JPH0367547B2 - - Google Patents

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JPH0367547B2
JPH0367547B2 JP60136191A JP13619185A JPH0367547B2 JP H0367547 B2 JPH0367547 B2 JP H0367547B2 JP 60136191 A JP60136191 A JP 60136191A JP 13619185 A JP13619185 A JP 13619185A JP H0367547 B2 JPH0367547 B2 JP H0367547B2
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JP
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resin
weight
ethylene
vinyl acetate
resins
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JP60136191A
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JPS627761A (ja
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Makoto Kahata
Shigehisa Koyama
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用) 本発明は、ポリアミド系樹脂の改良技術に関
し、他種の樹脂と混合してその特質を改質する溶
融押出成形加工分野の混合樹脂組成の改良に関す
る。 (従来技術) 従来、ポリアミド系樹脂は、樹脂そのものが持
つ利点、即ち、強じん性、耐熱性、耐寒性、耐油
性、表面平滑性等が高水準に揃つて兼備している
という利点、及び、或る水準のガスバリヤ性を備
えているという利点を有していることから、単独
の樹脂として、或は積層物の層構成用の樹脂とし
て、溶融押出成形品の技術分野に活用されてい
る。 具体的には例えば、溶融樹脂を所定の金型内に
押出し型通りの形に成形し、プラモデルや人形等
のがん具類やその部品、ギヤー、パツキン、軸、
軸受等の機械部品、戸車、目地、カーテンスライ
ダー等の大工用部品、防臭用密封容器、受皿等の
家庭用容器等を作るインジエクシヨン成形加工、
或は、押出物の断面形状を維持させて成形加工す
るパイプ、棒、線被覆等の連続成形、押出された
筒状体を膨らませて所定の形の容器等にする押出
しブロー成形、押出された板状体を冷却して引取
るキヤステイング成形等、多くの溶融押出成形法
に供せられ、その成形品も数多く知られている。 更にポリアミド系樹脂は、これに適度の配向を
与えるときは、機械的特性が一段と高まり、熱収
縮特性等を付与することが出来ることから、溶融
樹脂をTダイ、又はサーキユラーダイから押出
し、テンター方式の延伸又はインフレーシヨン方
式の延伸を施こし延伸フイルムにする押出延伸成
形法も広く知られている。 しかしながら、このポリアミド系樹脂の欠点の
1つは、溶融粘度変化の温度依存性が大きく、且
つ、低粘度領域では本質的に大きいドローダウン
現象を増大させることになるために、溶融押出加
工、ことに均質性を要求する押出加工には、大き
なエネルギーと、高度な技術を要することであ
る。即ち例えば樹脂押出時、大きなドローダウン
を防ぐ押出条件の採用は押出時の比エネルギーを
高め、それでいて尚ドローダウンの大きさを防ぎ
きれずり、ダイ直下でキヤステイングロールに貼
付ける、或はマンドレルを挿入する等の高等技術
を駆使してそれから生じる厚み斑増大等との悪影
響との調和点を求めてこれに対処している問題点
更に例えば高粘度樹脂の伸展、特に高度な配向を
与えるための延伸展開には大きな応力を要し、そ
してこの応力の高さが障害となつて、例えばイン
フレーシヨン延伸においてはパリソンに厚み斑が
ある場合、降伏点近辺での応力集中化による厚み
斑の増大、バブル内の内圧の高まりによるインフ
レーシヨン延伸の適用範囲の制限等を生み、得ら
れる製品の品質水準、及び採用できる製造装置・
手段の自由度を小さくしてしまつている問題等が
挙げられるのである。 次にポリアミド樹脂の持つ第2の欠点は、これ
がガスバリヤ性の樹脂として分類したとき、その
ガスバリヤ性の水準は不満足なものである。しか
もそのガスバリヤ性の水準は、樹脂の持つ吸湿性
によつて著るしく低下することである。 更に第3の欠点は、上記吸湿性に関連して、機
械的強度や形状寸法の安定性の変化に対する湿度
依存性が大きいことである。 上記第2、第3の欠点は、単位樹脂重量当りに
対する表面積の割合の大きいブロー成形品、延伸
(フイルム)成形品に於て著るしい。従つて特に
様々な環境条件下で使用され、且つ高度なガスバ
リヤ性が要求されるという包装フイルム分野にあ
つては、ポリアミド系樹脂が単層のフイルムのま
まで使用されることは少なく、防湿表面層を付す
ことになるので、反面ではポリアミド系樹脂の持
つ優れた特質を、そのまま活用できないという不
利益さが生じていると云える。 以下本明細書では、フイルム分野での記述、特
に特性の評価等に当つては、単層延伸フイルムの
場合での記載になる場合が多い。 この考え方は、ポリアミド樹脂の持つ上記3つ
の欠点の内の、特に吸湿性による悪影響が著るし
いフイルムの分野、ことに延伸フイルムの分野
で、これ等の諸問題が解消できるポリアミド系樹
脂組成物が得られるならば、この組成物は、吸湿
性の影響が少ない積層分野や肉厚のインジエクシ
ヨン分野にも当然活用できるはずであると考えら
れることによる。 本発明の内容に最も近い先行技術との相違は 先ず、ポリアミド樹脂との他の樹脂との混合樹
脂組成物を作り、その組成物の持つ特性を利用し
てポリアミド樹脂の持つ上記欠点を解消しようと
する技術思想は公知である。 内でも本発明に最も近い技術思想のものには、
例えば(i)特開昭56−146758号公報、(ii)特開昭54−
16576号公報、(iii)特開昭56−167751号公報、及び
(iv)特公昭56−33425号公報に記載された技術のも
のがある。 しかしながら、これ等先行技術は、先ずその効
果、即ち、解消される欠点の内容やその水準の高
さに於て、共に本発明の内容に及ぶべきもない。 このところは明細書の後半で詳述することにな
る。 ここでは、本発明の構成上の技術思想が、上記
先行技術の延長線上のものでないことを明確にす
る。 先ず、先行技術(i)は、ポリアミド樹脂にオレフ
イン系アイオノマー樹脂が混合できることが、同
(ii)はポリアミド樹脂にエチレン酢酸ビニル共重合
体けん化物が混合できることが、同(iii)では、ポリ
アミド樹脂はポリプロピレン樹脂とオレフイン系
アイオノマー樹脂とが共に混合できることが、
各々記載されている。これ等は共にポリアミド樹
脂の欠点に対し、各々何等かの改良を与えること
を教えている。従つて上記(i),(ii),(iii)を総合する
と、適切な成分範囲は存在するにしろ少なくとも
ポリアミド樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体け
ん化物、及びオレフイン系アイオノマー樹脂の3
種の樹脂は、互に相溶性を有し、特別な配慮を要
せずに混合できるものであることをも教示してい
ると云える。更に上記(iv)に到つては、目的は若干
違うものの上記3種の樹脂そのものが、混合樹脂
