JPH0351780B2 - - Google Patents
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- JPH0351780B2 JPH0351780B2 JP3250383A JP3250383A JPH0351780B2 JP H0351780 B2 JPH0351780 B2 JP H0351780B2 JP 3250383 A JP3250383 A JP 3250383A JP 3250383 A JP3250383 A JP 3250383A JP H0351780 B2 JPH0351780 B2 JP H0351780B2
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Description
(産業上の利用分野)
この発明は、溶接構造用として使用される調質
高張力鋼、なかでも強度レベルが50Kgf/mm2級以
上の大入熱溶接用の調質(焼入れ焼もどし)鋼と
くに応力除去焼きなましが大入熱溶接を経て施さ
れる用途において有用な、溶接用調質高張力鋼の
改良に関連する。 近年大型溶接構造物の製作に当り、溶接工数を
減らし、溶接コストの低減をはかるため、片面一
層サブマージアーク溶接、エレクトロガス溶接、
又はエレクトロスラグ溶接などの大入熱を用いる
自動溶接を採用する気運が高まりつつある。 (従来の技術) 従来溶接構造用として用いられてきた40Kgf/
mm2、50Kgf/mm2級の非調質鋼、また50Kgf/mm2級
以上の焼入れ焼きもどし鋼は、これらの何れにお
いても大入熱溶接を行うと溶接熱影響部とくに溶
接ボンド部の組織が粗大な上部ベイナイトを主体
とするものとなつて、じん性が著しく劣るため、
大入熱溶接の実施が困難であつた。 その後大入熱溶接に適したこの種の鋼組成が
種々開発されつつあり、現在実用に供され始めて
いるが、これら大入熱溶接用鋼は一般にAlとB、
REMとB又はTiとBが複合添加され、いずれも
溶接熱影響部組織をフエライト−パーライト組織
にすることにより溶接熱影響部のじん性向上をは
かつている。ここに溶接熱影響部組織のフエライ
ト・パーライト化は、鋼中に含有されるBが溶接
熱サイクルの冷却時にBN(窒化ボロン)として
析出し、そのBNがフエライトの核生成を助ける
ために生じる。 一方Bと複合添加されるAl、REMおよびTi
は、それぞれ鋼中で析出物や介在物を形成し、そ
れらはBNの析出を促進させる働きがあり、した
がつてAl、REMおよびTiはBNに対し、同効を
呈する成分として複合添加される場合もあり、そ
のうちTiは鋼中でTiN(窒化チタン)を形成し、
BNと同じ作用があるとしてB存在下のみなら
ず、Ti単独添加も40Kgf/mm2級、50Kgf/mm2級
の非調質鋼では行われているが、5Kgf/mm2級以
上の焼入れ焼もどし型調質鋼ではBの焼入性増大
作用を利用する観点からTiを添加した場合もB
を複合添加することが多い。 ここにREMで一括表現した希土類金属は慣用
に従い主としてミツシユメタルを指すものとす
る。 これら大入熱溶接用鋼については、最近になつ
て一般に溶接後に実施されることのある応力除去
焼なまし(以下SRと略す)処理によつて実用上
重大な障害となることがわかつた。 すなわち40Kgf/mm2、50Kgf/mm2級の非調質鋼
では、SR処理による母材じん性の劣化は2mmV
ノツチシヤルピー衝撃試験における破面遷移温度
の変化量(ΔvTrs)でせいぜい20℃であり問題
とならない程度であるが、これに反して焼入れ焼
戻し型調質鋼ではSR処理による母材じん性の劣
化が著しく、ΔvTrsで20℃をこえ、ときには80
℃もの劣化を示すことが経験されたのである。 このように大幅な母材じん性劣化現象は、大入
熱溶接を可能にするため、とくにBを添加した鋼
で、かつ焼入れ焼もどしの調質処理を施した鋼材
に限つてとくに著しいことが認められる。 このSR処理による母材じん性の劣化を、少く
とも従来のレベルであり実用上問題とならない程
度、すなわちΔvTrsで20℃以内にするためPの
含有量を、この種鋼材に通常含有されているより
はるかに低減させる方法につき特願56−156092号
の発明をさきに提案した。 しかしPの含有量をこの問題に適合し得る程度
まで極端に低減させるためには製造コストの上昇
が避けられず、他の方法による解決がより有利で
