JPH02199B2 - - Google Patents
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- JPH02199B2 JPH02199B2 JP60249989A JP24998985A JPH02199B2 JP H02199 B2 JPH02199 B2 JP H02199B2 JP 60249989 A JP60249989 A JP 60249989A JP 24998985 A JP24998985 A JP 24998985A JP H02199 B2 JPH02199 B2 JP H02199B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fibers
- ink
- fiber
- temperature
- acrylic
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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- Pens And Brushes (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
本発明は筆記具用インク吸蔵体に関するもので
ある。 従来、この種のインク吸蔵体は、ポリエステ
ル、ナイロン、アクリル、ビニロン、ポリエチレ
ン等の合成繊維の繊維束にメラミン、エポキシ、
フエノール等の熱硬化性樹脂初期縮合物を含浸さ
せて圧縮し、加熱することにより含浸している熱
硬化性樹脂を硬化させて繊維を結着成型したもの
が使用されているが、筆記用インク等液状物を円
滑に流動させるべき吸蔵体にこれら熱硬化性樹脂
を使用する時は、繊維束に対する熱硬化性樹脂の
附着が各部均等に行われにくく、従つてインク流
出およびインクの適正な吸蔵を行うところの毛管
構造が不完全になりひいてはインク流出量のバラ
ツキがひどいという欠点があつた。 かかる欠陥を改良するために、例えば融点を異
にする複数種の繊維を混合して得たスライバーを
これと近似する融点をもつ樹脂皮膜で覆いつつ熱
融着せしめる製造法によるものが特公昭50−
37571号公報に記載されているが、互に融点の異
なる複数種の繊維にあつては、同時に繊維の強伸
度、捲縮条件の差等、大きな差が存在し、為に均
一かつ充分な混毛効果を行わしめる様な紡績条件
を設定することが困難、かつ複数種繊維の均一な
る混毛も容易に得がたく、結果として均一な毛管
構造が得にくいという欠陥があつた。また、繊維
を軸方向に引揃えた連続繊維束に接着剤溶液を施
し、その後搾液し溶剤を乾燥除去することで結着
固化し、最後に繊維束外周部を高分子フイルムで
被覆してインク吸蔵体となす製造法が特公昭45−
16963号公報に記載されているが、高分子フイル
ムによるテープに巻き込んだ後該テープの重なり
合う部分で接合せしめる工程が高速化できず、ま
た不良品発生率も高く、経済性に乏しいという欠
陥があつた。 本発明者等はかかる欠陥を排除すべく鋭意研究
の結果、本発明を完成した。 本発明の目的はインク利用率が高く、にじみ、
かすれのない優れた筆記性を有し且つ組立作業性
に優れた筆記具用インク吸蔵体を提供するにあ
る。 本発明は繊維軸方向に引揃えられ、少なくとも
50重量%のアクリロニトリルを含有するポリマー
よりなる捲縮を有したアクリル系繊維の繊維束か
らなり、該繊維束中でアクリル系繊維の一部が繊
維自身のゲル化により接着されてなる筆記具用イ
ンク吸蔵体にかかるものである。 本発明に適用する捲縮を有するアクリル系繊維
は通常市販のアクリル系繊維でよく、例えば50重
量%、好ましくは80重量%以上のアクリロニトリ
ルを含有し、必要に応じアクリル酸メチル、メタ
クリル酸メチル等のアクリル酸誘導体、或いはス
ルホン酸基を含有するモノマーを共重合したアク
リル系重合体を紡出後、捲縮を与えたものが使用