組成物になることを具体的に教示している。 しかし上記(iv)の記載内容を詳説すると、現実の
内容としてこの3種の樹脂が透明性(HAZEと同
質)を有した状態で混ざり合える成分領域は、ポ
リアミド樹脂成分が25〜40重量%エチレン酢酸ビ
ニル共重合体けん化物成分が20〜65重量%、オレ
フイン系アイオノマー樹脂成分が10〜40重量%の
領域であると明示しているのである。即ち(iv)の文
献は、間接的ではあるが、本発明でいう混合樹脂
成分の領域は、透明度が低下し、実用に供せない
とされる成分領域であることを教示していたので
ある。 下記の第1表及び添付した第6,7,8図は、
本発明の完成の足がかりとなつた現象の1例で、
得られる押出物(パリソン)のHAZE(曇り度)
に着目して示した実験結果表(詳細、実施例1参
照)である。 先ず、第1表の示す意味は、同じ混合樹脂成分
の領域でも、押出機の持つ混練能力(混合される
樹脂の状態)によつて、HAZEが悪いままで変ら
ない領域と、HAZEが高い(悪い)状態から低い
(良い)状態に変化する領域とが、狭い領域に分
布していて、混練能力でHAZEが変わる領域が丁
度本発明でいう樹脂成分の領域に存在することを
示している。
【表】
【表】 第6図、第7及び8図の関係は、本発明の完成
に1つの足がかりを与えた現象分析の1例を示す
パリソンの断面状態の図で、300倍の電子顕微鏡
写真図を示す。又この際は、第6図は第1表実験
No.1〜の場合のパリソンに、又第7図及び8図
は同1〜及び3〜の場合のパリソンに各々対
応し、各々のパリソン断面をDMSO(ジメチルス
ルフオキシド)中に浸漬し処理した場合の、断面
状態の代表例である。 先ず、第6図と第7図との関係は、両者は同程
度に白濁して見え、且つ外観上は特に何の違いも
見出せないパリソンであるものが、樹脂の溶剤
(この場合DMSO)で処理してみたとき、DMSO
で溶解される樹脂部分(この場合は、エチレン酢
酸ビニル共重合体けん化物とオレフイン系アイオ
ノマー樹脂の双方と推定)の分布の状態(混合の
状態が分析されて違つてみえる場合があることを
示している。 即ち、第6図では、DMSOで溶解される樹脂
部分の分布は、やや大きい粒状の分散として点在
して検出されているのに対し、第7図のそれは、
多数の線条が配列したような分布として検出され
て見える。 そして第6図のものは、第1表3〜に示すよ
うに、押出機の混練水準が変つてもパリソンの白
濁状態は変らず、又パリソン断面も、第6図のそ
れと大差のないものになつてしまうのに対し、第
7図のものは、第1表3〜に示すようにパリソ
ンの透明性は著るしく向上し、そのパリソン断面
の樹脂の分散状態は、第8図に示すような、小さ
な粒子の点在の分散状態に変ることを示してい
る。 つまり第6〜8図の関係は、パリソンにしてみ
た外観上には、樹脂の混合状態には差異はないと
評価されてしまう領域にも、成分樹脂の分布の状
態という尺度での混合状態には差異がある領域が
あり、本発明の樹脂組成物の領域は、種々の溶剤
を用いて成分樹脂個々の分布の状態の徹低究明を
しつづけて来た本発明者によつて初めて見い出す
ことに成功した、未開発の領域であることを示し
ている。 従つて本発明の樹脂組成物が示す諸特性も、成
分樹脂の分散分布状態が改善された従来知られて
いない発堀された特性と云うべきである。 尚ここでいう押出機の混練能力の良否は、例え
ば押出機混練部の形状構造及びその仕様等で、一
義的に定量表現することは難かしく、結局は混合
押出された物品の樹脂成分の分布もみて判断せざ
るを得ない。しかし本発明の領域の樹脂組成を用
いる場合は、ダイスリツト部から押出された肉厚
み0.4mm程度の平担なパリソンが示すHAZAの値
が5%以下になり得たか否かを評価することで、
その混合状態の指標とすることが出来る。 (発明が解決しようとする問題点) 本発明は、従来から知られるポリアミド樹脂の
もつ欠点即ち、溶融押出加工時、ドローダウンが
大きく、押出し加工条件下での押出時の比エネル
ギーや延伸に必要な応力が大きいという問題点、
これを他の樹脂と混合して改良しようとするとガ
スバリヤ性、透明性、低温タフネス性、熱伸縮特
性、湿潤下での機械的特性等の水準が維持出来な
くなるという問題点のすべてが、同時に、実用満
足する水準に揃うように改良することにある。し
たがつてこれを目的して整理すると、その目的の
第1は、溶融押出加工に供するとき、ドローダウ
ンを制御する条件下の押出時の比エネルギー、及
び延伸時に必要な応力(延伸応力)の双方を大巾
に減少させ、それでいて、ガスバリヤ性
(O2TR)の水準を、ポリアミド系樹脂として従
来到達し得ない水準のものにする、透明性、低温
タフネス性に優れた、ポリアミド系混合樹脂組成
物を提供することであり、その第2の目的は、こ
れを溶融押出法の成形品、ことに環境湿度の悪影
響を受け易い延伸フイルムにしたとき、ガスバリ
ヤ性の水準、機械的特性の水準に対する湿度の悪
影響(湿度依存性)の少ないフイルムとするこ
と、及び(又は)常温寸法安定性、低温タフネス
性が高い水準のままで、熱収縮性、熱収縮応力の
大きい、フイルムを提供できるようにすることに
ある。 更に第3の目的は、上記第1、第2の目的に関
連して、特にフイルム成形時、大きな障害となる
ドローダウンの大きさを、樹脂組成物として小さ
なものに改善することで、そのことによつて例え
ば押出パリソン中にマンドレルを挿入したりする
所謂他の一面ではフイルムの表面状態や厚み斑等
の製品品質上に、或はその条件設定や操作面に悪
影響が生じてしまう装置的手段を、あえて用いな
くても目標巾通りの広巾フイルムを、経済的に製
造出来るようにすることである。 (問題点を解決する為の手段) 上記本発明の目的は、ポリアミド樹脂を主体成
分とする他樹脂との混合樹脂組成物に於て、樹脂
合計量に対し、ポリアミド系樹脂が80〜60重量
%、エチレン酢酸ビニル共重合体けん化物が10〜
30重量%、α−オレフイン系アイオノマー樹脂
〔又はα−オレフイン系アイオノマー樹脂が主成
分で、他成分は、エチレン−アクリル酸共重合樹
脂、変性されたエチレン−酢酸ビニル共重合樹
脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂から選ばれ
た1種以上の樹脂である2種以上の樹脂〕が10〜
30重量%の成分割合(但し合計100重量%)をも
つて混合されて成ることを特徴とするポリアミド
系混合樹脂組成物を用意し、更にこれを溶融押
出、成形加工に供することによつて容易に達成す
ることが出来る。 (作 用) 以下、本発明の特徴的内容を、図面等を用いて
詳述する。 第2図は、樹脂組成物の溶融押出の容易さの1
例を示す実験図(詳細は実施例2を参照)で、縦
軸は押出時の比エネルギー〔単位;KW−hr/
Kg〕を、横軸は、押出時のスクリユー回転数〔単
位;r.p.m.〕を各々目盛つた図である。2本の曲
線のIの方は本発明でいう樹脂組成物の代表で、
は比較に示したポリアミド樹脂単体の場合であ
る。 第2図の結果によると、本発明の樹脂組成物
は、ポリアミド樹脂単体の場合に比べ定常条件
(70〜80RPM近傍)下で押出時の比エネルギーを
約30%、低減化するものであることを示してい
る。 この押出時の比エネルギーの値そのものの低減
化は、例えば押出樹脂温を高めて押出粘度を下げ
ることも達成できる。しかしポリアミド樹脂の場
合、その押出樹脂粘度を下げる方向は、通常でも
大きいドローダウン現象を更に増大させる結果に
なるので、押出樹脂温度の設定はむしろこのドロ
ーダウンを制御する観点から低目に設定するのが
普通である。第2の実験の場合、念のために評価
