JPH0365155B2 - - Google Patents
Info
- Publication number
- JPH0365155B2 JPH0365155B2 JP57158091A JP15809182A JPH0365155B2 JP H0365155 B2 JPH0365155 B2 JP H0365155B2 JP 57158091 A JP57158091 A JP 57158091A JP 15809182 A JP15809182 A JP 15809182A JP H0365155 B2 JPH0365155 B2 JP H0365155B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ozone
- cellulosic material
- cellulosic
- ozone reaction
- water
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)
Description
本発明はセルロース性物質の前処理方法に係
り、特に、例えばわら類、バカス及び木くず等の
セルロース性物質に水あるいはアルカリ水溶液を
含浸し、オゾンと気−固接触反応せしめる前処理
後、次いで生物学的に該オゾン処理セルロース性
物質を微生物蛋白やエタノール等の有用物質に変
換する場合の前処理におけるオゾン反応生成物に
よる後段の生物反応への阻害を解消したセルロー
ス性物質の前処理方法に関するものである。 セルロース性物質を分解して、種々の有用物質
を得る方法としては、セルロース性物質に、
Cellulomonas flavigena ,Trichoderma
reesei,Ruminococus albs、及びClostridium
thermocellum 等のセルロース分解菌を作用せ
しめ、微生物菌体、セルラーゼ、エタノール、及
び有機酸等を直接生産する方法、あるいは、含有
セルロースをセルラーゼによりグルコースに分解
し、次いで酵母や細菌の作用により微生物菌体や
エタノールを生産する方法等があるが、これらの
場合において、セルロース性物質は、通常セルロ
ース分解菌あるいはセルラーゼが作用し難い構造
を有しており、分解率を低める原因となつてい
る。これは、セルロースが、強い結晶構造をと
り、難分解性のリグニンで覆われているためであ
り、従つて、セルロース性物質を原料として生物
学的に微生物蛋白やエタノールなどの有用物質を
生産するためには、上記構造を予め破壊するこ
と、所謂前処理が必要である。 上記前処理方法としては、オゾンを用いる方法
がある。Arthur Binderらは、破砕した麦わらを
水に懸濁し(5%程度)、オゾンを2〜8時間通
気したところ、リグニンの約50%が分解し麦わら
中のセルロースのセルロース分解菌 (Trichoderma reesei,及びChaetomium
cellulolytcum)及びセルラーゼによる分解性が
向上したことを報告している。また、処理麦わら
を除去した液に溶解しているオゾン反応生成物は
酵母(Cardida utilis,Hansenula
polymorpha)や活性汚泥にて分解できるとして
いる。〔European J .Appl.Microbiol.
Biotechnol.Vol11,1−5(1980)〕しかしなが
ら、この方法の欠点は、処理時間が長いことにあ
る。これは、オゾンの被処理液への溶解度が小さ
いこと、及び液中に溶出したリグニンやリグニン
分解物と溶解オゾンとが反応することにより、セ
ルロース性物質と反応するオゾンが少なくなるこ
とに起因しているのである。 これに対し、セルロース性物質に水あるいはア
ルカリ水溶液を含浸せしめ、これにオゾンを気−
固接触させる前処理方法(特開昭57−29293)に
よれば、処理時間は20〜60分と、大幅に短縮され
る。 一方、樋口隆昌らは、5%リグニンスルホン酸
水溶液にオゾンを通気(オゾン濃度7.2g/m3、
オゾン供給量1g/hで5時間)したところ、液
PHは5.2から2.8まで低下し、シユウ酸やマレイン
酸等の有機酸が生成されることを報告している
(昭和50年度文部省特定研究“微生物による環境
浄化研究報告”p308〜315)。 これらリグニン分解物を含むオゾン反応生成物
は、酵母や細菌の炭素源として利用できること
は、桑原正章やArthur Binderらが報告している
(桑原正章「オゾン分解リグニンスルホン酸廃液
での酵母の増殖」:昭和51年度文部省特定研究
“微生物による環境浄化研究報告”)。 しかしながら、本発明者らの検討により、気−
固接触反応にてオゾン処理したセルロース性物質
を、セルラーゼにより糖化し、濃縮した後、酵母
(Saccharomyces cerevisiae)の培養及びアルコ
ール発酵を行なつたところ、オゾン反応生成物に
よる増殖及び発酵阻害が認められた。同様に、こ
のオゾン処理セルロース性物質によりセルロース
分解菌を培養したところ、オゾン反応生成物によ
る増殖阻害が認められた。 気−液−固系でのオゾン処理ではオゾン反応生
成物は主に液側に溶出するため、原料中に残留す
るオゾン反応生成物の量は少ないが、一方、気−
固接触反応ではオゾン反応生成物は、原料中にす
べて残留する。また、セルロース性物質のセルロ
ース含量は、40%程度であることから、目的生産
物を高濃度で得るには高濃度の原料仕込みが必要
である。従つて、オゾンとの気−固接触反応によ
り前処理したセルロース性物質を原料とした場合
には、後段の生物反応利用プロセスにおいて、反
応阻害因子となるオゾン反応生成物の濃度は高く
なる。このことから、気−固接触反応でのオゾン
前処理方法を採用した場合には、オゾン反応生成
物による生物反応への阻害作用を解消することが
必要となる。 本発明者らは、このような認識に基づき、以下
の如き検討を種々試みた。 まず、水あるいはアルカリ水溶液を含浸せしめ
たセルロース性物質をオゾンと気−固接触反応
し、次いで水溶液中に懸濁すると、液のPH値は、
1.2〜1.4と著しく低い値となつた。この状態のま
まで、セルロース性物質に直接セルラーゼあるい
はセルロース分解菌を作用させた場合、各々の活
性は低下し、最悪の場合には、失活してしまう。 そこで、アルカリにて中和後、セルラーゼある
いはセルロース分解菌を作用させてみた。まず、
市販セルラーゼにて、上記オゾン処理したセルロ
