JPH0138084B2 - - Google Patents
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- JPH0138084B2 JPH0138084B2 JP55161091A JP16109180A JPH0138084B2 JP H0138084 B2 JPH0138084 B2 JP H0138084B2 JP 55161091 A JP55161091 A JP 55161091A JP 16109180 A JP16109180 A JP 16109180A JP H0138084 B2 JPH0138084 B2 JP H0138084B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- caries
- bacteria
- extract
- mutans
- present
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired
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- Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
- Medicines Containing Plant Substances (AREA)
- Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
- Cosmetics (AREA)
Description
本発明は齲蝕予防剤、すなわち齲蝕を予防し又
はその進行を阻止する口腔用剤に関するものであ
る。 齲蝕は一般に虫歯と呼ばれているもので、歯が
限局性かつ進行性に破壊される疾患であつてその
罹患率は極めて高く、現代における公衆衛生上の
重要な問題となつている。 さて近年の研究結果によれば齲蝕の原因は食物
中の蔗糖がある種の口腔内連鎖球菌の作用により
変化をうけ不溶性かつ粘着性のグルカン(D−グ
ルコースから成る多糖類)が生成されることに端
を発するとされている。すなわち、このようにし
て生成されたグルカンのために菌が歯面に付着し
増殖し、細菌の巣である歯垢を形成する。この過
程が齲蝕の第一段階であり、次いでこの歯垢をベ
ースとしてその中の細菌は、糖発酵により産生す
る酸により歯の組織を脱灰させ齲蝕を進行させて
ゆくのである。 齲蝕の本質と生因がこのように感染症であるた
め、その予防及び進行防止のためにはそもそもの
原因となる口腔内連鎖球菌の撲滅が必要とされ
る。 ところで、このような齲蝕原性細菌としては、
Streptococcusmutans、S.sanguis、S.mitisなど
が知られており中でもS.mutansは最も強い齲蝕
原性を有することが判明している。すなわち本菌
の鍵性状として歯面付着能(蔗糖要求性)、菌体
凝集反応(高分子量デキストラン誘発性)、及び
ソルビツト・マンニツト醗酵による乳酸産生能が
知られており、以上の性状は齲蝕誘発に関与する
ところ極めて大きい。 さて齲蝕防止のためにこれら口腔内菌を駆逐し
ようとする試みは多く成されており、たとえばペ
ニシリンやエリスロマイシンなどの抗生物質、細
胞壁溶解酵素、クロルヘキシジンなどの殺菌剤が
実際にもある程度試みられている。しかし、これ
らのものは口腔内及び腸内細菌叢の撹乱により自
然の細菌バランスの崩壊その他の副作用を随伴
し、これは抗生物質において特に著しく、要する
に、ここに掲げたものはいずれも広く用いられる
には至つていない。以上の結論として、齲蝕防止
のためには目下のところこれといつた決め手がな
く、現在のところは物理的清掃法に勝る予防法は
確立されていないといつても過言ではない。 本発明者はこの点に想いをいたし、和漢薬によ
る齲蝕の予防及び進行防止を目指して種々研究の
結果、若干の和漢薬にすぐれた齲蝕原性細菌殺菌
作用のあることを見出し、さらにその有効成分等
を解明し本発明を完成した。以下、その研究の過
程及びその結果としての本発明の内容とを説明す
る。 まず第一段階として、本発明者は従来よりなん
らかの抗菌作用が報告されている数十種の和漢薬
を選び、細かく砕いた厚朴などの各生薬50gを
水、50%メタノール、メタノールあるいはエーテ
ル1000mlで3時間加熱還流した。それぞれの抽出
液を熱時濾過し得られた溶液は真空下、留去後凍
結乾燥を行ない、水エキス、50%メタノールエキ
ス、メタノールエキス、エーテルエキスを得た。
そのメタノールエキス、50%メタノールエキス及
び水エキスについてペーパーデイスク法によりS.
