JPH0140894B2 - - Google Patents
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- JPH0140894B2 JPH0140894B2 JP9505580A JP9505580A JPH0140894B2 JP H0140894 B2 JPH0140894 B2 JP H0140894B2 JP 9505580 A JP9505580 A JP 9505580A JP 9505580 A JP9505580 A JP 9505580A JP H0140894 B2 JPH0140894 B2 JP H0140894B2
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Landscapes
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
- Heat Treatment Of Articles (AREA)
Description
発明の目的
本発明は、熱間工具鋼の改良に関し、詳しく
は、靭性および高温における耐摩耗性にすぐれた
二次硬化型熱間工具鋼の製造方法に関する。
は、靭性および高温における耐摩耗性にすぐれた
二次硬化型熱間工具鋼の製造方法に関する。
従来の熱間工具鋼には、JIS SKD61に代表さ
れる5Cr系熱間工具鋼、AISIH10の3Cr−3Mo系
熱間工具鋼、0.2C−3Ni−3Moに代表される析出
硬化型系熱間工具鋼があり、用途に応じて使いわ
けられている。 それらを熱処理状態で区分すると、前二者の系
統の熱間工具鋼は焼なまし状態で金型粗加工し、
焼入れ焼もどしの調質を行つたのち精加工して型
打ちに供されるのに対して、後者の析出硬化型系
のものは、あらかじめ調質した状態で金型加工を
行なう、いわゆるプレハードン鋼である。プレハ
ードン鋼の焼入れは、熱間工具鋼として必要な靭
性と耐摩耗性を確保するために、いずれも油冷な
どのできるだけ速く冷却する手段によるのが一般
的であり、そのために使用面や性能面で、さまざ
まな制約があつた。 すなわち、前二者の系統の熱間工具鋼は、必要
な耐摩耗性を確保するためHRC48前後に調質する
のが一般的であるが、これは切削加工が不可能な
硬さであり、面下げ加工のときはそのつど焼なま
し−再調質をしなければならない。またこの系統
の熱間工具鋼は、一般に600℃以上の高温焼もど
し処理をされるため高温での軟化が早いことと、
靭性が低いためワレが生じやすいという欠点があ
る。 一方、後者の析出硬化型系の系統の熱間工具鋼
は、前二者の熱間工具鋼の欠点を改善することを
意図したものであるが、これにも短所があり、用
途が制限されている。その硬化機構はMo2Cなど
の炭化物の析出による硬化であるが、油焼入れに
より切削加工可能な硬さHRC≦45になるよう、
C添加量は0.2%前後と低く限定される。従つて、
熱間工具鋼として必要な強度を確保するために、
Mo,V,Wなどの炭化物形成元素を多量に添加
しなければならないし、焼もどしは450℃以下の
低温焼もどしに限定されるため、熱処理残留応力
が高くて金型加工中や型打初期にワレが発生しや
すい。 最近の熱間鍛造技術の進歩は著しく、鍛造作業
の自動化、高速化には目ざましいものがあり、そ
れにともなつて寿命が長く信頼性の高い熱間工具
鋼へのニーズが高まつてきた。従来の熱間工具鋼
ではこのような新しい情勢に対処できなくなりつ
つあり、それらに代る、靭性および高温における
耐摩耗性にすぐれ、高寿命が得られる新しい合金
の開発が強く要望されている。
れる5Cr系熱間工具鋼、AISIH10の3Cr−3Mo系
熱間工具鋼、0.2C−3Ni−3Moに代表される析出
硬化型系熱間工具鋼があり、用途に応じて使いわ
けられている。 それらを熱処理状態で区分すると、前二者の系
統の熱間工具鋼は焼なまし状態で金型粗加工し、
焼入れ焼もどしの調質を行つたのち精加工して型
打ちに供されるのに対して、後者の析出硬化型系
のものは、あらかじめ調質した状態で金型加工を
行なう、いわゆるプレハードン鋼である。プレハ
ードン鋼の焼入れは、熱間工具鋼として必要な靭
性と耐摩耗性を確保するために、いずれも油冷な
どのできるだけ速く冷却する手段によるのが一般
的であり、そのために使用面や性能面で、さまざ
まな制約があつた。 すなわち、前二者の系統の熱間工具鋼は、必要
