JPH0137453B2 - - Google Patents
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- JPH0137453B2 JPH0137453B2 JP25462386A JP25462386A JPH0137453B2 JP H0137453 B2 JPH0137453 B2 JP H0137453B2 JP 25462386 A JP25462386 A JP 25462386A JP 25462386 A JP25462386 A JP 25462386A JP H0137453 B2 JPH0137453 B2 JP H0137453B2
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Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D9/00—Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor
- C21D9/08—Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor for tubular bodies or pipes
- C21D9/14—Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor for tubular bodies or pipes wear-resistant or pressure-resistant pipes
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- Chemical & Material Sciences (AREA)
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- Thermal Sciences (AREA)
- Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
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- Metallurgy (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Heat Treatment Of Articles (AREA)
Description
[産業上の利用分野]
本発明は、装軌車両等に用いる履帯ブツシユの
熱処理方法に関するものである。 [従来の技術] 装軌車両などに用いる履帯1は、第1図に示す
ように、シユー2、シユー締付けボルト3、シユ
ー締付けナツト4、リンク5および6、ブツシユ
7、ダストシール8、ピン9をもつてその一単位
が構成されている。履帯1に用いられるブツシユ
7は、第2図に示すように、その内周表面7aお
よび外周表面7bに耐摩耗性が要求されるととも
に、ブツシユ7に加わる負荷に耐えるための強
度、靫性、疲労強度が要求される。したがつて、
従来から履帯用ブツシユには上記の要求品質を満
足させるため熱処理が施されている。 従来の熱処理方法には、(イ)肌焼鋼(たとえば
JIS:SCM415、420)を素材とし、これを浸炭焼
入れした後に焼もどしする方法(特公昭52−
34806号公報)や、(ロ)中炭素低合金鋼(たとえば
JIS:SCM435、SCM440、JIS:SCr435にBを添
加したもの)を素材として、これを調質して肉厚
の中心部に柔らかい延性部を作り、その後外周、
内周の両側に高周波焼入れを施し、さらにその後
焼もどしする方法(特開昭59−77979号公報の従
来技術の説明)、などがある。 しかし、上記調質を含む(ロ)の方法においては、
中炭素低合金鋼を加熱炉内においてAc3点以上の
温度に加熱し、油焼入れを行つた後600℃前後の
温度で焼もどしすることによつて調質を行なつて
いるため、処理時間が長かつたり、処理工程が多
いなど、作業能率が悪いという欠点があつた。 そこで、これを改善するために、素材の調質を
省略した履帯ブツシユの高周波誘導加熱焼入れ方
法、「履帯用ブツシユおよびその生産方法」が、
