JPH0339733B2 - - Google Patents

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JPH0339733B2
JPH0339733B2 JP59274496A JP27449684A JPH0339733B2 JP H0339733 B2 JPH0339733 B2 JP H0339733B2 JP 59274496 A JP59274496 A JP 59274496A JP 27449684 A JP27449684 A JP 27449684A JP H0339733 B2 JPH0339733 B2 JP H0339733B2
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water
emulsion
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Shigeo Okonogi
Isao Kyozawa
Tsutomu Kudo
Mizuo Tsuda
Seiichi Takebe
Yoshihiro Imahori
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Original Assignee
Morinaga Milk Industry Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、低ずり速度において高粘性を示し、
高ずり速度において低粘性を示す非ニユートン粘
性を有するにもかかわらず、せん断による構造粘
性の破壊の回復が早く、また水に対する分散性の
非常に良いペースト状の水中油型乳化物に関し、
具体的には、高速度の撹拌によつて液状を呈する
が、静置するとペースト状を呈し、液状とペース
ト状の物性の転換が非常に速く、水に対してよく
分散し、かつ安定であるという特性を有する水中
油型乳化物に関する。 〔技術の背景および従来技術の説明〕 これまでに、高粘性またはペースト状の水中油
型乳化物は、脂肪含有量を増加し、または水相部
に増粘剤を加えることによつて製造されていた。
これらの高粘性またはペースト状の水中油型乳化
物は、水に対する分散性が良好でなく、またこれ
らを使用した時に、凝塊物が発生したり、脂肪滴
が発生するなどの好ましくない現象の起りやすい
ものであつた。さらにこれまでに知られている高
粘性でペースト状の水中油型乳化物は、その高い
油脂含量によつて、低ずり速度および高ずり速度
における粘度の差の小さいものであり、また高ず
り速度において低粘性を示すものは、チキソトロ
ピツクな性質を示し、せん断による構造粘性の破
壊の回復が遅く、その回復に時間を要するもので
あつた。このような乳化物を食品の表面に塗布す
る場合、高ずり速度において低粘性を示すもの
は、粘度の回復に時間を要し、またダレの発生な
どの好ましくない現象が起りやすい。 すなわち、これまでに知られている高粘性また
はペースト状の水中油型乳化物は、水に対する分
散性が良好でなく、低いずり速度において高粘性
を示さず、構造粘性の回復に長時間を要し、展延
性(高ずり速度において低粘性)がなく、またダ
レの生じやすい不安定なものであつた。 また、従来の乳化物は脂肪濃度を高くすると、
増粘し、固化するという性質を有している。例え
ば、特開昭51−106750号公報には、油脂28〜60重
量%と牛乳、脱脂乳等の乳固形を含む水溶液72〜
40重量%及び乳化剤とからなる起気泡性組成物が
記載されているが、該公報に記載されている乳化
物はホイツプ用のクリーム状乳化物であつて、こ
のような通常の乳化物は、撹拌によつて、即ち、
ずり速度を与えることによつて、高粘性を生じ、
更に撹拌を強めると、即ち、高ずり速度を与える
と、乳化物が不安定になり、増粘して、更には凝
集体を生じて分離又は固化し、もとの安定な乳化
物に戻ることがない。 本発明者等は、従来品における上記のような問
題点を解決すべく、多くの研究を重ねたが、この
研究において乳化剤、脂質および蛋白質の量を調
整し、特に、蛋白質の濃度を従来よりも高め、脂
質粒の粒径を調整すると、安定であり、水に対す
