JPH0250165B2 - - Google Patents
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- JPH0250165B2 JPH0250165B2 JP16057082A JP16057082A JPH0250165B2 JP H0250165 B2 JPH0250165 B2 JP H0250165B2 JP 16057082 A JP16057082 A JP 16057082A JP 16057082 A JP16057082 A JP 16057082A JP H0250165 B2 JPH0250165 B2 JP H0250165B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- decarburization
- slag
- refining
- steel
- inert gas
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-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21C—PROCESSING OF PIG-IRON, e.g. REFINING, MANUFACTURE OF WROUGHT-IRON OR STEEL; TREATMENT IN MOLTEN STATE OF FERROUS ALLOYS
- C21C5/00—Manufacture of carbon-steel, e.g. plain mild steel, medium carbon steel or cast steel or stainless steel
- C21C5/005—Manufacture of stainless steel
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Metallurgy (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)
Description
本発明は、含クロム鋼の脱炭・還元精錬法に関
するものである。 含クロム鋼の脱炭精錬法には、耐火物で内張り
された精錬炉内の溶鋼中に底部から酸素又は酸素
及びアルゴン等の不活性ガスを吹込むAOD法
(Argon Oxygen Decarburization)、同様の炉
内の溶鋼中に上方又は炉の底部から酸素又は酸素
及びアルゴン等の不活性ガスを吹込む転炉法、及
び減圧下で同様の炉内の溶鋼中に上方から酸素、
下方からアルゴン等の不活性ガスを吹込むVOD
法(Vacuum Oxygen Decarburization)等があ
るが、いずれの方法においても、最大の課題は耐
火物コスト及び不活性ガスコストを如何にして下
げるかである。 以下に、本発明の詳細を、AOD法を例にあげ
て説明する。 AOD法は第1図に示す如く溶鋼1を収容した
転炉2の炉底部側壁に取付けられた羽口3から酸
素ガスと不活性ガスの混合気体を吹込むため、溶
鋼の撹拌エネルギーは極めて大きい。このため溶
鋼と接触する耐火物は高温の溶鋼により激しく表
面を洗われるのでその損耗速度は極めて大きい。
近年耐火物の品質が改善され、又AOD法の操業
方法も著しい進歩を遂げたが、普通鋼転炉の炉体
寿命レベルである1000回以上にはほど遠いレベル
である。 炉体寿命を極力延長させるにはワン・ヒートの
精錬時間を出来るだけ短くしかつワン・ヒート精
錬過程で最も耐火物を溶損する時期を極力短縮す
ることである。 ステンレス鋼の精錬時におけるレンガ溶損速度
をMgO−Cr2O3系レンガを使用した場合を例とし
て第2図に示す。図中の各プロツトは1炉代の平
均値である。精錬時間とレンガ溶損率には強い相
関が認められ、例えばレンガ溶損率が2.5mm/ch
で、時間が10%短縮されれば、レンガ溶損率は約
1.9mm/chとなることが推定され、600mm長のレン
ガを用いた場合、寿命は240回から300回以上と大
幅な向上が期待出来る。 また、溶損された耐火物の量を知るための方法
として、例えばAOD炉に於いては一般的には
