JPH0315441B2 - - Google Patents
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- JPH0315441B2 JPH0315441B2 JP60023802A JP2380285A JPH0315441B2 JP H0315441 B2 JPH0315441 B2 JP H0315441B2 JP 60023802 A JP60023802 A JP 60023802A JP 2380285 A JP2380285 A JP 2380285A JP H0315441 B2 JPH0315441 B2 JP H0315441B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polytetrafluoroethylene
- coating
- upper layer
- film
- perfluoroalkoxy resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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- Baking, Grill, Roasting (AREA)
- Cookers (AREA)
Description
産業上の利用分野
本発明は、ホツトプレート、グリルパン、電気
鍋等の加熱用調理器の調理面に形成する上層被膜
のコーテイング法に関するものである。 従来の技術 これらの調理器には、非粘着性、耐熱性を目的
として、従来からフツソコートと呼ばれる被膜を
施していた。 これは調理面となる基材表面にハードコート層
と称する陽極酸化被膜、ホーロー仕上げおよびア
ルミナ等の無機酸化物を溶射したもの等を形成
し、その上面に、前記ハードコート層と、上層被
膜との高い密着性を得るために、ポリテトラフル
オロエチレンを主成分とした下地被膜を形成し、
さらにその上面に、ポリテトラフルオロエチレ
ン、ポリヘキサフルオロプロピレン、テトラフル
オロエチレンとヘキサフルオロプロピレンの共重
合体、テトラフルオロエチレンとエチレンの共重
合体等からなる上層被膜を形成してなるものであ
る。そして実用上はその耐熱性、耐摩耗性の高さ
から、上層被膜は、ポリテトラフルオロエチレン
が用いられていた。このポリテトラフルオロエチ
レンは、通常、水中に界面活性剤の存在のもとに
その微粒子が分散されたデイスパージヨンタイプ
の塗料を塗布し、400℃前後の温度で焼付ける方
法が、被膜の基材との接着性、均一性および量産
性から一般的に用いられている。 発明が解決しようとする問題点 しかしながらポリテトラフルオロエチレンは溶
融時の流動性が悪い(380℃での溶融粘度は1011
〜1013ポイズである)ため、前記の方法で得られ
た塗膜は、ピンホールが多いばかりでなく、塗膜
中のボイドも多く、かつ表面の凹凸も多く、平滑
性が低い。また結晶性が高いため、微結晶が表面
で形成され、さらに表面の平滑性も悪い。これは
前記の塗装方法でなく、加熱加圧成型物を切削し
たシート状のものでも同様にボイドが多く、表面
の平滑性は悪い。したがつてこのようなポリテト
ラフルオロエチレンからなる上層被膜を設けた調
理器で調理を行なうと、ピンホールやボイドから
油脂や他の調理物が浸入し、その中で固化および
炭化し、さらには表面の凹凸が多く、そこに調理
物が残るため、調理を繰り返すことにより徐々に
非粘着性が低下してしまい、最終的には著しく変
色するとともに調理物がこびり付いてしまうとい
う問題があつた。さらにはピンホールやボイドか
らソース、塩水、調理物等が侵入し、基材に到達
すると、基材がアルミニウム等のときは腐食して
体積膨張し、いわゆるフクレという現象が起こ
り、ついには上層被膜が剥離する等の問題もあつ
た。 さらに、上層被膜としてテトラフルオロエチレ
ンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体および
テトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体等
を用いるとその耐熱性の低さや、熱時の硬度の低
さ等から、被膜の熱劣化や摩耗を生じやすいとい
