JPH0122347B2 - - Google Patents
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- JPH0122347B2 JPH0122347B2 JP28396385A JP28396385A JPH0122347B2 JP H0122347 B2 JPH0122347 B2 JP H0122347B2 JP 28396385 A JP28396385 A JP 28396385A JP 28396385 A JP28396385 A JP 28396385A JP H0122347 B2 JPH0122347 B2 JP H0122347B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- treatment
- stage
- alloy
- strength
- less
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired
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- Preventing Corrosion Or Incrustation Of Metals (AREA)
Description
産業上の利用分野
この発明は、例えばオートバイリム、スキース
トツク、硬式バツト、車輌あるいは航空機用材等
に使用されるアルミニウム合金、特にAl―Zn―
Mg合金またはAl―Zn―Mg―Cu合金である7000
系アルミニウム合金について、強度、耐応力腐食
割れ性の改善のための熱処理方法に関するもので
ある。 従来の技術と発明の課題 7000系アルミニウム合金は、一般的に機機的性
質や溶接性が優れていることから、前記のような
用途のほか各種溶接構造材として広く使用されて
いる。 しかしながら、この種の合金は、一般的に高強
度になるに従つて応力腐食割れを生じ易いものと
なる傾向を示し、特に最大強度の得られるT6調
質状態において応力腐食割れ感受性が高いものと
なる本質的な欠点がある。このため、特に高強
度、高耐応力腐食割れ性、加工性等が同時に要求
されるような用途、例えばオートバイリムのよう
な用途において、充分な満足を与えることができ
なかつた。 従来、7000系アルミニウム合金において、上記
のような諸性質の改善のためには、主として合金
の成分組成の面から種々の検討が加えられてきた
(例えば特開昭58−1050など)。しかし、前記のよ
うに合金組成の面から強度の改善を企図すると、
反面、耐応力腐食割れ性が劣化するというジレン
マがあり、このため最近では時効処理条件によつ
て耐応腐食割れ性を改善する試みが注目されてい
る。しかし、この場合においても、耐応力腐食割
れ性を改善すると、一方において強度の損失を招
き、強度と耐応力腐食割れ性の両者を同時に満足
することは極めて困難であつた。 このような問題点に対し、米国特許3856584号
明細書によれば、7075合金等の7000系アルミニウ
ム合金について、これを溶体化処理後、約121℃
で約24時間のT6時効処理を施し、次いで200〜
260℃×2〜3秒から2〜3分の条件で退化熱処
理(retrogression heat Treatment)を行い、
そして更に115〜125℃で16〜48時間の再時効処理
を施すことにより、T6材相当の強度を維持しな
がらT7材に匹敵する耐応力腐食割れ性が得られ
る旨の報告がなされている。この熱処理法は、未
だ一般的呼称ではないがRetrogression and
reagingの語からRRA処理法とも称され、実験レ
ベルではその有効性が認められているところでは
あるが、未だ実用技術に至つていないのが現状で
ある。この実用化を阻んでいる最大かつ唯一の原
因は、2段目の復元処理(退化熱処理)があまり
にも短いことである。即ち同米国特許明細書にも
記載されているように、200℃で90〜120秒、220
℃で15〜60秒、240℃で15秒、260℃で7秒と、い
ずれも極めて短時間であり、その正確なコントロ
ールが現場作業において困難なことにある。 そこで、本発明者らは、上記RRA処理法の実
用技術化をはかることを企画して、種々実験と研
究を繰返したところ、次のような新たな知見を得
るに至つた。 即ち、対象合金として7475合金を用い、これを
第1段予備時効処理として通常のT6処理(120℃
