JPH029049B2 - - Google Patents
Info
- Publication number
- JPH029049B2 JPH029049B2 JP55092211A JP9221180A JPH029049B2 JP H029049 B2 JPH029049 B2 JP H029049B2 JP 55092211 A JP55092211 A JP 55092211A JP 9221180 A JP9221180 A JP 9221180A JP H029049 B2 JPH029049 B2 JP H029049B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- water
- acid
- resin
- emulsion
- methacrylate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Graft Or Block Polymers (AREA)
- Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
Description
本発明はウレタン結合、尿素結合及びアミド結
合から選ばれる少なくとも1種の結合を有する樹
脂(以下「極性樹脂」ということもある)含有エ
マルジヨン組成物に関し、さらに詳しくは、被覆
用組成物にして基質上に塗布したとき、その表面
が粘着性を持たず且つ肌ざわり感が良く、耐水
性、耐黄変性、耐ガソリン性、研磨性及びその他
の物性において優れた塗膜を形成し得る極性樹脂
含有エマルジヨン組成物に関する。 近年、水性エマルジヨン組成物が、従来油性系
塗料が使用されていた分野における油性系塗料に
代わる省資源無公害型塗料として広く使用される
ようになつてきた。ところが、水性エマルジヨン
組成物としてイオン性又は非イオン性の低分子又
は高分子界面活性剤を用いて得られる従来のエマ
ルジヨン組成物は、造膜助剤を多量に使用すると
エマルジヨンの系が不安定になり易く、さらにエ
マルジヨン組成物を塗料分野で使用するに際して
形成される皮膜を非常に緻密なものにするため該
エマルジヨン組成物に通常水溶性樹脂が添加され
ているが、この水溶性樹脂には通常中和剤及び水
溶性有機溶剤が含まれており、これら成分によつ
てエマルジヨンの系が非常に不安定になる傾向が
あり、さらに加えて、従来の水性エマルジヨン組
成物では一般に、界面活性剤としてイオン性又は
非イオン性の低分子又は高分子物質が使用されて
いるため皮膜の耐水性が劣る、などの種々の欠点
があるため、これまで実用に供することができな
かつた。 また、上記従来の水性エマルジヨン組成物は、
それを接着剤の成分として使用する場合、該エマ
ルジヨン組成物中に含まれる界面活性剤が適用さ
れた接着剤表面に滲出してきて表面を汚すという
欠陥がある。 そこで、通常のイオン性又は非イオン性の低分
子又は高分子界面活性剤を分散安定剤として含む
従来の水性エマルジヨン組成物が示す上記のよう
な欠点を有さない水性エマルジヨン組成物を得る
試みが種々行なわれており、その1つに分散安定
剤として水溶性樹脂を使用することが提案されて
いる。例えば、水溶性アクリル樹脂、マレイン化
ポリブタジエン、マレイン化油、マレイン化アル
キド樹脂などの水溶性樹脂を分散安定剤として使
用することが提案されている。しかしながら、上
記水溶性アクリル樹脂は性能的には好ましいもの
であるが、反面、上記分子骨格における親水性部
分と非親水性部分が明確に分かれていないため、
この水溶性アクリル樹脂を分散安定剤として使用
して優れた安定性を有するエマルジヨン組成物を
得ることは困難である。このために該水溶性アク
リル樹脂をブロツク共重合体又はグラフト共重合
体に変性して使用することが種々試みられている
が、所望の性能を有するブロツク共重合体及びグ
ラフト共重合体は現在までのところ見出されてい
ない。 一方、マレイン化ポリブタジエン、マレイン化
油、マレイン化アルキド樹脂などの水溶性樹脂
は、それ自体軟質な樹脂であつて且つ酸化硬化す
る基を多数有しているため、これらの水溶性樹脂
を分散安定剤として用いた水性エマルジヨン組成
物は、それから形成された硬化塗膜表面が初期に
おいて粘着性を示し、かつ長期間の暴露によつて
塗膜が黄変してくる性質があるため、その用途が
制限されるという大きな欠点がある。 本発明者らは、上記の欠点をもたない水性エマ
ルジヨン組成物、すなわち分散安定性に優れ、且
つ耐水性、耐黄変性、光択などの性能に優れ、硬
化の初期においても塗膜表面が粘着感を呈さず肌
ざわり感の良い硬化塗膜を形成し、さらに塗膜を
研磨した場合磨擦熱によつて軟化することのない
性質(以下この性質を研磨性という)や耐ガソリ
ン性、その他の物性にも優れた塗膜を与える水性
エマルジヨン組成物を提供することを目的とし
て、分散安定剤として従来の酸化硬化型の水溶性
樹脂とは異なる型の水溶性樹脂を用い、得られる
エマルジヨン粒子内に分子間凝集力の強い極性樹
脂を、エマルジヨンの安定性を破壊することなく
導入することについて鋭意検討を行なつた。 もつとも、従来においても高分子化合物をエマ
ルジヨン粒子内に導入することが提案されている
(特開昭51−28188号公報参照)。すなわち、上記
公開公報には、水、表面活性剤、少くとも1種の
重合体及び少くとも1種の単量体を混合して重合
体―単量体粒子の水性分散液を形成せしめ、次い
で該粒子内の単量体をラジカル重合させて水性エ
マルジヨン組成物を生成させていることが開示さ
れている。 しかしながら、この方法においては、重合前に
重合体―単量体の乳化をエマルジヨン単位、すな
わち平均粒径が0.01〜5μとなるまで十分に行なう
ことが必要であり、このために比較的多量の表面
活性剤物質を使用しなければならず、そうすると
必然的にかくして得られる水性エマルジヨン組成
物から形成される皮膜は耐水性が劣るという欠点
が生ずる。また、本発明で用いるウレタン結合、
尿素結合及び/又はアミド結合を有する樹脂は、
一般にエマルジヨン重合に用いる単量体に不溶の
ものが多く、上記方法を適用することが困難であ
る。さらに、分子間凝集力の強い極性樹脂を用い
て上記の方法で得られる水性エマルジヨン組成物
は、一般に造膜助剤を添加しないと被膜用組成物
として役に立たない。ところが、前記従来の例に
おけるように、分散安定剤として通常のイオン性
又は非イオン性の低分子又は高分子表面活性剤物
質を用いて得られる水性エマルジヨン組成物は、
造膜助剤を多量に使用するとエマルジヨンの系が
不安定になつたり、また、造膜助剤として非水溶
性の造膜助剤を用いた場合にはエマルジヨン組成
物が引火性を持つようになつたりする欠点があつ
たり、また、エマルジヨン組成物に水溶性樹脂を
添加すると、その中に含まれる中和剤や水溶性有
機溶剤によつてもエマルジヨンの系が不安定にな
る、などの欠点があるため実用に供するに至つて
いない。 そこで、本発明者らは、造膜助剤の添加等によ
りエマルジヨンの安定性を損なわない一般に公知
の水溶性樹脂をそのまま分散安定剤として用い
て、極性樹脂―ラジカル重合性不飽和単量体の混
合系をエマルジヨン重合することにより、エマル
ジヨン粒子内に分子間凝集力の強い極性樹脂を導
入することを目標に鋭意研究を行なつた。 その結果、一般に公知の水溶性樹脂をそのまま
分散安定剤として用いたのでは前記の目的を達成
することはできないが、しかし、水溶性樹脂とし
て、非酸化硬化型で、極性樹脂と相溶性を有す
る、カルボキシル基含有ビニル系重合体のカルボ
キシル基にグリシジル基含有ビニル系単量体を付
加して得られるタイプの水溶性樹脂、又はカルボ
キシル基及び水酸基を含有するビニル系重合体に
ジイソシアネート化合物と水酸基含有アクリル系
単量体とのモノ付加生成物を付加して得られるタ
イプの水溶性樹脂の如き、グラフト重合可能な不
飽和基を側鎖に有する水溶性樹脂を使用し、かつ
水に対して強い親和性を示す極性樹脂と組合わせ
て使用すれば、前記本発明の目的を達することが
できることを見い出し、本発明を完成した。 かくして、本発明に従えば、少なくとも1種の
ラジカル重合性不飽和単量体(A)と、ウレタン結
合、尿素結合及びアミド結合から選ばれる少なく
とも1種の結合を有する極性樹脂(B)とから成る系
を、グラフト重合可能な不飽和基を側鎖に有する
水溶性樹脂(以下、単に「水溶性樹脂」というこ
ともある)(C)の存在下にエマルジヨン重合して得
られる極性樹脂含有エマルジヨン組成物が提供さ
れる。 本発明の極性樹脂含有エマルジヨン組成物は、
分散安定剤として使用する水溶性樹脂が側鎖にグ
ラフト効果が大きく、且つ連鎖移動効果の小さな
不飽和基を有しているため、少量の使用によつて
もエマルジヨン重合中に該水溶性樹脂がラジカル
重合性不飽和単量体と適度にグラフト反応して長
鎖の側鎖を形成し、かくして形成されたグラフト
化物と共存する極性樹脂とがその場で重合するた
めに良く絡み合い非常に分散安定性の優れたもの
である。 しかも、本発明のエマルジヨン組成物は、分散
安定剤として通常のイオン性又は非イオン性の低
分子又は高分子界面活性物質及び水溶性酸化硬化
型の水溶性樹脂を使用しておらず、その上分子間
凝集力の強い極性樹脂をエマルジヨン粒子内に安
定な状態で含有しているので、被覆用組成物にし
て基質上に塗布したときにも塗膜表面が粘着感を
示さず且つ肌ざわり感が良く、さらに耐水性、耐
黄変性、耐ガソリン性、研磨性、及びその他の物
性に優れた塗膜を形成できるという優れた特徴を
有する。 さらに加うるに、本発明の極性樹脂含有エマル
ジヨン組成物は接着剤の成分として使用した場合
にも分散安定剤が表面に滲出してきて接着剤表面
を汚すような欠点も有さない利点がある。 以下、本発明の極性樹脂含有エマルジヨン組成
物についてさらに詳細に説明する。 極性樹脂 (B) 本発明の極性樹脂含有エマルジヨン組成物にお
いて、エマルジヨン粒子内に導入される「極性樹
脂」としては、得られるエマルジヨン組成物を基
質に塗布したときに塗膜表面が粘着感を示さず且
つ肌ざわり感が良く、研磨性及びその他の物性に
優れた塗膜を与えるものでなければならない。こ
の目的を達成できる極性樹脂としては、ウレタン
結合、尿素結合及び/又はアミド結合を樹脂骨格
中に含有する親水性及び分子間凝集力の強い樹脂
であつて、一般に約500〜約100000、好ましくは
約1000〜約20000の範囲内の平均分子量を有する
樹脂である。これらの極性樹脂は分散安定剤とし
て使用される水溶性樹脂と相溶性を有するか及
び/又はエマルジヨン重合により生成する水溶性
樹脂とラジカル重合性不飽和単量体とのグラフト
化物と相溶性を有することが非常に望ましい。 しかして、本発明において使用される極性樹脂
の代表例としては次のものが挙げられる。 (i) ウレタン結合及び/又は尿素結合を含有する
樹脂: ジイソシアネート化合物をポリオール化合物、
ポリアミン化合物又はアルカノールアミン化合物
と常法により反応させて得られるジイソシアネー
ト基、―水酸基―又はアミノ基―末端樹脂であ
り、好ましくは、該樹脂をさらにモノイソシアネ
ート化合物、モノヒドロキシ化合物又はモノアミ
ン化合物でブロツクすることにより得られるもの
である。 かかる樹脂の製造に用いうるジイソシアネート
化合物の具体例としては次のものを挙げることが
できる。 OCN(―CH2)―dNCO(d=2〜12)、 OCN―CH2―CH2―S―CH2―CH2―NCO、 OCN―CH2―CH2―CH2―O―CH2 ―CH2―CH2―NCO、 リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシア
ネートなど。 これらジイソシアネート化合物はそれぞれ単独
で用いることができ、或いは2種又はそれ以上組
合わせて用いてもよい。 また、前記したジイソシアネート化合物と反応
させて極性樹脂を形成するのに用いうるポリオー
ル化合物、ポリアミン化合物及びアルカノールア
ミン化合物としては次のものを具体例として挙げ
ることができる。 (a) ポリオール化合物としては、1分子中、殊に
分子末端に水酸基を2個もしくはそれ以上有す
る数平均分子量が一般に約60〜約10000、好ま
しくは約60〜約2000の範囲内にある公知の任意
のポリオール化合物が使用され、その代表例と
しては、エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、トリメチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、ポリエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ブチレングリコール、ヘキサメチレングリ
コール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジ
オール、ヘキサンジオール、1,4―シクロヘ
キサンジメタノール、トリシクロデカンジメタ
ノール、エステルジオール204(ユニオンカーバ
イド社製、商品名)などの2価アルコール類;
トリメチロールエタン、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、グ
リセリン、ジグリセロールなどの3価又はそれ
以上の多価アルコール類;これらアルコール類
の他に、これらアルコール類を末端成分とする
アルキド樹脂、エポキシ樹脂、又はウレタン樹
脂用エラストマーをつくる際に使用されるエス
テル化合物及びエーテル化合物(例えば、ポリ
オキシプロピレングリコール、ポリオキシブチ
レングリコール、ポリオキシエチレングリコー
ル、ポリオキシテトラメチレングリコール、ア
ジピン酸ジオール、ダイマー酸グリコール、ア
ジピン酸―フタル酸―トリオール―ジオールな
ど)などが挙げられる。 (b) ポリアミン化合物としては、1分子中に、殊
