JPH025461B2 - - Google Patents
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Description
本発明は二塩基酸およびその無水物の製造のた
めの炭化水素類の部分酸化に使用される改善され
た触媒構造に関するものである。 無水マレイン類の製造用触媒の製造法はすべて
基本的に原子価状態が+5以下のバナジウムを使
用するものである。他の一つの方法で、技術面に
おいて最も広く使用されている方法は+5の原子
価状態のバナジウムから出発して原子価を+5以
下に減らす方法である。 還元されたバナジウムは通常溶液中でV2O5を
HClで還元して塩化バナジウムを得る方法で得ら
れている。代表的な触媒の製造においてはバナジ
ウム、リン、および他の成分を熱塩酸のような普
通の溶剤中に溶解し、その後担体上に析出させる
方法である。原子価が+5以下の還元されたバナ
ジウムは、最初にV2O5のような原子価が+5の
バナジウム化合物を使用し、次に触媒製造中に、
例えば塩酸等を使用して低原子価のバナジウムに
還元しバナジウムのオキシ塩、たとえば塩化バナ
ジルをその場所に形成することによつて得られ
る。バナジウム化合物は塩酸のような還元性溶剤
に溶解するが、この溶剤は反応に対する溶剤とし
て作用するだけでなくバナジウム化合物の原子価
を5以下に減らす作用を行なうものである。例え
ば、バナジウム化合物、銅化合物、テルル化合
物、リン化合物、およびアルカリ金属化合物を適
当な還元性溶剤に任意の順序で溶解し錯体の生成
を行なわせても良い。バナジウム化合物を溶剤に
最初に溶解し、その後にリン、銅、テルルの化合
物およびもし存在するならば他種金属の化合物を
添加する方が良い。錯体の生成反応は加熱により
促進される。溶解の色が深青色であることはバナ
ジウムの平均原子価が5以下であることを示す。
次に生成した錯体を沈澱を生成させずに溶液の形
で担体に沈着させて乾燥を行なう。この方法にお
いてバナジウムは担体に沈着させた時点又は担体
を使用せずに沈澱させた時点で+5以下例えば約
+4の平均原子価を持つている。バナジウムの平
均原子価は沈澱の時点で一般的に約+2.5ないし
4.6である。 他の一つの方法においては、触媒は金属化合物
を不活性液体中の成分のコロイド状分散物から担
体を使用し又は使用せずに沈澱を起させることに
よつて製造される。ある場合には熔融した金属化
合物を担体上に析出させることがある。然しリン
のような成分のどれもが蒸発して失われないよう
に注意をしなければならない。触媒はまたリン酸
の無水物をバナジウム化合物、銅化合物、金属
(Me)化合物およびアルカリ金属化合物と加熱混
合して製造される。触媒は流動床又は固定床触媒
のいずれにも使用し得る。これらの選造方法のい
ずれにおいても錯体生成を促進するために加熱が
行なわれる。 コツペル〔Koppel〕等がZeit.anorg.Chem、
45、P.346−351、1905に開示している極めて古く
伝統的な塩化バナジルの製造法はアルコール性
HCl溶液中でV2O5を還元する方法である。この
方法は例えばケル〔Kerr〕によつて米国特許第
3255211号中でリン−バナジウム系酸化触媒の製
造法として推薦されており、此の方法においては
溶剤もまた還元剤の作用をしている。これにつづ
いて米国特許第4043943号もバナジウムを還元し
て塩基性リン−バナジウム系触媒の製造を行なう
ことに使用している。然しながらこの方法で送つ
た触媒は例えば米国特許第4017521号に記載され
ているようにこれを触媒として役立てるには極め
て特殊な活性化方法を行なうことが必要である。 本出願人に特許された初期の段階の一連のも
の、すなわち米国特許第3156705号、第3156706
号、第3255211号、第3255212号、第3255213号、
第3288721号、第3351565号、第3366648号、第
3385796号および第3484384号にはバナジウム−リ
ン系酸化触媒の独特のタイプのものの一群が開示
されている。これらの方法および触媒はノルマル
ブテン類の無水マレイン酸への酸化に効果が大き
いことが示されている。これらの先駆的な特許の
発表以来、多数の変更修正を行なつた特許が公告
され基本的な発見に関する改良が提出された。こ
れらは次の特許である。米国特許第3856824号、
3862146号、3864280号、3867411号、3888886号、
4071539号、4097498号、4105580号、4152338号、
4152339号、および4153577号。 本出願人に特許された米国特許第4251390号の
開示されている最近開発された方法においては改
善された触媒がアルコール性HCl溶液による五酸
化バナジウムの還元を行なうものであつて、使用
するアルコールはイソブチルアルコールのような
物質であり、バナジウムの還元はこれをHClと接
触させることによつて行なわれる。この接触は便
宜的に気体HClを、五酸化バナジウムを懸濁して
いるアルコール中に通すことによつて行なわれ
る。五酸化バナジウムはHClによつて還元されて
塩化バナジルとして溶液中に溶解される。還元は
溶液の色が暗赤褐色になつた時に完了する。この
系において臭化水素も還元剤としてほぼ同一の作
用を行なう。還元温度は60℃よりも著しくは高く
ない温度に保持されるべきであり、好ましくは55
℃以下に保たれるべきであることが知られてい
る。還元が約35℃ないし55℃、好ましくは40℃な
いし55℃の範囲内の温度で行なわれた時の結果と
して得られる触媒が最適の活性を有する。 バナジウムとリンの混合酸化物を得るためには
約99%のH3PO4含有量(98ないし101%)のリン
酸を添加してバナジウム化合物を加熱分解する。
この反応は溶液の暗青緑色が変化することによつ
て判別される。前記99%H3PO4は例えば85%
H3PO4とP2O5から製造するか、又は105ないし
115%の市販の等級のリン酸を85%H3PO4で稀釈
して製造する。亜鉛又はその他の触媒成分が通常
リン酸に添加される。その後アルコールを追い出
して乾燥触媒を得る。 触媒は種々の形や構造、例えば鞍状、円板状、
球状、円筒状、管状、粒状等に造られている。例
えば米国特許第2078945号にはハイドロシリケー
ト触媒を管状又は円筒状に成形し次にこれを粉砕
篩別して不規側な触媒の形を送ることが開示され
ている。米国特許第4178298号および第4181628号
にはバナジウムおよびリンを含有する混合酸化物
系酸化触媒をペレツト、錠剤又は円筒形として使
用することが開示されている。米国特許第
3848033号、3966639号、4094922号および4171454
号には空泡中心部と、これと連通する外表面上の
単一の空洞を有しアンホラ〔amphora〕と名付
けられている球状の骨材が開示されている。米国
特許第4153539号および4170569号にはアンホラ
〔amphora〕と名付けられている同様の球状触
媒が開示されているが、これは中空中心部と互い
に180゜反対側で連通している二つの空洞を有す
る。骨材アンホラは特に有効であつて、供給物
が反応器内で一部液相として存在するようなすべ
ての反応において有利であることが記載されてい
る。 炭化水素の接触酸化による二塩基無水物の製造
は公知である。C4炭化水素からの無水マレイン
酸の周知の経路は過去において好ましい方法であ
つたが現在でもベンゼンの全世界的不足のため更
にその必要度が高まつている。C4炭化水素の直
接酸化による方法は炭化水素の節約の点から容易
にその有利性を評価することが出来るであろう。
それはベンゼン法では1モルの無水マレイン酸を
得るために分子量78のベンゼン1モルが消費され
るが、C4炭化水素法では分子量54ないし58のC4
炭化水素が消費されるに過ぎぬからである。但し
ベンゼン法では変化率および選択性が常に高い。 無水マレイン酸の更に好ましい製造法はノルマ
ルブテン類又はブタジエンの直接酸化法である。
ノルマルブテン類はノルマルブタン類よりも経済
性の高い石油化学的用途を持つているが、ノルマ
ルブタン類は現在廉価な燃料として空しく燃やさ
