JPH0352407B2 - - Google Patents
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- JPH0352407B2 JPH0352407B2 JP8275883A JP8275883A JPH0352407B2 JP H0352407 B2 JPH0352407 B2 JP H0352407B2 JP 8275883 A JP8275883 A JP 8275883A JP 8275883 A JP8275883 A JP 8275883A JP H0352407 B2 JPH0352407 B2 JP H0352407B2
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Description
本発明は、ケイ素またはケイ素合金を塩素化し
て、ヘキサクロロジシランを得る方法に関する。
具体的には、ケイ素またはケイ素合金を塩素化す
ることによつて得られる生成物中のオクタクロロ
トリシラン以上の高沸分を2段階で低級化する方
法、すなわち()初めに副生高沸成分を加熱反
応処理により低級化し、()更に残存するオク
タクロロトリシラン以上の高沸成分を塩素により
低級化することによつてヘキサクロロジシランを
収率良く製造する方法に関する。 近年、エレクトロニスク工業の発展に伴い、多
結晶シリコンあるいはアモルフアスシリコン等の
半導体用シリコンの需要が急激に増大している。
これら半導体用シリコンの製造原料には、主にト
リクロロシラン、四塩化ケイ素、モノシランが用
いられている。一方高級塩素化ケイ素の利用も開
発され、例えばSinCl2o+2(nは2以上の数)の熱
分解によるアモルフアスシリコンまたは多結晶シ
リコンの製造(ベルギー特許第889523号公報)、
更にはヘキサクロロジシランの還元によるジシラ
ンの製造(ジヤーナル オブ ザ ケミカルフイ
ジツクス J.Chem.Phys.)vol.22,P939
(1954))、ジヤーナル オブ インオーガニツク
アンド ニユクレア ケミストリー(J.Inorg.
Nucl.Chem.)vol.25,P307(1963))等が報告さ
れている。 しかしてジシランSi2H6は、熱分解(CVD)、
グロー放電分解(GD)によりアモルフアスシリ
コン膜を形成する場合、モノシランSiH4に比較
して、基板上へ形成される膜の堆積速度がはるか
に大きく、かつ、該膜は電気特性に優れている等
の利点があり、太陽電池用半導体の原料等として
今後大幅な需要増加が期待されている(特開昭56
−83929号公報)。 従来、ヘキサクロロジシランはケイ素またはケ
イ素合金を塩素により塩素化することによつて得
られている。しかしながらこの場合、相当量の四
塩化ケイ素およびオクタクロロトリシラン以上の
高級塩化物が不可避的に副生するため目的物たる
ヘキサクロロジシランの収率が低いという問題点
があつた。また、この高級塩化物は、そのままア
ルカリ水等で処理し廃棄することも可能である
が、その場合には廃棄処理設備を設けるため製造
コストが上昇するという欠点があつた。 さらに、オクタクロロトリシラン以上の高級塩
化物は、容易にシリコオキザリツク系と推定され
る副生物固体を生成するが、該固体は極めて加熱
ないし衝撃に対し敏感な物質であるため、僅かの
衝撃等を加えただけで激しく発火燃焼する非常に
危険かつ厄介な物質なので安全上大きな問題をは
らんでいる。 本発明者らはヘキサクロロジシラン製造に際し
副生するオクタクロロトリシラン以上の高級塩化
物を()まず加熱反応処理し、()ひき続い
て塩素により再塩素化して2段階で低級化しその
かなりの部分をヘキサクロロジシランとして回収
することにより、収率良くヘキサクロロジシラン
を製造することができることを見出し、本発明を
完成した。 すなわち本発明は、 (1) ケイ素またはケイ素合金を高温で塩素化して
ヘキサクロロジシランを製造する方法におい
て、()上記塩素化反応により副生するオク
タクロロトリシラン以上の高沸成分を単独かま
たは希釈剤の存在下に300乃至700℃の温度範囲
で加熱反応処理してヘキサクロロジシラン含有
生成物を得、該得られた生成物から該ヘキサク
ロロジシランを分離回収すると共に、()上
記生物物中になお残存するオクタクロロトリシ
ラン以上の高沸成分を更に塩素と200乃至700℃
の温度範囲で反応低級化せしめてヘキサクロロ
ジシランとして回収することを特徴とするヘキ
サクロロジシランの製造方法、に存する。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明が対象とするヘキサクロロジシランの製
造方法はそれ自体公知の方法であり、ケイ素また
はケイ素合金、特にケイ化カルシウム、ケイ化鉄
およびケイ化マグネシウムを塩素により塩素化す
ることによつて得られるものである。上記塩素化
温度としては、通常、ケイ素の場合は300乃至500
℃、ケイ素合金の場合は150乃至350℃であるが、
この場合ヘキサクロロジシランの収率を向上させ
るために塩素を四塩化ケイ素等の希釈剤に同伴さ
せ供給する方法も採用される。生成液中のヘキサ
クロロジシランの含有量は、反応温度、塩素濃度
あるいは接触時間等によりある程度は変え得る
が、通常四塩化ケイ素、ヘキサクロロジシラン以
外に相当量のオクタクロロトリシラン以上の高沸
成分が不可避的に生成する。 上記のごときケイ素またはケイ素合金の高温塩
素化生成物(該塩素化生成物は四塩化ケイ素、ヘ
キサクロロジシランおよび他の副生高級塩素化物
の混合ガスとして塩素化反応器を去るのでこれを
冷却凝縮して補集したものである)から四塩化ケ
イ素およびヘキサクロロジシランが分離される。 該分離方法は常圧あるいは減圧下で蒸留分離す
る方法が最も普通であるが、適当な溶剤で抽出分
離したりもしくは冷却して晶析分離する等他の任
意の単位操作を採用することができることはもち
ろんである。 本発明はかくして塩素化生成物からヘキサクロ
ロジシラン等を分離した後に残留する、製造コス
トおよび安全面で問題の多いかかるオクタクロロ
トリシラン以上の副生高沸成分を下記のごとき2
段階の低級化処理によりヘキサクロロジシラン
(および安全な四塩化ケイ素)に変換せしめて回
収するものである。 () まず、第1段階として、オクタクロロトリ
シラン以上の高沸成分を単独かまたは希釈剤の
存在下に300乃至700℃の温度範囲で加熱反応処
理して少くともその一部をヘキサクロロジシラ
