JPH0362805B2 - - Google Patents
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- JPH0362805B2 JPH0362805B2 JP58173394A JP17339483A JPH0362805B2 JP H0362805 B2 JPH0362805 B2 JP H0362805B2 JP 58173394 A JP58173394 A JP 58173394A JP 17339483 A JP17339483 A JP 17339483A JP H0362805 B2 JPH0362805 B2 JP H0362805B2
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- Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)
- Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
- Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
Description
本発明は、ポリイミド繊維およびその製造法に
関するものである。さらに詳しくは本発明は、高
強度かつ高弾性の新規なポリイミド繊維およびそ
の製造法に関するものである。 ポリイミドは、芳香族ジアミン成分から誘導さ
れる反復単位と該反復単位に対して当量換算で実
質的に等しい量の芳香族カルボン酸成分から誘導
される反復単位とから成る高分子重合体であり、
このポリイミドは耐熱性など各種の特性において
優れているところから、これを繊維化する試みが
既になされており、これまでに各種のポリイミド
繊維およびその製造法が開示されている。 従来から知られているポリイミド繊維の製造法
は大別して二つに分けることができる。すなわち
ポリアミツク酸のドープ液を紡糸して繊維状とし
たのち、これをイミド化してポリイミド繊維とし
て延伸する方法、そしてポリイミドのドープ液を
紡糸してポリイミド繊維とし、これを延伸する方
法である。 ポリアミツク酸ドープ液から出発する方法は、
たとえば、特公昭42−2936号公報、特公昭55−
16925号公報、および特公昭57−37687号公報など
に記載されている。このポリアミツク酸ドープ液
からの方法は、前述のようにポリアミツク酸繊維
をイミド化する工程が必要となるが、このイミド
化工程において水が発生し、その慎重なコントロ
ールを必要とするため、安定した品質を持つポリ
イミド繊維を再現性良く製造することが難かしい
との問題があり、またこの方法により得られるポ
リイミド繊維は気孔ができやすく高い強度を示さ
ないとの問題もある。 これに対して、ポリイミドドープ液から出発す
る方法は、剛直な分子構造をもつポリイミドが通
常の溶媒に溶解しにくく、一定の濃度を有するド
ープ液の調製が困難であることが欠点とされてい
る。このため、ポリイミドの芳香族カルボン酸成
分としてベンゾフエノンテトラカルボン酸系化合
物を用いるなどして溶解性を高めることからなる
改良も提案されている。(特開昭50−64522号公
報)が、得られるポリイミド繊維の強度は充分な
レベルに達していない。一方、ポリイミドの芳香
族カルボン酸成分としてビフエニルテトラカルボ
ン酸系化合物を用い、そのポリイミドをフエノー
ル系溶媒に溶解して調製したドープ液を用いてポ
リイミド繊維を製造する方法も提案されている
(特開昭56−159314号公報)。この方法により得ら
れるポリイミド繊維の強度は従来のものに比較す
れば高いレベルにあるが、実用的には更に高い強
度を有するポリイミド繊維の開発が望まれてい
る。 本発明は、従来のポリイミド繊維では達し得な
かつた高いレベルの強度と弾性率とを有するポリ
イミド繊維を提供するものである。 さらに本発明は、高いレベルの強度と弾性率を
有し、かつ高い防湿性と耐光性を示すポリイミド
繊維を提供するものである。 本発明のポリイミド繊維は、実質的に、芳香族
ジアミン成分から誘導される反復単位と該反復単
位に対して当量換算で実質的に等しい量の芳香族
カルボン酸成分から誘導される反復単位とから成
るポリイミド繊維であつて、 (1) 該芳香族ジアミンから誘導される反復単位の
少なくとも90%は、下記の式(A): (ただし、Rはメチル基もしくはエチル基であ
る) により表わされる反復単位であり、 (2) 該芳香族カルボン酸成分から誘導される反復
単位の少なくとも90%は、下記の式(B)および
(C): により表わされる二種類の反復単位から構成さ
れ、かつ式(B)により表わされる反復単位と式(C)
により表わされる反復単位とは当量換算でB/
C=9/1〜5/5(好ましくは、8/2〜
6/4)の関係にあり、そして、 (3) 初期弾性率が900g/d以上で、引張り強さ
が15g/d以上であることを特徴とするポリイ
ミド繊維である。 上記のような優れた特性を有する本発明のポリ
イミド繊維は、実質的に、芳香族ジアミン成分か
ら誘導される反復単位と該反復単位に対して当量
換算で実質的に等しい量の芳香族カルボン酸成分
から誘導される反復単位とから成るポリイミドで
あつて、 (1) 該芳香族ジアミンから誘導される反復単位の
少なくとも90%が、下記の式(A): (ただし、Rはメチル基もしくはエチル基であ
る) により表わされる反復単位であり、 (2) 該芳香族カルボン酸成分から誘導される反復
単位の少なくとも90%が、下記の式(B)および
(C): により表わされる二種類の反復単位から構成さ
れ、かつ式(B)により表わされる反復単位と式(C)
により表わされる反復単位とは当量換算でB/
C=9/1〜5/5(好ましくは、8/2〜
6/4)の関係にあり、かつ (3) 対数粘度が2.0dl/d以上(99〜100%硫酸
中、濃度0.5g/dl、温度30℃の測定値)であ
るポリイミドを、フエノール系溶媒に溶解して
ドープ液を調製し、これをフイラメント状に形
成したのち、該フエノール系溶媒と相溶性の凝
固液中に導入してフイラメント状の凝固体と
し、次いで該凝固体を延伸することを特徴とす
るポリイミド繊維の製造法により得ることがで
きる。 本発明のポリイミド繊維は、特定の芳香族ジア
ミン成分から誘導される反復単位(A)および特定の
芳香族カルボン酸成分から誘導される反復単位
(B)、(C)を含むポリイミドから形成されるものであ
る。 芳香族ジアミン成分から誘導される反復単位は
上記の式(A)を有するo−トリジン(3,3′−ジメ
チルベンジジン)もしくは3,3′−ジエチルベン
ジジンから誘導される反復単位を90%以上含むも
のであり、特に芳香族ジアミン成分から誘導され
る反復単位が実質的に上記の式(A)で示されるo−
トリジンもしくはその置換体からなることが好ま
しい。芳香族ジアミン成分から誘導される反復単
位が上記の式(A)を有するものでない場合、たとえ
ば反復単位が、芳香族ジアミンとして一般的に用
いられているp−フエニレンジアミン、3,3′−
ジクロルベンジジン、あるいは4,4′−ジアミノ
ジフエニルエーテルなどから誘導される反復単位
である場合には、得られるポリイミドの対数粘度
を充分に高くすることができない、すなわち充分
高分子量のポリイミドを得ることができないこと
が多く、製造されるポリイミド繊維の強度と弾性
率は低いレベルにとどまる結果となる。また、そ
れらの一般的な芳香族ジアミンを用いたポリイミ
ドが高分子で得られた場合でも、そのポリイミド
から得られる繊維は高いレベルの強度と弾性率を
示さない。 芳香族カルボン酸成分から誘導される反復単位
は、3,3′,4,4′−ビフエニルテトラカルボン
酸もしくはその誘導体から誘導される上記の式(B)
で表わされる反復単位、およびピロメリツト酸も
しくはその誘導体から誘導される上記の式(C)で表
わされる反復単位の二種類の反復単位から構成さ
