JPH0137341B2 - - Google Patents

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JPH0137341B2
JPH0137341B2 JP55163174A JP16317480A JPH0137341B2 JP H0137341 B2 JPH0137341 B2 JP H0137341B2 JP 55163174 A JP55163174 A JP 55163174A JP 16317480 A JP16317480 A JP 16317480A JP H0137341 B2 JPH0137341 B2 JP H0137341B2
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JP
Japan
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glass
photochromic
color
heat treatment
lens
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JP55163174A
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Maare Uedeingu Burento
Furanshisu Boreri Nikorasu
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Corning Glass Works
Original Assignee
Corning Glass Works
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Publication date
Application filed by Corning Glass Works filed Critical Corning Glass Works
Publication of JPS5678453A publication Critical patent/JPS5678453A/ja
Publication of JPH0137341B2 publication Critical patent/JPH0137341B2/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C23/00Other surface treatment of glass not in the form of fibres or filaments
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C4/00Compositions for glass with special properties
    • C03C4/04Compositions for glass with special properties for photosensitive glass
    • C03C4/06Compositions for glass with special properties for photosensitive glass for phototropic or photochromic glass
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02CSPECTACLES; SUNGLASSES OR GOGGLES INSOFAR AS THEY HAVE THE SAME FEATURES AS SPECTACLES; CONTACT LENSES
    • G02C7/00Optical parts
    • G02C7/10Filters, e.g. for facilitating adaptation of the eyes to the dark; Sunglasses
    • G02C7/102Photochromic filters
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10S428/913Material designed to be responsive to temperature, light, moisture
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass (AREA)
  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
  • Eyeglasses (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は着色フオトクロミツクガラスの製造方
法に関する。 フオトクロミツクガラスあるいはフオトトロピ
ツクガラスのようないろいろな名称で呼ばれるガ
ラスは米国特許第3208860号にその起源を有して
いる。この特許に説明されているように、フオト
クロミツクガラスは一般には紫外線である化学線
に露光される時暗黒化、すなわち変色し、化学線
から除去される時元の透過率に戻る。このタイプ
のガラスはもつぱら眼鏡に用いられている。例え
ば、フオトクロミツク眼鏡レンズは室内では90%
よりも高い透過率を示すが、着用者が屋外の太陽
光中に出ると急速に暗黒化し、その透過率は50%
よりも低くなる。着用者が室内に戻るとレンズは
元の透過率に退色する。 ほかのフオトクロミツク成分も知られている
が、市販されているガラスにおいてはハロゲン化
銀の結晶、特にAgClとAgBrの結晶がフオトクロ
ミツク成分として用いられている。同様に、ほか
の基礎ガラス組成も研究されておりある程度の成
功が収められているが、市販のガラスには相当な
量のシリカが含まれている。一般に、市販のガラ
スはアルカリ金属アルミノ硼珪酸塩系内に基礎組
成を有している。上記米国特許第3208860号には、
好ましい具体例としてハロゲン化銀結晶を含有す
る上記基礎組成が述べられている。 ガラスを着色するためにガラス組成にCoO,
NiO,Cr2O3,CuO,Fe2O3,V2O5およびMnOの
ような遷移金属酸化物およびPr2O3およびEr2O3
のような希土類金属酸化物を添加することは周知
である。この方法によつて着色された眼鏡レンズ
はフオトクロミツクレンズも含めて現在市販され
ている。しかしながら、上記着色方法において
は、各レンズおよび各ガラス溶融物の着色を均一
にするために厳密に規定された量の着色剤を注意
深く添加することが必要である。さらに上記着色
方法においては、ガラスの溶融および成形の間の
酸化還元条件を厳密に調整することが必要であ
る。従つて、着色剤を添加しなくともガラスに望
みの色を付与することができるような方法は実用
上非常に魅力があるものであることは明白であ
る。眼鏡レンズが作られる場合にはこのような着
色方法はガラスのフオトクロミツク特性に悪影響
を及ぼすものであつてはならないことが理解され
るであろう。さらに、レンズが化学強化されるか
熱強化されねばならない場合には、着色はガラス
に上記強化が施された後でもそれがガラス中に保
持されているような耐久性を有していなければな
らない。 米国特許第3892582号および第3920463号はハロ
ゲン化銀結晶をフオトクロミツク成分とするフオ
トクロミツクガラスの着色方法に関するものであ
る。前者には上記米国特許第3208860号に含まれ
る組成を有するガラス製品を一般には水素を含む
雰囲気である還元性雰囲気中で300℃で約15分乃
至600℃で約4〜5分熱処理することが開示され
ている。この方法においては、もたらされる着色
メカニズムのために上記熱処理パラメーターを厳
格に守ることが要求される。 上記米国特許第3892582号には、ほとんどすべ
てのフオトクロミツクガラス中にはもともと過剰
のフオトクロミツク成分が存在するということが
述べられている。従つて、この特許のガラス組成
物中には過剰のハロゲン化銀結晶が存在する。こ
の特許の還元法はフオトクロミツク成分に作用す
るように、好ましくはフオトクロミツク特性が損
なわれることがないようにフオトクロミツク成分
の過剰分のみに作用するように考慮されている。
フオトクロミツク特性のわずかの減退が許容され
る場合には、活性フオトクロミツク成分の一部を
還元することが許される。しかしながら、高温で
の長時間の熱処理はガラスのフオトクロミツク特
性が失われてしまう程フオトクロミツク成分を還