う問題がある。 そしてまた、上層被膜としてパーフルオルアル
コキシ樹脂を用いると、高温時の硬度が低いた
め、傷つきやすいという問題がある。 本発明はこのような従来の問題点を解決するも
ので、ピンホールや被膜中のボイドがほとんどな
く、かつ表面が平滑であり、調理による非粘着性
の低下や基材の腐食、および被膜の剥離の少ない
非粘着被膜を有するコーテイング法を提供するこ
とを目的とするものである。 問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するために本発明は、加熱調
理器の基材調理面にポリテトラフルオロエチレン
とパーフルオルアルコキシ樹脂またはその共重合
体を含む塗料を塗布し、焼成後、直ちに急冷する
ことにより上層被膜を形成するものである。 作 用 発明者等は、ポリテトラフルオロエチレンから
なる被膜を有するホツトプレート、グリルパン等
の調理器における非粘着性の低下のメカニズムを
解析した。その結果、ポリテトラフルオロエチレ
ンのコーテイング被膜は、通常ポリテトラフルオ
ロエチレンの微粉末が界面活性剤の共存下で水中
に分散されたデイスパージヨンタイプの塗料をス
プレー等で塗布し、400℃前後の温度で焼付ける
方法がとられているが、ポリテトラフルオロエチ
レンの場合は、ポリテトラフルオロエチレンのデ
イスパージヨン塗料から形成した被膜表面を前述
のごとく高温での流動性が悪いため、倍率2500倍
の走査型電子顕微鏡写真で確認したところ、高温
で焼付けても均一な膜が形成されておらず、微粉
末が部分的に溶融しているだけで、ボイドと呼ば
れる空隙が多く、非常に多孔質な膜となつてい
る。したがつて、このような被膜上で調理した場
合、この被膜の空隙部から調理物が侵入して接着
し、さらに調理中での高温により固化および炭化
がなされて、被膜が調理物およびその炭化物で覆
われてしまい、この被膜の非粘着性の劣化を引き
起こしていることが明確になつた。また被膜の表
面は上記した顕微鏡写真で確認したところ、凹凸
が多い。これは前述の調理物およびその炭化物の
接着を容易にしていると考えられる。 発明者等は、このメカニズム解析の結果をもと
に研究した結果、数多くのフツソ樹脂の中からポ
リテトラフルオロエチレンとパーフルオルアルコ
キシ樹脂またはその共重合体を含有する塗料を塗
布し、焼成後、直ちに急冷して被膜を形成するこ
とにより、ピンホールやボイドのほとんどない均
質で、しかも表面の凹凸の少ない被膜が得られ、
前述のポリテトラフルオロエチレン被膜で発生し
たような非粘着性の低下が非常に少ない被膜を有
し、かつ耐食性が良好で上層および下地被膜の剥
離の少ないコーテイングが得られる。 これはポリテトラフルオロエチレンとパーフル
オルアルコキシ樹脂またはその共重合体とがそれ
ぞれ欠点を補い合うとともに両者の長所が生かさ
れ、さらに焼成後に急冷することにより平滑な表
面が得られたためである。 すなわち、前述のような重合体としてポリテト
ラフルオロエチレン単独では、この樹脂の高温で
の流動性が悪いため、400℃程度の高温で焼付け
ても、均質な膜が形成されず、空隙の多い多孔質
で、しかも表面の凹凸の大きい被膜になつてしま
う。ここにパーフルオルアルコキシ樹脂またはそ
の共重合体が存在すると、この樹脂は溶融時の流
動性が高く(380℃の溶融粘度は104〜105ポイ
ズ)、しかもポリテトラフルオロエチレンとのな
じみも良いため、前述のポリテトラフルオロエチ
レン被膜の空隙や表面の凹凸部を充填し、均質で
表面の平滑な被膜が形成される。また前述のよう
に、重合体としてパーフルオルアルコキシ樹脂単
独の被膜は高温時の硬度が低く、傷つきやすく摩
耗しやすいという欠点も、ポリテトラフルオロエ
チレンの共存によりその被膜の硬度、特に高温時
の硬度が高くなる。 このようにポリテトラフルオロエチレン量が、
パーフルオルアルコキシ樹脂量またはその共重合
体よりも多いときは、パーフルオルアルコキシ樹
脂またはその共重合体はポリテトラフルオロエチ
レン被膜の一種の封口剤の役割をし、また逆に、
パーフルオルアルコキシ樹脂またはその共重合体
の方が多いときは、ポリテトラフルオロエチレン
はパーフルオルアルコキシ樹脂またはその共重合
体被膜の硬度向上を目的とした一種の非粘着性の
充填剤としての役割を果している。 さらに、ポリテトラフルオロエチレンは結晶性
