JPH0138437B2 - - Google Patents
Info
- Publication number
- JPH0138437B2 JPH0138437B2 JP57064423A JP6442382A JPH0138437B2 JP H0138437 B2 JPH0138437 B2 JP H0138437B2 JP 57064423 A JP57064423 A JP 57064423A JP 6442382 A JP6442382 A JP 6442382A JP H0138437 B2 JPH0138437 B2 JP H0138437B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- stainless steel
- nuts
- torque
- oxalate
- bolts
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired
Links
Landscapes
- Lubricants (AREA)
Description
この発明は、トルク係数を0.12〜0.22にするこ
とによつて、締め付けの際の焼き付き防止および
電食防止をするステンレス鋼製ボルト・ナツトの
潤滑処理方法に関するものである。 従来、ジヨイントに使用する軟鋼または鋳鉄製
のボルト・ナツト類は、被締結物がほとんど健全
であるにも拘らず、ボルト・ナツトが異常腐食
(電食)を起こすことがしばしばある。そこで、
このような現象を避けるために、耐食性、耐久性
に優れたステンレス鋼製への移行が注目され、著
しい普及をするに至つた。 一般に、ステンレス鋼材の冷間塑性加工に際し
て、蓚酸塩皮膜が皮膜潤滑剤として広く使用され
ていることはよく知られており、通常、ステンレ
ス鋼を脱脂酸洗した後、温度70〜95℃の処理液に
5〜15分間浸漬する方法がとられる。このときの
処理液は、蓚酸に酸化剤として硝酸塩、チオ硫酸
塩、そのほか素地の溶解剤として弗化物、塩化物
等のハロゲン化物を添加したもので、一般に、こ
のような処理液によつて処理されたステンレス鋼
の表面には、灰褐色で蓚酸鉄()を主成分とす
る5〜20g/m2の皮膜が形成される。さらに、こ
の皮膜上に油脂、ソーダ石鹸水溶液等を塗布し、
反応させ、乾燥によつて水分を除去して、冷間加
工に供するものである。 一方、従来のステンレス鋼製ボルト・ナツト
は、多くの素材がSUS304であつて摩擦係数は大
きく、その結果、ねじの噛み合い面で摺動抵抗が
大きくなり、また、熱伝導率が炭素鋼や合金鋼等
の3分の1程度と小さいため、ねじの噛み合い面
に発生する摩擦熱が発散されにくくて、局部的に
高温になりやすく、さらに、熱膨張係数が普通鋼
の約1.5倍と大きいため、前記の性質も加わつて、
ねじ山の膨張が大きくなり、「かじり」が起こり
やすくなる。したがつて、潤滑処理は不可欠のも
のとなるが、前記したようなステンレス鋼材の冷
間塑性加工のための潤滑処理法のそのままを、ス
テンレス鋼製ボルト・ナツトに応用しても、潤滑
が良過ぎるために締り過ぎて、返つて支障が出て
くる。たとえば、16mm径×75mm長さのステンレス
ボルト(SUS304)とステンレスナツト
(SUS304)とを、冷間塑性加工のための潤滑処
理法によつて表面加工をして調べた結果、標準締
め付けトルク11Kgf−mで締め付けると、締め付
け力は6900〜7300Kgfとなり、トルク8Kgf−m
程度から塑性変形が起こる。そして、そのときの
締め付け力は約6000Kgfであるから、この16mm径
のボルトにおいては、降伏点は6000Kgfであり、
締め付け力が容易にこの降伏点を越える危険があ
り、一方、このことは緩みやすいという欠点にも
つながるので、充分満足する結果は得られていな
い。したがつて、潤滑がよすぎると締りすぎて、
ボルトの降伏点を越える危険があり、一方、この
ことは緩みやすいという欠点にもつながり、充分
満足する結果が得られない。 この発明は、このような現状に着目してなされ
たものであり、ステンレス鋼製のボルトおよびナ
ツトの少なくとも一方の表面に、通常の蓚酸塩処
理によつて蓚酸塩皮膜を形成した後、さらに、そ
の上をワツクス類と鉱油とC12〜C22の脂肪酸のア
ミン塩とを必須成分とする水性エマルジヨンによ
つて潤滑性皮膜を形成することを特徴とするステ
ンレス鋼製ボルト・ナツトの潤滑処理方法を提供
