JPH0365429B2 - - Google Patents
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- JPH0365429B2 JPH0365429B2 JP58083640A JP8364083A JPH0365429B2 JP H0365429 B2 JPH0365429 B2 JP H0365429B2 JP 58083640 A JP58083640 A JP 58083640A JP 8364083 A JP8364083 A JP 8364083A JP H0365429 B2 JPH0365429 B2 JP H0365429B2
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D8/00—Modifying the physical properties of ferrous metals or ferrous alloys by deformation combined with, or followed by, heat treatment
- C21D8/12—Modifying the physical properties of ferrous metals or ferrous alloys by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of articles with special electromagnetic properties
- C21D8/1216—Modifying the physical properties of ferrous metals or ferrous alloys by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of articles with special electromagnetic properties characterised by the working steps
- C21D8/1222—Hot rolling
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- Thermal Sciences (AREA)
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- Electromagnetism (AREA)
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- Materials Engineering (AREA)
- Metallurgy (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Manufacturing Of Steel Electrode Plates (AREA)
- Soft Magnetic Materials (AREA)
Description
この発明は方向性珪素鋼板の製造方法に関し、
特にそのスラブの熱間圧延方法に関するものであ
る。 周知のように方向性珪素鋼板は変圧器その他の
各種電気機器に使用されるものであり、その磁気
特性としては、例えば磁化力が1000A/mのとき
の磁束密度B10値が高いこと、また磁束密度1.7テ
スラ、周波数50Hzにおける鉄損値W17/50値が低い
ことが要求される。このような方向性珪素鋼板は
2次再結晶現象によつて(110)[001]方位すな
わち所謂ゴス方位に近い方位の結晶粒を揃えたも
のであるが、より優れた磁気特性を得るために
は、2次再結晶粒が可及的にゴス方位に揃つてい
ることが要求される。 上述のように2次再結晶粒をゴス方位に揃える
ためには、一般にはインヒビターと称される
MnS、MnSeあるいはAlN等の微細析出分散相に
よつて、磁気特性に悪影響を与える方位の1次再
結晶粒の成長を抑制するとともに、ゴス方位の2
次再結晶粒が優先的に成長するに適した集合組織
を2次再結晶開始前に形成しておくことが必要で
ある。 ところでゴス方位の結晶組織を有する鋼板を冷
間圧延した後再結晶させれば、再びゴス方位の結
晶組織が生成されることが知られている。したが
つて熱間圧延によつて得られる珪素鋼熱延母帯の
集合組織がその後の工程における集合組織の出発
点となる。そこで本発明者等は熱延母帯の集合組
織を最善ならしめるべく鋭意研究を重ねたとこ
ろ、熱延条件を従来とは変えて、熱間粗圧延終了
