JPH0240725B2 - Baneyokokyododogokinoyobisonoseizoho - Google Patents
BaneyokokyododogokinoyobisonoseizohoInfo
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- JPH0240725B2 JPH0240725B2 JP27934386A JP27934386A JPH0240725B2 JP H0240725 B2 JPH0240725 B2 JP H0240725B2 JP 27934386 A JP27934386 A JP 27934386A JP 27934386 A JP27934386 A JP 27934386A JP H0240725 B2 JPH0240725 B2 JP H0240725B2
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Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は、非磁性で高電気伝導性が要求される
電気・電子部品のばね材として好適なばね用高強
度銅合金およびその製造法に関する。 〔従来の技術およびその問題点〕 導電部品の一種としての電気・電子部品用ばね
材料は非磁性であることと電気伝導性が優れてい
ることが要求される。従来、この種の導電用ばね
材料には例えば黄銅、洋白、リン青銅またはベリ
リウム銅などが用いられてきた。だが、黄銅は強
度、弾性および信頼性の面で劣り、洋白およびリ
ン青銅は強度、弾性が若干不足し且つ100℃以上
の温度では応力緩和特性が悪くなるという欠点を
有している。また、ベリリウム銅は価格が高く且
つ150℃以上の温度で応力緩和を起こし易いとい
う欠点を有している。 銅に適量のTiを含有させた時効硬化型のチタ
ン銅が最近開発された。このTi−Cuの二元系銅
合金は、強度および弾性が黄銅、洋白およびリン
青銅を上回り、耐熱性および耐応力緩和特性はベ
リリウム銅を含む従来の銅合金よりも優れること
が知られている。しかし、このTi−Cu二元系の
合金では、溶体化処理、焼入れおよび時効処理が
必要であり、また鋳造および熱間圧延が難しいた
めに製造上の制約が大きく、コスト高となつてい
る。加えて、この合金は溶体化処理時に結晶粒が
粗大化し易く、また時効処理時に粒界反応が発生
し易いので、その本来の特性を有効に発揮させる
には種々の問題があるのが実情である。 本発明は、このような従来の導電用ばね材料が
有する問題点を解決することを目的としてなされ
たものである。 〔問題点を解決する手段〕 本発明は、重量%において1.0〜2.0%のTiと0.1
〜2.0%のNiをTi/Niの比が1〜5の範囲で含有
し、残部がCuおよび不可避的不純物からなるば
ね用高強度銅合金を提供するものである。本発明
の合金は、TiとNiを上記の範囲で且つ適切な比
率でCuに添加することによつて、Cu−Ti系金属
間化合物、Ti−Ni系金属間化合物および/また
はCu−Ti−Ni系金属間化合物をCuマトリツクス
中に微細に分散析出させることによつてばね材に
とつて好ましい諸特性を発現させた点に基本的な
特徴がある。 そして、このばね材にとつて好ましい諸特性を
有利に発現させるための本発明合金の製造法とし
て、重量%において1.0〜2.0%のTiと0.1〜2.0%
のNiをTi/Niの比が1〜5の範囲で含有し、残
部がCuおよび不可避的不純物からなる鋳片を製
造する工程、 この鋳片を圧下率60%以上および熱延仕上温度
850℃以上のもとで熱間圧延したうえ、該熱延仕
上温度から300℃以下の温度まで30℃/分以上の
冷却速度で冷却して熱延板を得る工程、 得られた熱延板を圧下率50%以上のもとで第一
回目の冷間圧延を行い、次いで300〜600℃の温度
で5〜720分間の焼鈍を行う工程、 得られた冷延板を目標板厚まで冷間圧延によつ
て(数回の冷間圧延を行う場合には中間焼鈍を挟
