向上効果)があるからであ
る。 二つにはグリコール成分の共重合により、S成
分共重合系において同一溶融粘度で重合度の高い
ポリマーが得られていることでこれはグリコール
成分がS成分共重合系において重合度を下げるこ
となくポリマーの溶融粘度を下げる働き(減粘効
果)があるからである。 従つて、S成分共重合系でグリコール成分を共
重合することにより加熱筒などの特殊な装置を用
いなくても通常の紡糸が可能な溶融粘度の範囲で
満足できる染色性を有し、かつ重合度80〜100の
繊維を得るために必要な重合度をもつポリマーが
得られる。これはグリコール成分の共重合による
S成分共重合量の減少による溶融粘度の低下、グ
リコール成分共重合による溶融粘度の低下があつ
てはじめて得られるものである。 しかしながら、通常紡糸可能な溶融粘度の範囲
まで溶融粘度を低化させるにはグリコール成分の
共重合量を多くする必要がある。反面このグリコ
ール成分の共重合量が多くなると染色物の耐光堅
牢性が低下する。したがつて染色物の耐光堅牢性
を満足させるためにはグリコール成分の共重合量
はある一定量以下とする必要がある。ところで前
述したようにグリコール成分はS成分の塩基性染
料に対する有効利用率をあげる働きを(染色性向
上効果)もつているので、グリコール成分の共重
合量をある一定量以下とするならば、染色性を満
足させるためにはS成分の共重合量をある一定量
以上としなければならない。 一方糸強度を満足させるためには重合度を低く
し過ぎることはできないので、染色性、染色物の
耐光堅牢性を満足させるようにS成分、グリコー
ル成分の共重合量を定める必要があり、その糸強
度を満足する重合度のポリマーの粘度は通常のポ
リエステルの粘度の1.8〜3.0倍となる。 しかしこの粘度の高いポリマーを加熱筒などの
特殊な装置を使用しないで、通常の方法で紡糸す
ると強伸度の低い糸しか得られないという問題が
ある。 そこで本発明者らはポリマ組成および紡出条件
に関し、鋭意検討を行つた結果、本発明に到達し
たものである。 すなわち本発明の目的は、延伸糸強度が4g/
d以上といつた高い糸強度を持ち、耐アルカリ性
に優れかつ染色物の耐光堅牢性に優れた塩基性可
染型の改質ポリエステル繊維を製造することであ
る。 [問題点を解決するための手段] 前述した本発明の目的は1.3〜1.8モル%の金属
スルホネート基を含有するイソフタル酸成分と
0.5〜1.9重量%の分子量400〜6000のグリコール
成分を共重合しており、かつ重合度が82〜105で
ある改質ポリエステルを、下記の各式を満足する
条件下で紡糸した後、延伸し、重合度85〜100の
繊維とすることを特徴とする改質ポリエステル繊
維の製造方法 ズリ速度(γ〓)≦104sec-1 ドラフト≦250 口金背面圧(p)≧40Kg/cm2 ズリ応力(τ)≦(Q+0.7)×107dyne/cm2 (Qは単孔当り吐出量g/min.hole) によつて達成できる。 本発明においてS成分とは次式で示される化合
物であり、具体的にはジメチル(5―ナトリウム
スルホ)イソフタレート、ビス―2―ヒドロキシ
エチル(5―ナトリウムスルホ)イソフタレー
ト、ビス―4―ヒドロキシブチル(5―ナトリウ
ムスルホ)イソフタレート等が挙げられる。 (但しMはNa,Li,Kなどのアルカリ金属を
示し、A,A′は―CH3または―(CH2)nOHを
示す。nは2以上の整数を示す。) 好ましいS成分としてはジメチル(5―ナトリ
ウムスルホ)イソフタレート、ビス―2―ヒドキ
シエチル(5―ナトリウムスルホ)イソフタレー
トが挙げられる。S成分は得られるポリエステル
に対し1.3〜1.8とする必要がある。S成分が1.3モ
ル%より少ないとグリコール共重合量を増大さ
せ、あるいは染色温度を上げても満足できる染色
性が得られない。これは塩基性染料と反応するポ
リマー中のS成分が不足するためである。一方S
成分が1.8モル%を越えた場合、重合度80以上の
繊維を得るために必要な重合度をもつポリマを得
ようとすると、S成分を多量に共重合したため
に、ポリマーの溶融粘度が著しく大きくなり、強
伸度の高いポリエステル繊維を得ることができな
い。 S成分の添加時期はポリエステルの製造反応が
完結する迄であればいつでもよいが、添加された
S成分が充分にポリエステル鎖中に共重合される
ために重縮合反応初期以前の段階で添加するのが
好ましい。なおS成分がグリコールエステルの場
合には、エステル交換反応またはエステル化反応
終了時点から重縮合反応開始までの間で添加する
のが好ましい。 グリコール成分としては分子量が400〜6000の
ものであることが必要で、分子量が400未満のも
のは染色性向上効果が小さく、かつグリコールの
沸点が低いことに起因して重縮合反中応中に系外
へのグリコール飛散が生じ、一定量の共重合をさ
せることが困難となる。一方、分子量が6000を越
えたグリコール成分は、共重合したポリマーの耐
酸化分解性が悪化するとともに、グリコール成分
が均一に共重合し難いことに起因して、染色性お
よび得られる繊維から作成した布帛の抗フロステ
イング性が低下する。なおグリコール成分の分子
量は400〜2000がより好ましく、400〜900が特に
好ましい。 前記分子量400〜6000のグリコール成分の代表
例としては、式HO―(CH2―CH2―O)m―R
―O―(CH2―CH2―O)n―H(Rは炭素原子
