JPH0362393B2 - - Google Patents

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JPH0362393B2
JPH0362393B2 JP23284286A JP23284286A JPH0362393B2 JP H0362393 B2 JPH0362393 B2 JP H0362393B2 JP 23284286 A JP23284286 A JP 23284286A JP 23284286 A JP23284286 A JP 23284286A JP H0362393 B2 JPH0362393 B2 JP H0362393B2
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acid
enzyme
nad
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mandelic acid
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Yukinae Yamazaki
Hidekatsu Maeda
Hideo Suzuki
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
〔技術分野〕 本発明は、ペニシリン系やセフアロスポリン系
抗生物質又はエフエドリン等の交感神経作用薬等
の医薬品の原料もしくは合成中間体として有用な
マンデル酸の左旋性光学活性体〔(R)−左旋性マ
ンデル酸〕(以下、単に左旋性マンデル酸という)
を、その合成に必要な酵素をくり返し利用しなが
ら行う連続反応によつて工業的に有利に製造する
方法に関するものである。 〔従来技術〕 左旋性のマンデル酸の製造法としては、ラセミ
体の分別結晶による光学分割法、クロマトグラフ
イーによる光学分割法、有機化学的な不斉合成法
等が知られているが、これらの方法は、操作が煩
雑であるとか、収率が低い、生成物の光学純度が
低い等の欠点を有している。 一方、左旋性のマンデル酸を得るために、ベン
ゾイルギ酸を微生物菌体を用いて不斉還元する方
法(特開昭57−198096号公報)も知られている。
この方法によれば、前記の公知方法の欠点は除去
されるものの、微生物のプロテアーゼによる自己
消化のための活性低下が避けられず、また菌体内
成分や培地成分による製品の汚染・純度低下の問
題等が残る。本発明者らは、微生物菌体を用いず
に、微生物から取出した酵素を用いて合成するこ
とを考え、ストレプトコツクス属に属する微生物
から取出した酵素がその目的に適合することを見
出し、実際にこの酵素を応用して左旋性マンデル
酸を製造した。しかし、この方法は単なる反応槽
内で酵素を使用するものであり、回分反応ごとに
高価な酵素を使い捨てにする点で、経済性の上か
ら問題があつた。 〔目的〕 本発明者らは、酵素のくり返し使用をはかるべ
く鋭意研究を重ねた結果、上記の酵素及び反応に
必要な還元剤である還元型ニコチンアミド・アデ
ニン・ジヌクレオチド(NADH)をその場で再
生するために必要な他の1つの酵素を限外濾過器
の中で使用すれば、1週間以上連続的に左旋性マ
ンデル酸を生産できることを見出し、本発明を完
成するに致つた。 〔構成〕 即ち、本発明によれば、ストレプトコツクス属
細菌由来のベンゾイルギ酸還元能を有する酵素A
とギ酸脱水素酵素の溶液を限外濾過器に入れ、ベ
ンゾイルギ酸とギ酸を含む基質液を流して限外濾
過を行いつつ酵素反応を行うことを特徴とするマ
ンデル酸の左旋性光学活性体の連続的製造法が提
供される。 次に、本発明における酵素反応を示す。 この反応において、ギ酸の電子がギ酸脱水酵素
の作用によつてNAD〔酸化型ニコチンアミド・ア
デニン・ジヌクレオチド〕に渡されて還元型