した両樹脂のドローダウンの大きさ(押出径−設
定距離下の押出物の径)が、ポリアミド樹脂側は
35mm、本発明の組成物側は17mmであつたことを考
慮すると、比較に供した樹脂温240℃の押出条件
は、一般的に云われるドローダウンの制御を考慮
した押出条件であることがうかがえる。 更に又、フイルム製造への適用の際、解決しな
ければならない問題、即ち押出時、どうしても生
じて来る上記ドローダウン現象を、公知の冷却手
段で解決させる問題についても実験をこころみて
した。その結果によると本発明の組成物の場合
は、水膜冷却法という簡単な手段で、上記17mmの
ドローダウンを0mmに出来たのに対し、ポリアミ
ド樹脂の場合は、高等な技術を要するマンドレル
冷却法の採用がどうしても必要であつた。この差
はドローダウン値が小さい、粘度変化の温度依存
性が小さい等の本発明の樹脂組成の本本質的な差
に基づくものと推定される。 第3図は、樹脂組成溶融押出物の伸展の容易
さ、特には延伸の容易さの1例を示す実験図(詳
細は実施例2を参照)で、縦軸は延伸応力〔単
位;Kg/mm2〕横軸は延伸温度〔℃〕で、3倍延伸
時の場合を示した図である。2本の線の一方
は、本発明の樹脂組成物の代表で、他方は比較
品として示したポリアミド樹脂単体の場合であ
る。 第3図の示す意味は、本発明の樹脂組成がポリ
アミド樹脂に比べ約2/5の低い延伸応力で延伸出
来るものであることを示している。即ち、例えば
インフレーシヨン延伸法を用いて延伸フイルムを
製造する際、一般に延伸応力の大きい樹脂の延伸
は極めて難かしいとされている。この理由は大き
な延伸応力を要する樹脂であるほど、その延伸に
使用するインフレーシヨンバブル内の気体の内圧
に高圧のものが必要となるのである。そしてこの
内圧の高まりは、バブルを形成する樹脂筒状体の
伸展延伸を、その弱点部分に集中して進行する傾
向を強めるために、バブル中への気体注入作業を
極めて困難にしたり、延伸時のバブルパンク発生
率を高めたり、厚み斑が増幅された状態の延伸フ
イルムになつてしまつたりする現象を生むことに
なるからである。更に又、高い内圧のインフレー
シヨンバブルがパンクしたときに生じる破裂音の
環境衛生に及ぼす悪影響も、大きな障害の1つで
ある。こうした状況にあつて、第3図に示す本発
明の組成物は、延伸が難かしいとされているポリ
アミド系樹脂の、その延伸に必要な応力値を、約
2/5の低い値に下げ、延伸を容易なものにした事
実を示しているところに意義がある。 第4図は、本発明の樹脂組成物の持つ特異な性
質の1例を示す実験図(詳細は実施例・比較例3
参照)である。即ち、横軸には、フイルム製造時
の緊張熱セツト処理温度条件で、左縦軸は得られ
たフイルムが示す90℃熱水下の収縮率〔単位;
%〕、右縦軸は、得られたフイルムが示す常温下
での寸法変化率〔単位;%〕で、実線は本発明の
樹脂組成物を用た場合、破線はポリアミド樹脂単
体の場合の各々の関係を示す。 この第4図が示す意味は、一般にフイルムの熱
水収縮性と常温寸法変化率の大きさは、緊張熱セ
ツト処理条件で調節される。しかしこの両者に値
はセツト処理条件に対して同傾向の挙動を示すた
め、その調整出来る自由度は小さく、例えば熱水
収縮率は大きいが、常温寸法変化率も大きい(常
温寸法安定性が悪い)フイルムは簡単に作り得て
も、熱水収縮率は大きいが常温寸法変化率の小さ
いフイルムは作り得ない。一方フイルムの持つ熱
収縮性を利用する緊張包装分野では、よりタイト
な包装とするために、少なくとも26%の値の高い
熱収縮性のフイルムを要求し、それでいて、輸
送・保管過程のフイルムの寸法安定性を確保する
為に、常温寸法変化率を2%以下の値のものにな
ることを要求する。従つてこの際、ポリアミド樹
脂単体(破線)の場合は、上記のその要求を満す
ことが困難な、限界の状態にあるのに対し、本発
明の樹脂組成物(実線)の場合は、常温寸法変化
率に充分な余裕(寸法安定性に優れる状態)を持
つて、熱水収縮率を高める要求に対応できること
を意味しているのである。
【表】
【表】 上記第5表は本発明の樹脂組成物の持つガスバ
リヤ特性、機械的特性における特質の1例を、ポ
リアミド樹脂単体の場合と対比して示した比較実
験結果表(詳細実施例・比較例3参照)である。 第5表の結果によると、ポリアミド樹脂と対比
したときの本発明の樹脂組成物の特質は、ガスバ
リヤ性、即ちO2TR、WVTRの双方に於て低い
値(バリヤ性能が良い)を示し、且つ、高湿度条
件下に於てもそのバリヤ性能の良さは、充分に維
持されることが実証されている。 更に機械的強度、例えば引張強度に於ては、標
準条件下の値では、ポリアミド樹脂単体の場合の
それと比べ優れてるとは云えないまでも、高湿条
件下にあつては、吸湿による悪影響を受け難いた
めにポリアミド樹脂単体の場合のそれを、はるか
にしのぐ結果を示していることに留意されたい。
【表】 第6表及び第5図は、本発明の樹脂組成物の有
用性の一端を示す実験結果図で、本発明の樹脂組
成物を単体の延伸(熱収縮性)フイルムにした場
合の、現状市販の同系の熱収縮包装用フイルムと
の比較を示す(詳細は実施例−比較例4参照)。
従つて市販フイルムの多くは多層フイルムになつ
ている点にる留意されたい。 第5図の結果によると、本発明の組成物で作つ
たフイルムは、単層であるにもかかわらず、多層
の市販フイルムに優るとも劣らない性能を兼備し
ていることが分る。 このことは本発明の樹脂組成物は、従来のポリ
アミド系樹脂の常識、即ち様々な環境下に曝され
る熱収縮・緊縮包装分野のフイルムとするとき、
他の樹脂と積層して樹脂の持つ欠点を補つておか
ねばならないとされてきた常識を打開し、単層の
フイルムの場合でも充分にこれに対応できるもの
になつたことを示している。 ことに第5図は、第6表の中の熱収縮性の温度
挙動に着目し評価した実験図で、横軸には熱収縮
させたときの熱水温度〔単位;℃〕、縦軸には、
そのときに示すフイルムの収縮率〔単位;%(縦
横平均値)〕を表している。 第5図の結果によると、本発明の樹脂組成物の
フイルムは、広い温度範囲に亘つて高い熱収縮率
を示し、特に低い温度条件下で高い熱収縮性を示
す特質を有していることが分る。従つて本発明の
樹脂組成物のフイルムは、低温収縮性が要求され
る分野、例えば生肉食品、加工肉食品等の緊縮包
装分野に活用するとき、大きな効果が発揮されて
有用である。 上記第6表及び第5図の結果は、単層ででも使
用できる本発明の組成物の1つの利点の例示に止
まり、これの多層化への適用を否定するものでは
ない。このことは例えば、第5図に示したような
大きな熱収縮性を、積層フイルムの一成分樹脂と
して発揮させるとき、他層成分の樹脂層の熱収縮
性が、仮に不充分なときであつても、これを補な
うことになるのは、容易に推察できることからも
分る。 次に第1図は解析図で、第2表の実験結果表と
対応し、究極本発明のクレームの主要部と対応し
ている(詳細は実施例・比較例1参照)。 即ち、第2表は、ポリアミド樹脂・エチレン酢
酸ビニル共重合体けん化物、及びα−オレフイン
系アイオノマー樹脂の三成分各種混合組成物につ
いて、上記本発明の目的の充足度という観点から
総合評価した実験結果表である。しかし第2表の
結果表からは、何等規則性を見出すことは出来
ず、評価結果の良いものと悪いものとが混在して
存在しているに止まる。 第1図は、三成分樹脂の成分組成(合計100重
量%)を表わす三角図表で、正三角形の上部頂点
はポリアミド樹脂が100重量%、左下頂点はα−
オレフイン系アイオノマー樹脂が100重量%、右
下頂点はエチレン酢酸ビニル共重合体けん化物が
100重量%である場合を示している、従つて正三
