JPH0333777B2 - - Google Patents
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- JPH0333777B2 JPH0333777B2 JP59148195A JP14819584A JPH0333777B2 JP H0333777 B2 JPH0333777 B2 JP H0333777B2 JP 59148195 A JP59148195 A JP 59148195A JP 14819584 A JP14819584 A JP 14819584A JP H0333777 B2 JPH0333777 B2 JP H0333777B2
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Description
この発明はオーステナイト系ステンレス鋼に関
し、特に熱間圧延の段階で10〜40%のデルタフエ
ライトを含有しかつ製品の段階で15%以下のデル
タフエライトを含有するオーステナイト系ステン
レス鋼において、熱間圧延時に耳割れや表面疵
(表面微小割れ)の発生を防止する技術に関する
ものである。 各種のオーステナイト系ステンレス鋼のうちで
も、熱間圧延の段階でデルタフエライト量が10〜
40%程度のものは、文献(例えば「Deformation
under hot working conditions」1966年、The
Iron and Steel Institute発行;第142頁)にも示
されるように熱間変形能が小さく、そのため難熱
間加工性であつて、熱間圧延時に50%以上のデル
タフエライトを含む二相ステンレス鋼などと比較
して格段に熱間圧延時の耳割れや表面微小割れが
発生し易いことが知られている。 すなわち、例えば17−7PHステンレス鋼はスラ
ブ加熱段階で15〜40%程度のデルタフエライトを
含有しており、またオーステナイト系ステンレス
鋼肉盛溶接用電極材料は肉盛溶接に伴なう成分の
希釈を補ない、かつ溶接時の割れを防ぐためにデ
ルタフエライト量が10〜30%程度となるように成
分設計されているが、このようにデルタフエライ
トが10%程度以上含まれるオーステナイト系ステ
ンレス鋼においては、高強度のオーステナイト相
と低強度のデルタフエライト相との境界で割れが
発生し易く、そのため熱間圧延に際して耳割れや
表面微小割れが発生し易い。これに対し熱間圧延
段階でのデルタフエライト量が50%以上の所謂二
相ステンレス鋼の場合には、低強度のデルタフエ
ライト相中に高強度のオーステナイト相が含まれ
る状態となるため、耳割れや表面微小割れの発生
はデルタフエライト量が40%程度以下の場合より
も少なくなり、そのため通常適用されている熱間
割れ防止手段、すなわちS含有量を低下させる手
段(但しその場合の低S化はS含有量が0.001%
以下には達しない程度で、通常は0.002〜0.003%
程度)によつて実用上支障ない程度まで耳割れや
表面微小割れの発生を抑えることが可能であつ
た。 しかるに、この発明で対象とするオーステナイ
ト系ステンレス鋼の如く、熱間圧延段階で10〜40
%のデルタフエライトを含有する鋼においては、
従来二相ステンレス鋼において適用されていた程
度の低S化対策では熱間圧延時の割れを防ぐこと
が困難であつた。 熱間圧延時における耳割れの発生は、歩留りの
著しい低下を招くのみならず、工程の増加や各種
のトラブルを招く。例えば耳割れの発生に起因し
て熱間圧延中に鋼帯の破断を引起こしたり、また
熱間圧延中に耳割れの破片が鋼帯中央に飛び込ん
で押込み疵を付けたり、さらには穴をあけてしま
うような事態を招くこともある。また熱間圧延時
において表面微小割れが発生すれば、熱延板を冷
間圧延するに際して表面をコイルグラインダ等で
研削する必要を招き、著しい場合は疵を除去し切
れずに廃品とせざるを得ない場合もある。したが
つて量産的規模で低コストで製品を得るために
は、熱間圧延工程での耳割れ、や微小割れの発生
を防止することが極めて重要である。 従来、この発明で対象とする鋼の如く熱間加工
性の悪い材料については、鋼塊に鋳込んだ後、分
塊圧延に代えて著しく非能率な鍛造を適用してス
ラブとすることにより熱間圧延における加工性を
向上させる方策を採用するか、または大幅な歩留
り低下やトラブルの発生は避け得ないこととし
て、熱間圧延の耳割れ部分を切捨てて製品化しま
た表面微小割れをコイルグラインダ等で研削する
といつた対策しかとり得なかつたのが実情であ
る。したがつてこれらの事実が、この発明で対象
とする熱間圧延段階でのデルタフエライト量10〜
40%のオーステナイト系ステンレス鋼のホツトス
トリツプミルによる大量生産を阻害し、この種の
材料開発のネツクとなつていたのである。 そこで本発明者等は、このような難熱間加工性
材料について種々研究を進め、既に特願昭57−
25437号で提案しているように鋼の成分バランス
を調整して熱間加工性を改善する方法、あるいは
特願昭57−145501号において提案しているように
連続鋳造したスラブに熱間で軽圧下を施し、引続
いて高温でのソーキングを行なつて耳割れを防止
する方法、さらには特願昭58−64589号で提案し
ているように、熱間圧延に際して割れの発生し易
い1050〜900℃の温度域を避けて圧延する方法、
などを開発している。しかしながらこれらの方法
による場合、耳割れの程度は相当程度低減し得る
