JPH0211646B2 - - Google Patents

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JPH0211646B2
JPH0211646B2 JP59086919A JP8691984A JPH0211646B2 JP H0211646 B2 JPH0211646 B2 JP H0211646B2 JP 59086919 A JP59086919 A JP 59086919A JP 8691984 A JP8691984 A JP 8691984A JP H0211646 B2 JPH0211646 B2 JP H0211646B2
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metal
coating layer
molded body
metal powder
forming
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Toshiharu Konishi
Yoshiki Kobayashi
Yukio Shimizu
Tsuyoshi Morishita
Shigezo Oosaki
Yasushi Kawato
Noryuki Sakai
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Nitto Denko Corp
Matsuda KK
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Nitto Denko Corp
Matsuda KK
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Description

【発明の詳細な説明】 この発明は金属粉末およびこの粉末を結合する
有機質結合剤を含む金属粉末成形本体と耐熱性補
強材とからなる低収縮性金属粉末成形体を用いて
金属母材面に金属被覆層を形成する方法に関す
る。
従来、金属母材面に特別な性質たとえば耐摩耗
性あるいは耐腐食性などを付与するために、これ
らの性質にすぐれた金属被覆層を母材面に形成す
ることがよく行われている。
金属被覆は、多くの場合、金属粉末とこの粉末
を結合する有機質結合剤とからなる柔軟な粉末成
形体を金属母材面に貼着してから焼結することに
よつて母材面に層状に形成され、この焼結した金
属被覆層は母材面に冶金学的に結合される。
ところで、粉末成形体は、これを金属母材面に
貼着しその後焼結して上記母材面に冶金学的に結
合させる場合、上記母材面の曲面に対してもクラ
ツク発生などの実用性を阻害する要因を生起させ
ることなく追随変形させうる良好な柔軟性を有し
ていることが必要である。
また、この種の粉末成形体は、上記追随変形性
の如き賦形性にすぐれた良好な柔軟性を有するう
えに、当然のことながら、その取り扱い上充分な
強度を有し、しかも焼結にあたつては巣と指称す
る穴など生じさせることなく密度の高い金属層を
与えうるものであることが要求される。
従来、この種の粉末成形体として、たとえば特
開昭49−91910号公報、同56−35703号公報、特公
昭45−21167号公報などに代表されるように、ポ
リビニルエーテル、メチル繊維素系樹脂の如き樹
脂類を主剤としてこれにジブチルフタレート、グ
リセリン、ワツクス類などの揮散性の可塑剤を粉
末成形体の柔軟性向上剤として配合したものが知
られている。
しかるに、このような金属粉末に主剤と柔軟性
向上剤とを包含する結合剤を配合してなる粉末成
形体は、焼結時に面方向に約20%前後収縮する欠
点がある。このため、この種の粉末成形体を金属
母材面に貼着して焼結するにあたつては、焼結後
に規定寸法が得られるように予め焼結前の成形体
の寸法を上記収縮率を見込んだ寸法に設定してお
く必要がある。
ところが、このような寸法設定は、実際上非常
に煩わしくて実用性に欠け、しかも粉末成形体の
厚みや金属粉末とこれを結合する有機質結合剤と
の混合割合などのバラツキによる収縮率の変動を
どうしてもさけられないため、焼結後の寸法を必
ずしも規定寸法どおりに設定しにくいという難点
がある。特に粉末成形体の寸法が大きくなると収
縮率の変動もそれだけ大きくなるため、上記難点
