JPH0317249Y2 - - Google Patents

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JPH0317249Y2
JPH0317249Y2 JP9673083U JP9673083U JPH0317249Y2 JP H0317249 Y2 JPH0317249 Y2 JP H0317249Y2 JP 9673083 U JP9673083 U JP 9673083U JP 9673083 U JP9673083 U JP 9673083U JP H0317249 Y2 JPH0317249 Y2 JP H0317249Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 本考案は浸透探傷用洗浄・浸透槽に係るもので
ある。
本考案の主たる目的は、極めて効率よく浸透探
傷法が施行できる浸透探傷用洗浄・浸透槽を提供
するにある。
また、本考案は、浸透液並びに洗浄液のロスを
可及的に少なくすることができる浸透探傷用洗
浄・浸透槽の提供を目的とする。
更に、本考案は、廃液処理に伴なう所謂公害問
題を引き起す恐れのない浸透探傷用洗浄・浸透槽
の提供を目的とする。
浸透探傷法は、非破壊検査法の代表的なものと
して、一般によく知らている探傷法であり、鋳造
品、機械部品等の表面の微細な開口欠陥部の探傷
に汎用されている。そして、その代表的な施行態
様が次の通りのものであることも周知である。
先づ、被検査物表面の油汚れ等を有機溶剤等を
用いて洗浄して清浄にする前洗浄操作が行われ、
洗浄された該検査物表面に、染料(通常、赤色又
は蛍光染料)を溶剤(通常、石油系混合溶剤、芳
香族系溶剤等)に溶解し、可塑剤(通常、DOP、
TCP、TOP等)を加えた浸透性の強い液体−浸
透探傷用「浸透液」と呼ばれている。−を、塗布
(ハケ塗り、スプレー散布による。)、浸漬(浸透
液溶に漬けて引上げる。)等の手段によつて付着
させ、所定時間(通常、5〜10分)放置し、この
間に被検査物表面に存在する欠陥部中に、「浸透
液」を浸透させる浸透操作が行われる。次に、欠
陥部内に浸透せずに被検査別表面に残留している
余剰浸透液を、有機溶剤(通常、石油系又は塩素
系溶剤)−浸透探傷用「洗浄液」と呼ばれている。
−を用いて拭取り(洗浄液を付着させたウエスに
よる)、浸漬(洗浄液浴に漬けて引上げる)等の
手段によつて除去する洗浄操作が行われる。この
洗浄操作の終了した段階では「浸透液」は欠陥部
内のみに残留している状態にある。次に、この状
態で被検査物表面の欠陥部が肉眼で目視できる場
合には直ちに検査が行われ、肉眼で目視できない
場合には、被検査物表面に、白色微細無機粉末
(通常、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケ
イ酸等の粒径1〜10μの微細粉末)−浸透探傷用
「現像剤」と呼ばれている。−の均一な層(通常、
厚さ20〜50μ)を形成し、該層を形成している微
細粉末粒子間の毛細管現象によつて欠陥部内に浸
透している「浸透液」を吸出させて層表面に「浸
透液」のニジミ模様を現出させる現像操作を行な
い、このニジミ模様、換言すれば欠陥指示模様を
肉眼で目視して検査が行われる。尚、被検査物表
面が清浄なものであるときには、前洗浄操作は当
然省略される。
上述の浸透探傷法が施行されるに当つて、前洗
浄操作、浸透操作及び洗浄操作における有機溶
剤、浸透液及び洗浄液の適用手段としては、上記
の通り、「塗布」、「拭取り」による手段と「浸漬」
による手段が採られており、前者の手法は主とし
て被検査物が比較的大きな物品(例えば、タービ
ンブレード)の場合に採られ、後者の手法は主と
して被検査物が比較的小さい物品(例えば機械部
品の小物類)に採られている。尚、後者の手法を
採るときには、被検査物を有機溶剤浴、「浸透液」
浴、「洗浄液」浴の順序に浸漬して行く流れ作業
