JPH0359703B2 - - Google Patents

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JPH0359703B2
JPH0359703B2 JP58247226A JP24722683A JPH0359703B2 JP H0359703 B2 JPH0359703 B2 JP H0359703B2 JP 58247226 A JP58247226 A JP 58247226A JP 24722683 A JP24722683 A JP 24722683A JP H0359703 B2 JPH0359703 B2 JP H0359703B2
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granules
bone
pores
calcium phosphate
microns
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Shigeharu Takagi
Shigeru Yamauchi
Takashi Oku
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Sumitomo Cement Co Ltd
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Sumitomo Cement Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、骨セメント組成物に関するものであ
る。更に詳しく述べるならば、本発明は骨と、人
工骨、人工関節などの生体用金属又はセラミツク
材料との接着用セメント組成物に関するものであ
る。
従来技術 燐酸カルシウム化合物、例えば、ヒドロキシア
パタイト、およびその固溶体は、生体との親和性
が良好であつて、医療用材料、例えば、骨又は歯
根等の代替材料又は補綴材料として有用である。
例えば特開昭56−54841号公報には、アパタイト
型結晶構造リン酸カルシウム化合物粉粒体を用い
た骨欠損部、および、空隙部充てん材が開示され
ている。
また、特開昭56−166843号公報には、リン酸カ
ルシウム化合物の多孔体からなる骨欠損部および
空隙部充てん材が開示されている。このリン酸カ
ルシウム化合物の多孔体に含まれる空孔は、その
最大孔径3.00mm、最小孔径0.05mmであつて、生体
の骨形成成分が進入しやすい形状寸度を有し、実
質的に連続した三次元の網状構造を形成している
ものである。
上記のような、従来のリン酸カルシウム化合物
セラミツク材料は、充てん、補綴などの外科的手
術を施した後に経時的変形を生じたり、或は、充
てん、又は補綴部分の近傍の軟組織の硬質化を促
進し、このため異常を生じた部分の切除組織を余
儀なくされるなどの問題があつた。
また、金属又はセラミツク材料から作られた人
工骨または人工関節などを、生体内で固定すると
きに用いられる骨セメントとしては、従来、メチ
ルメタクリレート系接着セメントが用いられてい
るが、これら従来の骨セメントは、若干量の未反
応モノマーを含み、それが生体内で溶け出して生
体組織を害し、発熱、手術部位の固定のゆるみ、
或は余病の併発などを生ずることがあり、満足で
きるものではなかつた。
一般に、生体の硬組織の欠損、例えば、骨腫瘍
部分の切除や、骨の外的損傷による欠損などの治
療において、自然治癒を促進することが最も好ま
しく、人工物による代替や補綴は、必ずしも好ま
しいことではない。たとえ、人工骨セメントを用
いて生体内に充てん、又は補綴されたとしても、
そのような骨セメントがやがて生体内で食尽さ
れ、その代りに自然の生体組織が再生して、固定
が完成することが最も望ましいことである。この
場合、骨セメントの生体組織による入れ代わり速
度(ターンオーバー速度)が適当であることが重