される。 アクリル系繊維の捲縮は捲縮数5−20ケ/イン
チ、特に6〜14ケ/インチのものが好ましく、又
繊度は通常1〜20デニール、好ましくは2〜10デ
ニールのものが使用され、又繊維束は繊維長が30
〜200mm、特に8〜110mmの繊維よりなるスライバ
ーが好ましい。 而して、本発明のインク吸蔵体は繊維相互間間
隙がほぼ均一に分布し、かつ特に大き過ぎたり、
また特に小さ過ぎたりする事の無い様、ほぼ均一
な毛管構造を持たしめる必要があり、その為には
繊維と繊維の密着を避ける必要がある。 この点、捲縮の無い捲縮を用いる場合は繊維相
互の部分的密着が起り易く、適当な毛管的間隙を
形成し難い。従つて使用する繊維には捲縮のある
事が必要であり、斯かる繊維を用いると繊維相互
の密着も起り難く、インク吸蔵性、インク流動性
に就いても優れたものが得られ易い。捲縮は紡糸
工程後段で物理的、機械的に与えられたものでも
良いし、或は繊維の持つ潜在収縮力を利用した所
の構造的なものでも良い。 本発明に適用する有機溶媒としてはアミド系、
ニトリル系、スルホン系、スルホキサイド系、ニ
トロ系、カーボネート系化合物等の多数のものが
列挙でき、例えば、アミド系化合物にあつてはジ
メチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等、
またニトリル系化合物にあつてはサクシノニトリ
ル、マロンニトリル等、またスルホン系化合物に
あつてはニトラメチレンスルホン、エチルメチル
スルホン等、またスルホキサイド系化合物にあつ
てはジメチルスルホキサイド、また、ニトロ系化
合物にあつてはニトロメタン、また、カーボネー
ト系化合物にあつてはγ―ブチロラクトン、エチ
レンカーボネート等が挙げられる。これらの溶媒
は混合又は水溶液等の溶液として使用することも
できる。これら各種溶媒のアクリル系繊維に対す
る溶解挙動は必ずしも同一ではなく、それぞれの
化学的特性によつて影響を受け、その温度依存性
或は可溶化温度は千差万別である。従つて、本発
明に対しては処理条件を選びさえすれば、これら
の有機溶媒のいずれをも使用可能であるが、その
際、その各々の有機溶媒のアクリル系繊維に対す
る化学的性質、就中温度依存性を勘案し、その温
度範囲にては繊維が未だ膨潤を起さぬ様な温度に
浸漬浴温度を選ぶことが肝要である。 従つて、含浸処理ならびに搾液を行つた後の固
結および乾燥の為には、更に高温度の雰囲気中に
繊維を曝すわけであるが、この時点に始めて該有
機溶媒が繊維に対して膨潤・溶解現象を起し始め
る様な温度を乾燥・固結温度に選ばねばならなな
い。 本発明に適用する溶媒としては作業性、得られ
るものの品質の面から、特にテトラメチレンスル
ホンが好適である。 本発明において使用される有機溶媒の使用量は
製造しようとする所の吸蔵体の硬度により適宜増
減する必要があり、硬度はまた筆記具の大きさ即
ち吸蔵体の太さ、ペン先体との連結形式、あるい
は使用するインクの粘度、流動性とも関連する。 従つて、この様な硬度要求に従つて有機溶剤純
分の対繊維付着量は通常1〜30重量%の範囲より
適宜選択されるが、7〜15重量%の範囲が最も好
適である。 又、有機溶媒の溶液として使用する場合有機溶
媒の溶液濃度はその後の搾液装置の搾液率に従つ
て適宜増減すればよく、要すれば搾液後繊維に附
着する量が繊維重量の1〜30重量%、好ましくは
7〜15重量%になるように調節すればよい。 本発明のインク吸蔵体は引揃えられた繊維束中
で少なくともその一部が、使用したアクリル系繊
維自身のゲル化により接着されてなるものであ
る。接着の度合は使用する繊維のデニール、繊維
長、捲縮数、スライバーのゲレン、目的とする吸
蔵体の密度、その種類等により異なるが、少なく
ともその一部は繊維の形状を保持するものであ
る。 次に、本発明のインク吸蔵体の製造法について
述べる。 捲縮を有するアクリル系繊維は繊維長30〜200
mmのカツト綿を梳綿および練篠を経て軸方向に引
