JPH0130474B2 - - Google Patents
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- JPH0130474B2 JPH0130474B2 JP55092686A JP9268680A JPH0130474B2 JP H0130474 B2 JPH0130474 B2 JP H0130474B2 JP 55092686 A JP55092686 A JP 55092686A JP 9268680 A JP9268680 A JP 9268680A JP H0130474 B2 JPH0130474 B2 JP H0130474B2
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Description
本発明はユーホルビア属ハナキリンに属する培
養細胞に関し、更に詳しくは、赤色色素生産能が
高くかつ安定で環境適応能に富み、生育の旺盛な
未分化細胞形態を有するユーホルビア属ハナキリ
ンに属する培養細胞に関する。 色素は食品着色剤などとして食品に美感などを
付与するために多用されているが、合成着色剤は
その毒性、例えば突然変異原性等の点で発ガン性
物質としていろいろ問題を起している。従つて、
食品等に用いられる着色剤としてはその安全性の
面から天然物に由来する色素の使用が望まれてい
る。しかしながら、天然栽培は季節、気候、温
度、緯度等の自然環境の制約を受け易いために、
天然植物からの採取では安定した供給を続けるこ
とができない。また、耕地を利用した大量の栽培
は、当然食糧生産と拮抗するのでその供給に限界
があり、しかもその生産性にも自から限界があり
著しく高価なものとなる。 然るに、近年、植物成分を生産する手法とし
て、植物細胞培養の研究が進められている。植物
細胞培養は、年単位又は月単位で生育する天然植
物に比べ、はるかに速い速度で生育するので短時
間に目的とする成分を生産することができ、また
天然栽培と違つて天候等の影響を受けず、採取に
も多くの人手を煩わすことなく、しかも工業的規
模で計画生産することができるという利点を有す
る。 かかる観点から本発明者等は植物細胞培養によ
り天然色素を工業的に有利に生産すべく鋭意研究
を進めた結果、前述の如く、ユーホルビア属ハナ
キリンの葉を2,4−ジクロルフエノキシ酢酸を
含む培地で培養して得た赤色天然色素の生産能が
高くかつ安定で環境適応能に富み、生育の旺盛な
未分化細胞形態を有するユーホルビア属ハナキリ
ンに属する培養細胞を創成することに成功し、本
発明をするに至つた。 従来品種のユーホルビア属ハナキリンは有用な
天然赤色色素の生産能は全くなく、従つてこの品
種の組織培養物を赤色天然色素の生産に利用する
ことができなかつた。然るに本発明者等は、ユー
ホルビア属ハナキリンの細胞組織を、好ましくは
2,4−ジクロルフエノキシ酢酸(2,4−D)
を10-6〜10-7Mおよびシヨ糖を4〜8%の濃度で
含む培地で培養することにより赤色天然色素生産
能を有する未分化細胞を誘導し、次いで赤色天然
色素生産性を指標として、赤色天然色素の高生産
能および安定生産能に優れた未分化細胞を、好ま
しくは2,4−D10-6〜10-7M及びシヨ糖4〜8
%の濃度で含む培地上で、選抜してその特性を固
定させた結果、赤色天然色素の高生産能および安
定生産能に優れるという特性ばかりでなく、生育
が速く、環境適応性にも優れるという特性も同時
に固定されたユーホルビア属ハナキリンに属する
培養細胞を創成した。 本発明に係るユーホルビア属植物ハナキリンに
属する培養細胞は例えば、以下のようにして創成
した。 先ず、市販の園芸品種ハナキリンの葉を脱イオ
ン水で充分洗浄した後、70%エチルアルコールに
5〜10分間、次いで10%さらし粉溶液に5〜10分
間浸漬して表面に付着している雑菌を殺菌した
後、無菌蒸留水で残存殺菌剤を洗浄除去する。 次に、殺菌した葉を適当な大きさに滅菌メスで
切断して小片とし、2,4−ジクロルフエノキシ
酢酸(2,4−D)を含む合成培地上に置床す
る。 合成培地の一例を示せば、以下の表1に示すよ
うな組成の無機合成培養液に2,4−D5×
10-7Mと表2に示すような組成の有機物及び寒天
0.8%w/vを加えて固化させた培地を好適に使
用できる。
養細胞に関し、更に詳しくは、赤色色素生産能が
高くかつ安定で環境適応能に富み、生育の旺盛な
未分化細胞形態を有するユーホルビア属ハナキリ
ンに属する培養細胞に関する。 色素は食品着色剤などとして食品に美感などを
付与するために多用されているが、合成着色剤は
その毒性、例えば突然変異原性等の点で発ガン性
物質としていろいろ問題を起している。従つて、
食品等に用いられる着色剤としてはその安全性の
面から天然物に由来する色素の使用が望まれてい
る。しかしながら、天然栽培は季節、気候、温
度、緯度等の自然環境の制約を受け易いために、
天然植物からの採取では安定した供給を続けるこ
とができない。また、耕地を利用した大量の栽培
は、当然食糧生産と拮抗するのでその供給に限界
があり、しかもその生産性にも自から限界があり
著しく高価なものとなる。 然るに、近年、植物成分を生産する手法とし
て、植物細胞培養の研究が進められている。植物
細胞培養は、年単位又は月単位で生育する天然植
物に比べ、はるかに速い速度で生育するので短時
間に目的とする成分を生産することができ、また
天然栽培と違つて天候等の影響を受けず、採取に
も多くの人手を煩わすことなく、しかも工業的規
模で計画生産することができるという利点を有す
る。 かかる観点から本発明者等は植物細胞培養によ
り天然色素を工業的に有利に生産すべく鋭意研究
を進めた結果、前述の如く、ユーホルビア属ハナ
キリンの葉を2,4−ジクロルフエノキシ酢酸を