れている。 ノルマルブタン類の場合にはエネルギーの必要
性のために触媒成分を沈着した担体よりも固体の
錠剤型にした触媒を必要とする。経済面から高負
荷が必要とされるため75%以上のブタンの変化率
を得ることは従来出来なかつた。高変化率を得る
ためには局所の温度を高くすることが必要であり
これは収率に悪影響を与える。 本発明の利点は触媒の活性が大きいことであ
る。その他の利点は触媒使用量が少ないことであ
る。もう一つの利点は反応器内の圧力低下が小さ
い特徴があることである。圧力低下が少ないため
流量を大きくすることが出来、生産量を増大する
ことが出来る。更に別の利点は反応圏から熱の除
去を一層良好にすることが出来、これによつて変
化率および生産量を増大することが出来る。これ
らの利点およびその他の利点および特徴は後記の
記載および所論から明瞭になるであろう。 本発明は一つの孔が貫通している錠剤より成る
バナジウム−リン系酸化触媒の新規の触媒構造に
ある。すなわち一つの貫通孔を有する小円筒より
成る触媒構造である。本触媒構造の高さと直径は
ほとんど同一であり触媒が実質的に触媒物質の環
であることが好ましい。 触媒構造は通常小さく、すなわち直径が5/32
(0.397cm)ないし3/16(0.476cm)インチの範囲、
厚さが5/32ないし3/16インチの範囲、すなわち約
2 1/2ないし10メツシユ(タイラー基準)であ
る。錠剤を貫通する孔すなわち中空部の直径は通
常錠剤の直径の約30ないし50%である。孔即ち中
空部は錠剤のほとんど中心部にあつて、錠剤の一
方の面から他方の面へ延びていること、すなわち
孔が錠剤のほとんど中心にあつて、錠剤の二つの
面の中心点を通る軸に沿つて延びていることが好
ましい。 ノルマルブタンは例えばノルマルブテンよりも
高度に活性化することが必要であるから触媒構造
が主として触媒物質より成り立つていること、即
ち、フイラー、増量剤、担体等は本構成中に使用
されていないことが見出されている。従来の触媒
はポリビニルアルコールのようなバインダーが触
媒構造の強度を高めるために使用されている。触
媒構造は主として触媒物質より成り立つているけ
れども、必要な量だけのバインダーが使用され、
バインダーは使用しない方が良い(触媒構造は中
実触媒物質より成ることが望ましい)。触媒物質
は本明細書に記載したような変化を有するであろ
う。 第1図は本発明の触媒構造の透視図である。 第2図は本発明の触媒構造の断面のエレベーシ
ヨンである。 第3図は本発明の触媒構造を端面より見た図で
ある。 本触媒構造を構成する触媒物質は炭化水素類を
これに対応する無水物に変化させるバナジウム−
リン−酸素錯体触媒であつて、本触媒構造におい
て触媒は通常少なくとも一つの改質成分すなわち
Meを含み、Meはアルカリ金属、アルカリ土金属
又はそれらの混合物であつて稀土類金属を包含し
ている。 本発明の錯体触媒の詳細な構造は未だ決定され
ていないがこの錯体は VPaMebOx なる式で表わされる。(式中Meは改質成分、aは
0.90ないし1.3、bは0.001、好ましくは0.005ない
し0.4である)この式は実験式ではなく触媒の活
性金属成分の原子比を表わすものに過ぎない。事
実xは決定的な値でなく、錯体内の組合わせによ
つて広範囲に変化し得るものである。酸素が存在
することが知られておりOxはこれを表わす。 Me成分および基本的組成ならびに成分の割合
はいずれも前記資料に極めて多く記載されており
公知である。触媒成分の組成は錠剤組成物の特定
の構造がノルマルブタンを部分酸化して無水マレ
イン酸を製造するために使用して極めてすぐれた
結果を得る発見に基く本発明の不可欠な部分であ
るけれどもこれは本発明の主題ではない。 単独又は組合わせて使用される種々のMe成分
は周期表の第a、b、a、b、a、
b、a、b、a、群、およびb群中の第
4周期ならびに稀土類中の金属又は半金属であ
る。その若干の具体的なMe成分はCu、Ag、Zn、
Cd、Al、Ga、In、Sc、Y、La、Ge、Sn、Pb、
Ti、Zr、Sb、Bi、As、Fe、Co、Ni、Ce、Pr、
Nd、Cr、Li、Na、K、Rb、Fr、Nb、Te、W、
Pd、Mn、Mo、Re、Sm、Hf、Ta、Th、U、
B、Si、Mg、Ba、TbおよびEuである。 Me成分については安定剤、促進剤、改質剤、
等としての種々の記載がある。Me成分はそのも
のの如何にかかわらず炭化水素の酸化においてそ
の能力を発揮して触媒の一部分として寄与するも
のである。 ノルマルブタンについては一層好ましいMe成
分はCu、Mo、Ni、Co、Cr、Nd、Ce、Ba、Y、
Sm、Te、Zr、W、Pd、Ag、Mn、Zn、Re、
La、Hf、Ta、Th、U、Eu、Nb、Ru、Li、
Mg、BおよびSiである。 触媒の製造には担体又は稀釈剤を使用しても良
いが、ノルマルブタンに対してはノルマルブテン
よりも大きい活性化が必要であるので、このよう
なものを使用しない方が良い。そのため、本発明
の中空錠剤触媒は触媒の錠剤化に使用されるバイ
ンダー以外を含まないほとんど触媒物質のみより
成るものである。担体又は稀釈剤の存在は触媒構
造には悪影響を及ぼさないが、収率および生産量
が低下するため価値がないであろう。触媒構造上
の活性領域の数が最も多いことがブタンの酸化用
触媒として望ましい条件であることは容易に認め
られるであろう。 本発明の触媒構造は孔すなわち中空部を有する
錠剤として記載されているが、押出し法で中空の
構造を造りこれを短い部分に切断して錠剤物質と
ほとんど同じ構造を有するものを造つても良い。 より一層生産性と安定性を得る面から有効な触
媒は、係願中の前記米国特許第4251390号に開示
されているようにZn、Liおよび/又はSiのよう
な少数の成分をP−V−O系に附加したものであ
る。得られる触媒複合体は混合酸化物であつて、
複合体の構造は未決定であるが便宜的に次式で表
わされる。 VPaZnb′SicLidOx 式中aは0.90ないし1.3、b′は0.005ないし0.2、
cは0ないし0.3、およびdは0ないし0.15であ
る。前記のように此の式は実験式ではなく触媒成
分の原子比を表わす以外の意義を持つものではな
い。 第1図は本発明によるP−V−O系ノルマルブ
タン酸化触媒10を示し、これは貫通中空部12
を有するP−V−O系触媒物質の円筒体11であ
る。第2図は例えば中心部に貫通孔12を有する
錠剤11である構造体10を示す。第3図は触媒
物質の円筒11と貫通孔12を有する構造体10
を端面から見た図である。 該方法に記載されているように好ましい有機溶
剤はメタノール、エタノール、1−プロパノー
ル、2−プロパノール、ブタノール、2−ブタノ
ール、2−メチル−1−プロパノール、3−メチ
ル−2−ブタノール、2,2−ジメチル−1−プ
ロパノール、1−ヘキサノール、4−メチル−1
−ペンタノール、1−ヘプタノール、4−メチル
−1−ヘキサノール、4−メチル−1−ヘプタノ
ール、1,2−エタンジオール、グリセロール、
トリメチロールプロパン、ジエチレングリコー
ル、およびトリエチレングリコールのような一級
又は二級アルコールである。これらのアルコール
または+5価のバナジウム化合物に対して温和な
還元剤として作用する。 Zn/Vの比率が小さい場合には最も活性の大
きい触媒が得られることが知られており、Zn/
Vのモル比が0.01ないし0.07の範囲である組成物
が好まれる。 リンは先行技術の触媒と同様に一般にこれらの
触媒中に、P/Vの比が0.09ないし1.3対1の割
合で存在する。最適のP/Vの割合は1.22/1以
下ないし1.0/1以上であることが知られている。 Zn成分、Li成分、および/又はSi成分又は他
の有利な添加物が混合される割合はそれらが触媒
成分のみより成る沈澱物を生成する限りにおいて
は限定されていない。この沈澱の生成はリン酸の
添加と共に行なわれ、その際触媒成分の十分な混
合が確実に行なわれる。 改質成分はそれらの酢酸塩、炭酸塩、塩化物、
臭化物、酸化物、水酸化物、リン酸塩、等、例え
ば塩化亜鉛、酸化亜鉛、シユウ酸亜鉛、酢酸リチ
ウム、塩化リチウム、臭化リチウム、炭酸リチウ
