JPH0222057B2 - - Google Patents
Info
- Publication number
- JPH0222057B2 JPH0222057B2 JP54127256A JP12725679A JPH0222057B2 JP H0222057 B2 JPH0222057 B2 JP H0222057B2 JP 54127256 A JP54127256 A JP 54127256A JP 12725679 A JP12725679 A JP 12725679A JP H0222057 B2 JPH0222057 B2 JP H0222057B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- amount
- water
- reaction
- catalyst
- oxidation
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C51/00—Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides
- C07C51/16—Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides by oxidation
- C07C51/21—Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides by oxidation with molecular oxygen
- C07C51/255—Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides by oxidation with molecular oxygen of compounds containing six-membered aromatic rings without ring-splitting
- C07C51/265—Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides by oxidation with molecular oxygen of compounds containing six-membered aromatic rings without ring-splitting having alkyl side chains which are oxidised to carboxyl groups
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
- Catalysts (AREA)
Description
本発明は酸化プロセスに係り、特にp―トルイ
ル酸、またはp―トルイル酸とp―キシレンおよ
び/またはp―トルアルデヒドのような部分的に
酸化されたp―キシレンの誘導体との混合物の酸
化によるテレフタル酸の製造方法に関する。 テレフタル酸は、繊維およびフイルムを形成す
るポリエステルのような高分子樹脂の製造の出発
物質としての使用がますます増大しており、産業
上極めて重要な物質である。 公知文献は、アルキル基が置換された芳香族化
合物の液相酸化により芳香族カルボン酸を得るた
めの多くの方法を教えている。この分野における
初期の特許の1つは、米国特許第2245528号であ
り、そこには、金属触媒、酢酸のような溶媒およ
び任意ではあるが酸化開始剤の存在下で分子状酸
素によりアルキル芳香族化合物を酸化する1段階
プロセスが記載されている。しかし、そのような
厳しい条件下でさえ、ジカルボン酸の収率は低
い。例えば、触媒としての酢酸コバルトおよび酢
酸マグネシウムを含む酢酸内で、185ないし200℃
の温度および50気圧の圧力下で、開始剤としての
ジエチルケトンの存在下で、キシレンの混合物を
空気で酸化すると、フタル酸の収率はわずか2%
であり、主反応生成物はトルイル酸および他の中
間酸化生成物であつた。 他の多くの特許は、改善された収率でテレフタ
ル酸を得るための、1段階でのp―キシレンの酸
化方法を記載している。これらの特許は主とし
て、臭素含有化合物(米国特許第2833816号)、ケ
トン(米国特許第2853514号)、またはアルデヒド
(米国特許第3036122号)のような特別の活性剤の
使用に関するものである。これらの方法の幾つか
は工業的に用いられているが、重大な欠点を有し
ている。例えば、臭素含有活性剤が用いられる時
には重大な腐食問題が発生する。ケトンまたはア
ルデヒドが用いられるときには、その1部は不可
避的に失われ、残りは主として酢酸に移行する。
酢酸は回収され、精製され、経済的に成立ち得る
よう製品化されねばならないものである。しか
し、このような欠点にもかかわらず、活性剤の使
用は、キシレンから効果的にフタル酸を製造する
上で基本的に必要なものであると考えられてい
る。 多くの場合、溶媒の使用もまた必要であると主
張されている。低分子量脂肪酸、特に酢酸は、こ
の目的に対し広く用いられている。添加される溶
媒の量は、反応体と反応生成物とを溶液状態に、
または少なくとも容易に懸濁状態に維持するに充
分な量でなければならない。このようにして反応
混合物は容易に撹拌され、酸素の分散が改善さ
れ、副生成物の形成が最小とされ、溶媒の蒸発に
よつて反応熱が容易に除去される。しかし、一般
に採用される反応条件の下では、実質量の溶媒
は、共酸化(co−oxidation)により失われる。
更に溶媒は、反応混合物の他成分から分離され、
次いで精製され、リサイクルされねばならない。
明らかに、このような一部溶媒の消費および残留
溶媒の回収操作は、追加の操業コストの上昇をも
たらしてしまう。 上述の重大な問題を避けるために、溶媒の存在
なしにp―キシレンの酸化を実施することが提案
された。この場合、液状反応混合物を得るために
は、明らかにp―トルイル酸の融点範囲以上の温
度、即ち約180℃で実施することが必要である。
従つて温度の選択が制限される。更に、溶媒の不
在下では、反応混合物の取扱いとともにテレフタ
ル酸の分離および精製が困難である。一般に、反
応は、混合物中のテレフタル酸の含有量が60重量
%以下、好ましくは45重量%以下の点まで実施さ
れる。この点を越えると、酸化反応混合物をスラ
リーとして取扱うことが困難であり、従つて反応
操作が悪影響を受ける。このことは米国特許第
3883584号に示されている。 溶媒が存在しない場合、テレフタル酸が大量に
存在しない時ですら反応器内の広範囲の付着が生
ずるので、反応熱の除去は、工業的規模の生産に
おいて他の困難をもたらしてしまう。このよう
に、溶媒の存在なしにトルイル酸をキシレンに酸
化することに関する米国特許第2696499号では、
キシレン酸化混合物の冷却に固有の基本的な設計
問題によつて固形物の析出が防止されることを示
している。 米国特許第3406196号は、2段階プロセスを示
しており、このプロセスではテレフタル酸のため
の懸濁化剤として水が用いられている。このプロ
セスの第1の段階において、アルキル芳香族化合
物特にp―キシレンは、何ら追加の溶媒の存在な
しに空気により酸化され、それによつて生じた部
分的に酸化された化合物は、第2の段階におい
て、懸濁媒体としての実質量の水の存在下で高温
下で更に酸化される。酸化を促進させるために、
臭素または臭素含有化合物を存在させる必要があ
る。しかし、部分的に酸化された化合物をテレフ
タル酸に変換するためには、200ないし275℃、特
に225ないし250℃の非常に高い温度が必要であ
る。従つて、溶媒として酢酸が用いられる方法に
おける場合と同様かまたはそれよりも悪い腐食問
題が必然的に生じる。更に、前記特許で述べてい
るように、劣化や他の副反応による未反応ポアル
キル芳香族化合物の顕著な損失は、そのような化
合物が、第1の酸化段階において生成された部分
的な酸化生成物の芳香族ポリカルボン酸への効率
良い転化に必要な高温にさらされる時に生ずる傾
向がある。明らかに、この特許の説明は、臭素促
進剤の存在下ですら大量の水の使用が、1段階で
p―キシリンのテレフタル酸への酸化のための満
足すべき結果を与えていないというである。 実際に、水が酸化反応における触媒毒であるこ
とが以前より知られている。このことは米国特許
第2696499号に示されている。最も一般的な意見
によると、水は反応開始を妨げることにより反応
速度に悪影響を与える。通常、溶媒および/また
は活性剤が存在すると否とにかかわらず、水の存
在は出来るだけ避けられている。このように米国
特許第3064044号は、ほぼ無水条件の下で最終の
(臭素で促進された)酸化を維持するための改良
された手段を示している。過酢酸が促進剤として
使用されている酸化プロセスに関する米国特許第
3519684号には、約10%までの水含有量が許容で
き、5%未満の最小の水含有量が好ましいが、更
に好ましくはほぼ無水条件が採用されることであ
ると記載されている。部分的に酸化された中間体
が連続的に除去されるような、何ら促進剤の存在
なしにキシレンの酸化を行なう連続プロセスにお
いては、反応混合物中の水の含有量を全反応混合
物の15%未満、好ましくは5%未満とするため
に、中間体のリサイクル前に水が液状流出物から
除去される。このことは米国特許第3700731号に
示されている。 より最近では、以前基本的に必要であるとみな
されていた臭素活性剤の存在なしではあるとはい
え、予想外にも、p―キシレンのテレフタル酸へ
の酸化が溶媒としての実質量の水の存在下で実施
され得ることがわかつた。このプロセスは米国特
許出願第764981号および第785827号に記載されて
いる。このプロセスは、p―トルイル酸、水およ
び触媒としての重金属塩の存在下で、約140℃な
いし約220℃の温度および水の少なくとも1部を
液状に維持するに充分な圧力下で、酸素含有ガス
により液相中のp―キシレンを酸化する工程を具
備している。しかし、p―キシレンと水との相互
溶解度が操作温度において低いので、水、p―キ
シレンおよびp―トルイル酸のそのような混合物
は、水相と炭化水素分に富み反応混合物中に存在
するp―トルイル酸の重要な部分をも含む有機相
との2相に分離し得る。この場合、酸化反応は、
水の濃度が比較的低い有機相中に主として生ず
る。そのため、水の所望の溶媒効果が部分的に失
なわれる。更に、この相分離は均質化、酸素分散
および物質移動効果に関し、重大な技術的困難を
生ずる。 本発明の目的は、高収率で高純度のテレフタル
酸が得られ、公知技術の上記欠点が避けられる、
p―キシレンのテレフタル酸への酸化方法を提供
することにある。 本発明の他の目的は、高度に耐食性の装置を必
要とせず、通常のステンレス製装置で実施可能な
方法を提供することにある。 本発明の他の目的は、何ら追加の溶媒を必要と
せずに実質量の水の存在下で実施可能な方法を提
供することにある。 本発明の他の目的は、酸化されるべきテレフタ
ル酸前駆物質、水、および水に溶解した酸化触媒
から基本的に構成される反応混合物を酸化するこ
とによつてテレフタル酸が製造される方法を提供
することにある。 本発明の他の目的は、酸化触媒に加えて臭素化
合物のような促進剤の使用を必要としない方法を
提供することにある。 本発明の他の目的は、比較的中程度の温度でテ
レフタル酸が酸化された反応混合物から容易に回
収可能な方法を提供することにある。 本発明の他の目的は、触媒および酸化中間体が
回収され、酸化のために再使用され得る方法を提
供することにある。 本発明の他の目的は、比較的低コストでテレフ
タル酸が工業的プロセスで製造され得る方法を提
供することにある。 本発明の他の目的は、バツチ式または連続式で
実施し得る方法を提供することにある。 本発明の他の目的は、出発物質の有効な酸化を
確実に行なう上で必要な触媒、水およびp―トル
イル酸の量が容易に計算し得る方法を提供するこ
とにある。 本発明に従つて上述の目的を達成するために、
以下の工程からなるテレフタル酸の製造方法が提
供される。 (a) p―トルイル酸およびp―トルイル酸と酸化
し得る化合物との混合物からなる群から選択さ
れた少なくとも1種の酸化し得るテレフタル酸
前駆物質と、操作可能なスラリーを得るに充分
な少なくとも5重量%の水と、液状反応混合物
1Kgあたりの触媒的に活性な金属化合物の少な
くとも最小量を提供するに充分な量の酸化触媒
とからなる実質的に均一な反応混合物を、分子
状酸素含有ガスにより、約140℃ないし約220℃
の反応温度で、この反応温度で少なくとも水の
1部を液相に維持するに充分な圧力下で酸化す
る工程。 なお、前記酸化し得る化合物はp―キシレン、
部分的に酸化されたp―キシレン誘導体およびそ
れらの混合物からなる群から選択されたものであ
り、前記酸化触媒はマンガン化合物、コバルト化
合物およびそれらの混合物から選択されたもので
あり、前記金属化合物の最小量Mは以下の式によ
り定義される。 M=Y(X+A)+BX/CX+D 式中、Yは反応混合物における水とp―トルイ
ル酸のモル比であり、Xは触媒組成物中における
マンガンとマンガン+コバルトの全量とのモル比
であり、Aは約0.200、Bは約10.9、Cは約4.35、
Dは約0.0724である。 (b) テレフタル酸を含む酸化された混合物を回収
する工程。 触媒濃度を前記定義された最小値以上に維持す
ることにより、均一な液相反応混合物中での前記
出発物質混合物のテレフタル酸への有効な酸化が
達成される。 本発明の重要な特徴は、公知技術において広く
認識されている水の有害な効果は、酸化が上述の
特定の条件下で実施されるときに除去し得ること
である。本発明の他の特徴は、p―トルイル酸の
みまたはp―キシレンおよび/または部分的に酸
化されたp―トルアルデヒドとの混合物からなる
さまざまの基質の酸化に適用し得ることである。
本発明の更に他の特徴は、触媒の量が系中に存在
する水とp―トルイル酸との比との関係において
選択されるときに、そのような基質が均質水溶液
内で酸化され得ることである。 本発明の方法は、バツチ式または連続式で実施
することが出来る。反応体が水に溶解され、次い
で触媒が生成した溶液に加えられる。次にこの混
合物中に酸素が導入され、加圧下約140ないし約
220℃の温度下で酸化が実施される。操作温度に
おいて、ほぼ液状に反応混合物を維持するように
圧力が調整される。テレフタル酸は白色結晶析出
物として反応混合物から分離される。連続プロセ
スでは、この析出物は、過、遠心分離、または
静置および沈降分離等の通常の固液分離手段によ
り連続的に除去され、未転化反応体および中間酸
化生成物は酸化ゾーンにリサイクルされる。この
ように取除かれたテレフタル酸および副生成物の
生成を埋め合せるために、新しい反応体が連続的
に加えられる。このようにテレフタル酸の生成に
関係のない化学物質の添加は不必要である。しか
し、本発明の方法を実施する上で反応を妨害せず
操作条件の下で比較的不活性の1種以上の有機溶
媒を反応混合物に加えることが出来る。水との混
合物の形で溶媒として使用し得るそのような化合
物の例として安息香酸および酢酸がある。これら
の化合物は実際には反応中に少量生成され、その
ため或る程度反応混合物中に蓄積される。しか
し、本発明の利点は、そのような化合物の存在と
は独立に得られる。もつとも、そのような化合物
は、系中の水の量を越える量存在すべきではな
い。 本発明の方法に適切に用いられる水の量は、
様々のフアクターに応じて、広範囲に例えば反応
混合物重量の約5ないし約80重量%を変化し得
る。既に述べたように、本発明の基本的内容は、
均一水性系内で酸化が実施されることである。従
つて、水の量は、温度および酸化されるさまざま
の化合物の相対量のような他のプロセス変数を考
慮に入れて、反応体のほぼ均一な水溶性が得られ
るに充分なように主として選択されるであろう。
例えば、プロセスがトルイル酸のみまたはp―ト
ルアルデヒドのような比較的水溶性の他の酸素化
された化合物との混合物の形で適用されるとき、
水の量は、操作温度でp―トルイル酸を完全に溶
解するに充分な量選択されるであろう。水へのp
―トルイル酸の溶解度が昇温下で急激に増加する
ので、使用される水の量は温度が増加するに従つ
て減少させることが出来る。しかし、一般的に言
つて、水の量は反応混合物重量の5%を下回ら
ず、好ましくは10%以上であろう。 p―キシレンが反応混合物の成分でもある場合
には、2相への混合物の分離が生ずるような量以
上であるべきではない。この量は明らかに混合物
中のp―キシレンの量に依存する。第1図は185
