JPH0138885B2 - - Google Patents
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- JPH0138885B2 JPH0138885B2 JP9650681A JP9650681A JPH0138885B2 JP H0138885 B2 JPH0138885 B2 JP H0138885B2 JP 9650681 A JP9650681 A JP 9650681A JP 9650681 A JP9650681 A JP 9650681A JP H0138885 B2 JPH0138885 B2 JP H0138885B2
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Description
本発明は紡績性、編成性にすぐれ、独特の外
観、風合と深みのある発色性を有し、しかも嵩高
で抗ピル寸法安定性にすぐれた紡績糸編織物及び
不織布などを形成する新規な捲縮特性を有するア
クリル系ステープルフアイバーに関する。 アクリル系繊維は他の汎用合成繊維であるポリ
アミド系繊維およびポリエステル系繊維と共に工
業的に大量に生産、販売されており、ポリアミド
およびポリエステル系繊維にくらべて耐候性、嵩
高性にすぐれ、鮮明な染色性を示し、最も羊毛に
類似した繊維性能を有するが、他面において熱セ
ツト性、寸法安定性が低く、耐フイブリル化や耐
フロステイング性が小さいという欠点があると云
われている。また、アクリル系繊維は他の合成繊
維と同様に抗ピル性が小さいと云われている。 さらにアクリル系繊維、特に紡績糸用のステー
プルフアイバーの製造には湿式紡糸技術が広く採
用されているが、この湿式紡糸によつて得られる
アクリル系繊維はその機械的強度、特に引張強度
を向上させようとすると繊維の収縮率が増大し、
高次加工、たとえば染色時の染ムラ発生、寸法変
化が著しくなるなどのトラブルが大きく、良好な
品質、性能を有する繊維製品を再現性よく製造す
ることが難しいと云う問題がある。 また、これら湿式紡糸法によるアクリル系繊維
は一般にその繊維表面が平滑でなく凸凹が多く、
得られる繊維製品はぬめり性に乏しく、粗硬であ
るといわれている。さらに、合成繊維一般にみら
れる抗ピル性に乏しく、繊維製品の外観、品位上
その改良が強く望まれている。 すなわち、アクリル系繊維の抗ピル化に関して
はこれまで多数の提案が為されており、たとえば
引掛強伸度が一定の値以下であり、結節伸度/引
掛伸度比が2以上の抗ピル性アクリル系繊維(特
公昭41−20416号公報)、特定の共重合組成を有す
るアクリルニトリル系共重合体を限定された製造
プロセスおよび条件下に紡糸、延伸、乾燥緻密化
及び、熱処理して、単糸の引張強力、曲げ強伸度
は低下させることなく、曲げ強力のみ低下させた
り(特公昭55−22564号公報)、共重合体中に含有
されるアクリロニトリル含有量に起因する染色性
低下のトラブルを防止し、相対的に強伸度を低下
させる方法(特公昭55−47131号公報)などが提
案されている。 しかしながら、これらの従来の抗ピル性アクリ
ル系繊維はその機械的強度、特に引掛け、結節又
は曲げ強力などを低下させることによつて抗ピル
化を図つたものであるが、このような抗ピル化は
ピルの形成そのものを防止したものでなく、経時
的に繊維製品の外観、風合の変化をまぬがれ得な
いという問題がある。他方本発明とは発明の目的
を異にするが、特開昭55−158375号公報には、立
毛繊維製品表面に顕出する起毛として、加熱によ
り30%以上の脱捲縮率(加熱前後の捲縮数の変化
から算出される値)を示す易脱捲縮性アクリル繊
維を易脱捲縮性を有しない各種繊維と混用するこ
とにより、起毛し易く、毛足の長い立毛を形成す
ることが開示されている。しかしながら、ここに
開示されている易脱捲縮性アクリル系繊維は加熱
易脱捲縮性を有しない繊維、特にアンゴラ、モヘ
ア、カシミアなどの獣毛からなる立毛繊維製品の
外観、風合を改良する混用繊維として用いられる
もので、この相手繊維と混用可能で、湿熱処理に
よつて捲縮が失わればよく、それ以上の技術的作
用効果については開示するところがない。 本発明者らは、前記従来公知のアクリル系繊維
において、アクリル系繊維の特徴、特にその嵩高
性を保有し、しかも改良された抗ピル性を有する
紡績用アクリル系ステープルフアイバーについて
鋭意研究を行ない本発明を見出したものである。 すなわち、本発明の目的は、アクリル系繊維の
曲げ、結節強度などの機械的性質を大巾に低下さ
せて抗ピル性を付与するのではなく、アクリル系
繊維の有する機械的性質、嵩高性および紡績性を
保有し、しかも抗ピル性、寸法安定性、表面光
沢、発色性および風合の著しく改良された紡績用
アクリル系ステープルフアイバーを提供するにあ
る。 このような本発明の目的は前記特許請求の範囲
に記載した要件(a)および(b)を同時に満足するアク
リル系ステープルフアイバーおよびそれから得ら
れる紡績糸によつて達成することができる。 本発明のアクリル系ステープルフアイバーはそ
の捲縮特性として、約80℃の温水中に浸漬した場
合に、該ステープルフアイバーが拘束されている
とその捲縮が失われず、実質的に温水処理前の捲
縮形態を保有するが、非拘束の状態では実質的に
その捲縮が失なわれるという性質を有することが
必要である。すなわち、第1図aおよびbは本発
明のアクリル系ステープルフアイバー、たとえ
ば、トータルデニールが約100万D、長さが約40
cmの捲縮を付与され、カツトされたトウの両端部
1をそれぞれ約12cm残して、その中央部を10〜30
番手の撚糸で結束した後、80℃の温水中に約10分
間浸漬して取出し、次いで前記結束糸を取除い
て、該捲縮アクリル繊維トウの捲縮状態の変化を
観察した側面図である。図に示すように、本発明
のアクリル系ステープルフアイバーは、温水処理
後において、結束糸で拘束された結束部2には、
ほぼもとの形態の捲縮が保有されているが、両端
部1のステープルフアイバーが相互に自由に、非
拘束の状態にある部分は、その捲縮が実質的に消
失していることがわかる。 第2図,,およびはそれぞれ本発明の
アクリル系ステープルフアイバーおよび従来のア
クリル系ステープルフアイバーの前記温水処理前
後の捲縮状態の変化を示す側面写真であり、と
はそれぞれ本発明のフアイバー、およびと
はそれぞれ従来公知のアクリル系繊維の温水処理
前後の捲縮状態を示す。本発明のステープルフア
イバーは第1図と同様の捲縮特性を有することが
実証されていることがわかる。 このような本発明のアクリル系ステープルフア
イバーの捲縮特性は、このフアイバーから作成し
た編織物などの繊維製品において、その表面上に
突出している毛羽、ループなどの非拘束状態にあ
る繊維末端や糸条は温、熱水処理によつて選択的
にその捲縮を消失し、編織物内部の撚り、編織物
組織構造によつて互いに拘束されている部分は、
その捲縮形態を実質的に保有することを意味す
る。したがつて、このような捲縮特性を有する本
発明のアクリル系ステープルフアイバーおよびそ
