JPH0252862B2 - - Google Patents

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JPH0252862B2
JPH0252862B2 JP20344885A JP20344885A JPH0252862B2 JP H0252862 B2 JPH0252862 B2 JP H0252862B2 JP 20344885 A JP20344885 A JP 20344885A JP 20344885 A JP20344885 A JP 20344885A JP H0252862 B2 JPH0252862 B2 JP H0252862B2
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semiconductor region
semiconductor
voltage
junction
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Yutaka Hayashi
Masaaki Sato
Hiroaki Yoshihara
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National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
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Agency of Industrial Science and Technology
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、雷やスイツチング・サージ等、各種
サージ要因に基く異常電圧から電気回路系を保護
するためのサージ吸収素子に関し、特にパンチス
ルー現象を利用したサージ吸収素子に関する。
<従来の技術> サージ吸収素子とは、“降伏電圧”と呼ばれる
規定電圧値以上の高電圧が印加されたとき、以降
の過程において自身の内に等価的な低インピーダ
ンス電流線路を形成することにより、その高電圧
に伴う大電流を吸収し、素子両端電圧を一定電圧
値以下にクランプして、保護すべき電気回路系に
そうした異常電圧の影響が及ばないようにするも
のを言うが、従来において市場に供されているも
ののほとんどは、その動作メカニズムが雪崩(な
だれ)降伏原理によるものであつた。
すなわち、pn接合によるダイオード構造また
はトランジスタのダイオード接続構造に逆バイア
スを印加したときの雪崩降伏電圧をしてサージ吸
収素子としての降伏電圧を規定していた。
<発明が解決しようとする問題点> 従来の雪崩降伏原理によるサージ吸収素子にお
いては、上記のように、その雪崩降伏電圧そのも
のが、サージ吸収素子としての特性を云々する場
合に使われる“降伏電圧”を直接に規定するもの
となる。
しかし一方、こうした従来素子における雪崩降
伏電圧は、pn接合を形成する両領域の中、高比
抵抗側を形成する一方の半導体領域、したがつて
一般に半導体基板の不不純物濃度の如何により、
略ゞ一義的に定まつてしまう。
そのため、こうした従来の雪崩降伏型サージ吸
収素子では、同一の不純物濃度の半導体基板を用
いる限り、その降伏電圧を任意に変えることはで
きないか、極めて難しく、異なる降伏電圧の製品
を得ようとするなら、それに応じて不純物濃度の
異なつた半導体基板を用いねばならない。
こうしたことは、それ自体、極めて不合理であ
るばかりでなく、降伏電圧を変えると接合容量や
直列抵抗等、降伏電圧以外のその他の電気的特性
も変わつてしまうことになる。換言すれば、接合
容量や直列抵抗等を降伏電圧と独立には設計でき
ないのである。
また逆に考えれば、こうした従来素子では、意
図的な場合に限らず、例え各ロツト毎には許容公
差の範囲内にあるとは言え、異なるロツト間では
始めから不純物濃度にバラ付きのある半導体基板
が供給されてきたような場合には、しかもそれが
予め分かつていたにしても、簡単にはこれを修正
する術がなく、したがつてその結果は、製品とし
て完成された後のサージ吸収素子の降伏電圧に関
するロツト間変動ないしバラ付きとして、そのま
ま正直に反映されてしまう。
そして、こうした事情は、降伏電圧からさらに
はブレーク・オーバ電圧と呼ばれる電圧を越える
サージを受けたことによつて、素子がターン・オ
ン状態となつたとき以降のクランプ電圧に関して
も同じことが言える。従来、このクランプ電圧を
自在に設計し得るものはなかつたのである。
さらに、この種従来の雪崩降伏型サージ吸収素
子では、実際の物理的な構造上においても制約を
生むことが多い。
というのも、この種サージ吸収素子において第
一半導体領域内への不純物拡散等により第二半導
体領域を埋設的に形成した場合、雪崩降伏は一般
にその接合両端の電界集中部分から起き易く、仮
にそのようになると、降伏後の入力電圧クランプ
時において接合の全面積部分に亘り均に電流を流
すことが極めて難しくなるからである。
これら欠点に加うるに、上記従来素子では、降
伏後の入力電圧クランプ時において、既述したク
ランプ電圧が絶対値においてもそれほど低くはな
らないという欠点もある。雪崩降伏型の場合、む
しろ、クランプ電圧の方が雪崩降伏を生起し始め
た降伏電圧よりも高くなる。
そのため、降伏後、素子内にて消費される電力
は、絶対値において相当に高いこのクランプ電圧
と吸収電流との積になり、結果として素子に多大
な発熱をもたらす。これは言い換えれば、熱容量
の観点からして、素子に許容できる吸収電流にか
なりな制限を生むことを意味する。
しかし、だからと言つて、このクランプ電圧を
可能な限り低くできれば良いかと言うとそうでも
ない。
というのも、この種のサージ吸収素子は、保護
すべき回路系の電源部と負荷との間にあつて負荷
に対して並列に挿入されるため、用いた素子のク
ランプ電圧が十分に低く、当該電源部の電源電圧
