JPH0145053B2 - - Google Patents
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Description
本発明は、ポジ型感光性樹脂組成物に関するも
のである。さらに詳しくは、割れにくく、かつ基
板との密着性に優れたポジ型レジストを提供しう
る感光性樹脂組成物に関するものである。 ホトリソグラフイー技術の発展にともない、集
積回路の高集積度化が進み、現在では、集積度が
実装2μmへ移行しつつある。このホトリソグラ
フイー技術において、現在使用されているレジス
トは、その大部分が、環化ポリイソプレンゴムに
光架橋剤ビスアジド化合物を添加してなるネガ型
レジストである。しかし、このタイプのレジスト
は、解像度に限界があり、実装2μmを実現する
ことが難かしい。 上記要求に応えることができるのは、ポジ型レ
ジストである。 ポジ型レジストは成分として1,2―キノンジ
アジド化合物を含んでおり、これが照射時に紫外
線を吸収して下式のようにカルベンを経てケテン
を生じ、系中に存在する微量の水分と反応してイ
ンデンカルボン酸となり、これが現像液のアルカ
リ水溶液に溶解する現像を応用している。 このように、ポジ型レジストは、現像液として
アルカリ水溶液を用いるため、レジストが膨潤せ
ず、解像力を高めることができる。 このポジ型レジストは、(1)アルカリ水溶液に可
溶なポリマーと1,2―キノンジアジド化合物の
混合物と、(2)ポリマーの側鎖に1,2―キノンジ
アジド化合物を縮合したものとに大別できる。 前者(1)で使用されるアルカリ可溶なポリマーの
大部分はフエノール、クレゾール等とホルムアル
デヒドとから合成されるフエノール樹脂である。
フエノール樹脂自身はアルカリ水溶液に可溶であ
るが、添加する1,2―キノンジアジド化合物が
未照射時に全くアルカリ水溶液に溶解しないた
め、両者の混合体は極めてアルカリ水溶液に溶け
にくく、紫外線を照射した部分の1,2―キノン
ジアジド化合物が上述したようにインデンカルボ
ン酸に変化することによりアルカリ水溶液に可溶
となり、ポジ型レジストのパターンを得ることが
できる。従つて、系中に存在する1,2―キノン
ジアジド化合物の添加量によつて、露光、現像状
態をコントロールすることが可能である。 これに対して、後者(2)に属するものは、例え
ば、ポリアミノスチレンと1,2―キノンジアジ
ド化合物の縮合体(特公昭49−34681)、ポリヒド
ロキシスチレンと1,2―キノンジアジド化合物
の縮合体(特開昭50−113305)であり、この系の
ものは、予めポリマーが縮合しているため、単に
1,2―キノンジアジド化合物を添加するだけの
系(1)に比して露光、現像状態をコントロールしに
くい。 このような理由から、市場に出ているポジ型レ
ジストの大部分はフエノール樹脂と1,2―キノ
ンジアジド化合物を混合した系(1)のレジストであ
る。しかし、このフエノール樹脂系ポジ型レジス
トは、ネガ型レジストに比していくつかの欠点を
もつている。 その1つは、シリコン酸化膜などの基板に対す
る接着性が悪いことである。接着性が悪いため
に、現像中、レジストとウエハーの界面に現像液
が浸透し、レジストパターンとして残るべき部分
が剥離したり、うまく残存したとしてもそれに続
くウエツトエツチングではサイドエツチが大きす
ぎて、レジストとしての使用に耐えない。この欠
点を無くすために、シリルアミン誘導体、例えば
ヘキサメチルジシラザン、クロロメチルシランな
どを塗布し、ウエハー表面を改質する前処理を行
なつている。 また、レジスト膜が硬く、脆いという欠点もあ
る。すなわち、感光層にマスクを密着させて露光
した際、フエノール樹脂系ポジ型レジストはクツ
シヨン性がないので、割れやすく、マスクをはず
す時に割れたレジストの一部がマスクに付着し、
そのウエハーを欠陥品とするばかりか、次のウエ
ハーを焼きつける時、その部分を露光不足とする
ため、アルカリ現像不能領域を生じさせる。 このような問題に対し、種々検討した結果、共
役ジオレフイン系炭化水素(A)5〜60モル%、モノ
オレフイン系不飽和化合物(B)25〜90モル%、α,
β―エチレン性不飽和カルボン酸(C)5〜40モル%
からなる共重合体と1,2―キノンジアジド化合
物とを含有する感光性樹脂組成物をポジ型レジス
トに使用すれば、上記問題点を悉く解決しうるこ
とを発見し本発明に達した。すなわち、本発明の
ポジ型感光性樹脂組成物を用いれば、接着性が極
めて優れているため、ウエハー上にヘキサメチル
ジシラザンのごとき表面処理剤を塗布しなくて
も、レジストパターンが現像中に剥離することは
なく、エツチング後のアンダーカツトも極めて僅
かであり、また密着露光時にレジスト膜が割れて
マスクに付着することもない極めて優れたポジ型
レジストを提供することができる。 上記共役ジオレフイン系炭化水素(A)としては
1,3―ブタジエン、イソプレン、クロロプレ
ン、ジメチルブタジエン等が好適に使用される。
これらは単独で使用してもよいし、二種類以上混
合使用してもよい。共役ジオレフインの割合は、
5〜60モル%、好ましくは10〜40モル%である。 この共役ジオレフイン系炭化水素(A)は本発明の
ポジ型レジストの素材ポリマーの中で重要な役割
を果す。すなわち、この共役ジオレフイン系炭化
水素を用いると、ゴム特有の柔軟性を共重合体に
与えることができるので、レジストに柔軟性が生
じ、フエノール樹脂系レジストで問題となる、割
れがなくなり、製品の歩留りを著しく向上させる
ことができる。また、レジストに柔軟性を与える
のでシリコン酸化膜に対する密着力が高まる。そ
のため、表面処理剤を使用しなくても、レジスト
層とウエハーの接着力が増し、アルカリ水溶液に
よる現像やフツ化水素水溶液によるエツチング時
にレジスト膜剥離現象は全く生じない。 共役ジオレフイン系炭化水素の共重合体中の割
合が5モル%未満であると、柔軟性を欠くことに
なるので、目的とする効果を十分発揮することが
できない。また、60モル%を超えると共重合体の