ム、酸化リチウム、オルソリン酸リチウム、オル
ソリン酸テトラエチルエステル、四塩化ケイ素又
はその他のオルガノシローン類として添加され
る。 C4ないしC10炭化水素の部分酸化によつて対応
する無水物を得るための触媒物質としてこれらの
種類の物質を(広汎にかつ具体的に開示されてい
るように)使用することは一般的に認められてい
る。これらは広汎な市場用途を有する無水マレイ
ン酸をノルマルC4炭化水素すなわちアルカーン、
ノルマルブタンおよびアルケン、ノルマルブテン
のどれからでも変換して製造するための触媒であ
ると広い範囲に考えられていた。 ノルマルC4炭化水素の無水マレイン酸への酸
化は、例えばノルマルブタンを酸素中に低濃度に
含有させて前記触媒と接触させることにより達成
される。空気は酸素源として全く十分なものであ
るが、酸素と稀薄ガス例えば窒素との合成混合物
もまた使用することが出来る。酸素分を多くした
空気も使用できる。 標準的な管状酸化反応器への気体導入原料は通
常空気と、約0.5ないし約2.5モル%の、ノルマル
ブタンのような炭化水素を含有するものである。
本発明の方法の製品の最適収率を得るためにはノ
ルマルC4炭化水素は約1.0ないし約2.0モル%で十
分である。濃度をもつと大きくすることも出来る
が流動床反応器以外では爆発の危険がある。流動
床反応器では約4ないし5モル%までの濃度を爆
発の危険なく使用することができる。C4の濃度
が約1%以下の場合には同等の流速で全収率が低
下することは勿論であるので、通常経済面から使
用されない。 反応器を通過する気体の流速は比較的広い限界
内で変化し得るが好ましい操業範囲は毎時触媒1
当りC4約50ないし300gであり、毎時触媒1
当りC4約100gないし約250gの範囲が更に好ま
しい。気体の流れの滞留時間は通常約4秒以内で
あつて、約1秒以内の方が一層好ましくその下限
は操業効率が低下を来す程滞留時間が小さくなる
までである。流速および滞留時間は水銀柱760mm、
25℃における標準状態で計算される。無水マレイ
ン酸への変換についての本発明の触媒に対する好
ましい原料はノルマルブタンを主として含むn−
C4炭化水素であり、一層好ましい原料は少なく
とも90モル%のノルマルブタンより成るn−C4
炭化水素である。 種々の反応器が使用可能であるが、多管式熱多
換器型反応器が好適である。このような反応器の
反応管の直径は約1/4ないし約3インチ(0.635〜
7.62cm)、その長さは約3ないし約10フイート
(91.4〜305cm)又はそれ以上である。酸化反応は
発熱反応であるから反応温度の調節は比較的精密
に行なわなければならない。反応器の表面温度を
比較的一定に保つこと、および温度調節を助ける
ために反応器の熱を伝導するある種の媒体が必要
である。このような媒体はウツドの合金、熔融イ
オウ、水銀、熔融鉛、等であるが、共融塩浴も極
めて好適である。このような共融塩浴の一つは硝
酸ソーダー亜硝酸カリ共融恆温混合物の浴であ
る。その他の温度調節法としては反応管を取り巻
く金属が温度調節体として作用する金属ブロツク
反応器を使用する方法である。当業者には良く知
られているように、熱交換媒体は熱交換器等によ
つて適当な温度に保持される。反応器又は反応管
は鉄、不銹鋼、炭素鋼、ニツケル、バイカー
〔Vycor〕等のガラス管製である。炭素鋼管およ
びニツケル管は前記反応条件の下において極めて
長い寿命を持つている。反応器には通常1/4イン
チ(0.635cm)のアルミニウム錠剤、不活性の陶
磁器製のボール、ニツケルのボール又は屑等不活
性の材料を収容する予熱帯がありその容積は存在
する活性触媒の容積の約1/2ないし1/10の容積で
ある。 反応温度はある限界内で変化し得るが通常は反
応は比較的限定された範囲内の温度で行なわれ
る。酸化反応は発熱反応であつて一旦反応が起る
と塩浴又はその他の媒体の主目的は熱を反応器壁
から伝導によつて取去り反応を調節することにな
る。通常使用した反応温度が塩浴の温度より100
℃以上高くない温度であつた場合に良好な反応が
行なわれる。もちろん反応器の温度はある程度ま
では反応器の大きさとC4の濃度にも左右される
であろう。反応を好ましい状態で行なつた場合の
通常の操作条件は反応器の中心での温度が、熱電
対で測定して約365℃ないし約550℃である。同様
の測定法での反応器内の温度範囲は約380℃ない
し約515℃であるべきであつて、通常約390℃ない
し約415℃の温度の時最良の結果が得られる。又
別の場合すなわち約1.0インチ(2.54cm)の直径
の炭素鋼の反応管を有する塩浴反応器の場合に
は、塩浴の温度は通常約350℃ないし約550℃の間
に調節される。通常の条件の下では反応器内の温
度は通常長時間の反応に対して収率を低下したり
触媒の活性低下を起さぬように約470℃以上にし
てはならない。 反応は大気圧、大気圧以上、又は大気圧以下の
圧力下で行なうことができる。出口圧力は反応か
らの流れをプラスにするために周囲圧力よりも少
なくとも僅かに高くする。不活性ガスの圧力は反
応器を通しての圧力損失に打ちかつに十分な圧力
でなければならない。 無水マレイン酸は当業者には良く知られている
多数の方法で回収される。例えば、回収は直接凝
縮又は適当な媒体への吸着で行ない、次いでこれ
を分離し精製する。 後記の実施例においては二種類の反応器が使用
されている。この二つの反応器での試験結果は定
性的に類似しており、すなわち小さい方の装置中
での無水マレイン酸の収率の増加は、その絶対値
においては異るけれども大きい方の反応器にも再
現している。 反応器A: 反応器Aは合金360製の四管式円筒形真鍮ブロ
ツク(外径8インチ(20.3cm);長さ18インチ
(45.7cm))である。ブロツクは2個の2500ワツト
(220ボルト)の筒形ヒーターで加熱せられ、自動
的温度設定装置を有する25アンペアの熱電流比例
調節器で調節される。保温をする前にブロツクに
3/8インチ(0.95cm)の銅管のコイルを緊密に巻
きつけた。この外部コイルを反応器ブロツクを冷
却する水と空気入口を有する外岐管に連結した。
反応器は外径1.315インチ(3.34cm)、内径1.049イ
ンチ(2.66cm)、長さ23 1/2インチ(59.7cm)の
304不銹鋼製であつて、中心部に外径1/8インチ
(0.32cm)の不銹鋼製熱電対挿入管を有するもの
であつた。反応器の下部には3mmのパイレツクス
ビードの厚さ1インチ(2.54cm)の層を充填し
た。その上方12インチ(30.5cm)には一つの反応
器に対して1/16インチ(0.16cm)の内径の孔を各
錠剤の中心部に有する(以下これを“中空”と呼
ぶ)5/32インチ×5/32インチの錠剤である触媒
と、比較のための→同一の触媒物質より成る孔の
ない5/32(0.397cm)×5/32インチ(0.397cm)の
錠剤とを充填しその上に3mmのパイレツクスビー
ドの10インチ(25.4cm)の層を設けた。送入する
気体は別々に計量して反応器の頂部に入る共通の
入口管に導いた。反応する蒸気類は800mlの水を
入れた2個の200mlのガス洗浄瓶を通した。次に
洗浄瓶を出た蒸気を湿式試験器に送入した後排出
させた。入口のガスは洗浄瓶を通つた後反応器に
入る前で試料を採取した。供給原料は空気中に
C4炭化水素たとえばノルマルブタンを0.7ないし
0.8モル%含有するものを両反応器共2300hr-1の
GHSVで供給したものであり反応物の両反応器
への供給条件は同一であつた。反応は発熱反応で
あるから反応器の温度はその函数である。入口ガ
スおよび水で洗浄した出口ガスはピーク面積測定
法を用いてガスクロマトグラフイで分析した。ガ
ス流中に存在するブタン、炭酸ガスおよびすべて
のオレフイン又はジオレフインは先ず35/80メツ
シユのクロモソーブ〔chromosorb〕上に13重量
%の真空ポンプ油を含む長さ5フイート(152.4
cm)の1/4インチ(0.635cm)のカカラムの前半部
で定量し、続いて35/80メツシユのクロモソーブ
上に附着した26重量部のプロピレンカーボネート
と2.4−ジメチルスルフオラーン(プロピレンカ
