JPH0240055B2 - Ranjitsukuashitsudojudotai - Google Patents

Ranjitsukuashitsudojudotai

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JPH0240055B2
JPH0240055B2 JP21204285A JP21204285A JPH0240055B2 JP H0240055 B2 JPH0240055 B2 JP H0240055B2 JP 21204285 A JP21204285 A JP 21204285A JP 21204285 A JP21204285 A JP 21204285A JP H0240055 B2 JPH0240055 B2 JP H0240055B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ランジツクアシツドの新規なエステ
ル及びアミドに関する。 〔発明の背景〕 従来より、男性型脱毛症の成因としては、(1)ホ
ルモンのアンバランス説、(2)遺伝説、(3)血液循環
不全説、(4)栄養説等数多くの説が提唱されている
が、毛の発生に男性ホルモンのテストステロン
(testosterone)が重要な役割を演じていること
は古くから示唆されていた。テストステロンと男
性型脱毛症の因果関係を実験的に生化学のレベル
で証明した安達らの説(Biochem.Biophys.Res.
Commun.,41,884(1970)参照のこと〕による
と、睾丸で生合成されたテストステロンは頭部に
おいて、毛包、肥脂線等に存在する5α―リダク
ターゼ(5α―reductase)によりジヒドロテスト
ステロン(Dihydoroteststerone)に変換され、
このジヒドロテストステロンがアデニルサイクラ
ーゼ(adenyl cyclase)の活性を著しく低下させ
ることにより細胞内のサイクリツク―AMPレベ
ルの低下をもたらし、その結果毛及び毛の周辺の
エネルギー産生の低下とタンパク質合成の抑制を
誘起する。叙つて、これら一連の現象により、成
長期にある毛は休止期に移行し、この状態をくり
返している間に終毛から軟毛へ、そして最終的に
は男性型ハゲにまで進行すると考えられる。この
説を裏付けるものとして、シユバイケルト〔H.
V.Schweikert〕らは、男性型ハゲの毛包には、
女性の毛包やハゲでない人の毛包に比して、5α
―リダクターゼによる代謝物、すなわちジヒドロ
テストステロン等が多量に存在していることを報
告している〔J.Clin.Endocr.,38,811(1974)参
照のこと〕。 男性型脱毛症以外にも、テストステロンから
5α―リダクターゼにより生成するジヒドロテス
トステロンは、アクネ(〓瘡、ニキビ等)の発
生、増悪にも重要な生理的役割を演じていること
が報告されている。すなわち、J.B.Hayらはアク
ネ患部における患部の皮膚と正常皮膚でのテスト
ステロンの代謝速度を比較したところ、テストス
テロンの5α―リダクターゼによる代謝はアクネ
患部において亢進していることを報告している
〔Br.J.Dermatol.,91,123(1974)〕。またG.
Sansoneらはアクネ患者の患部皮膚中のテストス
テロンからジヒドロテストステロンへの合成能
は、正常人のそれの2〜20倍異常亢進しているこ
とを見い出し、アクネの発生や増悪に対して5α
―リダクターゼにより生成するジヒドロテストス
テロンが大きく関与していることを示唆している
〔J.Invest.Dermatol.,56,366(1971)〕。 さらに、ジヒドロテストステロンは前立腺の肥
大にも関与している。Cowanらは前立腺肥大症
患者の前立腺中にはジヒドロテストステロンが多
量に存在することを報告し〔J.Steroid
Biochemistry,11,609(1979)〕、さらに最近で
は前立腺肥大症患者の前立腺では5α―リダクタ
ーゼの活性が異常亢進していることが知られてお
り〔J.Cinical Endocrinol.and Metaboliem,
56,139(1983)〕、前立腺肥大症の発生及び進行に
ジヒドロテストステロンが重要な役割を果たして
いることが明らかになつている。 〔従来の技術〕 以上のような背景のもとに、最近、5α―リダ
クターゼ阻害剤の研究開発がさかんに行なわれて
いる。 本発明者等は先に、構造式 で示されるランジツクアシツド〔Lanesic Acid)
を主成分とする、植物からの抽出物が5α―リダ