℃におけるp―キシレン、p―トルイル酸および
水の混合物の3相ダイヤグラム(重量%)であ
る。このダイヤグラムにおいては、ゾーンAでは
系は均一溶液、ゾーンBでは2相である。当業者
が容易に決定し得るように、これらのゾーンの間
のボーダーラインは温度により大きくは変化しな
い。実質的な有機相の存在を避けるためにp―キ
シレンの量を制限しなければならないことがわか
る。それ故、本発明の方法によるp―キシレンの
酸化がバツチ式で実施されるとき、p―キシレン
は累進的、断続的または連続的に、ゾーンAにお
ける系を維持するような速度で反応混合物に添加
されるべきである。本発明の好ましい実施態様に
よると、反応は連続式で実施され、それによつて
中間酸化生成物即ち主としてp―トルイル酸とと
もに未反応p―キシレンが反応ゾーン内に連続的
にリサイクルされる。この場合、定常状態にある
反応混合物におけるp―トルイル酸とp―キシレ
ンとのモル比は、主として温度に応じて約3ない
し約15であろう。言い換えれば、反応混合物は第
1図のダイヤグラムの灰色の領域にあろう。この
領域は殆んどゾーンAにあり、即ち大部分均一溶
液に相当する。以上の記載から、温度および/ま
たは本発明により溶媒として用いられる水の量を
均一な系が得られるように常に調整し得ることが
わかる。もし本発明の方法の連続式で実施される
ならば、本明細書中にその記載が含められている
米国特許出願第785827号(出願日1977年8月8
日)に記載されている連続工程を採用するのが好
ましい。しかし他の因子も考慮に入れなければな
らない。即ち、所望の生成物であるテレフタル酸
は反応混合物中に殆んど不溶であるので、操作可
能なスラリーを得るに充分な量の水を加えなけれ
ばならない。しかし、例えば10%以上のテレフタ
ル酸が操作温度で溶解するほどの多量の水を用い
る利点はない。更に考慮に入れなければならない
因子は反応速度である。即ち、80重量%またはそ
れ以上の水を含む媒体中で酸化反応を実施するこ
とは本発明の範囲内で可能であるが、過剰の水の
存在は反応速度に悪影響を与えてしまう。更に、
或る場合には、溶媒の1部は、酸化媒体から析出
する黒色化合物を形成することによりその触媒機
能が転換することがある。更に経済的な理由か
ら、過剰の不必要な量の水を用いることにより反
応器の容量の1部を失なうことは不利である。一
般にこれらさまざまの理由から、系に存在する水
の量は反応混合物量の75重量%未満であり、好ま
しくは60重量%未満であろう。 酸化反応は140℃以上の温度で実施されるのが
適切である。この温度以下では反応混合物を均一
温度とするのが困難である。一方、220℃を越え
る操作温度は過酸化の増加、不所望な副反応およ
び腐食問題を生ぜしめるであろう。多くの場合、
反応温度は約150℃ないし約190℃であろう。 圧力は温度の関数として調整される。反応混合
物を操作温度において液状に維持するために、常
圧を越える充分高い圧力を採用しなければならな
い。一般に圧力は約5ないし約40Kg/cm2であろ
う。 本発明の方法に用いられる酸化触媒は、それが
反応混合物中に少なくとも1部は可溶であるか、
またはこの混合物中の反応体の1種と可溶かまた
は少なくとも1部可溶な化合物を形成し得るなら
ば、マンガン化合物、コバルト化合物およびそれ
らの化合物からなる群から選択された1種以上の
金属化合物からなる重金属化合物組成物とするこ
とができる。触媒組成物に使用し得る金属化合物
は塩が適切である。特にカルボン酸の塩、例えば
酢酸塩、ナフテン酸塩、トルイル酸塩等が好まし
い。コバルトおよび/またはマンガン化合物以外
の触媒組成物としては、特に通常酸化触媒として
用いられている他の金属のカルボン酸塩がある。 本発明の基本的な特徴は、均一水性系中での酸
化を実施するに必要な触媒の最小量が前記系中の
水およびp―トルイル酸のそれぞれの量に依存す
るということである。事実として、p―トルイル
酸および任意のp―キシレンおよび/または部分
的に酸化されたその誘導体の均一な水性溶液にお
いて、活性触媒の量が、以下の式で与えられる、
反応混合物1Kgあたりの金属化合物のミリモルで
ある臨界濃度M未満のときには、酸化は生じ得な
い。 M=Y(X+A)+BX/CX+D (1) 式中、Yはp―トルイル酸に対する水のモル
比、Xはその中のマンガンおよびコバルトの全量
に対する金属触媒のモル数で表わされる金属触媒
中のマンガン量即ちMn/Mn+Coである。 A=約 0.200 B=約 10.9 C=約 4.35 D=約 0.0724 上記量A,B,CおよびDは実験で求められた
ものであり、従つて測定誤差がある。誤差範囲を
持つ量は計算によると、それぞれA=0.200±
0.031、B=10.9±1.3、C=4.35±0.17およびD=
0.0724±0.0117であつた。従つて、与えられたY
およびXの値について式(1)により計算されたMの
値は、統計的手法を用いてMを中心として誤差範
囲内にある実際の臨界濃度の推定値として見なす
べきである。当業者が理解するであろうように、
この誤差範囲は、Mの計算で用いたYおよびXの
値の値に依存するが、特別の場合、テイラーの式
を適用して上記データから計算できる。このよう
に、例えば触媒の臨界濃度は次の誤差範囲内にあ
るであろう。即ち、Y=70、X=0.5のとき2.74
±0.45である。 上述のように定義された触媒の臨界濃度は、与
えられた条件下で使用され得る最小の濃度であ
る。より低い濃度では、プロセスは作動しないで
あろう。明らかにこの最小値よりも高い触媒量を
用いることが実施の上で好ましい。事実、触媒濃
度が増加するにつれて酸化速度は増加する。しか
し、反応混合物1Kgあたり金属化合物約40ミリモ
ルより高い触媒濃度は経済性の点で不利である。
適切な触媒量は、式(1)から計算した最小値Mより
少し高い値と反応混合物1Kgあたり約30ミリモル
の間であろう。 式(1)からわかるように、水の濃度が増加し、p
―トルイル酸の濃度が減少するならば、触媒の臨
界濃度は増加する。言い換れば、p―トルイル酸
の濃度が、触媒濃度が減少するにつれて増加する
臨界値より高くなければ、そのような水溶液中で
酸化は生じ得ない。このように、触媒だけでなく
p―トルイル酸も、実質量の水の存在下で酸化を
生ぜしめる上で基本的な物質である。実際、本発
明によつて適当量用いられた触媒とp―トルイル
酸の結合作用により、臭素化合物のような高価な
および/または腐食性活性剤の使用に頼ることな
く、p―キシレンを酸化してテレフタル酸とする
ことが可能である。p―トルイル酸のこの効果
は、他のカルボン酸が例えば安息香酸のような類
似の構造のものですら同一の特性を示さないの
で、全く予想外の特徴である。 更に、均一な水性系内で酸化を実施する上で必
要な触媒の最小濃度は、採用された触媒内のマン
ガン化合物とコバルト化合物の相対比にも依存す
る。マンガンはコバルトよりもより効果的である
ことがわかる。例えば、p―トルイル酸の50重量
%水溶液(水とp―トルイル酸とモル比は7.56)
内で酸化を生ぜしめるためには、必要な触媒の最
小量は、マンガンが単独の触媒として用いられる
かどうかによつて4.5または20.9ミリモル/Kgで
ある。しかし、実施上の理由から、コバルトは一
般に反応速度に有利な効果を発揮するので、両方
の金属混合物を採用するのが有利である。更に、
マンガン化合物とコバルト化合物との混合物が触
媒として採用されるとき、少ない過酸化が生じ、
それぞれの金属が単独で用いられるときよりも一
般に高収率でテレフタル酸が得られることがわか
つた。例えば、燃焼比(吸収される酸素に対する
発生する2酸化炭素のモル比)は一般に最初の場
合に0.06ないし0.09であり、一方第2の場合に約
0.15である。実際に、触媒としてマンガンとコバ
ルトを一緒に用いることの有利な効果は本発明の
典型的な特徴であり更なる利点である。その時本
プロセスにおけるような均一な溶液の替りに2相
系において反応が実施され、マンガンまたはコバ
ルトまたはその混合物が用いられるかどうかにか
かわらず0.12またはそれ以上ですらある燃焼比が
規則的に見出される。たいていの場合、約0.1な
いし約0.9の式(1)のXの値が、均一な水性媒体中
で活発な酸化をもたらし、高収率のテレフタル酸
を得る利点を伴なつて用いられるであろう。 上述と同じ理由から、コバルトおよび/または
マンガンに加えて、更にニツケル、鉛またはセリ
ウムのような金属成分を含む触媒を用いることが
有利であろう。そのような他の金属は均一な水性
媒体中で酸化を生ぜしめるが、例えば純度および
反応速度について実施上の改良を行なう。 本発明の驚くべき特徴は、水性媒体中での酸化
を実施するために採用される触媒の最小濃度が、
どの組成の反応混合物についても式(1)から計算す
ることが出来、この式は温度のような重要な操作
変数から独立であるということである。このこと
は、表1で示す結果により表わされ、表1では広
範囲の条件において実験的に得られるMの値が式
(1)から計算された値と比較されている。これらの
結果の多くは次の実験的方法により得られたもの
である。 機械的撹拌装置、加熱ジヤケツト、ガス導入
管、ベントおよび液を注入するための計量ポンプ
を備えた1リツトルの耐食性オートクレーブ中
に、酸化反応混合物中に存在するべきさまざまな
成分、即ちp―トルイル酸、水および触媒が導入
される。次いでこの混合物は、撹拌され空気を通
されつつ加熱される。1度酸化がスタートする
と、最初の反応混合物と同じ触媒濃度を有する触
媒の水溶液が混合物に漸進的に注入される。その
結果、触媒濃度の変化なしに反応混合物が漸進的
に水で希釈される。 酸化の程度は、排出ガスの酸素含有量を酸素ア
ナライザーにより連続的に測定することにより観
察される。選択された触媒濃度において効果的な
酸化を実施するために系内のp―トルイル酸の濃
度が充分高い限りにおいて、反応は希釈の結果と
して漸進的に減少する速度で規則的に進行する。
しかし、p―トルイル酸の臨界濃度に達するやい
なや、反応速度は殆んどゼロにまで急速に下降す
る。次いで注入は停止され、反応混合物は分析さ
れる。このように決定された水とp―トルイル酸
のモル比は明らかに与えられた触媒濃度Mに対応
する臨界値Yであるか、または逆に、Mは水とp
―トルイル酸との比がYとして与えられている反
応混合物における酸化を実施するために用いられ
る触媒の最小濃度である。実際には、Mは、用い
られる触媒組成中のマンガンとコバルトの全量に
対するマンガンのモル比(式1におけるX)とし
て表現される触媒の組成に依存する。 明らかに、そのような数値の決定は、与えられ
た反応混合物(与えられたYおよびX)について
実験誤差を被る。そのため、標準偏差を伴なつた
実際の値付近に都合よく分布するようなさまざま
値Miが得られることが予想される。さまざまの
YiおよびXiについてこのように決定されたMiの
値は以下の表に示されている。これらのデータか
ら、式(1)で計算される値MからのMiの標準偏差
が0.70であることが推定できる。従つて、どんな
実験値Miも2以上即ち1.4以上の標準偏差により
計算されたものと異ならず、式(1)と一致するもの
とみなすことができる。 表1で与えられた結果から、次のことが明らで
ある。 1 式(1)はどんなYおよびXの値についても有効
である(例えばYについては実験No.1および
7、Xについては実験No.7および19を比較せ
よ。)。 2 式(1)はp―キシレンの有無に独立である(例
えば実験No.8および13を比較せよ。)。 3 式(1)は温度に独立である(例えば実験No.3お
よび9を比較せよ。)。 4 式(1)はマンガンおよびコバルト以外の金属の
存在に独立である(例えば実験No.2および5を
比較せよ。)。
ル酸、またはp―トルイル酸とp―キシレンおよ
び/またはp―トルアルデヒドのような部分的に
酸化されたp―キシレンの誘導体との混合物の酸
化によるテレフタル酸の製造方法に関する。 テレフタル酸は、繊維およびフイルムを形成す
るポリエステルのような高分子樹脂の製造の出発
物質としての使用がますます増大しており、産業
上極めて重要な物質である。 公知文献は、アルキル基が置換された芳香族化
合物の液相酸化により芳香族カルボン酸を得るた
めの多くの方法を教えている。この分野における
初期の特許の1つは、米国特許第2245528号であ
り、そこには、金属触媒、酢酸のような溶媒およ
び任意ではあるが酸化開始剤の存在下で分子状酸
素によりアルキル芳香族化合物を酸化する1段階
プロセスが記載されている。しかし、そのような
厳しい条件下でさえ、ジカルボン酸の収率は低
い。例えば、触媒としての酢酸コバルトおよび酢
酸マグネシウムを含む酢酸内で、185ないし200℃
の温度および50気圧の圧力下で、開始剤としての
ジエチルケトンの存在下で、キシレンの混合物を
空気で酸化すると、フタル酸の収率はわずか2%
であり、主反応生成物はトルイル酸および他の中
間酸化生成物であつた。 他の多くの特許は、改善された収率でテレフタ
ル酸を得るための、1段階でのp―キシレンの酸
化方法を記載している。これらの特許は主とし
て、臭素含有化合物(米国特許第2833816号)、ケ
トン(米国特許第2853514号)、またはアルデヒド
(米国特許第3036122号)のような特別の活性剤の
使用に関するものである。これらの方法の幾つか
は工業的に用いられているが、重大な欠点を有し
ている。例えば、臭素含有活性剤が用いられる時
には重大な腐食問題が発生する。ケトンまたはア
ルデヒドが用いられるときには、その1部は不可
避的に失われ、残りは主として酢酸に移行する。
酢酸は回収され、精製され、経済的に成立ち得る
よう製品化されねばならないものである。しか
し、このような欠点にもかかわらず、活性剤の使
用は、キシレンから効果的にフタル酸を製造する
上で基本的に必要なものであると考えられてい
る。 多くの場合、溶媒の使用もまた必要であると主
張されている。低分子量脂肪酸、特に酢酸は、こ
の目的に対し広く用いられている。添加される溶
媒の量は、反応体と反応生成物とを溶液状態に、
または少なくとも容易に懸濁状態に維持するに充
分な量でなければならない。このようにして反応
混合物は容易に撹拌され、酸素の分散が改善さ
れ、副生成物の形成が最小とされ、溶媒の蒸発に
よつて反応熱が容易に除去される。しかし、一般
に採用される反応条件の下では、実質量の溶媒
は、共酸化(co−oxidation)により失われる。
更に溶媒は、反応混合物の他成分から分離され、
次いで精製され、リサイクルされねばならない。
明らかに、このような一部溶媒の消費および残留
溶媒の回収操作は、追加の操業コストの上昇をも
たらしてしまう。 上述の重大な問題を避けるために、溶媒の存在
なしにp―キシレンの酸化を実施することが提案
された。この場合、液状反応混合物を得るために
は、明らかにp―トルイル酸の融点範囲以上の温
度、即ち約180℃で実施することが必要である。
従つて温度の選択が制限される。更に、溶媒の不
在下では、反応混合物の取扱いとともにテレフタ
ル酸の分離および精製が困難である。一般に、反
応は、混合物中のテレフタル酸の含有量が60重量
%以下、好ましくは45重量%以下の点まで実施さ
れる。この点を越えると、酸化反応混合物をスラ
リーとして取扱うことが困難であり、従つて反応
操作が悪影響を受ける。このことは米国特許第
3883584号に示されている。 溶媒が存在しない場合、テレフタル酸が大量に
存在しない時ですら反応器内の広範囲の付着が生
ずるので、反応熱の除去は、工業的規模の生産に
おいて他の困難をもたらしてしまう。このよう
に、溶媒の存在なしにトルイル酸をキシレンに酸
化することに関する米国特許第2696499号では、
キシレン酸化混合物の冷却に固有の基本的な設計
問題によつて固形物の析出が防止されることを示
している。 米国特許第3406196号は、2段階プロセスを示
しており、このプロセスではテレフタル酸のため
の懸濁化剤として水が用いられている。このプロ
セスの第1の段階において、アルキル芳香族化合
物特にp―キシレンは、何ら追加の溶媒の存在な
しに空気により酸化され、それによつて生じた部
分的に酸化された化合物は、第2の段階におい
て、懸濁媒体としての実質量の水の存在下で高温
下で更に酸化される。酸化を促進させるために、
臭素または臭素含有化合物を存在させる必要があ
る。しかし、部分的に酸化された化合物をテレフ
タル酸に変換するためには、200ないし275℃、特
に225ないし250℃の非常に高い温度が必要であ
る。従つて、溶媒として酢酸が用いられる方法に
