JPH0352955B2 - - Google Patents
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- JPH0352955B2 JPH0352955B2 JP62185565A JP18556587A JPH0352955B2 JP H0352955 B2 JPH0352955 B2 JP H0352955B2 JP 62185565 A JP62185565 A JP 62185565A JP 18556587 A JP18556587 A JP 18556587A JP H0352955 B2 JPH0352955 B2 JP H0352955B2
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- Japan
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- strain
- fermentation
- yeast
- beet molasses
- sugar beet
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- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E50/00—Technologies for the production of fuel of non-fossil origin
- Y02E50/10—Biofuels, e.g. bio-diesel
Landscapes
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
Description
(産業上の利用方法)
この発明は、例えば甜菜糖蜜を原料とするアル
コールの生産においてアルコール発酵力の高い酵
母菌株に関するものである。 (従来の技術) 甘蔗糖蜜はアルコール発酵の原料或はパン酵母
培養等多方面に利用されている。 これに対して甜菜から砂糖を分離した後に排出
される甜菜糖蜜は、現在のところ飼料用添加物と
して利用されているに過ず、その用途は限られて
いる。 甜菜糖蜜の用途拡大の一つとしてアルコール発
酵によるスピリツツの生産が考えられるが、本発
明者等は先に、サツカロマイセス
(Saccharomyces)属セレエヴイジエ
(cerevisiae)に属する凝集性の180株(国税庁醸
造試験所番号)及びキラー性の909−1株(国税
庁醸造試験所番号)の2株の酵母菌株が甜菜糖蜜
並びに甘蔗糖蜜に対して優れたアルコール発酵力
を示すことを見出した。 (発明が解決しようとする問題点) しかし、酵母菌株を使用して工業的にアルコー
ル発酵によりアルコール生産を行なわせる場合、
野生酵母に対するキラー性、及び凝集性等が要求
されるが、上記酵母菌株はキラー性、凝集性何れ
か一方の性質しか有していない。 (問題点を解決するための手段) この発明は、上記実情に鑑み、甜菜糖蜜を原料
としてアルコール発酵を行なわせた場合にもアル
コール分及び発酵歩合が高く、しかもキラー性、
凝集性何れの性質をも兼備えた酵母菌株を見出す
べく鋭意実験と研究を重ねた結果、サツカロマイ
セス(Saccharomyces)属セレエヴイジエ
(cerevisiae)H−1株で表示される酵母菌株及
びその変異株であつてサツカロマイセス
(Saccharomyces)属セレエヴイジエ
(cerevisiae)M−9株で表示される酵母菌株が
上述の目的に適う酵母菌株であることを見出した
ものである。 この発明に係るサツカロマイセス
(Saccharomyces)属セレエヴイジエ
(cerevisiae)H−1株及びM−9株は、工業技
術院微生物工業技術研究所に微工研菌寄第8885号
及び微工研菌寄第9401号として寄託されている。 上記H−1株はサツカロマイセス
(Saccharomyces)属セレエヴイジエ
(cerevisiae)の909−1株とサツカロマイセス
(Saccharomyces)属セレエヴイジエ
(cerevisiae)の180株を親株とするもので、親株
である909−1株(2倍体)はヘテロタリツクな
キラー酵母であり、サツカロマイセス
(Saccharomyces)属セレエヴイジエ
(cerevisiae)の180株(2倍体)はホモタリツク
な凝集性酵母であり、H−1株の製造は次の要領
で行なう。 キラー性酵母であるサツカロマイセス
(Saccharomyces)属セレエヴイジエ
(cerevisiae)の909−1株(ヘテロタリツク、2
倍体)を胞子形成させ、細胞壁溶解酵素
(Zymolyase100T)で胞子を露出分散させた後、
完全培地(YPDプレート)上でコロニーを生育
させる。生育したコロニーについて甜菜糖蜜によ
るアルコール発酵力が発酵後半の生存率等でスク
リーニングし、優れた半数体(接合型a)を分離
した。これをA−4株とする。 一方、凝集性酵母であるサツカロマイセス
(Saccharomyces)属セレエヴイジエ
(cerevisiae)の180株(完全ホモタリツク、2倍
体)を胞子形成させ、形成した子のう胞子4分子
の各々に上記A−4株を胞子対細胞(spore to
cell)で直接接合させる。約1/2の確立で接合す
るが、この接合子の形成を確認しつつ、この接合
子を完全培地上で培養し、コロニーの数株を得
る。これらの接合株について甜菜糖蜜によるアル
コール発酵力と発酵後半の生存率でスクリーニン
グを行ない、その中で発酵力及び発酵後半の生存