クターゼ阻害作用を有することを見い出し、特許
出願した(特開昭60−243020号明細書参照のこ
と)。ランジツクアシツド自体は、センダン科の
1種である植物の果皮より得られた抽出物のひと
つであり、1967年から1968年にかけた単離及び構
造決定がなされた公知化合物であるが
〔Tetrahedron Letters,37,3571(1967)及び同
誌,34,3731(1968)(以下、文献“A”と略記す
る。)参照のこと。〕、その有用性についてはこれ
まで全く明らかにされておらず、本発明者等が初
めて見い出したものである。 〔発明の目的〕 本発明者らは、これらの知見に基づき、5α―
リダクターゼの作用を強力に阻害し、脱毛症、ア
クネ及び前立腺肥大症等のようななジヒドロテス
トステロンの産生過剰に起因する疾患の治療及
び/または予防に有用である5α―リダクターゼ
阻害剤を見い出すべく鋭意研究を行ない、今回ラ
ンジツクアシツドのエステル誘導体及びアミド誘
導体を新規に合成したところ、これらの化合物が
5α―リダクターゼ阻害作用を有することを見い
出し、本発明を完成した。 ランジツクアシツドのエステル類及びアミド類
としては、前述の文献“A”にそのジメチルエス
テルが開示されているが、その他のエステル類及
びアミド類については全く記載されておらず、そ
れ以後も明らかにされていないことから、全く新
規な化合物である。 文献“A”において、ジメチルエステルはラン
ジツクアシツド自体の化学構造を同定するための
手段として合成され、構造解析されているだけで
あつて、薬理作用の確認等の有用性の検討は全く
なされていない。従つて、本発明に含まれるエス
テル類及びアミド類の有用性(5α―リダクター
ゼ阻害作用を有しており、従つてジヒドロテスト
ステロンの産生過剰に起因する疾患の治療及び/
または予防に有用であること)については、今回
初めて見い出されたことである。 〔発明の構成〕 従つて、本発明は一般式 〔式中、(i)R1及びR2は、いずれか一方が水酸基
を表わし、他方が炭素数1〜12の直鎖または分枝
鎖アルコキシ基、フエノキシ基、アミノ基あるい
は式−NHR3または―N(R32で示される基(式
中、R3は炭素数1〜4の直鎖または分枝鎖アル
キル基を表わす。)を表わすか、あるいは(ii)R1
びR2はともに同じ基を表わし、炭素数2〜12の
直鎖または分枝鎖アルコキシ基、フエノキシ基、
アミノ基あるいは式−NHR3または―N(R32
示される基(式中、R3は前記と同じ意味を表わ
す。)を表わす。〕で示されるランジツクアシツド
誘導体、及びR1またはR2が水酸基を表わす場合
には、その非毒性塩である新規な誘導体に関す
る。 一般式()において、R1及びR2のいずれか
一方が水酸基を表わす場合(すなわち、ランジツ
クアシツド中に存在するふたつのカルボキシル基
のうち、いずれか一方のみがエステル化またはア
ミド化されている場合)には、本発明化合物はラ
ンジツクアシツドモノエステルまたはランジツク
アシツドモノアミドとして命名することができ
る。R1及びR2の定義からもわかるように、ラン
ジツクアシツドモノエステルまたは相当するモノ
アミドには、一般式 及び 〔式中、R1b及びR2bは、炭素数1〜12の直鎖ま
たは分枝鎖アルコキシ基、フエノキシ基、アミノ
基あるいは式−NHR3bまたは―N(R3b2で示さ
れる基(式中、R3bは炭素数1〜4の直鎖または
分枝鎖アルキル基を表わす。)を表わす。〕で示さ
れるふたつのモノ―置換体が考えられるが、本発
明において、特定の表示を行なわず単にモノエス
テルまたはモノアミドという表現を用いる場合に
は、一般式(b−1)で示される化合物及び一
般式(b−2)で示される化合物及びそれらの
混合物を含むものとする。 また、一般式()において、R1及びR2がと
もに水酸基を表わさない場合(すなわち、ふたつ
のカルボキシル基がともにエステル化またはアミ
ド化されている場合)には、本発明化合物はラン
ジツクアシツドビス(またはジ)エステルまたは
ランジツクアシツドビス(またはジ)アミドとし
て命令することができる。 一般式()において、R1及びR2で表わされ
る炭素数1〜12のアルコキシ基としては、メトキ
シ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチル
オキシ(アミルオキシ)、ヘキシルオキシ、ヘプ
チルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、デ
シルオキシ、ウンデシルオキシ、ドデシルオキシ