な耐摩耗性を確保するためHRC48前後に調質する
のが一般的であるが、これは切削加工が不可能な
硬さであり、面下げ加工のときはそのつど焼なま
し−再調質をしなければならない。またこの系統
の熱間工具鋼は、一般に600℃以上の高温焼もど
し処理をされるため高温での軟化が早いことと、
靭性が低いためワレが生じやすいという欠点があ
る。 一方、後者の析出硬化型系の系統の熱間工具鋼
は、前二者の熱間工具鋼の欠点を改善することを
意図したものであるが、これにも短所があり、用
途が制限されている。その硬化機構はMo2Cなど
の炭化物の析出による硬化であるが、油焼入れに
より切削加工可能な硬さHRC≦45になるよう、
C添加量は0.2%前後と低く限定される。従つて、
熱間工具鋼として必要な強度を確保するために、
Mo,V,Wなどの炭化物形成元素を多量に添加
しなければならないし、焼もどしは450℃以下の
低温焼もどしに限定されるため、熱処理残留応力
が高くて金型加工中や型打初期にワレが発生しや
すい。 最近の熱間鍛造技術の進歩は著しく、鍛造作業
の自動化、高速化には目ざましいものがあり、そ
れにともなつて寿命が長く信頼性の高い熱間工具
鋼へのニーズが高まつてきた。従来の熱間工具鋼
ではこのような新しい情勢に対処できなくなりつ
つあり、それらに代る、靭性および高温における
耐摩耗性にすぐれ、高寿命が得られる新しい合金
の開発が強く要望されている。
本発明者らは、研究の結果、特定の組成の合金
工具鋼において未変態の残留オーステナイトを活
用することにより、靭性と耐摩耗性という両立し
難い特性をともに改善できることを見出した。 従つて本発明の目的は、この知見を利用して、
析出硬化型の熱間工具鋼において、靭性および高
温における耐摩耗性にすぐれ、広い用途に向ける
ことのできる熱間工具鋼の製造方法を提供するこ
とにある。 発明の構成
工具鋼において未変態の残留オーステナイトを活
用することにより、靭性と耐摩耗性という両立し
難い特性をともに改善できることを見出した。 従つて本発明の目的は、この知見を利用して、
析出硬化型の熱間工具鋼において、靭性および高
温における耐摩耗性にすぐれ、広い用途に向ける
ことのできる熱間工具鋼の製造方法を提供するこ
とにある。 発明の構成
本発明の熱間工具鋼の製造方法は、基本的な合
金組成としてC:0.15〜0.45%、Si:2.0%以下、
Mn:2.0%以下、Cr:2.6〜4.5%およびMo:0.50
〜3.5%に加えて、V:0.01〜2.0%、W:0.01〜
4.0%、Ti:0.001〜0.5%、Zr:0.001〜0.5%およ
びNb:0.001〜0.5%の1種または2種以上を含有
し、残部が実質的にFeからなる合金組成の工具
鋼を材料とし、これをAc3+5℃以上の温度でオ
ーステナイト化したのち、500℃から150℃までの
ベイナイト変態領域を5℃/min以下の冷却速度
で徐冷焼入れし、しかるのち470℃以下の温度で
低温焼もどしすることにより、未変態オーステナ
イトが体積率で7%以上残留させたことを特徴と
する二次硬化型の熱間工具鋼である。 上記の基本組成に加えて、本発明の熱間工具鋼
の製造に当つては、下記の添加元素を添加するこ
とができる。 1 Ni:0.25〜1.0%、Co:0.05〜4.0%、Cr:3.0
%以下およびB:0.0005〜0.010%の1種また
は2種以上。 2 Ca:0.0005〜0.0100%および希土類元素:
0.0005〜0.200%の1種または2種。 3 Ni:0.25〜1.0%、Co:0.05〜4.0%、Cu:3.0
%以下およびB:0.0005〜0.010%の1種また
は2種以上、ならびに、Ca:0.0005〜0.0100%
および希土類元素:0.0005〜0.200%の1種ま
たは2種。 ここで、希土元素とは、YおよびLa,Ce,Nd
などのランタニド系元素を意味する。
金組成としてC:0.15〜0.45%、Si:2.0%以下、
Mn:2.0%以下、Cr:2.6〜4.5%およびMo:0.50
〜3.5%に加えて、V:0.01〜2.0%、W:0.01〜
4.0%、Ti:0.001〜0.5%、Zr:0.001〜0.5%およ
びNb:0.001〜0.5%の1種または2種以上を含有
し、残部が実質的にFeからなる合金組成の工具
鋼を材料とし、これをAc3+5℃以上の温度でオ
ーステナイト化したのち、500℃から150℃までの