的な作業が行われている。そして、後者の手法に
よる場合には複数ケの被検査物を篭や笊に入れて
一括して行われることが多い。
ところが、後者の手法、即ち、浸漬による手法
を採るときには、次の通りの欠点がある。
即ち、各浴毎に被検査物を出し入れする動作
が必要であり非能率的であること。有機溶剤浴
から出して「浸透液」浴に移行する間並びに現像
操作を行なう場合には「洗浄液」浴から出して現
像剤を施用する間に、それぞれ乾燥時間が必要で
あり、非能率的であること。各浴から非検査物
に不必要に付着した有機溶剤、「浸透液」、「洗浄
液」が持出されて不経済であること。各浴の設
置並びに各浴間の移動設備にスペーサをとられ不
経済であること、使用後の「洗浄液」には「浸
透液」が多量含まれており、その廃水処理が極め
て厄介であること。等の欠点である。
もつとも、かゝる欠点を解決するものとして、
例えば、米国特許第3789221号公報に開示されて
いる浸透探傷用洗浄・浸透槽が提案されている。
このものは、第1図の縦断面説明図に示す通り、
上面が開放された槽1からなり、槽1の上周縁近
傍部には冷却管2が周設され、槽1の底部には加
熱用ヒーター3が付設されている構造の浸透探傷
用洗浄・浸透槽である。(以下、公知槽と呼ぶ。)。
尚、第1図中のAは被検査物であり、Bは被検査
物吊下げ具(一部省略されている。)である。
公知槽の使用態様が以下の通りであることも公
知である。
槽1の下部には、「浸透液」とこれに対して約
40〜90容量%のフロン溶剤又は塩素系炭化水素溶
剤との混合液Cが入れられる。
槽1の底部に付設されている加熱用ヒーター3
によつて混合液Cが沸騰するまで加熱するととも
に槽1の上周縁近傍部に周設されている冷却管2
に冷却水を通じると、混合液C中のフロン溶剤又
は塩素系炭化水素溶剤は蒸発を始めるが、その蒸
気C1は冷却管2の位置を若干超える位置まで上
昇するだけで、槽1外に出ることはなく、槽1の
中間部は蒸気C1が充満した状態となつている。
尚、槽1外に出ようとする蒸気C1は冷却管2の
存在によつて液滴となつて落下する。
上記の通りの状態において、吊下げ具Bによつ
て被検査物Aを、槽1の開放口から槽内に下降さ
せ、先づ槽1内の中間部で停止させる(図中、実
線で描いたAの位置。)。被検査物Aの表面は蒸気
C1と接触し、被検査物Aの表面に接触した蒸気
C1は被検査物表面で凝固して液滴C2となつて落
下する。この時、被検査物A表面の油汚れは洗浄
され、こゝに前洗浄操作が完了するのである。
次に、被検査物Aを更に下降させて混合液C中
に浸漬した位置で停止させる(図中、点線で描い
たAの位置。)。被検査物Aの表面は混合液Cと接
触し、混合液C中の「浸透液」が被検査物A表面
の開口欠陥部に浸透する。こゝに浸透操作が行わ
れるのである。
次に、被検査物Aを上昇させて再び槽1内の中
間部で停止させる。混合液C中から引出された被
検査物Aの表面には混合液Cが付着している。し
かし、槽1内の中間部で停止させられている被検
査物Aの表面は蒸気C1と接触し、当該蒸気C1
被検査物表面で凝固して液滴C2となつて落下す
るので、この時、被検査物A表面に付着している
混合液Cは洗浄され、こゝに洗浄操作が完了する
のである。
洗浄操作が完了した被検査物Aは、吊下げ具B
によつて槽1内から取り出され、所定の場所に移
される。この時、被検査物Aの表面は乾燥してお
り、所定の場所において、直ちに検査又は現像操
作を行なうことができる。
尚、上記使用態様において、被検査物Aの表面
が清浄であるときには、槽1の開放口から槽内に
下降させる被検査物Aを、中間部で停止させるこ
となく、直ちに混合液Cに浸漬できることは当然
である。
公知槽によれば、上述の使用態様から明らかな
如く、前記〜の欠点を解決することができ
る。また、使用後の混合液Cは「浸透液」とフロ
ン溶剤又は塩素系炭化水素溶剤との混合物である
ため、溶剤の回収は容易であり、残つた汚れた