揃えた繊維束にしたのち成型加工に入る。梳綿お
よび練篠の形式としてはアクリル系繊維の繊維長
に応じて所謂2インチ紡形式、3インチ紡形式等
の短紡式、あるいは梳毛紡、セミ梳毛紡等の長紡
式も用い得、梳毛式スライバーが最も好ましい。
スライバーのゲレンは目的とするインク吸蔵体の
種類により適宜決定し得るが、通常1〜100g/
mのものが使用され、本発明の場合通常密度は
0.1〜0.6g/cm3である。 次に、斯くして得られたスライバーを引揃えた
繊維束を形成するアクリル系繊維に対し、溶解性
を有する有機溶剤を繊維間に含浸等により付与し
該繊維を部分的に溶解させ、次いで圧縮しつつ加
熱することで所望の形状に成型する。圧縮及び加
熱は通常200℃以上の高熱細管を通過せしめて行
なうが、これは繊維束表面層の有機溶剤を蒸発さ
せて相互接触の状態にあつた繊維間に接着を起さ
せると共に、アクリル系繊維自身の高熱による軟
化を惹起せしめた上、表面層の繊維を圧潰するこ
とで扁平化した繊維を重着させ被膜層を円筒体外
面に周設せしめると共に所望の外形に成型せしめ
るものである。この処理は接触時間通常0.05〜
0.3sec程度の短時間、また温度については通常
200℃〜350℃の範囲が使用可能であるが、好まし
くは接触時間0.1〜0.2sec、処理温度250〜280℃が
良い。 加熱により所望の形状に成型された繊維束は次
いで乾燥して溶媒を除去する。乾燥は使用する有
機溶媒のアクリル系繊維に対する溶解温度点以上
の温度であれば良く、前述の如く、最も好ましい
とされるテトラメチレンスルホンの例では60℃以
上であれば良い。乾燥は繊維束の中心層に至るま
で熱風を圧入せしめることで、ゲル化した繊維内
部の有機溶剤を蒸発せしめ、互に接触しあつた部
分の繊維間を融着せしめるもので、通常60〜110
℃の温度範囲、処理時間1〜10min程度の時間で
良く、所望する成型品の太さ、密度により異なる
が80℃〜90℃の温度範囲、3〜7minの処理時間
が最も好ましい。 乾燥温度はむしろ出来得る限り低温度の方が、
経済的でもありまた繊維の不用意な熱損傷を防止
する意味からも好ましい。乾燥に必要なる時間
は、インク吸蔵体の外径、必要とする硬度、およ
び成型用円筒形ノズル中を導通させる時の通過速
度によつて増減すれば良い。要するにインク吸蔵
体円柱の中芯部分に至るまで必要且つ十分な乾燥
および固結が為されておれば良く、必要以上の時
間を乾燥の為にかけることは不要である。 得られたインク吸蔵体の外周面の硬質被膜層
は、後に筆記具本体円筒中に斯かるインク吸蔵体
を内設せしめる際、筆記具本体とインク吸蔵体と
の間に僅かな間隙を形成し、これが、インクを圧
入する作業の際に注入インクと置換すべき空気の
溢脱の経路となると同時に完成した筆記具にて、
文字等を描画するに際しても、同様に紙面の上に
流出するインクと置換すべき空気の導通とすると
ころとなり好都合である。 本発明のインク吸蔵体は熱硬化性樹脂を用いず
に繊維自身を膨潤・溶解せしめるものであるか
ら、硬化剤、処理剤等の未反応残留物が繊維内に
沈着することも無く、また、繊維内空隙に処理剤
が万遍なく行渡る点においても硬化剤による物よ
り遥かに勝れており要するに処理剤残留物との化
学的反応によるインクの変質はもとより接着の不
均一より生ずる気孔の不均一さに原因するインク
の目詰まり等による筆記不能等の無い液状インク
を安定して供給できる吸蔵体を提供する事ができ
る。 本発明による所の筆記具用インク吸蔵体は斯か
る特長を有しており使い易い為、細字用、中字
用、太字用の別、或は油性インク、水溶性インク
の別或は硬質ペン先を有する筆記具、毛筆式ペン
先を有する筆記具の別を問わず広範囲の用途の筆
記具に使用し得る。 更に、本発明の筆記具用インク吸蔵体は種々の
特長を有するが、その一つは繊維束間毛管構造が
均一である為、透過、吸蔵機能が均等であり、イ
ンクの浸出が常に円滑に行われること、また他の
