JPH0229355B2 - Shiitojohoonkitsumen - Google Patents
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- JPH0229355B2 JPH0229355B2 JP5673682A JP5673682A JPH0229355B2 JP H0229355 B2 JPH0229355 B2 JP H0229355B2 JP 5673682 A JP5673682 A JP 5673682A JP 5673682 A JP5673682 A JP 5673682A JP H0229355 B2 JPH0229355 B2 JP H0229355B2
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Description
本発明は薄くても暖かいシート状保温詰綿に関
する。 さらに詳しくは、非円形断面からなる繊維状物
からなり、繊維状物内部に非連続気泡を有する、
厚さ当りの保温性に優れたシート状保温詰綿に関
する。 従来スポーツ衣料用や、カジユアル衣料用,肌
かけふとん等にはダウンがよく用いられていた。
しかし、このダウンは天然資源であり、資源涸渇
の問題があり、また、ダウンは着用時嵩高になる
という欠点を有している。 一般に優れた保温性、特に単位厚さ当りの保温
性のよい繊維集合体を得るには、 (i) 繊維太さの影響 (ii) 繊維の断面形状 (iii) 繊維内部の空孔の影響 (iv) 繊維配列の影響 (v) 比容積の影響 要因が考えられる。 まず第1の要因には集合体を構成する1本1本
の繊維が細くなればなるほど保温性が増大するこ
とはよく知られている。例えば一定容積のガラス
ウールの直径を変化させた場合、その熱伝導率
は、2.5μから7.5μの範囲で1μごとに約
0.001Kcal/m・h・℃増減する。繊維が細くな
ると、これに伴ない繊維の一定重量当りの表面積
が増大し、集合体に含まれる空気の対流が起りに
くくなることによつて保温性が向上する訳である
が、この影響は繊維の太さが約1デニール程度に
なると飽和状態になり、これ以上繊維を細くして
も保温性はほとんど向上しないことが報告されて
いる。 第2の要因については体系的な研究結果は知ら
れていないが、真円形状を基準にして断面形状が
いびつになるほど、すなわち異型度が大きくなる
ほど、一定重量当りの繊維表面積が増大し、結局
繊維を細くした場合と同様に、繊維表面層近傍に
非対流空気(デツドエアー)が生じ、保温性が向
上することは容易に推察される。 第3の要因は、2つの原因によつて保温性向上
に寄与する。1つは、同一デニールの繊維の見掛
け太さが増し、この結果繊維表面積を増大させる
ことによる影響で、先に述べた太さおよび断面形
状の場合と同様の理由による。もう1つは、1本
1本の繊維自体が実質上、繊維と空気の複合体に
なることにより、繊維素材のみによつて構成され
る場合に比較し、空気が含まれる分だけ熱伝導率
が小さくなることによる。この場合、繊維中に占
める空孔の体積比率以外に、1つ1つの空孔の大
きさ,および空孔相互の連通性によつて効果が異
なることが推定されるが衣料や寝装用途に使用さ
れる繊維は非常に細いため空孔の体積比率によつ
て見掛けの熱伝導率はほぼ決まり、その他の影響
が比較的小さいものと考えられる。繊維内部空孔
の影響は、空気の熱伝導率が0.022Kcal/m・
h・℃ということを考えてみても、非常に大きい
であろうことが容易に推察される。通常の円型ポ
リエステル繊維に比較し、いわゆる中空繊維がか
なり広範囲の比容積領域にわたる集合体について
60%程度保温性が高くなることが知られている
が、これも一種の空孔効果といえる。 第4の要因については、繊維が熱流に対して、
より直角に配列されるに従つて、繊維自体を通じ
ての熱の移動の割合が少なくなり、集合体の見掛
の熱伝導率は減少、結果として保温性は増大する
ことが知られている。保温材が布帛あるいはシー
ト状の場合は、保温材の平面に対して、それを構
成する1本1本の繊維が、より平行に配列された
もの程、保温性は高くなるわけである。なお熱流
に対して直角に配列された場合と平行に配列され
た場合の差は、集合体の比容積が小さくなるに従
つて拡大することが知られている。 第5の要因については、比容積を小さくしてい
けば、繊維集合体の見掛の熱伝導率は増大し、最