元してしまうので避けるべきであることが述べら
れている。さらに、基礎ガラス組成中の酸化物を
還元してしまう程強烈な還元条件を使用すること
は避けるべきであることが述べられている。 上記米国特許第3920463号は同じ還元法に関す
るものであるが、この特許の方法においては還元
されたガラスがその後紫外線に露光される。この
露光によつて還元処理のみによつて得られる着色
よりもより暗くより深い着色が得られることが述
べられている。 米国特許第4118214号には、改良された多色ガ
ラス(polychromatic glass)製造方法が開示さ
れている。従来の多色ガラス製造方法は高エネル
ギー線あるいは化学線への露光およびその後の空
気中での熱処理を2回繰返すことからなつてい
た。この特許の方法においては、第2の露光およ
び空気中での熱処理の代わりに、還元性環境中で
少なくとも350℃であるがガラスのひずみ点より
も低い温度で熱処理が行なわれる。 多色ガラスの着色はガラス中に色中心が存在す
ることによつて生じる。この色中心はAgCl,
AgBrおよびAgIからなる群より選ばれるハロゲ
ン化銀を含むアルカリ金属弗化物(一般には
NaF)の微結晶であり、この微結晶の内部ある
いは表面上には金属銀が析出している。この多色
ガラスはNa2O,Ag,F、およびCl,Brおよび
Iからなる群より選ばれるハロゲン化物からな
り、場合によつては任意成分としてAl2O3および
ZnOのいずれか一方あるいはその両方を含んでい
る。 ほかの還元剤を用いることもできるが水素雰囲
気が最も有効な還元性環境であることが述べられ
ている。ガラスのひずみ点あるいはそれよりも高
い温度の使用は色中心が破壊されるので避けるべ
きであることが述べられている。 米国特許第4125405号には、ハロゲン化銀含有
赤色ガラスが開示されている。このガラスは還元
性の溶融条件の下で作られ、わずかにフオトクロ
ミツク特性を示す。しかしながら、このガラスの
フオトクロミツク特性はこのガラスをフオトクロ
ミツク製品に実用するのには不充分である。熱処
理によつてこのガラスのフオトクロミツク特性を
高めようとする場合、一般にガラスの赤色着色が
破壊される。 改良された暗黒化および退色特性を示す別なタ
イプのハロゲン化銀含有フオトクロミツクガラス
もまた最近開発された。そのようなガラスの一族
が米国特許第4190451号に開示されている。 また、上部のみが暗黒化し、従つて勾配のある
暗黒化特性を示すフオトクロミツクレンズの開発
にも努力が払われてきた。そのようなレンズの製
造方法の実例は米国特許第4036624号、第4062490
号および第4160655号に見られる。 上記各特許の説明から明らかなように、フオト
クロミツクガラスおよび多色ガラスの着色は銀イ
オンを金属銀に還元することによつて達成され
る。そのような着色は比較的低い温度で行なわれ
る。すなわち、ガラスのひずみ点よりも低い温度
が用いられる。あるいは着色はより高い温度に非
常に短時間暴露することによつても行なわれる。 上記米国特許第3892582号および第3920463号に
述べられているような還元条件の下でフオトクロ
ミツクガラスを熱処理した時に認められる黄色の
着色は熱処理の間にガラス中に沈殿した金属銀に
よつて生じた吸収帯によるものである。その他の
沈殿相のない銀含有ガラスにおいては、この銀吸
収帯はスペクトルの紫色領域内の約390nmの吸収
ピークとして示される。マトリツクスガラスの他
にハロゲン化銀沈殿を含む上記米国特許第
3892582号および第3920463号の還元焼成されたフ
オトクロミツクガラスにおいては、約430乃至
460nmの青色領域に吸収ピークが存在することが
報告されている。 上記2つの米国特許のガラスにおける着色の色
相および強度はおそらくは熱処理によつて生じる
吸収ピークの位置および強度に依存する。430乃
至460nmに存在する強い吸収ピークによつて最も
濃い黄色が生じたが、同じ基本吸収ピークが穏や
かな熱処理の後に最初500nm付近に弱く現われた
のでそれによつて淡いピンク色が生じたものと思
われる。 以上説明した従来用いられているような還元熱
処理はフオトクロミツクガラスに表面着色を付与
するための簡便な方法であるが、非常に限られた
範囲の色しか得ることができない。例えばより強
烈な熱処理を用いることによつて着色を強めよう
とする試みはただ単に基本吸収ピークを紫色方向
に移動させてしまい、黄色着色のより強いガラス
を生じさせてしまうだけのようである。 食品および薬品管理局(Fo0d and Drug
Administration)が眼鏡製品の強度基準を制定
したので、眼鏡用ガラス製品はその基準に合格す
るように熱強化あるいは化学強化されなければな
らない。熱強化はガラス製品をそのガラスの軟化
点まであるいはそれに近い温度まで加熱し、その
後急冷することからなる。化学強化はガラス製品
(一般にアルカリ金属イオンを含んでいる)をそ
のガラスのひずみ点よりも低い高温で該ガラス製
品中のイオンよりもサイズのより大きなイオン
(一般にイオン半径がより大きなアルカリ金属イ
オンである)に充分な時間接触させ、その大きな
イオンをガラス表面に移動させてガラス中に存在
する小さなイオンを置換することからなる。この
イオン交換反応は一般に数時間、しばしば一晩中
行なわれる。 これら強化法はいずれも銀イオンの還元によつ
てガラスに生じた着色を変えるという副作用を有
している。勿論、このような弊害はガラスの還元
熱処理を行なう前にガラスの強化を行なうことに
よつて取り除くことができる。しかしながら、現
在ガラスの強化はレンズが顧客のフレームに挿入
される直前に行なわれているので、還元熱処理の
前に強化を行なうことは現在の生産の流れに反す
る。さらに、還元熱処理の間の加熱によつて熱強
化あるいは化学強化によつて生じた強度が変えら
れてしまう。 これまでに眼鏡着用者は種々の色調を有するガ
ラスの生産を望んできた。例えば、スポーツマン
は度付きレンズおよび度なしレンズとして用いる
ために黄色の色調を有するいわゆるシユーターガ
ラス(shooter′s glass)を購入してきた。着用者
によつて観察されるくもりおよびグレアを減じる
そのような製品の実用性は色調を狭い範囲の透過
率に保つことによつて得られる。理想的な製品は
厳密に制御された透過率を有する色調をフオトク
ロミツク特性を示すガラス中に有しており、その
色調は優れた熱安定性を示すであろう。すなわ
ち、色調はガラスのひずみ点付近の温度での長時
間の熱処理あるいはガラスの軟化点付近の温度で
の短時間の熱処理の影響をほとんど受けないであ
ろう。 別の望ましい製品は一様なフオトクロミツク暗
黒化特性と共に固定された色勾配を示すフオトク
ロミツク眼鏡レンズであろう。そのようなレンズ
は化学線に露光される時一様に暗黒化し、化学線
から除去される時退色するが、さらに固定された
色勾配あるいはレンズ上に選択的に設けられたそ
の他の色模様を有するであろう。この固定された
色勾配あるいは色模様は照明条件の変化に応じて
変化しない。従つて、すべてのレンズ部分におい
てフオトクロミツク暗黒化を示し、また観察者が
常に認めうる色勾配を示すレンズを得ることがで
きる。そのようなレンズに要求される重要なこと
は、比較的一様なフオトクロミツク暗黒化性能を
有すること、固定された色勾配あるいはその他の
色模様を有することおよびレンズ製造の間に屈折
力収差が生じないことである。勿論、サングラス
製品および度付き眼鏡レンズ製品いずれについて
も、レンズの光学的性質に悪影響を及ぼす表面平
滑性および曲率の変化を生じる危険性のある製造
方法は不適当である。 本発明の目的は優れた熱安定性を示す一定の色
調のいくつかの色合い(shade)、すなわち主と
して視感透過率の変化によるがいくらかは色度の
移動による色の相違、を単一のフオトクロミツク
ガラス組成物において生じさせる方法を提供する
ことにある。 本発明の別の目的は従来のフオトクロミツクガ
ラスの黄色の色調とは異なつた表面着色を示すフ
オトクロミツクガラスの製造方法を提供すること
にある。 本発明のさらに別の目的は優れた熱安定性を示
す黄色の色調のいくつかの色合いを単一のフオト
クロミツクガラス組成物において生じさせ、その
ガラスの視感透過率を望みの水準に調整する方法
を提供することにある。 本発明のさらに別の目的は比較的一定の色座標
を有するがその表面にそつて透過率の勾配を有
し、かつその色調が優れた熱安定性を示すフオト
クロミツクガラス素地の製造方法を提供すること
にある。 本発明のさらに別の目的は一方の面が着色され
