JPH0328385B2 - - Google Patents
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- JPH0328385B2 JPH0328385B2 JP19604084A JP19604084A JPH0328385B2 JP H0328385 B2 JPH0328385 B2 JP H0328385B2 JP 19604084 A JP19604084 A JP 19604084A JP 19604084 A JP19604084 A JP 19604084A JP H0328385 B2 JPH0328385 B2 JP H0328385B2
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産業上の利用分野
本発明は、低温焼成可能なホーローフリツトに
関するものであり、ホーロー加工の省資源、省エ
ネルギーをもたらすと共に、ホーロー加工部品の
設計の自由度を広げるものである。 従来の技術 ホーロー器物の欠点の一つに、焼成による素地
鋼板の歪みによる変形がある。この歪は、鋼板の
板厚が厚い程、焼成温度が低い程小さい。そし
て、鋼板のA1変態点である723℃以下では、この
歪がほとんど生じないことが知られている。した
がつてA1変態点以下で焼成可能なホーローフリ
ツトを使えば、薄い板厚の鋼板で設計できる。 また、低温で焼成することは、泡、ピンホー
ル、爪飛び等のガスによるホーロー器物の欠点も
減少することが知られている。さらに、近年、石
油価格高騰の中で、ホーロー器物の燃料費の占め
る割合は大きく、省資源、省エネルギーの観点か
らも低温で焼成するホーローが望まれている。こ
うした状況の中で、低融ホーローの試みは、国内
外でなされてきたが、現状の高温ホーローに取つ
て代る程の特性を有していず、未だ不充分なもの
である。 本発明者らはこれまでに透明フリツト、密着性
に優れた暗色系のフリツトおよび乳白フリツトを
開発した。これらのホーローフリツトにより広範
囲の色調が発色可能となつた。 発明が解決しようとする問題点 ところが近年白を基調とした明るいパステル調
が特に好まれている。比較的乳白の強いパステル
色は先に開発した乳白フリツト(特開昭58−
64242号公報)で可能であるが、乳白度の弱いパ
ステル色は不可能であつた。 本発明は、乳白度の弱いパステル色を可能と
し、鉄鋼のA1変態点以下の温度で焼成可能で、
光沢、隠蔽力、耐酸性、耐水性においても高温ホ
ーローに比べ遜色のない半乳白ホーローフリツト
を提供することを目的とする。 問題点を解決するための手段 本発明の低軟化点半乳白ホーローフリツトは、
少なくとも必須成分として、SiO2、B2O3、
Na2O、K2O、TiO2、ZrO2、F2を含有するもの
である。これらの成分の含有量は重量比で
SiO233〜41%、B2O316〜22%、Na2O4〜10%、
K2O9〜15%、TiO25.5〜10%、ZrO25〜13.5%、
F22〜10%である(以下含有量は全て重量比のも
のであり、単に%で示す)。 作 用 乳白系ホーローには、後入れ型と先入れ型があ
る。後入れ型はミル添加時に顔料としてTiO2を
添加するもので、先入れ型はガラス成分として
TiO2、ZrO2、Sb2O3を用い、焼成時に乳白の結
晶を析出させるもので、再結晶析出型とも呼ば
れ、各々一長一短があるが、光沢、隠蔽力、白さ
では先入れ型が優つている。中でもTiO2の先入
れ型が最も優れている。 チタン釉の色調や乳濁は、基礎組成の変化で大
きく影響され、同様の成分であつても、組成比が
変化することにより、大きく変わる。一般的にい
われていることは、(1) B2O3/Na2Oの比を大き
くしなければ、充分な乳濁が得られない。(2)
SiO2を減じたり、Na2Oを増したりすると色が褐
色をおびる。(3) 少量のAl2O3の添加はフリツト
の乳濁を増す。(4) CaO、ZnO、SrO、MgOな
どを5%添加する場合、MgOは乳濁を高めるの
に多少効果はあるが、他は何ら影響を与えない、
などである。 上述した従来の乳白系ホーローの経験則からも
明らかなように、用いる原材料に特別なものはな
いにしても、その組み合わせの方法により、生成
するフリツトは違つたものとなり、多少異なると
本来の美しい白さは得られない。したがつて、フ
リツトの特性を論じる場合、単に組成が類似して
いるだけで、同一の特性を有したフリツトである
ということはできない。 ここでいう半乳白ホーローフリツトとは、C.I.
E表示による色刺激値X,Y,Zより求めた乳白
度が70〜80付近であり、乳白フリツトの乳白度85
以上に比べて小さい。したがつて、顔料無添加で
のホーロー膜は乳白ホーローに比べ隠蔽力に劣る
ものとなる。しかし、パステル色が濁らせてはな
らないので、半乳白フリツトは黄色味、灰色味あ
るいは青味を帯びないように注意しなければなら
ない。 また、本乳白ホーローフリツトは完全な乳白で
はないが、酸化チタンは高価な原料であり、酸化
チタンの含量がフリツトの価格を左右するので、
乳白フリツトと同様、なるべく少量の酸化チタン
で効果的に乳白および隠蔽力を促進させるように
フリツト組成を決定した。 次に、濃いパステル調の可能な本発明の半乳白
ホーローフリツトの各成分の組成限定理由につい
て述べる。 SiO2とB2O3はガラス形成酸化物として重要な
酸化物で、SiO2およびB2O3の占める割合はガラ
スの熱膨張係数、軟化点、耐水性に大きく影響を
与える。高温ホーローは、このSiO2が45%以上
でB2O3が15%前後である。 ガラスの低融化を図る場合、SiO2を減少させ
ることが必要であるが、単にSiO2のみを減少さ
せると、上述したような問題点が生じてくる。従
来の低融ホーローは、SiO2を減少させる代りに、
P2O5、PbO、Sb2O3で低融化を図つたものが多
く、特開昭53−82826号応報によればP2O5の含有
量を20〜60%にしている。 本発明のフリツトでは、SiO233〜41%、
B2O316〜22%である。高温ホーローの概念から
すれば、SiO2が45%以下であれば、失沢や失透
を生じ、美しいホーロー面が得られないが、本発
明では、低融化の成分として、ZrO2を含有して
いるので、33〜41%でよい。またB2O3はSiO2と
同様に、フリツトの表面光沢や耐食性に大きく影
響を及ぼす因子で、高温ホーローでは、15%前後
であるが、本発明では16〜22%である。ここで
SiO2とB2O3の比〔SiO2/B2O3〕は1.6〜2.5の範
囲が適切である。この範囲を外れてSiO2が少な
く、B2O3が多くなると、ホーロー表面は発泡し、
黒ずんだ乳白色になり、また耐水性が悪くなる。
逆にSiO2が多くB2O3が少ない場合ぱ、723℃以下