おける場合と同様かまたはそれよりも悪い腐食問
題が必然的に生じる。更に、前記特許で述べてい
るように、劣化や他の副反応による未反応ポアル
キル芳香族化合物の顕著な損失は、そのような化
合物が、第1の酸化段階において生成された部分
的な酸化生成物の芳香族ポリカルボン酸への効率
良い転化に必要な高温にさらされる時に生ずる傾
向がある。明らかに、この特許の説明は、臭素促
進剤の存在下ですら大量の水の使用が、1段階で
p―キシリンのテレフタル酸への酸化のための満
足すべき結果を与えていないというである。 実際に、水が酸化反応における触媒毒であるこ
とが以前より知られている。このことは米国特許
第2696499号に示されている。最も一般的な意見
によると、水は反応開始を妨げることにより反応
速度に悪影響を与える。通常、溶媒および/また
は活性剤が存在すると否とにかかわらず、水の存
在は出来るだけ避けられている。このように米国
特許第3064044号は、ほぼ無水条件の下で最終の
(臭素で促進された)酸化を維持するための改良
された手段を示している。過酢酸が促進剤として
使用されている酸化プロセスに関する米国特許第
3519684号には、約10%までの水含有量が許容で
き、5%未満の最小の水含有量が好ましいが、更
に好ましくはほぼ無水条件が採用されることであ
ると記載されている。部分的に酸化された中間体
が連続的に除去されるような、何ら促進剤の存在
なしにキシレンの酸化を行なう連続プロセスにお
いては、反応混合物中の水の含有量を全反応混合
物の15%未満、好ましくは5%未満とするため
に、中間体のリサイクル前に水が液状流出物から
除去される。このことは米国特許第3700731号に
示されている。 より最近では、以前基本的に必要であるとみな
されていた臭素活性剤の存在なしではあるとはい
え、予想外にも、p―キシレンのテレフタル酸へ
の酸化が溶媒としての実質量の水の存在下で実施
され得ることがわかつた。このプロセスは米国特
許出願第764981号および第785827号に記載されて
いる。このプロセスは、p―トルイル酸、水およ
び触媒としての重金属塩の存在下で、約140℃な
いし約220℃の温度および水の少なくとも1部を
液状に維持するに充分な圧力下で、酸素含有ガス
により液相中のp―キシレンを酸化する工程を具
備している。しかし、p―キシレンと水との相互
溶解度が操作温度において低いので、水、p―キ
シレンおよびp―トルイル酸のそのような混合物
は、水相と炭化水素分に富み反応混合物中に存在
するp―トルイル酸の重要な部分をも含む有機相
との2相に分離し得る。この場合、酸化反応は、
水の濃度が比較的低い有機相中に主として生ず
る。そのため、水の所望の溶媒効果が部分的に失
なわれる。更に、この相分離は均質化、酸素分散
および物質移動効果に関し、重大な技術的困難を
生ずる。 本発明の目的は、高収率で高純度のテレフタル
酸が得られ、公知技術の上記欠点が避けられる、
p―キシレンのテレフタル酸への酸化方法を提供
することにある。 本発明の他の目的は、高度に耐食性の装置を必
要とせず、通常のステンレス製装置で実施可能な
方法を提供することにある。 本発明の他の目的は、何ら追加の溶媒を必要と
せずに実質量の水の存在下で実施可能な方法を提
供することにある。 本発明の他の目的は、酸化されるべきテレフタ
ル酸前駆物質、水、および水に溶解した酸化触媒
から基本的に構成される反応混合物を酸化するこ
とによつてテレフタル酸が製造される方法を提供
することにある。 本発明の他の目的は、酸化触媒に加えて臭素化
合物のような促進剤の使用を必要としない方法を
提供することにある。 本発明の他の目的は、比較的中程度の温度でテ
レフタル酸が酸化された反応混合物から容易に回
収可能な方法を提供することにある。 本発明の他の目的は、触媒および酸化中間体が
回収され、酸化のために再使用され得る方法を提
供することにある。 本発明の他の目的は、比較的低コストでテレフ
タル酸が工業的プロセスで製造され得る方法を提
供することにある。 本発明の他の目的は、バツチ式または連続式で
実施し得る方法を提供することにある。 本発明の他の目的は、出発物質の有効な酸化を
確実に行なう上で必要な触媒、水およびp―トル
イル酸の量が容易に計算し得る方法を提供するこ
とにある。 本発明に従つて上述の目的を達成するために、
以下の工程からなるテレフタル酸の製造方法が提
供される。 (a) p―トルイル酸およびp―トルイル酸と酸化
し得る化合物との混合物からなる群から選択さ
れた少なくとも1種の酸化し得るテレフタル酸
前駆物質と、操作可能なスラリーを得るに充分
な少なくとも5重量%の水と、液状反応混合物
1Kgあたりの触媒的に活性な金属化合物の少な
くとも最小量を提供するに充分な量の酸化触媒
とからなる実質的に均一な反応混合物を、分子
状酸素含有ガスにより、約140℃ないし約220℃
の反応温度で、この反応温度で少なくとも水の
1部を液相に維持するに充分な圧力下で酸化す
る工程。 なお、前記酸化し得る化合物はp―キシレン、
部分的に酸化されたp―キシレン誘導体およびそ
れらの混合物からなる群から選択されたものであ
り、前記酸化触媒はマンガン化合物、コバルト化
合物およびそれらの混合物から選択されたもので
あり、前記金属化合物の最小量Mは以下の式によ
り定義される。 M=Y(X+A)+BX/CX+D 式中、Yは反応混合物における水とp―トルイ
ル酸のモル比であり、Xは触媒組成物中における
マンガンとマンガン+コバルトの全量とのモル比
であり、Aは約0.200、Bは約10.9、Cは約4.35、
Dは約0.0724である。 (b) テレフタル酸を含む酸化された混合物を回収
する工程。 触媒濃度を前記定義された最小値以上に維持す
ることにより、均一な液相反応混合物中での前記
出発物質混合物のテレフタル酸への有効な酸化が
達成される。 本発明の重要な特徴は、公知技術において広く
認識されている水の有害な効果は、酸化が上述の
特定の条件下で実施されるときに除去し得ること
である。本発明の他の特徴は、p―トルイル酸の
みまたはp―キシレンおよび/または部分的に酸
化されたp―トルアルデヒドとの混合物からなる
さまざまの基質の酸化に適用し得ることである。
本発明の更に他の特徴は、触媒の量が系中に存在
する水とp―トルイル酸との比との関係において
選択されるときに、そのような基質が均質水溶液
内で酸化され得ることである。 本発明の方法は、バツチ式または連続式で実施
することが出来る。反応体が水に溶解され、次い
で触媒が生成した溶液に加えられる。次にこの混
合物中に酸素が導入され、加圧下約140ないし約
220℃の温度下で酸化が実施される。操作温度に
おいて、ほぼ液状に反応混合物を維持するように
圧力が調整される。テレフタル酸は白色結晶析出
物として反応混合物から分離される。連続プロセ
スでは、この析出物は、過、遠心分離、または
静置および沈降分離等の通常の固液分離手段によ
り連続的に除去され、未転化反応体および中間酸
化生成物は酸化ゾーンにリサイクルされる。この
ように取除かれたテレフタル酸および副生成物の
生成を埋め合せるために、新しい反応体が連続的
に加えられる。このようにテレフタル酸の生成に
関係のない化学物質の添加は不必要である。しか
し、本発明の方法を実施する上で反応を妨害せず
操作条件の下で比較的不活性の1種以上の有機溶
媒を反応混合物に加えることが出来る。水との混
合物の形で溶媒として使用し得るそのような化合
物の例として安息香酸および酢酸がある。これら
の化合物は実際には反応中に少量生成され、その
ため或る程度反応混合物中に蓄積される。しか
し、本発明の利点は、そのような化合物の存在と
は独立に得られる。もつとも、そのような化合物
は、系中の水の量を越える量存在すべきではな
い。 本発明の方法に適切に用いられる水の量は、
様々のフアクターに応じて、広範囲に例えば反応
混合物重量の約5ないし約80重量%を変化し得
る。既に述べたように、本発明の基本的内容は、
均一水性系内で酸化が実施されることである。従
つて、水の量は、温度および酸化されるさまざま
の化合物の相対量のような他のプロセス変数を考
慮に入れて、反応体のほぼ均一な水溶性が得られ
るに充分なように主として選択されるであろう。
例えば、プロセスがトルイル酸のみまたはp―ト
ルアルデヒドのような比較的水溶性の他の酸素化
された化合物との混合物の形で適用されるとき、
水の量は、操作温度でp―トルイル酸を完全に溶
解するに充分な量選択されるであろう。水へのp
―トルイル酸の溶解度が昇温下で急激に増加する
ので、使用される水の量は温度が増加するに従つ
て減少させることが出来る。しかし、一般的に言
つて、水の量は反応混合物重量の5%を下回ら
ず、好ましくは10%以上であろう。 p―キシレンが反応混合物の成分でもある場合
には、2相への混合物の分離が生ずるような量以
上であるべきではない。この量は明らかに混合物
中のp―キシレンの量に依存する。第1図は185
℃におけるp―キシレン、p―トルイル酸および
水の混合物の3相ダイヤグラム(重量%)であ
る。このダイヤグラムにおいては、ゾーンAでは
系は均一溶液、ゾーンBでは2相である。当業者
が容易に決定し得るように、これらのゾーンの間
のボーダーラインは温度により大きくは変化しな
い。実質的な有機相の存在を避けるためにp―キ
シレンの量を制限しなければならないことがわか
る。それ故、本発明の方法によるp―キシレンの
酸化がバツチ式で実施されるとき、p―キシレン
は累進的、断続的または連続的に、ゾーンAにお
ける系を維持するような速度で反応混合物に添加
されるべきである。本発明の好ましい実施態様に
よると、反応は連続式で実施され、それによつて
中間酸化生成物即ち主としてp―トルイル酸とと
もに未反応p―キシレンが反応ゾーン内に連続的
にリサイクルされる。この場合、定常状態にある
反応混合物におけるp―トルイル酸とp―キシレ
ンとのモル比は、主として温度に応じて約3ない
し約15であろう。言い換えれば、反応混合物は第
1図のダイヤグラムの灰色の領域にあろう。この
領域は殆んどゾーンAにあり、即ち大部分均一溶
液に相当する。以上の記載から、温度および/ま
たは本発明により溶媒として用いられる水の量を
均一な系が得られるように常に調整し得ることが
わかる。もし本発明の方法の連続式で実施される
ならば、本明細書中にその記載が含められている
米国特許出願第785827号(出願日1977年8月8
日)に記載されている連続工程を採用するのが好
ましい。しかし他の因子も考慮に入れなければな
らない。即ち、所望の生成物であるテレフタル酸
は反応混合物中に殆んど不溶であるので、操作可
能なスラリーを得るに充分な量の水を加えなけれ
ばならない。しかし、例えば10%以上のテレフタ
ル酸が操作温度で溶解するほどの多量の水を用い
る利点はない。更に考慮に入れなければならない
因子は反応速度である。即ち、80重量%またはそ
れ以上の水を含む媒体中で酸化反応を実施するこ
とは本発明の範囲内で可能であるが、過剰の水の
存在は反応速度に悪影響を与えてしまう。更に、
或る場合には、溶媒の1部は、酸化媒体から析出
する黒色化合物を形成することによりその触媒機
能が転換することがある。更に経済的な理由か
ら、過剰の不必要な量の水を用いることにより反
応器の容量の1部を失なうことは不利である。一
般にこれらさまざまの理由から、系に存在する水
の量は反応混合物量の75重量%未満であり、好ま
しくは60重量%未満であろう。 酸化反応は140℃以上の温度で実施されるのが
適切である。この温度以下では反応混合物を均一
温度とするのが困難である。一方、220℃を越え
る操作温度は過酸化の増加、不所望な副反応およ
び腐食問題を生ぜしめるであろう。多くの場合、
反応温度は約150℃ないし約190℃であろう。 圧力は温度の関数として調整される。反応混合
物を操作温度において液状に維持するために、常
圧を越える充分高い圧力を採用しなければならな
い。一般に圧力は約5ないし約40Kg/cm2であろ
う。 本発明の方法に用いられる酸化触媒は、それが
反応混合物中に少なくとも1部は可溶であるか、
またはこの混合物中の反応体の1種と可溶かまた
は少なくとも1部可溶な化合物を形成し得るなら
ば、マンガン化合物、コバルト化合物およびそれ
らの化合物からなる群から選択された1種以上の
金属化合物からなる重金属化合物組成物とするこ
とができる。触媒組成物に使用し得る金属化合物
は塩が適切である。特にカルボン酸の塩、例えば
酢酸塩、ナフテン酸塩、トルイル酸塩等が好まし
い。コバルトおよび/またはマンガン化合物以外
の触媒組成物としては、特に通常酸化触媒として
用いられている他の金属のカルボン酸塩がある。 本発明の基本的な特徴は、均一水性系中での酸
化を実施するに必要な触媒の最小量が前記系中の
水およびp―トルイル酸のそれぞれの量に依存す
るということである。事実として、p―トルイル
酸および任意のp―キシレンおよび/または部分
的に酸化されたその誘導体の均一な水性溶液にお
いて、活性触媒の量が、以下の式で与えられる、
反応混合物1Kgあたりの金属化合物のミリモルで
ある臨界濃度M未満のときには、酸化は生じ得な
い。 M=Y(X+A)+BX/CX+D (1) 式中、Yはp―トルイル酸に対する水のモル
比、Xはその中のマンガンおよびコバルトの全量
に対する金属触媒のモル数で表わされる金属触媒
中のマンガン量即ちMn/Mn+Coである。 A=約 0.200 B=約 10.9 C=約 4.35 D=約 0.0724 上記量A,B,CおよびDは実験で求められた
ものであり、従つて測定誤差がある。誤差範囲を
持つ量は計算によると、それぞれA=0.200±
0.031、B=10.9±1.3、C=4.35±0.17およびD=
0.0724±0.0117であつた。従つて、与えられたY
およびXの値について式(1)により計算されたMの
値は、統計的手法を用いてMを中心として誤差範
囲内にある実際の臨界濃度の推定値として見なす
べきである。当業者が理解するであろうように、
この誤差範囲は、Mの計算で用いたYおよびXの
値の値に依存するが、特別の場合、テイラーの式
を適用して上記データから計算できる。このよう
に、例えば触媒の臨界濃度は次の誤差範囲内にあ
るであろう。即ち、Y=70、X=0.5のとき2.74
±0.45である。 上述のように定義された触媒の臨界濃度は、与
えられた条件下で使用され得る最小の濃度であ
る。より低い濃度では、プロセスは作動しないで
あろう。明らかにこの最小値よりも高い触媒量を
用いることが実施の上で好ましい。事実、触媒濃
度が増加するにつれて酸化速度は増加する。しか
し、反応混合物1Kgあたり金属化合物約40ミリモ
ルより高い触媒濃度は経済性の点で不利である。
適切な触媒量は、式(1)から計算した最小値Mより
少し高い値と反応混合物1Kgあたり約30ミリモル
の間であろう。 式(1)からわかるように、水の濃度が増加し、p
―トルイル酸の濃度が減少するならば、触媒の臨
界濃度は増加する。言い換れば、p―トルイル酸
の濃度が、触媒濃度が減少するにつれて増加する
臨界値より高くなければ、そのような水溶液中で
酸化は生じ得ない。このように、触媒だけでなく
p―トルイル酸も、実質量の水の存在下で酸化を
生ぜしめる上で基本的な物質である。実際、本発
明によつて適当量用いられた触媒とp―トルイル
酸の結合作用により、臭素化合物のような高価な
および/または腐食性活性剤の使用に頼ることな
く、p―キシレンを酸化してテレフタル酸とする
ことが可能である。p―トルイル酸のこの効果
は、他のカルボン酸が例えば安息香酸のような類
似の構造のものですら同一の特性を示さないの
で、全く予想外の特徴である。 更に、均一な水性系内で酸化を実施する上で必
要な触媒の最小濃度は、採用された触媒内のマン
ガン化合物とコバルト化合物の相対比にも依存す
る。マンガンはコバルトよりもより効果的である
ことがわかる。例えば、p―トルイル酸の50重量
%水溶液(水とp―トルイル酸とモル比は7.56)
内で酸化を生ぜしめるためには、必要な触媒の最
小量は、マンガンが単独の触媒として用いられる
かどうかによつて4.5または20.9ミリモル/Kgで
ある。しかし、実施上の理由から、コバルトは一
般に反応速度に有利な効果を発揮するので、両方
の金属混合物を採用するのが有利である。更に、
マンガン化合物とコバルト化合物との混合物が触
媒として採用されるとき、少ない過酸化が生じ、
それぞれの金属が単独で用いられるときよりも一
般に高収率でテレフタル酸が得られることがわか
つた。例えば、燃焼比(吸収される酸素に対する