ある。 (発明が解決しようとする問題点) そこでP含有量の甚しい低減によらないで、含
B大入熱溶接用調質鋼のSR処理による母材じん
性の劣化を有利に回避することを目的として発明
者は以下の開発実験を行つた。 すなわちAl又はTiをBと複合含有させた大入
熱溶接用焼入れ焼もどし型調質高張力鋼につい
て、SR処理による母材じん性の劣化挙動を調べ、
Bを0.0010重量%(以下鋼中成分につき単に%で
示す)までにして、REMを0.002%以上添加する
ことにより、Pを極端に低下させなくても応力除
去焼なましによる母材じん性の劣化を実用上問題
のない程度(ΔvTrsで〜20℃以下)にすること
が可能で、かつ大入熱溶接特性もすぐれているこ
とを見出した。 (問題点を解決するための手段) すなわち上掲の目的を達成する要部は、次のと
おり各発明のついて構成を限定するところにあ
る。 (1) C:0.03〜0.22%,Si:0.02〜0.80%,Mn:
0.20〜2.50%,B:0.0003〜0.0010%,P:
0.010〜0.025%及びN:0.012%以下 を、0.005〜0.1%のAl、0.003〜0.07%のTiのう
ち少なくとも一種とともに含み、 かつ0.002〜0.008%の希土類元素(REM)を
含有し、 残部は実質的に鉄および不可避的不純物から
なる組成(以下基本成分と略す) (2) 基本成分にさらに0.5%以下のMoを含有する
組成 (3) 基本成分に、さらにそれぞれ0.1%以下のV、
Nbを含有する組成 (4) 基本成分に、さらに1%以下のNi及び0.1%
以下のVならびに0.8%以下のCr又は0.5%以下
のCuのいずれかを含有する組成 (鋼組成の限定理由) 本発明における鋼組成の限定理由は次のとおり
である。 C:0.03〜0.22% Cは、この種溶接構造用鋼として必要な強度を
得るためには、最低0.03%必要であり、一方大入
熱溶接時の溶接割れ感受性および大入熱溶接熱影
響部のじん性の点から上限を0.22%とする。 Si:0.02〜0.80% Siは脱酸元素、ならびに強度を増大する元素と
して0.02%以上必要であるが0.80%を越えると母
材のじん性を損なうので0.80%以下とする。 Mn:0.20〜2.50% Mnは母材に延性と強度を与えるため0.20%以
上必要とするが、2.50%を越えると溶接硬化性を
著るしく上昇させるので2.50%以下とする。 B:0.0003〜0.0010% BはAl又はTiと、REMとの共存によつて大入
熱溶接熱影響部のじん性を向上させる元素である
が、一方Pと共存するとき、SR処理により母材
のじん性を劣化させる元素でもある。すでに触れ
たように、REMの添加にてPの制限を要せずし
て、SR処理による母材じん性の劣化を伴わずし
て、とくに大入熱溶接熱影響部のじん性を顕著に
向上させ得るBの相互作用の発見が重要な要点の
ひとつである。すなわち第1図には大入熱溶接
(110KJ/cm)ボンド部相当の熱サイクルを付与
した後のシヤルピー吸収エネルギーの変化を、
C:0.13%,Si:0.25%,Mn:1.36%,P:
0.015%,S:0.004%,Al:0.025%,Ti:0.015
%,Cr:0.10%,Ni:0.31%において0.002%ま
での種々な量のBとともにREMを0.005%添加し
た供試鋼に比し、REM無添加の比較鋼について
対比して示してあるが、REM0.005%添加の下に
0.0003%以上のBで顕著なボンド部じん性改善が
みられる一方、REMが添加されてないとBを
0.0008%まで添加してもボンド部じん性は全く向
上していないことがわかる。 さらに第2図は上記供試鋼中B量のSR処理を
経た母材じん性の変化に及ぼす影響を該処理前後
のvTs(破面遷移温度)の差ΔvTsで示してある。 この図によるとBが0.0010%以下ならばSR処
理による母材じん性の劣化は120℃にはるかに達
せず、実用上問題はない。しかしBを0.001%を
越えて添加するとΔvTsが劣化し、最大で80℃に
もなるのですでに述べたようにPを極端に低下さ
せるなどの対策が必要となる。これらの事実に従
つてBは、0.0003〜0.0010%に制限される。 P:0.010〜0.025% Pは鋼中に不可避的に混入される不純物元素
で、この種の溶接構造用鋼として一般的に0.035
〜0.040%以下に規定されることが多い。しかし
実際的な実用鋼材にあつては、0.010〜0.025%程
度含有しているのが一般的であるところ、ここに