ではホーロー焼成ができなく、光沢が失われる。 次にアルカリ成分について述べる。 本発明のフリツトにおけるアルカリの必須成分
は、Na2OとK2Oである。Na2OもK2Oも低融化
する上では重要なアルカリ成分ではあるが、この
いずれの成分にも適切な組成範囲がある。再結晶
析出型チタン釉薬の乳濁化の過程は、フリツト時
にはイオンの形でガラス成分として取り込まれて
いるTi4+が焼成により、アナターゼ型の酸化チ
タンの粒子に結晶成長することにより隠蔽力を有
する。この酸化チタンの結晶粒子の大きさが0.2μ
m程度の時最も優れた乳濁度を示す。この酸化チ
タンの結晶形態はアナターゼ型が主で、一部ルチ
ン型である。酸化チタン粒子は、種々の物質の中
では屈折率が大きく(アナターゼが2.52、ルチン
が2.76)、このためジルコン釉や、アンチモン釉
よりも優れた隠蔽力を呈する。 したがつて、なるべく少量の酸化チタンで、効
率的に乳濁化を促進するためには、まず第一に、
フリツトが溶融して酸化チタン本来の屈折率が発
揮されるように平滑であること、第二に結晶析出
した酸化チタンがフリツト中で安定に存在してい
ることが必要である。 再結晶析出型チタン釉は、以上の必要条件を満
足することが重要で、アルカリ成分の適正な組成
範囲はこの条件を満たす上で限定される。つまり
アルカリ分が少ないと、フリツトが溶融せず、酸
化チタンで屈折されず、フリツトで乱反射される
ので、美しい白色が得られない。また、アルカリ
分が多すぎると、析出した酸化チタン粒子と過剰
のアルカリ分とが反応し、チタン化合物を形成
し、酸化チタン本来の屈折率の大きな隠蔽力が発
揮されない。以上のような理由から、本発明の低
軟化点半乳白ホーローフリツトにおけるNa2O量
は4〜10%で、K2Oは9〜15%である。この
Na2O量は、高温ホーローフリツトに比較して、
多いものではない。低融ホーローの一般的概念か
らすれば少ないが、Na2O量が多くなると、黄色
味を帯びること、光沢が低下すること、耐酸性が
劣ることなどより、適正な範囲は4〜10%であ
る。 K2O量の適正な範囲は9〜15%である。K2Oは
Na2Oよりも易溶性に対する寄与は少ないが、白
の発色に対して必須成分である。しかしK2Oも前
記の範囲以上入れすぎると、白の発色がでなくな
る。Na2OもK2Oもある程度まで各々に置換が可
能であるが、Na2Oが4〜10%、K2Oが9〜15%
の範囲内で行うことが必要で、両者の和〔Na2O
+K2O〕が15〜20%で、かつ両者の比〔Na2O/
K2O〕が0.4〜0.9であることが好ましい。 さらに、本発明においては、外配成分のアルカ
リ酸化物として、Li2Oを含有させることも可能
である。Li2Oは、フリツトの易溶性に対して
Na2O、K2Oよりも効果が大きいが、3%を超え
て添加すると急激に光沢が低下する。またLi2O
の3%を超えての添加は、白の発色にも悪影響を
与える。 次にTiO2について述べる。 TiO2は、フリツト中において乳白を与える化
合物で、この量は生成するホーローの乳白度と密
接な関係がある。TiO2の含量は、後で述べる
ZrO2の作用とあいまつて5.5〜10%でよい。5.5%
未満の場合は、結晶の析出が不充分で乳白度が70
未満となり、白味が不充分であつたりすけたりす
る。10%を超えると、乳白度が80を超え、白の強
いパステル色となる。 次にZrO2について述べる。 ZrO2は通常、熱的に安定な化合物であるが、
ガラスフリツト成分中においては、フリツトの溶
融温度(1100〜1300℃)で溶融する。また、フリ
ツト中にある適量のZrO2は、フリツトの軟化温
度を上昇させず、アルカリ成分を固定する。この
ため、ZrO2の添加効果は、過剰のアルカリと析
出したTiO2との反応を抑制させることにある。
本発明において、TiO2の含量が高温ホーローに
比較して少量であつても満足する乳白度が得られ
るのは、このZrO2によるところが大きい。しか
も、適量のZrO2は、軟化温度を上昇させずに、
光沢、耐水性を向上させる。 本発明におけるZrO2の含量は5〜13.5%であ
る。5%未満では、フリツト中のアルカリ成分が
固定化されずに遊離するため、耐水性が悪く、ま
たTiO2との反応を抑制できないので満足する乳
白が得られない。逆に13.5%を超えると、ZrO2の
結晶析出が生じ光沢、乳白度の優れたものが得ら
れなくなる。またTiO2とZrO2との和と、比が重
要で〔TiO2+ZrO2〕は12〜18%、〔TiO2/ZrO2〕
は0.6〜1.3が望ましい。 次に代表的な酸性成分であるF2について述べ
る。 F2はフリツト中の酸性成分として重要な成分
で、特にチタン釉においては欠くことのできない
ものである。先にものべた様に、TiO2は酸性成
分よりもアルカル成分と反応しやすいので、他の
高温ホーローよりも余分に酸性成分を必要とす
る。F2は強力な酸性成分であり、本発明におい
ては必須成分で、最適範囲は2〜10%である。 F2は最終的なフリツト成分として残存する割
合が50〜70%で、後はフリツト製造時に飛散して
しまう。この飛散するF2は、フリツトの撹拌効
果と、製造時にフリツト内を酸性雰囲気に維持す
る効果とを有していて、重要ではあるが、本発明
におけるF2の範囲は、生成したフリツト内に含
まれているF2の量である。なお、フリツト内で
F2の状態で含有されているかどうかは明らかで
はないが、慣例に従いF2で表わすものとする。
F2量が2%未満では、アルカリ成分と中和する
ことができないので、満足する乳白が得られな
い。逆に10%を超えるとフリツト内が酸性側に寄
り過ぎ、焼き付けたホーロー面に発泡・亀裂が生
じ、良好な表面状態が得られなくなる。したがつ
て、F2の量の適切な範囲は2〜10%である。 さらに、本発明においては、外配成分の酸性酸
化物として、P2O5を含有させることも可能であ
る。TiO2を多く含有する完全な乳白フリツトに
おいては、P2O5は酸化チタンの安定剤としての
効果が大きい。しかし、本発明のTiO2の含有量
の範囲においては、大きな効果はないが、他の成
分の含量と微妙に関連して、乳白の色味や隠蔽力
の微調整に用うることができる。P2O5は1.5%を
超えると、黄味が強くなるとともに光沢の優れた
ものが得られなくなる。 本発明の他の外配成分として、CaO、ZnO、
MgO、BaO、SrO及びAl2O3を含むこともでき
る。これらの酸化物は添加量が少量であれば、上
記成分の組成比で構成されたフリツトを本質的に
変化させないが、多量に用いた場合は色調、表面
状態、光沢とも低下させる。しかし、これらの成
分は使用方法によつてフリツトの粘度、熱膨張の
調整、耐水性の向上、表面状態の改良にも寄与す
る。したがつて添加する場合は5%を超えない範
囲で使用することが必要である。 次に、本発明のフリツトを構成する原材料につ