含む培地で培養して得た赤色天然色素の生産能が
高くかつ安定で環境適応能に富み、生育の旺盛な
未分化細胞形態を有するユーホルビア属ハナキリ
ンに属する培養細胞を創成することに成功し、本
発明をするに至つた。 従来品種のユーホルビア属ハナキリンは有用な
天然赤色色素の生産能は全くなく、従つてこの品
種の組織培養物を赤色天然色素の生産に利用する
ことができなかつた。然るに本発明者等は、ユー
ホルビア属ハナキリンの細胞組織を、好ましくは
2,4−ジクロルフエノキシ酢酸(2,4−D)
を10-6〜10-7Mおよびシヨ糖を4〜8%の濃度で
含む培地で培養することにより赤色天然色素生産
能を有する未分化細胞を誘導し、次いで赤色天然
色素生産性を指標として、赤色天然色素の高生産
能および安定生産能に優れた未分化細胞を、好ま
しくは2,4−D10-6〜10-7M及びシヨ糖4〜8
%の濃度で含む培地上で、選抜してその特性を固
定させた結果、赤色天然色素の高生産能および安
定生産能に優れるという特性ばかりでなく、生育
が速く、環境適応性にも優れるという特性も同時
に固定されたユーホルビア属ハナキリンに属する
培養細胞を創成した。 本発明に係るユーホルビア属植物ハナキリンに
属する培養細胞は例えば、以下のようにして創成
した。 先ず、市販の園芸品種ハナキリンの葉を脱イオ
ン水で充分洗浄した後、70%エチルアルコールに
5〜10分間、次いで10%さらし粉溶液に5〜10分
間浸漬して表面に付着している雑菌を殺菌した
後、無菌蒸留水で残存殺菌剤を洗浄除去する。 次に、殺菌した葉を適当な大きさに滅菌メスで
切断して小片とし、2,4−ジクロルフエノキシ
酢酸(2,4−D)を含む合成培地上に置床す
る。 合成培地の一例を示せば、以下の表1に示すよ
うな組成の無機合成培養液に2,4−D5×
10-7Mと表2に示すような組成の有機物及び寒天
0.8%w/vを加えて固化させた培地を好適に使
用できる。
【表】
【表】
【表】
置床後、20〜30℃、好ましくは25℃前後の一定
温度条件下の明所、好ましくは100ルツクス以上、
更に好ましくは3000〜100000ルツクスの光照射下
において培養する。かかる培養により一週間経過
後頃にはハナキリンの葉から前記赤色色素を生産
する培養細胞が形成される。なお、2,4−Dに
代えて、従来一般的に使用されているナフタレン
酢酸(NAA)をオーキシン作用物質として含む
培地で誘導した従来品種Aは有用天然色素クリサ
ンテミンの生成能が全く無い。 前記培養細胞を誘導又は培養するのに用いられ
る培地としては、各種既知の無機合成寒天培地を
基本とし、これにビタミン等の微量有機物、炭素
源、植物ホルモンおよび各種天然抽出物質を添加
したものを用いる。 前記無機合成寒天培地の代表例としては、表1
に示した合成培地の他に、ホワイト培地、ヒルデ
ブランド培地、リンスマイヤー−スクーグ培地等
があげられる。その他、これらの培地の組成を改
良したものも使用することができる。 前記ビタミン等の微量有機物としては、チアミ
ン塩酸塩、ピリドキシン塩酸塩、ニコチン酸等の
ビタミン;グリシン、アスパラギン等のアミノ
酸;イノシツト、ソルビツト等の6価アルコール
をあげることができるが、これらの微量有機物は
培地に添加しなくても良好な生育を示す場合があ
る。 前記炭素源としては、特にシヨ糖の使用が色素
生産性が高く好ましい。使用濃度は2〜10%w/
v、好ましくは4〜8%w/vである。この濃度
が高すぎると生育が遅くなり、逆に低すぎると色
素の生産が抑えられるので好ましい。 植物ホルモンとしては、前記した如く、2,4
−Dの使用が必須であるが、オーキシン作用物質
を除く他の植物ホルモン、例えばカイメチンなど
のサイトカイニン類やジベレリンA3などのジベ
レリン類などの併用を妨げるものではない。2,
4−Dの使用濃度は10-4〜10-7M、好ましくは
10-6〜10-7Mであり、この濃度が高過ぎると、細
胞が生育しないので好ましくなく、逆に低過ぎる
場合には緑化したり、生育しなかつたりするので
好ましくない。 前記各種天然抽出物質としては、例えばカゼイ
ン加水分解物(0〜2%w/v)、ココナツツミ
ルク(0〜25%w/v)、酵母エキス(0〜2%
w/v)、麦芽エキス(0〜2%w/v)などを
単独又は任意に組み合せて使用することができ
る。 本発明において前述の如く細胞の培養は、細胞
を内蔵した培養器を100ルツクス以上、好ましく
は3000〜100000ルツクスの光照射下に設置して実
施する。光源としては、太陽光、螢光灯、白熱電
灯、水銀灯などを用いることができる。光照射を
実施しない場合には色素が生産されない。 このようにして誘導した、赤色天然色素の生産
能を有する培養細胞の中から赤色天然色素生産性
を指標として、赤色天然色素の高生産能および安
定生産能に優れた未分化細胞を選抜してその特性
を固定した新品種Bを得るには、例えば以下の工
程(a)〜(d)のようにして実施することができる。 工程(a): この工程においては上で形成されたハナキリン
培養細胞塊をほぐし、前記した培地中に分散さ
せ、好ましくは懸濁培養法により生育させる。懸
濁培養は、温度20〜30℃、好ましくは25℃前後で
明所、好ましくは3000ルツクス以上の光照射下で
3〜14日程度実施する。培養が14日を超える長期
に亘ると定常期後半になり、逆に3日未満では未
だ誘導期にあるので以下の工程における正常な生
育が期待できない。 工程(b): この工程においては、上記工程(a)で得た懸濁培
養液を2種類の大きさの網目を有する二つのフイ
ルター、好ましくは二重フイルターで過し、両
フイルターの中間の大きさの培養細胞塊を選択的
に集めて培養細胞塊の大きさを所定の範囲内の大
きさに揃える。フイルターの網目の大きさは任意
に選ぶことができるが、破壊細胞片や巨大細胞塊
の混入を防止するため、小さい方のフイルターの