ンに低級化せしめることによりヘキサクロロジ
シラン含有生成物を得る。 加熱処理すべきオクタクロロトリシラン以上
の高級塩化物(高沸成分)とは次式() SikCl2k+2 (kは3以上の整数) () であらわされる高級塩素化ケイ素であつて、た
とえば、オクタクロロトリシラン、デカクロロ
テトラシラン、ドデカクロロペンタシラン、テ
トラデカクロロヘキサシラン等があげられる。 加熱処理温度は300乃至700℃より好ましくは
400乃至600℃である。300℃未満ではヘキサク
ロロジシランへの転化速度(低級化速度)が非
常に遅く、また700℃を越えると四塩化ケイ素
SiCl4への転化生成割合が増加し、かつ高級塩
素化ケイ素の分解により塩素ガスが生成するの
で望ましくない。 なお、処理すべく高沸成分の流動性を向上さ
せて取り扱い易くするため、反応に不活性な希
釈剤でこれを希釈することができる。かかる希
釈剤としては塩素化合物、特に四塩化ケイ素が
用いられるが、その他フロン、メチレンクロラ
イド、シリコンオイル等も使用可能である。 また、低級化反応速度を制御可能な範囲にお
さえて反応熱を的確にコントロールするため、
上記反応をヘリウム、ネオン、アルゴン、キセ
ノン、窒素等の不活性なガスの雰囲気下に行つ
てもよい。もちろん、上記四塩化ケイ素は反応
条件においてはガスとして存在するのでかかる
不活性ガスとしての作用も有することはもちろ
んである。 なお、低級化反応速度は非常に速いので、1
秒〜100秒程度の反応時間(連続流通反応の場
合は平均滞留時間)で反応は完結する。 かくして低級化処理して得られたヘキサクロ
ロジシラン含有生成物は高温のガスとして得ら
れるのでこれを冷却凝縮し、核凝縮生成物をた
とえば蒸留分離等して所望のヘキサクロロジシ
ランを四塩化ケイ素と共に回収する。 () つぎに、第1段階でヘキサクロロジシラン
を分離した凝縮生成物(以下高級塩化物とい
う)中になお未反応または完全に低級化されず
残存するオクタクロロトリシラン以上の高沸成
分をさらに塩素と200乃至700℃の温度範囲で反
応低級化せしめてヘキサクロロジシランとする
のである。 該塩素による低級化反応温度は200乃至700℃
好ましくは300〜500℃である。 200℃未満では反応が効果的に進行せずまた
700℃を越えると四塩化ケイ素への転化率が増
大しヘキサクロロジシランの転化率が非常に小
さくなる。 第2段階の塩素による低級化反応は、第1段
階の加熱反応処理に比較してはるかに強度の発
熱を伴うものである。したがつて的確に該反応
熱を制御するため、処理すべき高級塩化物を第
1段階で使用したごとく四塩化ケイ素等の希釈
剤で希釈することが望ましい。あるいは塩素ガ
スをそのまま使用せず、ヘリウム、ネオン、窒
素の不活性ガスで希釈することが好ましい。 なお、低級化反応に使用する塩素は、ボンベ
等に充填されて販売されているものを、そのま
ま使用することもできるが、濃硫酸やシリカゲ
ル等で処理して充分脱水した後、使用すること
がより好ましい。 また高級塩化物に対する塩素ガスの供給量
は、該高級塩化物1重量部に対して0.1〜10重
量部好ましくは0.2〜1.0重量部である。これが
0.1重量部未満では低級化反応が十分進行せず、
また10重量部を越えた場合は四塩化ケイ素への
転化率が大となつてヘキサクロロジシランの回
収率が低下し好ましくない。 本発明における第2段階の塩素による低級化
反応自体の反応速度は非常に大きいと思われる
が、気一液反応とした場合も塩素ガスの高級塩
化物に対する溶解度がかなり大なることから
(10%程度はあるものと推定される)、ほぼ総括
的に均相反応系として扱つてもよく短時間で反
応は終了するものと思料される。なお、実際上
250℃以上、特に350〜450℃で低級化反応を行
つた場合は、該高級塩化物のかなりの部分はこ
の温度で気化するので、実質的には低級化反応
は、この気化した高級塩化物ガスと塩素ガスと
による気相反応として大部分行なわれているも
のと推定される。 以上のごとくして、第2段階の塩素による低級
化反応により得られた四塩化ケイ素とヘキサクロ
ロジシランは混合物(通常の反応条件では混合ガ
ス)として得られるので、これをさらに蒸留分離
等してヘキサクロロジシラン(および四塩化ケイ
素)を回収するのである。この最終段階(第2段
階)でヘキサクロロジシランを回収分離した残り
の蒸留残部等の量は極めて少なく、そのままアル
カリ水等により処理し廃棄することもできるが、
前記第1段階あるいは第2段階の処理液中に少く
とも一部を混入・循環させることが望ましい。 次に本発明を実施するのに好ましい形態を添付
図面を参照しながら説明する。 第1図は本発明の好ましい実施形態の1例を示
すフローシートであるが図において、10は塩素
化反応器である。 塩素化反応器10は固一気反応が効果的に行え
て、かつ、冷却および/または加熱手段を備えて
おり、反応温度の制御が可能なものであれば、固
定層型、流動層型もしくは粉体撹拌層型等いかな
る形式のものでもかまわない。すなわち、縦型の
槽タイプのものでもよいし、横型の溝型、円筒
型、U字型等各タイプのものでもよい。特に操作
性や、反応終了後の固形残渣の取り出しの容易性
の点で、後者のタイプのものがより好ましい。な
お、反応容器に備えられる撹拌手段としては、プ
ロペラ型、タービン型、パドル型、螺旋型、二重
螺旋型、スクリユー型等の各撹拌機があるが、後
二者のタイプのものは、粉体の輸送機能もあるの
で、粒子を連続的に供給し連続的の抜き出す連続
操作を行う場合に、特に適したものである。 塩素化反応器10に配管20を通じて仕込まれ
る原料のカルシウムシリコン等の金属粒子Fは、
通常、比重2〜5、粒子径5〜300mesh程度の砂
粒状のものが好適に使用されるが、これらは混合
物であつても、また、マンガン等他種金属等を混
合・溶解したものでもよい。大粒子の場合は、粉
砕して、適当な粒径にそろえて使用するのが好ま
しい。 塩素ガスCLは配管30を通じて反応器に供給
されるが、反応器に送入すべき塩素ガスCLは、
通常ボンベ等に充填されて販売されているもの
を、好ましくは濃硫酸やシリカゲル等で処理して
充分脱水した後、特にそれ以上精製することな
く、そのまま使用することが出来る。しかしなが
ら、反応速度を容易に制御出来る範囲に押さえ反
応熱を的確にコントロールするため、塩素ガスを
そのまま使用せず、ヘリウム、ネオン、アルゴ
ン、キセノン、窒素、四塩化硅素等の反応系に対
し不活性なガスで希釈し、塩素含量1〜90mol