温度を950〜1150℃、粗圧延最終バスの圧下率を
30%以上とすることによつて、従来の熱延方法で
は得られなかつた強いゴス方位への集積を有する
熱延母帯が得られ、その結果製品の磁気特性を従
来よりも改善し得ることを見出し、既に特許出願
として提案している。 すなわち、珪素鋼スラブに対する熱間圧延前の
加熱処理は、インヒビター形成元素を充分に解離
固溶させるために、1250℃程度以上の高温で加熱
する必要があり、一方スラブ加熱炉から抽出され
た加熱スラブは、通常は粗圧延機と称される1ス
タンドのミル1基で可逆的にまたは複数スタンド
のミルで連続的もしくは可逆的に圧延した後、仕
上げ圧延機と称される数スタンドのミルで所定厚
さまで連続的に圧延するのが最も一般的である
が、従来このような熱間圧延においては主として
生産性の面からの要請により可及的に高速で圧延
することが好ましいとされ、スラブの加熱炉抽出
から圧延終了まではわずか2〜5分程度の短い時
間となつており、そのため熱間圧延中のスラブ温
度降下量も少なく、従来は粗圧延終了時のスラブ
表面温度が1180℃以上の高い温度となつているの
が実情であつた。しかるに本発明者等は熱延集合
組織の改善を図るべく熱延条件を綿密に検討した
結果、粗圧延終了時のスラブ表面温度が低いほど
熱延母帯の(110)面強度が強くなること、そし
て特に粗圧延終了時のスラブ表面温度を従来より
も低い950〜1150℃の範囲内となるように制御す
ることが磁気特性改善に極めて有利であること、
但しその場合に実際に優れた磁気特性を得るため
には粗圧延の最終パスを30%以上の圧下率とする
必要があることを新規に知見し、前記提案をなし
たのである。 しかしながら本発明者等が上記方法を実操業に
適用すべくさらに実験・検討を進めたところ、熱
延時のスラブ後端部に相当するコイルで磁気特性
が劣化する現象が生じる場合があることが判明し
た。そしてその原因を調査したところ、特に大型
のスラブを素材として用いた場合に生じる現象で
あることが判明し、さらに調査を進めたところ、
熱間粗圧延開始後、粗圧延終了温度を950〜1150
℃に制御するために圧延速度を低下させたり圧延
途中での放冷を行なつたりした際に、その粗圧延
工程期間中に特に大型スラブの後端部でインヒビ
ターの粗大化が進行してそのインヒビターの機能
が低下することが原因であると判明した。 すなわち本発明者等は、大型スラブを1250℃以
上に加熱して熱間圧延するにあたり、粗圧延終了
温度を950〜1150℃の範囲内に制御するべく熱間
粗圧延速度を低下させた場合における熱延鋼帯の
先端および後端についてインヒビターの析出状況
を調べたところ、先端では第1図Aに示すように
微細かつ均一に析出しているのに対し、後端では
第1図Bに示すように粗大な析出物が生じること
が判明し、またその熱延鋼帯から得られた最終製
品板では熱延時スラブ後端位置に対応する部分で
磁気特性が実際に低下していることが確認され
た。一方、本発明者等の研究によれば、素材スラ
ブの温度が1100℃程度以下になればインヒビター
の析出が開始され、時間の経過とともに粗大化が
進行することが判明している。これらの事実か
ら、前述の現象の発生原因は、スラブ先端部と後
端部における粗圧延開始から仕上げ圧延終了まで
の熱延所要時間の差が大型スラブでは著しく大き
くなり、特に熱延所要時間の長い後端部ではイン
ヒビターの粗大化が進行し、インヒビターの機
能、すなわち2次再結晶時における1次再結晶粒
成長抑制機能が低下することにあることが判明し
た。そしてこのような知見に基いてさらに検討を
進めた結果、粗圧延終了温度を950〜1150℃の範
囲に制御するに際して、素材が大型のスラブであ
つても熱延所要時間を4分以内とすることによつ
て熱延時の素材スラブ後端のインヒビターの粗大
化を防止して、その後端に対応する製品部位の磁
気特性低下を防止し得ることを見出し、この発明
をなすに至つたのである。 したがつてこの発明は、前記提案の方向性珪素
鋼板の製造方法を改良して、素材として大型スラ
ブを用いた場合でも熱延時後端に対応する製品部
位の磁気特性低下を防止する方法を提供すること
を目的とするものである。 すなわちこの発明の方法は、Si2〜4.5重量%を
含有する方向性珪素鋼板用スラブを1250℃以上の
温度に加熱して、粗圧延およひ仕上げ圧延により
熱間圧延し、次いで1回または2回以上の冷間圧
延を施して最終板厚とした後脱炭焼鈍し、さらに
最終仕上げ焼鈍を施す方向性珪素鋼板の製造方法
において、前記粗圧延の最終パスの圧下率を30%