ものの皆無となるには至つておらず、また長時間
の加熱や圧延温度の制御を容易には行ない得ない
等の問題もあり、さらに改善の余地が残されてい
たのが実情である。 この発明は以上の事情を背景としてなされたも
ので、従来一般に熱間加工性が著しく劣るとされ
ていた、熱間圧延段階でデルタフエライト量が10
〜40%のオーステナイト系ステンレス鋼の熱間加
工性を改善して、前述のような各提案の方法によ
らずに、通常のスラブ加熱−熱間圧延においても
熱間圧延時の耳割れや表面微小割れの発生をほぼ
完全に防止できるようにした材料を提供すること
を目的とするものである。 すなわち本発明者等は、この種の熱間圧延段階
で10〜40%のデルタフエライトを含有するオース
テナイト系ステンレス鋼の熱間加工性について詳
細に実験・検討を重ねた結果、鋼中の不純物とし
てのSの含有量を、従来の常識をはるかに越えた
極低レベルまで低減することによつて、連続鋳造
により得られたスラブでも、特殊な操作を加える
ことなく熱間圧延時に耳割れや表面微小割れがほ
ぼ完全に防止できることを見出し、この発明をな
すに至つたのである。またその場合、S含有量を
極低レベルまで低下させると同時にCaもしくは
REMを添加することも有効であることを見出し
た。 このような本発明者等の新規な知見についてさ
らに具体的に説明すると、本発明者等は熱間加工
性に及ぼすデルタフエライト量と鋼中不純物元素
(S、P、Oなど)の影響について詳細に検討し
た結果、熱間加工性に対しては、鋼中のS量のみ
が重要な役割を果たしており、熱間圧延中の温度
低下によるデルタフエライト量の減少がSの熱間
加工性に対する悪影響を増幅していることが明ら
かとなつた。すなわち、鋼中Sの悪影響さえ完全
になくしておけば、熱間圧延の開始段階で10〜40
%のデルタフエライトが存在していても、熱間加
工性が良好となつて熱間圧延工程中での耳割れや
表面微小割れの発生を防止できることが判明し
た。そしてそのために必要な低S化の程度は、従
来の通常の熱間加工性改善のための常識的な低S
化の程度をはるかに下廻り、S含有量を0.0010重
量%以下とする必要があることが判明した。また
極低S化に併せて、Sを固定する作用を有する
CaやREMを添加することが熱間加工性の改善に
有効であり、その場合Sの許容範囲はこれらの元
素を添加しないものより若干拡大し、S含有量が
0.0015重量%以下であれば熱間圧延開始時のデル
タフエライト量が10〜40%の鋼でも耳割れや表面
微小割れが発生しないことが判明した。なお製品
におけるデルタフエライト量が15%を越える場合
には、熱間圧延段階で40%を越えるデルタフエラ
イト量となつており、そのため熱間圧延時の変形
能が向上しているから、従来の一般的な低S化の
程度で熱間圧延時における耳割れや表面微小割れ
の発生は防止できることが判つた。 したがつて本願の第1発明は、重量%でC0.1%
未満、Si1%以下、Mn3%以下、Ni5〜16%、
Cr15〜30%、Mo3%以下、Al1.5%以下、Nb1.5
%以下の各成分を含有し、かつ熱間圧延を開始す
る段階でデルタフエライトを10%以上、40%未満
の範囲内で含有し、しかも製品段階でデルタフエ
ライト量が15%以下のデルタフエライト含有オー
ステナイト系ステンレス鋼において、S含有量が
0.0010重量%以下であり、前記各元素に対する残
部がFeおよび不可避的不純物からなることを特
徴とするものである。 また本願の第2発明は、第1発明と同様にC、
Si、Mn、Ni、Cr、Mo、Al、Nbを含有しかつ第
1発明と同様に熱間圧延開始段階でのデルタフエ
ライト量が10%以上、40%未満で、しかも製品段
階でのデルタフエライト量が15%以下のデルタフ
エライト含有オーステナイト系ステンレス鋼にお
いて、S含有量が0.0015重量%以下であり、しか
もS含有量の2倍以上、0.01重量%以下のCaと、
S含有量の4倍以上、0.08重量%以下のREM(希
土類元素)とのうち1種以上を含有し、前記各元
素に対する残部がFeおよび不可避的不純物から
なることを特徴とするものである。 以下この発明についてさらに詳細に説明する。 先ずこの発明の鋼の基本成分の限定理由は次の
通りである。 C:Cはステンレス鋼本来の耐食性を阻害し、冷
間での成型性を阻害するが、0.1%程度までは
Si、Crのバランスにより本来の特性を発揮さ
せ得る。Cが0.1%を越えれば、特性を維持す
るためのSi、Cr量が多くなりすぎ、製造工程
中のσ脆化等を招くため、0.1%未満に限定さ
れる。好ましくは0.08%以下である。 Si:Siはオーステナイトとデルタフエライトのバ
ランスを決定するのに有効な元素であるが、1
%を越えるとデルタフエライトのσ脆化を促進
し、かつフエライト量をコントロールするため
に必要なNi量が多大となり、素材のコストア
ツプを招くから、1%以下に限定される。 Mn:Mnはオーステナイト−デルタフエライト
のバランスを調整するために必要な元素である
が、3%を越えれば、製鋼上の問題、特に耐火
物の損傷が増えて製造コストの上昇の問題を招
くため、上限を3%とされる。 Ni:Niはオーステナイト系ステンレス鋼を構成
する主要成分であるが、5%未満ではステンレ
ス鋼本来の耐食性を維持できず、また16%を越
えるとオーステナイト−デルタフエライトバラ
ンスを保つためのCr、Si量が過大となつて経
済的に問題が生じ、かつ製造工程でのσ脆化を