いて述べる。 SiO2の原料は硅石粉、長石などの使用が可能
であるが、不純物としてのFe2O3はフリツトを赤
茶系に着色させるので注意する必要がある。 B2O3としてはH3BO4、Na2B4O7、Na2B4O7・
10H2Oで示される硼酸、硼砂があるが、フリツ
と溶融時の雰囲気を酸性に維持する上では硼酸の
方が望ましい。 Na2Oは、Na2CO3やNaNO3のように単独の成
分から持つてくることもできるが、硼砂、珪弗化
ソーダ、水晶石からとることもできる。 同様にK2OはKNO3、K2CO3の他、珪弗化カリ
ウムがある。 Li2OはLi2CO3の他天然鉱石のスポジユウメン
を使用する。 ZrO2は天然産のものはFe2O3の不純物を含み、
また精製しものは高価であるため、ZrO2とSiO2
との化合物であるジルコン(ZrO2・nSiO2)を用
いるのがよい。このジルコンは単に価格が安いば
かりでなく、フリツト溶解時にZrO2単独よりも
溶融しやすい。 TiO2は、アナターゼ型とルチル型があるが、
原材料として用いる場合はどちらでも良い。 F2は化合物の形態としてLiF、NaF、KF、
CaF2、Na2SiF6、Na3AlF6、K2SiF6などがあり、
どれを用いても良いが、陽イオンの量を考慮した
上で原材料を決定する。 P2O5はCa3(PO4)2、Na2HPO4、NaH2PO4よ
り組成比に応じて適宜選択する。 その他、CaOはCaCO3、Ca(OH)2、CaF2、
Ca3(PO4)2やドロマイト、ZnOは亜鉛華、
ZnCO3、MgOはMgCO3、MgOやドロマイト、
BaOはBaCO3、Ba(NO3)2、BaF2、SrOは
SrCO3、Al2O3はアルミナ、Al(OH)3や氷晶石、
長石などを原料として使う。 上述した原材料は、それぞれの組成比に応じて
調合する。充分乾式混合された原材料は、1100〜
1300℃で加熱溶融する。加熱温度、時間は最終的
なフリツト成分の組成比を変化させるので、良く
管理することが必要である。原料の溶解後、20〜
40分間ガラス化を進行させ、必要に応じて撹拌す
ることが重要である。長い間保持した場合は、ア
ルカリ成分が昇華してしまうので、余り長くしな
いようにする。溶融後、ガラスは水中に投入し急
冷する。これを乾燥し目的とする低軟化点半乳白
ホーローフリツトが得られる。 実施例 実施例 1 F28%、Na2O7%、K2O12%、CaO1%、TiO27
%、ZrO28%で残部57%がSiO2とB2O3になるよ
うに原料を調合し、溶融した。溶融温度は1200℃
で、原料溶融後、同温度に30分間保持した。な
お、SiO2とB2O3は第2表に示した組成となるよ
うに調合した。 第2表No.4の調合例は、珪石粉137g、硼砂
(Na2B4O7)108g、硼酸27g、ジルコン
(ZrO2・SiO2)56g、アナターゼ型TiO232g、
KNO342g、螢石7g、K2SiF670gである。 生成したフリツトにミル添加物を加え、ボール
ミルで粉砕混合してスリツプを作成した。 スリツプは第1表の配合により、顔料を添加し
ないものと、黄色および緑色の顔料を添加したも
のの2種類を作成した。
関するものであり、ホーロー加工の省資源、省エ
ネルギーをもたらすと共に、ホーロー加工部品の
設計の自由度を広げるものである。 従来の技術 ホーロー器物の欠点の一つに、焼成による素地
鋼板の歪みによる変形がある。この歪は、鋼板の
板厚が厚い程、焼成温度が低い程小さい。そし
て、鋼板のA1変態点である723℃以下では、この
歪がほとんど生じないことが知られている。した
がつてA1変態点以下で焼成可能なホーローフリ
ツトを使えば、薄い板厚の鋼板で設計できる。 また、低温で焼成することは、泡、ピンホー
ル、爪飛び等のガスによるホーロー器物の欠点も
減少することが知られている。さらに、近年、石
油価格高騰の中で、ホーロー器物の燃料費の占め
る割合は大きく、省資源、省エネルギーの観点か
らも低温で焼成するホーローが望まれている。こ
うした状況の中で、低融ホーローの試みは、国内
外でなされてきたが、現状の高温ホーローに取つ
て代る程の特性を有していず、未だ不充分なもの
である。 本発明者らはこれまでに透明フリツト、密着性
に優れた暗色系のフリツトおよび乳白フリツトを
開発した。これらのホーローフリツトにより広範
囲の色調が発色可能となつた。 発明が解決しようとする問題点 ところが近年白を基調とした明るいパステル調
が特に好まれている。比較的乳白の強いパステル
色は先に開発した乳白フリツト(特開昭58−
64242号公報)で可能であるが、乳白度の弱いパ
ステル色は不可能であつた。 本発明は、乳白度の弱いパステル色を可能と
し、鉄鋼のA1変態点以下の温度で焼成可能で、
光沢、隠蔽力、耐酸性、耐水性においても高温ホ
ーローに比べ遜色のない半乳白ホーローフリツト
を提供することを目的とする。 問題点を解決するための手段 本発明の低軟化点半乳白ホーローフリツトは、
少なくとも必須成分として、SiO2、B2O3、
Na2O、K2O、TiO2、ZrO2、F2を含有するもの
である。これらの成分の含有量は重量比で
SiO233〜41%、B2O316〜22%、Na2O4〜10%、
K2O9〜15%、TiO25.5〜10%、ZrO25〜13.5%、
F22〜10%である(以下含有量は全て重量比のも
のであり、単に%で示す)。 作 用 乳白系ホーローには、後入れ型と先入れ型があ
る。後入れ型はミル添加時に顔料としてTiO2を
添加するもので、先入れ型はガラス成分として
TiO2、ZrO2、Sb2O3を用い、焼成時に乳白の結
晶を析出させるもので、再結晶析出型とも呼ば
れ、各々一長一短があるが、光沢、隠蔽力、白さ
では先入れ型が優つている。中でもTiO2の先入
れ型が最も優れている。 チタン釉の色調や乳濁は、基礎組成の変化で大
きく影響され、同様の成分であつても、組成比が
変化することにより、大きく変わる。一般的にい
われていることは、(1) B2O3/Na2Oの比を大き
くしなければ、充分な乳濁が得られない。(2)
SiO2を減じたり、Na2Oを増したりすると色が褐
色をおびる。(3) 少量のAl2O3の添加はフリツト
の乳濁を増す。(4) CaO、ZnO、SrO、MgOな
どを5%添加する場合、MgOは乳濁を高めるの
に多少効果はあるが、他は何ら影響を与えない、
などである。 上述した従来の乳白系ホーローの経験則からも
明らかなように、用いる原材料に特別なものはな
いにしても、その組み合わせの方法により、生成
するフリツトは違つたものとなり、多少異なると
本来の美しい白さは得られない。したがつて、フ
リツトの特性を論じる場合、単に組成が類似して
いるだけで、同一の特性を有したフリツトである
ということはできない。 ここでいう半乳白ホーローフリツトとは、C.I.