が高い樹脂であるため、パーフルオルアルコキシ
樹脂と共存させて、ボイドが減少し、また大きな
凹凸が平坦になるものの、塗装焼成後の冷却がゆ
るやかであると、ポリテトラフルオロエチレンの
結晶が形成され、それにより微細な凹凸ができて
しまう。焼成後の急冷はこの結晶に起因する微細
な凹凸をなくし平滑性の高い表面を得る役割を果
している。 発明者等は重合体としてテトラフルオロエチレ
ン80%とパーフルオルアルコキシ樹脂20%からな
る上層被膜を実際に形成した表面を確認した。 ここでパーフルオルアルコシ樹脂は一般式 で表わされる構造を有する(Rfはパーフルオル
アルキルである)。共重合体としては、パーフル
オル樹脂との重合体が良いが、パーフルオルアル
コキシとテトラフルオロエチレンの共重合体、パ
ーフルオルアルコキシとヘキサフルオロプロピレ
ンとの共重合体等が最適である。 実施例 以下、実施例をもとに、本発明を説明する。 下記の処方にて調理を作製した。 (1) 材料 基材:アルミダイキヤスト 下地被膜:ポリテトラフルオロエチレン樹脂主
体下地塗料(ダイキン工業製:下地用ポリフ
ロンエナメル) 上層被膜:ポリテトラフルオロエチレンと
パーフルオルアルコキシ樹脂混合塗料(ダイ
キン工業製のポリテトラフルオロエチレン樹
脂分散型ポリフロン塗料に、デユポン社製の
粉体塗料用粉体MP−10を混合し、ボールに
て粉砕分散した;ポリテトラフルオロエチレ
ン/パーフルオルアルコキシ樹脂=7/3) (2) 製造方法 基材のアルミニウムダイキヤストをモランダ
ム系のプラスト材によりサンドプラスト処理を
行なつて粗面化し、アルミナ系セラミツク層を
プラズマ溶射にて、この粗面化したアルミダイ
キヤスト基材表面に設け、下地塗料をスプレー
塗装し、150℃で10分間乾燥させた。その後、
前記上層被膜用塗料をスプレー塗装し、その
後、380℃で30分間焼付け後、水を噴射し急冷
して得た。 この調理器を、従来のポリテトラフルオロエ
チレンからなる上層被膜を形成したホツトプレ
ートおよびパーフルオルアルコキシ樹脂からな
る上層被膜を形成したホツトプレートと、調理
による非粘着性の低下状況を比較した。なお、
このポリテトラフルオロエチレン上層被膜は、
前記の下地塗料の乾燥までは同一で、かつ上層
被膜はポリテトラフルオロエチレンのデイスパ
ージヨンタイプのエナメル(ダイキン工業製:
ポリフロンエナメル上塗用)を静電スプレー塗
装し、実施例と同様に380℃で30分間焼付け後、
水を噴射し、急冷して得た。また、、パーフル
オルアルコキシ樹脂上層被膜は、同様に下地塗
装、乾燥後、パーフルオルアルコキシ樹脂粉体
塗料(デユポン社製:PFA粉体塗料;MP−
10)を静電塗装し、380℃で30分間焼付け後、
水を噴射し、急冷して得た。 以下に、調理実験法、非粘着性測定法および
硬度試験法を示す。 (3) 調理実験法 調理面温度を220℃になるように加熱し、牛
肉6〜7切(約100g)とキヤベツ乱切り一つ
まみ(約50g)と、市販焼肉タレ、小スプーン
6杯(約30g)を調理面に投入し、15分間調理
し、その後、加熱を停止し、5分間放冷後、中
性洗剤を用いて水にて洗浄する。この工程を50
回繰返す。 (4) 非粘着性試験法 図に示すように、基材調理面1に下地被膜
2、上層被膜3を施し、その調理面上に内径20
mm、高さ20mmの円筒管4を置き、その中にエポ
キシ系の接着剤5を5g注入して硬化させ、調
理面より5mmのところを図中矢印の方向に荷重
を加えて、せん断剥離強度で比較する。 (5) 硬度試験法 通常の鉛筆硬度試験法に従い、鉛筆を試験面
に45度傾け、1000gの荷重をかけて、5mmひつ
かく。5回ひつかき、被膜のやぶれが1回以下
のときの鉛筆硬度記号で硬度を示す。 本発明の上層被膜を有する調理器の非粘着性劣
化と硬度を、ポリテトラフルオロエチレン上層被
膜を有する調理器およびパーフルオルアルコキシ
樹脂上層被膜を有する調理器と前記(3)の調理実験
法に基づき実験し、(4)非粘着性試験法と(5)硬度試
験法により比較した結果を次表に示す。
鍋等の加熱用調理器の調理面に形成する上層被膜
のコーテイング法に関するものである。 従来の技術 これらの調理器には、非粘着性、耐熱性を目的
として、従来からフツソコートと呼ばれる被膜を