んだ冷間圧延によつて)板厚減少を行う工程、 最終冷間圧延後に300〜750℃の温度で5〜180
秒のテンシヨン・アニールを行う工程、 からなるばね用高強度銅合金の製造法を提供する
ものである。 〔発明の詳述〕 本発明の銅合金における添加元素の含有量の範
囲選定理由について先ず説明する。 Cu−Ti系金属間化合物、Ti−Ni系金属間化合
物および/またはCu−Ti−Ni系金属間化合物を
Cuマトリツクス中に析出させることによつて強
化を図つた本発明合金においてTiおよびNiは不
可欠の元素である。 Ti含有量が1.0重量%未満ではNiとの共存下で
も強度、弾性および耐熱性の向上効果が少なく、
2.0重量%を超えてTiを含有させると析出物が過
度に多くなり合金の延性、折り曲げ性を低下させ
るのでTi含有量は1.0〜2.0重量%の範囲とする。 NiはTiと化合物を形成することによつて合金
の強度、弾性および耐熱性の向上に寄与し、ま
た、熱間組織の微細化および時効処理時の粒界反
応の抑制に寄与する。このような効果を発揮する
には、0.1重量%以上のNi含有量が必要である。
しかし、2.0重量%を超えて含有させるとTi−Ni
系の化合物の析出が進み、延性、折り曲げ性の低
下が著しくなる。したがつて、Ni含有量は0.1〜
2.0重量%の範囲とする。 そして、これらTiとNiの元素は、Cu−Ti系金
属間化合物、Ti−Ni系金属間化合物および/ま
たはCu−Ti−Ni系金属間化合物として析出する
ときに本来の有効性を発揮するので、重量%の比
率でTi/Niが1〜5の範囲となるように、前記
含有量の範囲内において各元素の配合比を調整す
る必要がある。Ti/Ni比が1より小さいと、Ti
−Ni系化合物の析出が少ないので導電率が低く
なり、また熱間組織が粗大になりやすく従つて折
り曲げ性が低下する。一方、Ti/Ni比が5より
も大きくなると、Ti−Ni系化合物が多量に析出
し、導電率は向上するが折り曲げ性が著しく低下
する。このようなことから、Ti;1.0〜2.0重量
%、Ni;0.1〜2.0重量%の範囲においてTi/Ni
を1〜5の範囲に調整することが必要であり、こ
れによつて、Cu−Ti系金属間化合物、Ti−Ni系
金属間化合物および/またはCu−Ti−Ni系金属
間化合物をCuマトリツクス中に微細に析出させ
てばね材に要求される諸特性を具備させることが
できる。 かような金属間化合物の析出によつて導電性ば
ね材料に要求される諸特性を発現するには、鋳片
から熱間圧延および冷間圧延を経て所望の板厚材
料に加工するさいの条件を適切にコントロールす
ることによつて有利に行い得る。 以下にその製造法の詳細を工程順に詳述する。 熱間圧延工程 TiとNiの含有量およびTi/Ni比を前記の範囲
に調整した鋳片を溶解鋳造によつて製造し、この
鋳片(鋳塊)を熱間圧延に供するのであるが、そ
のさいに、鋳片を900℃以上に加熱し、熱延圧下
率を60%以上、熱延仕上温度を850℃以上として
実施するのがよい。これによつて、鋳造組織を完
全につぶすことができ、且つ鋳塊に生じている偏
析の影響をなくすことができる。 そして、熱延仕上温度から300℃以下までの温
度域を30℃/分以上の冷却速度で冷却する。この
冷却は熱延したあと直ちに急水冷を実施すること
によつて行うのがよい。これによつて、Tiおよ
びNiが完全に固溶した熱延材を得ることができ
る。この熱延後の冷却を30℃/分より遅い冷却速
度で行うとその冷却過程でこれらの元素が析出し
て粗大な化合物を生じててしまうことが判明し
た。また、30℃/分以上の冷却速度で冷却したと
しても、その急冷開始温度が850℃より低い場合
にも同じく粗大な化合物を生じてしまうことがわ
かつた。この段階で析出する析出物は粗大であ
り、この粗大析出物によつては合金の強度、弾性
および耐熱性の向上は期待できず、逆に折り曲げ
性に悪影響を及ぼす。この粗大析出物を消失させ
るには溶体化処理をしなければならず、従つてコ
スト高になる。本発明においては、TiおよびNi
が完全に固溶した熱延板が得られるような熱延条
件を採用する点に一つの特徴がある。なお、この