一つは熱硬化性樹脂並びに硬化促進剤・触媒、安
定剤等種々薬剤を全く使用しない為、これら未反
応残留物乃至は添加剤とインクとの化学反応を惹
起する危惧の無く、従つてインクの品質劣化を来
たす虞れの無い事等であつて極めて有利なものあ
る。 以下に本発明の実施例を挙げる。 実施例 1 繊度3デニール、繊維長102mmバイヤスカツト
の機械捲縮アクリル系繊維を通常の梳毛紡績と同
様の工程により梳綿、練篠を経て40g/mのスラ
イバーをつくる。このスライバーをテトラメチレ
ンスルホンの10%アセトン溶液に浸漬後ローラー
で搾液(含液率100%)してから集束ノズルを経
て、表面温度20℃に保たれた成型用円筒体の中を
走行させスライバー表面繊維層の有機溶剤(テト
ラメチレンスルホンおよびアセトン)を蒸発除去
すると共に、硬化被膜をつくる。続いて80℃の熱
風を循環させている乾燥機中を通過させて残りの
有機溶剤をすべて蒸発除去し、最後にカツター部
を通して直径15mm、長さ100mmの円柱状インク吸
蔵体を得た。得られたインク吸蔵体を筒部の内径
を16mmとして筆記具本体に嵌装し、油性インクを
封入して作業性、筆記性、インク利用度を従来品
と比較した所第1表に示す結果を得た。 【表】
ある。 従来、この種のインク吸蔵体は、ポリエステ
ル、ナイロン、アクリル、ビニロン、ポリエチレ
ン等の合成繊維の繊維束にメラミン、エポキシ、
フエノール等の熱硬化性樹脂初期縮合物を含浸さ
せて圧縮し、加熱することにより含浸している熱
硬化性樹脂を硬化させて繊維を結着成型したもの
が使用されているが、筆記用インク等液状物を円
滑に流動させるべき吸蔵体にこれら熱硬化性樹脂
を使用する時は、繊維束に対する熱硬化性樹脂の
附着が各部均等に行われにくく、従つてインク流
出およびインクの適正な吸蔵を行うところの毛管
構造が不完全になりひいてはインク流出量のバラ
ツキがひどいという欠点があつた。 かかる欠陥を改良するために、例えば融点を異
にする複数種の繊維を混合して得たスライバーを
これと近似する融点をもつ樹脂皮膜で覆いつつ熱
融着せしめる製造法によるものが特公昭50−
37571号公報に記載されているが、互に融点の異
なる複数種の繊維にあつては、同時に繊維の強伸
度、捲縮条件の差等、大きな差が存在し、為に均
一かつ充分な混毛効果を行わしめる様な紡績条件
を設定することが困難、かつ複数種繊維の均一な
る混毛も容易に得がたく、結果として均一な毛管
構造が得にくいという欠陥があつた。また、繊維
を軸方向に引揃えた連続繊維束に接着剤溶液を施
し、その後搾液し溶剤を乾燥除去することで結着
固化し、最後に繊維束外周部を高分子フイルムで
被覆してインク吸蔵体となす製造法が特公昭45−
16963号公報に記載されているが、高分子フイル
ムによるテープに巻き込んだ後該テープの重なり
合う部分で接合せしめる工程が高速化できず、ま
た不良品発生率も高く、経済性に乏しいという欠
陥があつた。 本発明者等はかかる欠陥を排除すべく鋭意研究
の結果、本発明を完成した。 本発明の目的はインク利用率が高く、にじみ、
かすれのない優れた筆記性を有し且つ組立作業性
に優れた筆記具用インク吸蔵体を提供するにあ
る。 本発明は繊維軸方向に引揃えられ、少なくとも
50重量%のアクリロニトリルを含有するポリマー
よりなる捲縮を有したアクリル系繊維の繊維束か
らなり、該繊維束中でアクリル系繊維の一部が繊
維自身のゲル化により接着されてなる筆記具用イ
ンク吸蔵体にかかるものである。 本発明に適用する捲縮を有するアクリル系繊維
は通常市販のアクリル系繊維でよく、例えば50重
量%、好ましくは80重量%以上のアクリロニトリ
ルを含有し、必要に応じアクリル酸メチル、メタ
クリル酸メチル等のアクリル酸誘導体、或いはス
ルホン酸基を含有するモノマーを共重合したアク
リル系重合体を紡出後、捲縮を与えたものが使用
される。 アクリル系繊維の捲縮は捲縮数5−20ケ/イン
チ、特に6〜14ケ/インチのものが好ましく、又
