JPH026822B2 - - Google Patents
Info
- Publication number
- JPH026822B2 JPH026822B2 JP13369185A JP13369185A JPH026822B2 JP H026822 B2 JPH026822 B2 JP H026822B2 JP 13369185 A JP13369185 A JP 13369185A JP 13369185 A JP13369185 A JP 13369185A JP H026822 B2 JPH026822 B2 JP H026822B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- forging
- materials
- strength
- corrosion resistance
- suction roll
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired
Links
Landscapes
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
- Paper (AREA)
Description
(産業上の利用分野)
本発明は特に耐食性と高い疲労強度の要求され
る製紙用サクシヨンロールに使用される鍛造ステ
ンレス鋼製の製紙用サクシヨンロール素材に関す
るものである。 (従来の技術) 製紙用サクシヨンロールの使用条件は製紙工場
の立地条件により大きな差異があり、特に工業用
水を循環して使用する場合にはサクシヨンロール
素材にとつて有害な酸及びイオンが増大すること
になる。この様な場合にはサクシヨンロール本来
の、パルプ中の水分を脱水するために必要な材料
強度のほかに耐食性が必要となる。 耐酸性及びCl―アタツクを考慮して、従来サク
シヨンロール用素材として使用されている材料は
鋳造パイプ材或いは溶接パイプ材であり、代表的
なものとしては特公昭57−5873号公報あるいは特
公昭49−35486号公報記載のものがあり、いずれ
も製紙用サクシヨンロールの使用条件を考慮し、
強度及び耐食性を重視した合金組成に関する発明
である。 特公昭57−5873号公報に示される2相系ステン
レス鋳鋼の特徴とするところは、化学成分の調整
によりフエライト量を20〜40%となるように限定
したところでありその効果として耐食性および靭
性の改善がおこなわれたとしている。しかしなが
ら耐食性は合金成分であるCr量に依存するもの
で13%Cr以上で対硫酸の耐食性が改善される事
は当時既に公知の事実であり、この発明の特徴と
するところは、フエライト量を20〜40%と限定し
なければサクシヨンロールに必要な靭性が得られ
ないとした点である。またこの特公昭57−5873号
公報記載の発明による材質の、従来材質に対する
改良点は耐力を上昇するためCr含有量の増加お
よびNi含有量の減少により2相ステンレス鋼と
したことによつており、結果的に耐食性が改善さ
れている。一方特公昭49−35486号公報に示され
る2相系ステンレス鋼の特徴とするところは、Si
含有量を多くし耐ピツト腐食孔形成の性質を改良
し、隙間腐食を防止することに成功したものであ
る。さらにその他の合金成分を調整しフエライト
とオーステナイトの2相組織にしたものでフエラ
イト相の境界に析出し易い金属間化合物σ相が出
現しないように成分を規定したものである。 しかしながら前記両特許公報の示す合金は1000
℃付近の溶体化加熱温度から急冷することが必要
であるため、製品の残留応力レベルが極めて高
く、この残留応力は次工程での加工歪との合成に
よる変形あるいは製品の疲労強度の低下を引き起
こすため熱処理後の残留応力レベルを低くするこ
とが望ましいことになる。2相ステンレス合金の
最大の欠点はこの高い残留応力を発生させる熱処
理方法であり、そのため製品の平均残留応力レベ
ルは−25Kg/mm2にも達することもある。遠心鍛造
素材として2相合金を使用したサクシヨンロール
が折損した事故に関して、その腐食状況について
調査したところ実際操業条件下での腐食は全くみ
られず、隙間腐食すら観察されなかつた。製紙業
界ならびに学会は従来からの材質である13%Cr
系サクシヨンロール材による折損事故を含めてす
べての折損事故が腐食によると結論し、いたずら
