JPH022861B2 - - Google Patents
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- JPH022861B2 JPH022861B2 JP56101665A JP10166581A JPH022861B2 JP H022861 B2 JPH022861 B2 JP H022861B2 JP 56101665 A JP56101665 A JP 56101665A JP 10166581 A JP10166581 A JP 10166581A JP H022861 B2 JPH022861 B2 JP H022861B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- improvement
- amantadine hydrochloride
- present
- patient
- hydrochloride
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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- Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
Description
本発明は1−アミノアダマンタンまたはその塩
を含有する医薬製剤及びその新規適応症への使用
に関し、さらに詳細には1−アミノアダマンタン
またはその塩を含有する医薬製剤の適量を経口ま
たは非経口的に投与することにより脳血管障害後
遺症および頭部外傷後遺症のうち意欲に関する精
神症状及び知的機能の障害症状の治療に有効な治
療剤に関する。 従来、塩酸アマンタジン(1−アミノアダマン
タン塩酸塩)は1959年に抗ウイルス剤として開発
され、A型インフルエンザ予防薬として使用され
てきたが、1968年にパーキンソン氏徴候群症状の
改善を認め爾来その治療効果の価値も確立されて
いる。 その後、1973年にオートレーにより、また1974
年にはキヤステイらが薬物中毒性昏睡および肝性
昏睡などの昏睡状態に効果を認めるに至り、本発
明者らも1977年糖尿病性昏睡患者の1例につき塩
酸アマンタジンによる治験を重ね、知能低下は回
復しないが昏睡からの多少の改善の徴候を認めた
のでさらに、1978年には進行性の変性疾患である
老人性痴呆の13例につき治験を重ね、9例にやや
改善を認めたものゝ効果を判定するには至らなか
つた。さらに器質性痴呆(精神科領域では老年痴
呆やアルツハイマー病やピツク病に代表される初
老期痴呆を器質性痴呆と呼ぶ)につき、その治療
が対処的処置の段階を超えるものがないことに着
目し塩酸アマンタジンによる治験を試みたが、精
神賦活作用をわづかに認めるのみで何れも完全な
脱却を認めるまでには至らなかつた。 また、本発明者らは1979年にさらに脳内血腫術
後感染による髄膜炎併発のため植物状態に陥つた
遷延性意識障害に対する治療を行つたが、客観的
要素が乏しく効果の判定は出来なかつた。そこ
で、本発明者らは従来医学ではあまり知られてい
なかつた行動医学(Behavior Madicine)の観
点からこれら各種疾患の患者の精神賦活と思考動
作行動が連帯して塩酸アマンタジンにより正常化
回復するか否かを統計的な数値として解析するこ
とによりトレースを行つた。その結果塩酸アマン
タジンは従来医学の研究を重ねた老人性痴呆、初
老期痴呆のような進行性の変性疾患や精神分裂
病、および一酸化炭素中毒、アルコール性中毒の
ような薬物性中毒症にはあまり効果は無く、むし
ろ脳硬塞、脳出血、クモ膜下出血、脳動脈硬化症
等の脳血管障害後遺症および頭部外傷後遺症に効
果のあることを見出し、特にこれらの後遺症のう
ち意欲に関する精神症状及び知的機能の障害の治
療に顕著な効果のあることを見出した。 すなわち、本発明は1−アミノアダマンタンま
たはその塩を含有する医薬製剤を新適応症へ使用
して有効であるとの上記知見、さらに詳細には1
−アミノアダマンタンまたはその塩を含有する医
薬製剤の適量を経口または非経口的に投与するこ
とにより脳血管障害後遺症および頭部外傷後遺症
の治療ならびにこれらの後遺症のうち意欲に関す
る精神症状を治癒しまたそれら後遺症のうち知的
機能の障害を回復することができる。という上記
知見に基づく。 本発明によれば、本発明に於て使用する1−ア
ミノアダマンタンまたはその酸付加塩としては、
特に、限定されないが、1−アミノアダマンタン
またはその無機酸の付加塩例えば1−アミノアダ
マンタン塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩等を
使用することが便利である。 本発明で脳血管障害後遺症および頭部外傷後遺
症のうち意欲に関する精神症状及び知的機能の症
状の治療剤として使用する医薬製剤は、塩酸アマ
ンタジン(1−アミノアダマンタン塩酸塩)50
mg、または100mgを1錠中に含有する錠剤、塩酸
アマンタジン100mgを細粒1g中に含有する細粒
製剤であつてもよいが、本発明に係る各種疾患の
患者の多くは治療当初自ら投薬することができな
いので、かゝる場合には、塩酸アマンタジン100
mgを佐薬と共に1カプセル中に充填した水溶性軟
カプセル製剤または塩酸アマンタジン100mgを脂
肪酸グリセリドの基剤と共に熔融して調製した坐
薬を直腸より挿入することが便利である。特に、
これらの坐剤を使用する場合には、経口投与によ
る錠剤および細粒の投与よりは投薬が容易に行わ
れるのみならず、その薬効が速効性である点で顕
著な効果を期待することができる。またさらに、
重症患者をはじめとして横臥の不可能な患者また
は自ら注射を好む患者に対しては塩酸アマンタジ
ン100mg、50mg、25mgを含有する静脈注射(点滴
を含む)、筋肉注射等を行うことがさらに便利か
つ速効を期待することができる。 塩酸アマンタジンを含有する本発明製剤の投与
量は、錠剤を服用する場合には50mg/錠または
100mg/錠の1錠を朝、および昼の2回または50
mg/錠を1錠づゝ朝、昼、晩の3回服用すればよ
い、また1g中100mgの塩酸アマンタジンを含む
細粒剤を服用する場合には、錠剤の場合同様にそ
の0.5gまたは1gを1日2回または3回服用す
ることができるが、重症のため自ら服用すること
のできない患者にあつては、塩酸アマンタジン
100mg、50mgまたは25mg含有の注射液を静注、筋