×24時間)を施すと、到達硬度はビツカース硬度
Hv=186程度になる。そして、これを200℃で第
2段目の復元処理を施すと、第1図の曲線イに示
すように該処理時間約3〜4分で硬度は最小値を
示したのち、10分をこえて30分に至るまでの間に
二次硬化して二次ピークを生じる。しかもこの復
元処理の後、T6処理相当の120℃×24時間の第3
段再時効処理を施すと、第1図曲線ロに示すよう
に上記復元処理において生じた二次ピーク近傍ま
での処理時間による処理材は、ほぼ完全にT6材
相当の強度を回復するばかりか、むしろ上記二次
ピーク近傍の処理材においては第1図曲線ハに示
すように耐応力腐食割れ性の改善効果に大きい値
を示すものとなることを解明し得た。 この発明は、この解明を基礎として、2段目の
復元処理時間を既知であるRRA処理法よりも長
いものとなしうることの可能性を見出し、もつ
て、7000系アルミニウム合金について高強度を維
持しながら耐応力腐食割れ性に優れたものとなし
うる一段と有用な熱処理方法を提供することに成
功をおさめ得たものである。 問題点を解決する為の手段 この発明は、Al―Zn―Mg系またはAl―Zn―
Mg―Cu系合金を処理対象合金とし、該合金を溶
体化処理後、温度50〜160℃で1〜100時間の第1
段予備時効処理を施し、次いで温度160〜220℃の
範囲でかつ第1段予備時効処理温度より高い温度
で5〜120分の第2段復元処理を施したのち、更
に90〜160℃で4〜100時間の第3段再時効処理を
施すことを特徴とする7000系アルミニウム合金の
熱処理方法を要旨とする。 以下、これを更に詳しく、かつ具体的に説明す
る。 〔処理対象合金〕 この発明の対象とする合金は、熱処理型で高強
度を実現しうる7000系アルミニウム合金、即ち
Al―Zn―Mg系、またはこれにCuを加えたAl―
Zn―Mg―Cu系合金である。 特に高強度とともに高加工性、高耐応力腐食割
れ性の要求されるオートバイリムに使用されるよ
うな材料としては、高Zn含有のものを用いるこ
とが望ましい。従つて、最も好適な処理対象合金
の組成としては、Zn:4〜12%、Mg:0.5〜3
%、Cu:1.0%未満を含有し、かつ必要に応じて
B:0.01%以下、Mn:0.8%以下、Cr:0.4%以
下、Zr:0.25%以下、V:0.25%以下、Ti:0.2%
以下のうちの1種または2種以上を含有し、残部
がアルミニウム及び不可避不純物からなるアルミ
ニウム合金を挙げることができる。 ここに、Znは強度を向上させるための最も重
要な元素であり、好適には4%以上、更に好まし
くは6.5%以上含有せしめることが望ましいが、
12%をこえて過多に含有するときは、耐応力腐食
割れ性の点で品質劣化を招く。 Mgは、これもZnと同じく強度の向上に重要な
元素であり、含有量が0.5%未満では充分な強度
が得られず、また3%を超えて含有されると応力
腐食割れが発生し易くなり、熱間加工性が劣化す
る。 Cuは、耐応力腐食割れ性の改善に有効であり、
添加した方が望ましいが、1.0%以上含有すると
熱間加工性及び冷間加工性が劣化する。 その他、B、Mn、Cr、Zr、V、Tiは、結晶粒
の微細化、従つて組成安定化のために有効な元素
であり、必要に応じて添加され得るが、過多に含
有すると巨大化合物が発生する可能性があるた
め、B:0.01%以下、Mn:0.8%以下、Cr:0.4%
以下、Zr:0.25%以下、V:0.25%以下、Ti:0.2
%以下の含有量に規制される。 〔溶体化処理と第1段予備時効処理〕 溶体化処理は、従来の常法に従つて行えば良
く、この溶体化処理後、第1段予備時効処理を施
す。 この予備時効処理は、最も高い強度が得られる
T6時効処理に代表されるが、もとよりこれに限
定されるものではなく、T6時効処理の70%以上
程度の強度が得られる時効処理であればこの発明
の効果を得ることができるものであり、所謂亜時
効(under aging)、あるいは過時効(over
aging)の状態で実施しても良い。 もつとも、この発明の好ましい処理対象合金
は、Cuの含有量が1.0%未満と比較的低いもので
あることに基づき、高温で処理することは強度低
下が著しいものとなることから好ましくなく、比
較的低い温度で処理するべきであり、更には、予
備時効処理を前段と後段の2段階に分けて行うも
のとすることが推奨される。 従つて、この第1段時効処理の処理条件として