NAD〔NADH〕となる。このNADHの電子が酵
素Aによつてベンゾイルギ酸に立体選択的に移転
される結果、不斉還元が起こり左旋性のマンデル
酸が生成する。同時にNADHは元のNADに戻
る。上式のサイクルはマンデル酸を除去し、原料
のギ酸とベンゾイルギ酸を供給する限り回転し続
ける。本発明では、反応液からマンデル酸のみを
取り出すために限外濾過膜を利用する。限外濾過
膜は低分子化合物は通過させるが高分子は通さな
い。上式の反応液を限外濾過すると、酵素Aとギ
酸脱水素酵素は濾過されないで反応液中にとどま
り、生成物のマンデル酸のみ外へととり出され
る。ところで、上式からわかるようにNADは系
内に保持されればくり返し使用できる反応要素で
ある。NADは本来低分子化合物であるので、そ
のままでは限外濾過膜を通過してしまう。この通
過を防止するためには、例えば高分子化合物に結
合させればよい。以上述べたところから明らかな
ように本発明を構成する物質的要素は次の4点で
ある。 (1)ベンゾイルギ酸還元能を有する酵素A、(2)ギ
酸脱水素酵素、(3)限外濾過膜と装置、及びNAD
も反応器内に保持せんとする場合には、(4)NAD
を結合した高分子物質。 まず(1)の酵素Aはストレプトコツクス属の細菌
の菌体を破壊し抽出することによつて調製する。
このために用いる菌株として、例えばストレプト
コツクスフアエカリス(Streptococcus
faecalis)が挙げられる。培地及び培養条件とし
ては菌体の増殖が良く、目的の酵素活性が高いも
のであればどのようなものでもよく、例えば、ト
マトジユース培地を用いて30℃で15〜25時間振と
う培養するなどの方法が挙げられる。集菌した菌
体の破壊には超音波処理など通常の方法を用いれ
ばよく、このようにして可溶化された目的酵素を
精製するためには、アフイニテイークロマトグラ
フイーやイオン交換クロマトグラフイーなど通常
の方法を用いればよい。この精製は、必らずしも
目的酵素を単一の蛋白質として単離するほどに行
うことを必要としない。普通には、菌体に由来す
る低分子成分、多糖類、核酸及びプロテアーゼや
NADHオキシダーゼなど妨害作用をなす酵素を
除いて、比活性を100U/mg程度に上昇させたも
のでも十分である。このためには例えば色素結合
樹脂によるアフイニテイークロマトグラフイーが
効果的である。しかし本発明は、これらの記述に
よつて何ら限定されるものではない。 この酵素Aの性質は次の通りである。 (1) 活性測定法:0.1mリン酸緩衝液(PH7.5)2.5
ml、83mMベンゾイルギ酸(ナトリウム塩)水
溶液0.2ml、及び10mg/mlNADH水溶液0.05ml
を混合して基質液を調製し、30℃に保温する。
酵素A溶液20μを添加・混合し、340nmにお
ける吸光度の時間変化を測定して初速度を求め
る。ブランクとしてはベンゾイルギ酸水溶液の
代りに水を用いて測定を行い、その時の吸光度
の変化速度を先の値から差し引く。初速度とし
てNADHの1μmolを1分間に変化させる酵素
量を1単位(U)とする。 (2) 精製酵素の比活性:91U/mg・蛋白質 (3) 分子量:ゲル濾過法を用いて測定して7200±
2000。SDS・ポリアクリルアミドゲル電気泳動
法を用いて測定した場合には3400±2000であつ
た。従つて本酵素Aは分子量34000付近のサブ
ユニツト2個からなる二量体蛋白であると考え
られる。 (4) 等電点:4.9〜5.0。 (5) 至適PH:ベンゾイルギ酸を基質とした場合は
PH4.5。逆反応として(−)−マンデル酸を基質
としてNAD+を補酵素として用いた場合はPH
9.2。 (6) 安定性に及ぼすPHの影響:種々の緩衝液を用
いて55℃で1時間加熱した時の残存活性が70%
を越えるPH領域は6.2〜5.5。同条件でPH7.2以上
及びPH4以下では完全に失活する。故に本酵素
AはPH6.5〜5.0の微酸性条件において安定であ