ベイナイト変態領域を5℃/min以下の冷却速度
で徐冷焼入れし、しかるのち470℃以下の温度で
低温焼もどしすることにより、未変態オーステナ
イトが体積率で7%以上残留させたことを特徴と
する二次硬化型の熱間工具鋼である。 上記の基本組成に加えて、本発明の熱間工具鋼
の製造に当つては、下記の添加元素を添加するこ
とができる。 1 Ni:0.25〜1.0%、Co:0.05〜4.0%、Cr:3.0
%以下およびB:0.0005〜0.010%の1種また
は2種以上。 2 Ca:0.0005〜0.0100%および希土類元素:
0.0005〜0.200%の1種または2種。 3 Ni:0.25〜1.0%、Co:0.05〜4.0%、Cu:3.0
%以下およびB:0.0005〜0.010%の1種また
は2種以上、ならびに、Ca:0.0005〜0.0100%
および希土類元素:0.0005〜0.200%の1種ま
たは2種。 ここで、希土元素とは、YおよびLa,Ce,Nd
などのランタニド系元素を意味する。
上記の組成の合金工具鋼は、まず500℃近辺ま
で冷却し(この冷却の速度は、パーライト変態を
避けて焼入れの目的を達成できる範囲で、任意に
えらぶことができる)、続いて500→150℃の間を
5℃/min以下の速度で冷却する徐冷焼入れで処
理する。これにより、7%以上の残留オーステナ
イトが生成し、好ましい靭性が得られる。この残
留オーステナイトは型打時の金型表面の昇温によ
つて分解し、表層部だけ二次硬化するから、高温
における耐摩耗性が向上する。このようにして、
靭性と耐摩耗性という相反する特性をともに改善
することができる。 本発明において熱間工具鋼の成分組成を上記の
範囲に限定した理由を、まず必須合金元素から説
明する。 C:0.15〜0.45% 強度を向上させ、耐摩耗性を付与するのに必須
な元素であり、熱間工具鋼として必要なレベルを
確保するためには0.15%以上含有させる必要があ
る。C量の増加とともに強度は増加し、耐摩耗性
も向上するが、靭性は低下するため、0.45%以下
に限定した。 Si:2.0%以下 溶製時の脱酸効果のほか、基地の強化、耐酸化
性の向上に有効な元素であり、積極的に含有させ
ることが望ましい。ただし、多量に含有すると地
キズが多くなると同時に被削性、靭性および耐ヒ
ートチエツク性が低下するため、上記限度内とす
る。 Mn:2.0%以下 溶製時の脱酸および脱硫の効果に加えて、焼入
性確保のために有効であり、これも積極的に添加
するとよい。しかし、被削性にとつては好ましく
ないので、2.0%以内に止める。 Cr:2.6〜4.5% 本発明の特徴のひとつである安定な残寮オース
テナイトの生成に必要であり、7%以上の残留オ
ーステナイトを生成させるには、2.6%以上含有
させなければならない。Cr含有量を高めれば安
定な残留オーステナイトが増加し、その分解によ
る二次硬化性能も大きくなつて高温での耐摩耗性
が向上するが、過大になると650℃以上での軟化
抵抗性が低下するので、4.5%の上限を設けた。 Mo:0.50〜3.5% ベイナイト変態を促進し、安定な残留オーステ
ナイトの生成に有用であると同時に、Mo2C炭化
物の析出による高温での焼もどし軟化抵抗性の向
上に有効な元素である。安定な残留オーステナイ
トの生成ならびに熱間工具鋼として必要な焼もど
し軟化抵抗性を確保するためには、少なくとも
0.50%添加しなければならない。一方、多量にな
ると被削性や靭性が低下するので、3.5%以下の
添加量をえらぶ。 V:0.01〜2.0% 熱間工具鋼にとつて必要な焼もどし軟化抵抗性
を高めるとともに、高温における耐摩耗性を向上
させるから、0.01%以上の含有が望ましい。ただ
し、多量になると未溶解のVCが増加して靭性、
被削性、耐ヒートチエツク性が低下するので、
2.0%を限界とする。 W:0.01〜4.0% Ti:0.001〜0.5%、Zr:0.001〜0.5%、Nb:0.001
〜0.5% これらはいずれも強力な炭化物形成元素であ
り、0.001%という微量の添加で焼もどし軟化抵
抗性を高め、高温での耐摩耗性を向上させる効果
がある。含有量の増大につれて未溶解炭化物が多
くなり、靭性に悪影響をおよぼすので0.5%を超
えて添加すべきでない。 本発明の熱間工具鋼の製造において、任意添加
元素のはたらきと組成の限定理由はつぎのとおり