は、温度50〜160℃で1〜100時間の範囲に規定さ
れるが、好ましくは、前段と後段の2段階に分
け、前段予備時効処理を50〜130℃で行い、後段
予備時効処理を相対的に高温の100〜160℃で行う
ものとするのが良い。この場合の更に最も好適な
予備時効処理温度は、前段70〜100℃、後段100〜
160℃であり、時間はそれぞれの設定温度で最も
高い強度が得られる時間とする。 〔第2段復元処理〕 第2段復元処理は、退化熱処理
(retrogression heat treatment)とも称しうる
もので、材料中の析出相あるいは析出準備段階の
相が一部固溶するような条件に加熱保持し、それ
らが完全に固溶しきらないうちに冷却するもので
ある。従つて、処理温度と時間とは相関関係をも
つものであり、具体的には160〜220℃で5〜120
分の範囲に規定される。 温度が160℃未満では復元効果を得ることが困
難であり、この発明の所期効果を実現し得ない。
一方、220℃をこえる温度では、300℃程度までな
ら復元効果を得ることに対して支障はないが、処
理時間があまりにも短い秒単位のものとなるため
特にこの発明の所期目的から逸脱する結果とな
る。この意味からこの発明においては、処理時間
も現場作業管理を容易に行いうる5分以上の範囲
に規定されるものである。他方、上記温度範囲に
おいて処理時間が120分をこえると、その処理材
を再時効しても強度が回復せず。この発明の目的
を達成することができない。 最も好適な復元処理条件は、概ね170〜200℃で
10〜80分の範囲である。 この発明における第2段復元処理の上記限定範
囲を、更に分かり易く第1図の曲線イに基づいて
説明すると、この発明に規定される処理時間は、
上記範囲内の所定温度で加熱処理した場合に、処
理材の硬さ(強度)が、いつたん減少したのち増
加しはじめるときの時間から、二次ピークを過ぎ
てその後再び低下し、T73処理材の強度を下回ら
ない強度が得られるまでの時間、もしくは第3段
再時効処理後の材料に73処理材の強度を下回らな
い強度が得られるまでの時間を規定するものであ
る。そして、最も好適な処理条件範囲は、上記曲
線イの二次ピーク近傍の範囲を意味するものであ
る。 〔第3段再時効処理〕 この再時効処理は、基本的には第1段予備時効
処理による強度を回復させるものである。従つて
その処理条件も第1段予備時効処理条件に準じ、
温度90〜160℃の範囲で処理するが、充分な強度
を得るために処理時間は最低として4時間以上は
必要であり、4〜100時間とする。最も好ましい
のは、最高強度が得られるT6処理条件に従うの
が有利であるが、許容範囲としては最高強度が得
られる処理時間の約半分から3倍程度までの時間
が許容される。 第3段再時効処理条件の好適範囲は110〜130℃
×24〜48時間である。 発明の効果 この発明によれば、前述のような条件に従う熱
処理方法の実施により、7000系アルミニウム合金
について、高強度を維持しながら、耐応力腐食割
れ性にも優れたものとすることができる。殊に、
従来既知である前述したRRA処理法との比較に
おいて、この発明においては、第2段復元処理の
時間を充分に長く、かつ許容差範囲の大きいもの
にすることができることによつて、工業的実施の
場面における現場での作業管理が容易なものとな
り、実用化適性に一段と優れたものとなし得る。
しかも、従来のRRA処理に較べて、合金強度を
低下させることなく、むしろ耐応力腐食割れ性の
一段の向をはかることができると共に、よしんば
処理条件によつて強度の2〜3%低下を見る場合
にあつても、これを補つて充分なほどに耐応力腐
食割れ性の顕著な向上効果を得ることができ、合
金の成分組成の選定と共にこの発明の熱処理の実
施により、高強度、高耐応力腐食割れ性の同時に
要求される用途への7000系合金の適用範囲を一段
と拡大しうる。 実施例 処理対象の供試材合金として、Zn量の多い下
記第1表に示す組成の7000系合金を用いた。
トツク、硬式バツト、車輌あるいは航空機用材等
に使用されるアルミニウム合金、特にAl―Zn―
Mg合金またはAl―Zn―Mg―Cu合金である7000
系アルミニウム合金について、強度、耐応力腐食
割れ性の改善のための熱処理方法に関するもので
ある。 従来の技術と発明の課題 7000系アルミニウム合金は、一般的に機機的性
質や溶接性が優れていることから、前記のような
用途のほか各種溶接構造材として広く使用されて