ており、かつその着色が優れた熱安定性を示すフ
オトクロミツクガラスレンズ半製品の製造方法を
提供することにある。 本発明のさらに別の目的は優れた熱安定性を示
す着色を有し、約450nmよりも短波長の輻射線を
著しく吸収するフオトクロミツクガラス素地の製
造方法を提供することにある。 本発明のさらに別の目的は着色剤による色調が
優れた熱安定性を示す色調に変えられている組成
中に通常の着色剤を含有するフオトクロミツクガ
ラス素地の製造方法を提供することにある。 本発明のさらに別の目的は表面着色を有する部
分と、表面着色を有していないかあるいは異なつ
た表面着色を有する別の部分とからなる選択的に
着色されたフオトクロミツクガラスレンズの製造
方法を提供することにある。 本発明は従来の還元熱処理の使用によつて生じ
る比較的純粋な黄色着色に加えて、あるいはそれ
の代わりに透明フオトクロミツクガラス中に表面
着色を生じさせる方法を提供するものである。先
に説明したように、フオトクロミツクガラスにお
いては、上記還元熱処理は一般にガラス中に金属
銀の基本吸収ピークのみを生じさせるのに有効で
あり、その基本吸収ピークは強度および波長が変
化するが一般に430―460nmの範囲にある。 本発明においては還元性気体環境中で約200℃
よりも高い温度で充分な時間熱処理が行なわれ、
これによつてガラス中の金属銀の基本吸収ピーク
よりも長波長側にある1つあるいは2つ以上の波
長においてガラス表面層の視感透過率が未処理ガ
ラス表面層の視感透過率よりも低くなる。そのよ
うな視感透過率の減少は、用いられる還元条件お
よびガラス組成に依存して、金属銀の基本吸収ピ
ークよりも長波長側にある可視領域における比較
的広範囲に亘つての透過率の減少によつて、ある
いは該可視領域における比較的狭い新たな吸収帯
の発生によつて生じる。 本発明の第1の具現においては、ハロゲン化銀
結晶をフオトクロミツク成分とし、酸化鉛を必須
成分として含有するガラスを強還元性気体環境中
でそのガラスのひずみ点よりも高い温度、好まし
くは徐冷点付近あるいはそれよりもいくぶん高い
温度で熱処理することによつて、上記可視領域に
おいて比較的広範囲に亘つて透過率を減少させる
ことができることが見出された。上記のような高
温においては、ガラス中の銀イオンが金属銀に還
元されるだけでなく鉛イオンもまた金属鉛に還元
される。そしてこの金属鉛が銀粒子を被覆するか
あるいは銀粒子と合金を生成しているものと思わ
れる。 上記第1の具現においては、フオトクロミツク
ガラスがAgCl,AgBrおよびAgIのうちの少なく
とも1種をフオトクロミツク成分として含み、ま
た本発明の方法に従つて還元される時望みの色を
与えるような酸化鉛を含んでいるならばそのガラ
スの基礎組成にかかわりなく本発明の方法を適用
することができる。例えば、米国特許第3548060
号にはAl2O3―B2O3―RO系内に基礎組成を有す
るガラスが開示されている。すなわち、この特許
のガラスは重量%で30乃至86%のB2O3、2乃至
35%のAl2O3および12乃至45%のアルカリ土類金
属酸化物からなる。米国特許第3703388号には
La2O3―B2O3系内に基礎組成を有するガラスが
開示されている。すなわち、この特許のガラスは
重量%で15乃至75%のLa2O3および13乃至65%の
B2O3からなる。米国特許第3834912号にはPbO―
B2O3系内に基礎組成を有するガラスが開示され
ている。すなわち、この特許のガラスは重量%で
14.2乃至48%のB2O3、29乃至73%のPbO、0乃
至15%のアルカリ土類金属酸化物および0乃至23
%のZrO2,Al2O3およびZnOのうちの少なくとも
1種からなる。米国特許第3876436号にはR2O―
Al2O3―P2O5系内に基礎組成を有するガラスが開
示されている。すなわち、この特許のガラスは重
量%で少なくとも17%のP2O5、9乃至34%の
Al2O3、40%以下のSiO2、19%以下のB2O3およ
び少なくとも10%のアルカリ金属酸化物からな
る。米国特許第3957498号にはR2O―Al2O3
SiO2系内に基礎組成を有するガラスが開示され
ている。すなわち、この特許のガラスは重量%で
13乃至21%のアルカリ金属酸化物、17乃至25%の
Al2O3および45乃至56%のSiO2からなる。さら
に、先に米国特許第3208860号の説明において述
べたように、現在市販されているフオトクロミツ
クガラスはアルカリ金属アルミノ硼珪酸塩系内に
基礎組成を有している。この特許には好ましいガ
ラスとして重量%で4乃至26%のAl2O3;4乃至
26%のB2O3;40乃至76%のSiO2;および2乃至
8%のLi2O、4乃至15%のNa2O、6乃至20%の
K2O、8乃至25%のRb2Oおよび10乃至30%の
Cs2Oからなる群より選ばれる少なくとも1種の
アルカリ金属酸化物からなるガラスが開示されて
いる。化学分析に基づいた重量%で表わした場
合、上記ガラスは最小有効量がそれぞれ0.2%、
0.1%および0.08%である塩素、臭素および沃素
のうちの少なくとも1種と、少なくとも最小有効
量の銀を含んでいる。銀の最小有効量は有効ハロ
ゲンが塩素である場合には0.2%、有効ハロゲン
が臭素であるが0.08%よりも少量の沃素が含まれ
る場合には0.05%および少なくとも0.08%の沃素
が含まれる場合には0.03%である。透明ガラスが
望まれる場合には銀の量は0.7%以下でなければ
ならず、また3種類のハロゲンの合計量は0.6%
以下でなければならない。上記各基礎ガラス成
分、銀およびハロゲンの合計量は全組成の少なく
とも85%でなければならない。 ガラスが本発明の方法に従つて処理される時透
過率に対して望みの効果を及ぼすのに必要な鉛の
量はPbOで表わして少なくとも0.5%であり、1
%よりも多量であるのが最も好ましいことが判明
した。淡黄色からほぼオレンジ色までの色を生じ
させることができ、また生じる色およびガラスの
視感透過率の厳密な制御が可能であり、このため
に着色を再現性良く生じさせることができる。生
じる実際の色および視感透過率はいくぶんかはガ
ラス組成、特にPbO含有量に依存するが、主とし
て還元処理のパラメーターの関数である。 上記米国特許第3892582号および第3920463号の
記載内容に反して、還元処理温度がかなりの時間
に亘つてガラスの徐冷点を著しく越えない限りは
ガラスのフオトクロミツク特性はたいして減退し
ない。実験結果から判断すると、ガラスの徐冷点
よりも約50℃以上高い温度での約1時間以上の還
元処理はガラスのフオトクロミツク特性に悪影響
を及ぼすようである。 反応速度に関しては純粋な水素雰囲気が最も有
効な環境であることが見出された。従つて、反応
は着色が表面で始まり次第に内部に移動するよう
な拡散作用に基づいているものと思われる。この
現象のために、処理時間が長ければ長い程あるい
は処理温度が高ければ高い程着色はより深くガラ
ス中に浸透する。さらに、上記現象の強い温度依
存性のために、ガラス表面にそつて色勾配を生じ
させることができる。反応速度の点から純粋な水
素が好ましいが、一酸化炭素、分解アンモニアお
よび水素と窒素の混合物のようなその他の還元性
環境も用いることができる。一般に、ガラスはそ
のガラス中の鉛イオンが金属鉛に還元され、金属
粒子色中心が生成されるのに充分な時間規定温度
において還元性気体雰囲気にさらされる。この暴
露時間はガラスの組成、用いられる環境および用
いられる温度に依存する。例えば、純粋な水素が
用いられる場合、より高い温度においては数分間
程の短時間の暴露で充分であるが、ガラスのひず
み点付近の温度においては数時間の暴露が必要で
ある。さらに、ガラスにおける色浸透の深さも勿
論考慮されねばならない要素である。この色浸透
の深さは拡散の法則によつて支配される。 本発明の方法は半製品の製造を可能にする。例
えば、眼鏡レンズブランクの一方の面が仕上げら
れ(適当な度に研削され、研摩され)、ブランク
全体あるいはブランクの仕上り面が該ブランクに
望みの着色を与える金属鉛粒子を含有する一体表
面層が生じるのに充分な時間還元性環境に暴露さ
れる。その後、ブランクの未仕上り面が研削され
最終的な度が得られる。未仕上り面に生じた着色
はその面の仕上げの間に除去されるが、最終レン
ズは最初に仕上げられた面に着色を保持してい
る。 本発明はフオトクロミツク眼鏡レンズ、すなわ
ち可逆性の視感透過率を示す眼鏡レンズを製造し
ようとするものであるので、本発明においては好
ましくは眼鏡着用者が太陽光中に出た時の化学線