MgO−Cr2O3又はMgO−CaO系の耐火物を使用
しているので精錬の各過程におけるスラグ中の
MgOの増加量を求めればよい。この方法を用い
て精錬の各過程における耐火物溶損量を求めたの
が第3図である。この図からも明らかな如く、脱
炭終了後の還元期、脱硫期にスラグ中のMgO量
が著しく増加し、耐火物溶損量の著しい増加が認
められる。従つて耐火物の溶損は、還元脱硫期を
極力短縮すれば格段に少なくなることが予想さ
れ、同時に還元脱硫期の短縮によりこの間に吹込
まれる不活性ガスの大幅な削減が期待出来る。 以上のような考えから本発明者は種々の実験を
繰返した結果、還元脱硫期を大幅に短縮し、炉体
寿命の大幅な延長、即ち耐火物コストの大幅な削
減、還元脱硫時間短縮による能率向上及び吹込み
ガスの大幅な削減を可能とする含クロム鋼の精錬
方法を開発した。 なお、この目的を達成するため、本発明者は先
に、脱炭終了後還元剤および造滓剤を添加すると
ともに不活性ガスを吹込み、還元剤添加後3分以
内に出鋼することを主たる要旨とする発明をな
し、特願昭56−120069号(特公昭63−54045号公
報参照)として出願したが、本発明はそれをさら
に改善し、能率向上、コスト削減効果をより大き
くしようとするものである。 本発明は、含クロム鋼の脱炭・還元精錬におい
て、脱炭最終期に造滓剤の50%以上を添加し、脱
炭終了後に残りの造滓剤および還元剤を添加する
とともに不活性ガスを吹込み、還元剤添加後3分
以内に出鋼することを要旨とするものである。 以下に本発明をAOD法に適用した例に基づい
て詳細に説明する。第4図は本発明法をAOD法
に適用した例を従来のAOD精錬法と比較して示
したものである。 第4図aは従来のAOD精錬法を示し、装入炭
素含有量1.8%から脱炭を4期に分けて行う方法
を示している。AOD法においては鋼中の炭素を
クロムを酸化させずに効率よく脱炭するために、
鋼中炭素濃度に応じて、吹込む酸素とアルゴンの
比率を変化させている。第4図aの例では脱炭第
1期として、鋼中炭素濃度1.8〜0.5%の範囲を酸
素アルゴン比O2/Ar=4/1、第2期として炭
素濃度0.5〜0.25%の範囲をO2/Ar=2/1、第
3期として炭素濃度0.25〜0.12%の範囲をO2/Ar
=1/2、第4期(脱炭最終期)として炭素濃度
0.12〜0.06%の範囲をO2/Ar=1/3として脱炭
する例を示している。また、脱炭終了後脱炭過程
で酸化したクロムを回収しかつ脱硫を行うために
不活性ガスを吹込みつつ直ちに還元剤及び造滓剤
を添加し、十分撹拌し、還元反応を終了させた後
に必要であれば、排滓し、再度脱硫を行い、又成
分調整し、出鋼している。なお、脱炭期におい
て、酸素がCrと反応してCr2O3を生成し、その一
部がスラグ中へ移行する。この過程で溶鋼温度が
上昇するので、必要以上の高温とならないように
冷却材を添加する。冷却材としては普通鋼屑およ
び同系のステンレス鋼屑が用いられる。また、原
料中のSiが酸化しSiO2となるため脱炭過程中の
スラグ塩基度を適正に保つためCaOを添加する。
還元期に添加する還元剤としてはFe−Siが、造
滓剤としてはCaO、CaF2が用いられる。このよ
うな従来法の例では、酸化期に約45分、還元・脱
硫期に10〜15分要している。 第4図bは、先に出願した特願昭56−120069号
の方法の概要を示したものであり、脱炭期は従来
法と同一であるが、還元・脱硫期において還元剤
及び造滓剤の添加開始から3分以内に出鋼するこ
とを特徴としている。一般的に還元・脱硫に必要
な時間は明確な論拠はないが通常AOD法の場合、
5分以上の時間が作用されているが、本発明者
は、出鋼時の撹拌を利用することによつて、炉内
における還元・脱硫時間は3分で充分であること
を確認している。このように、脱炭終了後3分以
内に出鋼することにより、従来、10〜15分要して
いた還元脱硫期が大幅に短縮可能となり、すでに
述べた如く、レンガ原単位、ガス原単位、生産能
力の大幅な改善が可能となる。しかし、この方法
は、造滓剤添加後短時間の撹拌で出鋼するため、
造滓剤のCaO、CaF2と共に水分が持ち込まれた