よりも低いとなると、サージにより一度ターン・
オンした以上、例えその後にサージ要因がなくな
つたにしてもこの素子当該ターン・オン状態を維
持してしまい、電源エネルギを無駄に消費し続け
るからである(これを続流現象と言う)。
したがつて、先の設計性との兼ね合いの問題と
もなるが、クランプ電圧は適用される回路系の電
源電圧に応じてそれよりは高いがそれにできるだ
け近い値に設定し得ることが最も望ましい。クラ
ンプ時の発熱を最少限度に抑えることができる一
方で、サージ要因が消失すれば続流現象を起こす
ことなく自動リセツトするからである。
本発明は以上のような従来の実情にかんがみて
成されたもので、用いる半導体基板の不純物濃度
ないし抵抗率や厚味の如何に拘らず、相当程度以
上の幅で設計性良く任意の降伏電圧やクランプ電
圧が得られ、したがつてまた、降伏電圧やクラン
プ電圧の如何によらず、接合容量や直列抵抗等、
その他の電気的特性を独立に設計することもで
き、もつてサージ吸収時にはクランプ電圧を降伏
電圧に比し、続流現象を起こさない下限にまで十
分に低電圧化しながら大電流をも吸収し得るサー
ジ吸収素子を提供せんとするものである。
<問題点を解決するための手段> 上記目的を達成するため、本発明においては、
動作当初の降伏メカニズムに関し従来の雪崩降伏
型に代え、新たな動作原理としてパンチスルー現
象を導入する一方で、降伏後のクランプ電圧の規
定に関しては雪崩降伏またはツエナ降伏、あるい
はパンチスルー現象を利用し得る新規な構成のサ
ージ吸収素子として、下記のようなサージ吸収素
子を提供する。
1 半導体基板自体として形成されるか、または
該半導体基板に対して分離的に形成された第一
導電型の第一半導体領域と; 該第一半導体領域の上下両表面の中、一方の
表面側に形成され、上記第一導電型とは逆導電
型であつて上記第一半導体領域との間でpn接
合ダイオードを形成する第二の半導体領域と; 上記第一半導体領域とは反対側から上記第二
半導体領域に接触することにより、該第一半導
体領域との間の離間距離をして上記第二半導体
領域の実効厚味を規定する第三領域と; 上記第一半導体領域の上記上下両表面の中、
上記一方の表面に対向する他方の表面側に形成
されるか、または上記一方の表面側において上
記第二の半導体領域に対し横方向に離間して形
成され、上記第一半導体領域と注入接合を形成
する第四領域と; 上記第一半導体領域とは反対側から上記第四
領域に接触することにより、該第四領域との間
で整流性接合を形成する第五領域と; から成り、上記pn接合ダイオードの逆バイア
スで生ずる空乏層が対応する上記第三領域に到
達したときに生ずる上記第一半導体領域と上記
第三領域との間のパンチスルーによりサージ電
流を吸収すると共に上記第四領域と上記第五領
域との間の上記整流性接合の降伏電圧によりク
ランプ電圧が規定されることを特徴とするサー
ジ吸収素子。
2 半導体基板自体として形成されるか、または
該半導体基板に対して分離的に形成された第一
導電型の第一半導体領域と; 該第一半導体領域の上下両表面の中、一方の
表面側に形成され、上記第一導電型とは逆導電
型であつた上記第一半導体領域との間でpn接
合ダイオードを形成する第二の半導体領域と; 上記第一半導体領域とは反対側から上記第二
半導体領域に接触することにより、該第一半導
体領域との間の離間距離をして上記第二半導体
領域の実効厚味を規定する第三領域と; 上記第一半導体領域の上記上下両表面の中、
上記一方の表面に対向する他方の表面側に形成
されるか、または上記一方の表面側において上
記第二の半導体領域に対し横方向に離間して形
成され、上記第半導体領域と注入接合を形成す
る第四領域と; 上記第一半導体領域とは反対側から上記第四
領域に接触することにより該第四領域との間で
整流性接合を形成する第五領域と; 該第五領域に対し、さらに上記第四領域とは
反対側から整流性接合を形成する第六領域と; から成り、上記pn接合ダイオードの逆バイ
アスで生ずる空乏層が対応する上記第三領域に
到達したときに生ずる上記第一半導体領域と上
記第三領域との間のパンチスルーによりサージ
電流をを吸収すると共に上記第五領域を介して
のパンチスルーによりクランプ電圧が規定され
ることを特徴とするサージ吸収素子。
3 半導体基板自体として形成されるか、または
該半導体基板に対して分離的に形成された第一
導電型の第一半導体領域と; 該第一半導体領域の上下両表面の中、一方の
表面側に形成され、上記第一導電型とは逆導電
型であつて上記第一半導体領域との間でpn接
合ダイオードを形成する第二の半導体領域と; 上記第一半導体領域とは反対側から上記第二
半導体領域に接触することにより、該第一半導
体領域との間の離間距離をして上記第二半導体
領域の実効厚味を規定する第三領域と; 上記第半導体領域の上記上下両表面の中、上
記一方の表面に対向する他方の表面側に形成さ
れるか、または上記一方の表面側において上記
第二の半導体領域に対し横方向に離間して形成
され、上記第一半導体領域と注入接合を形成す
る第四領域と; 上記第三領域に対し上記第二半導体領域とは
反対側から整流性接合を形成する補助領域と; から成り、上記pn接合ダイオードへの逆バイ
アスで生ずる空乏層が上記第三領域に到達した
ときに生ずる上記第一半導体領域と上記第三領
域との間のパンチスルーによりサージ電流をを
吸収すると共に上記第三領域と上記補助領域と
の間の上記整流性接合の降伏電圧によりクラン
プ電圧が規定されることを特徴とするサージ吸
収素子。
<作用> まず、上記第一発明から第三発明のいづれにも
共通する作用から述べると、本発明のサージ吸収
素子においては、第一の半導体領域と第二の半導
体領域とにより構成されるpn接合ダイオードに
逆バイアスが印加されるに伴い、当該接合に生成
される空乏層は、第一半導体領域に向けて伸びる
と同時に、第三の領域に向けても伸びていく。
そしてこの空乏層が印加電圧の大きさに応じて
伸び続け、やがて第三領域にまで達すると、第一
半導体領域と当該第三領域との間でパンチスルー