率の高い株を選択した。これがこの発明に係るH
−1株である。 このH−1株の「“The Yeast”a
taxonomic study 3rd ed(N.J.W.Kreger−van
Rij編)」によるタキソノミツクテスト
(TAXONOMIC TESTS)の結果は下記に示す
通りである。 胞子形成(Spore Formation):陽性 糖類の発酵:グルコース、ガラクトース、スクロ
ース、マルトース、ラフイノースいずれも陽性 炭素源の資化性:グルコース、ガラクトース、ス
クロース、マルトース、トレハロース、ラフイ
ノース、α−メチル−D−グルコサイドいずれ
も陽性、メレチトース、DL−乳酸いずれも弱
陽性 硝酸塩の資化性:なし ビタミン要求性:なし 37℃における生育:あり 10%食塩培地における生育:あり これによりH−1株はサツカロマイセス
(Saccharomyces)属セレエヴイジエ
(cerevisiae)であると、同定された。 更に、本願発明者等は上記H−1株より優れた
発酵力の強い酵母を得る目的で研究を行なつた。 即ち、本願発明者等の研究によれば、甜菜糖蜜
のアルコール発酵後の蒸留廃液(以下、ウエスト
と略す)中で酵母を培養すると死滅していくとい
う現象が認められた。 これは、ウエスト中に何等かの増殖阻害物質が
存在すると考えられるが、その阻害物質に耐性の
あるH−1株の変異株を取得することによつて、
よりアルコール発酵力の強い酵母が取得できると
の結論に達した。 そこで、H−1株の変異株であるM−9株の製
法は次の要領で行なう。 即ち、H−1株を甜菜糖蜜のアルコール発酵後
のウエスト中で培養を繰返し、培養後の菌体をウ
エスト寒天培地に接種し、培養してコロニーを生
育させる。生育したコロニーについて甜菜糖蜜に
よるアルコール発酵力や発酵後半の生存率等でス
クリーニングし、優れた株を分離した。これをW
−9株とする。 更に、W−9株を2−デオキシグルコース
(2DOG)入り甜菜糖糖蜜中で培養を繰返し、培
養後の菌株を2DOG入り甜菜糖蜜寒天培地に接種
し、培養してコロニーを生育させる。これによつ
てカタボライトリプレツシヨンが解除されたコロ
ニーが得られる。このコロニーについて再び甜菜
糖蜜によるアルコール発酵力が発酵後半の生存率
等でスクリーニングし、優れた発酵力を持つ株を
分離した。これがこの発明に係るM−9株であ
る。 このM−9株について前記H−1株と同様なタ
キソノミツクテストを行なつたところ前記同様な
結果が得られた。 この結果M−9株はサツカロマイセス
(Saccharomyces)属セレエヴイジエ
(cerevisiae)であつて、H−1株の変異株であ
ると同定された。 (発明の効果) 更に、本願発明者等の研究によればH−1株及
びM−9株には甜菜糖蜜等に優れたアルコール発
酵力を示すと共に、凝集性、キラー性、連続利用
性、発酵力の再現性等についても優れた性質を有
している。特に、M−9株は凝集性及び連続利用
性、発酵力の再現性について親株であるH−1株
より優れた性質を有している。 なお、上記菌株を利用してアルコール生産を行
なう場合の原料としては、甜菜糖蜜の他に、甘蔗
糖蜜、甘藷、馬鈴薯、とうもろこし、キヤツサ
バ、米、農産廃棄物、およびこれらの加水分解物
等を使用することができる。また、この発明に係
る菌株はキラー性があるので、滅菌工程を簡略化
し、例えば無蒸煮物を原料とすることもできる。
アルコール発酵のための上記菌株の使用量は、原
料の種類により異なるが、甜菜糖蜜を原料とした
回分発酵の場合、105〜108cells/mlの植菌量でよ
く、また連続利用の場合も105〜109cells/mlの槽
内菌体濃度でよい。 更に、アルコール発酵条件は、一般にPH4〜
6、温度は25〜37℃(好ましくは30℃付近)であ
る。 アルコール発酵方法は、撹拌槽による回分発酵
法でも連続利用法でもよい。回分法で行なう場合
は主にスピリツツ等の生産に適し、連続法の場合
は主に燃料アルコールの生産に適する。 なお、この発明に係るH−1株及びM−9株は
凝集沈降性がよいので、連続利用法を使用した場
合、高濃度仕込の発酵を行なうことができ、また
沈降槽も特別な分離手段を設けることなく、コン
パクトなものにすることができるなどの利点があ
る。 (実施例) 以下、この発明の実施例を示す。 実施例 1 (H−1株の育種法) キラー性酵母であるサツカロマイセス
(Saccharomyces)属セレエヴイジエ
(cerevisiae)909−1株(ヘテロタリツク2倍
体)を胞子形成培地(酢酸カリウム1%、イース
トエキス0.2%、グルコース0.2%、寒天2%)で
胞子形成させる。形成した子のう胞子4分子につ
いて細胞壁溶解酵素(Zymolyase100T)で胞子
を露出分散させた後、マイクロマニプレータで解
剖し、完全培地(イーストエキス1%、ペプトン
2%、グルコース2%、寒天2%)に接種、培養
し、生育したコロニーについて下記の条件で発酵
テストを行なつた。 [発酵テストの条件] 前培養:甜菜糖蜜を全糖分10%、PH5.0、
KH2PO4を700ppmとなるように培養培地を調整
し、オートクレーブ後、保存スラントより一白金
耳接種し、30℃、2日間振とう培養を行なう。 発酵試験:甜菜糖蜜を全糖分24%、PH5.0にな
るように培養培地を調整し、オートクレーブを行
ない、その250mlに前培養酵母懸濁液を4.0×
107cells/mlとなるように接種した。 発酵力の最も優れ、しかも発酵後半でも生存率
の高いA−4株を取得した。 一方、サツカロマイセス(Saccharomyces)