ーボネートと2.4−ジメチルスルフオラーンとの
比率=70/30)を含む40フイート(122cm)の部
分で定量した。分析は水素をキヤリヤーガスとし
て室温で行なつた(100ml/分)。一酸化炭素は先
ず1/4インチ(0.635cm)のカラムの活性炭を充填
した3フイート(9.14cm)の前半部で、次に40/
50メツシユの5A分子篩を充填した6フイート
(183cm)の部分で行なつた。この分析はヘリウム
をキヤリヤーガスとして35℃で行なつた(20ポン
ド/平方インチ)(4.2Kg/cm2)。 洗浄水は合併して容量計量フラスコ中で3000ml
に稀釈した。この溶液の一部を0.1規定苛性ソー
ダ溶液で滴定して溶液中の無水マレイン酸(第一
終点)と弱酸を定量した。またヒドロキシラミン
塩酸塩を用いてカルボニル基を滴定して求めた。
これらの結果は表に記載した通であつた。 “反応器B” “反応器B”は触媒の上部に1/4インチ(0.635
cm)のアランダム錠剤の不活性層12インチ(30.5
cm)を充填しまた充填の下部に6インチ(15.2
cm)の長さのアランダム錠剤層を充填し、触媒
950mlを有する直径1インチ(2.54cm)の長さ12
フイート(30.5cm)の管である。 二本の管に触媒を充填し、その一方には触媒の
各錠剤の中心を通る内径1/16インチ(0.16cm)の
孔を有する(中空)5/32インチ(0.397cm)の錠
剤を充填し、他方の管には孔のない(中実)5/32
インチ(0.397cm)×5/32インチ(0.397cm)の同
一の触媒物質より成る触媒が充填されていた。 反応器は7%硝酸ソーダー40%亜硝酸ソーダー
53%亜硝酸カリより成る共融混合物の恆温塩浴に
浸した。反応器を徐々に400℃まで加熱し(触媒
上に250℃ないし270℃の空気を通した)一方0.5
ないし0.7モル%のノルマルブタンを含む空気流
を約280℃の温度に達してから触媒上に通した。
反応器の出口圧力は1ポンド/平方インチ(0.07
Kg/cm2)に保たれた。反応器が400℃に達した後
ノルマルブタンと空気の混合物を24時間通じて充
填を養生した。ノルマルブタン/空気混合物の量
および温度を増加して80ないし90%の変化率を得
た。塩浴の最高温度は425℃であつた。最大送入
量は塩浴の温度が最高となつた時これに関連して
得られた。また温度の最高部位は450℃であつた。
温度の最高部位は試料を触媒層の中心部に通して
求められた。塩浴の温度は変化率とノルマルブタ
ン/空気混合物との間の所望の関係を達成するた
めに調整することが出来る。2500hr-1の気体の毎
時空間速度(GHSV)を使用し、この際両反応
器に共に同一モル%のC4原料を供給した。出口
ガスを約1/2ポンド/平方インチ(0.035Kg/cm2)
の圧力下において約55ないし60℃まで冷却した。
これらの条件下において約30ないし50%の無水マ
レイン酸がガス流から凝縮した。無水マレイン酸
を凝縮分離した後のガス流を水洗回収した液およ
びこれを引つゞき脱水分別して残つている無水マ
レイン酸を回収精製した。回収した無水マレイン
酸を合併して精製し、分別蒸溜塔の塔頂温度約
140ないし150℃底部温度145℃で回収を行なつた。
精製物の純度は無水マレイン酸99.9+%であつた。 反応器Aは実装置規模の運転を意図して造られ
た塩浴反応器Bの結果を反映再現したものであ
る。 後記の表は二つの対比的な反応の結果を示して
いる。 次に記載する代表的な触媒の製造法は前記の情
報に準拠して製造した触媒についてのものであ
る。 触媒製造法 無水イソブチルアルコール1.8と五酸化バナ
ジウム318gを5のガラス製反応器に仕込んだ。
反応器には上方挿入式かく拌器、ガス入口、温度
計管、および水冷凝縮器付デイーンスターク型
〔Dean stark〕トラツプを取りつけた。反応温度
を約50℃に保つような割合で約3.5ポンド(1.6
Kg)のHClガスを、かく拌されている懸濁液に送
入した。生成した暗赤褐色の溶液に、117.2gの
P2O5を85%H3PO4302.58gに添加して完全に溶
解し次にこれを420mlの無水アルコールで酸を稀
釈して予め造つた99.3%リン酸のアルコール溶液
を加えた。塩化亜鉛(4.77g)と塩化リチウム
(0.47g)をこのリン酸溶液に加えた。生成した
溶液を2.0hr還流加熱した。溜出するガスを苛性
アルカリ溶液で洗浄した。熟成期の終り頃に暗青
色の溶液からアルコールを追い出して約1.8を
回収した。生成したスラリーを150℃で乾燥した。
乾燥した粉末を5/32インチ(0.397cm)×5/32イン
チ(0.397cm)の錠剤に成形し、その中いくらか
は本発明の通りの内径1/16インチ(0.16cm)の孔
を穿つた。 触媒は固定床反応器の反応管中にこの錠剤を置
いて、前記のような調質を行なつて反応に使用す
るように調整した。反応器Bは塩浴で加熱した。 反応結果の報告中に使用したC、S.およびYは
後記のような意味と関係とを有するものである。 C(変化率)×S(選択率)=Y(収率) MANは無水マレイン酸の略称である。 報告中のデータは両型の反応器のいづれにおい
ても空気とC4原料が同じ条件においては本発明
の触媒構造の方が変化率および選択率が共に高い
ことを示している。工業的反応器型のパイロツト
プラント(反応器B)の場合には本発明の中空触
媒を使用して驚くべきことに収率が絶対値で5%
大きく装置生産性も9%以上大きかつた。 公知の中実型の触媒の変化率を大きくすると、
無水マレイン酸への選択率は著しく低下した。 説明に使用した実施例は便宜上特定の触媒物質
を使用するものがあるが、これと異る改質剤を含
む他のV−P−O系触媒も本発明の中空構造の場
合と公知の中実構造の場合との間に同一の関係が
あることが示されることを認められる。
めの炭化水素類の部分酸化に使用される改善され
た触媒構造に関するものである。 無水マレイン類の製造用触媒の製造法はすべて
基本的に原子価状態が+5以下のバナジウムを使
用するものである。他の一つの方法で、技術面に
おいて最も広く使用されている方法は+5の原子
価状態のバナジウムから出発して原子価を+5以
下に減らす方法である。 還元されたバナジウムは通常溶液中でV2O5を
HClで還元して塩化バナジウムを得る方法で得ら
れている。代表的な触媒の製造においてはバナジ
ウム、リン、および他の成分を熱塩酸のような普
通の溶剤中に溶解し、その後担体上に析出させる
方法である。原子価が+5以下の還元されたバナ
ジウムは、最初にV2O5のような原子価が+5の
バナジウム化合物を使用し、次に触媒製造中に、
例えば塩酸等を使用して低原子価のバナジウムに
還元しバナジウムのオキシ塩、たとえば塩化バナ
ジルをその場所に形成することによつて得られ
る。バナジウム化合物は塩酸のような還元性溶剤
に溶解するが、この溶剤は反応に対する溶剤とし
て作用するだけでなくバナジウム化合物の原子価
を5以下に減らす作用を行なうものである。例え
ば、バナジウム化合物、銅化合物、テルル化合
物、リン化合物、およびアルカリ金属化合物を適
当な還元性溶剤に任意の順序で溶解し錯体の生成
を行なわせても良い。バナジウム化合物を溶剤に
最初に溶解し、その後にリン、銅、テルルの化合
物およびもし存在するならば他種金属の化合物を
添加する方が良い。錯体の生成反応は加熱により
促進される。溶解の色が深青色であることはバナ
ジウムの平均原子価が5以下であることを示す。
次に生成した錯体を沈澱を生成させずに溶液の形
で担体に沈着させて乾燥を行なう。この方法にお
いてバナジウムは担体に沈着させた時点又は担体
を使用せずに沈澱させた時点で+5以下例えば約
+4の平均原子価を持つている。バナジウムの平
均原子価は沈澱の時点で一般的に約+2.5ないし
4.6である。 他の一つの方法においては、触媒は金属化合物
を不活性液体中の成分のコロイド状分散物から担
体を使用し又は使用せずに沈澱を起させることに
よつて製造される。ある場合には熔融した金属化
合物を担体上に析出させることがある。然しリン
のような成分のどれもが蒸発して失われないよう
に注意をしなければならない。触媒はまたリン酸
の無水物をバナジウム化合物、銅化合物、金属