に耐食性のみが強調されている。しかしながら、
サクシヨンロールの折損事故原因は折損したサク
シヨンロール素材が遠心鋳造で製造されていたた
め遠心鋳造材の製造上絶対に回避できない大小の
巣を含有しており、これが応力集中の場所として
作用した事が原因であることが判明した。この折
損事故の原因調査の結果は高NIP、高速の抄紙速
度で使用されるサクシヨンロールにおいては応力
集中源を皆無にすることが重要である事を示して
いるが、従来の素材は遠心鋳造材であつたためこ
の問題を完全に解決する事は技術上不可能であ
る。しかしながら、従来の技術での改良が行われ
鋳造欠陥が発生しにくい成分系を選定することに
より応力集中源を極小にする素材を発明し残留応
力レベルを少なくするような熱処理の可能な成分
系の開発も行なわれ、サクシヨンロールの耐折損
性がかなり向上してきた。しかしながら、応力集
中源を皆無にすることは従来の鋳造技術では不可
能である点は否めないところである。 (発明が解決しようとする問題点) 高速化した抄紙機におけるサクシヨンロール用
素材に要求される条件は耐食性と耐折損性である
従来の素材および技術では使用条件に耐える健全
な性質を得ることは不可能である。本発明は従来
技術の解決できなかつた素材の健全性および均一
性を解決しようとするものである。 (問題点を解決するための手段) 本発明は以上のような従来品の問題点を解決す
ることを目的としてなされたものであり、その特
徴とするところは、重量でC0.08%以下、Si1.0%
以下、Mn1.5%以下、S0.015%以下、Ni3.5〜6.0
%、Cr16.0〜20.0%、Mo1.5〜2.5%、N600〜
2500ppm、REM10〜80ppm、残部実質的にFeよ
り成り、鍛錬成形比の積算合計が3以上となるパ
イプ鍛造を施し、鍛造後熱処理を行いフエライト
相の基地中にオーステナイト相を体積百分率で9
〜25%含有することを特徴とする鍛造ステンレス
鋼製の製紙用サクシヨンロール素材にある。 以下本発明の鍛造ステンレス鋼製の製紙用サク
シヨンロール素材の成分組成を前記のように限定
した理由について詳述する。 C≦0.08%,Si≦1.0% CおよびSi量をこの範囲に定めたのは、通常の
ステンレス鋼の組成範囲に属するもので、以下に
のべる各合金成分の効果を有効にするためには、
この値が上限でありそれ以上では特に耐食性の点
で劣るからである。 Mn≦1.5%,S≦0.015% Mnは靭性の改善に有効であるが、1.5%を超え
ると可及的少量存在するSと化合し鍛造後の接線
方向の強度を低下させるので1.5%を上限とせね
ばならない。Sは0.015%を超えるとMnの靭性の
改善効果を発揮させることができず、鍛造後の接
線方向の強度を低下するためSは0.015%以下と
限定する。 3.5%≦Ni≦6.0% NiはCrとの複合効果で耐食性を向上させると
共にオーステナイト量を増加させ靭性の改善にも
有効な元素であり本発明の成分の範囲では最低
3.5%が必要であるが6.0%を超えるとオーステナ
イト量の増加により材料強度が低下するため6.0
%を上限とする。 16.0%≦Cr≦20.0% Crはステンレス鋼として重要な元素であり、
フエライトを含む高強度でしかも耐食性の優れた
素材を得るためには少なくとも16%を含むことが
必要である。しかし20%を超えると、機械的性質
の劣化が起るため20%を上限とする。 1.5%≦Mo≦2.5% Moは耐局部腐食性を著しく改善するため有用
な合金元素であるが2.5%を超えて増加されると
フエライトの形成が著しく機械的性質が劣化する
ので、これ以上の添加は本発明の成分範囲内では
有害である。しかしながら、耐局部腐食性を得る
ためには少なくとも1.5%の添加が必要である。
このことからMoの含有量を1.5〜2.5%と限定し
た。 600ppm≦N≦2500ppm Nは耐食性を改善するとともにオーステナイト
を安定化する元素であるため、本発明の成分範囲
内では600ppm以上で耐食性の改善効果があるが、
2500ppmを超えるとフエライトを所定の量生成す
ることができずオーステナイト量が増大する結果
となるため2500ppmを上限とする。 10ppm≦REM≦80ppm REMは鋳造組織を改善し、2相合金における
相境界の鍛造クラツクの発生を防止する作用を有
している。REMを10ppm以上添加すると熱間割
れが激減しクラツクの進展もほとんどなくなる。