以上とするとともに粗圧延終了温度を950〜1150
℃の範囲内とし、かつ粗圧延開始から仕上げ圧延
終了までの熱間圧延所要時間を4分以内とするこ
とを特徴とするものである。 以下この発明の方法をさらに詳細に説明する。 この発明の方法で使用される方向性珪素鋼板用
素材としては、Siを2〜4.5%含有することが必
要である。Siが2%未満では充分な磁気特性が得
られず、4.5%を越えれば冷間圧延が困難となり、
好ましくない。また素材は、インヒビター形成元
素として、Mn、S、Se、Al、N、Sb、B、Bi
およびCuなどのうちから適宜選んで少量含有さ
せておく。 上述のような素材スラブに対しては、熱間圧延
に先立つて1250℃以上の高温に加熱する。このよ
うに1250℃以上に加熱する理由は、前述したよう
にインヒビター形成元素を充分に解離固溶させて
おくためである。 1250℃以上に加熱された素材スラブは、熱間圧
延に供される。この熱間圧延は前述したように粗
圧延と仕上げ圧延とを組合わせて行なうのが通常
であるが、この発明の方法では前記提案の方法と
同様に粗圧延段階での最終パスの圧下率を950〜
1150℃の範囲内とする。これらの条件は最も優れ
た磁気特性を得るために必要なものであつて、本
発明者等の詳細な実験の結果得られたものであ
る。粗圧終了労温度が950℃未満では次の仕上げ
圧延過程で適切なインヒビターの分散析出相が得
られず、そのため製品磁気特性が劣化する。一方
1150℃を越えれば熱延母帯の集合組織の(110)
方位への集積が1150℃以下の場合よりも弱くな
る。また粗圧延終了温度を950〜1150℃に制御し
ても、粗圧延最終パスの圧下率が30%未満では優
れた製品磁気特性が得られない。 ところで上記粗圧延終了温度条件および粗圧延
最終パス圧下率条件を満足している場合でも、前
述したようにスラブ長さが長い大型スラブを用い
た場合、熱延時後端における磁気特性が低下する
ことができる。すなわち第2図はスラブ長さの異
なる3グループ、計5本のスラブ、すなわち一般
的なスラブよりも長いスラブA、通常の長さスラ
ブBおよびC、一般的なスラブよりも短いスラブ
DおよびEについて、種々の熱延条件で熱延して
得た熱延板を用いて製造した方向性珪素鋼板の磁
束密度を粗圧延終了温度と対応して示すものであ
り、第2図に示すように従来知られている熱延条
件で粗圧延を行なつたスラブEと比べて、この発
明で規定する950〜1150℃の温度範囲で粗圧延を
行なつた各スラブは全般的に磁気特性が良好とな
つているが、特に長大なスラブAの場合は粗圧延
終了温度が950〜1150℃の範囲を満足しているに
もかかわらず後端において磁気特性が低下してい
る。大型スラブ使用によるコイル単重増加は歩留
りを向上させる上において有効な手段であり、し
たがつて大型スラブ使用時の上述の現象は工業的
に好ましくない。そこで本発明者等が研究を重ね
た結果、前述したように大型スラブ使用時の前述
の現象はその後端で熱延所要時間が長時間となる
ことに起因していることが判明し、さらに研究を
進めたところ、次に示すようにスラブ後端をも4
分以内で熱延を終了させることにより上述の現象
を防止し得ることを見出したのである。 第3図に、粗圧延終了温度を980℃もしくは
1000℃としたコイルについて、熱延所要時間と製
品磁束密度B10値との関係を調べた結果を示す。
第3図から明らかなように、熱延所要時間が4分
を越えた場合に磁気特性が低下する。したがつて
スラブ後端をも熱延所要時間が4分以内となるよ
うに制御することによつて後端の磁気特性低下を
防止し得ることが明らかである。 上述のようにスラブ後端の熱延所要時間を大型
スラブにおいても4分以内に押え、しかも粗圧延
終了温度を従来よりも低い950〜1150℃の範囲内
とするためには、例えば熱間圧延における圧延速
度(好ましくは粗圧延の圧延速度)を後端側が先
端側よりも遠くなるように圧延パス途中で増速さ
せれば良い。すなわち、粗圧延終了温度を従来よ
りも低い1150℃以下となるように制御する方法の
1つとして、粗圧延の圧延速度を従来の一般的な
圧延速度よりも遅くする方法が考えられるが、こ
の場合速度を均一に遅くすれば後端の圧延所要時
間が著しく長くなつて4分を越えてしまうことが
あり、このような場合に圧延速度を上述のように
先端側と後端側とにおいて変化させれば、粗圧延
終了温度と圧延所要時間の両者を同時に満足する
ことが可能である。 以上のようにして4分以内で粗圧延および仕上
げ圧延を終了して所定の板厚となつた熱延鋼帯に
対しては、必要に応じてノルマライジング焼鈍を