E表示による色刺激値X,Y,Zより求めた乳白
度が70〜80付近であり、乳白フリツトの乳白度85
以上に比べて小さい。したがつて、顔料無添加で
のホーロー膜は乳白ホーローに比べ隠蔽力に劣る
ものとなる。しかし、パステル色が濁らせてはな
らないので、半乳白フリツトは黄色味、灰色味あ
るいは青味を帯びないように注意しなければなら
ない。 また、本乳白ホーローフリツトは完全な乳白で
はないが、酸化チタンは高価な原料であり、酸化
チタンの含量がフリツトの価格を左右するので、
乳白フリツトと同様、なるべく少量の酸化チタン
で効果的に乳白および隠蔽力を促進させるように
フリツト組成を決定した。 次に、濃いパステル調の可能な本発明の半乳白
ホーローフリツトの各成分の組成限定理由につい
て述べる。 SiO2とB2O3はガラス形成酸化物として重要な
酸化物で、SiO2およびB2O3の占める割合はガラ
スの熱膨張係数、軟化点、耐水性に大きく影響を
与える。高温ホーローは、このSiO2が45%以上
でB2O3が15%前後である。 ガラスの低融化を図る場合、SiO2を減少させ
ることが必要であるが、単にSiO2のみを減少さ
せると、上述したような問題点が生じてくる。従
来の低融ホーローは、SiO2を減少させる代りに、
P2O5、PbO、Sb2O3で低融化を図つたものが多
く、特開昭53−82826号応報によればP2O5の含有
量を20〜60%にしている。 本発明のフリツトでは、SiO233〜41%、
B2O316〜22%である。高温ホーローの概念から
すれば、SiO2が45%以下であれば、失沢や失透
を生じ、美しいホーロー面が得られないが、本発
明では、低融化の成分として、ZrO2を含有して
いるので、33〜41%でよい。またB2O3はSiO2と
同様に、フリツトの表面光沢や耐食性に大きく影
響を及ぼす因子で、高温ホーローでは、15%前後
であるが、本発明では16〜22%である。ここで
SiO2とB2O3の比〔SiO2/B2O3〕は1.6〜2.5の範
囲が適切である。この範囲を外れてSiO2が少な
く、B2O3が多くなると、ホーロー表面は発泡し、
黒ずんだ乳白色になり、また耐水性が悪くなる。
逆にSiO2が多くB2O3が少ない場合ぱ、723℃以下
ではホーロー焼成ができなく、光沢が失われる。 次にアルカリ成分について述べる。 本発明のフリツトにおけるアルカリの必須成分
は、Na2OとK2Oである。Na2OもK2Oも低融化
する上では重要なアルカリ成分ではあるが、この
いずれの成分にも適切な組成範囲がある。再結晶
析出型チタン釉薬の乳濁化の過程は、フリツト時
にはイオンの形でガラス成分として取り込まれて
いるTi4+が焼成により、アナターゼ型の酸化チ
タンの粒子に結晶成長することにより隠蔽力を有
する。この酸化チタンの結晶粒子の大きさが0.2μ
m程度の時最も優れた乳濁度を示す。この酸化チ
タンの結晶形態はアナターゼ型が主で、一部ルチ
ン型である。酸化チタン粒子は、種々の物質の中
では屈折率が大きく(アナターゼが2.52、ルチン
が2.76)、このためジルコン釉や、アンチモン釉
よりも優れた隠蔽力を呈する。 したがつて、なるべく少量の酸化チタンで、効
率的に乳濁化を促進するためには、まず第一に、
フリツトが溶融して酸化チタン本来の屈折率が発
揮されるように平滑であること、第二に結晶析出
した酸化チタンがフリツト中で安定に存在してい
ることが必要である。 再結晶析出型チタン釉は、以上の必要条件を満
足することが重要で、アルカリ成分の適正な組成
範囲はこの条件を満たす上で限定される。つまり
アルカリ分が少ないと、フリツトが溶融せず、酸
化チタンで屈折されず、フリツトで乱反射される
ので、美しい白色が得られない。また、アルカリ
分が多すぎると、析出した酸化チタン粒子と過剰
のアルカリ分とが反応し、チタン化合物を形成
し、酸化チタン本来の屈折率の大きな隠蔽力が発
揮されない。以上のような理由から、本発明の低
軟化点半乳白ホーローフリツトにおけるNa2O量
は4〜10%で、K2Oは9〜15%である。この
Na2O量は、高温ホーローフリツトに比較して、
多いものではない。低融ホーローの一般的概念か
らすれば少ないが、Na2O量が多くなると、黄色
味を帯びること、光沢が低下すること、耐酸性が
劣ることなどより、適正な範囲は4〜10%であ
る。 K2O量の適正な範囲は9〜15%である。K2Oは
Na2Oよりも易溶性に対する寄与は少ないが、白
の発色に対して必須成分である。しかしK2Oも前
記の範囲以上入れすぎると、白の発色がでなくな
る。Na2OもK2Oもある程度まで各々に置換が可
能であるが、Na2Oが4〜10%、K2Oが9〜15%
の範囲内で行うことが必要で、両者の和〔Na2O
+K2O〕が15〜20%で、かつ両者の比〔Na2O/
K2O〕が0.4〜0.9であることが好ましい。 さらに、本発明においては、外配成分のアルカ
リ酸化物として、Li2Oを含有させることも可能
である。Li2Oは、フリツトの易溶性に対して
Na2O、K2Oよりも効果が大きいが、3%を超え
て添加すると急激に光沢が低下する。またLi2O
の3%を超えての添加は、白の発色にも悪影響を
与える。 次にTiO2について述べる。 TiO2は、フリツト中において乳白を与える化
合物で、この量は生成するホーローの乳白度と密
接な関係がある。TiO2の含量は、後で述べる
ZrO2の作用とあいまつて5.5〜10%でよい。5.5%
未満の場合は、結晶の析出が不充分で乳白度が70
未満となり、白味が不充分であつたりすけたりす
る。10%を超えると、乳白度が80を超え、白の強
いパステル色となる。 次にZrO2について述べる。 ZrO2は通常、熱的に安定な化合物であるが、
ガラスフリツト成分中においては、フリツトの溶
融温度(1100〜1300℃)で溶融する。また、フリ
ツト中にある適量のZrO2は、フリツトの軟化温
度を上昇させず、アルカリ成分を固定する。この
ため、ZrO2の添加効果は、過剰のアルカリと析
出したTiO2との反応を抑制させることにある。
本発明において、TiO2の含量が高温ホーローに
比較して少量であつても満足する乳白度が得られ
るのは、このZrO2によるところが大きい。しか