%、好ましくは3〜70mol%程度の塩素含有ガス
とすることが望ましい。 塩素含有ガスは、常法に従い、上記固定層の下
部又は中段部に供給して、該ガスを固定層内を上
昇せしめて固一気反応を行わしめても良いが、本
反応の速度は非常に速いので、例えば横型の反応
器を使用し層高がそれ程大きくならない場合は、
固定層の表面にガスを供給し、該固定層表面に沿
つてガスを流しながら反応させても、実用上充分
大なる速度でヘキサクロロジシランが生成する。 塩素化反応温度はすでに述べたごとくケイ素合
金を使用する場合は300乃至600℃好ましくは300
乃至500℃でありケイ素合金の場合は130乃至400
℃好ましくは150乃至350℃である。 反応終了後生成したヘキサクロロジシランガス
は、四塩化ケイ素、オクタクロロトリシラン、デ
カクロロテトラシラン等副生ガスとの混合高温ガ
スとして反応器10から流出し配管40を通じて
凝縮器50へ導かれここで冷却凝縮せしめられ
る。このためには、凝縮器50として多管型凝縮
器を使用し、該多管壁を介しての関接熱交換操作
により上記生成ガスを冷却凝縮せしめてもよい
し、またより好ましくは生成ガスと冷却媒体(以
下冷媒という)を直接接触せしめて直接熱交換操
作を行わせ冷却凝縮せしめてもよい。 生成凝縮液は配管60を通じて蒸留塔()7
0に送られ、ここで常圧もしくは減圧下に蒸留し
て、塩素、四塩化ケイ素、ヘキサクロロジシラ
ン、オクタクロロトリシラン以上の高級塩化物に
分離される。塩素、四塩化ケイ素およびヘキサク
ロロジシランは塔頂より留出し、高級塩化物は塔
底より缶残として取り出される。なお、四塩化ケ
イ素の一部は配管80により、また塩素は配管9
0によりそれぞれ反応器10に循環再使用され
る。 ヘキサクロロジシランは配管100により、四
塩化ケイ素の他の一部は同じく110により抜き
出される。なお、蒸留塔はラシヒリング、バール
サドルリング等を充填した充填塔でもいいし、バ
ブルキヤツプ塔のごときものでもかまわない。 缶残として缶出されるオクタクロロトリシラン
以上の高沸成分は配管120により加熱処理低級
化反応器(転化器)130に送られる。その際配
管140からの四塩化ケイ素等の希釈剤により希
釈することが好ましい。転化器130の構造は、
原料気体の加熱処理操作が効果的に行えるもので
あり、かつ、冷却および/または加熱手段を備え
ており、処理温度(反応温度)を所望の範囲に制
御できるものであれば管型、撹拌層型等いかなる
形式のものでもかまわない。たとえば、管型の反
応器の場合は、これを空塔(空管)でそのまま使
用してもよいし、α−アルミナビーズ、ラシヒリ
ング、バールサドルリング等の充填物を充填して
熱交換操作をより効果的にすることも好ましい。 かくして第1段反応の結果得られたヘキサクロ
ロジシラン(および四塩化ケイ素)含有生成物は
配管150を通じて蒸留器()160に供給さ
れ四塩化ケイ素およびヘキサクロロジシランがそ
れぞれ配管170,180および100を通じて
分離回収される。蒸留塔()からの釜出液(高
級塩化物)は配管190からの四塩化ケイ素で希
釈され管路200を通じて塩素化低級化反応器2
10に送られる。ここで管路215により送入さ
れる塩素と反応低級化せしめられる。 塩素化低級化反応器210は気一液反応が効果
的に遂行でき、かつ、冷却および/または加熱手
段を備えており、反応温度を所望の範囲に制御で
きるものであれば管型、撹拌層型等いかなる形式
のものでもかまわない。 たとえば、管型の反応器の場合は、これを空塔
(空管)でそのまま使用してもよいしα−アルミ
ナビーズ、ラシヒリング、バールサドルリング等
の充填物を充填して気液接触をより効果的にする
ことも好ましい。また空塔の変型タイプとしては
濡れ壁塔としてもよいし気泡塔とすることも可能
である。なお、気一液接触の態様としては、両者
を併流で接触せしめてもよいし、これを向流とし
てもよい。 塩素化低級化反応器210からの生成物は管路
220により蒸留塔()230に送られ生成四
塩化ケイ素およびヘキサクロロジシランが分離回
収される。これらはそれぞれ配管240(および
110)、250(および100)により取り出
される。なお、四塩化ケイ素の一部は配管190
を通じてたとえば反応器210に循環される。蒸
留塔からの少量の缶残は管路260によりアルカ
リ処理槽270に送られ、管路280による反応
器10からの反応残渣と共に、管路290を通じ
て供給されるアルカリ水により処理される。 以上のごとく、本発明は、ケイ素またはケイ素
合金の塩素化反応によつて得られた塩素化生成物
中のオクタクロロトリシラン以上の副生高沸成分
を、()まず加熱処理により低級化し、()ひ
きつづいて塩素と反応せしめて低級化するという
2段階の低級化操作を採用してヘキサクロロジシ
ランとして回収することを特徴とするのである。 すなわち、本発明では、()まず反応熱量が
比較的少ない第1段の加熱処理のみによる低級化
反応により副生高沸成分を処理するので、反応に
より副生する多量の高沸成分のすべてを、容易に
反応熱を制御しつつ短時間で処理することができ
る。 そして総回収ヘキサクロロジシランの大部分が
この第1段階で回収される。 ()そしてひき続いて、加熱処理のみでは低
級化しきれなかつた残りの高沸成分を塩素で低級
化するのであるが、副生高沸成分の相当量がすで
に第1段階で処理されているので、著しい発熱を
伴う塩素による該低級化反応が、比較的容易に処
理できるとともに、第1段階でヘキサクロロジシ
ランに転化・回収されなかつた副生高沸成分のか
なりの部分がこの第2段階で回収されるので総括
的なヘキサクロロジシランの回収率は非常に高く
なる。 これに対し、塩素化生成物中のオクタクロロト
リシラン以上の副生高沸成分を、第1段階の加熱
低級化処理を行うことなく、直接塩素により低級
化することももちろん可能であるが、この場合
は、上記した著しい発熱のため、該低級化反応の
制御が困難となり、処理能力が非常に低くなつて
しまうばかりでなく、しばしば反応が暴走するこ
とは避けられなかつた。また、塩素のみにより低
級化した場合本質的にヘキサクロロジシランの回
収率は本発明の2段階低級化に比較してはるかに
小さいものになつてしまうのである。 以下、実施例により本発明の実施の態様を説明
するがこれらはあくまで例示であり、特許法第70
条に規定する本発明の技術的範囲がこれらによつ
て限定的に解釈されるものと解してはならない。 実施例 1 (1) ケイ化カルシウムの塩素化反応 市販のケイ化カルシウム(日本重化学社製、