施し、以上常法に従つて1回の冷間圧延、あるい
は中間焼鈍を挟んでの2回以上の冷間圧延を施し
て最終板厚とし、その冷延板に対し脱炭焼鈍を施
した後、焼鈍分離剤を塗布して2次再結晶および
純化のための最終仕上げ焼鈍を施し、方向性珪素
鋼板製品板とする。 以下にこの発明の実施例を記す。 実施例 1 Si2.95%、Mn0.07%、Si0.018%、Sb0.020%を
含有し、残部実質的にFeからなる組成の鋼を溶
製し、連続鋳造によつて15本の供試スラブを作成
した。これらの供試スラブのうち、5本は長さ
6500mm、10本は長さ5500mmとした。各供試スラブ
は1320〜1380℃の温度に加熱した後、次の条件下
で熱間圧延を施した。すなわち、粗圧延は5回圧
下を加え、最終パスの圧下率は50%とした。そし
た長さ5500mmのスラブ10本のうち5本は粗圧延各
パス毎のデスケーリングの水冷を強化するととも
に粗圧延速度を通常の速度より低下させて粗圧延
終了温度が950〜1150℃の範囲内に納まるように
制御した(条件)。また長さ6500mmのスラブ5
本は前記条件に準じて粗圧延を行なつた(条件
)。残りの5500mm長さのスラブ5本については、
デスケーリングの水冷強化を特に行なわず、また
圧延速度も通常の速度とした(条件)。これら
の粗圧延が終了したスラブについて、続いて仕上
げ圧延を熱延鋼帯とした後、中間焼鈍を挟む2回
冷延法によつて0.3mm厚の最終板厚の冷延板とし、
さらに常法に従つて脱炭焼鈍後、焼鈍分離剤を塗
布してコイルに巻取り、2次再結晶焼鈍を施して
方向性珪素鋼板製品とした。 この実施例1における熱間圧延工程中のスラブ
前端および後端の粗圧延終了時の温度、およびス
ラブ前端および後端の熱延開始(粗圧延開始)か
ら熱延終了(仕上げ圧延終了)までの熱延所要時
間を各粗圧延条件〜ごとに調べ、かつ最終製
品の磁気特性として熱延時の先端部に対応する部
分および後端部に対応する部分について磁束密度
B10値を調べた。その結果を第1表に示す。
特にそのスラブの熱間圧延方法に関するものであ
る。 周知のように方向性珪素鋼板は変圧器その他の
各種電気機器に使用されるものであり、その磁気
特性としては、例えば磁化力が1000A/mのとき
の磁束密度B10値が高いこと、また磁束密度1.7テ
スラ、周波数50Hzにおける鉄損値W17/50値が低い
ことが要求される。このような方向性珪素鋼板は
2次再結晶現象によつて(110)[001]方位すな
わち所謂ゴス方位に近い方位の結晶粒を揃えたも
のであるが、より優れた磁気特性を得るために
は、2次再結晶粒が可及的にゴス方位に揃つてい
ることが要求される。 上述のように2次再結晶粒をゴス方位に揃える
ためには、一般にはインヒビターと称される
MnS、MnSeあるいはAlN等の微細析出分散相に
よつて、磁気特性に悪影響を与える方位の1次再
結晶粒の成長を抑制するとともに、ゴス方位の2
次再結晶粒が優先的に成長するに適した集合組織
を2次再結晶開始前に形成しておくことが必要で
ある。 ところでゴス方位の結晶組織を有する鋼板を冷
間圧延した後再結晶させれば、再びゴス方位の結
晶組織が生成されることが知られている。したが
つて熱間圧延によつて得られる珪素鋼熱延母帯の
集合組織がその後の工程における集合組織の出発
点となる。そこで本発明者等は熱延母帯の集合組
織を最善ならしめるべく鋭意研究を重ねたとこ
ろ、熱延条件を従来とは変えて、熱間粗圧延終了
温度を950〜1150℃、粗圧延最終バスの圧下率を
30%以上とすることによつて、従来の熱延方法で
は得られなかつた強いゴス方位への集積を有する
熱延母帯が得られ、その結果製品の磁気特性を従
来よりも改善し得ることを見出し、既に特許出願
として提案している。 すなわち、珪素鋼スラブに対する熱間圧延前の
加熱処理は、インヒビター形成元素を充分に解離
固溶させるために、1250℃程度以上の高温で加熱
する必要があり、一方スラブ加熱炉から抽出され
た加熱スラブは、通常は粗圧延機と称される1ス
タンドのミル1基で可逆的にまたは複数スタンド
のミルで連続的もしくは可逆的に圧延した後、仕
上げ圧延機と称される数スタンドのミルで所定厚
さまで連続的に圧延するのが最も一般的である
が、従来このような熱間圧延においては主として
生産性の面からの要請により可及的に高速で圧延
することが好ましいとされ、スラブの加熱炉抽出
から圧延終了まではわずか2〜5分程度の短い時
間となつており、そのため熱間圧延中のスラブ温
度降下量も少なく、従来は粗圧延終了時のスラブ