施していた。 これは調理面となる基材表面にハードコート層
と称する陽極酸化被膜、ホーロー仕上げおよびア
ルミナ等の無機酸化物を溶射したもの等を形成
し、その上面に、前記ハードコート層と、上層被
膜との高い密着性を得るために、ポリテトラフル
オロエチレンを主成分とした下地被膜を形成し、
さらにその上面に、ポリテトラフルオロエチレ
ン、ポリヘキサフルオロプロピレン、テトラフル
オロエチレンとヘキサフルオロプロピレンの共重
合体、テトラフルオロエチレンとエチレンの共重
合体等からなる上層被膜を形成してなるものであ
る。そして実用上はその耐熱性、耐摩耗性の高さ
から、上層被膜は、ポリテトラフルオロエチレン
が用いられていた。このポリテトラフルオロエチ
レンは、通常、水中に界面活性剤の存在のもとに
その微粒子が分散されたデイスパージヨンタイプ
の塗料を塗布し、400℃前後の温度で焼付ける方
法が、被膜の基材との接着性、均一性および量産
性から一般的に用いられている。 発明が解決しようとする問題点 しかしながらポリテトラフルオロエチレンは溶
融時の流動性が悪い(380℃での溶融粘度は1011
〜1013ポイズである)ため、前記の方法で得られ
た塗膜は、ピンホールが多いばかりでなく、塗膜
中のボイドも多く、かつ表面の凹凸も多く、平滑
性が低い。また結晶性が高いため、微結晶が表面
で形成され、さらに表面の平滑性も悪い。これは
前記の塗装方法でなく、加熱加圧成型物を切削し
たシート状のものでも同様にボイドが多く、表面
の平滑性は悪い。したがつてこのようなポリテト
ラフルオロエチレンからなる上層被膜を設けた調
理器で調理を行なうと、ピンホールやボイドから
油脂や他の調理物が浸入し、その中で固化および
炭化し、さらには表面の凹凸が多く、そこに調理
物が残るため、調理を繰り返すことにより徐々に
非粘着性が低下してしまい、最終的には著しく変
色するとともに調理物がこびり付いてしまうとい
う問題があつた。さらにはピンホールやボイドか
らソース、塩水、調理物等が侵入し、基材に到達
すると、基材がアルミニウム等のときは腐食して
体積膨張し、いわゆるフクレという現象が起こ
り、ついには上層被膜が剥離する等の問題もあつ
た。 さらに、上層被膜としてテトラフルオロエチレ
ンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体および
テトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体等
を用いるとその耐熱性の低さや、熱時の硬度の低
さ等から、被膜の熱劣化や摩耗を生じやすいとい
う問題がある。 そしてまた、上層被膜としてパーフルオルアル
コキシ樹脂を用いると、高温時の硬度が低いた
め、傷つきやすいという問題がある。 本発明はこのような従来の問題点を解決するも
ので、ピンホールや被膜中のボイドがほとんどな
く、かつ表面が平滑であり、調理による非粘着性
の低下や基材の腐食、および被膜の剥離の少ない
非粘着被膜を有するコーテイング法を提供するこ
とを目的とするものである。 問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するために本発明は、加熱調
理器の基材調理面にポリテトラフルオロエチレン
とパーフルオルアルコキシ樹脂またはその共重合
体を含む塗料を塗布し、焼成後、直ちに急冷する
ことにより上層被膜を形成するものである。 作 用 発明者等は、ポリテトラフルオロエチレンから
なる被膜を有するホツトプレート、グリルパン等
の調理器における非粘着性の低下のメカニズムを
解析した。その結果、ポリテトラフルオロエチレ
ンのコーテイング被膜は、通常ポリテトラフルオ
ロエチレンの微粉末が界面活性剤の共存下で水中
に分散されたデイスパージヨンタイプの塗料をス
プレー等で塗布し、400℃前後の温度で焼付ける
方法がとられているが、ポリテトラフルオロエチ
レンの場合は、ポリテトラフルオロエチレンのデ
イスパージヨン塗料から形成した被膜表面を前述
のごとく高温での流動性が悪いため、倍率2500倍
の走査型電子顕微鏡写真で確認したところ、高温
で焼付けても均一な膜が形成されておらず、微粉
末が部分的に溶融しているだけで、ボイドと呼ば
れる空隙が多く、非常に多孔質な膜となつてい
る。したがつて、このような被膜上で調理した場