48〜200メツシユ、Si含有量61wt%)6.0Kg
(Si130.3g−atm)をアルゴン雰囲気中200の
固定床型反応器に装入した。 次に温度を180℃にまで昇温させ、アルゴン
(流量20/min)中に塩素ガス(鶴見曹達社
製、純度98%、以下同じ、塩素流量25/
min)を同伴させ12時間塩素化反応を行なつ
た。 生成ガスを約0℃に冷却し、生成液15.6Kgを
補集した。生成液中のケイ素含有量は
113.7gmolで、これは転化率87%(仕込みSi原
子基準、以下同じ)に相当する。次にこの生成
液を常圧下で単蒸留することにより四塩化ケイ
素4.0Kg(23.5g−mole、収率18.1%)、更に減
圧下(125mmHg)で単蒸留することによりヘキ
サクロロジシラン5.8Kg(21.6g−mole、収率
33.1%)およびオクタクロロトリシラン4.0Kg
(10.9g−mole、収率25.0%)を含む釜残()
5.7Kgを得た。 (2) 加熱反応処理による低級化反応 釜残()5.7Kgを四塩化ケイ素13.2Kgに希
釈した混合溶液(釜残濃度30wt%)を、アル
ゴン雰囲気下、125g/minの流量で予め500℃
に設定した反応管(内径100mm、長さ980mmのガ
ラス管に平均粒径5mmのα−アルミナビーズを
充填したもの)に通じ150分間加熱低級化反応
を行なつた。生成ガスを0℃に冷却し、生成液
18.4Kgを補集した。生成液を前述のごとく単蒸
留することにより四塩化ケイ素13.5Kg(正味生
成量1.8g−mole、収率1.4%)、ヘキサクロロジ
シラン4.7Kg(17.5g−mole、収率26.9%)およ
びオクタクロロトリシラン0.5Kg(1.4g−mole、
収率3.2%)を含む釜残()0.7Kgを得た。 (3) 塩素による低級化反応 釜残()0.7Kgを四塩化ケイ素6.0Kgに希釈
した混合溶液(釜残濃度10.5wt%)と塩素を、
それぞれ140g/min、25/minの流速で(2)に
おいて用いた反応管に通じ450℃にて48分間塩
素化低級化反応を行なつた。生成ガスを0℃に
冷却し、生成液7.5Kgを補集した。生成液を前
述のごとく単蒸留することにより四塩化ケイ素
7.0Kg(正味生成量5.9g−mole、収率4.5%)、
ヘキサクロロジシラン0.3Kg(1.1g−mole、収
率1.7%)および釜残()0.1Kgを得た。 以上の3反応により得られたヘキサクロロジシ
ランの、仕込みケイ化カルシウムに対する収率は
62%(Si仕込み原子基準)であり、また最終的に
残つたオクタクロロトリシラン以上の高沸成分は
仕込みケイ化カルシウム1gに対し約0.017gであつ
た。 比較例 1 実施例1の(1)で得られたと同一組成の釜残
()5.7Kgを四塩化ケイ素13.2Kgに希釈した混合
溶液(釜残濃度30wt%)と塩素を、アルゴン雰
囲気下、それぞれ125g/min、64/minの流量
で実施例1の(2)および(3)で用いたと同じ、予め
450℃に設定した反応管に通じ反応を行なつた
(釜残()の流量は実施例1の(2)と同じ。釜残
()および塩素の流量比率は実施例1の(3)と同
じ)。 反応開始10分後、反応熱のため反応温度が急上
昇したので反応を停止した。 比較例 2 比較例1において反応熱のため反応の継続が不
可能だったので、次に釜残の供給速度を下げ反応
を行なつた。すなわち実施例1の(1)で得られたと
同一組成の釜残()5.7Kgを四塩化ケイ素48.8
Kgに希釈した混合溶液(釜残濃度10.5wt%)を、
実施例1の(3)と同一条件(ただし反応時間は390
分)で直接塩素による低級化反応を行なつた。得
られた生成液61.2Kgを蒸留分離することにより四
塩化ケイ素51.8Kg(正味生成量17.4g−mole、収
率13.4%)、ヘキサクロロジシラン2.5Kg(9.3g−
mole、収率14.3%)、およびオクタクロロトリシ
ラン0.5Kg(1.4g−mole、収率3.2%)を含む釜残
()0.8Kgを得た。この段階でのヘキサクロロジ
シランの、仕込みケイ化カルシウムに対する収率
は47%(仕込みSi原子基準)である。 次に上記の釜残()0.8Kgを四塩化ケイ素1.9
Kgに希釈した混合溶液(釜残濃度30wt%)を、
実施例1の(2)と同一条件(ただし反応時間は22
分)で加熱反応処理を行なつた。得られた生成液
23gを蒸留分離することにより四塩化ケイ素1.9
Kg、ヘキサクロロジシラン0.6Kg(2.2g−mole、
収率3.4%)および釜残0.2Kgを得た。 最終段階でのヘキサクロロジシランの、仕込み
ケイ化カルシウムに対する収率は51%(仕込みSi
原子基準)であり、また最終的に残つたオクタク
ロロトリシラン以上の高沸成分は仕込みケイ化カ
ルシウム1gに対し約0.034gであつた。 実施例 2 実施例1の(2)において、加熱反応処理を450℃
で行なつた以外は、実施例1と同様にして実験を
行なつた。 結果を第1表に示す。 実施例 3 実施例1の(2)において、釜残()と同一組成
の釜残5.7Kgを四塩化ケイ素に希釈せずに、流量
0.1Kg/minの速さで57分間、500℃で反応させた
以外は実施例1と全く同様にして実験を行なつ
た。 結果を第1表に示す。
て、ヘキサクロロジシランを得る方法に関する。
具体的には、ケイ素またはケイ素合金を塩素化す
ることによつて得られる生成物中のオクタクロロ
トリシラン以上の高沸分を2段階で低級化する方
法、すなわち()初めに副生高沸成分を加熱反
応処理により低級化し、()更に残存するオク
タクロロトリシラン以上の高沸成分を塩素により
低級化することによつてヘキサクロロジシランを
収率良く製造する方法に関する。 近年、エレクトロニスク工業の発展に伴い、多
結晶シリコンあるいはアモルフアスシリコン等の
半導体用シリコンの需要が急激に増大している。
これら半導体用シリコンの製造原料には、主にト
リクロロシラン、四塩化ケイ素、モノシランが用
いられている。一方高級塩素化ケイ素の利用も開
発され、例えばSinCl2o+2(nは2以上の数)の熱
分解によるアモルフアスシリコンまたは多結晶シ
リコンの製造(ベルギー特許第889523号公報)、
更にはヘキサクロロジシランの還元によるジシラ
ンの製造(ジヤーナル オブ ザ ケミカルフイ
ジツクス J.Chem.Phys.)vol.22,P939
(1954))、ジヤーナル オブ インオーガニツク
アンド ニユクレア ケミストリー(J.Inorg.