角形の左側斜辺は、ポリアミド樹脂とα−オレフ
イ系アイオノマー樹脂との関係を、その底辺は、
α−オレフイン系アイオノマー樹脂とエチレン酢
酸ビニル共重合体けん化物との関係を、その右側
斜辺はエチレン酢酸ビニル共重合体けん化物とポ
リアミド樹脂との関係を、各々成分割合になるよ
うに目盛られ、3種の成分の合計が100重量%に
なる座標で示される図表である。この図表に第2
表に示す総合評価の結果を、その結果を示す樹脂
組成の成分座標位置にプロツトしたのが第1図の
内容である。 第1図の解析結果によると、本発明の目的を満
す樹脂成分組成は、点(ポリアミド樹脂成分、α
−オレフイ系アイオノマー樹脂成分、エチレン酢
酸ビニル共重合体けん化物成分)で示す座標点
で、少なくとも点A(80,10,10)、点B(60,30,
10)及びC点(60,10,30)の3点を直線で結ん
で成る三角形で囲まれた範囲の成分領域のものが
必要であることが分る。 換言すれば本発明の目的を満す本発明の樹脂組
成は、 ポリアミド樹脂成分量 =ポリアミド樹脂成分量/上記3成分樹脂の合計量
×100 =60〜80重量% α−オレフイン系アイオノマー成分量 =α−オレフイン系アイオノマー成分量/上記3成
分樹脂の合計量 ×100=10〜30重量% エチレン酢酸ビニル共重合体けん化物成分量 =
エチレン酢酸ビニル共重合体けん化物成分量/上記3成
分樹脂の合計量 ×100=10〜30重量% であることを示している。そして更に得られるフ
イルムに酸素ガスバリア性、熱水収縮率、透明性
等の特性を一段と高水準に兼備させようとする観
点からは、同上の座標点で、点D(70,15,15)、
点E(65,20,15)及び点F(65,15,20)を結ん
で成る三角形で囲まれた範囲の成分樹脂、即ちポ
リアミド樹脂成分量で65〜70重量%、α−オレフ
イン系アイオノマー樹脂成分量で15〜25重量%、
エチレン酢酸ビニル共重合体けん化物成分量で15
〜25重量%の範囲の成分樹脂を選ぶことが好まし
いことを示している。
【表】 第3表は、本発明のクレームの他主要部に対応
する基礎実験に結果を示す1例である(詳細は実
施例・比較例2参照)。 この第3表は、具体的には上記第1図の中のα
−オレフイン系アイオノマー樹脂の部分が、どの
ような他種の樹脂と代替し得るかの命題に対し、
本発明の目的を満す上でどのような樹脂であるべ
きかで回答を与えている。即ち第3表の内容とし
ては、他種の樹脂の候補に一応、エチレンアクリ
ル酸共重合樹脂、変性されたエチレン酢酸ビニル
共重合樹脂、及びエチレン酢酸ビニル共重合樹脂
の3種類の樹脂、又はこれ等の混合樹脂が選ばれ
ている。しかし選ばれたこの樹脂類の場合でも、
それ等自体のみでの使用ではアイオノマー樹脂と
代替できる性能を持つに至らず、必ずα−オレフ
イン系アイオノマー樹脂を主体成分とする混成樹
脂成分の中の、他成分樹脂といつた形での、併用
的な態様であるときにかぎり、本発明の樹脂組成
物中の、α−オレフイン系アイオノマー樹脂と同
等に、10〜30重量%の割合の成分樹脂として使用
することが出来ることを示している。 この理由は、本発明の組成物は、第1図に示さ
れるように、ポリアミド樹脂、エチレン酢酸ビニ
ル共重合体けん化物、α−オレフイン系アイオノ
マー樹脂の三種類の樹脂の、特定の成分領域での
混合を基本思想として完成されたものである為
で、これを他の樹脂との組合せに変更したり、多
種類の成分樹脂に変更したりすることには制約が
あり、そこには充分な組合せの自由度が残されて
いないからだと考えられる。 又、第3表の結果によると、αオレフイン系ア
イオノマー樹脂と代替できる樹脂成分の望ましく
は、主体成分であるアイオノマー樹脂成分量は70
重量%以上で更に、本発明の樹脂組成全体内に占
める他樹脂成分〔即ち、エチレン−アクリル酸共
重合樹脂、変性されたエチレン−酢酸ビニル共重
合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂の1種
又はこれ等の混合樹脂成分〕の割合が、8重量%
以下の値の範囲になるように調整することが望ま
しいことを示している。第3表では、この他樹脂
成分そのものの効果は具体的には示されてはいな
いが、本発明者等の研究によると、本発明の目的
を満す範囲の小量の添加に於て、樹脂組成物の加
工性・特性の改良(結晶化速度、結晶化度・流動
粘度の調節・膜質の強靫性の改良)に応用すると
便利であることが確認されている。
【表】
【表】 第7表は、前記した本発明の構成に最も近い先
行文献(i)〜(iv)に記載の樹脂組成物と、本発明の樹
脂組成物との効果面での対比表である(詳細は実
施例・比較例5参照)。又この表では、各々の代
表的樹脂組成について、ポリアミド樹脂単体に対
する改良効果の大きさの程度で示すようにしてあ
る。 第7表の結果によると、ポリアミド樹脂の持つ
諸欠点に対し、その欠点のすべてがより高度に改
良されているという観点から本発明の樹脂組成物
を評価するときは、本発明の組成物の改良効果は
他の文献記載の樹脂組成物に比べてはるかに優れ
ており、そのバランスされた特質に於て他の組成
の追従を許すものでないことが分る。 この本発明の樹脂組成物の成分領域は、前記し
て詳細した通り、樹脂組成物の混合状態で正しく
ない評価をしてしまうという知見と、その状態を
観察しようとする熱意や観測手段とを事前に準備
していなければ、実施不能領域として見落してし
まうところの、先行文献ではすでに見捨てられて
しまつた成分領域に当ることを考慮するとき、上
記本発明の効果は、新しい技術の目で再開発する
ことに成功した未知の効果として注目される。
【表】
【表】 本発明におけるポリアミド樹脂は、酸アミド結
合−CONH−を有する線状合成高分子化合物で
あつて、ホモポリアミド、コポリアミド、あるい
はこれらのブレンド物であつてもよい。 具体的には、ホモポリアミドとしては、ポリカ
プロアミド(ナイロン−6)、ポリウンデカンア
ミド(ナイロン−11)、ポリラウリンラクタム
(ナイロン−12)等である。コポリアミドとして
は、カプロラクタム/ラウリンラクタム共重合体
(ナイロン6/12)、カプロラクタム/ヘキサメチレ
ンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン
6/66)、ラウリンラクタム/ヘキサメチレンジア
ンモニウムアジペート共重合体(ナイロン12/66)
等を挙げることができる。これらポリアミドは、
混合樹脂の変色を抑える観点あるいは延伸フイル
ムの機械的特性をより高めようとする観点から
は、DSC(差動走査熱量計)により測定した融点
が190〜240℃であるホモポリアミドあるいはコポ
リアミドを使うことができる。 本発明におけるα−オレフイン系アイオノマー
樹脂とは、α−オレフインとα,β不飽和カルボ
ン酸誘導体との共重合体に金属イオンを架橋せし
めたイオン性共重合体をいう。ここでα−オレフ
インとしては、エチレン、プロピレン等を挙げる
ことができ、α,β不飽和カルボン酸誘導体とし
ては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリ
ル酸メチル、メタクリル酸エチル等を挙げること
ができる。また金属イオンとしては、原子価が1
〜2価のもの、例えばNa+,Mg++,Zn++等が挙
げられる。 本発明におけるエチレン酢酸ビニル共重合体け
ん化物としては、エチレン含量が28〜45モル%、
けん化度が98%以上であるものが使用できる。 本発明におけるエチレン−アクリル酸共重合樹
脂とは、エチレンとアクリル酸との共重合反応で
製造される、メチレン鎖にランダムにカルボキシ