の紡績糸から得られる繊維製品は、該ステープル
フアイバーの捲縮に起因する嵩高性、柔軟性、風
合をそのまま保持し、かつその表面に突出する毛
羽、ループ等が捲縮を有しないために、独特の風
合と外観を与え、しかも後述する本発明の要件(b)
との相乗的効果によつて抗ピル性を付与されるの
である。 ここで本発明のアクリル系ステープルフアイバ
ーの捲縮特性は、下式で定義される捲縮ストレー
ト化率によつて示すことができ、この捲縮ストレ
ート化率が少くとも約75%、好ましくは85%以上
であることが望ましい。 捲縮ストレート化率= 温水処理前捲縮度−温水処理後捲縮度/温水処理前捲
縮度×100 ここで温水処理は約80℃の温水中に約10分間ス
テープルフアイバーを浸漬する処理を云う。 また、捲縮度は、次の測定法によつて求められ
る値である。 (1) ランダムに単糸を滑沢紙に規定のゆるみをも
たせて貼付する。 (2) 試験片を試験機の上下クリツプにとりつけ上
部クリツプ近くの滑沢紙を切る。 (3) 初荷重(2mg/d)をかけて長さを読みと
る。 (4) 続いて規定の荷重(300mg/d)を加えて、
30秒後、長さを測定する。 ケン縮度(%)=B−A/B×100 (A:初荷重をかけた時の長さ B:規定荷重をかけた時の長さ) 本発明のアクリル系ステープルフアイバーの上
記捲縮度及び捲縮数は特に限定されるものではな
く、紡績可能で、用途、製品の目的に応じて適宜
選択することができるが、捲縮度としては、5〜
20%、好ましくは10〜18%、捲縮数としては5〜
20山/インチ、好ましくは9〜15山/インチの範
囲で付与するのがよい。また、該ステープルフア
イバーの単糸繊度としては0.5〜20デニール(d)、
好ましくは0.5〜5d、繊維長としては32〜128mmの
範囲のものが適宜選択して用いられる。 本発明のアクリル系ステープルフアイバーは前
記要件(a)に加えて、要件(b)の繊維物性、即ち、引
張強度が少なくとも3.5g/d、好ましくは3.8
g/d以上、結節強度が約1.4〜2.0g/d、好ま
しくは1.5〜1.8g/dで、沸水収縮率が4%以
下、好ましくは3%以下の範囲の物性値を満足す
ることが必要である。 すなわち、本発明のアクリル系ステープルフア
イバーの引張強度はより大きい、通常少なくとも
3.5g/d、好ましくは3.8g/d以上にするのが
該ステープルフアイバーの紡績性、高次加工性な
どの点から重要であり、この引張強度を大きくす
ることができるということは従来の抗ピル性アク
リル系繊維のように、結節強度はもちろん、引張
強度も低下せざるを得なかつた場合の問題点、即
ち紡績性、編成性の低下ならびに最終製品の強度
低下(耐久性)を解消するのである。加えて、ア
クリル系繊維の引張強度の増大は沸水収縮率の増
大をもたらすのが普通であり、寸法もしくは形態
安定性の低下をきたし、例えば紡績糸のチーズ染
色において紡績糸の強い収縮によりチーズ内部へ
の染料の拡散が不均一化し染めムラを生ずるなど
の問題を生じるが、本発明のアクリル系ステープ
ルフアイバーから得られる紡績糸にはこのような
問題が派生することはない。 また本発明の目的の一つである抗ピル性を付与
するためには、前記要件(a)の捲縮特性と共に、該
結節強度の規定範囲が同時に満足されてこそ初め
て達成可能になるのである。例えば、要件(a)が満
足されていても、結節強度が2.0g/dを越える
と実用上の抗ピル性が付与されないし、他方1.4
g/dよりも小さくなるとステープルフアイバー
の紡績性が著しく低下し、品質、性能の安定した
製品を得ることが難しくなる。 更に沸水収縮率は、4%を越えると染色時に収
縮が大きいため、チーズ染色の場合には内外層の
染めムラを起こす。また更に重要なことは染色時
の収縮により結節強度が高くなるため、得られる
編織物の抗ピル性が悪化するという問題がある。
なお、沸水収縮率は余りに小いさすぎると、チー
ズ染色後のチーズ形状が悪化するため、好ましく
は0.5%以上のものがよい。 本発明のアクリル系ステープルフアイバーにお
いて、その断面形状は円形乃至ダ円形とし、その
表面をより平滑なものにすることにより、上記本
発明の要件(a)および(b)に起因する抗ピル性、光
沢、耐フイブリル化もしくは耐フロステイング性
及びぬめり性を改良することができ、有利であ
る。 たとえば、第3図は本発明の1実施例によつて
得られたアクリル系繊維および市販アクリル系繊
維の断面および側面の顕微鏡写真であり、は本
発明繊維、およびは市販アクリル系繊維を示
す。第3図から明らかなように本発明のアクリル
系繊維は断面が円形でかつその表面が著しく平滑
であることがわかる。 次に、本発明のステープルフアイバーの製造法
としてはその製造プロセス及び条件を特定化する
ことによつてのみ得ることが可能であり、単に公
知の方法を適用しても得られるものではない。以
下にその代表的な製造法について説明する。ま
ず、アクリロニトリル系共重合体としては少くと
も93モル%のアクリロニトリル(AN)に該AN
に対して共重合性のスルホン酸基含有ビニルモノ
マを0.1〜0.7モル%、好ましくは0.25〜0.45モル
%およびその他のビニル基含有モノマを6モル%
以下、好ましくは3〜4.5モル%の範囲量で共重
合したAN系共重合体が用いられる。スルホン酸
基含有ビニルモノマの共重合率が0.7モル%を超
えると紡糸性が著しく低下するし、染着速度も過
大となり染めムラを生じやすくなる。一方、共重
合率が0.1モル%未満では繊維の光沢および染色
性が低下し、アクリル系繊維特有の高発色性を得
ることができない。 また、AN系共重合体中に含有されるスルホン
酸基含有コモノマの共重合成分の共重合量が6モ
ル%を越えると、沸水収縮率が4%以下であり、
かつ結節強度2.0g/d以下である本発明のアク
リル系ステープルフアイバーの製造が難しい。す
なわち、該共重合成分の共重合量が多くなるにつ
れて、延伸性が向上し、染色性の良いものが得ら
れるが、熱セツト性が低下するほか、残留収縮率
が増大し、4%以下の沸水収縮率を有するアクリ
ル系繊維とすることが困難になる。他方、共重合
率が余りに少くなると染色性、特に濃色レベルを
満足する染色繊維製品が得難くなるし、紡糸性も
低下するので好ましくない。ここで、共重合成分
としては、ビニルスルホン酸、アリルスルホン
酸、メタリルスルホン酸、P−スチレンスルホン
酸及びそれらの金属塩もしくはアンモニウム塩な
どのスルホン酸基含有ビニルモノマ、アクリル
酸、メタクリル酸及びそれらの低級アルキルエス
テル又は塩などのカルボキシル基含有モノマなど
を例示することができるが好ましくは0.25〜0.45
モル%のスルホン酸基含有モノマ、特にメタリル
スルホン酸の金属塩と3〜4.5モル%のアクリル
酸エステル、特にメチルアクリレートを共重合す
るのがよい。 このようなAN系共重合体は各種の溶媒、たと
えばジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチル
ホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド
(DMAC)などの有機溶媒、塩化亜鉛やロダン塩
などの濃厚水溶液、硝酸などの無機系溶媒、好ま
しくは有機溶剤に溶解し、モノマ濃度が約15〜25
重量%の防糸原液として湿式紡糸される。紡糸浴
としては、溶媒量が多い60〜80%好ましくは65〜
75%の前記溶媒を含有する高濃度浴がよく、この
ような溶剤の高濃度浴を用いることによつて本発
明の目的とする円形乃至橢円形で平滑な繊維断面
形状を有するアクリル系繊維を有利に製造するこ
とができる。紡糸浴温としては紡糸性および耐失
透性の面から約15〜50℃、好ましくは30〜45℃の
温度範囲するのがよい。 次に、前記紡糸浴で凝固された凝固糸条は30%
以下のDMSO水溶液中で約4〜8倍、好ましく
は4.5〜6倍に延伸される。この延伸倍率が約4
倍よりも小さいと引張強度が少くとも3.5g/d
の高強度繊維とすることが難しく、また延伸倍率
が8倍を越えると結節強度が2.0g/d以上にな
るので好ましくない。 かくして得られた延伸糸条は温水、たとえば35
〜60℃の水中で十分に該糸条中に含有される溶媒
を除去した後、約120〜170℃、好ましくは130〜
165℃で5%以下、好ましくは0〜3.5%の弛緩下
に加熱され、乾燥緻密化される。次いでこの緻密
化されたアクリル系繊維を約105〜135℃、好まし
くは115〜130℃で少くとも15mg/d好ましくは35
mg/dの張力下、弛緩率が5%以下になるように
緊張蒸熱セツトする。弛緩率が5%を超えると結
節強度が高くなりすぎて、抗ピル性が悪化する。 かくして、緊張蒸熱セツトされた糸条はこの緊
張蒸熱セツトの熱処理条件よりも温和な条件、す
なわち、約60〜90℃の条件下で機械捲縮を付与さ
れる。そして機械捲縮を付与された糸条には通常
アクリル系繊維ステープルフアイバーに採用され
ている捲縮固定熱処理を行なうことなく、そのま
ま所定の繊維長にセツトされる。このように本発
明のアクリル系繊維ステープルフアイバーには前
記緊張蒸熱セツトにおいて付与された熱履歴を保
有させることが必要であり、このような熱履歴を
保有せしめることによつて、本発明の要件(b)を満
足するステープルフアイバーにすることが可能に
なるのである。 本発明のアクリル系捲縮ステープルフアイバー
は単独紡績糸のみならず通常のアクリル系繊維、
羊毛、木綿などとの混紡紡績糸として各種の用途
に使用することができる。特に羊毛との混紡糸は
メンズシヤツ、セーター、婦人用スラツクス、ス
カート、タイツ、ソツクス、体育衣料などに有用
であるが、この場合に用いる本発明のステープル
フアイバーは単糸繊度が1.5〜5d繊維長51〜128
mm、捲縮度8〜15%、捲縮数8〜15山/インチの
ものが好ましい。 また混紡率は羊毛と混紡する場合、50〜95%の
範囲内で本発明のステープルフアイバーを混紡す
るのがよい。 本発明のアクリル系捲縮ステープルフアイバー
は前述したように多くの優れた特徴を有するが、
特に該ステープルフアイバー単独の紡績糸から得
られる繊維製品は次のような特徴を有する。 (1) 強度低下もしくは機械的損傷を与えることに
より抗ピル性を付与したアクリル系繊維のよう
に紡績工程における単繊維の切断、脱落、糸ム
ラ、糸切れなどのトラブルがなく、すぐれた紡
績性を有する。 (2) 紡績糸や編織物製品とした後染色その他の温
熱水処理を施した場合該アクリル系捲縮ステー
プルフアイバーが集束乃至結束され、単繊維が
相互に拘束されている部分はその捲縮が実質的
に保有され、紡績糸や編織物の表面にフリーの
状態で突出している繊維末端部の機械捲縮が選
択的に消失する。したがつて、この捲縮のない
突出した繊維末端には捲縮がなく、しかも繊維
断面が円形乃至橢円形で表面が平滑であるから
相互に絡合し難い。すなわち、抗ピル性を有し
ている。 (3) しかも紡績糸乃至編織物製品の表面に突出し
ている繊維末端は実質的に捲縮を有していない
ことおよびその表面平滑性並びに円形乃至橢円
の断面形状に起因して、通常のアクリル系繊維
とは異なり、ぬめり性のある独特の風合と光
沢、特に染色製品においては鮮明であると同時
に深みのある着色を示す。 (4) 紡績糸及び編織物製品の表面の毛羽又は立毛
を多くしても従来のアクリル系繊維にくらべて
格段にすぐれた抗ピル性を有しており、しかも
捲縮がないから毛皮ライクな風合、光沢を示
す。 以下、実施例により本発明のアクリル系ステー
プルフアイバーについてさらに具体的に説明す
る。 実施例 1 アクリロニトリル95.3モル%、アクリル酸メチ
ル4.3モル%及びメタリルスルホン酸ソーダ0.4モ
ル%をジメチルスルホキシド中で溶液重合して紡
糸原液を作成した。得られた原液の粘度は200ポ
イズ/45℃、濃度は22.0重量%であつた。 この原液を孔径0.055mmφの口金を用いて35℃
に温調した72%ジメチルスルホキシド水溶液中に
吐出して凝固を完了させた後、98℃の熱水中で
5.5倍に延伸した。得られた糸条を十分温水で水
洗した後160℃(緊張状態)で乾燥し引き続いて
連続蒸熱処理機により120℃で緊張処理(ストレ
ート記憶固定)を行なつた。 この糸条を75℃で予熱し機械ケン縮を付与した
後80℃の熱風(フリー状態)で乾燥してアクリル
系繊維トウを得た。得られたトウは単糸繊度2.0
デニール、強度3.95g/d、結節強度1.65g/
d、ケン縮数12山/インチ、ケン縮度14%、沸水
収縮率2.5%の物性を有していた。また、繊維の
断面形状はタテ/ヨコ比が1.1/1.0の断面円形度
を有しており、実質的に円形であり、単繊維表面
は凹凸が小さく、第3図に示すように著しく平
滑であつた。 この糸条を用いて第1図aに示すように、両端
部の約12cmは拘束することなく、中央部の16cmを
結束したトータルデニール100万D長さ40cmのサ
ンプルを作成し、沸水中に約10分間浸漬した後取
出し、結束糸を除去して捲縮形態の変化をしらべ
た。第2図に示すように非拘束状態にある両端
部はケン縮が消失しているが拘束されている中央
部はほぼ沸水処理前と同じケン縮を保有してお
り、両端部のケン縮ストレート化率は87%であつ
た。次に、上記糸条を51mmの長さにカツトした後
得られたステープルフアイバーを常法により紡
績、精紡して1/48の紡績糸を作成した。このステ
ープルフアイバーは従来のアクリル系繊維と同様
に良好な紡績性を示し、紡績時のフライや糸切れ
による遊離短繊維の発生がほとんどなく良好であ
つた。 この紡績糸を用いて常法により編成した後染色
することによつて得られた編地のI、C、Iピリ
ング試験(5時間)を行つた結果、4〜5級の抗
ピル性を示した。また、編地表面に突出している
該アクリル系ステープルフアイバーはその捲縮が
消失しており、濃色で深味のある染色を示し、か
つ柔軟でぬめり性のある触感を有していた。 比較例 1 アクリロニトリル93.3モル%、アクリル酸メチ
ル6.5モル%、メタリルスルホン酸ソーダ0.2モル
%をジメチルスルホキシド中で溶液重合し、濃度
が22.0重量%の紡糸原液を作成した。 この原液を用いて30℃に温調した50%ジメチル
スルホキシド凝固浴中に吐出して凝固を完了させ