である。 Ni:0.25〜1.0% 残留オーステナイトを安定化させる効果を期待
して、0.25%以上含有させることが望ましい。し
かし、多量にすぎるとベイナイト変態を抑制し、
残留オーステナイトが生成しにくくなるので、
1.0%以下が適当である。 Co:0.05〜4.0% CoもNiと同様に残留オーステナイトの安定化
に役立ち、それと同時に高温における炭化物の凝
集を抑制し、高温での軟化抵抗性を高める。この
効果を得るため、0.05%以上添加する。多量の存
在は耐ヒートチエツク性を低くし金型の大ワレを
促進するので、4.0%以下が適当である。 Cu:3.0%以下 炭化物の析出を促進して高温における耐摩耗性
を向上させる。従つて、使用目的に応じて適量添
加させることが望ましい。以上の添加は靭性を低
下させる。 B:0.0005〜0.010% 焼入性を向上させるから、とくに大型材には積
極的に添加することが望ましい。この効果は
0.0005%以上の含有で得られるが、0.010%を上
回ると靭性、耐ヒートチエツク性が低下する。 Ca:0.0005〜0.0100%、 希土類元素:0.0005〜0.200% 両者とも鋼中の硫化物系介在物を球状化し、熱
間工具鋼の機械的性質の異方性を抵減するという
はたらきがある。そこで、これらも目的に応じて
適量含有させるとよいが、靭性、耐ヒートチエツ
ク性を低下させるので、それぞれは上記した範囲
内で添加する。
で冷却し(この冷却の速度は、パーライト変態を
避けて焼入れの目的を達成できる範囲で、任意に
えらぶことができる)、続いて500→150℃の間を
5℃/min以下の速度で冷却する徐冷焼入れで処
理する。これにより、7%以上の残留オーステナ
イトが生成し、好ましい靭性が得られる。この残
留オーステナイトは型打時の金型表面の昇温によ
つて分解し、表層部だけ二次硬化するから、高温
における耐摩耗性が向上する。このようにして、
靭性と耐摩耗性という相反する特性をともに改善
することができる。 本発明において熱間工具鋼の成分組成を上記の
範囲に限定した理由を、まず必須合金元素から説
明する。 C:0.15〜0.45% 強度を向上させ、耐摩耗性を付与するのに必須
な元素であり、熱間工具鋼として必要なレベルを
確保するためには0.15%以上含有させる必要があ
る。C量の増加とともに強度は増加し、耐摩耗性
も向上するが、靭性は低下するため、0.45%以下
に限定した。 Si:2.0%以下 溶製時の脱酸効果のほか、基地の強化、耐酸化
性の向上に有効な元素であり、積極的に含有させ
ることが望ましい。ただし、多量に含有すると地
キズが多くなると同時に被削性、靭性および耐ヒ
ートチエツク性が低下するため、上記限度内とす
る。 Mn:2.0%以下 溶製時の脱酸および脱硫の効果に加えて、焼入
性確保のために有効であり、これも積極的に添加
するとよい。しかし、被削性にとつては好ましく
ないので、2.0%以内に止める。 Cr:2.6〜4.5% 本発明の特徴のひとつである安定な残寮オース
テナイトの生成に必要であり、7%以上の残留オ
ーステナイトを生成させるには、2.6%以上含有
させなければならない。Cr含有量を高めれば安
定な残留オーステナイトが増加し、その分解によ
る二次硬化性能も大きくなつて高温での耐摩耗性
が向上するが、過大になると650℃以上での軟化
抵抗性が低下するので、4.5%の上限を設けた。 Mo:0.50〜3.5% ベイナイト変態を促進し、安定な残留オーステ
ナイトの生成に有用であると同時に、Mo2C炭化
物の析出による高温での焼もどし軟化抵抗性の向
上に有効な元素である。安定な残留オーステナイ
トの生成ならびに熱間工具鋼として必要な焼もど
し軟化抵抗性を確保するためには、少なくとも
0.50%添加しなければならない。一方、多量にな
ると被削性や靭性が低下するので、3.5%以下の
添加量をえらぶ。 V:0.01〜2.0% 熱間工具鋼にとつて必要な焼もどし軟化抵抗性
を高めるとともに、高温における耐摩耗性を向上
させるから、0.01%以上の含有が望ましい。ただ
し、多量になると未溶解のVCが増加して靭性、
被削性、耐ヒートチエツク性が低下するので、
2.0%を限界とする。 W:0.01〜4.0% Ti:0.001〜0.5%、Zr:0.001〜0.5%、Nb:0.001
〜0.5% これらはいずれも強力な炭化物形成元素であ
り、0.001%という微量の添加で焼もどし軟化抵