P量を低下させる必要のない対策を構じたので、
単に0.025%以下に納まれば良く、またこの種鋼
材で通常採用されている工程で低減できる程度を
こえて、0.010%未満にする特別な措置を要しな
い。 N0.012% Nは通常の製鋼工程で含有されるが、0.012%
を越えると、母材および小入熱溶接熱影響部のじ
ん性を損なうので0.012%以下に限定する。 Al:0.005〜0.010%, Ti:0.003〜0.07% AlとTiはいずれもBと複合添加により大入熱
溶接熱影響部組織を、フエライト・パーライト化
させることによりじん性向上効果をもたらす元素
である。それらの含有量の下限は、その効果が発
揮される最低含有量によつて決まり、いずれも多
量に含有させると大入熱溶接熱影響部のみならず
母材のじん性をも損なうので含有量の上限が規定
される。それらの含有量の範囲はAlについては
0.005〜0.1%、Tiについては0.003〜0.07%とな
る。これらAl,Tiの一種のみBと複合添加して
も大入熱溶接熱影響部のじん性は十分改善される
が、AlとTiとBの3者を複合添加させても大入
熱溶接熱影響部じん性はより改善される。なお
AlとTiには上記主効果のほかに副次的効果とし
て結晶粒微細化による母材じん性向上作用を有す
るが、いずれもその効果は上記含有量の範囲で十
分に発揮される。 上記範囲に成分を調整した上で、REMを添加
するが、このREMはすでに第1図につきのべた
ようにBと共存して大入熱溶接熱影響部じん性を
改善するが、そのほかとくにBとPが存在すると
きSR処理によつておこる母材じん性劣化を、顕
著に抑制する。これは第2図についてさきに触れ
たが、注意しておくべきはBが0.001%をこえる
と効果が発揮されないことである。 この効果については、Bをとくに0.0003〜
0.0006%とした上掲供試鋼におけるREM量の影
響を第3図に示したようにその下限は0.002%で
あり、一方母材じん性を損なわないように0.008
%以内に限定される。 Cr:0.8%以下、Ni:1%以下、Mo:0.5%以下、
Cu:0.5%以下ならびにV,Nb:0.1%以下 Cr,Ni,MoおよびCuはいずれも焼入性増大
作用と固溶強化作用にもとずき、またVとNbは
析出強化作用にもとずき、これら諸元素の添加
は、いずれも母材の強度を上昇させるという共通
の効果をもたらし、したがつて何れの群について
もそのうち少くとも1種を用いるが、以下に示す
理由によりそれぞれ含有量の上限が規定される。 Crは0.8%を越えると溶接われ感受性を高める。 Niは高価な元素であり、この種、鋼材では経
済性の面から1%以下に限定される。 Moは0.5%を越えると母材および溶接熱影響部
のじん性を害する。 Cuは0.5%を越えると溶接われ感受性が高くな
る。 VおよびNbは0.1%を越えると母材のじん性を
害する。 なおBとPが共存したとき、SR処理によつて
母材じん性が大幅に劣化する現象は焼入れ、焼も
どし型の調質鋼においてのみ発生するので上記の
対策は焼入れ焼もどし型の調質鋼に限定される。
ただしここに言う焼入れは通常の焼入れのほか圧
延直後の直接焼入れも含まれるのはいうまでもな
い。 また上記した大入熱溶接用鋼といえども、仮付
溶接など小入熱溶接が行われる場合もあるので、
小入熱溶接性にも優れていることの要求にも充分
対処され得る。 (実施例) 表1に示す組成の鋼を高周波真空溶解にて溶製
し、100Kg鋼塊とし鋼5、12、13以外について熱
間圧延により板厚20mmの鋼板にした後、930℃加
熱の焼入れ処理と640℃加熱の焼もどし処理を行
つた。鋼5、12、13は熱間圧延により板厚20mmに
950℃で仕上げ、ただちに焼入れ処理(直接焼入
れ)を行つたのち640℃加熱の焼もどし処理を行
つた。 これらの鋼板について()大入熱溶接性を調
べるため入熱110KJ/cmのサブマージアーク溶接
の溶接ボンド部に相当する熱サイクルを溶接熱サ
イクル再現装置により付与した試験片、()応
力除去焼なましによる母材じん性の劣化の程度を
調べるため、580℃×3hの焼なまし前後の試験
片、それぞれよりJIS4号シヤルピー衝撃試験片を
採取し、()の試験片については−20℃におけ
る吸収エネルギーvE−20を調べ、()の試験片
については、破面遷移温度(vTs)を求めて、焼
なまし前後のvTsの差ΔvTs(SR処理後のvTs−
SR処理前のvTs)を調べた。その結果を表2に
示す。
