JPH0127769Y2 - - Google Patents
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- JPH0127769Y2 JPH0127769Y2 JP1986113958U JP11395886U JPH0127769Y2 JP H0127769 Y2 JPH0127769 Y2 JP H0127769Y2 JP 1986113958 U JP1986113958 U JP 1986113958U JP 11395886 U JP11395886 U JP 11395886U JP H0127769 Y2 JPH0127769 Y2 JP H0127769Y2
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Description
本考案は超音波エネルギの放射及びその反射を
利用して陰極線管面等に像を描き出す音響映像装
置に関するもので、主として内臓を忠実に描写す
る超音波診断の分野において利用される。 § 本考案の背景 人体内部のリアル・タイム像を写し出すため超
音波システムの開発が近年注目の的となつてい
る。あるシステムにおいては、交流搬送波の短い
電気的パルス信号を対応する圧力波に変換するた
めに、トランスデユーサのアレイが人体に接触配
置される。ここでトランスデユーサへ搬送波パル
スを送出する相対時間を選択するために、各パル
スの圧力波は任意の希望する方向にビーム拡張が
形成される。そして前記ビーム方向は、効率的に
セクタを走査するために変化される。圧力波のパ
ルス信号が人体内を通過し、そして異つた音響特
性の組織に遭遇するために、それらエネルギーの
一部が反射される。受信用トランスデユーサのア
レイは、反射された前記圧力波を対応する電気信
号に変換するために用いられる。 所定の目標に対して受信用素子アレイの集束作
用(focussing)を正確に行わせるには、加算ポ
イント(summing point)において交流電流波
の数サイクル全てが同時に重畳されることが必要
である。ここで前記交流電流波は、当該目標から
反射された圧力波のパルスを検出するトランスデ
ユーサの各々によつて導き出される。したがつて
それぞれ導き出された交流電流波は完全に整列さ
れ、これらが加算されることにより強力な出力信
号が生じる。一方、他の位置からの反射圧力波は
弱い信号を作り出す。何故なら加算ポイントに到
達した対応する電気信号波はその位相がまちまち
(ランダム)であるから、加算しても弱い信号で
ある。すなわち、任意の希望する集束ポイント
(focal point)とさまざまな受信用トランスデユ
ーサとの間の距離は異つているので、反射波がト
ランスデユーサに到達する時間は異つたものとな
る。それ故に、正確な集束を行うには、各トラン
スデユーサと加算ポイントの間に信号の補償用遅
延時間が必要である。したがつて集束ポイントに
おける圧力波の反射と、加算ポイントにおける対
応電気信号波の到着との間の合計時間は、どのト
ランスデユーサが含まれているかにかかわりなく
一定であることが望ましい。前記補償用遅延時間
は必要に応じて変化される。したがつて集束ポイ
ントは、反射されたパルスの各方向に沿つて、最
小レンジから最大レンジにわたり大幅に走査され
る。 いくつかの現存する装置において、補償用遅延
時間の変更は遅延線上のタツプを取り換えること
により達成される。搬送波の数サイクルがそれぞ
れ近似した位相をもつて加算ポイントに到達する
ならば、前記タツプの間隔(時間)は搬送波周期
のごく一部分以上に離すことはできない。補償用
遅延時間の全変化は搬送波周期の多数倍に等しい
ので、必要とされるタツプの数は膨大な数とな
る。ここで補償用遅延時間とは、最小レンジから
最大レンジにわたつて且つ最小セクタ角から最大
セクタ角にわたつて集束するよう設定されている
トランスデユーサに関するものである。使用され
る周波数帯域を考慮すると、比較的高価な電気的
遅延線のみが用いられる。こういつた遅延線に多
くのタツプを備えることは、装置全体のコストの
中で大きな割合を占めることになる。 もし高価なタツプ切り換えスイツチが使用され
ない場合、加算ポイントに到達する信号にかなり
大きな切り換えノイズが生じてしまう。したがつ
て前記信号に基づいて作り出される像にもノイズ
を生じさせることになる。 解像力を増すために搬送周波数を上げると、上
述したコスト及び過渡的ノイズの問題は更に大き
なものとなる。またより良い集束(焦点合わせ)
を得るためにアレイの直径を大きくするか、もし
くは幼児の診察を行なうためにアレイの直径を小
さくした場合もしかりである。 § 考案の簡単な説明 本考案の目的は、遅延線のタツプ間隔を粗く
し、そしてヘテロダイン法により位相コヒーレン
スを得ることにより、上述の欠点を除去せんとす
るものである。すなわち、トランスデユーサのア
レイを最小レンジから最大レンジにかけて近接配
置された遅延線タツプを順次切換え、そして補償
用遅延時間を変化させるという従来装置に代え
て、本発明に係る映像装置は、各々の集束ポイン
トに関連して各トランスデユーサから導き出され
るAC波の位相コヒーレンスをもつて加算ポイン
トに到達させることにより、ダイナミツクな集束
を実行させるものである。本考案によれば、最小
レンジから最大レンジにかけて走査する間、唯一
つの遅延線タツプの設定(多くても2〜3のタツ
プ設定)が任意のトランスデユーサに必要なだけ
になる。したがつてタツプ切り換えに伴う過渡状
態の影響は全くないか、又はほとんど影響を与え
ない。 位相変化は、各トランスデユーサと加算ポイン
トの間のいくつかの点に挿入されている移相器に
よつて行われる。しかし本考案の実施例によれ
ば、位相変化はより単純に且つより廉価に行われ
る。即ち、アレイを一点に集束させるために、異
なる位相を有する発振器からのある特定の出力信
号と、各トランスデユーサから送り出された搬送
波とをヘテロダイン処理することにより位相変化
が行われる。また一定の方向に沿つて配置された
連続ポイントにアレイを集束させるために、特定
の位相を変化させることができる。かくして各々
のトランスデユーサから導き出された中間周波信
号は、大ざつぱに配置された遅延線システムのタ
ツプのひとつに印加される。ここで前記タツプ
は、当該トランスデユーサを正確に集束させるの
に必要な遅延とほぼ似かよつた遅延時間を有す
る。本考案に係るヘテロダイン・システムにおい
て発振器及び位相選択手段はデジタル式にできる
ので、アナログ式発振器及びアナログ式位相選択
手段に比べてより廉価且つより低いノイズ特性に
有することがきる。 局部発振器からの出力周波数を選択することに
より、ミキサ出力に含まれる中間周波側波帯のひ
とつを十分に低い周波数とすることができる。よ
つてより廉価な電気的遅延線を使用することが可
能となる。あるいは前記側波帯のひとつを十分に
高い周波数とすることにより、表面音響波遅延線
(surface acoustic delay line)を使用すること
ができる。これは電気的遅延線に比べて、はるか
に廉価である。前記表面音響波遅延線に関してい
えば、本発明に従つてタツプ間隔をより粗くする
ことができるので設計上の問題を単純化すること
が可能である。何故なら、やつかいな反射源とな
るタツプを省略することができるからである。ど
ちらにしても、反射波を正確に集束させるため
に、本発明による各局部発振器の位相角は、間隔
をあけて配された遅延線タツプから得られる遅延
時間を補正する機能をもつている。したがつて、
本考案によるヘテロダイン方式は従来の遅延線方
式よりも優れている。 他の異つた形式の遅延線を使用する場合はさて
おき、異つた搬送波を用いることができるなら
ば、発振周波数を変化させるだけでよいことがヘ
テロダイン方式の他の利点である。 本考案によればヘテロダイン方式を用いた多く
のシステムを作り出すことができ、これらはそれ
ぞれに利点を有する。更にダブル・ヘテロダイン
方式またはこれに増設された遅延線が用いられ
る。更には、各トランスデユーサの出力信号を、
別個の遅延線に印加する前に、発振器出力信号の
90゜位相成分(quadrature phase)でヘテロダイ
ンの処理をすることができる。どのような実施例
においても、本考案によれば各トランスデユーサ
の出力信号が遅延線に到達する以前にヘテロダイ
ン処理を行い、該ヘテロダイン処理によつて生じ
た中間周波信号の位相を制御し、各方向に沿つて
集束走査(focal scansion)される期間中、各々
のトランスデユーサから導き出される中間周波信
号を唯一つ又は粗い間隔で遅延線上に配置された
わずかのタツプに印加することができる。 なお、他の従来技術としては特開昭52−20857
号がある。しかしながら、この従来技術は、本考
案のように各トランスデユーサの出力中の搬送波
の位相をシフトさせるのではなく、各トランスデ
ユーサの出力を位相検波することにより、各トラ
ンスデユーサ出力のエンベロープを得るものであ
る。 § 一般的考察 第1図は従来技術による超音波システムを説明
した図である。以下第1図を用いて一般的な説明
を行う。図には複数のトランスデユーサから成る
平面アレイ(planar array)2が含まれている。
前記アレイ2は音響パルスを発射し、そして反射
パルスを受信するために用いられる。遅延線4の
一端はトランスデユーサに接続され、また遅延線
4の上に設けられたタツプは加算ポイントSに接
続されている。アレイ2は、検査せんとする内臓
Oを含んだ人体6に接触している。図示されては
いないが、搬送波周波数ωcを有する電気信号の
数サイクルがトランスデユーサに印加される。す
ると前記トランスデユーサからは、搬送波周波数
ωcの超音波パルスが人体6の内部に発射される。
アレイ2に含まれる各トランスデユーサを順次駆
動する相対的タイミングは、音響エネルギー・ビ
ームの波頭(wave front)の形状及びその方向
を決定する。例えばトランスデユーサをアレイ2
の下端から連続的に駆動すると、ビームはアレイ
の中心線とある角度θをなして生じる。したがつ
てほとんどの音響エネルギーは平面フロント
(planar front)を有する波となつている。そし
て前記平面フロント波は破線10及び12で示さ
れた範囲内において、アレイ2から放射される。
音響エネルギー・ビームを形成するかわりに、音
響エネルギー波が曲面フロント(curved front)
を有するようにトランスデユーサを駆動すること
もできる。しかし本考案に関する限り、人体6に
音響エネルギーを放射する特別な方法は重要でな
い。 図示された従来技術によるシステムにおいて、
音響エネルギーのパルスは、角度θをもつて人体
6に放射される。そして受信用アレイ2は、ポイ
ントf1,f2,f3,f4…と最大範囲に達するまで連
続的に焦点合わせを行う。その後、わずかに異つ
た方向へ他のパルスが放射され、アレイはこの新
しい方向に沿つて順次焦点合わせを行う。希望す
るセクタが走査されるまで、このようなプロセス
が繰り返される。音響搬送波の反射パルスがトラ
ンスデユーサに到達すると、該トランスデユーサ
はは対応する電気的搬送波パルスを生じる。そし
て前記パルスは、遅延線4のひとつにより適当に
遅延された後、加算ポイントSにおいて加え合わ
せられる。加算ポイントSの電圧は、陰極線管
(CRT)14の電子ビーム輝度を変調するために
用いられる。CRT14のビームは放射状パスに
追従するよう偏向される。ここで放射状パスは、
アレイ2の集束ポイントによつて走査されるさま
ざまな方向に対応する。 完全な集束を行うには、全トランスデユーサか
ら送り出された電気的信号パルスの搬送波サイク
ル全てが加算ポイントに正確な位相をもつて到達
することが必要である。平面アレイに含まれる各
トランスデユーサが完全な集束を行うのに必要な
遅延時間Th(t)とは、信号X(t)が入力端子
に印加されたとき出力信号X(t−Th(t))を送
り出す遅延時間であると定義される。これを式で
表わすと次の通りとなる。 ここでtはアレイの中心からパルスが伝達する
時間、hはアレイの中心線からトランスデユーサ
までの距離、cは人体内における音響波の平均速
度、θはアレイの中心から集束ポイントへ向う放
射状線とアレイの中心線とのなす角度である。ま
たTpは第(1)式で定義された理想的な遅延時間Th
(t)が負になるのを防止するため、各トランス
デユーサ・チヤンネルに含まれている固定の遅延
時間である。 図示された従来技術によるシステムにおいて、
遅延線タツプが十分に近接しているならば、理想
的な遅延時間Th(t)にほどよく近似させること
ができる。例えば完全な集束を行うために搬送波
周波数を2.5MHzに、そして位相を±22.5゜以内に
保つことが決定されているならば、タツプは50ns
離れていなければならない。この間隔を保つこと
は非常に高価な費用を要する。 § 考案の概念 以下に説明する第2図ないし第4図を用いて本
考案の利点を説明する。 第2図は従来技術によるダイナミツク集束を説
明した図である。内容的には第1図に示したシス
テムと同じであり、トランスデユーサTR1及び
TR2はそれぞれ遅延線D1及びD2の一方端に接続
されている。これら遅延線上のタツプは、搬送波
波長の何分の一かずつ離れている。遅延線D1及
びD2のタツプ・スイツチs1及びs2が理想的な遅延
を生じるように接続されているならば、トランス
デユーサTR1及びTR2からのパルスに含まれる交
流電流の全サイクルは、加算ポイントSに正確な
位相をもつて到達する(波形I2により示されてい
る)。しかし実際のところ、スイツチs1及びs2は
理想的な遅延を提供し得ず、波形ω1及びω2に示
すように理想的な遅延に比べて1サイクルのごく
わずかだけ進むか又は遅れる。しかしこの場合、
波形ω1及びω2は有効に加算されるように十分に
近接した位相を有する。トランスデユーサTR1及
びTR2から発生されたAC波の遅延時間を調節す
ることによつて適当な位相コヒーレンスを確実に
するので、波形ω1及びω2のパルス重複はほぼ100
%となることに注目すべきである。 第3図は本考案の一実施例を説明したブロツク
図であり、位相シフタを用いてダイナミツク集束
を達成せんとする。即ち粗い間隔でタツプが設定
された遅延線と位相シフタとの組み合わせによ
り、集束を行うのに必要な位相コヒーレンスを達
成する。この場合、位相シフタφ1及びφ2はそれ
ぞれトランスデユーサTR1′,TR2′と遅延線D1′,
D2′との間に接続されている。これら遅延線のタ
ツプはパルス重複を考慮して配置されている。し
たがつてまれな場合を除き、タツプ調節だけでは
加算ポイントS′において搬送波サイクルの適切な
位相コヒーレンスを得ることは不可能である。例
えば理想的な遅延時間を有するパルスが波形I3で
示されており、且つスイツチs1′はスイツチs2′よ
り少い遅延時間で設定されているならば、加算ポ
イントS′に到達する信号ω1′及びω2′は図示された
通りの位相関係を有する。しかし両信号間に十分
な重複部分(パルス重複部分ともいう)Oが存在
し、且つ搬送波の位相が位相シフタφ1及びφ2に
よつて適当に調節されているならば、重複部分に
おける超音波のサイクルは有益な信号として加算
される。 第4図は本考案の他の実施例を説明した図で、
ヘテロダイン方式により集束を達成せんとするも
のである。トランスデユーサTR1″及びTR2″は、
それぞれミキサM1及びM2の一方の入力端子に接
続されている。また発振器O1及びO2は、それぞ
れミキサM1及びM2の他方の入力端子に接続され
ている。ミキサM1の出力端子はタツプ・スイツ
チs1″を介して主遅延線MDの一方の入力タツプに
接続されている。また、ミキサM2の出力端子は
タツプ・スイツチs2″を介して前記主遅延線MDの
他方の入力タツプに接続されている。これらタツ
プの間隔は、第3図に示した遅延線上のタツプと
同様である。したがつて、理想的な遅延時間を提
供することは一般的に不可能である。かくして、