するものである。以下にその詳細を説明する。 ステンレス鋼製ボルト・ナツトに蓚酸塩処理を
施すが、この蓚酸塩処理の方法は、特に限定する
ものではなく、前記したステンレス鋼材の冷間塑
性加工に際して広く採用されている通常の方法で
何等の支障をも生じない。たとえば、化学洗剤の
水溶液による脱脂処理および水洗をした後、蓚酸
塩処理剤フエルボンド(日本パーカライジング株
式会社登録商標)のA−1号剤およびA−2号剤
に促進剤を添加して皮膜形成処理を行ない、水洗
および乾燥を行なえばよい。このような処理によ
つて、基材表面に蓚酸第一鉄を主成分とする皮膜
が形成されるのである。従来、金属表面処理法の
一つのリン酸塩による方法があるが、このリン酸
塩処理ではこの発明におけるような蓚酸塩の反応
は起こらず効果は期待できない。 蓚酸塩処理を終つた基材に、さらに潤滑剤処理
を施すが、この発明に用いる潤滑剤はつぎのよう
なものである。すなわち、ワツクス類と鉱油を混
合したものにC12〜C22の脂肪酸のアミン塩を必須
成分として添加混合したもので、これを水性エマ
ルジヨンの状態にして使用すれば、取扱いがきわ
めて便利である。ここで、ワツクス類としては、
モンタンロウ系ワツクス、カルナウバウワツク
ス、ポリエチレン系ワツクス、パラフイン系ワツ
クス等を挙げることができ、好ましくはパラフイ
ン系ワツクスがよく、鉱油としては、パラフイン
系、ナフテン系の鉱油等が挙げられ、好ましくは
パラフイン系鉱油がよい。一方、C12〜C22の脂肪
酸のアミン塩としては、C12〜C22の脂肪酸にはラ
ウリル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイ
ン酸等が挙げられ、また、アミンとしては、モノ
エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエ
タノールアミン等を挙げることができ、好ましく
はステアリン酸とモノエタノールアミンとの脂肪
酸のアミン塩がよい。この脂肪酸のアミン塩を添
加した潤滑剤は、後述のような組成のものであ
り、グリース状であるが、水を加えて容易に水性
エマルジヨン化することができる。 この発明の水性エマルジヨン潤滑剤の組成を示
すとつぎのとおりである。なお、%は重量%であ
る。 ワツクス類 10〜40%好ましくは20〜35% 高粘度鉱油 5〜30%好ましくは15〜25% 脂肪酸のアミン塩 5〜20%好ましくは 7〜15% 水 30〜70%好ましくは40〜60% この潤滑剤は、たとえば、10%の水性エマルジ
ヨン液で20℃下のPH値が9.0±1.0のアルカリ性を
示すものであるから、潤滑性の向上のほかに、蓚
酸塩処理に伴う酸性分を中性化またはアルカリ性
化する効果をもたらすのである。たとえステンレ
ス鋼と言つても、酸性化で絶対に腐食しないとい
うものではないので、脂肪酸のアミン塩を添加し
てアルカリ性に転換した潤滑剤によつて、ボル
ト・ナツトの締め付けの際に生ずる隙間の腐食を
完全に防止することができる。この発明の潤滑剤
の実際の使用にあたつては、この潤滑剤を更に濃
度が10〜50g/程度になるよう水に均一に分散
させ、この液中に蓚酸塩処理を終えた基材を浸漬
すればよい。ここで、潤滑剤濃度を10〜50g/
程度とする理由は、10g/よりも低くすると、
当然のことながら、優れた潤滑効果は得られず、
たとえば、ナツトのみに30、20、15、10および5
g/の濃度処理をしたときのトルク係数値は、
それぞれ、0.212、0.211、0.267、0.296および
0.351であり、また、50g/を越える濃度のも
のは、たとえば、ボルトおよびナツトの両方に20
g/濃度の処理しかしなかつたときでも、ボル
トとナツトの噛み合わせ方(間隙の大小)、なじ
み方等によつて、0.133、0.128、0.112のようなト
ルク係数値になることもあるので、潤滑効果があ
り過ぎる危険があると同時に、コスト上昇を招き
好ましくないからである。この際の液温は、特に
加熱する必要はなく、通常の室温程度で充分であ
り、浸漬時間は1〜5分程度でよい。 最後に、潤滑処理を終つたボルト・ナツトを乾
燥すれば、所望の製品が得られる。この発明にお
ける潤滑剤処理は、ボルトおよびナツトの両者に
対して行なうことは勿論最も好ましいことである
が、ボルトもしくはナツトのいずれか一方を処理
することによつてもほぼ同等の効果が得られる。
したがつて、この発明によつて得られるステンレ
