JPH034837Y2 - - Google Patents

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JPH034837Y2
JPH034837Y2 JP3112585U JP3112585U JPH034837Y2 JP H034837 Y2 JPH034837 Y2 JP H034837Y2 JP 3112585 U JP3112585 U JP 3112585U JP 3112585 U JP3112585 U JP 3112585U JP H034837 Y2 JPH034837 Y2 JP H034837Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本考案は、車両の動力伝達径路等に用いられる
複隙式のパウダクラツチの改良に関する。
【従来の技術】 トルク伝達の媒体としてパウダ(磁性鉄粉)を
用いたパウダクラツチは、その伝達トルクが励磁
電流に略比例するため精密なトルク制御を簡単に
行うことができること、又、その伝達トルク特性
がスリツプ速度にほとんど影響されないこと、等
の優れた性質を有するため、自動車等に用いられ
るクラツチとして広く知られている。 従来、こうしたパウダクラツチの特性を改良し
たものとしては、例えば特公昭37−8853がある。
これは単隙式のパウダクラツチにおいて、そのパ
ウダギヤツプを、軸方向の中央部が両端部に比し
て狭くなるように傾斜した形状に形成することに
より、諸性能の向上を図ろうとしたものである。 この技術の原理は次のようなものである。 即ち、磁路形状により多少異なるが、第7図A
に示されるように、磁束密度はパウダギヤツプ両
端部A,Bで密、中央部Cで疎となる傾向があ
る。従つて、パウダがギヤツプ外に漏れ出してい
た場合、ギヤツプの両端部A,Bにパウダが集中
し、いわゆるパウダ障壁ができる。これができる
と、外部のパウダが内部に入り込むのが阻止さ
れ、パウダギヤツプ全体としてのパウダ密度が疎
となり、動力伝達性能が低下するばかりでなく、
この両端部分のみによつて多くの動力伝達を行う
ようになるためスリツプ状態で発熱して焼きつ
き、パウダ劣化の原因となる。 しかしながら、第7図Bに示されるように、パ
ウダギヤツプをその軸方向の中央部Cが両端部
A,Bに比して狭くなるように傾斜した状態に形
成すると、中央部Cの磁束密度が高くなり、パウ
ダは該中央部Cに引き寄せられ、前述のようなパ
ウダ障壁が形成されず、速かにギヤツプ中に入つ
ていくことができるものである。
【考案が解決しようとする問題点】
しかしながら、この技術は、従来ほとんど普及
することなく埋もれてしまつているというのが実
情であつた。それは次の理由による。即ち、一般
的にパウダギヤツプの寸法は、0.4〜1.2mm程度で
あり、最も多く使われているいるのが0.8mmであ
る。又、パウダが遠心力により外周摩擦面に張付
くことによつてできるエアギヤツプ(第8図A参
照)は一般に0.03〜0.15mm程度である。その結
果、このようなレベルのギヤツプ寸法において、
磁束分布が中央寄りにできるほどに、例えば0.6
〜1.0mm程度傾斜を付けようとした場合、同図B
に示されるように、中央部Cにおいて常にパウダ
をひきずつている状態となり、ひきずりトルクが
増大してしまうという問題が発生するのである。
【考案の目的】
本考案は上記従来の問題に鑑みてなされたもの
であつて、上記傾斜技術を複隙式のパウダクラツ
チに最適な構成で採用し、パウダクラツチ全体の
切れ性能の向上(ひきずりトルクの低減)、制御
応答性の向上、あるいは伝達力の安定性の向上を
図ることができ、更には、パウダの飛散、パウダ
の片焼けによる寿命低下を防止することのできる
複隙式パウダクラツチを提供することを目的とす
る。
【問題点を解決する手段】
本考案は、駆動側部材と従動側部との間に、パ
ウダの挿入された2つのパウダギヤツプを、同軸
に且つ該パウダを介した磁路を形成可能に設ける
と共に、両パウダギヤツプを、その軸方向の中央
部が両端部に比して狭くなるように傾斜した形状
に形成し、且つ、該2つのパウダギヤツプの傾斜