終的には、繊維素材自体の熱伝導率に近づく。逆
に比容積を大きくしていけば熱伝導率は減少し、
空気自体の値に近づくが、実際には比容積がある
程度以上になると対流の影響が出てくるため、あ
る値を極小点として、比容積がその値を超える
と、比容積の増大に伴い見掛の熱伝導率は急激に
増大する。 以上5つの要因を同時に満足する場合、単位厚
さ当りの保温性に優れた繊維集合体が得られ、該
繊維集合体構造がモデル的にも理想に近く、かつ
優れた保温性を有するシート状保温詰綿を提供す
ることが判明した。 本発明者らは、これらの知見に基づきダウンの
もつ保温性に加え低嵩性でありしかもダウンには
ない特性、たとえば、水洗い可能な保温材をみい
だすべく鋭意研究の結果、本発明に到つたもので
ある。 即ち、本発明は、内部に非連続の気泡を有し、
かつ長手方向に不規則な、非円形断面の繊維状物
が無作為に枝分れしている網状繊維シートの積層
体であつて、積層された各網状繊維シート間にお
いて繊維状物が部分的に互いに絡み合い、かつ部
分的に熱融着しており、繊維状物の (i) 主成分が熱可塑性ポリエステル樹脂であり、 (ii) 捲縮を有し、 (iii) 平均繊維径が2〜100μであり、 かつ積層体としての (i) 目付が30〜1000g/m2, (ii) かさ密度が0.01〜0.1g/cm2である ことを特徴とするシート状保温詰綿である。 本発明における“内部に非連続の気泡を有し、
かつ長手方向に不規則な非円形断面の繊維状物”
とは、繊維状物の断面形は第1図に示したごとく
非円形であり、複雑な形状を呈し、さらにその形
状及び繊維の太さも部分部分で異なり、内部に多
数の大きさの異なる独立および連続気泡が存する
ものである。この繊維状物の表面積は円形断面の
1.5〜6倍に達し、繊維状物内部および外部にデ
ツドウエアを多く含み、不織布の見掛密度は減少
しているために、そのことが保温性の向上に極め
て大きな効果をもたらしている。 本発明による“無作為に枝分れしている網状繊
維シート”とは、例えば発泡剤を含有した溶融ポ
リマーを、間隙1.0mm以下のスリツトを有するダ
イから押し出し、出口直後、ドラフトをかけて急
冷しつつ引取ることによつて得られる網状繊維シ
ートであり、溶融ポリマーがダイから押し出され
る際、圧力変化で気泡が顕在化しその一部は破裂
することにより、シートを形成する繊維の1本1
本を極めて複雑に割裂し、またその幹となる繊維
から更に細い繊維が枝分れしている複雑な構造体
としての網状繊維シートとなる。 断面形状に幾何学的に一義的な規則性のある場
合には、捲縮のかかり方がランダムになり難く捲
縮周期の位相の重なりが生じて、捲縮の効果とし
てのバルキー性が小さくかつ繊維間の絡み合いも
少ない結果となる。 これに対し、本発明の網状繊維シートは、前記
のような構造であるため捲縮のかかり方に規則性
がなく、かつ捲縮数も高くなり、形態保持性の良
い、バルキー性のあるものとなる。 本発明の網状繊維シートの積層体は、前記のよ
うに繊維が枝分れしつつ相互に連結しあつたシー
トを重ねて得られるものであり、その結果シート
相互間に細い繊維が入れ込み、絡み合つているた
め、形態保持性がよく、かつ伸長変形に対しても
大きな自由度をもつているためドレープ性の優れ
たものとなる。さらに保温性の観点からは、シー
ト状構造を維持しているために基本的に繊維配列
が熱流に対してほぼ直角にならんでいるため前記
の記載どおりに優れた保温性の発現に寄与してい
る。 さらに繊維状物が“部分的に熱融着している”
ことは接着部分が異形異デニール繊維表面間にあ
るため、接着部が点接着に近く、またランダムな
不均一接着であるため柔軟接着となる点、さらに
スポツト接着であるため、接着間距離が大きくと
れて、伸長変形を大きくできる点である。上記の
ことはドレープ性発現にも大きな寄与をしてい
る。 本発明におけるシート状保温詰綿は、主成分に
熱可塑性ポリエステル樹脂を使用しているため、
耐水洗い、耐クリーニング,耐アイロン等衣料用
保温材として使用される場合に予想される条件を
満足する特徴を有する。 また異形異デニールの繊維が部分的に絡み合つ
ているシート状態で例えば熱処理等により捲縮を
付与すれば繊維相互はさらに緊密に絡み合い、優
れた形態保持性と伸縮性をもつたシート状物が得
られるが、このシート状物は、前記に述べたよう
に異型,発泡繊維であり、バルキー度が最適化
し、さらに次に述べるように構成繊維径が適度に