抗性を高め、高温での耐摩耗性を向上させる効果
がある。含有量の増大につれて未溶解炭化物が多
くなり、靭性に悪影響をおよぼすので0.5%を超
えて添加すべきでない。 本発明の熱間工具鋼の製造において、任意添加
元素のはたらきと組成の限定理由はつぎのとおり
である。 Ni:0.25〜1.0% 残留オーステナイトを安定化させる効果を期待
して、0.25%以上含有させることが望ましい。し
かし、多量にすぎるとベイナイト変態を抑制し、
残留オーステナイトが生成しにくくなるので、
1.0%以下が適当である。 Co:0.05〜4.0% CoもNiと同様に残留オーステナイトの安定化
に役立ち、それと同時に高温における炭化物の凝
集を抑制し、高温での軟化抵抗性を高める。この
効果を得るため、0.05%以上添加する。多量の存
在は耐ヒートチエツク性を低くし金型の大ワレを
促進するので、4.0%以下が適当である。 Cu:3.0%以下 炭化物の析出を促進して高温における耐摩耗性
を向上させる。従つて、使用目的に応じて適量添
加させることが望ましい。以上の添加は靭性を低
下させる。 B:0.0005〜0.010% 焼入性を向上させるから、とくに大型材には積
極的に添加することが望ましい。この効果は
0.0005%以上の含有で得られるが、0.010%を上
回ると靭性、耐ヒートチエツク性が低下する。 Ca:0.0005〜0.0100%、 希土類元素:0.0005〜0.200% 両者とも鋼中の硫化物系介在物を球状化し、熱
間工具鋼の機械的性質の異方性を抵減するという
はたらきがある。そこで、これらも目的に応じて
適量含有させるとよいが、靭性、耐ヒートチエツ
ク性を低下させるので、それぞれは上記した範囲
内で添加する。
【実施例 1】
第1表に示す合金組成の熱間工具鋼を溶製し、
基本物性を測定するとともに実用性を調査した。 第1図に、第1表の供試材No.1〜7について、
二次硬化能と残留オーステナイトの生成におよぼ
す焼入冷却速度の影響を調査した結果を示す。各
供試材の焼入温度は、第2表のとおりである。 第1図のデータは、本願発明鋼は500→150℃の
焼入冷却速度を5℃/min以下にすると残留オー
ステナイト量が急激に増大し、それとともに二次
硬化能も高まることを示している。この結果か
ら、本発明の鋼において十分な二次硬化硬さを得
るためには、焼入を上の条件で行ない、残留オー
ステナイトを体積率で7%以上とすべきことがわ
かる。
基本物性を測定するとともに実用性を調査した。 第1図に、第1表の供試材No.1〜7について、
二次硬化能と残留オーステナイトの生成におよぼ
す焼入冷却速度の影響を調査した結果を示す。各
供試材の焼入温度は、第2表のとおりである。 第1図のデータは、本願発明鋼は500→150℃の
焼入冷却速度を5℃/min以下にすると残留オー
ステナイト量が急激に増大し、それとともに二次
硬化能も高まることを示している。この結果か
ら、本発明の鋼において十分な二次硬化硬さを得
るためには、焼入を上の条件で行ない、残留オー
ステナイトを体積率で7%以上とすべきことがわ
かる。
【表】
【表】
【表】
第2図は、第1表に示した供試材のうち本発明
鋼であるNo.1〜7と、比較鋼であるNo.14〜16と
の、焼入れ焼もどし硬さと焼もどし温度との関係
をプロツトしたものである。焼入れ焼もどしは、
No.1〜7については500→150℃間を2.8〜3.1℃/
minで冷却した除冷焼入れを行なつて300〜700℃
で焼もどしをし、No.14〜16については油焼入れを
したのち300〜700℃で焼もどしをする、という条
件を採用した。 第3図は、やはり第1表に示した供試材No.1〜
7とNo.14〜16とを、焼入れ焼もどし後650℃に恒
温保持したときの、焼もどし硬さの変化をしらべ
た結果を示す。ここでの熱処理は、No.1〜7の供
試材は上記の徐冷焼入れ後400℃で焼もどしし、
No.14〜16は油焼入れ後それぞれ異なる条件(No.14
は610℃の焼もどしNo.15は450℃の低温焼もどし、
No.16は615℃)で焼もどしして、硬さをHRC48に
調整して実施した。 第2図にみるように、本発明による鋼はいずれ
も500℃前後の焼もどしで二次硬化がはじまり、
550〜600℃の焼もどしでそれがピークに達してい
る。高温で焼もどししたときの硬さ変化を示す第
3図にみるように、本発明による鋼はいずれも保