場合それが水素として鋼中に残存するので、事前
に造滓剤を十分乾燥させておく必要がある。造滓
剤は非常に吸湿性が高いので、生産現場での水分
管理には難がある。 第4図cは本発明法を示すものである。すなわ
ち、添加する造滓剤の50%以上を脱炭最終期、即
ち第4期に分割投入する方法である。第4期に投
入された造滓剤は溶鋼の熱によつて乾燥脱水され
るので、脱炭終了後還元剤と残りの造滓剤を添加
し3分以内に出鋼しても出鋼後の溶鋼に水素が残
存して問題となることがない。 しかし、脱炭最終期に添加する造滓剤の量が多
すぎると、本発明法のような短時間の還元ではク
ロムの回収率が低下することが判明した。この原
因は、脱炭最終期に大量の造滓剤を添加すると、
脱炭終了時のスラグの塩基度が高くなるためスラ
グの融点が高くなり、還元剤投入後の還元速度が
遅くなるためであることが判明した。脱炭終了時
のスラグ塩基度とクロム歩留との関係を第5図に
示す。同図から脱炭終了時のスラグの塩基度を5
以下とすることによりクロムの回収率を高位安定
させ得ることがわかる。 第4図dはこれらの知見に基づく本発明の好ま
しい態様を示すものである。即ち脱炭最終期(第
4期)に酸素ガスを吹込まず不活性ガスのみを吹
込み、同時に、還元に必要な量を上限として、塩
基度を5以下とするために必要な還元剤(Fe−
Si)を添加することを特徴とした方法である。 先ず不活性ガスのみを吹込む脱炭法について簡
単に説明する。第4図dの例では、脱炭最終期
(第4期)の酸素吹込量を零として不活性ガスの
みを吹込み、脱炭を行うものである。このときの
脱炭に必要な酸素源としては、すでに脱炭第1期
から第3期に至る過程で、酸化し、スラグ中に多
量に存在するクロム酸(Cr2O3)、酸化鉄
(FeO)、酸化マンガン(MnO)等が用いられる。
不活性ガス吹込みによる強力な撹拌によつてこれ
ら酸化物を鋼中の炭素によつて還元する。これを
化学式で示すと以下の如くとなる (Cr2O3)+3〔C〕→3CO↑+2〔Cr〕
……(1) (FeO)+〔C〕→CO↑+〔Fe〕……(2) (MnO)+〔C〕→CO↑+〔Mn〕 ……(3) この還元反応の時にFe−Siを添加し(1)、(2)、
(3)の反応と同時進行的に以下の反応を起させる。 2(Cr2O3)+3〔Si〕→3(SiO2)+4Cr ……(4) 2(FeO)+〔Si〕→(SiO2)+2Fe ……(5) 2(MnO)+〔Si〕→(SiO2)+2Mn ……(6) 式(4)、(5)、(6)によつて生じた(SiO2)が脱炭
最終期(第4期、この場合は不活性ガス脱炭期)
に添加された造滓剤に対して塩基度を低下させる
作用をし、高塩基の状態が回避され還元脱硫が容
易に行える。またスラグの融点が低下し流動性が
増大し、スラグと溶鋼との撹拌が効率的となり脱
炭効率がより一層向上する。 又本発明法は第4図aに示す如く、出鋼前に排
滓することなく、全スラグを取鍋中に出鋼するこ
とを特徴としているので、スラグを取鍋に全量収
容しなければならない。このためにはスラグの量
を極力減少させることが望ましい。 このための方法として、先ず第一に還元後のス
ラグ中の(Al2O3)が5〜40%となるように
Al2O3源(例えば金属アルミニウム)を添加する
ことが望ましい。これによりCaO・SiO2・Al2O3
(MgO)系のスラグでより極めて流動性が向上
し、短時間の撹拌によりスラグの還元が十分に行
える状態となるとともに流動性確保のために添加
する蛍石(CaF2)の添加量が低減出来る。同時
に金属Alを添加した場合、 (Cr2O3)+2〔Al〕→(Al2O3)+2〔Cr〕 ……(7) の如き還元反応を生じ、一方金属Siを添加した場
合には (Cr2O3)+3/2Si→3/2(SiO2)+2〔Cr〕……(
8) の還元反応を生じる。このとき生成するスラグ量
は(Al2O3)1モルに対して(SiO2)1.5モルとな
り金属アルミによる還元の方が金属Siによる還元
よりもスラグ量は少なくなる。 以上の如く金属Alを添加することによりスラ
グの流動性が十分確保出来るとともにスラグ量の
低減を計れるものでこの例を第4図dに示す。 つぎに、脱炭期におけるクロムの酸化を極力少
