JPH0133006B2 - - Google Patents
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- JPH0133006B2 JPH0133006B2 JP56051106A JP5110681A JPH0133006B2 JP H0133006 B2 JPH0133006 B2 JP H0133006B2 JP 56051106 A JP56051106 A JP 56051106A JP 5110681 A JP5110681 A JP 5110681A JP H0133006 B2 JPH0133006 B2 JP H0133006B2
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- Manufacturing Of Electric Cables (AREA)
- Surface Treatment Of Glass (AREA)
Description
本発明は、低抵抗な金属酸化物透明電導膜を反
応スパツタリング法により安定して基体面にコー
テイングする方法に関するものである。 ガラス板表面に酸化錫や酸化インジウム等の透
明電導性被膜を被覆した電導性ガラスは、上記電
導性被膜に電流を通じて発熱させ、ガラス表面へ
の水滴の結露、氷結による曇りを防ぐ防曇ガラス
として、あるいは電導性ガラスの一対をその電導
性被膜の被覆された面が内側になる様に対向さ
せ、その間の空間に電気光学的性質を示す物質、
例えば液晶を介在させ、一対の電導性被膜間に電
圧を印加し、上記電気光学的性質を有する物質の
変化を利用して調光する様にした調光装置の基板
として、あるいは上記電導性ガラスの電導性被膜
面に適当なパターンを施してデイスプレー素子の
基板として、あるいは太陽電池の基板として利用
されている。 これら透明電導性被膜としては、通常酸化錫あ
るいは酸化インジウムを主体とするものが一般的
であり、この酸化錫、あるいは酸化インジウムの
電導膜は、真空蒸着法、スパツター法、CVD法
(Clemical Vapor Deposition)、スプレー法等に
より形成することが知られている。中でも、スパ
ツター法は、比較的低温の基板に後処理なしでも
付着力の優れた低抵抗の被膜を形成できるという
点で注目されていたが、これまでのスパツター装
置は付着速度が非常に遅いとともに、基板の温度
上昇が激しい等の理由により広く使用されなかつ
た。 近年上記した種々の欠点を有するスパツター装
置の改良されたものとして、マグネトロン型スパ
ツタリング装置が出現した。このマグネトロン型
スパツタリング装置は、蒸発源としてのターゲツ
ト上に特殊な磁界をかけ、放電によつて発生する
プラズマ中の電子をその磁場の中に閉じ込め、電
離効率を上げてプラズマ密度を上げることにより
基板の温度上昇を防ぎ、同時に高い付着速度が得
られ、又作業圧力を下げることができるものであ
る。 このスパツター法は、スパツタリング速度が速
いこと以外にも、反応性に富む、作成された膜の
選択配向性が大きい、10-2Torr以下のより高真
空度下でのスパツターが可能である等の従来のス
パツター法にはない、いくつかの特徴を有してい
る。例えばかかるスパツター法による酸化インジ
ウム電導膜の製法には、酸化物ターゲツトを使用
する場合と、金属ターゲツトを使用して反応スパ
ツターする場合の両方が知られているが、ターゲ
ツトの調整、作成が容易な点から金属ターゲツト
がより有利と考えられている。 しかしながら、金属ターゲツトからの反応スパ
ツター法により、錫をドーピングさせた酸化イン
ジウム電導膜を製造する場合には、低抵抗の酸化
インジウム電導膜(In2O3−Sn膜)、特に5×
10-4Ωcm以下の低抵抗の酸化インジウム電導膜が
得られにくいことが判明した。 たとえば、6×10-3TorrのAr/O2が80/20の
雰囲気下において、錫を10%含んだインジウム金
属ターゲツトより200℃以上に加熱されたガラス
基体上に作成した透明酸化インジウム−錫は透明
率は75%であつたが、その比抵抗は3×10-3Ωcm
と高く、好ましい電導性を示さなかつた。この膜
のX線回折を調べたところ、これらの膜は、マグ
ネトロンスパツター特有の配向の選択性により、
基体に対し、<111>の強い配向性をしたIn2O3−