に分子末端にアミノ基を2個もしくはそれ以上
有する公知の任意化合物であつて、数平均分子
量が約60〜約5000、好ましくは約60〜約2000の
範囲内にある化合物を用いることができ、その
代表例としては、ヒドラジン、エチレンジアミ
ン、N―アルキル(特にメチル、エチルなどの
低級アルキル基、以下同様)置換エチレンジア
ミン、テトラメチレンジアミン、N―アルキル
置換テトラメチレンジアミン、ペンタメチレン
ジアミン、N―アルキル置換ペンタメチレンジ
アミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチ
レンジアミン、ノナメチレンジアミン、オクタ
デカメチレンジアミン、ビス(4―アミノシク
ロヘキシル)メタン、ビス(4―アミノ―1,
2―メチルシクロヘキシル)メタンなどが挙げ
られる。 (C) アルカノールアミン化合物としては、分子末
端にアミノ基と水酸基の両方を有する公知の任
意化合物であつて、分子量が約60〜約5000、好
ましくは約60〜約2000の範囲内にある化合物が
用いられ、例えば、エタノールアミン、N―ア
ルキル(特にメチル、エチルなどの低級アルキ
ル基)、置換エタノールアミン、ジエタノール
アミン、イソプロパノールアミン、1―アミノ
ブタン―4―オール、1―アミノペンタン―5
―オールなどが挙げられる。 また、上記のウレタン結合及び/又は尿素結合
を含有する樹脂(i)における樹脂骨格の末端成分を
構成しうるモノイソシアネート化合物、モノヒド
ロキシ化合物及びモノアミン化合物は特に限定さ
れるものではなく、通常公知の任意のものが使用
される。モノイソシアネート化合物としては、例
えば、メチルイソシアネート、エチルイソシアネ
ート、イソプロピルイソシアネート、フエニルイ
ソシアネートなどの脂肪族及び芳香族モノイソシ
アネート化合物が挙げられ、モノアルコール化合
物としては、例えば、メチルアルコール、エチル
アルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコ
ールなどの脂肪族飽和1価アルコール;アリルア
ルコールなどの脂肪族不飽和1価アルコール;ベ
ンジルアルコールなどの芳香族1価アルコール;
セロソルブ系アルコール;カルビトール系アルコ
ールなどが挙げられ、またモノアミン化合物とし
ては、例えば、メチルアミン、イソプロピルアミ
ン、ベンジルアミンなどの脂肪族又は芳香族アミ
ンが挙げられる。 本発明で使用される上記のウレタン結合及び/
又は尿素結合を含有する樹脂(i)は、上記したジイ
ソシアネート化合物とポリオール化合物、ポリア
ミン化合物又はアルカノールアミン化合物を非反
応性溶媒中で又は溶媒の不在下に、通常0〜150
℃程度の範囲内の温度で約0.5〜約20時間当モル
反応させ、ついで必要に応じて、同じ反応条件下
にモノイソシアネート化合物、モノアルコール化
合物又はモノアミン化合物を反応させて反応を停
止することによつて合成することができる。 該ウレタン結合及び/又は尿素結合を含有する
樹脂(i)が充分な親水性及び分子間凝集力を発揮す
るためには、該ジイソシアネート化合物の使用量
は生成樹脂の重量を基準にして5〜90重量%、好
ましくは10〜80重量%の範囲にあることが望まし
い。 (ii) アミド結合を含有する樹脂: ポリアミン化合物とポリカルボン酸化合物もし
くはその反応性誘導体又はアミノ酸化合物との縮
合反応、ラクタム化合物の開環重合、アクリルア
ミド転移重合等により形成される樹脂の末端を、
モノアミン化合物又はモノカルボン酸化合物でブ
ロツクしたものである。 かかる樹脂の製造に用いうるポリアミン化合物
としては、前記(i)において述べたと同様のものを
挙げることができる。 また、このポリアミン化合物と反応させて極性
樹脂を形成するのに用いうるポリカルボン酸もし
くはその反応性誘導体及びアミノ酸化合物として
は、数平均分子量が一般に約100〜約10000好まし
くは約100〜約2000の範囲内にある公知の任意の
化合物を使用することができる。しかして、ポリ
カルボン酸の代表例としては、例えば、シユウ
酸、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン
酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セ
バシン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジ
カルボン酸、ブラシリン酸、ダイマー酸、エチル
グルタル酸、フマル酸、マレイン酸、メチルフマ
ル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、
ヘキサヒドロフタル酸、ハイミツク酸、トリメリ
ツト類、ピロメリツト類、イタコン酸などが挙げ
られ、これらポリカルボン酸の反応性誘導体とし
ては、無水物、ハライド、エステル化物等が挙げ
られる。 また、アミノ酸化合物としては、例えば、グリ
シン、アラニン、イミドジプロピオン酸、アミノ
酪酸、リジン、グルタミン酸、δ―アミノ吉草
酸、ε―アミノカプロン酸、ζ―アミノエナント
酸、η―アミノカプリル酸、θ―アミノペラルゴ
ン酸、ι―アミノカプリン酸、アミノウンデカン
酸、13―アミノトリデカン酸などを挙げることが
できる。 さらにラクタム化合物としては、例えば、プロ
ピオラクタム、カプロラクタム、ラウロラクタ
ム、などが包含される。 一方、アミド結合を含有する樹脂(ii)における樹
脂骨格の末端成分を提供するモノアミン化合物及
びモノカルボン酸化合物は時に制限されるもので
はなく、通常公知の任意のものを使用することが
できるが、一般には、モノアミン化合物として
は、例えばウレタン結合及び/又は尿素結合を含
有する樹脂(i)の合成において示した脂肪族又は芳
香族アミンが挙げられる。 また、モノカルボン酸化合物としては、例え
ば、酢酸、プロピオン酸、カプロン酸、ラウリン
酸、ステアリン酸などのC1〜C26の脂肪族モノカ
ルボン酸;安息香酸、p―t―ブチル安息香酸な
どの芳香族モノカルボン酸が挙げられる。 上記アミド結合を含有する樹脂(ii)は、上記した
反応成分を常法に従つて重合させることにより製
造することができる。例えば、100〜250℃の温度
で1〜20時間酸化と粘度を測定しながら脱水反応
を行なうことによつて合成することができる。該
アミド結合を含有する樹脂(ii)が充分な親水性及び
分子間凝集力を発揮するためには、ポリアミン成
分が生成樹脂中の5〜90重量%、好ましくは10〜
80重量%の範囲にあることができる。 上記した如き極性基含有樹脂はそれぞれ単独で
使用することができ、或いは2種又はそれ以上組
合わせて使用してもよい。 水溶性樹脂 (C) 本発明の極性樹脂含有エマルジヨン組成物にお
いて、分散安定剤として使用される「グラフト重
合可能な不飽和基を側鎖に有する水溶性樹脂」
は、その樹脂自体が水溶化可能で、且つ十分な耐
久性を有する皮膜を形成し得る能力のある樹脂で
あることができる。 かかる水溶性樹脂は、代表的には、カルボキシ
ル基含有ビニル系重合体にグリシジル基含有ビニ
ル系単量体を付加させて得られるもの〔以下、
「水溶性樹脂(C―)」という〕、又はカルボキ
シル基と水酸基を含有するビニル系重合体に、ジ
イソシアネート化合物と水酸基含有アクリル系単
量体とのモノ付加生成物を付加させることによつ
て調製されるもの〔以下、「水溶性樹脂(C―
)」という〕のいずれかのタイプであることが
できる。 まず、前者の水溶性樹脂(C―)を調製する
ために使用される「カルボキシル基含有ビニル系
重合体」は、α,β―エチレン性不飽和カルボン
酸とラジカル重合性不飽和単量体とを常法により
共重合して得られるものである。 かかるα,β―エチレン性不飽和カルボン酸
は、カルボキシル基が結合する炭素原子とそれに
隣接する炭素原子との間に付加重合性の二重結合
を有する型の不飽和脂肪族モノ又はポリカルボン
酸で、炭素原子を3〜8個、特に3〜5個含有し
且つカルボキシル基を1又は2個有するものが適
しており、特に、下記一般式() 式中、R1は水素原子又は低級アルキル基を表
わし、R2は水素原子、低級アルキル基又はカル
ボキシル基を表わし、R3は水素原子、低級アル
キル基又はカルボキシ低級アルキル基を表わす、 で示されるものが包含される。上記式()にお
いて、低級アルキル基としては炭素原子数4個以
下のもの、殊にメチル基が好ましい。 かかるα,β―エチレン性不飽和カルボン酸の
例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロト
ン酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン
酸、フマル酸、マレイン酸モノアルキル(C1〜3)
エステル等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で
又は2種以上組合わせて使用することができる。 上記α,β―エチレン性不飽和カルボン酸とラ
ジカル共重合可能な「ラジカル重合性不飽和単量
体」としては、ラジカル重合性のエチレン性不飽
和結合(C=C)を有する限り、特に制約が
なく、最終製品としてのエマルジヨン組成物に望
まれる性能に応じて広範に選択することができ
る。かかる不飽和単量体の代表例を示せば次のと
おりである。 (a) アクリル酸又はメタクリル酸のエステル:例
えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、
アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピ
ル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、
アクリル酸オクチル、アクリル酸ラウリル、ア
クリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピ
ル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸
ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸
オクチル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル
酸シクロヘキシル等のアクリル酸又はメタクリ
ル酸のC1〜18アルキル又はシクロアルキルエス
テル;アクリル酸メトキシブチル、メタクリル
酸メトキシブチル、アクリル酸メトキシエチ
ル、メタクリル酸メトキシエチル、アクリル酸
エトキシブチル、メタクリル酸エトキシブチル
等のアクリル酸又はメタクリル酸のアルコキシ
アルキルエステル;ヒドロキシエチルアクリレ
ート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒド
ロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロ
ピルメタクリレート等のアクリル酸又はメタク
リル酸のC2〜8ヒドロキシアルキルエステル;
ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポ
リエチレングリコールモノメタクリレート、ポ
リプロピレングリコールモノアクリレート、ポ
リプロピレングリコールモノメタクリレート等
のアクリル酸又はメタクリル酸をポリエチレン
グリコール又はポリプロピレングリコールとの
モノエステル;グリシジルアクリレート又はグ
リシジルメタクリレートとC2〜18モノカルボン
酸化合物(例えば酢酸、プロピオン酸、オレイ
ン酸、ステアリン酸、ラウリン酸等)との付加
物。 (b) ビニル芳香族化合物:例えば、スチレン、α
―メチルスチレン、ビニルトルエン、p―クロ
ルスチレン、ビニルピリジン。 (c) ポリオレフイン系化合物:例えば、ブタジエ
ン、イソプレン、クロロプレン。 (d) アクリル酸又はメタクリル酸のアミド:例え
ばアクリルアミド、N―メチロールアクリルア
ミド、N―ブトキシメチルアクリルアミド。 (e) その他:アクリロニトリル、メタクリロニト
リル、エチレン、プロピレン、ブテン、メチル
イソプロペニルケトン、酢酸ビニル、ビニルエ
ステル類(脂肪族又は芳香族1塩基酸もしくは
多塩基酸のビニルエステル)、ベオバモノマー、
マレイン酸のジアルキル(C1〜8)エステルな
ど。 これら不飽和単量体は所望の物性に応じて適宜
選択され、それぞれ単独で用いてもよく、或いは
2種又はそれ以上組合わせて使用することができ
る。 また、本発明において水溶性樹脂(C―)を
形成するために、上記した単量体から調製される
カルボキシル基含有ビニル系重合体のカルボキシ
ル基に付加せしめられる「グリシジル基含有ビニ
ル単量体」としては分子中に下記式 で示されるグリシジル基1個と、エチレン性不飽
和結合(>C=C<)1個とを含有する単量体が
用いられ、例えばグリシジルアクリレート、グリ
シジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテ
ル等が挙げられる。 上記のα,β―エチレン性不飽和カルボン酸
と、ラジカル重合性不飽和単量体との共重合は、
アクリル系共重合体を製造するためのそれ自体公
知の方法に従い、例えば溶液重合法、乳化重合
法、懸濁重合法等を用いて行なうことができる。
有利には、溶液重合法に従つて行なうことが行ま
しく、上記2成分を適当な不活性溶媒中で、重合
触媒の存在下に、通常約0〜約180℃、好ましく
は約40〜約170℃の反応温度において、約1〜約
20時間、好ましくは約4〜約10時間反応を続ける
ことにより行なうことができる。 使用する溶媒としては、該共重合反応中にゲル
化が生じないように、生成する共重合体を溶解し