要であつて、ターンオーバー速度が過度に速いと
きは、局所に炎症等の障害を生じ、それに起因す
る余病、例えば、癌の発生などを併発することが
ある。また、タースオーバー速度が低く、長期間
にわたつて骨セメントが生体内に存在する場合、
局所の生体組織(骨)の変形や、その近傍の軟組
織の硬質化などを生じ、このため、切除手術を要
することなどがある。
上記のような問題点に対処するためには生体内
に挿入された骨セメントが生体組織の誘起と置換
に要する要件を、細胞レベルで満足させ得ること
が重要である。すなわち、生体組織に対する骨食
細胞(オステオリーシス)、骨再生細胞(オステ
オプラスト)の活性化を適切に促進し、骨破壊細
胞(オステオクラスト)、および軟組織の硬質化
を促進するコラーゲン繊維の侵入、発達並びに骨
組織の硬質化を抑制し、かつ、赤血球、体液など
の進入や、毛細血管の発達を阻害しないことが重
要である。
上記のような要件を満たすためには、生体内に
挿入される骨セメントは、生体に対し、良好な親
和性、特に生体的対応性(バイオレスポンシビリ
テイ)を有するとともに、所望細胞の活性化のた
めに良好な居住増殖空間を与え得るとともに、忌
避すべき細胞の侵入を防止し、かつ、コラーゲン
繊維の異常発達による骨組織の硬質化を防止でき
るものであることが必要である。
発明の目的 本発明の目的は、人工骨、或は人工関節などの
ような生体用金属、又はセラミツク材料の接着に
有効であり、かつ、生体内骨組織の再生、すなわ
ち新生骨の誘起などに有効な骨セメント組成物を
提供することにある。
発明の構成 本発明の骨セラミツク組成物は、(1)燐酸カルシ
ウム化合物の焼結体からなり、前記焼結体中に形
成された、1個以上の1〜600ミクロンの孔径を
有している空孔と、この空孔を外部空間に連通す
る微細空隙通路とを有し、かつ、0.05〜5mmのサ
イズを有する顆粒体と、(2)水、生理食塩水、血
液、人工血しようからなる群から選ばれた少くも
1種とを含んでなるものである。
発明の具体的説明 本発明の骨セメント組成物は、燐酸カルシウム
化合物の焼結多孔顆粒体と、水、生理食塩水、血
液および/又は、人工血しようとを含んでなるも
のである。
本発明に使用される燐酸カルシウム化合物は、 CaHPO4 Ca3(PO42 Ca5(PO43OH Ca4O(PO42 Ca10(PO46(OH)2 CaP4O11 Ca(PO32 Ca2P2O7 Ca(H2PO42・H2O などを主成分とするもので、ヒドロキシアパタイ
トと呼ばれる一群の化合物を包含する。ヒドロキ
シアパタイトは、組成式Ca5(PO43OH又は、
Ca10(PO46(OH)2を有する化合物を基本成分と
するもので、Ca成分の一部分は、Sr、Ba、Mg、
Fe、Al、Y、La、Na、K、Hなどの1種以上で
置換されていてもよく、また(PO4)成分の一部
分が、VO4、BO3、SO4、CO3、SiO4などの1種
以上で置換されていてもよく、更に、(OH)成
分の一部分が、F、Cl、O、CO3などの1種以上
で置換されていてもよい。ヒドロキシアパタイト
は、通常の結晶体でもよく、或は、同型固溶体、
置換型固溶体、および侵入型固溶体のいづれであ
つてもよく、また、非量論的格子欠陥を含むもの
であつてもよい。
一般に、本発明に用いる燐酸カルシウム化合物
は、そのカルシウム(Ca)と燐(P)との原子
比(Ca/P)が1.30〜1.80の範囲内にあるものが
好ましく、1.60〜1.67の範囲内にあるものがより
好ましい。
本発明に用いられる燐酸カルシウム化合物とし
ては、燐酸三カルシウム〔Ca3(PO42〕、ヒドロ
キシアパタイト〔Ca5(PO43OH〕および、Ca10
(PO46(OH)2が好ましく、特にゾルゲル法によ
つて合成され凍結乾燥されたものが好ましい。ま
た、燐酸カルシウム化合物は800〜1450℃の温度
で焼結されたものであることが好ましく、焼結温