発生する2酸化炭素のモル比)は一般に最初の場
合に0.06ないし0.09であり、一方第2の場合に約
0.15である。実際に、触媒としてマンガンとコバ
ルトを一緒に用いることの有利な効果は本発明の
典型的な特徴であり更なる利点である。その時本
プロセスにおけるような均一な溶液の替りに2相
系において反応が実施され、マンガンまたはコバ
ルトまたはその混合物が用いられるかどうかにか
かわらず0.12またはそれ以上ですらある燃焼比が
規則的に見出される。たいていの場合、約0.1な
いし約0.9の式(1)のXの値が、均一な水性媒体中
で活発な酸化をもたらし、高収率のテレフタル酸
を得る利点を伴なつて用いられるであろう。 上述と同じ理由から、コバルトおよび/または
マンガンに加えて、更にニツケル、鉛またはセリ
ウムのような金属成分を含む触媒を用いることが
有利であろう。そのような他の金属は均一な水性
媒体中で酸化を生ぜしめるが、例えば純度および
反応速度について実施上の改良を行なう。 本発明の驚くべき特徴は、水性媒体中での酸化
を実施するために採用される触媒の最小濃度が、
どの組成の反応混合物についても式(1)から計算す
ることが出来、この式は温度のような重要な操作
変数から独立であるということである。このこと
は、表1で示す結果により表わされ、表1では広
範囲の条件において実験的に得られるMの値が式
(1)から計算された値と比較されている。これらの
結果の多くは次の実験的方法により得られたもの
である。 機械的撹拌装置、加熱ジヤケツト、ガス導入
管、ベントおよび液を注入するための計量ポンプ
を備えた1リツトルの耐食性オートクレーブ中
に、酸化反応混合物中に存在するべきさまざまな
成分、即ちp―トルイル酸、水および触媒が導入
される。次いでこの混合物は、撹拌され空気を通
されつつ加熱される。1度酸化がスタートする
と、最初の反応混合物と同じ触媒濃度を有する触
媒の水溶液が混合物に漸進的に注入される。その
結果、触媒濃度の変化なしに反応混合物が漸進的
に水で希釈される。 酸化の程度は、排出ガスの酸素含有量を酸素ア
ナライザーにより連続的に測定することにより観
察される。選択された触媒濃度において効果的な
酸化を実施するために系内のp―トルイル酸の濃
度が充分高い限りにおいて、反応は希釈の結果と
して漸進的に減少する速度で規則的に進行する。
しかし、p―トルイル酸の臨界濃度に達するやい
なや、反応速度は殆んどゼロにまで急速に下降す
る。次いで注入は停止され、反応混合物は分析さ
れる。このように決定された水とp―トルイル酸
のモル比は明らかに与えられた触媒濃度Mに対応
する臨界値Yであるか、または逆に、Mは水とp
―トルイル酸との比がYとして与えられている反
応混合物における酸化を実施するために用いられ
る触媒の最小濃度である。実際には、Mは、用い
られる触媒組成中のマンガンとコバルトの全量に
対するマンガンのモル比(式1におけるX)とし
て表現される触媒の組成に依存する。 明らかに、そのような数値の決定は、与えられ
た反応混合物(与えられたYおよびX)について
実験誤差を被る。そのため、標準偏差を伴なつた
実際の値付近に都合よく分布するようなさまざま
値Miが得られることが予想される。さまざまの
YiおよびXiについてこのように決定されたMiの
値は以下の表に示されている。これらのデータか
ら、式(1)で計算される値MからのMiの標準偏差
が0.70であることが推定できる。従つて、どんな
実験値Miも2以上即ち1.4以上の標準偏差により
計算されたものと異ならず、式(1)と一致するもの
とみなすことができる。 表1で与えられた結果から、次のことが明らで
ある。 1 式(1)はどんなYおよびXの値についても有効
である(例えばYについては実験No.1および
7、Xについては実験No.7および19を比較せ
よ。)。 2 式(1)はp―キシレンの有無に独立である(例
えば実験No.8および13を比較せよ。)。 3 式(1)は温度に独立である(例えば実験No.3お
よび9を比較せよ。)。 4 式(1)はマンガンおよびコバルト以外の金属の
存在に独立である(例えば実験No.2および5を
比較せよ。)。
【表】
p―キシレンとその部分的に酸化された誘導体
を酸化してテレフタル酸を得るために用いられる
金属化合物の選択に関する公知技術の教えはかな
り混乱している。しかしその公知技術では一般的
に言つて、特に臭素活性剤の存在なしではコバル
トが最良の触媒であり、マンガンは不活性ではな
いにしても活性が劣るものとされている。p―ト
ルイル酸の酸化については、マンガンは不活性で
ある。(N.Ohta et al.,Chem Abstr.56,8620g
1962)かまたは酸化抑止性を有する(V.N.
Aleksandrovet al.,Kinet.Katal.15,505,
1974)ことが示されている。他の事柄について
は、マンガンは触媒活性を示すが、水の量が溶媒
重量の10%より高いとき、または反応混合物中の
マンガンの量が高いときに、テレフタル酸の脱色
が生ずる。そのため本発明の方法において、マン
ガンが大量の水の存在下において酸化反応を生ぜ
しめるための顕著の活性を有しており、またポリ
エステル繊維の製造に必要とされる純度(フアイ
バーグレード)まで更に精製するに特に適する白
色結晶析出物として高純度でテレフタル酸が得ら
れることは、全く予想し得ないことである。 以下に本発明の実施例を示すが、これらは本発
明を例示するものであつて何ら本発明の範囲を限
定するものではない。 実施例 1 機械的撹拌装置、加熱ジヤケツト、ガス注入管
およびベントを備えた1リツトルの容量の耐食性
オートクレーブ内に以下の物質を導入した。 p―キシレン 45.0g p―トルイル酸 187.5g さまざまの酸化されたp―キシレンの誘導体
4.5g 水 63.0g 酢酸マンガン 1.50ミリモル 酢酸コバルト 1.74ミリモル 反応器を空気で20Kg/cm2まで加圧し、上記混合
物を撹拌し、92リツトル/時の流量の空気を流し
つつ加熱した。 上記導入物において、水とp―トルイル酸との
モル比(Y)は63.0×136.15/18.02×187.5=2.54
であり、触媒中のモル比Mn/Mn+Co(X)
1.50/1.50+1.74=0.46であつた。式(1)を適用す
ることにより、この場合に酸化を実施するに必要
な触媒の最小濃度は以下のように計算された。 M=2.54(0.46+0.200)+10.9(0.46)/4.35(0.46
)+0.0724=3.2 ミリモル/Kg 実際にはこの例において、触媒の濃度は10.0ミ
リモル/Kg、即ち最小量の約3倍であつた。事実
として、加熱により反応は自然に開始し、活発に
行なわれ、その結果温度は急速に増加し、制御さ
れた冷却により170℃に維持された。 180分の反応期間後、酸素の吸収は、(空温およ
び常圧下で測定して)40.9リツトルとなつた。次
いで空気の導入が停止され、水でストリピングす
ることにより未反応p―キシレン酸を回収するた
めに、反応器が停止された。最後に反応器は冷却
され、開けられた。その中に収容されている折出
物が過され、水で洗浄され、約80℃で真空下乾
燥された。次いで酸滴定、ポーラログラフイー、
およびガスクロマトグラフイーからなる方法の組
合せにより析出物が分析された。その結果、89.4
%のp―キシレンおよび23.1%のp―トルイル酸
が次の生成物に転化したことが決定された。 テレフタル酸 90.2g 4―カルボキシベンズアルデヒド 8.8g 他の中間体 3.8g 重質副生成物 2.2g 4―カルボキシベンズアルデヒドおよび他の中
間生成物が事実上連続プロセスにおいてリサイク
ルされ、その大部分が究極的にはテレフタル酸に
転化することを考慮に入れるとすれば、そのよう
な連続プロセスにおけるテレフタル酸の収量は、
消費されたp―キシレンの量に基づき90モル%を
越える量であることを推定し得る。 同じ条件下で実施された他の操作では、熱反応
混合物が過に供され、得られたケーキは熱水に
よりフイルター上で更に洗浄され、真空乾燥され
た。乾燥生成物の分析値は次の通りである。 テレフタル酸 85.6重量% p―トルイル酸 9.6 〃 4―カルボキシベンズアルデヒド 3.6 〃 この試料の色は、4cmのセルの替りに5cmのセ
ルを用いたことを除いて米国特許第3354802号に
記載された方法に従つて、希薄アンモニア中でそ
の溶液の光学濃度を測定することにより決定され
た。このようにして得た光学濃度の値は以下の表
に与えられており、99%以上の純度の市販のテ
レフタル酸の試料について得た光学濃度の値と比
較された。
を酸化してテレフタル酸を得るために用いられる
金属化合物の選択に関する公知技術の教えはかな
り混乱している。しかしその公知技術では一般的
に言つて、特に臭素活性剤の存在なしではコバル
トが最良の触媒であり、マンガンは不活性ではな
いにしても活性が劣るものとされている。p―ト
ルイル酸の酸化については、マンガンは不活性で
ある。(N.Ohta et al.,Chem Abstr.56,8620g
1962)かまたは酸化抑止性を有する(V.N.
Aleksandrovet al.,Kinet.Katal.15,505,
1974)ことが示されている。他の事柄について
は、マンガンは触媒活性を示すが、水の量が溶媒
重量の10%より高いとき、または反応混合物中の
マンガンの量が高いときに、テレフタル酸の脱色
が生ずる。そのため本発明の方法において、マン
ガンが大量の水の存在下において酸化反応を生ぜ
しめるための顕著の活性を有しており、またポリ
エステル繊維の製造に必要とされる純度(フアイ
バーグレード)まで更に精製するに特に適する白
色結晶析出物として高純度でテレフタル酸が得ら
れることは、全く予想し得ないことである。 以下に本発明の実施例を示すが、これらは本発
明を例示するものであつて何ら本発明の範囲を限
定するものではない。 実施例 1 機械的撹拌装置、加熱ジヤケツト、ガス注入管
およびベントを備えた1リツトルの容量の耐食性
オートクレーブ内に以下の物質を導入した。 p―キシレン 45.0g p―トルイル酸 187.5g さまざまの酸化されたp―キシレンの誘導体
4.5g 水 63.0g 酢酸マンガン 1.50ミリモル 酢酸コバルト 1.74ミリモル 反応器を空気で20Kg/cm2まで加圧し、上記混合
物を撹拌し、92リツトル/時の流量の空気を流し
つつ加熱した。 上記導入物において、水とp―トルイル酸との
モル比(Y)は63.0×136.15/18.02×187.5=2.54
であり、触媒中のモル比Mn/Mn+Co(X)
1.50/1.50+1.74=0.46であつた。式(1)を適用す
ることにより、この場合に酸化を実施するに必要
な触媒の最小濃度は以下のように計算された。 M=2.54(0.46+0.200)+10.9(0.46)/4.35(0.46
)+0.0724=3.2 ミリモル/Kg 実際にはこの例において、触媒の濃度は10.0ミ
リモル/Kg、即ち最小量の約3倍であつた。事実
として、加熱により反応は自然に開始し、活発に
行なわれ、その結果温度は急速に増加し、制御さ
れた冷却により170℃に維持された。 180分の反応期間後、酸素の吸収は、(空温およ
び常圧下で測定して)40.9リツトルとなつた。次
いで空気の導入が停止され、水でストリピングす
ることにより未反応p―キシレン酸を回収するた
めに、反応器が停止された。最後に反応器は冷却
され、開けられた。その中に収容されている折出
物が過され、水で洗浄され、約80℃で真空下乾
燥された。次いで酸滴定、ポーラログラフイー、
およびガスクロマトグラフイーからなる方法の組
合せにより析出物が分析された。その結果、89.4
%のp―キシレンおよび23.1%のp―トルイル酸
が次の生成物に転化したことが決定された。 テレフタル酸 90.2g 4―カルボキシベンズアルデヒド 8.8g 他の中間体 3.8g 重質副生成物 2.2g 4―カルボキシベンズアルデヒドおよび他の中
間生成物が事実上連続プロセスにおいてリサイク
ルされ、その大部分が究極的にはテレフタル酸に
転化することを考慮に入れるとすれば、そのよう
な連続プロセスにおけるテレフタル酸の収量は、
消費されたp―キシレンの量に基づき90モル%を
越える量であることを推定し得る。 同じ条件下で実施された他の操作では、熱反応
混合物が過に供され、得られたケーキは熱水に
よりフイルター上で更に洗浄され、真空乾燥され
た。乾燥生成物の分析値は次の通りである。 テレフタル酸 85.6重量% p―トルイル酸 9.6 〃 4―カルボキシベンズアルデヒド 3.6 〃 この試料の色は、4cmのセルの替りに5cmのセ
ルを用いたことを除いて米国特許第3354802号に
記載された方法に従つて、希薄アンモニア中でそ
の溶液の光学濃度を測定することにより決定され
た。このようにして得た光学濃度の値は以下の表
に与えられており、99%以上の純度の市販のテ
レフタル酸の試料について得た光学濃度の値と比
較された。
【表】
単純過および表面洗浄によりこの方法で得た
粗試料は、より良質な純度のテレフタル酸の市販
試料よりも良好な色特性を有することがわかる。 実施例 2 63.0gの水の替りに溶媒として以下の混合物を
用いたことを除いて、実施例1と同様の実験を繰
り返した。 水 33.0g 酢 酸 30.0g 180分の反応後、酸素吸収は39.7リツトル即ち、
実施例1における量とほぼ同量であつた。次いで
反応混合物を実施例1と同様に処理し分析した。
その結果、88.0%のp―キシレンと23.5%のp―
トルイル酸が次の生成物に転化したことが決定さ
れた。 テレフタル酸 89.4g 4―カルボキシベンズアルデヒド 6.5g 他の中間体 4.8g 重質副生成物 3.2g 実施例1と同じ方法により、同条件下での連続
プロセスにおいてテレフタル酸の収率が消費され
たp―キシレン量の約90モル%であることが推定
できた。 このように、これらの結果は、水が単一成分の
溶媒として用いられた実施例1の結果と実際上等
しい。 実施例 3 酢酸の替りにギ酸が用いられたことを除いて実
施例2の実験が繰返された。そのため、このケー
スで用いられた溶媒は33.0gの水と30.0gのキ酸
の混合物であつた。 180分の反応後、吸収された酸素は36.7リツト
ルであつた。実施例1と同じ分析手順により、
88.0%のp―キシレンと15.6%のp―トルイル酸
が次の生成物に転化されたことが決定された。 テレフタル酸 66.7g 4―カルボキシベンズアルデヒド 6.8g 他の中間体 7.0g 重質副生成物 3.7g 実施例1と同じ方法により、同条件下での連続
プロセスにおいてテレフタル酸の収率が消費され
たp―キシレン量の約85モル%であることが推定
できた。 これらの結果は、実施例1および2の結果ほど
良くはないが、収率および反応速度に重大な悪影
響を及ぼすことなく、大量のギ酸が反応混合物中
での使用に堪え得ることを示している。このこと
はギ酸が常に酸化反応の有力な阻害物として記載
している公知文献からは全く予想外のことであ
る。ギ酸はそのような反応において常に生成され
るので、反応混合物でのその著積を避けるため
に、一般に手のこんだ高価な手順を考えなければ
ならない。本発明のプロセスでは、この実験で発
生した二酸化炭素は、実施例1の実験で測定した
値3.8リツトルの替りに6.0リツトルであつたとい
う事実により証明されるように、ギ酸が燃焼され
る。従つて、本発明の方法では、反応混合物から
ギ酸を除去するために何ら特別の操作は必要では
ない。 実施例 4 単一の触媒としてコバルトが用いられたことを
除いて、実施例1の実験が繰返された。実際の導
入物質は次の通りであつた。 p―キシレン 45.0g p―トルイル酸 190.1g さまざまの酸化された誘導体 1.9g 水 63.0g 酢酸コバルト 3.48ミリモル この導入物質において、Yは2.50であり、明ら
かにXは0である。従つて、この場合、酸化を実
施するためのコバルトの限界量はM=2.50
(0.200)/0.0724=6.9ミリモル/Kgであつた。 最初の混合物中の酢酸コバルトの濃度は11.6ミ
リモル/Kgであり、限界量の約2倍であつた。
180分の反応後、吸収された酸素は41.5リツトル
であつた。次いで反応混合物は既に記したように
処理され、分析された。このように、90.8%のp
―キシレンと19.5%のp―トルイル酸が次の生成
物に転化したことが決定された。 テレフタル酸 74.2g 4―カルボキシアルデヒド 6.8g 他の中間体 1.5g 重質副生成物 3.7g これらの結果と実施例1の結果との比較から、