ル基(−COOH)が配置された共重合樹脂をい
う。またアクリル酸の含量しては12%までのもの
が使用できる。 本発明における変性されたエチレン−酢酸ビニ
ル共重合樹脂とは、酢酸ビニル含量が5〜30重量
%であるエチレン酢酸ビニル共重合樹脂に酸無水
物をグラフト重合して得られる化学的変性エチレ
ン−酢酸ビニル共重合樹脂をいう。酸無水物とし
ては無水マレイン酸に代表される不飽和カルボン
酸の無水物が用いられる。 本発明におけるエチレン−酢酸ビニル共重合樹
脂としては酢酸ビニル含量が10〜40重量%である
ものが使用できる。 なお、本明細書中での評価項目は、次の評価方
法及び尺度を用て評価した。 融点:DSC(差動走査熱量計)、モデルDSC
−1B型(パーキン・エルマー社製)より測定
した。DSCによる融点測定は、加熱炉中の2
ケの試料皿受の一方に、測定温度範囲で吸発熱
しない標準試料を入れ、他方に測定試料を入れ
て加熱炉温度を10℃/分の昇温速度で上昇させ
て、試料の融解曲線のピーク点温度を読み取る
ことにより測定した。 酸素透過度:ASTMD3985,23℃,90%RH
でOXTRAN100型(MOCON社製)にて測定
した。
【表】 なお、酸素透過度の湿度依存性については、上
記条件のうち、湿度を12%RHにして測定し、 (90%RHでの酸素透過度)−(12%RHでの酸素透過度)
/12%RHでの酸素透過度 の値で示した。 水蒸気透過度:ASTM−F−372,38℃,90
%RHでIRD−2型赤外自動透湿度測定装置
(MOCON社製)にて測定した。単位μ・g/
m2・24hr,38℃,90%RH 引張強度の高湿度条件下での低下率:90%
RH,23℃で24時間放置した試料と12%RH,
23℃で24時間放置した試料の引張破断強度を測
定し、 (12%RHでの引張強度)−(90%RHでの引張強度)/12
%RHでの引張強度 の値で示した。 尚、上記引張強度の測定はASTM D−638記
載の方法に準拠して行なつた。
【表】 常温寸法変化率:40℃,90%RHの環境に44
時間エージングした時の収縮率を測定し、縦横
の平均値で表わした。この値の小さいとき常温
寸法安定性が良いという。
【表】 熱水収縮率:90℃の熱水に5分間浸漬後の収
縮率を測定し、縦横の平均値で表わした。
【表】 熱水収縮応力:長さ120mm、巾5mmの試料の
両端を固定し、90℃の熱水に浸漬した時生じる
応力を測定し、熱水収縮応力とした。
【表】 低温耐ピンホール性:ゲルボフレツクステス
ターによるピンホール発生数の測定。フイルム
試料(20×28cm)を円筒状に装着し、テンシヨ
ンのかからない状態で角度360゜のねじりと開放
とを繰り返し、フイルムを屈曲疲労させ、1000
回往復後の通電ピンホール数を測定。温度5
℃。
【表】 曇り度:ASTM1003。23℃,50%RHにて積
分球式光線透過率測定装置(日本精密光学製)
を用い測定した。
【表】 ドローダウン:押出機として40mmφ,L/D
=35を用い、各樹脂組成の最適押出温度条件下
で、スクリユー回転50r.p.m.で口径80mm、スリ
ツト幅1.0mmの中空ダイから押出、引取速度10
m/minで中空パリソンを引取る際、ダイ直下
25mmの位置での中空パリソン径を、固定ノギス
にて測定し、中空ダイ口径と測定値の差をもつ
てドローダウンの大きさとした。即ち数値の大
きいもの程ドローダウンが大きいことを示して
いる。 以下、本発明の内容を実験例、実施例、比較例
に基づいてさらに詳細に説明する。 実験例 1 ポリアミド樹脂〔東レ、アミランCM−1041
(商品名)東レ(株)製〕、α−オレフイン系アイオノ
マー樹脂(ハイミラン#1652(商品名)三井ポリ
ケミカル(株)製〕、エチレン酢酸ビニル共重合体け
ん化物〔ソアノールE(商品名)日本合成化学(株)
製〕の三種類の樹脂を用い、樹脂配合割合が、
各々順に70;25;5〔区分(本発明範囲外の組
成)〕と70;15;15〔区分(本発明の範囲内の組
成)〕との二種種類の混合樹脂組成を各々の代表
とし、その二種類の樹脂に関して、第1表の実験
No.1,2,3に示す3種類の仕様のスクリユーを
内蔵した押出機に供給し、溶融押出し急冷して肉
厚み0.4mmの押出パリソンを6種類作成した。 得られた6種類の押出パリソンのHAZEを本文
記載の方法で評価し、その結果を第1表中に対応
させて示した。 又更に第1表実験No.1〜,1〜,3〜に
該当する押出パリソンの各々から、輪切り断面薄
肉片を切り揃えて取出し、その薄肉片をジメチル
スルフオキシド(DMSO)液中に20℃で24時間
浸漬し、水洗・乾燥後その薄肉片断面部を300倍
に設定した電子顕微鏡で観察した。この観察画像
が各々、第6図、第7図及び第8図である。 第1表の結果によると、比較の組成物(区分
)は押出機の混練能力の水準には無関係に、白
濁した(HAZE値7以上)パリソンであるのに対
し、本発明の組成物(区分)は押出機の混練能
力の水準によつて、白濁した(HAZE値7以上)
ものから透明なもの(HAZE値5以下)にまで変
化する。この現象原因を第6〜8図で説明する
と、比較の組成物(区分)の場合は、第6図に
示されるように、DMSOによつて溶解された樹
脂成分の部分(この際は、エチレン酢酸ビニル共
重合体けん化物とα−オレフイン系アイオノマー
樹脂の双方と推定)の分布が、やや大きな粒子状
として分散されて見え、更にこの分散状態は、混
練の水準によつて大きく変化しない(図面は省
略)のに対し、本発明の組成物(区分)の場合
は、第7図、第8図に示すように、当初は樹脂の
分散が線条に分布し白濁化して見えたものが、混
練の水準によつて細粒状の分布の透明なものに変
化するものである。 この一連の実験が示す意味は、従来の文献上の
結果から通常相溶性が良いと考えられ勝ちな本発
明の3成分樹脂の成分領域にあつて、第6図、第
7図で各々代表されるような分布状態の成分組成
の領域が近接して存在し、しかもその両者の判別
は外観上では区分できない関係にあるとき、その
成分領域に樹脂の分布状態を変えれば透明な組成
物に変化する成分領域が存在することを予測する
ことは極めて困難である。換言すれば、本発明の
樹脂組成物の領域は、一見、同じに見える樹脂の
分散状態の中の、その分布のわずかな差を見出
し、これを改善するという技術思想があつて初め
て発掘することが出来た領域であり、その領域
の、樹脂の分布が改善された組成物を示す特質
は、従来未知の特質であると云うことが出来る予
見を示している。 実験例 2 実験例1と同じ3種類の樹脂を用い、樹脂配合
割合を順に80:10:10の本発明の組成物を作成
し、第1表実験No.3に示した押出機を用い、押出
樹脂温240℃になるように調整して、スクリユー
回転数、50,60,70,80,90〔単位r.p.m.〕の5
水準について押出試験を行ない、各各の押出に要
した「押出時の比エネルギー〔単位、KW−hr/
Kg〕」を算出し、その結果を第2図に曲線とし
て示した。比較のためにポリアミド樹脂単体の場
合を上記と同様に評価算出し、その結果を曲線
として第2図に併記した。 第2図の結果によると、押出機の定常条件下
〔スクリユー回転、70〜80r.p.m.近傍〕に於て、
本発明の組成物は、ポリアミド樹脂単体の場合に
比べ、押出時の比エネルギーを約30%低減化でき
るものであることを示している。 この押出時の比エネルギーの値そのものの低減
化は、例えば押出樹脂温を高めて押出粘度を下げ
ることが達成できる。しかしポリアミド樹脂の場
合、その押出樹脂粘度を下げることは、通常でも
大きいドローダウン現象を増大させることになる