Nucl.Chem.)vol.25,P307(1963))等が報告さ
れている。 しかしてジシランSi2H6は、熱分解(CVD)、
グロー放電分解(GD)によりアモルフアスシリ
コン膜を形成する場合、モノシランSiH4に比較
して、基板上へ形成される膜の堆積速度がはるか
に大きく、かつ、該膜は電気特性に優れている等
の利点があり、太陽電池用半導体の原料等として
今後大幅な需要増加が期待されている(特開昭56
−83929号公報)。 従来、ヘキサクロロジシランはケイ素またはケ
イ素合金を塩素により塩素化することによつて得
られている。しかしながらこの場合、相当量の四
塩化ケイ素およびオクタクロロトリシラン以上の
高級塩化物が不可避的に副生するため目的物たる
ヘキサクロロジシランの収率が低いという問題点
があつた。また、この高級塩化物は、そのままア
ルカリ水等で処理し廃棄することも可能である
が、その場合には廃棄処理設備を設けるため製造
コストが上昇するという欠点があつた。 さらに、オクタクロロトリシラン以上の高級塩
化物は、容易にシリコオキザリツク系と推定され
る副生物固体を生成するが、該固体は極めて加熱
ないし衝撃に対し敏感な物質であるため、僅かの
衝撃等を加えただけで激しく発火燃焼する非常に
危険かつ厄介な物質なので安全上大きな問題をは
らんでいる。 本発明者らはヘキサクロロジシラン製造に際し
副生するオクタクロロトリシラン以上の高級塩化
物を()まず加熱反応処理し、()ひき続い
て塩素により再塩素化して2段階で低級化しその
かなりの部分をヘキサクロロジシランとして回収
することにより、収率良くヘキサクロロジシラン
を製造することができることを見出し、本発明を
完成した。 すなわち本発明は、 (1) ケイ素またはケイ素合金を高温で塩素化して
ヘキサクロロジシランを製造する方法におい
て、()上記塩素化反応により副生するオク
タクロロトリシラン以上の高沸成分を単独かま
たは希釈剤の存在下に300乃至700℃の温度範囲
で加熱反応処理してヘキサクロロジシラン含有
生成物を得、該得られた生成物から該ヘキサク
ロロジシランを分離回収すると共に、()上
記生物物中になお残存するオクタクロロトリシ
ラン以上の高沸成分を更に塩素と200乃至700℃
の温度範囲で反応低級化せしめてヘキサクロロ
ジシランとして回収することを特徴とするヘキ
サクロロジシランの製造方法、に存する。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明が対象とするヘキサクロロジシランの製
造方法はそれ自体公知の方法であり、ケイ素また
はケイ素合金、特にケイ化カルシウム、ケイ化鉄
およびケイ化マグネシウムを塩素により塩素化す
ることによつて得られるものである。上記塩素化
温度としては、通常、ケイ素の場合は300乃至500
℃、ケイ素合金の場合は150乃至350℃であるが、
この場合ヘキサクロロジシランの収率を向上させ
るために塩素を四塩化ケイ素等の希釈剤に同伴さ
せ供給する方法も採用される。生成液中のヘキサ
クロロジシランの含有量は、反応温度、塩素濃度
あるいは接触時間等によりある程度は変え得る
が、通常四塩化ケイ素、ヘキサクロロジシラン以
外に相当量のオクタクロロトリシラン以上の高沸
成分が不可避的に生成する。 上記のごときケイ素またはケイ素合金の高温塩
素化生成物(該塩素化生成物は四塩化ケイ素、ヘ
キサクロロジシランおよび他の副生高級塩素化物
の混合ガスとして塩素化反応器を去るのでこれを
冷却凝縮して補集したものである)から四塩化ケ
イ素およびヘキサクロロジシランが分離される。 該分離方法は常圧あるいは減圧下で蒸留分離す
る方法が最も普通であるが、適当な溶剤で抽出分
離したりもしくは冷却して晶析分離する等他の任
意の単位操作を採用することができることはもち
ろんである。 本発明はかくして塩素化生成物からヘキサクロ
ロジシラン等を分離した後に残留する、製造コス
トおよび安全面で問題の多いかかるオクタクロロ
トリシラン以上の副生高沸成分を下記のごとき2
段階の低級化処理によりヘキサクロロジシラン
(および安全な四塩化ケイ素)に変換せしめて回
収するものである。 () まず、第1段階として、オクタクロロトリ
シラン以上の高沸成分を単独かまたは希釈剤の
存在下に300乃至700℃の温度範囲で加熱反応処
理して少くともその一部をヘキサクロロジシラ
ンに低級化せしめることによりヘキサクロロジ
シラン含有生成物を得る。 加熱処理すべきオクタクロロトリシラン以上
の高級塩化物(高沸成分)とは次式() SikCl2k+2 (kは3以上の整数) () であらわされる高級塩素化ケイ素であつて、た
とえば、オクタクロロトリシラン、デカクロロ
テトラシラン、ドデカクロロペンタシラン、テ
トラデカクロロヘキサシラン等があげられる。 加熱処理温度は300乃至700℃より好ましくは
400乃至600℃である。300℃未満ではヘキサク
ロロジシランへの転化速度(低級化速度)が非
常に遅く、また700℃を越えると四塩化ケイ素
SiCl4への転化生成割合が増加し、かつ高級塩
素化ケイ素の分解により塩素ガスが生成するの
で望ましくない。 なお、処理すべく高沸成分の流動性を向上さ
せて取り扱い易くするため、反応に不活性な希
釈剤でこれを希釈することができる。かかる希
釈剤としては塩素化合物、特に四塩化ケイ素が
用いられるが、その他フロン、メチレンクロラ
イド、シリコンオイル等も使用可能である。 また、低級化反応速度を制御可能な範囲にお
さえて反応熱を的確にコントロールするため、
上記反応をヘリウム、ネオン、アルゴン、キセ
ノン、窒素等の不活性なガスの雰囲気下に行つ
てもよい。もちろん、上記四塩化ケイ素は反応
条件においてはガスとして存在するのでかかる
不活性ガスとしての作用も有することはもちろ
んである。 なお、低級化反応速度は非常に速いので、1
秒〜100秒程度の反応時間(連続流通反応の場
合は平均滞留時間)で反応は完結する。 かくして低級化処理して得られたヘキサクロ
ロジシラン含有生成物は高温のガスとして得ら
れるのでこれを冷却凝縮し、核凝縮生成物をた
とえば蒸留分離等して所望のヘキサクロロジシ
ランを四塩化ケイ素と共に回収する。 () つぎに、第1段階でヘキサクロロジシラン
を分離した凝縮生成物(以下高級塩化物とい
う)中になお未反応または完全に低級化されず
残存するオクタクロロトリシラン以上の高沸成
分をさらに塩素と200乃至700℃の温度範囲で反
応低級化せしめてヘキサクロロジシランとする
のである。 該塩素による低級化反応温度は200乃至700℃