も、適量のZrO2は、軟化温度を上昇させずに、
光沢、耐水性を向上させる。 本発明におけるZrO2の含量は5〜13.5%であ
る。5%未満では、フリツト中のアルカリ成分が
固定化されずに遊離するため、耐水性が悪く、ま
たTiO2との反応を抑制できないので満足する乳
白が得られない。逆に13.5%を超えると、ZrO2の
結晶析出が生じ光沢、乳白度の優れたものが得ら
れなくなる。またTiO2とZrO2との和と、比が重
要で〔TiO2+ZrO2〕は12〜18%、〔TiO2/ZrO2〕
は0.6〜1.3が望ましい。 次に代表的な酸性成分であるF2について述べ
る。 F2はフリツト中の酸性成分として重要な成分
で、特にチタン釉においては欠くことのできない
ものである。先にものべた様に、TiO2は酸性成
分よりもアルカル成分と反応しやすいので、他の
高温ホーローよりも余分に酸性成分を必要とす
る。F2は強力な酸性成分であり、本発明におい
ては必須成分で、最適範囲は2〜10%である。 F2は最終的なフリツト成分として残存する割
合が50〜70%で、後はフリツト製造時に飛散して
しまう。この飛散するF2は、フリツトの撹拌効
果と、製造時にフリツト内を酸性雰囲気に維持す
る効果とを有していて、重要ではあるが、本発明
におけるF2の範囲は、生成したフリツト内に含
まれているF2の量である。なお、フリツト内で
F2の状態で含有されているかどうかは明らかで
はないが、慣例に従いF2で表わすものとする。
F2量が2%未満では、アルカリ成分と中和する
ことができないので、満足する乳白が得られな
い。逆に10%を超えるとフリツト内が酸性側に寄
り過ぎ、焼き付けたホーロー面に発泡・亀裂が生
じ、良好な表面状態が得られなくなる。したがつ
て、F2の量の適切な範囲は2〜10%である。 さらに、本発明においては、外配成分の酸性酸
化物として、P2O5を含有させることも可能であ
る。TiO2を多く含有する完全な乳白フリツトに
おいては、P2O5は酸化チタンの安定剤としての
効果が大きい。しかし、本発明のTiO2の含有量
の範囲においては、大きな効果はないが、他の成
分の含量と微妙に関連して、乳白の色味や隠蔽力
の微調整に用うることができる。P2O5は1.5%を
超えると、黄味が強くなるとともに光沢の優れた
ものが得られなくなる。 本発明の他の外配成分として、CaO、ZnO、
MgO、BaO、SrO及びAl2O3を含むこともでき
る。これらの酸化物は添加量が少量であれば、上
記成分の組成比で構成されたフリツトを本質的に
変化させないが、多量に用いた場合は色調、表面
状態、光沢とも低下させる。しかし、これらの成
分は使用方法によつてフリツトの粘度、熱膨張の
調整、耐水性の向上、表面状態の改良にも寄与す
る。したがつて添加する場合は5%を超えない範
囲で使用することが必要である。 次に、本発明のフリツトを構成する原材料につ
いて述べる。 SiO2の原料は硅石粉、長石などの使用が可能
であるが、不純物としてのFe2O3はフリツトを赤
茶系に着色させるので注意する必要がある。 B2O3としてはH3BO4、Na2B4O7、Na2B4O7・
10H2Oで示される硼酸、硼砂があるが、フリツ
と溶融時の雰囲気を酸性に維持する上では硼酸の
方が望ましい。 Na2Oは、Na2CO3やNaNO3のように単独の成
分から持つてくることもできるが、硼砂、珪弗化
ソーダ、水晶石からとることもできる。 同様にK2OはKNO3、K2CO3の他、珪弗化カリ
ウムがある。 Li2OはLi2CO3の他天然鉱石のスポジユウメン
を使用する。 ZrO2は天然産のものはFe2O3の不純物を含み、
また精製しものは高価であるため、ZrO2とSiO2
との化合物であるジルコン(ZrO2・nSiO2)を用
いるのがよい。このジルコンは単に価格が安いば
かりでなく、フリツト溶解時にZrO2単独よりも
溶融しやすい。 TiO2は、アナターゼ型とルチル型があるが、
原材料として用いる場合はどちらでも良い。 F2は化合物の形態としてLiF、NaF、KF、
CaF2、Na2SiF6、Na3AlF6、K2SiF6などがあり、
どれを用いても良いが、陽イオンの量を考慮した
上で原材料を決定する。 P2O5はCa3(PO4)2、Na2HPO4、NaH2PO4よ
り組成比に応じて適宜選択する。 その他、CaOはCaCO3、Ca(OH)2、CaF2、
Ca3(PO4)2やドロマイト、ZnOは亜鉛華、
ZnCO3、MgOはMgCO3、MgOやドロマイト、
BaOはBaCO3、Ba(NO3)2、BaF2、SrOは
SrCO3、Al2O3はアルミナ、Al(OH)3や氷晶石、
長石などを原料として使う。 上述した原材料は、それぞれの組成比に応じて
調合する。充分乾式混合された原材料は、1100〜
1300℃で加熱溶融する。加熱温度、時間は最終的
なフリツト成分の組成比を変化させるので、良く
管理することが必要である。原料の溶解後、20〜
40分間ガラス化を進行させ、必要に応じて撹拌す
ることが重要である。長い間保持した場合は、ア
ルカリ成分が昇華してしまうので、余り長くしな
いようにする。溶融後、ガラスは水中に投入し急
冷する。これを乾燥し目的とする低軟化点半乳白
ホーローフリツトが得られる。 実施例 実施例 1 F28%、Na2O7%、K2O12%、CaO1%、TiO27
%、ZrO28%で残部57%がSiO2とB2O3になるよ
うに原料を調合し、溶融した。溶融温度は1200℃
で、原料溶融後、同温度に30分間保持した。な
お、SiO2とB2O3は第2表に示した組成となるよ
うに調合した。 第2表No.4の調合例は、珪石粉137g、硼砂
(Na2B4O7)108g、硼酸27g、ジルコン
(ZrO2・SiO2)56g、アナターゼ型TiO232g、
KNO342g、螢石7g、K2SiF670gである。 生成したフリツトにミル添加物を加え、ボール
ミルで粉砕混合してスリツプを作成した。 スリツプは第1表の配合により、顔料を添加し
ないものと、黄色および緑色の顔料を添加したも
のの2種類を作成した。
【表】
施釉はスプレーガンで、膜厚が100〜150μmに
なるように、あらかじめ酸洗、ニツケル処理を施
し大きさ100mm×100mm、厚さ0.6mmのホーロー用