表面温度が1180℃以上の高い温度となつているの
が実情であつた。しかるに本発明者等は熱延集合
組織の改善を図るべく熱延条件を綿密に検討した
結果、粗圧延終了時のスラブ表面温度が低いほど
熱延母帯の(110)面強度が強くなること、そし
て特に粗圧延終了時のスラブ表面温度を従来より
も低い950〜1150℃の範囲内となるように制御す
ることが磁気特性改善に極めて有利であること、
但しその場合に実際に優れた磁気特性を得るため
には粗圧延の最終パスを30%以上の圧下率とする
必要があることを新規に知見し、前記提案をなし
たのである。 しかしながら本発明者等が上記方法を実操業に
適用すべくさらに実験・検討を進めたところ、熱
延時のスラブ後端部に相当するコイルで磁気特性
が劣化する現象が生じる場合があることが判明し
た。そしてその原因を調査したところ、特に大型
のスラブを素材として用いた場合に生じる現象で
あることが判明し、さらに調査を進めたところ、
熱間粗圧延開始後、粗圧延終了温度を950〜1150
℃に制御するために圧延速度を低下させたり圧延
途中での放冷を行なつたりした際に、その粗圧延
工程期間中に特に大型スラブの後端部でインヒビ
ターの粗大化が進行してそのインヒビターの機能
が低下することが原因であると判明した。 すなわち本発明者等は、大型スラブを1250℃以
上に加熱して熱間圧延するにあたり、粗圧延終了
温度を950〜1150℃の範囲内に制御するべく熱間
粗圧延速度を低下させた場合における熱延鋼帯の
先端および後端についてインヒビターの析出状況
を調べたところ、先端では第1図Aに示すように
微細かつ均一に析出しているのに対し、後端では
第1図Bに示すように粗大な析出物が生じること
が判明し、またその熱延鋼帯から得られた最終製
品板では熱延時スラブ後端位置に対応する部分で
磁気特性が実際に低下していることが確認され
た。一方、本発明者等の研究によれば、素材スラ
ブの温度が1100℃程度以下になればインヒビター
の析出が開始され、時間の経過とともに粗大化が
進行することが判明している。これらの事実か
ら、前述の現象の発生原因は、スラブ先端部と後
端部における粗圧延開始から仕上げ圧延終了まで
の熱延所要時間の差が大型スラブでは著しく大き
くなり、特に熱延所要時間の長い後端部ではイン
ヒビターの粗大化が進行し、インヒビターの機
能、すなわち2次再結晶時における1次再結晶粒
成長抑制機能が低下することにあることが判明し
た。そしてこのような知見に基いてさらに検討を
進めた結果、粗圧延終了温度を950〜1150℃の範
囲に制御するに際して、素材が大型のスラブであ
つても熱延所要時間を4分以内とすることによつ
て熱延時の素材スラブ後端のインヒビターの粗大
化を防止して、その後端に対応する製品部位の磁
気特性低下を防止し得ることを見出し、この発明
をなすに至つたのである。 したがつてこの発明は、前記提案の方向性珪素
鋼板の製造方法を改良して、素材として大型スラ
ブを用いた場合でも熱延時後端に対応する製品部
位の磁気特性低下を防止する方法を提供すること
を目的とするものである。 すなわちこの発明の方法は、Si2〜4.5重量%を
含有する方向性珪素鋼板用スラブを1250℃以上の
温度に加熱して、粗圧延およひ仕上げ圧延により
熱間圧延し、次いで1回または2回以上の冷間圧
延を施して最終板厚とした後脱炭焼鈍し、さらに
最終仕上げ焼鈍を施す方向性珪素鋼板の製造方法
において、前記粗圧延の最終パスの圧下率を30%
以上とするとともに粗圧延終了温度を950〜1150
℃の範囲内とし、かつ粗圧延開始から仕上げ圧延
終了までの熱間圧延所要時間を4分以内とするこ
とを特徴とするものである。 以下この発明の方法をさらに詳細に説明する。 この発明の方法で使用される方向性珪素鋼板用
素材としては、Siを2〜4.5%含有することが必
要である。Siが2%未満では充分な磁気特性が得
られず、4.5%を越えれば冷間圧延が困難となり、
好ましくない。また素材は、インヒビター形成元
素として、Mn、S、Se、Al、N、Sb、B、Bi
およびCuなどのうちから適宜選んで少量含有さ
せておく。 上述のような素材スラブに対しては、熱間圧延
に先立つて1250℃以上の高温に加熱する。このよ
うに1250℃以上に加熱する理由は、前述したよう
にインヒビター形成元素を充分に解離固溶させて
おくためである。 1250℃以上に加熱された素材スラブは、熱間圧
延に供される。この熱間圧延は前述したように粗
圧延と仕上げ圧延とを組合わせて行なうのが通常
であるが、この発明の方法では前記提案の方法と