が顕著となる。
また、粉末成形体を金属母材面に貼着して焼結
する場合、上記焼結時の収縮が下記の如き問題を
招く。すなわち、金属母材面が凹部などを有する
場合にこれに粉末成形体を貼着して焼結すると、
成形体の収縮によつて上記凹部などの母材内面と
焼結形成された金属被覆層との間に大きな空隙が
形成され、母材と金属被覆層との間の密着性が著
しく損なわれてしまうという不都合がある。
この発明は、かかる従来技術に鑑み鋭意研究の
結果完成されたものであつて、特に焼結後に密度
の高い金属層が原形と実質的に近似の大きさで焼
結形成されうる低収縮性金属粉末成形体を用いて
金属母材面に上記良好な特性を有する金属被覆層
を焼結形成する方法を提供せんとするものであ
る。
すなわち、この発明は、金属母材面に、金属粉
末およびこの粉末を結合する有機質結合剤を含む
金属粉末成形本体とこの本体の表面または内部に
設けられた焼結時の面方向収縮を抑制する塑性変
形性の金属箔または穿孔金属箔よりなる耐熱性補
強材とからなる低収縮性金属粉末成形体を、上記
本体を介して直接あるいは間接的に貼着したの
ち、非酸化雰囲気下で加熱昇温して上記本体を焼
結することにより、金属母材面に金属被覆層を形
成することを特徴とする金属被覆層の形成方法に
係るものである。
この発明で用いる低収縮性金属粉末成形体は、
金属粉末成形本体の表面または内部に焼結時の面
方向収縮を抑制する耐熱性補強材を設けた構成と
しているため、この成形体を金属母材面に貼着し
て焼結させたときの焼結時の面方向への収縮を10
%以下、好態として5%以下に抑えることができ
る。すなわち、原形と実質的に近似する大きさで
焼結を完了させることができるという特徴を有す
る。したがつて、従来のように焼結前の寸法を焼
結時の収縮を考慮した大きさに厳密に設定しなく
とも、ほぼ規定寸法どおりの寸法安定性良好な金
属被覆層を得ることができる。
また、この発明で用いる低収縮性金属粉末成形
体は、上記収縮抑制用の耐熱性補強材として特に
塑性変形しうる材質のものを選択していることに
よつて、この種の成形体を焼結に際して曲面状の
金属母材面に追随変形させたときに、上記補強材
がこれら変形に対する復元力に抗してその変形状
態を焼結完了まで保持する機能を発揮し、その結
果母材面との接着が不充分となるといつた不都合
が解消されるという特徴をも有している。
さらに、この発明の如く上記特定の成形体を用
いてこれを金属母材面に貼着したのち焼結処理す
る方法によれば、上記成形体が上述の如く低収縮
性であることによつて、この成形体を曲面状の金
属母材面、特に凹部を有する金属母材面に貼着す
る場合でも、焼結後に母材と金属被覆層との間に
従来の如き収縮に起因した大きな空隙を生じさせ
る必配が全くない。このため、金属母材面に対す
る金属被覆層の密着性を大幅に改善することが可
能となる。
この発明で用いる低収縮性金属粉末成形体にお
いて、金属粉末成形本体を構成する金属粉末とし
ては、金属母材面に付与すべき性質に応じて各種
の金属粉末を使用することができる。たとえば自
溶性合金粉末や耐摩耗性合金粉末などの各種合金
粉末を好適なものとして例示することができる。
金属母材面に付与すべき性質の代表的な例とし
て、耐摩耗性の向上が挙げられるが、かかる目的
を達成しうる耐摩耗性合金粉末として、Fe−M
−C系の多元共晶合金粉末を挙げることができ
る。上記のMはMo、BおよびPのうちいずれか
少なくとも一種を主成分とし、副次的な元素とし
てCr、V、W、Nb、Ta、Tiを含むことがあり、
また他の元素としてSi、Ni、Mnなどを含むこと
ができる。かかる多元共晶合金粉末は焼結温度が
比較的低く、一般に1000〜1150℃の温度範囲で液
相が10〜50容量%となり、しかもこの液相は母材
に対して濡れ性が優れているという特徴を有して
いる。
なお、これらの合金粉末の粉末粒度としては、
これが焼結後の気孔率に影響するため、一般に
150メツシユ以下であるのが好ましい。これより
大きくなると密度の高い合金層を形成しにくくな
るため、好ましくない。
かかる金属粉末を結合して金属粉末成形本体を
構成させるための有機質結合剤としては、たとえ
ばメチルまたはエチル繊維素、ポリテトラフルオ
ロエチレン、ポリビニルアルコール、ポリビニル