本発明の成分範囲内でのこの効果は80ppm以上で
はそれ以下と変わらないため80ppmを上限とす
る。 次に本発明素材を製造する方法について説明す
る。前述の規定された部分を有する鋳塊を作成
後、優れた機械的性質および耐食性を有するサク
シヨンロール用素材を得る目的ですえ込み、穴ひ
ろげ、中空鍛造という一連のパイプ製造のための
パイプ鍛造を実施する。パイプ鍛造はマンドレル
を利用した鍛造法で所定の径および長さのパイプ
を得るために実施され、メタルフローはサクシヨ
ンロールの強度上昇に役立つ材料の強化が行われ
たことを示す。この鍛造の結果パイプ形状を得る
が、本発明の特徴とするところは、サクシヨンロ
ールの強度的に改善されなければならない特性値
が接線方向の疲労強度であることに着目し、接線
方向の強度上昇が十分に期待できるように、鍛錬
成形比の積算合計を3以上と規定するところにあ
る。すなわち、サクシヨンロールはプレスロール
との線接触部の応力により与えられる潰れ応力に
よる接線方向における引張り圧縮の交番応力下で
稼働しているため、特に接線方向の高い疲労強度
が重要である。鋳造材の強度および靭性は鍛錬に
より改善される事は良く知られており、本発明の
素材に関しては十分な再結晶が行なわれるため鍛
錬成形比は3以上で鍛錬状態の性質を一段と改善
する事ができる。鍛錬成形比5以上では特に接線
方向の性質がさらに改善される。前記ロール素材
鍛造後、必要に応じ機械的加工により荒削りを行
い、荒削り後熱処理を行う。熱処理は1020℃〜
1100℃で加熱して焼入を行い、450℃〜600℃の温
度範囲で焼戻しを行う。 本発明素材の焼入れ焼戻し後の組織はフエライ
ト+オーステナイトであるが、フエライト相は高
強度低靭性の組織であるため靭性を13%Cr系の
マルテンサイト系ステンレス鋼程度とするために
は靭性の高い組織成分であるオーステナイト相を
最低9%含有する必要がある。またオーステナイ
ト相が体積百分率で25%を越えるとオーステナイ
トの低強度の特性が強調されるようになるため本
発明素材の成分範囲内ではオーステナイト量を25
%以内としなければ目的の強度を得ることができ
ない。このような理由から強度と靭性の両特性を
満足させるためにオーステナイト量を9〜25%と
限定する。 (実施例) 次に本発明の特徴を実施例によつて述べる。 下記第1表は本発明材の実施例の製品サイズお
よび鍛錬成形比の積算合計を示しており、製品長
さに依存して、中空鍛造による鍛錬効果の程度が
増大し、積算の鍛錬成形比は増加する傾向にあ
る。したがつて、積算合計の鍛錬成形比を3以上
とするため製品サイズを考慮し使用する鋼塊のサ
イズ、鍛造作業工程の選定を適切なものとしなけ
ればならない。 第2表は本発明材の実施例と比較材として
13Cr系遠心鋳造材およびSUSF304の化学組成を
示したものである。第3表は第2表に掲げた本発
明材の実施例および比較材の機械的性質ならびに
オーステナイト量を示し、第4表は本発明材と比
較材の腐食試験結果を示したものである。 本発明材は通常の析出硬化型ステンレス鋼材と
同様1020℃〜1100℃で加熱後焼入し450℃〜600℃
の温度範囲で焼戻しを行つている。第3表からも
明らかなように、強度および靭性はマルテンサイ
ト系のサクシヨンロール材に匹敵する強度および
靭性を示しており、通常耐食性の評価されている
SUSF304よりもNi量が少いにもかかわらず優れ
た耐食性を有する事がわかる。
る製紙用サクシヨンロールに使用される鍛造ステ
ンレス鋼製の製紙用サクシヨンロール素材に関す
るものである。 (従来の技術) 製紙用サクシヨンロールの使用条件は製紙工場
の立地条件により大きな差異があり、特に工業用
水を循環して使用する場合にはサクシヨンロール
素材にとつて有害な酸及びイオンが増大すること
になる。この様な場合にはサクシヨンロール本来
の、パルプ中の水分を脱水するために必要な材料
強度のほかに耐食性が必要となる。 耐酸性及びCl―アタツクを考慮して、従来サク
シヨンロール用素材として使用されている材料は
鋳造パイプ材或いは溶接パイプ材であり、代表的
なものとしては特公昭57−5873号公報あるいは特
公昭49−35486号公報記載のものがあり、いずれ
も製紙用サクシヨンロールの使用条件を考慮し、
強度及び耐食性を重視した合金組成に関する発明
である。 特公昭57−5873号公報に示される2相系ステン