Sn膜であることが確認された。いつたんこのよ
うな配向の強い膜が形成されたならば、膜形成後
における非酸化性雰囲気における加熱処理によつ
ても5×10-4Ωcm以下の低抵抗膜は得にくく、透
明電導膜としては好ましくないものであつた。 本発明者は、かかる点を改善することを目的と
して研究の結果、マグネトロンスパツター法によ
る酸化インジウム電導膜は、マグネトロンスパツ
ター法特有の配向の選択性により基体に対し<
111>の強い配向性を示すことがX線回折により
確認され、この配向性の強い膜が、膜形成後の非
酸化性雰囲気における加熱処理によつても5×
10-4Ωcm以下の低抵抗膜が得られにくいというこ
とが判明した。 本出願人は、かかる知見に基づき、更に研究の
結果、錫を含んだインジウム金属のターゲツトを
用いて反応マグネトロンスパツターする場合にお
いては、十分酸化が進む高酸素分圧から次第に酸
素ガス濃度あるいは全ガス圧を低下させるに従つ
て、透明な膜から灰色つぽい散乱強度の強いヘイ
ジイな膜が形成され、ついには不透明な金属光沢
を有するIn・Sn膜となつてしまうが、上記ヘイ
ジイな膜となる直前の条件に酸素ガス分圧を調節
することにより、酸化インジウム電導膜の
In2O3・Sn微結晶の基体に対する<111>配向性
を弱めることができ、これによつて5×10-4Ωcm
以下の比抵抗を有する低抵抗透明酸化インジウム
電導膜が得られることを見出し、特に特願昭55−
159438号(特開昭57−88028号)として出願した。 かかるマグネトロンスパツター法のスパツタリ
ング電源は、定電流制御による方式であつた。か
かる電源を使用して上記合金ターゲツトより、酸
素雰囲気下で透明電導膜を作製した場合には極め
て特性の条件依存性が強く、各試料ごとの、また
は試料内での特性分布が大きい。この原因として
は、上記合金ターゲツト上の酸化状態が特性に大
きく影響を及ぼし、またこのターゲツト表面の酸
化状態は、定電流制御法においては容易に真空
度、放電電力、酸素分圧等のスパツター条件に依
存して変動する。具体的に言えば比較的高い酸素
分圧下でのスパツタリングではターゲツト表面上
で酸化が起こり、事実上の金属酸化物のスパツタ
リングになる。このような高い酸素分圧下の条件
下で作製された膜は高抵抗の膜になる。一方低酸
素分圧下でスパツタリングした場合には、金属の
スパツタリングとなり、作製される膜は金属性の
Hazyな膜になる。特願昭55−159438号に記述し
たごとく、透明でクリアーな低抵抗の透明電導膜
を作製するためには、上記2つのスパツタリング
条件の中間状態に制御する必要がある。しかしな
がら通常多く採用されている定電流制御法におい
ては、一定の酸素分圧に制御し得たとしても膜特
性の制御は因難である。何故ならば、一旦ターゲ
ツト表面に金属酸化物層が形成されると、酸化物
層の2次電子放出効率が金属面のそれよりも高い
ため、放電空間のインピーダンスは低下する。こ
のような状態になると、定電流制御法では電圧低
下が起こり、より低電力のスパツタになる。それ
故ますます酸化物層が形成される方向に向い、最
適スパツタリング条件からはずれる。一方ターゲ
ツト表面が何らかの理由により最適条件に比べよ
り金属的になつた場合には2次電子放出効率は低
下し、放電空間のインピーダンスは増加する。定
電流制御では、インピーダンスの増加により高電
力になり、さらにスパツタリング速度は増加し、
ますますターゲツト表面は酸化物層で覆われない
金属面になる。これらの機構から酸素を含むガス
中の反応スパツターにおいて、定電流制御では、
特願昭55−159438号に示した様な最適スパツター
条件、即ち不活性ガスと酸素ガスとを含むスパツ
ターガスの酸素濃度を2%〜30%とするとともに
酸素分圧を2×10-4〜2×10-3として反応スパツ
ターするという条件に制御することが困難にな
る。 本発明者は、かかる問題点を改善する為に、ス
パツター電源を定電圧制御すればよいことを見出
した。即ち、この定電圧制御においては定電流制
御法に比べて逆の傾向になる。仮にターゲツト表
面が最適条件からはずれて、より金属的になつた
場合には、より低電力になり、一方酸化物層が形
成された場合には、より高電力になるゆえ、最適
条件への自己復帰作用が発揮される。それ故、特