ース性物質を中和した後糖化し、糖化液を濃縮後
アルコール発酵を行なつた。その結果、エタノー
ル生成速度が著しく低下し、長い発酵時間を要し
た。この原因を解析したところ、中和により生成
する塩の濃度が高くなるためと考えられた。そこ
で、上記濃縮液と同様の塩濃度(NaCl)を含む
合成倍地にてアルコール発酵を行つたところ、エ
タノール生成速度の低下はある程度認められたも
のの、その生成速度は上記濃縮液の場合よりも大
きな値であつた。このことから、オゾン反応生成
物自身がアルコール発酵を阻害しているものと考
えられた。 そこで、前記アザン処理したセルロース性物質
より、オゾン反応生成物を除去した後、上記と同
様の操作を行なつた。その結果、アルコール発酵
の阻害はなくなり、発酵時間が約1/4に短縮され
た。 次に、コンポストから分離したセルロース分解
菌を上記オゾン処理したセルロース性物質を含む
合成倍地で培養を行つた。その結果、セルロース
性物質の添加量が増大するに従つて、該セルロー
ス分解菌の増殖速度が低下した。これも、また、
オゾン反応生成物がセルロース分解菌の増殖を阻
害するためであることが判明した。 以上より、オゾン処理したセルロース性物質の
オゾン反応生成物の濃度如何によつて、後段の微
生物反応に阻害作用が現われることが明らかとな
つた。 そこで、このようなオゾン反応生成物による阻
害作用の解消方法を探索すべく、まずオゾン反応
生成物を分析した。上記オゾン処理セルロース性
物質よりオゾン反応生成物を抽出し、次いで液体
クロマトグラフイーにて組成を調べた。その結
果、シュウ酸、グリオキシル酸、ギ酸、酢酸等の
有機酸や、酸性で紫外線に吸収をもつ物質等多種
検出された。従つて、これらの物質が、単独ある
いは複数で微生物反応を阻害していると考えられ
る。また、使用する微生物如何によつて、阻害物
質も変わるものと考えられる。従つて、阻害解消
方法を確立するには、使用する微生物毎に阻害物
質を明らかにし、その機構を解明せねばならな
い。しかしながら、これには、労力と手間がかか
り、かりに個々の阻害物質が判明したとしても、
その物質を選択的に除去することが困難な場合も
あり得る。むしろ、そのような解析を行なわなく
ても、上記検討結果から、阻害物質及びその阻害
機構が不明であつても、オゾン処理セルロース性
物質からオゾン反応生成物を除去さえすれば、オ
ゾン反応生成物の微生物反応阻害は解消できるこ
とは極めて明白である。本発明は、このような検
討に基づき、セルロース性物質のオゾンによる前
処理にあたり、オゾン反応生成物を除去すること
により、後段の微生物反応の反応性が向上すると
いう知見を得て、達成されたものである。 本発明の目的は、従来法の欠点を解消し、気−
固接触反応系でセルロース性物質をオゾンにより
前処理して、後の生物学的反応に供するにあた
り、反応阻害を解消し、工業的有利に有用物質を
得ることができる、セルロース性物質の前処理方
法を提供することにある。 本発明は、セルロース性物質を生物反応により分
解するあたり、水又はアルカリ水溶液を含浸させ
たセルロース性物質をオゾンと気−固接触反応さ
せるセルロース性物質の前処理方法において、オ
ゾンとの気−固接触反応により得られるオゾン処
理セルロース性物質から、オゾン反応生成物を除
去することを特徴とするセルロース性物質の前処
理方法、及び、該オゾン処理セルロース性物質か
ら除去したオゾン反応生成物を回収することを特
徴とするセルロース性物質の前処理方法、を要旨
とするものである。 以下に本発明を図面を参照して詳細に説明す
る。 第1図は、本発明の方法を実施するに好適な装
置の系統図を示し、セルロース性物質1に水ある
いはアルカリ水溶液を含浸せしめる調湿混合工
程、該セルロース性物質とオゾンとを気−固接触
反応させるオゾン処理工程、及びオゾン反応生成
物を除去する工程とから構成されている。 セルロース性物質1としては、わら類、バガ
ス、コーンストーバー(トウモロコシの穂軸)、
干し草、及び木くず等のリグニンを含有する植物
繊維等が採用される。これらを破砕した破砕原料
は、調湿混合槽2にて貯槽3より送られた水ある
いはアルカリ水溶液と混合される。この時の混合
時間は、セルロース性物質1の含水率が均一とな
るまでの時間とするのが好ましい。次いで、混合
槽2の底部のバルブ4を開き、供給フイダー5に
て該セルロース性物質1をオゾン反応槽6に送
る。オゾン反応槽6は、セルロース性物質1とオ
ゾンとが気−固接触反応できる槽構造であれば良
く、特に限定されない。本例では、オゾン反応槽
6は、充填槽型の反応槽を用いた。セルロース性
物質は、オゾン反応槽6内で充填層を形成する。
このとき、反応槽6の底部よりオゾン発生機7に
て調製したオゾンを通気した。オゾンは、該セル
ロース性物質の充填層内を上昇し、セルロース性
物質と気−固接触反応し、未反応オゾンは、槽上
部より槽外に排出され、活性炭等により処理され
る。なお、充填型槽内では、高さ方向の分布が生
じる。そこで、本例では、充填層を高さ方向で区
分し、槽底部の区分にあるセルロース性物質のオ
ゾン反応量をオゾン濃度変化より測定し、その値
が設定値に達した時、オゾンの通気を止めて、抜
き出しコンベヤ8にてその区分にあるセルロース
性物質を抜き出した。そして、供給フイダー5に
てセルロース性物質を追加供給し、再びオゾンを
吹き込み、オゾン処理を行なう操作をくり返し
た。このような操作により、セルロース性物質
は、オゾン反応槽6内を下降しながらオゾンと気
−固接触反応する。なお、オゾンの吹込み口は、
セルロース性物質の下降の障害とならないように
設置されている。 抜き出しコンベヤ8にて抜き出されたオゾン処
理セルロース性物質は、沈殿槽11から送られた
水と同コンベヤ8内にて混合される。ここでの混
合は、専用の混合槽を設けても良く、その混合方
法は特に限定されるものでない。また、混合する
水の量はオゾン処理セルロース性物質の乾燥重量
に対する水の割合で、2から15、即ち、混練状況
下で混合するのが好ましい。このように混合した
セルロース性物質を排出ダンパー9を開き、固液
分離機10に送つた。この固液分離機10にてセ
ルロース性物質と液とを分離した。本実施例で
は、固液分離機として遠心脱水機を用いたが、オ
リーバフイルター、フイルタープレス等のろ過機
やロールミル等の圧搾機でも良い。特に、本発明
においては、ロールミル等で圧搾脱水を行なうの
が効果的である。この水添加−混合−脱水の操作