理想的な遅延を有するIF波I4が加算ポイントに到
達するならば、ミキサM1及びM2から送り出され
た中間周波信号は加算ポイントS″に異つた時刻
に到達する(図中、波形ω1″及びω2″として示さ
れている)。 本考案の一実施例によれば、信号の重複部分
(パルス重複部分)における中間周波信号の位相
コヒーレンスは、発振器O1及びO2の出力信号の
位相を調節することにより確実にすることができ
る。ここで発振器O1及びO2の出力信号の位相角
は、それぞれΩ1及びΩ2で示される(その大きさ
は後に説明する方法によつて決定される)。 § 位相角の決定 第5A図は従来技術によるトランスデユーサ・
チヤンネルを示す図である。図において電気的信
号は次式で与えられる。 (2) Eh(t)cos(ωct+φh), トランスデユーサ20からの出力信号は遅延線
22により理想的な量Th(t)だけ遅延される。
よつて加算ポイントSに到達する信号は次式で与
えられる。 (3) Eh(t−Th(t))cos〔ωc(t−th(t))−
φh〕 この信号は他のトランスデユーサ・チヤネル
(図示されていない)全てから送り出される信号
と同じ位相を有する。但しそれら遅延線は第(1)式
で示される理想的な遅延を有し、且つその信号が
角度θh、範囲c(t−Tp)/2の位置にある目標
から反射されたパルスである場合に限る。また位
相角φhとは、アレイの中心から放射された音響
搬送波とトランスデユーサに到達する反射音響波
の間の角度をいう。この位相角φhは各トランス
デユーサにより異る。なぜなら音響波は異つた距
離を進行するからである。しかしこの差違は異つ
たTh(t)の値により正確に補償することができ
る。 通常は行われないが、加算ポイントSにおいて
加え合わせられた全てのチヤネル信号をミキサM
に印加するものとする。前記ミキサMにおいて、
前記加算された信号は発振器Oから送り出された
信号(cos ωpt)によりヘテロダイン処理され
る。発振器Oの出力信号はその周波数を任意に変
えることができるので、全ての信号情報は各々の
側波帯に含まれる。もしトランスデユーサに対応
するミキサMの出力信号を他の信号から分離する
ことができるならば、次に示される上側波帯
(U.S.B)及び下側波帯(L.S.B)が含まれる。 (4) U.S.B=1/2Eh(t−Th(t))×cos{ωpt+
〔ωc(t−Th(t))−φh〕} (5) L.S.B=1/2Eh(t−Th(t))×cos〔ωpt−
〔ωc(t−Th(t)+φh〕} この方法によるヘテロダイン処理は、位相コヒ
ーレンスを妨げない。したがつて全チヤンネルの
上側波帯(U.S.B)は全て第(4)式で示される位相
角を有し、また下側波帯(L.S.B)は第(5)式で示
される位相角を有する。 既に指摘したように、本考案に係る一実施例で
は、遅延線路に到達する以前にトランスデユーサ
からの信号をヘテロダイン処理することが必要で
ある。遅延線出力端において同相となる上側波帯
又は下側波帯(第5A図参照)のいずれか一方を
発生するためにヘテロダイン処理が行われるなら
ば、必要とされる位相コヒーレンスは容易に得ら
れる。 第5B図は、本考案の一実施例によるトランス
デユーサ・チヤネルを示した図である。なお、第
5A図と同一要素に関しては同じ文字又はダツシ
ユをつける。トランスデユーサ20′から送り出
された信号は第(2)式に示された信号と同じであ
る。第5A図と本図との本質的な違いは、トラン
スデユーサ20′と遅延線22′との間にミキサ
M′が挿入されていることである。また図示され
た発振器O′はθh(t)の位相角を有するが、第5
A図に示された発振器Oの位相角は零である。位
相角を計算する場合、全サイクル数は無視され、
そして2πラジアンの余り(modulo2πラジアン)、
すなわち残された1サイクルの一部が位相角を決
定する。以下の場合、位相角が等しいということ
は残された1サイクルの一部の同一性を説明しな
ければならない。本発明において (6) θh(t−Th(t))=ωpTh(t) ならば、第5B図の加算ポイントS′における上
側波帯及び下側波帯は、第5A図におけるミキサ
Mの出力端子における上側波帯及び下側波帯と同
じである(第(4)式及び第(5)式参照)。チヤネルh
における位相角θh(t)を全チヤネルに用いるこ
とにより、全チヤンネルの上側波帯を加算ポイン
トS′において同相とすることができる。下側波帯
についても同様である。本発明の実際的利点は、
各々の側波帯に全ての信号情報が含まれていると
いうことである。したがつて遅延線はこれら側波
帯の一方のみを通過させればよいことになる。 第5C図及び第5D図は、本考案の他の実施例
によるトランスデユーサ・チヤネルを示す図であ
る。これら両図において用いられる遅延Th*(t)
は第5B図における理想的な遅延Th(t)と異な
る。両図においてトランスデユーサ信号Eh(t)
cos(ωct+φh)は、発振器の出力信号cos(ωpt
+Ωh(t))でヘテロダイン処理される。しかし
位相角Ωh(t)の定義は異つている。 第5C図において、Ωh(t)は次式を満たすよ
う定義される。 (7) Ωh(t−Th*(t))=ωpTh*(t)+ωc〔Th
(t)−Th*(t)〕 図示された如く、加算ポイントS″における下
側波帯の位相は、第5A図及び第5B図に示され
た下側波帯の位相(第(5)式参照)と同じである。
それ故に全トランスデユーサ・チヤネルの下側波
帯は第5C図に示される如く、加算ポイント
S″において正確に同相となる。しかし第5C図
における上側波帯は次式で与えられることに注目
すべきである。 (8) 1/2Eh(t−Th*(t))cos〔ωpt+〔ωc(t−
Th(t))+φh〕+2ωc〔Th(t)−Th*(t)〕} 上式は第(4)式で示された上側波帯(第5A図及
び第5B図に該当する)とは異つており、位相項
の+2ωc〔Th(t)−Th*(t)〕が余分に含されて
いる。即ち加算ポイントS″における上側波帯は
同相とならない。従つて下側波帯のみが使用され
る。 第5C図における側波帯の包絡線1/2Eh(t−
Th*(t))は、第5A図及び第5B図における側
波帯の包絡線1/2Eh(t−Th(t))とは異つてい
る。即ち時間シフト〔Th(t)−Th*(t)〕だけ
異つている。この包絡線時間遅延における差異
は、本来トランスデユーサ・チヤネル間の位相コ
ヒーレンスに影響を及ぼすものでなく、パルス重
複部分の量に影響を与えるものである。 第5D図において、Ωh(t)は次式を満たすよ
う定義される。 (9) Ωh(t−Th*(t)=ωpTh*(t)−ωc〔Th(t
)
−Th*(t)〕, 上式の右辺は第(7)式の右辺と異つており、2項
間のプラス符号がマイナスとなつている。図示さ
れる如く上側波帯の位相は、第5A図及び第5B
図における上側波帯(第(4)式参照)の位相と同じ
である。したがつて全トランスデユーサ・チヤネ
ルの上側波帯は第5D図に示される如く、加算ポ
イントSにおいて正確に位相が一致する。しか
し、第5D図における下側波帯は次式で示され
る。 (10) 1/2Eh(t−Th*(t))cos〔ωpt−〔ωc(t
−
Th(t))+φh〕−2ωc〔Th(t)−Th*(t)〕} 上式は第(5)式で示される下側波帯(第5A図及
び第5B図に該当する)とは異つており、位相項
−2ωc〔Th(t)−Th*(t)〕が余分に含まれてい
る。即ち加算ポイントSにおける下側波帯の位
相は同相とならない。よつて上側波帯のみが用い
られる。 中間周波信号の適当な側波帯の加算ポイントに
おける位相コヒーレンスは、トランスデユーサが
接続されている遅延線のタツプにより設定された
遅延時間にのみ依存しないので、各放射状方向に
沿つて行われる集束走査の開始時に、各トランス
デユーサごとにタツプ位置が選択される。そして
次に放射状方向の走査が開始されるまで遅延
Th**を提供するよう、そのままの位置が保持さ
れる。この場合、第(7)式及び第(8)式に示されてい
る変数Th*(t)が定数Th**となる。したがつて
第(7)式及び第(9)式はそれぞれ次式の如く表わされ
る。 (11) Ωh(t−Th**)=ωpTh**+ωc〔Th(t)−
Th**〕 及び (12) Ωh(t−Th**)=ωpTh**−ωc〔Th(t)−
Th**〕 自由変数tの代わりにt+Th**を用いると、
上記第(11)式及び第(12)式は次式で示される通り、明
らかに位相角を定義する式となる。 (13) Ωh(t)=ωpTh**+ωc〔Th(t+Th**)−
Th**〕 及び (14) Ωh(t)=ωpTh**−ωc〔Th(t+Th**)−
Th**〕 ここで、Ωh(t)を計算するため第(13)式が
選択されるならば、下側波帯が用いられる。また
第(14)式が用いられるならば、上側波帯が用い
られる。 § 実例 上記第(13)式において、任意の時刻tで用い
られる位相角Ωh(t)は固定項ωpTh**と変数項
ωc〔Th(t+Th**)−Th**〕から成る。ここで前
記固定項は、トランスデユーサが接続されている
タツプにより与えられる遅延回路を通過する中間
周波信号に関連する。また前記変数項は時間と共
に変化する位相角を提供する。したがつて連続す
る集束ポイントに関連した中間周波信号の数サイ
クルは、加算ポイントに到着するとき互いに同位
相となる。 第6図は、アレイの中心線のまわりに対称的に
配置された8個のトランスデユーサ(θ=45゜、
1.4cm〜15.0cmの範囲)を第(1)式に従つて集束す
るのに必要な理想的遅延時間の経時変化を示すグ
ラフ(実線)である。各トランスデユーサにおけ
るアレイの中心からの距離hは、グラフの右側に
示されている。最小範囲から最大範囲にわたる集
束走査の期間中、各トランスデユーサは遅延
Th**を有するタツプに接続される。ここで前記
Th**は、ある範囲(例えば7.5cm)における理想
的な遅延Th(t)に最も近い値である。もし各々
のタツプが互いに0.5μSの遅延差を有するよう連
続的に配置されているならば、h=+1.1,+
0.68,+0.33,+0.02,−0.33,−0.68,−1.1cmにお
け
るトランスデユーサは、それぞれ遅延Th**が11,
9,7.5,6,6,4.5,2.5,0.5μSのタツプに接
続される。また第(13)式に示された固定項ωp
Th**の値は、Th**の値をωp(発振器の角周波数)
倍することにより得られる。 第6図に示された破線はTh(t+Th**)の変
化を表わす。前記破線で示されたグラフは、実線
で示されたグラフを左方にシフトしたものであ
る。即ち、各トランスデユーサにおける遅延
Th**に等しい時間だけ左へシフトされたもので
ある。任意の時刻tにおけるωcTh(t+Th**)
の総ラジアン数は、当該時刻における破線曲線の
対応した遅延をωc倍することにより決定される。
なおこのラジアン数は、実線曲線が用いられる場
合、Th**μSだけ早く生じることに注意すべきで
ある。こういつた時間シフトは、遅延線システム
の入力信号における任意の変化が加算ポイントへ
到達するのにTh**μSを要するからであり、また
前記変化は当該加算ポイントへ同時に到達しなけ
ればならないからである。そこでωcTh**の値が
計算され、ωcTh(t+Th**)の値から減じられ
る。その後、その結果はωpTh**に加えられる。
前記結果と、それに最も近い2の整数倍との差で
あるラジアン数は、Ωh(t)の値である。 § 位相角Ωhの制御 中間周波信号サイクルの完全な位相コヒーレン
スを全範囲にわたつて生じさせるために、位相角
Ωhを連続的に変化させることは非常に高価なも
のとなる。しかし±22.5゜以内の位相コヒーレン
スならば容易に実現できることが知られている。
ある初期の開始時においてトランスデユーサ・チ
ヤネルの位相角は、当該時刻において完全な集束
を行うのに必要な値よりそれぞれ22.5゜以上大き
な値に設定される。これらの値は、完全な集束を
行うのに必要とされる値より22.5゜少ない値とな
るまで、保持される。これら時刻において、位相
角は45゜だけ増加される。したがつて再び、集束
をするのに必要な位相角より22.5゜以上大きな値
となる。第6図の破線で示される遅延Th(t+
Th**)が搬送波周波数ωcの周期の1/8だけ変化す
るときはいつでも、この変化が生じる。そして釣
り合いの取れた廉価な方法は、比較的少ないレン
ジ(例えば第6図に示されたグラフ23のR1〜R
15)における全トランスデユーサ・チヤネルの
位相角を変化させて、連続した集束ゾーンA〜N
の中間点における完全な集束を行うために必要な
位相に最も近い値(45゜の整数倍)とする。R1
〜R15のレンジにおいて、アレイの中心とアレ
イの端との間における位相誤差を±22.5゜以内に
保持するため、あるトランスデユーサにとつて
45゜変化が必要である。この場合、当該トランス
デユーサの位相誤差は+22.5゜〜−22.5゜の間で変
化する。アレイの中心からより遠いトランスデユ
ーサのチヤネルにおいては、より大きな位相誤差
が生じ、またアレイの中心に近いトランスデユー
サのチヤネルにおいては、小さな位相誤差とな
る。 § 実施例の説明 第7A図は、本考案の一実施例による音響映像
装置の全体を示すブロツク図である。本図では搬
送波周波数を変化させ、そして位相コヒーレンス
を達成するためのヘテロダイン方式が示されてい
る。中間周波信号の位相は45゜ステツプで変化さ
れ、また各トランスデユーサにおける主遅延線上
のタツプは、各放射状方向への集束走査開始時に
設定される。図には隣接した2個のトランスデユ
ーサ・チヤネルのみが示されている。即ち一方の
トランスデユーサはTR1であり、他方のトランス
デユーサはTR2である。しかし実際の回路では、
16個又はそれ以上のトランスデユーサが用いられ
る。そしてトランスデユーサTR2に関するブロツ
クには、ダツシユの付された番号(例えば24′,
72′)が示されており、これはトランスデユー
サTR1に関するブロツクの番号(例えば24,7
2)と対応している。以下これを詳細に説明す
る。 トランスデユーサTR1は、周波数ωcの受信音
響パルスを対応する電気信号に変換する。前記電
気信号は保護回路24及び可変増幅器(VGA)
26を介してミキサ28へ送られる。ミキサ28
において前記電気信号は、8個の位相(45゜ずつ
異つている)を有する信号のうちいずれかひとつ
の信号と混合される。ここで8個の位相を有する
信号とは、発振器(OSC)30により生じ且つ
位相選択器32によつて選択された信号をいう。
8個の位相を有する発振器30の出力信号はデジ
タル信号である(例えばジヨンソン・カウンタに
より提供される)。この場合、位相選択器32は
単純な1 of 8デジタル・ロジツク・データ・
セレクタである。ミキサ28によつて生じた中間
周波信号(周波数;ωp−ωc,ωp+ωc)は加算器
34に印加される。加算器34において、中間周
波信号は隣接するチヤネル(例えばトランスデユ
ーサTR2に係るチヤネル)の発生する中間周波信
号と結合される。スイツチ36は、加算器34の
出力端子とタツプ選択器38の入力端子との間に
接続される。スイツチ36が開状態のとき、付加
遅延線42が加算器34とタツプ選択器38との
間に挿入される。スイツチ36が閉状態のとき、
付加遅延線42はバイパスされる。このように隣
接するチヤネル同士の中間周波信号を加算器34
により加え合わせることは、タツプ選択器の数を
減少させる機能を果たし、且つ映像の質を低下さ
せない。なぜならば、隣接するチヤネルの位相調
節された中間周波信号は非常に似かよつているか
らである。 タツプ選択器38は、バス・システム39に含
まれる複数導体のひとつを選択し、その入力端子
と接続される。またバス・システム39に含まれ
る各導体は、主遅延線40上のタツプtにそれぞ
れ接続される。図示されていない他の一対のトラ
ンスデユーサ・チヤネルから供給される中間周波
の信号パルスは、同様にタツプ選択器に印加さ