る分散性が良好で、かつ構造粘性の回復時間の短
かい水中油型乳化物が得られることを見出し、こ
の知見に基づいて本発明に到達した。 〔発明の目的および発明の要約〕 本発明の目的は、25〜55%(重量)の脂質を含
有し、水に対する分散性が良く、またペースト状
の非ニユートン粘性を示す水中油型乳化物を提供
することにある。 本発明のもう1つの目的は、低ずり速度におい
て高粘性を示すとともに高ずり速度において低粘
性を示し、極めて薄く塗布することができ、しか
もダレのない、すなわち構造粘性の回復が速い水
中油型乳化物を提供することにある。 本発明は、脂質の0.4〜5%(重量)のレシチ
ンを含有し、最終製品の25〜55%(重量)の脂質
からなる油相、および水相の5〜11%(重量)の
蛋白質を含有し、最終製品の75〜45%(重量)の
水からなる水相よりなる水中油型乳化物であつ
て、乳化物中の脂質粒の平均粒径が1μ以下であ
り、15℃の温度およびずり速度8.2-1sにおいて測
定した粘度が少なくとも2000cpであり、そして
構造粘性の回復率が少なくとも95%であることを
特徴とする水に対して容易に分散しうるペースト
状の水中油型乳化物である。 油相における脂質は、10℃における固体脂比率
が40%(重量)以下のものであるのが好ましく、
最終製品中に30〜50%(重量)の油相を含むこと
が好ましく、また水相に含まれる蛋白質が、カゼ
イン、カゼインのアルカリ塩、バターミルク、バ
ターミルク濃縮物、粉末バターミルク、これらの
酵素分解物およびこれらの混合物からなる群から
選択されたものであるのが好ましい。 本発明は、最終製品の25〜55%(重量)の10℃
における固体脂比率が40%(重量)以下の脂質
に、0.4〜5%(重量)のレシチンを加え、溶融
して、油相成分を調製すること、最終製品の75〜
45%(重量)の水に、5〜11%(重量)の蛋白質
を溶解して、水相成分を調製すること、この水相
成分に油相成分を混合すること、および得られた
混合物を予備乳化し、次いで高圧において均質乳
化して、乳化物中の脂質粒の平均粒径を1μ以下
に調整することを特徴とする水に容易に分散しう
るペースト状の水中油型乳化物の製造法である。 油相成分の量が、最終製品の30〜50%(重量)
であることが好ましい。 〔発明の具体的な説明〕 本明細書における脂質粒の平均粒径は、遠心式
粒度分布測定装置〔堀場製作所製(CAPA−500
型)〕を使用し、遠心速度3000rpmおよび粒子間
隔0.5μの条件において、乳化物中の粒径0.5μから
8μの範囲の脂質粒の粒度分布を測定し、累積粒
度分布が50%に達したときの粒径である。 本明細書における非ニユートン粘性値は、15℃
の温度において、ずり速度8.2-1sにおける粘度お
よびずり速度1640-1sにおける粘度を測定し、次
式によつて計算した数値である。 非ニユートン粘性値= ずり速度1640-1sにおける粘度/ずり速度8.2-1sにお
ける粘度 本明細書における構造粘性の回復率は、
Ferranti型の粘度計において、3分間でずり速度
を0から1640-1sまで直線に上昇させ、その後直
ちに3分間でずり速度を1640-1sから0まで下降
させる条件の下で、ずり速度の上昇時および下降
時のずり速度820-1sにおける粘度を測定し、その
測定値から次式によつて計算される数値である。 構造粘性の回復率(%)= 上昇時のずり速度820-1sにおける粘度/下降時のずり
速度820-1sにおける粘度×100 本発明の水中油型乳化物は、以下に述べる方法
によつてつくられる。 最終製品の25〜55%(重量)に相当する量の脂
質に、脂質に対して0.4〜5%(重量)に相当す
る量のレシチンを加え、、得られた混合物を撹拌
しながら加温して溶解し、70〜80℃の温度に保持
して、油相成分を調製する。 これとは別に最終製品の75〜45%(重量)に相
当する量の水に、水相に対して5〜11%(重量)
に相当する量の蛋白質を加え、得られた混合物を
撹拌しながら加温して溶解し、70〜80℃の温度に
保持して、水相成分を調製する。 水相成分の調製において、蛋白質を溶解する時
に、少量のリン酸塩を加えることができる。この
リン酸塩は、食品の加工に使用されるものであれ