かつ水と混和し得る溶媒を使用することが望まし
い。かかる溶媒としては例えば、セロソルブ系溶
媒、カルビトール系溶媒、グライム系溶媒、セロ
ソルブアセテート系溶媒、アルコール系溶媒など
が使用できる。 また、重合触媒としては、例えばアゾ系化合
物、パーオキサイド系化合物、スルフイド類、ス
ルフイン類、ジアゾ化合物、ニトロソ化合物、レ
ドツクス系等の通常のラジカル重合用のラジカル
開始剤が使用される。 かくして得られるカルボキシル基含有ビニル系
重合体は一般に10〜300、好ましくは30〜200の範
囲内の酸価を有し、また、約300〜約100000、好
ましくは約800〜約50000の範囲内の数平均分子量
をもつことができる。 上記の如くして生成されるカルボキシル基含有
ビニル系重合体は、そのまま溶媒中でグリシジル
基含有ビニル単量体と付加反応せしめられて、分
散安定剤として使用される水溶性樹脂(C―)
を形成する。該付加反応は、反応温度約60〜約
220℃、好ましくは約120〜約170℃、及び反応時
間約0.5〜約40時間、好ましくは約3〜約10時間
の条件下に、両成分を付加反応させることにより
行なうことができる。その際、カルボキシル基含
有ビニル系重合体に対するグリシジル基含有ビニ
ル系単量体の添加割合は厳密に制限されるもので
はないが、一般的には、該ビニル系重合体対グリ
シジル基含有ビニル系単量体の重量比で99.9:
0.1乃至70:30、好ましくは99.5:0.5乃至90:10
の範囲とするのが有利である。 本発明の水溶性樹脂(C―)の製造におい
て、前記α,β―エチレン性不飽和カルボン酸と
ラジカル重合性不飽和単量体との重合反応及び得
られるカルボキシル基含有ビニル系重合体へのグ
リシジル基含有ビニル系単量体の付加反応の両反
応は有機溶媒中で連続して行なうことができるの
で製造が非常に容易であること、また得られる樹
脂溶液をそのままの状態でエマルジヨンの分散安
定剤として供すことができること等の利点があ
る。 次に、後者の水溶性樹脂(C―)を調製する
ために使用される「カルボキシル基及び水酸基を
含有するビニル系重合体」は、例えば、単量体成
分として、水溶性樹脂(C―)について前述し
た如きα,β―エチレン性不飽和カルボン酸、殊
に前記式()で示されるもの、及び水酸基含有
アクリル系単量体、例えば前記ラジカル重合性不
飽和単量体の代表例(a)中に示した如きアクリル酸
又はメタクリル酸のC2〜8ヒドロキシアルキルエス
テルを必須成分として用い且つ必要に応じて前述
した他のラジカル重合体不飽和単量体を共重合成
分として用いること及び溶媒として水酸基含有溶
媒を使用しないこと以外、前記のカルボキシル基
含有ビニル系重合体の場合と全く同じ方法で共重
合させることにより製造することができる。 かくの如くして製造されるカルボキシル基及び
水酸基を含有するビニル系重合体は、一般に10〜
300、好ましくは30〜200の酸価及び一般に2〜
150、好ましくは5〜50の水酸基価を有すること
ができ、また、その数平均分子量は約300〜約
100000、好ましくは約800〜約50000の範囲内にあ
ることが好ましい。 かくして得られるカルボキシル基及び水酸基を
含有するビニル系重合体に、ジイソシアネート化
合物と水酸基含有アクリル系単量体とのモノ付加
生成物(以下、これを「イソシアネート変性アク
リル系単量体」という)を付加させることによつ
て水溶性樹脂(C―)が形成される。 かかる「イソシアネート変性アクリル系単量
体」は、水酸基含有アクリル系単量体とジイソシ
アネート化合物を反応させて得られるものであ
り、使用する水酸基含有アクリル系単量体として
は、前記カルボキシル基含有ビニル系重合体の製
造に際して使用されるラジカル重合性不飽和単量
体の代表例(a)中に示したアクリル酸又はメタクリ
ル酸のC2〜8ヒドロキシアルキルエステル、及びア
クリル酸又はメタクリル酸とポリエチレングリコ
ール又はポリプロピレングリコールとのモノエス
テル化物などが好適である。 他方、上記水酸基含有アクリル系単量体が付加
せしめられるジイソシアネート化合物としては、
脂肪族系、脂環式系、芳香族系、芳香―脂肪族
系、などポリウレタンの製造に際し通常使用され
るいずれのタイプのジイソシアネート化合物でも
使用することができる。 かかるジイソシアネート化合物の具体例として
はウレタン結合及び/又は尿素結合を含有する樹
脂(i)について前述した如きものを挙げることがで
きる。 該ジイソシアネート化合物の中で、耐黄変性の
優れたものとして、1,6―ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホ
ロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン
―4,4′―ジイソシアネート、キシレンジイソシ
アネート、水添トルエンジイソシアネートなどが
挙げられる。 前記水酸基含有アクリル酸単量体は、通常該イ
ソシアネート化合物1モル当り、0.6〜1.4モル、
好ましくは0.9〜1.1モルの割合で使用するのが有
利である。反応は通常公知の方法で行なうことが
できる。一般には約20〜150℃の範囲内の温度で
行なうことができ、反応時間は一般に約0.5〜40
時間である。 また、上記水酸基含有アクリル系単量体とジイ
ソシアネート化合物との反応に際しては、必要に
応じて重合禁止剤、例えばハイドロキノン、ジタ
―シヤリブチルヒドロキシトルエン、メトキシフ
エノール、タ―シヤリブチルカテコール、ベンゾ
キノン等を使用することが有利である。 かくして生成されるイソシアネート変性アクリ
ル系単量体は、その分子中に遊離のイソシアネー
ト基を有しており、この遊離のイソシアネート基
と前記したカルボキシル基及び水酸基を有するビ
ニル系重合体の該水酸基との間の付加反応によつ
て、本発明の水溶性樹脂(C―)が形成され
る。該反応は不活性溶媒中で通常の方法で行なう
ことができ、一般に約20〜150℃の範囲内の温度
及び反応時間約0.5〜40時間の条件で行なわれる。
必要に応じて公知の反応触媒及び重合禁止剤が用
いられる。上記付加反応において、カルボキシル
基及び水酸基を含有するビニル系重合体に反応せ
しめられるイソシアネート変性アクリル系単量体
の添加割合は、一般には、該重合体対イソシアネ
ート変性アクリル系単量体重量比で99.9:0.1乃
至70:30、好ましくは99.5:0.5乃至90:10の範
囲とするのが有利である。 以上に述べた如くして得られる水溶性樹脂(C
―)及び(C―)は、水溶性化するために、
最終的に10〜250、好ましくは30〜200の酸価を有
していることが望ましく、また、水溶性樹脂(C
―)及び(C―)の数平均分子量は物性等の
面から約500〜約100000、好ましくは約800〜約
50000の範囲内にあることが有利である。このた
めに、カルボキシル基含有ビニル系重合体又はカ
ルボキシル基及び水酸基を含有するビニル系重合
体を調製する際に、生成される水溶性樹脂(C―
)又は(C―)が上記の酸価を有するよう
に、α,β―不飽和カルボン酸の共重合割合(カ
ルボキシル基の量)を調節し、また、数平均分子
量が上記の範囲になるように反応条件をあらかじ
め調製しておくことが重要である。 かくして生成せしめた水溶性樹脂は、そのまま
又は溶媒を留去した後水溶性化される。この水溶
性化は常法により、例えば該樹脂中に存在するカ
ルボキシル基を従来公知の中和剤(例えばアミ
ン、アンモニア、アルカリ金属の水酸化物など)
で中和処理することにより行なうことができる。 なお、本発明の水溶性樹脂の基体樹脂であるビ
ニル系重合体を構成する単量体の一成分として、
アクリル酸又はメタクリル酸とポリエチレングリ
コール又はポリプロピレングリコールのモノエス
テル化物が使用されている場合には、それ自体親
水性があり、必ずしもカルボキシル基の中和によ
らないでも樹脂の水溶性化を達成することができ
ることがある。そのためには、一般に上記モノエ
ステル化物を10〜90重量%、好ましくは20〜80重
量%の割合で共重合せしめるべきである。勿論こ
の場合に、カルボキシル基の中和による水溶性化
を併用しても一向に構わない。 ラジカル重合性不飽和単量体 (A) 本発明に従えば、以上に述べた水溶性樹脂(C)を
分散安定剤として用い、その存在下にラジカル重
合性不飽和単量体(A)と極性樹脂(B)とから成る系が
水性媒体中でエマルジヨン重合せしめられる。か
かるラジカル重合性不飽和単量体(A)は、該水溶性
樹脂と相溶性を有し且つ親水性が左程強くないも
のであれば特に制限はないが、その代表例を示せ
ば次のとおりである。 (i) ビニル芳香族化合物: 例えば、スチレン、α―メチルスチレン、ビニ
ルトルエン等のC8〜10ビニルベンゼン誘導体;ビ
ニルピリジンの如きビニル複素芳香族化合物。 (ii) アクリル酸又はメタクリル酸のエステル: 例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピ
ル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、ア
クリル酸ラウリル、アクリル酸シクロヘキシル、
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、
メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メ
タクリル酸オクチル、メタクリル酸ラウリル、メ
タクリル酸シクロヘキシル等のアクリル酸又はメ
タクリル酸のC1〜20アルキル又はシクロアルキル
エステル;グリシジルアクリレート又はグリシジ
ルメタクリレートとC2〜18モノカルボン酸化合物
(例えば、酢酸、プロピオン酸、オレイン酸、ス
テアリン酸、ラウリン酸など)との付加物;アク
リル酸メトキシブチル、アクリル酸メトキシエチ
ル、アクリル酸エトキシブチル、メタクリル酸メ
トキシブチル、メタクリル酸メトキシエチル、メ
タクリル酸エトキシブチル等のアクリル酸又はメ
タクリル酸のC2〜12アルコキシアルキルエステ
ル;アリルアクリレート、アリルメタクリレート
等のアクリル酸又はメタクリル酸のアルケニルエ
ステル;ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロ
キシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピル
メタクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸
のC2〜8ヒドロキシアルキルエステルと上記C2〜26
モノカルボン酸化合物との縮合体。 (iii) ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなど
の炭素原子数2〜8個のポリオレフイン。 (iv) 酢酸ビニル、ベオバモノマー(シエル化学社
製)等のカルボン酸ビニルエステル。 (v) その他:塩化ビニル、塩化ビニリデン、モノ
オレフイン(例えばエチレン、プロピレン、イ
ソブテンなど)等。 これらラジカル重合性不飽和単量体のうち、本
発明において特に好適なものは、ビニル芳香族化
合物及びアクリル酸又はメタクリル酸のエステル
が挙げられる。 これら不飽和単量体は最終のエマルジヨン組成
物に望まれる物性に応じて適宜選択され、それぞ
れ単独で用いてもよく、或いは2種又はそれ以上
組合わせて使用することができる。さらに、上記
単量体中には、用いる単量体の全量の50%以下、
好ましくは30重量%以下の量で親水性の不飽和単
量体と存在させてもよい。存在させ得る親水性の
不飽和単量体の例としては、2―ヒドロキシエチ
ルアクリレート、2―ヒドロキシエチルメタクリ
レート、2―ヒドロキシプロピルアクリレート、
2―ヒドロキシプロピルメタクリレート、アクリ
ロトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸、メ
タクリル酸、グリシジルアクリレート、グリシジ
ルメタクリレート、アクリルアミド、N―n―ブ
トキシメチルアクリルアミド、N―メチロールア
クリルアミド、メタクリルアミドなどがあり、こ
れらは2種又はそれ以上組合わせて使用すること
ができる。 エマルジヨン重合 本発明に従えば、以上に述べた水溶性樹脂を分
散安定剤として用い、その存在下に、上記ラジカ
ル重合性不飽和単量体及び極性樹脂からなる系を
水性媒体中でエマルジヨン重合せしめられる。 該エマルジヨン重合の方法としては、通常公知
の方法が用いられる。例えば該重合は前記した分
散安定剤の存在下で、必要に応じて先に記載した
重合開始剤を用いて撹拌しながら又は静置状態で
氷点乃至水性媒体の沸点間の温度で行なわれる。
上記重合の反応媒体である水性媒体としては水の
他に、水と先に記載した水―混和性有機溶媒との
混合物もまた使用することができる。 ここで、分散安定剤として使用される水溶性樹
脂の使用量は、生成するエマルジヨン中の全固形
分に対して一般に2〜90重量%、好ましくは5〜
50重量%になるような割合とすることができる。 また、本発明において生成するエマルジヨン粒
子中に導入するために使用される極性樹脂の使用
量は、生成するエマルジヨン中の全固形分から分
散安定剤として使用される水溶性樹脂の前記使用
量を差し引いた残りの固形分に対して一般に3〜
97重量%、好ましくは5〜70重量%の割合とする
ことができる。従つて、前記ラジカル重合性不飽
和単量体の使用量はその残りの量であることがで
きる。 なお、前記水性媒体の使用量は、得られるエマ
ルジヨンの固形分が15〜60重量%、好ましくは25
〜50重量%の範囲になるような量であることがで
きる。 極性樹脂含有エマルジヨン組成物 本発明により得られる極性樹脂含有エマルジヨ
ン組成物は、通常半透明状でありエマルジヨンの