れる。 本発明のポリイミド繊維において、式(B)により
表わされる反復単位と式(C)により表わされる反復
単位とは当量換算でB/C=9/1〜5/5の関
係にあるように調整する必要がある。B/Cの比
率が9/1より大きい場合には、得られる繊維の
初期弾性率が低下し、剛直なポリアミド繊維が得
られない。一方、C/Bが5/5よりも大きい場
合、すなわち、CがBよりも多くなると、そのポ
リマーが溶媒にとけにくくなつて紡糸する事が困
難となり、このため良好な繊維を得ることが困難
となる。 上記のような構成を有する本発明のポリイミド
は、たとえば、下記の方法により製造することが
できる。 3,3′−ジメチルベンジジンまたは3,3′−ジ
エチルベンジジン、3,3′,4,4′−ビフエニル
テトラカルボン酸二無水物(以下、BPDAと略
す)そしてピロメリツト酸二無水物(以下、
PMDAと略す)を所定の比率で混合し、これを
重縮合反応にかけてポリイミドとする。 重縮合反応は連続又はバツチのいづれの方法で
も実施することができる。重縮合反応装置として
は撹拌槽型、ニーダーミキサー型、ポニーミキサ
ー型など各種のものを用いる事ができるが、この
反応は空気及び水分を遮断して行う必要がある。
また、縮合反応で生成する水分を系外に排出する
ために、乾燥した不活性ガス(例、高純度の窒素
ガス)を反応系に流通させることが有用である。
溶媒や原料が室温において固体である場合には、
それらを固体のまま反応容器に供給した後、徐々
に加熱、溶解させて反応液とすることができる。
あるいは固体状の溶媒を加熱、溶解させたのち、
これにジアミンを加えて溶解させ、次にカルボン
酸無水物を添加する方法などを利用することもで
きる。 上記の溶液重縮合反応に使用される溶媒の例と
しては、p−クロルフエノール、フエノール、m
−クレゾール、p−クレゾール、2,4−ジクロ
ルフエノール、もしくはこれらの混合物を挙げる
ことができる。 反応液中のモノマー濃度は4〜20重量%の範囲
にあることが好適である。 反応温度は溶媒の沸点によつても異るが、一般
的には160〜210℃の範囲の温度が好適である。反
応時間は数時間ないし数十時間が好適である。 上記の重縮合反応により生成するポリマー(ポ
リイミド)の対数粘度(分子量)は反応時間と共
に増大する。物性の優れたポリイミド繊維を製造
するためには、その材料のポリイミドが高分子量
のポリマーであることが好ましい。しかし、分子
量の増大を目指して、反応を過渡に長時間進める
とゲルが生成するため好ましくない。 反応が終了したのち、反応液をメタノール、エ
タノール、アセトン、またはこれらの混合物など
の析出用溶媒中に注ぎ、激しく撹拌してポリマー
と溶媒を分離する。そしてこのポリマーを濾過、
洗浄したのち乾燥する。 本発明の目的の高い初期弾性率と強度とを有す
るポリイミド繊維を得るためには、上記のように
して得られるポリマー(ポリイミド)は、その対
数粘度[I.V.]が、2.0dl/d以上(99〜100%硫
酸中、濃度0.5g/dl、温度30℃の測定値)であ
ることが必要である。I.V.値の低いポリマーは、
紡糸および熱延伸操作中に糸切れを発生しやす
く、また得られる繊維の強度も充分なレベルに達
し得ない。なお、I.V.はインヘレント粘度の略号
であるが、対数粘度がインヘレント粘度の近似値
として用いられるのは一般的である。 対数粘度は毛細管粘度計による測定値から下記
の式に基づき算出される。 I.V.=1/c・ln・t/to ln:自然対数 t:試料の流下所要時間 to:溶媒の流下所要時間 次に、以上のようにして製造したポリマー(ポ
リイミド)粉末をフエノール系溶媒にとかして紡
糸原液(ドープ液)を調製するが、重縮合反応の
反応溶媒として該ポリイミドを溶解することので
きるフエノール系溶媒を用いた場合には、重縮合
反応液をそのままドープ液として用いることもで
きる。ドープ液の製造に用いうるフエノール系溶
媒の例としては、フエノール、p−クロルフエノ
ール、m−クレゾール、p−クレゾール、または
これらの混合物を挙げることができる。このポリ
マーの溶解によるドープ液の調製は、撹拌層、ニ
ーダー等を用い50〜110℃に加温しつつ行うのが
望ましい。 次にドープ液を、たとえば公知の湿式紡糸法に
より、フイラメント状に形成し、次いで該フエノ
ール系溶媒と相溶性の凝固液中に導入してフイラ
メント状の凝固体とする。 湿式紡糸法においては、ノズルから吐出してフ
イラメント状とされたドープ液は、一旦空気層を
通過したのち凝固浴に導かれ、凝固浴を通過した
のちボビンに巻き取られる。凝固浴は、ドープ液
のフエノール系溶媒と相溶性の凝固液からなるも
のであり、そのような凝固液の例としては、メタ
ノール、エタノール、メタノール・水混合物およ
びエタノール・水混合物などを挙げることができ
る。凝固浴の温度には特に限定はないが、蒸気圧
の関係により60℃以下とされることが多い。 上記の湿式紡糸法においてはノズル面と凝固浴
面との間に1〜10cmの空気層を存在させる。凝固
浴の長さには特に限定はないが、一般には数十cm
ないし数mのものが使用される。 紡糸、乾燥された繊維は、電気炉またはホツト
ピンなどを用いて熱延伸される。この熱延伸操作
は公知技術に従つて行なうことができるが、その
延伸は、温度300〜580℃にて15秒以下熱延伸して
延伸率1.5倍以上とする延伸操作により行なうこ
とが望ましい。 以上の方法を利用することにより、本発明の特
徴である高い初期弾性率(900g/d以上)と高
い引張り強さ15g/d以上)を有するポリイミド
繊維を得ることができる。 本発明が提供するポリイミド繊維は、これまで
に知られているポリイミド繊維に比較して顕著に
高い初期弾性率と引張り強さを有し、またその製
造に用いる原料や溶媒も入手しやすいものであつ
て、さらにその製造操作においても特に複雑な制
御を必要としない。 さらにまた本発明のポリイミド繊維は、これま
でに知られているポリイミド、ポリアミドイミド
繊維などの類似の繊維に比較して、高いレベルの
強度と弾性率を有し、かつ高い防湿性と耐候性を
示すものである。 従つて、本発明のポリイミド繊維およびその製
造法は産業上非常に有用なものということができ
る。 次に本発明の実施例および比較列を示す。 なお、以下の各例における『部』は『重量部』
を意味する。繊維物性の評価は、モノフイラメン
トをJIS−L−1069に準じた引張り試験法(引張
り速度10mm/分)により測定することにより実施
した。以下に示す測定値は5〜10本の測定値の平
均値である。また、ドープ液等の粘度は、B型粘
度計にST形アダプターを用いてST形ローターを
併用して、ずり速度0.875/秒で測定した。 実施例 1 ポリイミドの製造 モノマーとして、3,3′,4,4′−ビフエニル
テトラカルボン酸二無水物(BPDA)、ピロメリ
ツト酸二無水物(PMDA)およびo−トリジン
を、BPDA:PMDA:o−トリジン=6:4:
10(モル比)の割合で用い、フエノール(重合反
応溶媒)中のモノマー濃度を8重量%として、下
記の重縮合反応を実施した。 ステンレス製撹拌棒、窒素ガス導入口、窒素ガ
ス排出口および試料投入口を備えた容量300mlの
平底セパラブルフラスコに、BPDA6.0021g
(20.4ミリモル)、PMDA2.9665g(13.6ミリモ
ル)、およびフエノール186.1gを導入し、油浴で
60℃に加温しながら1時間撹拌した。次いでこの
中にo−トリジン7.2176g(34.0ミリモル)を加
え、この温度で2時間撹拌し、こののち室温で一
夜静置した。反応液は黄土色で濁つていた。次
に、約1時間かけて油浴の温度を180℃まで昇温
させてイミド化を開始した。浴温が上昇するにつ
れて反応液の濁りは消え茶黄色の透明な液とな
り、時間の経過とともに粘稠となつた。 浴温175〜180℃にて撹拌を続けながら反応の10
時間行なつたのち、反応液をメタノール中に投入
し、生成した固形物をミキサーで粉砕した。この