エーテル、ポリブチラール、ポリアクリル、天然
または合成ゴムなどの主剤単独、またはこれにジ
ブチルフタレート、グリセリン、ワツクス類の如
き柔軟性向上剤などを使用してなるものが使用さ
れる。
有機質結合剤の配合量は、金属粉末成形本体中
に占める割合が一般に1〜15重量%、好適には2
〜10重量%の範囲となるような割合とされる。こ
の配合量が過少では金属粉末成形本体の物理的強
度に劣り、逆に過多となると焼結後の金属層の密
度が低くなつたり、焼結処理中にガス化する樹脂
成分などによつて焼結炉内を汚染したりすること
があるので好ましくない。
有機質結合剤として、特に常温で感圧接着性を
有するゴム系や合成樹脂系の有機質ポリマーを主
剤としたものを用いると、可撓性にすぐれ、二次
元以上の形状に追随変形せしめても、クラツクな
どの発生を生じない金属粉末成形本体が得られる
ので好ましい。
さらに、上記常温で感圧接着性を有する有機質
ポリマーとして、特に(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステルの単独重合体または(メタ)アクリル
酸アルキルエステルとこれと共重合可能な官能性
モノマーおよび/またはビニルエステルモノマー
との共重合体からなるアクリル系重合体を用いる
と、後述するようなすぐれた特徴を有する金属粉
末成形本体が得られる。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとし
ては、脂肪族アルコールのアルキル基がメチル
基、エチル基、ブチル基、イソブチル基、ヘキシ
ル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル
基、2−エチルヘキシル基などからなるアルキル
基の平均炭素数が3〜12個のアクリル酸もしくは
メタクリル酸のアルキルエステルが挙げられる。
かかる(メタ)アクリル酸アルキルエステル
は、金属粉末成形本体を高温加熱処理して焼結さ
せたときのガス発生量を少なくして焼結後の金属
層の膨れなどが発生するのを防止する働きを有す
る。アルキル基の平均炭素数が3に満たないかあ
るいは12を超えてしまうといずれも粘着結合性に
劣ると共に柔軟性に欠けるなどの問題があるので
好ましくない。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共
重合可能な官能性モノマーとしては、たとえば官
能基としてカルボキシル基を有する(メタ)アク
リル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、
フエノール酸、フマル酸などのα−モノまたはジ
オレフインカルボン酸が、また官能基として水酸
基を有する(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシ
エチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプ
ロピル、(メタ)アクリル酸−1−メチル−2−
ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシビニルエーテ
ルなどが、また官能基としてエポキシ基を有する
グリシジル(メタ)アクリレートやメチロール基
を有するN−メチロール(メタ)アクリルアミド
などが、さらに官能基としてアミノ基を有する
N・N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ート、N−ターシヤリーブチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、N−ターシヤリーブチルアミ
ノブチル(メタ)アクリレートなどの官能性モノ
マーが挙げられる。また前記(メタ)アクリル酸
アルキルエステルと共重合可能なビニルエステル
モノマーとしては、プロピオン酸ビニル、酢酸ビ
ニル、(メタ)アクリロニトリルなどが挙げられ
る。
これら共重合モノマーを用いる場合の使用量と
しては、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ル80〜99.5重量%、好ましくは90〜98重量%に対
して、上記の官能性モノマーおよび/またはビニ
ルエステルモノマーが通常20〜0.5重量%、好ま