注または点滴により投与することができるが、そ
の他上記の錠剤または細粒を水または適当な薬剤
液に溶解または懸濁させて鼻孔よりカテーテルに
て投与することもできる。しかし、かゝる投薬方
法に従えない患者に対しては塩酸アマンタジン
100mgを含有する水溶性軟カプセルまたは坐薬を
直腸より挿入すると投薬も比較的容易であり且つ
薬剤の速効性を期待することができる。 また、ベツド上に起伏または横臥の不可能な患
者に対しては上述の如き塩酸アマンタジン100mg、
50mgまたは25mgを含有する注射液の何れかをその
症状に従い静脈注射、筋肉注射または点滴等の適
切な手段により投与することが好しい。 従つて、本発明製剤の投与量は、概して25〜
200mg/日、好ましくは50〜150mg/日を1日2〜
3回に分服して継続投与するのが適当であるが、
症状の程度によつては治療の初期に高用量で投与
しその後100〜150mg/日に減量投与してもよい。
1日100〜150mgの投与に際しては、50mg含有製剤
を朝、昼の2回または朝、昼、夕の3回に投与す
ればよく、また200mg/日の投与に当つては100mg
含有製剤を朝昼の2回に投与すればよい。また、
300mg/日の投与量を超える場合には、患者によ
つては不穏、不眠、食慾不振等の副作用を認める
場合があるので、1日200mgまでの投与が望まれ
る。さらにまた、1日200mgの投与に際しては100
mg製剤を朝、昼の2回に投与し夕方の投与を避け
ることも本発明製剤の特殊な投与方法ともいうこ
とができる。 本発明製剤は前述のとおり、脳硬塞、脳出血、
脳動脈硬化症、高血圧症(本態性高血圧症を含
む)を含む脳血管障害後遺症および頭部外傷後遺
症のうち意欲に関する精神症状及び知的機能の障
害症状の治療に有効であるが、特に例えばCT−
スキヤンで“虫喰い像”を呈するような脳細胞の
一部が障害されている症例に対しては本発明製剤
による治療が一層適しているということができ
る。 次に本発明者らが本発明の効果を確認するに至
つた治験の方法および効果を以下に示し、本発明
製剤の有用性を証明する。 〔〕 治験の方法 (1) 治験の対象、疾病、および投薬 内科、神経内科、脳神経外科および精神科
の各専門外来および入院患者の全388例を対
象とし、脳血管障害後遺症、頭部外傷後遺
症、精神分裂病、老人性痴呆、一酸化炭素中
毒およびアルコール性中毒後遺症、その他に
分類した症例に対し塩酸アマンタジンを50mg
および100mg含有する医薬製剤を最初は朝、
昼の2回または朝、昼、夕の3回投与し、そ
の後症状、効果、副作用に応じその投与量を
増減し、また、その投与量と薬剤効果との関
連性、臨床症状および臨床検査の結果等を検
討した。 (2) 治験効果の判定規準 従来、薬物に薬効は、その化合物を生体に
投与した場合の対象とする臓器、血管、細胞
またはこれらに侵襲する微生物、酸素等に対
する薬理を主体として効果を判定している。
これに対して、今回本発明者らは塩酸アマン
タジンの効果を調査するに当り、従来にない
行動医学に基づいて効果を判定した。すなわ
ち、薬物の患者に対する精神賦活作用のみか
ら判定するのではなく、患者の思考に基づく
日常生活の動作行動の正常化回復をも相関さ
せて観察した結果を統計学的数値として解析
し、薬物の効果を判定した。この点におい
て、本発明者らの方法は、従来の判定法とは
異なり、その結果塩酸アマンタジンの特定の
疾病に対する作用を判定するに当り一層実体
に即応した判定を行いえたものである。 すなわち、本発明者らは、動作行動の指標
として意識、自発性、病気を治そうとする意
欲、会話、見当識、記憶記銘等の動作行動の
各項目を設定して、患者の意識を主体とする
精神賦活作用に対し、患者の行動動作が如何
に関連作動して回復するかを各症状項目の相
互の関連性から解析し最終改善度と薬剤の有
用度を算出し、本発明製剤の特定の疾病に対
する効果を判定した。 〔〕 治験の結果 本発明者らは前述のとおり全388例以上の治
験を行つているがその治験結果の概要を説明す
るために、その一部の治験結果を下記表1に示
す。
を含有する医薬製剤及びその新規適応症への使用
に関し、さらに詳細には1−アミノアダマンタン
またはその塩を含有する医薬製剤の適量を経口ま
たは非経口的に投与することにより脳血管障害後
遺症および頭部外傷後遺症のうち意欲に関する精
神症状及び知的機能の障害症状の治療に有効な治
療剤に関する。 従来、塩酸アマンタジン(1−アミノアダマン
タン塩酸塩)は1959年に抗ウイルス剤として開発
され、A型インフルエンザ予防薬として使用され
てきたが、1968年にパーキンソン氏徴候群症状の
改善を認め爾来その治療効果の価値も確立されて
いる。 その後、1973年にオートレーにより、また1974
年にはキヤステイらが薬物中毒性昏睡および肝性
昏睡などの昏睡状態に効果を認めるに至り、本発
明者らも1977年糖尿病性昏睡患者の1例につき塩
酸アマンタジンによる治験を重ね、知能低下は回
復しないが昏睡からの多少の改善の徴候を認めた
のでさらに、1978年には進行性の変性疾患である
老人性痴呆の13例につき治験を重ね、9例にやや
改善を認めたものゝ効果を判定するには至らなか
つた。さらに器質性痴呆(精神科領域では老年痴
呆やアルツハイマー病やピツク病に代表される初
老期痴呆を器質性痴呆と呼ぶ)につき、その治療
が対処的処置の段階を超えるものがないことに着
目し塩酸アマンタジンによる治験を試みたが、精
神賦活作用をわづかに認めるのみで何れも完全な
脱却を認めるまでには至らなかつた。 また、本発明者らは1979年にさらに脳内血腫術
後感染による髄膜炎併発のため植物状態に陥つた
遷延性意識障害に対する治療を行つたが、客観的
要素が乏しく効果の判定は出来なかつた。そこ
で、本発明者らは従来医学ではあまり知られてい
なかつた行動医学(Behavior Madicine)の観
点からこれら各種疾患の患者の精神賦活と思考動
作行動が連帯して塩酸アマンタジンにより正常化
回復するか否かを統計的な数値として解析するこ
とによりトレースを行つた。その結果塩酸アマン
タジンは従来医学の研究を重ねた老人性痴呆、初
老期痴呆のような進行性の変性疾患や精神分裂
病、および一酸化炭素中毒、アルコール性中毒の
ような薬物性中毒症にはあまり効果は無く、むし
ろ脳硬塞、脳出血、クモ膜下出血、脳動脈硬化症
等の脳血管障害後遺症および頭部外傷後遺症に効
果のあることを見出し、特にこれらの後遺症のう
ち意欲に関する精神症状及び知的機能の障害の治