は、オゾン反応生成物の除去率を高めるために、
繰り返し行なつてもよい。次いで、脱水により得
られる分離液を沈殿槽11に送り、アルカリ剤水
溶液貯槽12から送つたアルカリ剤にて中和し
た。アルカリ剤としては、苛性ソーダや消石灰等
の水溶液で良く、特に限定するものでない。ここ
での沈殿物13は、槽底部より回収しその上澄液
は、抜き出しコンベヤ8へ循環使用する。得られ
る沈殿物13は、有機物として有利なシユウ酸等
の有機酸塩である。 本発明においては、固液分離機10における脱
水により得られた分離液を逐次メタン発酵槽等の
嫌気性発酵槽に添加し、得られる生成物を回収す
る方法により、オゾン反応生成物の回収を行なう
こともできる。例えば、分離水をメタン発酵槽に
添加した場合には、有機合成に有用なメタンが回
収されることとなる。 このような方法により、本発明においてはオゾ
ン処理セルロース性物質からオゾン反応生成物が
回収された、前処理済のセルロース性物質14
は、固液分離機10より取り出され、後段の生物
反応工程へ送られる。 以下に本発明を実施例等により更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下
の実施例により限定されるものではない。 実施例 1 供試セルロース性物質として、バガスを用い、
セルラーゼにて糖化し、アルコール発酵を行なつ
た。 供試乾燥バガスに0.1%NaOH水溶液を重量比
1:1で混合し、次いでオゾン反応槽にてオゾン
と気−固接触させた。入口のオゾン濃度を11g/
m3、通気量を2.4m3/hとした。接触時間40分後
にオゾン処理バガスを抜き出した。このときのオ
ゾン反応量は、0.06Kg−O3/Kg−バガスであつ
た。これを2倍量の水と混合し、次いで脱水して
分離液を分離した。 以上の前処理を施したバガスに市販セルラーゼ
を作用し糖化を行なつた。糖化条件は、バガス仕
込み濃度20%、PH4.8、温度50℃、そして糖化時
間は38時間とした。その結果、グルコース濃度
4.5%の糖液が得られた。このとき、同時に比較
例として、水添加−脱水の操作をしなかつたバガ
スについて同様の糖化を行つた。なお、このとき
の中和剤としてNaOHを使用した。得られた糖
液のグルコース濃度は、4.3%で、上記オゾン反
応生成物除去処理済のバガスの場合とほぼ同じで
あつた。両糖液を3倍濃縮し、次いで酵母にてア
ルコール発酵を行つた。なお、発酵にあたりアス
パラギン、リン酸−カリウム及び硫酸マグネシウ
ムを各々、1当り2.5g、1.0g及び3.0g添加し
た。また、PHは、5.0、温度は、30℃とした。な
お、コントロールとして、上記添加物質及びグル
コース130gを水1に溶解し、グルコース濃度
を上記濃縮液と同じにした合成培地での発酵も行
なつた。 第2図に発酵結果を示す。第2図より、本発明
方法によりオゾン反応生成物を除去した場合の発
酵Aは、合成倍地での発酵Cとほぼ同じであるの
に対し、オゾン反応生成物の除去を行なわない場
合の発酵Bは著しく発酵が阻害されていることが
明らかである。 このときの液中のオゾン反応生成物の濃度をソ
ーダ塩として比較したところ、本発明方法により
オゾン反応生成物を除去したものは約25g/で
あるのに対し、オゾン反応生成物の除去を行なわ
ないものは約50g/となつていた。なお、糖化
前の状態でのオゾン反応生成物の濃度は各々、約
8.5g/及び約40g/である。従つて3倍に
濃縮したことにより、オゾン反応生成物の濃度は
本発明方法によりオゾン反応生成物を除去した場
合には約25g/(約8.5g/×3)で一致す
るが、オゾン反応生成物を除去しない場合には約
120g/となり約50g/と一致しない。これ
は、糖化及び発酵時のPH調製により、オゾン反応
生成物がソーダ塩として沈殿するためとみられ
る。 参考例 1 オゾン反応生成物の大部分は、ソーダ塩とし
て、溶解している。そこで、アルコール発酵への
塩濃度の影響を調べた。 塩としてNaClを用い、NaCl濃度が25g/及
び50g/の合成培地を調製し、実施例1と同様
にアルコール発酵を行つた。発酵結果を表1に示
す。 表1に、実施例1における、オゾン反応生成物
の除去を行なつた場合、行なわなかつた場合及び
コントロールの結果も併記する。
り、特に、例えばわら類、バカス及び木くず等の
セルロース性物質に水あるいはアルカリ水溶液を
含浸し、オゾンと気−固接触反応せしめる前処理
後、次いで生物学的に該オゾン処理セルロース性
物質を微生物蛋白やエタノール等の有用物質に変
換する場合の前処理におけるオゾン反応生成物に
よる後段の生物反応への阻害を解消したセルロー
ス性物質の前処理方法に関するものである。 セルロース性物質を分解して、種々の有用物質
を得る方法としては、セルロース性物質に、
Cellulomonas flavigena ,Trichoderma
reesei,Ruminococus albs、及びClostridium
thermocellum 等のセルロース分解菌を作用せ
しめ、微生物菌体、セルラーゼ、エタノール、及
び有機酸等を直接生産する方法、あるいは、含有
セルロースをセルラーゼによりグルコースに分解
し、次いで酵母や細菌の作用により微生物菌体や
エタノールを生産する方法等があるが、これらの
場合において、セルロース性物質は、通常セルロ
ース分解菌あるいはセルラーゼが作用し難い構造
を有しており、分解率を低める原因となつてい
る。これは、セルロースが、強い結晶構造をと
り、難分解性のリグニンで覆われているためであ
り、従つて、セルロース性物質を原料として生物
学的に微生物蛋白やエタノールなどの有用物質を
生産するためには、上記構造を予め破壊するこ
と、所謂前処理が必要である。 上記前処理方法としては、オゾンを用いる方法
がある。Arthur Binderらは、破砕した麦わらを
水に懸濁し(5%程度)、オゾンを2〜8時間通
気したところ、リグニンの約50%が分解し麦わら
中のセルロースのセルロース分解菌 (Trichoderma reesei,及びChaetomium
cellulolytcum)及びセルラーゼによる分解性が
向上したことを報告している。また、処理麦わら
を除去した液に溶解しているオゾン反応生成物は
酵母(Cardida utilis,Hansenula
polymorpha)や活性汚泥にて分解できるとして
いる。〔European J .Appl.Microbiol.