mutans菌の感受性試験を行つた。対象菌株とし
ては本菌の7種の血清型のうち日本人に多いc型
とd型を使用した。なお判定はペーパーデイスク
直径8mmに対し阻止円直径9mm以下を(−)、9
mm以上を(+)とし、5段階エキス濃度で(+)
から(+++++)までの判定を行つた。すなわ
ち、各ペーパーデイスクに抽出エキスを0.1mg、
0.2mg、0.4mg、0.8mg、1.2mgづつ添加し、そのい
ずれもが9mm以上の明瞭な阻止円を形成した場合
(+++++)で表わし、0.1mgでは阻止円がみら
れず、0.2mg以上の添加で阻止円が形成される場
合は(++++)で表わした。 以下、同様に0.4mg以上で阻止円が形成される
もの(+++)、0.8mg以上で阻止円が形成される
もの(++)、1.2mg以上で阻止円が形成されるも
の(+)、1.2mgをペーパーデイスクに添加しても
阻止円形成がみられないもの(−)とした。その
結果のうち良好な成績のものを第1表に示す。な
お第1表の生薬ごとの各行において上段はc型、
下段はd型に対するデータである。
はその進行を阻止する口腔用剤に関するものであ
る。 齲蝕は一般に虫歯と呼ばれているもので、歯が
限局性かつ進行性に破壊される疾患であつてその
罹患率は極めて高く、現代における公衆衛生上の
重要な問題となつている。 さて近年の研究結果によれば齲蝕の原因は食物
中の蔗糖がある種の口腔内連鎖球菌の作用により
変化をうけ不溶性かつ粘着性のグルカン(D−グ
ルコースから成る多糖類)が生成されることに端
を発するとされている。すなわち、このようにし
て生成されたグルカンのために菌が歯面に付着し
増殖し、細菌の巣である歯垢を形成する。この過
程が齲蝕の第一段階であり、次いでこの歯垢をベ
ースとしてその中の細菌は、糖発酵により産生す
る酸により歯の組織を脱灰させ齲蝕を進行させて
ゆくのである。 齲蝕の本質と生因がこのように感染症であるた
め、その予防及び進行防止のためにはそもそもの
原因となる口腔内連鎖球菌の撲滅が必要とされ
る。 ところで、このような齲蝕原性細菌としては、
Streptococcusmutans、S.sanguis、S.mitisなど
が知られており中でもS.mutansは最も強い齲蝕
原性を有することが判明している。すなわち本菌
の鍵性状として歯面付着能(蔗糖要求性)、菌体
凝集反応(高分子量デキストラン誘発性)、及び
ソルビツト・マンニツト醗酵による乳酸産生能が
知られており、以上の性状は齲蝕誘発に関与する
ところ極めて大きい。 さて齲蝕防止のためにこれら口腔内菌を駆逐し
ようとする試みは多く成されており、たとえばペ
ニシリンやエリスロマイシンなどの抗生物質、細
胞壁溶解酵素、クロルヘキシジンなどの殺菌剤が
実際にもある程度試みられている。しかし、これ
らのものは口腔内及び腸内細菌叢の撹乱により自
然の細菌バランスの崩壊その他の副作用を随伴
し、これは抗生物質において特に著しく、要する
に、ここに掲げたものはいずれも広く用いられる
には至つていない。以上の結論として、齲蝕防止
のためには目下のところこれといつた決め手がな
く、現在のところは物理的清掃法に勝る予防法は
確立されていないといつても過言ではない。 本発明者はこの点に想いをいたし、和漢薬によ
る齲蝕の予防及び進行防止を目指して種々研究の
結果、若干の和漢薬にすぐれた齲蝕原性細菌殺菌
作用のあることを見出し、さらにその有効成分等
を解明し本発明を完成した。以下、その研究の過
程及びその結果としての本発明の内容とを説明す
る。 まず第一段階として、本発明者は従来よりなん
らかの抗菌作用が報告されている数十種の和漢薬
を選び、細かく砕いた厚朴などの各生薬50gを
水、50%メタノール、メタノールあるいはエーテ
ル1000mlで3時間加熱還流した。それぞれの抽出
液を熱時濾過し得られた溶液は真空下、留去後凍
結乾燥を行ない、水エキス、50%メタノールエキ
ス、メタノールエキス、エーテルエキスを得た。
そのメタノールエキス、50%メタノールエキス及
び水エキスについてペーパーデイスク法によりS.