度は850〜1250℃がより好ましい。
本発明の顆粒体において、燐酸カルシウム化合
物は粉末の形状で焼結されており、従つて互に接
触焼結している粉末粒子の間に微細な空隙を形成
することができる。
本発明の燐酸カルシウム多孔顆粒体は、0.05〜
5mmのサイズ、好ましくは0.1〜3mmのサイズを
有するものであつて、その内部には、少くとも1
個の1〜600ミクロン、好ましくは10〜300ミクロ
ンの孔径を有する空孔が形成されていて、この空
孔は、微細空隙通路によつて外部空間に連通して
いる。この微細空隙通路の径は、1〜30ミクロン
であることが好ましくは1〜20ミクロンの範囲に
あることがより好ましい。顆粒体が複数個の空孔
を有するときは、これら空孔が上記と同様の径を
有する微細空隙通路により互に連通していること
が好ましい。
焼結多孔顆粒体は、40〜90%の気孔率を有する
ことが好ましく、60〜70%の気孔率を有すること
がより好ましい。
焼結多孔顆粒体内の空孔は、真球又はそれに近
い形状を有することが好ましく、またそれらが複
数個存在するときは顆粒体内に均一に分布してい
ることが好ましい。この空孔は、セラミツク材料
が、生体内に埋め込まれたとき、骨食細胞、骨再
生細胞などを生物学的に活性化するための居住空
間を提供するものである。骨再生細胞等はこの空
孔、特に球形空孔に滞留するのを非常に好むので
ある。このために空孔の孔径は1〜600ミクロン
の範囲にあることが必要であり、10〜300ミクロ
ンであることが好ましい。孔径が、1〜600ミク
ロンの範囲外の空孔は、上記細胞に対し、良好な
居住空間を与えることができない。
空孔の形状が真球、又は、これに近い球形であ
る場合、得られた多孔質材料の機械的強度が高
い。従つて、この多孔顆粒材料が、生体内に埋め
込まれたとき、それが新生骨によつてリターンオ
ーバーされるまで、高い機械的強度と接着強度を
保持し続けることができる。
焼結多孔顆粒体内の微細空隙通路は、少くと
も、空孔と、顆粒体の外部空間とを連通するもの
であつて、この通路を通つて、前記骨食細胞、骨
再生細胞、赤血球体液などが自由に多孔質体内に
進入することができ、かつ毛細血管の発達が促進
される。このため、この微細空隙通路の径は1〜
30ミクロンの範囲にあることが好ましく、1〜20
ミクロンの範囲内にあることがより好ましい。上
記のような微細空隙通路は骨破壊細胞やコラーゲ
ン繊維は、多孔質体内の毛細管状空隙通路へ進入
し難く、コラーゲン繊維の異常発達並びに骨組織
の硬質化を防ぐことができる。すなわち、本発明
の多孔顆粒体において、微細空隙通路は、バイオ
フイルターとしての機能を兼ねそなえるものであ
る。
上記微細空隙通路の径が1ミクロンよりも小さ
くなると、骨食細胞、骨再生細胞、赤血球体液な
どの多孔質内進入が困難となるおそれがあり、ま
た30ミクロンより大きくなると、破壊細胞やコラ
ーゲン繊維の侵入および発達を許し、このため骨
の再生を阻害し、また、再生骨組織や、その近傍
の組織の硬質化を招くことがある。
本発明の多孔顆粒体において、顆粒体が複数個
の空孔を含むとき、これら空孔は、上述のような
微細空隙通路によつて相互に連通されていてもよ
く、これによつて、多孔質体の食尽および生体組
織の再成(リターンオーバー)を促進することが
できる。
本発明の多孔顆粒体は、鋭角部を有していない
ことが好ましい。
本発明に用いられる多孔顆粒体の1例を第1図
に示す。
本発明の組成物において、水、生理食塩水、血
液および/又は人工血しよう、例えばポリビニル
ピロリドンを、好ましくは顆粒体重量に対し、10
〜200%の量で用いることにより、骨セメントと
して使用された多孔顆粒体表面および空孔内にお
ける生体組織の発達を促進することができる。
水、生理食塩水、血液又は人工血しようなどの
組成液体成分の量が10%より少くなると、組成物
の使用の際に顆粒体が飛び散りやすくなり、この