(Me)化合物およびアルカリ金属化合物と加熱混
合して製造される。触媒は流動床又は固定床触媒
のいずれにも使用し得る。これらの選造方法のい
ずれにおいても錯体生成を促進するために加熱が
行なわれる。 コツペル〔Koppel〕等がZeit.anorg.Chem、
45、P.346−351、1905に開示している極めて古く
伝統的な塩化バナジルの製造法はアルコール性
HCl溶液中でV2O5を還元する方法である。この
方法は例えばケル〔Kerr〕によつて米国特許第
3255211号中でリン−バナジウム系酸化触媒の製
造法として推薦されており、此の方法においては
溶剤もまた還元剤の作用をしている。これにつづ
いて米国特許第4043943号もバナジウムを還元し
て塩基性リン−バナジウム系触媒の製造を行なう
ことに使用している。然しながらこの方法で送つ
た触媒は例えば米国特許第4017521号に記載され
ているようにこれを触媒として役立てるには極め
て特殊な活性化方法を行なうことが必要である。 本出願人に特許された初期の段階の一連のも
の、すなわち米国特許第3156705号、第3156706
号、第3255211号、第3255212号、第3255213号、
第3288721号、第3351565号、第3366648号、第
3385796号および第3484384号にはバナジウム−リ
ン系酸化触媒の独特のタイプのものの一群が開示
されている。これらの方法および触媒はノルマル
ブテン類の無水マレイン酸への酸化に効果が大き
いことが示されている。これらの先駆的な特許の
発表以来、多数の変更修正を行なつた特許が公告
され基本的な発見に関する改良が提出された。こ
れらは次の特許である。米国特許第3856824号、
3862146号、3864280号、3867411号、3888886号、
4071539号、4097498号、4105580号、4152338号、
4152339号、および4153577号。 本出願人に特許された米国特許第4251390号の
開示されている最近開発された方法においては改
善された触媒がアルコール性HCl溶液による五酸
化バナジウムの還元を行なうものであつて、使用
するアルコールはイソブチルアルコールのような
物質であり、バナジウムの還元はこれをHClと接
触させることによつて行なわれる。この接触は便
宜的に気体HClを、五酸化バナジウムを懸濁して
いるアルコール中に通すことによつて行なわれ
る。五酸化バナジウムはHClによつて還元されて
塩化バナジルとして溶液中に溶解される。還元は
溶液の色が暗赤褐色になつた時に完了する。この
系において臭化水素も還元剤としてほぼ同一の作
用を行なう。還元温度は60℃よりも著しくは高く
ない温度に保持されるべきであり、好ましくは55
℃以下に保たれるべきであることが知られてい
る。還元が約35℃ないし55℃、好ましくは40℃な
いし55℃の範囲内の温度で行なわれた時の結果と
して得られる触媒が最適の活性を有する。 バナジウムとリンの混合酸化物を得るためには
約99%のH3PO4含有量(98ないし101%)のリン
酸を添加してバナジウム化合物を加熱分解する。
この反応は溶液の暗青緑色が変化することによつ
て判別される。前記99%H3PO4は例えば85%
H3PO4とP2O5から製造するか、又は105ないし
115%の市販の等級のリン酸を85%H3PO4で稀釈
して製造する。亜鉛又はその他の触媒成分が通常
リン酸に添加される。その後アルコールを追い出
して乾燥触媒を得る。 触媒は種々の形や構造、例えば鞍状、円板状、
球状、円筒状、管状、粒状等に造られている。例
えば米国特許第2078945号にはハイドロシリケー
ト触媒を管状又は円筒状に成形し次にこれを粉砕
篩別して不規側な触媒の形を送ることが開示され
ている。米国特許第4178298号および第4181628号
にはバナジウムおよびリンを含有する混合酸化物
系酸化触媒をペレツト、錠剤又は円筒形として使
用することが開示されている。米国特許第
3848033号、3966639号、4094922号および4171454
号には空泡中心部と、これと連通する外表面上の
単一の空洞を有しアンホラ〔amphora〕と名付
けられている球状の骨材が開示されている。米国
特許第4153539号および4170569号にはアンホラ
〔amphora〕と名付けられている同様の球状触
媒が開示されているが、これは中空中心部と互い
に180゜反対側で連通している二つの空洞を有す
る。骨材アンホラは特に有効であつて、供給物
が反応器内で一部液相として存在するようなすべ
ての反応において有利であることが記載されてい
る。 炭化水素の接触酸化による二塩基無水物の製造
は公知である。C4炭化水素からの無水マレイン
酸の周知の経路は過去において好ましい方法であ
つたが現在でもベンゼンの全世界的不足のため更
にその必要度が高まつている。C4炭化水素の直
接酸化による方法は炭化水素の節約の点から容易
にその有利性を評価することが出来るであろう。
それはベンゼン法では1モルの無水マレイン酸を
得るために分子量78のベンゼン1モルが消費され
るが、C4炭化水素法では分子量54ないし58のC4
炭化水素が消費されるに過ぎぬからである。但し
ベンゼン法では変化率および選択性が常に高い。 無水マレイン酸の更に好ましい製造法はノルマ
ルブテン類又はブタジエンの直接酸化法である。
ノルマルブテン類はノルマルブタン類よりも経済
性の高い石油化学的用途を持つているが、ノルマ
ルブタン類は現在廉価な燃料として空しく燃やさ
れている。 ノルマルブタン類の場合にはエネルギーの必要
性のために触媒成分を沈着した担体よりも固体の
錠剤型にした触媒を必要とする。経済面から高負
荷が必要とされるため75%以上のブタンの変化率
を得ることは従来出来なかつた。高変化率を得る
ためには局所の温度を高くすることが必要であり
これは収率に悪影響を与える。 本発明の利点は触媒の活性が大きいことであ
る。その他の利点は触媒使用量が少ないことであ
る。もう一つの利点は反応器内の圧力低下が小さ
い特徴があることである。圧力低下が少ないため
流量を大きくすることが出来、生産量を増大する
ことが出来る。更に別の利点は反応圏から熱の除
去を一層良好にすることが出来、これによつて変
化率および生産量を増大することが出来る。これ
らの利点およびその他の利点および特徴は後記の
記載および所論から明瞭になるであろう。 本発明は一つの孔が貫通している錠剤より成る
バナジウム−リン系酸化触媒の新規の触媒構造に
ある。すなわち一つの貫通孔を有する小円筒より
成る触媒構造である。本触媒構造の高さと直径は
ほとんど同一であり触媒が実質的に触媒物質の環
であることが好ましい。 触媒構造は通常小さく、すなわち直径が5/32
(0.397cm)ないし3/16(0.476cm)インチの範囲、
厚さが5/32ないし3/16インチの範囲、すなわち約
2 1/2ないし10メツシユ(タイラー基準)であ
る。錠剤を貫通する孔すなわち中空部の直径は通
常錠剤の直径の約30ないし50%である。孔即ち中
空部は錠剤のほとんど中心部にあつて、錠剤の一
方の面から他方の面へ延びていること、すなわち
孔が錠剤のほとんど中心にあつて、錠剤の二つの
面の中心点を通る軸に沿つて延びていることが好
ましい。 ノルマルブタンは例えばノルマルブテンよりも
高度に活性化することが必要であるから触媒構造
が主として触媒物質より成り立つていること、即
ち、フイラー、増量剤、担体等は本構成中に使用
されていないことが見出されている。従来の触媒
はポリビニルアルコールのようなバインダーが触
媒構造の強度を高めるために使用されている。触
媒構造は主として触媒物質より成り立つているけ
れども、必要な量だけのバインダーが使用され、
バインダーは使用しない方が良い(触媒構造は中
実触媒物質より成ることが望ましい)。触媒物質
は本明細書に記載したような変化を有するであろ
う。 第1図は本発明の触媒構造の透視図である。 第2図は本発明の触媒構造の断面のエレベーシ
ヨンである。 第3図は本発明の触媒構造を端面より見た図で
ある。 本触媒構造を構成する触媒物質は炭化水素類を
これに対応する無水物に変化させるバナジウム−