mutans菌の感受性試験を行つた。対象菌株とし
ては本菌の7種の血清型のうち日本人に多いc型
とd型を使用した。なお判定はペーパーデイスク
直径8mmに対し阻止円直径9mm以下を(−)、9
mm以上を(+)とし、5段階エキス濃度で(+)
から(+++++)までの判定を行つた。すなわ
ち、各ペーパーデイスクに抽出エキスを0.1mg、
0.2mg、0.4mg、0.8mg、1.2mgづつ添加し、そのい
ずれもが9mm以上の明瞭な阻止円を形成した場合
(+++++)で表わし、0.1mgでは阻止円がみら
れず、0.2mg以上の添加で阻止円が形成される場
合は(++++)で表わした。 以下、同様に0.4mg以上で阻止円が形成される
もの(+++)、0.8mg以上で阻止円が形成される
もの(++)、1.2mg以上で阻止円が形成されるも
の(+)、1.2mgをペーパーデイスクに添加しても
阻止円形成がみられないもの(−)とした。その
結果のうち良好な成績のものを第1表に示す。な
お第1表の生薬ごとの各行において上段はc型、
下段はd型に対するデータである。
【表】
【表】
さて、被検生薬のなかでは上表に示すように唐
厚朴及び和厚朴が特にすぐれた作用を示し、また
この実験においては全体を通じメタノールエキス
が優秀な結果を与えている。以上の事実を念頭に
おき、厚朴について更に詳細な研究を行つた。 すなわち、まず唐厚朴のエーテルエキスを常法
にしたがつて粗画分に分画し、各分画についてペ
ーパーデイスク法で検索したところ、酸性画分に
齲蝕原性菌に対する殺菌活性が認められた。一
方、厚朴にはフエノール系化合物としてマグノロ
ール()及びホオノキオール()が含有され
ていることは公知(薬学雑誌50、183、1930及び
93、422、1973)であるので、この両物質につい
てさらに検討したところ、S.mutansの7種の血
清型のすべてについて()()の何れもが殺
菌作用を示すことを見出した。 次いで唐厚朴の他の溶媒によるエキスや、さら
には和厚朴の諸エキス類についてもS.mutans菌
に対する殺菌作用を検し、そのほか黄連の抗菌成
分たるベルベリンやさらにはS.mutansに対し殺
菌作用をもつことが知られている抗生物質エリス
ロマイシンについてもまた殺菌作用の比較実験を
行つた。 すなわち和厚朴のメタノール、エーテル及び水
エキス;唐厚朴と黄連のメタノール及び水エキ
ス;それにマグノロール、ホオノキオール、ベル
ベリン及びエリスロマイシンを選び、これらのも
のがS.mutansの7つの血清型(a〜g型)に対
しいかなる抗菌力を示すかをペーパーデイスク法
で比較した。なお、エキスでは1.2mg、化合物で
は0.06mgを添加した場合の最大阻止円直径をもつ
て抗菌活性を判定した。その結果を第2表に示
す。
厚朴及び和厚朴が特にすぐれた作用を示し、また
この実験においては全体を通じメタノールエキス
が優秀な結果を与えている。以上の事実を念頭に
おき、厚朴について更に詳細な研究を行つた。 すなわち、まず唐厚朴のエーテルエキスを常法
にしたがつて粗画分に分画し、各分画についてペ
ーパーデイスク法で検索したところ、酸性画分に
齲蝕原性菌に対する殺菌活性が認められた。一
方、厚朴にはフエノール系化合物としてマグノロ
ール()及びホオノキオール()が含有され
ていることは公知(薬学雑誌50、183、1930及び
93、422、1973)であるので、この両物質につい
てさらに検討したところ、S.mutansの7種の血
清型のすべてについて()()の何れもが殺
菌作用を示すことを見出した。 次いで唐厚朴の他の溶媒によるエキスや、さら
には和厚朴の諸エキス類についてもS.mutans菌
に対する殺菌作用を検し、そのほか黄連の抗菌成
分たるベルベリンやさらにはS.mutansに対し殺
菌作用をもつことが知られている抗生物質エリス
ロマイシンについてもまた殺菌作用の比較実験を
行つた。 すなわち和厚朴のメタノール、エーテル及び水
エキス;唐厚朴と黄連のメタノール及び水エキ
ス;それにマグノロール、ホオノキオール、ベル
ベリン及びエリスロマイシンを選び、これらのも
のがS.mutansの7つの血清型(a〜g型)に対
しいかなる抗菌力を示すかをペーパーデイスク法
で比較した。なお、エキスでは1.2mg、化合物で
は0.06mgを添加した場合の最大阻止円直径をもつ
て抗菌活性を判定した。その結果を第2表に示
す。
【表】
【表】
尚、第2表の実験に用いた各エキスは、前記第
1表の実験で用いた各エキスと同一のものを使用
し、エーテルエキスについても本明細書の第4頁