ス鋼製ボルト・ナツトは、従来の方法では得られ
ない優れたボルト・ナツトであり、従来のステン
レス鋼製ボルト・ナツトよりも小さい締め付けト
ルクで容易に締め付けができ、しかも、アルカリ
性の潤滑剤を用いることによつて、隙間防食も充
分目的を達し得るので、耐用年数は少なくとも数
倍以上に延長することができ、また、潤滑剤のベ
ースとなつている蓚酸塩皮膜は、電気の不良導体
であるので、金属の電位列の異なる金属との接触
面における腐食を防止することが判明したので、
この発明の意義はきわめて大きいと言える。 以下に、実施例および比較例を示す。 ステンレス六角ボルト・ナツト(SUS304、
M16×75)を40組用意し、第1表に示すように蓚
酸塩皮膜処理を施し、これを同表に示した実施例
1および2、ならびに、比較例1および2に供し
て試験した。 潤滑処理の終つたステンレス六角ボルト・ナツ
トの締め付けトルク・軸力・ゆるめトルクの関係
で測定した。この測定条件はつぎのとおりであ
る。すなわち、試料に被締付物をセツトし、三ツ
爪スクロールチヤツクでボルトを固定し、ボツク
スレ
とによつて、締め付けの際の焼き付き防止および
電食防止をするステンレス鋼製ボルト・ナツトの
潤滑処理方法に関するものである。 従来、ジヨイントに使用する軟鋼または鋳鉄製
のボルト・ナツト類は、被締結物がほとんど健全
であるにも拘らず、ボルト・ナツトが異常腐食
(電食)を起こすことがしばしばある。そこで、
このような現象を避けるために、耐食性、耐久性
に優れたステンレス鋼製への移行が注目され、著
しい普及をするに至つた。 一般に、ステンレス鋼材の冷間塑性加工に際し
て、蓚酸塩皮膜が皮膜潤滑剤として広く使用され
ていることはよく知られており、通常、ステンレ
ス鋼を脱脂酸洗した後、温度70〜95℃の処理液に
5〜15分間浸漬する方法がとられる。このときの
処理液は、蓚酸に酸化剤として硝酸塩、チオ硫酸
塩、そのほか素地の溶解剤として弗化物、塩化物
等のハロゲン化物を添加したもので、一般に、こ
のような処理液によつて処理されたステンレス鋼
の表面には、灰褐色で蓚酸鉄()を主成分とす
る5〜20g/m2の皮膜が形成される。さらに、こ
の皮膜上に油脂、ソーダ石鹸水溶液等を塗布し、
反応させ、乾燥によつて水分を除去して、冷間加
工に供するものである。 一方、従来のステンレス鋼製ボルト・ナツト
は、多くの素材がSUS304であつて摩擦係数は大
きく、その結果、ねじの噛み合い面で摺動抵抗が
大きくなり、また、熱伝導率が炭素鋼や合金鋼等
の3分の1程度と小さいため、ねじの噛み合い面
に発生する摩擦熱が発散されにくくて、局部的に
高温になりやすく、さらに、熱膨張係数が普通鋼
の約1.5倍と大きいため、前記の性質も加わつて、
ねじ山の膨張が大きくなり、「かじり」が起こり
やすくなる。したがつて、潤滑処理は不可欠のも
のとなるが、前記したようなステンレス鋼材の冷
間塑性加工のための潤滑処理法のそのままを、ス
テンレス鋼製ボルト・ナツトに応用しても、潤滑
が良過ぎるために締り過ぎて、返つて支障が出て
くる。たとえば、16mm径×75mm長さのステンレス
ボルト(SUS304)とステンレスナツト
(SUS304)とを、冷間塑性加工のための潤滑処
理法によつて表面加工をして調べた結果、標準締
め付けトルク11Kgf−mで締め付けると、締め付
け力は6900〜7300Kgfとなり、トルク8Kgf−m
程度から塑性変形が起こる。そして、そのときの
締め付け力は約6000Kgfであるから、この16mm径
のボルトにおいては、降伏点は6000Kgfであり、
締め付け力が容易にこの降伏点を越える危険があ
り、一方、このことは緩みやすいという欠点にも
つながるので、充分満足する結果は得られていな
い。したがつて、潤滑がよすぎると締りすぎて、
ボルトの降伏点を越える危険があり、一方、この
ことは緩みやすいという欠点にもつながり、充分
満足する結果が得られない。 この発明は、このような現状に着目してなされ
たものであり、ステンレス鋼製のボルトおよびナ
ツトの少なくとも一方の表面に、通常の蓚酸塩処
理によつて蓚酸塩皮膜を形成した後、さらに、そ
の上をワツクス類と鉱油とC12〜C22の脂肪酸のア
ミン塩とを必須成分とする水性エマルジヨンによ
つて潤滑性皮膜を形成することを特徴とするステ
ンレス鋼製ボルト・ナツトの潤滑処理方法を提供
するものである。以下にその詳細を説明する。 ステンレス鋼製ボルト・ナツトに蓚酸塩処理を