療に顕著な効果のあることを見出した。 すなわち、本発明は1−アミノアダマンタンま
たはその塩を含有する医薬製剤を新適応症へ使用
して有効であるとの上記知見、さらに詳細には1
−アミノアダマンタンまたはその塩を含有する医
薬製剤の適量を経口または非経口的に投与するこ
とにより脳血管障害後遺症および頭部外傷後遺症
の治療ならびにこれらの後遺症のうち意欲に関す
る精神症状を治癒しまたそれら後遺症のうち知的
機能の障害を回復することができる。という上記
知見に基づく。 本発明によれば、本発明に於て使用する1−ア
ミノアダマンタンまたはその酸付加塩としては、
特に、限定されないが、1−アミノアダマンタン
またはその無機酸の付加塩例えば1−アミノアダ
マンタン塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩等を
使用することが便利である。 本発明で脳血管障害後遺症および頭部外傷後遺
症のうち意欲に関する精神症状及び知的機能の症
状の治療剤として使用する医薬製剤は、塩酸アマ
ンタジン(1−アミノアダマンタン塩酸塩)50
mg、または100mgを1錠中に含有する錠剤、塩酸
アマンタジン100mgを細粒1g中に含有する細粒
製剤であつてもよいが、本発明に係る各種疾患の
患者の多くは治療当初自ら投薬することができな
いので、かゝる場合には、塩酸アマンタジン100
mgを佐薬と共に1カプセル中に充填した水溶性軟
カプセル製剤または塩酸アマンタジン100mgを脂
肪酸グリセリドの基剤と共に熔融して調製した坐
薬を直腸より挿入することが便利である。特に、
これらの坐剤を使用する場合には、経口投与によ
る錠剤および細粒の投与よりは投薬が容易に行わ
れるのみならず、その薬効が速効性である点で顕
著な効果を期待することができる。またさらに、
重症患者をはじめとして横臥の不可能な患者また
は自ら注射を好む患者に対しては塩酸アマンタジ
ン100mg、50mg、25mgを含有する静脈注射(点滴
を含む)、筋肉注射等を行うことがさらに便利か
つ速効を期待することができる。 塩酸アマンタジンを含有する本発明製剤の投与
量は、錠剤を服用する場合には50mg/錠または
100mg/錠の1錠を朝、および昼の2回または50
mg/錠を1錠づゝ朝、昼、晩の3回服用すればよ
い、また1g中100mgの塩酸アマンタジンを含む
細粒剤を服用する場合には、錠剤の場合同様にそ
の0.5gまたは1gを1日2回または3回服用す
ることができるが、重症のため自ら服用すること
のできない患者にあつては、塩酸アマンタジン
100mg、50mgまたは25mg含有の注射液を静注、筋
注または点滴により投与することができるが、そ
の他上記の錠剤または細粒を水または適当な薬剤
液に溶解または懸濁させて鼻孔よりカテーテルに
て投与することもできる。しかし、かゝる投薬方
法に従えない患者に対しては塩酸アマンタジン
100mgを含有する水溶性軟カプセルまたは坐薬を
直腸より挿入すると投薬も比較的容易であり且つ
薬剤の速効性を期待することができる。 また、ベツド上に起伏または横臥の不可能な患
者に対しては上述の如き塩酸アマンタジン100mg、
50mgまたは25mgを含有する注射液の何れかをその
症状に従い静脈注射、筋肉注射または点滴等の適
切な手段により投与することが好しい。 従つて、本発明製剤の投与量は、概して25〜
200mg/日、好ましくは50〜150mg/日を1日2〜
3回に分服して継続投与するのが適当であるが、
症状の程度によつては治療の初期に高用量で投与
しその後100〜150mg/日に減量投与してもよい。
1日100〜150mgの投与に際しては、50mg含有製剤
を朝、昼の2回または朝、昼、夕の3回に投与す
ればよく、また200mg/日の投与に当つては100mg
含有製剤を朝昼の2回に投与すればよい。また、
300mg/日の投与量を超える場合には、患者によ
つては不穏、不眠、食慾不振等の副作用を認める
場合があるので、1日200mgまでの投与が望まれ
る。さらにまた、1日200mgの投与に際しては100
mg製剤を朝、昼の2回に投与し夕方の投与を避け
ることも本発明製剤の特殊な投与方法ともいうこ
とができる。 本発明製剤は前述のとおり、脳硬塞、脳出血、
脳動脈硬化症、高血圧症(本態性高血圧症を含
む)を含む脳血管障害後遺症および頭部外傷後遺
症のうち意欲に関する精神症状及び知的機能の障
害症状の治療に有効であるが、特に例えばCT−
スキヤンで“虫喰い像”を呈するような脳細胞の
一部が障害されている症例に対しては本発明製剤
による治療が一層適しているということができ
る。 次に本発明者らが本発明の効果を確認するに至
つた治験の方法および効果を以下に示し、本発明
製剤の有用性を証明する。 〔〕 治験の方法 (1) 治験の対象、疾病、および投薬 内科、神経内科、脳神経外科および精神科
の各専門外来および入院患者の全388例を対
象とし、脳血管障害後遺症、頭部外傷後遺
症、精神分裂病、老人性痴呆、一酸化炭素中
毒およびアルコール性中毒後遺症、その他に
分類した症例に対し塩酸アマンタジンを50mg
および100mg含有する医薬製剤を最初は朝、
昼の2回または朝、昼、夕の3回投与し、そ
の後症状、効果、副作用に応じその投与量を
増減し、また、その投与量と薬剤効果との関
連性、臨床症状および臨床検査の結果等を検
討した。 (2) 治験効果の判定規準 従来、薬物に薬効は、その化合物を生体に
投与した場合の対象とする臓器、血管、細胞
またはこれらに侵襲する微生物、酸素等に対
する薬理を主体として効果を判定している。
これに対して、今回本発明者らは塩酸アマン
タジンの効果を調査するに当り、従来にない
行動医学に基づいて効果を判定した。すなわ
ち、薬物の患者に対する精神賦活作用のみか
ら判定するのではなく、患者の思考に基づく
日常生活の動作行動の正常化回復をも相関さ
せて観察した結果を統計学的数値として解析
し、薬物の効果を判定した。この点におい
て、本発明者らの方法は、従来の判定法とは
異なり、その結果塩酸アマンタジンの特定の
疾病に対する作用を判定するに当り一層実体
に即応した判定を行いえたものである。 すなわち、本発明者らは、動作行動の指標
として意識、自発性、病気を治そうとする意
欲、会話、見当識、記憶記銘等の動作行動の
各項目を設定して、患者の意識を主体とする
精神賦活作用に対し、患者の行動動作が如何
に関連作動して回復するかを各症状項目の相
互の関連性から解析し最終改善度と薬剤の有
用度を算出し、本発明製剤の特定の疾病に対