いる。 しかしながら、この種の合金は、一般的に高強
度になるに従つて応力腐食割れを生じ易いものと
なる傾向を示し、特に最大強度の得られるT6調
質状態において応力腐食割れ感受性が高いものと
なる本質的な欠点がある。このため、特に高強
度、高耐応力腐食割れ性、加工性等が同時に要求
されるような用途、例えばオートバイリムのよう
な用途において、充分な満足を与えることができ
なかつた。 従来、7000系アルミニウム合金において、上記
のような諸性質の改善のためには、主として合金
の成分組成の面から種々の検討が加えられてきた
(例えば特開昭58−1050など)。しかし、前記のよ
うに合金組成の面から強度の改善を企図すると、
反面、耐応力腐食割れ性が劣化するというジレン
マがあり、このため最近では時効処理条件によつ
て耐応腐食割れ性を改善する試みが注目されてい
る。しかし、この場合においても、耐応力腐食割
れ性を改善すると、一方において強度の損失を招
き、強度と耐応力腐食割れ性の両者を同時に満足
することは極めて困難であつた。 このような問題点に対し、米国特許3856584号
明細書によれば、7075合金等の7000系アルミニウ
ム合金について、これを溶体化処理後、約121℃
で約24時間のT6時効処理を施し、次いで200〜
260℃×2〜3秒から2〜3分の条件で退化熱処
理(retrogression heat Treatment)を行い、
そして更に115〜125℃で16〜48時間の再時効処理
を施すことにより、T6材相当の強度を維持しな
がらT7材に匹敵する耐応力腐食割れ性が得られ
る旨の報告がなされている。この熱処理法は、未
だ一般的呼称ではないがRetrogression and
reagingの語からRRA処理法とも称され、実験レ
ベルではその有効性が認められているところでは
あるが、未だ実用技術に至つていないのが現状で
ある。この実用化を阻んでいる最大かつ唯一の原
因は、2段目の復元処理(退化熱処理)があまり
にも短いことである。即ち同米国特許明細書にも
記載されているように、200℃で90〜120秒、220
℃で15〜60秒、240℃で15秒、260℃で7秒と、い
ずれも極めて短時間であり、その正確なコントロ
ールが現場作業において困難なことにある。 そこで、本発明者らは、上記RRA処理法の実
用技術化をはかることを企画して、種々実験と研
究を繰返したところ、次のような新たな知見を得
るに至つた。 即ち、対象合金として7475合金を用い、これを
第1段予備時効処理として通常のT6処理(120℃
×24時間)を施すと、到達硬度はビツカース硬度
Hv=186程度になる。そして、これを200℃で第
2段目の復元処理を施すと、第1図の曲線イに示
すように該処理時間約3〜4分で硬度は最小値を
示したのち、10分をこえて30分に至るまでの間に
二次硬化して二次ピークを生じる。しかもこの復
元処理の後、T6処理相当の120℃×24時間の第3
段再時効処理を施すと、第1図曲線ロに示すよう
に上記復元処理において生じた二次ピーク近傍ま
での処理時間による処理材は、ほぼ完全にT6材
相当の強度を回復するばかりか、むしろ上記二次
ピーク近傍の処理材においては第1図曲線ハに示
すように耐応力腐食割れ性の改善効果に大きい値
を示すものとなることを解明し得た。 この発明は、この解明を基礎として、2段目の
復元処理時間を既知であるRRA処理法よりも長
いものとなしうることの可能性を見出し、もつ
て、7000系アルミニウム合金について高強度を維
持しながら耐応力腐食割れ性に優れたものとなし
うる一段と有用な熱処理方法を提供することに成
功をおさめ得たものである。 問題点を解決する為の手段 この発明は、Al―Zn―Mg系またはAl―Zn―
Mg―Cu系合金を処理対象合金とし、該合金を溶
体化処理後、温度50〜160℃で1〜100時間の第1
段予備時効処理を施し、次いで温度160〜220℃の
範囲でかつ第1段予備時効処理温度より高い温度
で5〜120分の第2段復元処理を施したのち、更
に90〜160℃で4〜100時間の第3段再時効処理を
施すことを特徴とする7000系アルミニウム合金の
熱処理方法を要旨とする。 以下、これを更に詳しく、かつ具体的に説明す
る。 〔処理対象合金〕 この発明の対象とする合金は、熱処理型で高強
度を実現しうる7000系アルミニウム合金、即ち
Al―Zn―Mg系、またはこれにCuを加えたAl―