持時間が4分までは二次硬化によつて硬さは上昇
し、その後は時間の経過とともに低下するが、比
較鋼であるNo.14,16は保持時間の経過とともに硬
さが低下し、3〜4分保持以後は本発明による鋼
より低い硬さとなる。従つて本発明による鋼の優
位は明らかである。 第1表に示した供試材について、その実用特性
を確認するため、鍛造により高さ200mm×幅250mm
×長さ450mmのブロツクを成形し、その靭性を衝
撃値で評価するとともに実用金型における型打試
験を行なつた。その熱処理条件と試験の結果を、
第3表に示す。 本発明による鋼であるNo.1〜13は、比較鋼No.14
〜16にくらべて靭性がすぐれていた。とくに機械
的性質の異方性を軽減する目的でCa,Y,La,
Ce,Ndを適量含有させたNo.8〜13は、T方向の
衝撃値が大幅に向上しており、その有用性が確認
された。実用性についても、やはり第3表のデー
タから、従来品である比較鋼No.14〜16にくらべて
金型寿命は大いに向上し、耐摩耗性、耐ワレ性も
改善されていることが確認できた。 ここで本発明による鋼のうちNo.1,2,4,
5,7,8,10,11および13はプレハードン鋼と
して使用し、No.3,6,9,12は調質鋼として使
用したものであるが、後者は前者より摩耗そ少な
く、良好な金型寿命が得られた。
鋼であるNo.1〜7と、比較鋼であるNo.14〜16と
の、焼入れ焼もどし硬さと焼もどし温度との関係
をプロツトしたものである。焼入れ焼もどしは、
No.1〜7については500→150℃間を2.8〜3.1℃/
minで冷却した除冷焼入れを行なつて300〜700℃
で焼もどしをし、No.14〜16については油焼入れを
したのち300〜700℃で焼もどしをする、という条
件を採用した。 第3図は、やはり第1表に示した供試材No.1〜
7とNo.14〜16とを、焼入れ焼もどし後650℃に恒
温保持したときの、焼もどし硬さの変化をしらべ
た結果を示す。ここでの熱処理は、No.1〜7の供
試材は上記の徐冷焼入れ後400℃で焼もどしし、
No.14〜16は油焼入れ後それぞれ異なる条件(No.14
は610℃の焼もどしNo.15は450℃の低温焼もどし、
No.16は615℃)で焼もどしして、硬さをHRC48に
調整して実施した。 第2図にみるように、本発明による鋼はいずれ
も500℃前後の焼もどしで二次硬化がはじまり、
550〜600℃の焼もどしでそれがピークに達してい
る。高温で焼もどししたときの硬さ変化を示す第
3図にみるように、本発明による鋼はいずれも保
持時間が4分までは二次硬化によつて硬さは上昇
し、その後は時間の経過とともに低下するが、比
較鋼であるNo.14,16は保持時間の経過とともに硬
さが低下し、3〜4分保持以後は本発明による鋼
より低い硬さとなる。従つて本発明による鋼の優
位は明らかである。 第1表に示した供試材について、その実用特性
を確認するため、鍛造により高さ200mm×幅250mm
×長さ450mmのブロツクを成形し、その靭性を衝
撃値で評価するとともに実用金型における型打試
験を行なつた。その熱処理条件と試験の結果を、
第3表に示す。 本発明による鋼であるNo.1〜13は、比較鋼No.14
〜16にくらべて靭性がすぐれていた。とくに機械
的性質の異方性を軽減する目的でCa,Y,La,
Ce,Ndを適量含有させたNo.8〜13は、T方向の
衝撃値が大幅に向上しており、その有用性が確認
された。実用性についても、やはり第3表のデー
タから、従来品である比較鋼No.14〜16にくらべて
金型寿命は大いに向上し、耐摩耗性、耐ワレ性も
改善されていることが確認できた。 ここで本発明による鋼のうちNo.1,2,4,
5,7,8,10,11および13はプレハードン鋼と
して使用し、No.3,6,9,12は調質鋼として使
用したものであるが、後者は前者より摩耗そ少な
く、良好な金型寿命が得られた。
【表】
【実施例 2】
第4表に示す合金組成の熱間工具鋼を溶製し、
実施例1にならつて基本物性を測定した。その結
果を、熱処理条件とともに第5表に示す。
実施例1にならつて基本物性を測定した。その結
果を、熱処理条件とともに第5表に示す。
【表】
【表】
発明の効果
本発明の方法により製造した二次硬化型熱間工
具鋼は、すぐれた靭性と高温での耐摩耗性を兼備
しており、苛酷な条件のもとでの使用にかかわら
ず高寿命が要求される熱間工具鋼として、きわめ