の吸収を避けるためにレンズの背面のみに高吸収
性表面層が形成される。 本発明の方法はPbO含有量が非常に多いガラス
(例えば上記米国特許第3834912号の29乃至73%の
PbOを含むガラス)にも適用することができる
が、高PbO含有量のガラスにおいて得られる着色
はPbO含有量がずつと少ないガラスにおいて得ら
れる着色と変わりはない。しかしながら、ガラス
は少なくとも0.5%、好ましくは1%よりも多量
のPbOを含んでおり、またフオトクロミツク成分
としてハロゲン化銀結晶を含んでいることが必要
である。上記米国特許第3208860号の好ましいガ
ラス組成物については、最大PbO含有量は一般に
約10%を越えない。 先に述べたように、本発明の方法は表面の一部
のみが着色されているかあるいは表面にそつて色
勾配が生ぜしめられた成形品の製造に有用であ
る。米国特許第4072490号には本発明の方法に役
立つように容易に変更可能な装置および方法が開
示されている。 さらに、本発明の方法は著しく紫外線吸収性で
ある着色フオトクロミツクガラス素地の製造を可
能にする。このようなガラスは強い照明、特に紫
外線からの保護が必要である色素性網膜炎のよう
な病気用の眼鏡レンズとして医学的に処方される
時特に有効である。上記着色フオトクロミツクガ
ラス素地を得るためには2段階処理が必要であ
る。まずフオトクロミツクガラスが米国特許第
3892585号に開示されている方法に従つて還元性
雰囲気中で焼成される。すなわち、Ag+イオンを
金属銀に還元するのに充分な焼成条件(焼成温度
および焼成時間)の下でガラスが焼成される。ガ
ラスのひずみ点よりも低い焼成温度が用いられる
のが好ましい。その後、上記処理が施されたガラ
スが還元性環境中でそのガラスの徐冷点付近ある
いはそれよりも高い温度で薄い表面層において鉛
イオンが金属鉛に還元されるのに充分な時間焼成
される。この異なつた温度でのガラスの連続焼成
の結果、金属銀粒子含有層上に金属鉛粒子含有層
が形成される。金属銀粒子のために約450nmの波
長において透過率が鋭くカツトされ、その結果可
視スペクトルの青色領域から紫外領域に亘つて強
い吸収が生じる。ガラスが紫外線用フイルターと
して特に適しているのはこのためである。しかし
ながら、人間の眼は約555nmの波長(黄緑色)に
最も感度があるので、この金属銀粒子による吸収
でさえスペクトルの可視領域における透過率を低
くすることはできない。これに対して、金属鉛粒
子は一般に可視スペクトルを吸収する。従つて、
ガラスによつて示される視感透過率は主として金
属鉛粒子含有層の厚さによつて決められる。要す
るに、本発明の第1の具現はその背面に金属銀粒
子および金属鉛粒子を含有する一体表面層を有す
るフオトクロミツクガラス製品、特に眼鏡レンズ
を製造しようとするものである。この本発明の第
1の方法はスペクトルの紫外領域を強く吸収し、
また種々の色合いを示す上記ガラス製品を熱ガラ
ス成形法にたよらずに製造することを可能にす
る。 本発明の第2の具現においては、ハロゲン化銀
含有フオトクロミツクガラスを適当な熱条件の下
で還元熱処理することによつて銀の基本吸収波長
よりも長波長側に比較的狭い吸収帯を生じさせる
ことができ、このために非暗黒化状態において例
えばオレンジ色、赤色、紫色あるいは青色のよう
な表面着色を示す着色フオトクロミツクガラスを
得ることができることが見出された。このような
結果は還元処理の間のフオトクロミツク相(ハロ
ゲン化銀)溶融をできるだけ少なくするために従
来用いられていた熱処理温度範囲よりもいくぶん
低い熱処理温度範囲を用いることによつて得られ
る。結果に影響を及ぼすその他の要素はこの着色
法に用いられるフオトクロミツクガラス出発材料
の組成および熱履歴である。 本発明の第2の方法に従つて製造されるフオト
クロミツクガラスに見られる広範な表面着色は熱
処理の間にガラス表面に生じる強い吸収帯による
ものである。この吸収帯は460nmよりも長波長側
にあり、しばしば510―580nmの範囲にある。こ
の吸収帯によつてガラスの色が黄色からオレンジ
色、赤色、紫色あるいは青色に移動する。このよ
うに本発明の方法によつて得られる表面着色フオ
トクロミツクガラスは430―460nmのみに強い吸
収を示し、また非黄色ガラス製造に必要な波長に
おいて比較的弱い吸収を示す従来の表面着色フオ
トクロミツクガラスとは異なるものである。 分光透過率特性の面から見ると、従来の表面着
色フオトクロミツクガラス製品は少なくとも一般
に用いられる眼鏡レンズの形状において第7図乃
至第9図の線CBよりも左側に位置する吸収ピー
クを示す。これは第8図に最も明確に示されてい
る。第7図および第9図に示されるように、本発
明は線CBよりも右側に位置する吸収ピークを有
する表面着色フオトクロミツクガラス製品を提供
する。 詳細には、本発明の第2の具現はハロゲン化銀
含有フオトクロミツクガラス製品を還元性条件の
下で約450℃以下の温度で熱処理することからな
る方法によつて製造される表面着色フオトクロミ
ツクガラス製品を提供するものである。上記熱処
理はガラス製品中に特定の光吸収特性が生じるの
に充分な時間続けられる。この光吸収特性とは、
上記還元熱処理の後、ガラス製品が少なくとも非
暗黒化状態の一断面において、一般に430―
460nmに見られる銀の基本吸収波長よりも長波長
側にある少なくとも1つの吸収ピークを有する分
光透過率曲線を示すような特性である。従つて、
上記還元熱処理によつて生じたピークは一般に第
7図の線CBよりも右側の分光透過率領域にある。 従つて、上記のような表面着色フオトクロミツ
クガラス製品はハロゲン化銀含有フオトクロミツ
クガラス製品を還元性条件の下で約450℃以下の
温度で上記特性を有する少なくとも1つの吸収ピ
ークが生じるのに充分な時間熱処理することによ
つて得られる。 上記光吸収特性は最初上記米国特許第4190451
号に開示されているタイプのフオトクロミツクガ
ラスに生ぜしめられた。しかしながら、この新規
な光吸収効果はそのようなガラスに限られるもの
ではなく、上記のような方法で還元熱処理された
その他のタイプのフオトクロミツクガラスにも見
られた。 本発明の第2の方法によつて得られるフオトク
ロミツクガラスに見られる異常な着色効果はガラ
ス表面に非常に近い領域におけるハロゲン化銀微
結晶に接触している銀の化学還元によつて引き起
こされるものと思われ、観察される色は微結晶上
の金属銀の形状および配列によつて決められるも
のと思われる。これは一定の還元熱処理が用いら
れる場合、ある特定のフオトクロミツクガラスは
該ガラス中にハロゲン化銀微結晶を生じさせるの
に最初に使用された方法に依存して多数の異なつ
た吸収ピークのいずれをも示し得るという実験的
に観察された事実に矛盾しない。 さらに、還元熱処理によつてフオトクロミツク
ガラスに付与される表面着色はガラス表面に充分
接近したものであるので、着色ガラス表面の一部
をその表面の光学的性質をほとんど変えることな
く選択的に除去することができることが見出され
た。すなわち、還元熱処理によつて生じる着色は
処理されたレンズ表面上の一般に約10―100ミク
ロン厚の非常に薄い層中にあり、化学的手段によ
るこの表面層の除去はレンズ表面の屈折力あるい
は表面品質にさほど悪影響を及ぼさないことが見
出された。 従つて、さらに本発明は上述の還元性気体環境
中での熱処理によつて生じた表面着色フオトクロ
ミツクガラス製品を処理し、選択的に着色された
ガラス製品を得るための方法を提供するものであ
る。この方法は着色表面層の選ばれた部分を化学
的に除去し、その層の見かけの色、従つてその製
品の見かけの色を変えることからなる。レンズか
ら化学的に除去される着色表面層部分は色模様、
好ましくはレンズ上部の比較的強い色からレンズ
下部の無色に変化する色勾配を与えるように選択
することができる。化学的に除去される着色表面
層部分は厚さについても制御することができ、従
つて色変化は色強度の限られた低減と色の完全な
除去の両方からなる。 さらに、必要に応じてガラス組成中に既知のガ
ラス着色剤が含有せしめられてもよい。勿論、着
色剤と本発明の方法によつて生じる着色との組合
わせは種々の色調および色合いを生じる。 コーニング社(Corning Glass Works,
Corning,New York)から眼鏡レンズ用として
市販されている3種類のフオトクロミツクガラス
を用いて本発明の第1の方法を以下に説明する。
各ガラスのおよその組成は下表に重量%で示され
ている。ガラスA,BおよびCはそれぞれコーニ