柔軟性が大きくなりすぎて、プレベーク、ポスト
ベーク時のレジストフローを起す原因となつた
り、共重合体の疎水性が増し、アルカリ水溶液に
よる現像性を低下させる要因を作るので好ましく
ない。 モノオレフイン系不飽和化合物(B)を共重合体に
含有させることによつて、共重合体の機械的特性
を適度にコントロールし、後述するα,β―エチ
レン性不飽和カルボン酸(C)の溶解力を微妙に調整
することができる。 モノオレフイン系不飽和化合物としては、例え
ばメチルメタクリラート、エチルメタクリラー
ト、n―ブチルメタクリラート、sec―ブチルメ
タクリラート、t―ブチルメタクリラート等のメ
タクリル酸エステル、メチルアクリラート、イソ
プロピルアクリラート等のアクリル酸エステル、
シクロヘキシルメタクリラート、2―メチルシク
ロヘキシルメタクリラート等のメタクリル酸環状
アルキルエステル、シクロヘキシルアクリラー
ト、2―メチルシクロヘキシルアクリラート等の
アクリル酸環状アルキルエステル、フエニルメタ
クリラート、ベンジルメタクリラート等のメタク
リル酸アリールエステル、フエニルアクリラー
ト、ベンジルアクリラート等のアクリル酸アリー
ルエステル、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエ
チル、イタコン酸ジエチル等のジカルボン酸のジ
エステル類、2―ヒドロキシエチルメタクリラー
ト、2―ヒドロキシプロピルメタクリラート等の
ヒドロキシアルコールのエステル類、スチレン、
α―メチルスチレン、o―メチルスチレン、m―
メチルスチレン、p―メチルスチレン、ビニルト
ルエン、p―メトキシスチレン、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニ
リデン、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢
酸ビニル等を用いることができる。これらの化合
物は一種または二種以上を混合して使用すること
ができる。モノオレフイン系不飽和化合物が諸特
性に与える影響を考慮するとその含量は、25〜90
モル%、好ましくは35〜80モル%である。 モノオレフイン系不飽和化合物の含量が25モル
%未満では、共重合体の他の成分即ち共役ジオレ
フイン系炭化水素やα,β―エチレン性不飽和カ
ルボン酸含量が増加するので、レジストの機械的
物性やアルカリ現像性のコントロールが難かしく
90モル%を超えると、相対的にα,β―エチレン
性不飽和カルボン酸含量が減少し、アルカリ水溶
液に対する共重合体の溶解度が減ずるので好まし
くない。 α,β―エチレン性不飽和カルボン酸(C)として
は、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン
酸等のモノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、
シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸等のジカ
ルボン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の
酸無水物、マレイン酸モノエチル、フマル酸モノ
エチル、イタコン酸モノエチル等のジカルボン酸
のモノエステル類等を挙げることができる。これ
らα,β―エチレン性不飽和カルボン酸の共重合
量は、5〜40モル%、好ましくは10〜25モル%で
ある。5モル%未満であると、共重合体がアルカ
リ水溶液に溶解しにくくなるので、現像残りを生
じ、十分なレジストパターンを作り難い。逆に40
モル%を超えると、共重合体のアルカリ水溶液に
対する溶解度が大きくなりすぎて、後に添加する
1,2―キノンジアジド化合物のアルカリ不溶化
効果を持つてしても、未露光部の溶解、即ち膜減
り現象を防ぐことが難かしい。 本発明で使用される1,2―キノンジアジド化
合物は、例えば1,2―ベンゾキノンジアジドス
ルホン酸エステル、1,2―ナフトキノンジアジ
ドスルホン酸エステル、1,2―ベンゾキノンジ
アジドスルホン酸アミド、1,2―ナフトキノン
ジアジドスルホン酸アミド等であり、公知の1,
2―キノンジアジド化合物をそのまゝ使用するこ
とができる。さらに具体的にはJ.Kosar著
“Light―Sensitive Systems”339〜352,
(1965),John Wiley & Sons社(New
York)やW.S.De Forest著“Photoresist”50,
(1975),Mc Graw―Hill,Inc.(New York)に
記載されている1,2―キノンジアジド化合物を
挙げることができる。すなわち、1,2―ベンゾ
キノンジアジド―4―スルホン酸フエニルエステ
ル、1,2,1′,2′,ジ―(ベンゾキノンジアジ
ド―4―スルホニル)―ジヒドロキシビフエニ
ル、1,2―ベンゾキノンジアジド―4―(N―
エチル―N―β―ナフチル)―スルホンアミド、
1,2―ナフトキノンジアジド―5―スルホン酸
シクロヘキシルエステル、1―(1,2―ナフト
キノンジアジド―5―スルホニル)―3,5―ジ
メチルピラゾール、1,2―ナフトキノンジアジ
ド―5―スルホン酸―4′―ヒドロキシジフエニル
―4″―アゾ―β―ナフトールエステル、N,N―
ジ―(1,2―ナフトキノンジアジド―5―スル
ホニル)―アニリン、2′―(1,2―ナフトキノ
ンジアジド―5―スルホニルオキシ)―1―ヒド
ロキシ―アントラキノン、1,2―ナフトキノン
ジアジド―5―スルホン酸―2,3,4―トリヒ
ドロキシベンゾフエノンエステル、1,2―ナフ
トキノンジアジド―5―スルホン酸クロリド2モ
ルと4,4′―ジアミノベンゾフエノン1モルの縮
合物、1,2―ナフトキノンジアジド―5―スル
ホン酸クロリド2モルと4,4′―ジヒドロキシ―
1,1′―ジフエニルスルホン1モルの縮合物、
1,2―ナフトキノンジアジド―5―スルホン酸
クロリド1モルとプルプロガリン1モルの縮合
物、1,2―ナフトキノンジアジド―5―(N―