固形物をメタノールで三回洗浄し、次いで真空
下、100℃で一夜乾燥したところ黄色粉末状のポ
リマーが得られた(収率100%)。このポリマーは
下記の元素分析値およびIRスペクトルからポリ
イミドであることが確認された。 C H N 実測値(%):75.07 3.83 6.15 計算値(%):75.33 3.76 6.37 このポリマーを100%硫酸に0.5g/dlの濃度で
溶解させ、キヤノンフエンスケ型粘度計を用いて
30℃でその対数粘度(I.V.値)を測定したとこ
ろ、3.59dl/gの値が得られた。 上記のポリイミドの耐熱性を調べるために、熱
天秤を用いて加熱減量を測定した。測定は、デユ
ポン社の951型熱天秤装置を用い、空気中、昇温
速度:5℃/分にて実施した。結果を第1表に示
す。
関するものである。さらに詳しくは本発明は、高
強度かつ高弾性の新規なポリイミド繊維およびそ
の製造法に関するものである。 ポリイミドは、芳香族ジアミン成分から誘導さ
れる反復単位と該反復単位に対して当量換算で実
質的に等しい量の芳香族カルボン酸成分から誘導
される反復単位とから成る高分子重合体であり、
このポリイミドは耐熱性など各種の特性において
優れているところから、これを繊維化する試みが
既になされており、これまでに各種のポリイミド
繊維およびその製造法が開示されている。 従来から知られているポリイミド繊維の製造法
は大別して二つに分けることができる。すなわち
ポリアミツク酸のドープ液を紡糸して繊維状とし
たのち、これをイミド化してポリイミド繊維とし
て延伸する方法、そしてポリイミドのドープ液を
紡糸してポリイミド繊維とし、これを延伸する方
法である。 ポリアミツク酸ドープ液から出発する方法は、
たとえば、特公昭42−2936号公報、特公昭55−
16925号公報、および特公昭57−37687号公報など
に記載されている。このポリアミツク酸ドープ液
からの方法は、前述のようにポリアミツク酸繊維
をイミド化する工程が必要となるが、このイミド
化工程において水が発生し、その慎重なコントロ
ールを必要とするため、安定した品質を持つポリ
イミド繊維を再現性良く製造することが難かしい
との問題があり、またこの方法により得られるポ
リイミド繊維は気孔ができやすく高い強度を示さ
ないとの問題もある。 これに対して、ポリイミドドープ液から出発す
る方法は、剛直な分子構造をもつポリイミドが通
常の溶媒に溶解しにくく、一定の濃度を有するド
ープ液の調製が困難であることが欠点とされてい
る。このため、ポリイミドの芳香族カルボン酸成
分としてベンゾフエノンテトラカルボン酸系化合
物を用いるなどして溶解性を高めることからなる
改良も提案されている。(特開昭50−64522号公
報)が、得られるポリイミド繊維の強度は充分な
レベルに達していない。一方、ポリイミドの芳香
族カルボン酸成分としてビフエニルテトラカルボ
ン酸系化合物を用い、そのポリイミドをフエノー
ル系溶媒に溶解して調製したドープ液を用いてポ
リイミド繊維を製造する方法も提案されている
(特開昭56−159314号公報)。この方法により得ら
れるポリイミド繊維の強度は従来のものに比較す
れば高いレベルにあるが、実用的には更に高い強
度を有するポリイミド繊維の開発が望まれてい
る。 本発明は、従来のポリイミド繊維では達し得な
かつた高いレベルの強度と弾性率とを有するポリ
イミド繊維を提供するものである。 さらに本発明は、高いレベルの強度と弾性率を
有し、かつ高い防湿性と耐光性を示すポリイミド
繊維を提供するものである。 本発明のポリイミド繊維は、実質的に、芳香族
ジアミン成分から誘導される反復単位と該反復単
位に対して当量換算で実質的に等しい量の芳香族
カルボン酸成分から誘導される反復単位とから成
るポリイミド繊維であつて、 (1) 該芳香族ジアミンから誘導される反復単位の
少なくとも90%は、下記の式(A): (ただし、Rはメチル基もしくはエチル基であ
る) により表わされる反復単位であり、 (2) 該芳香族カルボン酸成分から誘導される反復
単位の少なくとも90%は、下記の式(B)および
(C): により表わされる二種類の反復単位から構成さ
れ、かつ式(B)により表わされる反復単位と式(C)
により表わされる反復単位とは当量換算でB/
C=9/1〜5/5(好ましくは、8/2〜
6/4)の関係にあり、そして、 (3) 初期弾性率が900g/d以上で、引張り強さ
が15g/d以上であることを特徴とするポリイ
ミド繊維である。 上記のような優れた特性を有する本発明のポリ
イミド繊維は、実質的に、芳香族ジアミン成分か
ら誘導される反復単位と該反復単位に対して当量
換算で実質的に等しい量の芳香族カルボン酸成分
から誘導される反復単位とから成るポリイミドで
あつて、 (1) 該芳香族ジアミンから誘導される反復単位の
少なくとも90%が、下記の式(A): (ただし、Rはメチル基もしくはエチル基であ
る) により表わされる反復単位であり、 (2) 該芳香族カルボン酸成分から誘導される反復
単位の少なくとも90%が、下記の式(B)および
(C): により表わされる二種類の反復単位から構成さ
れ、かつ式(B)により表わされる反復単位と式(C)
により表わされる反復単位とは当量換算でB/
C=9/1〜5/5(好ましくは、8/2〜
6/4)の関係にあり、かつ (3) 対数粘度が2.0dl/d以上(99〜100%硫酸
中、濃度0.5g/dl、温度30℃の測定値)であ
るポリイミドを、フエノール系溶媒に溶解して
ドープ液を調製し、これをフイラメント状に形
成したのち、該フエノール系溶媒と相溶性の凝
固液中に導入してフイラメント状の凝固体と
し、次いで該凝固体を延伸することを特徴とす
るポリイミド繊維の製造法により得ることがで
きる。 本発明のポリイミド繊維は、特定の芳香族ジア
ミン成分から誘導される反復単位(A)および特定の
芳香族カルボン酸成分から誘導される反復単位
(B)、(C)を含むポリイミドから形成されるものであ
る。 芳香族ジアミン成分から誘導される反復単位は
上記の式(A)を有するo−トリジン(3,3′−ジメ
チルベンジジン)もしくは3,3′−ジエチルベン
ジジンから誘導される反復単位を90%以上含むも
のであり、特に芳香族ジアミン成分から誘導され
る反復単位が実質的に上記の式(A)で示されるo−
トリジンもしくはその置換体からなることが好ま
しい。芳香族ジアミン成分から誘導される反復単
位が上記の式(A)を有するものでない場合、たとえ
ば反復単位が、芳香族ジアミンとして一般的に用
いられているp−フエニレンジアミン、3,3′−
ジクロルベンジジン、あるいは4,4′−ジアミノ
ジフエニルエーテルなどから誘導される反復単位
である場合には、得られるポリイミドの対数粘度
を充分に高くすることができない、すなわち充分
高分子量のポリイミドを得ることができないこと
が多く、製造されるポリイミド繊維の強度と弾性
率は低いレベルにとどまる結果となる。また、そ
れらの一般的な芳香族ジアミンを用いたポリイミ
ドが高分子で得られた場合でも、そのポリイミド
から得られる繊維は高いレベルの強度と弾性率を
示さない。 芳香族カルボン酸成分から誘導される反復単位
は、3,3′,4,4′−ビフエニルテトラカルボン
酸もしくはその誘導体から誘導される上記の式(B)
で表わされる反復単位、およびピロメリツト酸も
しくはその誘導体から誘導される上記の式(C)で表
わされる反復単位の二種類の反復単位から構成さ
れる。 本発明のポリイミド繊維において、式(B)により
表わされる反復単位と式(C)により表わされる反復
単位とは当量換算でB/C=9/1〜5/5の関
係にあるように調整する必要がある。B/Cの比
率が9/1より大きい場合には、得られる繊維の
初期弾性率が低下し、剛直なポリアミド繊維が得
られない。一方、C/Bが5/5よりも大きい場
合、すなわち、CがBよりも多くなると、そのポ
リマーが溶媒にとけにくくなつて紡糸する事が困