角を、駆動側部材が内周側に位置するパウダギヤ
ツプの方が、従動側部材が内周側に位置するパウ
ダギヤツプよりも大きな角度となるように設定し
たことによつて、上記目的を達成したものであ
る。 又、本考案の実施態様は、前記2つのパウダギ
ヤツプにおいて生じるエアギヤツプが0.1〜0.15
mmであつた場合に、前記大きな角度に設定された
方の傾斜角を、中央からのパウダギヤツプの軸方
向実質距離をLとしてtan-1(0.3/2L)以下に設
定することとして、種々の特性向上とひきずりト
ルクの低減との良好な両立を図るようにしたもの
である。 又、本考案の他の実施態様は前記2つのパウダ
ギヤツプを挟んだ対向面に、該対向面上の円周方
向に溝部を形成することとして、クラツチ全体の
特性を一層向上させるようにしたものである。
【作用】
本考案においては、パウダギヤツプを2個備え
た複隙式のパウダクラツチに着目し、テーパの傾
斜角を2つのパウダギヤツプで分担して受持たせ
るようにしたため1個当りの傾斜角を小さく設定
でき、その分のひきずりトルクの低減を図ること
ができる。又、その際、駆動側部材が内周側に位
置するパウダギヤツプの方を、従動側部材が内周
側に位置するパウダギヤツプよりも大きな角度に
設定するようにしたため、パウダが撹拌され、特
性が悪化する傾向にあるパウダギヤツプの特性を
積極的に改善でき、従つて、パウダクラツチ全体
の特性を良好に維持することができる。
【実施例】
以下、図面に基づいて本考案の実施例を詳細に
説明する。 第1図及び第2図に本考案に係る複隙式パウダ
クラツチの実施例を示す。 図において、10は第1駆動側部材、20は第
2駆動側部材、30は従動側部材、S1,S2は第
1、第2パウダギヤツプをそれぞれ示している。 前記第1駆動側部材10は、従動側部材30の
外周位置に所定のパウダギヤツプS1をおいて配設
されている。この第1駆動側部材10は、支持部
材12、従動側部材30との対向面部材14、カ
バーラビリンス部材16とからなつている。従動
側部材30との対向面部材14は磁性体材料、例
えばS10等により形成され、支持部材12は非
磁性体材料、例えばAl等によつて形成されてい
る。又、カバーラビリンス部材16もAl等によ
つて形成され、ボルト締結されている。 前記第2駆動側部材20は、磁性体材料、例え
ばS10等によつて形成され、従動側部材30の内
周位置に所定のパウダギヤツプS2を置いて配設さ
れている。第1駆動側部材10と第2駆動側部材
20とは、図中右側に配置された連結部材70を
介して連結されている。この連結部材70は非磁
性体材料、例えばSUS304で形成されている。
連結部材70と第1駆動側部材10とはボルト7
2によつて結合され、連結部材70と第2駆動側
部材20とはボルト74(第1図参照)により結
合されて一体的に連結されている。両駆動側部材
10,20は、図示せぬ入力軸にフランジ52を
介して連結されている。又、この両駆動側部材1
0,20は、ベアリング60,62により連結部
材(材料SUS304)71を介して、従動側部
材30に対して位置決めされ、回転自在に支持さ
れている。 前記従動側部材30は、内部に励磁用コイル3
4を有しており、該励磁用コイル34の周囲は磁
場形成部36となつている。この磁場形成部36
は、磁性体材料S10等で形成されている。従動
側部材30は出力メンバーであるハブ40に第1
図に示すダンパー機構90を介してボルト締結に
より連結されている。このダンパー機構90の図
中左側にはスリツプリング46が設けられてい
る。このスリツプリング46は配線48を通じて
励磁用コイル34に給電するためのものである。 前記第1、第2パウダギヤツプS1,S2は、第1
駆動側部材10と従動側部材30との間、第2駆
動側部材20と従動側部材30との間に同軸に形
成されている。両パウダギヤツプS1,S2にはパウ
ダが挿入されており、このパウダを介して磁路S
が形成可能とされている。両パウダギヤツプS1
S2は、その軸方向の中央部が両端部に比して狭く
なるように傾斜したテーパ形状に形成されてい
る。又、この両パウダギヤツプの傾斜角θ1,θ2
