JPH0360905B2 - - Google Patents
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- JPH0360905B2 JPH0360905B2 JP59189640A JP18964084A JPH0360905B2 JP H0360905 B2 JPH0360905 B2 JP H0360905B2 JP 59189640 A JP59189640 A JP 59189640A JP 18964084 A JP18964084 A JP 18964084A JP H0360905 B2 JPH0360905 B2 JP H0360905B2
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- Japan
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- Heat Treatment Of Articles (AREA)
Description
(産業上の利用分野)
本発明は高クリープ強度フエライト系耐熱鋼に
関するものであり、さらに詳しくは高温における
クリープ特性を改良した溶接性、靭性のすぐれた
フエライト系Cr含有耐熱鋼に係わるものである。 (従来の技術及び発明が解決しようとする問題
点) 近年火力発電ボイラにおいては大型化と高温、
高圧化が定着してきたが、550℃を超すとその材
料を選択するに当たり、耐酸化性、高温強度の点
からフエライト系の2 1/4Cr−1Mo鋼から18−
8ステンレス鋼のごときオーステナイト系の高級
鋼へと飛躍して使用されているのが現状である。 しかしながら低合金鋼、ステンレス鋼、超合金
と材料が高級になるに従い、コストが上昇し、ボ
イラ建造費が高価につくために、材料上の問題か
らボイラの蒸気温度が逆に制約されて現在では
566℃が上限となつている。したがつてボイラの
効率を高めるためには圧力を高めた超臨界圧ボイ
ラ使用されている。 ところで2 1/4Cr−1Mo鋼とオーステナイト
ステンレス鋼の中間を埋めるための鋼材は過去数
十年模索されているがCr量が中間の5Cr,9Cr,
12Cr等のボイラ鋼管は強度を高めるとその溶接
性が悪化するため、研究はかなり行われたが、ボ
イラの施工上、作業能率を著しく低下させるため
に実用化されにくいのが実情である。 このような観点から2 1/4Cr−1Mo鋼とオー
ステナイトステンレス鋼の中間を埋めるクリープ
強度を有する経済的鋼の出現が待ち望れまれてい
た。 本発明者らはこのような事情にかんがみ既に溶
接性を向上させてなおかつクリープ破断強度も従
来材を大幅に上廻る新しい鋼種を開発し、(イ)特公
56−34628号公報、(ロ)特願昭58−25436号、或いは
(ハ)特願昭59−68377号により提案を行なつている。
これらの内、(イ)の鋼はV,Nbの適正添加により、
クリープ破断強度を確保するとともにC量を低目
にして溶接性を向上した鋼であり、(ロ)の鋼はさら
にSiの制限により靭性の向上を図り、VとSiとの
相関関係を定めて強度と靭性のバランスを保つた
鋼である。また(ハ)の鋼はSiの制限による靭性の向
上を図るとともにB,Nの添加と酸素量の制限に
よるクリープ強度の向上を狙つた鋼である。 これら(イ)〜(ハ)のいずれの鋼も600℃においての
長時間使用に耐えるすぐれた鋼である。 しかしながら今後蒸気温度の一層の上昇と電力
需要の変動に対応してボイラの起動停止が頻繁に
行われることが予想されており、その際熱応力を
軽減するためにもいつそうの肉厚減少即ちクリー
プ強度の向上がのぞまれている。 一方クリープ強度の向上にW添加が有効なこと
が特公昭58−17820号公報において開示されてい
る。しかしこの鋼においてはWの最適な範囲につ
いての提案が行われているものではない上にNb
添加についての配慮もなされていない。 (問題点を解決するための手段) 本発明者らは600℃でのクリープ破断強度を高
めると同時に、その使用をより高温度域で可能に
するためにMo,W,Nbの複合添加が有効であ