が起こり、この電流経路を介してサージ電流が吸
収され始める。このパンチスルー動作開始電圧が
第4図中中において降伏電圧として示されたもの
である。
しかるに、この吸収電圧は、例え第一、第二発
明においての第五領域等が第四領域からはみ出し
て形成されている場合にも、主として第四領域か
ら第一半導体領域に至る経路で流れるため、要旨
構成中に記したように、当該第領域が第一半導体
領域に対して少数キヤリアを注入し得る注入接合
を形成する材料(例えば第一半導体領域とは逆導
電型の半導体とかシリサイド、さらにはまた第一
半導体領域がp型である場合には電子注入の可能
な金属等)から構成されている限り、当該第四領
域から第一半導体領域内へ少数キヤリアの注入が
起こり、したがつて外部端子を介し第二半導体領
域と第三領域とが電気的に短絡されていても、当
該少数キヤリアが第二半導体領域に流れ込んだ結
果として第半導体領域には電圧降下が生じ、第三
領域から第二半導体領域対してキヤリアの注入が
起こる。
こうしたキヤリア注入過程が繰返されていきな
がら、やがてのことに第4図中にブレーク・オー
バ電流として示された値以上の大きさの電流が流
れると、正帰還現象を介し、第四領域と第三領域
間の領域間はクランプ状態下において極端に低電
圧となる。
しかし、素子両端電圧、すなわち素子特性とし
てのクランプ電圧は、第一発明にあつては第四領
域と第五領域との間の雪崩降伏電圧またはツエナ
降伏電圧、第二発明にあつては第五領域を介する
パンチスルー電圧、そして第三発明にあつては第
三領域と補助領域間の雪崩またはツエナ降伏電圧
が、それぞれ上記第三、第四領域間の極端な低電
圧に加えられたものとなる。
そして、このクランプ電圧は、上記雪崩降伏電
圧またはツエナ降伏電圧、あるいはパンチスルー
電圧の各規定に係る各領域の不純物濃度制御及び
あるいは厚味制御等により、既存の技術をしても
設計性良く相当程度の設計幅で任意設定できるも
のとなる。
そのため、本発明のサージ吸収素子では、素子
の発熱をを抑えながらの大電流の吸収が可能な一
方で、クランプ電圧は任意に設計できるものとな
り、したがつて本サージ吸収素子を適用する回路
系の電源電圧に応じ、続流現象を起こさないため
の最適なクランプ電圧を設定し、自動リセツトを
図ることも可能かつ容易となる。
なお、ブレーク・オーバ電流を呈する電圧をブ
レーク・オーバ電圧と呼ぶことができ、一般にこ
のブレーク・オーバ電圧は、第4図に示されるよ
うに降伏電圧よりは高くなる。
したがつて、本発明素子の初期動作から電圧ク
ランプまでの素子両端の電圧履歴を追うと、サー
ジ印加に伴い、それが降伏電圧以上であればパン
チスルー動作を開始し、吸収電流がブレーク・オ
ーバ電流に至るまでは素子両端電圧はいく分か上
昇するが、一旦でもブレークオーバ電流を越える
と、当該ブレークオーバ電圧から既述したように
任意設定できるクランプ電圧に移る。
上記ブレークオーバ電流の値は、第二半導体領
域の抵抗や第三領域と第一半導体領域に対する形
状の如何により決められ、また第四領域の第一半
導体領域に対する形状、さらには後述するように
第一半導体領域が直接に外部端子に接続されてい
る場合には当該第一半導体領域の抵抗と第四領域
近傍の形状の如何によつても決めることができ
る。
一方、パンチスルー動作をを開始せしめる降伏
電圧について考えとると、本発明サージ吸収素子
では、第一半導体領域に対し、その反対側で第二
半導体領域に接する第三半導体領域の高さ位置を
どの程度に設定するか、換言すれば中間の第二半
導体領域の実効厚味をどの程度に設定するかによ
り、第一、第三領域間のパンチスルー電圧、つま
りは当該降伏電圧を任意に変更、制御できるもの
となる。
例えば中間の第二半導体領域の実効厚味を厚く
設定した場合には、他の条件が同一であれば生成
した空乏層が第三領域にまで伸びるにはより大き
な逆方向バイアスが必要となり、これは結局、素
子が降伏する降伏電圧を高めたことになるし、逆
に中間の第二半導体領域の実効厚味を薄く設定す
れば、生成した空乏層は較的低い印加電圧でも容
易に第三領域に到達することになるから、降伏電
圧を低目に設定したことになる。
もちろん、こうした降伏電圧は、中間の第二半
導体領域の不純物濃度によつても制御し得るが、
いづれにしても上記のことからすれば、本発明に
よつた場合、第一半導体領域として適当な市販の
半導体基板ウエハをそのまま用いても、そしてま
た同一種類の半導体基板を出発部材としても、任
意所望の降伏電圧のサージ吸収素子を得られるこ
とが分かる。
また、第二半導体領域の実効厚味の制御とその
不純物濃度の制御とを適当に操作すれば、降伏電
圧の如何に対して接合容量や直列抵抗を独立にも
設計できるようになる。
さらに、半導体基板そのもの、ないし半導体基
板に分離的に形成された第一半導体領域に対し、
順次に第二半導体領域、第三領域を形成していく
手法自体は、既存のエピタキシヤル成長技術によ
つても良いし、イオン打込み、選択拡散等々によ
つても良いが、いづれによるにしても、第二半導
体領域の実効厚味とか不純物濃度の制御は、現在
の技術でも極めて高いものが得られるから、結局
は本発明により作成されるサージ吸収素子は、要
すればその精度を極めて高いものとすることがで
きる。
一方、構造的な観点からしても、第二半導体領
域の実効厚味は第一領域の厚味とは無関係に薄く
設定できるから、第一半導体領域としては市販の
半導体基板ウエハに何等特殊な前加工を施さず、
厚いままにそのまま用いることもでき(その方が
一般的でもある)、したがつて工程の増加を招か
ず、物理的な強度低下も招かないで済むし、一つ
の半導体基板内に本発明素子を複数個、形成する
こともでき、集積化が容易な効果もある。
また、上記原理から顕かなように、第二半導体
領域と第三領域とは外部端子において同一の電位
に置いて良く、したがつて外部への引き出しも同
一の引き出し端子から行なつて差支えない。しか
し逆に、各専用の端子から独立に引き出せるよう