なくすることが望ましく、そのために第4図eに
示すように脱炭中期(図では3期のうち0.25%C
から0.18%Cまでの間)に不活性ガスのみの吹込
みによる脱炭を行うのが望ましい。脱炭初期(第
2期)末迄にはすでにスラグ中には十分な酸化物
(Cr2O3)(FeO)(MnO)が存在するため、脱炭
中期の0.25%C〜0.18%Cの間の不活性ガス脱炭
による脱炭速度は通常のO2/Ar=1/2の吹錬
時とほとんど変らず効率よく脱炭することが可能
である。 この方法を用いることによつて脱炭最終期(第
4期)に添加すべき造滓剤(CaO)の量を減ずる
ことが可能となり、脱炭終了時のスラグの塩基度
を5以下にコントロールすることが容易となる。
同時に、還元すべきクロム酸の量を低減すること
も可能となり還元も短時間で十分に行うことが出
来る。第4図eの例では脱炭中期における不活性
ガス脱炭時の温度降下を回避するために0.18%C
から0.12%CまでO2/Ar=1/2で酸素吹錬脱
炭を行つている。 このように、脱炭中期において不活性ガスのみ
を吹込んで脱炭することは、特に極低炭素材(例
えばC≦0.03%のSUS304L)を精錬する際に好適
である。即ち極低炭材の場合には第4図fに示す
如く鋼中炭素を0.03%以下に迄脱炭しなければな
らず第4図aのような0.06%迄の脱炭に較べて脱
炭期でのクロム酸発生量は格段に多くなり、脱炭
最終期に添加すべき造滓剤の量が多量となり又還
元すべきクロム酸の量が多く、第4図fの方法を
用いても本発明の特徴である短時間撹拌による還
元脱硫を十分に行うことが困難となる。このよう
な問題を解決するために、脱炭中期において不活
性ガスのみを吹込む脱炭を行い、クロム酸の生成
量を極力抑え、かつ脱炭最終期にFe−Siを添加
して塩基度コントロールを行うことが望ましい。
また、還元後のスラグ中の(Al2O3)%が5〜40
%となるように脱炭後Alを添加するのが望まし
い。この方法を第4図gに示す。もちろん溶鋼温
度に余裕があればさらに高炭域でアルゴン脱炭を
行うことも可能でありよい結果をもたらす。 以上説明した第4図a〜gの各方法をSUS304
ステンレス鋼のAOD精錬に適用した実施例を表
1および表2に示す。
するものである。 含クロム鋼の脱炭精錬法には、耐火物で内張り
された精錬炉内の溶鋼中に底部から酸素又は酸素
及びアルゴン等の不活性ガスを吹込むAOD法
(Argon Oxygen Decarburization)、同様の炉
内の溶鋼中に上方又は炉の底部から酸素又は酸素
及びアルゴン等の不活性ガスを吹込む転炉法、及
び減圧下で同様の炉内の溶鋼中に上方から酸素、
下方からアルゴン等の不活性ガスを吹込むVOD
法(Vacuum Oxygen Decarburization)等があ
るが、いずれの方法においても、最大の課題は耐
火物コスト及び不活性ガスコストを如何にして下
げるかである。 以下に、本発明の詳細を、AOD法を例にあげ
て説明する。 AOD法は第1図に示す如く溶鋼1を収容した
転炉2の炉底部側壁に取付けられた羽口3から酸
素ガスと不活性ガスの混合気体を吹込むため、溶
鋼の撹拌エネルギーは極めて大きい。このため溶
鋼と接触する耐火物は高温の溶鋼により激しく表
面を洗われるのでその損耗速度は極めて大きい。
近年耐火物の品質が改善され、又AOD法の操業
方法も著しい進歩を遂げたが、普通鋼転炉の炉体
寿命レベルである1000回以上にはほど遠いレベル
である。 炉体寿命を極力延長させるにはワン・ヒートの
精錬時間を出来るだけ短くしかつワン・ヒート精
錬過程で最も耐火物を溶損する時期を極力短縮す
ることである。 ステンレス鋼の精錬時におけるレンガ溶損速度
をMgO−Cr2O3系レンガを使用した場合を例とし
て第2図に示す。図中の各プロツトは1炉代の平
均値である。精錬時間とレンガ溶損率には強い相
関が認められ、例えばレンガ溶損率が2.5mm/ch
で、時間が10%短縮されれば、レンガ溶損率は約
1.9mm/chとなることが推定され、600mm長のレン
ガを用いた場合、寿命は240回から300回以上と大
幅な向上が期待出来る。 また、溶損された耐火物の量を知るための方法