本特許出願人により、特願昭57−179980号で提案
されている(特開昭59−77979号公報)。 [発明が解決しようとする課題] しかしながら、上記特願昭57−179980号発明に
おいても、外周側の高周波焼入れ、内周側の
高周波焼入れ、焼もどしの3工程が必要であつ
た。そこで、さらに少ない工程で処理でき、しか
もブツシユの耐摩耗性や疲労強度、靫性を劣化さ
せない熱処理方法の開発が望まれる。 本発明の目的は、特願昭57−179980号発明よ
り、さらに処理工程が少なく、しかも耐摩耗性、
疲労強度、靫性を劣化させない、履帯ブツシユの
熱処理方法を提供することにある。 [課題を解決するための手段] 上記目的を達成するための本発明に係る履帯ブ
ツシユの熱処理方法は、中炭素低合金鋼を素材と
する履帯ブツシユに、外周表面のみから、内周表
面をAc3点直上の温度にする高周波誘導加熱およ
び冷却を施して履帯ブツシユの肉厚全体を焼入れ
し、その後焼もどしする熱処理方法からなる。 上記熱処理方法において、焼もどしは、加熱炉
内にて150〜250℃に焼もどしするか、あるいは、
内周表面から高周波誘導加熱によつて内周側を加
熱して焼もどしするか、によつて行なわれる。 内周表面からの高周波誘導加熱による焼もどし
をする場合は、外周側は、内周側を焼もどしする
ときの伝導熱を利用し、内周側より低い温度で焼
もどしする。 [作用] 特願昭57−179980号公報の従来の熱処理方法に
よつて製造されたブツシユは、炉中焼もどしのた
め内周、外周表面の硬さは同じで、HRC50〜62程
度の硬さにあり、耐摩耗性が優れていると同時
に、肉厚中央部はHRC20〜40程度の硬さになつて
おり、ブツシユ全体の靫性を保つのに役立つてい
る。当該ブツシユの内周、外周表面付近の旧オー
ステナイト結晶粒度は生産性を考慮し、実用上問
題ない範囲(結晶粒度番号7程度、JISG0551に
よる)になつている。 これに対し、本発明に係る履帯ブツシユの熱処
理方法では、外周表面のみからの、高周波誘導加
熱および冷却のため、焼入れ加熱段階において、
外周表面から内周表面に温度勾配がつき、加熱外
周表面から最も離れた内周表面の温度を、変態温
度Ac3点直上の温度にコントロールできる。これ
によつて内周表面付近の旧オーステナイト結晶粒
の粗大化を抑制し微細化をはかることができる。
したがつて、本発明の熱処理方法によつて得られ
るブツシユの内周表面付近の旧オーステナイト結
晶粒は微細で、これによつて靫性と疲労強度が向
上する。 さらに、本発明の熱処理方法は、外周表面のみ
から加熱して冷却する焼入れ方法であるから、ブ
ツシユの内周表面付近には圧縮の残留応力が付与
される。この圧縮残留応力によつて疲労強度が向
上する。 本発明の熱処理方法では高周波焼入れ前の調質
工程はなく、かつ高周波焼入れ工程における内周
側からの焼入れ工程もないために、前記特願昭57
−179980号発明にくらべても内周側の高周波焼入
れ工程分、工程削減がはかられている。 本発明によつて製造されたブツシユは、外周表
面からの加熱、冷却による焼入れを経て製造さ
れ、全肉厚がHRC50〜62程度に硬化する。これは
表面の耐摩耗性には非常によいが、靫性が犠牲に
なるので、上記の結晶粒の微細化で、実用上問題
ない程度に靫性をカバーしている点が特徴であ
る。 [実施例] 以下に、本発明の履帯ブツシユの熱処理方法に
係る望ましい実施例を、第3図ないし第7図を参
照して説明する。 本発明を工程順に説明する。 第1工程 中炭素低合金鋼を素材とする筒状の履帯ブツシ
ユを機械加工して用意する。試験には、中炭素低
合金鋼として第1表に示す中炭素クロム・ボロン
鋼を用い、供試材を作成した。
熱処理方法に関するものである。 [従来の技術] 装軌車両などに用いる履帯1は、第1図に示す
ように、シユー2、シユー締付けボルト3、シユ
ー締付けナツト4、リンク5および6、ブツシユ
7、ダストシール8、ピン9をもつてその一単位
が構成されている。履帯1に用いられるブツシユ
7は、第2図に示すように、その内周表面7aお
よび外周表面7bに耐摩耗性が要求されるととも
に、ブツシユ7に加わる負荷に耐えるための強
度、靫性、疲労強度が要求される。したがつて、
従来から履帯用ブツシユには上記の要求品質を満