数3〜20の二価の脂肪族炭化水素基、フエニル
基、ビスフエニル基、ナフタレン基等の二価の芳
香族炭化水素基、m・nは同一または異なる整数
で1≦m+n≦100である。)で示されるグリコー
ル、ビスフエノールA―エチレンオキサイド付加
物および次式で示されるポリアルキレングリコー
ル等があげられる。 A(CnH2nO)mH (AはClH2l+1O又はOH,lは1〜10,nは
2〜5,mは3〜100) さらに、グリコール成分としてはポリアルキレ
ングリコールがより好ましい。これはポリアルキ
レングリコールの減粘効果が他のグリコールより
大きいため、重合度85〜100の繊維を得るために
必要な重合度をもつポリマを得るには他のグリコ
ールより有利なことによる。そしてポリアルキレ
ングリコールとしては、両末端にOH基を有する
ポリエチレングリコールがより好ましい。これは
アルキレンオキサイド単位が短いほど、またグリ
コールをランダムに共重合するほど染色性向上効
果、減粘効果が大きいためである。 グリコール成分の共重合量は得られるポリエス
テルに対して0.5〜1.9重量%の範囲とする必要が
ある。この範囲より少ないと染色性向上効果が小
さく、多くなると特性、特に染色物の耐光堅牢性
の低下および耐酸化分解性の低下が大になる。こ
のためグリコール成分の共重合は0.7〜1.5重量%
がより好ましい。 グリコール成分の添加時期はポリエステルの製
造反応が完結するまでの任意の段階でよいが、重
縮合反応初期以前の段階で添加するのが好まし
い。また添加に際して前記S成分と同時に添加し
ても、また別々に任意の順序で添加してもよい。 本発明で得られる改質ポリエステル繊維の重合
度は85〜100である。通常紡糸時にポリマを溶融
する際、重合度が低下するため、上記重合度の繊
維を得るためには、ポリマの重合度は82〜105と
する必要がある。ポリマの重合度が82未満である
と本発明で目的とするポリエステル繊維の糸強度
(4.0g/d以上)を満足することができず、ポリ
マの重合度が105を越えるとポリマの溶融粘度が
著しく大きくなり、目的とする強伸度の高い繊維
を得ることができない。 重合度82〜105の改質ポリエステルを得る方法
としては重縮合反応のみで得ても良いし、固相重
合反応を併用しても良い。 本発明では、上記改質ポリエステルを特定な紡
糸条件で紡糸する必要がある。紡糸条件の中でも
特に溶融状態での流動、変形の挙動を特定の範囲
とすることが重要であり、具体的には以下に示す
条件を採用する必要がある。 ズリ速度(γ〓)≦104sec-1 ドラフト≦250 口金背面圧(p)≧40Kg/cm2 ズリ応力(τ)≦(Q+0.7) ×107dyne/cm2 (Qは単孔当り吐出量g/min.hole) ここで、ズリ速度、ズリ応力の値は紡糸口金部
での流動特性をあらわすものであり、次式により
計算する。 γ〓=32q/πD3ρ(sec-1) D:口金孔径(cm) q:単孔当り吐出量(g/sec・hole) ρ:溶融ポリマ密度(g/cm3) τ=9.8×105PD/4L(dyn/cm2) P:口金背面圧(Kg/cm2) L:口金孔深度(cm) γ〓,τが前記上限値を越えると、本発明のポリ
マーは溶融粘度が高いため、口金部での流動挙動
が均一とならず、糸の強伸度特性が低下する。 前記口金背面圧(P)は40Kg/cm2以上としなけ
ればならない。Pが40Kg/cm2未満では、口金での
吐出孔間の流動が不均一となり、単糸間のムラお
よび単糸間ムラに起因する強伸度低下が起こる。
なお口金背面圧は50Kg/cm2以上が好ましく、60
Kg/cm2以上がより好ましい。 紡糸ドラフトは250以下とする必要があり、紡
糸ドラフトが250を越えると糸の繊度斑が大きく
なることに起因して強伸度の低下が起る。また前
記繊度斑はウースター斑の測定における大波とし
て表われるものであり、繊度斑が大きくなると染
斑が発生する。 また本発明で言うポリエステルとは構成単位の
少なくとも80モル%がエチレンテレフタレート又
はブチレンテレフタレートであり、前記S成分及
びグリコール成分以外に10モル%以下、好ましく
は5モル%以下の他の成分を共重合していてもよ
い。また前記共重合成分の他に通常のエステル交
換触媒、重合触媒、リン化合物やアルカリ金属塩
などの副反応防止剤、二酸化チタンなどのつや消
し剤、着色防止剤、および酸化分解防止剤などを
含んでいてもよい。特にアルカリ金属塩は副生ジ
エチレングリコール量の抑制効果があり、また酸
化分解防止剤はグリコール共重合によるポリマー
の酸化分解性悪化の抑制効果があり、使用するの
が好ましい。 本発明の改質ポリエステル繊維は優れた塩基性
染料可染性を有し、その染色温度は繊維を構成す
るポリマ組成によつて適宜変更できるが、110〜
140℃の範囲が好ましく、120〜135℃の範囲がよ
り好ましい。 [実施例] 以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明す
る。なお、実施例における特性値測定方法は次の
とおりである。 (グリコール成分の共重合量) ポリマをアミン分解したのちガスクロマトグラ
フイー、またはカリボール滴定で定量する。 (重合度) 重合度は単位重量当りの末端基数を通常用いら
れる方法で求め、次式により算出する。 重合度=2×106/末端基数(コ/106g)×M (Mとはポリマ(又は糸)中のくり返し単位の