高張力鋼、なかでも強度レベルが50Kgf/mm2級以
上の大入熱溶接用の調質(焼入れ焼もどし)鋼と
くに応力除去焼きなましが大入熱溶接を経て施さ
れる用途において有用な、溶接用調質高張力鋼の
改良に関連する。 近年大型溶接構造物の製作に当り、溶接工数を
減らし、溶接コストの低減をはかるため、片面一
層サブマージアーク溶接、エレクトロガス溶接、
又はエレクトロスラグ溶接などの大入熱を用いる
自動溶接を採用する気運が高まりつつある。 (従来の技術) 従来溶接構造用として用いられてきた40Kgf/
mm2、50Kgf/mm2級の非調質鋼、また50Kgf/mm2級
以上の焼入れ焼きもどし鋼は、これらの何れにお
いても大入熱溶接を行うと溶接熱影響部とくに溶
接ボンド部の組織が粗大な上部ベイナイトを主体
とするものとなつて、じん性が著しく劣るため、
大入熱溶接の実施が困難であつた。 その後大入熱溶接に適したこの種の鋼組成が
種々開発されつつあり、現在実用に供され始めて
いるが、これら大入熱溶接用鋼は一般にAlとB、
REMとB又はTiとBが複合添加され、いずれも
溶接熱影響部組織をフエライト−パーライト組織
にすることにより溶接熱影響部のじん性向上をは
かつている。ここに溶接熱影響部組織のフエライ
ト・パーライト化は、鋼中に含有されるBが溶接
熱サイクルの冷却時にBN(窒化ボロン)として
析出し、そのBNがフエライトの核生成を助ける
ために生じる。 一方Bと複合添加されるAl、REMおよびTi
は、それぞれ鋼中で析出物や介在物を形成し、そ
れらはBNの析出を促進させる働きがあり、した
がつてAl、REMおよびTiはBNに対し、同効を
呈する成分として複合添加される場合もあり、そ
のうちTiは鋼中でTiN(窒化チタン)を形成し、
BNと同じ作用があるとしてB存在下のみなら
ず、Ti単独添加も40Kgf/mm2級、50Kgf/mm2級
の非調質鋼では行われているが、5Kgf/mm2級以
上の焼入れ焼もどし型調質鋼ではBの焼入性増大
作用を利用する観点からTiを添加した場合もB
を複合添加することが多い。 ここにREMで一括表現した希土類金属は慣用
に従い主としてミツシユメタルを指すものとす
る。 これら大入熱溶接用鋼については、最近になつ
て一般に溶接後に実施されることのある応力除去
焼なまし(以下SRと略す)処理によつて実用上
重大な障害となることがわかつた。 すなわち40Kgf/mm2、50Kgf/mm2級の非調質鋼
では、SR処理による母材じん性の劣化は2mmV
ノツチシヤルピー衝撃試験における破面遷移温度
の変化量(ΔvTrs)でせいぜい20℃であり問題
とならない程度であるが、これに反して焼入れ焼
戻し型調質鋼ではSR処理による母材じん性の劣
化が著しく、ΔvTrsで20℃をこえ、ときには80
℃もの劣化を示すことが経験されたのである。 このように大幅な母材じん性劣化現象は、大入
熱溶接を可能にするため、とくにBを添加した鋼
で、かつ焼入れ焼もどしの調質処理を施した鋼材
に限つてとくに著しいことが認められる。 このSR処理による母材じん性の劣化を、少く
とも従来のレベルであり実用上問題とならない程
度、すなわちΔvTrsで20℃以内にするためPの
含有量を、この種鋼材に通常含有されているより
はるかに低減させる方法につき特願56−156092号
の発明をさきに提案した。 しかしPの含有量をこの問題に適合し得る程度
まで極端に低減させるためには製造コストの上昇
が避けられず、他の方法による解決がより有利で
ある。 (発明が解決しようとする問題点) そこでP含有量の甚しい低減によらないで、含
B大入熱溶接用調質鋼のSR処理による母材じん
性の劣化を有利に回避することを目的として発明
者は以下の開発実験を行つた。 すなわちAl又はTiをBと複合含有させた大入
熱溶接用焼入れ焼もどし型調質高張力鋼につい
て、SR処理による母材じん性の劣化挙動を調べ、
Bを0.0010重量%(以下鋼中成分につき単に%で
示す)までにして、REMを0.002%以上添加する
ことにより、Pを極端に低下させなくても応力除
去焼なましによる母材じん性の劣化を実用上問題
のない程度(ΔvTrsで〜20℃以下)にすること
が可能で、かつ大入熱溶接特性もすぐれているこ
とを見出した。 (問題点を解決するための手段) すなわち上掲の目的を達成する要部は、次のと
おり各発明のついて構成を限定するところにあ
る。 (1) C:0.03〜0.22%,Si:0.02〜0.80%,Mn:
0.20〜2.50%,B:0.0003〜0.0010%,P:
0.010〜0.025%及びN:0.012%以下 を、0.005〜0.1%のAl、0.003〜0.07%のTiのう
ち少なくとも一種とともに含み、 かつ0.002〜0.008%の希土類元素(REM)を
含有し、 残部は実質的に鉄および不可避的不純物から
なる組成(以下基本成分と略す) (2) 基本成分にさらに0.5%以下のMoを含有する
組成 (3) 基本成分に、さらにそれぞれ0.1%以下のV、
Nbを含有する組成 (4) 基本成分に、さらに1%以下のNi及び0.1%
以下のVならびに0.8%以下のCr又は0.5%以下
のCuのいずれかを含有する組成 (鋼組成の限定理由) 本発明における鋼組成の限定理由は次のとおり
である。 C:0.03〜0.22% Cは、この種溶接構造用鋼として必要な強度を
得るためには、最低0.03%必要であり、一方大入
熱溶接時の溶接割れ感受性および大入熱溶接熱影
響部のじん性の点から上限を0.22%とする。 Si:0.02〜0.80% Siは脱酸元素、ならびに強度を増大する元素と
して0.02%以上必要であるが0.80%を越えると母
材のじん性を損なうので0.80%以下とする。 Mn:0.20〜2.50% Mnは母材に延性と強度を与えるため0.20%以
上必要とするが、2.50%を越えると溶接硬化性を
著るしく上昇させるので2.50%以下とする。 B:0.0003〜0.0010% BはAl又はTiと、REMとの共存によつて大入
熱溶接熱影響部のじん性を向上させる元素である
が、一方Pと共存するとき、SR処理により母材
のじん性を劣化させる元素でもある。すでに触れ
たように、REMの添加にてPの制限を要せずし
て、SR処理による母材じん性の劣化を伴わずし
て、とくに大入熱溶接熱影響部のじん性を顕著に
向上させ得るBの相互作用の発見が重要な要点の
ひとつである。すなわち第1図には大入熱溶接
(110KJ/cm)ボンド部相当の熱サイクルを付与
した後のシヤルピー吸収エネルギーの変化を、
C:0.13%,Si:0.25%,Mn:1.36%,P:
0.015%,S:0.004%,Al:0.025%,Ti:0.015
%,Cr:0.10%,Ni:0.31%において0.002%ま
での種々な量のBとともにREMを0.005%添加し
た供試鋼に比し、REM無添加の比較鋼について
対比して示してあるが、REM0.005%添加の下に
0.0003%以上のBで顕著なボンド部じん性改善が
みられる一方、REMが添加されてないとBを
0.0008%まで添加してもボンド部じん性は全く向
上していないことがわかる。 さらに第2図は上記供試鋼中B量のSR処理を
経た母材じん性の変化に及ぼす影響を該処理前後
のvTs(破面遷移温度)の差ΔvTsで示してある。 この図によるとBが0.0010%以下ならばSR処
理による母材じん性の劣化は120℃にはるかに達
せず、実用上問題はない。しかしBを0.001%を
越えて添加するとΔvTsが劣化し、最大で80℃に
もなるのですでに述べたようにPを極端に低下さ
せるなどの対策が必要となる。これらの事実に従
つてBは、0.0003〜0.0010%に制限される。 P:0.010〜0.025% Pは鋼中に不可避的に混入される不純物元素
で、この種の溶接構造用鋼として一般的に0.035
〜0.040%以下に規定されることが多い。しかし
実際的な実用鋼材にあつては、0.010〜0.025%程
度含有しているのが一般的であるところ、ここに
P量を低下させる必要のない対策を構じたので、
単に0.025%以下に納まれば良く、またこの種鋼
材で通常採用されている工程で低減できる程度を
こえて、0.010%未満にする特別な措置を要しな
い。 N0.012% Nは通常の製鋼工程で含有されるが、0.012%
を越えると、母材および小入熱溶接熱影響部のじ
ん性を損なうので0.012%以下に限定する。 Al:0.005〜0.010%, Ti:0.003〜0.07% AlとTiはいずれもBと複合添加により大入熱
溶接熱影響部組織を、フエライト・パーライト化
させることによりじん性向上効果をもたらす元素
である。それらの含有量の下限は、その効果が発
揮される最低含有量によつて決まり、いずれも多
量に含有させると大入熱溶接熱影響部のみならず
母材のじん性をも損なうので含有量の上限が規定
される。それらの含有量の範囲はAlについては
0.005〜0.1%、Tiについては0.003〜0.07%とな
