JPH0349977B2 - - Google Patents
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- JPH0349977B2 JPH0349977B2 JP59087250A JP8725084A JPH0349977B2 JP H0349977 B2 JPH0349977 B2 JP H0349977B2 JP 59087250 A JP59087250 A JP 59087250A JP 8725084 A JP8725084 A JP 8725084A JP H0349977 B2 JPH0349977 B2 JP H0349977B2
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- JP
- Japan
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- disc
- resistance
- wear
- hardness
- braking
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-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16D—COUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
- F16D65/00—Parts or details
- F16D65/02—Braking members; Mounting thereof
- F16D65/12—Discs; Drums for disc brakes
- F16D65/125—Discs; Drums for disc brakes characterised by the material used for the disc body
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22C—ALLOYS
- C22C38/00—Ferrous alloys, e.g. steel alloys
- C22C38/18—Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium
- C22C38/22—Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with molybdenum or tungsten
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16D—COUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
- F16D69/00—Friction linings; Attachment thereof; Selection of coacting friction substances or surfaces
- F16D69/02—Composition of linings ; Methods of manufacturing
- F16D69/027—Compositions based on metals or inorganic oxides
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Inorganic Chemistry (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Metallurgy (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Braking Arrangements (AREA)
Description
(産業上の利用分野)
本発明は輸送用車両の制動装置における特に大
型自動車デイスクブレーキ用デイスク材料に関す
るものである。 (従来の技術) 輸送用車両の制動装置は例えば自動車の場合は
ドラムブレーキとデイスクブレーキに大別され、
主として小型車はデイスクブレーキ、大型車はド