に記載した調製法によつて得たものを使用した。 以上の第1表及び第2表の結果は厚朴(和厚
朴、唐厚朴その他を含む)の抽出エキス、さらに
はそれらの構成成分であるマグノロール、ホオノ
キオールは齲蝕の原因であるS.mutans菌の生育
を顕著に阻止することを明白に示すものである。
したがつてこれらは齲蝕予防剤、すなわち齲蝕の
発生及び進行を阻止する口腔用剤として極めて有
用であることがわかる。なお、この際の最小阻止
濃度は和厚朴100μg/ml、唐厚朴25μg/ml、マ
グノロール6.25μg/ml、ホオノキオール6.25μ
g/mlである。 これは和厚朴が0.01% 唐厚朴が0.0025% マグノロールが0.000625% ホオノキオールが0.000625% の濃度でS.mutans菌を殺菌してしまうことを意
味している。 しかもその作用は、公知のエリスロマイシンに
比しやや緩和ではあるが、エリスロマイシンが抗
生物質であるための副作用(たとえば体内の細菌
の自然バランスの撹らん、耐性菌の出現など)の
ため長期の連用に難があるのに対し、本発明の齲
蝕予防剤は生薬製剤であるか又は生薬起源の物質
であるため、忌むべき副作用が少なく臨床応用上
の不安が大いに軽減される。ことに齲蝕予防剤は
その性質上、連続的又は間けつ的のいずれにせよ
長期間にわたり投与されることが多いため、副作
用のおそれの少ない本発明の齲蝕予防剤は実用上
極めて有用なものと期待される。特に厚朴の和漢
薬は過去内服剤として長年にわたる使用経験があ
り、生薬エキスとして使用した場合の副作用は考
えられない。 また本発明の齲蝕予防剤は低濃度かつ短時間で
齲蝕原性細菌に対し殺菌力を示すが、これまた本
発明のすぐれた特徴である。この点について以下
に説明する。 たとえばブイヨン培地希釈法によりS.mutans
菌に対するベルベリンの最小増殖阻止濃度を求め
ると67μg/mlという低濃度であつた。さらにマ
グノロール及びホオノキオールは共に7μg/ml
という極めて低濃度でS.mutans菌の増殖を阻止
することがわかつた。 またマグノロール及びホオノキオールを70μ
g/mlの濃度でS.mutans菌(c型菌株)に作用
させ、作用時間と抗菌効果との関係を調べたとこ
ろ、両化合物の抗菌作用は殺菌的(bactericidic)
であつてわずか2分間の接触で迅速に殺菌作用を
発揮することがわかり、すべての菌を完全に死滅
させるには10分間の接触で充分であることが判明
した。 以上に述べたような本発明の齲蝕予防剤が低濃
度かつ短時間で顕著な効果を奏するという事実
は、本品が臨床応用上たいへん有用であることを
如実に示すものである。 なお本実験に使用された生薬及びそのエキスな
らびに化合物はその幾つかは抗菌作用を有するこ
とがすでに知られている。 しかし、それらはいずれも大腸菌、赤痢菌、結
核菌、黄色ブドウ状球菌などの病原菌に対する報
告にとどまるものであつて、本発明のように齲蝕
の根本原因をなすところのS.mutansに対する抗
菌作用については全く報告されていない。加うる
にこのS.mutans菌はLancefieldによる連鎖状球
菌の分類のいずれにも属しないところの特異な菌
種であることにも鑑み、本発明は公知の知識から
は予見や推測することのできなかつたところの新
規、有用かつ進歩性ある発明を構成するものであ
る。 本発明の齲蝕予防剤は単独に用いても良いし、
混合して用いても良い。たとえば厚朴のエーテル
又はメタノールエキス単独でも良いし黄連エキス
と併用しても良い。必要に応じマグノロール及び
(又は)ホオノキオールを添加しても良い。 本発明による齲蝕予防剤はこれをそのままの形
態で直接に口腔内に適用しても良いし、又は他の
口腔剤たとえば歯磨に混じて用いても良い。必要
に応じトローチ、舌下錠その他の適宜な形態とし
ても差し支えない。 用量は第1表及び第2表の結果から得られると
ころの適切な量を用いるのが良いが、適用中の損
失(たとえば歯磨に混じたときはかなりの量が口
すすぎに寄り流失する)を考慮しやや過剰量を用
いるのが望ましい。そして本発明の齲蝕予防剤は
前述のように副作用がほとんど認められないた
め、過剰量投与による悪影響はまず考えられず安
心して使用できる。 以下に本発明の実施の態様の例示として若干の
実施例を示す。むろんこれらは説明のための単な
る例示であり、従つて本発明がこれらの実施例の
みに限定されることを意味するものではない。 実施例 1 和厚朴を粉砕しエーテルで冷浸し、得られたエ
ーテルエキスを常法に従つて酸性、中性及びアル
カリ性画分に分画する。その酸性画分をとり、市
販のペースト状歯磨に練合し製品とする。