基及びそれらの異性体が挙げられ、いずれの基も
好ましい。 一般式(1)において、R3及びR3aで表わされる炭
素数1〜12のアルキル基としては、メチル、エチ
ル、プロピル、ブチル基及びそれらの異性体が挙
げられ、いずれの基も好ましい。 一般式()においてR1及びR2が表わす基と
しては、水酸基、アルコキシ基、フエノキシ基、
アミノ基、及び式−NHR3、―N(R32、―
NHR3aまたは―N(R3a)で示されるいずれの場
合も好ましい。 さらに、本発明に含まれる化合物としては、ラ
ンジツクアシツドのモノ置換体(モノエステルま
たはモノアミド)及び同ビス(またはジ)置換体
〔ビス(またはジ)エステルまたはビス(または
ジ)アミド〕のいずれの場合も好ましい。 一般式(1)で示される化合物の非毒性塩として
は、例えばナトリウムまたはカリウムの如きアル
カリ金属の塩、カルシウム又はマグネシウムの如
きアルカリ土類金属の塩、アンモニウム塩及び薬
学的に許容される(非毒性の)アミン塩が含まれ
る。カルボン酸とそのような塩を形成する適当な
アミンはよく知られており、例えばテトラメチル
アンモニウムの如きテトラアルキルアンモニウム
の塩、及びメチルアミン塩、ジメチルアミン塩、
シクロペンチルアミン塩、ベンジルアミン塩、フ
エネチルアミン塩、ピペリジン塩、モノエタノー
ルアミン塩、ジエタノールアミン塩、リジン塩、
アルギニン塩またはN―メチルグルカミン塩等の
有機アミン塩が挙げられる。 一般式(1)で示される本発明化合物は、すべて公
知の方法により製造することができる。すなわ
ち、構造式 で示されるランジツクアシツドを公知の方法でエ
ステル化またはアミド化することにより製造され
る。エステル化反応及びアミド化反応としては種
種の方法が知られているが、本発明化合物の製造
においてはそのほとんどの方法を用いることがで
きる。種々のエステル化反応及びアミド化反応
は、それぞれCalvin A.Buehlerら著、「Survey
of Organic Syntheses(volume及び)」
(John Wiley&Sons,Inc社より1970年及び1977
年に発行)のChapter14及び18に詳しく記載され
ているので参照されたい。 エステル化反応としては、例えば (1) ランジツクアシツドと所望のアルコールを酸
触媒下に反応させる方法、 (2) ランジツクアシツドと所望のジアゾアルカン
を用いる方法、 (3) ランジツクアシツドを適当な方法により酸ハ
ライドまたは混合酸無水物とした後、所望のア
ルコールと反応させる方法、及び (4) ジシクロヘキシルカルボジイミド(以下、
DCCと記する。)または2―クロロ―1―メチ
ルピリジニウムヨージド(以下、CMPIと略記
する。)の存在下、ランジツクアシツドと所望
のアルコールを反応させる方法、等が挙げられ
る。 (1)法は不活性有機溶媒、例えばベンゼン中、触
媒量の酸、例えば硫酸、塩酸、p―トルエンスル
ホン酸、三フツ化ホウ素の存在下または不存在
下、ランジツクアシツドと所望のアルコールを常
温または加温下に数時間から数日間反応させるこ
とにより行なわれる。反応中に生成する水は共沸
蒸留やモレキユラーシーブスを用いて除去するの
が好ましい。目的とするエステルによつては、所
望のアルコール中にランジツクアシツドを溶解し
室温で数日間放置するだけで簡単にエステル化が
進行する場合もある。 (2)法はランジツクアシツドと所望のジアゾアル
カンを不活性有機溶媒、例えばジエチルエーテ
ル、酢酸エチル、塩化メチレン、アセトン中、室
温から−10℃の温度、好ましくは0℃で反応させ
ることにより行なわれる。 (3)法はランジツクアシツドを不活性有機溶媒、
例えば塩化メチレン、テトラヒドロフラン、N,
N―ジメチルホルムアミド中、シユウ酸ジクロラ
イド、クロロギ酸イソブチルまたはピバロイルク
ロライド等を用いて室温から0℃で反応させ、酸
ハライドまたは混合酸無水物とした後、所望のア
ルコールと反応させることにより行なわれる。反
応はトリエチルアミンまたはピリジンのごとき塩
基の存在下に行なうのが好ましい。 (4)法のうち、DCCを用いる方法は、不活性有
機溶媒、例えばクロロホルム、塩化メチレン中、
ピリジンのごとき塩基の存在下、ランジツクアシ
ツドと所望のアルコールを室温から0℃で反応さ
せることにより行なわれる。またCMPIを用いる
方法は、Chemistry Letters,1045(1975)及び
Bull.Chem.Japan,50,1863(1977)に詳しく記
載されているが、例えば、不活性有機溶媒、例え