しくは10〜2重量%となるようにするのがよい。
このような(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ルの単独重合体または共重合体からなるアクリル
系重合体は、その重量平均分子量が5〜150万、
好ましくは30〜120万で、ガラス転移温度が−10
〜−70℃、好ましくは−25〜−65℃であるのがよ
く、また25℃での弾性率が0.05〜50Kg/cm2、好ま
しくは0.2〜30Kg/cm2に設定されているのが望ま
しい。金属粉末に対する結合力向上、焼結後の高
密度化、賦形に耐え得る柔軟性の付与および賦形
時のクラツク防止などの点で好ましい結果を与え
るからである。
なお、上記弾性率とは、測定温度25℃におい
て、試料をチヤツク間距離50mmで300mm/分の速
度で引き伸ばしたときの接線モジユラスの値を意
味する。その計算式は下記の通りである。
<計算式>弾性率=F/S 但し F:試料を100%伸ばした点上と接線との交点の
力(Kg/cm2) S:試料の断面積 また、上記のアクリル系重合体には、接着性付
与樹脂を含ませることができる。この接着性付与
樹脂は主に金属粉末成形本体の常温での接着力の
向上に寄与する。併用割合は、アクリル系重合体
50〜99.8重量%に対して接着性付与樹脂が50〜
0.2重量%とするのがよく、接着性付与樹脂の使
用量が少ないと上記の効果が得られず、また多く
なりすぎるとアクリル系重合体の前記特性が損な
われるため好ましくない。
このような接着性付与樹脂の具体例としては、
アルキルフエノール系樹脂、クマロンインデン系
樹脂、ポリテルペン系樹脂、ロジン系樹脂、石油
系樹脂などを挙げることができる。
このような常温で感圧接着性を有するアクリル
系重合体を主剤としたものを結合剤として用いる
と、前述の如き柔軟性向上剤の如き可塑化物を使
用することなく、曲面に対してクラツクの発生な
く追随変形させうるだけでなく、1.5〜7.0重量%
という少量で良好な金属粉末成形本体が得られ、
しかも焼結後の金属層も高密度なものが得られる
という特徴を有する。
この発明における金属粉末成形本体は、たとえ
ば上記の有機質結合剤をアセトン、トルエン、メ
チルエチルケトンなどの適宜の有機溶剤を用いた
溶液とし、この溶液中に上記結合剤の固型分含量
が金属粉末100重量部に対して多くとも17.7重量
部(15重量%)を超えない割合、好ましくは3〜
15重量部(約3〜13重量%)の割合となるように
前記金属粉末を加えて混練し、これを一般に離型
紙を被せた型枠上に流し込み、溶剤を蒸発させた
のち、圧延ロールに通すなどして厚さ0.3〜5mm
程度のシート状その他の形状に成形することによ
り、得ることができる。また、上記結合剤と金属
粉末とを溶剤を用いることなく必要に応じて加熱
下または加熱真空下で上記同様の混合割合で混合
して加圧成形することにより、得ることもでき
る。
この発明で用いる低収縮性金属粉末成形体は、
上記の如くして得られる金属粉末成形本体の表面
または内部に焼結時の面方向への収縮を抑制する
耐熱性補強材を設けたことをもつとも大きな特徴
とするものである。
一般に、前記金属粉末成形本体の焼結時の収縮
は、この本体を構成する前記結合剤の加熱分解
(通常250〜400℃以上)と共に開始する。したが
つて、上記収縮抑制用の耐熱性補強材としては少
なくとも上記結合剤の分解温度以上の耐熱性を有
するものが用いられる。
また、一般に金属母材面に金属被覆層を形成す
ることの意味は、母材自体に目的とする性質、た
とえば耐摩耗性などの性質を付与することにあ
り、この目的を達成するために用いられる金属粉
末はその焼結温度が高いものが選択される。すな
わち、一般に焼結開始温度が約700℃以上で、焼
結温度が約900℃以上のものが使用されるのが普
通である。
したがつて、かかる高温で焼結開始または焼結
する金属粉末を用いてなる金属粉末成形本体の収
縮を抑制するための耐熱性補強材としては、その
溶融温度が前記結合剤の分解温度以上であること
はもちろんのこと上記本体の焼結温度近傍あるい
はそれ以上、実質的には焼結温度を起点にして−
50〜1000℃の範囲にあることが望まれる。これよ
り低い耐熱性を有するものでは充分な収縮抑制効
果が得られない。溶融温度の上限は、一般的に経