ので押出樹脂温の設定はむしろこのドローダウン
を制御する観点ら定めるのが現状である。 従つて、念のため本文記載の評価方法でこの際
の両者の樹脂のドローダウンの大きさ(ダイ口径
−設定距離下の押出物径)を本文記載の評価方法
で評価したところ、ポリアミド樹脂は、35mmであ
つたのに対し、本発明の組成物は、17mmの値を示
した。 これ等2つの値は第2図の押出実験条件が、ド
ローダウンの制御を考慮した押出条件下のもので
あつたことを実証している。 又一方、本発明の樹脂組成物、ポリアミド樹脂
単体品の双方の押出無延伸シートから、各々、巾
10mm、長さ100mm、肉厚み360μの短冊状試料片を
多数切出して、80℃,90℃,100℃,110℃,120
℃の五水準の温度に調温した恒温槽内で、歪速度
1万%/分、歪量200%(3倍延伸)の自由巾一
軸延伸を行ない各々の延伸応力(単位Kg/mm2〕を
求め、その結果を線は本発明の組成物、線は
ポリアミド樹脂の各々を示すように区分して第3
図に記載した。 第3図の結果によると、本発明の組成物は、ポ
リアミド樹脂に対し、各延伸温度下に於て約2/5
の低い延伸応力で延伸できるものであることが分
る。 この利点は、従来延伸応力の高さが障害になつ
て、実質上その実施が断念されている延伸分野
(肉厚・小径のシームレスチユーブのインフレー
シヨン分野)の実施の自由度を高めると共に、延
伸斑の防止に高度の技術力を要していたポリアミ
ド系樹脂の延伸に、大きな福音をもたらすものと
して注目される。 更に上述した押出時にどうしても生じてしまう
ドローダウンの、後処理方法による改善策につい
て検討を加えた。即ち、サーキユラーダイから押
出される筒状パリソンの径の縮小化現象を、ダイ
直下のパリソンに与える冷却手段及び条件でこれ
を最少限のものにしようとすることである。 実験結果によると、本発明の組成物の場合は、
押出された筒状パリソンに対し、ダイ直下から約
20mm以降のパリソン表面に水膜を形成させる冷却
手段(水膜水冷法)を採用することで、得られる
フイルムの厚み斑、表面特性に悪影響を与えず、
且つ、上記17mmのドローダウン現象を0mmの値に
してフイルムを製造出来ることが分つた。 これに対し、ポリアミド樹脂の場合は、例えば
上述の水膜水冷法では、ダイ面近傍のパリソンが
ゆれ動き、安定した成膜が行えず、結局表面平滑
度を調整した金属製の冷却用マンドレルのその表
面に、筒状パリソンの内面を密着させるようにす
る冷却手段を採用しないと、上記35mmのドローダ
ウン現象を0mmの値にすることが出来なかつた。 このマンドレルの冷却方式のマンドレルは、筒
状パリソンの内部に挿入された形でダイ直下に懸
架固定されていて、その表面を、未だ流動する状
態のままで定速流動して来る筒状パリソンの全周
内面と接触させ、その接触によつてパリソン径の
縮小化の抵抗となりこれを冷却固化し、全体とし
てパリソン自身の走行の安定化を図ろうとするも
のである。それだけに、例えばその接触抵抗が少
しでも大きすぎると、流動部の走行状態が乱され
るし、逆に接触が不充分だと、冷却斑が生じて走
行状態が乱される。更に冷却開始点や冷却速度が
変ると、接触抵抗が変る等の現象が生じ易いの
で、そのものの設計、材質の選定、加工精度の面
に高度の技術力を要し、その条件設定、当初のパ
リソンの取扱い等にも高度な技術を要する難しい
冷却手段である。只空冷法や、水膜冷却法等と云
つた簡単な冷却法が使えない場合、止むを得ずこ
れを採用しているのが現状である。 こうした意味に於て、本発明の組成物が単なる
水膜冷却法といつた簡単な公知の冷却手段で、そ
のドローダウンを防止出来ることには大きな意義
がある。 この効果は、ポリアミド樹脂に比べて本発明の
組成物は、本来、ドローダウンそのものが小さ
い、樹脂の流動粘度変化に対する温度依存性が小
さい、流動膜質が強靫等という組成物そのものの
特質によるものと推定される。 上述し明らかにして来た諸効果は、単にフイル
ム成形加工への適用に止まらず、溶融して押出す
る溶融樹脂を展開・伸展し、冷却固化させる工程
を経る上で軌を一にする各種、溶融押出加工にも
有益に作用するものと考えられる。 実施例・比較例1 ポリアミド樹脂〔東レアミランCM1041(商品
名)、東レ(株)製、融点225℃〕、α−オレフイン系
アイオノマー樹脂〔ハイミラン#1652(商品名)
三井ポリケミカル(株)製〕、エチレン−酢酸ビニル
共重合体けん化物〔ソアノール・E(商品名)、日
本合成化学(株)製〕を第4表に示す割合で、第1表
で用いたダルメージ付スクリユーを使つた単軸押
出機により溶融混練した。押出温度は235℃で行
なつた。こうして調製した混合樹脂組成物をダイ
口径80mm、スリツト巾1.0mmの中空ダイを用いて
押出し、口径80mmの水冷リングにより過冷却して
無延伸パリソンとした後、インフレーシヨン法に
て同時2軸延伸(延伸温度60℃、縦軸の延伸倍率
各3倍)し、その直後巾方向を緊張固定しなが
ら、フイルム表面温度140℃、2秒間の加熱空気
熱処理を行ないフイルムとした。このフイルムに
ついて酸素透過度、引張強度の高湿度条件下での
低下率、常温寸法変化率、熱水収縮率、熱水収縮
応力、低温耐ピンホール性、曇り度(HAZE)の
各々を本文記載の方法で評価し、その結果を第2
表に示した。 第1図は第2図の結果の解析図で、ポリアミド
樹脂成分、α−オレフイン系アイオノマー樹脂成
分及びエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物成
分の混合割合を示す三角図に第2表の各フイルム
の成分座標位置とそのフイルムが示す特性の総合
評価結果との関係をプロツトして層別したもので
両者の相関を明確にしている。第1図によると、
本発明の目的を満す樹脂組成物、即ちフイルムに
した時に、耐酸素ガス透過度、引張強度の高湿度
条件下での低下率の小ささ、常温寸法変化率の小
ささ、高い熱水収縮率、低温耐ピンホール性、曇
り度(HAZE)等の特性を兼備する樹脂組成物の
範囲としては、少なくとも第1図の三角図におけ
る座標点、即ち、該点(ポリアミド樹脂、α−オ
レフイン系アイオノマー樹脂、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体けん化物)の表現、点A(80,10,
10)、点B(60,30,10)、点C(60,10,30)と示
される3点を直線で結んで成る三角形で囲まれた
範囲の樹脂成分であることが必要であることが示
されている。 換言すれば本発明の混合樹脂組成の1つは、ポ
リアミド樹脂成分60〜80重量%、α−オレフイン
系アイオノマー樹脂成分10〜30重量%及びエチレ
ン酢酸ビニル共重合体けん化物10〜30重量%〔但
しその合計は100重量%〕の範囲のものであるこ
とを示している。 そして更に上記本発明の目的を一段と高水準に
兼備させようとする観点からは、同上の座標点
で、点D〔70,15,15)、点B(65,20,15)、点F
(65,15,15)の3点を結んで成る三角形で囲ま
れた範囲の成分樹脂組成、即ち換言すればポリア
ミド樹脂成分65〜70重量%、α−オレフイン系ア
イオノマー樹脂成分15〜25重量%、エチレン酢酸
ビニル共重合体けん化物成分15〜25重量%、〔但
しその合計は100重量%〕の範囲の成分樹脂を選
ぶことが好ましいことも示している。 実施例・比較例2 第2表の組成物番号4,8,10の各樹脂の、α
−オレフイン系アイオノマー樹脂成分部分のみに
ついて第3表に示した樹脂で代替して、実施例・
比較例1と同様の工程で、延伸フイルムを作成
し、第3表記載の各評価項目につき評価し、その