鋼板(SPP材)の上に行なつた。乾燥後、710℃
で5分間焼成し、試料とした。 スリツプ1の試料で乳白度の黄色度の目安を
得、顔料を添加したスリツプ2の試料で、高温ホ
ーローの標準色との色差、光沢、表面状態、耐水
性を確認した。評価方法は以下に従つた。 (1) 乳白度 C.I.E表示による色刺激値X,Y,Zより求
めたL,a,bを色差計を用いて測定し、乳白
度Wを下に示す式によつて算出した。 W=100−√(100−)2+2+2 W値は、値が大きい程白味がおびる。通常、
隠蔽力があつて、かつ目に白く感じるのは85以
上で、濃いパステル調には顔料無添加の条件で
はややすけた感じのW値70〜80になるフリツト
が好ましい。 (2) 黄色度 黄色度Nは色差計で測定した色刺激値X,
Y,Zより下に示す式によつて算出した。 N=100(1.28X−1.06Z)/Y N値は、値が+側に大きければ黄色味が強く
なり、−側に大きければ青味を帯びる。 赤、黄、緑、青、紫、茶系と多くのパステル
調があり、しかも明るい色が好まれるが、これ
らに対応するためには、顔料を添加しない条件
でのホーローの色は、黄色側にも青色側にも寄
らない色が好ましい。 (3) 色差 標準色とスリツプ2を使つたホーロー試料の
L,a,bを色差計を用いて測定し、色差
(ΔE)を下に示す式によつて算出した。 ΔE=√(−S)2+(−S)2+(−S)2 L,a,b:試料の明度、色度指数 LS,aS,bS:標準色の明度、色度指数 高温ホーローで作製した標準色のLS,aS,bS
は54.7、−16.2、21.7であり、やや黄味を帯びた
緑系のパステル色である。 もちろん色差(ΔE)は小さい方が良く、5
以下が好ましい。 (4) 光沢 ホーロー表面の光沢は、クロスメータ(日本
電色工業製VG−107)を用いて測定した。通
常ホーロー面の光沢は、90以上が好ましい。 (5) 表面状態 ホーロー表面の表面状態を観察し、表面に亀
裂、発泡、ユズ肌、凹凸が発生した場合を、そ
の程度に応じて、×、△、○で表現する。×は発
生が多い場合、○は発生がない場合、△は少し
認められたことを表す。 (6) 耐水性 ホーローの耐水性は、試験板を98℃熱水中に
1時間浸漬し、前後の重量差が10mg/dm2未満
のものを○、10〜30mg/dm2のものを△、30
mg/dm2以上のものを×で示した。 以上の評価方法によつて得られた結果を第2
表に示す。
なるように、あらかじめ酸洗、ニツケル処理を施
し大きさ100mm×100mm、厚さ0.6mmのホーロー用
鋼板(SPP材)の上に行なつた。乾燥後、710℃
で5分間焼成し、試料とした。 スリツプ1の試料で乳白度の黄色度の目安を
得、顔料を添加したスリツプ2の試料で、高温ホ
ーローの標準色との色差、光沢、表面状態、耐水
性を確認した。評価方法は以下に従つた。 (1) 乳白度 C.I.E表示による色刺激値X,Y,Zより求
めたL,a,bを色差計を用いて測定し、乳白
度Wを下に示す式によつて算出した。 W=100−√(100−)2+2+2 W値は、値が大きい程白味がおびる。通常、
隠蔽力があつて、かつ目に白く感じるのは85以
上で、濃いパステル調には顔料無添加の条件で
はややすけた感じのW値70〜80になるフリツト
が好ましい。 (2) 黄色度 黄色度Nは色差計で測定した色刺激値X,
Y,Zより下に示す式によつて算出した。 N=100(1.28X−1.06Z)/Y N値は、値が+側に大きければ黄色味が強く
なり、−側に大きければ青味を帯びる。 赤、黄、緑、青、紫、茶系と多くのパステル
調があり、しかも明るい色が好まれるが、これ
らに対応するためには、顔料を添加しない条件
でのホーローの色は、黄色側にも青色側にも寄
らない色が好ましい。 (3) 色差 標準色とスリツプ2を使つたホーロー試料の
L,a,bを色差計を用いて測定し、色差
(ΔE)を下に示す式によつて算出した。 ΔE=√(−S)2+(−S)2+(−S)2 L,a,b:試料の明度、色度指数 LS,aS,bS:標準色の明度、色度指数 高温ホーローで作製した標準色のLS,aS,bS
は54.7、−16.2、21.7であり、やや黄味を帯びた
緑系のパステル色である。 もちろん色差(ΔE)は小さい方が良く、5
以下が好ましい。 (4) 光沢 ホーロー表面の光沢は、クロスメータ(日本
電色工業製VG−107)を用いて測定した。通
常ホーロー面の光沢は、90以上が好ましい。 (5) 表面状態 ホーロー表面の表面状態を観察し、表面に亀
裂、発泡、ユズ肌、凹凸が発生した場合を、そ
の程度に応じて、×、△、○で表現する。×は発
生が多い場合、○は発生がない場合、△は少し
認められたことを表す。 (6) 耐水性 ホーローの耐水性は、試験板を98℃熱水中に
1時間浸漬し、前後の重量差が10mg/dm2未満
のものを○、10〜30mg/dm2のものを△、30
mg/dm2以上のものを×で示した。 以上の評価方法によつて得られた結果を第2
表に示す。
【表】
第2表から明らかなようにSiO2の適正値は
33〜41%、B2O3の適正値は16〜22%であるが、
SiO2/B2O3の比が1.6〜2.5であることが好まし
い。 実施例 2 フリツトの構成成分として、SiO2が37〜39%、
B2O3が18〜20%、F2が6〜8%、Li2Oが1.1〜1.3
%、CaOが1.1〜1.3%、ZrO2が7.5〜8%、TiO2
が6.5〜7%の範囲内で、〔Na2O+K2O〕を19%
として、Na2OとK2Oを変化させて、W値他を測
定した。試料の調整は実施例1と同様である。 得られた結果を第3表に示す。
33〜41%、B2O3の適正値は16〜22%であるが、
SiO2/B2O3の比が1.6〜2.5であることが好まし
い。 実施例 2 フリツトの構成成分として、SiO2が37〜39%、
B2O3が18〜20%、F2が6〜8%、Li2Oが1.1〜1.3
%、CaOが1.1〜1.3%、ZrO2が7.5〜8%、TiO2
が6.5〜7%の範囲内で、〔Na2O+K2O〕を19%
として、Na2OとK2Oを変化させて、W値他を測
定した。試料の調整は実施例1と同様である。 得られた結果を第3表に示す。
【表】
第3表から明らかなようにNa2Oの適正値は4