ジヒドロアビエチル)―スルホンアミド等を例示
することができる。また特公昭37−1953、同37−
3627、同37−13109、同40−26126、同40−3801、
同45−5604、同45−27345、同51−13013、特開昭
48−96575、同48−63802、同48−63803などに記
載された1,2―キノンジアジド化合物をも挙げ
ることができる。 これら1,2―キノンジアジド化合物の添加量
は好ましくは共重合体100重量部に対して5〜100
重量部であり、特に好ましくは10〜50重量部であ
る。5重量部未満であると、光を吸収して生成す
るインデンカルボン酸量が少ないので、光照射前
後のアルカリ水溶液に対する溶解度に差をつける
ことができず、パターニングが困難となる。 100重量部を超えると、短時間の光照射では添
加した1,2―キノンジアジド化合物の大半が未
だそのまゝの形で残存するため、アルカリ水溶液
への不溶化効果が高過ぎて現像することが困難と
なる。また、かような低分子化合物を多量に添加
すると、皮膜形成能や機械的物性が低下する。さ
らに各1,2―キノンジアジド化合物の種類によ
つて、アルカリ不溶化効果、インデンカルボン酸
のアルカリ水溶液の溶解度、レジスト皮膜形成
能、レジスト皮膜の基板に対する接着性等を変え
ることができる。 本発明のポジ型感光性樹脂組成物は上記共重合
体と1,2―キノンジアジド化合物を溶解する溶
媒に溶かして作るが、例えば溶媒として、エチレ
ングリコールモノメチルエーテル、エチレングリ
コールモノエチルエーテル等のグリコールエーテ
ル類、メチルセロソルブアセテート、エチルセロ
ソルブアセテート等のセロソルブエステル類、ト
ルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メチル
エチルケトン、シクロヘキサノン等ケトン類、酢
酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類を挙げるこ
とができる。 これら溶媒は構成要素の溶解度の他に、基板に
感光性樹脂組成物を塗布した後の溶媒蒸発速度、
塗布膜の表面形状に与える影響を考慮して、数種
類混合して使用することもできる。さらに必要に
応じて、この感光性樹脂組成物に保存安定剤や色
素、顔料等を添加することも可能である。 本発明の共役ジオレフイン系炭化水素を含む共
重合体は通常の溶液重合法や乳化重合法等で合成
される。乳化重合法で合成する場合、転化率を高
くすると、重合後期にポリマーへの連鎖移動が起
りやすくなり、溶媒に不溶のゲル状物質を生じる
傾向にある。また、これを避けるため転化率を低
く抑えると生産性が落ちることになつて経済的に
不利である。 一方、溶液重合法によると、モノマーを溶媒で
希釈するので、重合後期のポリマーへの連鎖移動
を制御することが可能であり、高重合率まで重合
を進めることができるため、本発明の共重合体を
得る方法としては優れている。溶液重合法で用い
られる溶媒は前述した感光性樹脂組成物作製に使
用される各溶媒の他、メタノール、エタノール、
n―プロパノール等のアルコール類やテトラヒド
ロフラン、ジオキサン等のエーテル類等が好適に
使用される。目的に応じて数種類の溶媒を混合使
用してもよい。とくに好適に使用されるのはアル
コール類である。 重合触媒には通常のラジカル重合開始剤が使用
でき、例えば2,2′―アゾビスイソプチロニトリ
ル、2,2′―アゾビス―(2,4―ジメチルバレ
ロニトリル)、2,2′―アゾビス―(4―メトキ
シ―2,4―ジメチルバレロニトリル)等のアゾ
化合物、ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペ
ルオキシド、t―ブチルペルオキシピバレート、
1,1―ビス―(t―ブチルペルオキシ)シクロ
ヘキサン等の有機過酸化物及び過酸化水素等であ
る。過酸化物をラジカル重合開始剤に使用する場
合、還元剤を組み合せてレドツクス型の開始剤と
しても良い。 かくして得られた本発明に使用する共重合体の
固有粘度〔η〕の範囲は0.05〜1dl/gが適当で
あり、好ましくは0.05〜0.5dl/g、さらに好ま
しくは0.05〜0.3dl/gである。 固有粘度〔η〕が1dl/gを超えるとアルカリ
水溶液に対する溶解速度が極めて遅くなるので、
現像時間が長くなり、実用的ではない。また、固
有粘度〔η〕が0.05dl/g未満であると逆にアル
カリ水溶液に対する溶解速度が速すぎて、残膜率
が悪くなるばかりか、パターンがやせる現象が顕
著となる。 生成する共重合体の重合度は添加するラジカル
重合開始剤濃度の平方根の逆数に比例するから、
ラジカル重合開始剤の添加量を適度にコントロー
ルすることにより、共重合体の固有粘度〔η〕を
0.05〜1dl/gの範囲に納めることができる。ま
た、共重合体の固有粘度〔η〕を0.05〜1dl/g
にするため、重合系に通常使用されている連鎖移
動剤、例えばn―ドデシルメルカプタン、t―ド
デシルメルカプタン等のメルカプタン類、四塩化
炭素、四臭化炭素等のハロゲン化合物等を添加し
てもよい。 本発明のポジ型感光性樹脂組成物の現像液に
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナ
トリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリ
ウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチル
アミン、n―プロピルアミン等の第一アミン類、
ジエチルアミン、ジ―n―プロピルアミン等の第
二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチル
アミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールア
ミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミ
ン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、
テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第四
級アンモニウム塩等アルカリ類の水溶液、および
これにメタノール、エタノールのようなアルコー
ル類等の水溶性有機溶媒や界面活性剤を適当量添
加した水溶液を好適に使用することができる。 本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、集積回路
用として特に有用であるばかりでなく、アルミニ
ウムのような金属支持体上に塗布してオフセツト
印刷版用、マスク作製用としても有用である。 次に実施例をあげて本発明をさらに具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例によつて何ら
制約されるものではない。 実施例 1 容量500mlの耐圧ビンの空気を乾燥した窒素で
置換した後、これに2,2′―アゾビスイソブチロ
ニトリル4.5g、メタノール150g、メチルメタク
リラート(MMA)70g、スチレン(ST)15g、
メタクリル酸(MAA)27g、1,3―ブタジン
(BD)38gを仕込んだ。打栓した後、70℃にコ
ントロールした重合槽につけ、回転させながら20
時間反応させた。内容物を石油エーテルに入れ、
共重合体を沈殿させた。共重合体を回収した後、
よく石油エーテルで洗浄し、50℃にコントロール
された加熱真空乾燥器で15時間乾燥した。 得られた共重合体の組成はBD/MMA/ST/
MAA=35.5/37.8/11.2/15.5モル%であり、テ
トラヒドロフランを溶媒として測定した30℃にお
ける固有粘度〔η〕(以下同じ条件で固有粘度を
測定した)は、0.2dl/gであつた。 こうして得た共重合体19.5gと1,2―ナフト
キノンジアジド―5―スルホン酸―3,4―ジヒ
ドロキシベンゾフエノンエステル3gとをエチル
セロソルブアセテート77.5gに溶解させた後、孔
径0.45μmのミリポアフイルターでろ過してポジ
型レジストを作つた。 スピンナーを使用し、シリコン酸化膜ウエハー
上にこのレジストを塗布した後、80℃、30分オー
ブン中でプレベークし、膜厚1.2μmの塗膜を得
た。凸版印刷(株)製テストパターンをウエハーに密
着し、365nmでの光強度が50W/m2である紫外線
を15秒間照射し、1.5%水酸化カリウム水溶液で
20℃、40秒間現像したところ、線幅0.7μmのパタ
ーンを解像しうることがわかつた。 水洗した後、乾燥せずにフツ化水素/フツ化ア
ンモニウム水溶液をエツチヤントしエツチングし
たところ、ほとんどしみ込みがない状態でエツチ
ングが完了した。このことより、接着助剤を全く
使用せず、また硬膜処理を行なわずとも本発明の
ポジ型レジストの基板に対する接着性が非常に優
れていることがわかつた。 また、ウエハーに塗膜を形成させ、80℃、30分
オーブンで乾燥した後、刃先で表面に傷をつけ
て、光学顕微鏡で観察したところ、レジストが細
かく割れて飛び散つている様子は全く認められな
かつた。 比較例 1 実施例1と同じ方法にてMMA/MAA=
82.5/17.5モル%の組成を持ち、固有粘度が
〔η〕=0.15dl/g(数平均分子量13000)の共重
合体を合成し、実施例1と同様に評価したとこ
ろ、シリコンウエハーとの接着性が悪く、パター
ンが剥離した。 実施例 2〜6 実施例1と同様の方法にて表1に示す共重合体
を合成し、実施例1と同様の方法で評価した。
のである。さらに詳しくは、割れにくく、かつ基
板との密着性に優れたポジ型レジストを提供しう
る感光性樹脂組成物に関するものである。 ホトリソグラフイー技術の発展にともない、集
積回路の高集積度化が進み、現在では、集積度が
実装2μmへ移行しつつある。このホトリソグラ
フイー技術において、現在使用されているレジス
トは、その大部分が、環化ポリイソプレンゴムに
光架橋剤ビスアジド化合物を添加してなるネガ型
レジストである。しかし、このタイプのレジスト
は、解像度に限界があり、実装2μmを実現する
ことが難かしい。 上記要求に応えることができるのは、ポジ型レ
ジストである。 ポジ型レジストは成分として1,2―キノンジ
アジド化合物を含んでおり、これが照射時に紫外
線を吸収して下式のようにカルベンを経てケテン
を生じ、系中に存在する微量の水分と反応してイ
ンデンカルボン酸となり、これが現像液のアルカ
リ水溶液に溶解する現像を応用している。 このように、ポジ型レジストは、現像液として
アルカリ水溶液を用いるため、レジストが膨潤せ
ず、解像力を高めることができる。 このポジ型レジストは、(1)アルカリ水溶液に可
溶なポリマーと1,2―キノンジアジド化合物の
混合物と、(2)ポリマーの側鎖に1,2―キノンジ
アジド化合物を縮合したものとに大別できる。 前者(1)で使用されるアルカリ可溶なポリマーの
大部分はフエノール、クレゾール等とホルムアル
デヒドとから合成されるフエノール樹脂である。
フエノール樹脂自身はアルカリ水溶液に可溶であ
るが、添加する1,2―キノンジアジド化合物が
未照射時に全くアルカリ水溶液に溶解しないた
め、両者の混合体は極めてアルカリ水溶液に溶け
にくく、紫外線を照射した部分の1,2―キノン
ジアジド化合物が上述したようにインデンカルボ
ン酸に変化することによりアルカリ水溶液に可溶
となり、ポジ型レジストのパターンを得ることが
できる。従つて、系中に存在する1,2―キノン
ジアジド化合物の添加量によつて、露光、現像状
態をコントロールすることが可能である。 これに対して、後者(2)に属するものは、例え
ば、ポリアミノスチレンと1,2―キノンジアジ
ド化合物の縮合体(特公昭49−34681)、ポリヒド
ロキシスチレンと1,2―キノンジアジド化合物
の縮合体(特開昭50−113305)であり、この系の
ものは、予めポリマーが縮合しているため、単に
1,2―キノンジアジド化合物を添加するだけの
系(1)に比して露光、現像状態をコントロールしに