繊度は通常1〜20デニール、好ましくは2〜10デ
ニールのものが使用され、又繊維束は繊維長が30
〜200mm、特に8〜110mmの繊維よりなるスライバ
ーが好ましい。 而して、本発明のインク吸蔵体は繊維相互間間
隙がほぼ均一に分布し、かつ特に大き過ぎたり、
また特に小さ過ぎたりする事の無い様、ほぼ均一
な毛管構造を持たしめる必要があり、その為には
繊維と繊維の密着を避ける必要がある。 この点、捲縮の無い捲縮を用いる場合は繊維相
互の部分的密着が起り易く、適当な毛管的間隙を
形成し難い。従つて使用する繊維には捲縮のある
事が必要であり、斯かる繊維を用いると繊維相互
の密着も起り難く、インク吸蔵性、インク流動性
に就いても優れたものが得られ易い。捲縮は紡糸
工程後段で物理的、機械的に与えられたものでも
良いし、或は繊維の持つ潜在収縮力を利用した所
の構造的なものでも良い。 本発明に適用する有機溶媒としてはアミド系、
ニトリル系、スルホン系、スルホキサイド系、ニ
トロ系、カーボネート系化合物等の多数のものが
列挙でき、例えば、アミド系化合物にあつてはジ
メチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等、
またニトリル系化合物にあつてはサクシノニトリ
ル、マロンニトリル等、またスルホン系化合物に
あつてはニトラメチレンスルホン、エチルメチル
スルホン等、またスルホキサイド系化合物にあつ
てはジメチルスルホキサイド、また、ニトロ系化
合物にあつてはニトロメタン、また、カーボネー
ト系化合物にあつてはγ―ブチロラクトン、エチ
レンカーボネート等が挙げられる。これらの溶媒
は混合又は水溶液等の溶液として使用することも
できる。これら各種溶媒のアクリル系繊維に対す
る溶解挙動は必ずしも同一ではなく、それぞれの
化学的特性によつて影響を受け、その温度依存性
或は可溶化温度は千差万別である。従つて、本発
明に対しては処理条件を選びさえすれば、これら
の有機溶媒のいずれをも使用可能であるが、その
際、その各々の有機溶媒のアクリル系繊維に対す
る化学的性質、就中温度依存性を勘案し、その温
度範囲にては繊維が未だ膨潤を起さぬ様な温度に
浸漬浴温度を選ぶことが肝要である。 従つて、含浸処理ならびに搾液を行つた後の固
結および乾燥の為には、更に高温度の雰囲気中に
繊維を曝すわけであるが、この時点に始めて該有
機溶媒が繊維に対して膨潤・溶解現象を起し始め
る様な温度を乾燥・固結温度に選ばねばならなな
い。 本発明に適用する溶媒としては作業性、得られ
るものの品質の面から、特にテトラメチレンスル
ホンが好適である。 本発明において使用される有機溶媒の使用量は
製造しようとする所の吸蔵体の硬度により適宜増
減する必要があり、硬度はまた筆記具の大きさ即
ち吸蔵体の太さ、ペン先体との連結形式、あるい
は使用するインクの粘度、流動性とも関連する。 従つて、この様な硬度要求に従つて有機溶剤純
分の対繊維付着量は通常1〜30重量%の範囲より
適宜選択されるが、7〜15重量%の範囲が最も好
適である。 又、有機溶媒の溶液として使用する場合有機溶
媒の溶液濃度はその後の搾液装置の搾液率に従つ
て適宜増減すればよく、要すれば搾液後繊維に附
着する量が繊維重量の1〜30重量%、好ましくは
7〜15重量%になるように調節すればよい。 本発明のインク吸蔵体は引揃えられた繊維束中
で少なくともその一部が、使用したアクリル系繊
維自身のゲル化により接着されてなるものであ
る。接着の度合は使用する繊維のデニール、繊維
長、捲縮数、スライバーのゲレン、目的とする吸
蔵体の密度、その種類等により異なるが、少なく
ともその一部は繊維の形状を保持するものであ
る。 次に、本発明のインク吸蔵体の製造法について
述べる。 捲縮を有するアクリル系繊維は繊維長30〜200
mmのカツト綿を梳綿および練篠を経て軸方向に引
揃えた繊維束にしたのち成型加工に入る。梳綿お
よび練篠の形式としてはアクリル系繊維の繊維長
に応じて所謂2インチ紡形式、3インチ紡形式等