た後98℃の熱水中で5.5倍に延伸した。 得られた糸条体を十分、温水で水洗した後160
℃(緊張状態)で乾燥した。この糸条を75℃で予
熱し、機械ケン縮を付与した後110℃の蒸気でケ
ン縮固定を行なうと共に残留収縮率を除去し、フ
リー状態で80℃の熱風で乾燥してアクリル系繊維
トウを得た。 得られたトウは単糸繊度2.0デニール、強度
4.10g/d、結節強度2.60g/d、ケン縮数12
山/インチ、ケン縮度15%、沸水収縮率3.0%の
物性を有していた。この繊維の断面は第3図に
示すようにまゆ型で、単繊維表面の凸凹は大きく
粗であつた。 この糸条を実施例1に示した第1図aのように
束にして沸水中に10分間浸漬した後、取り出し
た。糸を除去して捲縮形態を調べたが、第2図
に示すとおり糸を巻きつけて拘束している部分は
もちろん、フリーな部分もほとんど捲縮が消えず
に残つていた。フリー部分の捲縮ストレート化率
は21%であつた。上記によつて得た繊維を51mmに
カツトを行ないしかる後該繊維の紡績、精紡を行
なつて1/48の紡績糸を製造した。 この紡績糸を通常の方法で編成し染色後得られ
た編地についてICIピリング試験(5Hr)を行な
つた。編地の表面毛羽はからまりやすくピルの発
生が顕著であり、ピル形成後ピルの脱落もなく1
級であつた。また、編地表面に突出しているステ
ープルは捲縮しており、通常のアクリル系繊維製
品と変らず、触感も粗硬であつた。 比較例 2 アクリロニトリル97.3モル%、アクリル酸メチ
ル2.0モル%、メタリルスルホン酸ソーダ0.7モル
%をジメチルスルホキシド中で溶液重合し、濃度
が22.0重量%の紡糸原液を作成した。この原液を
比較液1で示したと同じ方法でアクリル系繊維ト
ウを得た。 得られたトウは単糸繊度2.06デニール、強度
3.23g/d、結節強度1.38g/d、ケン縮数11
山/インチ、ケン縮度13%、沸水収縮率2.4%の
物性を有していた。第3図に示すようにこの繊
維の断面はほぼ円形であつたが単繊維表面の凸凹
は大きく粗であつた。 この糸条は比較例1と同様に沸水中でケン縮が
消えずに残り、フリー部分のケン縮ストレート化
率は18%であつた。この繊維を比較例1と同様に
常法により紡績を行なつて1/48の紡績糸を製造し
た。 この繊維の紡績性は悪く、紡績時のフライや糸
切れによる遊離短繊維の発生が非常に多く不良で
あつた。また、この紡績糸から得られた編地の抗
ピル性はICI試験(5Hr)で4級であつた。 実施例3〜5、比較例3〜5 実施例1において、緊張蒸熱処理および機械捲
縮条件をそれぞれ第1表に示す通り変更して作成
したアクリル系捲縮ステープルフアイバーの物性
および捲縮特性を第2表に示す。
観、風合と深みのある発色性を有し、しかも嵩高
で抗ピル寸法安定性にすぐれた紡績糸編織物及び
不織布などを形成する新規な捲縮特性を有するア
クリル系ステープルフアイバーに関する。 アクリル系繊維は他の汎用合成繊維であるポリ
アミド系繊維およびポリエステル系繊維と共に工
業的に大量に生産、販売されており、ポリアミド
およびポリエステル系繊維にくらべて耐候性、嵩
高性にすぐれ、鮮明な染色性を示し、最も羊毛に
類似した繊維性能を有するが、他面において熱セ
ツト性、寸法安定性が低く、耐フイブリル化や耐
フロステイング性が小さいという欠点があると云
われている。また、アクリル系繊維は他の合成繊
維と同様に抗ピル性が小さいと云われている。 さらにアクリル系繊維、特に紡績糸用のステー
プルフアイバーの製造には湿式紡糸技術が広く採
用されているが、この湿式紡糸によつて得られる
アクリル系繊維はその機械的強度、特に引張強度
を向上させようとすると繊維の収縮率が増大し、
高次加工、たとえば染色時の染ムラ発生、寸法変
化が著しくなるなどのトラブルが大きく、良好な
品質、性能を有する繊維製品を再現性よく製造す
ることが難しいと云う問題がある。 また、これら湿式紡糸法によるアクリル系繊維
は一般にその繊維表面が平滑でなく凸凹が多く、
得られる繊維製品はぬめり性に乏しく、粗硬であ
るといわれている。さらに、合成繊維一般にみら
れる抗ピル性に乏しく、繊維製品の外観、品位上
その改良が強く望まれている。 すなわち、アクリル系繊維の抗ピル化に関して
はこれまで多数の提案が為されており、たとえば
引掛強伸度が一定の値以下であり、結節伸度/引
掛伸度比が2以上の抗ピル性アクリル系繊維(特
公昭41−20416号公報)、特定の共重合組成を有す
るアクリルニトリル系共重合体を限定された製造
プロセスおよび条件下に紡糸、延伸、乾燥緻密化
及び、熱処理して、単糸の引張強力、曲げ強伸度
は低下させることなく、曲げ強力のみ低下させた
り(特公昭55−22564号公報)、共重合体中に含有
されるアクリロニトリル含有量に起因する染色性
低下のトラブルを防止し、相対的に強伸度を低下
させる方法(特公昭55−47131号公報)などが提
案されている。 しかしながら、これらの従来の抗ピル性アクリ
ル系繊維はその機械的強度、特に引掛け、結節又
は曲げ強力などを低下させることによつて抗ピル
化を図つたものであるが、このような抗ピル化は
ピルの形成そのものを防止したものでなく、経時
的に繊維製品の外観、風合の変化をまぬがれ得な
いという問題がある。他方本発明とは発明の目的
を異にするが、特開昭55−158375号公報には、立
毛繊維製品表面に顕出する起毛として、加熱によ
り30%以上の脱捲縮率(加熱前後の捲縮数の変化
から算出される値)を示す易脱捲縮性アクリル繊
維を易脱捲縮性を有しない各種繊維と混用するこ
とにより、起毛し易く、毛足の長い立毛を形成す
ることが開示されている。しかしながら、ここに
開示されている易脱捲縮性アクリル系繊維は加熱
易脱捲縮性を有しない繊維、特にアンゴラ、モヘ
ア、カシミアなどの獣毛からなる立毛繊維製品の
外観、風合を改良する混用繊維として用いられる
もので、この相手繊維と混用可能で、湿熱処理に
よつて捲縮が失わればよく、それ以上の技術的作
用効果については開示するところがない。 本発明者らは、前記従来公知のアクリル系繊維
において、アクリル系繊維の特徴、特にその嵩高
性を保有し、しかも改良された抗ピル性を有する
紡績用アクリル系ステープルフアイバーについて
鋭意研究を行ない本発明を見出したものである。 すなわち、本発明の目的は、アクリル系繊維の
曲げ、結節強度などの機械的性質を大巾に低下さ
せて抗ピル性を付与するのではなく、アクリル系
繊維の有する機械的性質、嵩高性および紡績性を
保有し、しかも抗ピル性、寸法安定性、表面光
沢、発色性および風合の著しく改良された紡績用
アクリル系ステープルフアイバーを提供するにあ
る。 このような本発明の目的は前記特許請求の範囲
に記載した要件(a)および(b)を同時に満足するアク
リル系ステープルフアイバーおよびそれから得ら
れる紡績糸によつて達成することができる。 本発明のアクリル系ステープルフアイバーはそ
の捲縮特性として、約80℃の温水中に浸漬した場
合に、該ステープルフアイバーが拘束されている
とその捲縮が失われず、実質的に温水処理前の捲
縮形態を保有するが、非拘束の状態では実質的に