ば、いかなるものであつても、これを使用するこ
とができる。 この水相成分に、上記の油相成分を混合し、得
られた混合物を常法(たとえば、スーパーミキサ
ーによる激しい撹拌)によつて予備乳化し、必要
に応じて殺菌した後、予備乳化液を70〜80℃の温
度に保持し、高圧均質機を使用して、高圧(たと
えば、400〜900Kg/cm2)において均質乳化して、
脂質粒の平均粒径を1μ以下に調整し、得られた
乳化物を10℃に急冷して、水中油型乳化物を得
る。 油相成分の調製において使用する脂質は、10℃
における固体脂比率が40%(重量)以下であれ
ば、いかなるものであつても、これを使用するこ
とができる。たとえば、通常の食用動植物油脂、
それらの混合油脂、ワセリン、流動パラフインま
たはそれらの混合物なども使用することができ
る。 脂質の固体脂比率は、核磁気共鳴スペクトル分
析法〔B.L.Madison&R.C.Hill;Journal of the
American Oil Chemist′s Society、55巻、3号、
第328頁(1978年)〕によつて測定することができ
る。 油相成分の調製において使用するレシチンは、
市販のいかなるものであつても、これを使用する
ことができる。 水相成分の調製において使用する蛋白質は、レ
ンネツト・カゼインまたは酸カゼイン等のカゼイ
ン、カゼイン・ナトリウム等のカゼインアルカリ
塩、バターミルク、バターミルク濃縮物、粉末バ
ターミルク、これらの酵素分解物、またはこれら
の混合物を使用するのが好ましい。 前記のようにして調製された本発明の水中油型
乳化物は、15℃の温度において、Ferranti型粘度
計を使用して粘度を測定すると、ずり速度8.2-1s
における粘度が2000cp以上であり、非ニユート
ン粘性値が0.05以下であり、さらに構造粘性の回
復率が95%であるという特性を有し、また本発明
の水中油型乳化物を高速度で撹拌すると、液状な
いしペースト状を呈するが、これを静置すると、
半固形ないし固形を呈するという極めて特異的な
特性を有している。 また本発明の水中油型乳化物は、高速の撹拌を
行なつても、水相の分離または転相などのトラブ
ルを起すことがなく、極めて安定であり、さらに
水に対して非常によく分散しうるものである。 本発明の水中油型乳化物は、原料の脂質として
食用油脂を使用した場合に、合成クリームとして
使用することができ、これを調理に使用する場
合、本発明の水中油型乳化物の合成クリームを高
速撹拌するかまたは容器ごと振とうして合成クリ
ームを液状とし、そして液状の合成クリームを容
器から流し出すこともできる。 本発明の水中油型乳化物は、良好な塗布性を有
し、また構造粘性の回復率が大きいので、容器ご
と振とうまたは撹拌して液状としたものを容器か
ら取り出し、これを直ちに塗布することができ
る。このために、化粧品または医薬品の基剤とし
て利用することができる。 以下において、試験例を示して本発明をさらに
詳細に説明する。 試験例 1 水中油型乳化物の油脂含量と水中油型乳化物の
特性の関係を示す。 (1) 試料の調製 10℃における固体脂比率が0%(10℃におけ
る核磁気共鳴スペクトル法で測定した数値)の
市販のナタネ油を使用し、合成クリームの油脂
含量を5〜60%(重量)としたこと以外は実施
例1と同様にして、水中油型の合成クリームを
調製し、これを試料とした。 (2) 試験方法 脂肪球の粒度分布および分散性の測定 試料を蒸留水により500〜2000倍に希釈し、
遠心式自動粒度分布分析機(堀場製作所製)
を使用して、脂肪球の粒度分布を測定した。 分散性の判定は、大きな脂肪球(凝集脂肪
球)の粒度分布が全体の20%以上に達したも
のを分散不良とし、これが15〜20%のものを
やや不良とし、それ以下のものを良とした。 粘度特性の測定 試料の温度を15℃に調整し、Ferranti型粘
度計を使用して、ずり速度8.2-1sおよび
1640-1sにおいて粘度を測定した。 試料の非ニユートン粘性の程度は、ずり速
度8.2-1sにおける粘度とずり速度1640-1sにお
ける粘度の比から非ニユートン粘性値を次式
によつて計算した。 非ニユートン粘性値= ずり速度1640-1sにおける粘度/ずり速度8.2-1sにお