細いため優れた保温性の特徴を有するシート状保
温詰綿になるものが提供できる。 本発明におけるシート状保温詰綿の平均繊維径
は、該繊維状物の任意の点において横方向に切断
した場合、各繊維の断面の形状及び大きさが不規
則に異なる形状及び大きさの断面を有している。 上記集合体の任意の点で横方向に切断した時、
見られるこの不規則に異なる形状及び大きさの断
面について、その最大長軸の長さをxとし、この
最大長軸に対して直径方向の最大短軸の長さをy
として各繊維の平均径(Z)を下記式(1) Z=x+y/2 ……(1) で表わし、この平均径(Z)を任意の100個の繊
維断面について顕微鏡写真をベースにして測定
し、各繊維の平均径(Z)の上記100個の断面の
平均値(Z100)を下記式(2) Z100=(100 〓 i>LZi)・1/100 ……(2) で表わすと、Z100が2〜100μの範囲、特に5〜
30μの範囲内に入るのが好適である。 前記記載通り、繊維径は約2μ未満に細くして
も保温性が改良されず、繊維が細いためバルキー
性の低下が著しい。また約100μを越えるとシー
トとしての充分な保温性能が発揮できない。 本発明のシート状保温詰綿の積層体としての目
付は30〜1000g/m2が好ましい。その目付が約
30g/m2未満では、積層体としての強力不足のた
めシート状詰綿としての工程上の取扱いが難しく
作業性が著しく困難になり、一方約1000g/m2を
越えると詰綿は嵩高となり製品としての取扱いが
困難となる。 本発明のシート状詰綿積層体としての嵩密度は
0.5g/cm2荷重状態で0.01〜0.1g/cm3が好ましい。
さらに好ましくは0.015〜0.06g/cm3がよい。 上記範囲内にある該シート状保温詰綿は低嵩性
でありながらきわめて良好な保温性能を発揮でき
る。 また一般に詰綿の通気性は、透湿性と相関性が
あることが従来より知られているが、本発明の積
層体における通気性はJIS L−1079により測定し
50〜500c.c./cm/sec、好ましくは100300c.c./cm/
secである。 これは、シート状保温詰綿の積層体を構成する
1本1本の繊維が熱流に対してより直角に配列さ
れ、繊維自体を通じての熱移動の割合が少なく集
合体としての保温性は増大するが、一方多層フイ
ルター構造となつているため、従来の衣料または
寝装用途に用いられる詰綿の通気性よりかなり大
きなレベルにあるにも拘らず、シート状保温詰綿
自体が透湿性を阻害しないという極めて大きな特
徴を有する。 更に本発明のシート状保温詰綿(積層体)の熱
伝導率は平面比較法により測定し、0.02〜
0.1Kcal/m・h・℃である。本発明のシート状
保温詰綿は厚さ当りの保温性が極大になるように
設計されており、従来の樹脂綿のほぼ4倍の性能
を有する。 本発明に用いられる熱可塑性ポリマーとして
は、主成分が熱可塑性ポリエステルが好ましく、
さらに好ましくは、熱可塑性ポリエステルの成分
がポリエチレンテレフタレートあるいはポリブチ
レンテレフタレートあるいはポリエチレンテレフ
タレートとポリエチレンテレフタレートの混合物
が好ましい。そのうちで特に好ましくはポリエス
テル成分が60〜100重量%であり、残り成分40〜
0重量%が熱可塑性ポリオレフインを含有するブ
レンド物が好ましい。 本発明で熱可塑性ポリエステル樹脂を主成分と
しているのは耐熱性,耐ドライクリーニング性,
耐水性等、衣料および寝装用詰綿として実用上好
ましい性能を有するからである。また、熱可塑性
ポリエステルのうちで、工業上容易に入手できる
ポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレン
テレフタレートがよい。 本発明による繊維成分は、熱可塑性ポリエステ
ル樹脂含有率100重量%でも長手方向に不規則な
非円形断面を有するため、熱処理等により捲縮が
容易にかかり、適度な密度で、かつ形態保持性の
よいシート状詰綿が得られる。さらに熱可塑性ポ
リエステル樹脂に熱可塑性ポリオレフインを0〜
40重量%ブレンドすることにより、高度の捲縮が
かかつたシート状詰綿が得られる。 熱可塑性ポリオレフインが40重量%を越えると
詰綿使用時の耐熱性に問題がある。 また熱可塑性ポリオレフインのうちでは融点が
比較的高いポリプロピレンがよい。 本発明のシート状保温詰綿の表面には、内層部
(積層体)を形成する繊維成分である熱可塑性ポ