結果を第3表に示した。 代替に供した樹脂としては、エチレン−アクリ
ル酸共重合樹脂〔ユカロンA221M(商品名)、三
菱油化(株)製、アクリル酸含量8.5重量%〕、変性さ
れたエチレン酢酸ビニル共重合樹脂(無水マレイ
ン酸グラフトエチレン酢酸ビニル共重合樹脂)
〔ADMER VE205(商品名)、三井石油化学(株)
製〕、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂
〔EVAFLEX260(商品名)、三井ポリケミカル(株)
製、酢酸ビニル含量28重量%〕、エチレン−アク
リル酸エチル共重合樹脂〔NUCコポリマー
NUC6220(商品名)、日本ユニカー(株)製、アクリ
ル酸エチル含量7重量%〕を用いた。 第3表の結果によると、α−オレフイン系アイ
オノマー樹脂と代替できる樹脂群としては、エチ
レン−アクリル酸共重合樹脂、変性されたエチレ
ン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合樹脂の3種の樹脂、又はこれ等の混合樹
脂が選ばれることが示されている。しかし選ばれ
たこの樹脂群の場合でも、それら自体のみでの使
用ではアイオノマー樹脂と代替できる性能を持つ
に至らず、必ずα−オレフイン系アイオノマー樹
脂を主体成分とする混合樹脂成分の中の他成分樹
脂といつた形での併用的な態様であるときに限
り、本発明の樹脂組成物中のα−オレフイン系ア
イオノマー樹脂と同等に、10〜30重量%の割合の
成分樹脂として使用出来ることが出来ることを示
している。 又第3表の結果によると、α−オレフイン系ア
イオノマー樹脂と代替できる樹脂成分の望ましく
は、主体成分であるアイオノマー樹脂成分量は70
重量%以上で、更に本発明の樹脂成分全体内に占
める他樹脂成分〔即ち、エチレン−アクリル酸共
重合樹脂、変性されたエチレン−酢酸ビニル共重
合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂の一
種、又はこれ等の混合樹脂成分)の割合が8重量
%以下の値の範囲になるように調整することが望
ましいことを示している。 実施例・比較例3 第2表の組成物番号1(ポリアミド樹脂単位
置;比較品〕と組成物番号4〔本発明の組成物〕
について、実施例・比較例1と同様の工程で、延
伸フイルムを作成した。 この際の着目点としては、延伸後の加熱・熱固
定処理時の条件で、温度範囲を100℃から10℃間
隔で190℃まで変化させて、各々の温度で熱処理
をしたフイルム(処理時間を変化させフイルム表
面温度で確認)を得た。 得られた各々のフイルムにつき、90℃での熱水
収縮率と常温寸法変化率とを評価し、その結果を
第4表にまとめた。従つて第4表は、各処理温度
毎に得られるフイルムの品質水準を示している。 第4表の結果の生データーをグラフ化したのが
第4図で、横軸に熱処理温度℃、縦軸左側は、得
られたフイルムの熱水収縮率(%)、縦軸右側は
得られたフイルムの常温寸法変化率(%)、を
各々示すものとし、得られたフイルムが持つ特性
の関係を示すようにしたものである。尚実線は、
番号4(本発明の組成物)を、破線は番号1(ポリ
アミド樹脂単体)を示す。 第4図の結果によると、実線(本発明品)、破
線(比較品)は共に熱処理条件によつて得られる
フイルムの特性の調節が出来ることを示してい
る。そして両樹脂共に、常温寸法変化率の小さい
(寸法安定性の良い)フイルムを得ようとしたと
き、それにつれて熱水収縮率が低下してしまう傾
向があり、例えば熱水収縮率が大きく且つ寸法変
化率の小さいフイルムを得ることは難かしいこと
であることが分る。
【表】 只この際、処理温度の上昇に対する熱水収縮率
の減少勾配のゆるやかさ、及び寸法変化率の小さ
さの水準そのものでは本発明品の方が優る。この
ことは本発明の組成物は寸法変化率を2%以下
(市場要求値)にして、相対的に熱水収縮率の高
い(市場要求26%以上)フイルムが得られ易くな
つている。この利点は従来のポリアミド樹脂では
達成し得ない特質である点に注目される。 即ち、上記特質そのものの意味は、換言すれば
アクリル酸−熱固定の一連の条件を調整すること
によつて、常温寸法変化率が比較的小さい(寸法
安定性の良い)水準において、熱収縮性から非収
縮性の各種延伸フイルムを自在に作り分けること
ができる特質をもつということが出来るからであ
る。 又更に、得られた上記本発明の組成のフイル
ム、ポリアミド樹脂単体のフイルムの双方につ
き、評価したO2TR、WVTR、引張強度の結果
を第5表にまとめた。尚、この際、O2TRと引張
強度については、標準的評価条件下の値そのもの
と、湿度に対する低下率の大きさとの両方が分る
ように示してある。 第5票の結果によると、本発明の組成のフイル
ムは、ポリアミド樹脂に対し、O2TR、WVTR
の値そのものが小さくガスバリヤ性に優れ、且つ
高湿度下のO2TRの増大(悪化)も防止されてい
る。又引張強度については値そのものでは優ると
は云えないが、高湿度下での値の低下が防がれる
ので、結果的に優れることになる。 以上の結果は、本発明の組成フイルムの特質を
良く示すものである。 実施例・比較例4 ポリアミド樹脂、α−オレフイン系アイオノマ
ー樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物
の組成比のみを(68,17,15)に変えて、実施
例・比較例1と同様な押出、延伸、熱処理工程を
経て収縮フイルムを作成した。 一方現在食品包装分野で使用されている市販の
収縮包装用フイルム3種を入手し、これら4種の
フイルムについて前述の評価を行ないその結果を
第6表に示した。また第5図には、上記4種のフ
イルムについて、各々70℃〜100℃の熱水収縮率
を求め各フイルムに熱水収縮率の温度依存性が分
るように示した。第6表の結果から明らかなよう
に本発明の混合樹脂組成物よりなるフイルムは、
従来のポリアミド樹脂系フイルムと比較し何ら、
遜色がなく、その上で酸素ガスバリア性、引張強
度の湿度による変化率、低温耐ピンホール性、曇
り度等に優れており、中でも常温寸法安定性、熱
水収縮率が極めて優れていることが分る。又第5
図の結果によると、本発明の組成物のフイルムは
広い温度範囲に亘つて高い熱収縮率、特に低い温
度条件下で高い熱収縮率を示す特性を有している
ことが分る。 従つて本発明の組成物のフイルムは、低温収縮
性が要求される分野、例えば生肉、加工肉等の食
品の緊縮包装分野に活性できる有益なものである
ことが分る。 実施例・比較例5 実施例・比較例1で用いた三種類の樹脂に、ポ
リプロピレン樹脂〔住友ノーブレンH501(商品
名)住友化学(株)製〕を加えた四種類の樹脂を基材
樹脂とし、特開昭56−146758号(先行文献(i))、
特開昭54−16576号(先行文献(ii))、特開昭56−
167751号(先行文献(iii))、特公昭56−33425号(先
行文献(iv))の各々の発明に記載の組成物をフイル
ムにし、本発明の組成物のフイルムと対比するこ
とをこころみた。 各々から選んだ代表の樹脂成分は、第7表組成
比の項記載の通りとし、実験例2及び実施例・比
較例1と同じ要領で、厚み40μ、縦横3倍の二軸
延伸フイルムを得ることを目標にした比較実験を
行ない、その結果を第7表にまとめた。 第7表の評価項目の内、押出時の比エネルギ
ー、押出時のドローダウン、及び延伸時の延伸応
力は、実施例2で行つた場合と同様にして実験の
途上で、酸素透過度項より下段の評価項目は、
各々の組成物のフイルムを本文記載の方法で評価
したものである。尚第7表の結果は、良し悪しの
対比を分り易くするために、ポリアミド樹脂単体