ング8097、コーニング8111およびコーニング8105
という名称で販売されている。下表には各ガラス
の軟化点、徐冷点およびひずみ点のおよその値も
示されている。
【表】 ガラスCから直径が約70mm、厚さが約6mmの円
形レンズブランク2枚をプレスし、いずれも4分
割し、3mm厚に研摩した。このようにして得た8
個のサンプルのうち2個を純粋水素ガス源に接続
されたチユーブ電気炉に入れた。電気炉を窒素ガ
スで置換し、その後純粋水素ガスで置換し、しか
る後サンプルを大気圧よりもわずかに高い圧力を
有する流速約10c.c./秒の純粋水素ガス気流中で
415℃、435℃、460℃および525℃の温度で30分間
熱処理した。サンプルを電気炉から取り出し、そ
の一面を研摩して2mm厚とした。その後一方のサ
ンプルを化学強化した。この化学強化は60重量%
のKNO3と40重量%のNaNO3からなる400℃の溶
融塩バス中にサンプルを16時間浸漬することによ
つて行なつた。 普通の三刺激値測色計および研究用露光/光度
計装置を用いて非暗黒化状態の色およびフオトク
ロミツク特性を測定した。各サンプルを室温、す
なわち約20―25℃で20分間紫外線に露光し、その
後5分間紫外線から除去した。下記第1表は各サ
ンプルによつて示された視感透過率を示すもので
あり、TO,TD20およびTF5はそれぞれ暗黒化の
前、20分間の暗黒化の後および5分間の退色の後
の視感透過率を表わす。また第1表には非暗黒化
状態の各サンプルの色度座標(x,y)も示され
ている。
【表】 第1図は非暗黒化状態の各サンプルの色度座標
を色度図上に示すものであり、第2図は熱退色を
行なつた後、すなわち97℃で35分間加熱した後の
化学強化を行なつたサンプルの分光透過率曲線を
示すものである。 第1表、第1図および第2図における実施例4
とその他の実施例の比較から明らかなように、実
施例4とその他の実施例との間にはかなりの違い
がある。この違いは特に第2図の分光透過率曲線
において明確に示されている。525℃の温度(ガ
ラスCの徐冷点よりも高い)は銀イオンの還元の
ほかに鉛イオンの還元を生じさせるのに充分に高
い温度である。この温度で熱処理されたガラスは
全可視領域の光を吸収するようになり、450nmよ
りも長波長側にピークを有する金属銀粒子による
シヤープな吸収帯を有していない。また鉛イオン
の還元によつて色が緑色方向に移動する。 化学強化されたサンプルによつて示される色お
よびフオトクロミツク特性と化学強化が行なわれ
なかつたサンプルによつて示される色およびフオ
トクロミツク特性の比較から明らかなように、化
学強化法は本発明の方法に悪影響を及ぼすもので
はない。 上記ガラスCの円形レンズブランクと同じ直径
および厚さを有する円形レンズブランクをガラス
Aからプレスし、4分割し、約3mm厚に研削し研
摩した。その後各サンプルを上記と同様にして純
粋水素ガス気流中で400℃、455℃、480℃および
530℃の温度で0.5時間焼成した。 各サンプルの一方の面を研摩して約2mm厚と
し、その後上記と同じ方法および装置を用いて各
サンプルの色およびフオトクロミツク特性を測定
した。各サンプルを室温において20分間紫外線に
露光し、その後5分間紫外線から除去した。下記
第2表は各サンプルによつて示された暗黒化され
る前の視感透過率(TO)および色度座標(x,
y)を示すものである。
【表】 第3図は非暗黒化状態の各サンプルの分光透過
率曲線を示すものであり、この第3図には上記還
元熱処理を受けていないサンプルの分光透過率曲
線も示されている。 第2表から明らかなように、480乃至530℃の温
度範囲で起こる色変化は比較的小さいが、視感透
過率の変化は大きい。第3図から明らかなよう
に、処理温度が400℃および455℃であるガラスの
透過率曲線には約450―500nmに銀粒子の存在に
よる強い吸収ピークが見られる。処理温度がより
高いガラスにおいてはこの吸収ピークはなくなつ
ており、その代わりに全可視波長領域に亘つてピ
ークのない吸収が生じている。そしてこの吸収は
波長の増加とともに減少している。従つて、処理
温度が480℃(ガラスAのひずみ点よりもわずか
に高い。)であるガラスの透過率曲線に見られる
吸収ピークのなごりは処理時間を長くすることに
よつて除去することができるであろう。 上記と同様にしてガラスAおよびガラスBから
円形レンズブランクをプレスし、4分割し、研摩
して2mm厚とした。上記と同じ装置および方法を
用いて得られたサンプルを純粋水素ガス気流中で
520℃、すなわちガラスのひずみ点よりも約50℃
高い温度で5,10,20および40分間焼成した。紫
外線によつて暗黒化される前の各サンプルによつ
て示される視感透過率(TO)、色度座標(x,
y)および色純度(%)を上記と同じ装置および
方法を用いて測定した。その結果を下記第3表に
示す。
【表】 第4図は実施例9―12のガラスの分光透過率曲
線を示すものであり、第5図は実施例13―16のガ
ラスの分光透過率曲線を示すものである。 実施例9―12(鉛含有ガラス)と実施例13―16
(鉛を含まないガラス)の比較から明らかなよう
に、両者の間には下記のような3つの大きな相違
点がある。 (a) 鉛を含まないガラスは比較的長時間焼成した
後でも分光透過率曲線中の銀による吸収帯が消
失しない。 (b) 鉛を含まないガラスは比較的長時間焼成した
後でも非常にわずかしか透過率が向上しない。 (c) 鉛を含まないガラスはかなり大きな色度の変
化を示すが、その視感透過率は比較的わずかし
か変化しない。 これらの相違点は鉛イオンの金属鉛粒子への還
元がガラスの色および透過率に及ぼす多大な影響
を如実に示している。第3表のデータおよび第5
図の分光透過率曲線は本発明の方法によれば銀お
よび鉛を含むガラス中に生じる色合いを厳密に制
御することができることを示している。 ガラスCのレンズブランクの背面を研削し研摩
して望みの曲率とし、レンズ半製品とした。この
レンズ半製品を純粋水素雰囲気中で下記の焼成ス
ケジユールを用いて焼成して着色レンズ半製品を
得た。 (a) 420℃で22時間および560℃で1時間(実施例
17)。 (b) 460℃で22時間および560℃で0.5時間(実施
例18)。 その後前面を研削し研摩して厚さが約3mmのレ
ンズを得た。得られたレンズにおいては、すべて
の着色は背面の薄層によつて与えられている。従
つてガラスのフオトクロミツク特性は影響を受け
ない。 第6図は実施例17および18のガラスの分光透過
率曲線を示すものである。実施例18のガラスは実
施例17のガラスよりもわずかに多量の青色光をカ
ツトする。この違いはガラスのひずみ点よりも低
い温度とは言え460℃での長時間の処理は鉛イオ
ンをある程度金属鉛に還元し、金属銀による吸収
を変えてしまうのに充分であつたためであると思
われる。換言すれば、2回焼成法は深い層中に銀
による強い吸収を生じ、これによつて約450nmよ
りも短波長の光は透過しなかつた。2回目の焼成
に用いられたより高い温度はガラスの全体の視感
透過率を低下させた。 より長波長に狭い吸収ピークを示す着色フオト
クロミツクガラスを与える本発明の第2の方法を
以下に説明する。 処理によつて生じる吸収ピークは本明細書で述
べられるようなフオトクロミツクガラスの表面還
元によつて生じた吸収ピークとして定義される。
そのようなピークはそれから表面着色フオトクロ
ミツクガラスが作られる親フオトクロミツクガラ
ス中には存在しない。従つて、表面着色フオトク
ロミツクガラスは表面の色がガラス本体の色(ガ
ラス本体が色を有しているならば)とは異なるも
のである。これは表面ガラスを除去する前および
除去した後のガラスの分光透過率特性を比較する
ことによつて容易に確かめることができる。 吸収ピークのピーク位置はその波長と強度によ
つて定められる。この場合波長は非暗黒化状態の
ガラスの光透過率が最小となる波長である。しか
しながら、ピークを有する複数の吸収帯が著しく
接近しており、ある吸収ピークが別の吸収ピーク
のシヨルダーとしてしか示されない場合がある。
このような場合にはピーク位置は通常のスペクト
ル分析法に従つて決定される。 第8図は従来の方法によつて製造された一連の
表面着色フオトクロミツクガラス眼鏡レンズブラ
ンクの非暗黒化状態における分光透過率曲線を示
すものであり、従来の表面着色フオトクロミツク
ガラスの吸収特性を説明するものである。これら
のレンズブランクはいずれもコーニング社から
「フオトグレイ(登録商標)」として市販されてい