足させるため熱処理が施されている。 従来の熱処理方法には、(イ)肌焼鋼(たとえば
JIS:SCM415、420)を素材とし、これを浸炭焼
入れした後に焼もどしする方法(特公昭52−
34806号公報)や、(ロ)中炭素低合金鋼(たとえば
JIS:SCM435、SCM440、JIS:SCr435にBを添
加したもの)を素材として、これを調質して肉厚
の中心部に柔らかい延性部を作り、その後外周、
内周の両側に高周波焼入れを施し、さらにその後
焼もどしする方法(特開昭59−77979号公報の従
来技術の説明)、などがある。 しかし、上記調質を含む(ロ)の方法においては、
中炭素低合金鋼を加熱炉内においてAc3点以上の
温度に加熱し、油焼入れを行つた後600℃前後の
温度で焼もどしすることによつて調質を行なつて
いるため、処理時間が長かつたり、処理工程が多
いなど、作業能率が悪いという欠点があつた。 そこで、これを改善するために、素材の調質を
省略した履帯ブツシユの高周波誘導加熱焼入れ方
法、「履帯用ブツシユおよびその生産方法」が、
本特許出願人により、特願昭57−179980号で提案
されている(特開昭59−77979号公報)。 [発明が解決しようとする課題] しかしながら、上記特願昭57−179980号発明に
おいても、外周側の高周波焼入れ、内周側の
高周波焼入れ、焼もどしの3工程が必要であつ
た。そこで、さらに少ない工程で処理でき、しか
もブツシユの耐摩耗性や疲労強度、靫性を劣化さ
せない熱処理方法の開発が望まれる。 本発明の目的は、特願昭57−179980号発明よ
り、さらに処理工程が少なく、しかも耐摩耗性、
疲労強度、靫性を劣化させない、履帯ブツシユの
熱処理方法を提供することにある。 [課題を解決するための手段] 上記目的を達成するための本発明に係る履帯ブ
ツシユの熱処理方法は、中炭素低合金鋼を素材と
する履帯ブツシユに、外周表面のみから、内周表
面をAc3点直上の温度にする高周波誘導加熱およ
び冷却を施して履帯ブツシユの肉厚全体を焼入れ
し、その後焼もどしする熱処理方法からなる。 上記熱処理方法において、焼もどしは、加熱炉
内にて150〜250℃に焼もどしするか、あるいは、
内周表面から高周波誘導加熱によつて内周側を加
熱して焼もどしするか、によつて行なわれる。 内周表面からの高周波誘導加熱による焼もどし
をする場合は、外周側は、内周側を焼もどしする
ときの伝導熱を利用し、内周側より低い温度で焼
もどしする。 [作用] 特願昭57−179980号公報の従来の熱処理方法に
よつて製造されたブツシユは、炉中焼もどしのた
め内周、外周表面の硬さは同じで、HRC50〜62程
度の硬さにあり、耐摩耗性が優れていると同時
に、肉厚中央部はHRC20〜40程度の硬さになつて
おり、ブツシユ全体の靫性を保つのに役立つてい
る。当該ブツシユの内周、外周表面付近の旧オー
ステナイト結晶粒度は生産性を考慮し、実用上問
題ない範囲(結晶粒度番号7程度、JISG0551に
よる)になつている。 これに対し、本発明に係る履帯ブツシユの熱処
理方法では、外周表面のみからの、高周波誘導加
熱および冷却のため、焼入れ加熱段階において、
外周表面から内周表面に温度勾配がつき、加熱外
周表面から最も離れた内周表面の温度を、変態温
度Ac3点直上の温度にコントロールできる。これ
によつて内周表面付近の旧オーステナイト結晶粒
の粗大化を抑制し微細化をはかることができる。
したがつて、本発明の熱処理方法によつて得られ
るブツシユの内周表面付近の旧オーステナイト結
晶粒は微細で、これによつて靫性と疲労強度が向
上する。 さらに、本発明の熱処理方法は、外周表面のみ
から加熱して冷却する焼入れ方法であるから、ブ
ツシユの内周表面付近には圧縮の残留応力が付与
される。この圧縮残留応力によつて疲労強度が向
上する。 本発明の熱処理方法では高周波焼入れ前の調質
工程はなく、かつ高周波焼入れ工程における内周
側からの焼入れ工程もないために、前記特願昭57
−179980号発明にくらべても内周側の高周波焼入
れ工程分、工程削減がはかられている。 本発明によつて製造されたブツシユは、外周表
面からの加熱、冷却による焼入れを経て製造さ
れ、全肉厚がHRC50〜62程度に硬化する。これは