る。 (7) 加熱に対する安定性:2mMのメルカプトエ
タノールを含む0.1Mのリン酸緩衝液(PH6.0)
の中で1時間加熱した時の残存活性は、55℃で
35%、50℃で50%、45℃で80%であつた。次に
1%の牛血清アルブミンを安定化剤として共存
させた時の結果(残存活性)は55℃で70%、50
℃で87%、45℃で96%であつた。 (8) (−)−マンデル酸を製造するための実際の
条件を膜した条件における安定性:ベンゾイル
ギ酸0.1m、NAD1mM、2−メルカプトエタ
ノール2mM、牛血清アルブミン1%、ソルビ
ン酸カリウム(防腐剤)0.02%を含む15mMリ
ン酸緩衝液(PH6.3)に溶かした状態で30℃に
保温した時の酵素Aの残存活性は、5日目に73
%、10日目に52%、19日目に42%であつた。 (9) 冷蔵保存時における安定性:2mMのメルカ
プトエタノールと3.2Mの硫安を含む15mMリ
ン酸緩衝液(PH6.3)の中で4℃において、1
ケ月の間ほとんど失活しなかつた。 (10) ミカエリス定数:0.1Mリン酸緩衝液(PH
7.5)を用い30℃で測つた場合、ベンゾイルギ
酸については3.3mM、NADHについては35μ
mであつた。 (11) 基質特異性:補酵素としてNADPHは
NADHの代用にならない。本酵素Aはベンゾ
イルギ酸以外にも各種のα−ケト酸を還元す
る。代表的なものは次の通りである(括弧の内
の数値は、10mMの濃度で使用した時の反応速
度をベンゾイルギ酸による値を100としての%
である):α−ケト酪酸(3)、α−ケトバレリ
アン酸(23)、α−ケトカプロン酸(24)、α−
ケトイソバレリアン酸(67)、α−ケトイソカ
プロン酸(132)、α−ケト−β−メチルバレリ
アン酸(63)、フエニルピルビン酸(60)、3−
ブロムピルビン酸(152)、及び3−クロロピル
ビン酸(17)。α−ケト酸の中でもピルビン酸、
オキザロ酢酸、α−ケトグルタル酸などには全
く活性を示さなかつた。 (12) 反応の立体選択性:ベンゾイルギ酸と
NADHを基質にして生成するマンデル酸を抽
出して旋光度を測定し、またジアステレオメリ
ツク誘導体としてガスクロマトグラフイー法で
光学純度を測定したところ、(R)−(−)−マル
デル酸が100%の光学純度で生成していること
が確認された。一方逆反応としてNAD+
(−)−マンデル酸又は(+)−マンデル酸(ア
ルドリツチ社製)を用いて活性を測定したとこ
ろ、(−)−マンデル酸は完全に酸化されたが、
(+)−マンデル酸はごくわずかしか反応しなか
つた。 (13) 阻害剤:本酵素Aはいくつかの重金属イオ
ンによつて活性を阻害される。代表的なものを
次にかかげる(括弧内は0.1Mトリス/HCl緩
衝液PH7.5を用いて測定した時の残存活性を金
属イオン無添加時の値を100として%で示した
ものと、その時の金属イオン濃度である):
Cu2+(9%、1mM)、Zn2+(0%、1mM)、
Ni2+(55%、1mM)、Mg+(6%、0.1mM)、
Hg2+(31%、0.1mM)、Cd2+(2%、1mM)。
また本酵素Aは0.5mMの−クロロマーキユ
リーベンゾエートによつて完全に阻害され、1
mMの−エチルマレイミドによつても60%阻
害される。 このように、本酵素Aはベンゾイルギ酸還元能
を有する点で新規であり、かつ酵素として高い比
活性を有し、実用的条件下において、簡単に失活
することはなく、そして左旋性のマンデル酸を光
学純度100%で生成するなど優れた性質を持つ酵
素である。 次に(2)のギ酸脱水素酵素は、(1)のベンゾイルギ
酸還元能を有する酵素Aと同程度かそれ以上に安
定であつて、かつ触媒作用をなすPH域が酵素Aの
使用PH域と重複しているものならばどのようなも
のでもよい。例えば市販されているカンデイダボ
イデイニイ(Candida boidinii)菌のギ酸脱水素