その捲縮が失なわれるという性質を有することが
必要である。すなわち、第1図aおよびbは本発
明のアクリル系ステープルフアイバー、たとえ
ば、トータルデニールが約100万D、長さが約40
cmの捲縮を付与され、カツトされたトウの両端部
1をそれぞれ約12cm残して、その中央部を10〜30
番手の撚糸で結束した後、80℃の温水中に約10分
間浸漬して取出し、次いで前記結束糸を取除い
て、該捲縮アクリル繊維トウの捲縮状態の変化を
観察した側面図である。図に示すように、本発明
のアクリル系ステープルフアイバーは、温水処理
後において、結束糸で拘束された結束部2には、
ほぼもとの形態の捲縮が保有されているが、両端
部1のステープルフアイバーが相互に自由に、非
拘束の状態にある部分は、その捲縮が実質的に消
失していることがわかる。 第2図,,およびはそれぞれ本発明の
アクリル系ステープルフアイバーおよび従来のア
クリル系ステープルフアイバーの前記温水処理前
後の捲縮状態の変化を示す側面写真であり、と
はそれぞれ本発明のフアイバー、およびと
はそれぞれ従来公知のアクリル系繊維の温水処理
前後の捲縮状態を示す。本発明のステープルフア
イバーは第1図と同様の捲縮特性を有することが
実証されていることがわかる。 このような本発明のアクリル系ステープルフア
イバーの捲縮特性は、このフアイバーから作成し
た編織物などの繊維製品において、その表面上に
突出している毛羽、ループなどの非拘束状態にあ
る繊維末端や糸条は温、熱水処理によつて選択的
にその捲縮を消失し、編織物内部の撚り、編織物
組織構造によつて互いに拘束されている部分は、
その捲縮形態を実質的に保有することを意味す
る。したがつて、このような捲縮特性を有する本
発明のアクリル系ステープルフアイバーおよびそ
の紡績糸から得られる繊維製品は、該ステープル
フアイバーの捲縮に起因する嵩高性、柔軟性、風
合をそのまま保持し、かつその表面に突出する毛
羽、ループ等が捲縮を有しないために、独特の風
合と外観を与え、しかも後述する本発明の要件(b)
との相乗的効果によつて抗ピル性を付与されるの
である。 ここで本発明のアクリル系ステープルフアイバ
ーの捲縮特性は、下式で定義される捲縮ストレー
ト化率によつて示すことができ、この捲縮ストレ
ート化率が少くとも約75%、好ましくは85%以上
であることが望ましい。 捲縮ストレート化率= 温水処理前捲縮度−温水処理後捲縮度/温水処理前捲
縮度×100 ここで温水処理は約80℃の温水中に約10分間ス
テープルフアイバーを浸漬する処理を云う。 また、捲縮度は、次の測定法によつて求められ
る値である。 (1) ランダムに単糸を滑沢紙に規定のゆるみをも
たせて貼付する。 (2) 試験片を試験機の上下クリツプにとりつけ上
部クリツプ近くの滑沢紙を切る。 (3) 初荷重(2mg/d)をかけて長さを読みと
る。 (4) 続いて規定の荷重(300mg/d)を加えて、
30秒後、長さを測定する。 ケン縮度(%)=B−A/B×100 (A:初荷重をかけた時の長さ B:規定荷重をかけた時の長さ) 本発明のアクリル系ステープルフアイバーの上
記捲縮度及び捲縮数は特に限定されるものではな
く、紡績可能で、用途、製品の目的に応じて適宜
選択することができるが、捲縮度としては、5〜
20%、好ましくは10〜18%、捲縮数としては5〜
20山/インチ、好ましくは9〜15山/インチの範
囲で付与するのがよい。また、該ステープルフア
イバーの単糸繊度としては0.5〜20デニール(d)、
好ましくは0.5〜5d、繊維長としては32〜128mmの
範囲のものが適宜選択して用いられる。 本発明のアクリル系ステープルフアイバーは前
記要件(a)に加えて、要件(b)の繊維物性、即ち、引
張強度が少なくとも3.5g/d、好ましくは3.8
g/d以上、結節強度が約1.4〜2.0g/d、好ま
しくは1.5〜1.8g/dで、沸水収縮率が4%以
下、好ましくは3%以下の範囲の物性値を満足す
ることが必要である。 すなわち、本発明のアクリル系ステープルフア
イバーの引張強度はより大きい、通常少なくとも
3.5g/d、好ましくは3.8g/d以上にするのが
該ステープルフアイバーの紡績性、高次加工性な
どの点から重要であり、この引張強度を大きくす
ることができるということは従来の抗ピル性アク
リル系繊維のように、結節強度はもちろん、引張
強度も低下せざるを得なかつた場合の問題点、即
ち紡績性、編成性の低下ならびに最終製品の強度
低下(耐久性)を解消するのである。加えて、ア
クリル系繊維の引張強度の増大は沸水収縮率の増
大をもたらすのが普通であり、寸法もしくは形態
安定性の低下をきたし、例えば紡績糸のチーズ染
色において紡績糸の強い収縮によりチーズ内部へ
の染料の拡散が不均一化し染めムラを生ずるなど
の問題を生じるが、本発明のアクリル系ステープ
ルフアイバーから得られる紡績糸にはこのような
問題が派生することはない。 また本発明の目的の一つである抗ピル性を付与
するためには、前記要件(a)の捲縮特性と共に、該
結節強度の規定範囲が同時に満足されてこそ初め
て達成可能になるのである。例えば、要件(a)が満
足されていても、結節強度が2.0g/dを越える
と実用上の抗ピル性が付与されないし、他方1.4
g/dよりも小さくなるとステープルフアイバー
の紡績性が著しく低下し、品質、性能の安定した
製品を得ることが難しくなる。 更に沸水収縮率は、4%を越えると染色時に収
縮が大きいため、チーズ染色の場合には内外層の
染めムラを起こす。また更に重要なことは染色時
の収縮により結節強度が高くなるため、得られる
編織物の抗ピル性が悪化するという問題がある。
なお、沸水収縮率は余りに小いさすぎると、チー
ズ染色後のチーズ形状が悪化するため、好ましく
は0.5%以上のものがよい。 本発明のアクリル系ステープルフアイバーにお
いて、その断面形状は円形乃至ダ円形とし、その
表面をより平滑なものにすることにより、上記本
発明の要件(a)および(b)に起因する抗ピル性、光
沢、耐フイブリル化もしくは耐フロステイング性
及びぬめり性を改良することができ、有利であ
る。 たとえば、第3図は本発明の1実施例によつて
得られたアクリル系繊維および市販アクリル系繊
維の断面および側面の顕微鏡写真であり、は本
発明繊維、およびは市販アクリル系繊維を示
す。第3図から明らかなように本発明のアクリル
系繊維は断面が円形でかつその表面が著しく平滑
であることがわかる。 次に、本発明のステープルフアイバーの製造法
としてはその製造プロセス及び条件を特定化する
ことによつてのみ得ることが可能であり、単に公
知の方法を適用しても得られるものではない。以
下にその代表的な製造法について説明する。ま
ず、アクリロニトリル系共重合体としては少くと
も93モル%のアクリロニトリル(AN)に該AN
に対して共重合性のスルホン酸基含有ビニルモノ
マを0.1〜0.7モル%、好ましくは0.25〜0.45モル
%およびその他のビニル基含有モノマを6モル%
以下、好ましくは3〜4.5モル%の範囲量で共重
合したAN系共重合体が用いられる。スルホン酸
基含有ビニルモノマの共重合率が0.7モル%を超