「浸透液」は量が少ないので炉等で燃してしまう
ことによつて簡単に処理できるので、の欠点も
解決できる。
しかしながら、公知槽は、被検査物が比較的小
さな物品であるときには、その操作が煩雑とな
り、非能率的なものとなるという弱点が内在して
いるのである。詳言すると、被検査物が比較的小
さな物品であるとき、被検査物Aは混合液C中に
浸漬すると該被検査物自体の温度が沸騰している
混合液Cの温度と略同じ程度にまで上昇していま
い、混合液Cから引上げて槽1内の中間部で停止
させた時にも当該被検査物の温度はさほど低下し
ないのである。従つて、この混合液Cの温度と略
同じ温度となつている被検査物Aの表面に蒸気
C1が接触しても該蒸気C1は被検査物表面で凝固
せず、このため被検査物A表面に付着している混
合液Cを洗浄することができないのである。
また、混合液Cの温度と略同じ温度となつてい
る被検査物Aの表面に、フロン溶剤又は塩素系炭
化水素溶剤をスプレー散布しても、散布された溶
剤は被検査物表面に接すると凝固せずに瞬間的に
蒸発してしまうのでやはり洗浄することはできな
いのである。
混合液Cの温度と略同じ温度となつている被検
査物Aの洗浄可能な温度とするためには、混合液
Cから引上げられた被検査物を一度槽1内から外
部に取り出して、槽1外で停止させ(図中、一点
鎖線で描いたAの位置。)て冷却しなければなら
ないのである。そして冷却した後に、再び槽1内
に下降させ、中間部で停止させ(図中、実線で描
いたAの位置。)て、被検査物A表面で蒸気C1
凝固させ液滴C2として落下させることによつて
被検査物表面に付着している混合液Cを洗浄しな
ければならないのである。(因みに、前掲米国特
許公報にも、かゝる態様を採る場合があることが
記載されている。) 即ち、公知槽を用いる場合、被検査物が比較的
小さな物品であるときには、当該物品全体がすぐ
に加熱されてしまうことに起因して、冷却のため
の槽内外への出し入れ操作が必要となり、煩雑、
非能率的とならざるを得ないのである。
本考案者は、上述した通りの公知槽の弱点を解
決すべく研究を進め、公知槽の構造を改良するこ
とによつて、被検査物が比較的小さな物品である
ときにも、前記した如き、冷却のための槽内外へ
の出し入れ操作を必要としない浸透探傷用洗浄・
浸透槽を完成したものである。
即ち、本考案は、第2図に示す如く、上面が開
放された槽10からなり、槽10の上周縁近傍部
には冷却管20が周設され、槽10内の下部は仕
切壁11によつて縦割に二分割され、分割されて
いる一方は、その底部に加熱用ヒーター30が付
設されて加熱域300を形成しており、分割され
ている他方は、その底部及び壁部に冷却管40が
周設されて冷却域400を形成しており、更に、
仕切壁11には加熱域300と冷却域400とに
連続する導管50が設けられていることを特徴と
する浸透探傷用洗浄・浸透槽(以下、本考案槽と
呼ぶ。)である。
次に、本考案の構成、効果を説明する。
第2図は、本考案の具体的一態様を示した縦断
面説明図である。同図によつて本考案槽の具体的
構成並びに使用態様を詳述する。
第2図において、10は上面が開放された円筒
状槽であり、槽10の上周縁近傍部内側には冷却
管20が周設され、その内部には冷却水が通され
る。槽10内の下部は槽10の全高の約1/3程度
の高さの円筒状仕切壁11が同心円状に設けられ
て縦割に二分割され、分割されている一方は、そ
の底部に加熱用ヒーター30が付設されて加熱域
300を形成しており、分割された他方は、その
底部及び壁部に冷却管40が周設されて冷却域4
00を形成している。仕切壁11には導管50が
設けられこれによつて加熱域300と冷却域40
0とは連通している。尚、仕切壁11内部には断
熱材111が充填されている。
上記の通りの構造の本考案槽の使用態様は、基
本的には、前述した公知槽の場合と同様である。
即ち、槽10の下部の加熱域300と冷却域4
00とには、「浸透液」とこれに対して約40〜90