Biotechnol.Vol11,1−5(1980)〕しかしなが
ら、この方法の欠点は、処理時間が長いことにあ
る。これは、オゾンの被処理液への溶解度が小さ
いこと、及び液中に溶出したリグニンやリグニン
分解物と溶解オゾンとが反応することにより、セ
ルロース性物質と反応するオゾンが少なくなるこ
とに起因しているのである。 これに対し、セルロース性物質に水あるいはア
ルカリ水溶液を含浸せしめ、これにオゾンを気−
固接触させる前処理方法(特開昭57−29293)に
よれば、処理時間は20〜60分と、大幅に短縮され
る。 一方、樋口隆昌らは、5%リグニンスルホン酸
水溶液にオゾンを通気(オゾン濃度7.2g/m3、
オゾン供給量1g/hで5時間)したところ、液
PHは5.2から2.8まで低下し、シユウ酸やマレイン
酸等の有機酸が生成されることを報告している
(昭和50年度文部省特定研究“微生物による環境
浄化研究報告”p308〜315)。 これらリグニン分解物を含むオゾン反応生成物
は、酵母や細菌の炭素源として利用できること
は、桑原正章やArthur Binderらが報告している
(桑原正章「オゾン分解リグニンスルホン酸廃液
での酵母の増殖」:昭和51年度文部省特定研究
“微生物による環境浄化研究報告”)。 しかしながら、本発明者らの検討により、気−
固接触反応にてオゾン処理したセルロース性物質
を、セルラーゼにより糖化し、濃縮した後、酵母
(Saccharomyces cerevisiae)の培養及びアルコ
ール発酵を行なつたところ、オゾン反応生成物に
よる増殖及び発酵阻害が認められた。同様に、こ
のオゾン処理セルロース性物質によりセルロース
分解菌を培養したところ、オゾン反応生成物によ
る増殖阻害が認められた。 気−液−固系でのオゾン処理ではオゾン反応生
成物は主に液側に溶出するため、原料中に残留す
るオゾン反応生成物の量は少ないが、一方、気−
固接触反応ではオゾン反応生成物は、原料中にす
べて残留する。また、セルロース性物質のセルロ
ース含量は、40%程度であることから、目的生産
物を高濃度で得るには高濃度の原料仕込みが必要
である。従つて、オゾンとの気−固接触反応によ
り前処理したセルロース性物質を原料とした場合
には、後段の生物反応利用プロセスにおいて、反
応阻害因子となるオゾン反応生成物の濃度は高く
なる。このことから、気−固接触反応でのオゾン
前処理方法を採用した場合には、オゾン反応生成
物による生物反応への阻害作用を解消することが
必要となる。 本発明者らは、このような認識に基づき、以下
の如き検討を種々試みた。 まず、水あるいはアルカリ水溶液を含浸せしめ
たセルロース性物質をオゾンと気−固接触反応
し、次いで水溶液中に懸濁すると、液のPH値は、
1.2〜1.4と著しく低い値となつた。この状態のま
まで、セルロース性物質に直接セルラーゼあるい
はセルロース分解菌を作用させた場合、各々の活
性は低下し、最悪の場合には、失活してしまう。 そこで、アルカリにて中和後、セルラーゼある
いはセルロース分解菌を作用させてみた。まず、
市販セルラーゼにて、上記オゾン処理したセルロ
ース性物質を中和した後糖化し、糖化液を濃縮後
アルコール発酵を行なつた。その結果、エタノー
ル生成速度が著しく低下し、長い発酵時間を要し
た。この原因を解析したところ、中和により生成
する塩の濃度が高くなるためと考えられた。そこ
で、上記濃縮液と同様の塩濃度(NaCl)を含む
合成倍地にてアルコール発酵を行つたところ、エ
タノール生成速度の低下はある程度認められたも
のの、その生成速度は上記濃縮液の場合よりも大
きな値であつた。このことから、オゾン反応生成
物自身がアルコール発酵を阻害しているものと考
えられた。 そこで、前記アザン処理したセルロース性物質
より、オゾン反応生成物を除去した後、上記と同
様の操作を行なつた。その結果、アルコール発酵
の阻害はなくなり、発酵時間が約1/4に短縮され
た。 次に、コンポストから分離したセルロース分解
菌を上記オゾン処理したセルロース性物質を含む
合成倍地で培養を行つた。その結果、セルロース
性物質の添加量が増大するに従つて、該セルロー
ス分解菌の増殖速度が低下した。これも、また、
オゾン反応生成物がセルロース分解菌の増殖を阻
害するためであることが判明した。 以上より、オゾン処理したセルロース性物質の
オゾン反応生成物の濃度如何によつて、後段の微
生物反応に阻害作用が現われることが明らかとな
つた。 そこで、このようなオゾン反応生成物による阻
害作用の解消方法を探索すべく、まずオゾン反応
生成物を分析した。上記オゾン処理セルロース性
物質よりオゾン反応生成物を抽出し、次いで液体
クロマトグラフイーにて組成を調べた。その結
果、シュウ酸、グリオキシル酸、ギ酸、酢酸等の
有機酸や、酸性で紫外線に吸収をもつ物質等多種
検出された。従つて、これらの物質が、単独ある
いは複数で微生物反応を阻害していると考えられ
る。また、使用する微生物如何によつて、阻害物
質も変わるものと考えられる。従つて、阻害解消
方法を確立するには、使用する微生物毎に阻害物
質を明らかにし、その機構を解明せねばならな
い。しかしながら、これには、労力と手間がかか
り、かりに個々の阻害物質が判明したとしても、
その物質を選択的に除去することが困難な場合も
あり得る。むしろ、そのような解析を行なわなく
ても、上記検討結果から、阻害物質及びその阻害
機構が不明であつても、オゾン処理セルロース性
物質からオゾン反応生成物を除去さえすれば、オ
ゾン反応生成物の微生物反応阻害は解消できるこ
とは極めて明白である。本発明は、このような検
討に基づき、セルロース性物質のオゾンによる前
処理にあたり、オゾン反応生成物を除去すること
により、後段の微生物反応の反応性が向上すると
いう知見を得て、達成されたものである。 本発明の目的は、従来法の欠点を解消し、気−
固接触反応系でセルロース性物質をオゾンにより
前処理して、後の生物学的反応に供するにあた
り、反応阻害を解消し、工業的有利に有用物質を
得ることができる、セルロース性物質の前処理方
法を提供することにある。 本発明は、セルロース性物質を生物反応により分
解するあたり、水又はアルカリ水溶液を含浸させ
たセルロース性物質をオゾンと気−固接触反応さ
せるセルロース性物質の前処理方法において、オ
ゾンとの気−固接触反応により得られるオゾン処
理セルロース性物質から、オゾン反応生成物を除
去することを特徴とするセルロース性物質の前処
理方法、及び、該オゾン処理セルロース性物質か
ら除去したオゾン反応生成物を回収することを特