施すが、この蓚酸塩処理の方法は、特に限定する
ものではなく、前記したステンレス鋼材の冷間塑
性加工に際して広く採用されている通常の方法で
何等の支障をも生じない。たとえば、化学洗剤の
水溶液による脱脂処理および水洗をした後、蓚酸
塩処理剤フエルボンド(日本パーカライジング株
式会社登録商標)のA−1号剤およびA−2号剤
に促進剤を添加して皮膜形成処理を行ない、水洗
および乾燥を行なえばよい。このような処理によ
つて、基材表面に蓚酸第一鉄を主成分とする皮膜
が形成されるのである。従来、金属表面処理法の
一つのリン酸塩による方法があるが、このリン酸
塩処理ではこの発明におけるような蓚酸塩の反応
は起こらず効果は期待できない。 蓚酸塩処理を終つた基材に、さらに潤滑剤処理
を施すが、この発明に用いる潤滑剤はつぎのよう
なものである。すなわち、ワツクス類と鉱油を混
合したものにC12〜C22の脂肪酸のアミン塩を必須
成分として添加混合したもので、これを水性エマ
ルジヨンの状態にして使用すれば、取扱いがきわ
めて便利である。ここで、ワツクス類としては、
モンタンロウ系ワツクス、カルナウバウワツク
ス、ポリエチレン系ワツクス、パラフイン系ワツ
クス等を挙げることができ、好ましくはパラフイ
ン系ワツクスがよく、鉱油としては、パラフイン
系、ナフテン系の鉱油等が挙げられ、好ましくは
パラフイン系鉱油がよい。一方、C12〜C22の脂肪
酸のアミン塩としては、C12〜C22の脂肪酸にはラ
ウリル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイ
ン酸等が挙げられ、また、アミンとしては、モノ
エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエ
タノールアミン等を挙げることができ、好ましく
はステアリン酸とモノエタノールアミンとの脂肪
酸のアミン塩がよい。この脂肪酸のアミン塩を添
加した潤滑剤は、後述のような組成のものであ
り、グリース状であるが、水を加えて容易に水性
エマルジヨン化することができる。 この発明の水性エマルジヨン潤滑剤の組成を示
すとつぎのとおりである。なお、%は重量%であ
る。 ワツクス類 10〜40%好ましくは20〜35% 高粘度鉱油 5〜30%好ましくは15〜25% 脂肪酸のアミン塩 5〜20%好ましくは 7〜15% 水 30〜70%好ましくは40〜60% この潤滑剤は、たとえば、10%の水性エマルジ
ヨン液で20℃下のPH値が9.0±1.0のアルカリ性を
示すものであるから、潤滑性の向上のほかに、蓚
酸塩処理に伴う酸性分を中性化またはアルカリ性
化する効果をもたらすのである。たとえステンレ
ス鋼と言つても、酸性化で絶対に腐食しないとい
うものではないので、脂肪酸のアミン塩を添加し
てアルカリ性に転換した潤滑剤によつて、ボル
ト・ナツトの締め付けの際に生ずる隙間の腐食を
完全に防止することができる。この発明の潤滑剤
の実際の使用にあたつては、この潤滑剤を更に濃
度が10〜50g/程度になるよう水に均一に分散
させ、この液中に蓚酸塩処理を終えた基材を浸漬
すればよい。ここで、潤滑剤濃度を10〜50g/
程度とする理由は、10g/よりも低くすると、
当然のことながら、優れた潤滑効果は得られず、
たとえば、ナツトのみに30、20、15、10および5
g/の濃度処理をしたときのトルク係数値は、
それぞれ、0.212、0.211、0.267、0.296および
0.351であり、また、50g/を越える濃度のも
のは、たとえば、ボルトおよびナツトの両方に20
g/濃度の処理しかしなかつたときでも、ボル
トとナツトの噛み合わせ方(間隙の大小)、なじ
み方等によつて、0.133、0.128、0.112のようなト
ルク係数値になることもあるので、潤滑効果があ
り過ぎる危険があると同時に、コスト上昇を招き
好ましくないからである。この際の液温は、特に
加熱する必要はなく、通常の室温程度で充分であ
り、浸漬時間は1〜5分程度でよい。 最後に、潤滑処理を終つたボルト・ナツトを乾
燥すれば、所望の製品が得られる。この発明にお
ける潤滑剤処理は、ボルトおよびナツトの両者に
対して行なうことは勿論最も好ましいことである
が、ボルトもしくはナツトのいずれか一方を処理
することによつてもほぼ同等の効果が得られる。
したがつて、この発明によつて得られるステンレ
ス鋼製ボルト・ナツトは、従来の方法では得られ