リン−酸素錯体触媒であつて、本触媒構造におい
て触媒は通常少なくとも一つの改質成分すなわち
Meを含み、Meはアルカリ金属、アルカリ土金属
又はそれらの混合物であつて稀土類金属を包含し
ている。 本発明の錯体触媒の詳細な構造は未だ決定され
ていないがこの錯体は VPaMebOx なる式で表わされる。(式中Meは改質成分、aは
0.90ないし1.3、bは0.001、好ましくは0.005ない
し0.4である)この式は実験式ではなく触媒の活
性金属成分の原子比を表わすものに過ぎない。事
実xは決定的な値でなく、錯体内の組合わせによ
つて広範囲に変化し得るものである。酸素が存在
することが知られておりOxはこれを表わす。 Me成分および基本的組成ならびに成分の割合
はいずれも前記資料に極めて多く記載されており
公知である。触媒成分の組成は錠剤組成物の特定
の構造がノルマルブタンを部分酸化して無水マレ
イン酸を製造するために使用して極めてすぐれた
結果を得る発見に基く本発明の不可欠な部分であ
るけれどもこれは本発明の主題ではない。 単独又は組合わせて使用される種々のMe成分
は周期表の第a、b、a、b、a、
b、a、b、a、群、およびb群中の第
4周期ならびに稀土類中の金属又は半金属であ
る。その若干の具体的なMe成分はCu、Ag、Zn、
Cd、Al、Ga、In、Sc、Y、La、Ge、Sn、Pb、
Ti、Zr、Sb、Bi、As、Fe、Co、Ni、Ce、Pr、
Nd、Cr、Li、Na、K、Rb、Fr、Nb、Te、W、
Pd、Mn、Mo、Re、Sm、Hf、Ta、Th、U、
B、Si、Mg、Ba、TbおよびEuである。 Me成分については安定剤、促進剤、改質剤、
等としての種々の記載がある。Me成分はそのも
のの如何にかかわらず炭化水素の酸化においてそ
の能力を発揮して触媒の一部分として寄与するも
のである。 ノルマルブタンについては一層好ましいMe成
分はCu、Mo、Ni、Co、Cr、Nd、Ce、Ba、Y、
Sm、Te、Zr、W、Pd、Ag、Mn、Zn、Re、
La、Hf、Ta、Th、U、Eu、Nb、Ru、Li、
Mg、BおよびSiである。 触媒の製造には担体又は稀釈剤を使用しても良
いが、ノルマルブタンに対してはノルマルブテン
よりも大きい活性化が必要であるので、このよう
なものを使用しない方が良い。そのため、本発明
の中空錠剤触媒は触媒の錠剤化に使用されるバイ
ンダー以外を含まないほとんど触媒物質のみより
成るものである。担体又は稀釈剤の存在は触媒構
造には悪影響を及ぼさないが、収率および生産量
が低下するため価値がないであろう。触媒構造上
の活性領域の数が最も多いことがブタンの酸化用
触媒として望ましい条件であることは容易に認め
られるであろう。 本発明の触媒構造は孔すなわち中空部を有する
錠剤として記載されているが、押出し法で中空の
構造を造りこれを短い部分に切断して錠剤物質と
ほとんど同じ構造を有するものを造つても良い。 より一層生産性と安定性を得る面から有効な触
媒は、係願中の前記米国特許第4251390号に開示
されているようにZn、Liおよび/又はSiのよう
な少数の成分をP−V−O系に附加したものであ
る。得られる触媒複合体は混合酸化物であつて、
複合体の構造は未決定であるが便宜的に次式で表
わされる。 VPaZnb′SicLidOx 式中aは0.90ないし1.3、b′は0.005ないし0.2、
cは0ないし0.3、およびdは0ないし0.15であ
る。前記のように此の式は実験式ではなく触媒成
分の原子比を表わす以外の意義を持つものではな
い。 第1図は本発明によるP−V−O系ノルマルブ
タン酸化触媒10を示し、これは貫通中空部12
を有するP−V−O系触媒物質の円筒体11であ
る。第2図は例えば中心部に貫通孔12を有する
錠剤11である構造体10を示す。第3図は触媒
物質の円筒11と貫通孔12を有する構造体10
を端面から見た図である。 該方法に記載されているように好ましい有機溶
剤はメタノール、エタノール、1−プロパノー
ル、2−プロパノール、ブタノール、2−ブタノ
ール、2−メチル−1−プロパノール、3−メチ
ル−2−ブタノール、2,2−ジメチル−1−プ
ロパノール、1−ヘキサノール、4−メチル−1
−ペンタノール、1−ヘプタノール、4−メチル
−1−ヘキサノール、4−メチル−1−ヘプタノ
ール、1,2−エタンジオール、グリセロール、
トリメチロールプロパン、ジエチレングリコー
ル、およびトリエチレングリコールのような一級
又は二級アルコールである。これらのアルコール
または+5価のバナジウム化合物に対して温和な
還元剤として作用する。 Zn/Vの比率が小さい場合には最も活性の大
きい触媒が得られることが知られており、Zn/
Vのモル比が0.01ないし0.07の範囲である組成物
が好まれる。 リンは先行技術の触媒と同様に一般にこれらの
触媒中に、P/Vの比が0.09ないし1.3対1の割
合で存在する。最適のP/Vの割合は1.22/1以
下ないし1.0/1以上であることが知られている。 Zn成分、Li成分、および/又はSi成分又は他
の有利な添加物が混合される割合はそれらが触媒
成分のみより成る沈澱物を生成する限りにおいて
は限定されていない。この沈澱の生成はリン酸の
添加と共に行なわれ、その際触媒成分の十分な混
合が確実に行なわれる。 改質成分はそれらの酢酸塩、炭酸塩、塩化物、
臭化物、酸化物、水酸化物、リン酸塩、等、例え
ば塩化亜鉛、酸化亜鉛、シユウ酸亜鉛、酢酸リチ
ウム、塩化リチウム、臭化リチウム、炭酸リチウ
ム、酸化リチウム、オルソリン酸リチウム、オル
ソリン酸テトラエチルエステル、四塩化ケイ素又
はその他のオルガノシローン類として添加され
る。 C4ないしC10炭化水素の部分酸化によつて対応
する無水物を得るための触媒物質としてこれらの
種類の物質を(広汎にかつ具体的に開示されてい
るように)使用することは一般的に認められてい
る。これらは広汎な市場用途を有する無水マレイ
ン酸をノルマルC4炭化水素すなわちアルカーン、
ノルマルブタンおよびアルケン、ノルマルブテン
のどれからでも変換して製造するための触媒であ
ると広い範囲に考えられていた。 ノルマルC4炭化水素の無水マレイン酸への酸
化は、例えばノルマルブタンを酸素中に低濃度に
含有させて前記触媒と接触させることにより達成
される。空気は酸素源として全く十分なものであ
るが、酸素と稀薄ガス例えば窒素との合成混合物
もまた使用することが出来る。酸素分を多くした
空気も使用できる。 標準的な管状酸化反応器への気体導入原料は通
常空気と、約0.5ないし約2.5モル%の、ノルマル
ブタンのような炭化水素を含有するものである。
本発明の方法の製品の最適収率を得るためにはノ
ルマルC4炭化水素は約1.0ないし約2.0モル%で十
分である。濃度をもつと大きくすることも出来る
が流動床反応器以外では爆発の危険がある。流動
床反応器では約4ないし5モル%までの濃度を爆
発の危険なく使用することができる。C4の濃度
が約1%以下の場合には同等の流速で全収率が低
下することは勿論であるので、通常経済面から使
用されない。 反応器を通過する気体の流速は比較的広い限界
内で変化し得るが好ましい操業範囲は毎時触媒1
当りC4約50ないし300gであり、毎時触媒1
当りC4約100gないし約250gの範囲が更に好ま
しい。気体の流れの滞留時間は通常約4秒以内で
あつて、約1秒以内の方が一層好ましくその下限
は操業効率が低下を来す程滞留時間が小さくなる
までである。流速および滞留時間は水銀柱760mm、
25℃における標準状態で計算される。無水マレイ
ン酸への変換についての本発明の触媒に対する好
ましい原料はノルマルブタンを主として含むn−
C4炭化水素であり、一層好ましい原料は少なく
とも90モル%のノルマルブタンより成るn−C4
炭化水素である。 種々の反応器が使用可能であるが、多管式熱多
換器型反応器が好適である。このような反応器の
反応管の直径は約1/4ないし約3インチ(0.635〜
7.62cm)、その長さは約3ないし約10フイート
(91.4〜305cm)又はそれ以上である。酸化反応は
発熱反応であるから反応温度の調節は比較的精密