網目サイズは50〜100μ、好ましくは100μ、大き
い方のフイルターの網目サイズは150〜200μ、好
ましくは150μであるのが望ましい。フイルター
の材質は細胞に影響を与えない材質であれば特に
限定はないが、例えばステンレススチールやナイ
ロンが望ましい。 工程(c): この工程においては、上記工程(b)で得られた所
定範囲内の大きさの培養細胞を溶解した寒天培地
に分散させてペトリ皿のような偏平な容器に流し
込み、分散した培養細胞を生育させてコロニーを
形成させる。培養細胞を生育させるためには、培
養細胞を寒天培地に分散する際の細胞濃度が104
〜106細胞数/mlであるのが望ましく、この濃度
より高いと形成するコロニーが接近し過ぎるし、
逆に低いと生育し難くなるので好ましくない。こ
の工程において使用する寒天培地は上記懸濁培養
の培地と同一の培地か、又はこれを適宜修正した
培地に例えば寒天0.6〜0.8%を添加したものを用
いるのが好ましい。培養は温度20〜30℃、好まし
くは25℃前後で明所、好ましくは3000ルツクス以
上の光照射下に14〜28日程度実施する。培養期間
が28日を超える長期に亘ると定常期を超え、逆に
14日未満では未だ誘導期か或いは対数増殖期前期
にあり、コロニーの大きさが小さすぎて好ましく
ない。 工程(d): この工程においては増殖した細胞塊の中から赤
色色素クリサンテミン含量の高い細胞塊を選択す
る。所望の細胞塊の選択は、赤色色素濃度を目視
で判定して最も色素含量の高いと思われるものを
1個又は複数個選択しても良いが、目視判定では
なく色素が可視吸収をもつていることを利用し
て、各細胞塊を半割し、半割した一方に含まれる
色素を抽出して色素含量を測定し、その色素含量
の最高値を有する半割分の他方を選んでもよい。
この最高含量の細胞塊のほかに色素含量の高い細
胞塊を1個又はそれ以上更に選んでも良いことは
いうまでもない。上記色素の抽出定量法として
は、0.01〜5%の塩酸(或いはギ酸、酢酸など)
を含むメタノール(或いはエタノール、水などで
もよい)の一定量に−5〜10%程度の温度におい
て各細胞塊を浸漬し、1〜2時間後抽出液の一定
量を比色定量するか、あるいは抽出液の一定量を
高速液体クロマトグラフイーや薄層クロマトデン
シトメーターで内部標準法か外部標準法を用いて
定量する方法を用いれば良い。 このようにして選択した細胞塊は、必要によ
り、更に工程(a)、(b)、(c)及び(d)により選抜を所望
回数繰り返して高色素含量の安定株を得ることが
できる。 選抜された細胞塊を培養して赤色色素クリサン
テミンを生産する場合には、生産された赤色色素
は、公知の方法、例えば溶媒抽出法によつて分離
採取することができる。以下にその一例を説明す
る。 先ず、塩酸、酢酸、ギ酸などの酸を0.01〜5重
量%程度の濃度で含む溶媒、好ましくは水又はメ
タノール、エタノールなどのアルコール系溶媒に
培養細胞、好ましくは常法に従つて凍結乾燥した
培養細胞を−5〜10℃の温度において浸漬し生産
された赤色色素を抽出する。次に得られた抽出液
をロ過などの操作で固形分を除去した後、40℃以
下の温度(この温度が高過ぎると赤色色素が分解
しやすくなるので好ましくない)で減圧濃縮し、
この濃縮液を分液ロートに移し、例えばエーテル
(エーテルに代えてヘキサン、ヘプタン、石油エ
ーテル、クロロホルム、二酸化メチレン、酢酸エ
チルなどを用いることもできる)を加えて振とう
し、油溶性不純物をエーテルに溶解させて分離除
去する。このエーテル洗浄操作を数回繰り返した
後、色素抽出液を減圧乾燥することによつて目的
とする赤色色素を得ることができ、更にセルロー
ス薄層クロマトグラフイー、セルロースカラムク
ロマトグラフイー、ペーパークロマトグラフイー
などによつて精製することができる。 前記した創成手段によつて植物の遺伝子構成が
変化しているか否か、即ち従来品種Aと本発明培
養細胞とで遺伝子構成が異なつているか否かは直
接的には証明できない。しかしながら、本発明培
養細胞をNAAを含む培地中で栽培しても天然赤
色色素クリサンテミン生産能が消えないこと及び
従来品種Aを2,4−Dを含む培地で栽培しても
色素生産能が生じないことの二点からみて、これ
らの二品種は単なる変異株ではなく遺伝子構成の
異なるものであると結論することができる。 本発明に係る本発明培養細胞は未分化細胞形態
で増殖する植物であるので分化細胞形態で増殖す
る植物の栽培とはその方法を異にする。すなわ
ち、例えば表1に示すような組成の無機合成培養
液に2,4−D0.1ppmと表2に示すような組成
の有機物を加え、PH6.0でオートクレーブし、こ
れを綿栓をした三角フラスコ又は坂口フラスコや
撹拌機の付いた槽に注入し、その培養液中で本品
種Bの栽培をする。栽培条件は、例えば温度20〜
35℃、好ましくは25℃前後の一定温度下、明所、
好ましくは3000〜100000ルツクスの光照射下に、
例えば100mlの培養液を入れた300mlの三角フラス
コを120rpm、4cmの振巾を有する往復振とう機
上で振とうさせることによつて実施することがで
きる。 次に、本発明培養細胞の特性を従来品種Aの特
性と比較しながら以下に説明する。 生育速度は、第1図に示すように、生育比を指
標とすると本発明培養細胞は栽培14日で定常期に
入り、約10倍の生育比を示すのに対し、従来の品
種Aは栽培28日で定常期に入り、約8倍の生育比
を示す。このように本発明培養細胞は従来品種A
に比較して誘導期が短かく、増殖速度も大きく、
しかも定常期の生育比も大きいので生育速度が著
しく大きいことが認められた。 次に、環境適応性について、対PH、対温度及び
対振とう数を調べた結果をそれぞれ第2図、第3
図及び第4図に示す。 PH変化に対する適応性は、第2図に示したよう
に、本発明培養細胞はPH4.5〜7の範囲で安定に