ない優れたボルト・ナツトであり、従来のステン
レス鋼製ボルト・ナツトよりも小さい締め付けト
ルクで容易に締め付けができ、しかも、アルカリ
性の潤滑剤を用いることによつて、隙間防食も充
分目的を達し得るので、耐用年数は少なくとも数
倍以上に延長することができ、また、潤滑剤のベ
ースとなつている蓚酸塩皮膜は、電気の不良導体
であるので、金属の電位列の異なる金属との接触
面における腐食を防止することが判明したので、
この発明の意義はきわめて大きいと言える。 以下に、実施例および比較例を示す。 ステンレス六角ボルト・ナツト(SUS304、
M16×75)を40組用意し、第1表に示すように蓚
酸塩皮膜処理を施し、これを同表に示した実施例
1および2、ならびに、比較例1および2に供し
て試験した。 潤滑処理の終つたステンレス六角ボルト・ナツ
トの締め付けトルク・軸力・ゆるめトルクの関係
で測定した。この測定条件はつぎのとおりであ
る。すなわち、試料に被締付物をセツトし、三ツ
爪スクロールチヤツクでボルトを固定し、ボツク
スレ
【表】
ンチでナツトを回して、所定のトルク(1100Kgf
−cm)まで締め付ける。トルクまたは軸力は、電
磁オシログラフの振れで監視し、締め付けに続い
てボツクスレンチでナツトをゆるめ、この際必要
としたゆるめトルクを前記電磁オシログラフの振
れから読み取つた。測定は3組のボルト・ナツト
を抽出して行ない、その結果を第2表にまとめ
た。第2表は、締め付けトルクが一定(1100Kgf
−cm)のときの軸力およびゆるめトルクと、これ
−cm)まで締め付ける。トルクまたは軸力は、電
磁オシログラフの振れで監視し、締め付けに続い
てボツクスレンチでナツトをゆるめ、この際必要
としたゆるめトルクを前記電磁オシログラフの振
れから読み取つた。測定は3組のボルト・ナツト
を抽出して行ない、その結果を第2表にまとめ
た。第2表は、締め付けトルクが一定(1100Kgf
−cm)のときの軸力およびゆるめトルクと、これ
【表】
【表】
らの値から計算されたトルク係数値とを併記した
ものである。 なお、トルク係数値Kはつぎの計算式によつて
求めたものである。すなわち K=T/d・F×10-1 (ここに、Tは締め付けトルク、dはボルトねじ
径、Fは軸力) このようなトルク係数値Kは材質によつて好ま
しい値が変化するが、ステンレス鋼材において
は、0.17を中心値としてその前後30%の値、すな
わち、0.12〜0.22が実用的に望ましい数値とされ
ている。これは標準締め付けトルクで締めたと
き、その最小のトルク係数値0.12の軸力はステン
レス鋼製ボルトの降伏点の96%を越えることはな
く、また、その最大値0.22の場合においても、従
来のステンレス鋼製ボルト・ナツトにマシン油潤
滑したものを標準締め付けトルクで締め付けた軸
力より約15〜20%向上するので、スパナー等の手
動工具を用いて締め付けるときは、その締め付け
力は標準締め付けトルクを越えることはなく、電
動トルクレンチ等でトルク管理をして締め付ける
ときには、この発明の潤滑ボルト・ナツトの締め
付けトルクは標準締め付けトルクの85%が適切で
ある。したがつて、締め付けトルクを一定にした
とき軸力は適正で、ゆるめトルクは比較的大でし
かもバラツキが少ない。潤滑を安定的に適正化し
たトルク係数が0.12〜0.22の範囲内に収まるもの
が最も望ましいものであるということになるの
で、第2表の結果から、この実施例1および2に
よつて得られたボルト・ナツトはきわめて優れた
ものであることが明らかとなつた。これに対して
比較例1および2はいずれも不可であると判断さ
れた。なぜならば、比較例1はトルク係数値が
0.12を下回わるので、ボルトの降伏点を越えて締
め付ける危険があり、比較例2は同一の製造ロツ
ト内でのトルク係数値のバラツキが大きいからで
ある。
ものである。 なお、トルク係数値Kはつぎの計算式によつて
求めたものである。すなわち K=T/d・F×10-1 (ここに、Tは締め付けトルク、dはボルトねじ
径、Fは軸力) このようなトルク係数値Kは材質によつて好ま
しい値が変化するが、ステンレス鋼材において
は、0.17を中心値としてその前後30%の値、すな
わち、0.12〜0.22が実用的に望ましい数値とされ
ている。これは標準締め付けトルクで締めたと
き、その最小のトルク係数値0.12の軸力はステン
レス鋼製ボルトの降伏点の96%を越えることはな
く、また、その最大値0.22の場合においても、従