て有用な鋼である。 本発明による鋼の実用面における特徴は、成分
バランスを選択することにより、焼入れ後470℃
以下の焼もどし状態における硬さいかんに従つ
て、プレハードン鋼としても、あるいは調質鋼と
しても使用できることである。すなわち、硬さが
HRC≦45の場合にはプレハードン鋼として使用
でき、HRC>45の場合には調質鋼として使用で
きる。後者は、とくに高寿命を要求されるときに
適する。
具鋼は、すぐれた靭性と高温での耐摩耗性を兼備
しており、苛酷な条件のもとでの使用にかかわら
ず高寿命が要求される熱間工具鋼として、きわめ
て有用な鋼である。 本発明による鋼の実用面における特徴は、成分
バランスを選択することにより、焼入れ後470℃
以下の焼もどし状態における硬さいかんに従つ
て、プレハードン鋼としても、あるいは調質鋼と
しても使用できることである。すなわち、硬さが
HRC≦45の場合にはプレハードン鋼として使用
でき、HRC>45の場合には調質鋼として使用で
きる。後者は、とくに高寿命を要求されるときに
適する。
第1図は、本発明において鋼の二次硬化能と残
留オーステナイトの生成におよぼす焼入冷却速度
の影響を示すグラフである。第2図は、本発明に
よる鋼の焼入焼もどし硬さを従来鋼と比較して示
すグラフである。第3図は、本発明において鋼を
高温で焼もどししたときの硬さ変化を、従来鋼と
比較して示すグラフである。
留オーステナイトの生成におよぼす焼入冷却速度
の影響を示すグラフである。第2図は、本発明に
よる鋼の焼入焼もどし硬さを従来鋼と比較して示
すグラフである。第3図は、本発明において鋼を
高温で焼もどししたときの硬さ変化を、従来鋼と
比較して示すグラフである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 C:0.15〜0.45%、Si:2.0%以下、Mn:2.0
%以下、Cr:2.6〜4.5%およびMo:0.50〜3.5%
に加えて、V:0.01〜2.0%、W:0.01〜4.0%、
Ti:0.001〜0.5%、Zr:0.001〜0.5%およびNb:
0.001〜0.5%の1種または2種以上を含有し、残
部が実質的にFeからなる合金を、Ac3+50℃以上
の温度でオーステナイト化したのち、500℃から
150℃までのベイナイト変態領域を5℃/min以
下の冷却速度で徐冷焼入れし、ついで470℃以下
の温度で低温焼もどしすることにより、未変態オ
ーステナイトを体積率で7%以上残留させた工具
鋼を得ることを特徴とする二次硬化型熱間工具鋼
の製造方法。 2 C:0.15〜0.45%、Si:2.0%以下、Mn:2.0
%以下、Cr:2.6〜4.5%およびMo:0.50〜3.5%
に加えて、V:0.01〜2.0%、W:0.01〜4.0%、
Ti:0.001〜0.5%、Zr:0.001〜0.5%およびNb:
0.001〜0.5%の1種または2種以上と、さらに
Ni:0.25〜1.0%、Co:0.05〜4.0%、Cu:3.0%以
下およびB:0.0005〜0.010%の1種または2種
以上を含有し残部が実質的にFeからなる合金を、
Ac3+50℃以上の温度でオーステナイト化したの
ち、500℃から150℃までのベイナイト変態領域を
5℃/min以下の冷却速度で徐冷焼入れし、つい
で470℃以下の温度で低温焼もどしすることによ
り、未変態オーステナイトを体積率で7%以上残
留させた工具鋼を得ることを特徴とする二次硬化
型熱間工具鋼の製造方法。 3 C:0.15〜0.45%、Si:2.0%以下、Mn:2.0
%以下、Cr:2.6〜4.5%およびMo:0.50〜3.5%
に加えて、V:0.01〜2.0%、W:0.01〜4.0%、
Ti:0.001〜0.5%、Zr:0.001〜0.5%およびNb:
0.001〜0.5%の1種または2種以上と、さらに
Ca:0.0005〜0.0100%および希土類元素:0.0005
〜0.200%の1種または2種を含有し、残部が実
質的にFeからなる合金を、Ac3+50℃以上の温度
でオーステナイト化したのち、500℃から150℃ま
でのベイナイト変態領域を5℃/min以下の冷却
速度で徐冷焼入れし、ついで470℃以下の温度で
低温焼もどしすることにより、未変態オーステナ
イトを体積率で7%以上残留させた工具鋼を得る
ことを特徴とする二次硬化型熱間工具鋼の製造方