生育するのに対し、従来品種Aは5.5〜6.5の狭い
範囲でしか安定に生育しない。この様に本発明培
養細胞はPH変化に対する広い適応性を有してい
る。 温度変化に対する適応性は、第3図に示す如
く、本発明培養細胞が20〜35℃の温度範囲で安定
に生育するのに対し従来品種Aは25〜30℃の狭い
温度範囲でしか安定に生育しない。この様に本発
明培養細胞は温度変化に対しても広い適応性を有
している。 振とう培養機の振とう数変化に対する適応性
は、第4図に示すように、本発明培養細胞が100
〜180rpmの広い振とう数範囲で安定に生育する
のに対し従来品種Aは100〜120rpmの狭い振とう
数範囲でしか安定に生育しない。この様に本発明
培養細胞は振とう数変化に対しても広い適応性を
有している。 本発明培養細胞の赤色色素クリサンテミン高生
産性及び安定生産性については、第1図〜第4図
の曲線□−□で示したように、10%/乾重以上
と、赤色天然色素生産能のない従来品種Aに比較
しては勿論のこと、本発明培養細胞の選抜前の培
養細胞の赤色色素の生産性1.4%/乾重と比較し
ても約8倍強の赤色天然色素生産性を有し、本発
明培養細胞が極めて高い赤色天然色素生産能をも
つことが明らかである。また、第2図〜第4図の
結果から明らかなように、本発明培養細胞はPH4
〜6.5、温度15〜30℃及び振とう数60〜180rpmの
範囲で赤色天然色素を安定に生産し、著しく広い
安定生産性を有している。 本発明の新品種Bの培養細胞の形態的な特性に
ついては、その大きさと形は従来品種Aと類似
し、大きさは30〜50μ程度で形はほぼ球形であ
り、色は全体に赤色を帯び、この点で従来品種A
と全く異なつている。この様に、本発明培養細胞
と従来品種Aの特性は全く異なつており、この点
からも二つの品種A及びBは遺伝子構成を異にす
るものと結論づけることができる。なお、本発明
培養細胞の培養細胞を微工研に寄託しようとした
が受付けられなかつた。しかしながら、本発明の
品種Bは従来品種のハナキリンから前述のような
創成手段により繰り返し確実に創成できるもので
ある。 以下に本発明の実施例を説明するが、本発明の
範囲を以下の実施例に限定するものでないことは
いうまでもない。 実施例 市販の園芸品種ハナキリン(樹高約30cm、葉長
約5cm)の葉を充分に水洗し、広さ4cm2程度に切
断した。次いで、これらの切片を70%エチルアル
コールに5分間浸漬し、更に10%さらし粉溶液に
10分間浸漬して殺菌処理した後、無菌箱内で無菌
蒸留水中に数回浸漬して洗浄し、充分に残存殺菌
剤を除去した。これらの葉切片を減菌メスを用い
て広さ1cm2程度の小片に切断し、得られたハナキ
リンの葉の小切片を以下の組成の合成寒天培地に
無菌的に置床した。 培地としては、前記表1に示した無機塩培地
に、シヨ糖6%w/v、麦芽エキス0.2%w/v、
2,4−D5×10-7M、チアミン塩酸塩0.1ppm、
ピリドキシン塩酸塩0.5ppm、ニコチン酸
0.5ppm、グリシン2ppmおよびイノシトール
100ppmを加えてPH6.0に調整し、寒天0.8%w/
vを加えて常法通り殺菌した培地を用いた。 このような培地に置床したハナキリンの葉の小
片を培養温度25℃で3000ルツクスの光照射下培養
した。1週間経過した頃から葉の切口周辺から赤
色の培養細胞塊が生じた。 1ケ月後大きく生長した培養細胞塊1g(生重
量)を下記組成の液体培地50mlを含む100ml三角
フラスコに分散させた。培地としては、前記表1
に示した無機塩培地に、シヨ糖4%w/v、麦芽
エキス0.2%w/v、2,4−D5×10-7M、チア
ミン塩酸塩0.1ppm、ピリドキシン塩酸塩
0.5ppm、ニコチン酸0.5ppm、グリシン2ppmお
よびイノシトール100ppmを加えてPH6.0に調整し
常法通り殺菌したものを用いた。 次いで細胞培養液の入つたフラスコを振とう数
120rpm及び振巾4cmの往復振とう培養機上に固
定し、温度25℃で3000ルツクスの光照射下に7日
間培養した。7日経過後培養液は破壊された細胞
や微小な細胞塊、巨大細胞塊の入り混じつた懸濁
液となつた。得られた懸濁液を、網目サイズが
100μと150μの大きさの2重のステンレスフイル
ターで過し、2枚のフイルターの間に溜まつた
100〜150μの大きさの培養細胞塊を集めた。 単離した培養細胞塊を細胞濃度が106細胞数/
mlになるように上記液体培地1mlに加えた。この
細胞濃度の確認は主にトーマ血球計算盤を用いて
行なつた。次に、この細胞液1mlを20mlの溶解し
た下記組成の寒天培地に懸濁した後、9cmのペト
リ皿に流し込み固化させた。寒天培地としては、
前述の懸濁培養に用いたのと同一組成の培地10ml
と前述の懸濁培養後の液を更に0.2μのメンブラ
ンフイルターで過した液10mlとを合わせ、寒
天126mg(0.6%w/v)を加えたものを、更に寒
天を溶解させた後48℃に保つた培地を用いた。次
いで、このペトリ皿を25℃で3000ルツクスの光照
射下に静置し、21日間培養した。 ペトリ皿中で生育増殖した細胞塊26個のうち目
視により赤色のより濃いと判定される細胞塊を2
個選択し、各々をX株及びY株と名付けた。 このようにして、元の培養細胞塊PからX株及
びY株の2種類の赤色色素生産能の高い培養細胞
を選抜することができたが、このX株及びY株が
元の培養細胞塊Pと比べてどの程度色素生産能が
向上したかを調べるために以下の実験を行なつ
た。 先ずX株(55mg)及びY株(52mg)を各々上記
工程(a)に用いたのと同じ培養液5mlを含む試験管
に分散させ、上記工程と同じ培養条件で14日間懸
濁培養を行なつた。次いで培養液2.5mlをとり、
No.2紙で過して紙上の培養細胞を集め、そ
の生産量を秤量した。細胞を2%塩酸性メタノー