は、駆動側部材が内周側に位置する第2パウダギ
ヤツプS2の傾斜角θ2の方が従動側部材が内周側に
位置する第1パウダギヤツプS1の傾斜角θ1よりも
大きな角度となるように設定してある。それぞれ
のパウダギヤツプS1,S2においては、非駆動状態
において0.1〜0.15mmのエアギヤツプが生じるよ
うに設定されている。更に、前記大きな角度に設
定された方の傾斜角θ2が中央からの軸方向実質距
離をLとしてtan-1(0.3/2L)以下となるように
設定されている。又、両パウダギヤツプS1,S2
挟んだ対向面には、該対向面上の円周方向に溝部
28,38が形成されている。 次に、この実施例の作用を説明する。 まず、この複隙式パウダクラツチの接続作用
は、スリツプリング46及び配線48を通じて励
磁用コイル34に通電することによつて行われ
る。励磁用コイル34が通電されると、第2図に
破線にて示すような磁路Sが発生する。即ち、従
動側部材30の磁場形成部材36、第1駆動側部
材10の従動側部材30との対向面部材14、第
2駆動側部材20の間を循環する磁束が発生す
る。なお、この磁束の方向は、励磁用コイル34
のコイルの巻き方を逆にし、あるいは励磁電流の
向きを逆にすることによつて逆方向とすることが
できる。 このような磁束の発生により、第1、第2パウ
ダギヤツプS1及びS2に配されたパウダは該パウダ
同士が鎖状に結合し、パウダ相互間の摩擦力と電
磁的結合力とによつて第1駆動側部材10及び第
2駆動側部材20と、従動側部材30とが結合さ
れ、図示せぬ入力軸から出力用ハブ40に動力が
伝達される。 パウダクラツチの解放作用は、励磁用コイル3
4を消勢することによつて行われる。即ち、励磁
用コイル34を消勢することにより、磁束は消失
し、パウダの結合は解かれるため、動力伝達が行
われなくなる。 以上の場合において、この実施例においては、
複隙式のパウダクラツチに着目し、テーパの傾斜
角を2つのパウダギヤツプで分担して受持たせる
ようにしたため、1個当りの傾斜角を小さく設定
できるようになり、その分のひきずりトルクの低
減を図ることができる。 又、角度設定にあたつて、駆動側部材が内周側
に位置する第2パウダギヤツプS2の方の角度θ2
を、従動側部材が内周側に位置する第1パウダギ
ヤツプS1の角度θ1よりも大きな角度に設定するよ
うにしたため、パウダが撹拌され、特性が悪化す
る傾向にあるギヤツプの特性を積極的に改善で
き、従つて、パウダクラツチ全体の特性を良好に
維持することができる。 即ち、この原理を第3図及び第4図を用いて説
明すると、まず、第3図Aに模式的に示されるよ
うに、従動側部材dが内周側に位置する場合、コ
イル非励磁状態においてパウダの動きは駆動側部
材Dの遠心力にのみ依存する。この状態では、パ
ウダは遠心力によつて駆動側部材D側の摩擦面に
張付き、その結果エアギヤツプaができてクラツ
チが完全に切離された状態となり、ひきずりトル
クは小となる。又、パウダも整然と固辞される。
この状態からコイルが励磁され、動作伝達状態と
なつた場合、同図Bに示されるように、パウダが
整然と保持されていたため、直ちに動力を良好に
伝達する。 これに対し、第4図Aに示されるように、駆動
側部材Dが内周側に位置する場合、パウダは該駆
動側部材Dによつて撹拌され、飛散し、乱れた状
態で保存される。従つて、非励磁状態においても
パウダ相互間の衝突により、動力が僅かに伝達さ
れ、ひきずりトルクが大となる。又、この状態か
ら励磁したときに、ギヤツプ内のパウダが飛散し
ていたり、又、雑に保存されていたりしているた
め、ギヤツプ中のパウダ密度が低下し、動力伝達
性能が低下・不安定となる。又、パウダのギヤツ
プ内への移動の時間が多くかかるため、クラツチ
の励磁電流によつて動力伝達性能を変化させる場
合の制御応答性が低下する。更に、パウダギヤツ
プ外のパウダがコイル励磁による磁束によつてギ
ヤツプの両端部A,Bに集中していわゆるパウダ
障壁を形成し、摩擦面の片焼け、焼付き、パウダ
の酸化、劣化、摩耗の原因となる。 本実施例においては、このような事情に鑑み、
より特性悪化の著しい、即ち駆動側部材が内周側