にし、これら両端子間に適当なバイアスを掛ける
ようにしても良く、このようにすれば、素子完成
後ないし素子実動下にあつても、このバイアス電
圧の変更調整により、パンチスルー電圧、すなわ
ちサージ吸収素子としての降伏電圧を可変にする
ことができる。
なお、上記した所から顕かなように、降伏電圧
の変更にともなつてブレーク・オーバ電圧も当然
に変化する。
<実施例> 以下、図示する本発明実施例のいくつかにつき
詳記する。もちろん、第一発明、第二発明、第三
発明の個々に関しそれぞれの実施例があるが、す
でに述べてきたように、それらは全て極めて密接
な関連にあつて互いに参考にすることができ、特
にクランプ電圧を如何にして規定するか以外につ
いての配慮や改変例は相互に適用可能である。
第1図A,B,C示すサージ吸収素子10はそ
れぞれ第一発明の基本的実施例群であり、第2図
に示す実施例は第二発明の、そして第3図に示す
実施例は第三発明に対応する実施例である。
いづれにおいても半導体基板を第一導電型の第
一半導体領域1としてそのまま用い、また第三、
第四領域3,4を半導体領域とした外、第一、第
二発明に関しての第五領域5と第三発明に関して
の補助領域7も半導体材料製に選んでいる。
第1図Aに示される実施例や第2図、第3図に
示される実施例においては、第一半導体領域1の
上下両表面の中、一方の表面側に一般に二重拡散
技術で形成されている第二半導体領域2、第三半
導体領域3に対し、第四半導体領域4が第一半導
体領域1の他方の表面、すなわち裏面側に形成さ
れているが、第1図B,Cに示されている実施例
においては、第二半導体領域2がが設けられてい
ると同一の表面に、ただし第二半導体領域2に対
して横方向に離間して第四半導体領域4が拡散技
術で形成されている。
このような断面構造関係において、これらの実
施例では、いづれも第一半導体領域1をn型半導
体に選んだため、ホウ素等の適当な不純物の拡散
技術により、第二半導体領域2をp型とすると共
に、第四半導体領域4もp型半導体領域としてい
る。
したがつてもちろん、第1図及び第2図に示さ
れる第一、第二発明の実施例においてこの第四半
導体領域4に対して第一半導体領域1とは反対側
から整流性接合を形成する第五半導体領域5の導
電型はn型に選ばれ、第3図に示される第三発明
の実施例において第三領域3と整流性接合を形成
する補助領域7の導電型はp型に選ばれる。
なお、第1図B,Cに示されるような実施例の
場合、第一半導体領域1の裏面側には後述する高
濃度不純物層1bが設けられていると良いが、こ
れ自体は本発明の基本構成ないし原理動作に直接
には関与しないので、以下の説明中においても初
めの中はこれがないものとして考えていて良い。
第一、第二発明に関する第三領域3や第三発明
に関する補助領域7は、パンチスルーを起こした
際の主電流線路の一端部を形成するので、望まし
くは高導電率であることが良く、これらの実施例
ではそれぞれ、高不純物濃度、すなわちp+型及
びn+型の領域として不純物の二重拡散により形
成されている。
各領域2;3たは7;5または6には、それぞ
れオーミツクな引き出し端子を付して素子として
完成させるが、第一発明と第二発明に関する第二
半導体領域2の引き出し端子2tと第三領域3の
引き出し端子3tとは、各対応する図中、仮想線
の線路Lsで示すように、製作の段階で短絡して
置いても良いし、別途に引き出して置いて使用者
側で短絡したり、或いは後述のように適当なバイ
アス源をを介挿させても良い。これに対して第三
発明に関する第二領域2と第三領域3とは、第3
図中に示されているように、一般には線路ないし
電極Lcで外部固定接続して置く。
上記において端子2t,3t間を短絡させる場
合、実際には線路Lsは第二半導体領域2の露出
表面と第三領域3の露出表面との上に一連に蒸着
される等してオーミツクに接触した金属層等で形
成することができる。
ここではまず、両端子2t,3tがこのように
線路Ls,Lcで短絡されており、サージ吸収素子
としての両端子間、すなわち第一、第二発明の実
施例においては端子2t,3tと第五半導体領域
5の引き出し端子5tとの間に、そして第三発明
に関する実施例においては補助領域端子7tと第
四領域端子4tとの間に、それぞれサージ電圧が
印加されるものとして説明する。
このようなサージ吸収素子10においては、す
でに作用の項で説明したように、第一半導体領域
1と第二半導体領域2との間のpn接合に逆バイ
アスが印加されると、それにより生ずる空乏層は
第一半導体領域1の側へのみならず、第三領域3
の側に向けても伸びて行く。
したがつて、端子2t,3tと端子5t間、ま
たは端子4tとと端子7t間にサージ電圧が印加
され、それが上記pn接合に逆バイアスを印加す
る位相で相当程度に大きいものであると、当該空
乏層の上方端部が第三領域3に達することが起こ
り得る。
この状態が、第一半導体領域1と第三領域3と
の間でのパンチスルー状態の開始であり、大電流
を流し得る低インピーダンス状態、ないし本サー
ジ吸収素子としての降伏状態の始まりとなる。こ
の開始点は第4図中にあつて電圧軸上に降伏電圧
として示してある。
こうした降伏開始状態が具現すると、端子2
t,3tと端子5t間、または端子4tと端子7
t間にサージ電流が流れ出し、第四半導体領域4
から正孔が第一半導体領域1に注入され、それが
第二半導体領域2で収集されて外部端子を介し、
外部電流((素子電流)となる。
したがつて、第三領域3と第一半導体領域1と
に狭まれた第二半導体領域2の抵抗と上記電流の
積が、領域2,3で構成されるpn接合ダイオー
ドの順方向電圧に等しくなつたときに、今度は第
三領域3から電子が第二半導体領域2に注入さ
れ、これが電流の増大を招き、再びまた第四半導
体領域4から正孔の注入が行なわれるという正帰
還現象が生ずる。
このような正帰還現象が起こり始める電流値が
これまで述べてきたブレーク・オーバ電流であ
り、このときの素子両端電圧(外部端子3t,5
t間または外部端子4t,7t間電圧)がブレー