レス鋳鋼の特徴とするところは、化学成分の調整
によりフエライト量を20〜40%となるように限定
したところでありその効果として耐食性および靭
性の改善がおこなわれたとしている。しかしなが
ら耐食性は合金成分であるCr量に依存するもの
で13%Cr以上で対硫酸の耐食性が改善される事
は当時既に公知の事実であり、この発明の特徴と
するところは、フエライト量を20〜40%と限定し
なければサクシヨンロールに必要な靭性が得られ
ないとした点である。またこの特公昭57−5873号
公報記載の発明による材質の、従来材質に対する
改良点は耐力を上昇するためCr含有量の増加お
よびNi含有量の減少により2相ステンレス鋼と
したことによつており、結果的に耐食性が改善さ
れている。一方特公昭49−35486号公報に示され
る2相系ステンレス鋼の特徴とするところは、Si
含有量を多くし耐ピツト腐食孔形成の性質を改良
し、隙間腐食を防止することに成功したものであ
る。さらにその他の合金成分を調整しフエライト
とオーステナイトの2相組織にしたものでフエラ
イト相の境界に析出し易い金属間化合物σ相が出
現しないように成分を規定したものである。 しかしながら前記両特許公報の示す合金は1000
℃付近の溶体化加熱温度から急冷することが必要
であるため、製品の残留応力レベルが極めて高
く、この残留応力は次工程での加工歪との合成に
よる変形あるいは製品の疲労強度の低下を引き起
こすため熱処理後の残留応力レベルを低くするこ
とが望ましいことになる。2相ステンレス合金の
最大の欠点はこの高い残留応力を発生させる熱処
理方法であり、そのため製品の平均残留応力レベ
ルは−25Kg/mm2にも達することもある。遠心鍛造
素材として2相合金を使用したサクシヨンロール
が折損した事故に関して、その腐食状況について
調査したところ実際操業条件下での腐食は全くみ
られず、隙間腐食すら観察されなかつた。製紙業
界ならびに学会は従来からの材質である13%Cr
系サクシヨンロール材による折損事故を含めてす
べての折損事故が腐食によると結論し、いたずら
に耐食性のみが強調されている。しかしながら、
サクシヨンロールの折損事故原因は折損したサク
シヨンロール素材が遠心鋳造で製造されていたた
め遠心鋳造材の製造上絶対に回避できない大小の
巣を含有しており、これが応力集中の場所として
作用した事が原因であることが判明した。この折
損事故の原因調査の結果は高NIP、高速の抄紙速
度で使用されるサクシヨンロールにおいては応力
集中源を皆無にすることが重要である事を示して
いるが、従来の素材は遠心鋳造材であつたためこ
の問題を完全に解決する事は技術上不可能であ
る。しかしながら、従来の技術での改良が行われ
鋳造欠陥が発生しにくい成分系を選定することに
より応力集中源を極小にする素材を発明し残留応
力レベルを少なくするような熱処理の可能な成分
系の開発も行なわれ、サクシヨンロールの耐折損
性がかなり向上してきた。しかしながら、応力集
中源を皆無にすることは従来の鋳造技術では不可
能である点は否めないところである。 (発明が解決しようとする問題点) 高速化した抄紙機におけるサクシヨンロール用
素材に要求される条件は耐食性と耐折損性である
従来の素材および技術では使用条件に耐える健全
な性質を得ることは不可能である。本発明は従来
技術の解決できなかつた素材の健全性および均一
性を解決しようとするものである。 (問題点を解決するための手段) 本発明は以上のような従来品の問題点を解決す
ることを目的としてなされたものであり、その特
徴とするところは、重量でC0.08%以下、Si1.0%
以下、Mn1.5%以下、S0.015%以下、Ni3.5〜6.0
%、Cr16.0〜20.0%、Mo1.5〜2.5%、N600〜
2500ppm、REM10〜80ppm、残部実質的にFeよ
り成り、鍛錬成形比の積算合計が3以上となるパ
イプ鍛造を施し、鍛造後熱処理を行いフエライト
相の基地中にオーステナイト相を体積百分率で9
〜25%含有することを特徴とする鍛造ステンレス
鋼製の製紙用サクシヨンロール素材にある。 以下本発明の鍛造ステンレス鋼製の製紙用サク
シヨンロール素材の成分組成を前記のように限定
した理由について詳述する。 C≦0.08%,Si≦1.0% CおよびSi量をこの範囲に定めたのは、通常の
ステンレス鋼の組成範囲に属するもので、以下に
のべる各合金成分の効果を有効にするためには、