難となり、このため良好な繊維を得ることが困難
となる。 上記のような構成を有する本発明のポリイミド
は、たとえば、下記の方法により製造することが
できる。 3,3′−ジメチルベンジジンまたは3,3′−ジ
エチルベンジジン、3,3′,4,4′−ビフエニル
テトラカルボン酸二無水物(以下、BPDAと略
す)そしてピロメリツト酸二無水物(以下、
PMDAと略す)を所定の比率で混合し、これを
重縮合反応にかけてポリイミドとする。 重縮合反応は連続又はバツチのいづれの方法で
も実施することができる。重縮合反応装置として
は撹拌槽型、ニーダーミキサー型、ポニーミキサ
ー型など各種のものを用いる事ができるが、この
反応は空気及び水分を遮断して行う必要がある。
また、縮合反応で生成する水分を系外に排出する
ために、乾燥した不活性ガス(例、高純度の窒素
ガス)を反応系に流通させることが有用である。
溶媒や原料が室温において固体である場合には、
それらを固体のまま反応容器に供給した後、徐々
に加熱、溶解させて反応液とすることができる。
あるいは固体状の溶媒を加熱、溶解させたのち、
これにジアミンを加えて溶解させ、次にカルボン
酸無水物を添加する方法などを利用することもで
きる。 上記の溶液重縮合反応に使用される溶媒の例と
しては、p−クロルフエノール、フエノール、m
−クレゾール、p−クレゾール、2,4−ジクロ
ルフエノール、もしくはこれらの混合物を挙げる
ことができる。 反応液中のモノマー濃度は4〜20重量%の範囲
にあることが好適である。 反応温度は溶媒の沸点によつても異るが、一般
的には160〜210℃の範囲の温度が好適である。反
応時間は数時間ないし数十時間が好適である。 上記の重縮合反応により生成するポリマー(ポ
リイミド)の対数粘度(分子量)は反応時間と共
に増大する。物性の優れたポリイミド繊維を製造
するためには、その材料のポリイミドが高分子量
のポリマーであることが好ましい。しかし、分子
量の増大を目指して、反応を過渡に長時間進める
とゲルが生成するため好ましくない。 反応が終了したのち、反応液をメタノール、エ
タノール、アセトン、またはこれらの混合物など
の析出用溶媒中に注ぎ、激しく撹拌してポリマー
と溶媒を分離する。そしてこのポリマーを濾過、
洗浄したのち乾燥する。 本発明の目的の高い初期弾性率と強度とを有す
るポリイミド繊維を得るためには、上記のように
して得られるポリマー(ポリイミド)は、その対
数粘度[I.V.]が、2.0dl/d以上(99〜100%硫
酸中、濃度0.5g/dl、温度30℃の測定値)であ
ることが必要である。I.V.値の低いポリマーは、
紡糸および熱延伸操作中に糸切れを発生しやす
く、また得られる繊維の強度も充分なレベルに達
し得ない。なお、I.V.はインヘレント粘度の略号
であるが、対数粘度がインヘレント粘度の近似値
として用いられるのは一般的である。 対数粘度は毛細管粘度計による測定値から下記
の式に基づき算出される。 I.V.=1/c・ln・t/to ln:自然対数 t:試料の流下所要時間 to:溶媒の流下所要時間 次に、以上のようにして製造したポリマー(ポ
リイミド)粉末をフエノール系溶媒にとかして紡
糸原液(ドープ液)を調製するが、重縮合反応の
反応溶媒として該ポリイミドを溶解することので
きるフエノール系溶媒を用いた場合には、重縮合
反応液をそのままドープ液として用いることもで
きる。ドープ液の製造に用いうるフエノール系溶
媒の例としては、フエノール、p−クロルフエノ
ール、m−クレゾール、p−クレゾール、または
これらの混合物を挙げることができる。このポリ
マーの溶解によるドープ液の調製は、撹拌層、ニ
ーダー等を用い50〜110℃に加温しつつ行うのが
望ましい。 次にドープ液を、たとえば公知の湿式紡糸法に
より、フイラメント状に形成し、次いで該フエノ
ール系溶媒と相溶性の凝固液中に導入してフイラ
メント状の凝固体とする。 湿式紡糸法においては、ノズルから吐出してフ
イラメント状とされたドープ液は、一旦空気層を
通過したのち凝固浴に導かれ、凝固浴を通過した
のちボビンに巻き取られる。凝固浴は、ドープ液
のフエノール系溶媒と相溶性の凝固液からなるも
のであり、そのような凝固液の例としては、メタ
ノール、エタノール、メタノール・水混合物およ
びエタノール・水混合物などを挙げることができ
る。凝固浴の温度には特に限定はないが、蒸気圧
の関係により60℃以下とされることが多い。 上記の湿式紡糸法においてはノズル面と凝固浴
面との間に1〜10cmの空気層を存在させる。凝固
浴の長さには特に限定はないが、一般には数十cm
ないし数mのものが使用される。 紡糸、乾燥された繊維は、電気炉またはホツト
ピンなどを用いて熱延伸される。この熱延伸操作
は公知技術に従つて行なうことができるが、その
延伸は、温度300〜580℃にて15秒以下熱延伸して
延伸率1.5倍以上とする延伸操作により行なうこ
とが望ましい。 以上の方法を利用することにより、本発明の特
徴である高い初期弾性率(900g/d以上)と高
い引張り強さ15g/d以上)を有するポリイミド
繊維を得ることができる。 本発明が提供するポリイミド繊維は、これまで
に知られているポリイミド繊維に比較して顕著に
高い初期弾性率と引張り強さを有し、またその製
造に用いる原料や溶媒も入手しやすいものであつ
て、さらにその製造操作においても特に複雑な制
御を必要としない。 さらにまた本発明のポリイミド繊維は、これま
でに知られているポリイミド、ポリアミドイミド
繊維などの類似の繊維に比較して、高いレベルの
強度と弾性率を有し、かつ高い防湿性と耐候性を
示すものである。 従つて、本発明のポリイミド繊維およびその製
造法は産業上非常に有用なものということができ
る。 次に本発明の実施例および比較列を示す。 なお、以下の各例における『部』は『重量部』
を意味する。繊維物性の評価は、モノフイラメン
トをJIS−L−1069に準じた引張り試験法(引張
り速度10mm/分)により測定することにより実施
した。以下に示す測定値は5〜10本の測定値の平
均値である。また、ドープ液等の粘度は、B型粘
度計にST形アダプターを用いてST形ローターを
併用して、ずり速度0.875/秒で測定した。 実施例 1 ポリイミドの製造 モノマーとして、3,3′,4,4′−ビフエニル
テトラカルボン酸二無水物(BPDA)、ピロメリ
ツト酸二無水物(PMDA)およびo−トリジン
を、BPDA:PMDA:o−トリジン=6:4:
10(モル比)の割合で用い、フエノール(重合反
応溶媒)中のモノマー濃度を8重量%として、下
記の重縮合反応を実施した。 ステンレス製撹拌棒、窒素ガス導入口、窒素ガ
ス排出口および試料投入口を備えた容量300mlの
平底セパラブルフラスコに、BPDA6.0021g
(20.4ミリモル)、PMDA2.9665g(13.6ミリモ
ル)、およびフエノール186.1gを導入し、油浴で
60℃に加温しながら1時間撹拌した。次いでこの
中にo−トリジン7.2176g(34.0ミリモル)を加
え、この温度で2時間撹拌し、こののち室温で一
夜静置した。反応液は黄土色で濁つていた。次
に、約1時間かけて油浴の温度を180℃まで昇温
させてイミド化を開始した。浴温が上昇するにつ
れて反応液の濁りは消え茶黄色の透明な液とな
り、時間の経過とともに粘稠となつた。 浴温175〜180℃にて撹拌を続けながら反応の10
時間行なつたのち、反応液をメタノール中に投入
し、生成した固形物をミキサーで粉砕した。この
固形物をメタノールで三回洗浄し、次いで真空
下、100℃で一夜乾燥したところ黄色粉末状のポ
リマーが得られた(収率100%)。このポリマーは
下記の元素分析値およびIRスペクトルからポリ
イミドであることが確認された。 C H N 実測値(%):75.07 3.83 6.15 計算値(%):75.33 3.76 6.37 このポリマーを100%硫酸に0.5g/dlの濃度で
溶解させ、キヤノンフエンスケ型粘度計を用いて