分子量の平均値を意味する。) (極限粘度) ポリマをオルソクロロフエノール中に溶解し、
25℃での測定値で表示する。 (筒編の作成方法) 評価すべきフイラメント糸を27ゲージの靴下編
機(小池機械製作所(株)製)により、筒編地を編成
する。 (精練方法) 評価すべき筒編地を常法により0.2%の非イオ
ン活性剤〔サンデツトG―900(三洋化成(株)製)〕
と0.2%のソーダ灰を含む沸騰水で5分間煮沸精
練し、次いで水洗、乾燥する。 (耐光堅牢性) 評価すべきフイラメントから得られた精練され
た筒編地をEstrol Blue N―3RL(商標名住友化
学製)1.5%owf、酢酸0.5ml/、酢酸ソーダ
0.15g/からなる浴比1:100の120℃水溶液中
で60分間染色を行なつた後、常法に従いハイドロ
サルフアイト2g/,NaOH2g/サンデツ
ドG―900 2g/からなる80℃の水溶液中で20
分間還元洗浄を行ない水洗乾燥する。 この染色した筒編地を、フエードメータ(スガ
試験機(株)製)を用いてJIS―LI1044に準じて光退
色させ、ブルースケール基準で測定する。 (染色性) 評価すべきフイラメントから得られた精練後の
筒編地をマラカイトグリーン(商標名関東化学
製)5%Owf、酢酸0.5ml/、酢酸ソーダ0.2
g/からなる浴比1:100の120℃の熱水溶液中
で60分間染色を行なう。次いで、この筒編地を引
き上げた後の染色残液中の染色濃度を測定し、筒
編地の染料吸尽率を求める。 (耐アルカリ性) NaOH50g/の濃度の水溶液中で温度95℃、
浴比1:100の条件で糸をを処理し、減量率20%
のときの糸強力特性により求める。 (耐酸化分解性) Differential thermal analysisを用いて、酸化
分解開始温度を測定しその値から求める。 実施例 1 ジメチルテレフタレート150Kg、エチレングリ
コール94Kg、酢酸リチウム2水塩210g、酢酸マ
ンガン4水塩30g、三酸化アンチモン60gの混合
物にジメチル(5―ナトリウムスルホ)イソフタ
レート4Kg(1.7モル%共重合)を添加し、大気
圧下140℃から235℃まで撹拌しながら4時間かけ
て昇温しエステル交換反応を終了した。次いでト
リメチルフオスフエイト64.5g、二酸化チタンを
16重量%含有したエチレングリコールスラリーを
810gおよび酸化分解防止剤であるイルガノツク
ス1010(チバガイギー社製)150gを添加した後、
缶内を500mmHgに減圧し25Kgのエチレングリコ
ールを留去した。その後第1表に記載するグリコ
ール成分を添加し、2時間で240℃から280℃に昇
温しかつ1時間かけて760mmHgから1mmHgま
で減圧し、1mmHg以下の減圧を維持して280℃
でさらに1.5時間、合計3時間30分重縮合反応さ
せた。 得られたポリマーの特性を第1表に示す。
繊維の製造方法に関するものである。 更に詳しくは、染色性が良好で糸強度が高く、
耐アルカリ性に優れ、かつ染色物の耐光堅牢性に
優れた塩基性染料可染型の改質ポリエステル繊維
の製造方法に関するものである。 [従来の技術] 従来より、特公昭34―10497号公報において塩
基性染料可染型ポリエステルは知られているが、
この方法は染色性を満足させるために金属スルホ
ネート基を含有するイソフタル酸成分(以下S成
分と略す)を多量に含有させるため、通常の方法
で紡糸すると、ポリマの溶融粘度が高く紡糸が困
難となる。従つてS成分を多量に含有したポリマ
を通常の方法で紡糸するにはポリマの重合度を低
くし、溶融粘度を通常紡糸できる範囲まで下げる
必要がある。この結果、糸強度が低下し、また多
量のS成分の添加により耐アルカリ性が低下する
ので得られたポリエステル繊維の用途が制限され
る。さらにまたS成分を多量に添加すると、当然
ながら原料コストが大幅にアツプする。 上記問題点を改善するためにS成分を減少さ
せ、それによる染色性低下を補うために、イソフ
タル酸、アジピン酸などの酸成分等、グリコール
成分を共重合する方法が知られている。 例えば特公昭55―17806号公報にはS成分を共
重合したコポリマーにポリアルキレングリコール
を1〜10重量%共重合する例が記載されている。
かかる例では確かにグリコール成分の共重合によ
り染色性が向上しているが、糸強度が不充分であ
りアルカリ処理に耐えられる糸質は得られていな
い。 [発明が解決しようとする問題点] 本発明者らはS成分共重合系でグリコール成分
を共重合させることにより以下のことが可能とな
ることを見い出している。 その一つはグリコール成分の共重合により少な
いS成分の共重合量で満足できる染色性を得るこ
とが出来ることで、これはグリコール成分がポリ
マー中のS成分の塩基性染料に対する有効利用率
をあげる働き(染色性向上効果)があるからであ
る。 二つにはグリコール成分の共重合により、S成
分共重合系において同一溶融粘度で重合度の高い
ポリマーが得られていることでこれはグリコール
成分がS成分共重合系において重合度を下げるこ
となくポリマーの溶融粘度を下げる働き(減粘効
果)があるからである。 従つて、S成分共重合系でグリコール成分を共
重合することにより加熱筒などの特殊な装置を用
いなくても通常の紡糸が可能な溶融粘度の範囲で
満足できる染色性を有し、かつ重合度80〜100の