属セレエヴイジエ(cerevisiae)の180株(完全
ホモタリツク、2倍体)を胞子形成培地上で培養
し、形成した子のう胞子4分子の各々と上記A−
4株とを胞子対細胞(spore to cell)で直接接
合させる。これを30℃程度の温度で完全培地上で
培養し、顕微鏡下で接合子の形成を経時的に確認
して接合子を形成したものを性的交雑(mating)
した株として選択し、再び上記の発酵テストを行
ない、その中で発酵力及び発酵後半の生存率の高
い株を選択した。このようにしてH−1株を得
た。 上記製法によるH−1株製造と同程度の発酵力
を有する菌株の出現率は70%以上である。 実施例 2 (甜菜糖蜜を原料とする30℃でのH−1株によ
るエタノール発酵テスト) 前培養:実施例1と同じ 発酵試験:甜菜糖蜜を全糖分24%、PH5.0、
KH2PO4700ppmに培養培地調整した。この培養
培地を用い、1000ml容発酵瓶(実仕込量500ml)
内でH−1株を、培養温度30℃、PH5.0、緩速撹
拌(100〜200rpm)、嫌気条件下で培養し、エタ
ノール発酵を行なつた。 比較のためH−1株の親株である909−1株、
A−4株、180株を同一条件下でエタノール発酵
を行なわせた。この結果を第1図及び第2図に示
す。 第1,2図の結果から親株909−1株について
は、エタノール生産速度は比較的速いが、3日後
で12V/V%と頭打ちになり、菌体生存率も急速
に下降する。 これに対して909−1株より分離したA−4株
は3日以降もエタノール生産速度は下降しない
が、エタノールの生産は12.5V/V%程度に留ま
つている。 一方、180株は立ちあがりがやや遅れているが、
5日後でも徐々にではあるが、エタノールを生産
しており、生存率も極めて高いが、エタノールの
生産は12V/V%に留まつている。 これに対してH−1株は初期エタノール生産速
度が909−1株、A−4株、180株を上廻り、しか
もエタノールの生産は5日後で13V/V%に達す
る。したがつて最終エタノール濃度も909−1株、
180株より短時間内に1V/V%上廻る結果とな
る。 実施例 3 (甘蔗糖蜜を原料とする30℃でのH−1株によ
るエタノール発酵テスト) 前培養:2%YM培地(市販品Difco社製、
YM broth)をオートクレーブ後、保存スラント
より一白金耳接種し、30℃、2日間振とう培養を
行なう。 発酵試験:甘蔗糖蜜を全糖分24%、PH5.0にな
るように培養培地を調整し、助成剤として
(NH4)2SO40.1%、KH2PO40.1%を加え、オート
クレーブ後、その250mlに前培養酵母懸濁液を4.0
×107cells/mlとなるようにH−1株を接種して
エタノール発酵を行なつた。 比較のため909−1株、180株と従来甘蔗糖蜜ア
ルコール発酵の実用株として使用されてきた台研
(Taiken)396株を同一条件下で行なわせた。こ
の結果を第3図に示す。 第3図より明らかなように、甘蔗糖蜜を同一糖
濃度の甜菜糖蜜とを比べると、上記何れの酵母菌
株を使用したエタノール発酵テストにおいても発
酵の立ちあがりは極めて速く、3日後に13V/V
%以上になつた。 このうち、H−1株、909−1株、180株は従来
の実用株であるTaiken396株に比べて立ちあがり
が速く、特にこの発明に係るH−1株は立ちあが
りが速いことが明らかとなつた。 実施例 4 (H−1株の凝集沈降テスト) H−1株並びに対照として909−1株を、温度
30℃、嫌気条件、撹拌下で培養したとき、撹拌時
の培養液及び撹拌終了後1分間静置後の培養液に
ついて濁度(O.D:波長660nm、10mmセルによる
吸光度)と培養液中に占る菌体の容量百分率
(V/V%)を以下に示す。 濁度(0.D) 撹拌時(0.D) 静置1分後(0.D) H−1株8.56 0.12 909−1株8.44 7.20 培養液に占る菌体の容量百分率(%) 撹拌時(%) 静置1分後(%) H−1株100 5(95%は上澄み) 909−1株100 98(2%は上澄み) 以上の結果より明らかなように、909−1株を
使用した場合撹拌終了後1分間静置しても懸濁状
態にあつたが、H−1株においては撹拌を停止す
ると、直ちに凝集沈降し、1分以内に完全に沈降
分離した。この場合、菌体は沈降圧密されて培養
液全容積の1/10以下となり、上澄みは菌体を含ま
ず透明となり、強い凝集力を示す。 このH−1株の性質により、培養後の菌体分離
工程において、遠心分離機やセパレータ等の機器
を使用することなく、単に静置するだけで、数分
のうちに培養液から菌体分離が可能となり、直ち
に上澄み液は蒸留工程等へ送り、沈降菌体はリサ
イクルして再利用することが可能となる。 実施例 5 (H−1株の連続利用性) 前培養:甜菜糖蜜を全糖分10%、PH5.0、
KH2PO4が700ppm含まれるように培養培地を調
整後、スラントから1白菌耳接種、30℃、2日間
振とう培養する。 発酵試験:全糖分28%、PH5.0に調整した甜菜
糖蜜250mlへ初発菌数が5×107cells/mlとなるよ
うに前培養液20mlを接種し、30℃で撹拌し、4日
間発酵させ、発酵後、上澄みを捨て再び上記甜菜
糖蜜を添加し、発酵を行なわせ、この操作を4回
繰り返して行なつた。 発酵は、全て発酵栓を付けて嫌気条件の下で行
ない、撹拌はマグネテツクスターラー約200rpm
で行なつた。
コールの生産においてアルコール発酵力の高い酵
母菌株に関するものである。 (従来の技術) 甘蔗糖蜜はアルコール発酵の原料或はパン酵母
培養等多方面に利用されている。 これに対して甜菜から砂糖を分離した後に排出