同様に粗圧延段階での最終パスの圧下率を950〜
1150℃の範囲内とする。これらの条件は最も優れ
た磁気特性を得るために必要なものであつて、本
発明者等の詳細な実験の結果得られたものであ
る。粗圧終了労温度が950℃未満では次の仕上げ
圧延過程で適切なインヒビターの分散析出相が得
られず、そのため製品磁気特性が劣化する。一方
1150℃を越えれば熱延母帯の集合組織の(110)
方位への集積が1150℃以下の場合よりも弱くな
る。また粗圧延終了温度を950〜1150℃に制御し
ても、粗圧延最終パスの圧下率が30%未満では優
れた製品磁気特性が得られない。 ところで上記粗圧延終了温度条件および粗圧延
最終パス圧下率条件を満足している場合でも、前
述したようにスラブ長さが長い大型スラブを用い
た場合、熱延時後端における磁気特性が低下する
ことができる。すなわち第2図はスラブ長さの異
なる3グループ、計5本のスラブ、すなわち一般
的なスラブよりも長いスラブA、通常の長さスラ
ブBおよびC、一般的なスラブよりも短いスラブ
DおよびEについて、種々の熱延条件で熱延して
得た熱延板を用いて製造した方向性珪素鋼板の磁
束密度を粗圧延終了温度と対応して示すものであ
り、第2図に示すように従来知られている熱延条
件で粗圧延を行なつたスラブEと比べて、この発
明で規定する950〜1150℃の温度範囲で粗圧延を
行なつた各スラブは全般的に磁気特性が良好とな
つているが、特に長大なスラブAの場合は粗圧延
終了温度が950〜1150℃の範囲を満足しているに
もかかわらず後端において磁気特性が低下してい
る。大型スラブ使用によるコイル単重増加は歩留
りを向上させる上において有効な手段であり、し
たがつて大型スラブ使用時の上述の現象は工業的
に好ましくない。そこで本発明者等が研究を重ね
た結果、前述したように大型スラブ使用時の前述
の現象はその後端で熱延所要時間が長時間となる
ことに起因していることが判明し、さらに研究を
進めたところ、次に示すようにスラブ後端をも4
分以内で熱延を終了させることにより上述の現象
を防止し得ることを見出したのである。 第3図に、粗圧延終了温度を980℃もしくは
1000℃としたコイルについて、熱延所要時間と製
品磁束密度B10値との関係を調べた結果を示す。
第3図から明らかなように、熱延所要時間が4分
を越えた場合に磁気特性が低下する。したがつて
スラブ後端をも熱延所要時間が4分以内となるよ
うに制御することによつて後端の磁気特性低下を
防止し得ることが明らかである。 上述のようにスラブ後端の熱延所要時間を大型
スラブにおいても4分以内に押え、しかも粗圧延
終了温度を従来よりも低い950〜1150℃の範囲内
とするためには、例えば熱間圧延における圧延速
度(好ましくは粗圧延の圧延速度)を後端側が先
端側よりも遠くなるように圧延パス途中で増速さ
せれば良い。すなわち、粗圧延終了温度を従来よ
りも低い1150℃以下となるように制御する方法の
1つとして、粗圧延の圧延速度を従来の一般的な
圧延速度よりも遅くする方法が考えられるが、こ
の場合速度を均一に遅くすれば後端の圧延所要時
間が著しく長くなつて4分を越えてしまうことが
あり、このような場合に圧延速度を上述のように
先端側と後端側とにおいて変化させれば、粗圧延
終了温度と圧延所要時間の両者を同時に満足する
ことが可能である。 以上のようにして4分以内で粗圧延および仕上
げ圧延を終了して所定の板厚となつた熱延鋼帯に
対しては、必要に応じてノルマライジング焼鈍を
施し、以上常法に従つて1回の冷間圧延、あるい
は中間焼鈍を挟んでの2回以上の冷間圧延を施し
て最終板厚とし、その冷延板に対し脱炭焼鈍を施
した後、焼鈍分離剤を塗布して2次再結晶および
純化のための最終仕上げ焼鈍を施し、方向性珪素
鋼板製品板とする。 以下にこの発明の実施例を記す。 実施例 1 Si2.95%、Mn0.07%、Si0.018%、Sb0.020%を
含有し、残部実質的にFeからなる組成の鋼を溶
製し、連続鋳造によつて15本の供試スラブを作成
した。これらの供試スラブのうち、5本は長さ
6500mm、10本は長さ5500mmとした。各供試スラブ
は1320〜1380℃の温度に加熱した後、次の条件下
で熱間圧延を施した。すなわち、粗圧延は5回圧
下を加え、最終パスの圧下率は50%とした。そし
た長さ5500mmのスラブ10本のうち5本は粗圧延各
パス毎のデスケーリングの水冷を強化するととも
に粗圧延速度を通常の速度より低下させて粗圧延
終了温度が950〜1150℃の範囲内に納まるように