ば塩化メチレン、アセトン、アセトニトリル、ヘ
キサン、ベンゼン、トルエン中、好ましくはトリ
エチルアミン、ピリジン、4―ジメチルアミノピ
リジンのごとき塩基の存在下、ランジツクアシツ
ドと所望のアルコールとCMPIを室温から50℃で
数時間反応させることにより行なわれる。 アミド化反応としては、例えば (1) ランジツクアシツドを適当な方法により酸ハ
ライドまたは混合酸無水物とした後、所望のア
ミンと反応させる方法、及び (2) ランジツクアシツドまたはランジツクアシツ
ドのエステルと所望のアミンを反応させる方
法、等が挙げられる。 (1)法は、前記したエステル化法の(3)法と同様の
方法でランジツクアシツドの酸ハライドまたは混
合酸無水物へ導いた後、所望のアミンと室温で反
応させることにより行なわれる。反応はトリエチ
ルアミンまたはピリジンのごとき塩基の存在下に
行なうのが好ましい。 (2)法は、メタノールまたはエタノールのような
低級アルカノール中、好ましくは塩化アンモニウ
ムの存在下、ランジツクアシツドまたはそのエス
テルと所望のアミンを、50℃から溶媒の還流温度
で数時間反応させることにより行なわれる。 前記したエステル化反応及びアミド化反応にお
いては、ランジツクアシツド1モルに対して、所
望のアルコールまたはアミンは0.5モルから大過
剰、好ましくは1から2モル用いられる。このよ
うに得られた生成物は、モノ置換体とビス(ジ)
置換体の混合物であるので、公知の方法、例えば
再結晶あるいはシリカゲルまたはケイ酸マグネシ
ウムを用いた高速液体クロマトグラフイ、薄層ク
ロマトグラフイ、またはカラムクロマトグラフイ
等の方法により分離精製することができる。 出発原料として用いたランジツクアシツドは特
開昭60―243020号明細書に記載された方法によ
り、ランジウムドメスチカムジヤツクバージユー
ク等の果皮より抽出単離することができる。他方
の原料となるアルコール類またはアミン類は公知
化合物か、あるいは公知の方法により容易に製造
される。 一般式(1)で示される化合物の非毒性塩は公知の
方法により製造される。 〔効果〕 本発明の一般式()で示されるランジツクア
シツド誘導体、及びR1またはR2が水酸基を表わ
す場合には、その非毒性塩は、5α―リダクター
ゼ阻害作用を有するので、哺乳動物、特にヒトに
おける5α―リダクターゼによるジヒドロテスト
ステロンの産生過剰に起因する疾患の治療及び/
または予防に有用である。そのような疾患として
は、例えば男性型脱毛症をはじめとする脱毛症、
アクネ及び前立腺肥大症が挙げられる。 本発明化合物の5α―リダクターゼ阻害作用は、
以下に述べるスクリーニング系により確認され
た。 5α―リダクターゼに対する阻害作用 (1) 実験方法 J.Shimazakiらの方法〔Endocrinol,
Japon.,18,179(1971)参照のこと〕を参考に
して行なつた。すなわち雄性ラツトの前立腺4
gを3倍容の0.25Mシユ糖を含む0.1MHEPES
(PH7.4)でホモネジネートした後遠心分離した
(3000rpmで10分間)。沈殿を上記緩衝液10mlに
懸濁し、再び遠心分離(3000rpmで5分間)し
て得られた沈渣に上記緩衝液3mlを加えて懸濁
し、酵素溶液とした。 酵素活性の測定は〔4―14C〕―テストステ
ロン(1.5nmol,1.5×105cpm)、NADPH
(0.5μmol)、上記酵素溶液(0.03ml)及び種々
の濃度(2mM、1mM及び0.2mM)の検体を含
む全容0.1mlの反応溶液を37℃で60分間インキ
ユベートした。酵素反応はクロロホルムとメタ
ノール(1:2)の混合液0.4mlを加えて停止
し、その後遠心分離(2000rpmで3分間)し、
得られた上清50μをシリカゲル薄層プレート
にスポツトし、クロロホルム、メタノール及び
酢酸(99.2:0.6:0.2)の混合液を用いて分離
した。プレートをオートラジオグラフイにか
け、生成したジヒドロテストステロンの放射活
性をTLCスキヤナーを用いて測定し、酵素活
性阻害率を算出した。結果を表1に示す。 (2) 結果 【表】 実験結果より、本発明化合物は、5α―リダク
ターゼ阻害作用を有することが確認された。従つ
て、哺乳動物、特にヒトにおける5α―リダクタ
ーゼによるジヒドロテストステロンの産生過剰に
起因する疾患の治療及び/または予防に有用であ
る。さらに、本発明化合物の毒性は非常に低いも
のであり、医薬品として十分安全に使用できるこ
とが確認された。 本発明に含まれる化合物を上記の目的で用いる
には、通常全身的(主として前立腺肥大症の治療