るコーニングコード8097フオトクロミツクガラス
からなり、未着色フオトクロミツクガラスレンズ
ブランクを純粋水素ガス雰囲気中で第8図に示さ
れる種々の温度で10分間熱処理することによつて
製造された。 第8図から明らかなように、従来の方法によつ
て製造された表面着色ガラスは穏かな熱処理によ
つて得られる510nm付近における非常にわずかの
吸収からより強烈な熱処理によつて得られる短波
長側へ移動した強い吸収までの範囲の吸収特性を
有している。300℃の熱処理によつて製造された
わずかに光吸収性であるガラスはピンク色を示
し、一方より強く光を吸収するガラスは黄色を示
す。 先行技術文献に記載されている限りでは、これ
らガラスは510nmよりも長波長側では著しい吸収
を示さず、また460―510nmの範囲では強い吸収
ピークを示さない。従つてその位置が透過率が最
小となる点で示されるこれらガラスによつて示さ
れる吸収ピークは第8図中の線CBよりも左側の
領域に限られ、従つてガラスの色が限られる。こ
の線CBを以後“色バリヤー”(color barrier)
と呼ぶことにする。 上記とは全く異なり、本発明の方法に従つて得
られるガラス製品は色バリヤーよりも右側の緑色
および黄色領域に強い吸収帯を示す。第7図はい
くつかのそのような表面着色ガラス製品の非暗黒
化状態における分光透過率曲線を示すものであ
り、それらガラス製品によつて示される種々の異
なつた吸収特性を説明するものである。第8図お
よび第9図中の色バリヤーCBと同様に第7図中
の色バリヤーCBは等分目盛透過率―波長図上の
460nmにおける透過率0%の点と510nmにおける
透過率100%の点を結ぶ直線である。本発明のガ
ラス製品によつて示される吸収特性はオレンジ色
の着色を与える色バリヤーよりも右側の青色領域
における強い吸収ピーク(第7図の曲線1および
5)から青色の着色を与える黄色領域の幅の広い
吸収ピーク(第7図の曲線4)までの範囲内で変
化する。無色フオトクロミツクガラス中に上記範
囲に含まれる吸収ピークが発生することによつて
オレンジ色、赤色、紫色および青色、あるいはそ
れらの混色の着色を示す表面着色ガラスが生じ
る。 先に述べたように、本発明に従つて得られる吸
収特性は還元熱処理中にガラスが保たれる温度に
強く依存する。詳細には、約450℃よりも高い温
度を用いてオレンジ色、赤色、紫色および青色、
あるいはそれらの混色の着色を得ることは非常に
困難である。例えば、第7図の曲線1のガラスが
還元性雰囲気中で450℃付近あるいはそれよりも
高い温度で熱処理される場合には、510nm付近の
比較的強い吸収ピークは移動して450nm付近の吸
収となり、ガラスはより明るくなりその色は黄色
に近くなる。このために、本発明の第2の方法に
おいては約200乃至450℃の温度を用いるのが好ま
しい。 また、熱処理ガラスによつて示される表面着色
は先駆ガラスの熱履歴に強く依存することが判明
した。極端な例として、例えば第7図曲線1のガ
ラスの先駆ガラスがフオトクロミツク相発生温度
で熱処理されずに単に徐冷された場合には、300
乃至450℃の範囲の還元熱処理すべてについて得
られるガラスは黄色である。 基礎ガラス組成もまた得られる種々の表面着色
に大きな影響を及ぼすようである。第7図曲線1
のガラスは400℃で1時間の還元熱処理の後オレ
ンジ色であるが、従来の方法に従つて表面着色フ
オトクロミツクガラスを得るのに用いられたコー
ニングコード8097フオトクロミツクガラスは同じ
還元熱処理の後黄色である。 本発明の方法に従つて表面着色フオトクロミツ
クガラス製品を製造するのに好ましいフオトクロ
ミツクガラスは上記米国特許第4190451号に開示
されているフオトクロミツクガラスである。この
特許のガラスは重量%でおよそ0乃至2.5%の
Li2O、0乃至9%のNa2O、0乃至17%のK2O、
0乃至6%のCS2O、14乃至23%のB2O3、5乃至
25%のAl2O3、0乃至25%のP2O5、20乃至65%の
SiO2、0.004乃至0.02%のCuO、0.15乃至0.3%の
Ag、0.1乃至0.25%のClおよび0.1乃至0.2%のBr
からなり、ここでLi2O+Na2O+K2O+Cs2Oは8
乃至20%であり、アルカリ金属酸化物:B2O3
ル比は約0.55乃至0.85であり、またAg:(Cl+
Br)重量比は約0.65乃至0.95である。またこの特
許に述べられているように、ガラスは任意成分と
して合計量が約10%以下のその他の酸化物あるい
は元素を含んでいてもよい。そのような任意成分
として6%以下のZrO2、3%以下のTiO2、0.5%
以下のPbO、7%以下のBaO、4%以下のCaO、
3%以下のMgO、6%以下のNb2O5、4%以下
のLa2O3および2%以下のFが挙げられる。 勿論、その他のフオトクロミツクガラスも還元
熱処理によつて生じる吸収特性次第では本発明の
方法に用いることができることが判明した。本発
明の方法に用いるのに適した別のフオトクロミツ
クガラスは、米国特許第4018965号に開示されて
いるフオトクロミツクガラスである。このガラス
は重量%でおよそ57.1乃至65.3%のSiO2、9.6乃至
13.9%のAl2O3、12.0乃至22.0%のB2O3、1.0乃至
3.5%のLi2O、3.7乃至12.0%のNa2O、0乃至5.8
%のK2O、0.7乃至3.0%のPbO、0.1乃至1.0%の
Ag、0.15乃至1.0%のCl、0乃至3.0%のBr、0乃
至2.5%のF、0.008乃至0.12%のCuO、合計量が
0乃至1%の遷移金属酸化物着色剤および合計量
が0.5%の希土類酸化物着色剤からなり、ここで
Li2O+Na2O+K2Oは6乃至15%であり、Li2Oと
Na2O+K2Oの重量比は約2:3以下である。こ
の特許に述べられているように、上記ガラスはフ
オトクロミツクサングラスレンズ等の板ガラスの
製造に特に適している。 次に実施例によつて本発明を説明する。 実施例 A 重量部でおよそ56.46部のSiO2、6.19部の
Al2O3、18.15部のB2O3、1.81部のLi2O、4.08部の
Na2O、5.72部のK2O、4.99部のZrO2、2.07部の
TiO2、0.006部のCuO、0.207部のAg、0.166部の
Clおよび0.137部のBrからなるフオトクロミツク
ガラス用組成物を連続溶融装置中で溶融し、プレ
スして眼鏡レンズブランクとし、470℃のピーク
徐冷温度で10分間徐冷し、その後炉の冷却速度で
冷却した。次にこれら徐冷を行なつた眼鏡レンズ
ブランクのいくつかを660℃の温度で30分間熱処
理してフオトクロミツクレンズブランクに変え、
また別のいくつかを550℃で65時間熱処理してフ
オトクロミツクレンズブランクに変えた。これら
フオトクロミツクレンズブランクから小さなサン
プルを切取り、サンプルを2mm厚に研摩した。 550℃の温度で熱処理して得た上記フオトクロ
ミツクガラスサンプルを100%H2気流を含む400
℃の炉に入れた。ガラスサンプルを炉中に1時間
保ち、その後炉から取り出して検査した。 上記処理によつて得られた表面着色サンプルは
光透過状態において淡いオレンジ色に見え、ま
た、非暗黒化状態において第7図曲線1とほぼ同
じ分光透過率曲線を示した。この分光透過率曲線
は460nmおよび510nmを中心とする2つの強い吸
収ピークを有しており、510nmにおける透過率は
非暗黒化状態において約11%である。 実施例 B 660℃の熱処理によつて得られた実施例Aのフ
オトクロミツクガラスサンプルの1つを実施例A
と同じく100%H2気流中で400℃の温度で1時間
還元熱処理した。この還元熱処理の後、サンプル
は光透過状態において赤色を示し、また非暗黒化
状態において第7図曲線2とほぼ同じ分光透過率
曲線を示した。この分光透過率曲線は460nm付近
および540nm付近を中心とする2つの強い吸収ピ
ークを有しており、サンプルの540nmにおける透
過率は非暗黒化状態において約9%である。 実施例 C 550℃の熱処理によつて得られた実施例Aのフ
オトクロミツクガラスサンプル2つを用いて還元
熱処理を行なつた。一方のサンプル(サンプル
3)は100%H2気流中で300℃の温度で1時間還
元熱処理した。もう一方のサンプル(サンプル
4)は100%H2気流中で200℃の温度で16時間還
元熱処理した。 上記処理後、光透過状態においてサンプル3は
中程度の強度の紫色を示し、一方サンプル4は淡
い青色を示した。サンプル3およびサンプル4の
分光透過率曲線はそれぞれ第7図の曲線3および
曲線4とほぼ同じであつた。サンプル3は可視ス