徴とするセルロース性物質の前処理方法、を要旨
とするものである。 以下に本発明を図面を参照して詳細に説明す
る。 第1図は、本発明の方法を実施するに好適な装
置の系統図を示し、セルロース性物質1に水ある
いはアルカリ水溶液を含浸せしめる調湿混合工
程、該セルロース性物質とオゾンとを気−固接触
反応させるオゾン処理工程、及びオゾン反応生成
物を除去する工程とから構成されている。 セルロース性物質1としては、わら類、バガ
ス、コーンストーバー(トウモロコシの穂軸)、
干し草、及び木くず等のリグニンを含有する植物
繊維等が採用される。これらを破砕した破砕原料
は、調湿混合槽2にて貯槽3より送られた水ある
いはアルカリ水溶液と混合される。この時の混合
時間は、セルロース性物質1の含水率が均一とな
るまでの時間とするのが好ましい。次いで、混合
槽2の底部のバルブ4を開き、供給フイダー5に
て該セルロース性物質1をオゾン反応槽6に送
る。オゾン反応槽6は、セルロース性物質1とオ
ゾンとが気−固接触反応できる槽構造であれば良
く、特に限定されない。本例では、オゾン反応槽
6は、充填槽型の反応槽を用いた。セルロース性
物質は、オゾン反応槽6内で充填層を形成する。
このとき、反応槽6の底部よりオゾン発生機7に
て調製したオゾンを通気した。オゾンは、該セル
ロース性物質の充填層内を上昇し、セルロース性
物質と気−固接触反応し、未反応オゾンは、槽上
部より槽外に排出され、活性炭等により処理され
る。なお、充填型槽内では、高さ方向の分布が生
じる。そこで、本例では、充填層を高さ方向で区
分し、槽底部の区分にあるセルロース性物質のオ
ゾン反応量をオゾン濃度変化より測定し、その値
が設定値に達した時、オゾンの通気を止めて、抜
き出しコンベヤ8にてその区分にあるセルロース
性物質を抜き出した。そして、供給フイダー5に
てセルロース性物質を追加供給し、再びオゾンを
吹き込み、オゾン処理を行なう操作をくり返し
た。このような操作により、セルロース性物質
は、オゾン反応槽6内を下降しながらオゾンと気
−固接触反応する。なお、オゾンの吹込み口は、
セルロース性物質の下降の障害とならないように
設置されている。 抜き出しコンベヤ8にて抜き出されたオゾン処
理セルロース性物質は、沈殿槽11から送られた
水と同コンベヤ8内にて混合される。ここでの混
合は、専用の混合槽を設けても良く、その混合方
法は特に限定されるものでない。また、混合する
水の量はオゾン処理セルロース性物質の乾燥重量
に対する水の割合で、2から15、即ち、混練状況
下で混合するのが好ましい。このように混合した
セルロース性物質を排出ダンパー9を開き、固液
分離機10に送つた。この固液分離機10にてセ
ルロース性物質と液とを分離した。本実施例で
は、固液分離機として遠心脱水機を用いたが、オ
リーバフイルター、フイルタープレス等のろ過機
やロールミル等の圧搾機でも良い。特に、本発明
においては、ロールミル等で圧搾脱水を行なうの
が効果的である。この水添加−混合−脱水の操作
は、オゾン反応生成物の除去率を高めるために、
繰り返し行なつてもよい。次いで、脱水により得
られる分離液を沈殿槽11に送り、アルカリ剤水
溶液貯槽12から送つたアルカリ剤にて中和し
た。アルカリ剤としては、苛性ソーダや消石灰等
の水溶液で良く、特に限定するものでない。ここ
での沈殿物13は、槽底部より回収しその上澄液
は、抜き出しコンベヤ8へ循環使用する。得られ
る沈殿物13は、有機物として有利なシユウ酸等
の有機酸塩である。 本発明においては、固液分離機10における脱
水により得られた分離液を逐次メタン発酵槽等の
嫌気性発酵槽に添加し、得られる生成物を回収す
る方法により、オゾン反応生成物の回収を行なう
こともできる。例えば、分離水をメタン発酵槽に
添加した場合には、有機合成に有用なメタンが回
収されることとなる。 このような方法により、本発明においてはオゾ
ン処理セルロース性物質からオゾン反応生成物が
回収された、前処理済のセルロース性物質14
は、固液分離機10より取り出され、後段の生物
反応工程へ送られる。 以下に本発明を実施例等により更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下
の実施例により限定されるものではない。 実施例 1 供試セルロース性物質として、バガスを用い、
セルラーゼにて糖化し、アルコール発酵を行なつ
た。 供試乾燥バガスに0.1%NaOH水溶液を重量比
1:1で混合し、次いでオゾン反応槽にてオゾン
と気−固接触させた。入口のオゾン濃度を11g/
m3、通気量を2.4m3/hとした。接触時間40分後
にオゾン処理バガスを抜き出した。このときのオ
ゾン反応量は、0.06Kg−O3/Kg−バガスであつ
た。これを2倍量の水と混合し、次いで脱水して
分離液を分離した。 以上の前処理を施したバガスに市販セルラーゼ
を作用し糖化を行なつた。糖化条件は、バガス仕
込み濃度20%、PH4.8、温度50℃、そして糖化時
間は38時間とした。その結果、グルコース濃度
4.5%の糖液が得られた。このとき、同時に比較
例として、水添加−脱水の操作をしなかつたバガ
スについて同様の糖化を行つた。なお、このとき
の中和剤としてNaOHを使用した。得られた糖
液のグルコース濃度は、4.3%で、上記オゾン反
応生成物除去処理済のバガスの場合とほぼ同じで
あつた。両糖液を3倍濃縮し、次いで酵母にてア
ルコール発酵を行つた。なお、発酵にあたりアス
パラギン、リン酸−カリウム及び硫酸マグネシウ
ムを各々、1当り2.5g、1.0g及び3.0g添加し
た。また、PHは、5.0、温度は、30℃とした。な
お、コントロールとして、上記添加物質及びグル
コース130gを水1に溶解し、グルコース濃度
を上記濃縮液と同じにした合成培地での発酵も行
なつた。 第2図に発酵結果を示す。第2図より、本発明
方法によりオゾン反応生成物を除去した場合の発
酵Aは、合成倍地での発酵Cとほぼ同じであるの
に対し、オゾン反応生成物の除去を行なわない場
合の発酵Bは著しく発酵が阻害されていることが
明らかである。 このときの液中のオゾン反応生成物の濃度をソ
ーダ塩として比較したところ、本発明方法により
オゾン反応生成物を除去したものは約25g/で
あるのに対し、オゾン反応生成物の除去を行なわ
ないものは約50g/となつていた。なお、糖化
前の状態でのオゾン反応生成物の濃度は各々、約
8.5g/及び約40g/である。従つて3倍に
濃縮したことにより、オゾン反応生成物の濃度は