生じやすくするため、5〜16%の範囲に限定さ
れる。 Cr:CrはNiとともにステンレス鋼を構成する主
要成分であるが、15%以下ではステンレス鋼本
来の耐食性が不足し、30%以上では製造工程で
のσ脆化が生じやすく、またオーステナイト−
デルタフエライトのバランスを保つためのNi
量やC、Mn量を増やす必要が生じ、経済的問
題及び特性上の問題が生ずるため、15〜30%の
範囲に限定される。 Mo:Moはステンレス鋼の耐食性を高めるため
に必要な元素であるが、同時にフエライト形成
力及びσ相の形成力が強く、そのため多大の添
加は必要Ni量の増加を招いて経済的でなく、
しかもσ脆化が起こりやすくなるため、上限は
3%とされる。 Al:Alは脱酸及び析出硬化性を付与するために
必須の元素であるが、同時にフエライト形成能
は各成分中最も強力であり、1.5%を越えると
必要Ni量が増加し、コスト高となる。また高
Alでのオーステナイト−デルタフエライトバ
ランスをCで行なうと本来の耐食性、機械的性
質が損なわれるため、上限は1.5%に限定され
る。 Nb:NbはCを固定し、耐食性を確保するのに必
要な元素であるが、過剰の添加はコスト高と窒
化物による介在物の増加を招くため、1.5%以
下に限定される。 またこの発明において対象とするデルタフエラ
イト含有オーステナイト系ステンレス鋼は、その
デルタフエライト量が熱間圧延開始段階で10%以
上、40%未満のものとするが、そのように限定し
た理由は次の通りである。すなわち、熱間圧延開
始時のデルタフエライト量が10%未満の場合に
は、熱間圧延工程において耳割れや表面微小割れ
が実質的に発生せず、したがつてこの発明の如く
S含有量を極端に低減させる必要がない。一方熱
間圧延開始時のデルタフエライト量が40%以上の
場合にも、フエライト量の増加に伴なつて熱間加
工性が向上するため、極端にS含有量を低減させ
る必要がなく、従来から知られている程度の低S
化で充分である。したがつて熱間圧延開始段階の
デルタフエライト量は10%以上、40%未満の範囲
内とした。 また製品段階でのデルタフエライト量が15%を
越える場合、前述の如く熱間圧延開始段階でのデ
ルタフエライト量が40%以上となるのが通常であ
り、したがつて極低S化の必要がなくなるから、
製品段階でのデルタフエライト量を15%以下と規
定した。 上述のように熱間圧延開始段階でのデルタフエ
ライト量が10〜40%の範囲内にあるオーステナイ
ト系ステンレス鋼においては、従来の一般的な鋼
中S含有量あるいは従来の熱間加工性向上のため
の常識的な低S化の程度では熱間加工性が極めて
劣り、S含有量を0.0010%以下とすることによつ
てはじめて熱間圧延時における耳割れや表面微小
割れの発生をほぼ完全に防止することができ、し
たがつてS含有量は0.0010%以下とした。ここで
S含有量は0.0010%以下のうちでも特に脱硫技術
の進歩により最近実用に供され始めた0.0008%以
下のレベルとすることが好ましく、この場合によ
り一層確実に熱間圧延での耳割れ等の発生を防止
することができる。 さらに第2発明の鋼においては、S含有量を低
減すると同時に、Ca、REMの1種以上を添加す
る。この場合の成分限定理由について説明する
と、CaはSを固定して無害化するのに有効な元
素であり、重量%でS含有量の2倍以上でその効
果を発揮する。一方Caの過剰な添加は、かえつ
て鋼帯の表面疵、微小割れの原因となるが、0.01
%までは支障ないから、S添加量の上限を0.01%
とする。REMもCaと同じ効果を有するが、その
効果は重量%でS含有量の4倍以上で発揮され
る。またREMの過剰添加は表面疵の原因となる
が、0.08%までは実質上影響なく、したがつて
REM添加量の上限を0.08%とする。ここで、Ca、
REMは通常はいずれか一方を単独添加すれば良
いが、場合によつては両者を複合添加しても良
い。 このようにSを固定するCaもしくはREMが添
加される場合には、Sの許容量上限は若干拡が
り、S0.0015%まではCaもしくはREMの存在と
相俟つて耳割れが完全に防止される。Sが0.0015
%を越える場合には、それに対応してCaをS含
有量の2倍以上あるいはREMをS含有量の4倍
以上添加しても、耳割れの発生を完全には防止で
きずに1mm程度の耳割れが発生するのみならず、
Ca、REM量が増加して鋼片製造に支障を来たす
ようになるから、CaもしくはREMを添加する場
合のS量の上限を0.0015%とした。但しCaもしく
はREMを添加する場合も、S量を0.0010%以下
とすることが望ましい。 以上のように、S含有量を0.001%以下という
極少量に抑制するか、またはS含有量を0.0015%
以下に抑制すると同時に微量のCaもしくはREM
を添加することによつて、熱間圧延開始段階での
デルタフエライト量が10〜40%のオーステナイト
系ステンレス鋼の熱間圧延工程における耳割れや
表面微小割れの発生を有効に防止することができ
る。すなわち、鋳込んだままのスラブ(例えば連
続鋳造スラブ)から、通常のスラブ加熱−熱間圧
延によつて全く耳割れや表面微小割れのない鋼帯
を得ることができ、圧延に際して鍛造やサイジン
グ等の予備処理や、熱間圧延温度の厳密な管理な
どの一切の操作が不要となる。 なおここで熱間圧延開始段階におけるデルタフ
エライト量(%δ)は、その熱間圧延開始温度と
成分組成(オーステナイト生成元素およびフエラ