来のステンレス鋼製ボルト・ナツトにマシン油潤
滑したものを標準締め付けトルクで締め付けた軸
力より約15〜20%向上するので、スパナー等の手
動工具を用いて締め付けるときは、その締め付け
力は標準締め付けトルクを越えることはなく、電
動トルクレンチ等でトルク管理をして締め付ける
ときには、この発明の潤滑ボルト・ナツトの締め
付けトルクは標準締め付けトルクの85%が適切で
ある。したがつて、締め付けトルクを一定にした
とき軸力は適正で、ゆるめトルクは比較的大でし
かもバラツキが少ない。潤滑を安定的に適正化し
たトルク係数が0.12〜0.22の範囲内に収まるもの
が最も望ましいものであるということになるの
で、第2表の結果から、この実施例1および2に
よつて得られたボルト・ナツトはきわめて優れた
ものであることが明らかとなつた。これに対して
比較例1および2はいずれも不可であると判断さ
れた。なぜならば、比較例1はトルク係数値が
0.12を下回わるので、ボルトの降伏点を越えて締
め付ける危険があり、比較例2は同一の製造ロツ
ト内でのトルク係数値のバラツキが大きいからで
ある。
Claims (1)
- 1 ステンレス鋼製のボルトおよびナツトの少な
くとも一方の表面に、通常の蓚酸塩処理によつて
蓚酸塩皮膜を形成した後、さらにその上にワツク
ス類10〜40重量%、鉱油5〜30重量%、C12〜C22
の脂肪酸のアミン塩5〜20重量%および水30〜70
重量%を必須成分とする水性エマルジヨンによつ
て潤滑性皮膜を形成することを特徴とするステン
レス鋼製ボルト・ナツトの潤滑処理方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6442382A JPS58179295A (ja) | 1982-04-14 | 1982-04-14 | ステンレス鋼製ボルト・ナツトの潤滑処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6442382A JPS58179295A (ja) | 1982-04-14 | 1982-04-14 | ステンレス鋼製ボルト・ナツトの潤滑処理方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS58179295A JPS58179295A (ja) | 1983-10-20 |
| JPH0138437B2 true JPH0138437B2 (ja) | 1989-08-14 |
Family
ID=13257847
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6442382A Granted JPS58179295A (ja) | 1982-04-14 | 1982-04-14 | ステンレス鋼製ボルト・ナツトの潤滑処理方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS58179295A (ja) |
Families Citing this family (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002125542A (ja) * | 2000-10-27 | 2002-05-08 | Ken Matsuura Lacing Service:Kk | 両軸受型リール |
| ATE449279T1 (de) * | 2002-05-31 | 2009-12-15 | Sumitomo Metal Ind | Schraubverbindung für stahlrohr |
| KR101403249B1 (ko) * | 2012-12-21 | 2014-06-02 | 주식회사 포스코 | 스테인리스강의 딥드로잉성 향상용 윤활유 |
| JP5830765B1 (ja) * | 2014-07-31 | 2015-12-09 | 株式会社青山製作所 | ねじ用潤滑剤 |
| CN110072983A (zh) * | 2016-12-13 | 2019-07-30 | 埃科莱布美国股份有限公司 | 润滑剂组合物和其使用方法 |
Family Cites Families (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5074056A (ja) * | 1973-11-08 | 1975-06-18 | ||