り、且つMo,W,Nbには最適添加量があつて、
しかもそれはMo量に依存するとの知見をえて、
MoとW量の関係及び(Mo+W)とNb量の関係
を夫々明らかにすることによつて著しくクリープ
破断強度のすぐれた鋼を開発することに成功した
ものである。 (発明の構成・作用) 本発明の成分範囲を示せば第1表の如くであ
る。
関するものであり、さらに詳しくは高温における
クリープ特性を改良した溶接性、靭性のすぐれた
フエライト系Cr含有耐熱鋼に係わるものである。 (従来の技術及び発明が解決しようとする問題
点) 近年火力発電ボイラにおいては大型化と高温、
高圧化が定着してきたが、550℃を超すとその材
料を選択するに当たり、耐酸化性、高温強度の点
からフエライト系の2 1/4Cr−1Mo鋼から18−
8ステンレス鋼のごときオーステナイト系の高級
鋼へと飛躍して使用されているのが現状である。 しかしながら低合金鋼、ステンレス鋼、超合金
と材料が高級になるに従い、コストが上昇し、ボ
イラ建造費が高価につくために、材料上の問題か
らボイラの蒸気温度が逆に制約されて現在では
566℃が上限となつている。したがつてボイラの
効率を高めるためには圧力を高めた超臨界圧ボイ
ラ使用されている。 ところで2 1/4Cr−1Mo鋼とオーステナイト
ステンレス鋼の中間を埋めるための鋼材は過去数
十年模索されているがCr量が中間の5Cr,9Cr,
12Cr等のボイラ鋼管は強度を高めるとその溶接
性が悪化するため、研究はかなり行われたが、ボ
イラの施工上、作業能率を著しく低下させるため
に実用化されにくいのが実情である。 このような観点から2 1/4Cr−1Mo鋼とオー
ステナイトステンレス鋼の中間を埋めるクリープ
強度を有する経済的鋼の出現が待ち望れまれてい
た。 本発明者らはこのような事情にかんがみ既に溶
接性を向上させてなおかつクリープ破断強度も従
来材を大幅に上廻る新しい鋼種を開発し、(イ)特公
56−34628号公報、(ロ)特願昭58−25436号、或いは
(ハ)特願昭59−68377号により提案を行なつている。
これらの内、(イ)の鋼はV,Nbの適正添加により、
クリープ破断強度を確保するとともにC量を低目
にして溶接性を向上した鋼であり、(ロ)の鋼はさら
にSiの制限により靭性の向上を図り、VとSiとの
相関関係を定めて強度と靭性のバランスを保つた
鋼である。また(ハ)の鋼はSiの制限による靭性の向
上を図るとともにB,Nの添加と酸素量の制限に
よるクリープ強度の向上を狙つた鋼である。 これら(イ)〜(ハ)のいずれの鋼も600℃においての
長時間使用に耐えるすぐれた鋼である。 しかしながら今後蒸気温度の一層の上昇と電力
需要の変動に対応してボイラの起動停止が頻繁に
行われることが予想されており、その際熱応力を
軽減するためにもいつそうの肉厚減少即ちクリー
プ強度の向上がのぞまれている。 一方クリープ強度の向上にW添加が有効なこと
が特公昭58−17820号公報において開示されてい
る。しかしこの鋼においてはWの最適な範囲につ
いての提案が行われているものではない上にNb
添加についての配慮もなされていない。 (問題点を解決するための手段) 本発明者らは600℃でのクリープ破断強度を高
めると同時に、その使用をより高温度域で可能に
するためにMo,W,Nbの複合添加が有効であ
り、且つMo,W,Nbには最適添加量があつて、
しかもそれはMo量に依存するとの知見をえて、
MoとW量の関係及び(Mo+W)とNb量の関係
を夫々明らかにすることによつて著しくクリープ
破断強度のすぐれた鋼を開発することに成功した
ものである。 (発明の構成・作用) 本発明の成分範囲を示せば第1表の如くであ
る。
【表】
【表】
以下に本発明について詳細に説明する。
先ず本発明鋼に含まれる各成分の限定理由につ
いて述べるとCは強度の保持に必要であるが、溶
接性の点から上限を0.15%とした。即ち後述する
Cr量との関係で、この種の鋼は非常に焼入性が
よく溶接熱影響部が著しく硬化し、溶接時低温割
れの原因となる。従つて溶接を完全に行うため
に、かなり高温の予熱を必要とし、ひいては溶接