ラムブレーキが多く採用されている。例えば積載
重量8T以上の大型トラツクの場合、高速より制動
を行うとドラムブレーキでは均一な制動が作用せ
ず、片効き現象が生じ、事故を誘発することも考
えられる。。 そこで、大型トラツクの制動を、片効き現象が
生じないデイスクブレーキ方式とすると、デイス
クに負荷する力が小型車に比べて著しく大である
から、制動による摩擦熱が大となり、従来のデイ
スクブレーキに使用されている材料では全面に亀
甲状のクラツクが入り、長期の使用に耐えられな
いなどの問題があつた。 (発明が解決しようとする問題点) 本発明は上記のような従来の欠点を有利に解決
したものであり、デイスクブレーキの材料の損耗
機構や材料に要求される特性を解明し、大型トラ
ツクのような極めて制動作用が大きい場合でもク
ラツクが生じない大型自動車デイスクブレーキ用
デイスク材料を提供することを目的とするもので
ある。 (問題点を解決するための手段) 本発明の要旨とするところは下記の通りであ
る。 (1) 重量%でC0.12〜1.0%、Cr1.2〜5.0%、
Mo0.1〜1.0%を含有し、残部がFe及び不可避
不純物からなり、常温での絞り値が25%以上、
硬度HB150以上、さらに500℃での硬度が常温
の硬度の60%以上の焼戻軟化抵抗を有すること
を特徴とする大型自動車デイスクブレーキ用デ
イスク材料。 (2) 重量%でC0.12〜1.0%、Cr1.2〜5.0%、
Mo0.1〜1.0%に加えて、Ni0.3〜1.2%、Ti0.1
〜1.0%、Cu0.3〜1.5%、V0.1〜2.0%、Nb0.1
〜1.0%、W0.2〜1.5%、B0.001〜0.1%の1種
もしくは2種以上を含有し、残部がFe及び不
可避不純物からなり、常温での絞り値が25%以
上、硬度HB150以上、さらに500℃での硬度が
常温の硬度の60%以上の焼戻軟化抵抗を有する
ことを特徴とする大型自動車デイスクブレーキ
用デイスク材料。 以下に本発明について詳細に述べる。 デイスクブレーキは車輪に取り付けられた回転
体(以下デイスクとする)にパツドを押し付けて
制動させる構成となつている。この場合、比較的
小型車ではパツドに作用する力が小さいため、摩
擦熱や摩擦摩耗も小さく、特に問題にならない。 しかしながら、大型トラツク等の場合には制動
に大きな力が作用して摩擦熱が著しく大となりデ
イスクの温度が急速に上昇する。このため従来の
鋳鉄系デイスクを長期に亘つて使用すると熱衝撃
がくり返されて表層部に亀甲状のクラツクが生じ
る。このため摩擦力に差異が生じるとともにパツ
ドの摩耗も大になる。さらに使用を続けるとクラ
ツクの伝播が進展して破壊するに至る。以上の理
由から従来、大型車ではデイスクブレーキ化が実
現され難いという問題があつた。 そこでこの問題を解決するため、第1図に示す
ような試験機を用いて実験を行つた。すなわち回
転軸2に取り付けられたたデイスク1を高速回転
させ、油圧3でパツド4を押し付けて制動させ
た。制動回数や間隔は実車条件を想定して行つ
た。この試験機を使つて種々の組成を有する鋳鉄
系のデイスク1について、クラツク発生状況、摩
耗量、パツド4の摩耗量等制動に必要な特性の調
査を行つた。 その結果デイスク1の制動表面には0.1〜0.4%
の熱歪が発生することが明らかになつた。又くり
返し制動中にデイスク1の制動表面温度が600℃
以上になり鋳鉄特有の性質である成長現象が発生
し、亀裂を助長していることが明らかとなつた。
このことから、現在使用されている鋳鉄のデイス
クでは大型車への適用は困難であり、従つて前記
の如き成長現象が発生しない鋼材へ材質を変更す
る必要のあることが判明した。(第2図参照) そこで、種々の鋼材について、クラツクや摩耗
など制動に必要な摩擦性能との関係を調査した。
その結果を第3図に示す。 第3図によれば材料の絞り値が25%以下の領域
Aではクラツクが発生することが判る。又硬度
HB150以下の領域Bでは摩耗が増大して大型車用
のデイスク材としては不適当である。しかして従
来材のJIS FCH材では絞り8%以下となり、又
鋳鉄材で絞りを改善したJIS FCD材でも絞り15
%以下となり、いずれにしてもこれまでデイスク
材として使用された鋳鉄D域の材料は大型車での