オーバ電圧となる。
すべに記したように、このブレークオーバ電圧
は、降伏電圧よりはいく分か大きな値となるが、
一旦、正帰還が起こり始めると、第三領域3と第
四領域4との間の電圧は著しく低い値に遷移す
る。この値は具体的には吸収電流と各部の直列抵
抗との積に、pn接合の順方向電圧一つ分を加え
た値に略ゞ等しい。
しかし、第4図に示されている素子としてのク
ランプ電圧は、各発明の実施例に応じて次のよう
に規定されるものとなる。
まず第一発明に関する第1各図の実施例におい
ては、第四半導体領域4と第五半導体領域5との
整流性接合における降伏電圧を上記第三、第四領
域間の極端な低電圧に加算したものとなる。
したがつて、第四半導体領域4の不純物濃度を
適宜に設定すれば、この素子のクランプ電圧は任
意に設定できるものとなる。
第2図に示される第二発明に関する実施例にお
いては、第五半導体領域5に対して整流性接合を
形成し得る材料製の第六領域(ここではp型半導
体領域)6を設けたことにより、第五領域のパン
チスルー電圧を上記第三、第四領域間の極端な低
電圧に加算したものとなる。
そのため、当該第五領域5の不純物濃度や厚味
を制御することにより、相当に広い設計幅で制御
性良く任意所望のクランプ電圧を得ることができ
る。
第三発明に関する第3図示の実施例において
は、第三領域3内に形成されている補助領域7と
当該第三領域との間の雪崩またはツエナ降伏電圧
が上記第三、第四領域間の極端な低電圧に加算さ
れ、したがつて第三半導体領域の3の不純物濃度
を制御することにより、素子としてのクランプ電
圧を任意に設定できるものとなる。
なお、第一発明に係る第1図Cに示される実施
例は、第1図Bに示される実施例と比較すると分
かるように、第四半導体領域4に接する第五半導
体領域5の角部がないようにしたもので、これは
降伏電流が接合面に一様に流れるようにした工夫
である。第2図における第二発明の実施例にあつ
て領域4〜6の側部がメサ型に落とされているの
も同様の理由である。
上記のようなメカニズムから理解されるよう
に、本発明のサージ吸収素子10は、サージが印
加されていないときには高い降伏電圧を維持して
素子内に流れる電流を最少限度に抑え、本素子に
より有意の電力が消費されるのを妨げる一方で、
一旦、降伏電圧以上にサージが印加されると、間
もなく任意設定した規定のクランプ電圧を呈し、
もつて大電流を吸収して後続の回路系を確実に保
護すると共に、クランプ電圧を適当に設定すれば
続流現象を防止し得、当該回路系の電源電圧によ
つてサージ要因の消失後も無駄にターン・オンし
続けるのを防ぐことができる。
このような動作をなす本サージ吸収素子10に
おける降伏電圧は、第一半導体領域1の抵抗率乃
至不純物濃度のみならず、第一半導体領域1と第
三領域3との間の離間距離で規定される第二半導
体領域2の実効厚味Dtの如何、及びあるいは不
純物濃度の如何によつてパンチスルー電圧が制御
できることにより、かなりに広い設計幅内で任意
に設定することができる。実際にも本出願人の実
験によれば、この設計幅は、数ボルトから数百ボ
ルトまでの極めて広範な範囲に及ぶものであるこ
とが確かめられている。
上記各実施例にあつては、既述のように、半導
体基板1に対して第二半導体領域2及び第三領域
3を二重拡散技術で作成するようにしているが、
このような場合には、当該第二半導体領域2の実
効厚味Dtは、第二半導体領域2の形成後、その
表面からの第三半導体領域形成用不純物の拡散深
さDdを制御することにより、直接に制御される
ものとなる。すなわち、二重拡散技術による場合
には、第一半導体領域に対する第三領域3の高さ
位置の変動乃至変更設定は、直接に第二半導体領
域2の実効厚味Dtを変更するものとなる。
一方、第二半導体領域2、及び第三領域3をエ
ピタキシヤル成長技術により形成した場合には、
当該第二半導体領域2の実効厚味Dtは当該エピ
タキシイにおける諸条件に基づいて系定される成
長膜厚自体により規定されるのが一般的である
が、その場合にも実際上、第三領域3の存在がパ
ンチスルーに関する実効厚味Dtを規定している
ことに変わりはない。
そして、拡散技術による場合もエピタキシイに
よる場合も、第二半導体領域2の実効厚味Dtの
制御は、既存の技術をしても極めて高い精度で制
御できるから、結局、本発明によるサージ吸収素
子は、その降伏電圧を極めて高い精度で設定でき
るものとなる。
また同様に、パンチスルー電圧、ひいては本素
子の降伏電圧を規定する他の一要因となる第二半
導体領域2の不純物濃度も、既存の技術をして極
めて高い精度で調整、制御することができる。
上記はまた、本発明の素子の場合、降伏電圧を
設計するのに、第二半導体領域2の実効厚味Dt
と不純物濃度という、それぞれ設計性の良い、し
かも互いには独立の二つの変数を有していること
を意味している。したがつて、これら変数を一方
のみ使つたり、双方使つてそれぞれ適当に按配す
ることにより、単に極めて広範な範囲に亘つて降
伏電圧を設定できるだけでなく、接合容量や直列
抵抗等、その他の電気的特性を降伏電圧と独立に
設計することもできることが分かる。
もちろん、クランプ電圧の規定に係る第四半導
体領域4や第五半導体領域5、さらには第六領域
6や補助領域7についても、不純物拡散、エピタ
キシイ等の従来技術を援用して制御性良く形成す
ることができ、また特に、第一発明の第五領域や
第発明の第六領域、第三発明の補助領域等は、半
導体製であることに限らず、第一半導体領域の導
電型によつては、シリサイド製にするとか場合に
より金属製にすることもできる。
さらに、先に少し述べたが、第1図Bや第1図
Cに示されるような実施例の場合には、半導体基
板ないし第一半導体領域1の裏面側に、当該領域
1の導電型によらず、n+またはp+型の高濃度不
純物領域層1bを形成して置くと、キヤリアを効
率良く搬送することができて望ましい。
すなわち、図示のように第一半導体領域1にn
型半導体を選択した場合、高濃度不純物領域層1