される甜菜糖蜜は、現在のところ飼料用添加物と
して利用されているに過ず、その用途は限られて
いる。 甜菜糖蜜の用途拡大の一つとしてアルコール発
酵によるスピリツツの生産が考えられるが、本発
明者等は先に、サツカロマイセス
(Saccharomyces)属セレエヴイジエ
(cerevisiae)に属する凝集性の180株(国税庁醸
造試験所番号)及びキラー性の909−1株(国税
庁醸造試験所番号)の2株の酵母菌株が甜菜糖蜜
並びに甘蔗糖蜜に対して優れたアルコール発酵力
を示すことを見出した。 (発明が解決しようとする問題点) しかし、酵母菌株を使用して工業的にアルコー
ル発酵によりアルコール生産を行なわせる場合、
野生酵母に対するキラー性、及び凝集性等が要求
されるが、上記酵母菌株はキラー性、凝集性何れ
か一方の性質しか有していない。 (問題点を解決するための手段) この発明は、上記実情に鑑み、甜菜糖蜜を原料
としてアルコール発酵を行なわせた場合にもアル
コール分及び発酵歩合が高く、しかもキラー性、
凝集性何れの性質をも兼備えた酵母菌株を見出す
べく鋭意実験と研究を重ねた結果、サツカロマイ
セス(Saccharomyces)属セレエヴイジエ
(cerevisiae)H−1株で表示される酵母菌株及
びその変異株であつてサツカロマイセス
(Saccharomyces)属セレエヴイジエ
(cerevisiae)M−9株で表示される酵母菌株が
上述の目的に適う酵母菌株であることを見出した
ものである。 この発明に係るサツカロマイセス
(Saccharomyces)属セレエヴイジエ
(cerevisiae)H−1株及びM−9株は、工業技
術院微生物工業技術研究所に微工研菌寄第8885号
及び微工研菌寄第9401号として寄託されている。 上記H−1株はサツカロマイセス
(Saccharomyces)属セレエヴイジエ
(cerevisiae)の909−1株とサツカロマイセス
(Saccharomyces)属セレエヴイジエ
(cerevisiae)の180株を親株とするもので、親株
である909−1株(2倍体)はヘテロタリツクな
キラー酵母であり、サツカロマイセス
(Saccharomyces)属セレエヴイジエ
(cerevisiae)の180株(2倍体)はホモタリツク
な凝集性酵母であり、H−1株の製造は次の要領
で行なう。 キラー性酵母であるサツカロマイセス
(Saccharomyces)属セレエヴイジエ
(cerevisiae)の909−1株(ヘテロタリツク、2
倍体)を胞子形成させ、細胞壁溶解酵素
(Zymolyase100T)で胞子を露出分散させた後、
完全培地(YPDプレート)上でコロニーを生育
させる。生育したコロニーについて甜菜糖蜜によ
るアルコール発酵力が発酵後半の生存率等でスク
リーニングし、優れた半数体(接合型a)を分離
した。これをA−4株とする。 一方、凝集性酵母であるサツカロマイセス
(Saccharomyces)属セレエヴイジエ
(cerevisiae)の180株(完全ホモタリツク、2倍
体)を胞子形成させ、形成した子のう胞子4分子
の各々に上記A−4株を胞子対細胞(spore to
cell)で直接接合させる。約1/2の確立で接合す
るが、この接合子の形成を確認しつつ、この接合
子を完全培地上で培養し、コロニーの数株を得
る。これらの接合株について甜菜糖蜜によるアル
コール発酵力と発酵後半の生存率でスクリーニン
グを行ない、その中で発酵力及び発酵後半の生存
率の高い株を選択した。これがこの発明に係るH
−1株である。 このH−1株の「“The Yeast”a
taxonomic study 3rd ed(N.J.W.Kreger−van
Rij編)」によるタキソノミツクテスト
(TAXONOMIC TESTS)の結果は下記に示す
通りである。 胞子形成(Spore Formation):陽性 糖類の発酵:グルコース、ガラクトース、スクロ
ース、マルトース、ラフイノースいずれも陽性 炭素源の資化性:グルコース、ガラクトース、ス
クロース、マルトース、トレハロース、ラフイ
ノース、α−メチル−D−グルコサイドいずれ
も陽性、メレチトース、DL−乳酸いずれも弱
陽性 硝酸塩の資化性:なし ビタミン要求性:なし 37℃における生育:あり 10%食塩培地における生育:あり これによりH−1株はサツカロマイセス
(Saccharomyces)属セレエヴイジエ
(cerevisiae)であると、同定された。 更に、本願発明者等は上記H−1株より優れた
発酵力の強い酵母を得る目的で研究を行なつた。 即ち、本願発明者等の研究によれば、甜菜糖蜜
のアルコール発酵後の蒸留廃液(以下、ウエスト
と略す)中で酵母を培養すると死滅していくとい
う現象が認められた。 これは、ウエスト中に何等かの増殖阻害物質が
存在すると考えられるが、その阻害物質に耐性の
あるH−1株の変異株を取得することによつて、
よりアルコール発酵力の強い酵母が取得できると
の結論に達した。 そこで、H−1株の変異株であるM−9株の製
法は次の要領で行なう。 即ち、H−1株を甜菜糖蜜のアルコール発酵後
のウエスト中で培養を繰返し、培養後の菌体をウ
エスト寒天培地に接種し、培養してコロニーを生
育させる。生育したコロニーについて甜菜糖蜜に
よるアルコール発酵力や発酵後半の生存率等でス
クリーニングし、優れた株を分離した。これをW
−9株とする。 更に、W−9株を2−デオキシグルコース
(2DOG)入り甜菜糖糖蜜中で培養を繰返し、培
養後の菌株を2DOG入り甜菜糖蜜寒天培地に接種
し、培養してコロニーを生育させる。これによつ