ペクトルの黄緑色領域内に535nm付近を中心とす
る吸収ピークを示し、535nmにおける透過率は非
暗黒化状態において約29%である。サンプル4は
可視スペクトルの黄色領域内に565nm付近を中心
とする幅の広い吸収ピークを示し、565nmにおけ
る透過率は非暗黒化状態において約63.5%であ
る。 これら新たな吸収帯の1つを有する表面着色フ
オトクロミツクガラス製品がイオン交換強化ある
いは熱強化の場合のようにその製品を着色するの
に用いられた温度よりも高い温度に加熱される場
合には、一般に吸収帯がスペクトルの紫色方向へ
移動し、このためにガラスの色が黄色方向へ移動
する。そのような色の移動を避けるのが望まれる
場合には、還元熱処理の前にフオトクロミツクガ
ラスを化学的にあるいはその他の方法で強化し、
その後還元熱処理を行なうことができる。この場
合、還元熱処理はガラス強度にほとんど悪影響を
及ぼさない。上記についての実施例を以下に説明
する。 実施例 D コーニング社からコーニングコード8111レンズ
ブランクとして市販されている一対のフオトクロ
ミツクガラス眼鏡レンズブランクを実験に用い
た。このレンズブランクは実施例A―Cのサンプ
ルとほぼ同じ組成を有している。この一対のレン
ズブランクを研削し研摩して度を付け、フレーム
用のヘリを付け、その後化学強化を行なつた。こ
の化学強化はKNO3とNaNO3からなる400℃の溶
融塩バス中に16時間浸漬することによつて行なつ
た。 イオン交換強化処理の後、レンズをチユーブ炉
に入れ、100%H2雰囲気の下で430℃の温度で15
分間還元熱処理し、その後炉から取り出して検査
した。光透過状態においてレンズは朱色を示し
た。これはスペクトルの緑色領域内に510nm付近
を中心とする中程度の広さの強い吸収ピークが生
じたためである。レンズの510nmにおける透過率
は非暗黒化状態において約44%であつた。 レンズをフレームに入れフオトクロミツクサン
グラスとした時、これらレンズは屋外において緑
色を背景とする場合に特に優れた性能を示した。
これはこれらレンズの透過率が緑色光に対しては
比較的低く、青色、黄色および赤色光に対しては
著しく高いためである。このような透過率特性は
緑色を背景として観察される多くの物体について
物体―背景コントラストを高める。 本発明の方法によつてガラス着色剤を溶質酸化
物(dissolved oxide)の形で含有するフオトク
ロミツクガラス製品から表面着色フオトクロミツ
クガラス製品を製造する場合についての実施例を
以下に説明する。 実施例 E 上記実施例Aのフオトクロミツクガラスとほぼ
同じ組成を有するが、さらに0.09重量部のNiOお
よび0.01重量部のCoOを溶質酸化物ガラス着色剤
として含有する一対のフオトクロミツクガラス眼
鏡レンズブランクを実験に用いた。これらレンズ
ブランクはコーニング社からコーニングコード
8115レンズブランクとして市販されており、その
色は淡褐色である。 ブランクを研削し研摩して特定の度を付けた。
得られた一対のレンズを100%H2雰囲気を含む
420℃の炉に入れ、その中に15分間保つて表面着
色を生じさせ、その後炉から取り出した。 このようにして得た着色レンズは本体の色と生
じた表面着色との混色を示した。この着色レンズ
に実施例Dと同様のイオン交換強化処理を施し
た。すなわち、着色レンズをKNO3とNaNO3
らなる400℃の溶融塩バス中に16時間浸漬した。
その後着色レンズをバスから取り出し、洗浄し、
特性を調べた。得られた強化レンズは赤褐色を示
し、485nm付近を中心とする多少幅の広い吸収帯
を示し、また2mm厚において約25%の485nm透過
率を有していた。またこれら強化レンズは優れた
暗黒化および退色応答を示した。 上記のような組成を有するコーニングコード
8115ガラスは本発明の方法に特に好ましいフオト
クロミツクガラスであり、また淡い灰色のコーニ
ングコード8114ガラスもまた本発明の方法に特に
好ましいフオトクロミツクガラスである。この
8114ガラスは8115ガラスと同じ基礎組成を有する
が、8115ガラスに含まれる0.09重量部のNiOおよ
び0.01重量部のCoOの代わりに0.017重量部のNiO
および0.020重量部のCoOを含んでいる。しかし
ながら、以下の実施例で説明するように、その他
のフオトクロミツクガラスもまた本発明に従つて
表面着色フオトクロミツクガラス製品を製造する
のに用いることができる。 実施例 F 重量%でおよそ59.83%のSiO2、15.01%の
B2O3、9.42%のAl2O3、1.84%のLi2O、3.5%の
Na2O、5.8%のK2O、4.6%のCaO、0.5%のAg、
0.5%のClおよび0.06%のCuOからなるフオトク
ロミツクガラス用組成物を小型連続溶融装置中で
溶融し、成形してガラス製品とした。このように
して得たガラス製品を約470℃のピーク徐冷温度
で10分間徐冷し、その後炉の冷却速度で冷却し
た。 次にガラス製品からいくつかの小さなガラスサ
ンプルを切り取り、研摩して2mm厚とした。得ら
れたサンプルの1つを575℃の温度で約60分間熱
処理し、フオトクロミツクガラスサンプルを得
た。 次にこのフオトクロミツクガラスサンプル100
%H2雰囲気を含む400℃の温度の炉に入れ、その
中に1時間保つた。その後サンプルを炉から取り
出し、その特性を調べた。 光透過状態におけるこのサンプルの色は暗いオ
レンジ色であつた。またこのサンプルの分光透過
率曲線は第7図曲線5とほぼ同じであつた。この
分光透過率曲線はスペクトルの青色領域内に
470nm付近を中心とする強い吸収ピークを有して
いる。2mm厚のサンプルの470nmにおける透過率
は非暗黒化状態において約6%である。 実施例 G 重量部でおよそ58.6部のSiO2、17.5部のB2O3
11.5部のAl2O3、7.7部のNa2O、2.0部のLi2O、1.5
部のK2O、2.2部のPbO、0.3部のAg、0.37部の
Cl、0.13部のBr、0.022部のF、0.025部のCuO、
0.041部のNiOおよび0.029部のCoOからなる組成
を有する引上げ板ガラスから成形された薄いフオ
トクロミツクサングラスレンズを実験に用いた。
このレンズは非暗黒化状態において淡い灰色であ
り、その厚さは約1.5mmであつた。またこのレン
ズの非暗黒化状態における分光透過率曲線は第9
図の“未処理”と名付けられた曲線とほぼ同じで
あつた。 100%H2雰囲気を含む420℃の炉中に15分間入
れておくことによつてこのレンズに表面着色を付
与した。この還元熱処理の後、レンズを炉から取
り出し、その特性を調べた。 光透過状態におけるレンズの色は灰色がかつた
褐色(gray―brown)であり、非暗黒化状態に
おけるこのレンズの分光透過率曲線は第9図の
“420℃”の曲線とほぼ同じであつた。従つて、レ
ンズは490nm付近を中心とする吸収ピークを示
し、レンズの490nmにおける透過率は非暗黒化状
態において約42%である。 次に上記と同じフオトクロミツクサングラスレ
ンズを100%H2雰囲気中で465℃の温度で15分間
還元熱処理した。この還元熱処理後のレンズは黄
色がかつた灰色(yellow―gray)であり、第9
図の“465℃”の曲線とほぼ同じ分光透過率曲線
を有していた。この分光透過率曲線から明らかな
ように、465℃での還元熱処理の場合、上記420℃
の還元熱処理の場合には490nm付近に存在してい
た吸収ピークが短波長側へ移動し、第9図中の色
バリヤーCBよりも左側の460nm付近に現われる。
そしてこのためにレンズに強い黄色成分が見られ
る。この実施例から明らかなように、還元熱処理
されたフオトクロミツクガラスに見られる吸収特
性は還元熱処理の温度に強く依存する。 本発明の方法による表面層除去によつて選択的
に着色されたフオトクロミツクガラスレンズを得
るに際しては、F-イオンを含有する酸性薬剤が
着色レンズから表面物質を選択的に除去するため
の化学薬剤として好適であることが見出された。
しかしながら、表面層除去によるレンズの表面平
滑性への影響をできるだけ小さくするために、処
理される表面着色フオトクロミツクレンズの着色
表面層の厚さは約100ミクロン以下であるのが好
ましい。 選択的な表面除去に用いられる化学薬剤の種類
は特に重要ではない。フロストや毛孔のような表
面欠陥を生じることなく選択されたフオトクロミ
ツクガラスを溶解するのに有効な化学薬剤はいず
れも使用することができる。市販用組成の珪酸塩
フオトクロミツクガラスに使用するのに好ましい