として、例えばAOD炉に於いては一般的には
MgO−Cr2O3又はMgO−CaO系の耐火物を使用
しているので精錬の各過程におけるスラグ中の
MgOの増加量を求めればよい。この方法を用い
て精錬の各過程における耐火物溶損量を求めたの
が第3図である。この図からも明らかな如く、脱
炭終了後の還元期、脱硫期にスラグ中のMgO量
が著しく増加し、耐火物溶損量の著しい増加が認
められる。従つて耐火物の溶損は、還元脱硫期を
極力短縮すれば格段に少なくなることが予想さ
れ、同時に還元脱硫期の短縮によりこの間に吹込
まれる不活性ガスの大幅な削減が期待出来る。 以上のような考えから本発明者は種々の実験を
繰返した結果、還元脱硫期を大幅に短縮し、炉体
寿命の大幅な延長、即ち耐火物コストの大幅な削
減、還元脱硫時間短縮による能率向上及び吹込み
ガスの大幅な削減を可能とする含クロム鋼の精錬
方法を開発した。 なお、この目的を達成するため、本発明者は先
に、脱炭終了後還元剤および造滓剤を添加すると
ともに不活性ガスを吹込み、還元剤添加後3分以
内に出鋼することを主たる要旨とする発明をな
し、特願昭56−120069号(特公昭63−54045号公
報参照)として出願したが、本発明はそれをさら
に改善し、能率向上、コスト削減効果をより大き
くしようとするものである。 本発明は、含クロム鋼の脱炭・還元精錬におい
て、脱炭最終期に造滓剤の50%以上を添加し、脱
炭終了後に残りの造滓剤および還元剤を添加する
とともに不活性ガスを吹込み、還元剤添加後3分
以内に出鋼することを要旨とするものである。 以下に本発明をAOD法に適用した例に基づい
て詳細に説明する。第4図は本発明法をAOD法
に適用した例を従来のAOD精錬法と比較して示
したものである。 第4図aは従来のAOD精錬法を示し、装入炭
素含有量1.8%から脱炭を4期に分けて行う方法
を示している。AOD法においては鋼中の炭素を
クロムを酸化させずに効率よく脱炭するために、
鋼中炭素濃度に応じて、吹込む酸素とアルゴンの
比率を変化させている。第4図aの例では脱炭第
1期として、鋼中炭素濃度1.8〜0.5%の範囲を酸
素アルゴン比O2/Ar=4/1、第2期として炭
素濃度0.5〜0.25%の範囲をO2/Ar=2/1、第
3期として炭素濃度0.25〜0.12%の範囲をO2/Ar
=1/2、第4期(脱炭最終期)として炭素濃度
0.12〜0.06%の範囲をO2/Ar=1/3として脱炭
する例を示している。また、脱炭終了後脱炭過程
で酸化したクロムを回収しかつ脱硫を行うために
不活性ガスを吹込みつつ直ちに還元剤及び造滓剤
を添加し、十分撹拌し、還元反応を終了させた後
に必要であれば、排滓し、再度脱硫を行い、又成
分調整し、出鋼している。なお、脱炭期におい
て、酸素がCrと反応してCr2O3を生成し、その一
部がスラグ中へ移行する。この過程で溶鋼温度が
上昇するので、必要以上の高温とならないように
冷却材を添加する。冷却材としては普通鋼屑およ
び同系のステンレス鋼屑が用いられる。また、原
料中のSiが酸化しSiO2となるため脱炭過程中の
スラグ塩基度を適正に保つためCaOを添加する。
還元期に添加する還元剤としてはFe−Siが、造
滓剤としてはCaO、CaF2が用いられる。このよ
うな従来法の例では、酸化期に約45分、還元・脱
硫期に10〜15分要している。 第4図bは、先に出願した特願昭56−120069号
の方法の概要を示したものであり、脱炭期は従来
法と同一であるが、還元・脱硫期において還元剤
及び造滓剤の添加開始から3分以内に出鋼するこ
とを特徴としている。一般的に還元・脱硫に必要
な時間は明確な論拠はないが通常AOD法の場合、
5分以上の時間が作用されているが、本発明者
は、出鋼時の撹拌を利用することによつて、炉内
における還元・脱硫時間は3分で充分であること
を確認している。このように、脱炭終了後3分以
内に出鋼することにより、従来、10〜15分要して
いた還元脱硫期が大幅に短縮可能となり、すでに
述べた如く、レンガ原単位、ガス原単位、生産能
力の大幅な改善が可能となる。しかし、この方法
は、造滓剤添加後短時間の撹拌で出鋼するため、
造滓剤のCaO、CaF2と共に水分が持ち込まれた