急冷のさいの冷却終点温度については300℃以下
であればよい。300℃以下の温度では析出は実質
上起こらないからである。 冷間圧延および焼鈍工程 前工程で得られたTiおよびNiを完全に固溶し
た熱延板は次いで必要に応じて表面研削或いは酸
洗を行つたあと、焼鈍を挟んだ冷間圧延を数回行
つて所望板厚にまで冷延するのであるが、最初の
冷間圧延と焼鈍の条件を適切にすることによつて
この段階でCu−Ti系金属間化合物、Ti−Ni系金
属間化合物および/またはCu−Ti−Ni系金属間
化合物を微細に析出させる。 すなわち、第一回目の冷間圧延は圧下率50%以
上で行ない、この第一回目の冷間圧延後の焼鈍を
300〜600℃の温度で5〜720分間の条件で実施す
る。この第一回目の冷間圧延および焼鈍の条件は
本発明法において極めて重要である。 第一回目の冷間圧延の圧下率が50%未満では圧
延組織が均質化せず、引き続く焼鈍においてCu
−Ti系金属間化合物、Ti−Ni系金属間化合物お
よび/またはCu−Ti−Ni系金属間化合物が微細
に析出できなくなる。 この最初の冷延後の焼鈍を600℃を超える温度
で行うと析出物が粗大化して特性の向上が期待で
きなくなる。また、300℃未満の温度では析出さ
せるに要する時間が長くなりすぎるので好ましく
ない。従つて、この最初の焼鈍の温度は300〜600
℃で行うのがよく、そのさいの焼鈍時間について
は、5分未満では析出物の形成が不十分であり、
また720分を超えるような長時間では析出物の成
長および経済面から好ましくないので、5〜720
分とするのがよい。 この条件で第一回目の冷間圧延と焼鈍を行うこ
とによつてCu−Ti系金属間化合物、Ti−Ni系金
属間化合物および/またはCu−Ti−Ni系金属間
化合物が微細に析出した材料を得ることができ
る。以後は所望の厚さまで冷間圧延を行つて板厚
減少を行えばよい。そのさい数回の冷間圧延を行
う場合には中間焼鈍を挟んでもよい。 テンシヨン・アニール工程 所望板厚まで冷間圧延した冷延材に適度の張力
をかけながら300〜750℃の温度で5〜180秒のテ
ンシヨン・アニール処理を実施する。このテンシ
ヨン・アニール処理によつて均質且つ平坦度の高
い製品を得ることができ、また材料の延性、折り
曲げ性が向上する。テンシヨン・アニール処理の
実施にさいして、300℃未満の温度ではこれらの
効果を発揮するに要する時間が長くなり、酸化や
経済性の面から好ましくない。また750℃を超え
る温度では短時間でも材料が軟化してしまう。ま
た、その処理時間については、5秒未満では均質
化が不十分であり180秒を超えても効果には差が
現れない。このようなことから、テンシヨン・ア
ニールは300〜750℃の温度で5〜180秒間の処理
条件で実施するのがよい。 以下に実施例を挙げて本発明合金の効果を具体
的に示す。 〔実施例〕 第1表にその化学成分値(重量%)を示すNo.1
〜No.9の銅合金を高周波溶解炉を用いて溶製し、
400mm×30mm×140mmの鋳塊を鋳造した。この鋳塊
を40mm×30mm×5mmの大きさに切断し、この鋳片
を950℃で均熱したあと、厚さ1.2mmまで熱間圧延
を行い、900℃の温度から水中に冷却した。この
時の冷却速度は30℃/分を十分に超え且つ終点温
度も300℃を十分に下回つていた。 得られた熱延板を厚さ1.0mmまで面削を行つた
あと、厚さ0.45mmまで冷間圧延した。次いでこの
冷延板に500℃×60分の焼鈍を施した。 そして、圧下率10%で冷間圧延を行つて厚さが
0.4mmの冷延板を得た。得られた冷延板を8Kg
f/mm2の張力を加えながら400℃×30秒のテンシ
ヨン・アニール処理を施した。この処理を終えた
材料を試験材とした。 得られた試験材を用いて硬度、引張強さ、ばね
限界値、導電率、耐熱性および折り曲げ性を調べ
た結果を第1表に併記した。硬度、引張強さ、ば
ね限界値および導電率の測定は、それぞれJIS Z
2244、JIS Z 2241、JIS H 3130およびJIS
H 0505に従つて行つた。耐熱性は400℃の温度
30分間加熱保持後の硬度が、初期硬度の80%以上