〜10%、K2Oの適正値は9〜15%であるが、
Na2O/K2Oは0.4〜0.9が望ましい。 実施例 3 フリツトの構成成分として、SiO2が37〜39%、
B2O3が18〜20%、F2が6〜8%、Li2Oが1.1〜1.3
%、Na2Oが7〜8%、K2Oが11〜12%、CaOが
1.1〜1.3%、ZrO2が7.5〜8%の範囲内にして
TiO2を変化させた場合のスリツプ1でのW値を
第1図に、スリツプ2でのΔEを第2図に示す。 図から明らかなように、TiO2は5.5%未満の場
合は、W値は70未満で白さが弱く、ΔEも5以上
になり、10%を超えるとW値は80を超え白の強い
パステル色のためΔEは5以上になる。したがつ
て、TiO2の最適範囲は5.5〜10%である。 実施例 4 フリツトの構成成分として、SiO2が37〜39%、
B2O5が18〜20%、F2が6〜8%、Li2Oが1.1〜1.3
%、Na2Oが7〜8%、K2Oが11〜12%、CaOが
1.1〜1.3%、TiO26.5〜7%の範囲にしてZrO2を
変化させた場合のW値を第3図に示す。 図から明らかなように、ZrO2の増大につれW
値が上昇するが、8.5%を超えるとガラスが溶け
にくくなり、W値は低下する。また13.5%を超え
た場合は光沢が60以下となり、表面状態も不良で
ある。5%未満では共存したアルカリとTiO2が
反応を起こしてしまうのでW値は低い。 実施例 5 実施例4のフリツトの構成成分において、
ZrO2を7.5〜8%にして、Li2Oを変化させた場合
のLi2Oの量とW値の関係を第4図に示す。 Li2Oは1.5%前後が最もW値は高い。また、光
沢は2%までは100前後であるが、3%を超える
と90以下となり、4%近くになると表面状態はユ
ズ肌となる。したがつて、Li2Oの適切は3%以
下である。 実施例 6 実施例4のフリツトの構成成分において、
ZrO2を7.5〜8%にして、P2O5を変化させた場合
のW値を第5図に示す。 図から明らかなように、P2O5の量はW値に大
きな影響は与えない。しかし、P2O5の量が増加
すると黄味を帯びてくると同時に、光沢も低下す
る。顔料を低下したスリツプでは、P2O5が2%
以下で光沢は80以下になる。したがつて、P2O5
の最適範囲は1.5%以下である。 実施例 7 実施例4のフリツトの構成成分において、
ZrO2を7.5〜8%にして、F2を変化させた場合の
W値を第6図に示す。 図から明らかなように、F2の最適範囲でW値
に極大値を有しており、4〜13%でW値は70以上
である。このF2の量は、添加時の理論値として
の値であり、このフリツトの化学分析によつて
F2量を求めると、2〜10%であつた。 したがつて最適な範囲は2〜10%である。2%
より少ないと、W値は低く、逆に10%(理論値と
して13%)を超えると、表面に発泡がみられた。 実施例 8 フリツトの構成として、SiO237%、B2O319%、
F27%、Li2O1%、Na2O7%、K2O11%、CaO1
%、TiO27%、ZrO28%をベースとし、これに
ZnOを2%添加した。このフリツトを用いて、実
施例1にしたがつて試料を作成し、W値を測定し
たところ78であり、N値−1.5、ΔE3.6、光沢100、
表面状態、耐水性とも○であつた。 実施例 9 実施例8において、ZnOを同量のMgOに置き
換えて、同様にして作成した試料のW値は77、N
値−0.5、ΔE3.3、光沢97、表面状態、耐水性とも
○であつた。 実施例 10 実施例8において、ZnOを同量のBaOに置き
換えて、同様にして作成した試料のW値は77、N
値−0.8、ΔE3.5、光沢98、表面状態、耐水性とも
○であつた。 実施例 11 実施例8において、ZnOを同量のSrOに置き換
えて、同様にして作成した試料のW値は77、N値
−0.6、ΔE3.6、光沢98、表面状態、耐水性とも○
であつた。 実施例 12 実施例8において、ZnOを同量のAl2O3に置き
換えて、同様にして作成した試料のW値は77、N
値−0.3、ΔE3.4、光沢94、表面状態、耐水性とも
○であつた。 発明の効果 以上の実施例からも明らかなように、本発明に
よれば、比較的白味の弱いパステル調の低融ホー
ローを得ることができる。
〜10%、K2Oの適正値は9〜15%であるが、
Na2O/K2Oは0.4〜0.9が望ましい。 実施例 3 フリツトの構成成分として、SiO2が37〜39%、
B2O3が18〜20%、F2が6〜8%、Li2Oが1.1〜1.3
%、Na2Oが7〜8%、K2Oが11〜12%、CaOが
1.1〜1.3%、ZrO2が7.5〜8%の範囲内にして
TiO2を変化させた場合のスリツプ1でのW値を
第1図に、スリツプ2でのΔEを第2図に示す。 図から明らかなように、TiO2は5.5%未満の場
合は、W値は70未満で白さが弱く、ΔEも5以上
になり、10%を超えるとW値は80を超え白の強い
パステル色のためΔEは5以上になる。したがつ
て、TiO2の最適範囲は5.5〜10%である。 実施例 4 フリツトの構成成分として、SiO2が37〜39%、
B2O5が18〜20%、F2が6〜8%、Li2Oが1.1〜1.3
%、Na2Oが7〜8%、K2Oが11〜12%、CaOが
1.1〜1.3%、TiO26.5〜7%の範囲にしてZrO2を
変化させた場合のW値を第3図に示す。 図から明らかなように、ZrO2の増大につれW
値が上昇するが、8.5%を超えるとガラスが溶け
にくくなり、W値は低下する。また13.5%を超え
た場合は光沢が60以下となり、表面状態も不良で
ある。5%未満では共存したアルカリとTiO2が
反応を起こしてしまうのでW値は低い。 実施例 5 実施例4のフリツトの構成成分において、
ZrO2を7.5〜8%にして、Li2Oを変化させた場合
のLi2Oの量とW値の関係を第4図に示す。 Li2Oは1.5%前後が最もW値は高い。また、光
沢は2%までは100前後であるが、3%を超える
と90以下となり、4%近くになると表面状態はユ
ズ肌となる。したがつて、Li2Oの適切は3%以
下である。 実施例 6 実施例4のフリツトの構成成分において、
ZrO2を7.5〜8%にして、P2O5を変化させた場合