願昭55−159438号に記述されるごとき反応スパツ
ター用電源として好ましい制御性を与える。しか
しながら、定電圧制御する場合には、上述のよう
にターゲツト表面の状態によつて電流が変動する
ため、もしあるレベル以下に電流値が下がつた
り、その他の理由により放電が一時的に停止した
場合に、設定制御電圧では放電が復帰しないこと
があり、大きな問題となる。 本発明は、このような反応スパツタリングにお
いて、特願昭55−159438号に示す最適スパツタリ
ング条件を安定して持続させ得るスパツター法を
提供することを目的としたものであり、その特徴
は、スパツター電源を定電圧制御するとともに、
あるレベル以下に電流値が下がつた場合には、放
電を開始し得る高電圧を印加する回路を持つスパ
ツター電源を用いる点にある。この放電復帰のた
めの高電圧はアノード、カソード間に印加する
か、あるいは放電空間あるいはその近傍に設置さ
れた放電スターター用電極間に印加される。 第1図は、本発明により定電圧制御するスパツ
ター電源の電流電圧特性を模式的に示した図面で
あり、又第2図は、本発明により定電圧制御する
様にするとともに放電スターターを付加したスパ
ツター電源の電流電圧特性を模式的に示した図面
である。なお、図におて、Vspはスパツター電
圧、Isはスターター作動閾電流、1はスパツター
電源特性、2はスターター電源特性を示す。 本発明の方法は、酸素存在下において、原子番
号48〜51の金属、即ち、Cd、In、Sn、Sbを少な
くとも1種以上含む金属ターゲツトにスパツター
電源を印加し、反応スパツタリングにより基体表
面に上記金属の酸化物からなる透明電導膜を形成
する方法に対し、適用できる。中でも、インジウ
ムと錫とを含む金属ターゲツトを使用して反応ス
パツター法により錫をドーピングさせた低抵抗な
酸化インジウム膜を形成する方法に対し、本発明
方法が最適に利用できる。 本発明において使用されるターゲツトとして
は、原子番号48〜51の金属、即ち、Cd、In、Sn、
Sbを少く1種以上含む金属のターゲツトが最適
である。例えば酸化インジウム膜に電導性を与え
るためのドーパントとして錫を金属インジウムに
対し0.5wt%〜30wt%程度加えたものや、酸化錫
膜に電導性を与えるためのドーパントとしてアン
チモンを金属錫に対し0.5wt%〜30wt%程度加え
た金属ターゲツトが用いられる。 反応マグネトロンスパツター法により酸化イン
ジウム膜、酸化錫、酸化カドミニウム、酸化アン
チモン等の透明電導膜を形成する基体は、膜の付
着性、緻密性や低抵抗値が得られる様に200℃〜
500℃程度に加熱するのが特に好ましい。 又、反応マグネトロンスパツター時のスパツタ
ーガス及び酸素分圧は、装置の形状、ポンプの排
気能力、不純物ガスの発生、スパツターリングパ
ワー等に依存するが、スパツターガスは、アルゴ
ン、キセノン、窒素等の不活性ガスと酸素ガスと
の混合ガスで、酸素濃度が2〜30%であるのが最
適であり、又全圧は1×10-3〜15×10-3Torrの
範囲とするのが最適である。ここで、酸素濃度と
酸素分圧が上記範囲より大である場合には、<111
>配向性の弱い膜を得る作成条件の幅が非常に狭
くなり、実用的でなく、又上記範囲より小である
場合には、金属光沢を有する不透明な金属膜、例
えばIn・Snの金属膜となり、透明電導膜が得ら
れない。 以下、本発明の実施例について説明する。 実施例 1 酸化インジウム電導膜を作成するに当り、まず
ソーダライムガラス基体(寸法;5cm×5cm×3
mm)を中性洗剤で洗浄し、流水で十分に濯いだ
後、エタノールで洗浄し、N2ガスで乾燥した。
このガラス基体をマグネトロンスパツター装置の
スパツター槽内にターゲツトとの距離が約3cmと
なる様に配置した。上記ターゲツトとしては、錫
を10wt%添加したインジウム金属を用いた。 次いで、マグネトロンスパツター装置のスパツ
ター槽内にアルゴン80%、酸素20%の混合ガスを
導入し、該スパツター槽内を2×10-3Torrのガ
ス圧に維持するとともに、ガラス基体は400℃に
加熱し、350Vの定電圧・電源を用いて反応スパ
ツターし、透明なIn2O3−Sn電導膜の形成された
電導性ガラスを得た。なお、サンプルは同上の方
法により10枚作成した。この様にして得られたサ
ンプルのIn2O3−Sn電導膜の可視光透過率の平均