る。これらAl,Tiの一種のみBと複合添加して
も大入熱溶接熱影響部のじん性は十分改善される
が、AlとTiとBの3者を複合添加させても大入
熱溶接熱影響部じん性はより改善される。なお
AlとTiには上記主効果のほかに副次的効果とし
て結晶粒微細化による母材じん性向上作用を有す
るが、いずれもその効果は上記含有量の範囲で十
分に発揮される。 上記範囲に成分を調整した上で、REMを添加
するが、このREMはすでに第1図につきのべた
ようにBと共存して大入熱溶接熱影響部じん性を
改善するが、そのほかとくにBとPが存在すると
きSR処理によつておこる母材じん性劣化を、顕
著に抑制する。これは第2図についてさきに触れ
たが、注意しておくべきはBが0.001%をこえる
と効果が発揮されないことである。 この効果については、Bをとくに0.0003〜
0.0006%とした上掲供試鋼におけるREM量の影
響を第3図に示したようにその下限は0.002%で
あり、一方母材じん性を損なわないように0.008
%以内に限定される。 Cr:0.8%以下、Ni:1%以下、Mo:0.5%以下、
Cu:0.5%以下ならびにV,Nb:0.1%以下 Cr,Ni,MoおよびCuはいずれも焼入性増大
作用と固溶強化作用にもとずき、またVとNbは
析出強化作用にもとずき、これら諸元素の添加
は、いずれも母材の強度を上昇させるという共通
の効果をもたらし、したがつて何れの群について
もそのうち少くとも1種を用いるが、以下に示す
理由によりそれぞれ含有量の上限が規定される。 Crは0.8%を越えると溶接われ感受性を高める。 Niは高価な元素であり、この種、鋼材では経
済性の面から1%以下に限定される。 Moは0.5%を越えると母材および溶接熱影響部
のじん性を害する。 Cuは0.5%を越えると溶接われ感受性が高くな
る。 VおよびNbは0.1%を越えると母材のじん性を
害する。 なおBとPが共存したとき、SR処理によつて
母材じん性が大幅に劣化する現象は焼入れ、焼も
どし型の調質鋼においてのみ発生するので上記の
対策は焼入れ焼もどし型の調質鋼に限定される。
ただしここに言う焼入れは通常の焼入れのほか圧
延直後の直接焼入れも含まれるのはいうまでもな
い。 また上記した大入熱溶接用鋼といえども、仮付
溶接など小入熱溶接が行われる場合もあるので、
小入熱溶接性にも優れていることの要求にも充分
対処され得る。 (実施例) 表1に示す組成の鋼を高周波真空溶解にて溶製
し、100Kg鋼塊とし鋼5、12、13以外について熱
間圧延により板厚20mmの鋼板にした後、930℃加
熱の焼入れ処理と640℃加熱の焼もどし処理を行
つた。鋼5、12、13は熱間圧延により板厚20mmに
950℃で仕上げ、ただちに焼入れ処理(直接焼入
れ)を行つたのち640℃加熱の焼もどし処理を行
つた。 これらの鋼板について()大入熱溶接性を調
べるため入熱110KJ/cmのサブマージアーク溶接
の溶接ボンド部に相当する熱サイクルを溶接熱サ
イクル再現装置により付与した試験片、()応
力除去焼なましによる母材じん性の劣化の程度を
調べるため、580℃×3hの焼なまし前後の試験
片、それぞれよりJIS4号シヤルピー衝撃試験片を
採取し、()の試験片については−20℃におけ
る吸収エネルギーvE−20を調べ、()の試験片
については、破面遷移温度(vTs)を求めて、焼
なまし前後のvTsの差ΔvTs(SR処理後のvTs−
SR処理前のvTs)を調べた。その結果を表2に
示す。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
表1に示す鋼1〜10および17〜19はいずれも
Cr,Ni,Mo,CuおよびV,Nbを含まずとくに
鋼1〜5は、特定発明の組成条件を満足する発明
鋼、鋼6と8はREMを添加せずまた鋼7はB量
が適合範囲をはずれている比較鋼であり、そして
鋼9は大入熱溶接性を考慮していない組成の従来
鋼、鋼10はSR処理による母材じん性の劣化対策
としてPを極端に低下させた従来鋼さらに鋼17、
18はREM量が適合範囲をはずれており、また鋼
19はREM量とB量のいずれも適合範囲をはずれ
ている比較鋼である。 表2の結果より明らかなように発明鋼1〜5は
大入熱溶接性に優れ、しかも応力除去焼なまし処
理による母材じん性の劣化がΔvTsで評価してい
ずれも20℃以下の軽度なものであることがわか
る。一方比較鋼6〜8はいずれも大入熱溶接性は