この値が上限でありそれ以上では特に耐食性の点
で劣るからである。 Mn≦1.5%,S≦0.015% Mnは靭性の改善に有効であるが、1.5%を超え
ると可及的少量存在するSと化合し鍛造後の接線
方向の強度を低下させるので1.5%を上限とせね
ばならない。Sは0.015%を超えるとMnの靭性の
改善効果を発揮させることができず、鍛造後の接
線方向の強度を低下するためSは0.015%以下と
限定する。 3.5%≦Ni≦6.0% NiはCrとの複合効果で耐食性を向上させると
共にオーステナイト量を増加させ靭性の改善にも
有効な元素であり本発明の成分の範囲では最低
3.5%が必要であるが6.0%を超えるとオーステナ
イト量の増加により材料強度が低下するため6.0
%を上限とする。 16.0%≦Cr≦20.0% Crはステンレス鋼として重要な元素であり、
フエライトを含む高強度でしかも耐食性の優れた
素材を得るためには少なくとも16%を含むことが
必要である。しかし20%を超えると、機械的性質
の劣化が起るため20%を上限とする。 1.5%≦Mo≦2.5% Moは耐局部腐食性を著しく改善するため有用
な合金元素であるが2.5%を超えて増加されると
フエライトの形成が著しく機械的性質が劣化する
ので、これ以上の添加は本発明の成分範囲内では
有害である。しかしながら、耐局部腐食性を得る
ためには少なくとも1.5%の添加が必要である。
このことからMoの含有量を1.5〜2.5%と限定し
た。 600ppm≦N≦2500ppm Nは耐食性を改善するとともにオーステナイト
を安定化する元素であるため、本発明の成分範囲
内では600ppm以上で耐食性の改善効果があるが、
2500ppmを超えるとフエライトを所定の量生成す
ることができずオーステナイト量が増大する結果
となるため2500ppmを上限とする。 10ppm≦REM≦80ppm REMは鋳造組織を改善し、2相合金における
相境界の鍛造クラツクの発生を防止する作用を有
している。REMを10ppm以上添加すると熱間割
れが激減しクラツクの進展もほとんどなくなる。
本発明の成分範囲内でのこの効果は80ppm以上で
はそれ以下と変わらないため80ppmを上限とす
る。 次に本発明素材を製造する方法について説明す
る。前述の規定された部分を有する鋳塊を作成
後、優れた機械的性質および耐食性を有するサク
シヨンロール用素材を得る目的ですえ込み、穴ひ
ろげ、中空鍛造という一連のパイプ製造のための
パイプ鍛造を実施する。パイプ鍛造はマンドレル
を利用した鍛造法で所定の径および長さのパイプ
を得るために実施され、メタルフローはサクシヨ
ンロールの強度上昇に役立つ材料の強化が行われ
たことを示す。この鍛造の結果パイプ形状を得る
が、本発明の特徴とするところは、サクシヨンロ
ールの強度的に改善されなければならない特性値
が接線方向の疲労強度であることに着目し、接線
方向の強度上昇が十分に期待できるように、鍛錬
成形比の積算合計を3以上と規定するところにあ
る。すなわち、サクシヨンロールはプレスロール
との線接触部の応力により与えられる潰れ応力に
よる接線方向における引張り圧縮の交番応力下で
稼働しているため、特に接線方向の高い疲労強度
が重要である。鋳造材の強度および靭性は鍛錬に
より改善される事は良く知られており、本発明の
素材に関しては十分な再結晶が行なわれるため鍛
錬成形比は3以上で鍛錬状態の性質を一段と改善
する事ができる。鍛錬成形比5以上では特に接線
方向の性質がさらに改善される。前記ロール素材
鍛造後、必要に応じ機械的加工により荒削りを行
い、荒削り後熱処理を行う。熱処理は1020℃〜
1100℃で加熱して焼入を行い、450℃〜600℃の温
度範囲で焼戻しを行う。 本発明素材の焼入れ焼戻し後の組織はフエライ
ト+オーステナイトであるが、フエライト相は高
強度低靭性の組織であるため靭性を13%Cr系の
マルテンサイト系ステンレス鋼程度とするために
は靭性の高い組織成分であるオーステナイト相を
最低9%含有する必要がある。またオーステナイ
ト相が体積百分率で25%を越えるとオーステナイ
トの低強度の特性が強調されるようになるため本
発明素材の成分範囲内ではオーステナイト量を25
%以内としなければ目的の強度を得ることができ
ない。このような理由から強度と靭性の両特性を
満足させるためにオーステナイト量を9〜25%と