Zn―Mg―Cu系合金である。 特に高強度とともに高加工性、高耐応力腐食割
れ性の要求されるオートバイリムに使用されるよ
うな材料としては、高Zn含有のものを用いるこ
とが望ましい。従つて、最も好適な処理対象合金
の組成としては、Zn:4〜12%、Mg:0.5〜3
%、Cu:1.0%未満を含有し、かつ必要に応じて
B:0.01%以下、Mn:0.8%以下、Cr:0.4%以
下、Zr:0.25%以下、V:0.25%以下、Ti:0.2%
以下のうちの1種または2種以上を含有し、残部
がアルミニウム及び不可避不純物からなるアルミ
ニウム合金を挙げることができる。 ここに、Znは強度を向上させるための最も重
要な元素であり、好適には4%以上、更に好まし
くは6.5%以上含有せしめることが望ましいが、
12%をこえて過多に含有するときは、耐応力腐食
割れ性の点で品質劣化を招く。 Mgは、これもZnと同じく強度の向上に重要な
元素であり、含有量が0.5%未満では充分な強度
が得られず、また3%を超えて含有されると応力
腐食割れが発生し易くなり、熱間加工性が劣化す
る。 Cuは、耐応力腐食割れ性の改善に有効であり、
添加した方が望ましいが、1.0%以上含有すると
熱間加工性及び冷間加工性が劣化する。 その他、B、Mn、Cr、Zr、V、Tiは、結晶粒
の微細化、従つて組成安定化のために有効な元素
であり、必要に応じて添加され得るが、過多に含
有すると巨大化合物が発生する可能性があるた
め、B:0.01%以下、Mn:0.8%以下、Cr:0.4%
以下、Zr:0.25%以下、V:0.25%以下、Ti:0.2
%以下の含有量に規制される。 〔溶体化処理と第1段予備時効処理〕 溶体化処理は、従来の常法に従つて行えば良
く、この溶体化処理後、第1段予備時効処理を施
す。 この予備時効処理は、最も高い強度が得られる
T6時効処理に代表されるが、もとよりこれに限
定されるものではなく、T6時効処理の70%以上
程度の強度が得られる時効処理であればこの発明
の効果を得ることができるものであり、所謂亜時
効(under aging)、あるいは過時効(over
aging)の状態で実施しても良い。 もつとも、この発明の好ましい処理対象合金
は、Cuの含有量が1.0%未満と比較的低いもので
あることに基づき、高温で処理することは強度低
下が著しいものとなることから好ましくなく、比
較的低い温度で処理するべきであり、更には、予
備時効処理を前段と後段の2段階に分けて行うも
のとすることが推奨される。 従つて、この第1段時効処理の処理条件として
は、温度50〜160℃で1〜100時間の範囲に規定さ
れるが、好ましくは、前段と後段の2段階に分
け、前段予備時効処理を50〜130℃で行い、後段
予備時効処理を相対的に高温の100〜160℃で行う
ものとするのが良い。この場合の更に最も好適な
予備時効処理温度は、前段70〜100℃、後段100〜
160℃であり、時間はそれぞれの設定温度で最も
高い強度が得られる時間とする。 〔第2段復元処理〕 第2段復元処理は、退化熱処理
(retrogression heat treatment)とも称しうる
もので、材料中の析出相あるいは析出準備段階の
相が一部固溶するような条件に加熱保持し、それ
らが完全に固溶しきらないうちに冷却するもので
ある。従つて、処理温度と時間とは相関関係をも
つものであり、具体的には160〜220℃で5〜120
分の範囲に規定される。 温度が160℃未満では復元効果を得ることが困
難であり、この発明の所期効果を実現し得ない。
一方、220℃をこえる温度では、300℃程度までな
ら復元効果を得ることに対して支障はないが、処
理時間があまりにも短い秒単位のものとなるため
特にこの発明の所期目的から逸脱する結果とな
る。この意味からこの発明においては、処理時間
も現場作業管理を容易に行いうる5分以上の範囲
に規定されるものである。他方、上記温度範囲に
おいて処理時間が120分をこえると、その処理材
を再時効しても強度が回復せず。この発明の目的
を達成することができない。 最も好適な復元処理条件は、概ね170〜200℃で
10〜80分の範囲である。 この発明における第2段復元処理の上記限定範
囲を、更に分かり易く第1図の曲線イに基づいて
説明すると、この発明に規定される処理時間は、
上記範囲内の所定温度で加熱処理した場合に、処
理材の硬さ(強度)が、いつたん減少したのち増
加しはじめるときの時間から、二次ピークを過ぎ