酵素などがその例としてあげられる。なお
NADHの再生のための酵素としてはギ酸脱水素
酵素以外にもアルコール脱水素酵素やグルコース
脱水素酵素の使用が当然期待できる。しかしなが
ら、平衡定数や副産物(ギ酸脱水素酵素の場合に
は炭酸ガスであり、グルコース脱水素酵素の場合
にはグルコノラクトンである)の除去の容易さな
どの点から、ギ酸脱水素酵素が最も効果的である
と考えられる。 (3)の限外濾過膜については、マンデル酸は完全
に通過せしめるが、上記の2つの酵素を完全に阻
止するだけの孔径の細孔を有し、実際の使用条件
下では安定であり、そして酵素や高分子物質を吸
着するような不都合な性質を有しないものならど
のようなものでも使用される。このようなものと
して、例えばAmicon社のPM−10メンブレンや
PM−30メンブレン等があげられる。限外濾過装
置としては、上述のような膜をセツトして簡便に
使用できるものならどんなものでもよい。ただ
し、PH電極の投入口、PH調整用酸・アルカリ液の
供給口、基質液の供給口、炭酸ガスの出口及び撹
拌器を備えていなければならない。またPHを一定
に保つための制御装置(PHスタツト)が必要であ
る。 次に、(4)のNADを結合して高分子物質として
は、酸化型(NAD型)の時にギ酸脱水素酵素に
対する活性が高く、還元型(NADH型)の時に
酵素Aに対する活性が高いものであればどのよう
な構造のものでもよい。もちろん、水溶性である
ということと、使用する限外濾過膜を通過しない
だけの分子量(およそ10000以上)を持つことは
当然である。このようなものとしては、NADに
化学修飾をほどこして重合性官能基を有する誘導
体としたもの(例えば 6−〔2−〔−〔2−〔
−(2−メタクリルアミドエチル)カーバモイル〕
エチル〕カーバモイル〕エチル〕−NAD)を、ア
クリルアミドや−ジメチルアクリルアミド
とラジカル反応で共重合させたもの等があげられ
る。これらは公知の方法によつて容易に合成され
る(Agric.Biol.Chem.誌vol.45、p.2277(1981);
特許第1226768号公報)。 最後に、反応の実施条件について説明する。ま
ず緩衝液を選定するが、中性付近で通常用いられ
るものならどのようなものでもよく、例えばリン
酸緩衝液やトリス・塩酸緩衝液などが挙げられ
る。緩衝液の濃度は数mMから200〜300mMの範
囲で適当に選べばよい。これよりも高濃度であつ
てもさしつかえない。PHは4から8の間の適当な
値とする。どの値にするかは、2つの酵素及び
NADとNADHの安定性及び2つの酵素が活性を
示すPH領域を考慮して決定する。本発明に用いる
ベンゾイルギ酸還元能を有する酵素Aの至適PHは
4.5付近であり、また加熱に対して最も安定とな
るPHは5.8〜6.0である。またギ酸脱水素酵素のう
ちCandida boidinii菌由来のものの至適PHは8で
あり、安定PH域は7付近である。これらの事実と
NADがアルカリ性で不安定であり、NADHが酸
性において不安定であることを考えると、上の酵
素の組合せの場合にはPHは6.5〜7.5とするのが実
際的であると結論される。この緩衝液には酵素の
安定化剤として2−メルカプトエタノールやジチ
オスレイトールを0.1〜2mM程度添加しておく
ことが望ましい。また硫安などの塩が安定化に効
果を示す場合にはそれも加えるよい。酵素Aと
Candida boidiniiのギ酸脱水素酵素は1〜2mの
硫安の存在で顕著に安定化される(PH6.5で60℃
で1時間加熱した時、硫安がないと両酵素とも完
全に失活するが、1Mの硫安があれば酵素Aは完
全に安定であり、ギ酸脱水素酵素も50%の活性を
維持する)。高濃度の硫安には酵素反応時の防腐
効果やマンデル酸の有機溶媒抽出時の塩析効果も
期待できる。これらの緩衝液にベンゾイルギ酸と
ギ酸をナトリウム塩やカリウム塩など適当な塩の