ける粘度 またずり速度を0から1640-1sに直線的に
3分間で上昇させ、その後直ちに3分間で0
まで下降させる条件において、ずり速度の上
昇時の820-1sにおける粘度と下降時の820-1s
における粘度の比から構造粘性の回復率を次
式によつて計算した。 構造粘性の回復率(%)= 下降時のずり速度820-1sにおける粘度/上昇時のずり
速度820-1sにおける粘度× 100 (3) 試験結果 結果は第1表に示すとおりであつた。
【表】 試料がペースト状であり、良好な展延性を示
すには、高いずり速度における粘度が低いこと
を必要とするが、そのために必要な非ニユート
ン粘性値は0.05以下であつた。またダレのない
試料は、構造粘性の回復率が95%以上で、ずり
速度8.2-1sにおける粘度が2000cp以上のもので
あつた。 試料の油脂含量が25%(重量)よりも低い
と、非ニユートン粘性値が0.05を超えて急激に
増加し、ずり速度8.2-1sにおける粘度が2000cp
よりも低くなり、ペースト状の物性を示さな
い。また試料の油脂含量が55%(重量)を超え
ると、水に対する分散性が不良になる。 油脂含量が25〜55%(重量)の試料は、ずり
速度8.2-1sにおける粘度が2000cp以上でペース
ト状を示し、ずり速度1640-1sにおける粘度が
低く、非ニユートン粘性値も0.05以下で良好な
展延性を示し、また構造粘性の回復率も95%以
上で、さらに良好な分散性を示すという所望の
特性を有する。 試験例 2 水中油型乳化物のレシチン含量と水中油型乳化
物の特性の関係を示す。 (1) 試料の調製 レシチン含量を油相に対して0.1〜5.4%(重
量)にしたことおよび蛋白質の量を水相に対し
て8%(重量)にしたこと以外は実施例1と同
様にして、水中油型の合成クリームを調製し、
これを試料とした。 (2) 試験方法 脂肪球の粒度分布および分散性の測定、お
よび粘度特性の測定は、試験例と同様にして
行なつた。 (3) 試験結果 結果は第2表に示すとおりであつた。
【表】 油脂に対するレシチン含量が0.2%(重量)
以下の試料は、水に対する分散性が不良であ
り、また脂肪球の平均粒径も1μを超えている。
また油脂に対するレシチン含量が5.4%(重量)
の試料は、同様に水に対する分散性が不良であ
り、特に構造粘性の回復率も低い。 油脂に対するレシチン含量が0.4〜5%(重
量)の試料は、ずり速度8.2-1sにおける粘度が
2000以上でペースト状を示し、ずり速度
1640-1sにおける粘度が低く、非ニユートン粘
性値が0.05以下で良好な展延性を示し、また構
造粘性の回復率も高く、さらに良好な分散性を
有するという所望の特性を有する。 油脂の種類、試料の油脂含量および蛋白質含
量を変更して同様の試験を行なつたが、いずれ
の場合も同様な結果が得られた。 試験例 3 水中油型乳化物の蛋白質含量と水中油型乳化物
の特性の関係を示す。 (1) 試料の調製 水相に対する蛋白質含量を2〜13%(重量)
に変化させたことおよびレシチンを油相に対し
て3%(重量)加えたこと以外は実施例1と同
様にして、水中油型の合成クリームを調製し、
これを試料とした。 蛋白質は、カゼイン・ナトリウム(ニユージ
ーランド産)を使用した。 (2) 試験方法 脂肪球の粒度分布および分散性の測定、お
よび粘度特性の測定は、試験例1と同様にし
て行なつた。 (3) 試験結果 結果は第3表に示すとおりであつた。
【表】 水相における蛋白質含量が2%(重量)の試
料は、脂肪球の平均粒径が1μを超えており、
その蛋白質含量が3%(重量)および4%(重
量)の試料は、ずり速度8.2-1sにおける粘度が
2000cp以下でペースト状を示さず、非ニユー
トン粘性値も0.05以上である。また水相におけ
る蛋白質含量が12%(重量)以上の試料は、分
散性が不良であつて、いずれも所望の特性を示
さない。 水相における蛋白質含量が5〜11%(重量)
の試料は、ずり速度8.2-1sにおける粘度が
2000cp以上であつてペースト状を示し、ずり
速度1640-1sにおける粘度も低く、非ニユート
ン粘性値が0.05以下であつて展延性に富み、ま
た構造粘性の回復率も95%以上であり、さらに