作業性が著しく損われる。しかるにCを0.15%以
下に保てば溶接熱影響部の最高硬さが低下し、溶
接割れの防止が容易に行いうるので上限を0.15%
とした。また下限についてはC量を0.03%未満に
するとクリープ破断強度の確保が困難になるので
下限を0.03%と定めた。 Mnは脱酸のためのみでなく強度保持上も必要
な成分である。上限を1.5%としたのはこれを超
すと靭性の点から好ましくないからであり、下限
は脱酸に必要な最少量として0.1%と定めた。 Crは耐酸化性に不可欠の元素であつて、耐熱
鋼には必らず添加されており、M23C6,M6C(但
しMは金属元素を指す)の微細析出により高温強
度を高めているが、下限はその析出硬化が顕著に
認められる8%とし、上限は溶接性及び靭性の点
から13%とした。 Moは固溶体強化により、高温強度を顕著に高
める元素であるので通常耐熱鋼には添加される
が、多量に添加された場合溶接性、耐酸化性を損
うので上限を2.3%とし、一方Wとの共存におい
てもクリープ破断強度の向上に効果のあるのは
0.5%以上からであるので下限を0.5%と定めた。 WもMoと同様に固溶体強化および炭化物中に
固溶して粗大化を抑制することにより高温強度を
顕著に高める元素であり、とくに600℃を超えて
長時間側の強化に有効である。しかし多量に添加
すると溶接性、耐酸化性を損うので上限を2.0%
とし、一方Moとの共存において効果を発揮する
のは0.2%以上からであるので下限を0.2%と定め
た。 VはMo同様素地に固溶しても析出物として析
出しても鋼の高温強度を著しく高める元素であ
る。特に析出の場合にはV4C3としての他の
M23C6,M6Cの一部に入り、析出物の粗大化の抑
制に顕著な効果を示す。しかしながら600℃前後
でSUS304ステンレス鋼を超すクリープ破断強度
を出すためには0.05%未満では不充分であり、ま
た0.30%を超すと却つて強度低下を生ずるので上
限を0.30%、下限を0.05%とした。 NbはNb(CN)の析出によつて高温強度を高め
るが、また微細な分散析出が後続するM23C6,
M6C等の析出状態を微細にコントロールするた
めに長時間クリープ強度にも貢献する。その量は
0.02%未満では効果がなく0.12%を超すとかえつ
て凝集粗大化を生じて強度を下げるため、上限を
0.12%、下限を0.02%とした。 なおV+Nb量はクリープ強度の観点から0.15
〜0.35%の範囲が好ましい。 Bは本来焼入性を著しく高める元素としてよく
知られているが、前述の如く、Bの微量添加によ
つて著しくクリープ強度が向上する。その量は
0.001%未満ではほとんど効果がなく、0.008%を
超すと熱間加工性、溶接性を損うので上限を
0.008%、下限を0.001%とした。 Nはマトリツクスに固溶あるいは窒化物、炭窒
化物として析出し、クリープ破断強度を高める元
素であるが、0.02%未満では急激に強度が低下す
ること、また0.05%を超すと鋳造時にブローホー
ルを発生し健全な鋼塊ができにくい等の問題を生
ずるので上限を0.05%、下限を0.02%とした。 Siは本来脱酸のために添加される元素であるが
材質的には靭性に悪影響のある元素である。そこ
で靭性におよぼす影響を調べたところ、0.2%以
下に抑えると靭性が向上することが分つた。な
お、好ましい範囲は0.095%以下である。 次にMoとWの関係を第1図について述べる。
MoとWは複合して添加することによつて高温長
時間側のクリープ破断強度を著しく向上する。し
かし強度、靭性、溶接性を考慮するとその添加量
には最適な範囲があり、第1図のABCDで囲ま
れる範囲でなければならないことが分つた。すな
わち直線ABはW0.2%の線であり、これ未満では
クリープ強度を向上させる効果が極めて弱い。直
線CDはMoが0.5%の線であり、これ末満では同
様にクリープ強度向上の効果が期待できない。直
線ADはMo+W=2.5%の線であつてこれを超え
ると溶接性、靭性、耐酸化性等に悪影響が現われ
る。直線BCはクリープ破断強度の観点からの下
限界線であつて(Mo+1/2W)%=0.8%の線で