好ましくは300〜500℃である。 200℃未満では反応が効果的に進行せずまた
700℃を越えると四塩化ケイ素への転化率が増
大しヘキサクロロジシランの転化率が非常に小
さくなる。 第2段階の塩素による低級化反応は、第1段
階の加熱反応処理に比較してはるかに強度の発
熱を伴うものである。したがつて的確に該反応
熱を制御するため、処理すべき高級塩化物を第
1段階で使用したごとく四塩化ケイ素等の希釈
剤で希釈することが望ましい。あるいは塩素ガ
スをそのまま使用せず、ヘリウム、ネオン、窒
素の不活性ガスで希釈することが好ましい。 なお、低級化反応に使用する塩素は、ボンベ
等に充填されて販売されているものを、そのま
ま使用することもできるが、濃硫酸やシリカゲ
ル等で処理して充分脱水した後、使用すること
がより好ましい。 また高級塩化物に対する塩素ガスの供給量
は、該高級塩化物1重量部に対して0.1〜10重
量部好ましくは0.2〜1.0重量部である。これが
0.1重量部未満では低級化反応が十分進行せず、
また10重量部を越えた場合は四塩化ケイ素への
転化率が大となつてヘキサクロロジシランの回
収率が低下し好ましくない。 本発明における第2段階の塩素による低級化
反応自体の反応速度は非常に大きいと思われる
が、気一液反応とした場合も塩素ガスの高級塩
化物に対する溶解度がかなり大なることから
(10%程度はあるものと推定される)、ほぼ総括
的に均相反応系として扱つてもよく短時間で反
応は終了するものと思料される。なお、実際上
250℃以上、特に350〜450℃で低級化反応を行
つた場合は、該高級塩化物のかなりの部分はこ
の温度で気化するので、実質的には低級化反応
は、この気化した高級塩化物ガスと塩素ガスと
による気相反応として大部分行なわれているも
のと推定される。 以上のごとくして、第2段階の塩素による低級
化反応により得られた四塩化ケイ素とヘキサクロ
ロジシランは混合物(通常の反応条件では混合ガ
ス)として得られるので、これをさらに蒸留分離
等してヘキサクロロジシラン(および四塩化ケイ
素)を回収するのである。この最終段階(第2段
階)でヘキサクロロジシランを回収分離した残り
の蒸留残部等の量は極めて少なく、そのままアル
カリ水等により処理し廃棄することもできるが、
前記第1段階あるいは第2段階の処理液中に少く
とも一部を混入・循環させることが望ましい。 次に本発明を実施するのに好ましい形態を添付
図面を参照しながら説明する。 第1図は本発明の好ましい実施形態の1例を示
すフローシートであるが図において、10は塩素
化反応器である。 塩素化反応器10は固一気反応が効果的に行え
て、かつ、冷却および/または加熱手段を備えて
おり、反応温度の制御が可能なものであれば、固
定層型、流動層型もしくは粉体撹拌層型等いかな
る形式のものでもかまわない。すなわち、縦型の
槽タイプのものでもよいし、横型の溝型、円筒
型、U字型等各タイプのものでもよい。特に操作
性や、反応終了後の固形残渣の取り出しの容易性
の点で、後者のタイプのものがより好ましい。な
お、反応容器に備えられる撹拌手段としては、プ
ロペラ型、タービン型、パドル型、螺旋型、二重
螺旋型、スクリユー型等の各撹拌機があるが、後
二者のタイプのものは、粉体の輸送機能もあるの
で、粒子を連続的に供給し連続的の抜き出す連続
操作を行う場合に、特に適したものである。 塩素化反応器10に配管20を通じて仕込まれ
る原料のカルシウムシリコン等の金属粒子Fは、
通常、比重2〜5、粒子径5〜300mesh程度の砂
粒状のものが好適に使用されるが、これらは混合
物であつても、また、マンガン等他種金属等を混
合・溶解したものでもよい。大粒子の場合は、粉
砕して、適当な粒径にそろえて使用するのが好ま
しい。 塩素ガスCLは配管30を通じて反応器に供給
されるが、反応器に送入すべき塩素ガスCLは、
通常ボンベ等に充填されて販売されているもの
を、好ましくは濃硫酸やシリカゲル等で処理して
充分脱水した後、特にそれ以上精製することな
く、そのまま使用することが出来る。しかしなが
ら、反応速度を容易に制御出来る範囲に押さえ反
応熱を的確にコントロールするため、塩素ガスを
そのまま使用せず、ヘリウム、ネオン、アルゴ
ン、キセノン、窒素、四塩化硅素等の反応系に対
し不活性なガスで希釈し、塩素含量1〜90mol
%、好ましくは3〜70mol%程度の塩素含有ガス
とすることが望ましい。 塩素含有ガスは、常法に従い、上記固定層の下
部又は中段部に供給して、該ガスを固定層内を上
昇せしめて固一気反応を行わしめても良いが、本
反応の速度は非常に速いので、例えば横型の反応
器を使用し層高がそれ程大きくならない場合は、
固定層の表面にガスを供給し、該固定層表面に沿
つてガスを流しながら反応させても、実用上充分
大なる速度でヘキサクロロジシランが生成する。 塩素化反応温度はすでに述べたごとくケイ素合
金を使用する場合は300乃至600℃好ましくは300
乃至500℃でありケイ素合金の場合は130乃至400
℃好ましくは150乃至350℃である。 反応終了後生成したヘキサクロロジシランガス
は、四塩化ケイ素、オクタクロロトリシラン、デ
カクロロテトラシラン等副生ガスとの混合高温ガ
スとして反応器10から流出し配管40を通じて
凝縮器50へ導かれここで冷却凝縮せしめられ
る。このためには、凝縮器50として多管型凝縮
器を使用し、該多管壁を介しての関接熱交換操作
により上記生成ガスを冷却凝縮せしめてもよい
し、またより好ましくは生成ガスと冷却媒体(以
下冷媒という)を直接接触せしめて直接熱交換操
作を行わせ冷却凝縮せしめてもよい。 生成凝縮液は配管60を通じて蒸留塔()7
0に送られ、ここで常圧もしくは減圧下に蒸留し
て、塩素、四塩化ケイ素、ヘキサクロロジシラ
ン、オクタクロロトリシラン以上の高級塩化物に
分離される。塩素、四塩化ケイ素およびヘキサク
ロロジシランは塔頂より留出し、高級塩化物は塔
底より缶残として取り出される。なお、四塩化ケ
イ素の一部は配管80により、また塩素は配管9
0によりそれぞれ反応器10に循環再使用され
る。 ヘキサクロロジシランは配管100により、四
塩化ケイ素の他の一部は同じく110により抜き
出される。なお、蒸留塔はラシヒリング、バール
サドルリング等を充填した充填塔でもいいし、バ
ブルキヤツプ塔のごときものでもかまわない。 缶残として缶出されるオクタクロロトリシラン
以上の高沸成分は配管120により加熱処理低級
化反応器(転化器)130に送られる。その際配
管140からの四塩化ケイ素等の希釈剤により希
釈することが好ましい。転化器130の構造は、