ルに一時間冷浸後、過し、液に2%塩酸性メ
タノールを加えて10mlにし、530nmの吸光度を
測定し、検量線から色素重量と色素含量を決定し
た。各株の色素含量(%/g生重量、以下同じ)
はX株0.0862%及びY株0.0882%であり、工程(a)
に入る前の培養細胞塊の色素含量0.0708%に比較
してそれぞれ21.8%及び24.6%の含量の向上が認
められた。残りの培養液2.5mlに含まれる培養細
胞塊を上記工程と同様の操作でペトリ皿中に分散
させたところ、X株25個およびY株18個の細胞塊
が生育増殖した。このうち目視により赤色のより
濃いと判定される細胞塊をX株及びY株各1個づ
つ選択した。これらを、それぞれ2−X株及び2
−Y株と名づけ、前述の色素含量測定法に従つて
それぞれの含量測定を実施したところ、それぞれ
0.145および0.152%であつた。得られた2−X株
及び2−Y株について、更に同様の選抜工程を4
回繰り反して最終的には6−X株(色素含量
0.651%、以下同じ)及び6−Y株(0.673%)の
2株を得た。これらの色素含量の元の細胞塊の色
素含量に対する含量向上の割合はそれぞれ9.2倍
及び9.5倍であつた。 色素含量の高い6−Y株について残りの培養液
2.5mlを、前記のものと同一組成の培養液50mlを
装入した100ml三角フラスコに加え、14日間前述
の培養条件と同一の条件下に培養した。次に、こ
の培養液と同一組成の培養液500mlの入つた1リ
ツトル三角フラスコに加え、、同一の培養条件下
に14日間培養した後、過し、培養細胞塊158g
を得た。これを常法通り凍結乾燥して乾燥物7.3
gを得た。この乾燥物を乳鉢で磨砕後、2%塩酸
性メタノールに冷所において24時間浸漬した。ロ
過後得られた抽出液を40℃以下の温度でメタノー
ルを飛ばして50ml程度まで濃縮し、分液ロートに
移した後100mlのエーテルを加え、充分振とう後
エーテル層と分離した。かかるエーテル洗浄操作
を数回繰り返した後更に40℃以下で減圧濃縮して
乾固させた。この乾固物を少量の0.01%塩酸性メ
タノール溶解し、分取HPLCに注入してメタノー
ル/ギ酸水(ギ酸含量0.1%)で流出させ、赤色
流出液を分取した。この流出液を40℃以下で減圧
乾固して黒赤色粉末1030mg(収率14.1%対乾量、
0.652%対生重量)を得た。 また、得られた色素とシアニジン−3−アラビ
ノシドのUV吸収スペクトルを比較したところ、
表3に示すように両者はほぼ一致した。
温度条件下の明所、好ましくは100ルツクス以上、
更に好ましくは3000〜100000ルツクスの光照射下
において培養する。かかる培養により一週間経過
後頃にはハナキリンの葉から前記赤色色素を生産
する培養細胞が形成される。なお、2,4−Dに
代えて、従来一般的に使用されているナフタレン
酢酸(NAA)をオーキシン作用物質として含む
培地で誘導した従来品種Aは有用天然色素クリサ
ンテミンの生成能が全く無い。 前記培養細胞を誘導又は培養するのに用いられ
る培地としては、各種既知の無機合成寒天培地を
基本とし、これにビタミン等の微量有機物、炭素
源、植物ホルモンおよび各種天然抽出物質を添加
したものを用いる。 前記無機合成寒天培地の代表例としては、表1
に示した合成培地の他に、ホワイト培地、ヒルデ
ブランド培地、リンスマイヤー−スクーグ培地等
があげられる。その他、これらの培地の組成を改
良したものも使用することができる。 前記ビタミン等の微量有機物としては、チアミ
ン塩酸塩、ピリドキシン塩酸塩、ニコチン酸等の
ビタミン;グリシン、アスパラギン等のアミノ
酸;イノシツト、ソルビツト等の6価アルコール
をあげることができるが、これらの微量有機物は
培地に添加しなくても良好な生育を示す場合があ
る。 前記炭素源としては、特にシヨ糖の使用が色素
生産性が高く好ましい。使用濃度は2〜10%w/
v、好ましくは4〜8%w/vである。この濃度
が高すぎると生育が遅くなり、逆に低すぎると色
素の生産が抑えられるので好ましい。 植物ホルモンとしては、前記した如く、2,4
−Dの使用が必須であるが、オーキシン作用物質
を除く他の植物ホルモン、例えばカイメチンなど
のサイトカイニン類やジベレリンA3などのジベ
レリン類などの併用を妨げるものではない。2,
4−Dの使用濃度は10-4〜10-7M、好ましくは
10-6〜10-7Mであり、この濃度が高過ぎると、細
胞が生育しないので好ましくなく、逆に低過ぎる
場合には緑化したり、生育しなかつたりするので
好ましくない。 前記各種天然抽出物質としては、例えばカゼイ
ン加水分解物(0〜2%w/v)、ココナツツミ
ルク(0〜25%w/v)、酵母エキス(0〜2%
w/v)、麦芽エキス(0〜2%w/v)などを
単独又は任意に組み合せて使用することができ
る。 本発明において前述の如く細胞の培養は、細胞
を内蔵した培養器を100ルツクス以上、好ましく
は3000〜100000ルツクスの光照射下に設置して実
施する。光源としては、太陽光、螢光灯、白熱電
灯、水銀灯などを用いることができる。光照射を
実施しない場合には色素が生産されない。 このようにして誘導した、赤色天然色素の生産
能を有する培養細胞の中から赤色天然色素生産性
を指標として、赤色天然色素の高生産能および安
定生産能に優れた未分化細胞を選抜してその特性
を固定した新品種Bを得るには、例えば以下の工
程(a)〜(d)のようにして実施することができる。 工程(a): この工程においては上で形成されたハナキリン
培養細胞塊をほぐし、前記した培地中に分散さ
せ、好ましくは懸濁培養法により生育させる。懸
濁培養は、温度20〜30℃、好ましくは25℃前後で
明所、好ましくは3000ルツクス以上の光照射下で
3〜14日程度実施する。培養が14日を超える長期
に亘ると定常期後半になり、逆に3日未満では未