合、この被膜の空隙部から調理物が侵入して接着
し、さらに調理中での高温により固化および炭化
がなされて、被膜が調理物およびその炭化物で覆
われてしまい、この被膜の非粘着性の劣化を引き
起こしていることが明確になつた。また被膜の表
面は上記した顕微鏡写真で確認したところ、凹凸
が多い。これは前述の調理物およびその炭化物の
接着を容易にしていると考えられる。 発明者等は、このメカニズム解析の結果をもと
に研究した結果、数多くのフツソ樹脂の中からポ
リテトラフルオロエチレンとパーフルオルアルコ
キシ樹脂またはその共重合体を含有する塗料を塗
布し、焼成後、直ちに急冷して被膜を形成するこ
とにより、ピンホールやボイドのほとんどない均
質で、しかも表面の凹凸の少ない被膜が得られ、
前述のポリテトラフルオロエチレン被膜で発生し
たような非粘着性の低下が非常に少ない被膜を有
し、かつ耐食性が良好で上層および下地被膜の剥
離の少ないコーテイングが得られる。 これはポリテトラフルオロエチレンとパーフル
オルアルコキシ樹脂またはその共重合体とがそれ
ぞれ欠点を補い合うとともに両者の長所が生かさ
れ、さらに焼成後に急冷することにより平滑な表
面が得られたためである。 すなわち、前述のような重合体としてポリテト
ラフルオロエチレン単独では、この樹脂の高温で
の流動性が悪いため、400℃程度の高温で焼付け
ても、均質な膜が形成されず、空隙の多い多孔質
で、しかも表面の凹凸の大きい被膜になつてしま
う。ここにパーフルオルアルコキシ樹脂またはそ
の共重合体が存在すると、この樹脂は溶融時の流
動性が高く(380℃の溶融粘度は104〜105ポイ
ズ)、しかもポリテトラフルオロエチレンとのな
じみも良いため、前述のポリテトラフルオロエチ
レン被膜の空隙や表面の凹凸部を充填し、均質で
表面の平滑な被膜が形成される。また前述のよう
に、重合体としてパーフルオルアルコキシ樹脂単
独の被膜は高温時の硬度が低く、傷つきやすく摩
耗しやすいという欠点も、ポリテトラフルオロエ
チレンの共存によりその被膜の硬度、特に高温時
の硬度が高くなる。 このようにポリテトラフルオロエチレン量が、
パーフルオルアルコキシ樹脂量またはその共重合
体よりも多いときは、パーフルオルアルコキシ樹
脂またはその共重合体はポリテトラフルオロエチ
レン被膜の一種の封口剤の役割をし、また逆に、
パーフルオルアルコキシ樹脂またはその共重合体
の方が多いときは、ポリテトラフルオロエチレン
はパーフルオルアルコキシ樹脂またはその共重合
体被膜の硬度向上を目的とした一種の非粘着性の
充填剤としての役割を果している。 さらに、ポリテトラフルオロエチレンは結晶性
が高い樹脂であるため、パーフルオルアルコキシ
樹脂と共存させて、ボイドが減少し、また大きな
凹凸が平坦になるものの、塗装焼成後の冷却がゆ
るやかであると、ポリテトラフルオロエチレンの
結晶が形成され、それにより微細な凹凸ができて
しまう。焼成後の急冷はこの結晶に起因する微細
な凹凸をなくし平滑性の高い表面を得る役割を果
している。 発明者等は重合体としてテトラフルオロエチレ
ン80%とパーフルオルアルコキシ樹脂20%からな
る上層被膜を実際に形成した表面を確認した。 ここでパーフルオルアルコシ樹脂は一般式 で表わされる構造を有する(Rfはパーフルオル
アルキルである)。共重合体としては、パーフル
オル樹脂との重合体が良いが、パーフルオルアル
コキシとテトラフルオロエチレンの共重合体、パ
ーフルオルアルコキシとヘキサフルオロプロピレ
ンとの共重合体等が最適である。 実施例 以下、実施例をもとに、本発明を説明する。 下記の処方にて調理を作製した。 (1) 材料 基材:アルミダイキヤスト 下地被膜:ポリテトラフルオロエチレン樹脂主
体下地塗料(ダイキン工業製:下地用ポリフ
ロンエナメル) 上層被膜:ポリテトラフルオロエチレンと
パーフルオルアルコキシ樹脂混合塗料(ダイ
キン工業製のポリテトラフルオロエチレン樹
脂分散型ポリフロン塗料に、デユポン社製の
粉体塗料用粉体MP−10を混合し、ボールに
て粉砕分散した;ポリテトラフルオロエチレ
ン/パーフルオルアルコキシ樹脂=7/3) (2) 製造方法 基材のアルミニウムダイキヤストをモランダ
ム系のプラスト材によりサンドプラスト処理を
行なつて粗面化し、アルミナ系セラミツク層を