に位置する第2パウダギヤツプS2のテーパの傾斜
角θ2の方を大としたため、クラツチ全体の性能向
上を大幅に図ることができ、且つ、その傾斜角θ2
の最大値をTan-1(0.3/2L)以下としたため、テ
ーパ形成によつて特性を向上させながら、ひきず
りトルクを低く維持することができる。 又、この実施例においては、両パウダギヤツプ
S1,S2を挟んだ対向面に、該対向面上の円周方向
に溝部28,38を形成したため、テーパ形成に
よつて小さくなりがちなエアギヤツプを溝がない
ものに比べて大きくとることができ、それだけひ
きずりトルクを低減することができる。 即ち、この原理を第5図及び第6図を用いて説
明すると、まず、第5図A,Bに示されるよう
に、クラツチのオン、オフの変化により図のZの
部分のパウダが移動しクラツチか繋がるようにな
つているため、非励磁時のエアギヤツプは一般に
X:Yの比で決定される。従つて、第6図A,B
に示されるように、溝を付けることによつて、
X′=ΣX0<Xとすることができ、エアギヤツプを
大きく確保しながら、各パウダの移動距離を小さ
くでき、ひきずりトルクの低減、応答性の向上を
図ることができるものである。
【考案の効果】
以上説明した通り、本考案によれば、クラツチ
のパウダギヤツプにおける、特に内周側が駆動側
部材となるパウダギヤツプにおける動力伝達性能
の向上、パウダ飛散、パウダ片焼けによる寿命低
下を防止でき、又、励磁時のパウダ集結時間の短
縮による制御応答性の向上、パウダ撹拌によるひ
きずりトルクの増加防止等をも図ることができる
という優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本考案に係る複隙式パウダクラツチ
の実施例を示す縦断面図、第2図は、上記実施例
の部分拡大断面図、第3図A,B〜第6図A,B
は、それぞれ上記実施例の作用を説明するための
単隙式パウダクラツチを模式的に示した部分縦断
面図、第7図A,B、第8図A,B、は、それぞ
れ従来の単隙式パウダクラツチを模式的に示した
部分縦断面図である。 10……第1駆動側部材、20……第2駆動側
部材、30……従動側部材、28,38……溝
部、S1……第1パウダギヤツプ、S2……第2パウ
ダギヤツプ、L……中央部からの軸方向実質距
離、A,B……ギヤツプ両端部、C……ギヤツプ
中央部。θ1,θ2……傾斜角。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 駆動側部材と従動側部材との間に、パウダの
    挿入された2つのパウダギヤツプを、同軸に且
    つ該パウダを介した磁路を形成可能に設けると
    共に、両パウダギヤツプを、その軸方向の中央
    部が両端部に比して狭くなるように傾斜した形
    状に形成し、且つ、該2つのパウダギヤツプの
    傾斜角を、駆動側部材が内周側に位置するパウ
    ダギヤツプの方を従動側部材が内周側に位置す
    るパウダギヤツプよりも大きな角度に設定した
    ことを特徴とする複隙式パウダクラツチ。 (2) 前記2つのパウダギヤツプにおいて生じるエ
    アギヤツプが0.1〜0.15mmであつた場合に、前
    記大きな角度に設定された方の傾斜角が、中央
    からのパウダギヤツプの軸方向実質距離をLと
    して、tan-1(0.3/2L)以下に設定されている
    ことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第1
    項記載の複隙式パウダクラツチ。 (3) 前記2つのパウダギヤツプを挟んた対向面に
    は、該対向面上の円周方向に溝部が形成されて
    いることを特徴とする実用新案登録請求の範囲
    第1項又は第2項に記載の複隙式パウダクラツ
    チ。
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JPS61146631U JPS61146631U (ja) 1986-09-10
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