形として溶解させて基質液を調製する。NADを
使いすてにする場合はそれも基質液に添加する。
その濃度は、ベンゾイルギ酸の場合は、酵素Aに
対するミカエリス定数(30℃、PH7.5で3.3mM)
の10倍程度(約30mMないしは0.5%)から100倍
程度(約300mMないし5%)とすることが実際
的である。もちろんこの範囲以上でも以下でもさ
しつかえない。ギ酸の濃度はベンゾイルギ酸の濃
度より過剰とするが、2倍程度で十分である。
NADの濃度は使用するPHでのNAD及びNADH
の安定性及び全反応速度として要求される反応速
度等を考慮して適当に決定すればよいが、普通に
は酵素Aに対するNADHのミカエリス定数(30
℃、PH6.5で94μm)の10〜100倍程度の濃度とす
れば十分である。もちろんこれよりもはるかに低
い値にして、回転数(ターンオーバーナンバー)
を向上させることもさしつかえない。この基質液
の一定量を限外濾過器に入れ、これに両酵素と、
必要があれば高分子に結合されたNADを加えて
反応を開始する。この場合は、もちろん基質液に
NADは添加しない。酵素の使用量はリアクター
として要求される反応速度に応じて適当に決めれ
ばよい。高分子に結合されたNADの濃度は遊離
のNADを基質液に添加して使用する場合の濃度
に応じて設定するが、分解による減少を見こんで
大き目にしておくのがよい。 反応温度は30℃前後とするのがよい。反応液は
常時撹拌する。反応開始と同時に又は所定の変換
率に達してから吸引又は加圧により限外濾過を行
う。そして同時に濾過速度と等しい速度で基質液
を供給して限外濾過器内の反応液の体積を一定に
保つようにする。またPHスタツトにより所定のPH
に保つようにする。中性〜微酸性で反応を行う
と、例えば、ギ酸ナトリウムを基質にした時は、
ギ酸脱水素酵素の反応で生じるNaHCO3が分解
してCO2ガスが逃げNaOHが後に残る結果PHが
徐々に上昇するため、これを抑えるべく、酸の添
加を必要とする。このための酸としてはギ酸や酢
酸などが適当である。限外濾過の速度と基質液の
供給速度は所望の変換率を達成するように調節す
る。流速を上げれば変換率が低下することは当然
である。限外濾液から生成物の左旋性マンデル酸
を単離するには、有機溶媒抽出など通常の方法を
応用すればよい。例えば、反応液を希塩酸や希硫
酸などでPH2〜1の酸性とし、次で必要があれば
食塩などの塩を飽和濃度にまで溶かしこんだ後酢
酸エチルやエーテルなどで抽出を行うと、反応液
中のマンデル酸はほぼ定量的に回収される。有機
層を分け取り溶媒を留去した残渣を熱したベンゼ
ンなどに溶解させ、必要があれば活性炭処理等を
施した上で熱濾過を行い、濾液を冷却すれば左旋
性マンデル酸の結晶を得る。 〔実施例〕 次に実施例について本発明を更に詳細に説明す
る。 実施例 1 公知の方法(J.Biochem.,95109(1984)で合
成した 6−〔2−〔−〔2−〔−(2−メタクリ
ルアミドエチル)カーバモイル〕エチル〕カーバ
モイル〕エチル〕−NADを、アクリルアミドを
K2S2O8とNaHSO3の組合せを開始剤として用い
る公知の方法(Agric.Biol.Chem.、452277
(1981))でラジカル共重合させ、限外濾過と透析
によつて精製後、凍結乾燥して、ポリアクリルア
ミド結合NAD(以後PA−NADと略記する)の白
色固体を得た。上記文献に記載の方法で分析した
ところ補酵素的に活性なNADの含量は
48.8μmol/gであり、平均分子量は56000であつ
た。 ストレプトコツクス フアエカリス
(Streptococcus faecalis)IFO 12964をトマトジ
ユース・麦芽エキス・CoSO4の培地で通気撹拌培
養した。30℃で24時間培養後、集菌し、菌体を超
音波処理してベンゾイルギ酸還元能を有する酵素
Aを抽出した。これをMatrex Red A樹脂を充