30℃でその対数粘度(I.V.値)を測定したとこ
ろ、3.59dl/gの値が得られた。 上記のポリイミドの耐熱性を調べるために、熱
天秤を用いて加熱減量を測定した。測定は、デユ
ポン社の951型熱天秤装置を用い、空気中、昇温
速度:5℃/分にて実施した。結果を第1表に示
す。
【表】
第1表に示された結果から上記のポリイミドは
高い耐熱性を有していることがわかる。 実施例 2 ポリイミドの製造 この実施例には重合溶媒として種々のフエノー
ル系化合物を用いてポリイミドを製造したときの
結果を示す。 モノマー組成は実施例1と同じBPDA:
PMDA:o−トリジン(6:4:10、モル比)
とし、重合装置としては容量100mlのセパラブル
フラスコを使用した。重合溶媒(フエノール系化
合物)の仕込み量は75.5gであり、仕込みモノマ
ー濃度は6重量%とした。また、イミド化段階で
の浴温は180〜190℃の間とし、イミド化時間は11
時間とした。その他の実験条件等については実施
例1と同一した。生成したポリイミドの対数粘度
(I.V.値)を第2表を示す。
高い耐熱性を有していることがわかる。 実施例 2 ポリイミドの製造 この実施例には重合溶媒として種々のフエノー
ル系化合物を用いてポリイミドを製造したときの
結果を示す。 モノマー組成は実施例1と同じBPDA:
PMDA:o−トリジン(6:4:10、モル比)
とし、重合装置としては容量100mlのセパラブル
フラスコを使用した。重合溶媒(フエノール系化
合物)の仕込み量は75.5gであり、仕込みモノマ
ー濃度は6重量%とした。また、イミド化段階で
の浴温は180〜190℃の間とし、イミド化時間は11
時間とした。その他の実験条件等については実施
例1と同一した。生成したポリイミドの対数粘度
(I.V.値)を第2表を示す。
【表】
すなわち、第2表に示されたような溶媒を用い
ることにより、対数粘度(I.V.値)が2.0dl/g以
上のポリイミドを得られることがわかる。 比較例 1 o−トリジンを同モルのp−フエニレンジアミ
ンに変え、かつ溶解度の関係から溶媒をp−クロ
ロフエノールに変え、そしてモノマー濃度を6重
量%とした以外は実施例1と同様にして重縮合反
応し実施し、ポリイミドを得た。このポリイミド
の対数粘度(I.V.値)は0.49dl/gであり、充分
な高分子量となつていないことが判明した。 比較例 2 o−トリジンを同モルの3,3′−ジクロルベン
ジジンと4,4′−ジフエニルエーテルの混合物
(7:3、モル比)に変えた以外は比較例1と同
様にして重縮合反応を実施し、ポリイミドを得
た。このポリイミドの対数粘度(I.V.値)は0.4
dl/gであり、充分な高分子量となつていないこ
とが判明した。 実施例 3 実施例1で製造したポリイミド粉末10部とp−
クロルフエノール90部とをテフロン製撹拌翼を有
する撹拌棒を備えたセパラブルフラスコに入れ、
90℃に加熱しながら2時間撹拌し、均一粘稠な溶
液を調製した。このポリイミド溶液の粘度を回転
粘度計を用いて、ずり速度0.875/秒にて測定し
たところ、100℃で3400ポアズであつた。この溶
液を100メツシユと400メツシユの二枚の金網を組
み合わせたフイルターを用い、100℃で加圧濾過
してドープ液を調製した。このドープ液を湿式紡
糸装置のノズルホルダーに仕込み、吐出温度100
℃にて、3.4Kg/cm2Gの窒素圧力でノズル(孔径
0.15mm、一穴)よりフイラメント状に押し出し、
約2cmの空気層を通したのち、エタノール凝固浴
(長さ1.7m)を通過させ、14.9m/分の巻き取り
速度でボビンに巻き取つた。得らてた繊維(未延
伸糸)はボビンに巻いたままメタノール中に一夜
浸漬して洗浄した後、風乾した。この未延伸糸を
各種の条件にて熱延伸した結果を第3表に示す。
なお、延伸倍率は次式により計算した。 延伸倍率= [未延伸糸の繊度]÷[熱延伸糸の繊度]
ることにより、対数粘度(I.V.値)が2.0dl/g以
上のポリイミドを得られることがわかる。 比較例 1 o−トリジンを同モルのp−フエニレンジアミ
ンに変え、かつ溶解度の関係から溶媒をp−クロ
ロフエノールに変え、そしてモノマー濃度を6重
量%とした以外は実施例1と同様にして重縮合反
応し実施し、ポリイミドを得た。このポリイミド
の対数粘度(I.V.値)は0.49dl/gであり、充分
な高分子量となつていないことが判明した。 比較例 2 o−トリジンを同モルの3,3′−ジクロルベン
ジジンと4,4′−ジフエニルエーテルの混合物
(7:3、モル比)に変えた以外は比較例1と同
様にして重縮合反応を実施し、ポリイミドを得
た。このポリイミドの対数粘度(I.V.値)は0.4
dl/gであり、充分な高分子量となつていないこ
とが判明した。 実施例 3 実施例1で製造したポリイミド粉末10部とp−
クロルフエノール90部とをテフロン製撹拌翼を有
する撹拌棒を備えたセパラブルフラスコに入れ、
90℃に加熱しながら2時間撹拌し、均一粘稠な溶
液を調製した。このポリイミド溶液の粘度を回転
粘度計を用いて、ずり速度0.875/秒にて測定し
たところ、100℃で3400ポアズであつた。この溶
液を100メツシユと400メツシユの二枚の金網を組
み合わせたフイルターを用い、100℃で加圧濾過
してドープ液を調製した。このドープ液を湿式紡
糸装置のノズルホルダーに仕込み、吐出温度100
℃にて、3.4Kg/cm2Gの窒素圧力でノズル(孔径
0.15mm、一穴)よりフイラメント状に押し出し、
約2cmの空気層を通したのち、エタノール凝固浴
(長さ1.7m)を通過させ、14.9m/分の巻き取り
速度でボビンに巻き取つた。得らてた繊維(未延
伸糸)はボビンに巻いたままメタノール中に一夜
浸漬して洗浄した後、風乾した。この未延伸糸を
各種の条件にて熱延伸した結果を第3表に示す。
なお、延伸倍率は次式により計算した。 延伸倍率= [未延伸糸の繊度]÷[熱延伸糸の繊度]
【表】
以上の結果から、本発明のポリイミド繊維は、
高い引張り強さと初期弾性率とを有することがわ
かる。 比較例 3 ステンレス製撹拌棒、窒素ガス導入口、窒素ガ
ス排出口および試料投入口を備えた容量500mlの
平底セパラブルフラスコに、フエノール136.7g、
o−トリジン6.3689g(30.0ミリモル)および
BPDA8.8266g(30.0ミリモル)を入れ、油浴中
で加熱した。油浴は、95〜100℃で1.3時間、125
〜130℃で1.8時間、そして185〜190℃で5.5時間
と順次昇温させた。 次に反応液を多量のメタノール中に投入し、生
成した固形物をミキサーで粉砕したのち、実施例
1と同様に処理して13.05gのポリマー(ポリイ
ミド)を得た。このポリイミドの対数粘度(I.
V.)は2.74dl/gであつた。 上記のポリイミド粉末8部とp−クロルフエノ
ール92部を混合し、加熱溶解して紡糸用ドープ液
を調製した。このドープ液の粘度は100℃で480ポ
アズであつた。 このドープ液を用い、吐出温度70℃、窒素圧力
3Kg/cm2Gとした以外は実施例3と同様にして湿
式紡糸し、得られた繊維(未延伸糸)を第4表に
記載した種々の条件にて熱延伸した。得られたポ
リイミド繊維の物性を第4表に示す。
高い引張り強さと初期弾性率とを有することがわ
かる。 比較例 3 ステンレス製撹拌棒、窒素ガス導入口、窒素ガ
ス排出口および試料投入口を備えた容量500mlの
平底セパラブルフラスコに、フエノール136.7g、
o−トリジン6.3689g(30.0ミリモル)および
BPDA8.8266g(30.0ミリモル)を入れ、油浴中
で加熱した。油浴は、95〜100℃で1.3時間、125
〜130℃で1.8時間、そして185〜190℃で5.5時間
と順次昇温させた。 次に反応液を多量のメタノール中に投入し、生
成した固形物をミキサーで粉砕したのち、実施例
1と同様に処理して13.05gのポリマー(ポリイ
ミド)を得た。このポリイミドの対数粘度(I.