する効果を判定した。 〔〕 治験の結果 本発明者らは前述のとおり全388例以上の治
験を行つているがその治験結果の概要を説明す
るために、その一部の治験結果を下記表1に示
す。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
〔〕 治験結果の検討
上記表1に記載の治験結果を各診断名毎にそ
の症状改善程度別に“著明改善”、“中等度改
善”、“軽度改善”、“不変”および“悪化”の五
等級に区分して軽度改善以上および中等度改善
以上の占める改善度を検討すると共に、その有
用度についても“きわめて有用”、“かなり有
用”、“多少は有用”、“とくに有用とは思われな
い”、“好ましくない”の五等級に区分して本発
明製剤の最終改善度および有用度を検討したと
ころ下記表2および表3に記載の通りの最終改
善度および有用度を示すことが明らかになつ
た。 (1) 診断名と最終改善度および有用度
の症状改善程度別に“著明改善”、“中等度改
善”、“軽度改善”、“不変”および“悪化”の五
等級に区分して軽度改善以上および中等度改善
以上の占める改善度を検討すると共に、その有
用度についても“きわめて有用”、“かなり有
用”、“多少は有用”、“とくに有用とは思われな
い”、“好ましくない”の五等級に区分して本発
明製剤の最終改善度および有用度を検討したと
ころ下記表2および表3に記載の通りの最終改
善度および有用度を示すことが明らかになつ
た。 (1) 診断名と最終改善度および有用度
【表】
【表】
上記表2および表3から明らかなとおり、
診断名毎における本発明製剤による改善度と
しては、脳血管障害後遺症では中等度改善以
上は55%、軽度改善以上76%の高い改善度が
見られ、頭部外傷後遺症でも中等度改善29
%、軽度改善以上43%の顕著な改善度を示し
た。これに対し、精神分裂病、一酸化炭素中
毒後遺症およびアルコール中毒後遺症のよう
な薬物中毒後遺症および老人性痴呆のような
進行性の変性疾患に於いては中等度改善は全
く無く、軽度改善以上の成積がわずかに33
%、25%、20%の改善度を示すに過ぎないの
で有効であるとは認められなかつた。 また、前記治験を含む全388例において同
様に実施した治験結果を各層別、例えば男女
別、年令別、診断名別、投与前の概括重症度
別に集計した統計的データーを纒めると下記
表4の層別集計表に記載の結果が得られた。
診断名毎における本発明製剤による改善度と
しては、脳血管障害後遺症では中等度改善以
上は55%、軽度改善以上76%の高い改善度が
見られ、頭部外傷後遺症でも中等度改善29
%、軽度改善以上43%の顕著な改善度を示し
た。これに対し、精神分裂病、一酸化炭素中
毒後遺症およびアルコール中毒後遺症のよう
な薬物中毒後遺症および老人性痴呆のような
進行性の変性疾患に於いては中等度改善は全
く無く、軽度改善以上の成積がわずかに33
%、25%、20%の改善度を示すに過ぎないの
で有効であるとは認められなかつた。 また、前記治験を含む全388例において同
様に実施した治験結果を各層別、例えば男女
別、年令別、診断名別、投与前の概括重症度
別に集計した統計的データーを纒めると下記
表4の層別集計表に記載の結果が得られた。
【表】
【表】
上記表4より明らかなとおり、全388症例
から観察される治験結果として脳動脈硬化症
においては中等度改善以上51.6%、軽度改善
以上64.5%、また頭部外傷後遺症においては
中等度改善以上50%、軽度改善以上63.2%の
高い治癒率を示し、さらに脳出血、クモ膜下
出血における軽度改善以上76%および75.6%
の夫々高い治癒率を示していることは本発明
製剤がこれらの疾患に対し有効であることを
示している。特に本発明製剤の投与前の概括
重症度からも理解できるとおり、重症患者の
軽度改善以上75.2%中等度改善以上46.5%お
よび中等症患者の軽度改善以上69.8%および
中等度改善以上23.7%の高率で治癒したこと
を示しており、本発明製剤の有効性を実証し
ている。 さらにまた、このらの患者の罹病期間から
本発明製剤の有効性を考察すれば、下記表5
に示す罹病期間を治癒率との関係が認められ
る。
から観察される治験結果として脳動脈硬化症
においては中等度改善以上51.6%、軽度改善
以上64.5%、また頭部外傷後遺症においては
中等度改善以上50%、軽度改善以上63.2%の
高い治癒率を示し、さらに脳出血、クモ膜下
出血における軽度改善以上76%および75.6%
の夫々高い治癒率を示していることは本発明
製剤がこれらの疾患に対し有効であることを
示している。特に本発明製剤の投与前の概括
重症度からも理解できるとおり、重症患者の
軽度改善以上75.2%中等度改善以上46.5%お
よび中等症患者の軽度改善以上69.8%および
中等度改善以上23.7%の高率で治癒したこと
を示しており、本発明製剤の有効性を実証し
ている。 さらにまた、このらの患者の罹病期間から
本発明製剤の有効性を考察すれば、下記表5
に示す罹病期間を治癒率との関係が認められ
る。
【表】
すなわち、罹病1ケ月未満の患者を本発明
製剤で治療したところ、軽度改善以上85.9%
中等度改善以上52.1%の高い治癒率を示し、
その内訳は罹病1ケ月未満の患者71名中著明
改善16名、中等度改善21名、軽度改善24名で
あつて、本発明製剤を使用する早期治療が如
何に有効であるかを示している。(その後さ
らに治験を重ねた結果によれば、罹病1ケ月
未満の患者に本発明製剤を投与したとき軽度
改善以上92%中等度改善以上75%の結果を得
ている。)それのみならず、軽度改善以上の
効果を収めた罹病期間1ケ月以上の患者にあ
つても1〜3ケ月(75%)3〜6ケ月未満
(81.4%)6〜1年未満(72.5%)の高い治
癒率を示しており、本発明製剤が早期治療の
みならず相当の期間を経過した場合において
も尚有効に治癒効果をあげていることが示さ
れている。 (2) 症状別改善度 医薬製剤の薬効は疾病症状の改善度で判定す
ることが従来行われている最も一般的な判定
方法であるが、前述のとおり本発明者らは新
規な行動医学的見地から薬効を評価した。す
なわち、症状改善度としての患者の意識の回
復程度はもとより、行動医学的見地から記
憶・記銘を呼び戻し、物を見聞した後判断
し、次いで正確に答え、自らの自発性を取り
戻した後自らの動作行動に積極的にアクシヨ
ンとして関連作動してゆくかどうかを観察
し、その両者が相互に高い相関性を示してゆ
く程度により本発明製剤の本発明に係る特定
の疾病治療効果として判定するものとした。