1表の実験で用いた各エキスと同一のものを使用
し、エーテルエキスについても本明細書の第4頁
に記載した調製法によつて得たものを使用した。 以上の第1表及び第2表の結果は厚朴(和厚
朴、唐厚朴その他を含む)の抽出エキス、さらに
はそれらの構成成分であるマグノロール、ホオノ
キオールは齲蝕の原因であるS.mutans菌の生育
を顕著に阻止することを明白に示すものである。
したがつてこれらは齲蝕予防剤、すなわち齲蝕の
発生及び進行を阻止する口腔用剤として極めて有
用であることがわかる。なお、この際の最小阻止
濃度は和厚朴100μg/ml、唐厚朴25μg/ml、マ
グノロール6.25μg/ml、ホオノキオール6.25μ
g/mlである。 これは和厚朴が0.01% 唐厚朴が0.0025% マグノロールが0.000625% ホオノキオールが0.000625% の濃度でS.mutans菌を殺菌してしまうことを意
味している。 しかもその作用は、公知のエリスロマイシンに
比しやや緩和ではあるが、エリスロマイシンが抗
生物質であるための副作用(たとえば体内の細菌
の自然バランスの撹らん、耐性菌の出現など)の
ため長期の連用に難があるのに対し、本発明の齲
蝕予防剤は生薬製剤であるか又は生薬起源の物質
であるため、忌むべき副作用が少なく臨床応用上
の不安が大いに軽減される。ことに齲蝕予防剤は
その性質上、連続的又は間けつ的のいずれにせよ
長期間にわたり投与されることが多いため、副作
用のおそれの少ない本発明の齲蝕予防剤は実用上
極めて有用なものと期待される。特に厚朴の和漢
薬は過去内服剤として長年にわたる使用経験があ
り、生薬エキスとして使用した場合の副作用は考
えられない。 また本発明の齲蝕予防剤は低濃度かつ短時間で
齲蝕原性細菌に対し殺菌力を示すが、これまた本
発明のすぐれた特徴である。この点について以下
に説明する。 たとえばブイヨン培地希釈法によりS.mutans
菌に対するベルベリンの最小増殖阻止濃度を求め
ると67μg/mlという低濃度であつた。さらにマ
グノロール及びホオノキオールは共に7μg/ml
という極めて低濃度でS.mutans菌の増殖を阻止
することがわかつた。 またマグノロール及びホオノキオールを70μ
g/mlの濃度でS.mutans菌(c型菌株)に作用
させ、作用時間と抗菌効果との関係を調べたとこ
ろ、両化合物の抗菌作用は殺菌的(bactericidic)
であつてわずか2分間の接触で迅速に殺菌作用を
発揮することがわかり、すべての菌を完全に死滅
させるには10分間の接触で充分であることが判明
した。 以上に述べたような本発明の齲蝕予防剤が低濃
度かつ短時間で顕著な効果を奏するという事実
は、本品が臨床応用上たいへん有用であることを
如実に示すものである。 なお本実験に使用された生薬及びそのエキスな
らびに化合物はその幾つかは抗菌作用を有するこ
とがすでに知られている。 しかし、それらはいずれも大腸菌、赤痢菌、結
核菌、黄色ブドウ状球菌などの病原菌に対する報
告にとどまるものであつて、本発明のように齲蝕
の根本原因をなすところのS.mutansに対する抗
菌作用については全く報告されていない。加うる
にこのS.mutans菌はLancefieldによる連鎖状球
菌の分類のいずれにも属しないところの特異な菌
種であることにも鑑み、本発明は公知の知識から
は予見や推測することのできなかつたところの新
規、有用かつ進歩性ある発明を構成するものであ
る。 本発明の齲蝕予防剤は単独に用いても良いし、
混合して用いても良い。たとえば厚朴のエーテル
又はメタノールエキス単独でも良いし黄連エキス
と併用しても良い。必要に応じマグノロール及び
(又は)ホオノキオールを添加しても良い。 本発明による齲蝕予防剤はこれをそのままの形
態で直接に口腔内に適用しても良いし、又は他の
口腔剤たとえば歯磨に混じて用いても良い。必要
に応じトローチ、舌下錠その他の適宜な形態とし
ても差し支えない。 用量は第1表及び第2表の結果から得られると
ころの適切な量を用いるのが良いが、適用中の損
失(たとえば歯磨に混じたときはかなりの量が口
すすぎに寄り流失する)を考慮しやや過剰量を用
いるのが望ましい。そして本発明の齲蝕予防剤は
前述のように副作用がほとんど認められないた
め、過剰量投与による悪影響はまず考えられず安
心して使用できる。 以下に本発明の実施の態様の例示として若干の
実施例を示す。むろんこれらは説明のための単な
る例示であり、従つて本発明がこれらの実施例の
みに限定されることを意味するものではない。 実施例 1 和厚朴を粉砕しエーテルで冷浸し、得られたエ
ーテルエキスを常法に従つて酸性、中性及びアル