てカタボライトリプレツシヨンが解除されたコロ
ニーが得られる。このコロニーについて再び甜菜
糖蜜によるアルコール発酵力が発酵後半の生存率
等でスクリーニングし、優れた発酵力を持つ株を
分離した。これがこの発明に係るM−9株であ
る。 このM−9株について前記H−1株と同様なタ
キソノミツクテストを行なつたところ前記同様な
結果が得られた。 この結果M−9株はサツカロマイセス
(Saccharomyces)属セレエヴイジエ
(cerevisiae)であつて、H−1株の変異株であ
ると同定された。 (発明の効果) 更に、本願発明者等の研究によればH−1株及
びM−9株には甜菜糖蜜等に優れたアルコール発
酵力を示すと共に、凝集性、キラー性、連続利用
性、発酵力の再現性等についても優れた性質を有
している。特に、M−9株は凝集性及び連続利用
性、発酵力の再現性について親株であるH−1株
より優れた性質を有している。 なお、上記菌株を利用してアルコール生産を行
なう場合の原料としては、甜菜糖蜜の他に、甘蔗
糖蜜、甘藷、馬鈴薯、とうもろこし、キヤツサ
バ、米、農産廃棄物、およびこれらの加水分解物
等を使用することができる。また、この発明に係
る菌株はキラー性があるので、滅菌工程を簡略化
し、例えば無蒸煮物を原料とすることもできる。
アルコール発酵のための上記菌株の使用量は、原
料の種類により異なるが、甜菜糖蜜を原料とした
回分発酵の場合、105〜108cells/mlの植菌量でよ
く、また連続利用の場合も105〜109cells/mlの槽
内菌体濃度でよい。 更に、アルコール発酵条件は、一般にPH4〜
6、温度は25〜37℃(好ましくは30℃付近)であ
る。 アルコール発酵方法は、撹拌槽による回分発酵
法でも連続利用法でもよい。回分法で行なう場合
は主にスピリツツ等の生産に適し、連続法の場合
は主に燃料アルコールの生産に適する。 なお、この発明に係るH−1株及びM−9株は
凝集沈降性がよいので、連続利用法を使用した場
合、高濃度仕込の発酵を行なうことができ、また
沈降槽も特別な分離手段を設けることなく、コン
パクトなものにすることができるなどの利点があ
る。 (実施例) 以下、この発明の実施例を示す。 実施例 1 (H−1株の育種法) キラー性酵母であるサツカロマイセス
(Saccharomyces)属セレエヴイジエ
(cerevisiae)909−1株(ヘテロタリツク2倍
体)を胞子形成培地(酢酸カリウム1%、イース
トエキス0.2%、グルコース0.2%、寒天2%)で
胞子形成させる。形成した子のう胞子4分子につ
いて細胞壁溶解酵素(Zymolyase100T)で胞子
を露出分散させた後、マイクロマニプレータで解
剖し、完全培地(イーストエキス1%、ペプトン
2%、グルコース2%、寒天2%)に接種、培養
し、生育したコロニーについて下記の条件で発酵
テストを行なつた。 [発酵テストの条件] 前培養:甜菜糖蜜を全糖分10%、PH5.0、
KH2PO4を700ppmとなるように培養培地を調整
し、オートクレーブ後、保存スラントより一白金
耳接種し、30℃、2日間振とう培養を行なう。 発酵試験:甜菜糖蜜を全糖分24%、PH5.0にな
るように培養培地を調整し、オートクレーブを行
ない、その250mlに前培養酵母懸濁液を4.0×
107cells/mlとなるように接種した。 発酵力の最も優れ、しかも発酵後半でも生存率
の高いA−4株を取得した。 一方、サツカロマイセス(Saccharomyces)
属セレエヴイジエ(cerevisiae)の180株(完全
ホモタリツク、2倍体)を胞子形成培地上で培養
し、形成した子のう胞子4分子の各々と上記A−
4株とを胞子対細胞(spore to cell)で直接接
合させる。これを30℃程度の温度で完全培地上で
培養し、顕微鏡下で接合子の形成を経時的に確認
して接合子を形成したものを性的交雑(mating)
した株として選択し、再び上記の発酵テストを行
ない、その中で発酵力及び発酵後半の生存率の高
い株を選択した。このようにしてH−1株を得
た。 上記製法によるH−1株製造と同程度の発酵力
を有する菌株の出現率は70%以上である。 実施例 2 (甜菜糖蜜を原料とする30℃でのH−1株によ
るエタノール発酵テスト) 前培養:実施例1と同じ 発酵試験:甜菜糖蜜を全糖分24%、PH5.0、
KH2PO4700ppmに培養培地調整した。この培養
培地を用い、1000ml容発酵瓶(実仕込量500ml)
内でH−1株を、培養温度30℃、PH5.0、緩速撹
拌(100〜200rpm)、嫌気条件下で培養し、エタ
ノール発酵を行なつた。 比較のためH−1株の親株である909−1株、
A−4株、180株を同一条件下でエタノール発酵
を行なわせた。この結果を第1図及び第2図に示
す。 第1,2図の結果から親株909−1株について
は、エタノール生産速度は比較的速いが、3日後
で12V/V%と頭打ちになり、菌体生存率も急速
に下降する。 これに対して909−1株より分離したA−4株
は3日以降もエタノール生産速度は下降しない
が、エタノールの生産は12.5V/V%程度に留ま
つている。 一方、180株は立ちあがりがやや遅れているが、
5日後でも徐々にではあるが、エタノールを生産
しており、生存率も極めて高いが、エタノールの
生産は12V/V%に留まつている。 これに対してH−1株は初期エタノール生産速
度が909−1株、A−4株、180株を上廻り、しか
もエタノールの生産は5日後で13V/V%に達す
る。したがつて最終エタノール濃度も909−1株、
180株より短時間内に1V/V%上廻る結果とな