場合それが水素として鋼中に残存するので、事前
に造滓剤を十分乾燥させておく必要がある。造滓
剤は非常に吸湿性が高いので、生産現場での水分
管理には難がある。 第4図cは本発明法を示すものである。すなわ
ち、添加する造滓剤の50%以上を脱炭最終期、即
ち第4期に分割投入する方法である。第4期に投
入された造滓剤は溶鋼の熱によつて乾燥脱水され
るので、脱炭終了後還元剤と残りの造滓剤を添加
し3分以内に出鋼しても出鋼後の溶鋼に水素が残
存して問題となることがない。 しかし、脱炭最終期に添加する造滓剤の量が多
すぎると、本発明法のような短時間の還元ではク
ロムの回収率が低下することが判明した。この原
因は、脱炭最終期に大量の造滓剤を添加すると、
脱炭終了時のスラグの塩基度が高くなるためスラ
グの融点が高くなり、還元剤投入後の還元速度が
遅くなるためであることが判明した。脱炭終了時
のスラグ塩基度とクロム歩留との関係を第5図に
示す。同図から脱炭終了時のスラグの塩基度を5
以下とすることによりクロムの回収率を高位安定
させ得ることがわかる。 第4図dはこれらの知見に基づく本発明の好ま
しい態様を示すものである。即ち脱炭最終期(第
4期)に酸素ガスを吹込まず不活性ガスのみを吹
込み、同時に、還元に必要な量を上限として、塩
基度を5以下とするために必要な還元剤(Fe−
Si)を添加することを特徴とした方法である。 先ず不活性ガスのみを吹込む脱炭法について簡
単に説明する。第4図dの例では、脱炭最終期
(第4期)の酸素吹込量を零として不活性ガスの
みを吹込み、脱炭を行うものである。このときの
脱炭に必要な酸素源としては、すでに脱炭第1期
から第3期に至る過程で、酸化し、スラグ中に多
量に存在するクロム酸(Cr2O3)、酸化鉄
(FeO)、酸化マンガン(MnO)等が用いられる。
不活性ガス吹込みによる強力な撹拌によつてこれ
ら酸化物を鋼中の炭素によつて還元する。これを
化学式で示すと以下の如くとなる (Cr2O3)+3〔C〕→3CO↑+2〔Cr〕
……(1) (FeO)+〔C〕→CO↑+〔Fe〕……(2) (MnO)+〔C〕→CO↑+〔Mn〕 ……(3) この還元反応の時にFe−Siを添加し(1)、(2)、
(3)の反応と同時進行的に以下の反応を起させる。 2(Cr2O3)+3〔Si〕→3(SiO2)+4Cr ……(4) 2(FeO)+〔Si〕→(SiO2)+2Fe ……(5) 2(MnO)+〔Si〕→(SiO2)+2Mn ……(6) 式(4)、(5)、(6)によつて生じた(SiO2)が脱炭
最終期(第4期、この場合は不活性ガス脱炭期)
に添加された造滓剤に対して塩基度を低下させる
作用をし、高塩基の状態が回避され還元脱硫が容
易に行える。またスラグの融点が低下し流動性が
増大し、スラグと溶鋼との撹拌が効率的となり脱
炭効率がより一層向上する。 又本発明法は第4図aに示す如く、出鋼前に排
滓することなく、全スラグを取鍋中に出鋼するこ
とを特徴としているので、スラグを取鍋に全量収
容しなければならない。このためにはスラグの量
を極力減少させることが望ましい。 このための方法として、先ず第一に還元後のス
ラグ中の(Al2O3)が5〜40%となるように
Al2O3源(例えば金属アルミニウム)を添加する
ことが望ましい。これによりCaO・SiO2・Al2O3
(MgO)系のスラグでより極めて流動性が向上
し、短時間の撹拌によりスラグの還元が十分に行
える状態となるとともに流動性確保のために添加
する蛍石(CaF2)の添加量が低減出来る。同時
に金属Alを添加した場合、 (Cr2O3)+2〔Al〕→(Al2O3)+2〔Cr〕 ……(7) の如き還元反応を生じ、一方金属Siを添加した場
合には (Cr2O3)+3/2Si→3/2(SiO2)+2〔Cr〕……(
8) の還元反応を生じる。このとき生成するスラグ量
は(Al2O3)1モルに対して(SiO2)1.5モルとな
り金属アルミによる還元の方が金属Siによる還元
よりもスラグ量は少なくなる。 以上の如く金属Alを添加することによりスラ
グの流動性が十分確保出来るとともにスラグ量の
低減を計れるものでこの例を第4図dに示す。 つぎに、脱炭期におけるクロムの酸化を極力少