てその後再び低下し、T73処理材の強度を下回ら
ない強度が得られるまでの時間、もしくは第3段
再時効処理後の材料に73処理材の強度を下回らな
い強度が得られるまでの時間を規定するものであ
る。そして、最も好適な処理条件範囲は、上記曲
線イの二次ピーク近傍の範囲を意味するものであ
る。 〔第3段再時効処理〕 この再時効処理は、基本的には第1段予備時効
処理による強度を回復させるものである。従つて
その処理条件も第1段予備時効処理条件に準じ、
温度90〜160℃の範囲で処理するが、充分な強度
を得るために処理時間は最低として4時間以上は
必要であり、4〜100時間とする。最も好ましい
のは、最高強度が得られるT6処理条件に従うの
が有利であるが、許容範囲としては最高強度が得
られる処理時間の約半分から3倍程度までの時間
が許容される。 第3段再時効処理条件の好適範囲は110〜130℃
×24〜48時間である。 発明の効果 この発明によれば、前述のような条件に従う熱
処理方法の実施により、7000系アルミニウム合金
について、高強度を維持しながら、耐応力腐食割
れ性にも優れたものとすることができる。殊に、
従来既知である前述したRRA処理法との比較に
おいて、この発明においては、第2段復元処理の
時間を充分に長く、かつ許容差範囲の大きいもの
にすることができることによつて、工業的実施の
場面における現場での作業管理が容易なものとな
り、実用化適性に一段と優れたものとなし得る。
しかも、従来のRRA処理に較べて、合金強度を
低下させることなく、むしろ耐応力腐食割れ性の
一段の向をはかることができると共に、よしんば
処理条件によつて強度の2〜3%低下を見る場合
にあつても、これを補つて充分なほどに耐応力腐
食割れ性の顕著な向上効果を得ることができ、合
金の成分組成の選定と共にこの発明の熱処理の実
施により、高強度、高耐応力腐食割れ性の同時に
要求される用途への7000系合金の適用範囲を一段
と拡大しうる。 実施例 処理対象の供試材合金として、Zn量の多い下
記第1表に示す組成の7000系合金を用いた。
【表】
上記アルミニウム合金を常法による溶体化処理
後、第1段予備時効処理を前段90℃×4時間、後
段130℃×20時間の2段階に分けて行つた。 次いで、この処理材を、第2表に示すように温
度160℃、180℃、200℃、240℃、260℃の各種処
理温度で、かつ時間を1〜120分の範囲に変えて
第2段復元処理を行つた。 続いて、更にこの各種処理材を、120℃×24時
間の条件で第3段再時効処理を施した。 そして、上記により得られた各試料につき、機
械的性質としてその引張り強さ、0.2%耐力、伸
びを調べると共に、また耐応力腐食割れ性を調べ
た。この耐応力腐食割れ性(耐SCC)の試験は、 試験液:CrO3:36g/ K2CrO7:30g/ NaC:3g/ 温 度: 95℃以上 試験片:フラツシユバツト溶接部から切り出し
たJIS1号試験片 応 力:20Kgf/mm2 評価基準:割れ発生までの時間 の条件で行つた。 また、比較のため、前記供試料合金を120℃×
24時間で処理したT6処理材、及びT6処理+160
℃×18時間で処理したT73処理材についても、前
記同様にして機械的強度、及び耐応力腐食割れ性
を調べた。 第2表にこれらの測定試験結果を示す。
後、第1段予備時効処理を前段90℃×4時間、後
段130℃×20時間の2段階に分けて行つた。 次いで、この処理材を、第2表に示すように温
度160℃、180℃、200℃、240℃、260℃の各種処
理温度で、かつ時間を1〜120分の範囲に変えて
第2段復元処理を行つた。 続いて、更にこの各種処理材を、120℃×24時
間の条件で第3段再時効処理を施した。 そして、上記により得られた各試料につき、機
械的性質としてその引張り強さ、0.2%耐力、伸
びを調べると共に、また耐応力腐食割れ性を調べ
た。この耐応力腐食割れ性(耐SCC)の試験は、 試験液:CrO3:36g/ K2CrO7:30g/ NaC:3g/ 温 度: 95℃以上 試験片:フラツシユバツト溶接部から切り出し
たJIS1号試験片 応 力:20Kgf/mm2 評価基準:割れ発生までの時間 の条件で行つた。 また、比較のため、前記供試料合金を120℃×
24時間で処理したT6処理材、及びT6処理+160
℃×18時間で処理したT73処理材についても、前
記同様にして機械的強度、及び耐応力腐食割れ性
を調べた。 第2表にこれらの測定試験結果を示す。