イト生成元素の含有量)によつて定まり、例えば
代表的な熱間圧延開始温である1250℃では、次式
によつて求めることができる。 (%δ)=3.2Creq−2.5Nieq−24.7 ここで Creq=(%Cr)+1.5×(%Si)+2×(%Mo
)+0.5×(%Nb)+6×(%Al) Nieq=30×{(%C)+(%N)}+
(%Ni)+0.5×(%Mn) 以下にこの発明の実施例および比較例について
説明する。 製鋼時のスラブ塩基度とスラグ中のアルミナの
比を適当とすることにより、種々の低S鋼を溶製
した。具体的には、100ton電気炉において、スラ
グ塩基度を1.6とし、かつCaO/CaF2を3.0とし
た。溶鋼の温度を1650℃以上とし、上下吹転炉に
おいて強撹拌を行ない、Al添加(17−7PHの場
合)あるいはAl脱酸を行ない、溶鋼中の酸素を
0.008以下とした後、スラグ組成をCaO/SiO2:
Al2O3≒1:0.3とすることにより脱硫を行なつ
た。脱硫条件を調整することにより、以下に述べ
る実施例での低S鋼を溶製した。 第1表に示す成分組成の厚さ200mmの連続鋳造
スラブを、1250℃に加熱して、通常の熱間圧延ラ
インで粗圧延および仕上圧延を施して4mm厚の熱
延鋼帯とした。得られた熱延鋼帯について耳割れ
の発生状況および表面疵(表面微小割れ等)の発
生状況を調べた結果を第1表中に併せて示す。な
おいずれの鋼も熱間圧延開始段階(約1240℃)で
のデルタフエライト量が10〜40%の範囲内にあ
り、また製品段階でのデルタフエライトが15%以
下のものである。また耳割れの判定については、
熱延鋼帯に対するトリミングなしで冷間圧延工程
へ流し得るか否かを判断の基準として耳割れの皆
無のものを合格とし、さらにトリミングを要する
耳割れが発生したものについてはその耳割れ長さ
を調べた。一方表面疵の判定については、コイル
グラインダー工程の要・不要により合否を判定し
た。 第1表から明らかなように、この発明の範囲外
のオーステナイト系ステンレス鋼の場合には、耳
割れ、表面疵の少くとも一方または双方が発生し
ているのに対し、この発明のオーステナイト鋼の
場合にはいずれも耳割れおよび表面疵の発生が皆
無であつた。 以上のようにこの発明のオーステナイト系ステ
ンレス鋼は、従来は通常のスラブ加熱−熱間圧延
方法では耳割れや表面微小割れの発生が不可避と
されていた、熱間圧延開始段階でのデルタフエラ
イト量10〜40%のオーステナイト系ステンレス鋼
において、特別の加熱方法、圧延方法を適用する
ことなく、通常のスラブ加熱−圧延でも耳割れ、
表面微小割れの発生を完全に防止することができ
るものであり、したがつてこの発明のオーステナ
イト系ステンレス鋼は、その熱間圧延工程におけ
る歩留りを従来よりも格段に向上させることがで
きるとともに、耳割れ、表面微小割れ発生防止の
ための特殊な工程を採用したりあるいは発生した
割れの除去・修正のための作業を施すことも不要
となり、その結果大幅な製造コストの低減をもた
らすことができる。
し、特に熱間圧延の段階で10〜40%のデルタフエ
ライトを含有しかつ製品の段階で15%以下のデル
タフエライトを含有するオーステナイト系ステン
レス鋼において、熱間圧延時に耳割れや表面疵
(表面微小割れ)の発生を防止する技術に関する
ものである。 各種のオーステナイト系ステンレス鋼のうちで
も、熱間圧延の段階でデルタフエライト量が10〜
40%程度のものは、文献(例えば「Deformation
under hot working conditions」1966年、The
Iron and Steel Institute発行;第142頁)にも示
されるように熱間変形能が小さく、そのため難熱
間加工性であつて、熱間圧延時に50%以上のデル
タフエライトを含む二相ステンレス鋼などと比較
して格段に熱間圧延時の耳割れや表面微小割れが
発生し易いことが知られている。 すなわち、例えば17−7PHステンレス鋼はスラ
ブ加熱段階で15〜40%程度のデルタフエライトを
含有しており、またオーステナイト系ステンレス
鋼肉盛溶接用電極材料は肉盛溶接に伴なう成分の
希釈を補ない、かつ溶接時の割れを防ぐためにデ
ルタフエライト量が10〜30%程度となるように成
分設計されているが、このようにデルタフエライ
トが10%程度以上含まれるオーステナイト系ステ
ンレス鋼においては、高強度のオーステナイト相
と低強度のデルタフエライト相との境界で割れが
発生し易く、そのため熱間圧延に際して耳割れや
表面微小割れが発生し易い。これに対し熱間圧延
段階でのデルタフエライト量が50%以上の所謂二
相ステンレス鋼の場合には、低強度のデルタフエ
ライト相中に高強度のオーステナイト相が含まれ
る状態となるため、耳割れや表面微小割れの発生
はデルタフエライト量が40%程度以下の場合より
も少なくなり、そのため通常適用されている熱間
割れ防止手段、すなわちS含有量を低下させる手
段(但しその場合の低S化はS含有量が0.001%
以下には達しない程度で、通常は0.002〜0.003%
程度)によつて実用上支障ない程度まで耳割れや
表面微小割れの発生を抑えることが可能であつ
た。 しかるに、この発明で対象とするオーステナイ
ト系ステンレス鋼の如く、熱間圧延段階で10〜40
%のデルタフエライトを含有する鋼においては、
従来二相ステンレス鋼において適用されていた程
度の低S化対策では熱間圧延時の割れを防ぐこと