済的理由から決められる。
このような耐熱性を備えた補強材としては、
Fe、Cu、Ni、Ti、Wなどの金属またはこれらの
合金を材質とし、厚みが10〜100μm程度の箱ま
たは穿孔箱からなる、焼結時の収縮を抑制する物
理的強度を有するとともに、それ自体塑性変形性
を有するものが用いられる。
すなわち、耐熱性補強材として塑性変形性を有
するものを用いたときには、この発明の成形体を
その焼結に先立つて母材面に追随変形させるなど
の賦形を行う場合にこれら変形状態を上記補強材
の塑性変形性によつて良好に保持させることがで
き、その結果焼結前の取り扱い時または焼結中に
形崩れしたり、形崩れに起因する母材面との接着
不良を生じるおそれがないという利点が得られ
る。
この発明において上記構成の耐熱性補強材を金
属粉末成形本体の表面または内部に設ける手段は
特に限定されない。たとえば予め成形された前記
金属粉末成形本体の表面に前記結合剤に関して記
述したと同様の常温で感圧接着性を有する有機質
ポリマーなどからなる接着剤を用いてあるいは溶
着などの接着手段を用いて耐熱性補強材を接着す
る方法、金属粉末およびこの粉末を結合する有機
質結合剤を含む成形前の混練物を耐熱性補強材に
塗設および/または含浸させるなどの付着手段を
用いて金属粉末成形本体の成形と同時に補強材を
一体化させる方法、その他金属粉末成形本体と耐
熱性補強材とを重ね合わせて加熱加圧する加圧手
段によつて一体化させる方法などを採用すること
ができる。
なお、耐熱性補強材を金属粉末成形本体の表面
に設けるかあるいは内部に設けるか、また表面に
設ける場合でも一面側だけに設けるか両面側に設
けるかは、焼結方法や金属粉末成形本体の種類、
厚みその他用途目的などに応じて適宜決定すれば
よい。しかし、一般には成形本体の片面または内
部に設けるようにするのが望ましい。内部に設け
る場合の耐熱性補強材としては特に穿孔金属箔を
用いるのが好ましい。
つぎに、このようにして得られるこの発明の低
収縮性金属粉末成形体を用いて金属母材面に金属
被覆層を形成する方法につき説明する。
この方法においては、まず上記成形体をこの成
形体を構成する金属粉末成形本体を介して金属母
材面に貼着する。ここで、金属粉末成形本体を介
しての意味は、片面に耐熱性補強材が設けられた
ものではこの補強材が外側、つまり成形本体が内
側となつてこの本体が母材面と接触するように貼
着することを意味するものである。
この貼着に際して、金属母材面が平坦である場
合はもちろんのこと凹部などの曲面を有する場合
でも、この曲面形状に沿つて上記成形体を追随変
形させることにより、この成形体を母材面に対し
て密着性良好に貼着させることができる。特に成
形体を構成する耐熱性補強材として塑性変形性を
有するものが用いられていることにより、上記変
形状態を良好に保持させることができるから、焼
結前の取扱い時または焼結中に形崩れしたり、形
崩れに起因する母材面との接着不良を生じるおそ
れは全くない。
上記の如き貼着は、金属母材面が平坦である場
合などでは、成形本体の表面の平滑性または弱粘
着性を利用して直接行うことができる。しかし、
母材面が傾斜していたり、焼結処理が振動状態下
などで行われたりする場合などでは、常温で感圧
接着性を有する有機質ポリマーを主剤とした接着
剤を用いて行うのが好ましい。
特に、上記の有機質ポリマーが、前記結合剤に
ついで述べたのと同様の(メタ)アクリル酸アル
キルエステルの単独重合体、または(メタ)アク
リル酸アルキルエステルとこれと共重合可能な官
能性モノマーおよび/またはビニルエステルモノ
マーとの共重合体からなるものを使用し、この接
着剤を50μm以下の厚みで介在させて用いると、
焼結時の炉内の昇温に従つて、上記ポリマーが熱
分解重縮合反応をおこしてタールピツチ状の粘性
物を生成し、これが粉末成形体が焼結し始める温
度付近まで母材への接着固定能を維持するので好
都合である。
このようにして貼着したのち、金属粉末成形本
体の金属粉末の種類に応じた適宜の温度条件下に
一定速度で加熱昇温して焼結処理を行う。この処
理は、金属粉末の酸化劣化を防止するために、
N2、Arの如き不活性ガス雰囲気、H2の如き還元
性雰囲気、真空雰囲気などの非酸化性雰囲気下で
行われる。
このように焼結処理することにより、金属母材