ため患部以外の部位に付着して悪影響を及ぼすこ
とがあり、また200%より多くなると、顆粒体と
液体成分とが分離しやすくなり、このため必要量
の顆粒体を患部に充填することが難かしくなるこ
とがある。
本発明に用いられる燐酸カルシウム化合物焼結
多孔顆粒体は、種々の方法で製造することができ
る。
例えば、本発明の顆粒体は、30〜90容積%、好
ましくは30〜60容積%の、1〜600ミクロンの粒
径を有する昇華性固体物質粉末を、残余の量の燐
酸カルシウム化合物粉末に混合し、この混合物を
高速度撹拌機でアルコール媒体とともに加温しな
がら撹拌をくりかえして昇華性固体物質を含む
0.05〜5mmの顆粒体を形成し、その後、場合によ
つては、造粒機などを用いた所定寸法の顆粒体に
造粒し、乾燥後、300〜500℃で加熱して前記昇華
性固体物質を昇華除去し、次に800〜1450℃の温
度、好ましくは850〜1250℃の温度に加熱焼結す
ることによつて製造される。
上記顆粒体製造に用いられる燐酸カルシウム化
合物粉末としては、0.05〜10ミクロンの粒径を有
するものが好ましい。特に好ましい燐酸カルシウ
ム化合物粉末は、板状に発達した結晶部分を含む
ことが好ましく、SEM(走査電子顕微鏡)に基く
観測結果によれば粉末粒子の30%以下が1μ以上
の粒径を有し、70%以上が1μ以下の粒径を有す
るような粒径分布を有するものが好ましい。
また、昇華性固体物質粉末は、顆粒体中に1〜
600ミクロンの所望寸法の空孔を形成するための
ものであつて、200〜800℃の温度において容易に
昇華し、実質的に残渣を残さないものであれば、
その種類に格別の限定はない。一般に、昇華性物
質としては、樟脳、薄荷能、ナフタレン、およ
び、これらの2種以上の混合物から選ばれる。造
粒された混合物顆粒体を200〜800℃の温度に好ま
しくは120〜180分間加熱すると昇華性物質は昇華
逃散して空孔を形成するが、このときに、空孔か
ら昇華性物質の微粉末の昇華逃散により多孔質体
の外部に連通する微細空隙通路が形成される。ま
た空孔相互間を連通する微細空隙空間も形成され
る。
次に成形物を再に800〜1450℃、好ましくは850
〜1200℃に好ましくは1〜3時間加熱して燐酸カ
ルシウム化合物粉末を焼結する。
上記昇華性物質粉末を使用する方法において、
100重量部の燐酸カルシウム化合物粉末に対して、
1〜5重量部の、1〜5mmの長さと1〜30ミクロ
ンの直径を有する有機繊維を添加混合してもよ
い。このような混合物を200〜800℃の温度に好ま
しくは120〜180分間加熱すれば、昇華性物質は昇
華逃散し、かつ有機繊維は炭化する。次に、800
〜1450℃の温度に、好ましくは1〜3時間加熱す
れば、炭化物は燃焼消失し、燐酸カルシウム化合
物粉末は焼結する。
この方法において、有機繊維の混用は1〜30ミ
クロンの直径を有する毛細管状空隙通路を確実に
形成する上で有効である。この有機繊維は、前述
のものと同様である。
有機繊維や昇華性物質粉末を燐酸カルシウム化
合物粉末と混合するとき、メタノール、エタノー
ルなどの揮発性低級アルコールを添加すると、容
易に均一な混合物が得られるばかりでなく、昇華
性物質粒子の粒径を制御し、かつ昇華性物質粒子
と有機繊維との接着を良好にし、これによつて空
孔に連通する微細空隙通路の形成を促進すること
ができる。
本発明の多孔顆粒体を製造するための他の方法
は、30〜90容積%、好ましくは30〜60容積%の、
1〜600ミクロンの粒径を有する、有機合成樹脂
粒子を、100重量部の燐酸カルシウム化合物粉末
に混合し、この混合物を、前述の方法と同様の方
法によつて所望形状寸法に成形し、得られた成形
物を200〜800℃の温度に加熱して前記有機合成樹
脂粒子を熱分解除去し、次に、酸素含有雰囲気中
で800〜1450℃の温度に加熱して前記燐酸カルシ
ウム化合物粉末を焼結することを含むものであ
る。
上記の方法に用いられる1〜600ミクロンの粒