くい。 このような理由から、市場に出ているポジ型レ
ジストの大部分はフエノール樹脂と1,2―キノ
ンジアジド化合物を混合した系(1)のレジストであ
る。しかし、このフエノール樹脂系ポジ型レジス
トは、ネガ型レジストに比していくつかの欠点を
もつている。 その1つは、シリコン酸化膜などの基板に対す
る接着性が悪いことである。接着性が悪いため
に、現像中、レジストとウエハーの界面に現像液
が浸透し、レジストパターンとして残るべき部分
が剥離したり、うまく残存したとしてもそれに続
くウエツトエツチングではサイドエツチが大きす
ぎて、レジストとしての使用に耐えない。この欠
点を無くすために、シリルアミン誘導体、例えば
ヘキサメチルジシラザン、クロロメチルシランな
どを塗布し、ウエハー表面を改質する前処理を行
なつている。 また、レジスト膜が硬く、脆いという欠点もあ
る。すなわち、感光層にマスクを密着させて露光
した際、フエノール樹脂系ポジ型レジストはクツ
シヨン性がないので、割れやすく、マスクをはず
す時に割れたレジストの一部がマスクに付着し、
そのウエハーを欠陥品とするばかりか、次のウエ
ハーを焼きつける時、その部分を露光不足とする
ため、アルカリ現像不能領域を生じさせる。 このような問題に対し、種々検討した結果、共
役ジオレフイン系炭化水素(A)5〜60モル%、モノ
オレフイン系不飽和化合物(B)25〜90モル%、α,
β―エチレン性不飽和カルボン酸(C)5〜40モル%
からなる共重合体と1,2―キノンジアジド化合
物とを含有する感光性樹脂組成物をポジ型レジス
トに使用すれば、上記問題点を悉く解決しうるこ
とを発見し本発明に達した。すなわち、本発明の
ポジ型感光性樹脂組成物を用いれば、接着性が極
めて優れているため、ウエハー上にヘキサメチル
ジシラザンのごとき表面処理剤を塗布しなくて
も、レジストパターンが現像中に剥離することは
なく、エツチング後のアンダーカツトも極めて僅
かであり、また密着露光時にレジスト膜が割れて
マスクに付着することもない極めて優れたポジ型
レジストを提供することができる。 上記共役ジオレフイン系炭化水素(A)としては
1,3―ブタジエン、イソプレン、クロロプレ
ン、ジメチルブタジエン等が好適に使用される。
これらは単独で使用してもよいし、二種類以上混
合使用してもよい。共役ジオレフインの割合は、
5〜60モル%、好ましくは10〜40モル%である。 この共役ジオレフイン系炭化水素(A)は本発明の
ポジ型レジストの素材ポリマーの中で重要な役割
を果す。すなわち、この共役ジオレフイン系炭化
水素を用いると、ゴム特有の柔軟性を共重合体に
与えることができるので、レジストに柔軟性が生
じ、フエノール樹脂系レジストで問題となる、割
れがなくなり、製品の歩留りを著しく向上させる
ことができる。また、レジストに柔軟性を与える
のでシリコン酸化膜に対する密着力が高まる。そ
のため、表面処理剤を使用しなくても、レジスト
層とウエハーの接着力が増し、アルカリ水溶液に
よる現像やフツ化水素水溶液によるエツチング時
にレジスト膜剥離現象は全く生じない。 共役ジオレフイン系炭化水素の共重合体中の割
合が5モル%未満であると、柔軟性を欠くことに
なるので、目的とする効果を十分発揮することが
できない。また、60モル%を超えると共重合体の
柔軟性が大きくなりすぎて、プレベーク、ポスト
ベーク時のレジストフローを起す原因となつた
り、共重合体の疎水性が増し、アルカリ水溶液に
よる現像性を低下させる要因を作るので好ましく
ない。 モノオレフイン系不飽和化合物(B)を共重合体に
含有させることによつて、共重合体の機械的特性
を適度にコントロールし、後述するα,β―エチ
レン性不飽和カルボン酸(C)の溶解力を微妙に調整
することができる。 モノオレフイン系不飽和化合物としては、例え
ばメチルメタクリラート、エチルメタクリラー
ト、n―ブチルメタクリラート、sec―ブチルメ
タクリラート、t―ブチルメタクリラート等のメ
タクリル酸エステル、メチルアクリラート、イソ
プロピルアクリラート等のアクリル酸エステル、
シクロヘキシルメタクリラート、2―メチルシク
ロヘキシルメタクリラート等のメタクリル酸環状
アルキルエステル、シクロヘキシルアクリラー
ト、2―メチルシクロヘキシルアクリラート等の
アクリル酸環状アルキルエステル、フエニルメタ
クリラート、ベンジルメタクリラート等のメタク
リル酸アリールエステル、フエニルアクリラー
ト、ベンジルアクリラート等のアクリル酸アリー
ルエステル、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエ
チル、イタコン酸ジエチル等のジカルボン酸のジ
エステル類、2―ヒドロキシエチルメタクリラー
ト、2―ヒドロキシプロピルメタクリラート等の
ヒドロキシアルコールのエステル類、スチレン、
α―メチルスチレン、o―メチルスチレン、m―
メチルスチレン、p―メチルスチレン、ビニルト
ルエン、p―メトキシスチレン、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニ
リデン、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢
酸ビニル等を用いることができる。これらの化合
物は一種または二種以上を混合して使用すること
ができる。モノオレフイン系不飽和化合物が諸特
性に与える影響を考慮するとその含量は、25〜90
モル%、好ましくは35〜80モル%である。 モノオレフイン系不飽和化合物の含量が25モル
%未満では、共重合体の他の成分即ち共役ジオレ
フイン系炭化水素やα,β―エチレン性不飽和カ
ルボン酸含量が増加するので、レジストの機械的
物性やアルカリ現像性のコントロールが難かしく
90モル%を超えると、相対的にα,β―エチレン
性不飽和カルボン酸含量が減少し、アルカリ水溶
液に対する共重合体の溶解度が減ずるので好まし
くない。 α,β―エチレン性不飽和カルボン酸(C)として
は、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン
酸等のモノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、
シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸等のジカ
ルボン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の
酸無水物、マレイン酸モノエチル、フマル酸モノ
エチル、イタコン酸モノエチル等のジカルボン酸
のモノエステル類等を挙げることができる。これ
らα,β―エチレン性不飽和カルボン酸の共重合
量は、5〜40モル%、好ましくは10〜25モル%で
ある。5モル%未満であると、共重合体がアルカ
リ水溶液に溶解しにくくなるので、現像残りを生
じ、十分なレジストパターンを作り難い。逆に40
モル%を超えると、共重合体のアルカリ水溶液に
対する溶解度が大きくなりすぎて、後に添加する
1,2―キノンジアジド化合物のアルカリ不溶化
効果を持つてしても、未露光部の溶解、即ち膜減
り現象を防ぐことが難かしい。 本発明で使用される1,2―キノンジアジド化
合物は、例えば1,2―ベンゾキノンジアジドス
ルホン酸エステル、1,2―ナフトキノンジアジ
ドスルホン酸エステル、1,2―ベンゾキノンジ
アジドスルホン酸アミド、1,2―ナフトキノン
ジアジドスルホン酸アミド等であり、公知の1,
2―キノンジアジド化合物をそのまゝ使用するこ
とができる。さらに具体的にはJ.Kosar著
“Light―Sensitive Systems”339〜352,
(1965),John Wiley & Sons社(New
York)やW.S.De Forest著“Photoresist”50,
(1975),Mc Graw―Hill,Inc.(New York)に
記載されている1,2―キノンジアジド化合物を
挙げることができる。すなわち、1,2―ベンゾ
キノンジアジド―4―スルホン酸フエニルエステ
ル、1,2,1′,2′,ジ―(ベンゾキノンジアジ
ド―4―スルホニル)―ジヒドロキシビフエニ
ル、1,2―ベンゾキノンジアジド―4―(N―
エチル―N―β―ナフチル)―スルホンアミド、
1,2―ナフトキノンジアジド―5―スルホン酸
シクロヘキシルエステル、1―(1,2―ナフト
キノンジアジド―5―スルホニル)―3,5―ジ
メチルピラゾール、1,2―ナフトキノンジアジ
ド―5―スルホン酸―4′―ヒドロキシジフエニル
―4″―アゾ―β―ナフトールエステル、N,N―
ジ―(1,2―ナフトキノンジアジド―5―スル
ホニル)―アニリン、2′―(1,2―ナフトキノ
ンジアジド―5―スルホニルオキシ)―1―ヒド
ロキシ―アントラキノン、1,2―ナフトキノン
ジアジド―5―スルホン酸―2,3,4―トリヒ
ドロキシベンゾフエノンエステル、1,2―ナフ
トキノンジアジド―5―スルホン酸クロリド2モ
ルと4,4′―ジアミノベンゾフエノン1モルの縮
合物、1,2―ナフトキノンジアジド―5―スル
ホン酸クロリド2モルと4,4′―ジヒドロキシ―
1,1′―ジフエニルスルホン1モルの縮合物、
1,2―ナフトキノンジアジド―5―スルホン酸
クロリド1モルとプルプロガリン1モルの縮合
物、1,2―ナフトキノンジアジド―5―(N―
ジヒドロアビエチル)―スルホンアミド等を例示
することができる。また特公昭37−1953、同37−
3627、同37−13109、同40−26126、同40−3801、
同45−5604、同45−27345、同51−13013、特開昭
48−96575、同48−63802、同48−63803などに記
載された1,2―キノンジアジド化合物をも挙げ
ることができる。 これら1,2―キノンジアジド化合物の添加量
は好ましくは共重合体100重量部に対して5〜100
重量部であり、特に好ましくは10〜50重量部であ
る。5重量部未満であると、光を吸収して生成す
るインデンカルボン酸量が少ないので、光照射前
後のアルカリ水溶液に対する溶解度に差をつける
ことができず、パターニングが困難となる。 100重量部を超えると、短時間の光照射では添
加した1,2―キノンジアジド化合物の大半が未
だそのまゝの形で残存するため、アルカリ水溶液
への不溶化効果が高過ぎて現像することが困難と
なる。また、かような低分子化合物を多量に添加
すると、皮膜形成能や機械的物性が低下する。さ
らに各1,2―キノンジアジド化合物の種類によ
つて、アルカリ不溶化効果、インデンカルボン酸
のアルカリ水溶液の溶解度、レジスト皮膜形成
能、レジスト皮膜の基板に対する接着性等を変え
ることができる。 本発明のポジ型感光性樹脂組成物は上記共重合
体と1,2―キノンジアジド化合物を溶解する溶
媒に溶かして作るが、例えば溶媒として、エチレ
ングリコールモノメチルエーテル、エチレングリ
コールモノエチルエーテル等のグリコールエーテ
ル類、メチルセロソルブアセテート、エチルセロ
ソルブアセテート等のセロソルブエステル類、ト
ルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メチル
エチルケトン、シクロヘキサノン等ケトン類、酢
酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類を挙げるこ
とができる。 これら溶媒は構成要素の溶解度の他に、基板に
感光性樹脂組成物を塗布した後の溶媒蒸発速度、
塗布膜の表面形状に与える影響を考慮して、数種
類混合して使用することもできる。さらに必要に
応じて、この感光性樹脂組成物に保存安定剤や色
素、顔料等を添加することも可能である。 本発明の共役ジオレフイン系炭化水素を含む共
重合体は通常の溶液重合法や乳化重合法等で合成
される。乳化重合法で合成する場合、転化率を高
くすると、重合後期にポリマーへの連鎖移動が起
りやすくなり、溶媒に不溶のゲル状物質を生じる
傾向にある。また、これを避けるため転化率を低
く抑えると生産性が落ちることになつて経済的に
不利である。 一方、溶液重合法によると、モノマーを溶媒で