えると紡糸性が著しく低下するし、染着速度も過
大となり染めムラを生じやすくなる。一方、共重
合率が0.1モル%未満では繊維の光沢および染色
性が低下し、アクリル系繊維特有の高発色性を得
ることができない。 また、AN系共重合体中に含有されるスルホン
酸基含有コモノマの共重合成分の共重合量が6モ
ル%を越えると、沸水収縮率が4%以下であり、
かつ結節強度2.0g/d以下である本発明のアク
リル系ステープルフアイバーの製造が難しい。す
なわち、該共重合成分の共重合量が多くなるにつ
れて、延伸性が向上し、染色性の良いものが得ら
れるが、熱セツト性が低下するほか、残留収縮率
が増大し、4%以下の沸水収縮率を有するアクリ
ル系繊維とすることが困難になる。他方、共重合
率が余りに少くなると染色性、特に濃色レベルを
満足する染色繊維製品が得難くなるし、紡糸性も
低下するので好ましくない。ここで、共重合成分
としては、ビニルスルホン酸、アリルスルホン
酸、メタリルスルホン酸、P−スチレンスルホン
酸及びそれらの金属塩もしくはアンモニウム塩な
どのスルホン酸基含有ビニルモノマ、アクリル
酸、メタクリル酸及びそれらの低級アルキルエス
テル又は塩などのカルボキシル基含有モノマなど
を例示することができるが好ましくは0.25〜0.45
モル%のスルホン酸基含有モノマ、特にメタリル
スルホン酸の金属塩と3〜4.5モル%のアクリル
酸エステル、特にメチルアクリレートを共重合す
るのがよい。 このようなAN系共重合体は各種の溶媒、たと
えばジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチル
ホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド
(DMAC)などの有機溶媒、塩化亜鉛やロダン塩
などの濃厚水溶液、硝酸などの無機系溶媒、好ま
しくは有機溶剤に溶解し、モノマ濃度が約15〜25
重量%の防糸原液として湿式紡糸される。紡糸浴
としては、溶媒量が多い60〜80%好ましくは65〜
75%の前記溶媒を含有する高濃度浴がよく、この
ような溶剤の高濃度浴を用いることによつて本発
明の目的とする円形乃至橢円形で平滑な繊維断面
形状を有するアクリル系繊維を有利に製造するこ
とができる。紡糸浴温としては紡糸性および耐失
透性の面から約15〜50℃、好ましくは30〜45℃の
温度範囲するのがよい。 次に、前記紡糸浴で凝固された凝固糸条は30%
以下のDMSO水溶液中で約4〜8倍、好ましく
は4.5〜6倍に延伸される。この延伸倍率が約4
倍よりも小さいと引張強度が少くとも3.5g/d
の高強度繊維とすることが難しく、また延伸倍率
が8倍を越えると結節強度が2.0g/d以上にな
るので好ましくない。 かくして得られた延伸糸条は温水、たとえば35
〜60℃の水中で十分に該糸条中に含有される溶媒
を除去した後、約120〜170℃、好ましくは130〜
165℃で5%以下、好ましくは0〜3.5%の弛緩下
に加熱され、乾燥緻密化される。次いでこの緻密
化されたアクリル系繊維を約105〜135℃、好まし
くは115〜130℃で少くとも15mg/d好ましくは35
mg/dの張力下、弛緩率が5%以下になるように
緊張蒸熱セツトする。弛緩率が5%を超えると結
節強度が高くなりすぎて、抗ピル性が悪化する。 かくして、緊張蒸熱セツトされた糸条はこの緊
張蒸熱セツトの熱処理条件よりも温和な条件、す
なわち、約60〜90℃の条件下で機械捲縮を付与さ
れる。そして機械捲縮を付与された糸条には通常
アクリル系繊維ステープルフアイバーに採用され
ている捲縮固定熱処理を行なうことなく、そのま
ま所定の繊維長にセツトされる。このように本発
明のアクリル系繊維ステープルフアイバーには前
記緊張蒸熱セツトにおいて付与された熱履歴を保
有させることが必要であり、このような熱履歴を
保有せしめることによつて、本発明の要件(b)を満
足するステープルフアイバーにすることが可能に
なるのである。 本発明のアクリル系捲縮ステープルフアイバー
は単独紡績糸のみならず通常のアクリル系繊維、
羊毛、木綿などとの混紡紡績糸として各種の用途
に使用することができる。特に羊毛との混紡糸は
メンズシヤツ、セーター、婦人用スラツクス、ス
カート、タイツ、ソツクス、体育衣料などに有用
であるが、この場合に用いる本発明のステープル
フアイバーは単糸繊度が1.5〜5d繊維長51〜128
mm、捲縮度8〜15%、捲縮数8〜15山/インチの
ものが好ましい。 また混紡率は羊毛と混紡する場合、50〜95%の
範囲内で本発明のステープルフアイバーを混紡す
るのがよい。 本発明のアクリル系捲縮ステープルフアイバー
は前述したように多くの優れた特徴を有するが、
特に該ステープルフアイバー単独の紡績糸から得
られる繊維製品は次のような特徴を有する。 (1) 強度低下もしくは機械的損傷を与えることに
より抗ピル性を付与したアクリル系繊維のよう
に紡績工程における単繊維の切断、脱落、糸ム
ラ、糸切れなどのトラブルがなく、すぐれた紡
績性を有する。 (2) 紡績糸や編織物製品とした後染色その他の温
熱水処理を施した場合該アクリル系捲縮ステー
プルフアイバーが集束乃至結束され、単繊維が
相互に拘束されている部分はその捲縮が実質的
に保有され、紡績糸や編織物の表面にフリーの
状態で突出している繊維末端部の機械捲縮が選
択的に消失する。したがつて、この捲縮のない
突出した繊維末端には捲縮がなく、しかも繊維
断面が円形乃至橢円形で表面が平滑であるから
相互に絡合し難い。すなわち、抗ピル性を有し
ている。 (3) しかも紡績糸乃至編織物製品の表面に突出し
ている繊維末端は実質的に捲縮を有していない
ことおよびその表面平滑性並びに円形乃至橢円
の断面形状に起因して、通常のアクリル系繊維
とは異なり、ぬめり性のある独特の風合と光
沢、特に染色製品においては鮮明であると同時
に深みのある着色を示す。 (4) 紡績糸及び編織物製品の表面の毛羽又は立毛
を多くしても従来のアクリル系繊維にくらべて
格段にすぐれた抗ピル性を有しており、しかも
捲縮がないから毛皮ライクな風合、光沢を示
す。 以下、実施例により本発明のアクリル系ステー
プルフアイバーについてさらに具体的に説明す
る。 実施例 1 アクリロニトリル95.3モル%、アクリル酸メチ
ル4.3モル%及びメタリルスルホン酸ソーダ0.4モ
ル%をジメチルスルホキシド中で溶液重合して紡
糸原液を作成した。得られた原液の粘度は200ポ
イズ/45℃、濃度は22.0重量%であつた。 この原液を孔径0.055mmφの口金を用いて35℃
に温調した72%ジメチルスルホキシド水溶液中に
吐出して凝固を完了させた後、98℃の熱水中で
5.5倍に延伸した。得られた糸条を十分温水で水
洗した後160℃(緊張状態)で乾燥し引き続いて
連続蒸熱処理機により120℃で緊張処理(ストレ
ート記憶固定)を行なつた。 この糸条を75℃で予熱し機械ケン縮を付与した
後80℃の熱風(フリー状態)で乾燥してアクリル
系繊維トウを得た。得られたトウは単糸繊度2.0
デニール、強度3.95g/d、結節強度1.65g/