面に密度が高く母材面の耐摩耗性や耐腐食性など
の向上に寄与する金属被覆層が形成される。この
被覆層は縦横の面方向の長さが原形の10%以下、
好態として5%以下の実質的に焼結前の成形体と
同一または近似の大きさを有するものであり、焼
結処理中の面方向収縮が良好に抑えられているこ
とにより、母材面が凹部などを有する曲面形状で
ある場合でも、この母材面と金属被覆層との間に
空隙を生じることはない。すなわち、母材と金属
被覆層との密着性に非常にすぐれたものとなる。
なお、上記焼結処理により形成された金属被覆
層の表面に残存する耐熱性補強材は、必要に応じ
て研磨などの手段により除去することができる。
以上詳述したとおり、この発明の上記特定の低
収縮性金属粉末成形体を用いてこれを上述の如く
焼結処理することにより、工具、機械、電気、自
動車などの金属母材面に対し表面改質用の良質の
金属被覆層を密着性および寸法安定性良好にかつ
容易に形成できるものである。
つぎに、この発明の実施例を記載してより具体
的に説明する。なお、以下に部とあるのは重量部
を意味する。
実施例 1 粒度200メツシユ以下のSUS302(#250)粉末
100部とポリビニルブチラール8部とにトルエン
80部を加えて湿式混練し、ロール圧延によつて、
厚さが1.5mmになるようにシート化して金属粉末
成形本体とした。
このシート状本体の両面に、2−エチルヘキシ
ルアクリレート93部、エチルアクリレート2部、
アクリル酸5部および酢酸エチル100部からなる
重合原料を共重合させてなる常温で感圧接着性を
有するアクリル系重合体の溶液を、乾燥後の厚み
が20μmとなるように塗布乾燥し、20mm×20mmの
大きさに切断した。
つぎに、この切断片の片面に、溶融温度が1530
℃で、厚みが50μmのFe箔(大きさ20mm×20mm)
を貼り合せて低収縮性金属粉末成形体とした。こ
の成形体を上記Fe箔とは反対側の面を内側にし
て曲率半径が100mmの金属母材面に貼着し、真空
雰囲気下で1350℃で焼結して金属被覆層を形成し
た。
この金属被覆層の両方向への収縮率は前記切断
片原寸の約5%であつた。なお、Fe箔を貼り合
わせていない前記切断片のみを上記同様に焼結し
たときの面方向への収縮率は約15%であつた。
実施例 2 Mo10.5重量%、Cr2.5重量%、P2.4重量%、
C3.5重量%、残部Feの組成を有し、粒度が150メ
ツシユ以下の三元共晶合金粉末48.5重量%と、粒
度150メツシユ以下のSUS410粉末48.5重量%と、
アクリル酸エステル−アクリル酸共重合体からな
る常温で感圧接着性を有するアクリル系共重合体
3重量%とに、トルエンを上記アクリル系重合体
100部に対して200部加えて混練し、ロール圧延し
て、密度4.8g/cm3、厚み1.5mmのシート状の金属
粉末成形本体とした。
このシート状本体を20mm×20mmの大きさに切断
したのち、切断片の片面に溶融温度が1455℃、厚
みが40μmの上記切断片と同じ大きさのニツケル
箔を加圧により貼り合せて低収縮性金属粉末成形
体とした。この成形体を上記ニツケル箔とは反対
側の面を内側にして曲率半径が100mmの金属母材
面に貼着し、H2ガス雰囲気下で1090℃で焼結し
て金属被覆層を形成した。
この金属被覆層の面方向への収縮率は前記切断
片原寸の約2%であつた。なお、ニツケル箔を貼
り合せていない切断片のみを上記同様に焼結した
ときの収縮率は約17%であつた。
実施例 3 実施例2で使用したものと同一の三元共晶合金
粉末47.5重量%と粒度150メツシユ以下のSUS410
粉末47.5重量%と実施例2で使用したものと同一
の常温で感圧接着性を有するアクリル系重合体5
重量%とを、上記重合体100部に対して200部のト
ルエンを用いて混練し、ロール圧延して厚み1.2
mm、密度4.35g/cm3のシート状の金属粉末成形本
体とした。
このシート状本体を20mm×20mmの大きさに切断
したのち、切断片の片面に10μm厚の上記同様の
常温で感圧接着性を有するアクリル系重合体から
なる接着剤を介して融点1455℃、厚み40μmで穿
孔率80%の上記切断片と同じ大きさのNi箔を貼
り合せてこの発明の低収縮性金属粉末成形体とし
た。
つぎに、この成形体のNi箔とは反対側の面に