が困難であつた。 熱間圧延時における耳割れの発生は、歩留りの
著しい低下を招くのみならず、工程の増加や各種
のトラブルを招く。例えば耳割れの発生に起因し
て熱間圧延中に鋼帯の破断を引起こしたり、また
熱間圧延中に耳割れの破片が鋼帯中央に飛び込ん
で押込み疵を付けたり、さらには穴をあけてしま
うような事態を招くこともある。また熱間圧延時
において表面微小割れが発生すれば、熱延板を冷
間圧延するに際して表面をコイルグラインダ等で
研削する必要を招き、著しい場合は疵を除去し切
れずに廃品とせざるを得ない場合もある。したが
つて量産的規模で低コストで製品を得るために
は、熱間圧延工程での耳割れ、や微小割れの発生
を防止することが極めて重要である。 従来、この発明で対象とする鋼の如く熱間加工
性の悪い材料については、鋼塊に鋳込んだ後、分
塊圧延に代えて著しく非能率な鍛造を適用してス
ラブとすることにより熱間圧延における加工性を
向上させる方策を採用するか、または大幅な歩留
り低下やトラブルの発生は避け得ないこととし
て、熱間圧延の耳割れ部分を切捨てて製品化しま
た表面微小割れをコイルグラインダ等で研削する
といつた対策しかとり得なかつたのが実情であ
る。したがつてこれらの事実が、この発明で対象
とする熱間圧延段階でのデルタフエライト量10〜
40%のオーステナイト系ステンレス鋼のホツトス
トリツプミルによる大量生産を阻害し、この種の
材料開発のネツクとなつていたのである。 そこで本発明者等は、このような難熱間加工性
材料について種々研究を進め、既に特願昭57−
25437号で提案しているように鋼の成分バランス
を調整して熱間加工性を改善する方法、あるいは
特願昭57−145501号において提案しているように
連続鋳造したスラブに熱間で軽圧下を施し、引続
いて高温でのソーキングを行なつて耳割れを防止
する方法、さらには特願昭58−64589号で提案し
ているように、熱間圧延に際して割れの発生し易
い1050〜900℃の温度域を避けて圧延する方法、
などを開発している。しかしながらこれらの方法
による場合、耳割れの程度は相当程度低減し得る
ものの皆無となるには至つておらず、また長時間
の加熱や圧延温度の制御を容易には行ない得ない
等の問題もあり、さらに改善の余地が残されてい
たのが実情である。 この発明は以上の事情を背景としてなされたも
ので、従来一般に熱間加工性が著しく劣るとされ
ていた、熱間圧延段階でデルタフエライト量が10
〜40%のオーステナイト系ステンレス鋼の熱間加
工性を改善して、前述のような各提案の方法によ
らずに、通常のスラブ加熱−熱間圧延においても
熱間圧延時の耳割れや表面微小割れの発生をほぼ
完全に防止できるようにした材料を提供すること
を目的とするものである。 すなわち本発明者等は、この種の熱間圧延段階
で10〜40%のデルタフエライトを含有するオース
テナイト系ステンレス鋼の熱間加工性について詳
細に実験・検討を重ねた結果、鋼中の不純物とし
てのSの含有量を、従来の常識をはるかに越えた
極低レベルまで低減することによつて、連続鋳造
により得られたスラブでも、特殊な操作を加える
ことなく熱間圧延時に耳割れや表面微小割れがほ
ぼ完全に防止できることを見出し、この発明をな
すに至つたのである。またその場合、S含有量を
極低レベルまで低下させると同時にCaもしくは
REMを添加することも有効であることを見出し
た。 このような本発明者等の新規な知見についてさ
らに具体的に説明すると、本発明者等は熱間加工
性に及ぼすデルタフエライト量と鋼中不純物元素
(S、P、Oなど)の影響について詳細に検討し
た結果、熱間加工性に対しては、鋼中のS量のみ
が重要な役割を果たしており、熱間圧延中の温度
低下によるデルタフエライト量の減少がSの熱間
加工性に対する悪影響を増幅していることが明ら
かとなつた。すなわち、鋼中Sの悪影響さえ完全
になくしておけば、熱間圧延の開始段階で10〜40
%のデルタフエライトが存在していても、熱間加
工性が良好となつて熱間圧延工程中での耳割れや
表面微小割れの発生を防止できることが判明し
た。そしてそのために必要な低S化の程度は、従
来の通常の熱間加工性改善のための常識的な低S
化の程度をはるかに下廻り、S含有量を0.0010重
量%以下とする必要があることが判明した。また
極低S化に併せて、Sを固定する作用を有する
CaやREMを添加することが熱間加工性の改善に
有効であり、その場合Sの許容範囲はこれらの元
素を添加しないものより若干拡大し、S含有量が
0.0015重量%以下であれば熱間圧延開始時のデル
タフエライト量が10〜40%の鋼でも耳割れや表面
微小割れが発生しないことが判明した。なお製品
におけるデルタフエライト量が15%を越える場合
には、熱間圧延段階で40%を越えるデルタフエラ
イト量となつており、そのため熱間圧延時の変形
能が向上しているから、従来の一般的な低S化の
程度で熱間圧延時における耳割れや表面微小割れ
の発生は防止できることが判つた。 したがつて本願の第1発明は、重量%でC0.1%
未満、Si1%以下、Mn3%以下、Ni5〜16%、
Cr15〜30%、Mo3%以下、Al1.5%以下、Nb1.5
%以下の各成分を含有し、かつ熱間圧延を開始す
る段階でデルタフエライトを10%以上、40%未満
の範囲内で含有し、しかも製品段階でデルタフエ
ライト量が15%以下のデルタフエライト含有オー
ステナイト系ステンレス鋼において、S含有量が