だ誘導期にあるので以下の工程における正常な生
育が期待できない。 工程(b): この工程においては、上記工程(a)で得た懸濁培
養液を2種類の大きさの網目を有する二つのフイ
ルター、好ましくは二重フイルターで過し、両
フイルターの中間の大きさの培養細胞塊を選択的
に集めて培養細胞塊の大きさを所定の範囲内の大
きさに揃える。フイルターの網目の大きさは任意
に選ぶことができるが、破壊細胞片や巨大細胞塊
の混入を防止するため、小さい方のフイルターの
網目サイズは50〜100μ、好ましくは100μ、大き
い方のフイルターの網目サイズは150〜200μ、好
ましくは150μであるのが望ましい。フイルター
の材質は細胞に影響を与えない材質であれば特に
限定はないが、例えばステンレススチールやナイ
ロンが望ましい。 工程(c): この工程においては、上記工程(b)で得られた所
定範囲内の大きさの培養細胞を溶解した寒天培地
に分散させてペトリ皿のような偏平な容器に流し
込み、分散した培養細胞を生育させてコロニーを
形成させる。培養細胞を生育させるためには、培
養細胞を寒天培地に分散する際の細胞濃度が104
〜106細胞数/mlであるのが望ましく、この濃度
より高いと形成するコロニーが接近し過ぎるし、
逆に低いと生育し難くなるので好ましくない。こ
の工程において使用する寒天培地は上記懸濁培養
の培地と同一の培地か、又はこれを適宜修正した
培地に例えば寒天0.6〜0.8%を添加したものを用
いるのが好ましい。培養は温度20〜30℃、好まし
くは25℃前後で明所、好ましくは3000ルツクス以
上の光照射下に14〜28日程度実施する。培養期間
が28日を超える長期に亘ると定常期を超え、逆に
14日未満では未だ誘導期か或いは対数増殖期前期
にあり、コロニーの大きさが小さすぎて好ましく
ない。 工程(d): この工程においては増殖した細胞塊の中から赤
色色素クリサンテミン含量の高い細胞塊を選択す
る。所望の細胞塊の選択は、赤色色素濃度を目視
で判定して最も色素含量の高いと思われるものを
1個又は複数個選択しても良いが、目視判定では
なく色素が可視吸収をもつていることを利用し
て、各細胞塊を半割し、半割した一方に含まれる
色素を抽出して色素含量を測定し、その色素含量
の最高値を有する半割分の他方を選んでもよい。
この最高含量の細胞塊のほかに色素含量の高い細
胞塊を1個又はそれ以上更に選んでも良いことは
いうまでもない。上記色素の抽出定量法として
は、0.01〜5%の塩酸(或いはギ酸、酢酸など)
を含むメタノール(或いはエタノール、水などで
もよい)の一定量に−5〜10%程度の温度におい
て各細胞塊を浸漬し、1〜2時間後抽出液の一定
量を比色定量するか、あるいは抽出液の一定量を
高速液体クロマトグラフイーや薄層クロマトデン
シトメーターで内部標準法か外部標準法を用いて
定量する方法を用いれば良い。 このようにして選択した細胞塊は、必要によ
り、更に工程(a)、(b)、(c)及び(d)により選抜を所望
回数繰り返して高色素含量の安定株を得ることが
できる。 選抜された細胞塊を培養して赤色色素クリサン
テミンを生産する場合には、生産された赤色色素
は、公知の方法、例えば溶媒抽出法によつて分離
採取することができる。以下にその一例を説明す
る。 先ず、塩酸、酢酸、ギ酸などの酸を0.01〜5重
量%程度の濃度で含む溶媒、好ましくは水又はメ
タノール、エタノールなどのアルコール系溶媒に
培養細胞、好ましくは常法に従つて凍結乾燥した
培養細胞を−5〜10℃の温度において浸漬し生産
された赤色色素を抽出する。次に得られた抽出液
をロ過などの操作で固形分を除去した後、40℃以
下の温度(この温度が高過ぎると赤色色素が分解
しやすくなるので好ましくない)で減圧濃縮し、
この濃縮液を分液ロートに移し、例えばエーテル
(エーテルに代えてヘキサン、ヘプタン、石油エ
ーテル、クロロホルム、二酸化メチレン、酢酸エ
チルなどを用いることもできる)を加えて振とう
し、油溶性不純物をエーテルに溶解させて分離除
去する。このエーテル洗浄操作を数回繰り返した
後、色素抽出液を減圧乾燥することによつて目的
とする赤色色素を得ることができ、更にセルロー
ス薄層クロマトグラフイー、セルロースカラムク
ロマトグラフイー、ペーパークロマトグラフイー
などによつて精製することができる。 前記した創成手段によつて植物の遺伝子構成が
変化しているか否か、即ち従来品種Aと本発明培
養細胞とで遺伝子構成が異なつているか否かは直
接的には証明できない。しかしながら、本発明培
養細胞をNAAを含む培地中で栽培しても天然赤
色色素クリサンテミン生産能が消えないこと及び
従来品種Aを2,4−Dを含む培地で栽培しても
色素生産能が生じないことの二点からみて、これ
らの二品種は単なる変異株ではなく遺伝子構成の
異なるものであると結論することができる。 本発明に係る本発明培養細胞は未分化細胞形態
で増殖する植物であるので分化細胞形態で増殖す
る植物の栽培とはその方法を異にする。すなわ
ち、例えば表1に示すような組成の無機合成培養
液に2,4−D0.1ppmと表2に示すような組成
の有機物を加え、PH6.0でオートクレーブし、こ
れを綿栓をした三角フラスコ又は坂口フラスコや
撹拌機の付いた槽に注入し、その培養液中で本品
種Bの栽培をする。栽培条件は、例えば温度20〜
35℃、好ましくは25℃前後の一定温度下、明所、
好ましくは3000〜100000ルツクスの光照射下に、
例えば100mlの培養液を入れた300mlの三角フラス
コを120rpm、4cmの振巾を有する往復振とう機
上で振とうさせることによつて実施することがで
きる。 次に、本発明培養細胞の特性を従来品種Aの特
性と比較しながら以下に説明する。 生育速度は、第1図に示すように、生育比を指
標とすると本発明培養細胞は栽培14日で定常期に