ある。Wはその効果がMoの約半分であるので
Mo+1/2Wで整理できる。 次に(Mo+W)とNbの関係を第2図について
述べる。本発明鋼においては微量Nbの効果が顕
著であつて必須の元素であるが、この必要Nb擁
は(Mo+W)量と密接な関係がある。すなわち
第2図EFGHの範囲内にあると最高の強度がえら
れる。直線EHは(Mo+W)量が2.5%の線、FG
は0.9%の線であり、第1図の最大値(AD線上)
と最小値(B線)に対応している。一方、Nb量
の最適範囲は(Mo+W)量と関係しており、
(Mo+W)量の高いほどその範囲は低濃度側に、
(Mo+W)量の低いほど高濃度側に移行する。
これを実験的に求めたものが直線HG,EFであ
り、直線HGは(Mo+W)量との関係できまる
Nb量の上限界線であり、EFは同様に下限界線で
ある。すなわちEF線の左側はNb量が不足してク
リープ破断強度が不充分であり、HG線の右側は
Nb量が過剰となつてクリープ破断強度が却つて
低下してしまう領域である。 以下が本発明の基本成分であるが、本発明にお
いてはさらに靭性向上の目的でNiとCoの1種又
は2種を合計0.1〜1.0%含有させることができ
る。すなわちNiとCoはそれぞれオーステナイト
生成元素であつて多量に発生すると靭性の点で好
ましくないδフエライト量を抑制するために1種
又は2種添加される。また、Ni,Coの添加によ
つて前記組識的変化が期待される以外にも元素自
体の添加効果として靭性改善が期待される。その
量は1種又は2種の合計が0.1%未満では効果が
なく、また1%を超すと常温強度の上昇が顕著で
加工性に悪影響があるので上限を1.0%、下限を
0.1%とした。 次に本発明の効果を実施例についてさらに具体
的に述べる。 実施例 第2表に供試鋼の化学組成、600℃,20Kg/mm2
の応力でのクリープ破断時間、破断伸び、溶接性
を表わすy型拘束割れ試験における割れ防止のた
めの予熱温度、600℃,1000時間時効後の衝撃値、
常温のの引張り特性を示す。
いて述べるとCは強度の保持に必要であるが、溶
接性の点から上限を0.15%とした。即ち後述する
Cr量との関係で、この種の鋼は非常に焼入性が
よく溶接熱影響部が著しく硬化し、溶接時低温割
れの原因となる。従つて溶接を完全に行うため
に、かなり高温の予熱を必要とし、ひいては溶接
作業性が著しく損われる。しかるにCを0.15%以
下に保てば溶接熱影響部の最高硬さが低下し、溶
接割れの防止が容易に行いうるので上限を0.15%
とした。また下限についてはC量を0.03%未満に
するとクリープ破断強度の確保が困難になるので
下限を0.03%と定めた。 Mnは脱酸のためのみでなく強度保持上も必要
な成分である。上限を1.5%としたのはこれを超
すと靭性の点から好ましくないからであり、下限
は脱酸に必要な最少量として0.1%と定めた。 Crは耐酸化性に不可欠の元素であつて、耐熱
鋼には必らず添加されており、M23C6,M6C(但
しMは金属元素を指す)の微細析出により高温強
度を高めているが、下限はその析出硬化が顕著に
認められる8%とし、上限は溶接性及び靭性の点
から13%とした。 Moは固溶体強化により、高温強度を顕著に高
める元素であるので通常耐熱鋼には添加される
が、多量に添加された場合溶接性、耐酸化性を損
うので上限を2.3%とし、一方Wとの共存におい
てもクリープ破断強度の向上に効果のあるのは
0.5%以上からであるので下限を0.5%と定めた。 WもMoと同様に固溶体強化および炭化物中に
固溶して粗大化を抑制することにより高温強度を
顕著に高める元素であり、とくに600℃を超えて
長時間側の強化に有効である。しかし多量に添加
すると溶接性、耐酸化性を損うので上限を2.0%
とし、一方Moとの共存において効果を発揮する
のは0.2%以上からであるので下限を0.2%と定め
た。 VはMo同様素地に固溶しても析出物として析
出しても鋼の高温強度を著しく高める元素であ
る。特に析出の場合にはV4C3としての他の
M23C6,M6Cの一部に入り、析出物の粗大化の抑
制に顕著な効果を示す。しかしながら600℃前後