0.0010重量%以下であり、前記各元素に対する残
部がFeおよび不可避的不純物からなることを特
徴とするものである。 また本願の第2発明は、第1発明と同様にC、
Si、Mn、Ni、Cr、Mo、Al、Nbを含有しかつ第
1発明と同様に熱間圧延開始段階でのデルタフエ
ライト量が10%以上、40%未満で、しかも製品段
階でのデルタフエライト量が15%以下のデルタフ
エライト含有オーステナイト系ステンレス鋼にお
いて、S含有量が0.0015重量%以下であり、しか
もS含有量の2倍以上、0.01重量%以下のCaと、
S含有量の4倍以上、0.08重量%以下のREM(希
土類元素)とのうち1種以上を含有し、前記各元
素に対する残部がFeおよび不可避的不純物から
なることを特徴とするものである。 以下この発明についてさらに詳細に説明する。 先ずこの発明の鋼の基本成分の限定理由は次の
通りである。 C:Cはステンレス鋼本来の耐食性を阻害し、冷
間での成型性を阻害するが、0.1%程度までは
Si、Crのバランスにより本来の特性を発揮さ
せ得る。Cが0.1%を越えれば、特性を維持す
るためのSi、Cr量が多くなりすぎ、製造工程
中のσ脆化等を招くため、0.1%未満に限定さ
れる。好ましくは0.08%以下である。 Si:Siはオーステナイトとデルタフエライトのバ
ランスを決定するのに有効な元素であるが、1
%を越えるとデルタフエライトのσ脆化を促進
し、かつフエライト量をコントロールするため
に必要なNi量が多大となり、素材のコストア
ツプを招くから、1%以下に限定される。 Mn:Mnはオーステナイト−デルタフエライト
のバランスを調整するために必要な元素である
が、3%を越えれば、製鋼上の問題、特に耐火
物の損傷が増えて製造コストの上昇の問題を招
くため、上限を3%とされる。 Ni:Niはオーステナイト系ステンレス鋼を構成
する主要成分であるが、5%未満ではステンレ
ス鋼本来の耐食性を維持できず、また16%を越
えるとオーステナイト−デルタフエライトバラ
ンスを保つためのCr、Si量が過大となつて経
済的に問題が生じ、かつ製造工程でのσ脆化を
生じやすくするため、5〜16%の範囲に限定さ
れる。 Cr:CrはNiとともにステンレス鋼を構成する主
要成分であるが、15%以下ではステンレス鋼本
来の耐食性が不足し、30%以上では製造工程で
のσ脆化が生じやすく、またオーステナイト−
デルタフエライトのバランスを保つためのNi
量やC、Mn量を増やす必要が生じ、経済的問
題及び特性上の問題が生ずるため、15〜30%の
範囲に限定される。 Mo:Moはステンレス鋼の耐食性を高めるため
に必要な元素であるが、同時にフエライト形成
力及びσ相の形成力が強く、そのため多大の添
加は必要Ni量の増加を招いて経済的でなく、
しかもσ脆化が起こりやすくなるため、上限は
3%とされる。 Al:Alは脱酸及び析出硬化性を付与するために
必須の元素であるが、同時にフエライト形成能
は各成分中最も強力であり、1.5%を越えると
必要Ni量が増加し、コスト高となる。また高
Alでのオーステナイト−デルタフエライトバ
ランスをCで行なうと本来の耐食性、機械的性
質が損なわれるため、上限は1.5%に限定され
る。 Nb:NbはCを固定し、耐食性を確保するのに必
要な元素であるが、過剰の添加はコスト高と窒
化物による介在物の増加を招くため、1.5%以
下に限定される。 またこの発明において対象とするデルタフエラ
イト含有オーステナイト系ステンレス鋼は、その
デルタフエライト量が熱間圧延開始段階で10%以
上、40%未満のものとするが、そのように限定し
た理由は次の通りである。すなわち、熱間圧延開
始時のデルタフエライト量が10%未満の場合に
は、熱間圧延工程において耳割れや表面微小割れ
が実質的に発生せず、したがつてこの発明の如く
S含有量を極端に低減させる必要がない。一方熱
間圧延開始時のデルタフエライト量が40%以上の
場合にも、フエライト量の増加に伴なつて熱間加
工性が向上するため、極端にS含有量を低減させ
る必要がなく、従来から知られている程度の低S
化で充分である。したがつて熱間圧延開始段階の
デルタフエライト量は10%以上、40%未満の範囲
内とした。 また製品段階でのデルタフエライト量が15%を
越える場合、前述の如く熱間圧延開始段階でのデ
ルタフエライト量が40%以上となるのが通常であ
り、したがつて極低S化の必要がなくなるから、
製品段階でのデルタフエライト量を15%以下と規
定した。 上述のように熱間圧延開始段階でのデルタフエ
ライト量が10〜40%の範囲内にあるオーステナイ
ト系ステンレス鋼においては、従来の一般的な鋼
中S含有量あるいは従来の熱間加工性向上のため
の常識的な低S化の程度では熱間加工性が極めて
劣り、S含有量を0.0010%以下とすることによつ
てはじめて熱間圧延時における耳割れや表面微小
割れの発生をほぼ完全に防止することができ、し
たがつてS含有量は0.0010%以下とした。ここで
S含有量は0.0010%以下のうちでも特に脱硫技術
の進歩により最近実用に供され始めた0.0008%以
下のレベルとすることが好ましく、この場合によ
り一層確実に熱間圧延での耳割れ等の発生を防止
することができる。 さらに第2発明の鋼においては、S含有量を低
減すると同時に、Ca、REMの1種以上を添加す
る。この場合の成分限定理由について説明する
と、CaはSを固定して無害化するのに有効な元