表面の耐摩耗性には非常によいが、靫性が犠牲に
なるので、上記の結晶粒の微細化で、実用上問題
ない程度に靫性をカバーしている点が特徴であ
る。 [実施例] 以下に、本発明の履帯ブツシユの熱処理方法に
係る望ましい実施例を、第3図ないし第7図を参
照して説明する。 本発明を工程順に説明する。 第1工程 中炭素低合金鋼を素材とする筒状の履帯ブツシ
ユを機械加工して用意する。試験には、中炭素低
合金鋼として第1表に示す中炭素クロム・ボロン
鋼を用い、供試材を作成した。
【表】
第2工程
履帯ブツシユの供試材を、筒状体の外周表面の
みから、周波数2.5KHzの高周波誘導電流によつ
て加熱する。このとき、高周波条件を調整して、
内周表面付近の温度を、変態点Ac3点直上の温度
にする。加熱直後、外周表面のみから冷却し、外
周表面から全肉厚にわたつて焼入れする。その結
果、第2表に示すように内周表面付近の旧オース
テナイト結晶粒が、微細になる。
みから、周波数2.5KHzの高周波誘導電流によつ
て加熱する。このとき、高周波条件を調整して、
内周表面付近の温度を、変態点Ac3点直上の温度
にする。加熱直後、外周表面のみから冷却し、外
周表面から全肉厚にわたつて焼入れする。その結
果、第2表に示すように内周表面付近の旧オース
テナイト結晶粒が、微細になる。
【表】
上表より明らかなように、内周表面付近の結晶
粒度番号は、9.4であり、従来の前記結晶粒度番
号7に比べて、さらに微細化されている。 第3工程 焼入れ後の供試材を、焼もどしする。焼もどし
には、150〜250℃の炉中焼もどしと、内周表面か
らの高周波誘導加熱による焼もどしとの、2つの
方法が適用でき、何れの方法によつてもよい。 試験では、炉中で200℃に焼もどしする炉中焼
もどしを用いた。150〜250℃の範囲は、焼入れに
よる実用上の有効硬さをそこなわずに焼もどしで
きる範囲である。その結果の供試材の厚さ方向の
硬さ分布を第3図に示してある。第3図に示すよ
うに、外周表面、芯部、内周表面ともほぼ同一硬
さが得られた。ロツクウエル硬さでHRC50近傍以
上は、ブツシユの内周表面、外周表面に十分な耐
摩耗性を与える硬さである。 内周表面からの高周波誘導加熱による焼もどし
を適用する場合は、内周表面を200〜250℃程度に
加熱し、外周側は内周側を焼もどすときの伝導熱
を利用して、内周側より低い温度(約170℃)に
焼もどしする。このとき得られる硬さは、内周表
面でHRC50〜60であり、外周表面は焼入れのまま
の硬さが保持できる。 第4図は、同一化学成分、同一炉中焼もどしに
おける本発明品と従来品との疲労特性比較を示し
ている。第4図から、本発明方法によつて得られ
るブツシユの疲労特性が、調質後高周波焼入れ焼
もどし品および調質なし高周波焼入れ焼もどし品
と、ほぼ同等であることが判明する。第6図は、
高荷重域の亀裂発生繰返し数と内周表面付近の旧
オーステナイト結晶粒度番号との関係を示してい
る。第6図から結晶粒が微細であると、高荷重域
の亀裂発生繰返し数が多くなる、すなわち亀裂が
発生しにくくなることが判明する。第6図はま
た、本発明品の旧オーステナイト結晶粒度番号が
9以上で、従来の、調質後高周波焼入れ炉中焼も
どし品の7.1、調質なし高周波焼入れ焼もどし品
の6.9に比べて、結晶粒度番号が大、すなわち結
晶粒が微細化され、耐亀裂発生に対しては従来品
より優れていることを示している。 さらに、外周表面のみからの加熱冷却による焼
入れと、焼もどし工程を経た供試材には、内周表
面付近に圧縮残留応力が生じている。第7図は、
本発明品の残留応力分布を示している。第7図か
ら、本発明品の内周表面付近の残留応力が圧縮に
なつていることが判明する。 第4工程 焼もどしされた供試材の外周表面のみを位上研
摩加工し、最終製品を得る。 本発明の方法は、上記の第2工程および第3工
程にわたつて存在する。 [発明の効果] 本発明の履帯ブツシユの熱処理方法によるとき
は、次にあげる効果が得られる。 イ 外周表面のみからの高周波誘導加熱および冷
却による焼入れとその後の焼もどしの組合せに
よつて、高周波焼入れ前の調質工程、高周波焼
入れ時の内周側の高周波焼入れ工程を省略する
ことができ、熱処理工数の低減をはかることが