リエステルの融点より実質的に少なくとも10℃以
上低い熱可塑性樹脂繊維を表層部として配してな
るものが好ましい。 一般に保温詰綿は作業上その表面層がなめらか
でけばだたないのが好ましいため、かかる表層部
は、シート状保温詰綿の表面に融着した皮膜を構
成する目的で用いるものであり、シート状保温詰
綿の製造工程中、表層部を構成する熱可塑性ポリ
エステル樹脂の融点以上かつ内層部(積層体)を
形成する熱可塑性ポリエステル樹脂の融点以下の
温度で処理することにより得られる。 表層部を構成する熱可塑性樹脂としてはポリプ
ロピレン,ポリエチレン,ポリスチレン,アイオ
ノマー樹脂,ビニル系共重合体が好ましく、さら
にそのポリマーは1種だけでなく、2種以上のポ
リマーの混合物でもよい。 更に本発明のシート状保温詰綿の少なくとも表
面には油剤を付与することが好ましい。詰綿とし
て使用されるとき表地との間のすべり特性は衣料
および寝装材としての着用感の良否を大きく左右
する。 油剤にはシリコン系または鉱物油系が好まし
く、さらに熱処理によつて架橋反応により固化す
る油剤も用いることができる。 以上の如く本発明によれば、良好な保温性を有
し、かつ低嵩性であり、しかも水洗い可能である
ため、本発明の応用用途としてはスポーツ衣料
用,防寒作業衣等保温機能を要求される衣料用の
他、カジユアル衣料用,ベビー児服用の一般衣料
用,寝装具、ガウン、特殊芯材等に用いられる。
さらに後加工的な工夫を加えることにより応用用
途が拡大され、これらの用途に限定されず、各種
の用途に適用可能である。 以下、本発明の実施例を掲げてさらに具体的に
説明する。 実施例 1 ポリブチレンテレフタレート(PBT)70部と
ポリプロピレン(PP)30部に発泡剤としてN2ガ
スを溶融混合し押出機から170〜350℃の押出温度
で押出し、ダイ出口で急冷しながら引取りポリブ
チレンテレフタレートとポリプロピレンの網状異
形繊維シートを得た。このシートの平均繊維径は
15μであつた。次に該シートを500枚積層してそ
の表面にシリコンオイル0.5重量%付着させた網
状異形繊維シート(組成PP50部/ポリエチレン
(PE)50部)2層を積層し、オーバーフイード率
1.5倍で供給し、7倍に延展して網状異形繊維ウ
エツブを得、予備プレス後160〜180℃の範囲で熱
処理しシート状保温詰綿を得た。このシート状保
温詰綿の厚みは0.4mm、目付140g/m2,かさ密度
0.04g/c.c.,熱伝導率0.05Kcal/m・h・℃,通
気度161c.c./cm/secであつた。 実施例2〜5,比較例 積層体としてポリエステル樹脂の組成を変えた
以外は実施例1と同様にしてシート状保温詰綿を
作成した例(実施例2〜5)及び通常のポリエチ
レンテレフタレート(PET)繊維不織布よりな
る詰綿の比較例を併せ第1表に示す。
する。 さらに詳しくは、非円形断面からなる繊維状物
からなり、繊維状物内部に非連続気泡を有する、
厚さ当りの保温性に優れたシート状保温詰綿に関
する。 従来スポーツ衣料用や、カジユアル衣料用,肌
かけふとん等にはダウンがよく用いられていた。
しかし、このダウンは天然資源であり、資源涸渇
の問題があり、また、ダウンは着用時嵩高になる
という欠点を有している。 一般に優れた保温性、特に単位厚さ当りの保温
性のよい繊維集合体を得るには、 (i) 繊維太さの影響 (ii) 繊維の断面形状 (iii) 繊維内部の空孔の影響 (iv) 繊維配列の影響 (v) 比容積の影響 要因が考えられる。 まず第1の要因には集合体を構成する1本1本
の繊維が細くなればなるほど保温性が増大するこ
とはよく知られている。例えば一定容積のガラス
ウールの直径を変化させた場合、その熱伝導率
は、2.5μから7.5μの範囲で1μごとに約
0.001Kcal/m・h・℃増減する。繊維が細くな
ると、これに伴ない繊維の一定重量当りの表面積
が増大し、集合体に含まれる空気の対流が起りに
くくなることによつて保温性が向上する訳である
が、この影響は繊維の太さが約1デニール程度に
なると飽和状態になり、これ以上繊維を細くして
も保温性はほとんど向上しないことが報告されて
いる。 第2の要因については体系的な研究結果は知ら
れていないが、真円形状を基準にして断面形状が
いびつになるほど、すなわち異型度が大きくなる
ほど、一定重量当りの繊維表面積が増大し、結局
繊維を細くした場合と同様に、繊維表面層近傍に