及び/または予防の場合)または局所的(主とし
て脱毛症及びアクネの治療及び/または予防の場
合)に、経口または非経口で投与される。投与量
は年令、体重、症状、治療効果、投与方法、処理
時間等により異なるが、前立腺肥大症の治療及
び/または予防の場合は、通常成人ひとり当り、
1回に1mg〜1g、好ましくは20mg〜200mgの範
囲で1日1回から数回経口投与されるか、または
成人ひとり当り、1回に100μg〜100mg、好まし
くは1mg〜10mgの範囲で1日1回から数回非経口
投与(好ましくは静脈内投与)される。脱毛症及
びアクネの治療及び/または予防の場合は、通常
成人ひとり当り、1回に10μg〜50mg、好ましく
は100μg〜5mgの範囲で1日1回から数回経皮
投与される。もちろん前記したように投与量は
種々の条件で変動するので、上記投与範囲より少
ない量で十分な場合もあるし、また範囲を越えて
投与する必要のある場合もある。 本発明による経口投与のための固体組成物とし
ては、錠剤、散剤、顆粒剤等が含まれる。このよ
うな固体組成物においては、ひとつまたはそれ以
上の活性物質が、少なくともひとつの不活性な希
釈剤、例えば乳糖、マンニトール、ブドウ糖、ヒ
ドロキシプロピルセルロース、微結晶セルロー
ス、デンプン、ポリビニルピロリドン、メタケイ
酸アルミン酸マグネシウムと混合される。組成物
は、常法に従つて、不活性な希釈剤以外の添加
剤、例えばステアリン酸マグネシウムのような潤
滑剤や繊維素グルコン酸カルシウムのような崩壊
剤を含有していてもよい。錠剤または丸剤は必要
により白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセル
ロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフ
タレートなどの胃溶性あるいは腸溶性物質のフイ
ルムで被膜してもよいし、また2以上の層で被膜
してもよい。さらにゼラチンのような吸収されう
る物質のカプセルも包含される。 経口投与のための液体組成物は、薬剤的に許容
される乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、シロツプ剤、エ
リキシル剤等を含み、一般的に用いられる不活性
な希釈剤、例えば精製水、エタノールを含む。こ
の組成物は不活性な希釈剤以外に湿潤剤、懸濁剤
のような補助剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、防腐
剤を含有していてもよい。 経口投与のためのその他の組成物としては、ひ
とつまたそれ以上の活性物質を含み、それ自体公
知の方法により処方されるスプレー剤が含まれて
いる。 本発明による非経口投与のための注射剤として
は、無菌の水性または非水性の溶液剤、懸濁剤、
乳濁剤を包含する。水性の溶液剤、懸濁剤として
は例えば注射用蒸留及び生理食塩水が含まれる。
非水性の溶液剤、懸濁剤としては、例えばプロピ
レングリコール、ポリエチレングリコール、オリ
ーブ油のような植物油、エタノールのようなアル
コール類、ポリソルベート80等がある。このよう
な組成物は、さらに防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分
散剤のような補助剤を含んでもよい。これらは例
えばバクテリア保留フイルターを通す過、殺菌
剤の配合または照射によつて無菌化される。こら
れはまた無菌の固体組成物を製造し、使用前に無
菌水または無菌の注射用溶媒に溶解して使用する
こともできる。 非経口投与のためのその他の成物としては、ひ
とつまたはそれ以上の活性物質を含み、それ自体
公知の方法により処方される。外用液剤、軟コウ
のような塗布剤、直脹内投与のための坐剤及び膣
内投与のためのペツサリー等が含まれる。 特に脱毛症またはアクネの治療及び予防のため
の経皮投与用の組成物としては、ローシヨン、ト
ニツク、スプレー、溶液剤、懸濁剤、乳液のよう
な外用液剤及び軟コウ、ゲル、クリームのような
塗布剤が含まれる。このような組成物において
は、ひとつまたはそれ以上の活性物質が、少なく
ともひとつの不活性な希釈剤、例えば蒸留水、エ
タノールのような低級アルコール、セタノールの
ような高級アルコール、ポリエチレングリコー
ル、プロピレングリコールのような多価アルコー
ル、ヒドロキシプロピルセルロースのようなセル
ロース類、動物性及び植物性の脂肪、ワセリン、
ロウ、シリコン、オリーブ油のような植物油、界
面活性剤、酸化亜鉛等を含む。この組成物は上記