る。 実施例 3 (甘蔗糖蜜を原料とする30℃でのH−1株によ
るエタノール発酵テスト) 前培養:2%YM培地(市販品Difco社製、
YM broth)をオートクレーブ後、保存スラント
より一白金耳接種し、30℃、2日間振とう培養を
行なう。 発酵試験:甘蔗糖蜜を全糖分24%、PH5.0にな
るように培養培地を調整し、助成剤として
(NH4)2SO40.1%、KH2PO40.1%を加え、オート
クレーブ後、その250mlに前培養酵母懸濁液を4.0
×107cells/mlとなるようにH−1株を接種して
エタノール発酵を行なつた。 比較のため909−1株、180株と従来甘蔗糖蜜ア
ルコール発酵の実用株として使用されてきた台研
(Taiken)396株を同一条件下で行なわせた。こ
の結果を第3図に示す。 第3図より明らかなように、甘蔗糖蜜を同一糖
濃度の甜菜糖蜜とを比べると、上記何れの酵母菌
株を使用したエタノール発酵テストにおいても発
酵の立ちあがりは極めて速く、3日後に13V/V
%以上になつた。 このうち、H−1株、909−1株、180株は従来
の実用株であるTaiken396株に比べて立ちあがり
が速く、特にこの発明に係るH−1株は立ちあが
りが速いことが明らかとなつた。 実施例 4 (H−1株の凝集沈降テスト) H−1株並びに対照として909−1株を、温度
30℃、嫌気条件、撹拌下で培養したとき、撹拌時
の培養液及び撹拌終了後1分間静置後の培養液に
ついて濁度(O.D:波長660nm、10mmセルによる
吸光度)と培養液中に占る菌体の容量百分率
(V/V%)を以下に示す。 濁度(0.D) 撹拌時(0.D) 静置1分後(0.D) H−1株8.56 0.12 909−1株8.44 7.20 培養液に占る菌体の容量百分率(%) 撹拌時(%) 静置1分後(%) H−1株100 5(95%は上澄み) 909−1株100 98(2%は上澄み) 以上の結果より明らかなように、909−1株を
使用した場合撹拌終了後1分間静置しても懸濁状
態にあつたが、H−1株においては撹拌を停止す
ると、直ちに凝集沈降し、1分以内に完全に沈降
分離した。この場合、菌体は沈降圧密されて培養
液全容積の1/10以下となり、上澄みは菌体を含ま
ず透明となり、強い凝集力を示す。 このH−1株の性質により、培養後の菌体分離
工程において、遠心分離機やセパレータ等の機器
を使用することなく、単に静置するだけで、数分
のうちに培養液から菌体分離が可能となり、直ち
に上澄み液は蒸留工程等へ送り、沈降菌体はリサ
イクルして再利用することが可能となる。 実施例 5 (H−1株の連続利用性) 前培養:甜菜糖蜜を全糖分10%、PH5.0、
KH2PO4が700ppm含まれるように培養培地を調
整後、スラントから1白菌耳接種、30℃、2日間
振とう培養する。 発酵試験:全糖分28%、PH5.0に調整した甜菜
糖蜜250mlへ初発菌数が5×107cells/mlとなるよ
うに前培養液20mlを接種し、30℃で撹拌し、4日
間発酵させ、発酵後、上澄みを捨て再び上記甜菜
糖蜜を添加し、発酵を行なわせ、この操作を4回
繰り返して行なつた。 発酵は、全て発酵栓を付けて嫌気条件の下で行
ない、撹拌はマグネテツクスターラー約200rpm
で行なつた。
【表】
実施例 6
(H−1株のキラー性)
培養培地として全糖分24%、PH5.0の甜菜糖蜜
を用い、協会701号(K−701)を酵母数5×
108cells/mlと、H−1株を酵母数5×107cells/
mlとなる様に接種し、30℃で撹拌して混合培養し
て培養後1日後のK−701株の生菌数をβ−アラ
ニンプレートでカウントした。 また、対照として同一条件でK−701株のみを
接種、培養してその生菌数をカウントした。
を用い、協会701号(K−701)を酵母数5×
108cells/mlと、H−1株を酵母数5×107cells/
mlとなる様に接種し、30℃で撹拌して混合培養し
て培養後1日後のK−701株の生菌数をβ−アラ
ニンプレートでカウントした。 また、対照として同一条件でK−701株のみを
接種、培養してその生菌数をカウントした。
【表】
以上の結果より明らかなように、接種時にはH
−1株の10倍存在していたK−701株は1日後で
約1/1000となり死滅して行くことがわかる。一
方H−1株の菌数は変わず、この結果H−1株に
他の酵母に対するキラー性があることが明らかと
なつた。 実施例 7 (M−9株の育種法) 実施例1で得られたキラー性凝集性酵母である
サツカロマイセス(Saccharomyces)属セレエ
ヴイジエ(cerevisiae)H−1株をウエスト培地
(TOC 50000PPM、全糖分2.5%、PH5.0)で培養
し、30℃での培養後の生存菌体を再び上記ウエス
ト培地に接種し培養を行ない、このプロセスを10
回繰返して行なつた。培養後の菌体をウエスト寒
天培地(寒天2%)に接種、30℃で培養し、生育
したコロニーについて下記の条件で発酵テストを
行なつた。 [発酵テストの条件] 前培養:甜菜糖蜜を全糖分10%、PH5.0、
KH2PO4を700ppmとなるように培養培地を調整
し、オートクレーブ後、保存スラントより一白金
耳接種し、30℃、2日間振とう培養を行なう。 発酵試験:甜菜糖蜜を全糖分24%、PH5.0にな
るように培養培地を調整し、オートクレーブを行
ない、その250mlに前培養酵母懸濁液を4.0×
107cells/mlとなるように接種した。 発酵力の最も優れ、しかも発酵後半でも生存率
の高いW−9株を取得した。 更に、甜菜糖蜜培地(全糖分10%PH