のW値を第5図に示す。 図から明らかなように、P2O5の量はW値に大
きな影響は与えない。しかし、P2O5の量が増加
すると黄味を帯びてくると同時に、光沢も低下す
る。顔料を低下したスリツプでは、P2O5が2%
以下で光沢は80以下になる。したがつて、P2O5
の最適範囲は1.5%以下である。 実施例 7 実施例4のフリツトの構成成分において、
ZrO2を7.5〜8%にして、F2を変化させた場合の
W値を第6図に示す。 図から明らかなように、F2の最適範囲でW値
に極大値を有しており、4〜13%でW値は70以上
である。このF2の量は、添加時の理論値として
の値であり、このフリツトの化学分析によつて
F2量を求めると、2〜10%であつた。 したがつて最適な範囲は2〜10%である。2%
より少ないと、W値は低く、逆に10%(理論値と
して13%)を超えると、表面に発泡がみられた。 実施例 8 フリツトの構成として、SiO237%、B2O319%、
F27%、Li2O1%、Na2O7%、K2O11%、CaO1
%、TiO27%、ZrO28%をベースとし、これに
ZnOを2%添加した。このフリツトを用いて、実
施例1にしたがつて試料を作成し、W値を測定し
たところ78であり、N値−1.5、ΔE3.6、光沢100、
表面状態、耐水性とも○であつた。 実施例 9 実施例8において、ZnOを同量のMgOに置き
換えて、同様にして作成した試料のW値は77、N
値−0.5、ΔE3.3、光沢97、表面状態、耐水性とも
○であつた。 実施例 10 実施例8において、ZnOを同量のBaOに置き
換えて、同様にして作成した試料のW値は77、N
値−0.8、ΔE3.5、光沢98、表面状態、耐水性とも
○であつた。 実施例 11 実施例8において、ZnOを同量のSrOに置き換
えて、同様にして作成した試料のW値は77、N値
−0.6、ΔE3.6、光沢98、表面状態、耐水性とも○
であつた。 実施例 12 実施例8において、ZnOを同量のAl2O3に置き
換えて、同様にして作成した試料のW値は77、N
値−0.3、ΔE3.4、光沢94、表面状態、耐水性とも
○であつた。 発明の効果 以上の実施例からも明らかなように、本発明に
よれば、比較的白味の弱いパステル調の低融ホー
ローを得ることができる。
図面はフリツトの構成成分の量と得られるホー
ローのW値あるいはΔEとの関係を示すもので、
第1図はTiO2の量とW値の関係を示す図、第2
図はTiO2量とΔEの関係を示す図、第3図はZrO2
量とW値の関係を示す図、第4図はLi2O量とW
値の関係を示す図、第5図はP2O5量とW値の関
係を示す図、第6図はF2量とW値の関係を示す
図である。
ローのW値あるいはΔEとの関係を示すもので、
第1図はTiO2の量とW値の関係を示す図、第2
図はTiO2量とΔEの関係を示す図、第3図はZrO2
量とW値の関係を示す図、第4図はLi2O量とW
値の関係を示す図、第5図はP2O5量とW値の関
係を示す図、第6図はF2量とW値の関係を示す
図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 少なくともSiO2、B2O3、Na2O、K2O、
TiO2、ZrO2、F2を必須成分とし、これらの含量
が重量比で、SiO233〜41%、B2O316〜22%、
Na2O4〜10%、K2O9〜15%、TiO25.5〜10%、
ZrO25〜13.5%、F22〜10%である低軟化点半乳
白ホーローフリツト。 2 重量比で換算した含量の和〔Na2O+K2O〕
が15〜20%、〔TiO2+ZrO2〕が12〜18%で、含量
の比〔Na2O/K2O〕が0.4〜0.9、〔SiO2/B2O3〕
が1.6〜2.5、〔TiO2/ZrO2〕が0.6〜1.3である特
許請求の範囲第1項記載の低軟化点半乳白ホーロ
ーフリツト。 3 Li2Oを3重量%以下含む特許請求の範囲第
1項又は第2項記載の低軟化点半乳白ホーローフ
リツト。 4 P2O5を1.5重量%以下含む特許請求の範囲第
1項〜第3項のいずれかに記載の低軟化点半乳白
ホーローフリツト。 5 CaO、ZnO、MgO、BaO、SrO及びAl2O3よ
りなる群から選んだ少なくとも1種を総量で5重
量%以下の範囲で含む特許請求の範囲第1項〜第
4項のいずれかに記載の低軟化点半乳白ホーロー
フリツト。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP59196040A JPS6172651A (ja) | 1984-09-19 | 1984-09-19 | 低軟化点半乳白ホ−ロ−フリツト |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP59196040A JPS6172651A (ja) | 1984-09-19 | 1984-09-19 | 低軟化点半乳白ホ−ロ−フリツト |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6172651A JPS6172651A (ja) | 1986-04-14 |
| JPH0328385B2 true JPH0328385B2 (ja) | 1991-04-18 |
Family
ID=16351191
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP59196040A Granted JPS6172651A (ja) | 1984-09-19 | 1984-09-19 | 低軟化点半乳白ホ−ロ−フリツト |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6172651A (ja) |
-
1984
- 1984-09-19 JP JP59196040A patent/JPS6172651A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6172651A (ja) | 1986-04-14 |
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