希釈するので、重合後期のポリマーへの連鎖移動
を制御することが可能であり、高重合率まで重合
を進めることができるため、本発明の共重合体を
得る方法としては優れている。溶液重合法で用い
られる溶媒は前述した感光性樹脂組成物作製に使
用される各溶媒の他、メタノール、エタノール、
n―プロパノール等のアルコール類やテトラヒド
ロフラン、ジオキサン等のエーテル類等が好適に
使用される。目的に応じて数種類の溶媒を混合使
用してもよい。とくに好適に使用されるのはアル
コール類である。 重合触媒には通常のラジカル重合開始剤が使用
でき、例えば2,2′―アゾビスイソプチロニトリ
ル、2,2′―アゾビス―(2,4―ジメチルバレ
ロニトリル)、2,2′―アゾビス―(4―メトキ
シ―2,4―ジメチルバレロニトリル)等のアゾ
化合物、ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペ
ルオキシド、t―ブチルペルオキシピバレート、
1,1―ビス―(t―ブチルペルオキシ)シクロ
ヘキサン等の有機過酸化物及び過酸化水素等であ
る。過酸化物をラジカル重合開始剤に使用する場
合、還元剤を組み合せてレドツクス型の開始剤と
しても良い。 かくして得られた本発明に使用する共重合体の
固有粘度〔η〕の範囲は0.05〜1dl/gが適当で
あり、好ましくは0.05〜0.5dl/g、さらに好ま
しくは0.05〜0.3dl/gである。 固有粘度〔η〕が1dl/gを超えるとアルカリ
水溶液に対する溶解速度が極めて遅くなるので、
現像時間が長くなり、実用的ではない。また、固
有粘度〔η〕が0.05dl/g未満であると逆にアル
カリ水溶液に対する溶解速度が速すぎて、残膜率
が悪くなるばかりか、パターンがやせる現象が顕
著となる。 生成する共重合体の重合度は添加するラジカル
重合開始剤濃度の平方根の逆数に比例するから、
ラジカル重合開始剤の添加量を適度にコントロー
ルすることにより、共重合体の固有粘度〔η〕を
0.05〜1dl/gの範囲に納めることができる。ま
た、共重合体の固有粘度〔η〕を0.05〜1dl/g
にするため、重合系に通常使用されている連鎖移
動剤、例えばn―ドデシルメルカプタン、t―ド
デシルメルカプタン等のメルカプタン類、四塩化
炭素、四臭化炭素等のハロゲン化合物等を添加し
てもよい。 本発明のポジ型感光性樹脂組成物の現像液に
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナ
トリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリ
ウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチル
アミン、n―プロピルアミン等の第一アミン類、
ジエチルアミン、ジ―n―プロピルアミン等の第
二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチル
アミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールア
ミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミ
ン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、
テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第四
級アンモニウム塩等アルカリ類の水溶液、および
これにメタノール、エタノールのようなアルコー
ル類等の水溶性有機溶媒や界面活性剤を適当量添
加した水溶液を好適に使用することができる。 本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、集積回路
用として特に有用であるばかりでなく、アルミニ
ウムのような金属支持体上に塗布してオフセツト
印刷版用、マスク作製用としても有用である。 次に実施例をあげて本発明をさらに具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例によつて何ら
制約されるものではない。 実施例 1 容量500mlの耐圧ビンの空気を乾燥した窒素で
置換した後、これに2,2′―アゾビスイソブチロ
ニトリル4.5g、メタノール150g、メチルメタク
リラート(MMA)70g、スチレン(ST)15g、
メタクリル酸(MAA)27g、1,3―ブタジン
(BD)38gを仕込んだ。打栓した後、70℃にコ
ントロールした重合槽につけ、回転させながら20
時間反応させた。内容物を石油エーテルに入れ、
共重合体を沈殿させた。共重合体を回収した後、
よく石油エーテルで洗浄し、50℃にコントロール
された加熱真空乾燥器で15時間乾燥した。 得られた共重合体の組成はBD/MMA/ST/
MAA=35.5/37.8/11.2/15.5モル%であり、テ
トラヒドロフランを溶媒として測定した30℃にお
ける固有粘度〔η〕(以下同じ条件で固有粘度を
測定した)は、0.2dl/gであつた。 こうして得た共重合体19.5gと1,2―ナフト
キノンジアジド―5―スルホン酸―3,4―ジヒ
ドロキシベンゾフエノンエステル3gとをエチル
セロソルブアセテート77.5gに溶解させた後、孔
径0.45μmのミリポアフイルターでろ過してポジ
型レジストを作つた。 スピンナーを使用し、シリコン酸化膜ウエハー
上にこのレジストを塗布した後、80℃、30分オー
ブン中でプレベークし、膜厚1.2μmの塗膜を得
た。凸版印刷(株)製テストパターンをウエハーに密
着し、365nmでの光強度が50W/m2である紫外線
を15秒間照射し、1.5%水酸化カリウム水溶液で
20℃、40秒間現像したところ、線幅0.7μmのパタ
ーンを解像しうることがわかつた。 水洗した後、乾燥せずにフツ化水素/フツ化ア
ンモニウム水溶液をエツチヤントしエツチングし
たところ、ほとんどしみ込みがない状態でエツチ
ングが完了した。このことより、接着助剤を全く