水に対して良好な分散性を有するという所望の
特性を有する。 油脂の種類および試料の油脂含量等を変更し
て同様の試験を行なつたが、いずれの場合も同
様な結果が得られた。 試験例 4 水中油型乳化物の油脂の固体脂比率と水中油型
乳化物の特性の関係を示す。 (1) 試料の調製 0%および70%の固体脂比率(10℃における
核磁気共鳴スペクトル法で測定した数値)の市
販のナタネ油およびヤシ油を混合して、固体脂
比率が0〜70%の油脂を調製した。これらの油
脂を使用し、油脂含量を30%(重量)としたこ
と以外は実施例1と同様にして、水中油型の合
成クリームを調製し、これを試料とした。 (2) 試験方法 脂肪球の粒度分布および分散性の測定、お
よび粘度特性の測定は、試験例1と同様にし
て行なつた。 (3) 試験結果 結果は第4表に示すとおりであつた。
【表】 油脂の固体脂比率が52.5%および70%の試料
は、構造粘性の回復率が低く、分散性も不良で
あつて、いずれも所望の特性を示さない。 油脂の固体脂比率が40%以下の試料は、非ニ
ユートン粘性値が0.05以下であり、構造粘性の
回復率が95%以上であり、また分散性が良好で
あるという所望の特性を有する。 油脂の種類および試料の油脂含量を変更して
同様の試験を行なつたが、いずれの場合も同様
な結果が得られた。 試験例 5 水中油型乳化物の脂肪球の平均粒径と水中油型
乳化物の特性の関係を示す。 (1) 試料の調製 均質圧を200〜900Kg/cm2に変更して、水中油
型乳化物の脂肪球の平均粒径を0.79〜1.67に調
整したこと、レシチンを油相に対して3%(重
量)の量において添加したこと、およびカゼイ
ン・ナトリウムを水相に対して9%(重量)の
量において添加したこと以外は実施例1と同様
にして、水中油型の合成クリームを調製し、こ
れを試料とした。 (2) 試験方法 脂肪球の粒度分布および分散性の測定、お
よび粘度特性の測定は、試験例1と同様にし
て行なつた。 (3) 試験結果 結果は第5表に示すとおりであつた。
【表】 脂肪球の平均粒径が1μを超える試料は、ず
り速度8.2-1sにおける粘度が2000cp以下でペー
スト状を示さず、また非ニユートン粘性値が
0.05以上であつて、いずれも所望の特性を示さ
ない。 脂肪球の平均粒径が1μ以下の試料は、ずり
速度8.2-1sにおける粘度が2000cp以上でペース
ト状を示し、ずり速度1640-1sにおける粘度も
低く、非ニユートン粘性値も0.05以下であつて
展延性に富み、また構造粘性の回復率も95%以
上であり、さらに水に対して良好な分散性を示
すという所望の特性を示す。 油脂の種類、試料の油脂含量および乳化剤の
含量を変更して、同様の試験を行なつたが、い
ずれの場合も同様な結果が得られた。 試験例 6 特開昭51−106750号公報の実施例1と同じ配合
組成、工程で乳化物を製造し、得られた乳化剤
を、前記試験例1(2)試験方法「粘度特性の測
定」の方法によつて測定した。その結果、 ずり速度8.2-1secで150cp(温度15℃) ずり速度1640-1secで1290cp(温度15℃) であり、高ずり速度で粘度測定後に、乳化物は増
粘傾向を示した。即ち、本試験例によつて得られ
る乳化物は、本発明の目的である「低ずり速度で
高粘度、高ずり速度で低粘度の乳化物」とはなら
ず、逆の物性を有するものであつた。また、本試
験例によつて得られた乳化物の平均粒径を、前記
の本発明におけるのと同じ方法によつて測定した
ところ、1.82μであつた。さらに、該乳化物を前
記公報実施例1に記載の方法でホイツプしたとこ
ろ、良好な起泡状態が得られた。 試験例 7 後述する本発明の実施例1で製造した合成クリ
ームを、前記公報実施例1記載の方法で起泡操作
を行なつた。起泡操作後放置したところ、極めて
短時間のうちに起泡は離脱し、すべて操作前の安
定な合成クリームに戻つた。即ち、本発明によつ
て得られる乳化物は、前記公報記載の発明が目的
としている物性である「起泡性」を有していない
ものである。 試験例 8 前記公報の実施例1に記載されたと同じ配合組
成の原料を、後述する本発明の実施例1に記載さ
れた条件、即ち、油相部と水相部を混合した後、
T.K.ホモミキサーにより80℃において10分間激