プラズマ溶射にて、この粗面化したアルミダイ
キヤスト基材表面に設け、下地塗料をスプレー
塗装し、150℃で10分間乾燥させた。その後、
前記上層被膜用塗料をスプレー塗装し、その
後、380℃で30分間焼付け後、水を噴射し急冷
して得た。 この調理器を、従来のポリテトラフルオロエ
チレンからなる上層被膜を形成したホツトプレ
ートおよびパーフルオルアルコキシ樹脂からな
る上層被膜を形成したホツトプレートと、調理
による非粘着性の低下状況を比較した。なお、
このポリテトラフルオロエチレン上層被膜は、
前記の下地塗料の乾燥までは同一で、かつ上層
被膜はポリテトラフルオロエチレンのデイスパ
ージヨンタイプのエナメル(ダイキン工業製:
ポリフロンエナメル上塗用)を静電スプレー塗
装し、実施例と同様に380℃で30分間焼付け後、
水を噴射し、急冷して得た。また、、パーフル
オルアルコキシ樹脂上層被膜は、同様に下地塗
装、乾燥後、パーフルオルアルコキシ樹脂粉体
塗料(デユポン社製:PFA粉体塗料;MP−
10)を静電塗装し、380℃で30分間焼付け後、
水を噴射し、急冷して得た。 以下に、調理実験法、非粘着性測定法および
硬度試験法を示す。 (3) 調理実験法 調理面温度を220℃になるように加熱し、牛
肉6〜7切(約100g)とキヤベツ乱切り一つ
まみ(約50g)と、市販焼肉タレ、小スプーン
6杯(約30g)を調理面に投入し、15分間調理
し、その後、加熱を停止し、5分間放冷後、中
性洗剤を用いて水にて洗浄する。この工程を50
回繰返す。 (4) 非粘着性試験法 図に示すように、基材調理面1に下地被膜
2、上層被膜3を施し、その調理面上に内径20
mm、高さ20mmの円筒管4を置き、その中にエポ
キシ系の接着剤5を5g注入して硬化させ、調
理面より5mmのところを図中矢印の方向に荷重
を加えて、せん断剥離強度で比較する。 (5) 硬度試験法 通常の鉛筆硬度試験法に従い、鉛筆を試験面
に45度傾け、1000gの荷重をかけて、5mmひつ
かく。5回ひつかき、被膜のやぶれが1回以下
のときの鉛筆硬度記号で硬度を示す。 本発明の上層被膜を有する調理器の非粘着性劣
化と硬度を、ポリテトラフルオロエチレン上層被
膜を有する調理器およびパーフルオルアルコキシ
樹脂上層被膜を有する調理器と前記(3)の調理実験
法に基づき実験し、(4)非粘着性試験法と(5)硬度試
験法により比較した結果を次表に示す。
【表】
上記表から明らかなように本実施例の上層被膜
は、調理実験による剥離強度の増加、すなわち非
粘着性の低下は、パーフルオルアルコキシ樹脂を
上層被膜としたものよりわずかながら劣るもの
の、ポリテトラフルオロエチレンを上層被膜とし
たものに比べて非常に小さい。一方、硬度はパー
フルオルアルコキシ樹脂に比べて高く、ポリテト
ラフルオロエチレンに近い値を示している。さら
に調理実験による傷のつき方も少ない。すなわ
ち、本実施例の上層被膜は、ポリテトラフルオロ
エチレンの長所である高い硬度と傷つきにくさ
と、パーフルオルアルコキシ樹脂の長所である非
粘着性の高い耐久性を兼ねそなえている。 さらに焼成後の急冷で得られた平滑な表面が、
その耐久性をさらに高いものとしている。なお、
本実施例ではポリテトラフルオロエチレンとパー
フルオルアルコキシ樹脂の混合比率は7対3であ
るが、この比率は、95対5から5対95の範囲が適
切である。これは、ポリテトラフルオロエチレン
の割合が95%以上では非粘着性の耐久性が低くな
り、5%以下では硬度が低くなり、傷つきやすく
なるためである。また本実施例では被膜は塗装に
より形成したが、フイルムを加熱圧着により貼付
けて形成しても同様の効果が得られるものであ
る。 発明の効果 以上のように本発明によれば、均質で表面凹凸
の少ない非粘着性被膜が得られ、長期間使用して
も、変色や調理物のこびり付きが少なく、かつ耐
食性が高く、剥離の少ない上層被膜が得られるも
のである。
は、調理実験による剥離強度の増加、すなわち非
粘着性の低下は、パーフルオルアルコキシ樹脂を
上層被膜としたものよりわずかながら劣るもの
の、ポリテトラフルオロエチレンを上層被膜とし
たものに比べて非常に小さい。一方、硬度はパー
フルオルアルコキシ樹脂に比べて高く、ポリテト
ラフルオロエチレンに近い値を示している。さら
に調理実験による傷のつき方も少ない。すなわ