の希釈剤以外にも、湿潤剤、懸濁剤、芳香剤、防
腐剤のような補助剤を含んでもよい。 本発明に含まれる一般式(1)で示される化合物の
うち、好ましいものとしては、例えば、ランジツ
クアシツドのモノメチルエステル、モノエチルエ
ステル、モノプロピルエステル、モノブチルエス
テル、モノアミノエステル、モノヘキシルエステ
ル、モノヘプチルエステル、モノオクチルエステ
ル、モノノニルエステル、モノデシルエステル、
モノウンデシルエステル、モノドデシルエステ
ル、モノフエニルエステル、モノアミド、モノ―
N―メチルアミド、モノ―N―エチルアミド、モ
ノ―N―プロピルアミド、モノ―N―ブチルアミ
ド、モノ―N,N―ジメチルアミド、モノ―N,
N―ジエチルアミド、モノ―N,N―ジプロピル
アミド、モノ―N,N―ジブチルアミド、及びそ
れらに相当するジ(又はビス)エステル(ただ
し、ジメチルエステルは除く。)及び同アミド、
及びそれらに相当するアルキル部分の異性体、及
びそれらの非毒性塩を挙げることができる。 〔実施例〕 以下、参考例及び実施例により本発明を詳述す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。なお参考例及び実施例中の「TLC」、
「NMR」、「IR」及び「MS」は、各々「薄層クロ
マトグラフイ」、「核磁気共鳴スペクトル」、「赤外
吸収スペクトル」及び「質量分析」を表わす。ク
ロマトグラフイによる分離の箇所に記載されてい
るカツコ内の溶媒は使用した溶出溶媒または展開
溶媒を体積比で示している。特別の記載がない場
合には、IRはクロロホルム溶液で測定し、NMR
は重クロロホルム(CDCl3)溶液で測定してい
る。 生成物のうち、モノエステルまたはモノスアミ
ドは一般式(1b―1)で示される化合物と一般
式(1b―2)で示される化合物の混合物である。 実施例 1 ランジツクアシツドモノエチルエステル及び同
ジエチルエステル ランジツクアシツド1g、エタノール2ml、ベ
ンゼン20ml、モノキユラーシーブス4A 1g及び
触媒量のp―トルエンスルホン酸の混合物を室温
で2日間放置して反応させた。反応混合物を過
し、液を減圧濃縮した。得られた残留物をシリ
カゲルカラムクロマトグラフイ(酢酸エチル:n
―ヘキサン=1:9→3:7)で精製して、次の
物性植を有する標題化合物、モノエチルエステル
(無色油状)380mgとジエチルエステル(白色結
晶)120mgを得た。 (a) モノエチルエステル TLC(n―ヘキサン:酢酸エチル=7:3):
Rf0.60; NMR:δ5.38(1H,m)、4.96−4.54(6H,
m)、4.13及び4.11(合わせて2H,各々q)、
1.80(3H,bs)、1.73(6H,bs)、1.25(3H,
t)、0.93及び0.91(合わせて3H,各々s)、
0.73(3H,s); IR:ν2920、1715、1625、1435、1170、1110、
890cm-1; MS:m/e498、453、397. (b) ジエチルエステル 融点:44−46.5℃; TLC(n―ヘキサン:酢酸エチル=10:1):
Rf0.35; NMR:δ5.36(1H,m)、4.93−4.55(6H,
m)、4.09及び4.08(各々2H,q)、1.77(6H,
bs)、1.73(bs)、1.24(6H,t)、0.92(3H,
s)、0.71(3H,s); IR:ν2930、1720、1630、1435、1175、1110、
1020、890cm-1; MS:m/e256、481、425. 実施例 2 ランジツクアシツド モノイソプロピルエステ
ル及び同ジイソプロピルエステル ランジツクアシツド470mg、イソプロパノール
120mg、2―クロロ―1―メチルピリジニウムヨ
ージド383mg、トリエエチルアミン1ml、触媒量
の4―ジメチルアミノピリジン及び塩化メチレン
10mlの混合物を室温で2時間かきまぜた。反応混
合物を塩化メチレン30mlで希釈した後、水洗し、
無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。留物
をシリカゲルカラムクロマトグラフイ(酢酸エチ
ル:n―ヘキサン=1:9)で精製して、次の物
性値を有する標題化合物、モノイソプロピルエス
テル(無色油状)87mgとジイソプロピルエステル
(無色油状)221mgを得た。 (a) モノイソプロピルエステル TLC(n―ヘキサン:酢酸エチル=7:3):
Rf0.59; NMR:δ5.37(1H,m)、5.12−4.54(7H,