は80%であり、又その膜厚の平均は約400Åであ
り、又各サンプルの表面抵抗の測定値は表1の通
りであつた。 比較例 スパツターの電源として350Vの定電圧電源の
代りに2.5Aの定電流電源を用いたほかは、実施
例1と同様な方法により反応スパツターし、
In2O3−Sn電導膜の形成された電導性ガラス10枚
を作成した。この様にして作成されたIn2O3−Sn
電導膜はヘイズの多い膜であり、その表面抵抗の
測定値は表1の通りであつた。
応スパツタリング法により安定して基体面にコー
テイングする方法に関するものである。 ガラス板表面に酸化錫や酸化インジウム等の透
明電導性被膜を被覆した電導性ガラスは、上記電
導性被膜に電流を通じて発熱させ、ガラス表面へ
の水滴の結露、氷結による曇りを防ぐ防曇ガラス
として、あるいは電導性ガラスの一対をその電導
性被膜の被覆された面が内側になる様に対向さ
せ、その間の空間に電気光学的性質を示す物質、
例えば液晶を介在させ、一対の電導性被膜間に電
圧を印加し、上記電気光学的性質を有する物質の
変化を利用して調光する様にした調光装置の基板
として、あるいは上記電導性ガラスの電導性被膜
面に適当なパターンを施してデイスプレー素子の
基板として、あるいは太陽電池の基板として利用
されている。 これら透明電導性被膜としては、通常酸化錫あ
るいは酸化インジウムを主体とするものが一般的
であり、この酸化錫、あるいは酸化インジウムの
電導膜は、真空蒸着法、スパツター法、CVD法
(Clemical Vapor Deposition)、スプレー法等に
より形成することが知られている。中でも、スパ
ツター法は、比較的低温の基板に後処理なしでも
付着力の優れた低抵抗の被膜を形成できるという
点で注目されていたが、これまでのスパツター装
置は付着速度が非常に遅いとともに、基板の温度
上昇が激しい等の理由により広く使用されなかつ
た。 近年上記した種々の欠点を有するスパツター装
置の改良されたものとして、マグネトロン型スパ
ツタリング装置が出現した。このマグネトロン型
スパツタリング装置は、蒸発源としてのターゲツ
ト上に特殊な磁界をかけ、放電によつて発生する
プラズマ中の電子をその磁場の中に閉じ込め、電
離効率を上げてプラズマ密度を上げることにより
基板の温度上昇を防ぎ、同時に高い付着速度が得
られ、又作業圧力を下げることができるものであ
る。 このスパツター法は、スパツタリング速度が速
いこと以外にも、反応性に富む、作成された膜の
選択配向性が大きい、10-2Torr以下のより高真
空度下でのスパツターが可能である等の従来のス
パツター法にはない、いくつかの特徴を有してい
る。例えばかかるスパツター法による酸化インジ
ウム電導膜の製法には、酸化物ターゲツトを使用
する場合と、金属ターゲツトを使用して反応スパ
ツターする場合の両方が知られているが、ターゲ
ツトの調整、作成が容易な点から金属ターゲツト
がより有利と考えられている。 しかしながら、金属ターゲツトからの反応スパ
ツター法により、錫をドーピングさせた酸化イン
ジウム電導膜を製造する場合には、低抵抗の酸化
インジウム電導膜(In2O3−Sn膜)、特に5×
10-4Ωcm以下の低抵抗の酸化インジウム電導膜が
得られにくいことが判明した。 たとえば、6×10-3TorrのAr/O2が80/20の
雰囲気下において、錫を10%含んだインジウム金
属ターゲツトより200℃以上に加熱されたガラス
基体上に作成した透明酸化インジウム−錫は透明
率は75%であつたが、その比抵抗は3×10-3Ωcm
と高く、好ましい電導性を示さなかつた。この膜
のX線回折を調べたところ、これらの膜は、マグ
ネトロンスパツター特有の配向の選択性により、
基体に対し、<111>の強い配向性をしたIn2O3−
Sn膜であることが確認された。いつたんこのよ
うな配向の強い膜が形成されたならば、膜形成後
における非酸化性雰囲気における加熱処理によつ
ても5×10-4Ωcm以下の低抵抗膜は得にくく、透
明電導膜としては好ましくないものであつた。 本発明者は、かかる点を改善することを目的と
して研究の結果、マグネトロンスパツター法によ
る酸化インジウム電導膜は、マグネトロンスパツ
ター法特有の配向の選択性により基体に対し<
111>の強い配向性を示すことがX線回折により
確認され、この配向性の強い膜が、膜形成後の非