しく撹拌して予備乳化し、次いで85℃において15
分間加熱殺菌し、予備乳化加熱殺菌したものを高
圧均質機を用いて80℃の温度、及び900Kg/cm2
圧力で均質化し、得られた乳化物を10℃急冷して
水中油型の合成クリームを得た。得られた乳化物
は固化状態を示し、流動性の全くない、不安定な
クリームであつた。本試験例から、乳化物製造条
件の一部、即ち、乳化操作の一部を同じにして
も、他の部分、即ち、原料の配合組成を異にすれ
ば、得られる乳化物の物性が全く異なつてしま
い、本発明の目的を達成することができないこと
がわかる。 以下において、本発明の実施の一例を示すが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。 実施例 1 最終製品の油脂含量が50%(重量)の合成クリ
ームが製造された。 市販の精製ナタネ油(太陽油脂社製品、10℃に
おける固体脂比率:0%)49Kgに、レシチン(味
の素社製品)1Kg〔油相成分に対し約2%(重
量)に相当する〕を加え、混合物を撹拌しながら
80℃に加温して溶解し、その温度に保持して油相
成分を調製した。 これとは別に、水44.7Kgに、カゼイン・ナトリ
ウム(ニユージーランド産)5Kg〔水相成分に対
して約10%(重量)に相当する〕およびヘキサメ
タリン酸ナトリウム0.3Kg〔水相成分に対して約
0.6%(重量)に相当する〕を加え、得られた混
合物を撹拌しながら80℃に加温して溶解し、その
温度に保持して水相成分を調製した。 この水相成分に前記の油相成分を加え、得られ
た混合物をT.K.ホモミキサーにより80℃におい
て10分間激しく撹拌して予備乳化し、次いで85℃
において15分間加熱殺菌し、乳化物を、高圧均質
機を用いて、80℃の温度および900Kg/cm2の圧力
で均質化し、乳化物を10℃に急冷して、水中油型
の合成クリーム97Kgを得た。 この合成クリームについて、脂肪球の粒度分
布および分散性の測定、および粘度特性の測定
を試験例1と同様にして行なつた。その結果は、
脂肪球の平均粒径が0.83μであり、15℃の温度お
よびずり速度8.2-1sにおける粘度が18950cpでペ
ースト状を呈し、非ニユートン粘性値が0.033で
展延性に富み、構造粘性の回復率が99%であり、
また非常に安定で、水に対する分散性も良好であ
つた。 実施例 2 最終製品の油脂含量が30%(重量)の合成クリ
ームが製造された。 ナタネ微水添油(太陽油脂社製品、10℃におけ
る固体脂比率:10%)29.4Kgに、レシチン(味の
素社製品)0.6Kgを加え、得られた混合物を撹拌
しながら80℃に加温して溶解し、その温度に保持
して油相成分を調製した。 これとは別に、水62.58Kgに、カゼイン・ナト
リウム(ニユージーランド産)7Kgおよびヘキサ
メタリン酸ナトリウム0.42Kgを加え、得られた混
合物を撹拌しながら80℃に加温して溶解し、その
温度に保持して水相成分を調製した。 この水相成分に前記の油相成分を加え、実施例
1と同様にして、合成クリーム97Kgを得た。 この合成クリームについて、脂肪球の粒度分
布および分散性の測定、および粘度特性の測定
を試験例1と同様にして行なつた。その結果は、
脂肪球の平均粒径が0.72μであり、15℃の温度お
よびずり速度8.2-1sにおける粘度が3620cpで良好
なペースト状を呈し、非ニユートン粘性値が
0.027で塗布性に富み、また良好な展延性を示し、
構造粘性の回復率が98%であり、さらに物の表面
にこの乳化物を塗布したときに、ダレの発生が全
く見られないものであつた。またこの水中油型の
合成クリームは、ペースト状でありながら、水に
対する分散性は良好であつた。 実施例 3 最終製品の脂質含量が50%(重量)の薬用素材
が製造された。 流動パラフイン(関東化学社製品)49Kgに、レ
シチン(味の素社製品)1Kgを加え、得られた混
合物を撹拌しながら80℃に加温して溶解し、その
温度に保持して脂質相成分を調製した。 これとは別に、水44.7Kgに、カゼイン・ナトリ
ウム(ニユージランド産)5Kgおよびヘキサメタ
リン酸ナトリウム0.3Kgを加え、得られた混合物
を撹拌しながら80℃に加温して溶解し、その温度