なくすることが望ましく、そのために第4図eに
示すように脱炭中期(図では3期のうち0.25%C
から0.18%Cまでの間)に不活性ガスのみの吹込
みによる脱炭を行うのが望ましい。脱炭初期(第
2期)末迄にはすでにスラグ中には十分な酸化物
(Cr2O3)(FeO)(MnO)が存在するため、脱炭
中期の0.25%C〜0.18%Cの間の不活性ガス脱炭
による脱炭速度は通常のO2/Ar=1/2の吹錬
時とほとんど変らず効率よく脱炭することが可能
である。 この方法を用いることによつて脱炭最終期(第
4期)に添加すべき造滓剤(CaO)の量を減ずる
ことが可能となり、脱炭終了時のスラグの塩基度
を5以下にコントロールすることが容易となる。
同時に、還元すべきクロム酸の量を低減すること
も可能となり還元も短時間で十分に行うことが出
来る。第4図eの例では脱炭中期における不活性
ガス脱炭時の温度降下を回避するために0.18%C
から0.12%CまでO2/Ar=1/2で酸素吹錬脱
炭を行つている。 このように、脱炭中期において不活性ガスのみ
を吹込んで脱炭することは、特に極低炭素材(例
えばC≦0.03%のSUS304L)を精錬する際に好適
である。即ち極低炭材の場合には第4図fに示す
如く鋼中炭素を0.03%以下に迄脱炭しなければな
らず第4図aのような0.06%迄の脱炭に較べて脱
炭期でのクロム酸発生量は格段に多くなり、脱炭
最終期に添加すべき造滓剤の量が多量となり又還
元すべきクロム酸の量が多く、第4図fの方法を
用いても本発明の特徴である短時間撹拌による還
元脱硫を十分に行うことが困難となる。このよう
な問題を解決するために、脱炭中期において不活
性ガスのみを吹込む脱炭を行い、クロム酸の生成
量を極力抑え、かつ脱炭最終期にFe−Siを添加
して塩基度コントロールを行うことが望ましい。
また、還元後のスラグ中の(Al2O3)%が5〜40
%となるように脱炭後Alを添加するのが望まし
い。この方法を第4図gに示す。もちろん溶鋼温
度に余裕があればさらに高炭域でアルゴン脱炭を
行うことも可能でありよい結果をもたらす。 以上説明した第4図a〜gの各方法をSUS304
ステンレス鋼のAOD精錬に適用した実施例を表
1および表2に示す。
【表】
【表】
以上の如く本発明者は、脱炭終了後のスラグの
塩基度を種々の方法でコントロールすることによ
つて還元脱硫期を大幅に短縮することの出来る脱
炭・精錬法を提供するものである。 本発明を工業的に活用することにより以下の如
き顕著な効果が奏される。即ち、耐火物原単位で
50%、能率で15%、ガス原単位で20%の従来法に
対する改善が可能となるものである。 なおいずれの方法においても成分の微調整を行
うことの出来る装置をAOD出鋼後に保持するこ
とは本発明を一層効果的かつ経済的に実施するこ
とを可能とするものであることをつけ加えてお
く。
塩基度を種々の方法でコントロールすることによ
つて還元脱硫期を大幅に短縮することの出来る脱
炭・精錬法を提供するものである。 本発明を工業的に活用することにより以下の如
き顕著な効果が奏される。即ち、耐火物原単位で
50%、能率で15%、ガス原単位で20%の従来法に
対する改善が可能となるものである。 なおいずれの方法においても成分の微調整を行
うことの出来る装置をAOD出鋼後に保持するこ
とは本発明を一層効果的かつ経済的に実施するこ
とを可能とするものであることをつけ加えてお
く。
第1図はAOD法の説明図、第2図はステンレ
ス鋼の精錬時におけるレンガ溶損度をMgO−
Cr2O3系レンガを使用した場合を例として示す
図、第3図はステンレス鋼製錬過程における耐火
物溶損量を示す図、第4図は本発明をAOD法に
適用した例を従来のAOD精錬法と比較して示す
図でaは従来のAOD精錬法、bは特願昭56−
120069号の方法の概要を示す図、cは本発明方法
を示す図、d〜gは本発明の他の実施態様を示す
図、第5図は脱炭終了時のスラグ塩基度とクロム
歩留との関係を示す図である。
ス鋼の精錬時におけるレンガ溶損度をMgO−
Cr2O3系レンガを使用した場合を例として示す
図、第3図はステンレス鋼製錬過程における耐火