酸化性雰囲気における加熱処理によつても5×
10-4Ωcm以下の低抵抗膜が得られにくいというこ
とが判明した。 本出願人は、かかる知見に基づき、更に研究の
結果、錫を含んだインジウム金属のターゲツトを
用いて反応マグネトロンスパツターする場合にお
いては、十分酸化が進む高酸素分圧から次第に酸
素ガス濃度あるいは全ガス圧を低下させるに従つ
て、透明な膜から灰色つぽい散乱強度の強いヘイ
ジイな膜が形成され、ついには不透明な金属光沢
を有するIn・Sn膜となつてしまうが、上記ヘイ
ジイな膜となる直前の条件に酸素ガス分圧を調節
することにより、酸化インジウム電導膜の
In2O3・Sn微結晶の基体に対する<111>配向性
を弱めることができ、これによつて5×10-4Ωcm
以下の比抵抗を有する低抵抗透明酸化インジウム
電導膜が得られることを見出し、特に特願昭55−
159438号(特開昭57−88028号)として出願した。 かかるマグネトロンスパツター法のスパツタリ
ング電源は、定電流制御による方式であつた。か
かる電源を使用して上記合金ターゲツトより、酸
素雰囲気下で透明電導膜を作製した場合には極め
て特性の条件依存性が強く、各試料ごとの、また
は試料内での特性分布が大きい。この原因として
は、上記合金ターゲツト上の酸化状態が特性に大
きく影響を及ぼし、またこのターゲツト表面の酸
化状態は、定電流制御法においては容易に真空
度、放電電力、酸素分圧等のスパツター条件に依
存して変動する。具体的に言えば比較的高い酸素
分圧下でのスパツタリングではターゲツト表面上
で酸化が起こり、事実上の金属酸化物のスパツタ
リングになる。このような高い酸素分圧下の条件
下で作製された膜は高抵抗の膜になる。一方低酸
素分圧下でスパツタリングした場合には、金属の
スパツタリングとなり、作製される膜は金属性の
Hazyな膜になる。特願昭55−159438号に記述し
たごとく、透明でクリアーな低抵抗の透明電導膜
を作製するためには、上記2つのスパツタリング
条件の中間状態に制御する必要がある。しかしな
がら通常多く採用されている定電流制御法におい
ては、一定の酸素分圧に制御し得たとしても膜特
性の制御は因難である。何故ならば、一旦ターゲ
ツト表面に金属酸化物層が形成されると、酸化物
層の2次電子放出効率が金属面のそれよりも高い
ため、放電空間のインピーダンスは低下する。こ
のような状態になると、定電流制御法では電圧低
下が起こり、より低電力のスパツタになる。それ
故ますます酸化物層が形成される方向に向い、最
適スパツタリング条件からはずれる。一方ターゲ
ツト表面が何らかの理由により最適条件に比べよ
り金属的になつた場合には2次電子放出効率は低
下し、放電空間のインピーダンスは増加する。定
電流制御では、インピーダンスの増加により高電
力になり、さらにスパツタリング速度は増加し、
ますますターゲツト表面は酸化物層で覆われない
金属面になる。これらの機構から酸素を含むガス
中の反応スパツターにおいて、定電流制御では、
特願昭55−159438号に示した様な最適スパツター
条件、即ち不活性ガスと酸素ガスとを含むスパツ
ターガスの酸素濃度を2%〜30%とするとともに
酸素分圧を2×10-4〜2×10-3として反応スパツ
ターするという条件に制御することが困難にな
る。 本発明者は、かかる問題点を改善する為に、ス
パツター電源を定電圧制御すればよいことを見出
した。即ち、この定電圧制御においては定電流制
御法に比べて逆の傾向になる。仮にターゲツト表
面が最適条件からはずれて、より金属的になつた
場合には、より低電力になり、一方酸化物層が形
成された場合には、より高電力になるゆえ、最適
条件への自己復帰作用が発揮される。それ故、特
願昭55−159438号に記述されるごとき反応スパツ
ター用電源として好ましい制御性を与える。しか
しながら、定電圧制御する場合には、上述のよう
にターゲツト表面の状態によつて電流が変動する
ため、もしあるレベル以下に電流値が下がつた
り、その他の理由により放電が一時的に停止した
場合に、設定制御電圧では放電が復帰しないこと
があり、大きな問題となる。 本発明は、このような反応スパツタリングにお
いて、特願昭55−159438号に示す最適スパツタリ
ング条件を安定して持続させ得るスパツター法を
提供することを目的としたものであり、その特徴