繊維を得るために必要な重合度をもつポリマーが
得られる。これはグリコール成分の共重合による
S成分共重合量の減少による溶融粘度の低下、グ
リコール成分共重合による溶融粘度の低下があつ
てはじめて得られるものである。 しかしながら、通常紡糸可能な溶融粘度の範囲
まで溶融粘度を低化させるにはグリコール成分の
共重合量を多くする必要がある。反面このグリコ
ール成分の共重合量が多くなると染色物の耐光堅
牢性が低下する。したがつて染色物の耐光堅牢性
を満足させるためにはグリコール成分の共重合量
はある一定量以下とする必要がある。ところで前
述したようにグリコール成分はS成分の塩基性染
料に対する有効利用率をあげる働きを(染色性向
上効果)もつているので、グリコール成分の共重
合量をある一定量以下とするならば、染色性を満
足させるためにはS成分の共重合量をある一定量
以上としなければならない。 一方糸強度を満足させるためには重合度を低く
し過ぎることはできないので、染色性、染色物の
耐光堅牢性を満足させるようにS成分、グリコー
ル成分の共重合量を定める必要があり、その糸強
度を満足する重合度のポリマーの粘度は通常のポ
リエステルの粘度の1.8〜3.0倍となる。 しかしこの粘度の高いポリマーを加熱筒などの
特殊な装置を使用しないで、通常の方法で紡糸す
ると強伸度の低い糸しか得られないという問題が
ある。 そこで本発明者らはポリマ組成および紡出条件
に関し、鋭意検討を行つた結果、本発明に到達し
たものである。 すなわち本発明の目的は、延伸糸強度が4g/
d以上といつた高い糸強度を持ち、耐アルカリ性
に優れかつ染色物の耐光堅牢性に優れた塩基性可
染型の改質ポリエステル繊維を製造することであ
る。 [問題点を解決するための手段] 前述した本発明の目的は1.3〜1.8モル%の金属
スルホネート基を含有するイソフタル酸成分と
0.5〜1.9重量%の分子量400〜6000のグリコール
成分を共重合しており、かつ重合度が82〜105で
ある改質ポリエステルを、下記の各式を満足する
条件下で紡糸した後、延伸し、重合度85〜100の
繊維とすることを特徴とする改質ポリエステル繊
維の製造方法 ズリ速度(γ〓)≦104sec-1 ドラフト≦250 口金背面圧(p)≧40Kg/cm2 ズリ応力(τ)≦(Q+0.7)×107dyne/cm2 (Qは単孔当り吐出量g/min.hole) によつて達成できる。 本発明においてS成分とは次式で示される化合
物であり、具体的にはジメチル(5―ナトリウム
スルホ)イソフタレート、ビス―2―ヒドロキシ
エチル(5―ナトリウムスルホ)イソフタレー
ト、ビス―4―ヒドロキシブチル(5―ナトリウ
ムスルホ)イソフタレート等が挙げられる。 (但しMはNa,Li,Kなどのアルカリ金属を
示し、A,A′は―CH3または―(CH2)nOHを
示す。nは2以上の整数を示す。) 好ましいS成分としてはジメチル(5―ナトリ
ウムスルホ)イソフタレート、ビス―2―ヒドキ
シエチル(5―ナトリウムスルホ)イソフタレー
トが挙げられる。S成分は得られるポリエステル
に対し1.3〜1.8とする必要がある。S成分が1.3モ
ル%より少ないとグリコール共重合量を増大さ
せ、あるいは染色温度を上げても満足できる染色
性が得られない。これは塩基性染料と反応するポ
リマー中のS成分が不足するためである。一方S
成分が1.8モル%を越えた場合、重合度80以上の
繊維を得るために必要な重合度をもつポリマを得
ようとすると、S成分を多量に共重合したため
に、ポリマーの溶融粘度が著しく大きくなり、強
伸度の高いポリエステル繊維を得ることができな
い。 S成分の添加時期はポリエステルの製造反応が
完結する迄であればいつでもよいが、添加された
S成分が充分にポリエステル鎖中に共重合される
ために重縮合反応初期以前の段階で添加するのが
好ましい。なおS成分がグリコールエステルの場
合には、エステル交換反応またはエステル化反応
終了時点から重縮合反応開始までの間で添加する
のが好ましい。 グリコール成分としては分子量が400〜6000の
ものであることが必要で、分子量が400未満のも
のは染色性向上効果が小さく、かつグリコールの
沸点が低いことに起因して重縮合反中応中に系外
へのグリコール飛散が生じ、一定量の共重合をさ
せることが困難となる。一方、分子量が6000を越
えたグリコール成分は、共重合したポリマーの耐
酸化分解性が悪化するとともに、グリコール成分
が均一に共重合し難いことに起因して、染色性お
よび得られる繊維から作成した布帛の抗フロステ
イング性が低下する。なおグリコール成分の分子
量は400〜2000がより好ましく、400〜900が特に
好ましい。 前記分子量400〜6000のグリコール成分の代表
例としては、式HO―(CH2―CH2―O)m―R
―O―(CH2―CH2―O)n―H(Rは炭素原子
数3〜20の二価の脂肪族炭化水素基、フエニル
基、ビスフエニル基、ナフタレン基等の二価の芳
香族炭化水素基、m・nは同一または異なる整数
で1≦m+n≦100である。)で示されるグリコー
ル、ビスフエノールA―エチレンオキサイド付加
物および次式で示されるポリアルキレングリコー
ル等があげられる。 A(CnH2nO)mH (AはClH2l+1O又はOH,lは1〜10,nは
2〜5,mは3〜100) さらに、グリコール成分としてはポリアルキレ