使用には耐えられない。つぎにC領域は特殊元素
を多量に含有させる等の対策が必要であり工業的
にこの領域を満足することはむずかしい。又デイ
スクの耐摩耗性から考えてもこの領域の硬度は必
要ではなく、デイスク材として不適当な領域であ
る。すなわちA、B、C、D領域を除いたE、
F、Gの領域が大型車用のデイスク材として適合
する領域となる。 これらの領域のうち領域Eは高合金鋼材(例え
ば13Cr鋼)が鍛造材で得られるが特別な場合を
除きコスト高となるため使用上有利性に乏しい。
つぎに中合金鋼域Fは通常、合金元素を3%以上
含有しており、摩耗が大きい場合のみに用いられ
る。低合金鋼領域Gは通常、合金元素を3%以下
含有する領域で大型トラツクのデイスク材として
最も望ましい領域である。しかしながら領域Gに
入る材料であつても例えば高速鉄道の研究(財団
法入研友社出版、昭和42年3月31日発行)に記載
のように、一部実験的に使用された0.2C−0.9Cr
系は引きかき疵及びむしれなどが発生すると報告
されおり、従つてこの材料を大型ブレーキのデイ
スク材として用いると、前記欠陥が発生するのみ
ならず、摩耗が著しく大となり使用に耐えられな
い。これはCr、V量が少いため耐摩耗性、耐酸
化性が劣るためである。 又特公昭58−53713号公報に開示されているデ
イスク材は、耐摩耗性を全く考慮する必要がな
く、クラツク伝播の防止のみを考えてよいハツト
型ブレーキデイスクに関するものである。従つて
破壊靭性値を増大させるため、Cr量が0.6〜1.2%
と少なく、Niを1.5〜3.0%と多量に含有させてい
る。しかしこのデイスク材は次の理由により大型
トラツク等のデイスクブレーキ用デイスク材とし
ては不適当である。すなわち本発明は大型トラツ
ク等に採用される如き、極めて負荷の大きいデイ
スクブレーキ用デイスクを対象とするもので、耐
熱疲労クラツク性と耐摩耗性を有することが同時
に要求され、しかも耐酸化摩耗、高温変形抵抗能
の増大をはかる必要がある。このため後記する如
く、Crを1.2%以上添加することが不可欠である。
Niについては特に必要ではなく、硬度を調整す
るときに0.5%程度添加する場合があるが、前記
公報記載のデイスク材の如く不可欠の元素ではな
い。又同公報記載のデイスク材を大型ブレーキに
採用すると、Niを多量に含有しているため使用
中に焼が入り、このためクラツクが生ずるのみな
らず酸化摩耗が著しく、長時間の使用に耐えない
などの問題がある。 つぎに制動中に生ずる摩耗について調査した結
果、摩耗はデイスクが昇温され軟化することに起
因していることが判明した。すなわち、デイスク
のローター表面が制動時に600℃以上に昇温する
場合があり、甚しい時はγ相域の温度まで上昇す
る。従つてデイスクの摩耗を防止するためには耐
酸化性を有しかつ焼戻し軟化抵抗の大きい材料が
必要であり、すくなくとも500℃における硬度が
常温の60%以上ないと摩耗が大きくなる。この知
見からも大型車のデイスクブレーキ用デイスク
(以下単にブレーキデイスクという)材料として
は、従来使用されている鋳鉄系の材料では使用に
耐えない。これは、従来のデイスクが主に摩耗と
コスト面から材料を選定しており、熱疲労性、熱
衝撃性、焼戻軟化抵抗及び酸化摩耗に関する考え
が全くなかつたためであるが、又、小型車ではそ
の必要性もなかつたのである。このため、大型車
のブレーキデイスク用材料としては、従来とは考
え方を全く変えて耐熱疲労性、耐熱衝撃性、軟化
抵抗性、耐酸化摩耗性、耐クラツク性、などの観
点から、従来、ブレーキデイスク用材料として全
く使用されたことのなかつた合金鋼系の材料を選
定する必要がある。 之等の要求を満足するブレーキデイスク用合金
鋼の化学成分は、種々のテストの結果、下記の範
囲であることが必要である。 Cは鋼中にFe、Cr、Mo等の炭化物を生成させ
て耐摩耗性を向上させるため0.12%以上が必要で
ある。又絞り値を劣化させないために1.0%以下
とする必要がある。好ましい範囲は0.12〜0.5%
である。 Crは耐摩耗性を向上させるとともに耐酸化摩
耗性、焼戻軟化抵抗性を増大させかつγ変態点を
上昇させることから1.2%以上の添加が必要であ
るが、あまり多量に添加するとコスト高となるば