要量%、好ましくは60〜80容量%のフロン溶剤又
は塩素系炭化水素溶剤との混合液Cをそれぞれ入
れる。混合液Cは仕切壁11の上縁に達するまで
入れることが望ましい。
加熱用ヒーター30によつて加熱域300内の
混合液Cが沸騰するまで加熱するとともに冷却管
20と冷却管40とに冷却水を通じると、加熱域
300内の混合液中のフロン溶剤又は塩素系炭化
水素溶剤は蒸発を始めるが、その蒸気C1は冷却
管20の位置を若干超える位置まで上昇するだけ
で槽10の外に出ることはなく、槽10の中間
部、詳言すれば、冷却管20の近傍から仕切壁1
1の上縁の混合液Cの液面までの空間部は蒸気
C1が充満した状態となる。しかし、冷却域40
0内の混合液Cは、冷却管40によつて底部及び
壁部から冷却され、混合液中のフロン溶剤又は塩
素系炭化水素溶剤の沸点以下に保たれているので
沸騰することはない。
上記の通りの状態において、第2図に示す通
り、吊下げ具B(一部省略して描かれている。)に
よつて、被検査物A(例えば機械部品の小物類を
数ケ入れた篭)を、槽10の開放口から槽内に下
降させ、先づ槽10内の中間部(図中、実線で描
いたAの位置。)で停止させる。被検査物Aの表
面は蒸気C1と接触し、接触した蒸気C1は被検査
物表面で凝固して液滴C2となつて落下する。こ
の時、被検査物A表面の油汚れは洗浄され、こゝ
に前洗浄操作が完了する。
次に、被検査物Aを更に下降させて冷却域40
0内の混合液C中に浸漬した位置で停止させる
(図中、点線で描いたAの位置。)。被検査物Aの
表面は混合液Cと接触し、混合液C中の「浸透
液」が被検査物Aの表面の開口欠陥部に浸透す
る。こゝに浸透操作が行われるのである。
この場合、冷却域400内の混合液Cは加熱域
300内の混合液Cよりも低い温度(混合液中の
フロン溶剤又は塩素系炭化水素溶剤の沸点以下の
温度)に保たれているので、被検査物Aは加熱域
300内の混合液Cの温度にまで加熱されること
はない。
尚、冷却域400内の混合液Cの温度が加熱域
300内の沸騰している混合液Cの温度よりも約
15℃以上低い温度に保たれるように冷却管40を
働かせることが望ましい。
次に、被検査物Aを上昇させて再び槽1内の中
間部で停止させれば、被検査物Aの表面は蒸気
C1と接触し、当該蒸気C1は被検査物表面で凝固
して液滴C2となつて落下し、被検査物A表面に
付着している混合液Cは洗浄され、こゝに洗浄操
作が完了する。
洗浄操作が完了した被検査物Aは、公知槽の場
合と同様に、吊下げ具Bによつて槽1内から取り
出され、所定の場所に移される。この時、被検査
物Aの表面は乾燥しており、所定の場所で直ちに
検査又は現像操作が行われることも公知槽の場合
と同様である。
上述の通り、本考案槽の場合には、被検査物が
比較的小さな物品であつても、該物品は加熱域3
00内の沸騰している混合液C中に浸漬されるこ
となく、加熱域300内の混合液Cよりも低い温
度に保たれている冷却域400内の混合液C中に
浸漬されるので、公知槽の場合のように、混合液
Cから引き上げられた被検査物を一度槽内から外
部に取り出し、槽外で停止させ、被検査物表面が
洗浄可能な温度(表面で蒸気C1が凝固して液滴
C2となつて落下する温度)となるまで冷却する
必要はないのである。
即ち、本考案槽は、槽10の下部に加熱域30
0と冷却域400とを設け洗浄には加熱域300
から蒸発する蒸気C1を利用し、冷却域400内
の混合液Cを利用することによつて、公知槽にお
ける冷却のための槽内外への出し入れ操作を不用
としたものである。
次に、本考案槽における仕切壁11に設けられ
た導管50について説明する。導管50の存在は
重要である。
即ち、導管50を設けない場合には、仕切壁1
1の両側に入れられている各混合液C中の「浸透
液」とフロン溶剤又は塩素系炭化水素溶剤との混
合割合が変化してしまうのである。詳言すれば、
加熱域300から蒸発する蒸気C1は混合液C中