であれば〇、80%より小さいものは×として評価
した。折り曲げ性は90゜W曲げ試験(CES−
M0002−6、R=0.3mm)を行い、中央部山表面
が良好なものを〇、シワが発生したものを△、割
れが発生したものを×として評価した。
電気・電子部品のばね材として好適なばね用高強
度銅合金およびその製造法に関する。 〔従来の技術およびその問題点〕 導電部品の一種としての電気・電子部品用ばね
材料は非磁性であることと電気伝導性が優れてい
ることが要求される。従来、この種の導電用ばね
材料には例えば黄銅、洋白、リン青銅またはベリ
リウム銅などが用いられてきた。だが、黄銅は強
度、弾性および信頼性の面で劣り、洋白およびリ
ン青銅は強度、弾性が若干不足し且つ100℃以上
の温度では応力緩和特性が悪くなるという欠点を
有している。また、ベリリウム銅は価格が高く且
つ150℃以上の温度で応力緩和を起こし易いとい
う欠点を有している。 銅に適量のTiを含有させた時効硬化型のチタ
ン銅が最近開発された。このTi−Cuの二元系銅
合金は、強度および弾性が黄銅、洋白およびリン
青銅を上回り、耐熱性および耐応力緩和特性はベ
リリウム銅を含む従来の銅合金よりも優れること
が知られている。しかし、このTi−Cu二元系の
合金では、溶体化処理、焼入れおよび時効処理が
必要であり、また鋳造および熱間圧延が難しいた
めに製造上の制約が大きく、コスト高となつてい
る。加えて、この合金は溶体化処理時に結晶粒が
粗大化し易く、また時効処理時に粒界反応が発生
し易いので、その本来の特性を有効に発揮させる
には種々の問題があるのが実情である。 本発明は、このような従来の導電用ばね材料が
有する問題点を解決することを目的としてなされ
たものである。 〔問題点を解決する手段〕 本発明は、重量%において1.0〜2.0%のTiと0.1
〜2.0%のNiをTi/Niの比が1〜5の範囲で含有
し、残部がCuおよび不可避的不純物からなるば
ね用高強度銅合金を提供するものである。本発明
の合金は、TiとNiを上記の範囲で且つ適切な比
率でCuに添加することによつて、Cu−Ti系金属
間化合物、Ti−Ni系金属間化合物および/また
はCu−Ti−Ni系金属間化合物をCuマトリツクス
中に微細に分散析出させることによつてばね材に
とつて好ましい諸特性を発現させた点に基本的な
特徴がある。 そして、このばね材にとつて好ましい諸特性を
有利に発現させるための本発明合金の製造法とし
て、重量%において1.0〜2.0%のTiと0.1〜2.0%
のNiをTi/Niの比が1〜5の範囲で含有し、残
部がCuおよび不可避的不純物からなる鋳片を製
造する工程、 この鋳片を圧下率60%以上および熱延仕上温度
850℃以上のもとで熱間圧延したうえ、該熱延仕
上温度から300℃以下の温度まで30℃/分以上の
冷却速度で冷却して熱延板を得る工程、 得られた熱延板を圧下率50%以上のもとで第一
回目の冷間圧延を行い、次いで300〜600℃の温度
で5〜720分間の焼鈍を行う工程、 得られた冷延板を目標板厚まで冷間圧延によつ
て(数回の冷間圧延を行う場合には中間焼鈍を挟
んだ冷間圧延によつて)板厚減少を行う工程、 最終冷間圧延後に300〜750℃の温度で5〜180
秒のテンシヨン・アニールを行う工程、 からなるばね用高強度銅合金の製造法を提供する
ものである。 〔発明の詳述〕 本発明の銅合金における添加元素の含有量の範
囲選定理由について先ず説明する。 Cu−Ti系金属間化合物、Ti−Ni系金属間化合
物および/またはCu−Ti−Ni系金属間化合物を
Cuマトリツクス中に析出させることによつて強
化を図つた本発明合金においてTiおよびNiは不
可欠の元素である。 Ti含有量が1.0重量%未満ではNiとの共存下で
も強度、弾性および耐熱性の向上効果が少なく、
2.0重量%を超えてTiを含有させると析出物が過
度に多くなり合金の延性、折り曲げ性を低下させ
るのでTi含有量は1.0〜2.0重量%の範囲とする。 NiはTiと化合物を形成することによつて合金
の強度、弾性および耐熱性の向上に寄与し、ま