れ、各タツプ選択器の出力信号はバス・システム
39の導体のひとつ44に導入される。多くの異
つたタツプ選択器は、必要に応じて該当するトラ
ンスデユーサ・チヤネル対を主遅延線上の同一タ
ツプ又は異つたタツプに接続する。タツプ選択器
38により決定された遅延線上のタツプにパルス
(中間周波信号)が導入されると、これらパルス
は加え合わせられていく。したがつて、全てのパ
ルスが加算ポイントSにおいて重畳されるため、
ビデオ信号が発生される。前記ビデオ信号は増幅
器46で増幅され、その後に前記ビデオ信号に含
まれる適当な中間周波帯域がフイルタ48により
選択される。フイルタ48の出力信号は検出器を
含むプロセツサ49に導入される。プロセツサ4
9の出力信号はCRT52の輝度制御電極50に
印加される。もし位相角Ωh(t)が第(13)式に
よつて示されるとき、下側波帯がフイルタ48に
より選択される。また位相角Ωh(t)が第(14)
式によつて示されるとき、上側波帯が選択され
る。したがつて遅延線40は、フイルタ48によ
り選択される周波数帯域のみを通過させればよい
ことになる。CRT52のビームは、放射状方向
のパターン54に追従するよう偏向される。ここ
で放射状方向のパターン54は、トランスデユー
サ・アレイが行う連続的な放射状集束のパターン
に対応し、そして患者の人体内に集束するよう配
置されている。 § 制御システム 第7A図に示された超音波システムにより実行
されるさまざまな機能の制御は、数多くの方法に
より遂げることができる。本システムにおいて、
トランスデユーサのアレイは、128ある放射状方
向の各々に沿つた集束ゾーン(16個ある)のそれ
ぞれに集束される。制御システムの中心は集束ゾ
ーン・パルス発生器56であり、パルスP0及び
P1〜P15が繰り返しシーケンスにおいて発生され
る。したがつて、スタート・アツプの後、各々の
第16番パルスはパルスP0に対応する。パルスP1
〜P15は、第6図に示された対応するレンジR1〜
R15において生じる。パルスP0と第1集束ゾー
ン・パルスP1との間の広いスペースは、システ
ム設計上の最小レンジより低いレンジを表わして
いる。第6図において考察した如く、パルスP1
〜P15は少しずつ離れて発生される。 § 伝送されるパルスの制御 伝送される音響パルスの放射状方向は、トラン
スデユーサ・アレイが駆動される相対的時間によ
つて決定される。集束ゾーン・パルス発生器56
からの電気的パルスP0〜P15は11ビツト集束ゾー
ン・カウンタ62に導入される。前記カウンタ6
2は、各々のパルスに応答して異つたデジタル・
ワードを送り出す。各ワードの最初の4ビツトは
NANDゲート64に導入される。NANDゲート
64は、各第16番パルスに応答して出力パルスを
送り出す。即ち各々の出力パルスは、パルスP0
と一致する。そしてNANDゲート64の出力信
号は伝達遅延カウンタ70に印加され、該カウン
タ70のカウントを開始させる。もし音響パルス
が128種の異つた方向へ逐次伝達されるならば、
カウンタ62の7ビツト(5,6,7,8,9,
10,11)が印加される。したがつて8×
128ROM68がアドレスされ、そして各パルス
P0の発生時刻においてROM68は8ビツトによ
る128種の組み合わせのひとつを送り出す。パル
スP0が発生された後、256の異つた時刻のいずれ
かにおいて、8ビツトの各組み合わせは伝達遅延
カウンタ70から出力信号を発生する。カウンタ
70からの出力パルスは分割ゲート72を開状態
とする。したがつて正確な位相を有する搬送波信
号ωcの数サイクル(周波数コンバータ74から
送り出された信号を導入した分割ゲート72によ
り導き出される)は、保護回路24を介してトラ
ンスデユーサTR1へ送られる。保護回路24の目
的は、これらパルスがレシーバ・チヤネルを破損
するのを防止することにある。トランスデユーサ
TR2から送り出される搬送波パルスの伝達は、ト
ランスデユーサTR1の場合と同様に行われる。ト
ランスデユーサTR2により伝達されるパルスの時
間は、一般的に、トランスデユーサTR1により伝
達されるパルスの時間よりわずかに早いか又は遅
くなる。これはROM68′に含まれている情報
により決定されるからである。 § 位相選択の制御 本考案に係る局部発振信号に必要な位相角Ωh
(t)は、以下に示す方法によつて制御される。
集束ゾーン・カウンタ62のデジタル出力信号
は、3×2048ビツトROM76のアドレス入力端
子に印加される。したがつてパルスP0〜P15の
各々が発生されるときROM76は、前もつてス
トアされている8種の信号のうちいずれかひとつ
(3ビツト)を128セクタ角の各々について送り出
す。異つた組み合わせ(ROM76の出力信号)
の各々は、位相選択器32で発振器30の出力信
号に含まれる異つた45゜位相を選択し、そしてミ
キサ28へ送り出す。選択された45゜位相は、Ωh
(t)の中間値において必要とされる正確な角度
に最も近いものとなる。ここでΩh(t)の中間値
は第(13)式又は第(14)式から得られる。128
種の異つた放射状方向に沿つた集束ゾーンがそれ
ぞれ16個ある場合、必要とされる異なつた組み合
わせ2048種はROM76により供給される。また
ROM76′も同様に動作される。即ち位相選択
器32′から発振器出力信号の適当な位相信号を
ミキサ28′へ送り出す。 § 主遅延線タツプの制御 第7A図に示されるシステムにおいて、主遅延
線40のタツプはパルスP0の発生時に選択され
る。そして前記タツプは、次の放射状線のスター
ト点においてパルスP0が発生されるまで変更さ
れない。カウンタ62の7ビツト(5,6,7,
8,9,10,11)は5×128ROM78をアドレ
スする。タツプ選択器38は、ROM78の5ビ
ツト出力と加算器34の出力信号とを、主遅延線
40上の32あるタツプのひとつに導入させる(図
には17のタツプのみが示されている)。 45゜の走査角に沿つて7.5cmのレンジに必要とさ
れる遅延に最も近いタツプが選ばれていると仮定
すると、それらの特性は第6図に示されている通
りである。他の位相ペア(図示されていない)に
は付加的なROM及びタツプ選択器を必要とす
る。以上の場合、スイツチ36は閉じられてい
る。なぜなら付加遅延線42は用いられないから
である。 § CRT偏向の制御 CRT52のビーム偏向を制御して放射状パタ
ーン54(128種)の走査を行うためには、カウ
ンタ62の出力ビツト5,6,7,8,9,10,
11が、2個の12×128ROM80及び82に並列
的に印加される。したがつてROM80及び82
は、各放射線のスタート点において12ビツト・ワ
ードを送り出す。ROM80により提供されるワ
ードは、水平偏向波信号Hの傾斜を決定する。こ
こで水平偏向波信号HはD−Aランプ発生器84
により発生され、そして水平偏向板86に印加さ
れる。またROM82の送り出すワードは垂直偏
向波信号Vの傾斜を決定する。ここで垂直偏向波
信号VはD−Aランプ発生器88により発生さ
れ、そして垂直偏向板89に印加される。 § 付加遅延線上にあるタツプの制御 主遅延線40上のタツプが放射線状の集束走査
の始めに選択されるならば(即ちパルスP0の
各々が発生される時刻に選択が行われ、そして当
該走査の期間中において変化がない場合)、当該
タツプにより与えられる実際の遅延時間Th**と
理想的遅延時間Th(t)との差は非常に大きくな
る。その結果、パルスの重複は非常に少くなるの
で、映像のレンジ分解能及び角度分解能がそこな
われる。このような状況において、走査期間中に
ROM78を5×2048ビツトのメモリとし、且つ
集束ゾーン・カウンタ62からの全11ビツトによ
り該ROM78をアドレスすれば、主遅延線上の
タツプを変更することができる。したがつて各放
射線状の走査期間中にタツプ選択器38はタツプ
を16回も変更することができる。しかしノイズ発
生を減少させた高価なタツプ選択器38を使用し
ないようにするには、タツプをしばしば変更する
ことがないようにしなければならない。 他に、付加遅延線42を加算器34とタツプ選
択器38との間に挿入する方法がある。これは
1976年8月30日出願の米国特許Serial No.718721
に記載されている方法である。付加遅延線42の
タツプ間の遅延は、主遅延線40の差遅延
(differential delay)とほぼ等しいか又はそれ以
下である。したがつて各々の集束ゾーンの始めに
付加遅延線42上の適当なタツプを選択すること
は、結果として両遅延線の結合された遅延時間
Th**(t)(理想的な遅延時間Th(t)に近づく)
をもたらす。このことはROM92を用いて付加
遅延線42上のタツプ(1ケ)を選択するよう
に、タツプ選択器90を制御すればよい。ここで
ROM92は集束ゾーン・カウンタ62によりア
ドレスされる。なおこのときスイツチ36は開状
態とされていなければならない。しかし実際の装
置において、付加遅延線42は遅延を有しないよ
うプログラムされているので、スイツチ36は必
要としない。 上述した如く付加遅延線42を挿入するとき、
位相角Ωh(t)の値は前述の例とは異つた値とな
る。主遅延線40上のタツプはROM78及びタ
ツプ選択器38により設定される。(その結果、
特定走査線の最小理想的遅延Th(t)以下の遅延
TMDに最も近づいた値となる)。もし付加遅延線
42の遅延時間TID(t)が次式で示される値に設
定されるならば、2個の遅延線の組み合わせによ
り提供される実際の遅延時間は、第(1)式に示され
た理想的な遅延時間Th(t)と等しくなる。 付加遅延線42上のタツプ(本考案に従い、粗
い間隔で配置されている)を用いて、結合された
遅延のみを理想的な遅延時間Th(t)に近づける
ことができる。第(13)式又は第(14)式から位
相Ωh(t)を計算するにあたり、TID及びTMDの和
がTh**として用いられる。前記第(13)式又は
第(14)式は、位相選択器32及び32′により
提供される。 § チヤネル・ゲインの制御 付加遅延線を用いる方法のように、レンジ分解
能がある事実(即ち主遅延線40上のタツプによ
り提供される実際の遅延Th**が理想的な遅延時
間Th(t)と違いすぎるという事実)によつてそ
こなわれるとき、トランスデユーサ・チヤネルは
ターン・オフされる。これは2048×12ビツト
ROM96と共に、可変利得増幅器(VGA)26
に対するゲイン制御器94を制御することにより
実行される。前記ROM96は、集束ゾーン・カ
ウンタ62の出力によりアドレスされる。同様に
これらの素子は、レンジの増大に伴つて、チヤネ
ルのゲインを拡大するために用いられる。したが
つて音響波が人体内を通過するとき、該音響波の
減衰が補償される。 § 音響ラインの適合 第7B図は、第7A図に示された装置に音響遅
延線を適用した場合の構成を示すブロツク図であ
る(本考案の第2実施例)。 第7A図に示された超音波システムは、主遅延
線40が電気的であろうと又は音響的であろうと
用いることができる。しかし第7B図に示される
ように、音響ラインを用いたシステムから、ある
利点が導き出される。タツプ選択器38は本来、
多接点スイツチであるため、一方の入力端子を多
数ある出力線の一つに接続する。前記出力線は、
遅延線40の各タツプに接続されている。便宜
上、第7B図には、2本の出力線41及び41′
のみが示されている。また第7B図において、出
力線41は、ミキサ43の一方の入力端子に接続
されている。ミキサ43の出力端子は、遅延線4
0上のタツプ45に接続されている。ミキサ43
の他方の入力端子は、プリセツト位相選択器49
の出力端子に接続されている。前記位相選択器4
9は、発振器47の出力信号から特定の位相を選
び出す。遅延線40の中心周波数が20MHzであ
り、中間周波数(ωp−ωc)/2πが2MHzであるな
らば、発振器47の周波数は18MHzとなる。同様
に、出力線41′はミキサ43′を介して遅延線4
0上のタツプ45′に接続されている。前記ミキ
サ43′には、プリセツト位相選択器49′によつ
て選択された位相(発振器47の出力信号から選
ばれる)が導入される。 電気的遅延線が用いられるとき、タツプ間の遅
延時間は希望する値を有するよう正確に設定され
る(例えば0.5μSごとにタツプを設けていく)。し
かし、音響遅延線を用いる場合、このようなこと
は不可能である。 プリセツト位相選択器49及び49′の目的は、
音響遅延線40上のタツプ45及び45′の間隔
に生じるわずかな誤差を調節することにある。集
束に必要な位相シフトΩh(t)は、第7A図に示
されているミキサ28及び28′の第1ヘテロダ
イン処理により実現される。タツプ間隔の誤差を
補償するのに必要な位相シフトは、位相選択器4
9,49′又は他の手段(例えば同調回路)によ
つて実現される。 第7B図に示された回路構成を用いることによ
り、単一周波数における遅延線動作から他の周波
数における遅延線動作への変更を、他の回路部分
に変更を加えることなく行うことができる。した
がつてROM76,76′及びこれに関連した位
相選択器32,32′(第7A図参照)は正確に
同様な方法で動作し続けると共に、同一位相角
Ωhを中間周波信号(ミキサ28,28′の出力端
子に現われる)に伝える。発振器47の周波数
ω1は、ミキサ43及び43′の出力端子において
一定の中間周波数帯域を生じるよう設定される。
前記帯域は、遅延線40の通過帯域の中に含まれ
る。そして第2次固定複数要素ω1Th**を任意の
固定位相要素(タツプ間隔の誤差を補償するのに
必要)に加え合わせるため、位相選択器49,4
9′が制御される。ここでTh**は、ミキサ43及
び43′がそれぞれ接続されている主遅延線40
上のタツプにより提供される。 第7A図において述べたように、ミキサに導入
される発振器出力信号の位相を決定し、また付加
遅延線及び主遅延線上のタツプを選択するため
に、数個のROMが用いられている。そしてこれ
らROMには必要なデジタル情報がストアされて
いる。しかしこれらROMの代わりに1個のメモ
リを用い、これらを分解して前記デジタル情報を
ストアさせることは当該者にとつて容易なことで
ある。またマイクロプロセツサにおいて、前記情
報の計算をリアル・タイムで実行することも可能
である。本考案を実現するため、他の走査フオー
マツト及び他の制御技術を用いることも可能であ
る。 さまざまな計算において、トランスデユーサは
直線上に置かれているものと仮定されている。し
かし前記トランスデユーサが異つた形状を有する
線上に置かれているならば、トランスデユーサの
理想的遅延時間Th(t)を表わす式は異つたもの
となる。しかし集束に必要な位相は、第(13)式
及び第(14)式に示される如く、Th(t)と
Th**を今まで通り関連付ける。 § 位相変換手段 第7A図に示されたトランスデユーサから導き
出され、そして遅延線タツプに導入される信号の
位相Ωh(t)を変更する手段には、ミキサ、発振
器、位相選択器が含まれる。しかし位相変更を行
う前記手段には、各々のミキサに直列接続された
位相シフタを含むことができる。即ち前記位相シ
フタにcos(ωct+φ)なる信号が印加され、位
相シフタをΩ(t)だけ行うとすると、cos(ωct
+φ+Ω(t))なる出力信号が送り出される。 第8図は、中間周波信号の位相を変化させる位
相シフタを備えた音響映像装置の一部を示すブロ
ツク図である(本考案の第3実施例)。図示され
たトランスデユーサ・チヤネルにはトランスデユ
ーサ95、ミキサ97、加算器100の一方の入
力端子とミキサ97の出力端子との間に接続され
た位相シフタ98が含まれる。同様に、隣接する
トランスデユーサ・チヤネルにはトランスデユー
サ95′、ミキサ97′、加算器100′の他方の
入力端子とミキサ97′の出力端子との間に接続
された位相シフタ98′が含まれる。加算器10
0の出力端子は、タツプ選択器102の制御の下
に、主遅延線上のタツプのひとつと接続される。
また発振器104は、周波数ωpの同一位相信号