でSUS304ステンレス鋼を超すクリープ破断強度
を出すためには0.05%未満では不充分であり、ま
た0.30%を超すと却つて強度低下を生ずるので上
限を0.30%、下限を0.05%とした。 NbはNb(CN)の析出によつて高温強度を高め
るが、また微細な分散析出が後続するM23C6,
M6C等の析出状態を微細にコントロールするた
めに長時間クリープ強度にも貢献する。その量は
0.02%未満では効果がなく0.12%を超すとかえつ
て凝集粗大化を生じて強度を下げるため、上限を
0.12%、下限を0.02%とした。 なおV+Nb量はクリープ強度の観点から0.15
〜0.35%の範囲が好ましい。 Bは本来焼入性を著しく高める元素としてよく
知られているが、前述の如く、Bの微量添加によ
つて著しくクリープ強度が向上する。その量は
0.001%未満ではほとんど効果がなく、0.008%を
超すと熱間加工性、溶接性を損うので上限を
0.008%、下限を0.001%とした。 Nはマトリツクスに固溶あるいは窒化物、炭窒
化物として析出し、クリープ破断強度を高める元
素であるが、0.02%未満では急激に強度が低下す
ること、また0.05%を超すと鋳造時にブローホー
ルを発生し健全な鋼塊ができにくい等の問題を生
ずるので上限を0.05%、下限を0.02%とした。 Siは本来脱酸のために添加される元素であるが
材質的には靭性に悪影響のある元素である。そこ
で靭性におよぼす影響を調べたところ、0.2%以
下に抑えると靭性が向上することが分つた。な
お、好ましい範囲は0.095%以下である。 次にMoとWの関係を第1図について述べる。
MoとWは複合して添加することによつて高温長
時間側のクリープ破断強度を著しく向上する。し
かし強度、靭性、溶接性を考慮するとその添加量
には最適な範囲があり、第1図のABCDで囲ま
れる範囲でなければならないことが分つた。すな
わち直線ABはW0.2%の線であり、これ未満では
クリープ強度を向上させる効果が極めて弱い。直
線CDはMoが0.5%の線であり、これ末満では同
様にクリープ強度向上の効果が期待できない。直
線ADはMo+W=2.5%の線であつてこれを超え
ると溶接性、靭性、耐酸化性等に悪影響が現われ
る。直線BCはクリープ破断強度の観点からの下
限界線であつて(Mo+1/2W)%=0.8%の線で
ある。Wはその効果がMoの約半分であるので
Mo+1/2Wで整理できる。 次に(Mo+W)とNbの関係を第2図について
述べる。本発明鋼においては微量Nbの効果が顕
著であつて必須の元素であるが、この必要Nb擁
は(Mo+W)量と密接な関係がある。すなわち
第2図EFGHの範囲内にあると最高の強度がえら
れる。直線EHは(Mo+W)量が2.5%の線、FG
は0.9%の線であり、第1図の最大値(AD線上)
と最小値(B線)に対応している。一方、Nb量
の最適範囲は(Mo+W)量と関係しており、
(Mo+W)量の高いほどその範囲は低濃度側に、
(Mo+W)量の低いほど高濃度側に移行する。
これを実験的に求めたものが直線HG,EFであ
り、直線HGは(Mo+W)量との関係できまる
Nb量の上限界線であり、EFは同様に下限界線で
ある。すなわちEF線の左側はNb量が不足してク
リープ破断強度が不充分であり、HG線の右側は
Nb量が過剰となつてクリープ破断強度が却つて
低下してしまう領域である。 以下が本発明の基本成分であるが、本発明にお
いてはさらに靭性向上の目的でNiとCoの1種又
は2種を合計0.1〜1.0%含有させることができ
る。すなわちNiとCoはそれぞれオーステナイト
生成元素であつて多量に発生すると靭性の点で好
ましくないδフエライト量を抑制するために1種
又は2種添加される。また、Ni,Coの添加によ
つて前記組識的変化が期待される以外にも元素自
体の添加効果として靭性改善が期待される。その
量は1種又は2種の合計が0.1%未満では効果が
なく、また1%を超すと常温強度の上昇が顕著で
加工性に悪影響があるので上限を1.0%、下限を
0.1%とした。 次に本発明の効果を実施例についてさらに具体