ち、本実施例の上層被膜は、ポリテトラフルオロ
エチレンの長所である高い硬度と傷つきにくさ
と、パーフルオルアルコキシ樹脂の長所である非
粘着性の高い耐久性を兼ねそなえている。 さらに焼成後の急冷で得られた平滑な表面が、
その耐久性をさらに高いものとしている。なお、
本実施例ではポリテトラフルオロエチレンとパー
フルオルアルコキシ樹脂の混合比率は7対3であ
るが、この比率は、95対5から5対95の範囲が適
切である。これは、ポリテトラフルオロエチレン
の割合が95%以上では非粘着性の耐久性が低くな
り、5%以下では硬度が低くなり、傷つきやすく
なるためである。また本実施例では被膜は塗装に
より形成したが、フイルムを加熱圧着により貼付
けて形成しても同様の効果が得られるものであ
る。 発明の効果 以上のように本発明によれば、均質で表面凹凸
の少ない非粘着性被膜が得られ、長期間使用して
も、変色や調理物のこびり付きが少なく、かつ耐
食性が高く、剥離の少ない上層被膜が得られるも
のである。
第1図は本発明の一実施例における加熱調理器
の調理面の非粘着性を測定する方法を示す断面図
である。 3……上層被膜、4……円筒管、5……接着
剤。
の調理面の非粘着性を測定する方法を示す断面図
である。 3……上層被膜、4……円筒管、5……接着
剤。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 基材調理面にポリテトラフルオロエチレンと
パーフルオルアルコキシ樹脂またはその共重合体
を含む塗料を塗布し、焼成後直ちに急冷して上層
被膜を形成する加熱調理器の上層被膜のコーティ
ング法。 2 上層被膜は、ポリテトラフルオロエチレンお
よびパーフルオルアルコキシ樹脂の全重量に基づ
いて5〜95%のポリテトラフルオロエチレンと95
〜5%のパーフルオルアルコキシ樹脂とからなる
特許請求の範囲第1項記載の加熱調理器の上層被
膜コーテイング法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP60023802A JPS61181423A (ja) | 1985-02-08 | 1985-02-08 | 加熱調理器 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP60023802A JPS61181423A (ja) | 1985-02-08 | 1985-02-08 | 加熱調理器 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS61181423A JPS61181423A (ja) | 1986-08-14 |
| JPH0315441B2 true JPH0315441B2 (ja) | 1991-03-01 |
Family
ID=12120453
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP60023802A Granted JPS61181423A (ja) | 1985-02-08 | 1985-02-08 | 加熱調理器 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS61181423A (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS63111840U (ja) * | 1987-01-08 | 1988-07-18 | ||
| JPS644332U (ja) * | 1987-06-27 | 1989-01-11 | ||
| JPH01181819A (ja) * | 1988-01-12 | 1989-07-19 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 自動製パン機 |
-
1985
- 1985-02-08 JP JP60023802A patent/JPS61181423A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS61181423A (ja) | 1986-08-14 |
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