粒子径は平均で一般に1ミクロン以下、好適には
0.5ミクロン以下の小さな粒子からなることがで
きる。また、該エマルジヨン組成物は分散安定剤
である水溶性樹脂(C)がエマルジヨン重合中にラジ
カル重合性不飽和単量体(A)とラジカル重合を行な
つて、エマルジヨン粒子に固定しているために、
機械的安定性、有機溶剤に対する安定性などに優
れている。さらに、エマルジヨン重合が、導入さ
れた極性樹脂(B)の存在するその場で行なわれるの
で、生成するグラフト化物と極性樹脂がよく絡み
合い、且つ極性樹脂は親水性基を有しているので
水中で凝集してブツを発生することもなく安定に
存在することができる。 かくして得られる極性樹脂含有エマルジヨン組
成物は、必要により塗装に適する粘度に希釈し、
又は増粘させた後、そのまま皮膜形成成分として
被覆用組成物に使用することができ、さらに接着
剤の成分としても使用することができる。また、
該エマルジヨン組成物には、必要に応じて、他の
水溶性樹脂、体質顔料、着色顔料、防錆剤、可塑
剤、有機溶媒等を通常用いられている量で含有さ
せることもできる。 本発明の極性樹脂含有エマルジヨン組成物は、
そこに含まれるエマルジヨン粒子内に分子間凝集
力の強い極性樹脂を含有するため、該エマルジヨ
ン組成物から形成される乾燥塗膜表面は粘着性を
呈さず優れた肌ざわり感を示す。また、極性樹脂
の分子間凝集力に基づき、該エマルジヨン組成物
を用いて形成される塗膜は、研磨性、耐ガソリン
性、その他の物性にも非常に優れているという利
点がある。さらに加うるに、本発明のエマルジヨ
ン組成物は、分散安定剤として前記の如き特定の
水溶性樹脂を用いていることにより、該エマルジ
ヨン組成物から形成される塗膜は耐水性、耐黄変
性等においても非常に優れている。 さらに、本発明の極性樹脂含有エマルジヨン組
成物は、そのまま又は他の水溶性樹脂もしくは水
分散性樹脂と併用して般用塗料として使用するこ
とができる。また、形成された皮膜は常温でも十
分に硬化するが、必要に応じて加熱硬化せしめて
もよい。さらに本発明のエマルジヨン組成物は塗
料以外に接着剤、樹脂加工用としても使用するこ
とができる。 次に、実施例により本発明をさらに説明する。
なお、実施例中「%」は特に断らないかぎり「重
量%」を示す。 実施例 1 2の4ツ口フラスコに、ブチルセロソルブ
556gを加えて120℃に加熱する。このものにエチ
ルアクリレート77g、メチルメタクリレート173
g、アクリル酸108g、2―エチルヘキシルメタ
クリレート198g及びアゾビスジメチルバレロニ
トリル32gの混合物を2時間にわたつて滴下す
る。滴下1時間後にアゾビスイソブチロニトリル
5gを加える。その後内容物の温度を徐々に上
げ、2時間後に158℃にして、同温度で1時間加
熱反応を行なう。 次いで、内容物の温度を130℃にまで下げ、こ
のものにグリシジルメタクリレート30gを40分間
にわたつて滴下する。その後、酸価が一定になる
まで130〜140℃で2時間反応を行なう。反応終了
後、減圧蒸留によつてブチルセロソルブの1部を
除去する。かくして、酸価108.5及び固形分80.9
%の水溶性樹脂溶液が得られた。 一方、別の2の4ツ口フラスコに、ジオキサ
ン300g及びネオペンチルグリコール312gを入れ
100℃に加熱する。このものに666gのイソホロン
ジイソシアネートを2時間にわたつて滴下する。
その後温度を110℃に保ちながら2時間反応を行
なう。ついでブチルセロソルブ400gを加えて反
応させた後、減圧蒸留でジオキサン及び一部のブ
チルセロソルブを除去した。かくして固形分87.6
%のウレタン樹脂溶液を得た。この樹脂溶液をジ
オキサンで固形分50%まで希釈したときのガード
ナー粘度はS〜Rであつた。 つぎに、2の4ツ口フラスコに上記水溶性樹
脂溶液99g、ブチルセロソルブ37g、30%アンモ
ニア水11c.c.及び脱イオン水362gを入れ混合溶解
する。この溶液に、上記ウレタン樹脂溶液41gを
n―ブチルメタクリレート166gに溶解したもの
を加えよく撹拌してエスルジヨン化する。このも
のに脱イオン水5gに過硫酸アンモニウム0.5g
を溶解した溶液を加えて80℃に加熱する。加熱1
時間後に、カヤブチルH―70(tert―ブチルヒド
ロキシパーオキサイド、日本化薬社製)1gを加
え、さらに4時間加熱する。かくして得られたエ
マルジヨン組成物の性能を後記第1表に示す。 実施例 2 2の4ツ口フラスコに、実施例1で使用した
と同じ水溶性樹脂溶液99g、ブチルセロソルブ37
g、30%アンモニア水11c.c.及び脱イオン水362g
を入れ混合溶解する。この溶液に、実施例1で使
用したウレタン樹脂溶液47gをn―ブチルアクリ
レート84g及びスチレン84gに溶解したものを加
え、よく撹拌してエマルジヨン化する。 このものに、脱イオン水5gに過硫酸アンモニ
ウム0.5gを溶解したものを加えて80℃に加熱す
る。加熱1時間後にカヤブチルH―70の1gを加
え、さらに4時間加熱する。かくして得られたエ
マルジヨンの組成物性能を後記第1表に示す。 実施例 3 1の4ツ口フラスコに、ジオキサン100g及
びイソホロンジイソシアネート111gを入れ混合
溶解し70℃に加熱する。このものに2―メチルア
ミノエタノール32.5gとジオキサン50gとの混合
物を1時間にわたつて滴下する。滴下終了後110
〜120℃で4時間加熱した後、ブチルセロソルブ
150gを加えて減圧蒸留によつてジオキサンとブ
チルセロソルブの一部を除去した。かくして、固
形分77.6%のウレタン・ウレア樹脂溶液を得た。
このウレタン・ウレア樹脂溶液をブチルセロソル
ブで固形分50%に希釈したときのガードナー粘度
はV+であつた。 つぎに、2の4ツ口フラスコに、実施例1で
使用したと同じ水溶性樹脂溶液99g、ブチルセロ
ソルブ37g及び上記ウレタン・ウレア樹脂溶液46
gを入れ、60℃に加熱して混合溶解する。この溶
液に脱イオン水362gに30%アンモニア水11c.c.を
加えたものをよく撹拌してエマルジヨン化する。
ついでこのものに166gのn―ブチルメタクリレ
ートを加えエマルジヨン化し、さらに5gの脱イ
オン水に0.5gの過硫酸アンモニウムを溶解した
溶液を加えて80℃に加熱する。加熱1時間後にカ
ヤブチルH―70の1gを加え、さらに4時間加熱
する。かくして得られたエマルジヨン組成物の性
能を後記第1表に示す。 実施例 4 実施例3のエマルジヨンの調製において、ウレ
タン・ウレア樹脂溶液46gの代わりにトーマイド
90(富士化成社製、ポリアミド樹脂)36g及びブ
チルセロソルブ10gを使用した以外は実施例3と
同じ方法でエマルジヨンを調製した。かくして生
成したエマルジヨン組成物の性能を後記第1表に
示す。 実施例 5 2の4ツ口フラスコにトルエン556gを加え
て110〜120℃に加熱する。このものにエチルアク
リレート77g、メチルメタクリレート173g、2
―エチルヘキシルメタクリレート198g、アクリ
ル酸93g、ヒドロキシエチルメタクリレート15g
及びアゾビスジメチルバレロニトリル32gの混合
物を2時間にわたつて滴下する。滴下1時間後に
アゾビスジメチルバレロニトリル5gを加える。
その後、同温度で6時間加熱反応を行ない、カル
ボキシル基及び水酸基を含有するアクリル重合体
溶液を得た。 一方、別の2の4ツ口フラスコに、トリレン
ジイソシアネート696gを入れ50℃に加熱する。
このものに、520gのヒドロキシエチルメタクリ
レートに1gのハイドロキノンを加えた溶液を4
時間にわたつて滴下する。その後、同温度でさら
に3時間加熱反応を続けた後、缶容器に入れ密封
して1日間室温で放置した。かくして白色ろう状
のイソシアネート変性アクリル等単量体が得られ
た。 次いで、前記のアクリル重合体溶液に、該イソ
シアネート変性アクリル系単量体60gを加え80℃
で2時間反応を行なう。反応終了後、減圧蒸留に
よつてトルエンを除去する。トルエンが約半分除
去された時点でブチルセロソルブ200gを加えて、
残りのトルエンと一部のブチルセロソルブを除去
する。かくして酸価100及び固形分80%の水溶性
樹脂溶液が得られた。 つぎに、2の4ツ口フラスコに上記水溶性樹
脂溶液100g、ブチルセロソルブ36g、30%アン
モニア水11c.c.及び脱イオン水362gを入れ混合溶
解する。この溶液に実施例1で得たと同じウレタ
ン樹脂溶液41gをn―ブチルメタクリレート166
gに溶解したものを加えよく撹拌しエマルジヨン
化する。これに脱イオン水5gに過硫酸アンモニ
ウム0.5gを溶解した溶液を加えて、80℃に加熱
する。1時間後に、カヤブチルH―70の1gを加
え、さらに4時間加熱する。かくして生成された
エマルジヨン組成物の性能を後記第1表に示す。 比較例 1 2の4ツ口フラスコに、ブチルセロソルブ
500g及びアセトン130gを加えて85℃に加熱す
る。このものにエチルアクリレート80g、メチル
メタクリレート180g、アクリル酸103g、2―エ
チルヘキシルメタクリレート267g及びアゾビス
ジメチルバレロニトリル32gの混合物を2時間に
わたつて滴下する。滴下終了時には温度110℃に
なる。滴下終了1時間後と2時間後にアゾビスイ
ゾブチロニトリル5.2gをそれぞれ加え、さらに
110℃で2時間加熱反応を行う。反応終了後減圧
蒸留によつてアセトンと一部のブチルセロソルブ
を除去して酸価102及び固形分69.2%の水溶性樹
脂溶液を得た。 つぎに、実施例1のエマルジヨン組成物の調製
において用いた水溶性樹脂溶液の代わりに上記水
溶性樹脂溶液を同量使用した以外は実施例1と同
じ方法でエマルジヨン組成物を合成したが、安定
なエマルジヨン組成物を得ることができなかつ
た。
合から選ばれる少なくとも1種の結合を有する樹
脂(以下「極性樹脂」ということもある)含有エ
マルジヨン組成物に関し、さらに詳しくは、被覆
用組成物にして基質上に塗布したとき、その表面
が粘着性を持たず且つ肌ざわり感が良く、耐水
性、耐黄変性、耐ガソリン性、研磨性及びその他
の物性において優れた塗膜を形成し得る極性樹脂
含有エマルジヨン組成物に関する。 近年、水性エマルジヨン組成物が、従来油性系
塗料が使用されていた分野における油性系塗料に
代わる省資源無公害型塗料として広く使用される
ようになつてきた。ところが、水性エマルジヨン
組成物としてイオン性又は非イオン性の低分子又
は高分子界面活性剤を用いて得られる従来のエマ
ルジヨン組成物は、造膜助剤を多量に使用すると
エマルジヨンの系が不安定になり易く、さらにエ
マルジヨン組成物を塗料分野で使用するに際して
形成される皮膜を非常に緻密なものにするため該
エマルジヨン組成物に通常水溶性樹脂が添加され
ているが、この水溶性樹脂には通常中和剤及び水
溶性有機溶剤が含まれており、これら成分によつ
てエマルジヨンの系が非常に不安定になる傾向が
あり、さらに加えて、従来の水性エマルジヨン組
成物では一般に、界面活性剤としてイオン性又は
非イオン性の低分子又は高分子物質が使用されて
いるため皮膜の耐水性が劣る、などの種々の欠点
があるため、これまで実用に供することができな
かつた。 また、上記従来の水性エマルジヨン組成物は、
それを接着剤の成分として使用する場合、該エマ
ルジヨン組成物中に含まれる界面活性剤が適用さ
れた接着剤表面に滲出してきて表面を汚すという
欠陥がある。 そこで、通常のイオン性又は非イオン性の低分
子又は高分子界面活性剤を分散安定剤として含む
従来の水性エマルジヨン組成物が示す上記のよう
な欠点を有さない水性エマルジヨン組成物を得る
試みが種々行なわれており、その1つに分散安定
剤として水溶性樹脂を使用することが提案されて
いる。例えば、水溶性アクリル樹脂、マレイン化
ポリブタジエン、マレイン化油、マレイン化アル
キド樹脂などの水溶性樹脂を分散安定剤として使
用することが提案されている。しかしながら、上
記水溶性アクリル樹脂は性能的には好ましいもの
であるが、反面、上記分子骨格における親水性部
分と非親水性部分が明確に分かれていないため、
この水溶性アクリル樹脂を分散安定剤として使用
して優れた安定性を有するエマルジヨン組成物を
得ることは困難である。このために該水溶性アク
リル樹脂をブロツク共重合体又はグラフト共重合
体に変性して使用することが種々試みられている
が、所望の性能を有するブロツク共重合体及びグ
ラフト共重合体は現在までのところ見出されてい
ない。 一方、マレイン化ポリブタジエン、マレイン化
油、マレイン化アルキド樹脂などの水溶性樹脂
は、それ自体軟質な樹脂であつて且つ酸化硬化す
る基を多数有しているため、これらの水溶性樹脂
を分散安定剤として用いた水性エマルジヨン組成
物は、それから形成された硬化塗膜表面が初期に
おいて粘着性を示し、かつ長期間の暴露によつて
塗膜が黄変してくる性質があるため、その用途が
制限されるという大きな欠点がある。 本発明者らは、上記の欠点をもたない水性エマ
ルジヨン組成物、すなわち分散安定性に優れ、且
つ耐水性、耐黄変性、光択などの性能に優れ、硬
化の初期においても塗膜表面が粘着感を呈さず肌
ざわり感の良い硬化塗膜を形成し、さらに塗膜を
研磨した場合磨擦熱によつて軟化することのない
性質(以下この性質を研磨性という)や耐ガソリ
ン性、その他の物性にも優れた塗膜を与える水性
エマルジヨン組成物を提供することを目的とし
て、分散安定剤として従来の酸化硬化型の水溶性
樹脂とは異なる型の水溶性樹脂を用い、得られる
エマルジヨン粒子内に分子間凝集力の強い極性樹
脂を、エマルジヨンの安定性を破壊することなく
導入することについて鋭意検討を行なつた。 もつとも、従来においても高分子化合物をエマ
ルジヨン粒子内に導入することが提案されている
(特開昭51−28188号公報参照)。すなわち、上記
公開公報には、水、表面活性剤、少くとも1種の
重合体及び少くとも1種の単量体を混合して重合
体―単量体粒子の水性分散液を形成せしめ、次い