発明鋼と同様に優れているが、SR処理による母
材じん性の劣化はΔvTsが70℃以上と大きい。ま
た従来鋼9は、SR処理による母材じん性劣化は
少ないが、大入熱溶接対策がとられていないの
で、vE−20が低い。なお極低P化した従来鋼10
はvE−20およびΔvTsともに優れているとは云
え、極低P化のため、特別な溶製法を採用する必
要があるため経済性に劣る。 表1の鋼11〜15はいずれも強化成分であるCr、
Ni、Mo、およびCuならびにV,Nbのうち少く
とも1種を含む発明鋼であり、鋼16はB含有量に
おいて適合範囲を逸脱する比較鋼である。 表2から明らかなように発明鋼11〜15は大入熱
溶接性に優れ、かつSR処理による母材じん性の
劣化が小さくこれらに反して比較鋼16はBが過剰
のため大入熱特性は優れているがSR処理による
母材じん性の劣化が著しい。 鋼17、18はREM量が多いために大入熱ボンド
部の靭性が劣つている。鋼19は、REM量、B量
がともに多いために、大入熱ボンド部の靭性のみ
ならず、SR後において母材じん性が大幅に劣化
する。 以上示したようにして特別な溶製手段を必要と
する低P化に比しはるかに有利にSR処理での母
材じん性劣化の少ない調質型大入熱溶接用鋼とし
て著しく有用である。
Cr,Ni,Mo,CuおよびV,Nbを含まずとくに
鋼1〜5は、特定発明の組成条件を満足する発明
鋼、鋼6と8はREMを添加せずまた鋼7はB量
が適合範囲をはずれている比較鋼であり、そして
鋼9は大入熱溶接性を考慮していない組成の従来
鋼、鋼10はSR処理による母材じん性の劣化対策
としてPを極端に低下させた従来鋼さらに鋼17、
18はREM量が適合範囲をはずれており、また鋼
19はREM量とB量のいずれも適合範囲をはずれ
ている比較鋼である。 表2の結果より明らかなように発明鋼1〜5は
大入熱溶接性に優れ、しかも応力除去焼なまし処
理による母材じん性の劣化がΔvTsで評価してい
ずれも20℃以下の軽度なものであることがわか
る。一方比較鋼6〜8はいずれも大入熱溶接性は
発明鋼と同様に優れているが、SR処理による母
材じん性の劣化はΔvTsが70℃以上と大きい。ま
た従来鋼9は、SR処理による母材じん性劣化は
少ないが、大入熱溶接対策がとられていないの
で、vE−20が低い。なお極低P化した従来鋼10
はvE−20およびΔvTsともに優れているとは云
え、極低P化のため、特別な溶製法を採用する必
要があるため経済性に劣る。 表1の鋼11〜15はいずれも強化成分であるCr、
Ni、Mo、およびCuならびにV,Nbのうち少く
とも1種を含む発明鋼であり、鋼16はB含有量に
おいて適合範囲を逸脱する比較鋼である。 表2から明らかなように発明鋼11〜15は大入熱
溶接性に優れ、かつSR処理による母材じん性の
劣化が小さくこれらに反して比較鋼16はBが過剰
のため大入熱特性は優れているがSR処理による
母材じん性の劣化が著しい。 鋼17、18はREM量が多いために大入熱ボンド
部の靭性が劣つている。鋼19は、REM量、B量
がともに多いために、大入熱ボンド部の靭性のみ
ならず、SR後において母材じん性が大幅に劣化
する。 以上示したようにして特別な溶製手段を必要と
する低P化に比しはるかに有利にSR処理での母
材じん性劣化の少ない調質型大入熱溶接用鋼とし
て著しく有用である。
第1図はB含有量と大入熱溶接ボンド部特性の
相関グラフ、第2図はB含有量がSR処理による
母材じん性の劣化に及ぼす影響を示すグラフ、第
3図はREM含有量が母材じん性の劣化に及ぼす
影響を示すグラフである。
相関グラフ、第2図はB含有量がSR処理による
母材じん性の劣化に及ぼす影響を示すグラフ、第
3図はREM含有量が母材じん性の劣化に及ぼす
影響を示すグラフである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 C:0.03〜0.22重量% Si:0.02〜0.80重量% Mn:0.20〜2.50重量% B:0.0003〜0.0010重量% P:0.010〜0.025重量%及び N:0.012重量%以下 を、0.005〜0.1重量%のAl、0.003〜0.07重量%の
Tiのうち少なくとも一種とともに含み、 かつ0.002〜0.008重量%の希土類元素(REM)
を含有し、 残部は実質的に鉄および不可避的不純物からな
る組成を特徴とする、応力除去焼なましによるじ