に行なわなければならない。反応器の表面温度を
比較的一定に保つこと、および温度調節を助ける
ために反応器の熱を伝導するある種の媒体が必要
である。このような媒体はウツドの合金、熔融イ
オウ、水銀、熔融鉛、等であるが、共融塩浴も極
めて好適である。このような共融塩浴の一つは硝
酸ソーダー亜硝酸カリ共融恆温混合物の浴であ
る。その他の温度調節法としては反応管を取り巻
く金属が温度調節体として作用する金属ブロツク
反応器を使用する方法である。当業者には良く知
られているように、熱交換媒体は熱交換器等によ
つて適当な温度に保持される。反応器又は反応管
は鉄、不銹鋼、炭素鋼、ニツケル、バイカー
〔Vycor〕等のガラス管製である。炭素鋼管およ
びニツケル管は前記反応条件の下において極めて
長い寿命を持つている。反応器には通常1/4イン
チ(0.635cm)のアルミニウム錠剤、不活性の陶
磁器製のボール、ニツケルのボール又は屑等不活
性の材料を収容する予熱帯がありその容積は存在
する活性触媒の容積の約1/2ないし1/10の容積で
ある。 反応温度はある限界内で変化し得るが通常は反
応は比較的限定された範囲内の温度で行なわれ
る。酸化反応は発熱反応であつて一旦反応が起る
と塩浴又はその他の媒体の主目的は熱を反応器壁
から伝導によつて取去り反応を調節することにな
る。通常使用した反応温度が塩浴の温度より100
℃以上高くない温度であつた場合に良好な反応が
行なわれる。もちろん反応器の温度はある程度ま
では反応器の大きさとC4の濃度にも左右される
であろう。反応を好ましい状態で行なつた場合の
通常の操作条件は反応器の中心での温度が、熱電
対で測定して約365℃ないし約550℃である。同様
の測定法での反応器内の温度範囲は約380℃ない
し約515℃であるべきであつて、通常約390℃ない
し約415℃の温度の時最良の結果が得られる。又
別の場合すなわち約1.0インチ(2.54cm)の直径
の炭素鋼の反応管を有する塩浴反応器の場合に
は、塩浴の温度は通常約350℃ないし約550℃の間
に調節される。通常の条件の下では反応器内の温
度は通常長時間の反応に対して収率を低下したり
触媒の活性低下を起さぬように約470℃以上にし
てはならない。 反応は大気圧、大気圧以上、又は大気圧以下の
圧力下で行なうことができる。出口圧力は反応か
らの流れをプラスにするために周囲圧力よりも少
なくとも僅かに高くする。不活性ガスの圧力は反
応器を通しての圧力損失に打ちかつに十分な圧力
でなければならない。 無水マレイン酸は当業者には良く知られている
多数の方法で回収される。例えば、回収は直接凝
縮又は適当な媒体への吸着で行ない、次いでこれ
を分離し精製する。 後記の実施例においては二種類の反応器が使用
されている。この二つの反応器での試験結果は定
性的に類似しており、すなわち小さい方の装置中
での無水マレイン酸の収率の増加は、その絶対値
においては異るけれども大きい方の反応器にも再
現している。 反応器A: 反応器Aは合金360製の四管式円筒形真鍮ブロ
ツク(外径8インチ(20.3cm);長さ18インチ
(45.7cm))である。ブロツクは2個の2500ワツト
(220ボルト)の筒形ヒーターで加熱せられ、自動
的温度設定装置を有する25アンペアの熱電流比例
調節器で調節される。保温をする前にブロツクに
3/8インチ(0.95cm)の銅管のコイルを緊密に巻
きつけた。この外部コイルを反応器ブロツクを冷
却する水と空気入口を有する外岐管に連結した。
反応器は外径1.315インチ(3.34cm)、内径1.049イ
ンチ(2.66cm)、長さ23 1/2インチ(59.7cm)の
304不銹鋼製であつて、中心部に外径1/8インチ
(0.32cm)の不銹鋼製熱電対挿入管を有するもの
であつた。反応器の下部には3mmのパイレツクス
ビードの厚さ1インチ(2.54cm)の層を充填し
た。その上方12インチ(30.5cm)には一つの反応
器に対して1/16インチ(0.16cm)の内径の孔を各
錠剤の中心部に有する(以下これを“中空”と呼
ぶ)5/32インチ×5/32インチの錠剤である触媒
と、比較のための→同一の触媒物質より成る孔の
ない5/32(0.397cm)×5/32インチ(0.397cm)の
錠剤とを充填しその上に3mmのパイレツクスビー
ドの10インチ(25.4cm)の層を設けた。送入する
気体は別々に計量して反応器の頂部に入る共通の
入口管に導いた。反応する蒸気類は800mlの水を
入れた2個の200mlのガス洗浄瓶を通した。次に
洗浄瓶を出た蒸気を湿式試験器に送入した後排出
させた。入口のガスは洗浄瓶を通つた後反応器に
入る前で試料を採取した。供給原料は空気中に
C4炭化水素たとえばノルマルブタンを0.7ないし
0.8モル%含有するものを両反応器共2300hr-1の
GHSVで供給したものであり反応物の両反応器
への供給条件は同一であつた。反応は発熱反応で
あるから反応器の温度はその函数である。入口ガ
スおよび水で洗浄した出口ガスはピーク面積測定
法を用いてガスクロマトグラフイで分析した。ガ
ス流中に存在するブタン、炭酸ガスおよびすべて
のオレフイン又はジオレフインは先ず35/80メツ
シユのクロモソーブ〔chromosorb〕上に13重量
%の真空ポンプ油を含む長さ5フイート(152.4
cm)の1/4インチ(0.635cm)のカカラムの前半部
で定量し、続いて35/80メツシユのクロモソーブ
上に附着した26重量部のプロピレンカーボネート
と2.4−ジメチルスルフオラーン(プロピレンカ
ーボネートと2.4−ジメチルスルフオラーンとの
比率=70/30)を含む40フイート(122cm)の部
分で定量した。分析は水素をキヤリヤーガスとし
て室温で行なつた(100ml/分)。一酸化炭素は先
ず1/4インチ(0.635cm)のカラムの活性炭を充填
した3フイート(9.14cm)の前半部で、次に40/
50メツシユの5A分子篩を充填した6フイート
(183cm)の部分で行なつた。この分析はヘリウム
をキヤリヤーガスとして35℃で行なつた(20ポン
ド/平方インチ)(4.2Kg/cm2)。 洗浄水は合併して容量計量フラスコ中で3000ml
に稀釈した。この溶液の一部を0.1規定苛性ソー
ダ溶液で滴定して溶液中の無水マレイン酸(第一
終点)と弱酸を定量した。またヒドロキシラミン
塩酸塩を用いてカルボニル基を滴定して求めた。
これらの結果は表に記載した通であつた。 “反応器B” “反応器B”は触媒の上部に1/4インチ(0.635
cm)のアランダム錠剤の不活性層12インチ(30.5
cm)を充填しまた充填の下部に6インチ(15.2
cm)の長さのアランダム錠剤層を充填し、触媒
950mlを有する直径1インチ(2.54cm)の長さ12
フイート(30.5cm)の管である。 二本の管に触媒を充填し、その一方には触媒の
各錠剤の中心を通る内径1/16インチ(0.16cm)の
孔を有する(中空)5/32インチ(0.397cm)の錠
剤を充填し、他方の管には孔のない(中実)5/32
インチ(0.397cm)×5/32インチ(0.397cm)の同
一の触媒物質より成る触媒が充填されていた。 反応器は7%硝酸ソーダー40%亜硝酸ソーダー
53%亜硝酸カリより成る共融混合物の恆温塩浴に
浸した。反応器を徐々に400℃まで加熱し(触媒
上に250℃ないし270℃の空気を通した)一方0.5
ないし0.7モル%のノルマルブタンを含む空気流
を約280℃の温度に達してから触媒上に通した。
反応器の出口圧力は1ポンド/平方インチ(0.07
Kg/cm2)に保たれた。反応器が400℃に達した後
ノルマルブタンと空気の混合物を24時間通じて充
填を養生した。ノルマルブタン/空気混合物の量
および温度を増加して80ないし90%の変化率を得
た。塩浴の最高温度は425℃であつた。最大送入
量は塩浴の温度が最高となつた時これに関連して
得られた。また温度の最高部位は450℃であつた。
温度の最高部位は試料を触媒層の中心部に通して
求められた。塩浴の温度は変化率とノルマルブタ
ン/空気混合物との間の所望の関係を達成するた
めに調整することが出来る。2500hr-1の気体の毎
時空間速度(GHSV)を使用し、この際両反応