制御した(条件)。また長さ6500mmのスラブ5
本は前記条件に準じて粗圧延を行なつた(条件
)。残りの5500mm長さのスラブ5本については、
デスケーリングの水冷強化を特に行なわず、また
圧延速度も通常の速度とした(条件)。これら
の粗圧延が終了したスラブについて、続いて仕上
げ圧延を熱延鋼帯とした後、中間焼鈍を挟む2回
冷延法によつて0.3mm厚の最終板厚の冷延板とし、
さらに常法に従つて脱炭焼鈍後、焼鈍分離剤を塗
布してコイルに巻取り、2次再結晶焼鈍を施して
方向性珪素鋼板製品とした。 この実施例1における熱間圧延工程中のスラブ
前端および後端の粗圧延終了時の温度、およびス
ラブ前端および後端の熱延開始(粗圧延開始)か
ら熱延終了(仕上げ圧延終了)までの熱延所要時
間を各粗圧延条件〜ごとに調べ、かつ最終製
品の磁気特性として熱延時の先端部に対応する部
分および後端部に対応する部分について磁束密度
B10値を調べた。その結果を第1表に示す。
【表】
第1表に示すように、条件の場合は熱延所要
時間がスラブ後端で4分を越えてしまつたため、
製品磁束密度がスラブ後端対応部で抵下してしま
つたが、条件の場合は熱延所要時間が4分以内
で納まり、そのめ後端でも殆んど磁束密度の低下
が生じなかつた。なお条件の場合は熱延終了温
度が前後とも1150℃を越える高温となり、この場
合後端での磁束密度低下は生じなかつたが、全体
的にこの発明の条件範囲内(条件)よりも磁気
特性が低い。 実施例 2 Si2.09%、Mn0.69%、Se0.020%、Sb0.018%を
含有し、残部実質的にFeからなる組成の鋼を溶
製し、連続鋳造によつて長さ6500mmのスラブ10本
鋳造した。次いで各供試スラブを加熱炉で1320〜
1380℃の温度に加熱した後、次の条件下で熱間圧
延を施した。すなわち、粗圧延は5パスで行な
い、最終パスの圧下率は50%とした。そして10本
の供試スラブのうち、7本は粗圧延最終パスの圧
延速度を通常速度(従来の一般的な圧延速度)の
1/4の速度から通常速度まで増速しながら行なつ
た(変速圧延)。残りの3本の供試スラブ3本に
ついては、通常速度の1/4の速度のまま圧延した
(等速圧延)。これらの粗圧延が終了した後、続い
て仕上げ圧延を行なつて熱延鋼帯とし、さらに実
施例1と同様な方法で最終製品とした。 この実施例2における粗圧延終了時の前後端の
温度、前後端の熱延所要時間、製品板の磁速密度
B10値を第2表に示す。
時間がスラブ後端で4分を越えてしまつたため、
製品磁束密度がスラブ後端対応部で抵下してしま
つたが、条件の場合は熱延所要時間が4分以内
で納まり、そのめ後端でも殆んど磁束密度の低下
が生じなかつた。なお条件の場合は熱延終了温
度が前後とも1150℃を越える高温となり、この場
合後端での磁束密度低下は生じなかつたが、全体
的にこの発明の条件範囲内(条件)よりも磁気
特性が低い。 実施例 2 Si2.09%、Mn0.69%、Se0.020%、Sb0.018%を
含有し、残部実質的にFeからなる組成の鋼を溶
製し、連続鋳造によつて長さ6500mmのスラブ10本
鋳造した。次いで各供試スラブを加熱炉で1320〜
1380℃の温度に加熱した後、次の条件下で熱間圧
延を施した。すなわち、粗圧延は5パスで行な
い、最終パスの圧下率は50%とした。そして10本
の供試スラブのうち、7本は粗圧延最終パスの圧
延速度を通常速度(従来の一般的な圧延速度)の
1/4の速度から通常速度まで増速しながら行なつ
た(変速圧延)。残りの3本の供試スラブ3本に
ついては、通常速度の1/4の速度のまま圧延した
(等速圧延)。これらの粗圧延が終了した後、続い
て仕上げ圧延を行なつて熱延鋼帯とし、さらに実
施例1と同様な方法で最終製品とした。 この実施例2における粗圧延終了時の前後端の
温度、前後端の熱延所要時間、製品板の磁速密度
B10値を第2表に示す。
【表】
第2表から明らかなように、粗圧延最終パスに
おける圧延速度を変速させることによつて、粗圧
延終了温度を950〜1150℃の範囲内に納めると同
時に熱延所要温度をスラブ後端でも4分以内とす
ることにより熱延時のスラブ後端対応位置の製品
磁気特性の低下を有効に防止することができた。 以上の説明で明らかなようにこの発明の方法に
よれば、大型スラブを素材として用いた場合で
も、熱延時スラブ後端に対応する製品部位の磁気
特性低下を招くことなく、全体的に均一に優れた
磁気特性を有する方向性珪素鋼板を得ることが可
能となつた。
おける圧延速度を変速させることによつて、粗圧
延終了温度を950〜1150℃の範囲内に納めると同