のフロン溶剤又は塩素系炭化水素溶剤であるが、
この蒸気C1が凝固して液滴C2となつて落下する
場所は、仕切壁11の両側の加熱域300及び冷
却域400の両域であり、冷却域400に落下し
た液滴C2は該域内の混合液Cを希釈するのであ
る。冷却域400内の混合液Cが希釈され該液中
の「浸透液」の混合割合が少なくなると、被検査
物表面の開口欠陥部に浸透する「浸透液」量も少
なくなり、欠陥指示が不明瞭となつてしまうので
ある(冷却域内の混合液C中に浸漬され、引上げ
られる被検査物表面の開口欠陥部に一定量の混合
液Cが付着、浸透するとき、付着、浸透している
混合液C中のフロン溶剤又は塩素系炭化水素溶剤
は蒸発し、「浸透剤」のみが残るので、混合液C
中の「浸透剤」の割合が少なくなれば、開口欠陥
部に付着、浸透する「浸透剤」の量も少なくなつ
てしまう。)。また、冷却域400に落下した液滴
C2分だけ、加熱域300内の混合液C中のフロ
ン溶剤又は塩素系炭化水素溶剤が減少するのであ
る。加熱域300内の混合液C中のフロン溶剤又
は塩素系炭化水素溶剤の混合割合が少なくなると
蒸発する上記C1の量も少なくなり、被検査物の
洗浄が充分行えなくなつてしまうのである(蒸気
C1の量が少なくなれば、被検査物表面で凝固し
て液滴C2となつて落下する量も少なくなり充分
な洗浄が行えなくなつてしまう。)。
ところが、仕切壁11に導管50を設けて加熱
域300と冷却域400とを連結した場合には、
両域に入れられている混合液Cは互いに交流し、
その混合割合は常に一定に保たれることになり、
上記の如き支障は起らないのである。
詳言すれば、冷却域400内の混合液C中に被
検査物Aを浸漬すると、冷却域400内の混合液
Cの一部は、導管50を通じて加熱域300内に
移行し、また、仕切壁11の上縁を越えて加熱域
300内に移る。そして、冷却域400内の混合
液C中に浸漬されている被検査物Aを引き上げる
と冷却域400の液面が下るので、加熱域300
内の混合液Cの一部が導管50を通じて冷却域4
00内に移行する。このように被検査物Aの浸
漬・引き上げ毎に両域に入れられている混合液C
は互いに交流し、その結果、加熱域300内の混
合液C組成(混合割合)と冷却域400内の混合
液C組成とは常に同じものに保たれるのである。
尚、加熱域300内の混合液Cの一部が冷却域4
00内に導入されるとき、冷却域400内の混合
液Cの液温は一時的に上昇するが、冷却域400
内は冷却管40によつて底部及び壁部から冷却さ
れているので、すぐに元の液温に下がるから支障
はない。
次に、本考案槽に用いられる「浸透液」及びフ
ロン溶剤又は塩素系炭化水素溶剤について説明す
る。
「浸透液」としては、市販の浸透探傷用「浸透
液」が適用できる。即ち、浸透探傷用として販売
されている蛍光「浸透液」(蛍光染料を石油系混
合溶剤、芳香族カルボン酸エステル、アルキルベ
ンゼン等に溶解したもの)、具体的には「OD−
6000」、「OD−1700A」(いづれも商品名、特殊塗
料(株)製)等及び浸透探傷用として販売されて
いる染色「浸透液」(赤色油溶性染料を石油系混
合溶剤、芳香族カルボン酸エステル、アルキルベ
ンゼン等に溶解したもの)、具体的には「UP−
St」、「UP−」(いづれも商品名、特殊塗料
(株)製)等が用いられる。
フロン溶剤としては、1.1.2−トリクロル−
1.2.2−トリフルオロエタン(沸点47.6℃)、
1.1.2.2−テトラクロル−1.2−ジフルオロエタン
(沸点92.8℃)等が、塩素系炭化水素溶剤として
は1.1.1−トリクロルエタン(沸点74.0℃)、トリ
クロルエチレン(沸点87.19℃)等が適している。
「浸透液」とフロン溶剤又は塩素系炭化水素溶
剤との混合割合は、前述の通り、前者に対し後者
を40〜90容量%の割合で用いる。実用上は60〜80
容量%が好ましい。後者の割合が40容量%以下の
場合には、洗浄に必要な蒸気の蒸発が充分得られ