の短紡式、あるいは梳毛紡、セミ梳毛紡等の長紡
式も用い得、梳毛式スライバーが最も好ましい。
スライバーのゲレンは目的とするインク吸蔵体の
種類により適宜決定し得るが、通常1〜100g/
mのものが使用され、本発明の場合通常密度は
0.1〜0.6g/cm3である。 次に、斯くして得られたスライバーを引揃えた
繊維束を形成するアクリル系繊維に対し、溶解性
を有する有機溶剤を繊維間に含浸等により付与し
該繊維を部分的に溶解させ、次いで圧縮しつつ加
熱することで所望の形状に成型する。圧縮及び加
熱は通常200℃以上の高熱細管を通過せしめて行
なうが、これは繊維束表面層の有機溶剤を蒸発さ
せて相互接触の状態にあつた繊維間に接着を起さ
せると共に、アクリル系繊維自身の高熱による軟
化を惹起せしめた上、表面層の繊維を圧潰するこ
とで扁平化した繊維を重着させ被膜層を円筒体外
面に周設せしめると共に所望の外形に成型せしめ
るものである。この処理は接触時間通常0.05〜
0.3sec程度の短時間、また温度については通常
200℃〜350℃の範囲が使用可能であるが、好まし
くは接触時間0.1〜0.2sec、処理温度250〜280℃が
良い。 加熱により所望の形状に成型された繊維束は次
いで乾燥して溶媒を除去する。乾燥は使用する有
機溶媒のアクリル系繊維に対する溶解温度点以上
の温度であれば良く、前述の如く、最も好ましい
とされるテトラメチレンスルホンの例では60℃以
上であれば良い。乾燥は繊維束の中心層に至るま
で熱風を圧入せしめることで、ゲル化した繊維内
部の有機溶剤を蒸発せしめ、互に接触しあつた部
分の繊維間を融着せしめるもので、通常60〜110
℃の温度範囲、処理時間1〜10min程度の時間で
良く、所望する成型品の太さ、密度により異なる
が80℃〜90℃の温度範囲、3〜7minの処理時間
が最も好ましい。 乾燥温度はむしろ出来得る限り低温度の方が、
経済的でもありまた繊維の不用意な熱損傷を防止
する意味からも好ましい。乾燥に必要なる時間
は、インク吸蔵体の外径、必要とする硬度、およ
び成型用円筒形ノズル中を導通させる時の通過速
度によつて増減すれば良い。要するにインク吸蔵
体円柱の中芯部分に至るまで必要且つ十分な乾燥
および固結が為されておれば良く、必要以上の時
間を乾燥の為にかけることは不要である。 得られたインク吸蔵体の外周面の硬質被膜層
は、後に筆記具本体円筒中に斯かるインク吸蔵体
を内設せしめる際、筆記具本体とインク吸蔵体と
の間に僅かな間隙を形成し、これが、インクを圧
入する作業の際に注入インクと置換すべき空気の
溢脱の経路となると同時に完成した筆記具にて、
文字等を描画するに際しても、同様に紙面の上に
流出するインクと置換すべき空気の導通とすると
ころとなり好都合である。 本発明のインク吸蔵体は熱硬化性樹脂を用いず
に繊維自身を膨潤・溶解せしめるものであるか
ら、硬化剤、処理剤等の未反応残留物が繊維内に
沈着することも無く、また、繊維内空隙に処理剤
が万遍なく行渡る点においても硬化剤による物よ
り遥かに勝れており要するに処理剤残留物との化
学的反応によるインクの変質はもとより接着の不
均一より生ずる気孔の不均一さに原因するインク
の目詰まり等による筆記不能等の無い液状インク
を安定して供給できる吸蔵体を提供する事ができ
る。 本発明による所の筆記具用インク吸蔵体は斯か
る特長を有しており使い易い為、細字用、中字
用、太字用の別、或は油性インク、水溶性インク
の別或は硬質ペン先を有する筆記具、毛筆式ペン
先を有する筆記具の別を問わず広範囲の用途の筆
記具に使用し得る。 更に、本発明の筆記具用インク吸蔵体は種々の
特長を有するが、その一つは繊維束間毛管構造が
均一である為、透過、吸蔵機能が均等であり、イ
ンクの浸出が常に円滑に行われること、また他の
一つは熱硬化性樹脂並びに硬化促進剤・触媒、安
定剤等種々薬剤を全く使用しない為、これら未反
応残留物乃至は添加剤とインクとの化学反応を惹