径を有する有機合成樹脂粒子は、多孔質体中に1
〜600ミクロンの空孔を形成するために有効なも
のである。有機合成樹脂の種類については、それ
が200〜400℃の温度において熱分解し、多孔質体
から逃散するものであれば格別の限定はないが、
一般には、メチルメタクリレート、ポリプロピレ
ン、ポリスチレンなどの熱加塑性合成樹脂から選
ばれ、特にメチルメタクリレートが好ましい。上
記のような有機合成樹脂は担当の硬度を有してい
るので、その粒子を燐酸カルシウム化合物粉末と
混合したり、この混合物をプレス成形するときに
球形粒子が変形や破砕することがなく、従つて使
用した粒子の寸法形状に正確に対応した寸法形状
の空孔を形成することができる。
有機合成樹脂球形粒子と燐酸カルシウム化合物
粉末との混合物は、所望の寸法および形状を有す
る顆粒体に成形される。得られた顆粒体を、先づ
200〜500℃の温度で、好ましくは300〜350℃で
120〜180分間加熱し、有機合成樹脂粒子を熱分解
除去し、対応する空孔を形成するとともに、この
空孔から伸び出る微細空隙通路を形成する。
次に、この成形物を酸素含有雰囲気中で800〜
1450℃、好ましくは850〜1250℃で、好ましくは
1〜3時間加熱し、燐酸カルシウム化合物粉末を
焼結する。このとき、有機合成樹脂粒子の熱分解
残渣があつても、これは焼結加熱間に燃焼除去さ
れる。
上記有機合成樹脂粒子を使用する方法におい
て、100重量部の燐酸カルシウム粉末に対し、1
〜5重量部の、1〜5mmの長さと、1〜30ミクロ
ンの直径を有する有機繊維を追加することができ
る。この有機繊維の種類や効用は、前述と同じで
ある。
更に、上記有機合成樹脂粒子を使用する方法に
おいて、100重量部の燐酸カルシウム化合物粉末
に対し、2〜5重量部の、1〜600ミクロンの粒
径を有する昇華性固形物質粒子を追加添合するこ
とができる。この昇華性物質の種類は前述と同一
である。この方法においては、昇華性物質粒子
は、1〜600ミクロンの粒径を有するものであつ
て毛細管状空隙通路の形成に有効である。
更にまた、上記有機合成樹脂粒子を使用する方
法において、100重量部の燐酸カルシウム化合物
粉末に対し、2〜5重量部の、1〜5mmの長さ
と、1〜30ミクロンの直径を有する有機繊維と、
2〜5重量部の、1〜600ミクロンの粒径を有す
る昇華性固形粒子とを追加混合してもよい。これ
ら有機繊維、および昇華性固形粒子の種類および
効用は前述と同じである。
前記製造方法により得られた顆粒体は、骨細胞
が侵入可能な1〜600μの空孔を有し、かつ鋭角
部のない外形を示し、又、顆粒体の粒径を0.05〜
5mmの任意の大きさに調整でき、焼成温度を800
〜1450℃の任意の温度を選択できるので、ターン
オーバー速度を調節することが可能である。上記
の顆粒体を骨セメントとして使用する際に、ター
ンオーバーが行なわれるまで、一時的に固定する
材料として、水、生理食塩水、患者の血液およ
び/もしくは、人工血しようたとえばポリビニル
ピロリドンを使用する。
本発明の骨セメント組成物は、例えば下記のよ
うに使用することができる。
第2図において、切断され、骨髄腔部を形成し
ている大腿骨股関節骨頭部に、その腔部の底部に
人工骨セメント栓5を挿入し、次にアルミナ製人
工股関節1のステム部を挿入しこのステムと骨髄
との間に骨セメント組成物4,3、および2を充
填する。このとき、骨セメント組成物4,3、お
よび2の顆粒体のサイズが順次に小さくなるよう
にしてもよい。栓5としては、本発明の顆粒体と
同様に1〜600ミクロン、好ましくは300〜600ミ
クロンの孔径を有する多数の空孔と、この空孔を
外部空間に連通する微細空隙通路を有する、燐酸
カルシウム化合物の焼結多孔体からなるものが用
いられる。栓の寸法形状は、所望に応じて任意の
ものであつてよい。
さらに、本発明を実施例により更に詳述する
が、本発明は実施例に限定されるものではない。