た、熱間組織の微細化および時効処理時の粒界反
応の抑制に寄与する。このような効果を発揮する
には、0.1重量%以上のNi含有量が必要である。
しかし、2.0重量%を超えて含有させるとTi−Ni
系の化合物の析出が進み、延性、折り曲げ性の低
下が著しくなる。したがつて、Ni含有量は0.1〜
2.0重量%の範囲とする。 そして、これらTiとNiの元素は、Cu−Ti系金
属間化合物、Ti−Ni系金属間化合物および/ま
たはCu−Ti−Ni系金属間化合物として析出する
ときに本来の有効性を発揮するので、重量%の比
率でTi/Niが1〜5の範囲となるように、前記
含有量の範囲内において各元素の配合比を調整す
る必要がある。Ti/Ni比が1より小さいと、Ti
−Ni系化合物の析出が少ないので導電率が低く
なり、また熱間組織が粗大になりやすく従つて折
り曲げ性が低下する。一方、Ti/Ni比が5より
も大きくなると、Ti−Ni系化合物が多量に析出
し、導電率は向上するが折り曲げ性が著しく低下
する。このようなことから、Ti;1.0〜2.0重量
%、Ni;0.1〜2.0重量%の範囲においてTi/Ni
を1〜5の範囲に調整することが必要であり、こ
れによつて、Cu−Ti系金属間化合物、Ti−Ni系
金属間化合物および/またはCu−Ti−Ni系金属
間化合物をCuマトリツクス中に微細に析出させ
てばね材に要求される諸特性を具備させることが
できる。 かような金属間化合物の析出によつて導電性ば
ね材料に要求される諸特性を発現するには、鋳片
から熱間圧延および冷間圧延を経て所望の板厚材
料に加工するさいの条件を適切にコントロールす
ることによつて有利に行い得る。 以下にその製造法の詳細を工程順に詳述する。 熱間圧延工程 TiとNiの含有量およびTi/Ni比を前記の範囲
に調整した鋳片を溶解鋳造によつて製造し、この
鋳片(鋳塊)を熱間圧延に供するのであるが、そ
のさいに、鋳片を900℃以上に加熱し、熱延圧下
率を60%以上、熱延仕上温度を850℃以上として
実施するのがよい。これによつて、鋳造組織を完
全につぶすことができ、且つ鋳塊に生じている偏
析の影響をなくすことができる。 そして、熱延仕上温度から300℃以下までの温
度域を30℃/分以上の冷却速度で冷却する。この
冷却は熱延したあと直ちに急水冷を実施すること
によつて行うのがよい。これによつて、Tiおよ
びNiが完全に固溶した熱延材を得ることができ
る。この熱延後の冷却を30℃/分より遅い冷却速
度で行うとその冷却過程でこれらの元素が析出し
て粗大な化合物を生じててしまうことが判明し
た。また、30℃/分以上の冷却速度で冷却したと
しても、その急冷開始温度が850℃より低い場合
にも同じく粗大な化合物を生じてしまうことがわ
かつた。この段階で析出する析出物は粗大であ
り、この粗大析出物によつては合金の強度、弾性
および耐熱性の向上は期待できず、逆に折り曲げ
性に悪影響を及ぼす。この粗大析出物を消失させ
るには溶体化処理をしなければならず、従つてコ
スト高になる。本発明においては、TiおよびNi
が完全に固溶した熱延板が得られるような熱延条
件を採用する点に一つの特徴がある。なお、この
急冷のさいの冷却終点温度については300℃以下
であればよい。300℃以下の温度では析出は実質
上起こらないからである。 冷間圧延および焼鈍工程 前工程で得られたTiおよびNiを完全に固溶し
た熱延板は次いで必要に応じて表面研削或いは酸
洗を行つたあと、焼鈍を挟んだ冷間圧延を数回行
つて所望板厚にまで冷延するのであるが、最初の
冷間圧延と焼鈍の条件を適切にすることによつて
この段階でCu−Ti系金属間化合物、Ti−Ni系金
属間化合物および/またはCu−Ti−Ni系金属間
化合物を微細に析出させる。 すなわち、第一回目の冷間圧延は圧下率50%以
上で行ない、この第一回目の冷間圧延後の焼鈍を
300〜600℃の温度で5〜720分間の条件で実施す
る。この第一回目の冷間圧延および焼鈍の条件は
本発明法において極めて重要である。 第一回目の冷間圧延の圧下率が50%未満では圧
延組織が均質化せず、引き続く焼鈍においてCu