起する危惧の無く、従つてインクの品質劣化を来
たす虞れの無い事等であつて極めて有利なものあ
る。 以下に本発明の実施例を挙げる。 実施例 1 繊度3デニール、繊維長102mmバイヤスカツト
の機械捲縮アクリル系繊維を通常の梳毛紡績と同
様の工程により梳綿、練篠を経て40g/mのスラ
イバーをつくる。このスライバーをテトラメチレ
ンスルホンの10%アセトン溶液に浸漬後ローラー
で搾液(含液率100%)してから集束ノズルを経
て、表面温度20℃に保たれた成型用円筒体の中を
走行させスライバー表面繊維層の有機溶剤(テト
ラメチレンスルホンおよびアセトン)を蒸発除去
すると共に、硬化被膜をつくる。続いて80℃の熱
風を循環させている乾燥機中を通過させて残りの
有機溶剤をすべて蒸発除去し、最後にカツター部
を通して直径15mm、長さ100mmの円柱状インク吸
蔵体を得た。得られたインク吸蔵体を筒部の内径
を16mmとして筆記具本体に嵌装し、油性インクを
封入して作業性、筆記性、インク利用度を従来品
と比較した所第1表に示す結果を得た。 【表】
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 繊維軸方向に引揃えられ、少なくとも50重量
%のアクリロニトリルを含有するポリマーよりな
る捲縮を有したアクリル系繊維の繊維束からな
り、該繊維束中でアクリル系繊維の一部が繊維自
身のゲル化により接着されてなる筆記具用インク
吸蔵体。 2 繊維束がスライバーである特許請求の範囲第
1項記載の吸蔵体。 3 吸蔵体の重量が1m当り(換算)1〜100gで
ある特許請求の範囲第1項記載の吸蔵体。 4 吸蔵体の密度が0.1〜0.6g/cm3である特許請
求の範囲第1項記載の吸蔵法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP60249989A JPS6253897A (ja) | 1985-11-07 | 1985-11-07 | 筆記具用インク吸蔵体 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP60249989A JPS6253897A (ja) | 1985-11-07 | 1985-11-07 | 筆記具用インク吸蔵体 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6253897A JPS6253897A (ja) | 1987-03-09 |
| JPH02199B2 true JPH02199B2 (ja) | 1990-01-05 |
Family
ID=17201175
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP60249989A Granted JPS6253897A (ja) | 1985-11-07 | 1985-11-07 | 筆記具用インク吸蔵体 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6253897A (ja) |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5097423A (ja) * | 1973-12-29 | 1975-08-02 | ||
| JPS5294234A (en) * | 1976-02-03 | 1977-08-08 | Asahi Chemical Ind | Ink retainer |
-
1985
- 1985-11-07 JP JP60249989A patent/JPS6253897A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6253897A (ja) | 1987-03-09 |
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