その判定に当つては、行動医学上の特定の項
目すなわち、意識、自発性、病気を治そうと
する意欲、会話、見当識、記憶記銘特の動作
行動の各項目を設定して、患者の意識を主体
とする精神賦活作用に対し、行動動作が如何
に関連作動し正常に回復できるかの各項目の
相互の相関性を解析し、最終改善度と有用度
を判定することにした。これらの各項目別改
善度を疾病症状別に検討するとその結果は第
1図および第2図に示すとおりであつた。 第1図は脳血管障害後遺症および頭部外傷
後遺症の各項目別改善率を示すものである。 これに対し第2図は脳血管障害後遺症およ
び頭部外傷後遺症の他の精神分裂病、老年性
痴呆、一酸化炭素中毒・アルコール中毒後遺
症その他の疾病を加えた各項目別改善率を示
すグラフである。 (3) 各項目の相互の関連性と最終改善度 各項目における重症度を本発明製剤投与前
後で比較し、改善または不変と判定し、各項
目相互の関連性ならびに6項目を説明変数と
して最終改善度判定につき線形回帰をあては
めて検討した。その最終改善度を各項目別改
善度との相関性を下記表6に示した。
製剤で治療したところ、軽度改善以上85.9%
中等度改善以上52.1%の高い治癒率を示し、
その内訳は罹病1ケ月未満の患者71名中著明
改善16名、中等度改善21名、軽度改善24名で
あつて、本発明製剤を使用する早期治療が如
何に有効であるかを示している。(その後さ
らに治験を重ねた結果によれば、罹病1ケ月
未満の患者に本発明製剤を投与したとき軽度
改善以上92%中等度改善以上75%の結果を得
ている。)それのみならず、軽度改善以上の
効果を収めた罹病期間1ケ月以上の患者にあ
つても1〜3ケ月(75%)3〜6ケ月未満
(81.4%)6〜1年未満(72.5%)の高い治
癒率を示しており、本発明製剤が早期治療の
みならず相当の期間を経過した場合において
も尚有効に治癒効果をあげていることが示さ
れている。 (2) 症状別改善度 医薬製剤の薬効は疾病症状の改善度で判定す
ることが従来行われている最も一般的な判定
方法であるが、前述のとおり本発明者らは新
規な行動医学的見地から薬効を評価した。す
なわち、症状改善度としての患者の意識の回
復程度はもとより、行動医学的見地から記
憶・記銘を呼び戻し、物を見聞した後判断
し、次いで正確に答え、自らの自発性を取り
戻した後自らの動作行動に積極的にアクシヨ
ンとして関連作動してゆくかどうかを観察
し、その両者が相互に高い相関性を示してゆ
く程度により本発明製剤の本発明に係る特定
の疾病治療効果として判定するものとした。
その判定に当つては、行動医学上の特定の項
目すなわち、意識、自発性、病気を治そうと
する意欲、会話、見当識、記憶記銘特の動作
行動の各項目を設定して、患者の意識を主体
とする精神賦活作用に対し、行動動作が如何
に関連作動し正常に回復できるかの各項目の
相互の相関性を解析し、最終改善度と有用度
を判定することにした。これらの各項目別改
善度を疾病症状別に検討するとその結果は第
1図および第2図に示すとおりであつた。 第1図は脳血管障害後遺症および頭部外傷
後遺症の各項目別改善率を示すものである。 これに対し第2図は脳血管障害後遺症およ
び頭部外傷後遺症の他の精神分裂病、老年性
痴呆、一酸化炭素中毒・アルコール中毒後遺
症その他の疾病を加えた各項目別改善率を示
すグラフである。 (3) 各項目の相互の関連性と最終改善度 各項目における重症度を本発明製剤投与前
後で比較し、改善または不変と判定し、各項
目相互の関連性ならびに6項目を説明変数と
して最終改善度判定につき線形回帰をあては
めて検討した。その最終改善度を各項目別改
善度との相関性を下記表6に示した。
【表】
上記表6の相関行列より理解できるとおり、
「意識」は「見当識」とγ=0.790の高度の相関性
を示し、「病気を治そうとする意欲」「会話」とも
γ=0.633、γ=0.673と高い相関性を示した。
「病気を治そうとする意欲」は「自発性」ととも
に「会話」「見当識」と相関を示し、又「会話」
は「見当識」と相関を示す。 本発明の新規な適応症を使用しうる本発明製剤
としては、前述のとおり、1−アミノアダマンタ
ン塩酸塩の50mgまたは100mgを含有する錠剤、1
g中に100mgを含有する細粒、1カプセル中に100
mgを含有する水溶性軟カプセル、坐薬および1−
アミノアダマンタン塩酸塩100mg、50mgまたは25
mg含有する静脈注射(点滴を含む)、筋肉注射な
ど各種の剤型による、製剤を使用することができ
る。 本発明製剤の処方および調製方法を次の製剤例
で示す。 製剤例 1 塩酸アマンタジン100mg錠 塩酸アマンダジン 100mg 乳 糖 9.5mg 結晶セルローズ 34.8mg ヒドロキシプロピルメチルセルロース 10mg タルク 5mg ステアリン酸マグネシウム 0.7mg 以上をもつて、一錠当り160mgとし、これを常
法に従いフイルムコーチングして塩酸アマンタジ
ン100mg錠を製造する。 製剤例 2 塩酸アマンタジン50mg錠 塩酸アマンタジン 50mg 乳 糖 15mg 結晶セルローズ 45.5mg ヒドロキシプロピルメチルセルローズ 10mg タルク 4mg ステアリン酸マグネシウム 0.5mg 以上をもつて一錠当り120mgとし、これを常法
に従いフイルムコーチングして塩酸アマンタジン
50mg錠を製造する。 製剤例 3 塩酸アマンタジン細粒(1g中塩酸アマンタジ
ン100mg含有) 塩酸アマンタジン 100mg 乳 糖 870mg ヒドロキシプロピルメチルセルローズ 30mg 以上をもつて、1000mgとし細粒とする。 製剤薬 4 水溶性軟カプセル 1−アミノアダマンタン塩酸塩 100mg ポリエチレングリコール400 1200mg ポリエチレングリコール4000 100mg 上記処方に従い1−アミノアダマンタン塩酸塩
100mgをポリエチレングリコール400 1200mgおよ
びポリエチレングリコール4000 100mgと共に水溶
性軟カプセル中に充填する。このカプセル剤は直
腸に挿入して使用できる。 製剤例 5 坐 薬 1−アミノアダマンタン塩酸塩 100mg グリセリン脂肪酸エステル 1600mg 上記処方に従い1−アミノアダマンタン塩酸塩
およびグリセリン脂肪酸エステルの所定量を測
り、日本薬局方製剤総則10、坐薬の熔融法に準じ
坐剤を製造する。 以上記載の水溶性軟カプセルおよび坐薬は有効
成分である1−アミノアダマンタン塩酸塩の腸か
らの溶解吸収性が早いことおよび投薬方法が簡単
なために使用上および効果面からも喜ばれてい