実施例 公知の湿式法により、水酸化カルシウムスラリ
ーにリン酸溶液を滴下してCa/P=1.65のリン酸
カルシウムを合成し、乾燥後150μ以下のリン酸
カルシウム粉を得た。このリン酸カルシウム100
gに対し、5〜300μの粒径をもつポリメチルメ
タアクリレート樹脂37gを混合し、この混合物に
対し高速度撹拌機で、メタノールを媒体とする加
温撹拌をくり返し施し、その後、転動造粒機を用
い、0.1〜3mmの鋭角部をもたない顆粒体の未焼
成物を造粒した。この顆粒体を300℃で24時間加
熱し、有機合成樹脂粒子を熱分解除去し、5〜
300μの空孔を有する多孔体を得、さらに1000℃
で1時間焼結して孔径5〜300μの空孔を有する
0.1〜3mmの多孔顆粒体を得た。これを、粒径0.1
〜0.15mm、0.3〜0.5mm、0.8〜1.2mmの3種に分割し
た。得られた顆粒体の顕微鏡写真を第1図に示
す。
別に、リン酸カルシウム粉100gに対し300〜
600μの粒径をもつポリメチルメタアクリレート
樹脂40gを添加し、メタノールを媒体として混合
乾燥しこれをゴム風船につめて300Kg/cm2の静水
圧プレスを行ない成形体を得た。この成形体を室
温から徐々に300℃まで加温し、有機合成樹脂粒
子を熱分解除去し、連続した300〜600μの空孔を
有する多孔体を得、電気炉で1200℃1時間焼結さ
せ、急冷ののち径5mm、長さ5mmの連続した空孔
をもつ円柱状の骨セメント用栓を得た。この様に
して得た栓の気孔率は55%であつた。
これらの顆粒体及び栓を、実際に犬の股関節を
脱きゆうさせ、大腿骨頭を切断し、かわりにアル
ミナ人工股関節を使用し、同時に本発明の骨セメ
ントを使用した例を第2図に示す。
第2図において、アルミナ人工股関節1を、切
断した骨頭のかわりに、骨頭部を、骨髄腔内にス
テムを挿入し、骨との間を本発明の骨セメントを
使用し、新生骨の誘起及び人工股関節の固定を観
察した。本発明の骨セメントの栓5を、ステムの
下に固定し、本発明の顆粒体0.8〜1.2mm、4をそ
の上に次に0.3〜0.5mmの顆粒体3を、最後に0.1〜
0.15mmの顆粒体2をそれぞれ、生理食塩水ととも
に注入し、すみやかに人工骨頭ステムを骨幹内へ
押込みステムを固定し、整復させた。なお、6
は、犬の大腿骨である。2週後、手術を行ない犬
の大腿骨を取り出し以後の経過を観察した。その
結果、特に荷重のかかる7,8部位内は、新生骨
の生成が多く見られ、他の部位にも少し新生骨の
誘起が見られた。13週経過した後の観察からは、
人工股関節は、脱きゆうすることなく犬の大腿骨
に固定されており、手術後の観察で、荷重のかか
る7,8部位は、ほとんど顆粒体は新生骨でおき
かわり、他の部位の顆粒体もほとんど新生骨でお
おわれていたが、若干の髄腔の新生を併ない経過
は良好であつた。
発明の効果 本発明の骨セメント組成物に使用される顆粒体
は、水、生理食塩水、患者の血液及び人工血しよ
うのいずれか1種を添加して用いるので、生体内
で顆粒体表面及び空孔が生体組織でおおわれる。
又、本発明の顆粒体は、空孔を有しているため表
面積が大きい。そのため、短時間に若い肉芽組織
がその表面をおおい急速に新生骨の形成がはじま
り、その後、顆粒体間に新生骨が形成され架橋し
はじめ、その発達とともに、海綿骨を含めた新生
骨が形成される。特に、この現象は、人工股関節
の場合、荷重のかかる部位に顕著に現われ、荷重
のかからない部位でも、最期にわたり新生骨の誘
起がおこる。さらに、荷重のかかる部位において
は、短期間に顆粒体のすべてが、新生骨によつて
連絡した密なる海綿骨が形成され、ひき続き新生
骨の緻密化が進行し、人工関節と周辺の骨組織と
同一の組織をもつた緻密骨に移行し、人工関節を
完全に固定することができる。その後、荷重のか
からない部位においても徐々に新生骨が形成さ
れ、やがて、顆粒体はすべて新生骨で置換され
る。又、骨形成速度を大きくする点では、顆粒体