酸素吸収が少し高いが少ないテレフタル酸が生成
されることがわかる。事実として、実施例1と同
様に連続プロセスで実施されるテレフタル酸の収
率を推定することにより、90%の替りに81%の値
が得られる。この違いは明らかに触媒してコバル
トだけの替りにマンガンとコバルトの混合物を用
いることから生ずる有利な収率を生じている。 実施例 5 単独触媒として用いられるのがマンガンである
ことを除いて、実施例1の実験が繰返された。導
入原料の実際の組成は次の通りであつた。 p―キシレン 45.0g p―トルイル酸 182.8g さまざまの酸化された誘導体 9.2g 水 63.0g 酢酸マンガン 3.00ミリモル この導入原料において、Yは2.60であり、明ら
かにXは1.00であつた。従つて、酸化を実施する
ためのマンガンの限界量は次の通りであつた。 M=2.60(1.00+0.200)+10.9/4.35+0.0724 =3.2ミリモル/Kg この実施例においてマンガンの濃度は10.0ミリ
モル/Kg即ち実施例1におけぬ限界量の約3倍で
あつた。 180分の反応後、吸収された酸素は25.3リツト
ルであり、即ち実施例1ないし4におけるよりも
顕著に低かつた。次いで反応混合物は既に記載し
たように処理され分析された。このようにして、
70.2%のp―キシレンと5.8%のp―トルイル酸
が以下の生成物に転化したのが決定された。 テレフタル酸 31.2g 4―カルボキシベンズアルデヒド 5.9g 他の中間体 6.3g 重質副生成物 5.1g これらの結果を実施例1および2の結果と比較
することにより、この実施例ではより少ない反応
体が消費され、より少ないテレフタル酸が生成さ
れることが明らかであろう。更に、実施例1ない
し4におけるように、これらのデータから推定さ
れた連続プロセスのテレフタル酸の収率は、わず
か69%である。このように、(コバルトのみの場
合に計算された値との比較により、Mについて計
算されたより低い値により保証されるように)水
の存在下で酸化を実施するためには、コバルトよ
りもマンガンの方が顕著により有効であるが、実
施例1と同様にコバルトとともにマンガンを用い
ることには反応速度と収率の両方に関して明白な
利点がある。 実施例 6 ニツケルとともにマンガンが用いられたことを
除いて実施例1の実験が繰返された。導入原料の
実際の組成は次の通りであつた。 p―キシレン 45.0g p―トルイル酸 182.8g さまざまの酸化された誘導体 9.2g 水 63.0g 酢酸マンガン 1.50ミリモル 酢酸ニツケル 1.50ミリモル この導入原料において、前の実施例と同様Yは
2.60であり、Xは1.00であつた。こうして、Mは
3.2ミリモル/Kg(ニツケルはMの計算には考慮
されていない。)であつた。本実施例において、
マンガンの濃度は5.0ミリモル/Kgであり、限界
量より1.8過剰である。事実、酸化は活発に生じ
た。 180分後、酸素の吸収は29.2リツトルであり、
反応混合物は既に述べたようにして分析された。
その結果、79.1%のp―キシレンと3.3%のp―
トルイル酸が以下の生成物に転化したことがわか
つた。 テレフタル酸 35.6g 4―カルボキシベンズアルデヒド 6.6g 他の中間体 2.6g 重質副生成物 3.2g これらの結果を前の実施例の結果と比較するこ
とにより、本実施例の2倍の濃度でマンガンのみ
を用いたときよりも、より多く酸素が吸収され、
テレフタル酸が生成されることがわかる。このこ
とは、コバルト以外の金属がマンガンとともに用
いられて反応速度を改善することを示している。 実施例 7 前の実施例と同じオートクレーブ中に以下の物
質が導入された。 p―キシレン 45.0g p―トルイル酸 218.5g さまざまの酸化された誘導体 6.5g 水 30.0g 酢酸マンガン 0.52ミリモル 酢酸コバルト 0.45ミリモル この導入原料では、水とp―トルイル酸とのモ
ル比(Y)は1.04であり、触媒中のマンガンのモ
ル分率(X)は0.46であつた。従つて、式(1)を適
用することにより、この場合に酸化を実施するた
めに用いられる触媒の最小濃度はM=2.7ミリモ
ル/Kgである。実際にはこの実施例では触媒濃度
は300gの最初の混合物について0.97ミリモルま
たは3.2ミリモル/Kgであり、即ち限界量よりわ
ずか0.5ミリモル過剰である。しかし、酸素の吸
収は自然に開始し、活発に行なわれた。その結
果、温度が急激に上昇し、制御された冷却により
170℃に維持された。 395分の反応後、62.9リツトルの酸素が吸収さ
れていた。そのとき空気の導入が停止され、反応
混合物の組成を決定するために実施例1と同じ手
順が用いられた。その結果、98.8%のp―キシレ
ンと29.2%のp―トルイル酸が以下の生成物に転
化したことがわかつた。 テレフタル酸 102.5g 4―カルボキシベンズアルデヒド 6.6g 他の中間体 4.6g 重質副生成物 3.6 実施例1と同様にこれらのデータから推定する
ことにより、中間体がリサイクルされる連続プロ
セスにおいて達成されたテレフタル酸の収量は、
80%が得られた。この値は実施例1で推定された
収量よりも10%低い。この収量の差は、本発明に
従つて実質量の水の存在下でp―キシレンを酸化
した場合の利点を更に示すものとみなすことがで
きよう。 比較例 0.30ミリモルの酢酸マンガンおよび0.35ミリモ
ルの酢酸を用いられたことを除いて、前の実施例
と同量の化合物が導入された。従つて金属触媒の
全濃度は2.2ミリモル/Kgであり、即ち前の実施
例で計算された限界量より0.5ミリモル低かつた。 前の実施例と同じ条件で空気流の存在下で混合
物を酸化すると、同様に酸素の吸収が開始した
が、約70分後に突然無視し得るレベルまで酸素の
吸収が下がつた。酸素の吸収はわずか6.7リツト
ルであつた。 実施例 8 実施例1と同じオートクレーブ中に以下の原料
を導入した。 p―トルアルデヒド 45.0g p―トルイル酸 187.5g さまざまの酸化された誘導体 4.5g 水 63.0g 酢酸マンガン 1.50ミリモル 酢酸コバルト 1.74ミリモル この混合物は、p―トルアルデヒドがp―キシ
レンと置換されたことを除いて、実施例1ないし
5の原料と非常に近いことがわかる。水とp―ト
ルイル酸とのモル比はここでも2.54であつたた。
式(1)を適用することにより、酸化を実施するため
に用いられる触媒の最小濃度はM=3.2ミリモ
ル/Kgである。実際には、触媒の濃度は10.8ミリ
モル/Kgであり、即ち3倍である。 この混合物は、前の実施例と同様、空気の存在
下で加熱された。酸素の吸収が約30℃で自然に開
始した。温度が上昇し、制御された冷却により
170℃に維持された。180分の反応後、酸素の吸収
は25.6リツトルであつた。そのとき空気の導入が
停止され、次いで未反応p―トルアルデヒを抽出
するために、撹拌および加熱を続行しつつ180ml
のn―ヘプタンが反応器に注入された。次いで得
られた混合物を冷却し、反応器を開けた。そこに
ある析出物が過され、n―ヘプタンで洗浄さ
れ、真空下50℃で乾燥され、再び水で洗浄され、
最後に真空下70℃で乾燥された。次いで前の実施
例と同じ手順で分析された。過と洗浄液が合わ
され、沈降分離によりヘプタン抽出液が分離され
た。この抽出液の分別された部分をガスクロマト
グラフイーにより分析してp―トルアルデヒドを
決定した。残りの部分を乾燥に至るまで真空下蒸
発させ、残渣を最初の析出物と同じ方法で分析し
た。 これらの分析から、99.9%のp―トルアルデヒ
ドと10.7%のp―トルイル酸が以下の生成物に転
化したことがわかつた。 テレフタル酸 58.4g 4―カルボキシベンズアルデヒド 7.1g 他の中間体 6.1g 重質副生成物 5.4g 比較例 1 それぞれ0.3ミリモルのマンガンおよびコバル
トが用いられたことを除いて、前の実施例と同量
の化合物がオートクレーブ中に導入された。従つ
て触媒の全濃度は2.0ミリモル/Kgであり、即ち
式(1)により計算された限界量より1.2ミリモル低
かつた。 前の実施例と同じ条件下で空気の存在下でこの
混合物を加熱した。180分の反応後、酸素の吸収
はわずか9.0リツトルであつた。次いで反応混合
物は前の実施例と同様に処理され、分析された。
その結果、p―トルアルデヒドが完全に以下の生
成物に転化したことがわかつた。 テレフタル酸 2.3g p―トルイル酸 31.7g 4―カルボキシベンズアルデヒド 3.8g 他の中間体 0.9g 重質副生成物 2.0g この例では、p―トルアルデヒドが、実質的な
テレフタル酸の形成なしに主としてp―トルイル
酸に転化したことがわかる。 比較例 2 この例では、酸化される単一原料としてp―ト
ルアルデヒドが用いられた。実際の導入原料は次
の通りである。 p―トルアルデヒド 225.0g 水 75.0g 酢酸マンガン 1.50ミリモル 酢酸コバルト 1.50ミリモル 実施例8と同じ条件で空気の存在下でこの混合
物を加熱すると、同様に酸素の吸収が開始された
が顕著に遅かつた。170℃で約240分の反応後、酸
素吸収は29.6リツトルであつた。得られた反応混
合物を上述のように処理および分析することによ
り、99.7%のp―トルアルデヒドが以下の生成物
に転化されたことがわかつた。 テレフタル酸 4.6g p―トルイル酸 171.4g 4―カルボキシベンズアルデヒド 4.6g 他の中間体 1.3g 重質副生成物 1.3g この例でも、p―トルイル酸はp―トルアルデ
ヒドの酸化による主生成物であり、極くわずかの
テレフタル酸が形成されたことがわかる。この結
果は、本発明によりp―トルアルデヒドを酸化し
てテレフタル酸とするためには、反応の最初から
充分な量のp―トルイル酸が存在しなければなら
ないことを明確に示している。 実施例 9 単独の触媒として3.48ミリモルの酢酸コバルト
を用いたことを除いて、実施例8の実験が繰返さ
れた。式(1)を適用することにより、この場合に使
用されるコバルトの最小濃度がM=7.0ミリモ
ル/Kgであることが計算できる。実際には本実施
例におけるコバルト濃度は11.6ミルモル/Kgであ
つた。 ここでも酸素吸収は低温下で開始された。しか
し、170℃の温度を維持するために加熱が施され
た。約210分の反応後、酸素の吸収は20.8リツト
ルであつた。次いで前の実施例と同様に反応混合
物が処理され、分析された。その結果、99.9%の
p―トルアルデヒドと6.0%のp―トルイル酸が
以下の生成物に転化したことがわかつた。 テレフタル酸 49.1g 4―カルボキシベンズアルデヒド 6.9g 他の中間体 6.5g 重質副生成物 6.3g 比較例 前の実施例と同じオートクレーブ中に以下の原
料が導入された。 p―トルアルデヒド 69.6g p―トルイル酸 123.0g さまざまの酸化誘導体 3.0g 水 105.0g 酢酸コバルト 3.48ミリモル このように、上述の例と同量のコバルト触媒
(11.6ミリモル/Kg)が使用されたが、本実施例
では水とp―トルイル酸のモル比は2.54ではなく
6.45であつた。従つて、この場合に用いられるコ
バルト触媒の最小濃度はM=17.8であり、即ち、
導入原料中に存在する量より6.2ミリモル多い。 この混合物は空気の存在下で加熱された。この
実施例でも酸素吸収が直ちに生じた。しかし45分
後、酸素吸収は無視し得るレベルにまで低下し
た。しかし170℃での加熱が続行された。300分の
反応後、酸素吸収は10.0リツトルに過ぎなかつ。
そして実施例8と同様に反応混合物が処理され分
析された。その結果、90.1%のp―トルアルデヒ
ドが以下の生成物に転化したことがわかつた。 テレフタル酸 3.7g p―トルイル酸 53.5g 4―カルボキシベンズアルデヒド 3.3g 他の中間体 0.7g 重質副生成物 6.6g 即ち、p―トルアルデヒドが、実質的なテレフ
レル酸の形成なしにp―トルイル酸に転化したこ
とがわかる。 実施例 10 前の実施例と同じオートクレーブ中に以下の原
料を導入した。 p―トルイル酸 214.3g さまざまな酸化誘導体 10.7g 水 75.0g 酢酸コバルト 1.74ミリモル 酢酸マンガン 1.50ミリモル この実施例では、p―キシレンもp―トルアル
デヒドも使用されなかつた。水とp―トルイル酸
とのモル比(Y)は2.64であり、触媒中のマンガ
ンのモル分率(X)は実施例1と同様0.46であつ
た。式(1)から計算されるように、使用される触媒
の最小濃度はM=3.3ミリモル/Kgである。実際
にはこの実施例では、触媒濃度は反応混合物300
gあたり3.24ミリモルまたは10.8ミリモル/Kgで
あり、即ち限界量の約3倍であつた。 この混合物は、実施例1と同じ条件で空気の存
在下で加熱された。この実施例でも、反応は自然
に開始された。180分の反応後、19.4リツトルの
酸素が吸収され、反応は冷却により停止された。
オートクレーブが開かれ、その中の析出物が実施
例1と同様に処理され、分析された。その結果、
33.2%のp―トルイル酸が以下の生成物に転化し
たことがわかつた。 テレフタル酸 75.5g 4―カルボキシベンズアルデヒド 6.1g 他の中間体 1.8g 重質副生成物 0.1g 転化したp―トルイル酸に基づくテレフタル酸
の正味の収率は87モル%である。しかし、4―カ
ルボキシベンズアルデヒドのような中間酸化生成
物を考慮に入れると、中間生成物がリサイクルさ
れる連続プロセスで得られるようなテレフタル酸
の実際の収率は、97モル%と推定できる。 この実施例は、本発明により、p―キシレンま
たは促進剤としての他の容易に酸化され得る化合
物の存在なしでさえ、p―トルイル酸が有効かつ
高収率でテレフタル酸に酸化され得ることを明ら
かに示している。 実施例 11 前の実施例と同じオートクレーブ中に以下の原
料を導入した。 p―キシレン 3.0g p―トルイル酸 142.6g さまざまな酸化誘導体 4.4g 水 150.0g 酢酸マンガン 1.05ミリモル 酢酸コバルト 1.05ミリモル この実施例では、水は最初の混合物の50重量%
であり、Yは7.95、Xは明らかに0.50であつた。
式(1)を適用することにより、使用される触媒の最
小濃度はM=4.9である。実際には、本実施例で
は、触媒濃度は7.0ミリモル/Kg、即ち限界量よ
り2.1ミリモル/Kgであつた。 20Kg/cm2の圧力下で110リツトル/時の流量の
空気が反応器内に導入された。温度が約170℃で
あつたとき、反応の開始を助けるために少量のt
―ブチルヒドロペルオキシドが添加された。その
結果、酸素の吸収が直ちに生じた。その時温度が
急速に上昇し、冷却を制御することにより185℃
に維持された。300分の反応後、酸素の吸収は
23.5リツトルであつた。その時反応が停止され、
得られた混合物が実施例1と同様に処理され分析
された。その結果、95.0%のp―キシレンと40.3
%のp―トルイル酸が以下の生成物に転化したこ
とがわかつた。 比較例 1 半分の量のそれぞれの金属触媒が用いられたこ
とを除いて、前の実施例と同じ実験が繰返され
た。従つて触媒の全濃度は3.5ミリモル/Kg、即
ち限界量より1.4ミリモルだけ低かつた。前の実
施例と全く同じ条件で空気の存在下、この混合物
が加熱された。反応の開始を助けるためのt―ブ
チルヒドロペルオキシドの2個の連続的添加にも
かかわらず、この混合物を185℃で160分維持する
ことによつて酸素吸収は全く生じなかつた。 大量の水の存在下で活発かく実質的な酸化が生
ずる前の実施例で得られた結果を考慮することに
より、本発明において特定された適切な触媒量を
用いるときに、そのような酸化が実施し得ること
が明らかである。 比較例 2 p―トルイル酸の1部を安息香酸で置換したこ
とを除いて、実施例11と同じ実験が繰返された。
原料の実際の組成は次の通りである。 p―キシレン 3.0g p―トルイル酸 44.5g 安息香酸 93.9g さまざまの酸化化合物 2.0g 酢酸マンガン 156.6g 酢酸コバルト 1.05ミリモル 1.05ミリモル この実施例ではYは26.59であつた。従つて式
(1)を適用することにより、上記混合物の酸化を実
施するために使用される触媒の最小濃度は10.7ミ
リモル/Kg、即ち実際に存在する量より3.7ミリ
モル多かつた。対照により、水性媒体中で酸化を
実施する上で、もし安息香酸がp―トルイル酸と
同じ効果を有するならば、YとMの計算におい
て、それを考慮すべきである。この場合、Y=
(156.6/18.02)/(44.5/136.15+93.9/122.12)