d、ケン縮数12山/インチ、ケン縮度14%、沸水
収縮率2.5%の物性を有していた。また、繊維の
断面形状はタテ/ヨコ比が1.1/1.0の断面円形度
を有しており、実質的に円形であり、単繊維表面
は凹凸が小さく、第3図に示すように著しく平
滑であつた。 この糸条を用いて第1図aに示すように、両端
部の約12cmは拘束することなく、中央部の16cmを
結束したトータルデニール100万D長さ40cmのサ
ンプルを作成し、沸水中に約10分間浸漬した後取
出し、結束糸を除去して捲縮形態の変化をしらべ
た。第2図に示すように非拘束状態にある両端
部はケン縮が消失しているが拘束されている中央
部はほぼ沸水処理前と同じケン縮を保有してお
り、両端部のケン縮ストレート化率は87%であつ
た。次に、上記糸条を51mmの長さにカツトした後
得られたステープルフアイバーを常法により紡
績、精紡して1/48の紡績糸を作成した。このステ
ープルフアイバーは従来のアクリル系繊維と同様
に良好な紡績性を示し、紡績時のフライや糸切れ
による遊離短繊維の発生がほとんどなく良好であ
つた。 この紡績糸を用いて常法により編成した後染色
することによつて得られた編地のI、C、Iピリ
ング試験(5時間)を行つた結果、4〜5級の抗
ピル性を示した。また、編地表面に突出している
該アクリル系ステープルフアイバーはその捲縮が
消失しており、濃色で深味のある染色を示し、か
つ柔軟でぬめり性のある触感を有していた。 比較例 1 アクリロニトリル93.3モル%、アクリル酸メチ
ル6.5モル%、メタリルスルホン酸ソーダ0.2モル
%をジメチルスルホキシド中で溶液重合し、濃度
が22.0重量%の紡糸原液を作成した。 この原液を用いて30℃に温調した50%ジメチル
スルホキシド凝固浴中に吐出して凝固を完了させ
た後98℃の熱水中で5.5倍に延伸した。 得られた糸条体を十分、温水で水洗した後160
℃(緊張状態)で乾燥した。この糸条を75℃で予
熱し、機械ケン縮を付与した後110℃の蒸気でケ
ン縮固定を行なうと共に残留収縮率を除去し、フ
リー状態で80℃の熱風で乾燥してアクリル系繊維
トウを得た。 得られたトウは単糸繊度2.0デニール、強度
4.10g/d、結節強度2.60g/d、ケン縮数12
山/インチ、ケン縮度15%、沸水収縮率3.0%の
物性を有していた。この繊維の断面は第3図に
示すようにまゆ型で、単繊維表面の凸凹は大きく
粗であつた。 この糸条を実施例1に示した第1図aのように
束にして沸水中に10分間浸漬した後、取り出し
た。糸を除去して捲縮形態を調べたが、第2図
に示すとおり糸を巻きつけて拘束している部分は
もちろん、フリーな部分もほとんど捲縮が消えず
に残つていた。フリー部分の捲縮ストレート化率
は21%であつた。上記によつて得た繊維を51mmに
カツトを行ないしかる後該繊維の紡績、精紡を行
なつて1/48の紡績糸を製造した。 この紡績糸を通常の方法で編成し染色後得られ
た編地についてICIピリング試験(5Hr)を行な
つた。編地の表面毛羽はからまりやすくピルの発
生が顕著であり、ピル形成後ピルの脱落もなく1
級であつた。また、編地表面に突出しているステ
ープルは捲縮しており、通常のアクリル系繊維製
品と変らず、触感も粗硬であつた。 比較例 2 アクリロニトリル97.3モル%、アクリル酸メチ
ル2.0モル%、メタリルスルホン酸ソーダ0.7モル
%をジメチルスルホキシド中で溶液重合し、濃度
が22.0重量%の紡糸原液を作成した。この原液を
比較液1で示したと同じ方法でアクリル系繊維ト
ウを得た。 得られたトウは単糸繊度2.06デニール、強度
3.23g/d、結節強度1.38g/d、ケン縮数11
山/インチ、ケン縮度13%、沸水収縮率2.4%の
物性を有していた。第3図に示すようにこの繊
維の断面はほぼ円形であつたが単繊維表面の凸凹
は大きく粗であつた。 この糸条は比較例1と同様に沸水中でケン縮が
消えずに残り、フリー部分のケン縮ストレート化
率は18%であつた。この繊維を比較例1と同様に
常法により紡績を行なつて1/48の紡績糸を製造し
た。 この繊維の紡績性は悪く、紡績時のフライや糸
切れによる遊離短繊維の発生が非常に多く不良で
あつた。また、この紡績糸から得られた編地の抗
ピル性はICI試験(5Hr)で4級であつた。 実施例3〜5、比較例3〜5 実施例1において、緊張蒸熱処理および機械捲
縮条件をそれぞれ第1表に示す通り変更して作成
したアクリル系捲縮ステープルフアイバーの物性
および捲縮特性を第2表に示す。
【表】
【表】
【表】
実施例6、比較例6〜22
第3表に示す製造条件(共重合成分組成、凝固
浴条件、紡糸一次延伸倍率、緊張蒸熱処理、機械
捲縮付与後の熱処理条件)に基づいて、実施例1
と同様に単糸繊度2デニールのアクリル系繊維
(ステープルフアアイバー)を作製した。 しかる後、通常の方法により紡績を行つた後、
染色し、編成布を作製した。 このアクリル系繊維の物性、熱水80℃中での非
拘束下における捲縮消滅の有無およびこの繊維の
紡績性と最終製品の抗ピル性を第4表に示す。 この結果が示すように、捲縮特性と繊維物性と
が本発明の規定範囲にある実施例6の繊維は紡績
性と抗ピル性能とが共に良好であつた。 一方、共重合組成、紡糸延伸倍率、緊張蒸熱処
理、機械捲縮付与後の熱処理条件を変化させた比
較例6〜18の繊維は捲縮特性および繊維物性、ま
たはこのいずれかが本発明の規定範囲外にあるた
め目的とする紡績性が良好で、かつ優れた抗ピル
性を兼備えているとは言いがたい。 なお、比較例19〜22で示すように乾燥緻密化工
程を経た糸条を、二次延伸によつて結節強度を低
下させた場合には、紡績性が著しく低下するばか
りでなく、沸水収縮率が高くなるため染色後の最
終製品では抗ピル性が不良であつた。
浴条件、紡糸一次延伸倍率、緊張蒸熱処理、機械
捲縮付与後の熱処理条件)に基づいて、実施例1
と同様に単糸繊度2デニールのアクリル系繊維
(ステープルフアアイバー)を作製した。 しかる後、通常の方法により紡績を行つた後、
染色し、編成布を作製した。 このアクリル系繊維の物性、熱水80℃中での非
拘束下における捲縮消滅の有無およびこの繊維の
紡績性と最終製品の抗ピル性を第4表に示す。 この結果が示すように、捲縮特性と繊維物性と
が本発明の規定範囲にある実施例6の繊維は紡績
性と抗ピル性能とが共に良好であつた。 一方、共重合組成、紡糸延伸倍率、緊張蒸熱処
理、機械捲縮付与後の熱処理条件を変化させた比
較例6〜18の繊維は捲縮特性および繊維物性、ま
たはこのいずれかが本発明の規定範囲外にあるた
め目的とする紡績性が良好で、かつ優れた抗ピル
性を兼備えているとは言いがたい。 なお、比較例19〜22で示すように乾燥緻密化工
程を経た糸条を、二次延伸によつて結節強度を低
下させた場合には、紡績性が著しく低下するばか
りでなく、沸水収縮率が高くなるため染色後の最
終製品では抗ピル性が不良であつた。
【表】
【表】
である。
【表】
【表】
実施例7、比較例23〜25
第5表に示す共重合組成比で溶液重合した紡糸
原液を、実施例1と同様に紡糸し、単糸繊度2デ
ニールの乾燥糸条を得た。 この乾燥糸条を第5表の条件で緊張蒸熱処理、