る。 製剤例 6 塩酸アマンタジン100mg注射液(静注、筋注用) 1管中 塩酸アマンタジン 100mg 注射用蒸留水で全量 2mlとする。 製剤例 7 塩酸アマンタジン50mg注射液(静注、筋注用) 1管中 塩酸アマンタジン 50mg 注射用蒸留水で全量 2mlとする。 製剤例 8 塩酸アマンタジン25mg注射液(静注、筋注用) 1管中 塩酸アマンタジン 25mg 塩化ナトリウム 10mg 注射用蒸留水で全量2mlとする。 本発明製剤の投与方法および経路を以下の実施
例において説明するが、本発明はこれらの実施例
に限定されるものではない。 実施例 1 基礎疾患:慢性硬膜下血腫による中脳障害50才、
女性 臨床経過:入院の1週間前より頭痛があり時々鎮
痛剤を服用していた。入院当日自宅で倒れてい
るのを発見され、嘔吐の跡がみられ、呼びかけ
に対し辛じて返事があるのみであつた。頭部に
外傷はなく、薬物服用の様子もみられなかつ
た。入院時意識は錯乱状態で、眼底に異常はな
く、頭硬直麻痺もみられなかつた。反射は正
常、CTスキヤン検査および頚動脈撮影で左側
大脳半球のほゞ全面にわたる慢性硬膜下血腫を
みとめ、穿頭洗滌術で血腫を除去した。術後半
昏睡状態が続いたが、3日後には呼びかけに応
答するようになりほぼ、術前レベルに達した。
しかし嗜眠状態は残りほとんど開眼せず食事は
できるが、呼びかけに対する反応は遅く見当識
は全く失われていた。Nicolin、Lucidril、
Euclidanの投与では臨床的改善はみられなか
つたが、ドバストン投与2日後に自分の名前、
生年月日を正しく答えられるようになつたが、
投与5日後に全身に発疹を生じた(薬診と考え
られる)ので直ちに投薬を中止したところ翌日
より閉眼して嗜眠状態がつゞくようになつた。 治療:術後17日目より塩酸アマンタジン100mgを
含む本発明製剤を朝、昼の2回連続投与し併用
薬を使用しなかつた。塩酸アマンタジン投与直
後より患者は閉眼状態が少くなり、起坐位をと
るようになり、著明に多弁になつた。投与1週
間後には計算も遅いながらも可能となり歩行器
を使つて歩行できるようになつた。16日後尿失
禁もなくなり思考に誤りが少なくなつた。しか
し多弁でよく冗談をいつたり笑つたりする傾向
がみられた。21日後には感情に抑制がみられる
ようになり態度も落ちついてきた。34日後には
ほゞ精神状態も正常となつたので、塩酸アマン
タジンの投与を中止し、術後54日目に退院し
た。 実施例 2 基礎疾患:心筋硬塞、脳動脈硬化症76才女性 臨床経過:入浴後、急に胸内苦悶とともに元気が
なくなり、食思不振に陥いる。顔面浮腫、チア
ノーゼを認めた。4日後に虚血性心臓病(心筋
硬塞、下壁新鮮)の診断で緊急入院。入院時の
心電図は結節調律で心拍数45、整。q(、、
aVF)、ST上昇(、、aVF)。胸部レント
ゲン線所見は左肺に胸水貯留を認めた。心肺比
63%、O2吸入で経過観察するも補足調律、心
拍数減少のため体外式ペースメーカー設置。入
院1週後頃より尿路感染症の合併による発熱を
みた。食思不振が続きリハビリテーシヨンの開
始もおくれ、発症3ケ月目にベツド上での起坐
運動を始めたが、リハビリテーシヨンに対する
意欲がなく自発的行動も行なわず、表情の動き
もほとんどなく食事も介助による少量の栄養摂
取のみであり摂取時悪心を訴えた。 治療:塩酸アマンタジン50mgを含む本発明製剤を
朝、昼、夕の3回合計150mg/日連日投与した。
投与3日後自分でベツドに起き上がり食事も自
分でしようとし始めた。2週後には歩行器を用
いてゆつくりながら廊下が歩けるようになりリ
ハビリテーシヨンに対する意欲が出、自分から
他人に挨拶するようになつた。食欲も次第に回
復し悪心の訴えもなくなつた。4週後全身倦怠
感は消失し、食思は全く正常となり、歩行器の
必要なく自力で廊下を歩行できるようになり、
身のまわりの雑時も他人の介助なくできるよう
になり退院した。高令者で治癒遷延の折にみら
れる無欲無関心の状態、さらには社会復帰の意
欲消失の場合に塩酸アマンタジンの使用によつ
てこのような精神機能上の合併症を除去できた
と考えられた例である。 実施例 3 基礎疾患:脳動脈硬化症(本態性高血圧症)75才
男性 臨床経過:開業医で受診していたが、調子がよく
ないとのことで来院した。診察の結果、脳動脈
硬化症および本態性高血圧症と診断し、少々う
つ病的要素を認めたのでThiazide剤、
Hydergine、Tofranil、Embol、Juvela−
nicotinateを投与しながら経過をみた。その後
血圧は140/80mmHg前後でうまくコントロール
され、身のまわりのことは自分でできていた。
ところが入院後1年半後、血圧が多少上昇ぎみ
となり両足背に浮腫を認め体動は鈍く、怒りつ
ぽくなり、意欲なくじつとして炬燵より離れよ
うとしなくなつた。この状態はHydergine、
Tofranil、Embol、Aplactanの投与にもかわ
らず約9ケ月続いた。この間胸、心電図、検
尿、肝機能検査成績などには異常は認めなかつ
た。 治療:従来の薬物をThiazide、Trental、
Hydergineと本発明製剤との併用に変え、本発
明製剤は塩酸アマンタジン100mg相当分を朝、
昼の2回投与した。投与1週間後体動が活溌に
なり自分から話すようになりあまり怒らなくな
つた。2週後動きがよくなりよくしやべるよう
になつた。4週後人と話し新聞を読むようにな
つた。6週後記憶力がまし、8週後人の手をか
りずに独歩で来院できるようになつた。以来こ
の状態は続いて経過は良好である。
「意識」は「見当識」とγ=0.790の高度の相関性
を示し、「病気を治そうとする意欲」「会話」とも
γ=0.633、γ=0.673と高い相関性を示した。
「病気を治そうとする意欲」は「自発性」ととも
に「会話」「見当識」と相関を示し、又「会話」
は「見当識」と相関を示す。 本発明の新規な適応症を使用しうる本発明製剤
としては、前述のとおり、1−アミノアダマンタ
ン塩酸塩の50mgまたは100mgを含有する錠剤、1
g中に100mgを含有する細粒、1カプセル中に100
mgを含有する水溶性軟カプセル、坐薬および1−
アミノアダマンタン塩酸塩100mg、50mgまたは25
mg含有する静脈注射(点滴を含む)、筋肉注射な
ど各種の剤型による、製剤を使用することができ
る。 本発明製剤の処方および調製方法を次の製剤例