で該粒子内の単量体をラジカル重合させて水性エ
マルジヨン組成物を生成させていることが開示さ
れている。 しかしながら、この方法においては、重合前に
重合体―単量体の乳化をエマルジヨン単位、すな
わち平均粒径が0.01〜5μとなるまで十分に行なう
ことが必要であり、このために比較的多量の表面
活性剤物質を使用しなければならず、そうすると
必然的にかくして得られる水性エマルジヨン組成
物から形成される皮膜は耐水性が劣るという欠点
が生ずる。また、本発明で用いるウレタン結合、
尿素結合及び/又はアミド結合を有する樹脂は、
一般にエマルジヨン重合に用いる単量体に不溶の
ものが多く、上記方法を適用することが困難であ
る。さらに、分子間凝集力の強い極性樹脂を用い
て上記の方法で得られる水性エマルジヨン組成物
は、一般に造膜助剤を添加しないと被膜用組成物
として役に立たない。ところが、前記従来の例に
おけるように、分散安定剤として通常のイオン性
又は非イオン性の低分子又は高分子表面活性剤物
質を用いて得られる水性エマルジヨン組成物は、
造膜助剤を多量に使用するとエマルジヨンの系が
不安定になつたり、また、造膜助剤として非水溶
性の造膜助剤を用いた場合にはエマルジヨン組成
物が引火性を持つようになつたりする欠点があつ
たり、また、エマルジヨン組成物に水溶性樹脂を
添加すると、その中に含まれる中和剤や水溶性有
機溶剤によつてもエマルジヨンの系が不安定にな
る、などの欠点があるため実用に供するに至つて
いない。 そこで、本発明者らは、造膜助剤の添加等によ
りエマルジヨンの安定性を損なわない一般に公知
の水溶性樹脂をそのまま分散安定剤として用い
て、極性樹脂―ラジカル重合性不飽和単量体の混
合系をエマルジヨン重合することにより、エマル
ジヨン粒子内に分子間凝集力の強い極性樹脂を導
入することを目標に鋭意研究を行なつた。 その結果、一般に公知の水溶性樹脂をそのまま
分散安定剤として用いたのでは前記の目的を達成
することはできないが、しかし、水溶性樹脂とし
て、非酸化硬化型で、極性樹脂と相溶性を有す
る、カルボキシル基含有ビニル系重合体のカルボ
キシル基にグリシジル基含有ビニル系単量体を付
加して得られるタイプの水溶性樹脂、又はカルボ
キシル基及び水酸基を含有するビニル系重合体に
ジイソシアネート化合物と水酸基含有アクリル系
単量体とのモノ付加生成物を付加して得られるタ
イプの水溶性樹脂の如き、グラフト重合可能な不
飽和基を側鎖に有する水溶性樹脂を使用し、かつ
水に対して強い親和性を示す極性樹脂と組合わせ
て使用すれば、前記本発明の目的を達することが
できることを見い出し、本発明を完成した。 かくして、本発明に従えば、少なくとも1種の
ラジカル重合性不飽和単量体(A)と、ウレタン結
合、尿素結合及びアミド結合から選ばれる少なく
とも1種の結合を有する極性樹脂(B)とから成る系
を、グラフト重合可能な不飽和基を側鎖に有する
水溶性樹脂(以下、単に「水溶性樹脂」というこ
ともある)(C)の存在下にエマルジヨン重合して得
られる極性樹脂含有エマルジヨン組成物が提供さ
れる。 本発明の極性樹脂含有エマルジヨン組成物は、
分散安定剤として使用する水溶性樹脂が側鎖にグ
ラフト効果が大きく、且つ連鎖移動効果の小さな
不飽和基を有しているため、少量の使用によつて
もエマルジヨン重合中に該水溶性樹脂がラジカル
重合性不飽和単量体と適度にグラフト反応して長
鎖の側鎖を形成し、かくして形成されたグラフト
化物と共存する極性樹脂とがその場で重合するた
めに良く絡み合い非常に分散安定性の優れたもの
である。 しかも、本発明のエマルジヨン組成物は、分散
安定剤として通常のイオン性又は非イオン性の低
分子又は高分子界面活性物質及び水溶性酸化硬化
型の水溶性樹脂を使用しておらず、その上分子間
凝集力の強い極性樹脂をエマルジヨン粒子内に安
定な状態で含有しているので、被覆用組成物にし
て基質上に塗布したときにも塗膜表面が粘着感を
示さず且つ肌ざわり感が良く、さらに耐水性、耐
黄変性、耐ガソリン性、研磨性、及びその他の物
性に優れた塗膜を形成できるという優れた特徴を
有する。 さらに加うるに、本発明の極性樹脂含有エマル
ジヨン組成物は接着剤の成分として使用した場合
にも分散安定剤が表面に滲出してきて接着剤表面
を汚すような欠点も有さない利点がある。 以下、本発明の極性樹脂含有エマルジヨン組成
物についてさらに詳細に説明する。 極性樹脂 (B) 本発明の極性樹脂含有エマルジヨン組成物にお
いて、エマルジヨン粒子内に導入される「極性樹
脂」としては、得られるエマルジヨン組成物を基
質に塗布したときに塗膜表面が粘着感を示さず且
つ肌ざわり感が良く、研磨性及びその他の物性に
優れた塗膜を与えるものでなければならない。こ
の目的を達成できる極性樹脂としては、ウレタン
結合、尿素結合及び/又はアミド結合を樹脂骨格
中に含有する親水性及び分子間凝集力の強い樹脂
であつて、一般に約500〜約100000、好ましくは
約1000〜約20000の範囲内の平均分子量を有する
樹脂である。これらの極性樹脂は分散安定剤とし
て使用される水溶性樹脂と相溶性を有するか及
び/又はエマルジヨン重合により生成する水溶性
樹脂とラジカル重合性不飽和単量体とのグラフト
化物と相溶性を有することが非常に望ましい。 しかして、本発明において使用される極性樹脂
の代表例としては次のものが挙げられる。 (i) ウレタン結合及び/又は尿素結合を含有する
樹脂: ジイソシアネート化合物をポリオール化合物、
ポリアミン化合物又はアルカノールアミン化合物
と常法により反応させて得られるジイソシアネー
ト基、―水酸基―又はアミノ基―末端樹脂であ
り、好ましくは、該樹脂をさらにモノイソシアネ
ート化合物、モノヒドロキシ化合物又はモノアミ
ン化合物でブロツクすることにより得られるもの
である。 かかる樹脂の製造に用いうるジイソシアネート
化合物の具体例としては次のものを挙げることが
できる。 OCN(―CH2)―dNCO(d=2〜12)、 OCN―CH2―CH2―S―CH2―CH2―NCO、 OCN―CH2―CH2―CH2―O―CH2 ―CH2―CH2―NCO、 リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシア
ネートなど。 これらジイソシアネート化合物はそれぞれ単独
で用いることができ、或いは2種又はそれ以上組
合わせて用いてもよい。 また、前記したジイソシアネート化合物と反応
させて極性樹脂を形成するのに用いうるポリオー
ル化合物、ポリアミン化合物及びアルカノールア
ミン化合物としては次のものを具体例として挙げ
ることができる。 (a) ポリオール化合物としては、1分子中、殊に
分子末端に水酸基を2個もしくはそれ以上有す
る数平均分子量が一般に約60〜約10000、好ま
しくは約60〜約2000の範囲内にある公知の任意
のポリオール化合物が使用され、その代表例と
しては、エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、トリメチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、ポリエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ブチレングリコール、ヘキサメチレングリ
コール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジ
オール、ヘキサンジオール、1,4―シクロヘ
キサンジメタノール、トリシクロデカンジメタ
ノール、エステルジオール204(ユニオンカーバ
イド社製、商品名)などの2価アルコール類;
トリメチロールエタン、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、グ
リセリン、ジグリセロールなどの3価又はそれ
以上の多価アルコール類;これらアルコール類
の他に、これらアルコール類を末端成分とする
アルキド樹脂、エポキシ樹脂、又はウレタン樹
脂用エラストマーをつくる際に使用されるエス
テル化合物及びエーテル化合物(例えば、ポリ
オキシプロピレングリコール、ポリオキシブチ
レングリコール、ポリオキシエチレングリコー
ル、ポリオキシテトラメチレングリコール、ア
ジピン酸ジオール、ダイマー酸グリコール、ア
ジピン酸―フタル酸―トリオール―ジオールな
ど)などが挙げられる。 (b) ポリアミン化合物としては、1分子中に、殊
に分子末端にアミノ基を2個もしくはそれ以上
有する公知の任意化合物であつて、数平均分子
量が約60〜約5000、好ましくは約60〜約2000の
範囲内にある化合物を用いることができ、その
代表例としては、ヒドラジン、エチレンジアミ
ン、N―アルキル(特にメチル、エチルなどの
低級アルキル基、以下同様)置換エチレンジア
ミン、テトラメチレンジアミン、N―アルキル
置換テトラメチレンジアミン、ペンタメチレン
ジアミン、N―アルキル置換ペンタメチレンジ
アミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチ
レンジアミン、ノナメチレンジアミン、オクタ
デカメチレンジアミン、ビス(4―アミノシク
ロヘキシル)メタン、ビス(4―アミノ―1,
2―メチルシクロヘキシル)メタンなどが挙げ
られる。 (C) アルカノールアミン化合物としては、分子末
端にアミノ基と水酸基の両方を有する公知の任
意化合物であつて、分子量が約60〜約5000、好
ましくは約60〜約2000の範囲内にある化合物が
用いられ、例えば、エタノールアミン、N―ア
ルキル(特にメチル、エチルなどの低級アルキ
ル基)、置換エタノールアミン、ジエタノール
アミン、イソプロパノールアミン、1―アミノ
ブタン―4―オール、1―アミノペンタン―5
―オールなどが挙げられる。 また、上記のウレタン結合及び/又は尿素結合
を含有する樹脂(i)における樹脂骨格の末端成分を
構成しうるモノイソシアネート化合物、モノヒド
ロキシ化合物及びモノアミン化合物は特に限定さ
れるものではなく、通常公知の任意のものが使用
される。モノイソシアネート化合物としては、例
えば、メチルイソシアネート、エチルイソシアネ
ート、イソプロピルイソシアネート、フエニルイ
ソシアネートなどの脂肪族及び芳香族モノイソシ
アネート化合物が挙げられ、モノアルコール化合
物としては、例えば、メチルアルコール、エチル
アルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコ
ールなどの脂肪族飽和1価アルコール;アリルア
ルコールなどの脂肪族不飽和1価アルコール;ベ
ンジルアルコールなどの芳香族1価アルコール;
セロソルブ系アルコール;カルビトール系アルコ
ールなどが挙げられ、またモノアミン化合物とし
ては、例えば、メチルアミン、イソプロピルアミ
ン、ベンジルアミンなどの脂肪族又は芳香族アミ
ンが挙げられる。 本発明で使用される上記のウレタン結合及び/
又は尿素結合を含有する樹脂(i)は、上記したジイ
ソシアネート化合物とポリオール化合物、ポリア
ミン化合物又はアルカノールアミン化合物を非反
応性溶媒中で又は溶媒の不在下に、通常0〜150
℃程度の範囲内の温度で約0.5〜約20時間当モル
反応させ、ついで必要に応じて、同じ反応条件下
にモノイソシアネート化合物、モノアルコール化
合物又はモノアミン化合物を反応させて反応を停
止することによつて合成することができる。 該ウレタン結合及び/又は尿素結合を含有する
樹脂(i)が充分な親水性及び分子間凝集力を発揮す
るためには、該ジイソシアネート化合物の使用量
は生成樹脂の重量を基準にして5〜90重量%、好
ましくは10〜80重量%の範囲にあることが望まし
い。 (ii) アミド結合を含有する樹脂: ポリアミン化合物とポリカルボン酸化合物もし
くはその反応性誘導体又はアミノ酸化合物との縮
合反応、ラクタム化合物の開環重合、アクリルア
ミド転移重合等により形成される樹脂の末端を、
モノアミン化合物又はモノカルボン酸化合物でブ
ロツクしたものである。 かかる樹脂の製造に用いうるポリアミン化合物
としては、前記(i)において述べたと同様のものを
挙げることができる。 また、このポリアミン化合物と反応させて極性
樹脂を形成するのに用いうるポリカルボン酸もし
くはその反応性誘導体及びアミノ酸化合物として
は、数平均分子量が一般に約100〜約10000好まし
くは約100〜約2000の範囲内にある公知の任意の
化合物を使用することができる。しかして、ポリ
カルボン酸の代表例としては、例えば、シユウ
酸、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン
酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セ
バシン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジ
カルボン酸、ブラシリン酸、ダイマー酸、エチル
グルタル酸、フマル酸、マレイン酸、メチルフマ
ル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、
ヘキサヒドロフタル酸、ハイミツク酸、トリメリ
ツト類、ピロメリツト類、イタコン酸などが挙げ
られ、これらポリカルボン酸の反応性誘導体とし
ては、無水物、ハライド、エステル化物等が挙げ
られる。 また、アミノ酸化合物としては、例えば、グリ
シン、アラニン、イミドジプロピオン酸、アミノ
酪酸、リジン、グルタミン酸、δ―アミノ吉草
酸、ε―アミノカプロン酸、ζ―アミノエナント
酸、η―アミノカプリル酸、θ―アミノペラルゴ
ン酸、ι―アミノカプリン酸、アミノウンデカン
酸、13―アミノトリデカン酸などを挙げることが
できる。 さらにラクタム化合物としては、例えば、プロ