| JPS51106866A (en) * | 1975-03-18 | 1976-09-22 | Shiro Hasegawa | Teiketsuzainotorukuanteishorihoho oyobi gaishorihohoohodokosaretateiketsuzai oyobi gaishorihohonimochiirareru torukuanteizai |
| JPS5239057A (en) * | 1975-09-20 | 1977-03-26 | Sumitomo Metal Ind Ltd | A high tension bolt set |
-
1982
- 1982-04-14 JP JP6442382A patent/JPS58179295A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS58179295A (ja) | 1983-10-20 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US4517029A (en) | Process for the cold forming of iron and steel | |
| US2726215A (en) | Rust inhibitors for aqueous systems | |
| US4944813A (en) | Process for phosphating metal surfaces | |
| US5116521A (en) | Aqueous lubrication treatment liquid and method of cold plastic working metallic materials | |
| JPH0813980B2 (ja) | 鋼の熱間圧延潤滑剤組成物 | |
| US4631139A (en) | Corrosion inhibiting metal working fluid | |
| US2294525A (en) | Inhibitor | |
| US3244625A (en) | Solid film lubricant | |
| US5209860A (en) | Acrylate polymer-fatty triglyceride aqueous dispersion prelubes for all metals | |
| JPH0138437B2 (ja) | ||
| US4289546A (en) | Aqueous acidic lubricant composition and method for coating metals | |
| CA1149370A (en) | Aqueous acidic lubricant composition and method for coating metals | |
| US4755309A (en) | Cold working lubricant for metallic conduits | |
| JPH0748589A (ja) | 難加工性金属材料の塑性加工用潤滑剤 | |
| US2371853A (en) | Mineral oil composition | |
| JPH054437B2 (ja) | ||
| JPS6281221A (ja) | 冷間塑性加工金属製品の製造方法 | |
| JPH061991A (ja) | 温熱間塑性加工用水系潤滑剤 | |
| US4969959A (en) | Methods for enhancing the thermal quenching of a metal surface | |
| WO1989012669A1 (fr) | Compose lubrifiant pour le laminage a chaud de l'acier | |
| RU93041656A (ru) | Металлоплакирующая смазочная композиция - эрфолг | |
| JPS6086286A (ja) | 水処理薬剤 | |
| JPH0528757B2 (ja) | ||
| JPS5830358B2 (ja) | 金属管の冷間乃至温間加工用潤滑剤 | |
| JP2001303085A (ja) | 高温用ねじ焼付防止剤 |