原料気体の加熱処理操作が効果的に行えるもので
あり、かつ、冷却および/または加熱手段を備え
ており、処理温度(反応温度)を所望の範囲に制
御できるものであれば管型、撹拌層型等いかなる
形式のものでもかまわない。たとえば、管型の反
応器の場合は、これを空塔(空管)でそのまま使
用してもよいし、α−アルミナビーズ、ラシヒリ
ング、バールサドルリング等の充填物を充填して
熱交換操作をより効果的にすることも好ましい。 かくして第1段反応の結果得られたヘキサクロ
ロジシラン(および四塩化ケイ素)含有生成物は
配管150を通じて蒸留器()160に供給さ
れ四塩化ケイ素およびヘキサクロロジシランがそ
れぞれ配管170,180および100を通じて
分離回収される。蒸留塔()からの釜出液(高
級塩化物)は配管190からの四塩化ケイ素で希
釈され管路200を通じて塩素化低級化反応器2
10に送られる。ここで管路215により送入さ
れる塩素と反応低級化せしめられる。 塩素化低級化反応器210は気一液反応が効果
的に遂行でき、かつ、冷却および/または加熱手
段を備えており、反応温度を所望の範囲に制御で
きるものであれば管型、撹拌層型等いかなる形式
のものでもかまわない。 たとえば、管型の反応器の場合は、これを空塔
(空管)でそのまま使用してもよいしα−アルミ
ナビーズ、ラシヒリング、バールサドルリング等
の充填物を充填して気液接触をより効果的にする
ことも好ましい。また空塔の変型タイプとしては
濡れ壁塔としてもよいし気泡塔とすることも可能
である。なお、気一液接触の態様としては、両者
を併流で接触せしめてもよいし、これを向流とし
てもよい。 塩素化低級化反応器210からの生成物は管路
220により蒸留塔()230に送られ生成四
塩化ケイ素およびヘキサクロロジシランが分離回
収される。これらはそれぞれ配管240(および
110)、250(および100)により取り出
される。なお、四塩化ケイ素の一部は配管190
を通じてたとえば反応器210に循環される。蒸
留塔からの少量の缶残は管路260によりアルカ
リ処理槽270に送られ、管路280による反応
器10からの反応残渣と共に、管路290を通じ
て供給されるアルカリ水により処理される。 以上のごとく、本発明は、ケイ素またはケイ素
合金の塩素化反応によつて得られた塩素化生成物
中のオクタクロロトリシラン以上の副生高沸成分
を、()まず加熱処理により低級化し、()ひ
きつづいて塩素と反応せしめて低級化するという
2段階の低級化操作を採用してヘキサクロロジシ
ランとして回収することを特徴とするのである。 すなわち、本発明では、()まず反応熱量が
比較的少ない第1段の加熱処理のみによる低級化
反応により副生高沸成分を処理するので、反応に
より副生する多量の高沸成分のすべてを、容易に
反応熱を制御しつつ短時間で処理することができ
る。 そして総回収ヘキサクロロジシランの大部分が
この第1段階で回収される。 ()そしてひき続いて、加熱処理のみでは低
級化しきれなかつた残りの高沸成分を塩素で低級
化するのであるが、副生高沸成分の相当量がすで
に第1段階で処理されているので、著しい発熱を
伴う塩素による該低級化反応が、比較的容易に処
理できるとともに、第1段階でヘキサクロロジシ
ランに転化・回収されなかつた副生高沸成分のか
なりの部分がこの第2段階で回収されるので総括
的なヘキサクロロジシランの回収率は非常に高く
なる。 これに対し、塩素化生成物中のオクタクロロト
リシラン以上の副生高沸成分を、第1段階の加熱
低級化処理を行うことなく、直接塩素により低級
化することももちろん可能であるが、この場合
は、上記した著しい発熱のため、該低級化反応の
制御が困難となり、処理能力が非常に低くなつて
しまうばかりでなく、しばしば反応が暴走するこ
とは避けられなかつた。また、塩素のみにより低
級化した場合本質的にヘキサクロロジシランの回
収率は本発明の2段階低級化に比較してはるかに
小さいものになつてしまうのである。 以下、実施例により本発明の実施の態様を説明
するがこれらはあくまで例示であり、特許法第70
条に規定する本発明の技術的範囲がこれらによつ
て限定的に解釈されるものと解してはならない。 実施例 1 (1) ケイ化カルシウムの塩素化反応 市販のケイ化カルシウム(日本重化学社製、
48〜200メツシユ、Si含有量61wt%)6.0Kg
(Si130.3g−atm)をアルゴン雰囲気中200の
固定床型反応器に装入した。 次に温度を180℃にまで昇温させ、アルゴン
(流量20/min)中に塩素ガス(鶴見曹達社
製、純度98%、以下同じ、塩素流量25/
min)を同伴させ12時間塩素化反応を行なつ
た。 生成ガスを約0℃に冷却し、生成液15.6Kgを
補集した。生成液中のケイ素含有量は
113.7gmolで、これは転化率87%(仕込みSi原
子基準、以下同じ)に相当する。次にこの生成
液を常圧下で単蒸留することにより四塩化ケイ
素4.0Kg(23.5g−mole、収率18.1%)、更に減
圧下(125mmHg)で単蒸留することによりヘキ
サクロロジシラン5.8Kg(21.6g−mole、収率
33.1%)およびオクタクロロトリシラン4.0Kg
(10.9g−mole、収率25.0%)を含む釜残()
5.7Kgを得た。 (2) 加熱反応処理による低級化反応 釜残()5.7Kgを四塩化ケイ素13.2Kgに希
釈した混合溶液(釜残濃度30wt%)を、アル
ゴン雰囲気下、125g/minの流量で予め500℃
に設定した反応管(内径100mm、長さ980mmのガ
ラス管に平均粒径5mmのα−アルミナビーズを
充填したもの)に通じ150分間加熱低級化反応
を行なつた。生成ガスを0℃に冷却し、生成液
18.4Kgを補集した。生成液を前述のごとく単蒸
留することにより四塩化ケイ素13.5Kg(正味生
成量1.8g−mole、収率1.4%)、ヘキサクロロジ
シラン4.7Kg(17.5g−mole、収率26.9%)およ
びオクタクロロトリシラン0.5Kg(1.4g−mole、
収率3.2%)を含む釜残()0.7Kgを得た。 (3) 塩素による低級化反応 釜残()0.7Kgを四塩化ケイ素6.0Kgに希釈
した混合溶液(釜残濃度10.5wt%)と塩素を、
それぞれ140g/min、25/minの流速で(2)に
おいて用いた反応管に通じ450℃にて48分間塩
素化低級化反応を行なつた。生成ガスを0℃に
冷却し、生成液7.5Kgを補集した。生成液を前
述のごとく単蒸留することにより四塩化ケイ素
7.0Kg(正味生成量5.9g−mole、収率4.5%)、
ヘキサクロロジシラン0.3Kg(1.1g−mole、収