ングリコールがより好ましい。これはポリアルキ
レングリコールの減粘効果が他のグリコールより
大きいため、重合度85〜100の繊維を得るために
必要な重合度をもつポリマを得るには他のグリコ
ールより有利なことによる。そしてポリアルキレ
ングリコールとしては、両末端にOH基を有する
ポリエチレングリコールがより好ましい。これは
アルキレンオキサイド単位が短いほど、またグリ
コールをランダムに共重合するほど染色性向上効
果、減粘効果が大きいためである。 グリコール成分の共重合量は得られるポリエス
テルに対して0.5〜1.9重量%の範囲とする必要が
ある。この範囲より少ないと染色性向上効果が小
さく、多くなると特性、特に染色物の耐光堅牢性
の低下および耐酸化分解性の低下が大になる。こ
のためグリコール成分の共重合は0.7〜1.5重量%
がより好ましい。 グリコール成分の添加時期はポリエステルの製
造反応が完結するまでの任意の段階でよいが、重
縮合反応初期以前の段階で添加するのが好まし
い。また添加に際して前記S成分と同時に添加し
ても、また別々に任意の順序で添加してもよい。 本発明で得られる改質ポリエステル繊維の重合
度は85〜100である。通常紡糸時にポリマを溶融
する際、重合度が低下するため、上記重合度の繊
維を得るためには、ポリマの重合度は82〜105と
する必要がある。ポリマの重合度が82未満である
と本発明で目的とするポリエステル繊維の糸強度
(4.0g/d以上)を満足することができず、ポリ
マの重合度が105を越えるとポリマの溶融粘度が
著しく大きくなり、目的とする強伸度の高い繊維
を得ることができない。 重合度82〜105の改質ポリエステルを得る方法
としては重縮合反応のみで得ても良いし、固相重
合反応を併用しても良い。 本発明では、上記改質ポリエステルを特定な紡
糸条件で紡糸する必要がある。紡糸条件の中でも
特に溶融状態での流動、変形の挙動を特定の範囲
とすることが重要であり、具体的には以下に示す
条件を採用する必要がある。 ズリ速度(γ〓)≦104sec-1 ドラフト≦250 口金背面圧(p)≧40Kg/cm2 ズリ応力(τ)≦(Q+0.7) ×107dyne/cm2 (Qは単孔当り吐出量g/min.hole) ここで、ズリ速度、ズリ応力の値は紡糸口金部
での流動特性をあらわすものであり、次式により
計算する。 γ〓=32q/πD3ρ(sec-1) D:口金孔径(cm) q:単孔当り吐出量(g/sec・hole) ρ:溶融ポリマ密度(g/cm3) τ=9.8×105PD/4L(dyn/cm2) P:口金背面圧(Kg/cm2) L:口金孔深度(cm) γ〓,τが前記上限値を越えると、本発明のポリ
マーは溶融粘度が高いため、口金部での流動挙動
が均一とならず、糸の強伸度特性が低下する。 前記口金背面圧(P)は40Kg/cm2以上としなけ
ればならない。Pが40Kg/cm2未満では、口金での
吐出孔間の流動が不均一となり、単糸間のムラお
よび単糸間ムラに起因する強伸度低下が起こる。
なお口金背面圧は50Kg/cm2以上が好ましく、60
Kg/cm2以上がより好ましい。 紡糸ドラフトは250以下とする必要があり、紡
糸ドラフトが250を越えると糸の繊度斑が大きく
なることに起因して強伸度の低下が起る。また前
記繊度斑はウースター斑の測定における大波とし
て表われるものであり、繊度斑が大きくなると染
斑が発生する。 また本発明で言うポリエステルとは構成単位の
少なくとも80モル%がエチレンテレフタレート又
はブチレンテレフタレートであり、前記S成分及
びグリコール成分以外に10モル%以下、好ましく
は5モル%以下の他の成分を共重合していてもよ
い。また前記共重合成分の他に通常のエステル交
換触媒、重合触媒、リン化合物やアルカリ金属塩
などの副反応防止剤、二酸化チタンなどのつや消
し剤、着色防止剤、および酸化分解防止剤などを
含んでいてもよい。特にアルカリ金属塩は副生ジ
エチレングリコール量の抑制効果があり、また酸
化分解防止剤はグリコール共重合によるポリマー
の酸化分解性悪化の抑制効果があり、使用するの
が好ましい。 本発明の改質ポリエステル繊維は優れた塩基性
染料可染性を有し、その染色温度は繊維を構成す
るポリマ組成によつて適宜変更できるが、110〜
140℃の範囲が好ましく、120〜135℃の範囲がよ
り好ましい。 [実施例] 以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明す
る。なお、実施例における特性値測定方法は次の
とおりである。 (グリコール成分の共重合量) ポリマをアミン分解したのちガスクロマトグラ
フイー、またはカリボール滴定で定量する。 (重合度) 重合度は単位重量当りの末端基数を通常用いら
れる方法で求め、次式により算出する。 重合度=2×106/末端基数(コ/106g)×M (Mとはポリマ(又は糸)中のくり返し単位の
分子量の平均値を意味する。) (極限粘度) ポリマをオルソクロロフエノール中に溶解し、
25℃での測定値で表示する。 (筒編の作成方法) 評価すべきフイラメント糸を27ゲージの靴下編
機(小池機械製作所(株)製)により、筒編地を編成
する。 (精練方法) 評価すべき筒編地を常法により0.2%の非イオ
ン活性剤〔サンデツトG―900(三洋化成(株)製)〕
と0.2%のソーダ灰を含む沸騰水で5分間煮沸精