m)、1.75(3H,bs)、1.73(6H,bs)、1.23
(6H,d)、0.82及び0.81(合わせて3H,各々
s)、0.73及び0.72(合わせて3H,各々s); IR:ν2930、1710、1630、1440、1370、1280、
1240、1170、1140、1100、1040、890cm-1; MS:m/e512、453、439、397. (b) ジイソプロピルエステル TLC(n―ヘキサン:酢酸エチル=10:1):
Rf0.375; NMR:δ5.36(1H,m)、5.04−4.54(8H,
m)、1.78(3H,bs)、1.74(6H,bs)、1.22
(6H,d)、0.84(3H,s)、0.71(3H,s); IR:ν2930、1720、1440、1380、1280、1170、
1110、900cm-1; MS:m/e554、495、439. 実施例 3 ランジツクアシツドジフエニルエステル ランジツクアシツド470mgとシユウ酸クロリド
1mlの混合物を室温で30分間かきまぜた後減圧濃
縮して、ランジツクアシツドの酸ハライドを得
た。得られた酸ハライドに氷冷下、塩化メチレン
5mlに溶かしたフエノール150mgとピリジン0.3ml
を加えて室温で1時間かきまぜた。反応混合物を
酢酸エチル20mlで希釈し、希塩酸及び水で順次洗
浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮し
た。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフイ
(n―ヘキサン:酢酸エチル=10:1)で精製し
て、次の物性値を有する標題化合物(無色油状)
305mgを得た。 TLC(n―ヘキサン:酢酸エチル=1:1):
Rf0.45; NMR:δ7.36−6.92(10H,m)、5.39(1H,
m)、4.96−4.60(6H,m)、1.81(6H,bs)、
1.76(3H,bs)、0.89及び0.77(各々3H,
s); IR:ν2950、1750、1640、1600、1500、1385、
1195、1165、900cm-1; MS:m/e622、529、473、435. 実施例 4 ランジツクアシツド モノ―N,N―ジメチル
アミド及び同ビス―N,N′―ジメチルアミド ベンゼン12mlに溶かしたランジツクアシツド
470mgにトリエチルアミン0.7mlを室温で滴下し
た。滴下終了後、混合液に氷冷下イソブチルクロ
ロホルマート0.19mlを加え、20分間かきまぜて混
合酸無水物を得た。得られた溶液に40%ジメチル
アミン水溶液2mlを氷冷下に加え、1時間かきま
ぜた。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出
し、抽出液を減圧濃縮した。残留物をシリカゲル
カラムクロマトグラフイ(酢酸エチル:n―ヘキ
サン=3:7)で精製して、次の物性値を有する
標題化合物、モノジメチルアミド(白色粉末)93
mgとビスジメチルアミド(白色粉末)72mgを得
た。 (a) モノ―N,N―ジメチルアミド 融点:125−135℃; TLC(n―ヘキサン:酢酸エチル=1:1):
Rf0.47; NMR:δ5.38(1H,m)、4.98−4.52(6H,
m)、3.05及び3.03(各々3H,s)、1.76(3H,
bs)、1.74(6H,bs)、0.82及び0.73(各々3H,
s); IR:ν2950、1720、1600、1450、1410、1390、
1350、900cm-1; MS:m/e497、424、388. (b) ビス―N,N―ジメチルアミド 融点:132−135℃; TLC(n―ヘキサン:酢酸エチル=1:1):
Rf0.27; NMR:δ5.37(1H,m)、4.92−4.54(6H,
m)、4.01、3.96、3.90及び3.88(各3H,s)、
1.76(6H,bs)、1.70(3H,bs)、0.84及び0.73
(各々3H,s); IR:ν2950、1640、1405、900cm-1; MS:m/e524、509、480、438、424、382. 実施例 5 ランジツクアシツドモノアミド エタノール6mlに溶かしたランジツクアシツド
モノエチルエステル(実施例1(a)で製造した。)
100mgをオートクレーブ中、アンモニアガスを吹
き込み、100℃で2時間かきまぜた。反応混合物
を減圧濃縮し、得られた残留物をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフイ(n―ヘキサン:酢酸エチ