的に述べる。 実施例 第2表に供試鋼の化学組成、600℃,20Kg/mm2
の応力でのクリープ破断時間、破断伸び、溶接性
を表わすy型拘束割れ試験における割れ防止のた
めの予熱温度、600℃,1000時間時効後の衝撃値、
常温のの引張り特性を示す。
【表】
【表】
○印:比較鋼
第2表に示すもののうちNo.6,8,9,12,
14,16,19,22,24,25鋼は本発明鋼であり、そ
の他は比較鋼である。 No.3鋼は通常低合金耐熱鋼として使用されてい
る2 1/4Cr−1Mo鋼であり、No.1鋼は更に耐高
温腐食性を向上させたボイラ熱交換器用合金鋼鋼
管であるがクリープ破断強度が低いのでこれを改
良するために開発された鋼管がNo.2鋼である。し
かしながら、いずれにしても本発明鋼にくらべ、
著しくクリープ破断強度が低い。 No.4鋼は現在ドイツを中心にヨーロツパで石炭
専焼ボイラの過熱器管、再熱器管に使用されてい
る鋼種であるが、C量が本発明鋼にくらべ著しく
高いので溶接性、加工性に難点がある。 No.5鋼はW量がその下限を切るものであつて十
分なクリープ破断強度が確保できない。No.7,
10,18,20,21鋼は第2図E,F,G,Hの外部
に位置するものであつて、(Mo+W)量に対す
るNb量の値が少なすぎたり適正ではなく、高い
クリープ破断強度が得られない。 No.11,13鋼は第1図AD線の上部に位置し、
Mo+W量が多すぎるため、時効による脆化が大
きいという問題がある。 No.15鋼はMo量がその下限を切るものであつて
十分なクリープ破断強度が確保できない。 No.17鋼は第1図BC線の下方に位置するもので
あつてMo,W量が少なく、クリープ破断強度が
十分でない。No.23鋼はC量がその上限を超すもの
であつて溶接性も衝撃値も低下している。 これに対して本発明鋼は既存のフエライト系耐
熱鋼である比較鋼No.4鋼と比較して相当にすぐれ
ており、市販の2 1/4Cr−1Mo鋼である比較鋼
No.3鋼、市販の9Cr−1Mo鋼である比較鋼No.1鋼
より、はるかに高い強度を有して、同一応力レベ
ルではかなり高い温度で使用できる。 なお靭性としては既存の2 1/4Cr−1Mo鋼よ
り同等乃至は高いレベルにあつて事実上全く問題
はない。とくにNo.24,25鋼はNo.22鋼にそれぞれ
0.65%Ni,0.47%Ni+0.20%Coを添加した鋼であ
るが強度が同等であつて靭性が改善されている。 また、本発明鋼は溶接性の点からも2 1/4Cr
−1Mo鋼とほぼ同等であつて極めて使い易い鋼
である。 (発明の効果) 以上の如く本発明鋼は従来のフエライト系耐熱
鋼にくらべ、装置の高温化、高圧化に対応できる
高温強度の増大を達成した鋼であり、溶接性、靭
性等実用上の特性もすぐれており、産業界に貢献
するところが極めて大きい。
第2表に示すもののうちNo.6,8,9,12,
14,16,19,22,24,25鋼は本発明鋼であり、そ
の他は比較鋼である。 No.3鋼は通常低合金耐熱鋼として使用されてい
る2 1/4Cr−1Mo鋼であり、No.1鋼は更に耐高
温腐食性を向上させたボイラ熱交換器用合金鋼鋼
管であるがクリープ破断強度が低いのでこれを改
良するために開発された鋼管がNo.2鋼である。し
かしながら、いずれにしても本発明鋼にくらべ、
著しくクリープ破断強度が低い。 No.4鋼は現在ドイツを中心にヨーロツパで石炭
専焼ボイラの過熱器管、再熱器管に使用されてい
る鋼種であるが、C量が本発明鋼にくらべ著しく
高いので溶接性、加工性に難点がある。 No.5鋼はW量がその下限を切るものであつて十
分なクリープ破断強度が確保できない。No.7,
10,18,20,21鋼は第2図E,F,G,Hの外部
に位置するものであつて、(Mo+W)量に対す
るNb量の値が少なすぎたり適正ではなく、高い
クリープ破断強度が得られない。 No.11,13鋼は第1図AD線の上部に位置し、
Mo+W量が多すぎるため、時効による脆化が大
きいという問題がある。 No.15鋼はMo量がその下限を切るものであつて
十分なクリープ破断強度が確保できない。 No.17鋼は第1図BC線の下方に位置するもので