本発明方法によりオゾン反応生成物を除去した場
合には約25g/(約8.5g/×3)で一致す
るが、オゾン反応生成物を除去しない場合には約
120g/となり約50g/と一致しない。これ
は、糖化及び発酵時のPH調製により、オゾン反応
生成物がソーダ塩として沈殿するためとみられ
る。 参考例 1 オゾン反応生成物の大部分は、ソーダ塩とし
て、溶解している。そこで、アルコール発酵への
塩濃度の影響を調べた。 塩としてNaClを用い、NaCl濃度が25g/及
び50g/の合成培地を調製し、実施例1と同様
にアルコール発酵を行つた。発酵結果を表1に示
す。 表1に、実施例1における、オゾン反応生成物
の除去を行なつた場合、行なわなかつた場合及び
コントロールの結果も併記する。
【表】
表1からわかるように塩濃度によるアルコール
発酵への影響が認められたが、オゾン反応生成物
濃度の大きな、オゾン反応生成物を除去しない場
合は、NaCl濃度50g/の場合の約1/3と小さ
い。これに対して、オゾン反応生成物を除去した
場合とNaCl濃度25g/とを比較すると前者の
方が大きい。これらの結果より単なる塩濃度でな
くオゾン反応生成物濃度如何によつてアルコール
発酵が阻害されることがわかる。 実施例 2 実施例1において調製した糖液(オゾン反応生
成物を除去したもの及びオゾン反応生成物を除去
しないもの)を用いて、酵母の培養を行なつた。
またコントロールとして、炭素源がグルコースの
合成培地での培養を行なつた。さらに参考として
NaCl濃度50g/のグルコースの合成培地での
培養を行なつた。培養条件はPH5.0、温度30℃で
振盪培養とした。表2に培養終了後の菌濃度を示
す。ただし、初期菌濃度は2g/であつた。
発酵への影響が認められたが、オゾン反応生成物
濃度の大きな、オゾン反応生成物を除去しない場
合は、NaCl濃度50g/の場合の約1/3と小さ
い。これに対して、オゾン反応生成物を除去した
場合とNaCl濃度25g/とを比較すると前者の
方が大きい。これらの結果より単なる塩濃度でな
くオゾン反応生成物濃度如何によつてアルコール
発酵が阻害されることがわかる。 実施例 2 実施例1において調製した糖液(オゾン反応生
成物を除去したもの及びオゾン反応生成物を除去
しないもの)を用いて、酵母の培養を行なつた。
またコントロールとして、炭素源がグルコースの
合成培地での培養を行なつた。さらに参考として
NaCl濃度50g/のグルコースの合成培地での
培養を行なつた。培養条件はPH5.0、温度30℃で
振盪培養とした。表2に培養終了後の菌濃度を示
す。ただし、初期菌濃度は2g/であつた。
【表】
上記表2より、オゾン反応生成物の除去を行な
つた場合が最も菌濃度が高く、オゾン反応生成物
の除去を行なわない場合が最も低いことがわか
る。このことから、オゾン反応生成物が、酵母の
増殖を阻害していることが明らかである。 実施例 3 セルロース性物質として稲わら、麦わら及びト
ウモロコシの穂軸を用いて、実施例1と同様の発
酵試験を行つた。 発酵の結果を表3に示す。
つた場合が最も菌濃度が高く、オゾン反応生成物
の除去を行なわない場合が最も低いことがわか
る。このことから、オゾン反応生成物が、酵母の
増殖を阻害していることが明らかである。 実施例 3 セルロース性物質として稲わら、麦わら及びト
ウモロコシの穂軸を用いて、実施例1と同様の発
酵試験を行つた。 発酵の結果を表3に示す。
【表】
3種のセルロース性物質とも実施例1と同様の
結果を得た。 実施例 4 実施例1においてオゾン処理後オゾン反応生成
物を除去したバガス及びオゾン処理後オゾン反応
生成物を除去しないバガスを各々炭素源として、
コンポストから分離したセルロース分解菌を培養
し、増殖量を比較した。 上記バガス以外の培地の組成は、塩化ナトリウ
ム6.0g/、硫酸アンモニウム1.0g/、リン
酸一カリウム0.5g/、リン酸二カリウム0.5
g/、硫酸マグネシウム0.5g/、塩化カル
シウム0.3g/及び酵母エキス1.0g/とし
た。また培地PHは、6.0とした。バガス濃度は、
初期は20g/として、逐時添加し、全バガス添
加量は、培地1当り100gとなつた。 なお、培養温度は50℃である。 第3図に培養結果を示す。第3図よりわかるよ
うにオゾン反応生成物の除去操作をしない場合E
では、添加バガス濃度が高くなるに従つて、菌体
生成量が低下し、オゾン反応生成物の除去操作を
した場合Dに比べ増殖が悪い。 以上より本発明によれば、オゾン処理後の微生
物反応へのオゾン反応生成物の阻害を解消できる
ことが明らかである。 実施例 5 実施例1より得られた分離液からの有機酸回収
試験を行つた。 実施例1において、水添加混合−脱水処理によ
り得られた分離液に消石灰を添加したところ、白
い沈殿物が得られた。これを分析したところ、シ
ユウ酸カルシウムであつた。従つて、オゾン処理
したセルロース性物質から、可溶性のオゾン反応
物質を取り出せば、シユウ酸を回収できることが
わかる。 実施例 6 実施例1より得られた分離液をメタン発酵槽に
添加したところ、メタンが回収できた。 実施例5、6によれば、オゾン反応生成物より
シユウ酸やメタンなどの有用物質が得られること
が明らかである。 実施例 7 オゾン反応生成物の除去に、ロールミル及び遠
心脱水機を用いた場合のセルロース性物質のセル
ラーゼによる分解性を比較した。 実施例1において、オゾン処理したバガスを水
と混合し次いで脱水するにあたり、ロールミルに
より脱水したバガスと遠心脱水機により脱水した
バガスとを用い、各々、市販セルラーゼによる糖
化率を調べた。結果を表4に示す。
結果を得た。 実施例 4 実施例1においてオゾン処理後オゾン反応生成
物を除去したバガス及びオゾン処理後オゾン反応
生成物を除去しないバガスを各々炭素源として、
コンポストから分離したセルロース分解菌を培養
し、増殖量を比較した。 上記バガス以外の培地の組成は、塩化ナトリウ
ム6.0g/、硫酸アンモニウム1.0g/、リン
酸一カリウム0.5g/、リン酸二カリウム0.5
g/、硫酸マグネシウム0.5g/、塩化カル
シウム0.3g/及び酵母エキス1.0g/とし
た。また培地PHは、6.0とした。バガス濃度は、
初期は20g/として、逐時添加し、全バガス添
加量は、培地1当り100gとなつた。 なお、培養温度は50℃である。 第3図に培養結果を示す。第3図よりわかるよ
うにオゾン反応生成物の除去操作をしない場合E
では、添加バガス濃度が高くなるに従つて、菌体
生成量が低下し、オゾン反応生成物の除去操作を