素であり、重量%でS含有量の2倍以上でその効
果を発揮する。一方Caの過剰な添加は、かえつ
て鋼帯の表面疵、微小割れの原因となるが、0.01
%までは支障ないから、S添加量の上限を0.01%
とする。REMもCaと同じ効果を有するが、その
効果は重量%でS含有量の4倍以上で発揮され
る。またREMの過剰添加は表面疵の原因となる
が、0.08%までは実質上影響なく、したがつて
REM添加量の上限を0.08%とする。ここで、Ca、
REMは通常はいずれか一方を単独添加すれば良
いが、場合によつては両者を複合添加しても良
い。 このようにSを固定するCaもしくはREMが添
加される場合には、Sの許容量上限は若干拡が
り、S0.0015%まではCaもしくはREMの存在と
相俟つて耳割れが完全に防止される。Sが0.0015
%を越える場合には、それに対応してCaをS含
有量の2倍以上あるいはREMをS含有量の4倍
以上添加しても、耳割れの発生を完全には防止で
きずに1mm程度の耳割れが発生するのみならず、
Ca、REM量が増加して鋼片製造に支障を来たす
ようになるから、CaもしくはREMを添加する場
合のS量の上限を0.0015%とした。但しCaもしく
はREMを添加する場合も、S量を0.0010%以下
とすることが望ましい。 以上のように、S含有量を0.001%以下という
極少量に抑制するか、またはS含有量を0.0015%
以下に抑制すると同時に微量のCaもしくはREM
を添加することによつて、熱間圧延開始段階での
デルタフエライト量が10〜40%のオーステナイト
系ステンレス鋼の熱間圧延工程における耳割れや
表面微小割れの発生を有効に防止することができ
る。すなわち、鋳込んだままのスラブ(例えば連
続鋳造スラブ)から、通常のスラブ加熱−熱間圧
延によつて全く耳割れや表面微小割れのない鋼帯
を得ることができ、圧延に際して鍛造やサイジン
グ等の予備処理や、熱間圧延温度の厳密な管理な
どの一切の操作が不要となる。 なおここで熱間圧延開始段階におけるデルタフ
エライト量(%δ)は、その熱間圧延開始温度と
成分組成(オーステナイト生成元素およびフエラ
イト生成元素の含有量)によつて定まり、例えば
代表的な熱間圧延開始温である1250℃では、次式
によつて求めることができる。 (%δ)=3.2Creq−2.5Nieq−24.7 ここで Creq=(%Cr)+1.5×(%Si)+2×(%Mo
)+0.5×(%Nb)+6×(%Al) Nieq=30×{(%C)+(%N)}+
(%Ni)+0.5×(%Mn) 以下にこの発明の実施例および比較例について
説明する。 製鋼時のスラブ塩基度とスラグ中のアルミナの
比を適当とすることにより、種々の低S鋼を溶製
した。具体的には、100ton電気炉において、スラ
グ塩基度を1.6とし、かつCaO/CaF2を3.0とし
た。溶鋼の温度を1650℃以上とし、上下吹転炉に
おいて強撹拌を行ない、Al添加(17−7PHの場
合)あるいはAl脱酸を行ない、溶鋼中の酸素を
0.008以下とした後、スラグ組成をCaO/SiO2:
Al2O3≒1:0.3とすることにより脱硫を行なつ
た。脱硫条件を調整することにより、以下に述べ
る実施例での低S鋼を溶製した。 第1表に示す成分組成の厚さ200mmの連続鋳造
スラブを、1250℃に加熱して、通常の熱間圧延ラ
インで粗圧延および仕上圧延を施して4mm厚の熱
延鋼帯とした。得られた熱延鋼帯について耳割れ
の発生状況および表面疵(表面微小割れ等)の発
生状況を調べた結果を第1表中に併せて示す。な
おいずれの鋼も熱間圧延開始段階(約1240℃)で
のデルタフエライト量が10〜40%の範囲内にあ
り、また製品段階でのデルタフエライトが15%以
下のものである。また耳割れの判定については、
熱延鋼帯に対するトリミングなしで冷間圧延工程
へ流し得るか否かを判断の基準として耳割れの皆
無のものを合格とし、さらにトリミングを要する
耳割れが発生したものについてはその耳割れ長さ
を調べた。一方表面疵の判定については、コイル
グラインダー工程の要・不要により合否を判定し
た。 第1表から明らかなように、この発明の範囲外
のオーステナイト系ステンレス鋼の場合には、耳
割れ、表面疵の少くとも一方または双方が発生し
ているのに対し、この発明のオーステナイト鋼の
場合にはいずれも耳割れおよび表面疵の発生が皆
無であつた。 以上のようにこの発明のオーステナイト系ステ
ンレス鋼は、従来は通常のスラブ加熱−熱間圧延
方法では耳割れや表面微小割れの発生が不可避と
されていた、熱間圧延開始段階でのデルタフエラ
イト量10〜40%のオーステナイト系ステンレス鋼
において、特別の加熱方法、圧延方法を適用する
ことなく、通常のスラブ加熱−圧延でも耳割れ、
表面微小割れの発生を完全に防止することができ
るものであり、したがつてこの発明のオーステナ
イト系ステンレス鋼は、その熱間圧延工程におけ
る歩留りを従来よりも格段に向上させることがで
きるとともに、耳割れ、表面微小割れ発生防止の
ための特殊な工程を採用したりあるいは発生した
割れの除去・修正のための作業を施すことも不要
となり、その結果大幅な製造コストの低減をもた
らすことができる。
【表】
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 重量パーセントでC0.1%未満、Si1%以下、
Mn3%以下、Ni5〜16%、Cr15〜30%、Mo3%以