あつてMo,W量が少なく、クリープ破断強度が
十分でない。No.23鋼はC量がその上限を超すもの
であつて溶接性も衝撃値も低下している。 これに対して本発明鋼は既存のフエライト系耐
熱鋼である比較鋼No.4鋼と比較して相当にすぐれ
ており、市販の2 1/4Cr−1Mo鋼である比較鋼
No.3鋼、市販の9Cr−1Mo鋼である比較鋼No.1鋼
より、はるかに高い強度を有して、同一応力レベ
ルではかなり高い温度で使用できる。 なお靭性としては既存の2 1/4Cr−1Mo鋼よ
り同等乃至は高いレベルにあつて事実上全く問題
はない。とくにNo.24,25鋼はNo.22鋼にそれぞれ
0.65%Ni,0.47%Ni+0.20%Coを添加した鋼であ
るが強度が同等であつて靭性が改善されている。 また、本発明鋼は溶接性の点からも2 1/4Cr
−1Mo鋼とほぼ同等であつて極めて使い易い鋼
である。 (発明の効果) 以上の如く本発明鋼は従来のフエライト系耐熱
鋼にくらべ、装置の高温化、高圧化に対応できる
高温強度の増大を達成した鋼であり、溶接性、靭
性等実用上の特性もすぐれており、産業界に貢献
するところが極めて大きい。
第1図は本発明におけるMo+Wとの関係を示
す図、第2図は本発明における(Mo+W)とNb
との関係を示す図である。
す図、第2図は本発明における(Mo+W)とNb
との関係を示す図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 重量でC:0.03〜0.15%、Mn:0.1〜1.5%、
Cr:8.0〜13.0%、Mo:0.5〜2.3%、W:0.2〜2.0
%、V:0.05〜0.30%、Nb:0.02〜0.12%、B:
0.001〜0.008%、N:0.02〜0.05%を含有し、Si:
0.2%以下に制限し、さらにMoとW量の関係が下
記の座標点を占める第1図ABCDに囲まれた範
囲、また(Mo+W)とNb量の関係が下記の座標
点を占める第2図EFGHに囲まれた範囲にあり、
残部Feおよび不可避不純物よりなることを特徴
とする高クリープ強度フエライト系耐熱鋼。 Mo%, W% (Mo+W)%,Nb% A(2.3,0.2) E(2.5,0.02) B(0.7,0.2) F(0.9,0.05) C(0.5,0.6) G(0.9,0.12) D(0.5,2.0) H(2.5,0.09) 2 重量でC:0.03〜0.15%、Mn:0.1〜1.5%、
Cr:8.0〜13.0%、Mo:0.5〜2.3%、W:0.2〜2.0
%、V:0.05〜0.30%、Nb:0.02〜0.12%、B:
0.001〜0.008%、N:0.02〜0.05%、Ni,Coの1
種又は2種合計で0.1〜1.0%を含有し、Si:0.2%
以下に制限し、さらにMoとW量の関係が下記の
座標点を占める第1図ABCDに囲まれた範囲、
また(Mo+W)とNb量の関係が下記の座標点を
占める第2図EFGHに囲まれた範囲にあり、残部
Feおよび不可避不純物よりなることを特徴とす
る高クリープ強度フエライト系耐熱鋼。 Mo%, W% (Mo+W)%,Nb% A(2.3,0.2) E(2.5,0.02) B(0.7,0.2) F(0.9,0.05) C(0.5,0.6) G(0.9,0.12) D(0.5,2.0) H(2.5,0.09)
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18964084A JPS6169948A (ja) | 1984-09-12 | 1984-09-12 | 高強度フエライト系耐熱鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18964084A JPS6169948A (ja) | 1984-09-12 | 1984-09-12 | 高強度フエライト系耐熱鋼 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6169948A JPS6169948A (ja) | 1986-04-10 |