非対流空気(デツドエアー)が生じ、保温性が向
上することは容易に推察される。 第3の要因は、2つの原因によつて保温性向上
に寄与する。1つは、同一デニールの繊維の見掛
け太さが増し、この結果繊維表面積を増大させる
ことによる影響で、先に述べた太さおよび断面形
状の場合と同様の理由による。もう1つは、1本
1本の繊維自体が実質上、繊維と空気の複合体に
なることにより、繊維素材のみによつて構成され
る場合に比較し、空気が含まれる分だけ熱伝導率
が小さくなることによる。この場合、繊維中に占
める空孔の体積比率以外に、1つ1つの空孔の大
きさ,および空孔相互の連通性によつて効果が異
なることが推定されるが衣料や寝装用途に使用さ
れる繊維は非常に細いため空孔の体積比率によつ
て見掛けの熱伝導率はほぼ決まり、その他の影響
が比較的小さいものと考えられる。繊維内部空孔
の影響は、空気の熱伝導率が0.022Kcal/m・
h・℃ということを考えてみても、非常に大きい
であろうことが容易に推察される。通常の円型ポ
リエステル繊維に比較し、いわゆる中空繊維がか
なり広範囲の比容積領域にわたる集合体について
60%程度保温性が高くなることが知られている
が、これも一種の空孔効果といえる。 第4の要因については、繊維が熱流に対して、
より直角に配列されるに従つて、繊維自体を通じ
ての熱の移動の割合が少なくなり、集合体の見掛
の熱伝導率は減少、結果として保温性は増大する
ことが知られている。保温材が布帛あるいはシー
ト状の場合は、保温材の平面に対して、それを構
成する1本1本の繊維が、より平行に配列された
もの程、保温性は高くなるわけである。なお熱流
に対して直角に配列された場合と平行に配列され
た場合の差は、集合体の比容積が小さくなるに従
つて拡大することが知られている。 第5の要因については、比容積を小さくしてい
けば、繊維集合体の見掛の熱伝導率は増大し、最
終的には、繊維素材自体の熱伝導率に近づく。逆
に比容積を大きくしていけば熱伝導率は減少し、
空気自体の値に近づくが、実際には比容積がある
程度以上になると対流の影響が出てくるため、あ
る値を極小点として、比容積がその値を超える
と、比容積の増大に伴い見掛の熱伝導率は急激に
増大する。 以上5つの要因を同時に満足する場合、単位厚
さ当りの保温性に優れた繊維集合体が得られ、該
繊維集合体構造がモデル的にも理想に近く、かつ
優れた保温性を有するシート状保温詰綿を提供す
ることが判明した。 本発明者らは、これらの知見に基づきダウンの
もつ保温性に加え低嵩性でありしかもダウンには
ない特性、たとえば、水洗い可能な保温材をみい
だすべく鋭意研究の結果、本発明に到つたもので
ある。 即ち、本発明は、内部に非連続の気泡を有し、
かつ長手方向に不規則な、非円形断面の繊維状物
が無作為に枝分れしている網状繊維シートの積層
体であつて、積層された各網状繊維シート間にお
いて繊維状物が部分的に互いに絡み合い、かつ部
分的に熱融着しており、繊維状物の (i) 主成分が熱可塑性ポリエステル樹脂であり、 (ii) 捲縮を有し、 (iii) 平均繊維径が2〜100μであり、 かつ積層体としての (i) 目付が30〜1000g/m2, (ii) かさ密度が0.01〜0.1g/cm2である ことを特徴とするシート状保温詰綿である。 本発明における“内部に非連続の気泡を有し、
かつ長手方向に不規則な非円形断面の繊維状物”
とは、繊維状物の断面形は第1図に示したごとく
非円形であり、複雑な形状を呈し、さらにその形
状及び繊維の太さも部分部分で異なり、内部に多
数の大きさの異なる独立および連続気泡が存する
ものである。この繊維状物の表面積は円形断面の
1.5〜6倍に達し、繊維状物内部および外部にデ
ツドウエアを多く含み、不織布の見掛密度は減少
しているために、そのことが保温性の向上に極め
て大きな効果をもたらしている。 本発明による“無作為に枝分れしている網状繊
維シート”とは、例えば発泡剤を含有した溶融ポ
リマーを、間隙1.0mm以下のスリツトを有するダ
イから押し出し、出口直後、ドラフトをかけて急
冷しつつ引取ることによつて得られる網状繊維シ
ートであり、溶融ポリマーがダイから押し出され
る際、圧力変化で気泡が顕在化しその一部は破裂
することにより、シートを形成する繊維の1本1
本を極めて複雑に割裂し、またその幹となる繊維
から更に細い繊維が枝分れしている複雑な構造体
としての網状繊維シートとなる。 断面形状に幾何学的に一義的な規則性のある場