填したカラムによるアフイニテイークロマトグラ
フイーで精製し、比活性621U/mg蛋白質の標品
を得た。カンデイダ ボイデイニイ(Candida
boidinii)のギ酸脱水素酵素はベーリンガー・マ
ンハイム・山之内社から購入した。 アミコン社製のPM−30メンブレンと52型限外
濾過器を用いて図面に示すようなバイオリアクタ
ーを組み立てた。0.1Mのリン酸乾燥液中に0.1M
ベンゾイルギ酸ナトリウム、0.2Mギ酸ナトリウ
ム、2mM 2−メルカプトエタノール、1M硫
安及び0.03%のソルビン酸カリウムを含む基質液
を調製し、PHを6.5とした。これが図の基質液B
である。基質液の一部をとり牛血清アルブミンを
0.2%、酵素Aを100U/ml、ギ脱水素酵素を
10U/ml及びPA−NADをNADの濃度として1
mMになるように溶かし、最後に新たに基質液を
加えて全量を30mlとしてから限外濾過器に入れた
(図の反応液A)。PHスタツトのリザーバーには、
5Mギ酸水溶液Dが入つている。限外濾過器は30
℃の恒温槽に浸した。反応液Aをマグネチツクス
ターラーで撹拌しつつ、ポンプP2で9ml/hrの
速度で吸引して限外濾過を行い、同時にポンプ
P1で基質液Bを9ml/hrの速度で供給した。PH
が上昇してくるから、それを6.5に保つようにPH
スタツト5を用いて5Mギ酸Dを添加した。発生
するCO2ガスはフイルター4を経て排出させた。
120時間目にPA−NADをNADとして30μmol追
加添加した。P2から出る濾液Cは毎日の分を
別々に貯めた。それぞれの水溶液は6NHClでPH
<2とし、次で食塩飽和の下に水層と同量、半分
量及び1/3量の酢酸エチルで抽出した。水層ごと
に酢酸エチル層を合し、濃縮後沸とうベンゼンか
ら結晶化させて左旋性マンデル酸の板状晶を得
た。収量、融点、比旋光度は表1の通りである。
流速の低下は膜の目づまりのためと思われる。収
率は濾液の体積を元に、そこに含まれていたベン
ゾイルギ酸の量に基いて計算した。融点と旋光度
のデータは光学的に純粋な左旋性マンデル酸につ
いての文献値と一致した。8日目からの収率低下
は両酵素の失活によるものであることがわかつ
た。この表の結果から1週間以上にわたつて、こ
のバイオリアクターで左旋性マンデル酸を連続生
産できることが明らかとなつた。
〔効果〕
本発明によれば、酵素及び場合によれば、補酵
素のNADも反応器外に放出することなく、くり
返し使用しつつ光学的に純粋な左旋性マンデル酸
を連続生産することができ、酵素及びNADの経
済的な使用をはかることができる。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の実施に用いられるバイオリアク
ターの1例についての説明図である。 1……限外濾過膜、2……マグネチツクスター
ラー、3……PH電極、4……滅菌フイルター、5
……PHスタツト、6……恒温槽(30℃)、P1,P2
……ペリスタルチツクポンプ、A……反応液(酵
素とPA−NAD)、B……基質液(ギ酸とベンゾ
イルギ酸)、C……限外濾液(左旋性マンデル
酸)、D……5Mギ酸。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 ストレプトコツクス属細菌由来のベンゾイル
    ギ酸還元能を有する酵素Aとギ酸脱水素酵素の溶
    液を限外濾過器に入れ、ベンゾイルギ酸とギ酸を
    含む基質液を流して限外濾過を行いつつ酵素反応
    させることを特徴とするマンデル酸の左旋性光学
    活性体の連続的製造法。
JP23284286A 1986-09-30 1986-09-30 左旋性マンデル酸の連続的製造法 Granted JPS6387986A (ja)

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