できる。 ロ 焼入れによつて全肉厚がHRC50〜62程度に硬
化されており、内周表面、外周表面の耐摩耗性
を良好にすることができる。 ハ 全肉厚硬化にもかかわらず、外周表面のみか
らの、内周表面をAc3点直上の温度にする高周
波誘導加熱によつて、内周表面付近の旧オース
テナイト結晶粒の粗大化を抑制して微細化で
き、疲労強度、靫性を従来品に比べて遜色ない
程度またはそれ以上に向上させることができ
る。 ニ 外周表面のみからの加熱および冷却による焼
入れと、その後の焼もどしの組合せによつて、
内周表面付近に圧縮残留応力が生成し、疲労強
度が向上する。
粒度番号は、9.4であり、従来の前記結晶粒度番
号7に比べて、さらに微細化されている。 第3工程 焼入れ後の供試材を、焼もどしする。焼もどし
には、150〜250℃の炉中焼もどしと、内周表面か
らの高周波誘導加熱による焼もどしとの、2つの
方法が適用でき、何れの方法によつてもよい。 試験では、炉中で200℃に焼もどしする炉中焼
もどしを用いた。150〜250℃の範囲は、焼入れに
よる実用上の有効硬さをそこなわずに焼もどしで
きる範囲である。その結果の供試材の厚さ方向の
硬さ分布を第3図に示してある。第3図に示すよ
うに、外周表面、芯部、内周表面ともほぼ同一硬
さが得られた。ロツクウエル硬さでHRC50近傍以
上は、ブツシユの内周表面、外周表面に十分な耐
摩耗性を与える硬さである。 内周表面からの高周波誘導加熱による焼もどし
を適用する場合は、内周表面を200〜250℃程度に
加熱し、外周側は内周側を焼もどすときの伝導熱
を利用して、内周側より低い温度(約170℃)に
焼もどしする。このとき得られる硬さは、内周表
面でHRC50〜60であり、外周表面は焼入れのまま
の硬さが保持できる。 第4図は、同一化学成分、同一炉中焼もどしに
おける本発明品と従来品との疲労特性比較を示し
ている。第4図から、本発明方法によつて得られ
るブツシユの疲労特性が、調質後高周波焼入れ焼
もどし品および調質なし高周波焼入れ焼もどし品
と、ほぼ同等であることが判明する。第6図は、
高荷重域の亀裂発生繰返し数と内周表面付近の旧
オーステナイト結晶粒度番号との関係を示してい
る。第6図から結晶粒が微細であると、高荷重域
の亀裂発生繰返し数が多くなる、すなわち亀裂が
発生しにくくなることが判明する。第6図はま
た、本発明品の旧オーステナイト結晶粒度番号が
9以上で、従来の、調質後高周波焼入れ炉中焼も
どし品の7.1、調質なし高周波焼入れ焼もどし品
の6.9に比べて、結晶粒度番号が大、すなわち結
晶粒が微細化され、耐亀裂発生に対しては従来品
より優れていることを示している。 さらに、外周表面のみからの加熱冷却による焼
入れと、焼もどし工程を経た供試材には、内周表
面付近に圧縮残留応力が生じている。第7図は、
本発明品の残留応力分布を示している。第7図か
ら、本発明品の内周表面付近の残留応力が圧縮に
なつていることが判明する。 第4工程 焼もどしされた供試材の外周表面のみを位上研
摩加工し、最終製品を得る。 本発明の方法は、上記の第2工程および第3工
程にわたつて存在する。 [発明の効果] 本発明の履帯ブツシユの熱処理方法によるとき
は、次にあげる効果が得られる。 イ 外周表面のみからの高周波誘導加熱および冷
却による焼入れとその後の焼もどしの組合せに
よつて、高周波焼入れ前の調質工程、高周波焼
入れ時の内周側の高周波焼入れ工程を省略する
ことができ、熱処理工数の低減をはかることが
できる。 ロ 焼入れによつて全肉厚がHRC50〜62程度に硬
化されており、内周表面、外周表面の耐摩耗性
を良好にすることができる。 ハ 全肉厚硬化にもかかわらず、外周表面のみか
らの、内周表面をAc3点直上の温度にする高周
波誘導加熱によつて、内周表面付近の旧オース
テナイト結晶粒の粗大化を抑制して微細化で
き、疲労強度、靫性を従来品に比べて遜色ない
程度またはそれ以上に向上させることができ
る。 ニ 外周表面のみからの加熱および冷却による焼
入れと、その後の焼もどしの組合せによつて、
内周表面付近に圧縮残留応力が生成し、疲労強
度が向上する。
第1図は一般の履帯の分解斜視図、第2図は一
般の履帯ブツシユの縦断面図、第3図は本発明品
の断面硬さ分布図、第4図は本発明品と従来品