【表】
【表】
上表の結果から分かるように。本発明の規定条
件範囲内での熱処理の実施により、第2段復元処
理に5分以上の時間をとりながらも、T6材に相
当の機械的強度を維持しつつ、T76材相当の優れ
た耐応力腐食割れ性を備えた高力アルミニウム合
金を得ることができる。
件範囲内での熱処理の実施により、第2段復元処
理に5分以上の時間をとりながらも、T6材に相
当の機械的強度を維持しつつ、T76材相当の優れ
た耐応力腐食割れ性を備えた高力アルミニウム合
金を得ることができる。
第1図は7000系アルミニウム合金についての第
2段復元処理の時間と到達硬度との相関関係、及
び第3段再時効処理後の到達硬度と耐応力腐食割
れ性の変化の状態を示す模式図である。 イ…第2段復元処理時間と到達硬度との変化状
態を示す曲線、ロ…第3段再時効処理後の到達硬
度の変化状態を示す曲線、ハ…第3段再時効処理
後の応力腐食割れ寿命の変化状態を示す曲線。
2段復元処理の時間と到達硬度との相関関係、及
び第3段再時効処理後の到達硬度と耐応力腐食割
れ性の変化の状態を示す模式図である。 イ…第2段復元処理時間と到達硬度との変化状
態を示す曲線、ロ…第3段再時効処理後の到達硬
度の変化状態を示す曲線、ハ…第3段再時効処理
後の応力腐食割れ寿命の変化状態を示す曲線。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 Al―Zn―Mg系またはAl―Zn―Mg―Cu系合
金を処理対象合金とし、該合金を溶体化処理後、
温度50〜160℃で1〜100時間の第1段予備時効処
理を施し、次いで温度160〜220℃の範囲でかつ第
1段予備時効処理温度より高い温度で5〜120分
の第2段復元処理を施したのち、更に90〜160℃
で4〜100時間の第3段再時効処理を施すことを
特徴とする7000系アルミニウム合金の熱処理方
法。 2 第1段予備時効処理を、温度50〜130℃で行
う前段予備時効処理と、次いで温度100〜160℃で
行う後段予備時効処理との2段階に分けて行う特
許請求の範囲第1項記載の7000系アルミニウム合
金の熱処理方法。 3 処理対象合金が、Zn:4〜12%、Mg:0.5〜
3%、Cu:1.0%未満を含有し、かつ必要に応じ
てB:0.01%以下、Mn:0.8%以下、Cr:0.4%以
下、Zr:0.25%以下、V:0.25%以下、Ti:0.2%
以下のうちの1種または2種以上を含有し、残部
アルミニウム及び不可避不純物からなる特許請求
の範囲第1項または第2項に記載の7000系アルミ
ニウム合金の熱処理方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP28396385A JPS62142753A (ja) | 1985-12-16 | 1985-12-16 | 7000系アルミニウム合金の熱処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP28396385A JPS62142753A (ja) | 1985-12-16 | 1985-12-16 | 7000系アルミニウム合金の熱処理方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS62142753A JPS62142753A (ja) | 1987-06-26 |
| JPH0122347B2 true JPH0122347B2 (ja) | 1989-04-26 |
Family
ID=17672491
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP28396385A Granted JPS62142753A (ja) | 1985-12-16 | 1985-12-16 | 7000系アルミニウム合金の熱処理方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS62142753A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH101758A (ja) * | 1996-06-13 | 1998-01-06 | Tekunisu:Kk | アルミニウム合金製成形物の製造方法 |