薬剤はHFの水溶液である。 ガラスからの表面除去の速度は除去剤の組成を
制御することによつて、例えば希釈によつてある
いは酸、塩等の変性剤の導入によつて制御するこ
とができ、また除去の間の除去剤の温度を制御す
ることによつても制御することができる。これら
パラメーターを適当に変えることによつて例えば
数秒以内での全着色層除去のような非常に迅速な
表面着色ガラスの除去に適した条件、あるいは完
全な着色層除去に数分間を要するような比較的お
そい溶解速度に適した条件を容易に得ることがで
きる。 化学的に除去される表面部分の面積および形状
についての制御はガラス製品の弗化水素酸エツチ
ングに一般に用いられる種々のマスキング技術を
用いて行なうことができる。そのようなマスキン
グ技術はパラフイン系マスキング剤の使用あるい
は除去剤とガラス表面との接触を妨げるその他の
方法を含んでいる。 単にレンズの一部を着色層の変化あるいは除去
が得られるのに充分な時間除去剤中に浸漬し、そ
の後レンズを除去剤から取り出してゆすぎ、除去
処理を停止させるのが好ましい。この方法はレン
ズに色勾配を生じさせるのに特に有効である。な
ぜならば浸漬方法を変えることによつて色勾配を
容易に制御することができるからである。従つ
て、迅速な部分的浸漬および浸漬の後の迅速な取
り出し並びにゆすぎによつてレンズの上部と下部
の間にシヤープな色勾配すなわち急激な色変化を
得ることができ、一方緩慢な浸漬および取り出し
によつてレンズの上部と下部の間になだらかな色
勾配すなわち緩慢な色変化を得ることができる。
このような浸漬法において生じるレンズの浸漬部
分と非浸漬部分の間のシヤープな色境界線は浸漬
前にレンズを水で湿らすことによつて避けること
ができる。 以下に本発明の表面着色フオトクロミツクガラ
ス製品の着色表面層を選択的に除去する方法を実
施例によつて説明する。 実施例 H 重量部でおよそ58.6部のSiO2、17.5部のB2O3
11.5部のAl2O3、7.7部のNa2O、2.0部のLi2O、1.5
部のK2O、2.2部のPbO、0.3部のAg、0.37部の
Cl、0.13部のBr、0.022部のF、0.025部のCuO、
0.150部のNiOおよび0.014部のCoOからなる組成
を有する引上げ板ガラスから成形された薄いフオ
トクロミツクサングラスレンズを実験に用いた。
このレンズは非暗黒化状態において淡褐色であ
り、約1.5mmの厚さを有しており、コーニング社
からコーニングコード8103ガラスとして市販され
ている。 このレンズ上に着色表面層を設けるために、レ
ンズを100%H2雰囲気を含むチユーブ炉中で550
℃の温度で30分間還元熱処理した。その後レンズ
を炉から取り出し、その特性を調べた。光透過状
態においてレンズは暗褐色の表面着色を示した。 この表面着色レンズから選択的に着色されたレ
ンズを得るために、まずレンズを水で湿らせ、次
いでその一部を約16重量%のHFを含むHF水溶
液中に約2分間浸漬することによつてレンズの表
面着色層の一部を化学的に除去した。 レンズの約1/2をHF水溶液中に浸漬し、レン
ズ表面の処理部分と未処理部分の間に比較的緩慢
な色変化が得られるようにレンズの浸漬および取
り出しを制御した。 上記処理によつて、紫外線に露光される時比較
的一様な暗黒化を示し、また非暗黒化状態および
暗黒化状態のいずれにおいても観察される固定さ
れた色勾配を有するフオトクロミツクサングラス
レンズが得られた。非暗黒化状態において、この
レンズの上部は比較的暗い褐色であり、下部は非
常に淡い黄色である。さらに、レンズ表面の屈折
力の変化は目視では認められなかつた。 実施例 I 上記実施例Hで得た固定された色勾配を有する
サングラスレンズの下部に対比色を付与するため
に実施例Hで説明した浸漬処理の後レンズを再着
色した。淡黄色のレンズ下部を再着色するために
レンズを還元熱処理した。この還元熱処理はレン
ズを100%H2雰囲気を含むチユーブ炉中で350℃
の温度で1時間焼成することによつて行なつた。
還元熱処理の後レンズを炉から取り出し、その特
性を調べた。光透過状態においてレンズ下部は淡
紫色であつた。この色はレンズ上部の暗褐色と高
いコントラストを示す。 上記再加熱表面着色を行なう場合には、ガラス
上に第2のあるいはそれ以上の着色表面層を設け
るのに用いられる再加熱は、先に設けられた第1
のあるいは別の着色表面層がガラス上に設けられ
た時に用いられた温度よりも低い温度で行なうの
が好ましい。これはより低い温度を使用した場合
には一般に先に設けられた層の色が変化しないか
らである。従つて、多色ガラス製品を製造する場
合には、一般にガラスに最初に設けられる色は最
も高い還元熱処理温度を必要とする色でなければ
ならず、その後に設けられる色は順次還元熱処理
温度を低くして設けられなければならない。 先に述べたPbOを含有するフオトクロミツクガ
ラスの還元熱処理においては、勿論銀による着色
の他にPbOの金属鉛への還元による着色がガラス
中に存在する。この鉛による着色もまたガラス表
面に限られ、除去可能である。鉛による着色は銀
による着色よりもずつつと非浸透性である。従つ
て、表面除去処理を適当に制御することによつて
ある表面部分から鉛着色を除去し、別の表面部分
から鉛着色および銀着色を除去することが可能で
あり、このために熱処理を1回行なつただけの単
一ガラス製品中に褐色黄色および透明部分を設け
ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の還元熱処理法によつて製造さ
れた着色フオトクロミツクガラスの色度座標を色
度図上に示すものである。第2図は本発明の還元
熱処理法によつて製造された着色フオトクロミツ
クガラスの分光透過率曲線を示すグラフである。
第3図は本発明の還元熱処理法によつて製造され
た着色フオトクロミツクガラスおよび未処理のフ
オトクロミツクガラスの分光透過率曲線を示すグ
ラフである。第4図乃至第7図は本発明の還元熱
処理法によつて製造された着色フオトクロミツク
ガラスの分光透過率曲線を示すグラフである。第
8図は従来の還元熱処理法によつて製造された着
色フオトクロミツクガラスの分光透過率曲線を示
すグラフである。第9図は本発明の還元熱処理法
によつて製造された着色フオトクロミツクガラス
および未処理のフオトクロミツクガラスの分光透
過率曲線を示すグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ハロゲン化銀を含有する透明なフオトクロミ
    ツクガラス製品を、該製品の表面層の視感透過率
    が上記ガラスにおける金属銀の基本吸収ピークよ
    りも長波長側にある1つあるいは2つ以上の波長
    において未処理ガラスの視感透過率よりも低い値
    となるのに充分な時間還元性気体環境中で200℃
    よりも高い温度で熱処理することを特徴とするハ
    ロゲン化銀含有透明フオトクロミツクガラス製品
    にハロゲン化銀の金属銀への還元によつて生じる
    公知の黄色表面着色の代わりに、あるいはそれに
    加えて表面着色を生じさせる方法。 2 上記表面着色はいくらかはガラス表面の色度
    の移動によるものであるが主としてガラス表面の
    視感透過率の変化によるものであり、該視感透過
    率の変化および色度の移動はその組成中に少なく
    とも0.5%のPbOを含有する上記ガラス製品の少
    なくとも一部を、上記還元性気体環境中で、上記
    ガラスのひずみ点よりも高い徐冷点より50℃高い
    温度以下の温度で、上記ガラス表面において銀イ
    オンが金属銀粒子に還元され、また鉛イオンが金
    属鉛粒子に還元されるのに充分な時間熱処理する
    ことによつてもたらされることを特徴とする特許
    請求の範囲第1項記載の着色方法。 3 上記表面着色は上記金属銀の基本吸収ピーク
    よりも長波長側にピーク位置を有する少なくとも
    1つの吸収ピークの発生によるものであり、該吸
    収ピークの発生は上記ガラス製品の少なくとも一
    部を、上記還元性気体環境中で、200乃至450℃の
    範囲の温度で、ハロゲン化銀微結晶と接触してい
    る銀の化学還元が上記ガラス製品の表面において
    起こるのに充分な時間熱処理することによつても
    たらされることを特徴とする特許請求の範囲第1
    項記載の着色方法。
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