の、亀裂発生繰返し数一荷重特性の、比較図、第
5図は本発明品と従来品の圧壊荷重比較図、第6
図は本発明品と従来品の、旧オーステナイト結晶
粒度番号と荷重18.7ton(高荷重域)における亀裂
発生繰返し数特性の、比較図、第7図は本発明品
の残留応力分布図、である。 7……履帯ブツシユ。
般の履帯ブツシユの縦断面図、第3図は本発明品
の断面硬さ分布図、第4図は本発明品と従来品
の、亀裂発生繰返し数一荷重特性の、比較図、第
5図は本発明品と従来品の圧壊荷重比較図、第6
図は本発明品と従来品の、旧オーステナイト結晶
粒度番号と荷重18.7ton(高荷重域)における亀裂
発生繰返し数特性の、比較図、第7図は本発明品
の残留応力分布図、である。 7……履帯ブツシユ。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 中炭素低合金鋼を素材とする履帯ブツシユ
に、外周表面のみから、内周表面をAc3点直上の
温度にする高周波誘導加熱および冷却を施して履
帯ブツシユの肉厚全体を焼入れし、その後焼もど
しすることを特徴とする履帯ブツシユの熱処理方
法。 2 前記焼もどしを、加熱炉内で150〜250℃の温
度で行なう特許請求の範囲第1項記載の履帯ブツ
シユの熱処理方法。 3 前記焼もどしを、内周表面からの高周波誘導
加熱により行なう特許請求の範囲第1項記載の履
帯ブツシユの熱処理方法。 4 内周側を焼もどしするときの伝導熱を利用
し、外周側を内周側より低い温度で焼もどしする
特許請求の範囲第1項記載の履帯ブツシユの熱処
理方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25462386A JPS63109119A (ja) | 1986-10-28 | 1986-10-28 | 履帯ブツシユの熱処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25462386A JPS63109119A (ja) | 1986-10-28 | 1986-10-28 | 履帯ブツシユの熱処理方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS63109119A JPS63109119A (ja) | 1988-05-13 |
| JPH0137453B2 true JPH0137453B2 (ja) | 1989-08-07 |
Family
ID=17267599
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP25462386A Granted JPS63109119A (ja) | 1986-10-28 | 1986-10-28 | 履帯ブツシユの熱処理方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS63109119A (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0270022A (ja) * | 1988-09-05 | 1990-03-08 | Topy Ind Ltd | 無限軌道車輌用の履帯に使用されるブッシュの熱処理方法 |
| JPH02169375A (ja) * | 1988-12-21 | 1990-06-29 | Topy Ind Ltd | 履帯用ブッシングおよびその製造法 |
| JP6229226B2 (ja) * | 2013-06-26 | 2017-11-15 | 高周波熱錬株式会社 | 熱処理方法 |
| CN103540716A (zh) * | 2013-09-22 | 2014-01-29 | 徐州徐工铁路装备有限公司 | 一种链轨节踏面热处理的加工方法 |
-
1986
- 1986-10-28 JP JP25462386A patent/JPS63109119A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS63109119A (ja) | 1988-05-13 |
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