で示す。 製剤例 1 塩酸アマンタジン100mg錠 塩酸アマンダジン 100mg 乳 糖 9.5mg 結晶セルローズ 34.8mg ヒドロキシプロピルメチルセルロース 10mg タルク 5mg ステアリン酸マグネシウム 0.7mg 以上をもつて、一錠当り160mgとし、これを常
法に従いフイルムコーチングして塩酸アマンタジ
ン100mg錠を製造する。 製剤例 2 塩酸アマンタジン50mg錠 塩酸アマンタジン 50mg 乳 糖 15mg 結晶セルローズ 45.5mg ヒドロキシプロピルメチルセルローズ 10mg タルク 4mg ステアリン酸マグネシウム 0.5mg 以上をもつて一錠当り120mgとし、これを常法
に従いフイルムコーチングして塩酸アマンタジン
50mg錠を製造する。 製剤例 3 塩酸アマンタジン細粒(1g中塩酸アマンタジ
ン100mg含有) 塩酸アマンタジン 100mg 乳 糖 870mg ヒドロキシプロピルメチルセルローズ 30mg 以上をもつて、1000mgとし細粒とする。 製剤薬 4 水溶性軟カプセル 1−アミノアダマンタン塩酸塩 100mg ポリエチレングリコール400 1200mg ポリエチレングリコール4000 100mg 上記処方に従い1−アミノアダマンタン塩酸塩
100mgをポリエチレングリコール400 1200mgおよ
びポリエチレングリコール4000 100mgと共に水溶
性軟カプセル中に充填する。このカプセル剤は直
腸に挿入して使用できる。 製剤例 5 坐 薬 1−アミノアダマンタン塩酸塩 100mg グリセリン脂肪酸エステル 1600mg 上記処方に従い1−アミノアダマンタン塩酸塩
およびグリセリン脂肪酸エステルの所定量を測
り、日本薬局方製剤総則10、坐薬の熔融法に準じ
坐剤を製造する。 以上記載の水溶性軟カプセルおよび坐薬は有効
成分である1−アミノアダマンタン塩酸塩の腸か
らの溶解吸収性が早いことおよび投薬方法が簡単
なために使用上および効果面からも喜ばれてい
る。 製剤例 6 塩酸アマンタジン100mg注射液(静注、筋注用) 1管中 塩酸アマンタジン 100mg 注射用蒸留水で全量 2mlとする。 製剤例 7 塩酸アマンタジン50mg注射液(静注、筋注用) 1管中 塩酸アマンタジン 50mg 注射用蒸留水で全量 2mlとする。 製剤例 8 塩酸アマンタジン25mg注射液(静注、筋注用) 1管中 塩酸アマンタジン 25mg 塩化ナトリウム 10mg 注射用蒸留水で全量2mlとする。 本発明製剤の投与方法および経路を以下の実施
例において説明するが、本発明はこれらの実施例
に限定されるものではない。 実施例 1 基礎疾患:慢性硬膜下血腫による中脳障害50才、
女性 臨床経過:入院の1週間前より頭痛があり時々鎮
痛剤を服用していた。入院当日自宅で倒れてい
るのを発見され、嘔吐の跡がみられ、呼びかけ
に対し辛じて返事があるのみであつた。頭部に
外傷はなく、薬物服用の様子もみられなかつ
た。入院時意識は錯乱状態で、眼底に異常はな
く、頭硬直麻痺もみられなかつた。反射は正
常、CTスキヤン検査および頚動脈撮影で左側
大脳半球のほゞ全面にわたる慢性硬膜下血腫を
みとめ、穿頭洗滌術で血腫を除去した。術後半
昏睡状態が続いたが、3日後には呼びかけに応
答するようになりほぼ、術前レベルに達した。
しかし嗜眠状態は残りほとんど開眼せず食事は
できるが、呼びかけに対する反応は遅く見当識
は全く失われていた。Nicolin、Lucidril、
Euclidanの投与では臨床的改善はみられなか
つたが、ドバストン投与2日後に自分の名前、
生年月日を正しく答えられるようになつたが、
投与5日後に全身に発疹を生じた(薬診と考え
られる)ので直ちに投薬を中止したところ翌日
より閉眼して嗜眠状態がつゞくようになつた。 治療:術後17日目より塩酸アマンタジン100mgを
含む本発明製剤を朝、昼の2回連続投与し併用
薬を使用しなかつた。塩酸アマンタジン投与直
後より患者は閉眼状態が少くなり、起坐位をと
るようになり、著明に多弁になつた。投与1週
間後には計算も遅いながらも可能となり歩行器
を使つて歩行できるようになつた。16日後尿失
禁もなくなり思考に誤りが少なくなつた。しか
し多弁でよく冗談をいつたり笑つたりする傾向
がみられた。21日後には感情に抑制がみられる
ようになり態度も落ちついてきた。34日後には
ほゞ精神状態も正常となつたので、塩酸アマン
タジンの投与を中止し、術後54日目に退院し
た。 実施例 2 基礎疾患:心筋硬塞、脳動脈硬化症76才女性 臨床経過:入浴後、急に胸内苦悶とともに元気が
なくなり、食思不振に陥いる。顔面浮腫、チア
ノーゼを認めた。4日後に虚血性心臓病(心筋
硬塞、下壁新鮮)の診断で緊急入院。入院時の
心電図は結節調律で心拍数45、整。q(、、
aVF)、ST上昇(、、aVF)。胸部レント
ゲン線所見は左肺に胸水貯留を認めた。心肺比
63%、O2吸入で経過観察するも補足調律、心
拍数減少のため体外式ペースメーカー設置。入
院1週後頃より尿路感染症の合併による発熱を
みた。食思不振が続きリハビリテーシヨンの開
始もおくれ、発症3ケ月目にベツド上での起坐
運動を始めたが、リハビリテーシヨンに対する
意欲がなく自発的行動も行なわず、表情の動き
もほとんどなく食事も介助による少量の栄養摂
取のみであり摂取時悪心を訴えた。 治療:塩酸アマンタジン50mgを含む本発明製剤を
朝、昼、夕の3回合計150mg/日連日投与した。
投与3日後自分でベツドに起き上がり食事も自
分でしようとし始めた。2週後には歩行器を用
いてゆつくりながら廊下が歩けるようになりリ
ハビリテーシヨンに対する意欲が出、自分から
他人に挨拶するようになつた。食欲も次第に回
復し悪心の訴えもなくなつた。4週後全身倦怠
感は消失し、食思は全く正常となり、歩行器の
必要なく自力で廊下を歩行できるようになり、
身のまわりの雑時も他人の介助なくできるよう
になり退院した。高令者で治癒遷延の折にみら
れる無欲無関心の状態、さらには社会復帰の意
欲消失の場合に塩酸アマンタジンの使用によつ
てこのような精神機能上の合併症を除去できた
と考えられた例である。 実施例 3 基礎疾患:脳動脈硬化症(本態性高血圧症)75才
男性 臨床経過:開業医で受診していたが、調子がよく
ないとのことで来院した。診察の結果、脳動脈
硬化症および本態性高血圧症と診断し、少々う
つ病的要素を認めたのでThiazide剤、
Hydergine、Tofranil、Embol、Juvela−
nicotinateを投与しながら経過をみた。その後
血圧は140/80mmHg前後でうまくコントロール
され、身のまわりのことは自分でできていた。
ところが入院後1年半後、血圧が多少上昇ぎみ