V.)は2.74dl/gであつた。 上記のポリイミド粉末8部とp−クロルフエノ
ール92部を混合し、加熱溶解して紡糸用ドープ液
を調製した。このドープ液の粘度は100℃で480ポ
アズであつた。 このドープ液を用い、吐出温度70℃、窒素圧力
3Kg/cm2Gとした以外は実施例3と同様にして湿
式紡糸し、得られた繊維(未延伸糸)を第4表に
記載した種々の条件にて熱延伸した。得られたポ
リイミド繊維の物性を第4表に示す。
【表】
実施例 4
ステンレス製撹拌棒、窒素ガス導入口、窒素ガ
ス排出口および試料投入口を備えた容量500mlの
平底セパラブルフラスコに、BPDA6.1783g
(21.0ミリモル)、PMDA1.9632g(9.0ミリモ
ル)、o−トリジン6.3684g(30.0ミリモル)お
よびp−クロルフエノール130.6gを入れた。こ
のフラスコを油浴に浸漬し、油浴温度80〜90℃で
内容物を溶解せしめたのち、撹拌を開始した。こ
の温度で4時間撹拌した後、油浴を徐々に昇温さ
せ、2時間後に210℃に至らしめた。そして油浴
温度210〜215℃で5時間撹拌を続けた。フラスコ
の内容物の温度はこの間195℃前後であつた。こ
の5時間の撹拌の末期には、反応液の粘度が急速
に高くなり、色が濃くなり始めた。この時点でフ
ラコを油浴より取り出し、若干放冷した後、粘稠
な熱い反応液を、撹拌装置を備えた容器に入れた
300mlのアセトン中に注入し、次いで約2分間撹
拌した。ポリマーはザラメ状の淡褐色粉末として
析出した。このポリマーを濾別した後、アセトン
を用いて同様の操作により三回洗浄した。さらに
エタノール300mlを用いて同様に洗浄処理したの
ちポリマーを濾別した。次にこのポリマーを300
mlのエタノール中に室温36時間浸漬したのち濾別
し、乾燥してポリイミドを得た(収量12.53g、
収率93.3%)。このポリマーの対数粘度(I.V.)は
5.26g/dlであつた。 テフロン製撹拌翼を有する撹拌棒を備えたセパ
ラブルフラスコ中にて、上記のポリイミド粉末4
部とp−クロルフエノール96部とを90℃で2時間
加熱溶解して紡糸用ドープ液を調製した。このド
ープ液の粘度は100℃で2300ポアズであつた。 このドープ液を100メツシユと400メツシユの二
枚の金網を組合わせたフイルターで濾過したの
ち、孔径0.15mmのノズルを用い窒素圧力2.2Kg/
cm2G、吐出温度100℃にてフイラメント状に吐出
し、約2cmの空気層を通過させた後、実施例3と
同様にしてエタノール凝固浴に導入し、巻取りボ
ビンに巻き取つた。以後の操作は実施例3の記載
に従つて行ない、熱延伸した繊維を得た。熱延伸
条件および熱延伸により得られたポリイミド繊維
の物性を第5表に示す。
ス排出口および試料投入口を備えた容量500mlの
平底セパラブルフラスコに、BPDA6.1783g
(21.0ミリモル)、PMDA1.9632g(9.0ミリモ
ル)、o−トリジン6.3684g(30.0ミリモル)お
よびp−クロルフエノール130.6gを入れた。こ
のフラスコを油浴に浸漬し、油浴温度80〜90℃で
内容物を溶解せしめたのち、撹拌を開始した。こ
の温度で4時間撹拌した後、油浴を徐々に昇温さ
せ、2時間後に210℃に至らしめた。そして油浴
温度210〜215℃で5時間撹拌を続けた。フラスコ
の内容物の温度はこの間195℃前後であつた。こ
の5時間の撹拌の末期には、反応液の粘度が急速
に高くなり、色が濃くなり始めた。この時点でフ
ラコを油浴より取り出し、若干放冷した後、粘稠
な熱い反応液を、撹拌装置を備えた容器に入れた
300mlのアセトン中に注入し、次いで約2分間撹
拌した。ポリマーはザラメ状の淡褐色粉末として
析出した。このポリマーを濾別した後、アセトン
を用いて同様の操作により三回洗浄した。さらに
エタノール300mlを用いて同様に洗浄処理したの
ちポリマーを濾別した。次にこのポリマーを300
mlのエタノール中に室温36時間浸漬したのち濾別
し、乾燥してポリイミドを得た(収量12.53g、
収率93.3%)。このポリマーの対数粘度(I.V.)は
5.26g/dlであつた。 テフロン製撹拌翼を有する撹拌棒を備えたセパ
ラブルフラスコ中にて、上記のポリイミド粉末4
部とp−クロルフエノール96部とを90℃で2時間
加熱溶解して紡糸用ドープ液を調製した。このド
ープ液の粘度は100℃で2300ポアズであつた。 このドープ液を100メツシユと400メツシユの二
枚の金網を組合わせたフイルターで濾過したの
ち、孔径0.15mmのノズルを用い窒素圧力2.2Kg/
cm2G、吐出温度100℃にてフイラメント状に吐出
し、約2cmの空気層を通過させた後、実施例3と
同様にしてエタノール凝固浴に導入し、巻取りボ
ビンに巻き取つた。以後の操作は実施例3の記載
に従つて行ない、熱延伸した繊維を得た。熱延伸
条件および熱延伸により得られたポリイミド繊維
の物性を第5表に示す。
【表】
【表】
実施例 5
ステンレス製撹拌棒、窒素ガス導入口、窒素ガ
ス排出口および試料投入口を備えた容量500mlの
平底セパラブルフラスコに、フエノール132.6g、
BPDA7.0612g(24.0ミリモル)、PMDA1.3094
g(6.0ミリモル)、およびo−トリジン6.3689g
(30.0ミリモル)を入れたのち、このフラスコを
95〜100℃の油浴に浸漬しながら2時間撹拌した。
次いで、油浴を180〜184℃に昇温させ、この温度
で4.3時間の撹拌を行なつた。この撹拌の間、窒
素ガスを約20ml/分の割合で流通させた。この反
応の進行中において、水分および溶媒の一部が蒸
発により反応系外に去り、反応液のポリマー濃度
は10.5重量%となつた。この反応液の一部から実
施例1と同様の方法によりポリイミドを回収し
た。このポリマーの対数粘度(I.V.)は3.26dl/
gであつた。 上記のポリイミド粉末4部とp−クロルフエノ
ール96部とを加熱混合して紡糸用ドープ液を調製
した。このドープ液の粘度は100℃で740ポアズで
あつた。 このドープ液を用い、吐出温度を80℃、そして
窒素圧力を3Kg/cm2Gとした以外は実施例3と同
様の方法で湿式紡糸し、熱延伸してポリイミド繊
維を得た。熱延伸条件および熱延伸により得られ
たポリイミド繊維の物性を第6表に示す。
ス排出口および試料投入口を備えた容量500mlの
平底セパラブルフラスコに、フエノール132.6g、
BPDA7.0612g(24.0ミリモル)、PMDA1.3094
g(6.0ミリモル)、およびo−トリジン6.3689g
(30.0ミリモル)を入れたのち、このフラスコを
95〜100℃の油浴に浸漬しながら2時間撹拌した。
次いで、油浴を180〜184℃に昇温させ、この温度
で4.3時間の撹拌を行なつた。この撹拌の間、窒
素ガスを約20ml/分の割合で流通させた。この反
応の進行中において、水分および溶媒の一部が蒸
発により反応系外に去り、反応液のポリマー濃度
は10.5重量%となつた。この反応液の一部から実
施例1と同様の方法によりポリイミドを回収し
た。このポリマーの対数粘度(I.V.)は3.26dl/
gであつた。 上記のポリイミド粉末4部とp−クロルフエノ
ール96部とを加熱混合して紡糸用ドープ液を調製
した。このドープ液の粘度は100℃で740ポアズで
あつた。 このドープ液を用い、吐出温度を80℃、そして
窒素圧力を3Kg/cm2Gとした以外は実施例3と同
様の方法で湿式紡糸し、熱延伸してポリイミド繊
維を得た。熱延伸条件および熱延伸により得られ
たポリイミド繊維の物性を第6表に示す。
【表】
【表】
比較例 4
o−トリジンの代りに同モルの4,4′−ジアミ
ノジフエニルエーテルを用いた以外は実施例5と
同様にしてポリイミド(対数粘度(I.V.)=2.4
dl/g)を得た。このポリイミドを用いて実施例
5と同様にして、湿式紡糸と熱延伸を行なつた。
熱延伸条件および熱延伸により得られたポリイミ
ド繊維の物性を第7表に示す。
ノジフエニルエーテルを用いた以外は実施例5と
同様にしてポリイミド(対数粘度(I.V.)=2.4
dl/g)を得た。このポリイミドを用いて実施例
5と同様にして、湿式紡糸と熱延伸を行なつた。
熱延伸条件および熱延伸により得られたポリイミ
ド繊維の物性を第7表に示す。
【表】
なお、500℃での熱延伸も試みたが、延伸不可
能であつた。 すなわち、ここで得られたポリイミドは高い対
数粘度を有していたが、得られる繊維の引張り強
さと初期弾性率は非常に低いレベルであることが
わかる。 実施例 6 実施例5の反応液をそのまま紡糸用ドープ液に
用いて、吐出温度を120℃、そして窒素圧力を2
Kg/cm2Gとした以外は実施例3と同様の方法で湿
式紡糸し、熱延伸してポリイミド繊維を得た。熱
延伸条件および熱延伸により得られた繊維の物性
を第8表に示す。
能であつた。 すなわち、ここで得られたポリイミドは高い対