の比表面積を大きくし、顆粒体の数を多くした方
が好ましいのであるが、新生骨形成には、生体内
から骨形成物質の供給が不可欠であるので、おの
ずと限度がある。そこで、本発明の骨セメント組
成物は、骨形成速度を、顆粒体製造時の焼結温
度、空孔の大きさ、顆粒の径の選択によつて調整
することができる。即ち、本発明の骨セメント組
成物に使用する顆粒体の焼結温度を800〜1350℃、
好ましくは850〜1250℃、空孔の大きさを1〜
600μ、好ましくは5〜300μ、顆粒の大きさを0.05
〜5mm、好ましくは0.1〜3mmの組み合わせとす
る。
又、骨セメント用栓を用いることにより、さら
に好ましくは、顆粒の大きさを、0.1〜0.15mm、
0.3〜0.5mm、0.8〜1.2mmの3種類を用い、下から
大きい顆粒を用いることにより、骨形成速度の調
整を可能にすることができる。又、骨セメント用
栓は、連続した空孔を有しているため、骨髄腔内
に充てんされた骨セメント用栓内を骨髄が流れ、
本発明の骨セメントは骨髄と接触し、さらに新生
骨の形成を促進することができる。本発明の骨セ
メント組成物は、ほとんど骨髄腔内にあり、新生
骨は、骨髄腔内に形成されるが、骨髄腔内の不必
要な新生骨は、破骨細胞によつて、生体内に吸収
され、必要な部位だけの新生骨が残る。以上の様
な理由により、本発明の骨セメント組成物は、従
来の骨セメントにかわり、更には周辺骨組織の増
強をはかるとともに、人工関節を完全に固定する
事を可能にする。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の骨セメント組成物に用いられ
る顆粒体粒子の顕微鏡写真(500倍)であり、第
2図は本発明の骨セメント組成物の使用状況の一
例を示す説明図である。 1……人工股関節、2……粒径0.1〜0.15mmの
顆粒体層、3……粒径0.3〜0.5mmの顆粒体層、4
……粒径0.8〜1.2mmの顆粒体層、5……骨セメン
ト栓、6……大腿骨、7,8……荷重集中部分。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 燐酸カルシウム化合物の焼結体からなり、前
    記焼結体中に形成された1個以上の1〜600ミク
    ロンの孔径を有している空孔と、この空孔を外部
    空間に連通する微細空隙通路とを有し、かつ0.05
    〜5mmのサイズを有する顆粒体と、水、生理食塩
    水、血液、および人工血しようからなる群から選
    ばれた少くとも1種とを含んでなる骨セメント組
    成物。 2 前記燐酸カルシウム化合物におけるカルシウ
    ムと燐との原子比が1.30〜1.80の範囲内にある、
    特許請求の範囲第1項記載の組成物。 3 前記燐酸カルシウム化合物がヒドロキシアパ
    タイトである、特許請求の範囲第1項記載の組成
    物。 4 前記空孔の孔径が、3〜300ミクロンの範囲
    内にある、特許請求の範囲第1項記載の組成物。 5 前記微細空隙通路の径が1−30ミクロンの範
    囲内にある、特許請求の範囲第1項記載の組成
    物。 6 前記顆粒体が40%〜90%の気孔率を有する、
    特許請求の範囲第1項記載の組成物。 7 前記顆粒体が複数個の空孔を有し、これらの
    空孔が微細空隙通路により相互に連通している特
    許請求の範囲第1項記載の組成物。 8 前記燐酸カルシウム化合物焼結体が800〜
    1450℃の温度で焼結されたものである、特許請求
    の範囲第1項記載の組成物。 9 前記水、生理食塩水、血液、および人工血し
    ようからなる少くとも1種の添加量が、前記顆粒
    体重量に対し10〜200%である、特許請求の範囲
    第1項記載の組成物。
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