=7.93、即ち活発な酸化が生じた場合の実施例11
において計算したYと同じ値である。 この混合物は実施例11と同じ条件で185℃で加
熱された。ここでも開始を助けるためにt―ブチ
ルヒドロペルオキシドが加えられた。しかし、
180分加熱を続行したときですら、実質的な酸化
は生じなかつた。このことは、本発明の方法で実
施される水の存在下での酸化を促進するために
は、少なくとも安息香酸はp―トルイル酸と同じ
活性を有していないことを示している。 比較例 3 p―トルイル酸の1部を酢酸と置換したことを
除いて、実施例11と同じ実験が繰返された。原料
の実際の組成は次の通りであつた。 p―キシレン 3.0g p―トルイル酸 52.7g 酢 酸 55.2g さまざまな酸化化合物 1.3g 水 187.8g 酢酸マンガン 1.05ミリモル 酢酸コバルト 1.05ミリモル この実施例では、Yは26.92、従つてMは10.8、
即ち前の比較例とほぼ同じであつた。ここでも、
水性媒体中で、酸化を実施する上でもし酢酸がp
―トルイル酸と、同じ促進効果を有するならば、
YとMを計算する際この事を考慮すべきである。
この場合、Y=(187.2/18.02)/(52.7/136.15
+55.2/60.05)=7.95、すなわち、実施例11とま
つたく同じ値である。 上記混合物は、実施例11と同じ条件で185℃で
加熱された。ここでも反応の開始を助けるため
に、t―ブチルヒドロペルオキシドが添加され
た。300分の反応を酸素の吸収は、わずか3.8リツ
トルであつた。この結果は、本発明の方法におい
て表われるp―トルイル酸の促進効果が他のカル
ボン酸によつては示されない、すなわちp―トル
イル酸は特定されたものであることを示してい
る。 実施例 12 前の実施例と同じオートクレーブ中に、以下の
原料を導入した。 p―キシレン 6.0g p―トルイル酸 183.3g さまざまの酸化誘導体 5.7g 水 105.0g 酢酸マンガン 1.80ミリモル この実施例ではY=4.33であり、単独触媒とし
てマンガンを用いたのでX=1.00である。したが
つて式(1)を適用することにより、この実施例で用
いられるマンガンの最小濃度はM=3.6ミリモ
ル/Kgである。実際にはこの実施例では、マンガ
ンの濃度は6.0ミリモル/Kgであり限界量をかな
り越えている。この混合物は、185℃ではなく170
℃に温度が維持されたことを除いて実施例11とま
つたく同じ条件で空気の存在下で加熱された。
305分の反応後、酸素の吸収は21.2リツトルであ
つた。前の実施例と同様に反応混合物を処理及び
分析したところ、約96%のp―キシレンと29.9%
のp―トルイル酸が以下の生成物に転化したこと
がわかつた。 テレフタル酸 44.8g 4―カルボキシベンズアルデヒド 14.2g 他の中間体 0.9g 重質副生成物 1.2g 比較例 わずか0.60ミリモルの酢酸マンガンを触媒とし
て用いたことを除いて、前の実施例と同量の化合
物が反応器に導入された混合物中の触媒の濃度
は、したがつて2.0ミリモル/Kg、すなわち限界
量よりも1.6ミリモル低かつた。その結果、反応
開始を助けるためにt―ブチルヒドロペルオキシ
ドを加えたのちですら、前の実施例と同じ条件で
空気の存在下において60分混合物を加熱しても酸
素の吸収は生じなかつた。 実施例 13 前の実施例と同じオートクレーブ中に以下の原
料を導入した。 p―キシレン 6.3g p―トルイル酸 218.3g さまざまの酸化された誘導体 2.2g 水 73.5g 酢酸コバルト 3.48ミリモル この実施例では、単独コバルトとして用いられ
たのはコバルトであり、即ちX=0である。一
方、Yは2.54である。式(1)を適用することによ
り、この場合に使用されるコバルトの最小濃度は
M=7.0ミリモル/Kgである。実際には、この実
施例では、コバルトの濃度は11.6ミリモル/Kgで
あつた。 20Kg/cm2の圧力で90リツトル/時の流量の空気
の反応器に導入され、混合物は170℃に加熱され
た。加熱中に反応は自然に開始し、240分続行さ
れた。反応の終点において、酸素の吸収は29.8リ
ツトルであつた。実施例1と同様に反応混合物を
処理および分析したところ、89.3%のp―キシレ
ンと37.0%のp―トルイル酸が以下の生成物に転
化したのがわかつた。 テレフタル酸 81.5g 4―カルボキシベンズアルデヒド 6.8g 他の中間体 1.2g 重質副生成物 3.0g 比較例 触媒としてわずか0.90ミリモルの酢酸コバルト
を用いたことを除いて、前の実施例と同量の化合
物を反応器に導入した。従つて、混合物中の触媒
濃度は3.0ミリモル/Kgであり、即ち制限量より
4.0ミリモル低かつた。その結果、t―ブチルヒ
ドロペルオキシドの繰返しの添加を行なつた後で
さえ、前の実施例と同じ条件で空気の存在下で
240分この混合物を加熱したところ、酸素の吸収
は生じなかつた。 本発明の基本的かつ新規な特徴の上述の記載
は、単に好ましい実施態様を例示するに過ぎない
ということは、理解されるべきである。当業者は
多くの変形例に気づくであろう。例えば、本発明
の方法を実施する上で、他のプロセスで活性剤と
して用いられる別の化合物、例えばアルデヒドま
たはケトンまたは臭素含有化合物を反応混合物中
に添加することができる。そのような添加剤は、
例えば反応速度に関して有利であろう。これらの
変形例は、本発明の精神から逸脱することなく、
本発明の範囲内にあるであろう。
粗試料は、より良質な純度のテレフタル酸の市販
試料よりも良好な色特性を有することがわかる。 実施例 2 63.0gの水の替りに溶媒として以下の混合物を
用いたことを除いて、実施例1と同様の実験を繰
り返した。 水 33.0g 酢 酸 30.0g 180分の反応後、酸素吸収は39.7リツトル即ち、
実施例1における量とほぼ同量であつた。次いで
反応混合物を実施例1と同様に処理し分析した。
その結果、88.0%のp―キシレンと23.5%のp―
トルイル酸が次の生成物に転化したことが決定さ
れた。 テレフタル酸 89.4g 4―カルボキシベンズアルデヒド 6.5g 他の中間体 4.8g 重質副生成物 3.2g 実施例1と同じ方法により、同条件下での連続
プロセスにおいてテレフタル酸の収率が消費され
たp―キシレン量の約90モル%であることが推定
できた。 このように、これらの結果は、水が単一成分の
溶媒として用いられた実施例1の結果と実際上等
しい。 実施例 3 酢酸の替りにギ酸が用いられたことを除いて実
施例2の実験が繰返された。そのため、このケー
スで用いられた溶媒は33.0gの水と30.0gのキ酸
の混合物であつた。 180分の反応後、吸収された酸素は36.7リツト
ルであつた。実施例1と同じ分析手順により、
88.0%のp―キシレンと15.6%のp―トルイル酸
が次の生成物に転化されたことが決定された。 テレフタル酸 66.7g 4―カルボキシベンズアルデヒド 6.8g 他の中間体 7.0g 重質副生成物 3.7g 実施例1と同じ方法により、同条件下での連続
プロセスにおいてテレフタル酸の収率が消費され
たp―キシレン量の約85モル%であることが推定
できた。 これらの結果は、実施例1および2の結果ほど
良くはないが、収率および反応速度に重大な悪影
響を及ぼすことなく、大量のギ酸が反応混合物中
での使用に堪え得ることを示している。このこと
はギ酸が常に酸化反応の有力な阻害物として記載
している公知文献からは全く予想外のことであ
る。ギ酸はそのような反応において常に生成され
るので、反応混合物でのその著積を避けるため
に、一般に手のこんだ高価な手順を考えなければ
ならない。本発明のプロセスでは、この実験で発
生した二酸化炭素は、実施例1の実験で測定した
値3.8リツトルの替りに6.0リツトルであつたとい
う事実により証明されるように、ギ酸が燃焼され
る。従つて、本発明の方法では、反応混合物から
ギ酸を除去するために何ら特別の操作は必要では
ない。 実施例 4 単一の触媒としてコバルトが用いられたことを
除いて、実施例1の実験が繰返された。実際の導
入物質は次の通りであつた。 p―キシレン 45.0g p―トルイル酸 190.1g さまざまの酸化された誘導体 1.9g 水 63.0g 酢酸コバルト 3.48ミリモル この導入物質において、Yは2.50であり、明ら
かにXは0である。従つて、この場合、酸化を実
施するためのコバルトの限界量はM=2.50
(0.200)/0.0724=6.9ミリモル/Kgであつた。 最初の混合物中の酢酸コバルトの濃度は11.6ミ
リモル/Kgであり、限界量の約2倍であつた。
180分の反応後、吸収された酸素は41.5リツトル
であつた。次いで反応混合物は既に記したように
処理され、分析された。このように、90.8%のp
―キシレンと19.5%のp―トルイル酸が次の生成
物に転化したことが決定された。 テレフタル酸 74.2g 4―カルボキシアルデヒド 6.8g 他の中間体 1.5g 重質副生成物 3.7g これらの結果と実施例1の結果との比較から、
酸素吸収が少し高いが少ないテレフタル酸が生成
されることがわかる。事実として、実施例1と同
様に連続プロセスで実施されるテレフタル酸の収
率を推定することにより、90%の替りに81%の値
が得られる。この違いは明らかに触媒してコバル
トだけの替りにマンガンとコバルトの混合物を用
いることから生ずる有利な収率を生じている。 実施例 5 単独触媒として用いられるのがマンガンである
ことを除いて、実施例1の実験が繰返された。導
入原料の実際の組成は次の通りであつた。 p―キシレン 45.0g p―トルイル酸 182.8g さまざまの酸化された誘導体 9.2g 水 63.0g 酢酸マンガン 3.00ミリモル この導入原料において、Yは2.60であり、明ら
かにXは1.00であつた。従つて、酸化を実施する
ためのマンガンの限界量は次の通りであつた。 M=2.60(1.00+0.200)+10.9/4.35+0.0724 =3.2ミリモル/Kg この実施例においてマンガンの濃度は10.0ミリ
モル/Kg即ち実施例1におけぬ限界量の約3倍で
あつた。 180分の反応後、吸収された酸素は25.3リツト
ルであり、即ち実施例1ないし4におけるよりも
顕著に低かつた。次いで反応混合物は既に記載し
たように処理され分析された。このようにして、
70.2%のp―キシレンと5.8%のp―トルイル酸
が以下の生成物に転化したのが決定された。 テレフタル酸 31.2g 4―カルボキシベンズアルデヒド 5.9g 他の中間体 6.3g 重質副生成物 5.1g これらの結果を実施例1および2の結果と比較
することにより、この実施例ではより少ない反応
体が消費され、より少ないテレフタル酸が生成さ
れることが明らかであろう。更に、実施例1ない
し4におけるように、これらのデータから推定さ
れた連続プロセスのテレフタル酸の収率は、わず
か69%である。このように、(コバルトのみの場
合に計算された値との比較により、Mについて計
算されたより低い値により保証されるように)水
の存在下で酸化を実施するためには、コバルトよ
りもマンガンの方が顕著により有効であるが、実
施例1と同様にコバルトとともにマンガンを用い
ることには反応速度と収率の両方に関して明白な
利点がある。 実施例 6 ニツケルとともにマンガンが用いられたことを
除いて実施例1の実験が繰返された。導入原料の
実際の組成は次の通りであつた。 p―キシレン 45.0g p―トルイル酸 182.8g さまざまの酸化された誘導体 9.2g 水 63.0g 酢酸マンガン 1.50ミリモル 酢酸ニツケル 1.50ミリモル この導入原料において、前の実施例と同様Yは
2.60であり、Xは1.00であつた。こうして、Mは
3.2ミリモル/Kg(ニツケルはMの計算には考慮
されていない。)であつた。本実施例において、
マンガンの濃度は5.0ミリモル/Kgであり、限界
量より1.8過剰である。事実、酸化は活発に生じ
た。 180分後、酸素の吸収は29.2リツトルであり、
反応混合物は既に述べたようにして分析された。
その結果、79.1%のp―キシレンと3.3%のp―
トルイル酸が以下の生成物に転化したことがわか
つた。 テレフタル酸 35.6g 4―カルボキシベンズアルデヒド 6.6g 他の中間体 2.6g 重質副生成物 3.2g これらの結果を前の実施例の結果と比較するこ
とにより、本実施例の2倍の濃度でマンガンのみ
を用いたときよりも、より多く酸素が吸収され、
テレフタル酸が生成されることがわかる。このこ
とは、コバルト以外の金属がマンガンとともに用
いられて反応速度を改善することを示している。 実施例 7 前の実施例と同じオートクレーブ中に以下の物
質が導入された。 p―キシレン 45.0g p―トルイル酸 218.5g さまざまの酸化された誘導体 6.5g 水 30.0g 酢酸マンガン 0.52ミリモル 酢酸コバルト 0.45ミリモル この導入原料では、水とp―トルイル酸とのモ
ル比(Y)は1.04であり、触媒中のマンガンのモ
ル分率(X)は0.46であつた。従つて、式(1)を適
用することにより、この場合に酸化を実施するた
めに用いられる触媒の最小濃度はM=2.7ミリモ
ル/Kgである。実際にはこの実施例では触媒濃度
は300gの最初の混合物について0.97ミリモルま
たは3.2ミリモル/Kgであり、即ち限界量よりわ
ずか0.5ミリモル過剰である。しかし、酸素の吸
収は自然に開始し、活発に行なわれた。その結
果、温度が急激に上昇し、制御された冷却により
170℃に維持された。 395分の反応後、62.9リツトルの酸素が吸収さ
れていた。そのとき空気の導入が停止され、反応
混合物の組成を決定するために実施例1と同じ手
順が用いられた。その結果、98.8%のp―キシレ
ンと29.2%のp―トルイル酸が以下の生成物に転
化したことがわかつた。 テレフタル酸 102.5g 4―カルボキシベンズアルデヒド 6.6g 他の中間体 4.6g 重質副生成物 3.6 実施例1と同様にこれらのデータから推定する
ことにより、中間体がリサイクルされる連続プロ
セスにおいて達成されたテレフタル酸の収量は、
80%が得られた。この値は実施例1で推定された
収量よりも10%低い。この収量の差は、本発明に
従つて実質量の水の存在下でp―キシレンを酸化
した場合の利点を更に示すものとみなすことがで
きよう。 比較例 0.30ミリモルの酢酸マンガンおよび0.35ミリモ
ルの酢酸を用いられたことを除いて、前の実施例
と同量の化合物が導入された。従つて金属触媒の
全濃度は2.2ミリモル/Kgであり、即ち前の実施
例で計算された限界量より0.5ミリモル低かつた。 前の実施例と同じ条件で空気流の存在下で混合
物を酸化すると、同様に酸素の吸収が開始した
が、約70分後に突然無視し得るレベルまで酸素の
吸収が下がつた。酸素の吸収はわずか6.7リツト
ルであつた。 実施例 8 実施例1と同じオートクレーブ中に以下の原料
を導入した。 p―トルアルデヒド 45.0g p―トルイル酸 187.5g さまざまの酸化された誘導体 4.5g 水 63.0g 酢酸マンガン 1.50ミリモル 酢酸コバルト 1.74ミリモル この混合物は、p―トルアルデヒドがp―キシ
レンと置換されたことを除いて、実施例1ないし
5の原料と非常に近いことがわかる。水とp―ト
ルイル酸とのモル比はここでも2.54であつたた。
式(1)を適用することにより、酸化を実施するため
に用いられる触媒の最小濃度はM=3.2ミリモ
ル/Kgである。実際には、触媒の濃度は10.8ミリ
モル/Kgであり、即ち3倍である。 この混合物は、前の実施例と同様、空気の存在
下で加熱された。酸素の吸収が約30℃で自然に開
始した。温度が上昇し、制御された冷却により
170℃に維持された。180分の反応後、酸素の吸収
は25.6リツトルであつた。そのとき空気の導入が
停止され、次いで未反応p―トルアルデヒを抽出
するために、撹拌および加熱を続行しつつ180ml
のn―ヘプタンが反応器に注入された。次いで得
られた混合物を冷却し、反応器を開けた。そこに
ある析出物が過され、n―ヘプタンで洗浄さ
れ、真空下50℃で乾燥され、再び水で洗浄され、
最後に真空下70℃で乾燥された。次いで前の実施
例と同じ手順で分析された。過と洗浄液が合わ
され、沈降分離によりヘプタン抽出液が分離され
た。この抽出液の分別された部分をガスクロマト
グラフイーにより分析してp―トルアルデヒドを
決定した。残りの部分を乾燥に至るまで真空下蒸
発させ、残渣を最初の析出物と同じ方法で分析し
た。 これらの分析から、99.9%のp―トルアルデヒ