物溶損量を示す図、第4図は本発明をAOD法に
適用した例を従来のAOD精錬法と比較して示す
図でaは従来のAOD精錬法、bは特願昭56−
120069号の方法の概要を示す図、cは本発明方法
を示す図、d〜gは本発明の他の実施態様を示す
図、第5図は脱炭終了時のスラグ塩基度とクロム
歩留との関係を示す図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 耐火物で内張りされた精錬炉内の溶鋼中に酸
素又は酸素及び不活性ガスを吹込んで行う含クロ
ム鋼の精錬法において、脱炭最終期に造滓剤の50
%以上を添加し、脱炭終了後に残りの造滓剤およ
び還元剤を添加するとともに不活性ガスを吹込
み、還元剤添加後3分以内に出鋼することを特徴
とする含クロム鋼の精錬方法。 2 脱炭終了時のスラグの塩基度を5以下とする
ことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の含
クロム鋼の精錬方法。 3 脱炭最終期に酸素ガスを吹込まず、不活性ガ
スのみを吹込んで溶鋼を撹拌し、かつ還元剤の一
部を添加することを特徴とする特許請求の範囲第
2項記載の含クロム鋼の精錬方法。 4 脱炭終了後、還元後のスラグ中のAl2O3が5
〜40%となるようにAl2O3源を添加することを特
徴とする特許請求の範囲第3項記載の含クロム鋼
の精錬方法。 5 脱炭中期に酸素ガスを吹込まず、不活性ガス
のみを吹込んで溶鋼を撹拌することを特徴とする
特許請求の範囲第4項記載の含クロム鋼の精錬方
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16057082A JPS5950113A (ja) | 1982-09-14 | 1982-09-14 | 含クロム鋼の精錬方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16057082A JPS5950113A (ja) | 1982-09-14 | 1982-09-14 | 含クロム鋼の精錬方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5950113A JPS5950113A (ja) | 1984-03-23 |
| JPH0250165B2 true JPH0250165B2 (ja) | 1990-11-01 |
Family
ID=15717821
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP16057082A Granted JPS5950113A (ja) | 1982-09-14 | 1982-09-14 | 含クロム鋼の精錬方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS5950113A (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2795513B2 (ja) * | 1990-02-27 | 1998-09-10 | 新日本製鐵株式会社 | 含クロム溶鋼の脱炭精錬法 |
| JP3840096B2 (ja) * | 2001-11-12 | 2006-11-01 | 日本冶金工業株式会社 | 耐錆性に優れた低熱膨張性シャドウマスク用Fe−Ni系合金の製造方法 |
| PL2843063T3 (pl) * | 2013-09-02 | 2017-01-31 | Loesche Gmbh | Sposób przeróbki żużli stalowniczych i hydraulicznego spoiwa mineralnego |
-
1982
- 1982-09-14 JP JP16057082A patent/JPS5950113A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS5950113A (ja) | 1984-03-23 |
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