品のフイルムの値を標準(100)とした比較値で
各々を示すことにした。 この比較実験に当つて感じたことは、先ず、フ
イルム化への難易性で、(iii),(iv)の両組成物は、安
定してフイルムが得られる延伸条件の設定が難か
しく、評価に供するフイルムを得るのがようやく
という有様であつた。 第7表の結果によると、ポリアミド樹脂の持つ
優れた特性(例えば透明性、引張強度)を保持し
た状態でポリアミド樹脂の持つ欠点、即ち押出時
の比エネルギー、ドローダウンの大きさ、酸素、
水蒸気透過性の大きさ、引張強度の高湿度下での
低下率の大きさ、低温時のピンホール発生の起り
易さ等の諸欠点を、すべての項目に亘り高水準に
改善できるものとしては、本発明の組成物からの
ものが最も優れていることが分る。これ等本発明
の組成物が示す特質は、本発明者等によつて初め
て開発された、従来未知の特質である。特に(iv)の
組成物からのフイルムは、収縮応力、耐圧強度が
小さく、食品の緊縮包装分野には到底供し得ざる
ものであつた。 (発明の効果) 以上詳述して明らかにしてきた通り、本発明の
樹脂組成物は、上述の構成をもつことにより、従
来のポリアミド樹脂に対し、溶融押出加工に供す
るとき、押出時の比エネルギー、延伸時の延伸応
力の双方が低く、それでいてガスバリヤ性が改善
された透過性の高い樹脂組成物である。この利点
は本発明の樹脂組成物が従来公知の様々な押出成
形加工に応用できるものであることを示してい
る。 特に例えば、本発明の樹脂組成物をフイルムの
成膜加工に供するときドローダウン現象が小さく
又これを解消し易いので有益である。更に延伸フ
イルムに適用するときに、従来延伸応力の高いこ
とが障害となつて実質上その実施が困難とされて
来たインフレーシヨン方式のチユーブ状フイルム
の製造を容易にし、この分野の製造範囲の自由度
を拡大する。 そしてその一般的な延伸加工時、本発明の組成
物は常温寸法変化率の小さい領域で、熱水収縮率
の大きいフイルムを作ることが出来るし、低温収
縮性に優れたフイルムを作ることも収縮性のない
常温寸法変化率の小さい、寸法安定性に優れたフ
イルムを作ることも出来る。 本発明の組成物の他の特質は、機械強度及びガ
スバリヤ性に対する湿度依存性がいずれも小さく
なるように改善されていることである。この特質
はガスバリヤ性(O2TR,WVTR)、透明性の
各々の水準そのものが高水準に維持されているこ
とと相俟つて、従来のポリアミド樹脂の溶融押出
式成形品への適用分野を大巾に拡大できるものと
して注目される。
【図面の簡単な説明】
添付した図面を下に説明する。第1図は、本発
明の混合樹脂組成の成分比を示す実験図である、
(実施例・比較例の1及び2と対応)第2図、第
3図及び第4図は本発明の組成物が示す特質例を
示す実験図である、(実施例2、及び実施例・比
較例3と対応)第5図は、本発明の組成のフイル
ムと市販フイルムとの対比を示す実験図である
(実施例・比較例4と対比)第6,7,8図は、
押出パリソン内の樹脂の粒子状に分散した分散状
態を示す電子顕微鏡写真である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ポリアミド系樹脂を主体成分とする他樹脂と
    の混合樹脂組成物に於て、樹脂合計量に対し、ポ
    リアミド系樹脂が80〜60重量%、エチレン酢酸ビ
    ニル共重合体けん化物が10〜30重量%、α−オレ
    フイン系アイオノマー樹脂〔又はα−オレフイン
    系アイオノマー樹脂が主成分で他成分はエチレン
    アクリル酸共重合樹脂、変性されたエチレン酢酸
    ビニル共重合樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合樹
    脂から選ばれた樹脂の1種以上の樹脂から成る樹
    脂〕が10〜30重量%〔但し合計100重量%〕の成
    分割合で混合されていることを特徴とするポリア
    ミド系混合樹脂組成物。 2 混合樹脂の成分割合が、樹脂合計量100重量
    %に対し、ポリアミド系樹脂65〜70重量%、エチ
    レン酢酸ビニル共重合体けん化物15〜25重量%、
    α−オレフイン系アイオノマー樹脂〔又はα−オ
    レフイン系アイオノマー樹脂が主成分で、他成分
    は、エチレン−アクリル酸共重合樹脂、変性され
    たエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−
    酢酸ビニル共重合樹脂から選ばれた1種以上の樹
    脂である2種以上の樹脂〕が15〜25重量%の割合
    である、特許請求の範囲第1項の混合樹脂組成
    物。 3 α−オレフイン系アイオノマー樹脂が主体成
    分である樹脂の成分内容は、α−オレフイン系ア
    イオノマー樹脂が70重量%以上であり、全混合樹
    脂内に占めるエチレンアクリル酸共重合樹脂、変
    性されたエチレン酢酸ビニル共重合樹脂、エチレ
    ン酢酸ビニル共重合樹脂の合計量の占める割合が
    8重量%以下である、特許請求の範囲第1項、又
    は第2項の混合樹脂組成物。 4 肉厚み0.4mmの樹脂板にして測つたときの
    HAZE(ASTM1003、23℃、50%RH)が5%以
    下の値示すものである、特許請求の範囲第1項、
    第2項又は第3項の混合樹脂組成物。 5 ポリアミド系樹脂を主体成分とする他樹脂と
    の混合樹脂組成物を溶融し、押出し成形加工した
    押出成形品に於て、 樹脂合計量に対し、ポリアミド系樹脂が80〜60
    重量%、エチレン酢酸ビニル共重合体けん化物が
    10〜30重量%、α−オレフイン系アイオノマー樹
    脂〔又はα−オレフインアイオノマー樹脂が主成
    分で、他成分はエチレン−アクリル酸共重合樹
    脂、変性されたエチレン−酢酸ビニル共重合樹
    脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂から選ばれ
    た1種以上の樹脂である2種以上の樹脂〕が10〜
    30重量%〔但し合計100重量%〕の成分割合の樹
    脂を溶融混練し、押出し成形加工したことを特徴
    とするポリアミド系混合樹脂組成物の溶融押出成
    形品。 6 混合樹脂の成分割合が、樹脂合計量100に対
    し、ポリアミド系樹脂65〜70重量%、エチレン酢
    酸ビニル共重合体けん化物15〜25重量%、α−オ
    レフイン系アイオノマー樹脂〔又は、α−オレフ
    イン系アイオノマー樹脂が主成分で他成分はエチ
    レン−アクリル酸共重合樹脂、変性されたエチレ
    ン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニ
    ル共重合樹脂から選ばれた1種以上の樹脂である
    2種以上の樹脂〕が15〜25重量%の割合である、
    特許請求の範囲第5項の押出成形品。 7 α−オレフイン系アイオノマー樹脂が主体成
    分である樹脂の成分内容は、α−オレフイン系ア
    イオノマー樹脂が70重量%以上であり、全混合樹
    脂内に占めるエチレンアクリル酸共重合樹脂、変
    性されたエチレン酢酸ビニル共重合樹脂、エチレ
    ン酢酸ビニル共重合樹脂の合計量の占める割合が
    8重量%以下である特許請求の範囲第5項又は第
    6項の押出成形品。
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