bの導電型をn+型に選ぶと、当該高濃度不純物
領域層1bと第一半導体領域1とによつて一種の
組込み電界が生じ、第1図Bに代表させて図中に
矢印f1で示したように、第四半導体領域4から
注入されたホールは当該高濃度不純物領域層1b
の近傍において追い返され、第一半導体領域の裏
面側に抜けることがなくなる。
また、同じn型の第一半導体領域1に対してそ
の裏面側にp+型の高濃度不純物領域層1bを形
成した場合には、第1図中に模式的に矢印f2
a,f2bで示すように、当該p+型高濃度不純
物領域層1b中にホールが充満することによりそ
の電位が上がり、結局は当該高濃度不純物領域層
1bからホールの放出が起こるようになつたり、
あるいはまた矢印f2cで示されるように跳ね返
されたりするようになつて、やはり第一半導体領
域の裏面側への透過を阻止することができる。
このような言わばラテラル配置は、第2図や第
3図に示された実施例に関しても採用することが
でき、したがつて、そうした場合には同様に、上
記高濃度不純物領域1bを第一半導体領域裏面側
に形成することもできる。
以上、第一、第二、第三の本発明に係る各実施
例を通じて説明したことから顕かなように、本発
明のサージ吸収素子においては、その原理上、第
一、第三領域間でパンチスルーが起きた後のサー
ジ電流の電流分布は比較的均一なものとなる。
しかし、なお一層の均一性を確保しようとする
なら、第一発明に係る第1図示実施例の改変例と
して代表された第5図に示すような構成を採るこ
ともできる。
すなわち、この第5図示の実施例では、半導体
基板ないし第一半導体領域1の一表面側に形成さ
れた逆導電型の第二半導体領域2に対して形成さ
れる第三領域3を、複数に分割された第三領域要
素31,32,33,……,3n(図示の場合n
=5)の集合から構成しており、各領域要素31
〜3nは、共通の引き出し端子3tから外部に導
通をを採られるようにしている。
こうした構造では、従来の雪崩降伏型素子に見
られたような電界の集中効果はこれを避けること
ができ、均一な電流分布を得ることができる。そ
のためまた、電流容量も略ゞ素子面積に比例して
増大させることができる。
そして、この実施例の場合には、第五領域は第
4領域から横方向にはみ出すように形成されてい
るが、これはこの部分での雪崩またはツエナ降伏
に基く降伏電流の均一性を保つため、先の第1図
Cと同様、角部接合を排斥する意味がある。
この第5図示の実施例でも、第1各図示の実施
例について述べた他の配慮は同様に採用すること
ができるし、第1図B,Cに示された実施例のよ
うに、第四、第五領域4,5を第二、第三領域
2,3側と第一半導体領域1の同じ表面側に配す
る場合には、先に述べた第一半導体領域裏面側の
高濃度不純物領域層1bについても、要すれば同
様にこれを採用して良い。なお、二つの端子2
t,3tは、既述したように動作原理上、短絡で
きるだけでなく、短絡して用いると過渡現象を避
け得る効果もある。
また逆に、この第5図に示された実施例の考え
は、第2図及び第3図に示された実施例にもその
まま適用することができる。
本発明のような構成のサージ吸収素子では、本
来、パンチスルー現象によつて規定されるべき降
伏電圧が、第一半導体領域1と第二半導体領域2
の雪崩降伏電圧に近くなつてくると、制御性が悪
くなることも考えられる。
そのような危惧のある時には、第二半導体領域
2の端部ないし角部の接合で生じ始める雪崩降伏
を初期の段階で防ぐか抑えるため、第6図に示さ
れるように、第二半導体領域2の周囲を囲むよう
に第二半導体領域と同一の導電型ガード・リング
領域2Gを形成するか、第7図に示されるよう
に、第半導体領域2と第三半導体領域3との表面
に一連に形成されたオーミツク電極Maの端縁部
Matを絶縁膜8を介して第二半導体領域の端部に
おける第一半導体領域との接合を越えるようにさ
らに張り出させると良い。
このようにすれば、第二半導体領域端部におけ
る電界の集中を緩和し、実効的に雪崩降伏電圧を
増加させることにより、本発明の思想に即し、パ
ンチスルーによつてのみの降伏電圧の設計性を拡
大、改善することができる。
また、第7図示の実施例では、第五領域5の表
面に一連に形成されたオーミツク電極Mbのそれ
ぞれの端縁部Mbtも、絶縁膜9を介して第四半導
体領域4との接合端部を越えるようにさらに張り
出させている。
なおもちろん、第6,7図示の実施例の思想も
第二、第三発明に応用できるし、また当該第6,
7図においては、第三領域3はそれぞれ複数の当
該領域用の領域要素群31〜3nの集合から構成
されているが、第1図に示されている第三領域3
に代表されるように、最も基本的には、これら第
三領域3は、それぞれ単一の領域として形成され
ていても良い。
これまで述べてきた各実施例に示されるような
本発明のサージ吸収素子の場合、素子完成後、従
来の雪崩降伏型において必要とされていた端面研
磨等の付帯処理は原則としては必要ない。したが
つて、これら既述の各実施例構成は、一つの半導
体基板1内に複数個、同時に作ることができる。
もつとも、逆に多数個を集積する必要のないと
きには、先に述べた雪崩降伏電圧を増加させるた
めの他の手段として、第8図に示すように、第
一、第二半導体領域1,2間の接合端部に相当す
る部分を、表面に垂直または角度を持つた斜面で
エツチングまたはカツテイング処理しても良い。
第四領域4と第五領域5との関係においてもこう
した処理が有効なこともある。ただし、このよう
な簡便な手法によつて場合には、切り落とし面に
適当な保護膜(図示せず)を要するのが普通であ
る。
また、クランプ電圧を規定する接合を流れる電
流の均一性をを増すためには、第9図示のよう
に、第四領域4を複数の領域要素41,42…
…,4nの集合から構成すると良い。これについ
てもまた同様に、第二、第三発明の各実施例に対
しても、この分割構成を適用することができる。
ここで、第1図Aに示される実施例で代表させ
て、本発明サージ吸収素子のやや特殊な使い方に
つき説明すると、第二半導体領域2と第三領域3