かりでなく材料が劣化するので上限は5.0%とす
る。経済的観点からは1.2〜3.0%が望ましい。 Moは靭性向上に有効な元素でありかつCrと同
様に耐摩耗性、焼戻軟化抵抗性を増大させる効果
があるが、0.1%未満ではその効果が認められず、
従つて下限は0.1%とする。上限は経済的観点か
ら1.0%とする。。 Si及びMnは製鋼過程において脱酸材として添
加されるもので通常の範囲で含有することができ
る。 以上の元素のほかに、強度、靭性、耐摩耗性、
耐熱衝撃性等の一そうの向上をはかるために必要
に応じてNi、Ti、Cu、V、Nb、W、Bの1種
又は2種以上を添加することもできる。之等は余
り多量に添加する必要はなく合計で2%以下とす
るのが好ましい。 Niは通常は添加しないが、高硬度を要求され
る時に最大1.2%迄添加する。1.2超では鋳造時に
マルテンサイト組織になり割れが入り溶接補修が
できない。 Tiは靭性の向上や熱疲労強度を向上させる時
に添加することがあるが、通常は添加しない。こ
の場合の最大値は1.0%迄である。1.0%を超える
と脆化が大になるばかりでなく、溶湯の湯流れが
悪くなる。 Cuも通常は添加しないが、押し付けられるパ
ツドの摩擦状況を改善させる時に添加することが
ある。この場合の最大値は1.5%迄で、これを超
えると脆化が大となる。 Nbも通常は添加しないが、靭性向上のため1.0
%迄添加することがある。1.0%超では効果が小
さくなり経済的にも不利である。 Wは耐摩耗性の向上のため添加することがある
が、最大1.5%迄である。1.5%超では溶接性を悪
化させ、また経済的にも不利である。 Bも通常は添加しないが、焼入性を増大させる
時に最大0.1%迄添加する。0.1%超では脆化して
クラツクが入る。 Ni、Ti、Cu、Nb、W、Bの下限値は、Ni.3
%、Ti0.1%、Cu0.3%、Nb0.1%、W0.2%、
B0.001%で、いずれもこれ未満では効果がない。 Vは高温および低温での耐摩耗性に有効である
ことから、経済的な理由が特にないかぎり通常
0.1〜2.0%の範囲で添加する。0.1%未満では効果
がなく、2.0%超になると脆化し、また経済的に
不利である。 なおブレーキデイスクの製造法としては、鋳
造、鍛造、溶接組立法および之等の組合せが考え
られるが、コストや冷却強化のためにフインを付
加する構造とすることが有利であることを考える
と、鋳造によるのが望ましい。 (実施例) 本発明を実施例について説明する。 第4図は本発明の合金鋼から製造されたブレー
キデイスクを示すもので、5は制動の作用面、6
は冷却を強化するためのリブ、7はタイヤ取付面
である。このブレーキデイスクの化学成分、機械
的性質、制動テストの結果を従来例と共に表1に
示す。
型自動車デイスクブレーキ用デイスク材料に関す
るものである。 (従来の技術) 輸送用車両の制動装置は例えば自動車の場合は
ドラムブレーキとデイスクブレーキに大別され、
主として小型車はデイスクブレーキ、大型車はド
ラムブレーキが多く採用されている。例えば積載
重量8T以上の大型トラツクの場合、高速より制動
を行うとドラムブレーキでは均一な制動が作用せ
ず、片効き現象が生じ、事故を誘発することも考
えられる。。 そこで、大型トラツクの制動を、片効き現象が
生じないデイスクブレーキ方式とすると、デイス
クに負荷する力が小型車に比べて著しく大である
から、制動による摩擦熱が大となり、従来のデイ
スクブレーキに使用されている材料では全面に亀
甲状のクラツクが入り、長期の使用に耐えられな
いなどの問題があつた。 (発明が解決しようとする問題点) 本発明は上記のような従来の欠点を有利に解決
したものであり、デイスクブレーキの材料の損耗
機構や材料に要求される特性を解明し、大型トラ
ツクのような極めて制動作用が大きい場合でもク
ラツクが生じない大型自動車デイスクブレーキ用
デイスク材料を提供することを目的とするもので
ある。 (問題点を解決するための手段) 本発明の要旨とするところは下記の通りであ
る。 (1) 重量%でC0.12〜1.0%、Cr1.2〜5.0%、
Mo0.1〜1.0%を含有し、残部がFe及び不可避
不純物からなり、常温での絞り値が25%以上、