は、スパツター電源を定電圧制御するとともに、
あるレベル以下に電流値が下がつた場合には、放
電を開始し得る高電圧を印加する回路を持つスパ
ツター電源を用いる点にある。この放電復帰のた
めの高電圧はアノード、カソード間に印加する
か、あるいは放電空間あるいはその近傍に設置さ
れた放電スターター用電極間に印加される。 第1図は、本発明により定電圧制御するスパツ
ター電源の電流電圧特性を模式的に示した図面で
あり、又第2図は、本発明により定電圧制御する
様にするとともに放電スターターを付加したスパ
ツター電源の電流電圧特性を模式的に示した図面
である。なお、図におて、Vspはスパツター電
圧、Isはスターター作動閾電流、1はスパツター
電源特性、2はスターター電源特性を示す。 本発明の方法は、酸素存在下において、原子番
号48〜51の金属、即ち、Cd、In、Sn、Sbを少な
くとも1種以上含む金属ターゲツトにスパツター
電源を印加し、反応スパツタリングにより基体表
面に上記金属の酸化物からなる透明電導膜を形成
する方法に対し、適用できる。中でも、インジウ
ムと錫とを含む金属ターゲツトを使用して反応ス
パツター法により錫をドーピングさせた低抵抗な
酸化インジウム膜を形成する方法に対し、本発明
方法が最適に利用できる。 本発明において使用されるターゲツトとして
は、原子番号48〜51の金属、即ち、Cd、In、Sn、
Sbを少く1種以上含む金属のターゲツトが最適
である。例えば酸化インジウム膜に電導性を与え
るためのドーパントとして錫を金属インジウムに
対し0.5wt%〜30wt%程度加えたものや、酸化錫
膜に電導性を与えるためのドーパントとしてアン
チモンを金属錫に対し0.5wt%〜30wt%程度加え
た金属ターゲツトが用いられる。 反応マグネトロンスパツター法により酸化イン
ジウム膜、酸化錫、酸化カドミニウム、酸化アン
チモン等の透明電導膜を形成する基体は、膜の付
着性、緻密性や低抵抗値が得られる様に200℃〜
500℃程度に加熱するのが特に好ましい。 又、反応マグネトロンスパツター時のスパツタ
ーガス及び酸素分圧は、装置の形状、ポンプの排
気能力、不純物ガスの発生、スパツターリングパ
ワー等に依存するが、スパツターガスは、アルゴ
ン、キセノン、窒素等の不活性ガスと酸素ガスと
の混合ガスで、酸素濃度が2〜30%であるのが最
適であり、又全圧は1×10-3〜15×10-3Torrの
範囲とするのが最適である。ここで、酸素濃度と
酸素分圧が上記範囲より大である場合には、<111
>配向性の弱い膜を得る作成条件の幅が非常に狭
くなり、実用的でなく、又上記範囲より小である
場合には、金属光沢を有する不透明な金属膜、例
えばIn・Snの金属膜となり、透明電導膜が得ら
れない。 以下、本発明の実施例について説明する。 実施例 1 酸化インジウム電導膜を作成するに当り、まず
ソーダライムガラス基体(寸法;5cm×5cm×3
mm)を中性洗剤で洗浄し、流水で十分に濯いだ
後、エタノールで洗浄し、N2ガスで乾燥した。
このガラス基体をマグネトロンスパツター装置の
スパツター槽内にターゲツトとの距離が約3cmと
なる様に配置した。上記ターゲツトとしては、錫
を10wt%添加したインジウム金属を用いた。 次いで、マグネトロンスパツター装置のスパツ
ター槽内にアルゴン80%、酸素20%の混合ガスを
導入し、該スパツター槽内を2×10-3Torrのガ
ス圧に維持するとともに、ガラス基体は400℃に
加熱し、350Vの定電圧・電源を用いて反応スパ
ツターし、透明なIn2O3−Sn電導膜の形成された
電導性ガラスを得た。なお、サンプルは同上の方
法により10枚作成した。この様にして得られたサ
ンプルのIn2O3−Sn電導膜の可視光透過率の平均
は80%であり、又その膜厚の平均は約400Åであ
り、又各サンプルの表面抵抗の測定値は表1の通
りであつた。 比較例 スパツターの電源として350Vの定電圧電源の
代りに2.5Aの定電流電源を用いたほかは、実施
例1と同様な方法により反応スパツターし、
In2O3−Sn電導膜の形成された電導性ガラス10枚
を作成した。この様にして作成されたIn2O3−Sn
電導膜はヘイズの多い膜であり、その表面抵抗の
測定値は表1の通りであつた。
【表】
上記実施例及び比較例から明らかな様に、定電
流制御の場合にはHazyな膜から高抵抗膜までば