5.0KH2PO4700ppm)へ2−デオキシグルコース
を150ppmとなるように加え、W−9株を接種し、
培養を行なつた。培養後、上記組成の2−デオキ
シグリコース入り甜菜糖蜜寒天培地(寒天2%)
上に生育するコロニーを釣り、同一操作を繰返し
て3回行なう。培養後の菌体を上記寒天培地に接
種、培養し、生育したコロニーについて前述の条
件で発酵テストを行なつた。その結果発酵力の最
も優れ、しかも発酵後半でも生存率の高いM−9
株を取得した。 実施例 8 (甜菜糖蜜を原料とする30℃でのM−9株によ
るエタノール発酵テスト) 前培養:実施例7と同じ 発酵試験:甜菜糖蜜を全糖分24%、PH5.0、
KH2PO4700ppmに培養培地調整した。この培養
培地を用い、1000ml容発酵瓶(実仕込量500ml)
内でM−9株を、1×108ceus/mlとなるように
接種し、培養温度30℃、緩速撹拌(100〜
200rpm)、嫌気条件下で培養し、エタノール発酵
を行なつた。 比較のためM−9株の親株であるH−1株を同
一条件下でエタノール発酵を行なわせた。この結
果を第4図に示す。 この結果から親株については、エタノール生産
速度は、比較的速いが、5日後の12.8V/V%で
頭打ちとなつた。 これに対して、M−9株は、初期エタノール生
産速度がH−1株を上まわり、しかもエタノール
の生産は、5日後で13.5V/V%に達する。した
がつて、最終エタノール濃度もH−1株より短時
間のうちに1V/V%上まわる結果となつた。 また、発酵5日後の生菌数を下表に示す。
−1株の10倍存在していたK−701株は1日後で
約1/1000となり死滅して行くことがわかる。一
方H−1株の菌数は変わず、この結果H−1株に
他の酵母に対するキラー性があることが明らかと
なつた。 実施例 7 (M−9株の育種法) 実施例1で得られたキラー性凝集性酵母である
サツカロマイセス(Saccharomyces)属セレエ
ヴイジエ(cerevisiae)H−1株をウエスト培地
(TOC 50000PPM、全糖分2.5%、PH5.0)で培養
し、30℃での培養後の生存菌体を再び上記ウエス
ト培地に接種し培養を行ない、このプロセスを10
回繰返して行なつた。培養後の菌体をウエスト寒
天培地(寒天2%)に接種、30℃で培養し、生育
したコロニーについて下記の条件で発酵テストを
行なつた。 [発酵テストの条件] 前培養:甜菜糖蜜を全糖分10%、PH5.0、
KH2PO4を700ppmとなるように培養培地を調整
し、オートクレーブ後、保存スラントより一白金
耳接種し、30℃、2日間振とう培養を行なう。 発酵試験:甜菜糖蜜を全糖分24%、PH5.0にな
るように培養培地を調整し、オートクレーブを行
ない、その250mlに前培養酵母懸濁液を4.0×
107cells/mlとなるように接種した。 発酵力の最も優れ、しかも発酵後半でも生存率
の高いW−9株を取得した。 更に、甜菜糖蜜培地(全糖分10%PH
5.0KH2PO4700ppm)へ2−デオキシグルコース
を150ppmとなるように加え、W−9株を接種し、
培養を行なつた。培養後、上記組成の2−デオキ
シグリコース入り甜菜糖蜜寒天培地(寒天2%)
上に生育するコロニーを釣り、同一操作を繰返し
て3回行なう。培養後の菌体を上記寒天培地に接
種、培養し、生育したコロニーについて前述の条
件で発酵テストを行なつた。その結果発酵力の最
も優れ、しかも発酵後半でも生存率の高いM−9
株を取得した。 実施例 8 (甜菜糖蜜を原料とする30℃でのM−9株によ
るエタノール発酵テスト) 前培養:実施例7と同じ 発酵試験:甜菜糖蜜を全糖分24%、PH5.0、
KH2PO4700ppmに培養培地調整した。この培養
培地を用い、1000ml容発酵瓶(実仕込量500ml)
内でM−9株を、1×108ceus/mlとなるように
接種し、培養温度30℃、緩速撹拌(100〜
200rpm)、嫌気条件下で培養し、エタノール発酵
を行なつた。 比較のためM−9株の親株であるH−1株を同
一条件下でエタノール発酵を行なわせた。この結
果を第4図に示す。 この結果から親株については、エタノール生産
速度は、比較的速いが、5日後の12.8V/V%で
頭打ちとなつた。 これに対して、M−9株は、初期エタノール生
産速度がH−1株を上まわり、しかもエタノール
の生産は、5日後で13.5V/V%に達する。した
がつて、最終エタノール濃度もH−1株より短時
間のうちに1V/V%上まわる結果となつた。 また、発酵5日後の生菌数を下表に示す。
【表】
この結果より明らかなように、M−9株は発酵
後半でもH−1株より7倍多い菌体が存在し、接
種時の菌数を維持していた。 実施例 9 (M−9株の連続利用性) M−9株を用い、回分発酵を繰返し実験を行な
つた。 前培養:実施例7と同じ 発酵試験:全糖分15%、PH5.0に調整した甜菜
糖蜜250mlへ初期菌数が1×108cells/mlとなるよ
うに前培養酵母懸濁液を接種し、30℃で撹拌し、
2日間発酵させ、発酵後10分静置し、上澄みを捨
て、再び上記糖濃度の甜菜糖蜜を添加し、回分発
酵を行なわせ、この操作を5回繰返して行なつ
た。 発酵は、全て発酵栓を付けて嫌気条件の下で行
ない、撹拌はマグネチツクスターラーで約
100rpm回転して行なつた。この結果を第5図及
び下表に示す。
後半でもH−1株より7倍多い菌体が存在し、接
種時の菌数を維持していた。 実施例 9 (M−9株の連続利用性) M−9株を用い、回分発酵を繰返し実験を行な
つた。 前培養:実施例7と同じ 発酵試験:全糖分15%、PH5.0に調整した甜菜