練し、次いで水洗、乾燥する。 (耐光堅牢性) 評価すべきフイラメントから得られた精練され
た筒編地をEstrol Blue N―3RL(商標名住友化
学製)1.5%owf、酢酸0.5ml/、酢酸ソーダ
0.15g/からなる浴比1:100の120℃水溶液中
で60分間染色を行なつた後、常法に従いハイドロ
サルフアイト2g/,NaOH2g/サンデツ
ドG―900 2g/からなる80℃の水溶液中で20
分間還元洗浄を行ない水洗乾燥する。 この染色した筒編地を、フエードメータ(スガ
試験機(株)製)を用いてJIS―LI1044に準じて光退
色させ、ブルースケール基準で測定する。 (染色性) 評価すべきフイラメントから得られた精練後の
筒編地をマラカイトグリーン(商標名関東化学
製)5%Owf、酢酸0.5ml/、酢酸ソーダ0.2
g/からなる浴比1:100の120℃の熱水溶液中
で60分間染色を行なう。次いで、この筒編地を引
き上げた後の染色残液中の染色濃度を測定し、筒
編地の染料吸尽率を求める。 (耐アルカリ性) NaOH50g/の濃度の水溶液中で温度95℃、
浴比1:100の条件で糸をを処理し、減量率20%
のときの糸強力特性により求める。 (耐酸化分解性) Differential thermal analysisを用いて、酸化
分解開始温度を測定しその値から求める。 実施例 1 ジメチルテレフタレート150Kg、エチレングリ
コール94Kg、酢酸リチウム2水塩210g、酢酸マ
ンガン4水塩30g、三酸化アンチモン60gの混合
物にジメチル(5―ナトリウムスルホ)イソフタ
レート4Kg(1.7モル%共重合)を添加し、大気
圧下140℃から235℃まで撹拌しながら4時間かけ
て昇温しエステル交換反応を終了した。次いでト
リメチルフオスフエイト64.5g、二酸化チタンを
16重量%含有したエチレングリコールスラリーを
810gおよび酸化分解防止剤であるイルガノツク
ス1010(チバガイギー社製)150gを添加した後、
缶内を500mmHgに減圧し25Kgのエチレングリコ
ールを留去した。その後第1表に記載するグリコ
ール成分を添加し、2時間で240℃から280℃に昇
温しかつ1時間かけて760mmHgから1mmHgま
で減圧し、1mmHg以下の減圧を維持して280℃
でさらに1.5時間、合計3時間30分重縮合反応さ
せた。 得られたポリマーの特性を第1表に示す。
【表】
【表】
次いで前記各ポリマーを真空乾燥し、下記第2
表に示す条件で溶融紡糸した。この場合、紡糸特
性であるドラフトは94、ズリ速度は5800sec-1、
口金背面圧は60〜80Kg/cm2、ズリ応力は0.89〜
1.2×107dyne/cm2であり、本発明で規定している
紡糸条件を満足するものであつた。
表に示す条件で溶融紡糸した。この場合、紡糸特
性であるドラフトは94、ズリ速度は5800sec-1、
口金背面圧は60〜80Kg/cm2、ズリ応力は0.89〜
1.2×107dyne/cm2であり、本発明で規定している
紡糸条件を満足するものであつた。
【表】
さらに得られた前記各未延伸糸を下記第3表の
延伸条件でホツトロール延伸を行ない、75デニー
ル・36フイラメントの延伸糸を得た。得られた延
伸糸の糸物性および染色性、耐光堅牢性、耐アル
カリ性を第4表に表示した。
延伸条件でホツトロール延伸を行ない、75デニー
ル・36フイラメントの延伸糸を得た。得られた延
伸糸の糸物性および染色性、耐光堅牢性、耐アル
カリ性を第4表に表示した。
【表】
【表】
第1表、第4表から明らかなように本発明の要
件を満足する実験番号1〜7では糸強度、染色
性、耐光堅牢性、耐アルカリ性(アルカリ処理後
の強力)、安定共重合性、(添加量に対する共重合
量の比率)酸化分解性が良好であつた。これに対
し比較例1,2,3はグリコールの分子量が本発
明の範囲より低いため安定共重合性が悪く、かつ
染色性が低いために本発明の効果が発揮できな
い。 また比較例4はグリコールの分子量が本発明の
範囲で規定した上限を越えるため染色性および酸
化分解性が悪く本発明が目的とする糸は得られな
かつた。 また比較例5,6はグリコールの共重合量が本
発明で規定した上限を越えるため、酸化分解性お
よび耐光堅牢性が悪く満足な糸とならなかつた。
比較例7はグリコール共重合量が本発明で規定し
た下限以下であるため、染色性が悪く満足な糸は
得られなかつた。 実施例 2 添加共重合するジメチル(5―ナトリウムスル
ホ)イソフタレートを第5表の如く添加し、添加
共重合するグリコールをポリエチレングリコール
(分子量600)とし、かつグリコール添加量を1.0
重量%とする以外はすべて実施例1と同様な方法
で重合、製糸を行なつた。 ポリマーの特性、紡糸特性、得られた延伸糸の
糸物性、染色性、耐光堅牢性、耐アルカリ性を第
5表に示した。
件を満足する実験番号1〜7では糸強度、染色
性、耐光堅牢性、耐アルカリ性(アルカリ処理後
の強力)、安定共重合性、(添加量に対する共重合
量の比率)酸化分解性が良好であつた。これに対
し比較例1,2,3はグリコールの分子量が本発
明の範囲より低いため安定共重合性が悪く、かつ
染色性が低いために本発明の効果が発揮できな
い。 また比較例4はグリコールの分子量が本発明の
範囲で規定した上限を越えるため染色性および酸
化分解性が悪く本発明が目的とする糸は得られな
かつた。 また比較例5,6はグリコールの共重合量が本