−Ti系金属間化合物、Ti−Ni系金属間化合物お
よび/またはCu−Ti−Ni系金属間化合物が微細
に析出できなくなる。 この最初の冷延後の焼鈍を600℃を超える温度
で行うと析出物が粗大化して特性の向上が期待で
きなくなる。また、300℃未満の温度では析出さ
せるに要する時間が長くなりすぎるので好ましく
ない。従つて、この最初の焼鈍の温度は300〜600
℃で行うのがよく、そのさいの焼鈍時間について
は、5分未満では析出物の形成が不十分であり、
また720分を超えるような長時間では析出物の成
長および経済面から好ましくないので、5〜720
分とするのがよい。 この条件で第一回目の冷間圧延と焼鈍を行うこ
とによつてCu−Ti系金属間化合物、Ti−Ni系金
属間化合物および/またはCu−Ti−Ni系金属間
化合物が微細に析出した材料を得ることができ
る。以後は所望の厚さまで冷間圧延を行つて板厚
減少を行えばよい。そのさい数回の冷間圧延を行
う場合には中間焼鈍を挟んでもよい。 テンシヨン・アニール工程 所望板厚まで冷間圧延した冷延材に適度の張力
をかけながら300〜750℃の温度で5〜180秒のテ
ンシヨン・アニール処理を実施する。このテンシ
ヨン・アニール処理によつて均質且つ平坦度の高
い製品を得ることができ、また材料の延性、折り
曲げ性が向上する。テンシヨン・アニール処理の
実施にさいして、300℃未満の温度ではこれらの
効果を発揮するに要する時間が長くなり、酸化や
経済性の面から好ましくない。また750℃を超え
る温度では短時間でも材料が軟化してしまう。ま
た、その処理時間については、5秒未満では均質
化が不十分であり180秒を超えても効果には差が
現れない。このようなことから、テンシヨン・ア
ニールは300〜750℃の温度で5〜180秒間の処理
条件で実施するのがよい。 以下に実施例を挙げて本発明合金の効果を具体
的に示す。 〔実施例〕 第1表にその化学成分値(重量%)を示すNo.1
〜No.9の銅合金を高周波溶解炉を用いて溶製し、
400mm×30mm×140mmの鋳塊を鋳造した。この鋳塊
を40mm×30mm×5mmの大きさに切断し、この鋳片
を950℃で均熱したあと、厚さ1.2mmまで熱間圧延
を行い、900℃の温度から水中に冷却した。この
時の冷却速度は30℃/分を十分に超え且つ終点温
度も300℃を十分に下回つていた。 得られた熱延板を厚さ1.0mmまで面削を行つた
あと、厚さ0.45mmまで冷間圧延した。次いでこの
冷延板に500℃×60分の焼鈍を施した。 そして、圧下率10%で冷間圧延を行つて厚さが
0.4mmの冷延板を得た。得られた冷延板を8Kg
f/mm2の張力を加えながら400℃×30秒のテンシ
ヨン・アニール処理を施した。この処理を終えた
材料を試験材とした。 得られた試験材を用いて硬度、引張強さ、ばね
限界値、導電率、耐熱性および折り曲げ性を調べ
た結果を第1表に併記した。硬度、引張強さ、ば
ね限界値および導電率の測定は、それぞれJIS Z
2244、JIS Z 2241、JIS H 3130およびJIS
H 0505に従つて行つた。耐熱性は400℃の温度
30分間加熱保持後の硬度が、初期硬度の80%以上
であれば〇、80%より小さいものは×として評価
した。折り曲げ性は90゜W曲げ試験(CES−
M0002−6、R=0.3mm)を行い、中央部山表面
が良好なものを〇、シワが発生したものを△、割
れが発生したものを×として評価した。
【表】
第1表の結果から次のことが明らかである。
本発明によるNo.1〜No.5の合金は、硬度、引張
強さ、ばね限界値、導電率のバランスに優れ、且
つ耐熱性および折り曲げ性も良好である。したが
つて、導電用のばね用高強度材料として非常に優
れた合金であることがわかる。 これに対して、Tiが本発明で規定する量より
少ない比較合金No.6は、硬度、引張強さ並びにば
ね限界値が低い。Tiが本発明で規定する量より
多い比較合金No.7は折り曲げ性が悪い。そして、
TiおよびNiの含有量は本発明で規定する範囲で
あつても、Ti/Ni比が5より大きい比較合金No.