ル:酢酸=1:1:trace量)で精製し、次の物
性値を有する標題化合物29mg(白色粉末)を得
た。 融点:139−141.5℃; TLC(n―ヘキサン:酢酸エチル=1:2):
Rf0.41; NMR:δ7.32、7.00、6.05及び5.63(NH,合わ
せて2H)、5.37(1H,m)、4.94−4.54(6H,
m)、1.74(6H,bs)、1.73(3H,bs)、0.79、
0.78、0.72及び0.71(合わせて6H,各々s); IR:ν2940、1700、1640、900cm-1: MS:m/e469、397. 以下、ランジツクアシツドと、それぞれn―ア
ミルアルコール、n―デシルアルコール、40%メ
チルアミン水溶液及びアンモニア水を用いて、そ
れぞれ実施例1、2、4及び4と同様にして、下
表に示す本発明化合物を得た。 【表】 【表】 製剤例 1 ランジツクアシツドモノエチルエステルを含む
錠剤の製造 ランジツクアシツドモノエチルエステル5g、
繊維素グルコン酸カルシウム(崩壊剤)200mg、
ステアリン酸マグネシウム(潤滑剤)100mg及び
微結晶セルロース4.7gを常法により混合し打錠
して、一錠中に50mgの活性成分を含有する錠剤
100錠を得た。 製剤例 2 ランジツクアシツドモノエチルエステルを含む
ローシヨンの製造 ランジツクアシツドモノエチルエステル0.1g、
ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−M:登
録商標、日本曹達製)1.1g及び香料数滴を常法
により80%エタノールに溶かした全量を100mlと
して目的とするローシヨンを得た。 製剤例 3 ランジツクアシツドモノエチルエステルを含む
クリーム剤の製造 ポリエチレングリコール―400及びポリエチレ
ングリコール―4000(いずれも登録商標、日本油
脂製)それぞれ4.0g及びセタノール0.5gの混合
物を80℃に加温溶解した後、ランジツクアシツド
モノエチルエステル0.1gを加えて十分溶解させ
て室温まで冷却した。混合物に香料数滴、さらに
精製水を加えながら十分にかきまぜて全量を10g
として目的とするクリーム剤を得た。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一般式 [式中、(i)R1及びR2は、いずれか一方が水酸基
    を表わし、他方が炭素数1〜12の直鎖または分枝
    鎖アルコキシ基、フエノキシ基、アミノ基あるい
    は式−NHR3または―N(R32で示される基(式
    中、R3は炭素数1〜4の直鎖または分枝鎖アル
    キル基を表わす。)を表わすか、あるいは(ii)R1
    びR2はともに同じ基を表わし、炭素数2〜12の
    直鎖または分枝鎖アルコキシ基、フエノキシ基、
    アミノ基あるいは式−NHR3または―N(R32
    示される基(式中、R3は前記と同じ意味を表わ
    す。)を表わす。] で示されるランジツクアシツド誘導体、または
    R1またはR2が水酸基を表わす場合には、その非
    毒性塩。 2 化合物がランジツクアシツドモノエチルエス
    テルまたは相当するジエチルエステルである特許
    請求の範囲第1項記載の誘導体。 3 化合物がランジツクアシツドモノイソプロピ
    ルエステルまたは相当するジイソプロピルエステ
    ルである特許請求の範囲第1項記載の誘導体。 4 化合物がランジツクアシツドモノ―n―アミ
    ルエステルまたは相当するジ―n―アミルエステ
    ルである特許請求の範囲第1項記載の誘導体。 5 化合物がランジツクアシツドモノ―n―デシ
    ルエステルまたは相当するジ―n―デシルエステ
    ルである特許請求の範囲第1項記載の誘導体。 6 化合物がランジツクアシツドモノフエニルエ
    ステルまたは相当するジフエニルエステルである
    特許請求の範囲第1項記載の誘導体。 7 化合物がランジツクアシツドモノアミドまた
    は相当するジアミドである特許請求の範囲第1項
    記載の誘導体。 8 化合物がランジツクアシツドモノ―N―メチ
    ルアミドまたは相当するビス―N―メチルアミド
    である特許請求の範囲第1項記載の誘導体。 9 化合物がランジツクアシツドモノ―N,N―
    ジメチルアミドまたは相当するビス―N,N―ジ
    メチルアミドである特許請求の範囲第1項記載の
    誘導体。
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