難く、後者の割合が90容量%以上の場合には欠陥
指示が不明瞭となる。
本考案槽を使用するに当つての好ましい諸条件
の具体例を挙げれば次の通りである。
(1) 混合液Cの組成 「OD−6000」:25容量% 1.1.1−トリクロルエタン:75容量% 液温 加熱域300内:76℃(沸騰状態) 冷却域400内:50℃ 尚、上記条件による場合、非検査物を冷却域に
浸漬・引き上げすると冷却域の液温は一時的に約
56℃付近まで上昇するが約2分後には50℃に戻
る。
(2) 混合液Cの組成 「OD−6000」:25容量% トリクロルエチレン:75容量% 液温 加熱域300内:88℃(沸騰状態) 冷却域400内:52℃ 尚、上記条件による場合、非検査物を冷却域に
浸漬・引き上げすると冷却域の液温は一時的に約
66℃付近まで上昇するが、約2分後には52℃に戻
る。
(1)、(2)の諸条件において非検査物としてNDIS
規格の「24Sアルミニウム焼き割れ試験片」を使
用し、冷却域への浸漬を1分間として、前述の使
用態様によつて浸透探傷法を施行すれば、「現像
剤」を用いることなく、紫外線灯(ブラツクライ
ト)の照射下で鮮明な黄色蛍光の微細な欠陥指示
模様を肉眼によつて明瞭に確認できる。
(3) 混合液Cの組成 「UP−St」:30容量% 1.1.1−トリクロルエタン:70容量% 液温 加熱域300内:76.5℃(沸騰状態) 冷却域400内:51℃ 尚、上記条件による場合、非検査物を冷却域に
浸漬・引き上げすると冷却域の液温は一時的に約
57℃付近まで上昇するが約2分後には51℃に戻
る。
(3)の諸条件において非検査物として前記と同じ
「試験片」を使用し、冷却域への浸漬を1分間と
して、前述の使用態様によつて浸透探傷法を施行
すると、「現像剤」(速乾性現像剤UP−St、商品
名、特殊塗料(株)製)を用い形成した白色微細
無機粉末層の表面に可視光下で鮮やかな赤色の微
細な欠陥指示模様を肉眼によつて明瞭に確認でき
る。
以上説明した通りの本考案槽によれば、公知槽
の利点(前記〜の欠点が解決できる点)はそ
のままに、その弱点を完全に解決することができ
るのである。そして、本考案槽は非検査物が比較
的小さな物品であるときには、特に効果的に浸透
探傷作業効率の向上がはかれるものであり、その
実用性は極めて優れたものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、従来の浸透探傷用洗浄・浸透槽の構
造を示す縦断面説明図である。第1図において、
1……槽、2……冷却管、3……加熱用ヒータ
ー。第2図は、本考案に係る浸透探傷用洗浄・浸
透槽の構造を示す縦断面説明図である。第2図に
おいて、10……槽、20……冷却管、30……
加熱用ヒーター、11……仕切壁、111……断
熱材、40……冷却管、50……導管、300…
…加熱域、400……冷却域。第1図及び第2図
において、A……非検査物、B……吊下げ具、C
……混合液、C1……蒸気、C2……液滴。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 上面が開放された槽10からなり、槽10の上
    周縁近傍部には冷却管20が周設され、槽10内
    の下部は仕切壁11によつて縦割に二分割され、
    分割されている一方はその底部に加熱用ヒーター
    30が付設されて加熱域300を形成しており、
    分割されている他方はその底部及び壁部に冷却管
    40が周設されて冷却域400を形成しており、
    更に仕切壁11には前記加熱域と冷却域とに連続
    する導管50が設けられていることを特徴とする
    浸透探傷用洗浄・浸透槽。
JP9673083U 1983-06-24 1983-06-24 浸透探傷用洗浄・浸透槽 Granted JPS604944U (ja)

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