発明で規定した上限を越えるため、酸化分解性お
よび耐光堅牢性が悪く満足な糸とならなかつた。
比較例7はグリコール共重合量が本発明で規定し
た下限以下であるため、染色性が悪く満足な糸は
得られなかつた。 実施例 2 添加共重合するジメチル(5―ナトリウムスル
ホ)イソフタレートを第5表の如く添加し、添加
共重合するグリコールをポリエチレングリコール
(分子量600)とし、かつグリコール添加量を1.0
重量%とする以外はすべて実施例1と同様な方法
で重合、製糸を行なつた。 ポリマーの特性、紡糸特性、得られた延伸糸の
糸物性、染色性、耐光堅牢性、耐アルカリ性を第
5表に示した。
【表】
前記第5表から明らかなように、実験番号9〜
11はジメチル(5―ナトリウム)スルホイソフタ
レート共重合量が本発明で規定した範囲を満足す
るものであり、糸物性、糸の染色性、耐アルカリ
性、耐光堅牢性等はいずれも満足できるものであ
つた。これに対し、実験番号8はジメチル(5―
ナトリウム)スルホイソフタレート共重合量が本
発明で規定した下限以下であるため染色性が不満
足であり、実験番号12はポリマの重合度が本発明
の下限以下であるため糸物性(強度、伸度)、耐
アルカリ性が不満足である。また実験番号13はジ
メチル(5―ナトリウム)スルホイソフタレート
共重合量が本発明の上限を越えるため、ポリマー
重合度を82以上とするとポリマー溶融粘度が高く
なり、そのため紡糸特性が本発明で規定した範囲
外となる。このため実験No.13で得られた糸の糸物
性、耐アルカリ性は不満足なものとなる。 実施例 3 ジメチル(5―ナトリウムスルホ)イソフタレ
ートを1.7モル%、グリコールをポリエチレング
リコール(平均分子量600)とし、グリコール共
重合量を1.0重量%とする以外はすべて実施例1
と同様な方法で行ない重縮合時間を変化させて重
合度70,82,91,100のポリマーを製造し、この
うちの重合度100のポリマーを固相重合して重合
度113のポリマーを得た。次いでこれらの各ポリ
マーを実施例1と同様な方法で製糸を行なつた。 得られたポリマーのポリマー特性、紡糸特性、
得られた糸の糸物性、染色性、耐光堅牢性、耐ア
ルカリ性を第6表に示した。
11はジメチル(5―ナトリウム)スルホイソフタ
レート共重合量が本発明で規定した範囲を満足す
るものであり、糸物性、糸の染色性、耐アルカリ
性、耐光堅牢性等はいずれも満足できるものであ
つた。これに対し、実験番号8はジメチル(5―
ナトリウム)スルホイソフタレート共重合量が本
発明で規定した下限以下であるため染色性が不満
足であり、実験番号12はポリマの重合度が本発明
の下限以下であるため糸物性(強度、伸度)、耐
アルカリ性が不満足である。また実験番号13はジ
メチル(5―ナトリウム)スルホイソフタレート
共重合量が本発明の上限を越えるため、ポリマー
重合度を82以上とするとポリマー溶融粘度が高く
なり、そのため紡糸特性が本発明で規定した範囲
外となる。このため実験No.13で得られた糸の糸物
性、耐アルカリ性は不満足なものとなる。 実施例 3 ジメチル(5―ナトリウムスルホ)イソフタレ
ートを1.7モル%、グリコールをポリエチレング
リコール(平均分子量600)とし、グリコール共
重合量を1.0重量%とする以外はすべて実施例1
と同様な方法で行ない重縮合時間を変化させて重
合度70,82,91,100のポリマーを製造し、この
うちの重合度100のポリマーを固相重合して重合
度113のポリマーを得た。次いでこれらの各ポリ
マーを実施例1と同様な方法で製糸を行なつた。 得られたポリマーのポリマー特性、紡糸特性、
得られた糸の糸物性、染色性、耐光堅牢性、耐ア
ルカリ性を第6表に示した。
【表】
比較例
ジメチル(5―ナトリウム)スルホイソフタレ
ートを2.0モル%としたこと、及びグリコールを
添加しないことの外は実施例1と同様な方法で溶
融重縮合反応を行なつた。得られたポリマ特性は
極限粘度が0.56、融点は254℃であつた。このポ
リマを実施例1と同様な方法で製糸を行なつて得
た糸の糸物性は重合度85、強度が4.1g/d、伸
度33%であり、この糸の染色性は45%、耐光堅牢
性は4級、耐アルカリ性は215gであつた。糸物
性、耐光堅牢性、耐アルカリ性は満足できるレベ
ルであつたが、染色性が不満足であつた。 実施例 4 実施例1、実験No.2のポリマーを用いて、紡糸
条件を変更して製糸を行なつた。なお延伸条件は
第3表と同じとした。製糸性および得られた延伸
糸特性の結果を第7表に表示した。 なお、第7表における延伸優等率は1Kg巻の未
延伸糸を10本延伸した時の、延伸時の糸切れ、単
糸切れ、毛羽などの欠点が発生しなかつた延伸糸
の本数の割合で表わした。
ートを2.0モル%としたこと、及びグリコールを
添加しないことの外は実施例1と同様な方法で溶
融重縮合反応を行なつた。得られたポリマ特性は
極限粘度が0.56、融点は254℃であつた。このポ
リマを実施例1と同様な方法で製糸を行なつて得
た糸の糸物性は重合度85、強度が4.1g/d、伸
度33%であり、この糸の染色性は45%、耐光堅牢
性は4級、耐アルカリ性は215gであつた。糸物
性、耐光堅牢性、耐アルカリ性は満足できるレベ
ルであつたが、染色性が不満足であつた。 実施例 4 実施例1、実験No.2のポリマーを用いて、紡糸
条件を変更して製糸を行なつた。なお延伸条件は