とを異なる端子2t,3tから個別に引き出すよ
うにした場合、第10図Aに示されるように、こ
れら端子2t,3t間に適当なバイアス源Vbを
挿入することにより、パンチスルー電圧を外部か
ら制御することも可能となる。
サージ電圧のモデルとして、第三領域用端子3
tと第五半導体領域5の端子5tととの間に接続
された高電圧源Vrを考えると、第10図Bに示
されるように、本サージ吸収素子のエネルギ・バ
ンド構造は、サージ電圧が印加されていないとき
の実線で示される状態から、サージ電圧に相当す
る高電圧Vrが印加されたときには図中、仮想線
で示される状態に変化する。ただし図示の場合
は、以下述べるようにバイアス効果を見るため、
サージ電圧に相当する高電圧源電位が未だパンチ
スルーを起こす程には至つていない状態で示され
ている。
この状態においては、バイアス源Vbから供給
されるバイアス電位の極性及び大きさによつて、
第二領域2と第三領域3に関し逆バイアスの場合
には矢印“〓”で示されるように、順方向バイア
スの場合には矢印“〓”で示されるように、各々
バンド構造が変化する。したがつて、当該バイア
ス電位及びその極性により、サージ吸収素子とし
てのパンチスルー電圧は外部から制御できること
が分かる。
以上、本発明の各実施例につき詳記してきた
が、最後に一例として、本発明の効果を実際の素
子における比較で確認する。
まず、以下に述べる工程により、第5図に示さ
れる本発明のサージ吸収素子に対し、第四半導体
領域4や第五領域5のないものを比較用として作
成した。
抵抗率5Ω−cm、導電型n型、(111)面、
300μm厚のシリコン・ウエハを第一半導体領域1
の出発部材とし、まずその表裏面に6000Åの
SiO2膜を形成した。
その中、裏面のSiO2膜をのみ除去し、高濃度
燐拡散を深さ3μmに亘るよう、行なつた。
次に、第二半導体領域2の平面形状を規定する
ため、表面のシリコン酸化膜に対し所定のパター
ンに従つてフオト・エツチング工程を適用し、不
純物拡散窓を開けた。
この拡散窓を介してホウ素を拡散し、その深さ
が2.5μmに亘るp型領域を形成した。
新たにウエハ表面にシリコン酸化膜を形成した
後、複数個の第三領域要素31〜3nの平面形状
を規定するため、当該シリコン酸化膜に対して所
定パターンに即したフオト・エツチングを施し、
複数個の第三領域要素用の不純物拡散窓を形成し
た。
この拡散窓から高濃度に燐を拡散し、その深さ
が1.2μmに亘るn+型第三領域要素31〜3nの集
合から成る第三領域3を形成した。したがつて、
これと同時に第二半導体領域2が形成され、その
実効厚味Dtは、1.3μmとされた。
その後、第二、第三領域に共通のオーミツク・
コンタクトを採るためのフオト・エツチング、金
属薄膜蒸着、そのエツチング工程を経て電極ない
し端子2t,3tを形成した。半導体基板側の電
極ないし端子も、上記金属薄膜蒸着工程において
同時に形成した。
こうしたプロセスによつて作成された比較用の
サージ吸収素子の降伏電圧は120Vを示し、サー
ジ吸収電流は最大300A/cm2まで取れた。
一方、本発明の思想に即するサージ吸収素子と
して、上記第三領域に関するまでの作成工程は上
記比較用のサージ吸収素子におけると同じである
が、n型半導体基板の裏側に第四半導体領域とし
てのp+領域を不純物拡散によつて形成し、さら
に第五半導体領域5としてのn+領域を不純物拡
散によつて形成した後、金属薄膜蒸着によつて電
極ないし端子5tを形成したサージ吸収素子にお
いては、降伏電圧は121Vと略ゞ同じあつたが、
ブレーク・オーバ電流が4A/cm2でサージ吸収電
流は何と最大5000A/cm2も取ることができた。
また、クランプ電圧の変化幅は5〜50Vまで、
任意の値に制御することができた。
この特性例を見ても、本発明により設けられた
第四半導体領域4、第五領域5の働きは極めて大
きいものであることが分かる。
そしてまた、他は上記と同一条件として、実質
的に第二半導体領域2の実効厚味を規定とするこ
とになるn+型第三領域を形成する際の拡散時間
を変化させた所、降伏電圧は30Vから170Vの間
で変化させることができた。もちろん、この変化
幅も最大変化幅ではなく、他の条件も勘案すれば
数ボルトから数百ボルトに亘る極めて広範な変化
範囲を得ることができることも確認されている。
また、本素子におけるサージ吸収メカニズム
も、トンネリングや雪崩降伏によらず、確実にパ
ンチスルー現象にのみよつて制御可能であること
も確認された。
なお、例えば第3図示の素子において、図中の
第四領域4を第二、第三領域2,3と補助半導体
領域7の積層から成るように改変し、ただし第三
領域の不純物濃度を補助領域とあいまつてクラン
プ電圧を規定するための降伏電圧を規定し得るよ
うな濃度に制御すれば、両極性のサージ電流に対
して本発明の効果を呈することができる。
<発明の効果> 本発明によれば以下列記するように、既存の雪
崩降伏型素子に比し、各種優れた効果を得ること
ができる。
半導体基板ないし半導体ウエハはこの種素子
の各部の部品価額としては最も高価で、且つ最
も融通の効かない部材であるが、本発明によれ
ば同一の材料定数の出発ウエハからも異なる降
伏電圧のサージ吸収素子を得ることができる。
第二半導体領域及び第三領域の組、また第四
半導体領域と第五領域の組、あるいは第二半導
体領域と第三領域と補助領域の組自体は、第一
半導体領域に対して共に同一の面側からのみ形
成することができるため、降伏電圧及びあるい
はクランプ電圧の変更及び定められた降伏電
圧、クランプ電圧にするための制御が極めて簡
単で、且つ高精度で行なえる。
降伏電圧やクランプ電圧に対して他の電気的
特性、例えば接合容量とか直列抵抗等は独立に
設計することができ、したがつて例えば、異な
る降伏電圧やクランプ電圧でも他の電気的特性
は略ゞ同様とすることもできる。
共通の半導体基板内に複数の素子を集積化す
ることも容易である。
大電流領域では降伏電圧よりもさらにクラン
プ電圧が大きく低減化する設計原理を有するの