捲縮付与、捲縮固定熱処理を施し、そのまま51mm
の長さにカツトし、常法により紡績、精紡して1/
48の紡績糸を作製した。この紡績糸について染
色・編成後、抗ピル性を評価した。結果を第6表
に示す。 この結果が示すように、捲縮特性と繊維物性と
が本発明の規定範囲にある実施例7の繊維は紡績
性能を示す精紡回転数、糸切れおよび糸強力が良
好で、かつ最終製品の抗ピル性も良好であつた。
一方、比較例23〜25の繊維は捲縮特性および繊維
物性が本発明の規定範囲外にあるため優れた紡績
性と抗ピル性とを兼備するものとは言えない。
原液を、実施例1と同様に紡糸し、単糸繊度2デ
ニールの乾燥糸条を得た。 この乾燥糸条を第5表の条件で緊張蒸熱処理、
捲縮付与、捲縮固定熱処理を施し、そのまま51mm
の長さにカツトし、常法により紡績、精紡して1/
48の紡績糸を作製した。この紡績糸について染
色・編成後、抗ピル性を評価した。結果を第6表
に示す。 この結果が示すように、捲縮特性と繊維物性と
が本発明の規定範囲にある実施例7の繊維は紡績
性能を示す精紡回転数、糸切れおよび糸強力が良
好で、かつ最終製品の抗ピル性も良好であつた。
一方、比較例23〜25の繊維は捲縮特性および繊維
物性が本発明の規定範囲外にあるため優れた紡績
性と抗ピル性とを兼備するものとは言えない。
【表】
リルスルホン酸ソーダである。
【表】
実施例 8
実施例3で得られたアクリルステープル70%と
ウール30%を混紡し、1/38の紡績糸を得た。紡績
性はレギユラーアクリル、ウール混の場合と同等
であり、良好であつた。得られた紡績糸を用いて
メンズシヤツ(シングルジヤージ、天竺)を作成
し、抗ピル性を評価した。 ICIのピルテストは4〜5級と良好であつた。
また、1シーズンの着用テストを行なつたが、ピ
ルの発生はほとんど認められず、従来品に比べて
顕著な効果が認められた。
ウール30%を混紡し、1/38の紡績糸を得た。紡績
性はレギユラーアクリル、ウール混の場合と同等
であり、良好であつた。得られた紡績糸を用いて
メンズシヤツ(シングルジヤージ、天竺)を作成
し、抗ピル性を評価した。 ICIのピルテストは4〜5級と良好であつた。
また、1シーズンの着用テストを行なつたが、ピ
ルの発生はほとんど認められず、従来品に比べて
顕著な効果が認められた。
第1図は本発明品の温水処理による捲縮特性の
変化をモデル的に示した平面図である。aは温水
処理前アクリル系繊維の両端部を残して中央部を
結束糸でまいた状態を示す。bはaの状態で温水
処理後結束糸を除去した時のケン縮形態を示す。
第2図は温水処理前後の捲縮形態の変化を示す写
真、第3図は本発明および各種市販アクリル系繊
維の断面および側面の顕微鏡写真である。
変化をモデル的に示した平面図である。aは温水
処理前アクリル系繊維の両端部を残して中央部を
結束糸でまいた状態を示す。bはaの状態で温水
処理後結束糸を除去した時のケン縮形態を示す。
第2図は温水処理前後の捲縮形態の変化を示す写
真、第3図は本発明および各種市販アクリル系繊
維の断面および側面の顕微鏡写真である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 アクリロニトリルを主成分とするアクリロニ
トリル系共重合体からなり、次の(a)及び(b)の要件
を満足する新規な捲縮特性および繊維物性が一体
的に結合されたアクリル系ステープルフアイバ
ー。 (a) 約80℃の熱水中に浸漬した場合に該ステープ
ルフアイバーに付与された捲縮は拘束下におい
てはその捲縮を保有するが、非拘束下において
は実質的にその捲縮を消失すること。 (b) 該ステープルフアイバーの引張強度が少なく
とも3.5g/d、結節強度が約1.4〜2.0g/d及
び沸水収縮率が4%以下であること。 2 特許請求の範囲第1項におけるアクリロニト
リル系ステープルフアイバーの捲縮数が約5〜20
山/インチ、捲縮度5〜20%であり、要件(a)の温
水処理によつて、拘束下では実質的に前記捲縮数
および捲縮度を保有し、非拘束下においては捲縮
消失の程度を示す下式の捲縮ストレート化率が少
なくとも約70%である新規な捲縮特性および繊維
物性が一体的に結合されたアクリル系ステープル
フアイバー。 捲縮ストレート化率(%)= 温水処理前捲縮度−温水処理後捲縮度/温水処理前捲
縮度×100
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9650681A JPS584811A (ja) | 1981-06-24 | 1981-06-24 | 新規な捲縮特性を有するアクリル系ステ−プル・ファイバ−およびその紡績糸 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9650681A JPS584811A (ja) | 1981-06-24 | 1981-06-24 | 新規な捲縮特性を有するアクリル系ステ−プル・ファイバ−およびその紡績糸 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS584811A JPS584811A (ja) | 1983-01-12 |
| JPH0138885B2 true JPH0138885B2 (ja) | 1989-08-17 |
Family
ID=14166997
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9650681A Granted JPS584811A (ja) | 1981-06-24 | 1981-06-24 | 新規な捲縮特性を有するアクリル系ステ−プル・ファイバ−およびその紡績糸 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS584811A (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS59157351A (ja) * | 1983-02-18 | 1984-09-06 | 東レ株式会社 | アクリル系立毛繊維製品 |
| JP5161455B2 (ja) * | 2006-12-20 | 2013-03-13 | 三菱レイヨン株式会社 | 抗ピル性能を有するアクリル系繊維 |
| BR112017011472B1 (pt) | 2014-12-15 | 2022-09-13 | Nuovo Pignone Tecnologie Srl | Combustor para uma turbina a gás e método para montar um forro de combustor |
-
1981
- 1981-06-24 JP JP9650681A patent/JPS584811A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS584811A (ja) | 1983-01-12 |
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