合には、捲縮のかかり方がランダムになり難く捲
縮周期の位相の重なりが生じて、捲縮の効果とし
てのバルキー性が小さくかつ繊維間の絡み合いも
少ない結果となる。 これに対し、本発明の網状繊維シートは、前記
のような構造であるため捲縮のかかり方に規則性
がなく、かつ捲縮数も高くなり、形態保持性の良
い、バルキー性のあるものとなる。 本発明の網状繊維シートの積層体は、前記のよ
うに繊維が枝分れしつつ相互に連結しあつたシー
トを重ねて得られるものであり、その結果シート
相互間に細い繊維が入れ込み、絡み合つているた
め、形態保持性がよく、かつ伸長変形に対しても
大きな自由度をもつているためドレープ性の優れ
たものとなる。さらに保温性の観点からは、シー
ト状構造を維持しているために基本的に繊維配列
が熱流に対してほぼ直角にならんでいるため前記
の記載どおりに優れた保温性の発現に寄与してい
る。 さらに繊維状物が“部分的に熱融着している”
ことは接着部分が異形異デニール繊維表面間にあ
るため、接着部が点接着に近く、またランダムな
不均一接着であるため柔軟接着となる点、さらに
スポツト接着であるため、接着間距離が大きくと
れて、伸長変形を大きくできる点である。上記の
ことはドレープ性発現にも大きな寄与をしてい
る。 本発明におけるシート状保温詰綿は、主成分に
熱可塑性ポリエステル樹脂を使用しているため、
耐水洗い、耐クリーニング,耐アイロン等衣料用
保温材として使用される場合に予想される条件を
満足する特徴を有する。 また異形異デニールの繊維が部分的に絡み合つ
ているシート状態で例えば熱処理等により捲縮を
付与すれば繊維相互はさらに緊密に絡み合い、優
れた形態保持性と伸縮性をもつたシート状物が得
られるが、このシート状物は、前記に述べたよう
に異型,発泡繊維であり、バルキー度が最適化
し、さらに次に述べるように構成繊維径が適度に
細いため優れた保温性の特徴を有するシート状保
温詰綿になるものが提供できる。 本発明におけるシート状保温詰綿の平均繊維径
は、該繊維状物の任意の点において横方向に切断
した場合、各繊維の断面の形状及び大きさが不規
則に異なる形状及び大きさの断面を有している。 上記集合体の任意の点で横方向に切断した時、
見られるこの不規則に異なる形状及び大きさの断
面について、その最大長軸の長さをxとし、この
最大長軸に対して直径方向の最大短軸の長さをy
として各繊維の平均径(Z)を下記式(1) Z=x+y/2 ……(1) で表わし、この平均径(Z)を任意の100個の繊
維断面について顕微鏡写真をベースにして測定
し、各繊維の平均径(Z)の上記100個の断面の
平均値(Z100)を下記式(2) Z100=(100 〓 i>LZi)・1/100 ……(2) で表わすと、Z100が2〜100μの範囲、特に5〜
30μの範囲内に入るのが好適である。 前記記載通り、繊維径は約2μ未満に細くして
も保温性が改良されず、繊維が細いためバルキー
性の低下が著しい。また約100μを越えるとシー
トとしての充分な保温性能が発揮できない。 本発明のシート状保温詰綿の積層体としての目
付は30〜1000g/m2が好ましい。その目付が約
30g/m2未満では、積層体としての強力不足のた
めシート状詰綿としての工程上の取扱いが難しく
作業性が著しく困難になり、一方約1000g/m2を
越えると詰綿は嵩高となり製品としての取扱いが
困難となる。 本発明のシート状詰綿積層体としての嵩密度は
0.5g/cm2荷重状態で0.01〜0.1g/cm3が好ましい。
さらに好ましくは0.015〜0.06g/cm3がよい。 上記範囲内にある該シート状保温詰綿は低嵩性
でありながらきわめて良好な保温性能を発揮でき
る。 また一般に詰綿の通気性は、透湿性と相関性が
あることが従来より知られているが、本発明の積
層体における通気性はJIS L−1079により測定し
50〜500c.c./cm/sec、好ましくは100300c.c./cm/
secである。 これは、シート状保温詰綿の積層体を構成する
1本1本の繊維が熱流に対してより直角に配列さ
れ、繊維自体を通じての熱移動の割合が少なく集
合体としての保温性は増大するが、一方多層フイ
ルター構造となつているため、従来の衣料または
寝装用途に用いられる詰綿の通気性よりかなり大
きなレベルにあるにも拘らず、シート状保温詰綿
自体が透湿性を阻害しないという極めて大きな特