ん性劣化が少ない大入熱溶接用調質高張力鋼。 2 C:0.03〜0.22重量% Si:0.02〜0.80重量% Mn:0.20〜2.50重量% B:0.0003〜0.0010重量% P:0.010〜0.025重量%及び N:0.012重量%以下 を、0.005〜0.1重量%のAl、0.003〜0.07重量%の
Tiのうち少なくとも一種とともに含み、 かつ0.002〜0.008重量%の希土類元素(REM)
ならびに0.5重量%以下のMoを含有し、 残部は実質的に鉄および不可避的不純物からな
る組成を特徴とする、応力除去焼なましによるじ
ん性劣化が少ない大入熱溶接用調質高張力鋼。 3 C:0.03〜0.22重量% Si:0.02〜0.80重量% Mn:0.20〜2.50重量% B:0.0003〜0.0010重量% P:0.010〜0.025重量%及び N:0.012重量%以下 を、0.005〜0.1重量%のAl、0.003〜0.07重量%の
Tiのうち少なくとも一種とともに含み、 かつ0.002〜0.008重量%の希土類元素(REM)、
0.1重量%以下のV及び0.1重量%以下のNbを含有
し、 残部は実質的に鉄および不可避的不純物からな
る組成を特徴とする、応力除去焼なましによるじ
ん性劣化が少ない大入熱溶接用調質高張力鋼。 4 C:0.03〜0.22重量% Si:0.02〜0.80重量% Mn:0.20〜2.50重量% B:0.0003〜0.0010重量% P:0.010〜0.025重量%及び N:0.012重量%以下 を、0.005〜0.1重量%のAl、0.003〜0.07重量%の
Tiのうち少なくとも一種とともに含み、 かつ0.002〜0.008重量%の希土類元素(REM)、
1重量%以下のNi及び0.1重量%以下のVを含み、
さらに0.8重量%以下のCr又は0.5重量%以下のCu
のうちいずれかを含有し、 残部は実質的に鉄および不可避的不純物からな
る組成を特徴とする、応力除去焼なましによるじ
ん性劣化が少ない大入熱溶接用調質高張力鋼。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3250383A JPS59159966A (ja) | 1983-02-28 | 1983-02-28 | 応力除去焼なましによるじん性劣化が少ない大入熱溶接用調質高張力鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3250383A JPS59159966A (ja) | 1983-02-28 | 1983-02-28 | 応力除去焼なましによるじん性劣化が少ない大入熱溶接用調質高張力鋼 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS59159966A JPS59159966A (ja) | 1984-09-10 |
| JPH0351780B2 true JPH0351780B2 (ja) | 1991-08-07 |
Family
ID=12360787
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3250383A Granted JPS59159966A (ja) | 1983-02-28 | 1983-02-28 | 応力除去焼なましによるじん性劣化が少ない大入熱溶接用調質高張力鋼 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS59159966A (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS61190016A (ja) * | 1985-02-19 | 1986-08-23 | Kobe Steel Ltd | 大入熱溶接構造用鋼の製造方法 |
| JPS6286119A (ja) * | 1985-10-09 | 1987-04-20 | Kobe Steel Ltd | 耐溶接割れ性のすぐれた大入熱溶接構造用鋼の製造方法 |
-
1983
- 1983-02-28 JP JP3250383A patent/JPS59159966A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS59159966A (ja) | 1984-09-10 |
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