| JPH0360905B2 true JPH0360905B2 (ja) | 1991-09-18 |
Family
ID=16244686
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP18964084A Granted JPS6169948A (ja) | 1984-09-12 | 1984-09-12 | 高強度フエライト系耐熱鋼 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6169948A (ja) |
Families Citing this family (10)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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| JP2559217B2 (ja) * | 1986-06-14 | 1996-12-04 | 新日本製鐵株式会社 | 溶接性を改善せる高強度フエライト系ボイラ鋼管用鋼 |
| JP2594265B2 (ja) * | 1987-01-29 | 1997-03-26 | 新日本製鐵株式会社 | 9Cr−Mo系鋼用TIG溶接用ワイヤ |
| JPS648256A (en) * | 1987-06-30 | 1989-01-12 | Nippon Steel Corp | High-strength ferritic heat-resisting steel |
| JP2808048B2 (ja) * | 1991-06-18 | 1998-10-08 | 新日本製鐵株式会社 | 高強度フェライト系耐熱鋼 |
| JPH05263196A (ja) * | 1992-03-19 | 1993-10-12 | Nippon Steel Corp | 高温強度ならびに靱性に優れたフェライト系耐熱鋼 |
| JP2689198B2 (ja) * | 1992-05-14 | 1997-12-10 | 新日本製鐵株式会社 | クリープ強度に優れたマルテンサイト系耐熱鋼 |
| JPH05311343A (ja) * | 1992-05-14 | 1993-11-22 | Nippon Steel Corp | 高クリープ強度を有するフェライト系耐熱鋼 |
| WO1996025530A1 (en) * | 1995-02-14 | 1996-08-22 | Nippon Steel Corporation | High-strength ferritic heat-resistant steel excellent in resistance to embrittlement caused by intermetallic compound deposition |
| JPH08218154A (ja) * | 1995-02-14 | 1996-08-27 | Nippon Steel Corp | 耐金属間化合物析出脆化特性の優れた高強度フェライト系耐熱鋼 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS60155648A (ja) * | 1984-01-25 | 1985-08-15 | Nippon Kokan Kk <Nkk> | 高靭性フエライト系耐熱鋼 |
-
1984
- 1984-09-12 JP JP18964084A patent/JPS6169948A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6169948A (ja) | 1986-04-10 |
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Legal Events
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|---|---|---|---|
| EXPY | Cancellation because of completion of term |