ピオラクタム、カプロラクタム、ラウロラクタ
ム、などが包含される。 一方、アミド結合を含有する樹脂(ii)における樹
脂骨格の末端成分を提供するモノアミン化合物及
びモノカルボン酸化合物は時に制限されるもので
はなく、通常公知の任意のものを使用することが
できるが、一般には、モノアミン化合物として
は、例えばウレタン結合及び/又は尿素結合を含
有する樹脂(i)の合成において示した脂肪族又は芳
香族アミンが挙げられる。 また、モノカルボン酸化合物としては、例え
ば、酢酸、プロピオン酸、カプロン酸、ラウリン
酸、ステアリン酸などのC1〜C26の脂肪族モノカ
ルボン酸;安息香酸、p―t―ブチル安息香酸な
どの芳香族モノカルボン酸が挙げられる。 上記アミド結合を含有する樹脂(ii)は、上記した
反応成分を常法に従つて重合させることにより製
造することができる。例えば、100〜250℃の温度
で1〜20時間酸化と粘度を測定しながら脱水反応
を行なうことによつて合成することができる。該
アミド結合を含有する樹脂(ii)が充分な親水性及び
分子間凝集力を発揮するためには、ポリアミン成
分が生成樹脂中の5〜90重量%、好ましくは10〜
80重量%の範囲にあることができる。 上記した如き極性基含有樹脂はそれぞれ単独で
使用することができ、或いは2種又はそれ以上組
合わせて使用してもよい。 水溶性樹脂 (C) 本発明の極性樹脂含有エマルジヨン組成物にお
いて、分散安定剤として使用される「グラフト重
合可能な不飽和基を側鎖に有する水溶性樹脂」
は、その樹脂自体が水溶化可能で、且つ十分な耐
久性を有する皮膜を形成し得る能力のある樹脂で
あることができる。 かかる水溶性樹脂は、代表的には、カルボキシ
ル基含有ビニル系重合体にグリシジル基含有ビニ
ル系単量体を付加させて得られるもの〔以下、
「水溶性樹脂(C―)」という〕、又はカルボキ
シル基と水酸基を含有するビニル系重合体に、ジ
イソシアネート化合物と水酸基含有アクリル系単
量体とのモノ付加生成物を付加させることによつ
て調製されるもの〔以下、「水溶性樹脂(C―
)」という〕のいずれかのタイプであることが
できる。 まず、前者の水溶性樹脂(C―)を調製する
ために使用される「カルボキシル基含有ビニル系
重合体」は、α,β―エチレン性不飽和カルボン
酸とラジカル重合性不飽和単量体とを常法により
共重合して得られるものである。 かかるα,β―エチレン性不飽和カルボン酸
は、カルボキシル基が結合する炭素原子とそれに
隣接する炭素原子との間に付加重合性の二重結合
を有する型の不飽和脂肪族モノ又はポリカルボン
酸で、炭素原子を3〜8個、特に3〜5個含有し
且つカルボキシル基を1又は2個有するものが適
しており、特に、下記一般式() 式中、R1は水素原子又は低級アルキル基を表
わし、R2は水素原子、低級アルキル基又はカル
ボキシル基を表わし、R3は水素原子、低級アル
キル基又はカルボキシ低級アルキル基を表わす、 で示されるものが包含される。上記式()にお
いて、低級アルキル基としては炭素原子数4個以
下のもの、殊にメチル基が好ましい。 かかるα,β―エチレン性不飽和カルボン酸の
例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロト
ン酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン
酸、フマル酸、マレイン酸モノアルキル(C1〜3)
エステル等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で
又は2種以上組合わせて使用することができる。 上記α,β―エチレン性不飽和カルボン酸とラ
ジカル共重合可能な「ラジカル重合性不飽和単量
体」としては、ラジカル重合性のエチレン性不飽
和結合(C=C)を有する限り、特に制約が
なく、最終製品としてのエマルジヨン組成物に望
まれる性能に応じて広範に選択することができ
る。かかる不飽和単量体の代表例を示せば次のと
おりである。 (a) アクリル酸又はメタクリル酸のエステル:例
えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、
アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピ
ル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、
アクリル酸オクチル、アクリル酸ラウリル、ア
クリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピ
ル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸
ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸
オクチル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル
酸シクロヘキシル等のアクリル酸又はメタクリ
ル酸のC1〜18アルキル又はシクロアルキルエス
テル;アクリル酸メトキシブチル、メタクリル
酸メトキシブチル、アクリル酸メトキシエチ
ル、メタクリル酸メトキシエチル、アクリル酸
エトキシブチル、メタクリル酸エトキシブチル
等のアクリル酸又はメタクリル酸のアルコキシ
アルキルエステル;ヒドロキシエチルアクリレ
ート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒド
ロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロ
ピルメタクリレート等のアクリル酸又はメタク
リル酸のC2〜8ヒドロキシアルキルエステル;
ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポ
リエチレングリコールモノメタクリレート、ポ
リプロピレングリコールモノアクリレート、ポ
リプロピレングリコールモノメタクリレート等
のアクリル酸又はメタクリル酸をポリエチレン
グリコール又はポリプロピレングリコールとの
モノエステル;グリシジルアクリレート又はグ
リシジルメタクリレートとC2〜18モノカルボン
酸化合物(例えば酢酸、プロピオン酸、オレイ
ン酸、ステアリン酸、ラウリン酸等)との付加
物。 (b) ビニル芳香族化合物:例えば、スチレン、α
―メチルスチレン、ビニルトルエン、p―クロ
ルスチレン、ビニルピリジン。 (c) ポリオレフイン系化合物:例えば、ブタジエ
ン、イソプレン、クロロプレン。 (d) アクリル酸又はメタクリル酸のアミド:例え
ばアクリルアミド、N―メチロールアクリルア
ミド、N―ブトキシメチルアクリルアミド。 (e) その他:アクリロニトリル、メタクリロニト
リル、エチレン、プロピレン、ブテン、メチル
イソプロペニルケトン、酢酸ビニル、ビニルエ
ステル類(脂肪族又は芳香族1塩基酸もしくは
多塩基酸のビニルエステル)、ベオバモノマー、
マレイン酸のジアルキル(C1〜8)エステルな
ど。 これら不飽和単量体は所望の物性に応じて適宜
選択され、それぞれ単独で用いてもよく、或いは
2種又はそれ以上組合わせて使用することができ
る。 また、本発明において水溶性樹脂(C―)を
形成するために、上記した単量体から調製される
カルボキシル基含有ビニル系重合体のカルボキシ
ル基に付加せしめられる「グリシジル基含有ビニ
ル単量体」としては分子中に下記式 で示されるグリシジル基1個と、エチレン性不飽
和結合(>C=C<)1個とを含有する単量体が
用いられ、例えばグリシジルアクリレート、グリ
シジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテ
ル等が挙げられる。 上記のα,β―エチレン性不飽和カルボン酸
と、ラジカル重合性不飽和単量体との共重合は、
アクリル系共重合体を製造するためのそれ自体公
知の方法に従い、例えば溶液重合法、乳化重合
法、懸濁重合法等を用いて行なうことができる。
有利には、溶液重合法に従つて行なうことが行ま
しく、上記2成分を適当な不活性溶媒中で、重合
触媒の存在下に、通常約0〜約180℃、好ましく
は約40〜約170℃の反応温度において、約1〜約
20時間、好ましくは約4〜約10時間反応を続ける
ことにより行なうことができる。 使用する溶媒としては、該共重合反応中にゲル
化が生じないように、生成する共重合体を溶解し
かつ水と混和し得る溶媒を使用することが望まし
い。かかる溶媒としては例えば、セロソルブ系溶
媒、カルビトール系溶媒、グライム系溶媒、セロ
ソルブアセテート系溶媒、アルコール系溶媒など
が使用できる。 また、重合触媒としては、例えばアゾ系化合
物、パーオキサイド系化合物、スルフイド類、ス
ルフイン類、ジアゾ化合物、ニトロソ化合物、レ
ドツクス系等の通常のラジカル重合用のラジカル
開始剤が使用される。 かくして得られるカルボキシル基含有ビニル系
重合体は一般に10〜300、好ましくは30〜200の範
囲内の酸価を有し、また、約300〜約100000、好
ましくは約800〜約50000の範囲内の数平均分子量
をもつことができる。 上記の如くして生成されるカルボキシル基含有
ビニル系重合体は、そのまま溶媒中でグリシジル
基含有ビニル単量体と付加反応せしめられて、分
散安定剤として使用される水溶性樹脂(C―)
を形成する。該付加反応は、反応温度約60〜約
220℃、好ましくは約120〜約170℃、及び反応時
間約0.5〜約40時間、好ましくは約3〜約10時間
の条件下に、両成分を付加反応させることにより
行なうことができる。その際、カルボキシル基含
有ビニル系重合体に対するグリシジル基含有ビニ
ル系単量体の添加割合は厳密に制限されるもので
はないが、一般的には、該ビニル系重合体対グリ
シジル基含有ビニル系単量体の重量比で99.9:
0.1乃至70:30、好ましくは99.5:0.5乃至90:10
の範囲とするのが有利である。 本発明の水溶性樹脂(C―)の製造におい
て、前記α,β―エチレン性不飽和カルボン酸と
ラジカル重合性不飽和単量体との重合反応及び得
られるカルボキシル基含有ビニル系重合体へのグ
リシジル基含有ビニル系単量体の付加反応の両反
応は有機溶媒中で連続して行なうことができるの
で製造が非常に容易であること、また得られる樹
脂溶液をそのままの状態でエマルジヨンの分散安
定剤として供すことができること等の利点があ
る。 次に、後者の水溶性樹脂(C―)を調製する
ために使用される「カルボキシル基及び水酸基を
含有するビニル系重合体」は、例えば、単量体成
分として、水溶性樹脂(C―)について前述し
た如きα,β―エチレン性不飽和カルボン酸、殊
に前記式()で示されるもの、及び水酸基含有
アクリル系単量体、例えば前記ラジカル重合性不
飽和単量体の代表例(a)中に示した如きアクリル酸
又はメタクリル酸のC2〜8ヒドロキシアルキルエス
テルを必須成分として用い且つ必要に応じて前述
した他のラジカル重合体不飽和単量体を共重合成
分として用いること及び溶媒として水酸基含有溶
媒を使用しないこと以外、前記のカルボキシル基
含有ビニル系重合体の場合と全く同じ方法で共重
合させることにより製造することができる。 かくの如くして製造されるカルボキシル基及び
水酸基を含有するビニル系重合体は、一般に10〜
300、好ましくは30〜200の酸価及び一般に2〜
150、好ましくは5〜50の水酸基価を有すること
ができ、また、その数平均分子量は約300〜約
100000、好ましくは約800〜約50000の範囲内にあ
ることが好ましい。 かくして得られるカルボキシル基及び水酸基を
含有するビニル系重合体に、ジイソシアネート化
合物と水酸基含有アクリル系単量体とのモノ付加
生成物(以下、これを「イソシアネート変性アク
リル系単量体」という)を付加させることによつ
て水溶性樹脂(C―)が形成される。 かかる「イソシアネート変性アクリル系単量
体」は、水酸基含有アクリル系単量体とジイソシ
アネート化合物を反応させて得られるものであ
り、使用する水酸基含有アクリル系単量体として
は、前記カルボキシル基含有ビニル系重合体の製
造に際して使用されるラジカル重合性不飽和単量
体の代表例(a)中に示したアクリル酸又はメタクリ
ル酸のC2〜8ヒドロキシアルキルエステル、及びア
クリル酸又はメタクリル酸とポリエチレングリコ
ール又はポリプロピレングリコールとのモノエス
テル化物などが好適である。 他方、上記水酸基含有アクリル系単量体が付加
せしめられるジイソシアネート化合物としては、
脂肪族系、脂環式系、芳香族系、芳香―脂肪族
系、などポリウレタンの製造に際し通常使用され
るいずれのタイプのジイソシアネート化合物でも
使用することができる。 かかるジイソシアネート化合物の具体例として
はウレタン結合及び/又は尿素結合を含有する樹
脂(i)について前述した如きものを挙げることがで
きる。 該ジイソシアネート化合物の中で、耐黄変性の
優れたものとして、1,6―ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホ
ロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン
―4,4′―ジイソシアネート、キシレンジイソシ
アネート、水添トルエンジイソシアネートなどが
挙げられる。 前記水酸基含有アクリル酸単量体は、通常該イ
ソシアネート化合物1モル当り、0.6〜1.4モル、
好ましくは0.9〜1.1モルの割合で使用するのが有
利である。反応は通常公知の方法で行なうことが
できる。一般には約20〜150℃の範囲内の温度で
行なうことができ、反応時間は一般に約0.5〜40
時間である。 また、上記水酸基含有アクリル系単量体とジイ
ソシアネート化合物との反応に際しては、必要に
応じて重合禁止剤、例えばハイドロキノン、ジタ