で、極めて大きなサージ電流をも吸収すること
ができ、回路系の保護にして極めて高い能力を
有する。
クランプ電圧が大きく低減化するとは言つて
も必要に応じ、その値を極端には低い値となら
ないように、あるいは本サージ吸収素子を適用
する回路系の電源電圧に呼応するように設定す
ることができ、したがつてサージ要因がなくな
つた後も導通を続けるという続流現象を防止す
ることもできる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第一発明に従う第一実施例の
概略構成図、第2図は第二発明に従うサージ吸収
素子の一実施例の概略構成図、第3図は第三発明
に即する一実施例の概略構成図、第4図は本発明
素子の動作特性図、第5図は第一発明に従う改変
例の概略構成図、第6図、第7図、第8図、第9
図は、それぞれ本発明実施例のさらなる改変例の
概略構成図、第10図は本発明サージ吸収素子の
特殊な使い方の一例の説明図、である。 図中、1は第一半導体領域ないし半導体基板、
2は第二半導体領域、3は第三領域、31〜3n
は第三領域要素、4は第四領域、41〜4nは第
四領域要素、5は第五領域、6は第六領域、7は
補助領域、10は全体としての本発明サージ吸収
素子、である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 半導体基板自体として形成されるか、または
    該半導体基板に対して分離的に形成された第一導
    電型の第一半導体領域と; 該第一半導体領域の上下両表面の中、一方の表
    面側に形成され、上記第一導電型とは逆導電型で
    あつて上記第一半導体領域との間でpn接合ダイ
    オードを形成する第二の半導体領域と; 上記第一半導体領域とは反対側から上記第二半
    導体領域に接触することにより、該第一半導体領
    域との間の離間距離をして上記第二半導体領域の
    実効厚味を規定する第三領域と; 上記第一半導体領域の上記上下両表面の中、上
    記一方の表面に対向する他方の表面側に形成され
    るか、または上記一方の表面側において上記第二
    の半導体領域に対し横方向に離間して形成され、
    上記第一半導体領域と注入接合を形成する第四領
    域と; 上記第一半導体領域とは反対側から上記第四領
    域に接触することにより、該第四領域との間で整
    流性接合を形成する第五領域と; から成り、上記pn接合ダイオードの逆バイアス
    で生ずる空乏層が対応する上記第三領域に到達し
    たときに生ずる上記第一半導体領域と上記第三領
    域との間のパンチスルーによりサージ電流を吸収
    すると共に上記第四領域と上記第五領域との間の
    上記整流性接合の降伏電圧によりクランプ電圧が
    規定されることを特徴とするサージ吸収素子。 2 半導体基板自体として形成されるか、または
    該半導体基板に対して分離的に形成された第一導
    電型の第一半導体領域と; 該第一半導体領域の上下両表面の中、一方の表
    面側に形成され、上記第一導電型とは逆導電型で
    あつて上記第一半導体領域との間でpn接合ダイ
    オードを形成する第二の半導体領域と; 上記第一半導体領域とは反対側から上記第二半
    導体領域に接触することにより、該第一半導体領
    域との間の離間距離をして上記第二半導体領域の
    実効厚味を規定する第三領域と; 上記第一半導体領域の上記上下両表面の中、上
    記一方の表面に対向する他方の表面側に形成され
    るか、または上記一方の表面側において上記第二
    の半導体領域に対し横方向に離間して形成され、
    上記第一半導体領域と注入接合を形成する第四領
    域と; 上記第一半導体領域とは反対側から上記第四領
    域に接触することにより該第四領域との間で整流
    性接合を形成する第五領域と; 該第五領域に対し、さらに上記第四領域とは反
    対側から整流性接合を形成する第六領域と; から成り、上記pn接合ダイオードの逆バイアス
    で生ずる空乏層が対応する上記第三領域に到達し
    たときに生ずる上記第一半導体領域と上記第三領
    域との間のパンチスルーによりサージ電流を吸収
    すると共に上記第五領域を介してのパンチスルー
    によりクランプ電圧が規定されることを特徴とす
    るサージ吸収素子。 3 半導体基板自体として形成されるか、または
    該半導体基板に対して分離的に形成された第一導
    電型の第一半導体領域と; 該第一半導体領域の上下両表面の中、一方の表
    面側に形成され、上記第一導電型とは逆導電型で
    あつて上記第一半導体領域との間でpn接合ダイ
    オードを形成する第二の半導体領域と; 上記第一半導体領域とは反対側から上記第二半
    導体領域に接触することにより、該第一半導体領
    域との間の離間距離をして上記第二半導体領域の
    実効厚味を規定する第三領域と; 上記第一半導体領域の上記上下両表面の中、上
    記一方の表面に対向する他方の表面側に形成され
    るか、または上記一方の表面側において上記第二
    の半導体領域に対し横方向に離間して形成され、
    上記第一半導体領域と注入接合を形成する第四領
    域と; 上記第三領域に対し上記第二半導体領域とは反
    対側から整流性接合を形成する補助領域と; から成り、上記pn接合ダイオードへの逆バイア
    スで生ずる空乏層が上記第三領域に到達したとき
    に生ずる上記第一半導体領域と上記第三領域との
    間のパンチスルーによりサージ電流を吸収すると
    共に上記第三領域と上記補助領域との間の上記整
    流性接合の降伏電圧によりクランプ電圧が規定さ
    れることを特徴とするサージ吸収素子。
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