硬度HB150以上、さらに500℃での硬度が常温
の硬度の60%以上の焼戻軟化抵抗を有すること
を特徴とする大型自動車デイスクブレーキ用デ
イスク材料。 (2) 重量%でC0.12〜1.0%、Cr1.2〜5.0%、
Mo0.1〜1.0%に加えて、Ni0.3〜1.2%、Ti0.1
〜1.0%、Cu0.3〜1.5%、V0.1〜2.0%、Nb0.1
〜1.0%、W0.2〜1.5%、B0.001〜0.1%の1種
もしくは2種以上を含有し、残部がFe及び不
可避不純物からなり、常温での絞り値が25%以
上、硬度HB150以上、さらに500℃での硬度が
常温の硬度の60%以上の焼戻軟化抵抗を有する
ことを特徴とする大型自動車デイスクブレーキ
用デイスク材料。 以下に本発明について詳細に述べる。 デイスクブレーキは車輪に取り付けられた回転
体(以下デイスクとする)にパツドを押し付けて
制動させる構成となつている。この場合、比較的
小型車ではパツドに作用する力が小さいため、摩
擦熱や摩擦摩耗も小さく、特に問題にならない。 しかしながら、大型トラツク等の場合には制動
に大きな力が作用して摩擦熱が著しく大となりデ
イスクの温度が急速に上昇する。このため従来の
鋳鉄系デイスクを長期に亘つて使用すると熱衝撃
がくり返されて表層部に亀甲状のクラツクが生じ
る。このため摩擦力に差異が生じるとともにパツ
ドの摩耗も大になる。さらに使用を続けるとクラ
ツクの伝播が進展して破壊するに至る。以上の理
由から従来、大型車ではデイスクブレーキ化が実
現され難いという問題があつた。 そこでこの問題を解決するため、第1図に示す
ような試験機を用いて実験を行つた。すなわち回
転軸2に取り付けられたたデイスク1を高速回転
させ、油圧3でパツド4を押し付けて制動させ
た。制動回数や間隔は実車条件を想定して行つ
た。この試験機を使つて種々の組成を有する鋳鉄
系のデイスク1について、クラツク発生状況、摩
耗量、パツド4の摩耗量等制動に必要な特性の調
査を行つた。 その結果デイスク1の制動表面には0.1〜0.4%
の熱歪が発生することが明らかになつた。又くり
返し制動中にデイスク1の制動表面温度が600℃
以上になり鋳鉄特有の性質である成長現象が発生
し、亀裂を助長していることが明らかとなつた。
このことから、現在使用されている鋳鉄のデイス
クでは大型車への適用は困難であり、従つて前記
の如き成長現象が発生しない鋼材へ材質を変更す
る必要のあることが判明した。(第2図参照) そこで、種々の鋼材について、クラツクや摩耗
など制動に必要な摩擦性能との関係を調査した。
その結果を第3図に示す。 第3図によれば材料の絞り値が25%以下の領域
Aではクラツクが発生することが判る。又硬度
HB150以下の領域Bでは摩耗が増大して大型車用
のデイスク材としては不適当である。しかして従
来材のJIS FCH材では絞り8%以下となり、又
鋳鉄材で絞りを改善したJIS FCD材でも絞り15
%以下となり、いずれにしてもこれまでデイスク
材として使用された鋳鉄D域の材料は大型車での
使用には耐えられない。つぎにC領域は特殊元素
を多量に含有させる等の対策が必要であり工業的
にこの領域を満足することはむずかしい。又デイ
スクの耐摩耗性から考えてもこの領域の硬度は必
要ではなく、デイスク材として不適当な領域であ
る。すなわちA、B、C、D領域を除いたE、
F、Gの領域が大型車用のデイスク材として適合
する領域となる。 これらの領域のうち領域Eは高合金鋼材(例え
ば13Cr鋼)が鍛造材で得られるが特別な場合を
除きコスト高となるため使用上有利性に乏しい。
つぎに中合金鋼域Fは通常、合金元素を3%以上
含有しており、摩耗が大きい場合のみに用いられ
る。低合金鋼領域Gは通常、合金元素を3%以下
含有する領域で大型トラツクのデイスク材として
最も望ましい領域である。しかしながら領域Gに
入る材料であつても例えば高速鉄道の研究(財団
法入研友社出版、昭和42年3月31日発行)に記載
のように、一部実験的に使用された0.2C−0.9Cr
系は引きかき疵及びむしれなどが発生すると報告
されおり、従つてこの材料を大型ブレーキのデイ
スク材として用いると、前記欠陥が発生するのみ
ならず、摩耗が著しく大となり使用に耐えられな