らついているのに比べ、定電圧制御により作製し
た場合は150〜230Ω/口の範囲の特性になつてい
る。以上の結果から、本発明の方法によれば、ス
パツター条件を安定して持続させることができ、
再現性よく、高透過率、低抵抗の良質な透明電導
膜を提供することができることが認められる。
流制御の場合にはHazyな膜から高抵抗膜までば
らついているのに比べ、定電圧制御により作製し
た場合は150〜230Ω/口の範囲の特性になつてい
る。以上の結果から、本発明の方法によれば、ス
パツター条件を安定して持続させることができ、
再現性よく、高透過率、低抵抗の良質な透明電導
膜を提供することができることが認められる。
第1,2図は、本発明におけるスパツター電源
の電流電圧特性の模式図を示したものである。
の電流電圧特性の模式図を示したものである。
Claims (1)
- 1 酸素存在下において原子番号48〜51の金属を
少なくとも1種以上含む金属ターゲツトにスパツ
ター電源を印加し、反応スパツタリング法により
基体面に上記金属の酸化物からなる透明電導膜を
形成する方法において、上記スパツター電源を定
電圧制御するとともに自己放電復帰制御すること
を特徴とする透明電導膜の形成方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5110681A JPS57165905A (en) | 1981-04-07 | 1981-04-07 | Method of forming transparent conductive film |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5110681A JPS57165905A (en) | 1981-04-07 | 1981-04-07 | Method of forming transparent conductive film |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS57165905A JPS57165905A (en) | 1982-10-13 |
| JPH0133006B2 true JPH0133006B2 (ja) | 1989-07-11 |
Family
ID=12877547
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5110681A Granted JPS57165905A (en) | 1981-04-07 | 1981-04-07 | Method of forming transparent conductive film |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS57165905A (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6237052U (ja) * | 1985-08-23 | 1987-03-05 | ||
| JP2604850B2 (ja) * | 1989-03-31 | 1997-04-30 | 松下電器産業株式会社 | スパッタ装置および薄膜製造方法 |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| GB1336559A (en) * | 1970-05-20 | 1973-11-07 | Triplex Safety Glass Co | Metal oxide coatings |
| JPS5510704A (en) * | 1978-07-07 | 1980-01-25 | Hitachi Ltd | Transparent conductive film and method of manufacturing same |
-
1981
- 1981-04-07 JP JP5110681A patent/JPS57165905A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS57165905A (en) | 1982-10-13 |
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