ドと10.7%のp―トルイル酸が以下の生成物に転
化したことがわかつた。 テレフタル酸 58.4g 4―カルボキシベンズアルデヒド 7.1g 他の中間体 6.1g 重質副生成物 5.4g 比較例 1 それぞれ0.3ミリモルのマンガンおよびコバル
トが用いられたことを除いて、前の実施例と同量
の化合物がオートクレーブ中に導入された。従つ
て触媒の全濃度は2.0ミリモル/Kgであり、即ち
式(1)により計算された限界量より1.2ミリモル低
かつた。 前の実施例と同じ条件下で空気の存在下でこの
混合物を加熱した。180分の反応後、酸素の吸収
はわずか9.0リツトルであつた。次いで反応混合
物は前の実施例と同様に処理され、分析された。
その結果、p―トルアルデヒドが完全に以下の生
成物に転化したことがわかつた。 テレフタル酸 2.3g p―トルイル酸 31.7g 4―カルボキシベンズアルデヒド 3.8g 他の中間体 0.9g 重質副生成物 2.0g この例では、p―トルアルデヒドが、実質的な
テレフタル酸の形成なしに主としてp―トルイル
酸に転化したことがわかる。 比較例 2 この例では、酸化される単一原料としてp―ト
ルアルデヒドが用いられた。実際の導入原料は次
の通りである。 p―トルアルデヒド 225.0g 水 75.0g 酢酸マンガン 1.50ミリモル 酢酸コバルト 1.50ミリモル 実施例8と同じ条件で空気の存在下でこの混合
物を加熱すると、同様に酸素の吸収が開始された
が顕著に遅かつた。170℃で約240分の反応後、酸
素吸収は29.6リツトルであつた。得られた反応混
合物を上述のように処理および分析することによ
り、99.7%のp―トルアルデヒドが以下の生成物
に転化されたことがわかつた。 テレフタル酸 4.6g p―トルイル酸 171.4g 4―カルボキシベンズアルデヒド 4.6g 他の中間体 1.3g 重質副生成物 1.3g この例でも、p―トルイル酸はp―トルアルデ
ヒドの酸化による主生成物であり、極くわずかの
テレフタル酸が形成されたことがわかる。この結
果は、本発明によりp―トルアルデヒドを酸化し
てテレフタル酸とするためには、反応の最初から
充分な量のp―トルイル酸が存在しなければなら
ないことを明確に示している。 実施例 9 単独の触媒として3.48ミリモルの酢酸コバルト
を用いたことを除いて、実施例8の実験が繰返さ
れた。式(1)を適用することにより、この場合に使
用されるコバルトの最小濃度がM=7.0ミリモ
ル/Kgであることが計算できる。実際には本実施
例におけるコバルト濃度は11.6ミルモル/Kgであ
つた。 ここでも酸素吸収は低温下で開始された。しか
し、170℃の温度を維持するために加熱が施され
た。約210分の反応後、酸素の吸収は20.8リツト
ルであつた。次いで前の実施例と同様に反応混合
物が処理され、分析された。その結果、99.9%の
p―トルアルデヒドと6.0%のp―トルイル酸が
以下の生成物に転化したことがわかつた。 テレフタル酸 49.1g 4―カルボキシベンズアルデヒド 6.9g 他の中間体 6.5g 重質副生成物 6.3g 比較例 前の実施例と同じオートクレーブ中に以下の原
料が導入された。 p―トルアルデヒド 69.6g p―トルイル酸 123.0g さまざまの酸化誘導体 3.0g 水 105.0g 酢酸コバルト 3.48ミリモル このように、上述の例と同量のコバルト触媒
(11.6ミリモル/Kg)が使用されたが、本実施例
では水とp―トルイル酸のモル比は2.54ではなく
6.45であつた。従つて、この場合に用いられるコ
バルト触媒の最小濃度はM=17.8であり、即ち、
導入原料中に存在する量より6.2ミリモル多い。 この混合物は空気の存在下で加熱された。この
実施例でも酸素吸収が直ちに生じた。しかし45分
後、酸素吸収は無視し得るレベルにまで低下し
た。しかし170℃での加熱が続行された。300分の
反応後、酸素吸収は10.0リツトルに過ぎなかつ。
そして実施例8と同様に反応混合物が処理され分
析された。その結果、90.1%のp―トルアルデヒ
ドが以下の生成物に転化したことがわかつた。 テレフタル酸 3.7g p―トルイル酸 53.5g 4―カルボキシベンズアルデヒド 3.3g 他の中間体 0.7g 重質副生成物 6.6g 即ち、p―トルアルデヒドが、実質的なテレフ
レル酸の形成なしにp―トルイル酸に転化したこ
とがわかる。 実施例 10 前の実施例と同じオートクレーブ中に以下の原
料を導入した。 p―トルイル酸 214.3g さまざまな酸化誘導体 10.7g 水 75.0g 酢酸コバルト 1.74ミリモル 酢酸マンガン 1.50ミリモル この実施例では、p―キシレンもp―トルアル
デヒドも使用されなかつた。水とp―トルイル酸
とのモル比(Y)は2.64であり、触媒中のマンガ
ンのモル分率(X)は実施例1と同様0.46であつ
た。式(1)から計算されるように、使用される触媒
の最小濃度はM=3.3ミリモル/Kgである。実際
にはこの実施例では、触媒濃度は反応混合物300
gあたり3.24ミリモルまたは10.8ミリモル/Kgで
あり、即ち限界量の約3倍であつた。 この混合物は、実施例1と同じ条件で空気の存
在下で加熱された。この実施例でも、反応は自然
に開始された。180分の反応後、19.4リツトルの
酸素が吸収され、反応は冷却により停止された。
オートクレーブが開かれ、その中の析出物が実施
例1と同様に処理され、分析された。その結果、
33.2%のp―トルイル酸が以下の生成物に転化し
たことがわかつた。 テレフタル酸 75.5g 4―カルボキシベンズアルデヒド 6.1g 他の中間体 1.8g 重質副生成物 0.1g 転化したp―トルイル酸に基づくテレフタル酸
の正味の収率は87モル%である。しかし、4―カ
ルボキシベンズアルデヒドのような中間酸化生成
物を考慮に入れると、中間生成物がリサイクルさ
れる連続プロセスで得られるようなテレフタル酸
の実際の収率は、97モル%と推定できる。 この実施例は、本発明により、p―キシレンま
たは促進剤としての他の容易に酸化され得る化合
物の存在なしでさえ、p―トルイル酸が有効かつ
高収率でテレフタル酸に酸化され得ることを明ら
かに示している。 実施例 11 前の実施例と同じオートクレーブ中に以下の原
料を導入した。 p―キシレン 3.0g p―トルイル酸 142.6g さまざまな酸化誘導体 4.4g 水 150.0g 酢酸マンガン 1.05ミリモル 酢酸コバルト 1.05ミリモル この実施例では、水は最初の混合物の50重量%
であり、Yは7.95、Xは明らかに0.50であつた。
式(1)を適用することにより、使用される触媒の最
小濃度はM=4.9である。実際には、本実施例で
は、触媒濃度は7.0ミリモル/Kg、即ち限界量よ
り2.1ミリモル/Kgであつた。 20Kg/cm2の圧力下で110リツトル/時の流量の
空気が反応器内に導入された。温度が約170℃で
あつたとき、反応の開始を助けるために少量のt
―ブチルヒドロペルオキシドが添加された。その
結果、酸素の吸収が直ちに生じた。その時温度が
急速に上昇し、冷却を制御することにより185℃
に維持された。300分の反応後、酸素の吸収は
23.5リツトルであつた。その時反応が停止され、
得られた混合物が実施例1と同様に処理され分析
された。その結果、95.0%のp―キシレンと40.3
%のp―トルイル酸が以下の生成物に転化したこ
とがわかつた。 比較例 1 半分の量のそれぞれの金属触媒が用いられたこ
とを除いて、前の実施例と同じ実験が繰返され
た。従つて触媒の全濃度は3.5ミリモル/Kg、即
ち限界量より1.4ミリモルだけ低かつた。前の実
施例と全く同じ条件で空気の存在下、この混合物
が加熱された。反応の開始を助けるためのt―ブ
チルヒドロペルオキシドの2個の連続的添加にも
かかわらず、この混合物を185℃で160分維持する
ことによつて酸素吸収は全く生じなかつた。 大量の水の存在下で活発かく実質的な酸化が生
ずる前の実施例で得られた結果を考慮することに
より、本発明において特定された適切な触媒量を
用いるときに、そのような酸化が実施し得ること
が明らかである。 比較例 2 p―トルイル酸の1部を安息香酸で置換したこ
とを除いて、実施例11と同じ実験が繰返された。
原料の実際の組成は次の通りである。 p―キシレン 3.0g p―トルイル酸 44.5g 安息香酸 93.9g さまざまの酸化化合物 2.0g 酢酸マンガン 156.6g 酢酸コバルト 1.05ミリモル 1.05ミリモル この実施例ではYは26.59であつた。従つて式
(1)を適用することにより、上記混合物の酸化を実
施するために使用される触媒の最小濃度は10.7ミ
リモル/Kg、即ち実際に存在する量より3.7ミリ
モル多かつた。対照により、水性媒体中で酸化を
実施する上で、もし安息香酸がp―トルイル酸と
同じ効果を有するならば、YとMの計算におい
て、それを考慮すべきである。この場合、Y=
(156.6/18.02)/(44.5/136.15+93.9/122.12)
=7.93、即ち活発な酸化が生じた場合の実施例11
において計算したYと同じ値である。 この混合物は実施例11と同じ条件で185℃で加
熱された。ここでも開始を助けるためにt―ブチ
ルヒドロペルオキシドが加えられた。しかし、
180分加熱を続行したときですら、実質的な酸化
は生じなかつた。このことは、本発明の方法で実
施される水の存在下での酸化を促進するために
は、少なくとも安息香酸はp―トルイル酸と同じ
活性を有していないことを示している。 比較例 3 p―トルイル酸の1部を酢酸と置換したことを
除いて、実施例11と同じ実験が繰返された。原料
の実際の組成は次の通りであつた。 p―キシレン 3.0g p―トルイル酸 52.7g 酢 酸 55.2g さまざまな酸化化合物 1.3g 水 187.8g 酢酸マンガン 1.05ミリモル 酢酸コバルト 1.05ミリモル この実施例では、Yは26.92、従つてMは10.8、
即ち前の比較例とほぼ同じであつた。ここでも、
水性媒体中で、酸化を実施する上でもし酢酸がp
―トルイル酸と、同じ促進効果を有するならば、
YとMを計算する際この事を考慮すべきである。
この場合、Y=(187.2/18.02)/(52.7/136.15
+55.2/60.05)=7.95、すなわち、実施例11とま
つたく同じ値である。 上記混合物は、実施例11と同じ条件で185℃で
加熱された。ここでも反応の開始を助けるため
に、t―ブチルヒドロペルオキシドが添加され
た。300分の反応を酸素の吸収は、わずか3.8リツ
トルであつた。この結果は、本発明の方法におい
て表われるp―トルイル酸の促進効果が他のカル
ボン酸によつては示されない、すなわちp―トル
イル酸は特定されたものであることを示してい
る。 実施例 12 前の実施例と同じオートクレーブ中に、以下の
原料を導入した。 p―キシレン 6.0g p―トルイル酸 183.3g さまざまの酸化誘導体 5.7g 水 105.0g 酢酸マンガン 1.80ミリモル この実施例ではY=4.33であり、単独触媒とし
てマンガンを用いたのでX=1.00である。したが
つて式(1)を適用することにより、この実施例で用
いられるマンガンの最小濃度はM=3.6ミリモ
ル/Kgである。実際にはこの実施例では、マンガ
ンの濃度は6.0ミリモル/Kgであり限界量をかな
り越えている。この混合物は、185℃ではなく170
℃に温度が維持されたことを除いて実施例11とま
つたく同じ条件で空気の存在下で加熱された。
305分の反応後、酸素の吸収は21.2リツトルであ
つた。前の実施例と同様に反応混合物を処理及び
分析したところ、約96%のp―キシレンと29.9%
のp―トルイル酸が以下の生成物に転化したこと
がわかつた。 テレフタル酸 44.8g 4―カルボキシベンズアルデヒド 14.2g 他の中間体 0.9g 重質副生成物 1.2g 比較例 わずか0.60ミリモルの酢酸マンガンを触媒とし
て用いたことを除いて、前の実施例と同量の化合
物が反応器に導入された混合物中の触媒の濃度
は、したがつて2.0ミリモル/Kg、すなわち限界
量よりも1.6ミリモル低かつた。その結果、反応
開始を助けるためにt―ブチルヒドロペルオキシ
ドを加えたのちですら、前の実施例と同じ条件で
空気の存在下において60分混合物を加熱しても酸
素の吸収は生じなかつた。 実施例 13 前の実施例と同じオートクレーブ中に以下の原
料を導入した。 p―キシレン 6.3g p―トルイル酸 218.3g さまざまの酸化された誘導体 2.2g 水 73.5g 酢酸コバルト 3.48ミリモル この実施例では、単独コバルトとして用いられ
たのはコバルトであり、即ちX=0である。一
方、Yは2.54である。式(1)を適用することによ
り、この場合に使用されるコバルトの最小濃度は
M=7.0ミリモル/Kgである。実際には、この実
施例では、コバルトの濃度は11.6ミリモル/Kgで
あつた。 20Kg/cm2の圧力で90リツトル/時の流量の空気
の反応器に導入され、混合物は170℃に加熱され
た。加熱中に反応は自然に開始し、240分続行さ
れた。反応の終点において、酸素の吸収は29.8リ
ツトルであつた。実施例1と同様に反応混合物を
処理および分析したところ、89.3%のp―キシレ
ンと37.0%のp―トルイル酸が以下の生成物に転
化したのがわかつた。 テレフタル酸 81.5g 4―カルボキシベンズアルデヒド 6.8g 他の中間体 1.2g 重質副生成物 3.0g 比較例 触媒としてわずか0.90ミリモルの酢酸コバルト
を用いたことを除いて、前の実施例と同量の化合
物を反応器に導入した。従つて、混合物中の触媒
濃度は3.0ミリモル/Kgであり、即ち制限量より
4.0ミリモル低かつた。その結果、t―ブチルヒ
ドロペルオキシドの繰返しの添加を行なつた後で
さえ、前の実施例と同じ条件で空気の存在下で
240分この混合物を加熱したところ、酸素の吸収
は生じなかつた。 本発明の基本的かつ新規な特徴の上述の記載
は、単に好ましい実施態様を例示するに過ぎない
ということは、理解されるべきである。当業者は
多くの変形例に気づくであろう。例えば、本発明
の方法を実施する上で、他のプロセスで活性剤と
して用いられる別の化合物、例えばアルデヒドま
たはケトンまたは臭素含有化合物を反応混合物中
に添加することができる。そのような添加剤は、
例えば反応速度に関して有利であろう。これらの
変形例は、本発明の精神から逸脱することなく、
本発明の範囲内にあるであろう。
図面は、185℃におけるp―キシレン、p―ト
ルイル酸および水の混合物の相ダイヤグラムを示
す。
ルイル酸および水の混合物の相ダイヤグラムを示
す。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 (a) p―トルイル酸またはp―トルイル酸と
p―キシレンとの混合物からなる酸化し得るテ
レフタル酸前駆物質と、反応生成物の操作可能
なスラリーを得るに充分な少なくとも5重量%
の水と、液状反応混合物1Kgあたりの触媒的に
活性な金属化合物の少なくとも最小量を提供す
るに充分な量の酸化触媒とからなる実質的に均
一な反応溶液を、分子状酸素含有ガスにより、
約140℃ないし約220℃の反応温度で、この反応
温度で液相中の水の少なくとも1部を液相に維
持するに充分な圧力下で酸化する工程、および (b) テレフタル酸を含む酸化された混合物を回収
する工程からなる方法であつて、前記酸化触媒
はカルボン酸のマンガン塩、コバルト塩および
それらの混合物からなる群から選択されたもの
であり、前記酸化し得るテレフタル酸前駆物質
に可溶であり、前記金属化合物の最小量M(ミ
リモル)は以下の式により定義されるテレフタ
ル酸の製造方法。 M=Y(X+A)+BX/CX+D 式中、Yは反応混合物における水とp―トルイ
ル酸のモル比であり、Xは触媒組成物中における
マンガン塩とマンガン塩+コバルト塩の全量との
モル比であり、Aは約0.200、Bは約10.9、Cは
約4.35、Dは約0.0724である。 2 前記Aは約0.200±0.031、Bは約10.9±1.3、
Cは約4.35±0.17およびDは約0.0724±0.0117で
ある特許請求の範囲第1項記載の方法。 3 前記反応溶液中の水の量は反応溶液重量の約
5ないし約80重量%である特許請求の範囲第1項
記載の方法。 4 前記水の量は反応溶液重量の約5ないし約75
重量%である特許請求の範囲第3項記載の方法。 5 前記水の量は反応溶液重量の約10ないし約75
重量%である特許請求の範囲第3項記載の方法。 6 前記水の量は反応溶液重量の約10ないし約60