い。これはCr、V量が少いため耐摩耗性、耐酸
化性が劣るためである。 又特公昭58−53713号公報に開示されているデ
イスク材は、耐摩耗性を全く考慮する必要がな
く、クラツク伝播の防止のみを考えてよいハツト
型ブレーキデイスクに関するものである。従つて
破壊靭性値を増大させるため、Cr量が0.6〜1.2%
と少なく、Niを1.5〜3.0%と多量に含有させてい
る。しかしこのデイスク材は次の理由により大型
トラツク等のデイスクブレーキ用デイスク材とし
ては不適当である。すなわち本発明は大型トラツ
ク等に採用される如き、極めて負荷の大きいデイ
スクブレーキ用デイスクを対象とするもので、耐
熱疲労クラツク性と耐摩耗性を有することが同時
に要求され、しかも耐酸化摩耗、高温変形抵抗能
の増大をはかる必要がある。このため後記する如
く、Crを1.2%以上添加することが不可欠である。
Niについては特に必要ではなく、硬度を調整す
るときに0.5%程度添加する場合があるが、前記
公報記載のデイスク材の如く不可欠の元素ではな
い。又同公報記載のデイスク材を大型ブレーキに
採用すると、Niを多量に含有しているため使用
中に焼が入り、このためクラツクが生ずるのみな
らず酸化摩耗が著しく、長時間の使用に耐えない
などの問題がある。 つぎに制動中に生ずる摩耗について調査した結
果、摩耗はデイスクが昇温され軟化することに起
因していることが判明した。すなわち、デイスク
のローター表面が制動時に600℃以上に昇温する
場合があり、甚しい時はγ相域の温度まで上昇す
る。従つてデイスクの摩耗を防止するためには耐
酸化性を有しかつ焼戻し軟化抵抗の大きい材料が
必要であり、すくなくとも500℃における硬度が
常温の60%以上ないと摩耗が大きくなる。この知
見からも大型車のデイスクブレーキ用デイスク
(以下単にブレーキデイスクという)材料として
は、従来使用されている鋳鉄系の材料では使用に
耐えない。これは、従来のデイスクが主に摩耗と
コスト面から材料を選定しており、熱疲労性、熱
衝撃性、焼戻軟化抵抗及び酸化摩耗に関する考え
が全くなかつたためであるが、又、小型車ではそ
の必要性もなかつたのである。このため、大型車
のブレーキデイスク用材料としては、従来とは考
え方を全く変えて耐熱疲労性、耐熱衝撃性、軟化
抵抗性、耐酸化摩耗性、耐クラツク性、などの観
点から、従来、ブレーキデイスク用材料として全
く使用されたことのなかつた合金鋼系の材料を選
定する必要がある。 之等の要求を満足するブレーキデイスク用合金
鋼の化学成分は、種々のテストの結果、下記の範
囲であることが必要である。 Cは鋼中にFe、Cr、Mo等の炭化物を生成させ
て耐摩耗性を向上させるため0.12%以上が必要で
ある。又絞り値を劣化させないために1.0%以下
とする必要がある。好ましい範囲は0.12〜0.5%
である。 Crは耐摩耗性を向上させるとともに耐酸化摩
耗性、焼戻軟化抵抗性を増大させかつγ変態点を
上昇させることから1.2%以上の添加が必要であ
るが、あまり多量に添加するとコスト高となるば
かりでなく材料が劣化するので上限は5.0%とす
る。経済的観点からは1.2〜3.0%が望ましい。 Moは靭性向上に有効な元素でありかつCrと同
様に耐摩耗性、焼戻軟化抵抗性を増大させる効果
があるが、0.1%未満ではその効果が認められず、
従つて下限は0.1%とする。上限は経済的観点か
ら1.0%とする。。 Si及びMnは製鋼過程において脱酸材として添
加されるもので通常の範囲で含有することができ
る。 以上の元素のほかに、強度、靭性、耐摩耗性、
耐熱衝撃性等の一そうの向上をはかるために必要
に応じてNi、Ti、Cu、V、Nb、W、Bの1種
又は2種以上を添加することもできる。之等は余
り多量に添加する必要はなく合計で2%以下とす
るのが好ましい。 Niは通常は添加しないが、高硬度を要求され
る時に最大1.2%迄添加する。1.2超では鋳造時に
マルテンサイト組織になり割れが入り溶接補修が
できない。 Tiは靭性の向上や熱疲労強度を向上させる時
に添加することがあるが、通常は添加しない。こ
の場合の最大値は1.0%迄である。1.0%を超える
と脆化が大になるばかりでなく、溶湯の湯流れが
悪くなる。 Cuも通常は添加しないが、押し付けられるパ