限定する。 (実施例) 次に本発明の特徴を実施例によつて述べる。 下記第1表は本発明材の実施例の製品サイズお
よび鍛錬成形比の積算合計を示しており、製品長
さに依存して、中空鍛造による鍛錬効果の程度が
増大し、積算の鍛錬成形比は増加する傾向にあ
る。したがつて、積算合計の鍛錬成形比を3以上
とするため製品サイズを考慮し使用する鋼塊のサ
イズ、鍛造作業工程の選定を適切なものとしなけ
ればならない。 第2表は本発明材の実施例と比較材として
13Cr系遠心鋳造材およびSUSF304の化学組成を
示したものである。第3表は第2表に掲げた本発
明材の実施例および比較材の機械的性質ならびに
オーステナイト量を示し、第4表は本発明材と比
較材の腐食試験結果を示したものである。 本発明材は通常の析出硬化型ステンレス鋼材と
同様1020℃〜1100℃で加熱後焼入し450℃〜600℃
の温度範囲で焼戻しを行つている。第3表からも
明らかなように、強度および靭性はマルテンサイ
ト系のサクシヨンロール材に匹敵する強度および
靭性を示しており、通常耐食性の評価されている
SUSF304よりもNi量が少いにもかかわらず優れ
た耐食性を有する事がわかる。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
(発明の効果)
本発明材は以上のように、従来の素材の組成範
囲と極めて類似しているにもかかわらず鍛造によ
り、材料特性がすべての性質で改善されているの
が特徴であるため製紙用サクシヨンロールとして
使用するのに極めて適するものであり、特に耐折
損性が要求される抄紙機には熱処理条件の選択に
より靭性を付加することの可能な材料である。し
かもその組成は経済性にも優れたものであつて本
発明の工業的価値は極めて大きいといえる。 抄紙機の生産性を向上する最も有効な方法は機
械的に圧力を加えて水を絞る方法であり、そのた
めにはロールに加えられる圧力(NIP)を増加し
なければならない。従来から一般的に使用されて
きた鋳造材と比較すると同一化学成分で製造され
た鍛造材の機械的強度は約40%優れているため、
本発明による鍛造ステンレス鋼製のサクシヨンロ
ールを利用することでこれまで以上に高いNIP圧
を採用した操業が可能である。
囲と極めて類似しているにもかかわらず鍛造によ
り、材料特性がすべての性質で改善されているの
が特徴であるため製紙用サクシヨンロールとして
使用するのに極めて適するものであり、特に耐折
損性が要求される抄紙機には熱処理条件の選択に
より靭性を付加することの可能な材料である。し
かもその組成は経済性にも優れたものであつて本
発明の工業的価値は極めて大きいといえる。 抄紙機の生産性を向上する最も有効な方法は機
械的に圧力を加えて水を絞る方法であり、そのた
めにはロールに加えられる圧力(NIP)を増加し
なければならない。従来から一般的に使用されて
きた鋳造材と比較すると同一化学成分で製造され
た鍛造材の機械的強度は約40%優れているため、
本発明による鍛造ステンレス鋼製のサクシヨンロ
ールを利用することでこれまで以上に高いNIP圧
を採用した操業が可能である。
Claims (1)
- 1 重量でC0.08%以下、Si1.0%以下、Mn1.5%
以下、S0.015%以下、Ni3.5〜6.0%、Cr16.0〜
20.0%、Mo1.5〜2.5%、N600〜2500ppm、
REM10〜80ppm、残部実質的にFeより成り、鍛
錬成形比の積算合計が3以上となるパイプ鍛造を
施し、鍛造後熱処理を行いフエライト相の基地中
にオーステナイト相を体積百分率で9〜25%含有
することを特徴とする鍛造ステンレス鋼製の製紙
用サクシヨンロール素材。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13369185A JPS61291953A (ja) | 1985-06-19 | 1985-06-19 | 鍛造ステンレス鋼製の製紙用サクシヨンロ−ル素材 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13369185A JPS61291953A (ja) | 1985-06-19 | 1985-06-19 | 鍛造ステンレス鋼製の製紙用サクシヨンロ−ル素材 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS61291953A JPS61291953A (ja) | 1986-12-22 |