をミキサ97及び97′に送り出す。これら位相
シフタ98及び98′は、ROM(第7A図参照)
にストアされた情報に基づき、よく知られた方法
によつてデジタル的に制御される。なお位相シフ
タは、ミキサ97,97′とトランスデユーサ9
5,95′との間に置くことも可能である(破線
105,105′で示されている)。多くの応用例
においてほとんど希望されることはないが、複数
変換手段を位相シフタのみから構成し、そして第
3図に示されるようにミキサを含まないようにす
ることも可能である。 § 直交システム(Quadrature System) 第9図は位相直交技術(phase quadrature
technique)を用いた音響映像装置を示すブロツ
ク図である(本考案の第4実施例)。ここで、伝
送されたパルスの時間制御を行う手段、可変利得
増幅器のゲイン、位相角Ωh(t)、主遅延線のタ
ツプは第7A図に示されたものと同一又は等価で
ある。また図には唯一つのトランスデユーサ・チ
ヤネルのみが示されているが、他のトランスデユ
ーサ・チヤネルも同じである。 トランスデユーサ106から得られたトランス
デユーサ信号Eh(t)cos(ωct+φh)は、保護
回路108及び可変利得増幅器(VGA)110
を介して、ミキサ112及び114に導入され
る。そしてミキサ112において第5C図又は第
7A図に示される如く発振器出力信号cos(ωpt
+Ωh(t))との混合が行われる。またミキサ1
14において、信号sin(ωct+Ωh(t))との混
合が行われる。この信号は、前記発振器出力信号
を遅延線116に印加することにより得ることが
できる。即ち遅延線116は、周波数ωpの信号
を1/4周期だけ遅延させる機能を有する。 ミキサ112の出力信号は電気的主遅延線11
8上のタツプの一つに導入される。ここで前記タ
ツプの一つは、タツプ選択器120により決定さ
れる。遅延線118及びローパス・フイルタ12
1を通過した信号はミキサ122に導入され、信
号cosω1tと混合される。ミキサ114の出力信
号は、同一の電気的遅延線124上の同一タツプ
に導入される。ここで前記タツプはタツプ選択器
126により決定される。遅延線124及びロー
パス・フイルタ128(ローパス・フイルタ12
1と同一)を通過した信号はミキサ130に導入
され、信号sinω1tと混合される。いまωp=ωcなる
選択をすると、遅延線118,124及びローパ
ス・フイルタ121,128が必要とする周波数
帯域は、トランスデユーサから得られる信号の包
絡線Eh(t)を通過させるのに十分な帯域であり
さえすればよい。ミキサ122及び130の出力
信号は加算器132に加えられる。もし、ω1=
ω0であるならば、ミキサ122及び130の出
力信号は共に周波数ωcを有する。またローパ
ス・フイルタ121及び128の出力信号をミキ
サ122及び130に送り出す代わりに、これら
出力信号を処理することも可能である。例えば、
ミキサ出力の平方の和をめ、その平方根をとると
いつた信号処理である。全てのミキサにおいてデ
ジタル信号が用いられる。もし必要とするなら
ば、廉価な付加遅延線をX点に挿入することがで
きる(第7A図参照)。位相シフタは第8図に関
して説明した如く、ミキサ112及び114のど
ちら側に挿入してもよい。かくして一定位相を有
し且つ直交位相(quadrature phase)を導き出
す発振器又はクロツク発振器を用いることができ
る。上述した直交技術(quadrature technique)
は、遅延線118及び124が電荷結合デバイス
(CCD)で構成されているとき特に有用となる。 § 二重変換 第10図は、二重変換(ダブル・ヘテロダイ
ン)方式を用いた音響映像装置を示すブロツク図
である(本考案の第5実施例)。トランスデユー
サ134から得られる信号Eh(t)cos(ωct+
φh)はミキサ136に導入され、そして発振器
135の出力信号cosω1tと混合される。同一の
発振器出力信号(即ち、同一位相を有する)は、
他の全てのチヤネルに含まれる対応ミキサに導入
される。フイルタ138は、ミキサ136の出力
信号から下側波帯(ω1−ωc)を選択し、そして
ミキサ140に送り出す。ミキサ140におい
て、前記フイルタの出力信号と信号cos(ω2t+θT
(t))との混合が行われる。ここで前記信号cos
(ω2t+θh(t))は、位相選択器142により選
び出された信号である。位相選択器142を制御
する方法は、第7A図に示された位相選択器32
を制御する方法と同じである。したがつて発振器
144の出力信号の中で希望する位相を選択する
ことができる。タツプ選択器146は、ミキサ1
40の出力信号を主遅延線MD上の適当なタツプ
に導入させる。ここでタツプ選択器146は、第
7A図に示されたタツプ選択器38と同様の方法
で制御される。次に遅延線MDの出力信号はフイ
ルタ147に印加される。そして前記フイルタ1
47は、上側波帯(ω1+ω2−ωc)を選択する。
もしタツプ設定により提供される遅延時間が理想
的(即ちTh(t)に等しい)であり、且つ位相角
θhが次式の条件を満たすならば、正確な位相コ
ヒーレンスが得られる。 (16) θh(t−Th(t))=(ω1+ω2)Th(t) ここで(ω1+ω2)は、第(6)式のω0の代わりに
用いたものである。 本考案に基づいてより広いタツプ間隔を設定す
るため、θh(t)の代わりにΩh(t)が用いられ
る。そして位相角Ωh(t)は、第(13)式又は第
(14)式に示されているωpの代わりに(ω1+ω2)
を用いることにより決定される。第(13)式は次
のように変形される。 (17) Ωh(t)=(ω1+ω2)Th**+ωc〔Th(t+
Th**)−Th**〕 選択されるべきタツプの数を減少するため、第
2ミキサ(例えば140)の出力信号は、タツプ
選択器(例えば146)に導入される前に加え合
わせることができる。このため余分な費用を要す
るが、位相角Ωh(t)は位相シフタにより供給さ
れる。前記位相シフタはミキサ140の入力側又
は出力側のいずれかに配置される。このような手
段により、ω2の位相は一定に保たれる(第8図
の説明を参照)。 ミキサ136の出力端における下側波帯及びミ
キサ140の出力端における上側波帯は、フイル
タ138及び147によりそれぞれ選択される。
しかし次の表に示す如く適当な値のΩh(t)が使
用される限り、側波帯の任意な組み合わせを用い
ることが可能である。次に示す表において、ケー
ス#1は第10図に示されたシステムを説明して
いる。ω1及びω2の組み合わせは、それぞれ事実
上の発振周波数であると考えることができる。そ
してω1及びω2の組み合わせは、さまざまな式に
おいてω0の代わりに用いることができる。
利用して陰極線管面等に像を描き出す音響映像装
置に関するもので、主として内臓を忠実に描写す
る超音波診断の分野において利用される。 § 本考案の背景 人体内部のリアル・タイム像を写し出すため超
音波システムの開発が近年注目の的となつてい
る。あるシステムにおいては、交流搬送波の短い
電気的パルス信号を対応する圧力波に変換するた
めに、トランスデユーサのアレイが人体に接触配
置される。ここでトランスデユーサへ搬送波パル
スを送出する相対時間を選択するために、各パル
スの圧力波は任意の希望する方向にビーム拡張が
形成される。そして前記ビーム方向は、効率的に
セクタを走査するために変化される。圧力波のパ
ルス信号が人体内を通過し、そして異つた音響特
性の組織に遭遇するために、それらエネルギーの
一部が反射される。受信用トランスデユーサのア
レイは、反射された前記圧力波を対応する電気信
号に変換するために用いられる。 所定の目標に対して受信用素子アレイの集束作
用(focussing)を正確に行わせるには、加算ポ
イント(summing point)において交流電流波
の数サイクル全てが同時に重畳されることが必要
である。ここで前記交流電流波は、当該目標から
反射された圧力波のパルスを検出するトランスデ
ユーサの各々によつて導き出される。したがつて
それぞれ導き出された交流電流波は完全に整列さ
れ、これらが加算されることにより強力な出力信
号が生じる。一方、他の位置からの反射圧力波は
弱い信号を作り出す。何故なら加算ポイントに到
達した対応する電気信号波はその位相がまちまち
(ランダム)であるから、加算しても弱い信号で
ある。すなわち、任意の希望する集束ポイント
(focal point)とさまざまな受信用トランスデユ
ーサとの間の距離は異つているので、反射波がト
ランスデユーサに到達する時間は異つたものとな
る。それ故に、正確な集束を行うには、各トラン
スデユーサと加算ポイントの間に信号の補償用遅
延時間が必要である。したがつて集束ポイントに
おける圧力波の反射と、加算ポイントにおける対
応電気信号波の到着との間の合計時間は、どのト
ランスデユーサが含まれているかにかかわりなく
一定であることが望ましい。前記補償用遅延時間
は必要に応じて変化される。したがつて集束ポイ
ントは、反射されたパルスの各方向に沿つて、最
小レンジから最大レンジにわたり大幅に走査され
る。 いくつかの現存する装置において、補償用遅延
時間の変更は遅延線上のタツプを取り換えること
により達成される。搬送波の数サイクルがそれぞ
れ近似した位相をもつて加算ポイントに到達する
ならば、前記タツプの間隔(時間)は搬送波周期
のごく一部分以上に離すことはできない。補償用
遅延時間の全変化は搬送波周期の多数倍に等しい
ので、必要とされるタツプの数は膨大な数とな
る。ここで補償用遅延時間とは、最小レンジから
最大レンジにわたつて且つ最小セクタ角から最大
セクタ角にわたつて集束するよう設定されている
トランスデユーサに関するものである。使用され
る周波数帯域を考慮すると、比較的高価な電気的
遅延線のみが用いられる。こういつた遅延線に多
くのタツプを備えることは、装置全体のコストの
中で大きな割合を占めることになる。 もし高価なタツプ切り換えスイツチが使用され
ない場合、加算ポイントに到達する信号にかなり
大きな切り換えノイズが生じてしまう。したがつ
て前記信号に基づいて作り出される像にもノイズ
を生じさせることになる。 解像力を増すために搬送周波数を上げると、上
述したコスト及び過渡的ノイズの問題は更に大き
なものとなる。またより良い集束(焦点合わせ)
を得るためにアレイの直径を大きくするか、もし
くは幼児の診察を行なうためにアレイの直径を小
さくした場合もしかりである。 § 考案の簡単な説明 本考案の目的は、遅延線のタツプ間隔を粗く
し、そしてヘテロダイン法により位相コヒーレン
スを得ることにより、上述の欠点を除去せんとす
るものである。すなわち、トランスデユーサのア
レイを最小レンジから最大レンジにかけて近接配
置された遅延線タツプを順次切換え、そして補償
用遅延時間を変化させるという従来装置に代え
て、本発明に係る映像装置は、各々の集束ポイン
トに関連して各トランスデユーサから導き出され
るAC波の位相コヒーレンスをもつて加算ポイン
トに到達させることにより、ダイナミツクな集束
を実行させるものである。本考案によれば、最小
レンジから最大レンジにかけて走査する間、唯一
つの遅延線タツプの設定(多くても2〜3のタツ
プ設定)が任意のトランスデユーサに必要なだけ
になる。したがつてタツプ切り換えに伴う過渡状
態の影響は全くないか、又はほとんど影響を与え
ない。 位相変化は、各トランスデユーサと加算ポイン
トの間のいくつかの点に挿入されている移相器に
よつて行われる。しかし本考案の実施例によれ
ば、位相変化はより単純に且つより廉価に行われ
る。即ち、アレイを一点に集束させるために、異
なる位相を有する発振器からのある特定の出力信
号と、各トランスデユーサから送り出された搬送
波とをヘテロダイン処理することにより位相変化
が行われる。また一定の方向に沿つて配置された
連続ポイントにアレイを集束させるために、特定
の位相を変化させることができる。かくして各々
のトランスデユーサから導き出された中間周波信
号は、大ざつぱに配置された遅延線システムのタ
ツプのひとつに印加される。ここで前記タツプ
は、当該トランスデユーサを正確に集束させるの
に必要な遅延とほぼ似かよつた遅延時間を有す
る。本考案に係るヘテロダイン・システムにおい
て発振器及び位相選択手段はデジタル式にできる
ので、アナログ式発振器及びアナログ式位相選択
手段に比べてより廉価且つより低いノイズ特性に
有することがきる。 局部発振器からの出力周波数を選択することに
より、ミキサ出力に含まれる中間周波側波帯のひ
とつを十分に低い周波数とすることができる。よ
つてより廉価な電気的遅延線を使用することが可
能となる。あるいは前記側波帯のひとつを十分に
高い周波数とすることにより、表面音響波遅延線
(surface acoustic delay line)を使用すること
ができる。これは電気的遅延線に比べて、はるか
に廉価である。前記表面音響波遅延線に関してい
えば、本発明に従つてタツプ間隔をより粗くする
ことができるので設計上の問題を単純化すること
が可能である。何故なら、やつかいな反射源とな
るタツプを省略することができるからである。ど
ちらにしても、反射波を正確に集束させるため
に、本発明による各局部発振器の位相角は、間隔
をあけて配された遅延線タツプから得られる遅延
時間を補正する機能をもつている。したがつて、
本考案によるヘテロダイン方式は従来の遅延線方
式よりも優れている。 他の異つた形式の遅延線を使用する場合はさて
おき、異つた搬送波を用いることができるなら
ば、発振周波数を変化させるだけでよいことがヘ
テロダイン方式の他の利点である。 本考案によればヘテロダイン方式を用いた多く
のシステムを作り出すことができ、これらはそれ
ぞれに利点を有する。更にダブル・ヘテロダイン
方式またはこれに増設された遅延線が用いられ
る。更には、各トランスデユーサの出力信号を、
別個の遅延線に印加する前に、発振器出力信号の
90゜位相成分(quadrature phase)でヘテロダイ
ンの処理をすることができる。どのような実施例
においても、本考案によれば各トランスデユーサ
の出力信号が遅延線に到達する以前にヘテロダイ
ン処理を行い、該ヘテロダイン処理によつて生じ
た中間周波信号の位相を制御し、各方向に沿つて
集束走査(focal scansion)される期間中、各々
のトランスデユーサから導き出される中間周波信
号を唯一つ又は粗い間隔で遅延線上に配置された
わずかのタツプに印加することができる。 なお、他の従来技術としては特開昭52−20857
号がある。しかしながら、この従来技術は、本考
案のように各トランスデユーサの出力中の搬送波
の位相をシフトさせるのではなく、各トランスデ
ユーサの出力を位相検波することにより、各トラ
ンスデユーサ出力のエンベロープを得るものであ
る。 § 一般的考察 第1図は従来技術による超音波システムを説明
した図である。以下第1図を用いて一般的な説明
を行う。図には複数のトランスデユーサから成る
平面アレイ(planar array)2が含まれている。
前記アレイ2は音響パルスを発射し、そして反射
パルスを受信するために用いられる。遅延線4の
一端はトランスデユーサに接続され、また遅延線
4の上に設けられたタツプは加算ポイントSに接
続されている。アレイ2は、検査せんとする内臓
Oを含んだ人体6に接触している。図示されては
いないが、搬送波周波数ωcを有する電気信号の
数サイクルがトランスデユーサに印加される。す
ると前記トランスデユーサからは、搬送波周波数
ωcの超音波パルスが人体6の内部に発射される。
アレイ2に含まれる各トランスデユーサを順次駆
動する相対的タイミングは、音響エネルギー・ビ
ームの波頭(wave front)の形状及びその方向
を決定する。例えばトランスデユーサをアレイ2
の下端から連続的に駆動すると、ビームはアレイ
の中心線とある角度θをなして生じる。したがつ
てほとんどの音響エネルギーは平面フロント
(planar front)を有する波となつている。そし