時に熱延所要温度をスラブ後端でも4分以内とす
ることにより熱延時のスラブ後端対応位置の製品
磁気特性の低下を有効に防止することができた。 以上の説明で明らかなようにこの発明の方法に
よれば、大型スラブを素材として用いた場合で
も、熱延時スラブ後端に対応する製品部位の磁気
特性低下を招くことなく、全体的に均一に優れた
磁気特性を有する方向性珪素鋼板を得ることが可
能となつた。
第1図A,Bはそれぞれ熱延鋼帯における析出
物(インヒビター)の析出状況を示す電子顕微鏡
写真、第2図は各種長さのスラブの先端および後
端について粗圧延終了温度と製品磁束密度B10値
との関係を示すグラフ、第3図は粗圧延開始から
仕上げ圧延終了までの熱延所要時間と製品磁束密
度との関係を示すグラフである。
物(インヒビター)の析出状況を示す電子顕微鏡
写真、第2図は各種長さのスラブの先端および後
端について粗圧延終了温度と製品磁束密度B10値
との関係を示すグラフ、第3図は粗圧延開始から
仕上げ圧延終了までの熱延所要時間と製品磁束密
度との関係を示すグラフである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 Si2〜4.5重量%を含有する方向性珪素鋼板用
スラブを1250℃以上の温度に加熱して、粗圧延お
よび仕上げ圧延により熱間圧延し、次いで1回ま
たは2回以上の冷間圧延を施して最終板厚とした
後脱炭焼鈍し、さらに最終仕上げ焼鈍を施す方向
性珪素鋼板の製造方法において、 前記粗圧延における最終パスの圧下率を30%以
上とするとともに粗圧延終了温度を950〜1150℃
の範囲内とし、かつ粗圧延開始から仕上圧延終了
までの熱間圧延所要時間を4分以内となるように
制御することを特徴とする方向性珪素鋼板の製造
方法。 2 前記熱間圧延においてスラブ先端側の圧延速
度よりもスラブ後端側の圧延速度が高くなるよう
に圧延途中で圧延速度を制御することによつて、
熱間圧延所要時間を4分以内に抑える特許請求の
範囲第1項記載の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP58083640A JPS59208021A (ja) | 1983-05-13 | 1983-05-13 | 方向性珪素鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP58083640A JPS59208021A (ja) | 1983-05-13 | 1983-05-13 | 方向性珪素鋼板の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS59208021A JPS59208021A (ja) | 1984-11-26 |
| JPH0365429B2 true JPH0365429B2 (ja) | 1991-10-11 |
Family
ID=13808045
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP58083640A Granted JPS59208021A (ja) | 1983-05-13 | 1983-05-13 | 方向性珪素鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS59208021A (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2787776B2 (ja) * | 1989-04-14 | 1998-08-20 | 新日本製鐵株式会社 | 磁気特性の優れた一方向性電磁鋼板の製造方法 |
| JPWO2025243810A1 (ja) * | 2024-05-22 | 2025-11-27 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS574690A (en) * | 1980-06-11 | 1982-01-11 | Hitachi Ltd | Time-division exchange system |
-
1983
- 1983-05-13 JP JP58083640A patent/JPS59208021A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS59208021A (ja) | 1984-11-26 |
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