カリ性画分に分画する。その酸性画分をとり、市
販のペースト状歯磨に練合し製品とする。
Claims (1)
- 1 厚朴のメタノール、エーテル若しくは水エキ
スよりなる齲蝕予防剤。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP55161091A JPS5785319A (en) | 1980-11-16 | 1980-11-16 | Agent for dental caries |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP55161091A JPS5785319A (en) | 1980-11-16 | 1980-11-16 | Agent for dental caries |
Related Child Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP18217988A Division JPH01151512A (ja) | 1988-07-21 | 1988-07-21 | 齲蝕予防剤 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5785319A JPS5785319A (en) | 1982-05-28 |
| JPH0138084B2 true JPH0138084B2 (ja) | 1989-08-11 |
Family
ID=15728433
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP55161091A Granted JPS5785319A (en) | 1980-11-16 | 1980-11-16 | Agent for dental caries |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS5785319A (ja) |
Families Citing this family (30)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS58121218A (ja) * | 1982-01-07 | 1983-07-19 | Rooto Seiyaku Kk | う蝕予防剤 |
| JPS5995229A (ja) * | 1982-11-24 | 1984-06-01 | Tsumura Juntendo Inc | 新規ハイドロオキシビフエニル化合物 |
| ES2053435T3 (es) | 1985-12-27 | 1994-08-01 | Lion Corp | Composicion oral. |
| JPH0774141B2 (ja) * | 1986-03-05 | 1995-08-09 | 三金工業株式会社 | 義歯洗浄剤 |
| JPH04346933A (ja) * | 1991-05-24 | 1992-12-02 | Pokka Corp | 虫歯菌、歯周病原菌増殖阻害剤 |
| KR970025621A (ko) * | 1995-11-27 | 1997-06-24 | 양종석 | 항충치제 및 이를 이용한 항충치 식품의 제조방법 |
| WO1998006377A1 (en) * | 1996-08-12 | 1998-02-19 | The Procter & Gamble Company | Oral compositions |
| US5741138A (en) * | 1996-08-12 | 1998-04-21 | The Procter & Gamble Company | Oral compositions |
| AU4316200A (en) * | 1999-05-06 | 2000-11-21 | Yuzo Tsuchida | Cleansers containing LTiGTkumazasaLT/iGT extract |
| US6500409B1 (en) * | 2000-05-10 | 2002-12-31 | Colgate Palmolive Company | Synergistic antiplaque/antigingivitis oral composition |
| JP4261744B2 (ja) * | 2000-07-05 | 2009-04-30 | 小林製薬株式会社 | 口腔用組成物 |
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