入り、約10倍の生育比を示すのに対し、従来の品
種Aは栽培28日で定常期に入り、約8倍の生育比
を示す。このように本発明培養細胞は従来品種A
に比較して誘導期が短かく、増殖速度も大きく、
しかも定常期の生育比も大きいので生育速度が著
しく大きいことが認められた。 次に、環境適応性について、対PH、対温度及び
対振とう数を調べた結果をそれぞれ第2図、第3
図及び第4図に示す。 PH変化に対する適応性は、第2図に示したよう
に、本発明培養細胞はPH4.5〜7の範囲で安定に
生育するのに対し、従来品種Aは5.5〜6.5の狭い
範囲でしか安定に生育しない。この様に本発明培
養細胞はPH変化に対する広い適応性を有してい
る。 温度変化に対する適応性は、第3図に示す如
く、本発明培養細胞が20〜35℃の温度範囲で安定
に生育するのに対し従来品種Aは25〜30℃の狭い
温度範囲でしか安定に生育しない。この様に本発
明培養細胞は温度変化に対しても広い適応性を有
している。 振とう培養機の振とう数変化に対する適応性
は、第4図に示すように、本発明培養細胞が100
〜180rpmの広い振とう数範囲で安定に生育する
のに対し従来品種Aは100〜120rpmの狭い振とう
数範囲でしか安定に生育しない。この様に本発明
培養細胞は振とう数変化に対しても広い適応性を
有している。 本発明培養細胞の赤色色素クリサンテミン高生
産性及び安定生産性については、第1図〜第4図
の曲線□−□で示したように、10%/乾重以上
と、赤色天然色素生産能のない従来品種Aに比較
しては勿論のこと、本発明培養細胞の選抜前の培
養細胞の赤色色素の生産性1.4%/乾重と比較し
ても約8倍強の赤色天然色素生産性を有し、本発
明培養細胞が極めて高い赤色天然色素生産能をも
つことが明らかである。また、第2図〜第4図の
結果から明らかなように、本発明培養細胞はPH4
〜6.5、温度15〜30℃及び振とう数60〜180rpmの
範囲で赤色天然色素を安定に生産し、著しく広い
安定生産性を有している。 本発明の新品種Bの培養細胞の形態的な特性に
ついては、その大きさと形は従来品種Aと類似
し、大きさは30〜50μ程度で形はほぼ球形であ
り、色は全体に赤色を帯び、この点で従来品種A
と全く異なつている。この様に、本発明培養細胞
と従来品種Aの特性は全く異なつており、この点
からも二つの品種A及びBは遺伝子構成を異にす
るものと結論づけることができる。なお、本発明
培養細胞の培養細胞を微工研に寄託しようとした
が受付けられなかつた。しかしながら、本発明の
品種Bは従来品種のハナキリンから前述のような
創成手段により繰り返し確実に創成できるもので
ある。 以下に本発明の実施例を説明するが、本発明の
範囲を以下の実施例に限定するものでないことは
いうまでもない。 実施例 市販の園芸品種ハナキリン(樹高約30cm、葉長
約5cm)の葉を充分に水洗し、広さ4cm2程度に切
断した。次いで、これらの切片を70%エチルアル
コールに5分間浸漬し、更に10%さらし粉溶液に
10分間浸漬して殺菌処理した後、無菌箱内で無菌
蒸留水中に数回浸漬して洗浄し、充分に残存殺菌
剤を除去した。これらの葉切片を減菌メスを用い
て広さ1cm2程度の小片に切断し、得られたハナキ
リンの葉の小切片を以下の組成の合成寒天培地に
無菌的に置床した。 培地としては、前記表1に示した無機塩培地
に、シヨ糖6%w/v、麦芽エキス0.2%w/v、
2,4−D5×10-7M、チアミン塩酸塩0.1ppm、
ピリドキシン塩酸塩0.5ppm、ニコチン酸
0.5ppm、グリシン2ppmおよびイノシトール
100ppmを加えてPH6.0に調整し、寒天0.8%w/
vを加えて常法通り殺菌した培地を用いた。 このような培地に置床したハナキリンの葉の小
片を培養温度25℃で3000ルツクスの光照射下培養
した。1週間経過した頃から葉の切口周辺から赤
色の培養細胞塊が生じた。 1ケ月後大きく生長した培養細胞塊1g(生重
量)を下記組成の液体培地50mlを含む100ml三角
フラスコに分散させた。培地としては、前記表1
に示した無機塩培地に、シヨ糖4%w/v、麦芽
エキス0.2%w/v、2,4−D5×10-7M、チア
ミン塩酸塩0.1ppm、ピリドキシン塩酸塩
0.5ppm、ニコチン酸0.5ppm、グリシン2ppmお
よびイノシトール100ppmを加えてPH6.0に調整し
常法通り殺菌したものを用いた。 次いで細胞培養液の入つたフラスコを振とう数
120rpm及び振巾4cmの往復振とう培養機上に固
定し、温度25℃で3000ルツクスの光照射下に7日
間培養した。7日経過後培養液は破壊された細胞
や微小な細胞塊、巨大細胞塊の入り混じつた懸濁
液となつた。得られた懸濁液を、網目サイズが
100μと150μの大きさの2重のステンレスフイル
ターで過し、2枚のフイルターの間に溜まつた
100〜150μの大きさの培養細胞塊を集めた。 単離した培養細胞塊を細胞濃度が106細胞数/
mlになるように上記液体培地1mlに加えた。この
細胞濃度の確認は主にトーマ血球計算盤を用いて
行なつた。次に、この細胞液1mlを20mlの溶解し
た下記組成の寒天培地に懸濁した後、9cmのペト
リ皿に流し込み固化させた。寒天培地としては、
前述の懸濁培養に用いたのと同一組成の培地10ml
と前述の懸濁培養後の液を更に0.2μのメンブラ
ンフイルターで過した液10mlとを合わせ、寒
天126mg(0.6%w/v)を加えたものを、更に寒
天を溶解させた後48℃に保つた培地を用いた。次
いで、このペトリ皿を25℃で3000ルツクスの光照
射下に静置し、21日間培養した。 ペトリ皿中で生育増殖した細胞塊26個のうち目
視により赤色のより濃いと判定される細胞塊を2
個選択し、各々をX株及びY株と名付けた。 このようにして、元の培養細胞塊PからX株及
びY株の2種類の赤色色素生産能の高い培養細胞