した場合Dに比べ増殖が悪い。 以上より本発明によれば、オゾン処理後の微生
物反応へのオゾン反応生成物の阻害を解消できる
ことが明らかである。 実施例 5 実施例1より得られた分離液からの有機酸回収
試験を行つた。 実施例1において、水添加混合−脱水処理によ
り得られた分離液に消石灰を添加したところ、白
い沈殿物が得られた。これを分析したところ、シ
ユウ酸カルシウムであつた。従つて、オゾン処理
したセルロース性物質から、可溶性のオゾン反応
物質を取り出せば、シユウ酸を回収できることが
わかる。 実施例 6 実施例1より得られた分離液をメタン発酵槽に
添加したところ、メタンが回収できた。 実施例5、6によれば、オゾン反応生成物より
シユウ酸やメタンなどの有用物質が得られること
が明らかである。 実施例 7 オゾン反応生成物の除去に、ロールミル及び遠
心脱水機を用いた場合のセルロース性物質のセル
ラーゼによる分解性を比較した。 実施例1において、オゾン処理したバガスを水
と混合し次いで脱水するにあたり、ロールミルに
より脱水したバガスと遠心脱水機により脱水した
バガスとを用い、各々、市販セルラーゼによる糖
化率を調べた。結果を表4に示す。
【表】
表4よりわかるように、オゾン反応生成物の除
去方法は、セルロース性物質の生物分解性に影響
を与える。ロールミールでは、セルロース性物質
の繊維構造破壊が、オゾン反応生成物の除去と同
時に進行するためと考えられる。 従つて、本実施例のようにロールミルでの圧搾
脱水方法によれば、圧搾効果と繊維構造破壊効果
が得られ、糖化率が向上するので、極めて有利で
ある。 本発明によれば、オゾン反応生成物による生物
反応への阻害を解消できることから、セルロース
性物質の生物分解性が向上する。そして、セルロ
ース性物質からエタノールや微生物蛋白等を生産
するプロセスにおいて、オゾン処理したセルロー
ス性物質の高濃度仕込みが可能となり、濃度の高
い目的生産物が得られるプロセスの効率が向上す
る。 また、オゾン反応生成物の除去にあたり、単に
水中にオゾン処理セルロース性物質を放置しただ
けでは溶出速度が十分でなく、多量の水を必要と
する(これはオゾン反応生成物が含浸状態でセル
ロース性物質の繊維内に残留しているためである
と考えられる。)のに対し、オゾン処理セルロー
ス性物質と水とを混合し、好ましくは、混練状態
の混合になるように水を添加し、混合後圧搾など
により物理的な力を加えて脱水することによりオ
ゾン反応生成物はさらに良好に除去できる。ま
た、このオゾン反応生成物は、本発明により、有
用な物質として有効に回収することができる。
去方法は、セルロース性物質の生物分解性に影響
を与える。ロールミールでは、セルロース性物質
の繊維構造破壊が、オゾン反応生成物の除去と同
時に進行するためと考えられる。 従つて、本実施例のようにロールミルでの圧搾
脱水方法によれば、圧搾効果と繊維構造破壊効果
が得られ、糖化率が向上するので、極めて有利で
ある。 本発明によれば、オゾン反応生成物による生物
反応への阻害を解消できることから、セルロース
性物質の生物分解性が向上する。そして、セルロ
ース性物質からエタノールや微生物蛋白等を生産
するプロセスにおいて、オゾン処理したセルロー
ス性物質の高濃度仕込みが可能となり、濃度の高
い目的生産物が得られるプロセスの効率が向上す
る。 また、オゾン反応生成物の除去にあたり、単に
水中にオゾン処理セルロース性物質を放置しただ
けでは溶出速度が十分でなく、多量の水を必要と
する(これはオゾン反応生成物が含浸状態でセル
ロース性物質の繊維内に残留しているためである
と考えられる。)のに対し、オゾン処理セルロー
ス性物質と水とを混合し、好ましくは、混練状態
の混合になるように水を添加し、混合後圧搾など
により物理的な力を加えて脱水することによりオ
ゾン反応生成物はさらに良好に除去できる。ま
た、このオゾン反応生成物は、本発明により、有
用な物質として有効に回収することができる。
第1図は、本発明の方法を実施するに好適な装
置を示す系統図である。第2図は実施例1による
発酵結果を示すグラフである。第3図は実施例4
による培養結果を示すグラフである。 1……セルロース性物質、2……調湿混合槽、
3……貯槽、4……バルブ、5……供給フイダ
ー、6……オゾン反応槽、7……オゾン発生機、
8……抜き出しコンベア、9……排出ダンパー、
10……固液分離機、11……沈殿槽、12……
アルカリ剤水溶液貯槽、13……沈殿物、14…
…前処理済セルロース性物質。
置を示す系統図である。第2図は実施例1による
発酵結果を示すグラフである。第3図は実施例4
による培養結果を示すグラフである。 1……セルロース性物質、2……調湿混合槽、
3……貯槽、4……バルブ、5……供給フイダ
ー、6……オゾン反応槽、7……オゾン発生機、
8……抜き出しコンベア、9……排出ダンパー、
10……固液分離機、11……沈殿槽、12……
アルカリ剤水溶液貯槽、13……沈殿物、14…
…前処理済セルロース性物質。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 セルロース性物質を生物反応により分解する
にあたり、水又はアルカリ水溶液を含浸させたセ
ルロース性物質をオゾンと気−固接触反応させる
セルロース性物質の前処理方法において、下記工
程からなる手順を含むことを特徴とするセルロー
ス性物質の前処理方法。 イ オゾン処理を施したセルロース性物質に水を
添加混合し、次いで圧搾操作により脱水を行う
ことによつてリグニン分解性成物の有機酸を溶
出除去した後、後段の生物反応工程に供する工
程、 ロ 上記溶出分離液にアルカリを添加して有機酸
を沈殿回収する工程、あるいは、該分離液をメ
タン発酵槽に添加してメタンに変換する工程。 2 上記の水添加量が上記オゾン処理セルロース
性物質の乾燥重量に対して重量比で2〜15の範囲
であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記
載のセルロース性物質の前処理方法。 3 上記有機酸を沈殿させて得られる水溶液を上
記オゾン処理セルロース性物質に添加する水とし
て循環使用することを特徴とする特許請求の範囲
第1項および第2項記載のセルロース性物質の前