―シヤリブチルヒドロキシトルエン、メトキシフ
エノール、タ―シヤリブチルカテコール、ベンゾ
キノン等を使用することが有利である。 かくして生成されるイソシアネート変性アクリ
ル系単量体は、その分子中に遊離のイソシアネー
ト基を有しており、この遊離のイソシアネート基
と前記したカルボキシル基及び水酸基を有するビ
ニル系重合体の該水酸基との間の付加反応によつ
て、本発明の水溶性樹脂(C―)が形成され
る。該反応は不活性溶媒中で通常の方法で行なう
ことができ、一般に約20〜150℃の範囲内の温度
及び反応時間約0.5〜40時間の条件で行なわれる。
必要に応じて公知の反応触媒及び重合禁止剤が用
いられる。上記付加反応において、カルボキシル
基及び水酸基を含有するビニル系重合体に反応せ
しめられるイソシアネート変性アクリル系単量体
の添加割合は、一般には、該重合体対イソシアネ
ート変性アクリル系単量体重量比で99.9:0.1乃
至70:30、好ましくは99.5:0.5乃至90:10の範
囲とするのが有利である。 以上に述べた如くして得られる水溶性樹脂(C
―)及び(C―)は、水溶性化するために、
最終的に10〜250、好ましくは30〜200の酸価を有
していることが望ましく、また、水溶性樹脂(C
―)及び(C―)の数平均分子量は物性等の
面から約500〜約100000、好ましくは約800〜約
50000の範囲内にあることが有利である。このた
めに、カルボキシル基含有ビニル系重合体又はカ
ルボキシル基及び水酸基を含有するビニル系重合
体を調製する際に、生成される水溶性樹脂(C―
)又は(C―)が上記の酸価を有するよう
に、α,β―不飽和カルボン酸の共重合割合(カ
ルボキシル基の量)を調節し、また、数平均分子
量が上記の範囲になるように反応条件をあらかじ
め調製しておくことが重要である。 かくして生成せしめた水溶性樹脂は、そのまま
又は溶媒を留去した後水溶性化される。この水溶
性化は常法により、例えば該樹脂中に存在するカ
ルボキシル基を従来公知の中和剤(例えばアミ
ン、アンモニア、アルカリ金属の水酸化物など)
で中和処理することにより行なうことができる。 なお、本発明の水溶性樹脂の基体樹脂であるビ
ニル系重合体を構成する単量体の一成分として、
アクリル酸又はメタクリル酸とポリエチレングリ
コール又はポリプロピレングリコールのモノエス
テル化物が使用されている場合には、それ自体親
水性があり、必ずしもカルボキシル基の中和によ
らないでも樹脂の水溶性化を達成することができ
ることがある。そのためには、一般に上記モノエ
ステル化物を10〜90重量%、好ましくは20〜80重
量%の割合で共重合せしめるべきである。勿論こ
の場合に、カルボキシル基の中和による水溶性化
を併用しても一向に構わない。 ラジカル重合性不飽和単量体 (A) 本発明に従えば、以上に述べた水溶性樹脂(C)を
分散安定剤として用い、その存在下にラジカル重
合性不飽和単量体(A)と極性樹脂(B)とから成る系が
水性媒体中でエマルジヨン重合せしめられる。か
かるラジカル重合性不飽和単量体(A)は、該水溶性
樹脂と相溶性を有し且つ親水性が左程強くないも
のであれば特に制限はないが、その代表例を示せ
ば次のとおりである。 (i) ビニル芳香族化合物: 例えば、スチレン、α―メチルスチレン、ビニ
ルトルエン等のC8〜10ビニルベンゼン誘導体;ビ
ニルピリジンの如きビニル複素芳香族化合物。 (ii) アクリル酸又はメタクリル酸のエステル: 例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピ
ル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、ア
クリル酸ラウリル、アクリル酸シクロヘキシル、
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、
メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メ
タクリル酸オクチル、メタクリル酸ラウリル、メ
タクリル酸シクロヘキシル等のアクリル酸又はメ
タクリル酸のC1〜20アルキル又はシクロアルキル
エステル;グリシジルアクリレート又はグリシジ
ルメタクリレートとC2〜18モノカルボン酸化合物
(例えば、酢酸、プロピオン酸、オレイン酸、ス
テアリン酸、ラウリン酸など)との付加物;アク
リル酸メトキシブチル、アクリル酸メトキシエチ
ル、アクリル酸エトキシブチル、メタクリル酸メ
トキシブチル、メタクリル酸メトキシエチル、メ
タクリル酸エトキシブチル等のアクリル酸又はメ
タクリル酸のC2〜12アルコキシアルキルエステ
ル;アリルアクリレート、アリルメタクリレート
等のアクリル酸又はメタクリル酸のアルケニルエ
ステル;ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロ
キシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピル
メタクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸
のC2〜8ヒドロキシアルキルエステルと上記C2〜26
モノカルボン酸化合物との縮合体。 (iii) ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなど
の炭素原子数2〜8個のポリオレフイン。 (iv) 酢酸ビニル、ベオバモノマー(シエル化学社
製)等のカルボン酸ビニルエステル。 (v) その他:塩化ビニル、塩化ビニリデン、モノ
オレフイン(例えばエチレン、プロピレン、イ
ソブテンなど)等。 これらラジカル重合性不飽和単量体のうち、本
発明において特に好適なものは、ビニル芳香族化
合物及びアクリル酸又はメタクリル酸のエステル
が挙げられる。 これら不飽和単量体は最終のエマルジヨン組成
物に望まれる物性に応じて適宜選択され、それぞ
れ単独で用いてもよく、或いは2種又はそれ以上
組合わせて使用することができる。さらに、上記
単量体中には、用いる単量体の全量の50%以下、
好ましくは30重量%以下の量で親水性の不飽和単
量体と存在させてもよい。存在させ得る親水性の
不飽和単量体の例としては、2―ヒドロキシエチ
ルアクリレート、2―ヒドロキシエチルメタクリ
レート、2―ヒドロキシプロピルアクリレート、
2―ヒドロキシプロピルメタクリレート、アクリ
ロトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸、メ
タクリル酸、グリシジルアクリレート、グリシジ
ルメタクリレート、アクリルアミド、N―n―ブ
トキシメチルアクリルアミド、N―メチロールア
クリルアミド、メタクリルアミドなどがあり、こ
れらは2種又はそれ以上組合わせて使用すること
ができる。 エマルジヨン重合 本発明に従えば、以上に述べた水溶性樹脂を分
散安定剤として用い、その存在下に、上記ラジカ
ル重合性不飽和単量体及び極性樹脂からなる系を
水性媒体中でエマルジヨン重合せしめられる。 該エマルジヨン重合の方法としては、通常公知
の方法が用いられる。例えば該重合は前記した分
散安定剤の存在下で、必要に応じて先に記載した
重合開始剤を用いて撹拌しながら又は静置状態で
氷点乃至水性媒体の沸点間の温度で行なわれる。
上記重合の反応媒体である水性媒体としては水の
他に、水と先に記載した水―混和性有機溶媒との
混合物もまた使用することができる。 ここで、分散安定剤として使用される水溶性樹
脂の使用量は、生成するエマルジヨン中の全固形
分に対して一般に2〜90重量%、好ましくは5〜
50重量%になるような割合とすることができる。 また、本発明において生成するエマルジヨン粒
子中に導入するために使用される極性樹脂の使用
量は、生成するエマルジヨン中の全固形分から分
散安定剤として使用される水溶性樹脂の前記使用
量を差し引いた残りの固形分に対して一般に3〜
97重量%、好ましくは5〜70重量%の割合とする
ことができる。従つて、前記ラジカル重合性不飽
和単量体の使用量はその残りの量であることがで
きる。 なお、前記水性媒体の使用量は、得られるエマ
ルジヨンの固形分が15〜60重量%、好ましくは25
〜50重量%の範囲になるような量であることがで
きる。 極性樹脂含有エマルジヨン組成物 本発明により得られる極性樹脂含有エマルジヨ
ン組成物は、通常半透明状でありエマルジヨンの
粒子径は平均で一般に1ミクロン以下、好適には
0.5ミクロン以下の小さな粒子からなることがで
きる。また、該エマルジヨン組成物は分散安定剤
である水溶性樹脂(C)がエマルジヨン重合中にラジ
カル重合性不飽和単量体(A)とラジカル重合を行な
つて、エマルジヨン粒子に固定しているために、
機械的安定性、有機溶剤に対する安定性などに優
れている。さらに、エマルジヨン重合が、導入さ
れた極性樹脂(B)の存在するその場で行なわれるの
で、生成するグラフト化物と極性樹脂がよく絡み
合い、且つ極性樹脂は親水性基を有しているので
水中で凝集してブツを発生することもなく安定に
存在することができる。 かくして得られる極性樹脂含有エマルジヨン組
成物は、必要により塗装に適する粘度に希釈し、
又は増粘させた後、そのまま皮膜形成成分として
被覆用組成物に使用することができ、さらに接着
剤の成分としても使用することができる。また、
該エマルジヨン組成物には、必要に応じて、他の
水溶性樹脂、体質顔料、着色顔料、防錆剤、可塑
剤、有機溶媒等を通常用いられている量で含有さ
せることもできる。 本発明の極性樹脂含有エマルジヨン組成物は、
そこに含まれるエマルジヨン粒子内に分子間凝集
力の強い極性樹脂を含有するため、該エマルジヨ
ン組成物から形成される乾燥塗膜表面は粘着性を
呈さず優れた肌ざわり感を示す。また、極性樹脂
の分子間凝集力に基づき、該エマルジヨン組成物
を用いて形成される塗膜は、研磨性、耐ガソリン
性、その他の物性にも非常に優れているという利
点がある。さらに加うるに、本発明のエマルジヨ
ン組成物は、分散安定剤として前記の如き特定の
水溶性樹脂を用いていることにより、該エマルジ
ヨン組成物から形成される塗膜は耐水性、耐黄変
性等においても非常に優れている。 さらに、本発明の極性樹脂含有エマルジヨン組
成物は、そのまま又は他の水溶性樹脂もしくは水
分散性樹脂と併用して般用塗料として使用するこ
とができる。また、形成された皮膜は常温でも十
分に硬化するが、必要に応じて加熱硬化せしめて
もよい。さらに本発明のエマルジヨン組成物は塗
料以外に接着剤、樹脂加工用としても使用するこ
とができる。 次に、実施例により本発明をさらに説明する。
なお、実施例中「%」は特に断らないかぎり「重
量%」を示す。 実施例 1 2の4ツ口フラスコに、ブチルセロソルブ
556gを加えて120℃に加熱する。このものにエチ
ルアクリレート77g、メチルメタクリレート173
g、アクリル酸108g、2―エチルヘキシルメタ
クリレート198g及びアゾビスジメチルバレロニ
トリル32gの混合物を2時間にわたつて滴下す
る。滴下1時間後にアゾビスイソブチロニトリル
5gを加える。その後内容物の温度を徐々に上
げ、2時間後に158℃にして、同温度で1時間加
熱反応を行なう。 次いで、内容物の温度を130℃にまで下げ、こ
のものにグリシジルメタクリレート30gを40分間
にわたつて滴下する。その後、酸価が一定になる
まで130〜140℃で2時間反応を行なう。反応終了
後、減圧蒸留によつてブチルセロソルブの1部を
除去する。かくして、酸価108.5及び固形分80.9
%の水溶性樹脂溶液が得られた。 一方、別の2の4ツ口フラスコに、ジオキサ
ン300g及びネオペンチルグリコール312gを入れ
100℃に加熱する。このものに666gのイソホロン
ジイソシアネートを2時間にわたつて滴下する。
その後温度を110℃に保ちながら2時間反応を行
なう。ついでブチルセロソルブ400gを加えて反
応させた後、減圧蒸留でジオキサン及び一部のブ
チルセロソルブを除去した。かくして固形分87.6
%のウレタン樹脂溶液を得た。この樹脂溶液をジ
オキサンで固形分50%まで希釈したときのガード
ナー粘度はS〜Rであつた。 つぎに、2の4ツ口フラスコに上記水溶性樹
脂溶液99g、ブチルセロソルブ37g、30%アンモ
ニア水11c.c.及び脱イオン水362gを入れ混合溶解
する。この溶液に、上記ウレタン樹脂溶液41gを
n―ブチルメタクリレート166gに溶解したもの
を加えよく撹拌してエスルジヨン化する。このも
のに脱イオン水5gに過硫酸アンモニウム0.5g
を溶解した溶液を加えて80℃に加熱する。加熱1
時間後に、カヤブチルH―70(tert―ブチルヒド
ロキシパーオキサイド、日本化薬社製)1gを加
え、さらに4時間加熱する。かくして得られたエ
マルジヨン組成物の性能を後記第1表に示す。 実施例 2 2の4ツ口フラスコに、実施例1で使用した
と同じ水溶性樹脂溶液99g、ブチルセロソルブ37
g、30%アンモニア水11c.c.及び脱イオン水362g
を入れ混合溶解する。この溶液に、実施例1で使
用したウレタン樹脂溶液47gをn―ブチルアクリ
レート84g及びスチレン84gに溶解したものを加
え、よく撹拌してエマルジヨン化する。 このものに、脱イオン水5gに過硫酸アンモニ
ウム0.5gを溶解したものを加えて80℃に加熱す
る。加熱1時間後にカヤブチルH―70の1gを加
え、さらに4時間加熱する。かくして得られたエ
マルジヨンの組成物性能を後記第1表に示す。 実施例 3 1の4ツ口フラスコに、ジオキサン100g及
びイソホロンジイソシアネート111gを入れ混合
溶解し70℃に加熱する。このものに2―メチルア
ミノエタノール32.5gとジオキサン50gとの混合
物を1時間にわたつて滴下する。滴下終了後110
〜120℃で4時間加熱した後、ブチルセロソルブ