器に共に同一モル%のC4原料を供給した。出口
ガスを約1/2ポンド/平方インチ(0.035Kg/cm2)
の圧力下において約55ないし60℃まで冷却した。
これらの条件下において約30ないし50%の無水マ
レイン酸がガス流から凝縮した。無水マレイン酸
を凝縮分離した後のガス流を水洗回収した液およ
びこれを引つゞき脱水分別して残つている無水マ
レイン酸を回収精製した。回収した無水マレイン
酸を合併して精製し、分別蒸溜塔の塔頂温度約
140ないし150℃底部温度145℃で回収を行なつた。
精製物の純度は無水マレイン酸99.9+%であつた。 反応器Aは実装置規模の運転を意図して造られ
た塩浴反応器Bの結果を反映再現したものであ
る。 後記の表は二つの対比的な反応の結果を示して
いる。 次に記載する代表的な触媒の製造法は前記の情
報に準拠して製造した触媒についてのものであ
る。 触媒製造法 無水イソブチルアルコール1.8と五酸化バナ
ジウム318gを5のガラス製反応器に仕込んだ。
反応器には上方挿入式かく拌器、ガス入口、温度
計管、および水冷凝縮器付デイーンスターク型
〔Dean stark〕トラツプを取りつけた。反応温度
を約50℃に保つような割合で約3.5ポンド(1.6
Kg)のHClガスを、かく拌されている懸濁液に送
入した。生成した暗赤褐色の溶液に、117.2gの
P2O5を85%H3PO4302.58gに添加して完全に溶
解し次にこれを420mlの無水アルコールで酸を稀
釈して予め造つた99.3%リン酸のアルコール溶液
を加えた。塩化亜鉛(4.77g)と塩化リチウム
(0.47g)をこのリン酸溶液に加えた。生成した
溶液を2.0hr還流加熱した。溜出するガスを苛性
アルカリ溶液で洗浄した。熟成期の終り頃に暗青
色の溶液からアルコールを追い出して約1.8を
回収した。生成したスラリーを150℃で乾燥した。
乾燥した粉末を5/32インチ(0.397cm)×5/32イン
チ(0.397cm)の錠剤に成形し、その中いくらか
は本発明の通りの内径1/16インチ(0.16cm)の孔
を穿つた。 触媒は固定床反応器の反応管中にこの錠剤を置
いて、前記のような調質を行なつて反応に使用す
るように調整した。反応器Bは塩浴で加熱した。 反応結果の報告中に使用したC、S.およびYは
後記のような意味と関係とを有するものである。 C(変化率)×S(選択率)=Y(収率) MANは無水マレイン酸の略称である。 報告中のデータは両型の反応器のいづれにおい
ても空気とC4原料が同じ条件においては本発明
の触媒構造の方が変化率および選択率が共に高い
ことを示している。工業的反応器型のパイロツト
プラント(反応器B)の場合には本発明の中空触
媒を使用して驚くべきことに収率が絶対値で5%
大きく装置生産性も9%以上大きかつた。 公知の中実型の触媒の変化率を大きくすると、
無水マレイン酸への選択率は著しく低下した。 説明に使用した実施例は便宜上特定の触媒物質
を使用するものがあるが、これと異る改質剤を含
む他のV−P−O系触媒も本発明の中空構造の場
合と公知の中実構造の場合との間に同一の関係が
あることが示されることを認められる。
【表】
【表】
中実触媒の変化率の水準を高めた場合は次の
結果となる。
比較例3 中実 388 460 1.72
79.5 56.5 44.9 75.9
結果となる。
比較例3 中実 388 460 1.72
79.5 56.5 44.9 75.9
第1図は本発明のP−V−O系ノルマルブタン
酸化触媒の触媒構造の透視図、第2図は本発明の
触媒構造の断面のエレベーシヨン、第3図は本発
明の触媒構造を端面から見た図である。 10:中心部に貫通孔を有する触媒構造体、1
1:触媒物質円筒体、12:貫通中空部。
酸化触媒の触媒構造の透視図、第2図は本発明の
触媒構造の断面のエレベーシヨン、第3図は本発
明の触媒構造を端面から見た図である。 10:中心部に貫通孔を有する触媒構造体、1
1:触媒物質円筒体、12:貫通中空部。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 リン−バナジウム−酸素錯体より成る触媒物
質より主として成る円筒で、これを貫通する孔を
有する、ブタンの変化率と無水マレイン酸の収率
とを増大させるブタンの部分酸化用の改良触媒構
造。 2 該錯体がV、PおよびMeをV:P:Meの原
子比1:0.90ないし1.3:0.001ないし0.4の割合で
含有し、Meが金属、アルカリ金属、アルカリ土
金属又はそれらの混合物である前記特許請求の範
囲第1項に記載する部分酸化用触媒構造。 3 MeがCu、Ag、Zn、Cd、Al、Ga、In、Se、
Y、La、Ge、Sn、Pb、Ti、Zr、Sb、Bi、As、
Fe、Co、Ni、Ce、Pr、Nd、Cr、Li、Na、K、
Rb、Fr、Nb、Te、W、Pd、Mn、Mo、Re、
Sm、Hf、Ta、Th、U、B、Si、Mg、Ba、
Tb、Eu又はそれらの混合物である特許請求の範
囲第2項に記載する部分酸化用触媒構造。 4 MeがCu、Mo、Ni、Co、Cr、Nd、Ce、
Ba、Y、Sm、Te、Zr、W、Pd、Ag、Mn、
Zn、Re、La、Hf、Ta、Th、U、Eu、Nb、
Ru、Li、Mg、B、Si、又はそれらの混合物であ
る特許請求の範囲第3項に記載する部分酸化用触
媒構造。 5 MeがZn、Si、Li又はそれらの混合物である
特許請求の範囲第4項に記載する部分酸化用触媒
構造。 6 該円筒が2 1/2ないしメツシユの範囲内にお
る特許請求の範囲第1項、第2項、第3項、第4
項および第5項のいずれかに記載する部分酸化用
触媒構造。 7 該貫通孔が該円筒の直径の約30ないし50%で
ある特許請求の範囲第6項に記載する部分酸化用
触媒構造。 8 該貫通孔が該円筒のほとんど中心に位置して
いる特許請求の範囲第7項に記載する部分酸化用
触媒構造。 9 該触媒構造の高さおよび直径が実質的に同一
である特許請求の範囲第6項に記載する部分酸化
用触媒構造。
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| US06/155,556 US4283307A (en) | 1980-06-02 | 1980-06-02 | Catalyst structure for the partial oxidation of n-butane to produce maleic anhydride |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5724643A JPS5724643A (en) | 1982-02-09 |
| JPH025461B2 true JPH025461B2 (ja) | 1990-02-02 |
Family
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Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8241581A Granted JPS5724643A (en) | 1980-06-02 | 1981-05-29 | Improved catalyst structure of partially oxidizing normal butane into maleic anhydride |
Country Status (7)
| Country | Link |
|---|---|
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| JP (1) | JPS5724643A (ja) |
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| DE (1) | DE3118835C2 (ja) |
| FR (1) | FR2483255B1 (ja) |
| GB (1) | GB2079171B (ja) |
| IT (1) | IT1170996B (ja) |
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