に保持して水相成分を調製した。 この水相成分に前記の脂質相成分を加え、実施
例1と同様にして、薬用素材97Kgを得た。 この薬用素材について、脂肪球の粒度分布お
よび分散性の測定、および粘度特性の測定を試
験例1と同様にして行なつた。その結果は、脂肪
球の平均粒径が0.78μであり、15℃の温度および
ずり速度8.2-1sにおける粘度が14500cpで良好な
ペースト状を呈し、非ニユートン粘性値が0.038
で塗布性に富み、また良好な展延性を示し、さら
に構造粘性の回復率が99%であつた。 〔発明の効果〕 撹拌したときに液状を呈するが、静置する
と、直ちにペースト状に戻る新規な特性を有す
る水中油型乳化物が得られる。 増粘剤を使用することなく、ペースト状の安
定な水中油型乳化物が得られる。 展延性および塗布性の良好な水中油型乳化物
が得られる。 水に対する分散性の良好な水中油型乳化物が
得られる。 物に塗布したときに、ダレの発生のみられな
い水中油型乳化物が得られる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 脂質の0.4〜5%(重量)のレシチンを含有
    し、最終製品の25〜55%(重量)の脂質からなる
    油相、および水相の5〜11%(重量)の蛋白質を
    含有し、最終製品の75〜45%(重量)の水からな
    る水相よりなる水中油型乳化物であつて、乳化物
    中の脂質粒の平均粒径が1μ以下であり、15℃の
    温度およびずり速度8.2-1sにおいて測定した粘度
    が少なくとも2000cpであり、非ニユートン粘性
    値が0.05以下であり、そして構造粘性の回復率が
    少なくとも95%であり、水に対して容易に分散し
    うるペースト状の、低ずり速度において高粘性を
    示し、高ずり速度において低粘性を示すことを特
    徴とする食品塗布用水中油型乳化物。 2 油相の脂質の固体脂比率が、10℃において40
    %(重量)以下であることを特徴とする特許請求
    の範囲第1項に記載の食品塗布用水中油型乳化
    物。 3 最終製品中に30〜50%(重量)の油相を含む
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項または第
    2項に記載の食品塗布用水中油型乳化物。 4 水相に含まれる蛋白質が、カゼイン、カゼイ
    ンのアルカリ塩、バターミルク、バターミルク濃
    縮物、粉末バターミルク、これらの酵素分解物お
    よびこれらの混合物からなる群から選択されたも
    のであることを特徴とする特許請求の範囲第1項
    ないし第3項のいずれかに記載の食品塗布用水中
    油型乳化物。 5 最終製品の25〜55%(重量)の10℃における
    固体脂比率が40%(重量)以下の脂質に、0.4〜
    5%(重量)のレシチンを加え、溶融して、油相
    成分を調整すること、最終製品の75〜45%(重
    量)の水に、5〜11%(重量)の蛋白質を溶解し
    て、水相成分を調整すること、この水相成分に前
    記油相成分を混合すること、および得られた混合
    物を予備乳化し、次いで高圧において均質乳化し
    て、乳化物中の脂質粒の平均粒径を1μ以下に調
    整することを特徴とする水に対て容易に分散しう
    るペースト状の、低ずり速度において高粘性を示
    し高ずり速度において低粘性を示す食品塗布用水
    中油型乳化物の製造法。 6 油相成分の量が、最終製品の30〜50%(重
    量)であることを特徴とする特許請求の範囲第5
    項に記載の食品塗布用水中油型乳化物の製造法。 7 水相成分の蛋白質が、カゼイン、カゼインの
    アルカリ塩、バターミルク、バターミルク濃縮
    物、粉末バターミルク、これらの酵素分解物およ
    びこれらの混合物からなる群から選択されたもの
    であることを特徴とする特許請求の範囲第5項ま
    たは第6項に記載の食品塗布用水中油型乳化物の
    製造法。
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