上記同様の常温で感圧接着性を有するアクリル系
重合体からなる接着剤を20μm厚に塗布したの
ち、この塗布面を内側にして曲率半径が100mmの
金属母材面に貼着し、真空雰囲気下で1090℃で焼
結して金属被覆層を形成した。
この金属被覆層の面方向への収縮率は前記切断
片原寸の約2%であつた。なお、Ni箔を貼り合
せていない前記切断片を上記同様にして金属母材
面に貼着して焼結させたときの収縮率は約20%で
あつた。
実施例 4 ブチルアクリレート98部、ヒドロキシエチルア
クリレート2部および酢酸エチル100部からなる
重合原料を共重合させてなる重量平均分子量45万
の常温で感圧接着性を有するアクリル系重合体の
溶液に、その固型分100部に対してレゾール系フ
エノール樹脂を30部添加混合して、ガラス転移温
度が−56℃で、25℃での弾性率が1.4Kg/cm2の結
合剤溶液を得た。
この結合剤溶液の固型分6部に、還元鉄粉
(#250)100部を添加して混練し、ロール圧延に
よつて厚さ1.8mmとなるようにシート化して金属
粉末成形本体とした。
このシート状本体を20mm×20mmの大きさに切断
し、この切断片の片面に、溶融温度が1672℃、厚
みが30μmでかつ穿孔率が20%である上記切断片
と同じ大きさのTi製穿孔箔を加圧により貼り合
せて低収縮性金属粉末成形体とした。
この成形体を、上記穿孔箔とは反対側の面に上
記同様の常温で感圧接着性を有するアクリル系重
合体からなる接着剤を20μm厚に塗布したのち、
この塗布面を内側にして曲率半径が100mmの金属
母材面に貼着し、H2ガス雰囲気下で1400℃で焼
結して金属被覆層を形成した。
この金属被覆層の面方向への収縮率は前記切断
片原寸の約9%であつた。なお、穿孔箔を貼り合
せていない前記切断片のみを上記同様に焼結した
ときの収縮率は22%であつた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 金属母材面に、金属粉末およびこの粉末を結
    合する有機質結合剤を含む金属粉末成形本体とこ
    の本体の表面または内部に設けられた焼結時の面
    方向収縮を抑制する塑性変形性の金属箔または穿
    孔金属箔よりなる耐熱性補強材とからなる低収縮
    性金属粉末成形体を、上記本体面を介して貼着し
    たのち、非酸化性雰囲気下で加熱昇温して上記本
    体を焼結することにより、金属母材面に金属被覆
    層を形成することを特徴とする金属被覆層の形成
    方法。 2 金属粉末が合金粉末である特許請求の範囲第
    1項記載の金属被覆層の形成方法。 3 有機質結合剤が常温で感圧接着性を有する有
    機質ポリマーを主剤として含む特許請求の範囲第
    1項または第2項記載の金属被覆層の形成方法。 4 常温で感圧接着性を有する有機質ポリマーが
    (メタ)アクリル酸アルキルエステルの単独重合
    体または(メタ)アクリル酸アルキルエステルと
    これと共重合可能な官能性モノマーおよび/また
    はビニルエステルモノマーとの共重合体からなる
    特許請求の範囲第3項記載の金属被覆層の形成方
    法。 5 金属粉末成形本体中の有機質結合剤量が1〜
    15重量%である特許請求の範囲第1〜4項のいず
    れかに記載の金属被覆層の形成方法。 6 耐熱性補強材の溶融温度が金属粉末成形本体
    の焼結温度近傍あるいはそれ以上である特許請求
    の範囲第1〜5項のいずれかに記載の金属被覆層
    の形成方法。 7 低収縮性金属粉末成形体を金属母材面に貼着
    するにあたり常温で感圧接着性を有する有機質ポ
    リマーを主剤とした接着剤を使用する特許請求の
    範囲第1〜6項のいずれかに記載の金属被覆層の
    形成方法。 8 接着剤を構成する常温で感圧接着性を有する
    有機質ポリマーが(メタ)アクリル酸アルキルエ
    ステルの単独重合体または(メタ)アクリル酸ア
    ルキルエステルとこれと共重合可能な官能性モノ
    マーおよび/またはビニルエステルモノマーとの
    共重合体からなる特許請求の範囲第7項記載の金
    属被覆層の形成方法。
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