となり両足背に浮腫を認め体動は鈍く、怒りつ
ぽくなり、意欲なくじつとして炬燵より離れよ
うとしなくなつた。この状態はHydergine、
Tofranil、Embol、Aplactanの投与にもかわ
らず約9ケ月続いた。この間胸、心電図、検
尿、肝機能検査成績などには異常は認めなかつ
た。 治療:従来の薬物をThiazide、Trental、
Hydergineと本発明製剤との併用に変え、本発
明製剤は塩酸アマンタジン100mg相当分を朝、
昼の2回投与した。投与1週間後体動が活溌に
なり自分から話すようになりあまり怒らなくな
つた。2週後動きがよくなりよくしやべるよう
になつた。4週後人と話し新聞を読むようにな
つた。6週後記憶力がまし、8週後人の手をか
りずに独歩で来院できるようになつた。以来こ
の状態は続いて経過は良好である。
第1図は脳血管障害後遺症および頭部外傷後遺
症の各項目別改善率を示すグラフ、第2図は脳血
管障害後遺症および頭部外傷後遺症のほかに他の
疾病を加えた各項目別改善率を示すグラフであ
る。
症の各項目別改善率を示すグラフ、第2図は脳血
管障害後遺症および頭部外傷後遺症のほかに他の
疾病を加えた各項目別改善率を示すグラフであ
る。
Claims (1)
- 1 1−アミノアダマンタンまたはその塩を含有
することを特徴とする脳血管障害後遺症および頭
部外傷後遺症のうち、意欲に関する精神症状およ
び知的機能の障害症状のための治療剤。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10166581A JPS584718A (ja) | 1981-06-30 | 1981-06-30 | 新規適応症に用うる医薬製剤 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10166581A JPS584718A (ja) | 1981-06-30 | 1981-06-30 | 新規適応症に用うる医薬製剤 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS584718A JPS584718A (ja) | 1983-01-11 |
| JPH022861B2 true JPH022861B2 (ja) | 1990-01-19 |
Family
ID=14306662
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10166581A Granted JPS584718A (ja) | 1981-06-30 | 1981-06-30 | 新規適応症に用うる医薬製剤 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS584718A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US9382640B2 (en) | 2011-12-12 | 2016-07-05 | Shin-Etsu Quartz Products Co., Ltd. | Single crystal silicon pulling silica container and manufacturing method thereof |
Families Citing this family (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6444702B1 (en) | 2000-02-22 | 2002-09-03 | Neuromolecular, Inc. | Aminoadamantane derivatives as therapeutic agents |
| CN1486180A (zh) * | 2000-12-07 | 2004-03-31 | 纽热莫勒丘乐有限公司 | 用nmda受体拮抗物治疗神经精神病紊乱的方法 |
| US7619007B2 (en) | 2004-11-23 | 2009-11-17 | Adamas Pharmaceuticals, Inc. | Method and composition for administering an NMDA receptor antagonist to a subject |
| ATE481096T1 (de) | 2005-04-06 | 2010-10-15 | Adamas Pharmaceuticals Inc | Verfahren und zusammensetzungen zur behandlung von zns-erkrankungen |
| CA2994873A1 (en) | 2009-12-02 | 2011-06-09 | Adamas Pharma, Llc | Amantadine compositions and methods of use |
| US10154971B2 (en) | 2013-06-17 | 2018-12-18 | Adamas Pharma, Llc | Methods of administering amantadine |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US4148896A (en) * | 1978-02-22 | 1979-04-10 | E. I. Du Pont De Nemours And Company | Antidepressant combination |
-
1981
- 1981-06-30 JP JP10166581A patent/JPS584718A/ja active Granted
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US9382640B2 (en) | 2011-12-12 | 2016-07-05 | Shin-Etsu Quartz Products Co., Ltd. | Single crystal silicon pulling silica container and manufacturing method thereof |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS584718A (ja) | 1983-01-11 |
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