使用せず、また硬膜処理を行なわずとも本発明の
ポジ型レジストの基板に対する接着性が非常に優
れていることがわかつた。 また、ウエハーに塗膜を形成させ、80℃、30分
オーブンで乾燥した後、刃先で表面に傷をつけ
て、光学顕微鏡で観察したところ、レジストが細
かく割れて飛び散つている様子は全く認められな
かつた。 比較例 1 実施例1と同じ方法にてMMA/MAA=
82.5/17.5モル%の組成を持ち、固有粘度が
〔η〕=0.15dl/g(数平均分子量13000)の共重
合体を合成し、実施例1と同様に評価したとこ
ろ、シリコンウエハーとの接着性が悪く、パター
ンが剥離した。 実施例 2〜6 実施例1と同様の方法にて表1に示す共重合体
を合成し、実施例1と同様の方法で評価した。
【表】
表1に示したように、いずれのサンプルでも、
現像中にパターンがウエハーより剥離することな
く良好な現像力を示し、且つエツチング時のサイ
ドエツチも少なくウエハーとの接着性が優れてい
た。レジスト面に刃先で傷をつけてみたが、細か
い割れは全く観察されなかつた。 実施例 7 容量500mlの耐圧ビンを窒素置換し、2,2′―
アゾビスイソブチロニトリル0.6g、メタノール
147g,MMA60g,AA36g,BD24gを仕込ん
だ。打栓したあと重合槽に入れ70℃、24時間反応
させた。内容物を石油エーテルに入れて沈殿精製
し、40℃、20時間加熱真空乾燥した。得られた共
重合体の組成はBD/MMA/AA=30.3/46.0/
23.7モル%であり、固有粘度は〔η〕=0.45dl/
gであつた。 上記共重合体12.5gと1,2―ナフトキノンジ
アジド―5―スルホン酸―p―トリルエステル
2.5gとをエチルセロソルブアセテート85gに溶
解した後、孔径0.45μmのミリポアフイルターで
ろ過してレジストを作製した。このレジストをシ
リコン酸化膜ウエハーにスピンナー塗布して、膜
厚0.9μmのレジスト層を得た。実施例1と同様に
凸版印刷(株)製テストパターンをウエハーに密着
し、15秒間紫外線を照射した後、1.5%水酸化カ
リウム水溶液で20℃、60秒間現像した。このもの
は線幅1.5μmを解像していた。またエツチング時
のしみ込みもなく、シリコンウエハーによく接着
していた。レジスト面に刃先で傷をつけてみた
が、細かい割れは全く観察されなかつた。 比較例 2 実施例1と同じ方法にてBD/n―ブチルメタ
クリラート/MAA=80.3/7.8/11.9(モル%)の
組成を持ち、固有粘度が[η]=0.33dl/gの共
重合体を合成し、実施例1と同様にウエハーに塗
膜を形成させ、80℃にて30分、オーブンで乾燥し
たところ、3.5μmパターンより細いパターンはす
べて変形し隣接するパターンと一体化してしまつ
た。 比較例 3 実施例1と同じ方法にてST/MMA/MAA=
25.9/54.1/20.0(モル%)の組成を持ち、固有粘
度が[η]=0.22dl/g(数平均分子量32000)の
共重合体を合成し、実施例1と同様にウエハーに
塗膜を形成させ、80℃にて30分、オーブンで乾燥
したのち、刃先で表面に傷を付けて、光学顕微鏡
で観察したところ、レジストが細かく割れて飛び
散つている様子が認められた。
現像中にパターンがウエハーより剥離することな
く良好な現像力を示し、且つエツチング時のサイ
ドエツチも少なくウエハーとの接着性が優れてい
た。レジスト面に刃先で傷をつけてみたが、細か
い割れは全く観察されなかつた。 実施例 7 容量500mlの耐圧ビンを窒素置換し、2,2′―
アゾビスイソブチロニトリル0.6g、メタノール
147g,MMA60g,AA36g,BD24gを仕込ん
だ。打栓したあと重合槽に入れ70℃、24時間反応
させた。内容物を石油エーテルに入れて沈殿精製
し、40℃、20時間加熱真空乾燥した。得られた共
重合体の組成はBD/MMA/AA=30.3/46.0/
23.7モル%であり、固有粘度は〔η〕=0.45dl/
gであつた。 上記共重合体12.5gと1,2―ナフトキノンジ
アジド―5―スルホン酸―p―トリルエステル
2.5gとをエチルセロソルブアセテート85gに溶
解した後、孔径0.45μmのミリポアフイルターで
ろ過してレジストを作製した。このレジストをシ
リコン酸化膜ウエハーにスピンナー塗布して、膜
厚0.9μmのレジスト層を得た。実施例1と同様に
凸版印刷(株)製テストパターンをウエハーに密着
し、15秒間紫外線を照射した後、1.5%水酸化カ
リウム水溶液で20℃、60秒間現像した。このもの
は線幅1.5μmを解像していた。またエツチング時
のしみ込みもなく、シリコンウエハーによく接着
していた。レジスト面に刃先で傷をつけてみた
が、細かい割れは全く観察されなかつた。 比較例 2 実施例1と同じ方法にてBD/n―ブチルメタ
クリラート/MAA=80.3/7.8/11.9(モル%)の
組成を持ち、固有粘度が[η]=0.33dl/gの共
重合体を合成し、実施例1と同様にウエハーに塗
膜を形成させ、80℃にて30分、オーブンで乾燥し
たところ、3.5μmパターンより細いパターンはす
べて変形し隣接するパターンと一体化してしまつ
た。 比較例 3 実施例1と同じ方法にてST/MMA/MAA=
25.9/54.1/20.0(モル%)の組成を持ち、固有粘
度が[η]=0.22dl/g(数平均分子量32000)の
共重合体を合成し、実施例1と同様にウエハーに
塗膜を形成させ、80℃にて30分、オーブンで乾燥
したのち、刃先で表面に傷を付けて、光学顕微鏡
で観察したところ、レジストが細かく割れて飛び
散つている様子が認められた。
Claims (1)
- 1 共役ジオレフイン系炭化水素(A)5〜60モル
%、モノオレフイン系不飽和化合物(B)25〜90モル
%およびα,β―エチレン性不飽和カルボン酸(C)
5〜40モル%からなる共重合体と、1,2―キノ
ンジアジド化合物とを含有することを特徴とする
ポジ型感光性樹脂組成物。
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