ツドの摩擦状況を改善させる時に添加することが
ある。この場合の最大値は1.5%迄で、これを超
えると脆化が大となる。 Nbも通常は添加しないが、靭性向上のため1.0
%迄添加することがある。1.0%超では効果が小
さくなり経済的にも不利である。 Wは耐摩耗性の向上のため添加することがある
が、最大1.5%迄である。1.5%超では溶接性を悪
化させ、また経済的にも不利である。 Bも通常は添加しないが、焼入性を増大させる
時に最大0.1%迄添加する。0.1%超では脆化して
クラツクが入る。 Ni、Ti、Cu、Nb、W、Bの下限値は、Ni.3
%、Ti0.1%、Cu0.3%、Nb0.1%、W0.2%、
B0.001%で、いずれもこれ未満では効果がない。 Vは高温および低温での耐摩耗性に有効である
ことから、経済的な理由が特にないかぎり通常
0.1〜2.0%の範囲で添加する。0.1%未満では効果
がなく、2.0%超になると脆化し、また経済的に
不利である。 なおブレーキデイスクの製造法としては、鋳
造、鍛造、溶接組立法および之等の組合せが考え
られるが、コストや冷却強化のためにフインを付
加する構造とすることが有利であることを考える
と、鋳造によるのが望ましい。 (実施例) 本発明を実施例について説明する。 第4図は本発明の合金鋼から製造されたブレー
キデイスクを示すもので、5は制動の作用面、6
は冷却を強化するためのリブ、7はタイヤ取付面
である。このブレーキデイスクの化学成分、機械
的性質、制動テストの結果を従来例と共に表1に
示す。
【表】
【表】
表1の結果から本発明のデイスク材料によるブ
レーキデイスクにはクラツクの発生が皆無である
が、従来の鋳鉄材によるものには著しい亀甲状の
クラツクが発生した。又本発明のデイスク材料に
よるものはパツドの損耗量及びブレーキデイスク
の摩耗量が著しく少ない。さらに常温及び500℃
における引張り強さ、絞り、硬度に関して、本発
明材は従来材に比べて格段に優れていることが明
らかである。 以上のとおり、本発明によれば、耐熱疲労性、
耐熱衝撃性、軟化抵抗性、耐酸化摩耗性、耐クラ
ツク性に優れたデイスクブレーキ用デイスク材を
提供しうるので、耐用性、安全性の面からも極め
て優れた性能を示す大型車両のデイスクブレーキ
化が可能になり、従つて本発明は産業界に稗益す
るところが極めて大である。
レーキデイスクにはクラツクの発生が皆無である
が、従来の鋳鉄材によるものには著しい亀甲状の
クラツクが発生した。又本発明のデイスク材料に
よるものはパツドの損耗量及びブレーキデイスク
の摩耗量が著しく少ない。さらに常温及び500℃
における引張り強さ、絞り、硬度に関して、本発
明材は従来材に比べて格段に優れていることが明
らかである。 以上のとおり、本発明によれば、耐熱疲労性、
耐熱衝撃性、軟化抵抗性、耐酸化摩耗性、耐クラ
ツク性に優れたデイスクブレーキ用デイスク材を
提供しうるので、耐用性、安全性の面からも極め
て優れた性能を示す大型車両のデイスクブレーキ
化が可能になり、従つて本発明は産業界に稗益す
るところが極めて大である。
第1図は制動実験に用いた装置を示す説明図、
第2図は大型トラツクのデイスクブレーキ用デイ
スクに生ずるクラツク発生域と制動回数との関係
を示す図、第3図は大型トラツクのデイスクブレ
ーキ用デイスクのクラツク発生率と絞り値の関係
を示す図、第4図は大型トラツクに使用するデイ
スクブレーキ用デイスクの一例を示す斜視図であ
る。
第2図は大型トラツクのデイスクブレーキ用デイ
スクに生ずるクラツク発生域と制動回数との関係
を示す図、第3図は大型トラツクのデイスクブレ
ーキ用デイスクのクラツク発生率と絞り値の関係
を示す図、第4図は大型トラツクに使用するデイ
スクブレーキ用デイスクの一例を示す斜視図であ
る。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 重量%でC0.12〜1.0%、Cr1.2〜5.0%、
Mo0.1〜1.0%を含有し、残部がFe及び不可避不
純物からなり、常温での絞り値が25%以上、硬度
HB150以上、さらに500℃での硬度が常温の硬度
の60%以上の焼戻軟化抵抗を有することを特徴と