数粘度を有していたが、得られる繊維の引張り強
さと初期弾性率は非常に低いレベルであることが
わかる。 実施例 6 実施例5の反応液をそのまま紡糸用ドープ液に
用いて、吐出温度を120℃、そして窒素圧力を2
Kg/cm2Gとした以外は実施例3と同様の方法で湿
式紡糸し、熱延伸してポリイミド繊維を得た。熱
延伸条件および熱延伸により得られた繊維の物性
を第8表に示す。
【表】
実施例 7
この実施例は一段法にてポリイミドを製造し、
得られた反応液をそのまま紡糸用ドープ液として
用いて紡糸、延伸してポリイミド繊維を得た例を
示す。 50℃の油浴に浸漬した実施例2と同様の100ml
セパラブルフラスコ内に、BPDA12ミリモル、
PMDA3ミリモル、o−トリジン15ミリモル、お
よび重合溶媒(p−クレゾールとm−クレゾール
の容積比1:1の混合物)84.7gを同時に入れ、
窒素ガスを導入しながら浴温を185℃まで約30分
で昇温し、さらにその温度に9時間保持して重合
およびイミド化を一段で行ない、黄茶色透明な粘
稠溶液を得た。このポリマー(ポリイミド)の対
数粘度(I.V.)は3.63dl/gであつた。 この反応液をそのまま紡糸用ドープ液(粘度:
2300ポアズ(100℃))として用い、吐出温度を
100℃、そして窒素圧力と2.2Kg/cm2Gとした以外
は実施例3と同様の方法で湿式紡糸し、熱延伸し
てポリイミド繊維を得た。熱延伸条件および熱延
伸により得られた繊維の物性を第9表に示す。
得られた反応液をそのまま紡糸用ドープ液として
用いて紡糸、延伸してポリイミド繊維を得た例を
示す。 50℃の油浴に浸漬した実施例2と同様の100ml
セパラブルフラスコ内に、BPDA12ミリモル、
PMDA3ミリモル、o−トリジン15ミリモル、お
よび重合溶媒(p−クレゾールとm−クレゾール
の容積比1:1の混合物)84.7gを同時に入れ、
窒素ガスを導入しながら浴温を185℃まで約30分
で昇温し、さらにその温度に9時間保持して重合
およびイミド化を一段で行ない、黄茶色透明な粘
稠溶液を得た。このポリマー(ポリイミド)の対
数粘度(I.V.)は3.63dl/gであつた。 この反応液をそのまま紡糸用ドープ液(粘度:
2300ポアズ(100℃))として用い、吐出温度を
100℃、そして窒素圧力と2.2Kg/cm2Gとした以外
は実施例3と同様の方法で湿式紡糸し、熱延伸し
てポリイミド繊維を得た。熱延伸条件および熱延
伸により得られた繊維の物性を第9表に示す。
【表】
【表】
比較例 5
ステンレス製撹拌棒、窒素ガス導入口、窒素ガ
ス排出口および試料投入口を備えた容量500mlの
平底セパラブルフラスコに、フエノール159g、
BPDA3.5314g(12.0ミリモル)、PMDA3.9255
g(18.0ミリモル)およびo−トリジン6.3689g
(30.0ミリモル)を加え、65〜70℃の油浴中に浸
漬して2時間撹拌した後、さらに100〜105℃で2
時間そして180〜190℃で4時間撹拌を継続した。
反応液はさらさらしており、多量のポリマーパウ
ダーが析出していた。この反応液を実施例1と同
様に処理して12.9gのポリイミドを得た。(収率
10%)。 このポリマーの対数粘度(I.V.)は2.32dl/g
であつたが、溶解が非常に遅く、完溶させるのに
6日間(室温)を必要とした。このポリイミド粉
末はフエノール、p−クロルフエノール、m−ク
レゾール、p−クレゾール、2,4−ジクロルフ
エノールのいずれにも全く溶解せず、従つて紡糸
することができなかつた。 また、PMDAのモル比をさらに高めたポリイ
ミドも合成したが、上記の例と同じくフエノール
類に不溶なため紡糸することができなかつた。 実施例 8 ポリイミドの吸湿性 本発明のポリイミドの吸湿性と、公知の芳香族
ポリアミドと芳香族ポリアミドイミドのそれぞれ
の吸湿性を下記の方法によつて平衡含水率を測定
することにより評価した。 2〜3gのポリマー粉末を広口の秤量びんにと
り100℃、真空にて24時間乾燥した。次いで硫酸
アンモニウムの飽和水溶液を入れたガラス製デシ
ケーター内に上記の秤量びんを13日間、室温にて
放置したのち重量変化を測定することにより平衡
含水率を求めた。得られた平衡含水率(乾燥物基
準)の数値を第10表に示す。なお、硫酸アンモニ
ウム飽和水溶液の平衡温度は81%である。
ス排出口および試料投入口を備えた容量500mlの
平底セパラブルフラスコに、フエノール159g、
BPDA3.5314g(12.0ミリモル)、PMDA3.9255
g(18.0ミリモル)およびo−トリジン6.3689g
(30.0ミリモル)を加え、65〜70℃の油浴中に浸
漬して2時間撹拌した後、さらに100〜105℃で2
時間そして180〜190℃で4時間撹拌を継続した。
反応液はさらさらしており、多量のポリマーパウ
ダーが析出していた。この反応液を実施例1と同
様に処理して12.9gのポリイミドを得た。(収率
10%)。 このポリマーの対数粘度(I.V.)は2.32dl/g
であつたが、溶解が非常に遅く、完溶させるのに
6日間(室温)を必要とした。このポリイミド粉
末はフエノール、p−クロルフエノール、m−ク
レゾール、p−クレゾール、2,4−ジクロルフ
エノールのいずれにも全く溶解せず、従つて紡糸
することができなかつた。 また、PMDAのモル比をさらに高めたポリイ
ミドも合成したが、上記の例と同じくフエノール
類に不溶なため紡糸することができなかつた。 実施例 8 ポリイミドの吸湿性 本発明のポリイミドの吸湿性と、公知の芳香族
ポリアミドと芳香族ポリアミドイミドのそれぞれ
の吸湿性を下記の方法によつて平衡含水率を測定
することにより評価した。 2〜3gのポリマー粉末を広口の秤量びんにと
り100℃、真空にて24時間乾燥した。次いで硫酸
アンモニウムの飽和水溶液を入れたガラス製デシ
ケーター内に上記の秤量びんを13日間、室温にて
放置したのち重量変化を測定することにより平衡
含水率を求めた。得られた平衡含水率(乾燥物基
準)の数値を第10表に示す。なお、硫酸アンモニ
ウム飽和水溶液の平衡温度は81%である。
【表】
造したものである。
ポリイミドA:BPDA、PMDA、およびo−
トリジン(9:1:10、モル比)から実施例1に
記載の方法により製造したもの。 ポリイミドB:BPDA、PMDA、およびo−
トリジン(5:5:10、モル比)から実施例1に
記載の方法により製造したもの。 ポリ−p−フエニレンテレフタルアミド:テレ
フタル酸クロリドとp−フエニレンジアミンから
低温溶液重縮合法により製造したもの。 ポリアミドイミド:BPDA、無水トリメリツ
ト酸クロリドおよびp−フエニレンジアミン
(6:4:10、モル比)から製造したもの。 実施例 9 BPDA:PMDA:o−トリジンの割合を7:
3:10(モル比)に、そしてモノマー濃度を10重
量%に変え、かつ反応温度と反応時間とを100℃
(1時間)−160℃(2時間)−175℃(7時間)と
した以外は、実施例1と同様にしてポリイミドを
製造した(収率97.4%)。 このポリマーの対数粘度(I.V.)は2.34dl/g
であつた。 上記のポリイミドをp−クロルフエノールに溶
解(ポリマー濃度9%)して紡糸用ドープ液を調
製した。このドープ液を、吐出温度90℃、窒素圧
力2.6Kg/cm2Gにてノズル(孔径0.15mm、1穴)
よりフイラメント状に押し出し、エタノール凝固
浴(5℃)を通過させて繊維状凝固体とし、これ
を18.9m/分の速度でボビンに巻き取つた。 上記の繊維状凝固体を乾燥したのち、500℃に
て4.5倍の熱延伸を行なつてポリイミド繊維(以
下、ポリイミド繊維Iという)を得た。 このポリイミド繊維および市販のポリアミド繊
維(ケプラー49:米国デユポン社製)について耐
紫外線性能を下記の方法により評価した。なお、
使用した測定装置は東洋精機(株)製ウエザオーメー
ターMHQ−1型(一部改造)である。 上記の測定装置の中心に備えられたキセノンア
ークランプの周囲にアルミニウム製円筒(直径約
20cm、高さ約33cm)を置き、この円筒の内壁に長
さ約15cmのポリイミド繊維おび比較用のポリアミ
ド繊維をそれぞれ7〜10本ずつ貼り付け、所定の
時間毎に1本ずつ取りはずし、単繊維の引張り試
験を行なつた。なお、アルミニウム製円筒の表面
温度はランプの熱により86〜109℃に達していた。
測定試料に対する水の噴射は行なわなかつた。ま
た、市販のポリアミド繊維は、本測定に供する前
に、メタノール、水、およびn−ヘキサンによる
洗浄を行なつた。 測定結果を第11表、第12表および第13表に示
す。
ポリイミドA:BPDA、PMDA、およびo−
トリジン(9:1:10、モル比)から実施例1に
記載の方法により製造したもの。 ポリイミドB:BPDA、PMDA、およびo−
トリジン(5:5:10、モル比)から実施例1に
記載の方法により製造したもの。 ポリ−p−フエニレンテレフタルアミド:テレ