徴を有する。 更に本発明のシート状保温詰綿(積層体)の熱
伝導率は平面比較法により測定し、0.02〜
0.1Kcal/m・h・℃である。本発明のシート状
保温詰綿は厚さ当りの保温性が極大になるように
設計されており、従来の樹脂綿のほぼ4倍の性能
を有する。 本発明に用いられる熱可塑性ポリマーとして
は、主成分が熱可塑性ポリエステルが好ましく、
さらに好ましくは、熱可塑性ポリエステルの成分
がポリエチレンテレフタレートあるいはポリブチ
レンテレフタレートあるいはポリエチレンテレフ
タレートとポリエチレンテレフタレートの混合物
が好ましい。そのうちで特に好ましくはポリエス
テル成分が60〜100重量%であり、残り成分40〜
0重量%が熱可塑性ポリオレフインを含有するブ
レンド物が好ましい。 本発明で熱可塑性ポリエステル樹脂を主成分と
しているのは耐熱性,耐ドライクリーニング性,
耐水性等、衣料および寝装用詰綿として実用上好
ましい性能を有するからである。また、熱可塑性
ポリエステルのうちで、工業上容易に入手できる
ポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレン
テレフタレートがよい。 本発明による繊維成分は、熱可塑性ポリエステ
ル樹脂含有率100重量%でも長手方向に不規則な
非円形断面を有するため、熱処理等により捲縮が
容易にかかり、適度な密度で、かつ形態保持性の
よいシート状詰綿が得られる。さらに熱可塑性ポ
リエステル樹脂に熱可塑性ポリオレフインを0〜
40重量%ブレンドすることにより、高度の捲縮が
かかつたシート状詰綿が得られる。 熱可塑性ポリオレフインが40重量%を越えると
詰綿使用時の耐熱性に問題がある。 また熱可塑性ポリオレフインのうちでは融点が
比較的高いポリプロピレンがよい。 本発明のシート状保温詰綿の表面には、内層部
(積層体)を形成する繊維成分である熱可塑性ポ
リエステルの融点より実質的に少なくとも10℃以
上低い熱可塑性樹脂繊維を表層部として配してな
るものが好ましい。 一般に保温詰綿は作業上その表面層がなめらか
でけばだたないのが好ましいため、かかる表層部
は、シート状保温詰綿の表面に融着した皮膜を構
成する目的で用いるものであり、シート状保温詰
綿の製造工程中、表層部を構成する熱可塑性ポリ
エステル樹脂の融点以上かつ内層部(積層体)を
形成する熱可塑性ポリエステル樹脂の融点以下の
温度で処理することにより得られる。 表層部を構成する熱可塑性樹脂としてはポリプ
ロピレン,ポリエチレン,ポリスチレン,アイオ
ノマー樹脂,ビニル系共重合体が好ましく、さら
にそのポリマーは1種だけでなく、2種以上のポ
リマーの混合物でもよい。 更に本発明のシート状保温詰綿の少なくとも表
面には油剤を付与することが好ましい。詰綿とし
て使用されるとき表地との間のすべり特性は衣料
および寝装材としての着用感の良否を大きく左右
する。 油剤にはシリコン系または鉱物油系が好まし
く、さらに熱処理によつて架橋反応により固化す
る油剤も用いることができる。 以上の如く本発明によれば、良好な保温性を有
し、かつ低嵩性であり、しかも水洗い可能である
ため、本発明の応用用途としてはスポーツ衣料
用,防寒作業衣等保温機能を要求される衣料用の
他、カジユアル衣料用,ベビー児服用の一般衣料
用,寝装具、ガウン、特殊芯材等に用いられる。
さらに後加工的な工夫を加えることにより応用用
途が拡大され、これらの用途に限定されず、各種
の用途に適用可能である。 以下、本発明の実施例を掲げてさらに具体的に
説明する。 実施例 1 ポリブチレンテレフタレート(PBT)70部と
ポリプロピレン(PP)30部に発泡剤としてN2ガ
スを溶融混合し押出機から170〜350℃の押出温度
で押出し、ダイ出口で急冷しながら引取りポリブ
チレンテレフタレートとポリプロピレンの網状異
形繊維シートを得た。このシートの平均繊維径は
15μであつた。次に該シートを500枚積層してそ
の表面にシリコンオイル0.5重量%付着させた網
状異形繊維シート(組成PP50部/ポリエチレン
(PE)50部)2層を積層し、オーバーフイード率
1.5倍で供給し、7倍に延展して網状異形繊維ウ
エツブを得、予備プレス後160〜180℃の範囲で熱
処理しシート状保温詰綿を得た。このシート状保
温詰綿の厚みは0.4mm、目付140g/m2,かさ密度
0.04g/c.c.,熱伝導率0.05Kcal/m・h・℃,通