て前記平面フロント波は破線10及び12で示さ
れた範囲内において、アレイ2から放射される。
音響エネルギー・ビームを形成するかわりに、音
響エネルギー波が曲面フロント(curved front)
を有するようにトランスデユーサを駆動すること
もできる。しかし本考案に関する限り、人体6に
音響エネルギーを放射する特別な方法は重要でな
い。 図示された従来技術によるシステムにおいて、
音響エネルギーのパルスは、角度θをもつて人体
6に放射される。そして受信用アレイ2は、ポイ
ントf1,f2,f3,f4…と最大範囲に達するまで連
続的に焦点合わせを行う。その後、わずかに異つ
た方向へ他のパルスが放射され、アレイはこの新
しい方向に沿つて順次焦点合わせを行う。希望す
るセクタが走査されるまで、このようなプロセス
が繰り返される。音響搬送波の反射パルスがトラ
ンスデユーサに到達すると、該トランスデユーサ
はは対応する電気的搬送波パルスを生じる。そし
て前記パルスは、遅延線4のひとつにより適当に
遅延された後、加算ポイントSにおいて加え合わ
せられる。加算ポイントSの電圧は、陰極線管
(CRT)14の電子ビーム輝度を変調するために
用いられる。CRT14のビームは放射状パスに
追従するよう偏向される。ここで放射状パスは、
アレイ2の集束ポイントによつて走査されるさま
ざまな方向に対応する。 完全な集束を行うには、全トランスデユーサか
ら送り出された電気的信号パルスの搬送波サイク
ル全てが加算ポイントに正確な位相をもつて到達
することが必要である。平面アレイに含まれる各
トランスデユーサが完全な集束を行うのに必要な
遅延時間Th(t)とは、信号X(t)が入力端子
に印加されたとき出力信号X(t−Th(t))を送
り出す遅延時間であると定義される。これを式で
表わすと次の通りとなる。 ここでtはアレイの中心からパルスが伝達する
時間、hはアレイの中心線からトランスデユーサ
までの距離、cは人体内における音響波の平均速
度、θはアレイの中心から集束ポイントへ向う放
射状線とアレイの中心線とのなす角度である。ま
たTpは第(1)式で定義された理想的な遅延時間Th
(t)が負になるのを防止するため、各トランス
デユーサ・チヤンネルに含まれている固定の遅延
時間である。 図示された従来技術によるシステムにおいて、
遅延線タツプが十分に近接しているならば、理想
的な遅延時間Th(t)にほどよく近似させること
ができる。例えば完全な集束を行うために搬送波
周波数を2.5MHzに、そして位相を±22.5゜以内に
保つことが決定されているならば、タツプは50ns
離れていなければならない。この間隔を保つこと
は非常に高価な費用を要する。 § 考案の概念 以下に説明する第2図ないし第4図を用いて本
考案の利点を説明する。 第2図は従来技術によるダイナミツク集束を説
明した図である。内容的には第1図に示したシス
テムと同じであり、トランスデユーサTR1及び
TR2はそれぞれ遅延線D1及びD2の一方端に接続
されている。これら遅延線上のタツプは、搬送波
波長の何分の一かずつ離れている。遅延線D1及
びD2のタツプ・スイツチs1及びs2が理想的な遅延
を生じるように接続されているならば、トランス
デユーサTR1及びTR2からのパルスに含まれる交
流電流の全サイクルは、加算ポイントSに正確な
位相をもつて到達する(波形I2により示されてい
る)。しかし実際のところ、スイツチs1及びs2は
理想的な遅延を提供し得ず、波形ω1及びω2に示
すように理想的な遅延に比べて1サイクルのごく
わずかだけ進むか又は遅れる。しかしこの場合、
波形ω1及びω2は有効に加算されるように十分に
近接した位相を有する。トランスデユーサTR1及
びTR2から発生されたAC波の遅延時間を調節す
ることによつて適当な位相コヒーレンスを確実に
するので、波形ω1及びω2のパルス重複はほぼ100
%となることに注目すべきである。 第3図は本考案の一実施例を説明したブロツク
図であり、位相シフタを用いてダイナミツク集束
を達成せんとする。即ち粗い間隔でタツプが設定
された遅延線と位相シフタとの組み合わせによ
り、集束を行うのに必要な位相コヒーレンスを達
成する。この場合、位相シフタφ1及びφ2はそれ
ぞれトランスデユーサTR1′,TR2′と遅延線D1′,
D2′との間に接続されている。これら遅延線のタ
ツプはパルス重複を考慮して配置されている。し
たがつてまれな場合を除き、タツプ調節だけでは
加算ポイントS′において搬送波サイクルの適切な
位相コヒーレンスを得ることは不可能である。例
えば理想的な遅延時間を有するパルスが波形I3で
示されており、且つスイツチs1′はスイツチs2′よ
り少い遅延時間で設定されているならば、加算ポ
イントS′に到達する信号ω1′及びω2′は図示された
通りの位相関係を有する。しかし両信号間に十分
な重複部分(パルス重複部分ともいう)Oが存在
し、且つ搬送波の位相が位相シフタφ1及びφ2に
よつて適当に調節されているならば、重複部分に
おける超音波のサイクルは有益な信号として加算
される。 第4図は本考案の他の実施例を説明した図で、
ヘテロダイン方式により集束を達成せんとするも
のである。トランスデユーサTR1″及びTR2″は、
それぞれミキサM1及びM2の一方の入力端子に接
続されている。また発振器O1及びO2は、それぞ
れミキサM1及びM2の他方の入力端子に接続され
ている。ミキサM1の出力端子はタツプ・スイツ
チs1″を介して主遅延線MDの一方の入力タツプに
接続されている。また、ミキサM2の出力端子は
タツプ・スイツチs2″を介して前記主遅延線MDの
他方の入力タツプに接続されている。これらタツ
プの間隔は、第3図に示した遅延線上のタツプと
同様である。したがつて、理想的な遅延時間を提
供することは一般的に不可能である。かくして、
理想的な遅延を有するIF波I4が加算ポイントに到
達するならば、ミキサM1及びM2から送り出され
た中間周波信号は加算ポイントS″に異つた時刻
に到達する(図中、波形ω1″及びω2″として示さ
れている)。 本考案の一実施例によれば、信号の重複部分
(パルス重複部分)における中間周波信号の位相
コヒーレンスは、発振器O1及びO2の出力信号の
位相を調節することにより確実にすることができ
る。ここで発振器O1及びO2の出力信号の位相角
は、それぞれΩ1及びΩ2で示される(その大きさ
は後に説明する方法によつて決定される)。 § 位相角の決定 第5A図は従来技術によるトランスデユーサ・
チヤンネルを示す図である。図において電気的信
号は次式で与えられる。 (2) Eh(t)cos(ωct+φh), トランスデユーサ20からの出力信号は遅延線
22により理想的な量Th(t)だけ遅延される。
よつて加算ポイントSに到達する信号は次式で与
えられる。 (3) Eh(t−Th(t))cos〔ωc(t−th(t))−
φh〕 この信号は他のトランスデユーサ・チヤネル
(図示されていない)全てから送り出される信号
と同じ位相を有する。但しそれら遅延線は第(1)式
で示される理想的な遅延を有し、且つその信号が
角度θh、範囲c(t−Tp)/2の位置にある目標
から反射されたパルスである場合に限る。また位
相角φhとは、アレイの中心から放射された音響
搬送波とトランスデユーサに到達する反射音響波
の間の角度をいう。この位相角φhは各トランス
デユーサにより異る。なぜなら音響波は異つた距
離を進行するからである。しかしこの差違は異つ
たTh(t)の値により正確に補償することができ
る。 通常は行われないが、加算ポイントSにおいて
加え合わせられた全てのチヤネル信号をミキサM
に印加するものとする。前記ミキサMにおいて、
前記加算された信号は発振器Oから送り出された
信号(cos ωpt)によりヘテロダイン処理され
る。発振器Oの出力信号はその周波数を任意に変
えることができるので、全ての信号情報は各々の
側波帯に含まれる。もしトランスデユーサに対応
するミキサMの出力信号を他の信号から分離する
ことができるならば、次に示される上側波帯
(U.S.B)及び下側波帯(L.S.B)が含まれる。 (4) U.S.B=1/2Eh(t−Th(t))×cos{ωpt+
〔ωc(t−Th(t))−φh〕} (5) L.S.B=1/2Eh(t−Th(t))×cos〔ωpt−
〔ωc(t−Th(t)+φh〕} この方法によるヘテロダイン処理は、位相コヒ
ーレンスを妨げない。したがつて全チヤンネルの
上側波帯(U.S.B)は全て第(4)式で示される位相
角を有し、また下側波帯(L.S.B)は第(5)式で示
される位相角を有する。 既に指摘したように、本考案に係る一実施例で
は、遅延線路に到達する以前にトランスデユーサ
からの信号をヘテロダイン処理することが必要で
ある。遅延線出力端において同相となる上側波帯
又は下側波帯(第5A図参照)のいずれか一方を
発生するためにヘテロダイン処理が行われるなら
ば、必要とされる位相コヒーレンスは容易に得ら
れる。 第5B図は、本考案の一実施例によるトランス
デユーサ・チヤネルを示した図である。なお、第
5A図と同一要素に関しては同じ文字又はダツシ
ユをつける。トランスデユーサ20′から送り出
された信号は第(2)式に示された信号と同じであ
る。第5A図と本図との本質的な違いは、トラン
スデユーサ20′と遅延線22′との間にミキサ
M′が挿入されていることである。また図示され
た発振器O′はθh(t)の位相角を有するが、第5
A図に示された発振器Oの位相角は零である。位
相角を計算する場合、全サイクル数は無視され、
そして2πラジアンの余り(modulo2πラジアン)、
すなわち残された1サイクルの一部が位相角を決
定する。以下の場合、位相角が等しいということ
は残された1サイクルの一部の同一性を説明しな
ければならない。本発明において (6) θh(t−Th(t))=ωpTh(t) ならば、第5B図の加算ポイントS′における上
側波帯及び下側波帯は、第5A図におけるミキサ
Mの出力端子における上側波帯及び下側波帯と同
じである(第(4)式及び第(5)式参照)。チヤネルh
における位相角θh(t)を全チヤネルに用いるこ
とにより、全チヤンネルの上側波帯を加算ポイン
トS′において同相とすることができる。下側波帯
についても同様である。本発明の実際的利点は、
各々の側波帯に全ての信号情報が含まれていると
いうことである。したがつて遅延線はこれら側波
帯の一方のみを通過させればよいことになる。 第5C図及び第5D図は、本考案の他の実施例
によるトランスデユーサ・チヤネルを示す図であ
る。これら両図において用いられる遅延Th*(t)
は第5B図における理想的な遅延Th(t)と異な
る。両図においてトランスデユーサ信号Eh(t)
cos(ωct+φh)は、発振器の出力信号cos(ωpt
+Ωh(t))でヘテロダイン処理される。しかし
位相角Ωh(t)の定義は異つている。 第5C図において、Ωh(t)は次式を満たすよ
う定義される。 (7) Ωh(t−Th*(t))=ωpTh*(t)+ωc〔Th
(t)−Th*(t)〕 図示された如く、加算ポイントS″における下
側波帯の位相は、第5A図及び第5B図に示され
た下側波帯の位相(第(5)式参照)と同じである。
それ故に全トランスデユーサ・チヤネルの下側波
帯は第5C図に示される如く、加算ポイント
S″において正確に同相となる。しかし第5C図
における上側波帯は次式で与えられることに注目
すべきである。 (8) 1/2Eh(t−Th*(t))cos〔ωpt+〔ωc(t−
Th(t))+φh〕+2ωc〔Th(t)−Th*(t)〕} 上式は第(4)式で示された上側波帯(第5A図及
び第5B図に該当する)とは異つており、位相項
の+2ωc〔Th(t)−Th*(t)〕が余分に含されて
いる。即ち加算ポイントS″における上側波帯は
同相とならない。従つて下側波帯のみが使用され
る。 第5C図における側波帯の包絡線1/2Eh(t−
Th*(t))は、第5A図及び第5B図における側
波帯の包絡線1/2Eh(t−Th(t))とは異つてい
る。即ち時間シフト〔Th(t)−Th*(t)〕だけ
異つている。この包絡線時間遅延における差異
は、本来トランスデユーサ・チヤネル間の位相コ
ヒーレンスに影響を及ぼすものでなく、パルス重
複部分の量に影響を与えるものである。 第5D図において、Ωh(t)は次式を満たすよ
う定義される。 (9) Ωh(t−Th*(t)=ωpTh*(t)−ωc〔Th(t
)
−Th*(t)〕, 上式の右辺は第(7)式の右辺と異つており、2項
間のプラス符号がマイナスとなつている。図示さ
れる如く上側波帯の位相は、第5A図及び第5B
図における上側波帯(第(4)式参照)の位相と同じ
である。したがつて全トランスデユーサ・チヤネ
ルの上側波帯は第5D図に示される如く、加算ポ
イントSにおいて正確に位相が一致する。しか
し、第5D図における下側波帯は次式で示され
る。 (10) 1/2Eh(t−Th*(t))cos〔ωpt−〔ωc(t
−
Th(t))+φh〕−2ωc〔Th(t)−Th*(t)〕} 上式は第(5)式で示される下側波帯(第5A図及
び第5B図に該当する)とは異つており、位相項
−2ωc〔Th(t)−Th*(t)〕が余分に含まれてい
る。即ち加算ポイントSにおける下側波帯の位
相は同相とならない。よつて上側波帯のみが用い
られる。 中間周波信号の適当な側波帯の加算ポイントに
おける位相コヒーレンスは、トランスデユーサが
接続されている遅延線のタツプにより設定された
遅延時間にのみ依存しないので、各放射状方向に
沿つて行われる集束走査の開始時に、各トランス
デユーサごとにタツプ位置が選択される。そして
次に放射状方向の走査が開始されるまで遅延
Th**を提供するよう、そのままの位置が保持さ
れる。この場合、第(7)式及び第(8)式に示されてい
る変数Th*(t)が定数Th**となる。したがつて
第(7)式及び第(9)式はそれぞれ次式の如く表わされ
る。 (11) Ωh(t−Th**)=ωpTh**+ωc〔Th(t)−
Th**〕 及び (12) Ωh(t−Th**)=ωpTh**−ωc〔Th(t)−
Th**〕 自由変数tの代わりにt+Th**を用いると、
上記第(11)式及び第(12)式は次式で示される通り、明
らかに位相角を定義する式となる。 (13) Ωh(t)=ωpTh**+ωc〔Th(t+Th**)−
Th**〕 及び (14) Ωh(t)=ωpTh**−ωc〔Th(t+Th**)−
Th**〕 ここで、Ωh(t)を計算するため第(13)式が
選択されるならば、下側波帯が用いられる。また
第(14)式が用いられるならば、上側波帯が用い
られる。 § 実例 上記第(13)式において、任意の時刻tで用い
られる位相角Ωh(t)は固定項ωpTh**と変数項
ωc〔Th(t+Th**)−Th**〕から成る。ここで前
記固定項は、トランスデユーサが接続されている
タツプにより与えられる遅延回路を通過する中間
周波信号に関連する。また前記変数項は時間と共
に変化する位相角を提供する。したがつて連続す
る集束ポイントに関連した中間周波信号の数サイ
クルは、加算ポイントに到着するとき互いに同位
相となる。 第6図は、アレイの中心線のまわりに対称的に
配置された8個のトランスデユーサ(θ=45゜、
1.4cm〜15.0cmの範囲)を第(1)式に従つて集束す
るのに必要な理想的遅延時間の経時変化を示すグ
ラフ(実線)である。各トランスデユーサにおけ
るアレイの中心からの距離hは、グラフの右側に
示されている。最小範囲から最大範囲にわたる集
束走査の期間中、各トランスデユーサは遅延
Th**を有するタツプに接続される。ここで前記
Th**は、ある範囲(例えば7.5cm)における理想
的な遅延Th(t)に最も近い値である。もし各々
のタツプが互いに0.5μSの遅延差を有するよう連
続的に配置されているならば、h=+1.1,+
0.68,+0.33,+0.02,−0.33,−0.68,−1.1cmにお
け
るトランスデユーサは、それぞれ遅延Th**が11,