150gを加えて減圧蒸留によつてジオキサンとブ
チルセロソルブの一部を除去した。かくして、固
形分77.6%のウレタン・ウレア樹脂溶液を得た。
このウレタン・ウレア樹脂溶液をブチルセロソル
ブで固形分50%に希釈したときのガードナー粘度
はV+であつた。 つぎに、2の4ツ口フラスコに、実施例1で
使用したと同じ水溶性樹脂溶液99g、ブチルセロ
ソルブ37g及び上記ウレタン・ウレア樹脂溶液46
gを入れ、60℃に加熱して混合溶解する。この溶
液に脱イオン水362gに30%アンモニア水11c.c.を
加えたものをよく撹拌してエマルジヨン化する。
ついでこのものに166gのn―ブチルメタクリレ
ートを加えエマルジヨン化し、さらに5gの脱イ
オン水に0.5gの過硫酸アンモニウムを溶解した
溶液を加えて80℃に加熱する。加熱1時間後にカ
ヤブチルH―70の1gを加え、さらに4時間加熱
する。かくして得られたエマルジヨン組成物の性
能を後記第1表に示す。 実施例 4 実施例3のエマルジヨンの調製において、ウレ
タン・ウレア樹脂溶液46gの代わりにトーマイド
90(富士化成社製、ポリアミド樹脂)36g及びブ
チルセロソルブ10gを使用した以外は実施例3と
同じ方法でエマルジヨンを調製した。かくして生
成したエマルジヨン組成物の性能を後記第1表に
示す。 実施例 5 2の4ツ口フラスコにトルエン556gを加え
て110〜120℃に加熱する。このものにエチルアク
リレート77g、メチルメタクリレート173g、2
―エチルヘキシルメタクリレート198g、アクリ
ル酸93g、ヒドロキシエチルメタクリレート15g
及びアゾビスジメチルバレロニトリル32gの混合
物を2時間にわたつて滴下する。滴下1時間後に
アゾビスジメチルバレロニトリル5gを加える。
その後、同温度で6時間加熱反応を行ない、カル
ボキシル基及び水酸基を含有するアクリル重合体
溶液を得た。 一方、別の2の4ツ口フラスコに、トリレン
ジイソシアネート696gを入れ50℃に加熱する。
このものに、520gのヒドロキシエチルメタクリ
レートに1gのハイドロキノンを加えた溶液を4
時間にわたつて滴下する。その後、同温度でさら
に3時間加熱反応を続けた後、缶容器に入れ密封
して1日間室温で放置した。かくして白色ろう状
のイソシアネート変性アクリル等単量体が得られ
た。 次いで、前記のアクリル重合体溶液に、該イソ
シアネート変性アクリル系単量体60gを加え80℃
で2時間反応を行なう。反応終了後、減圧蒸留に
よつてトルエンを除去する。トルエンが約半分除
去された時点でブチルセロソルブ200gを加えて、
残りのトルエンと一部のブチルセロソルブを除去
する。かくして酸価100及び固形分80%の水溶性
樹脂溶液が得られた。 つぎに、2の4ツ口フラスコに上記水溶性樹
脂溶液100g、ブチルセロソルブ36g、30%アン
モニア水11c.c.及び脱イオン水362gを入れ混合溶
解する。この溶液に実施例1で得たと同じウレタ
ン樹脂溶液41gをn―ブチルメタクリレート166
gに溶解したものを加えよく撹拌しエマルジヨン
化する。これに脱イオン水5gに過硫酸アンモニ
ウム0.5gを溶解した溶液を加えて、80℃に加熱
する。1時間後に、カヤブチルH―70の1gを加
え、さらに4時間加熱する。かくして生成された
エマルジヨン組成物の性能を後記第1表に示す。 比較例 1 2の4ツ口フラスコに、ブチルセロソルブ
500g及びアセトン130gを加えて85℃に加熱す
る。このものにエチルアクリレート80g、メチル
メタクリレート180g、アクリル酸103g、2―エ
チルヘキシルメタクリレート267g及びアゾビス
ジメチルバレロニトリル32gの混合物を2時間に
わたつて滴下する。滴下終了時には温度110℃に
なる。滴下終了1時間後と2時間後にアゾビスイ
ゾブチロニトリル5.2gをそれぞれ加え、さらに
110℃で2時間加熱反応を行う。反応終了後減圧
蒸留によつてアセトンと一部のブチルセロソルブ
を除去して酸価102及び固形分69.2%の水溶性樹
脂溶液を得た。 つぎに、実施例1のエマルジヨン組成物の調製
において用いた水溶性樹脂溶液の代わりに上記水
溶性樹脂溶液を同量使用した以外は実施例1と同
じ方法でエマルジヨン組成物を合成したが、安定
なエマルジヨン組成物を得ることができなかつ
た。
【表】
【表】
エマルジヨンの性状及び塗膜性能の試験方法
エマルジヨンの状態:沈殿物が生じないかどうか
肉眼で観察。 粘 度:ブルツクフイールド粘度計を用い、
6rpm及び30rpmで測定。 粘着性:70℃に調製した間接熱風炉の中に、表面
処理鋼板に塗装した10日間乾燥後の塗面を上
向きにして水平に置き、塗面の中央に50mm平
方のガーゼを5枚重ねて、中央に40mmφ、
500gのおもりをのせる。1時間おいて取り
出し、ガーゼを塗面から引離し、塗面とガー
ゼとの粘着の程度及び塗面についた布目の跡
を調べる。 光 沢:ガラス板上に塗装した10日間乾燥後の塗
膜の20゜鏡面反射を測定。 硬 度:表面処理鋼板に塗装した塗膜について1
日及び10日乾燥後の鉛筆硬度を測定。 耐水性:表面処理鋼板に塗装した10日乾燥後の塗
面に水をのせて1時間後の塗膜の変化を観
察。 研磨性:400番の耐水研磨紙で10日間乾燥後の塗
面を10回研磨した後、研磨紙にカラミが生じ
ていないかを観察。 付着性:1mm幅のゴバン目を100個作り、その上
にセロフアン粘着テープをはりつけ、それを
勢いよくはがした後の剥離しないで残つた個
数で表す。
肉眼で観察。 粘 度:ブルツクフイールド粘度計を用い、
6rpm及び30rpmで測定。 粘着性:70℃に調製した間接熱風炉の中に、表面
処理鋼板に塗装した10日間乾燥後の塗面を上
向きにして水平に置き、塗面の中央に50mm平
方のガーゼを5枚重ねて、中央に40mmφ、
500gのおもりをのせる。1時間おいて取り
出し、ガーゼを塗面から引離し、塗面とガー
ゼとの粘着の程度及び塗面についた布目の跡
を調べる。 光 沢:ガラス板上に塗装した10日間乾燥後の塗
膜の20゜鏡面反射を測定。 硬 度:表面処理鋼板に塗装した塗膜について1
日及び10日乾燥後の鉛筆硬度を測定。 耐水性:表面処理鋼板に塗装した10日乾燥後の塗
面に水をのせて1時間後の塗膜の変化を観
察。 研磨性:400番の耐水研磨紙で10日間乾燥後の塗
面を10回研磨した後、研磨紙にカラミが生じ
ていないかを観察。 付着性:1mm幅のゴバン目を100個作り、その上
にセロフアン粘着テープをはりつけ、それを
勢いよくはがした後の剥離しないで残つた個
数で表す。
Claims (1)
- 1 (メタ)アクリル酸エステル及びビニル芳香
族化合物から選ばれる少なくとも1種のラジカル
重合性不飽和単量体と、ウレタン結合、尿素結合
及びアミド結合から選ばれる少なくとも1種の結
合を有する平均分子量が500〜100000の範囲内の
極性樹脂とから成る系を、カルボキシル基含有ビ
ニル系重合体にグリシジル基含有ビニル系単量体
を付加させて得られる水溶性樹脂及びカルボキシ
ル基と水酸基とを含有するビニル系重合体にジイ
ソシアネート化合物と水酸基含有アクリル系単量
体とのモノ付加生成物を付加させて得られる水溶
性樹脂から選ばれるグラフト重合可能な不飽和基
を側鎖に有する水溶性樹脂の存在下にエマルジヨ
ン重合して得られる極性樹脂含有エマルジヨン組
成物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9221180A JPS5718716A (en) | 1980-07-08 | 1980-07-08 | Emulsion composition containing polar resin |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9221180A JPS5718716A (en) | 1980-07-08 | 1980-07-08 | Emulsion composition containing polar resin |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5718716A JPS5718716A (en) | 1982-01-30 |
| JPH029049B2 true JPH029049B2 (ja) | 1990-02-28 |
Family
ID=14048103
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9221180A Granted JPS5718716A (en) | 1980-07-08 | 1980-07-08 | Emulsion composition containing polar resin |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS5718716A (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0730246B2 (ja) * | 1986-03-14 | 1995-04-05 | 三井東圧化学株式会社 | エマルシヨン樹脂組成物及びその製造方法 |
| JP2848584B2 (ja) * | 1994-06-23 | 1999-01-20 | 日本製紙株式会社 | 水性樹脂組成物、その製造方法及び用途 |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS54134741A (en) * | 1978-04-13 | 1979-10-19 | Asahi Chem Ind Co Ltd | Film-forming urethane resin emulsion composition |
| JPS54138025A (en) * | 1978-04-18 | 1979-10-26 | Asahi Chem Ind Co Ltd | Crosslinkable elastic emulsion composition |
-
1980
- 1980-07-08 JP JP9221180A patent/JPS5718716A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS5718716A (en) | 1982-01-30 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| TWI244493B (en) | Water dispersible polymeric compositions | |
| WO1996000249A1 (en) | Aqueous resin composition, process for producing the same, and use thereof | |
| FR2497811A1 (fr) | Dispersions aqueuses de polymeres et leur application notamment comme compositions de revetement | |
| EP1125949A1 (en) | Aqueous dispersions of particles of polymers with a glass transition temperature gradient | |
| KR20050111328A (ko) | 수성 수지 분산체의 제조 방법 | |
| EP1732962B1 (en) | Aqueous vinyl oligomer and vinyl polymer compositions | |
| JP4775830B2 (ja) | 水性塗料組成物及びこれを用いた防水塗膜の形成方法 | |
| JP2001521571A (ja) | ポリウレタンおよび放射線硬化性のプレポリマー含有の分散液 | |
| EP3580293A1 (en) | Environmentally friendly aqueous coating composition | |
| KR20010030851A (ko) | 스크럽 내성 라텍스 | |
| RU2661579C2 (ru) | Клеи на водной основе | |
| JP4559152B2 (ja) | 水性樹脂組成物 | |
| JPH029049B2 (ja) | ||
| JPS6254124B2 (ja) | ||
| US6756419B2 (en) | Chemical grafting onto a substrate and coating composition | |
| JPH11100528A (ja) | 活性エネルギー線硬化性水性組成物 | |
| CA2053612C (en) | Curable composition | |
| JPS62121771A (ja) | 水性被覆組成物 | |
| CN100422218C (zh) | 水性树脂分散体的制备方法 | |
| AU2003301964A1 (en) | Chemically inert contact adhesive having improved adhesive properties, method for the production thereof | |
| CN1984976B (zh) | 水性乙烯基聚合物涂料组合物 | |
| JPS6317083B2 (ja) | ||
| JPH03152168A (ja) | 水性樹脂分散液 | |
| JP2845755B2 (ja) | 水性樹脂組成物 | |
| US5856408A (en) | Water dispersible acrylic based graft copolymers, a method of manufacture and aqueous paints |