8、およびTi/Ni比が1より小さい比較合金No.
9は、ともに折り曲げ性が悪い。 以上のように、本発明は高強度且つ高弾性を有
すると共に耐熱性、折り曲げ性に優れたばね用銅
合金を提供するものであり、電気・電子部品の軽
薄短小化、高信頼化を可能にするものである。
強さ、ばね限界値、導電率のバランスに優れ、且
つ耐熱性および折り曲げ性も良好である。したが
つて、導電用のばね用高強度材料として非常に優
れた合金であることがわかる。 これに対して、Tiが本発明で規定する量より
少ない比較合金No.6は、硬度、引張強さ並びにば
ね限界値が低い。Tiが本発明で規定する量より
多い比較合金No.7は折り曲げ性が悪い。そして、
TiおよびNiの含有量は本発明で規定する範囲で
あつても、Ti/Ni比が5より大きい比較合金No.
8、およびTi/Ni比が1より小さい比較合金No.
9は、ともに折り曲げ性が悪い。 以上のように、本発明は高強度且つ高弾性を有
すると共に耐熱性、折り曲げ性に優れたばね用銅
合金を提供するものであり、電気・電子部品の軽
薄短小化、高信頼化を可能にするものである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 重量%において1.0〜2.0%のTiと0.1〜2.0%
のNiをTi/Niの比が1〜5の範囲で含有し、残
部がCuおよび不可避的不純物からなるばね用高
強度銅合金。 2 重量%において1.0〜2.0%のTiと0.1〜2.0%
のNiをTi/Niの比が1〜5の範囲で含有し、残
部がCuおよび不可避的不純物からなる鋳片を製
造する工程、 この鋳片を圧下率60%以上および熱延仕上温度
850℃以上のもとで熱間圧延したうえ、該熱延仕
上温度から300℃以下の温度まで30℃/分以上の
冷却速度で冷却して熱延板を得る工程、 得られた熱延板を圧下率50%以上のもとで第一
回目の冷間圧延を行い、次いで300〜600℃の温度
で5〜720分間の焼鈍を行う工程、 得られた冷延板を目標板厚まで冷間圧延によつ
て板厚減少を行う工程、そして、 最終冷間圧延後に300〜750℃の温度で5〜180
秒のテンシヨン・アニールを行う工程、 からなるばね用高強度銅合金の製造法。 3 目標板厚まで冷間圧延によつて板厚減少を行
う工程は、中間焼鈍を挟んだ数回の冷間圧延によ
つて行う特許請求の範囲第2項記載の製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27934386A JPH0240725B2 (ja) | 1986-11-22 | 1986-11-22 | Baneyokokyododogokinoyobisonoseizoho |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27934386A JPH0240725B2 (ja) | 1986-11-22 | 1986-11-22 | Baneyokokyododogokinoyobisonoseizoho |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS63134640A JPS63134640A (ja) | 1988-06-07 |
| JPH0240725B2 true JPH0240725B2 (ja) | 1990-09-13 |
Family
ID=17609851
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP27934386A Expired - Lifetime JPH0240725B2 (ja) | 1986-11-22 | 1986-11-22 | Baneyokokyododogokinoyobisonoseizoho |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0240725B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0689440B2 (ja) * | 1988-06-08 | 1994-11-09 | 同和鉱業株式会社 | プレス成形性に優れた高強度導電性銅基合金の製造法 |
-
1986
- 1986-11-22 JP JP27934386A patent/JPH0240725B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS63134640A (ja) | 1988-06-07 |
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