フタル酸クロリドとp−フエニレンジアミンから
低温溶液重縮合法により製造したもの。 ポリアミドイミド:BPDA、無水トリメリツ
ト酸クロリドおよびp−フエニレンジアミン
(6:4:10、モル比)から製造したもの。 実施例 9 BPDA:PMDA:o−トリジンの割合を7:
3:10(モル比)に、そしてモノマー濃度を10重
量%に変え、かつ反応温度と反応時間とを100℃
(1時間)−160℃(2時間)−175℃(7時間)と
した以外は、実施例1と同様にしてポリイミドを
製造した(収率97.4%)。 このポリマーの対数粘度(I.V.)は2.34dl/g
であつた。 上記のポリイミドをp−クロルフエノールに溶
解(ポリマー濃度9%)して紡糸用ドープ液を調
製した。このドープ液を、吐出温度90℃、窒素圧
力2.6Kg/cm2Gにてノズル(孔径0.15mm、1穴)
よりフイラメント状に押し出し、エタノール凝固
浴(5℃)を通過させて繊維状凝固体とし、これ
を18.9m/分の速度でボビンに巻き取つた。 上記の繊維状凝固体を乾燥したのち、500℃に
て4.5倍の熱延伸を行なつてポリイミド繊維(以
下、ポリイミド繊維Iという)を得た。 このポリイミド繊維および市販のポリアミド繊
維(ケプラー49:米国デユポン社製)について耐
紫外線性能を下記の方法により評価した。なお、
使用した測定装置は東洋精機(株)製ウエザオーメー
ターMHQ−1型(一部改造)である。 上記の測定装置の中心に備えられたキセノンア
ークランプの周囲にアルミニウム製円筒(直径約
20cm、高さ約33cm)を置き、この円筒の内壁に長
さ約15cmのポリイミド繊維おび比較用のポリアミ
ド繊維をそれぞれ7〜10本ずつ貼り付け、所定の
時間毎に1本ずつ取りはずし、単繊維の引張り試
験を行なつた。なお、アルミニウム製円筒の表面
温度はランプの熱により86〜109℃に達していた。
測定試料に対する水の噴射は行なわなかつた。ま
た、市販のポリアミド繊維は、本測定に供する前
に、メタノール、水、およびn−ヘキサンによる
洗浄を行なつた。 測定結果を第11表、第12表および第13表に示
す。
【表】
【表】
た場合の相対値である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 実質的に、芳香族ジアミン成分から誘導され
る反復単位と該反復単位に対して当量換算で実質
的に等しい量の芳香族カルボン酸成分から誘導さ
れる反復単位とから成るポリイミド繊維であつ
て、 (1) 該芳香族ジアミンから誘導される反復単位の
少なくとも90%は、下記の式(A): (ただし、Rはメチル基もしくはエチル基であ
る) により表わされる反復単位であり、 (2) 該芳香族カルボン酸成分から誘導される反復
単位の少なくとも90%は、下記の式(B)および
(C): により表わされる二種類の反復単位から構成さ
れ、かつ式(B)により表わされる反復単位と式(C)
により表わされる反復単位とは当量換算でB/
C=9/1〜5/5の関係にあり、そして、 (3) 初期弾性率が900g/d以上で、引張り強さ
が15g/d以上の延伸された繊維であることを
特徴とするポリイミド繊維。 2 式(A)におけるRがメチル基であることを特徴
とする特許請求の範囲第1項記載のポリイミド繊
維。 3 該芳香族ジアミンから誘導される反復単位が
実質的に上記の式(A)からなり、かつ該芳香族カル
ボン酸成分から誘導される反復単位が実質的に上
記の式(B)および(C)からなることを特徴とする特許
請求の範囲第1項記載のポリイミド繊維。 4 実質的に、芳香族ジアミン成分から誘導され
る反復単位と該反復単位に対して当量換算で実質
的に等しい量の芳香族カルボン酸成分から誘導さ
れる反復単位とから成るポリイミドであつて、 (1) 該芳香族ジアミンから誘導される反復単位の
少なくとも90%が、下記の式(A): (ただし、Rはメチル基もしくはエチル基であ
る) により表わされる反復単位であり、 (2) 該芳香族カルボン酸成分から誘導される反復
単位の少なくとも90%が、下記の式(B)および
(C): により表わされる二種類の反復単位から構成さ
れ、かつ式(B)により表わされる反復単位と式(C)
により表わされる反復単位とは当量換算でB/
C=9/1〜5/5の関係にあり、かつ (3) 対数粘度が2.0dl/d以上(99〜100%硫酸
中、濃度0.5g/dl、温度30℃の測定値)であ
るポリイミドを、フエノール系溶媒に溶解して
ドープ液を調製し、これをフイラメント状に形
成したのち、該フエノール系溶媒と相溶性の凝
固液中に導入してフイラメント状の凝固体と
し、次いで該凝固体を延伸することを特徴とす
るポリイミド繊維の製造法。 5 式(A)におけるRがメチル基であることを特徴
とする特許請求の範囲第4項記載のポリイミド繊
維の製造法。 6 該芳香族ジアミンから誘導される反復単位が
実質的に上記の式(A)からなり、かつ該芳香族カル
ボン酸成分から誘導される反復単位が実質的に上
記の式(B)および(C)からなることを特徴とする特許
請求の範囲第4項記載のポリイミド繊維の製造
法。 7 フイラメント状ポリイミド凝固体の延伸操作
を、温度300〜580℃にて15秒以下熱延伸して延伸
率1.5倍以上とする延伸操作により行なうことを
特徴とする特許請求の範囲第4項記載のポリイミ
ド繊維の製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17339483A JPS6065112A (ja) | 1983-09-19 | 1983-09-19 | ポリイミド繊維及びその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17339483A JPS6065112A (ja) | 1983-09-19 | 1983-09-19 | ポリイミド繊維及びその製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6065112A JPS6065112A (ja) | 1985-04-13 |
| JPH0362805B2 true JPH0362805B2 (ja) | 1991-09-27 |
Family
ID=15959587
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP17339483A Granted JPS6065112A (ja) | 1983-09-19 | 1983-09-19 | ポリイミド繊維及びその製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6065112A (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US4758649A (en) * | 1986-05-21 | 1988-07-19 | Kuraray Co., Ltd. | Heat resistant organic synthetic fibers and process for producing the same |
| CN104195666B (zh) * | 2014-09-12 | 2017-01-18 | 东华大学 | 一种基于邻甲基芳酰胺酰亚胺化制备聚酰亚胺纤维的方法 |
| KR101898455B1 (ko) | 2016-03-31 | 2018-09-13 | 가부시키가이샤 아이.에스.티 | 폴리이미드 섬유 및 폴리이미드 섬유의 제조 방법 |
Family Cites Families (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5527326A (en) * | 1978-08-17 | 1980-02-27 | Ube Ind Ltd | Polyimide resin composition and its preparation |
| JPS5528822A (en) * | 1978-08-23 | 1980-02-29 | Ube Ind Ltd | Method for manufacturing polyimide film |
| JPS56159314A (en) * | 1980-05-09 | 1981-12-08 | Ube Ind Ltd | Preparation of polyimide fiber |
-
1983
- 1983-09-19 JP JP17339483A patent/JPS6065112A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6065112A (ja) | 1985-04-13 |
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