法。 4 C:0.15〜0.45%、Si:2.0%以下、Mn:2.0
%以下、Cr:2.6〜4.5%およびMo:0.50〜3.5%
に加えて、V:0.01〜2.0%、W:0.01〜4.0%、
Ti:0.001〜0.5%、Zr:0.001〜0.5%およびNb:
0.001〜0.5%の1種または2種以上と、さらに
Ni:0.25〜1.0%、Co:0.05〜4.0%、Cu:3.0%以
下およびB:0.0005〜0.010%の1種または2種
以上、ならびにCa:0.0005〜0.0100%および希土
類元素:0.0005〜0.200%の1種または2種を含
有し、残部が実質的にFeからなる合金を、Ac3+
50℃以上の温度でオーステナイト化したのち、
500℃から150℃までのベイナイト変態領域を5
℃/min以下の冷却速度で徐冷焼入れし、ついで
470℃以下の温度で低温焼もどしすることにより、
未変態オーステナイトを体積率で7%以上残留さ
せた工具鋼を得ることを特徴とする二次硬化型熱
間工具鋼の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9505580A JPS5723048A (en) | 1980-07-14 | 1980-07-14 | Secondary hardening type hot tool steel |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9505580A JPS5723048A (en) | 1980-07-14 | 1980-07-14 | Secondary hardening type hot tool steel |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5723048A JPS5723048A (en) | 1982-02-06 |
| JPH0140894B2 true JPH0140894B2 (ja) | 1989-09-01 |
Family
ID=14127356
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9505580A Granted JPS5723048A (en) | 1980-07-14 | 1980-07-14 | Secondary hardening type hot tool steel |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS5723048A (ja) |
Families Citing this family (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS57143471A (en) * | 1981-02-28 | 1982-09-04 | Daido Steel Co Ltd | High-speed steel |
| JPS61213349A (ja) * | 1985-03-16 | 1986-09-22 | Daido Steel Co Ltd | 合金工具鋼 |
| JP2755301B2 (ja) * | 1986-12-25 | 1998-05-20 | 日立金属株式会社 | 熱間加工用工具鋼 |
| JPH0672292B2 (ja) * | 1988-07-12 | 1994-09-14 | 山陽特殊製鋼株式会社 | 高強度熱間加工用工具鋼 |
| EP2662462A1 (en) | 2012-05-07 | 2013-11-13 | Valls Besitz GmbH | Low temperature hardenable steels with excellent machinability |
| CN113684416B (zh) * | 2021-07-16 | 2022-05-20 | 安徽瑞泰新材料科技有限公司 | 一种高淬透耐磨钢球及其制备方法 |
-
1980
- 1980-07-14 JP JP9505580A patent/JPS5723048A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS5723048A (en) | 1982-02-06 |
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