処理方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15809182A JPS5947201A (ja) | 1982-09-13 | 1982-09-13 | セルロ−ス性物質の前処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15809182A JPS5947201A (ja) | 1982-09-13 | 1982-09-13 | セルロ−ス性物質の前処理方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5947201A JPS5947201A (ja) | 1984-03-16 |
| JPH0365155B2 true JPH0365155B2 (ja) | 1991-10-09 |
Family
ID=15664098
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP15809182A Granted JPS5947201A (ja) | 1982-09-13 | 1982-09-13 | セルロ−ス性物質の前処理方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS5947201A (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP5822101B2 (ja) * | 2010-08-04 | 2015-11-24 | 愛媛県 | セルロース溶液の製造方法、セルロース析出体の製造方法、及びセルロースの糖化方法 |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS56116701A (en) * | 1980-02-21 | 1981-09-12 | Hitachi Ltd | Pretreatment of cellulosic material |
| JPS5839520B2 (ja) * | 1980-03-05 | 1983-08-30 | 日立造船株式会社 | セルロ−ス物質の糖化方法 |
-
1982
- 1982-09-13 JP JP15809182A patent/JPS5947201A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS5947201A (ja) | 1984-03-16 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US5221357A (en) | Method of treating biomass material | |
| US5366558A (en) | Method of treating biomass material | |
| US5125977A (en) | Two-stage dilute acid prehydrolysis of biomass | |
| US4384897A (en) | Method of treating biomass material | |
| US4395543A (en) | Selective solvent extraction of cellulosic material | |
| CN106574278B (zh) | 通过分开的糖化和发酵步骤从木质纤维素材料制备乳酸和/或乳酸盐 | |
| BG100071A (bg) | Метод за получаване на захари чрез хидролиза съссилна киселина на целулозни и хемицелулозни продукти | |
| EP0143490B1 (en) | Process for the preparation of oligosaccharides-containing products from biomass, oligosaccharides-containing products and their use | |
| AU2022201148B2 (en) | Efficient Methods And Compositions For Recovery Of Products From Organic Acid Pretreatment Of Plant Materials | |
| CN111441187A (zh) | 一种综合利用秸秆联产纤维糖、瓦楞纸浆、木质素、沼气及有机肥的方法 | |
| EP2640812A1 (en) | Process for the hydrothermal carbonization of biological material and use of the obtained water for fermentation | |
| JP2010136702A (ja) | エタノールの製造方法 | |
| Ek et al. | Utilization of the white‐rot fungus Sporotrichum pulverulentum for water purification and protein production on mixed lignocellulosic wastewaters | |
| JP2014158437A (ja) | リグノセルロース系バイオマスの糖化液、及びその製造方法と使用方法 | |
| JPH0365155B2 (ja) | ||
| EP0062027B1 (de) | Verfahren zur Gewinnung von Monosacchariden sowie Anlage zur Durchführung des Verfahrens | |
| JPS6258361B2 (ja) | ||
| US12606849B2 (en) | Converting lignocellulosic feedstock to fuel | |
| JP2014090707A (ja) | リグノセルロース含有バイオマスの酵素糖化処理方法及びリグノセルロース含有バイオマスからのエタノール製造方法 | |
| CN109402196A (zh) | 一种利用生物质生产生物液体燃料的方法 | |
| JPS6219920B2 (ja) | ||
| JP6123504B2 (ja) | エタノールの製造方法 | |
| WO2015142399A1 (en) | Preparation of biomass | |
| CN117487191B (zh) | 一种生物质发酵中固体残渣的处理方法 | |
| CN111172217A (zh) | 生物质的糖化方法及其应用 |