| JPH026822B2 true JPH026822B2 (ja) | 1990-02-14 |
Family
ID=15110621
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP13369185A Granted JPS61291953A (ja) | 1985-06-19 | 1985-06-19 | 鍛造ステンレス鋼製の製紙用サクシヨンロ−ル素材 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS61291953A (ja) |
-
1985
- 1985-06-19 JP JP13369185A patent/JPS61291953A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS61291953A (ja) | 1986-12-22 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP6156574B2 (ja) | 厚肉高靭性高張力鋼板およびその製造方法 | |
| JP7573743B2 (ja) | ニオブ含有オーステナイト系耐熱ステンレス鋼棒材の加工方法 | |
| JPH10273756A (ja) | 鋳物製冷間工具およびその製造方法 | |
| JP5167616B2 (ja) | 耐遅れ破壊特性に優れた金属ボルト | |
| JP7624506B2 (ja) | 深絞り性が向上したオーステナイト系ステンレス冷延焼鈍鋼板 | |
| JP4976985B2 (ja) | 低温ねじれ特性に優れた線材・棒鋼の製造方法 | |
| JPH026822B2 (ja) | ||
| JPH0246661B2 (ja) | Tanzo2sokeisekishutsukyokagatasutenresukoseinoseishosakushonroorusozai | |
| CN118813926A (zh) | 油气用9Cr不锈钢调质材及其制造方法和应用 | |
| CN118064789A (zh) | 一种低镍高氮双相不锈钢管坯及其制备方法和应用 | |
| JP2953304B2 (ja) | 薄板連続鋳造機用ロール外筒材 | |
| JPH0699741B2 (ja) | 高温用高Crフェライト鋼の加工方法 | |
| JP2900783B2 (ja) | 疲労強度にすぐれる圧延用中間ロール | |
| CN110951953B (zh) | 一种hrb500e钢筋及其钒氮微合金化工艺 | |
| JP2002038234A (ja) | アルミニウム合金箔地及びその製造方法 | |
| JP4867638B2 (ja) | 耐遅れ破壊特性および耐腐食性に優れた高強度ボルト | |
| JPS60121220A (ja) | 冷間鍛造性にすぐれた熱間圧延線材棒鋼の製造方法 | |
| US3945858A (en) | Method of manufacturing steel for low temperature services | |
| US2363736A (en) | Stainless steel process | |
| JP3417275B2 (ja) | 熱間加工性及び耐硫化物応力割れ性に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼継目無鋼管 | |
| JP2746059B2 (ja) | 熱間圧延用ロール | |
| US2118693A (en) | Method of rolling stainless steel and product thereof | |
| US4119445A (en) | High strength alloy of ferritic structure | |
| CN118127426B (zh) | 一种低镍高氮双相不锈钢及其制备方法和应用 | |
| JPH02274810A (ja) | 高張力非調質ボルトの製造法 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| EXPY | Cancellation because of completion of term |