糖蜜250mlへ初期菌数が1×108cells/mlとなるよ
うに前培養酵母懸濁液を接種し、30℃で撹拌し、
2日間発酵させ、発酵後10分静置し、上澄みを捨
て、再び上記糖濃度の甜菜糖蜜を添加し、回分発
酵を行なわせ、この操作を5回繰返して行なつ
た。 発酵は、全て発酵栓を付けて嫌気条件の下で行
ない、撹拌はマグネチツクスターラーで約
100rpm回転して行なつた。この結果を第5図及
び下表に示す。
【表】
第5図に明らかなように、連続利用により生産
されるアルコールは、糖濃度15%の場合安定して
おり、また上記表より酵母の生菌数は、接種時の
菌数を維持することが明らかとなつた。また、発
酵終了後短時間で、且つ静止するだけで容易に本
酵母は沈殿し、密度の高いスラリーを形成するた
め、短時間で、清澄な発酵液を得ることができ
る。
されるアルコールは、糖濃度15%の場合安定して
おり、また上記表より酵母の生菌数は、接種時の
菌数を維持することが明らかとなつた。また、発
酵終了後短時間で、且つ静止するだけで容易に本
酵母は沈殿し、密度の高いスラリーを形成するた
め、短時間で、清澄な発酵液を得ることができ
る。
第1図は、実施例2におけるエタノール生産の
経日変化を示す図、第2図は、同じく実施例2に
おける生菌数の経日変化を示す図、第3図は、実
施例3におけるエタノール生産の経日変化を示す
図、第4図は実施例8におけるエタノール生産の
経日変化を示す図、第5図は実施例9におけるア
ルコール発酵毎のエタノール生産の推移を示す図
である。
経日変化を示す図、第2図は、同じく実施例2に
おける生菌数の経日変化を示す図、第3図は、実
施例3におけるエタノール生産の経日変化を示す
図、第4図は実施例8におけるエタノール生産の
経日変化を示す図、第5図は実施例9におけるア
ルコール発酵毎のエタノール生産の推移を示す図
である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 サツカロマイセス(Saccharomyces)属セ
レエヴイジエ(cerevisiae)H−1株(微工研菌
寄第8885号)で表示されるアルコール発酵力の高
い酵母菌株。 2 サツカロマイセス(Saccharomyces)属セ
レエヴイジエ(cerevisiae)M−9株(微工研菌
寄第9401号)で表示されるアルコール発酵力の高
い酵母菌株。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| US07/139,786 US4910144A (en) | 1987-07-27 | 1987-12-30 | Yeast strain with high power to produce alcohol by fermentation |
Applications Claiming Priority (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP22212886 | 1986-09-22 | ||
| JP61-222128 | 1986-09-22 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS63240775A JPS63240775A (ja) | 1988-10-06 |
| JPH0352955B2 true JPH0352955B2 (ja) | 1991-08-13 |
Family
ID=16777603
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP62185565A Granted JPS63240775A (ja) | 1986-09-22 | 1987-07-27 | アルコ−ル発酵力の高い酵母菌株 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS63240775A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN108949596A (zh) * | 2018-08-22 | 2018-12-07 | 上海海洋大学 | 一种复合发酵剂的制备及在冷冻面团制作中的应用 |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP5891505B2 (ja) * | 2011-06-21 | 2016-03-23 | 学校法人東京農業大学 | 酵母及びこの酵母を用いたビート糖蜜からのアルコール発酵液の製造方法 |
| JP2020039264A (ja) * | 2018-09-07 | 2020-03-19 | 国立大学法人 鹿児島大学 | 酵母の接合方法 |
-
1987
- 1987-07-27 JP JP62185565A patent/JPS63240775A/ja active Granted
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN108949596A (zh) * | 2018-08-22 | 2018-12-07 | 上海海洋大学 | 一种复合发酵剂的制备及在冷冻面团制作中的应用 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS63240775A (ja) | 1988-10-06 |
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