9,7.5,6,6,4.5,2.5,0.5μSのタツプに接
続される。また第(13)式に示された固定項ωp
Th**の値は、Th**の値をωp(発振器の角周波数)
倍することにより得られる。 第6図に示された破線はTh(t+Th**)の変
化を表わす。前記破線で示されたグラフは、実線
で示されたグラフを左方にシフトしたものであ
る。即ち、各トランスデユーサにおける遅延
Th**に等しい時間だけ左へシフトされたもので
ある。任意の時刻tにおけるωcTh(t+Th**)
の総ラジアン数は、当該時刻における破線曲線の
対応した遅延をωc倍することにより決定される。
なおこのラジアン数は、実線曲線が用いられる場
合、Th**μSだけ早く生じることに注意すべきで
ある。こういつた時間シフトは、遅延線システム
の入力信号における任意の変化が加算ポイントへ
到達するのにTh**μSを要するからであり、また
前記変化は当該加算ポイントへ同時に到達しなけ
ればならないからである。そこでωcTh**の値が
計算され、ωcTh(t+Th**)の値から減じられ
る。その後、その結果はωpTh**に加えられる。
前記結果と、それに最も近い2の整数倍との差で
あるラジアン数は、Ωh(t)の値である。 § 位相角Ωhの制御 中間周波信号サイクルの完全な位相コヒーレン
スを全範囲にわたつて生じさせるために、位相角
Ωhを連続的に変化させることは非常に高価なも
のとなる。しかし±22.5゜以内の位相コヒーレン
スならば容易に実現できることが知られている。
ある初期の開始時においてトランスデユーサ・チ
ヤネルの位相角は、当該時刻において完全な集束
を行うのに必要な値よりそれぞれ22.5゜以上大き
な値に設定される。これらの値は、完全な集束を
行うのに必要とされる値より22.5゜少ない値とな
るまで、保持される。これら時刻において、位相
角は45゜だけ増加される。したがつて再び、集束
をするのに必要な位相角より22.5゜以上大きな値
となる。第6図の破線で示される遅延Th(t+
Th**)が搬送波周波数ωcの周期の1/8だけ変化す
るときはいつでも、この変化が生じる。そして釣
り合いの取れた廉価な方法は、比較的少ないレン
ジ(例えば第6図に示されたグラフ23のR1〜R
15)における全トランスデユーサ・チヤネルの
位相角を変化させて、連続した集束ゾーンA〜N
の中間点における完全な集束を行うために必要な
位相に最も近い値(45゜の整数倍)とする。R1
〜R15のレンジにおいて、アレイの中心とアレ
イの端との間における位相誤差を±22.5゜以内に
保持するため、あるトランスデユーサにとつて
45゜変化が必要である。この場合、当該トランス
デユーサの位相誤差は+22.5゜〜−22.5゜の間で変
化する。アレイの中心からより遠いトランスデユ
ーサのチヤネルにおいては、より大きな位相誤差
が生じ、またアレイの中心に近いトランスデユー
サのチヤネルにおいては、小さな位相誤差とな
る。 § 実施例の説明 第7A図は、本考案の一実施例による音響映像
装置の全体を示すブロツク図である。本図では搬
送波周波数を変化させ、そして位相コヒーレンス
を達成するためのヘテロダイン方式が示されてい
る。中間周波信号の位相は45゜ステツプで変化さ
れ、また各トランスデユーサにおける主遅延線上
のタツプは、各放射状方向への集束走査開始時に
設定される。図には隣接した2個のトランスデユ
ーサ・チヤネルのみが示されている。即ち一方の
トランスデユーサはTR1であり、他方のトランス
デユーサはTR2である。しかし実際の回路では、
16個又はそれ以上のトランスデユーサが用いられ
る。そしてトランスデユーサTR2に関するブロツ
クには、ダツシユの付された番号(例えば24′,
72′)が示されており、これはトランスデユー
サTR1に関するブロツクの番号(例えば24,7
2)と対応している。以下これを詳細に説明す
る。 トランスデユーサTR1は、周波数ωcの受信音
響パルスを対応する電気信号に変換する。前記電
気信号は保護回路24及び可変増幅器(VGA)
26を介してミキサ28へ送られる。ミキサ28
において前記電気信号は、8個の位相(45゜ずつ
異つている)を有する信号のうちいずれかひとつ
の信号と混合される。ここで8個の位相を有する
信号とは、発振器(OSC)30により生じ且つ
位相選択器32によつて選択された信号をいう。
8個の位相を有する発振器30の出力信号はデジ
タル信号である(例えばジヨンソン・カウンタに
より提供される)。この場合、位相選択器32は
単純な1 of 8デジタル・ロジツク・データ・
セレクタである。ミキサ28によつて生じた中間
周波信号(周波数;ωp−ωc,ωp+ωc)は加算器
34に印加される。加算器34において、中間周
波信号は隣接するチヤネル(例えばトランスデユ
ーサTR2に係るチヤネル)の発生する中間周波信
号と結合される。スイツチ36は、加算器34の
出力端子とタツプ選択器38の入力端子との間に
接続される。スイツチ36が開状態のとき、付加
遅延線42が加算器34とタツプ選択器38との
間に挿入される。スイツチ36が閉状態のとき、
付加遅延線42はバイパスされる。このように隣
接するチヤネル同士の中間周波信号を加算器34
により加え合わせることは、タツプ選択器の数を
減少させる機能を果たし、且つ映像の質を低下さ
せない。なぜならば、隣接するチヤネルの位相調
節された中間周波信号は非常に似かよつているか
らである。 タツプ選択器38は、バス・システム39に含
まれる複数導体のひとつを選択し、その入力端子
と接続される。またバス・システム39に含まれ
る各導体は、主遅延線40上のタツプtにそれぞ
れ接続される。図示されていない他の一対のトラ
ンスデユーサ・チヤネルから供給される中間周波
の信号パルスは、同様にタツプ選択器に印加さ
れ、各タツプ選択器の出力信号はバス・システム
39の導体のひとつ44に導入される。多くの異
つたタツプ選択器は、必要に応じて該当するトラ
ンスデユーサ・チヤネル対を主遅延線上の同一タ
ツプ又は異つたタツプに接続する。タツプ選択器
38により決定された遅延線上のタツプにパルス
(中間周波信号)が導入されると、これらパルス
は加え合わせられていく。したがつて、全てのパ
ルスが加算ポイントSにおいて重畳されるため、
ビデオ信号が発生される。前記ビデオ信号は増幅
器46で増幅され、その後に前記ビデオ信号に含
まれる適当な中間周波帯域がフイルタ48により
選択される。フイルタ48の出力信号は検出器を
含むプロセツサ49に導入される。プロセツサ4
9の出力信号はCRT52の輝度制御電極50に
印加される。もし位相角Ωh(t)が第(13)式に
よつて示されるとき、下側波帯がフイルタ48に
より選択される。また位相角Ωh(t)が第(14)
式によつて示されるとき、上側波帯が選択され
る。したがつて遅延線40は、フイルタ48によ
り選択される周波数帯域のみを通過させればよい
ことになる。CRT52のビームは、放射状方向
のパターン54に追従するよう偏向される。ここ
で放射状方向のパターン54は、トランスデユー
サ・アレイが行う連続的な放射状集束のパターン
に対応し、そして患者の人体内に集束するよう配
置されている。 § 制御システム 第7A図に示された超音波システムにより実行
されるさまざまな機能の制御は、数多くの方法に
より遂げることができる。本システムにおいて、
トランスデユーサのアレイは、128ある放射状方
向の各々に沿つた集束ゾーン(16個ある)のそれ
ぞれに集束される。制御システムの中心は集束ゾ
ーン・パルス発生器56であり、パルスP0及び
P1〜P15が繰り返しシーケンスにおいて発生され
る。したがつて、スタート・アツプの後、各々の
第16番パルスはパルスP0に対応する。パルスP1
〜P15は、第6図に示された対応するレンジR1〜
R15において生じる。パルスP0と第1集束ゾー
ン・パルスP1との間の広いスペースは、システ
ム設計上の最小レンジより低いレンジを表わして
いる。第6図において考察した如く、パルスP1
〜P15は少しずつ離れて発生される。 § 伝送されるパルスの制御 伝送される音響パルスの放射状方向は、トラン
スデユーサ・アレイが駆動される相対的時間によ
つて決定される。集束ゾーン・パルス発生器56
からの電気的パルスP0〜P15は11ビツト集束ゾー
ン・カウンタ62に導入される。前記カウンタ6
2は、各々のパルスに応答して異つたデジタル・
ワードを送り出す。各ワードの最初の4ビツトは
NANDゲート64に導入される。NANDゲート
64は、各第16番パルスに応答して出力パルスを
送り出す。即ち各々の出力パルスは、パルスP0
と一致する。そしてNANDゲート64の出力信
号は伝達遅延カウンタ70に印加され、該カウン
タ70のカウントを開始させる。もし音響パルス
が128種の異つた方向へ逐次伝達されるならば、
カウンタ62の7ビツト(5,6,7,8,9,
10,11)が印加される。したがつて8×
128ROM68がアドレスされ、そして各パルス
P0の発生時刻においてROM68は8ビツトによ
る128種の組み合わせのひとつを送り出す。パル
スP0が発生された後、256の異つた時刻のいずれ
かにおいて、8ビツトの各組み合わせは伝達遅延
カウンタ70から出力信号を発生する。カウンタ
70からの出力パルスは分割ゲート72を開状態
とする。したがつて正確な位相を有する搬送波信
号ωcの数サイクル(周波数コンバータ74から
送り出された信号を導入した分割ゲート72によ
り導き出される)は、保護回路24を介してトラ
ンスデユーサTR1へ送られる。保護回路24の目
的は、これらパルスがレシーバ・チヤネルを破損
するのを防止することにある。トランスデユーサ
TR2から送り出される搬送波パルスの伝達は、ト
ランスデユーサTR1の場合と同様に行われる。ト
ランスデユーサTR2により伝達されるパルスの時
間は、一般的に、トランスデユーサTR1により伝
達されるパルスの時間よりわずかに早いか又は遅
くなる。これはROM68′に含まれている情報
により決定されるからである。 § 位相選択の制御 本考案に係る局部発振信号に必要な位相角Ωh
(t)は、以下に示す方法によつて制御される。
集束ゾーン・カウンタ62のデジタル出力信号
は、3×2048ビツトROM76のアドレス入力端
子に印加される。したがつてパルスP0〜P15の
各々が発生されるときROM76は、前もつてス
トアされている8種の信号のうちいずれかひとつ
(3ビツト)を128セクタ角の各々について送り出
す。異つた組み合わせ(ROM76の出力信号)
の各々は、位相選択器32で発振器30の出力信
号に含まれる異つた45゜位相を選択し、そしてミ
キサ28へ送り出す。選択された45゜位相は、Ωh
(t)の中間値において必要とされる正確な角度
に最も近いものとなる。ここでΩh(t)の中間値
は第(13)式又は第(14)式から得られる。128
種の異つた放射状方向に沿つた集束ゾーンがそれ
ぞれ16個ある場合、必要とされる異なつた組み合
わせ2048種はROM76により供給される。また
ROM76′も同様に動作される。即ち位相選択
器32′から発振器出力信号の適当な位相信号を
ミキサ28′へ送り出す。 § 主遅延線タツプの制御 第7A図に示されるシステムにおいて、主遅延
線40のタツプはパルスP0の発生時に選択され
る。そして前記タツプは、次の放射状線のスター
ト点においてパルスP0が発生されるまで変更さ
れない。カウンタ62の7ビツト(5,6,7,
8,9,10,11)は5×128ROM78をアドレ
スする。タツプ選択器38は、ROM78の5ビ
ツト出力と加算器34の出力信号とを、主遅延線
40上の32あるタツプのひとつに導入させる(図
には17のタツプのみが示されている)。 45゜の走査角に沿つて7.5cmのレンジに必要とさ
れる遅延に最も近いタツプが選ばれていると仮定
すると、それらの特性は第6図に示されている通
りである。他の位相ペア(図示されていない)に
は付加的なROM及びタツプ選択器を必要とす
る。以上の場合、スイツチ36は閉じられてい
る。なぜなら付加遅延線42は用いられないから
である。 § CRT偏向の制御 CRT52のビーム偏向を制御して放射状パタ
ーン54(128種)の走査を行うためには、カウ
ンタ62の出力ビツト5,6,7,8,9,10,
11が、2個の12×128ROM80及び82に並列
的に印加される。したがつてROM80及び82
は、各放射線のスタート点において12ビツト・ワ
ードを送り出す。ROM80により提供されるワ
ードは、水平偏向波信号Hの傾斜を決定する。こ
こで水平偏向波信号HはD−Aランプ発生器84
により発生され、そして水平偏向板86に印加さ
れる。またROM82の送り出すワードは垂直偏
向波信号Vの傾斜を決定する。ここで垂直偏向波
信号VはD−Aランプ発生器88により発生さ
れ、そして垂直偏向板89に印加される。 § 付加遅延線上にあるタツプの制御 主遅延線40上のタツプが放射線状の集束走査
の始めに選択されるならば(即ちパルスP0の
各々が発生される時刻に選択が行われ、そして当
該走査の期間中において変化がない場合)、当該
タツプにより与えられる実際の遅延時間Th**と
理想的遅延時間Th(t)との差は非常に大きくな
る。その結果、パルスの重複は非常に少くなるの
で、映像のレンジ分解能及び角度分解能がそこな
われる。このような状況において、走査期間中に
ROM78を5×2048ビツトのメモリとし、且つ
集束ゾーン・カウンタ62からの全11ビツトによ
り該ROM78をアドレスすれば、主遅延線上の
タツプを変更することができる。したがつて各放
射線状の走査期間中にタツプ選択器38はタツプ
を16回も変更することができる。しかしノイズ発
生を減少させた高価なタツプ選択器38を使用し
ないようにするには、タツプをしばしば変更する
ことがないようにしなければならない。 他に、付加遅延線42を加算器34とタツプ選
択器38との間に挿入する方法がある。これは
1976年8月30日出願の米国特許Serial No.718721
に記載されている方法である。付加遅延線42の
タツプ間の遅延は、主遅延線40の差遅延
(differential delay)とほぼ等しいか又はそれ以
下である。したがつて各々の集束ゾーンの始めに
付加遅延線42上の適当なタツプを選択すること
は、結果として両遅延線の結合された遅延時間
Th**(t)(理想的な遅延時間Th(t)に近づく)
をもたらす。このことはROM92を用いて付加
遅延線42上のタツプ(1ケ)を選択するよう
に、タツプ選択器90を制御すればよい。ここで
ROM92は集束ゾーン・カウンタ62によりア
ドレスされる。なおこのときスイツチ36は開状
態とされていなければならない。しかし実際の装
置において、付加遅延線42は遅延を有しないよ
うプログラムされているので、スイツチ36は必
要としない。 上述した如く付加遅延線42を挿入するとき、
位相角Ωh(t)の値は前述の例とは異つた値とな
る。主遅延線40上のタツプはROM78及びタ
ツプ選択器38により設定される。(その結果、
特定走査線の最小理想的遅延Th(t)以下の遅延
TMDに最も近づいた値となる)。もし付加遅延線
42の遅延時間TID(t)が次式で示される値に設
定されるならば、2個の遅延線の組み合わせによ
り提供される実際の遅延時間は、第(1)式に示され
た理想的な遅延時間Th(t)と等しくなる。 付加遅延線42上のタツプ(本考案に従い、粗
い間隔で配置されている)を用いて、結合された
遅延のみを理想的な遅延時間Th(t)に近づける
ことができる。第(13)式又は第(14)式から位
相Ωh(t)を計算するにあたり、TID及びTMDの和
がTh**として用いられる。前記第(13)式又は
第(14)式は、位相選択器32及び32′により
提供される。 § チヤネル・ゲインの制御 付加遅延線を用いる方法のように、レンジ分解
能がある事実(即ち主遅延線40上のタツプによ
り提供される実際の遅延Th**が理想的な遅延時
間Th(t)と違いすぎるという事実)によつてそ