| JP2000039079A (ja) * | 1998-07-23 | 2000-02-08 | Honda Motor Co Ltd | アルミニウム合金製オートマチックトランスミッション用スプール弁 |
| CN111440973A (zh) * | 2020-04-16 | 2020-07-24 | 山东友升铝业有限公司 | 一种改善轮毂开裂用变形铝合金及其加工方法 |
Families Citing this family (10)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US4832758A (en) * | 1973-10-26 | 1989-05-23 | Aluminum Company Of America | Producing combined high strength and high corrosion resistance in Al-Zn-MG-CU alloys |
| US5221377A (en) * | 1987-09-21 | 1993-06-22 | Aluminum Company Of America | Aluminum alloy product having improved combinations of properties |
| US5496426A (en) * | 1994-07-20 | 1996-03-05 | Aluminum Company Of America | Aluminum alloy product having good combinations of mechanical and corrosion resistance properties and formability and process for producing such product |
| US5718780A (en) * | 1995-12-18 | 1998-02-17 | Reynolds Metals Company | Process and apparatus to enhance the paintbake response and aging stability of aluminum sheet materials and product therefrom |
| CN103409710A (zh) * | 2013-07-05 | 2013-11-27 | 中南大学 | 一种Al-Zn-Mg-Cu系铝合金的时效热处理方法 |
| CN103540880B (zh) * | 2013-09-30 | 2015-08-26 | 中国航空工业集团公司北京航空材料研究院 | 一种Al-Zn-Mg-Cu系铝合金增强韧时效方法 |
| JP6351229B2 (ja) * | 2013-10-08 | 2018-07-04 | Sus株式会社 | ボルトの製造方法 |
| CN106255771B (zh) | 2014-04-30 | 2019-11-12 | 美铝美国公司 | 改善的7xx铝铸造合金及其制备方法 |
| JP6690914B2 (ja) * | 2015-10-06 | 2020-04-28 | 昭和電工株式会社 | アルミニウム合金押出材 |
| CN109022963B (zh) * | 2018-08-09 | 2020-10-02 | 中南大学 | 一种提高7000系高强铝合金石油钻探管材料热强性的方法 |
-
1985
- 1985-12-16 JP JP28396385A patent/JPS62142753A/ja active Granted
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH101758A (ja) * | 1996-06-13 | 1998-01-06 | Tekunisu:Kk | アルミニウム合金製成形物の製造方法 |
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| CN111440973A (zh) * | 2020-04-16 | 2020-07-24 | 山东友升铝业有限公司 | 一种改善轮毂开裂用变形铝合金及其加工方法 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS62142753A (ja) | 1987-06-26 |
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