する大型自動車デイスクブレーキ用デイスク材
料。 2 重量%でC0.12〜1.0%、Cr1.2〜5.0%、
Mo0.1〜1.0%に加えて、Ni0.3〜1.2%、Ti0.1〜
1.0%、Cu0.3〜1.5%、V0.1〜2.0%、Nb0.1〜1.0
%、W0.2〜1.5%、B0.001〜0.1%の1種もしくは
2種以上を含有し、残部がFe及び不可避不純物
からなり、常温での絞り値が25%以上、硬度HB
150以上、さらに500℃での硬度が常温の硬度の60
%以上の焼戻軟化抵抗を有することを特徴とする
大型自動車デイスクブレーキ用デイスク材料。
Priority Applications (4)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP59087250A JPS60230961A (ja) | 1984-04-28 | 1984-04-28 | デイスクブレ−キ用デイスク材料 |
| ES542632A ES8606591A1 (es) | 1984-04-28 | 1985-04-26 | Procedimiento de obtencion de materiales para discos de frenos. |
| DE19853515198 DE3515198A1 (de) | 1984-04-28 | 1985-04-26 | Eisenhaltiges bremsscheibenmaterial |
| US07/122,570 US4902473A (en) | 1984-04-28 | 1987-11-16 | Rotary brake disc |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP59087250A JPS60230961A (ja) | 1984-04-28 | 1984-04-28 | デイスクブレ−キ用デイスク材料 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS60230961A JPS60230961A (ja) | 1985-11-16 |
| JPH0349977B2 true JPH0349977B2 (ja) | 1991-07-31 |
Family
ID=13909550
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP59087250A Granted JPS60230961A (ja) | 1984-04-28 | 1984-04-28 | デイスクブレ−キ用デイスク材料 |
Country Status (4)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US4902473A (ja) |
| JP (1) | JPS60230961A (ja) |
| DE (1) | DE3515198A1 (ja) |
| ES (1) | ES8606591A1 (ja) |
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-
1984
- 1984-04-28 JP JP59087250A patent/JPS60230961A/ja active Granted
-
1985
- 1985-04-26 DE DE19853515198 patent/DE3515198A1/de active Granted
- 1985-04-26 ES ES542632A patent/ES8606591A1/es not_active Expired
-
1987
- 1987-11-16 US US07/122,570 patent/US4902473A/en not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
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| DE3515198A1 (de) | 1985-10-31 |
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