気度161c.c./cm/secであつた。 実施例2〜5,比較例 積層体としてポリエステル樹脂の組成を変えた
以外は実施例1と同様にしてシート状保温詰綿を
作成した例(実施例2〜5)及び通常のポリエチ
レンテレフタレート(PET)繊維不織布よりな
る詰綿の比較例を併せ第1表に示す。
【表】
第1図は本発明のシート状保温詰綿を構成する
繊維状物横断面の電子顕微鏡写真(倍率1000倍)
である。
繊維状物横断面の電子顕微鏡写真(倍率1000倍)
である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 内部に非連続の気泡を有し、かつ長手方向に
不規則な非円形断面の繊維状物が無作為に枝分れ
している網状繊維シートの積層体であつて、積層
された各網状繊維シート間において繊維状物が部
分的に互いに絡み合い、かつ部分的に熱融着して
おり、繊維状物の (i) 主成分が熱可塑性ポリエステル樹脂であり、 (ii) 捲縮を有し、 (iii) 平均繊維径が2〜100μであり、 かつ積層体の (i) 目付が30〜1000g/m2、 (ii) かさ密度が0.01〜0.1g/cm3であることを特徴
とするシート状保温詰綿。 2 積層体の通気性が50〜500c.c./m/secである
特許請求範囲第1項記載のシート状保温詰綿。 3 積層体の熱伝導率が0.02〜0.1Kcal/m・
h・℃である特許請求範囲第1項記載のシート状
保温詰綿。 4 繊維状物の成分が、熱可塑性ポリエステル60
〜100重量%、オレフイン系樹脂40〜0重量%で
ある特許請求範囲第1項記載のシート状保温詰
綿。 5 繊維状物の成分が、ポリブチレンテレフタレ
ート60〜100重量%、ポリプロピレン40〜0重量
%である特許請求範囲第4項記載のシート状保温
詰綿。 6 繊維状物の成分が、ポリエチレンテレフタレ
ート60〜100重量%,ポリプロピレン40〜0重量
%である特許請求範囲第4項記載のシート状保温
詰綿。 7 積層体の表面に、積層体を構成する繊維状物
の融点よりも少なくとも10℃以上低い融点を有す
る熱可塑性樹脂繊維よりなる表層部を配してなる
特許請求の範囲第1項記載のシート状保温詰綿。 8 シート状保温詰綿の表面に油剤が付着されて
なる特許請求の範囲第1項または第7項記載のシ
ート状保温詰綿。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5673682A JPH0229355B2 (ja) | 1982-04-07 | 1982-04-07 | Shiitojohoonkitsumen |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5673682A JPH0229355B2 (ja) | 1982-04-07 | 1982-04-07 | Shiitojohoonkitsumen |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS58173578A JPS58173578A (ja) | 1983-10-12 |
| JPH0229355B2 true JPH0229355B2 (ja) | 1990-06-28 |
Family
ID=13035797
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5673682A Expired - Lifetime JPH0229355B2 (ja) | 1982-04-07 | 1982-04-07 | Shiitojohoonkitsumen |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0229355B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6235836A (ja) * | 1985-08-09 | 1987-02-16 | 帝人株式会社 | 詰物体 |
-
1982
- 1982-04-07 JP JP5673682A patent/JPH0229355B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS58173578A (ja) | 1983-10-12 |
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