こなわれるとき、トランスデユーサ・チヤネルは
ターン・オフされる。これは2048×12ビツト
ROM96と共に、可変利得増幅器(VGA)26
に対するゲイン制御器94を制御することにより
実行される。前記ROM96は、集束ゾーン・カ
ウンタ62の出力によりアドレスされる。同様に
これらの素子は、レンジの増大に伴つて、チヤネ
ルのゲインを拡大するために用いられる。したが
つて音響波が人体内を通過するとき、該音響波の
減衰が補償される。 § 音響ラインの適合 第7B図は、第7A図に示された装置に音響遅
延線を適用した場合の構成を示すブロツク図であ
る(本考案の第2実施例)。 第7A図に示された超音波システムは、主遅延
線40が電気的であろうと又は音響的であろうと
用いることができる。しかし第7B図に示される
ように、音響ラインを用いたシステムから、ある
利点が導き出される。タツプ選択器38は本来、
多接点スイツチであるため、一方の入力端子を多
数ある出力線の一つに接続する。前記出力線は、
遅延線40の各タツプに接続されている。便宜
上、第7B図には、2本の出力線41及び41′
のみが示されている。また第7B図において、出
力線41は、ミキサ43の一方の入力端子に接続
されている。ミキサ43の出力端子は、遅延線4
0上のタツプ45に接続されている。ミキサ43
の他方の入力端子は、プリセツト位相選択器49
の出力端子に接続されている。前記位相選択器4
9は、発振器47の出力信号から特定の位相を選
び出す。遅延線40の中心周波数が20MHzであ
り、中間周波数(ωp−ωc)/2πが2MHzであるな
らば、発振器47の周波数は18MHzとなる。同様
に、出力線41′はミキサ43′を介して遅延線4
0上のタツプ45′に接続されている。前記ミキ
サ43′には、プリセツト位相選択器49′によつ
て選択された位相(発振器47の出力信号から選
ばれる)が導入される。 電気的遅延線が用いられるとき、タツプ間の遅
延時間は希望する値を有するよう正確に設定され
る(例えば0.5μSごとにタツプを設けていく)。し
かし、音響遅延線を用いる場合、このようなこと
は不可能である。 プリセツト位相選択器49及び49′の目的は、
音響遅延線40上のタツプ45及び45′の間隔
に生じるわずかな誤差を調節することにある。集
束に必要な位相シフトΩh(t)は、第7A図に示
されているミキサ28及び28′の第1ヘテロダ
イン処理により実現される。タツプ間隔の誤差を
補償するのに必要な位相シフトは、位相選択器4
9,49′又は他の手段(例えば同調回路)によ
つて実現される。 第7B図に示された回路構成を用いることによ
り、単一周波数における遅延線動作から他の周波
数における遅延線動作への変更を、他の回路部分
に変更を加えることなく行うことができる。した
がつてROM76,76′及びこれに関連した位
相選択器32,32′(第7A図参照)は正確に
同様な方法で動作し続けると共に、同一位相角
Ωhを中間周波信号(ミキサ28,28′の出力端
子に現われる)に伝える。発振器47の周波数
ω1は、ミキサ43及び43′の出力端子において
一定の中間周波数帯域を生じるよう設定される。
前記帯域は、遅延線40の通過帯域の中に含まれ
る。そして第2次固定複数要素ω1Th**を任意の
固定位相要素(タツプ間隔の誤差を補償するのに
必要)に加え合わせるため、位相選択器49,4
9′が制御される。ここでTh**は、ミキサ43及
び43′がそれぞれ接続されている主遅延線40
上のタツプにより提供される。 第7A図において述べたように、ミキサに導入
される発振器出力信号の位相を決定し、また付加
遅延線及び主遅延線上のタツプを選択するため
に、数個のROMが用いられている。そしてこれ
らROMには必要なデジタル情報がストアされて
いる。しかしこれらROMの代わりに1個のメモ
リを用い、これらを分解して前記デジタル情報を
ストアさせることは当該者にとつて容易なことで
ある。またマイクロプロセツサにおいて、前記情
報の計算をリアル・タイムで実行することも可能
である。本考案を実現するため、他の走査フオー
マツト及び他の制御技術を用いることも可能であ
る。 さまざまな計算において、トランスデユーサは
直線上に置かれているものと仮定されている。し
かし前記トランスデユーサが異つた形状を有する
線上に置かれているならば、トランスデユーサの
理想的遅延時間Th(t)を表わす式は異つたもの
となる。しかし集束に必要な位相は、第(13)式
及び第(14)式に示される如く、Th(t)と
Th**を今まで通り関連付ける。 § 位相変換手段 第7A図に示されたトランスデユーサから導き
出され、そして遅延線タツプに導入される信号の
位相Ωh(t)を変更する手段には、ミキサ、発振
器、位相選択器が含まれる。しかし位相変更を行
う前記手段には、各々のミキサに直列接続された
位相シフタを含むことができる。即ち前記位相シ
フタにcos(ωct+φ)なる信号が印加され、位
相シフタをΩ(t)だけ行うとすると、cos(ωct
+φ+Ω(t))なる出力信号が送り出される。 第8図は、中間周波信号の位相を変化させる位
相シフタを備えた音響映像装置の一部を示すブロ
ツク図である(本考案の第3実施例)。図示され
たトランスデユーサ・チヤネルにはトランスデユ
ーサ95、ミキサ97、加算器100の一方の入
力端子とミキサ97の出力端子との間に接続され
た位相シフタ98が含まれる。同様に、隣接する
トランスデユーサ・チヤネルにはトランスデユー
サ95′、ミキサ97′、加算器100′の他方の
入力端子とミキサ97′の出力端子との間に接続
された位相シフタ98′が含まれる。加算器10
0の出力端子は、タツプ選択器102の制御の下
に、主遅延線上のタツプのひとつと接続される。
また発振器104は、周波数ωpの同一位相信号
をミキサ97及び97′に送り出す。これら位相
シフタ98及び98′は、ROM(第7A図参照)
にストアされた情報に基づき、よく知られた方法
によつてデジタル的に制御される。なお位相シフ
タは、ミキサ97,97′とトランスデユーサ9
5,95′との間に置くことも可能である(破線
105,105′で示されている)。多くの応用例
においてほとんど希望されることはないが、複数
変換手段を位相シフタのみから構成し、そして第
3図に示されるようにミキサを含まないようにす
ることも可能である。 § 直交システム(Quadrature System) 第9図は位相直交技術(phase quadrature
technique)を用いた音響映像装置を示すブロツ
ク図である(本考案の第4実施例)。ここで、伝
送されたパルスの時間制御を行う手段、可変利得
増幅器のゲイン、位相角Ωh(t)、主遅延線のタ
ツプは第7A図に示されたものと同一又は等価で
ある。また図には唯一つのトランスデユーサ・チ
ヤネルのみが示されているが、他のトランスデユ
ーサ・チヤネルも同じである。 トランスデユーサ106から得られたトランス
デユーサ信号Eh(t)cos(ωct+φh)は、保護
回路108及び可変利得増幅器(VGA)110
を介して、ミキサ112及び114に導入され
る。そしてミキサ112において第5C図又は第
7A図に示される如く発振器出力信号cos(ωpt
+Ωh(t))との混合が行われる。またミキサ1
14において、信号sin(ωct+Ωh(t))との混
合が行われる。この信号は、前記発振器出力信号
を遅延線116に印加することにより得ることが
できる。即ち遅延線116は、周波数ωpの信号
を1/4周期だけ遅延させる機能を有する。 ミキサ112の出力信号は電気的主遅延線11
8上のタツプの一つに導入される。ここで前記タ
ツプの一つは、タツプ選択器120により決定さ
れる。遅延線118及びローパス・フイルタ12
1を通過した信号はミキサ122に導入され、信
号cosω1tと混合される。ミキサ114の出力信
号は、同一の電気的遅延線124上の同一タツプ
に導入される。ここで前記タツプはタツプ選択器
126により決定される。遅延線124及びロー
パス・フイルタ128(ローパス・フイルタ12
1と同一)を通過した信号はミキサ130に導入
され、信号sinω1tと混合される。いまωp=ωcなる
選択をすると、遅延線118,124及びローパ
ス・フイルタ121,128が必要とする周波数
帯域は、トランスデユーサから得られる信号の包
絡線Eh(t)を通過させるのに十分な帯域であり
さえすればよい。ミキサ122及び130の出力
信号は加算器132に加えられる。もし、ω1=
ω0であるならば、ミキサ122及び130の出
力信号は共に周波数ωcを有する。またローパ
ス・フイルタ121及び128の出力信号をミキ
サ122及び130に送り出す代わりに、これら
出力信号を処理することも可能である。例えば、
ミキサ出力の平方の和をめ、その平方根をとると
いつた信号処理である。全てのミキサにおいてデ
ジタル信号が用いられる。もし必要とするなら
ば、廉価な付加遅延線をX点に挿入することがで
きる(第7A図参照)。位相シフタは第8図に関
して説明した如く、ミキサ112及び114のど
ちら側に挿入してもよい。かくして一定位相を有
し且つ直交位相(quadrature phase)を導き出
す発振器又はクロツク発振器を用いることができ
る。上述した直交技術(quadrature technique)
は、遅延線118及び124が電荷結合デバイス
(CCD)で構成されているとき特に有用となる。 § 二重変換 第10図は、二重変換(ダブル・ヘテロダイ
ン)方式を用いた音響映像装置を示すブロツク図
である(本考案の第5実施例)。トランスデユー
サ134から得られる信号Eh(t)cos(ωct+
φh)はミキサ136に導入され、そして発振器
135の出力信号cosω1tと混合される。同一の
発振器出力信号(即ち、同一位相を有する)は、
他の全てのチヤネルに含まれる対応ミキサに導入
される。フイルタ138は、ミキサ136の出力
信号から下側波帯(ω1−ωc)を選択し、そして
ミキサ140に送り出す。ミキサ140におい
て、前記フイルタの出力信号と信号cos(ω2t+θT
(t))との混合が行われる。ここで前記信号cos
(ω2t+θh(t))は、位相選択器142により選
び出された信号である。位相選択器142を制御
する方法は、第7A図に示された位相選択器32
を制御する方法と同じである。したがつて発振器
144の出力信号の中で希望する位相を選択する
ことができる。タツプ選択器146は、ミキサ1
40の出力信号を主遅延線MD上の適当なタツプ
に導入させる。ここでタツプ選択器146は、第
7A図に示されたタツプ選択器38と同様の方法
で制御される。次に遅延線MDの出力信号はフイ
ルタ147に印加される。そして前記フイルタ1
47は、上側波帯(ω1+ω2−ωc)を選択する。
もしタツプ設定により提供される遅延時間が理想
的(即ちTh(t)に等しい)であり、且つ位相角
θhが次式の条件を満たすならば、正確な位相コ
ヒーレンスが得られる。 (16) θh(t−Th(t))=(ω1+ω2)Th(t) ここで(ω1+ω2)は、第(6)式のω0の代わりに
用いたものである。 本考案に基づいてより広いタツプ間隔を設定す
るため、θh(t)の代わりにΩh(t)が用いられ
る。そして位相角Ωh(t)は、第(13)式又は第
(14)式に示されているωpの代わりに(ω1+ω2)
を用いることにより決定される。第(13)式は次
のように変形される。 (17) Ωh(t)=(ω1+ω2)Th**+ωc〔Th(t+
Th**)−Th**〕 選択されるべきタツプの数を減少するため、第
2ミキサ(例えば140)の出力信号は、タツプ
選択器(例えば146)に導入される前に加え合
わせることができる。このため余分な費用を要す
るが、位相角Ωh(t)は位相シフタにより供給さ
れる。前記位相シフタはミキサ140の入力側又
は出力側のいずれかに配置される。このような手
段により、ω2の位相は一定に保たれる(第8図
の説明を参照)。 ミキサ136の出力端における下側波帯及びミ
キサ140の出力端における上側波帯は、フイル
タ138及び147によりそれぞれ選択される。
しかし次の表に示す如く適当な値のΩh(t)が使
用される限り、側波帯の任意な組み合わせを用い
ることが可能である。次に示す表において、ケー
ス#1は第10図に示されたシステムを説明して
いる。ω1及びω2の組み合わせは、それぞれ事実
上の発振周波数であると考えることができる。そ
してω1及びω2の組み合わせは、さまざまな式に
おいてω0の代わりに用いることができる。
【表】
第11図は、2個のミキサ及び付加遅延線を備
えた二重変換方式による音響映像装置を示すブロ
ツク図である(本考案の第6実施例)。図示され
たトランスデユーサ・チヤネルに含まれる2個の
ミキサは遅延線の前段と後段にそれぞれ配置され
ている。したがつて経時変化をする付加遅延線及
び固定遅延を有する主遅延線に対して、異つた中
間周波数を用いる能力が得られる。他の利点は、
位相補償Ωh(t)に必要とされる「予想
(anticipation)」が単純化されることである。な
ぜなら位相補償は、時間遅延の経時変化部分の後
(前でない)に行われるからである。トランスデ
ユーサ148はミキサ150に対して信号 Eh(t)cos(ωct+φh) を送り出す。そしてミキサ150において、発振
器152からの一定位相信号(cosω1t)と混合
される。するとミキサ150からは(ω1−ωc)
及び(ω1+ωc)なる周波数を有する中間周波信
号が送り出される。他のトランスデユーサ・チヤ
ネル(図示されていない)に含まれる対応するミ
キサについても、同様に一定位相の信号
(cosω1t)が導入される。第10図に示されたよ
うに、結果として生じたIF搬送波の下側波帯
(ω1−ωc)は、フイルタ154により選択され
る。前記フイルタ154は、ミキサ150の出力
端子と付加遅延線156(遅延時間Tih(t)を
有する)の一方の入力端との間に接続されてい
る。タツプ選択器158は付加遅延線156上の
タツプの一つをミキサ160に接続する。ここで
タツプ選択器158は、第7A図に示されたタツ
プ選択器90と同様の動作を行う。ミキサ160
において付加遅延線156の出力信号と、位相選
択器162の出力信号 cos(ω2t+Ωh(t)) が混合される。ここで位相選択162は、発振器
164の出力信号の中から所定の位相を選択す
る。そしてミキサ160の出力端にはIF搬送波
及びその側波帯が現われる。こういつた状況にお
いて必要とされる位相Ωh(t)を有する信号(周
波数ω2)は、適当な情報をROMにロードするこ
とにより供給される。前記ROMを用いて位相選
択器162を制御する方法は、第7A図において
ROM78がタツプ選択器38を制御する方法と
同じである。ミキサ160の出力端はタツプ選択
器166の入力端に接続される。タツプ選択器1
66は、第7A図に示されたタツプ選択器38と
同様な方法で制御される。そしてタツプ選択器1
66は、IF波を主遅延線MD(遅延時間TMDを有す
る)のタツプの一つに送り出す。主遅延線MDの
出力端に接続されたフイルタ167は、第10図
において説明した如く、上側波帯(ω1+ω2−ωc)
を選択する。 ある一定の放射状方向に沿つて集束走査が行わ
れている期間中、主遅延線MD上のタツプがその
まま保持されているならば(遅延TMD)、付加遅
延線156の付加遅延Tih(t)は次式で示され
る。但し2本の遅延線の結合された遅延が理想的
遅延に等しい場合に限る。 (18) Tih(t)=Th(t+TMD)−TMD 付加遅延線156にはタツプが設けられている
ので、該遅延線が理想的な遅延時間を提供するこ
とはまれであり、むしろTih(t)に最も近づい
た遅延Tih*(特定のタツプ設定による)が提供さ
れる。したがつて (19) Tih*(t)=Th*(t−TMD)−TMD この場合、ミキサ160に接続されている発振
器164の出力信号の位相角Ω^h(t)は、 (20) Ω^h(t−TMD)=ω1Th*(t)+ω2TMD+ωc.