を選抜することができたが、このX株及びY株が
元の培養細胞塊Pと比べてどの程度色素生産能が
向上したかを調べるために以下の実験を行なつ
た。 先ずX株(55mg)及びY株(52mg)を各々上記
工程(a)に用いたのと同じ培養液5mlを含む試験管
に分散させ、上記工程と同じ培養条件で14日間懸
濁培養を行なつた。次いで培養液2.5mlをとり、
No.2紙で過して紙上の培養細胞を集め、そ
の生産量を秤量した。細胞を2%塩酸性メタノー
ルに一時間冷浸後、過し、液に2%塩酸性メ
タノールを加えて10mlにし、530nmの吸光度を
測定し、検量線から色素重量と色素含量を決定し
た。各株の色素含量(%/g生重量、以下同じ)
はX株0.0862%及びY株0.0882%であり、工程(a)
に入る前の培養細胞塊の色素含量0.0708%に比較
してそれぞれ21.8%及び24.6%の含量の向上が認
められた。残りの培養液2.5mlに含まれる培養細
胞塊を上記工程と同様の操作でペトリ皿中に分散
させたところ、X株25個およびY株18個の細胞塊
が生育増殖した。このうち目視により赤色のより
濃いと判定される細胞塊をX株及びY株各1個づ
つ選択した。これらを、それぞれ2−X株及び2
−Y株と名づけ、前述の色素含量測定法に従つて
それぞれの含量測定を実施したところ、それぞれ
0.145および0.152%であつた。得られた2−X株
及び2−Y株について、更に同様の選抜工程を4
回繰り反して最終的には6−X株(色素含量
0.651%、以下同じ)及び6−Y株(0.673%)の
2株を得た。これらの色素含量の元の細胞塊の色
素含量に対する含量向上の割合はそれぞれ9.2倍
及び9.5倍であつた。 色素含量の高い6−Y株について残りの培養液
2.5mlを、前記のものと同一組成の培養液50mlを
装入した100ml三角フラスコに加え、14日間前述
の培養条件と同一の条件下に培養した。次に、こ
の培養液と同一組成の培養液500mlの入つた1リ
ツトル三角フラスコに加え、、同一の培養条件下
に14日間培養した後、過し、培養細胞塊158g
を得た。これを常法通り凍結乾燥して乾燥物7.3
gを得た。この乾燥物を乳鉢で磨砕後、2%塩酸
性メタノールに冷所において24時間浸漬した。ロ
過後得られた抽出液を40℃以下の温度でメタノー
ルを飛ばして50ml程度まで濃縮し、分液ロートに
移した後100mlのエーテルを加え、充分振とう後
エーテル層と分離した。かかるエーテル洗浄操作
を数回繰り返した後更に40℃以下で減圧濃縮して
乾固させた。この乾固物を少量の0.01%塩酸性メ
タノール溶解し、分取HPLCに注入してメタノー
ル/ギ酸水(ギ酸含量0.1%)で流出させ、赤色
流出液を分取した。この流出液を40℃以下で減圧
乾固して黒赤色粉末1030mg(収率14.1%対乾量、
0.652%対生重量)を得た。 また、得られた色素とシアニジン−3−アラビ
ノシドのUV吸収スペクトルを比較したところ、
表3に示すように両者はほぼ一致した。
【表】
アラビノシド
シアニジン〓7〓 533275 27 131 +
アラビノシド
シアニジン〓7〓 533275 27 131 +
アラビノシド
Claims (1)
- 1 ユーホルビア属ハナキリンの葉を2,4−ジ
クロルフエノキシ酢酸を含む培地で培養して得た
赤色天然色素の生産能が高くかつ安定で環境適応
能に富み、生育の旺盛な未分化細胞形態を有する
ユーホルビア属ハナキリンに属する培養細胞。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9268680A JPS5718983A (en) | 1980-07-09 | 1980-07-09 | Cultivated cell belonging to new variety of euphorbia millii ch. des moulins of genus euphorbia |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9268680A JPS5718983A (en) | 1980-07-09 | 1980-07-09 | Cultivated cell belonging to new variety of euphorbia millii ch. des moulins of genus euphorbia |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5718983A JPS5718983A (en) | 1982-01-30 |
| JPH0130474B2 true JPH0130474B2 (ja) | 1989-06-20 |
Family
ID=14061366
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9268680A Granted JPS5718983A (en) | 1980-07-09 | 1980-07-09 | Cultivated cell belonging to new variety of euphorbia millii ch. des moulins of genus euphorbia |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS5718983A (ja) |
-
1980
- 1980-07-09 JP JP9268680A patent/JPS5718983A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS5718983A (en) | 1982-01-30 |
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