率1.7%)および釜残()0.1Kgを得た。 以上の3反応により得られたヘキサクロロジシ
ランの、仕込みケイ化カルシウムに対する収率は
62%(Si仕込み原子基準)であり、また最終的に
残つたオクタクロロトリシラン以上の高沸成分は
仕込みケイ化カルシウム1gに対し約0.017gであつ
た。 比較例 1 実施例1の(1)で得られたと同一組成の釜残
()5.7Kgを四塩化ケイ素13.2Kgに希釈した混合
溶液(釜残濃度30wt%)と塩素を、アルゴン雰
囲気下、それぞれ125g/min、64/minの流量
で実施例1の(2)および(3)で用いたと同じ、予め
450℃に設定した反応管に通じ反応を行なつた
(釜残()の流量は実施例1の(2)と同じ。釜残
()および塩素の流量比率は実施例1の(3)と同
じ)。 反応開始10分後、反応熱のため反応温度が急上
昇したので反応を停止した。 比較例 2 比較例1において反応熱のため反応の継続が不
可能だったので、次に釜残の供給速度を下げ反応
を行なつた。すなわち実施例1の(1)で得られたと
同一組成の釜残()5.7Kgを四塩化ケイ素48.8
Kgに希釈した混合溶液(釜残濃度10.5wt%)を、
実施例1の(3)と同一条件(ただし反応時間は390
分)で直接塩素による低級化反応を行なつた。得
られた生成液61.2Kgを蒸留分離することにより四
塩化ケイ素51.8Kg(正味生成量17.4g−mole、収
率13.4%)、ヘキサクロロジシラン2.5Kg(9.3g−
mole、収率14.3%)、およびオクタクロロトリシ
ラン0.5Kg(1.4g−mole、収率3.2%)を含む釜残
()0.8Kgを得た。この段階でのヘキサクロロジ
シランの、仕込みケイ化カルシウムに対する収率
は47%(仕込みSi原子基準)である。 次に上記の釜残()0.8Kgを四塩化ケイ素1.9
Kgに希釈した混合溶液(釜残濃度30wt%)を、
実施例1の(2)と同一条件(ただし反応時間は22
分)で加熱反応処理を行なつた。得られた生成液
23gを蒸留分離することにより四塩化ケイ素1.9
Kg、ヘキサクロロジシラン0.6Kg(2.2g−mole、
収率3.4%)および釜残0.2Kgを得た。 最終段階でのヘキサクロロジシランの、仕込み
ケイ化カルシウムに対する収率は51%(仕込みSi
原子基準)であり、また最終的に残つたオクタク
ロロトリシラン以上の高沸成分は仕込みケイ化カ
ルシウム1gに対し約0.034gであつた。 実施例 2 実施例1の(2)において、加熱反応処理を450℃
で行なつた以外は、実施例1と同様にして実験を
行なつた。 結果を第1表に示す。 実施例 3 実施例1の(2)において、釜残()と同一組成
の釜残5.7Kgを四塩化ケイ素に希釈せずに、流量
0.1Kg/minの速さで57分間、500℃で反応させた
以外は実施例1と全く同様にして実験を行なつ
た。 結果を第1表に示す。
【表】
第1図は本発明を実施するための具体的態様を
示すフローシート図である。
示すフローシート図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 ケイ素またはケイ素合金を高温で塩素化して
ヘキサクロロジシランを製造する方法において、
()上記塩素化反応により副生するオクタクロ
ロトリシラン以上の高沸成分を単独かまたは希釈
剤の存在下に300乃至700℃の温度範囲で加熱反応
処理してヘキサクロロジシラン含有生成物を得、
該得られた生成物から該ヘキサクロロジシランを
分離回収すると共に、()上記生成物中になお
残存するオクタクロロトリシラン以上の高沸成分
を更に塩素と200乃至700℃の温度範囲で反応低級
化せしめてヘキサクロロジシランとして回収する
ことを特徴とするヘキサクロロジシランの製造方
法。 2 ケイ素合金がケイ化カルシウム、ケイ化鉄ま
たはケイ化マグネシウムである特許請求の範囲第
1項に記載の方法。 3 希釈剤が四塩化ケイ素である特許請求の範囲
第1項に記載の方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8275883A JPS59207829A (ja) | 1983-05-13 | 1983-05-13 | ヘキサクロロジシランの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8275883A JPS59207829A (ja) | 1983-05-13 | 1983-05-13 | ヘキサクロロジシランの製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS59207829A JPS59207829A (ja) | 1984-11-26 |
| JPH0352407B2 true JPH0352407B2 (ja) | 1991-08-09 |
Family
ID=13783337
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8275883A Granted JPS59207829A (ja) | 1983-05-13 | 1983-05-13 | ヘキサクロロジシランの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS59207829A (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US4841083A (en) * | 1987-06-03 | 1989-06-20 | Mitsui Toatsu Chemicals, Incorporated | Ladder polysilanes |
| DE102013207441A1 (de) * | 2013-04-24 | 2014-10-30 | Evonik Degussa Gmbh | Verfahren zur Herstellung von Hexachlordisilan durch Spaltung von höheren Polychlorsilanen wie Octachlortrisilan |
-
1983
- 1983-05-13 JP JP8275883A patent/JPS59207829A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS59207829A (ja) | 1984-11-26 |
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