〔Th(t)−Th*(t)〕 となる。そして自由変数tの代わりにt+TMDを
代入すると、次式が得られる。 (21) Ωh(t)=ω1Th*(t+TMD)+ω2TMD+ωc
〔Th・(t+TMD)−Th*(t+TMD〕. 第7B図に関して説明した如く、位相角の修正
は、タツプ位置の誤差を補償するために加算する
ことができる。 第(21)式を見ると、位相角Ωh(t)には各々
の発振周波数注入による影響を補償する要素が含
まれている。これら要素は、ラジアンで表わされ
た周波数に、注入ポイントの範囲を超えた実際の
遅延を乗ずることにより決定される。また前記位
相角には、ラジアン表示された搬送波周波数に遅
延差を乗ずることにより決定される要素が含まれ
ている。ここで遅延差とは、特定のトランスデユ
ーサに必要な理想的遅延と、集束を達成するため
の実際の遅延との差である。使用される実際の位
相角は、既に説明した如く、45゜に最も近い値又
は勝手に選択された角度となる。中間周波搬送波
の結果として生じた位相が入力端において任意に
選択された限界内にある限り、位相調整がなされ
るポイントは遅延線システムにとつて重要でな
い。したがつて2つのヘテロダイン手段が用いら
れる場合、必要とされる全位相シフトは、任意の
方法によつて、それぞれに分割される。第10図
に示される如く適当な符号が次に示す項に用いら
れる限り、側波帯に関する任意な組み合わせが選
択される。 ωc〔Th(t+TMD)−Th*(t+TMD)〕 及び ω1Th*(t+TMD). § 要約 トランスデユーサから導き出され、そして遅延
手段の入力端(即ちタツプ)に印加される信号
は、それが搬送波信号であるか又は中間周波信号
であるかにかかわりなく、これら信号の位相を制
御し、有用なビデオ信号を形成するための十分な
位相コヒーレンスをもつて、加算ポイントに到達
させる。このことにより、従来技術による場合と
同様に遅延手段が唯ひとつ頼りにされているなら
ば、必要とされる位相コヒーレンスを生じさせる
ために、わずかな入力端(即ちタツプ)を有する
遅延手段を用いることが可能である。本考案によ
り、もし電気的遅延線が用いられるならば該遅延
線のコストを大幅に減少させ、もし音響遅延線が
用いられるならば該遅延線の反射問題を大幅に減
少させ、更に従来装置において必要とされたタツ
プ切り替え機構から生じる有害なノイズの影響を
除去することができる。例えば発振周波数4.5M
Hz、搬送波周波数2.5MHz、パルス幅1.5μS、そし
て第6図に示されている如く2.2cmのすき間を有
するアレイ、0.5μS毎にタツプを有する主遅延線
(12μS)で良好な結果が得られる。第6図を見る
と、加算ポイントにおける2MHzの中間周波信号
に関する適当な位相コヒーレンスを実現するため
に、こういつたタツプ間隔ははるかに粗ずぎるこ
とが判明する。例えば±22.5゜以内の位相コヒー
レンスを実現するために、タツプは50ns(500nsで
ない)ずつ離れて配置されなければならない。即
ち本装置に比べて10倍ものタツプ数が必要とな
る。もしパルス重複が十分であるならば、一様に
粗く配列されたタツプが使用可能となる。 本考案によればダイナミツク集束が容易に行わ
れるので、粗間隔に配置された遅延線タツプを用
いて固定焦点システムのコストを軽減することが
できる。換言すれば、与えられたタツプ間隔を用
いて固定焦点システムをより高い周波数で動作さ
せることが可能である。 本考案の実施例において、診断せんとする人体
内に音響エネルギー・パルスを送出するトランス
デユーサ・アレイと、特定の目標から反射された
エネルギーを受信するトランスデユーサ・アレイ
は同一である。しかし本考案はアレイの集束に関
するものであるため、2個の別個なアレイを用い
ることもできる。あるいは本考案に係る装置に含
まれていないソースからエネルギーを供給し、そ
して本考案に従つて受信用アレイで集束を行うこ
とも可能である。
えた二重変換方式による音響映像装置を示すブロ
ツク図である(本考案の第6実施例)。図示され
たトランスデユーサ・チヤネルに含まれる2個の
ミキサは遅延線の前段と後段にそれぞれ配置され
ている。したがつて経時変化をする付加遅延線及
び固定遅延を有する主遅延線に対して、異つた中
間周波数を用いる能力が得られる。他の利点は、
位相補償Ωh(t)に必要とされる「予想
(anticipation)」が単純化されることである。な
ぜなら位相補償は、時間遅延の経時変化部分の後
(前でない)に行われるからである。トランスデ
ユーサ148はミキサ150に対して信号 Eh(t)cos(ωct+φh) を送り出す。そしてミキサ150において、発振
器152からの一定位相信号(cosω1t)と混合
される。するとミキサ150からは(ω1−ωc)
及び(ω1+ωc)なる周波数を有する中間周波信
号が送り出される。他のトランスデユーサ・チヤ
ネル(図示されていない)に含まれる対応するミ
キサについても、同様に一定位相の信号
(cosω1t)が導入される。第10図に示されたよ
うに、結果として生じたIF搬送波の下側波帯
(ω1−ωc)は、フイルタ154により選択され
る。前記フイルタ154は、ミキサ150の出力
端子と付加遅延線156(遅延時間Tih(t)を
有する)の一方の入力端との間に接続されてい
る。タツプ選択器158は付加遅延線156上の
タツプの一つをミキサ160に接続する。ここで
タツプ選択器158は、第7A図に示されたタツ
プ選択器90と同様の動作を行う。ミキサ160
において付加遅延線156の出力信号と、位相選
択器162の出力信号 cos(ω2t+Ωh(t)) が混合される。ここで位相選択162は、発振器
164の出力信号の中から所定の位相を選択す
る。そしてミキサ160の出力端にはIF搬送波
及びその側波帯が現われる。こういつた状況にお
いて必要とされる位相Ωh(t)を有する信号(周
波数ω2)は、適当な情報をROMにロードするこ
とにより供給される。前記ROMを用いて位相選
択器162を制御する方法は、第7A図において
ROM78がタツプ選択器38を制御する方法と
同じである。ミキサ160の出力端はタツプ選択
器166の入力端に接続される。タツプ選択器1
66は、第7A図に示されたタツプ選択器38と
同様な方法で制御される。そしてタツプ選択器1
66は、IF波を主遅延線MD(遅延時間TMDを有す
る)のタツプの一つに送り出す。主遅延線MDの
出力端に接続されたフイルタ167は、第10図
において説明した如く、上側波帯(ω1+ω2−ωc)
を選択する。 ある一定の放射状方向に沿つて集束走査が行わ
れている期間中、主遅延線MD上のタツプがその
まま保持されているならば(遅延TMD)、付加遅
延線156の付加遅延Tih(t)は次式で示され
る。但し2本の遅延線の結合された遅延が理想的
遅延に等しい場合に限る。 (18) Tih(t)=Th(t+TMD)−TMD 付加遅延線156にはタツプが設けられている
ので、該遅延線が理想的な遅延時間を提供するこ
とはまれであり、むしろTih(t)に最も近づい
た遅延Tih*(特定のタツプ設定による)が提供さ
れる。したがつて (19) Tih*(t)=Th*(t−TMD)−TMD この場合、ミキサ160に接続されている発振
器164の出力信号の位相角Ω^h(t)は、 (20) Ω^h(t−TMD)=ω1Th*(t)+ω2TMD+ωc.
〔Th(t)−Th*(t)〕 となる。そして自由変数tの代わりにt+TMDを
代入すると、次式が得られる。 (21) Ωh(t)=ω1Th*(t+TMD)+ω2TMD+ωc
〔Th・(t+TMD)−Th*(t+TMD〕. 第7B図に関して説明した如く、位相角の修正
は、タツプ位置の誤差を補償するために加算する
ことができる。 第(21)式を見ると、位相角Ωh(t)には各々
の発振周波数注入による影響を補償する要素が含
まれている。これら要素は、ラジアンで表わされ
た周波数に、注入ポイントの範囲を超えた実際の
遅延を乗ずることにより決定される。また前記位
相角には、ラジアン表示された搬送波周波数に遅
延差を乗ずることにより決定される要素が含まれ
ている。ここで遅延差とは、特定のトランスデユ
ーサに必要な理想的遅延と、集束を達成するため
の実際の遅延との差である。使用される実際の位
相角は、既に説明した如く、45゜に最も近い値又
は勝手に選択された角度となる。中間周波搬送波
の結果として生じた位相が入力端において任意に
選択された限界内にある限り、位相調整がなされ
るポイントは遅延線システムにとつて重要でな
い。したがつて2つのヘテロダイン手段が用いら
れる場合、必要とされる全位相シフトは、任意の
方法によつて、それぞれに分割される。第10図
に示される如く適当な符号が次に示す項に用いら
れる限り、側波帯に関する任意な組み合わせが選
択される。 ωc〔Th(t+TMD)−Th*(t+TMD)〕 及び ω1Th*(t+TMD). § 要約 トランスデユーサから導き出され、そして遅延
手段の入力端(即ちタツプ)に印加される信号
は、それが搬送波信号であるか又は中間周波信号
であるかにかかわりなく、これら信号の位相を制
御し、有用なビデオ信号を形成するための十分な
位相コヒーレンスをもつて、加算ポイントに到達
させる。このことにより、従来技術による場合と
同様に遅延手段が唯ひとつ頼りにされているなら
ば、必要とされる位相コヒーレンスを生じさせる
ために、わずかな入力端(即ちタツプ)を有する
遅延手段を用いることが可能である。本考案によ
り、もし電気的遅延線が用いられるならば該遅延
線のコストを大幅に減少させ、もし音響遅延線が
用いられるならば該遅延線の反射問題を大幅に減
少させ、更に従来装置において必要とされたタツ
プ切り替え機構から生じる有害なノイズの影響を
除去することができる。例えば発振周波数4.5M
Hz、搬送波周波数2.5MHz、パルス幅1.5μS、そし
て第6図に示されている如く2.2cmのすき間を有
するアレイ、0.5μS毎にタツプを有する主遅延線
(12μS)で良好な結果が得られる。第6図を見る
と、加算ポイントにおける2MHzの中間周波信号
に関する適当な位相コヒーレンスを実現するため
に、こういつたタツプ間隔ははるかに粗ずぎるこ
とが判明する。例えば±22.5゜以内の位相コヒー
レンスを実現するために、タツプは50ns(500nsで
ない)ずつ離れて配置されなければならない。即
ち本装置に比べて10倍ものタツプ数が必要とな
る。もしパルス重複が十分であるならば、一様に
粗く配列されたタツプが使用可能となる。 本考案によればダイナミツク集束が容易に行わ
れるので、粗間隔に配置された遅延線タツプを用
いて固定焦点システムのコストを軽減することが
できる。換言すれば、与えられたタツプ間隔を用
いて固定焦点システムをより高い周波数で動作さ
せることが可能である。 本考案の実施例において、診断せんとする人体
内に音響エネルギー・パルスを送出するトランス
デユーサ・アレイと、特定の目標から反射された
エネルギーを受信するトランスデユーサ・アレイ
は同一である。しかし本考案はアレイの集束に関
するものであるため、2個の別個なアレイを用い
ることもできる。あるいは本考案に係る装置に含
まれていないソースからエネルギーを供給し、そ
して本考案に従つて受信用アレイで集束を行うこ
とも可能である。
第1図は従来技術による超音波システムを説明
した図、第2図は従来技術によるダイナミツク集
束を説明した図、第3図は本考案の一実施例を説
明したブロツク図、第4図は本考案の他実施例を
説明した図、第5A図は従来技術によるトランス
デユーサ・チヤネルを示す図、第5B図は本考案
の一実施例によるトランスデユーサ・チヤネルを
示す図、第5C図及び第5D図は本考案の他実施
例によるトランスデユーサ・チヤネルを示す図、
第6図はアレイの中心線のまわりに対称的に配置
された8個のトランスデユーサを集束するのに必
要な理想的遅延を示すグラフ、第7A図は本考案
の一実施例による音響映像装置を示す全体ブロツ
ク図(第一実施例)、第7B図は第7A図に示さ
れた装置に音響遅延線を適用した場合の構成を示
すブロツク図(第2実施例)、第8図は中間周波
信号の位相を変化させる位相シフタを備えた音響
映像装置の一部を示すブロツク図(第3実施例)、
第9図は位相直交技術を用いた音響映像装置を示
すブロツク図(第4実施例)、第10図は二重変
換方式を用いた音響映像装置を示すブロツク図
(第5実施例)、第11図は2個のミキサ及び付加
遅延線を備えた二重変換方式による音響映像装置
を示すブロツク図である(第6実施例)。
した図、第2図は従来技術によるダイナミツク集
束を説明した図、第3図は本考案の一実施例を説
明したブロツク図、第4図は本考案の他実施例を
説明した図、第5A図は従来技術によるトランス
デユーサ・チヤネルを示す図、第5B図は本考案
の一実施例によるトランスデユーサ・チヤネルを
示す図、第5C図及び第5D図は本考案の他実施
例によるトランスデユーサ・チヤネルを示す図、
第6図はアレイの中心線のまわりに対称的に配置
された8個のトランスデユーサを集束するのに必
要な理想的遅延を示すグラフ、第7A図は本考案
の一実施例による音響映像装置を示す全体ブロツ
ク図(第一実施例)、第7B図は第7A図に示さ
れた装置に音響遅延線を適用した場合の構成を示
すブロツク図(第2実施例)、第8図は中間周波
信号の位相を変化させる位相シフタを備えた音響
映像装置の一部を示すブロツク図(第3実施例)、
第9図は位相直交技術を用いた音響映像装置を示
すブロツク図(第4実施例)、第10図は二重変
換方式を用いた音響映像装置を示すブロツク図
(第5実施例)、第11図は2個のミキサ及び付加
遅延線を備えた二重変換方式による音響映像装置
を示すブロツク図である(第6実施例)。
Claims (1)
- 【実用新案登録請求の範囲】 被試験物体に与えられた超音波パルスの反射よ
り映像を得る音響映像装置において、 入力する前記超音波パルスを電気信号に変換す
る複数のトランスデユーサから成るアレイと、 前記アレイ上の各トランスデユーサからの前記
電気信号を、前記電気信号の搬送波の位相を変化
させるためヘテロダイン方式周波数変換器と局部
発振信号発生器を有する複数の位相変化器、およ
び複数通りの遅延を選択的に与える遅延器を経由
して加算ポイントに与える手段と、 前記遅延器での遅延が前記トランスデユーサが
所与の点に焦点を結ぶために必要な理想遅延に近
い値を持つように前記遅延器での遅延を選択する
手段と、 前記局部発振信号発生器の位相を変化させるこ
とにより、前記遅延器による遅延と前記理想遅延
との差を補償する位相制御手段と を設け、 前記加算ポイントにおいて、前記所与の点での
反射による前記複数のトランスデユーサからの電
気信号の搬送波の位相が互いにほぼ同相となるよ
うにしたことを特徴とする音響映像装置。
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| US05862454 US4140022B1 (en) | 1977-12-20 | 1977-12-20 | Acoustic imaging apparatus |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6227608U JPS6227608U (ja) | 1987-02-19 |
| JPH0127769Y2 true JPH0127769Y2 (ja) | 1989-08-23 |
Family
ID=25338521
Family Applications (2)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP53159817A Expired JPS5816892B2 (ja) | 1977-12-20 | 1978-12-20 | 音響映像装置 |
| JP1986113958U Expired JPH0127769Y2 (ja) | 1977-12-20 | 1986-07-24 |
Family Applications Before (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP53159817A Expired JPS5816892B2 (ja) | 1977-12-20 | 1978-12-20 | 音響映像装置 |
Country Status (5)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US4140022B1 (ja) |
| JP (2) | JPS5816892B2 (ja) |
| DE (1) | DE2854134C2 (ja) |
| FR (1) | FR2412854A1 (ja) |
| GB (2) | GB2097924B (ja) |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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