第3表と同じとした。製糸性および得られた延伸
糸特性の結果を第7表に表示した。 なお、第7表における延伸優等率は1Kg巻の未
延伸糸を10本延伸した時の、延伸時の糸切れ、単
糸切れ、毛羽などの欠点が発生しなかつた延伸糸
の本数の割合で表わした。
【表】
本発明はポリマ組成、重合度及び紡糸条件を厳
密にコントロール、組みあわせることであり、本
発明により初めて糸強度が4g/d以上と高強度
でかつ耐アルカリ性、染色性、染色物の耐光堅牢
性に優れた塩基性染料可染型の改質ポリエステル
繊維が工業的に安定して製造できる。
密にコントロール、組みあわせることであり、本
発明により初めて糸強度が4g/d以上と高強度
でかつ耐アルカリ性、染色性、染色物の耐光堅牢
性に優れた塩基性染料可染型の改質ポリエステル
繊維が工業的に安定して製造できる。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 1.3〜1.8モル%の金属スルホネート基を含有
するイソフタル酸成分と0.5〜1.9重量%の分子量
400〜6000のグリコール成分を共重合しており、
かつ重合度が82〜105である改質ポリエステルを、
下記の各式を満足する条件下で紡糸した後、延伸
し、重合度85〜100の繊維とすることを特徴とす
る改質ポリエステル繊維の製造方法。 ズリ速度(γ〓)≦104sec-1 ドラフト≦250 口金背面圧(p)≧40Kg/cm2 ズリ応力(τ)≦(Q+0.7) ×107dyne/cm2 (Qは単孔当り吐出量g/min.hole) 2 分子量が400〜6000であるグリコール成分が
下式で示されるポリアルキレングリコールである
ことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の改
質ポリエステル繊維の製造方法。 A(CnH2nO)mH (AはClH2l+1O又はOH,lは1〜10,nは
2〜5,mは3〜100)
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18523987A JPS63120111A (ja) | 1987-07-23 | 1987-07-23 | 改質ポリエステル繊維の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18523987A JPS63120111A (ja) | 1987-07-23 | 1987-07-23 | 改質ポリエステル繊維の製造方法 |
Related Parent Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP57118440A Division JPS5926521A (ja) | 1982-07-09 | 1982-07-09 | 改質ポリエステル繊維およびその製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS63120111A JPS63120111A (ja) | 1988-05-24 |
| JPH0120248B2 true JPH0120248B2 (ja) | 1989-04-14 |
Family
ID=16167323
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP18523987A Granted JPS63120111A (ja) | 1987-07-23 | 1987-07-23 | 改質ポリエステル繊維の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS63120111A (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4759491B2 (ja) * | 2006-11-01 | 2011-08-31 | 株式会社ミツトヨ | マニピュレータ |
Family Cites Families (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5184926A (ja) * | 1975-01-23 | 1976-07-24 | Toyo Boseki | Horiesuteruseninoseizoho |
| JPS5928672B2 (ja) * | 1975-05-20 | 1984-07-14 | 株式会社クラレ | 改質ポリエステル繊維 |
| JPS5291916A (en) * | 1976-01-29 | 1977-08-02 | Toray Ind Inc | Melt spinning of polyester |
| JPS5926521A (ja) * | 1982-07-09 | 1984-02-10 | Toray Ind Inc | 改質ポリエステル繊維およびその製造方法 |
-
1987
- 1987-07-23 JP JP18523987A patent/JPS63120111A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS63120111A (ja) | 1988-05-24 |
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