下、Al1.5%以下、Nb1.5%以下の成分を含有し、
かつ熱間圧延を開始する段階でデルタフエライト
を10%以上、40%未満の範囲で含有し、しかも製
品でデルタフエライト量が15%以下のオーステナ
イト系ステンレス鋼において、S含有量が0.0010
%以下であり、前記各元素に対する残部がFeお
よび不可避的不純物からなることを特徴とする熱
間加工性に優れたオーステナイト系ステンレス
鋼。 2 重量パーセントでC0.1%未満、Si1%以下、
Mn3%以下、Ni5〜16%、Cr15〜30%、Mo3%以
下、Al1.5%以下、Nb1.5%以下の成分を含有し、
かつ熱間圧延を開始する段階でデルタフエライト
を10%以上、40%未満の範囲で含有し、しかも製
品でデルタフエライト量が15%以下のオーステナ
イト系ステンレス鋼において、S含有量が0.0015
%以下であり、かつS含有量の2倍以上、0.01%
以下のCaと、S含有量の4倍以上、0.08%以下の
REMとのうち少なくとも1種を含有し、前記各
元素に対する残部がFeおよび不可避的不純物か
らなることを特徴とする熱間加工性に優れたオー
ステナイト系ステンレス鋼。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14819584A JPS6126759A (ja) | 1984-07-17 | 1984-07-17 | 熱間加工性に優れたオ−ステナイト系ステンレス鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14819584A JPS6126759A (ja) | 1984-07-17 | 1984-07-17 | 熱間加工性に優れたオ−ステナイト系ステンレス鋼 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6126759A JPS6126759A (ja) | 1986-02-06 |
| JPH0333777B2 true JPH0333777B2 (ja) | 1991-05-20 |
Family
ID=15447380
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP14819584A Granted JPS6126759A (ja) | 1984-07-17 | 1984-07-17 | 熱間加工性に優れたオ−ステナイト系ステンレス鋼 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6126759A (ja) |
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|---|---|---|---|---|
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| KR100381523B1 (ko) * | 1998-12-29 | 2003-07-23 | 주식회사 포스코 | 표면품질이우수한고니켈당량오스테나이트계스테인레스합금의제조방법 |
| KR20090066000A (ko) * | 2007-12-18 | 2009-06-23 | 주식회사 포스코 | 고진공, 고순도 가스 배관용 오스테나이트계 스테인리스강 |
| DE202009017682U1 (de) | 2009-12-29 | 2011-05-12 | Wvt Breiding Gmbh | Austenitische Stahllegierung und Verschleißschutz für Kesselrohre |
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Family Cites Families (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| JPS5424364B2 (ja) * | 1973-05-04 | 1979-08-21 | ||
| JPS5456018A (en) * | 1977-10-12 | 1979-05-04 | Sumitomo Metal Ind Ltd | Austenitic steel with superior oxidation resistance for high temperature use |
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| JPS5915979B2 (ja) * | 1980-07-03 | 1984-04-12 | 新日本製鐵株式会社 | 熱間圧延において圧延による疵発生の少ないステンレス合金 |
| JPS58141891A (ja) * | 1982-02-19 | 1983-08-23 | Kawasaki Steel Corp | 肉盛溶接電極用オ−ステナイト鋼 |
-
1984
- 1984-07-17 JP JP14819584A patent/JPS6126759A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6126759A (ja) | 1986-02-06 |
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