重量%である特許請求の範囲第3項記載の方法。 7 前記反応溶液は、水の量に対し0ないし100
重量%の不活性有機溶媒を更に含む特許請求の範
囲第1項記載の方法。 8 前記有機溶媒は酢酸である特許請求の範囲第
7項記載の方法。 9 前記反応温度は約150ないし約190℃である特
許請求の範囲第1項記載の方法。 10 前記反応圧力は約5ないし約40Kg/cm2であ
る特許請求の範囲第1項記載の方法。 11 前記酸化触媒の量は、特許請求の範囲第1
項で定義された最小量と反応混合物1Kgあたり約
40ミリモルとの間である触媒的に活性な化合物の
量を提供するに充分な量である特許請求の範囲第
1項記載の方法。 12 前記酸化触媒の量は、特許請求の範囲第1
項で定義された最小量と反応混合物1Kgあたり約
30ミリモルとの間である触媒的に活性な化合物の
量を提供するに充分な量である特許請求の範囲第
1項記載の方法。 13 前記触媒はマンガン化合物とコバルト化合
物との混合物である特許請求の範囲第1項記載の
方法。 14 Xは約0.1ないし約0.9である特許請求の範
囲第13項記載の方法。 15 前記触媒は更に、ニツケル、鉛およびセリ
ウムからなる群から選択された金属の化合物を含
む特許請求の範囲第1項記載の方法。 16 前記p―トルイル酸とp―キシレンとのモ
ル比は約3ないし約15である特許請求の範囲第1
項記載の方法。
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| US94764178A | 1978-10-02 | 1978-10-02 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5549337A JPS5549337A (en) | 1980-04-09 |
| JPH0222057B2 true JPH0222057B2 (ja) | 1990-05-17 |
Family
ID=25486474
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP12725679A Granted JPS5549337A (en) | 1978-10-02 | 1979-10-02 | Manufacture of terephthalic acid |
Country Status (23)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS5549337A (ja) |
| AR (1) | AR218771A1 (ja) |
| AT (1) | ATA638179A (ja) |
| AU (1) | AU5135679A (ja) |
| BE (1) | BE879091A (ja) |
| BR (1) | BR7906172A (ja) |
| CA (1) | CA1145357A (ja) |
| CH (1) | CH642343A5 (ja) |
| CS (1) | CS212247B2 (ja) |
| DE (1) | DE2939510C2 (ja) |
| ES (1) | ES484555A1 (ja) |
| FI (1) | FI793003A7 (ja) |
| FR (1) | FR2438027A1 (ja) |
| GB (1) | GB2032432B (ja) |
| IN (1) | IN152155B (ja) |
| IT (1) | IT1123749B (ja) |
| NL (1) | NL7907252A (ja) |
| NO (1) | NO150679C (ja) |
| PH (1) | PH15083A (ja) |
| PL (1) | PL118757B1 (ja) |
| PT (1) | PT70249A (ja) |
| SE (1) | SE7908072L (ja) |
| ZA (1) | ZA795037B (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US4334086A (en) * | 1981-03-16 | 1982-06-08 | Labofina S.A. | Production of terephthalic acid |
| GB9210832D0 (en) * | 1992-05-21 | 1992-07-08 | Ici Plc | Bromine catalysed oxidation process |
| CN117185933A (zh) * | 2023-09-08 | 2023-12-08 | 宁波美舒医药科技有限公司 | 一种对硝基甲苯气相催化氧化生产对硝基苯甲酸的工艺 |
Family Cites Families (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| BE548214A (ja) * | ||||
| BE562102A (ja) * | 1956-11-05 | |||
| FR1367025A (fr) * | 1963-06-25 | 1964-07-17 | Du Pont | Procédé d'oxydation de p-xylène |
| US3406196A (en) * | 1964-09-30 | 1968-10-15 | Du Pont | Oxidation of polyalkyl aromatics to polycarboxylic acids |
| US3883584A (en) * | 1971-11-25 | 1975-05-13 | Teijin Ltd | Process for the preparation of terephthalic acid |
| CH622766A5 (en) * | 1976-10-26 | 1981-04-30 | Labofina Sa | Process for the preparation of terephthalic acid |
| GB1542320A (en) * | 1976-10-26 | 1979-03-14 | Labofina Sa | Process for the preparation of aromatic dicarboxylic acids |
| GB2019395B (en) * | 1978-04-24 | 1982-07-28 | Labofina Sa | Production of terephthalic acid from p-xylene |
-
1979
- 1979-07-23 IN IN757/CAL/79A patent/IN152155B/en unknown
- 1979-09-24 ZA ZA00795037A patent/ZA795037B/xx unknown
- 1979-09-26 FI FI793003A patent/FI793003A7/fi not_active Application Discontinuation
- 1979-09-26 IT IT26037/79A patent/IT1123749B/it active
- 1979-09-26 BR BR7906172A patent/BR7906172A/pt unknown
- 1979-09-27 AR AR278233A patent/AR218771A1/es active
- 1979-09-27 CH CH869779A patent/CH642343A5/de not_active IP Right Cessation
- 1979-09-28 NO NO793116A patent/NO150679C/no unknown
- 1979-09-28 DE DE2939510A patent/DE2939510C2/de not_active Expired
- 1979-09-28 PL PL1979218597A patent/PL118757B1/pl unknown
- 1979-09-28 BE BE0/197396A patent/BE879091A/fr not_active IP Right Cessation
- 1979-09-28 SE SE7908072A patent/SE7908072L/xx not_active Application Discontinuation
- 1979-09-28 AT AT0638179A patent/ATA638179A/de unknown
- 1979-09-28 PT PT70249A patent/PT70249A/pt unknown
- 1979-09-28 ES ES484555A patent/ES484555A1/es not_active Expired
- 1979-09-28 NL NL7907252A patent/NL7907252A/nl active Search and Examination
- 1979-09-28 GB GB7933672A patent/GB2032432B/en not_active Expired
- 1979-10-01 CA CA000336777A patent/CA1145357A/en not_active Expired
- 1979-10-02 AU AU51356/79A patent/AU5135679A/en not_active Abandoned
- 1979-10-02 PH PH23098A patent/PH15083A/en unknown
- 1979-10-02 FR FR7924461A patent/FR2438027A1/fr active Granted
- 1979-10-02 CS CS796670A patent/CS212247B2/cs unknown
- 1979-10-02 JP JP12725679A patent/JPS5549337A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| AU5135679A (en) | 1980-04-17 |
| AR218771A1 (es) | 1980-06-30 |
| GB2032432B (en) | 1983-02-09 |
| NO150679B (no) | 1984-08-20 |
| DE2939510A1 (de) | 1980-04-03 |
| BR7906172A (pt) | 1980-05-27 |
| JPS5549337A (en) | 1980-04-09 |
| CS212247B2 (en) | 1982-03-26 |
| ES484555A0 (es) | 1980-05-16 |
| FR2438027A1 (fr) | 1980-04-30 |
| SE7908072L (sv) | 1980-04-03 |
| GB2032432A (en) | 1980-05-08 |
| IT7926037A0 (it) | 1979-09-26 |
| PH15083A (en) | 1982-07-02 |
| NO150679C (no) | 1984-11-28 |
| NO793116L (no) | 1980-04-08 |
| PT70249A (en) | 1979-10-01 |
| IT1123749B (it) | 1986-04-30 |
| BE879091A (fr) | 1980-03-28 |
| ZA795037B (en) | 1980-09-24 |
| FI793003A7 (fi) | 1981-01-01 |
| CA1145357A (en) | 1983-04-26 |
| CH642343A5 (de) | 1984-04-13 |
| IN152155B (ja) | 1983-11-05 |
| DE2939510C2 (de) | 1985-08-01 |
| ATA638179A (de) | 1982-01-15 |
| FR2438027B1 (ja) | 1984-08-24 |
| NL7907252A (nl) | 1980-04-08 |
| ES484555A1 (es) | 1980-05-16 |
| PL218597A1 (ja) | 1980-05-05 |
| PL118757B1 (en) | 1981-10-31 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US4278810A (en) | Process for the preparation of terephthalic acid | |
| US6153790A (en) | Method to produce aromatic dicarboxylic acids using cobalt and zirconium catalysts | |
| NL193538C (nl) | Werkwijze voor het bereiden van tereftaalzuur. | |
| US3845117A (en) | Process for preparation of phthalic acids | |
| AU732522B2 (en) | Method to produce aromatic carboxylic acids | |
| US3700731A (en) | Process for oxidizing xylenes to phthalic acids | |
| US2723994A (en) | Oxidation of xylene and toluic acid mixtures to phthalic acids | |
| GB1589310A (en) | Continuous process for producing terephthalic acid | |
| CA1105943A (en) | Process for the preparation of terephthalic acid | |
| JPH0222057B2 (ja) | ||
| US4258209A (en) | Process for preparing terephthalic acid | |
| US4354037A (en) | Process for preparing benzenecarboxylic acids | |
| US3781344A (en) | Process for manufacturing terephthalic acid by oxidation of paraxylene | |
| US4259522A (en) | Process for the production of isophtahalic acid | |
| US4214100A (en) | Process for preventing blackening of phthalic acid | |
| CA2063979C (en) | Process for the preparation of alkanesulfonylbenzoic acids | |
| US3852343A (en) | A process for the production of benzene carboxylic acids from ethyl substituted benzens | |
| GB1577019A (en) | Process for producing high quality terephthalic acid | |
| JP4352191B2 (ja) | ピロメリット酸の製造法 | |
| JP3187212B2 (ja) | ナフタレンジカルボン酸の連続製造法 | |
| US4873361A (en) | Process for production of p-acetoxybenzoic acid from p-acetoxyacetophenone | |
| US4754062A (en) | Iron-enhanced selectivity of heavy metal-bromine catalysis in the oxidation of polyalkylaromatics | |
| EP0041778B2 (en) | Oxidation of meta- or para-xylene to iso- or tere-phthalic acid | |
| KR820000459B1 (ko) | 테레프탈산의 제조 방법 | |
| JPH0529021B2 (ja) |