JPH0367728B2 - - Google Patents
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- JPH0367728B2 JPH0367728B2 JP57010848A JP1084882A JPH0367728B2 JP H0367728 B2 JPH0367728 B2 JP H0367728B2 JP 57010848 A JP57010848 A JP 57010848A JP 1084882 A JP1084882 A JP 1084882A JP H0367728 B2 JPH0367728 B2 JP H0367728B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- exhaust gas
- denitrification
- catalyst
- gas
- reducing agent
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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- Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
Description
[産業上の利用分野]
本発明は脱硝方法に係り、特に排ガス中の窒素
酸化物(以下、NOXという)を除去する乾式脱
硝装置へ還元剤として例えばアンモニア(NH3)
などを注入して、NOXを還元する乾式脱硝方法
に関するものである。 [従来技術] 近年、我が国においては重油供給量のひつ迫か
ら、石油依存の是正を計るために、従来の重油専
焼から石炭専焼へと燃料を変換しつつあり、特に
事業所ボイラにおいては石炭専焼の大容量火力発
電所が建設されている。 ところが、石炭燃料は石油燃料に比べて燃焼性
が悪いので、排ガス中に含まれているNOX及び
未燃分が発生しやすい。このNOXの低減対策の
ために火炎の分割、排ガスの再循環、二段燃焼及
び炉内脱硝などを採用して、緩慢な燃焼を行わせ
てNOXを低減することが行われている。 そしてこの石炭専焼火力においては、ボイラ負
荷が常に全負荷(100%負荷)で運転される場合
は少なく、負荷を80%負荷、50%負荷、25%負荷
へと上げ、下げして運転したり、運転を停止する
などの中間負荷を担う火力発電プラントへ移行し
つつある。 一方、この中間負荷火力用には起動特性のよい
ガスタービンと排熱回収ボイラを組合わせた、い
わゆるコンバインドサイクルプラントのように、
電力需要の多い昼間のみ運転して、夜間は運転を
停止するものが建設されようとしている。 ところが、この石炭専焼の中間負荷用ボイラ、
ガスタービンにおいてもNOX排出濃度の規制強
化にともない、従来の燃焼改善に加えて、NH3
を還元剤として触媒の存在下で脱硝を行う乾式接
触還元脱硝装置を設置するプラントが増加してい
る。 それは石炭専焼ボイラにおいては、石炭の燃焼
性が悪いのでNOX量が増加し、ガスタービンプ
ラトにおいては酸素量が多く高温燃焼を行うため
に、石炭専焼ボイラと同様に排ガス中には多量の
NOXを含有しているので、第1図に示すような
脱硝装置8がプラント中に設置されている。 第1図は、この脱硝装置8が設置されたボイラ
の代表的な煙風道系統を示す図である。 同図に示すように、空気ダクト1内に導入され
た燃焼用空気は押込通風機2にて昇圧され、空気
予熱器3で排ガスダクト4内を流通する高温の排
ガスによつて加熱された後、ウインドボツクス5
よりボイラ6へ供給される。 一方、ボイラ6内で燃焼した排ガスは、排ガス
ダクト4でNH3注入管7からNH3が混入され、
それの下流に配置された脱硝装置8内の触媒9に
よつて脱硝が行われ、排ガス中のNOXは除去さ
れて、その後空気予熱器3、集塵機10、誘引通
風機11で昇圧されて大気へ放出される。 ところが、係る脱硝装置8は触媒9の種類によ
つても多少反応温度は異なるが、最も効率の高い
温度範囲は300〜400℃の比較的高温で、温度範囲
はいたつて狭い。そのため、中間負荷火力用のボ
イラやガスタービンのように常に部分負荷で運転
されるものにおいては、負荷変動によつて排ガス
温度が変動して、触媒9の使用可能領域を外れて
しまうという問題がある。 この場合、排ガス温度が高過ぎると、触媒9の
変質が生じて触媒としての機能が損なわれる。ま
た、排ガス温度が低過ぎると、排ガス中に存在す
る無水硫酸(SO3)と反応して、やはり触媒機能
が劣化する。 従つて、これら部分負荷時における排ガスは、
ガスバイパス方式、アフターバーニングなどによ
つて温度制御が行われたり、あるいは触媒性能の
改良により、部分負荷時の脱硝は解決されつつあ
る。 [発明が解決しようとする課題] ところが、中間負荷火力用のボイラやガスター
ビンにおける脱硝装置の欠点は、これらのボイラ
やガスタービンが頻繁に起動、停止を繰り返すこ
とによつて、起動直後には多量のNOXが発生し、
しかもガス温度が低いことから、NH3を注入し
てから脱硝反応の進行状態が定常になるまでには
数時間を要する。そのため、起動直後に排出され
るNOXの低減が新な問題となる。 従来、安定した脱硝を行うため、特開昭55−
1858号公報に記載されているような発明が提案さ
れている。 この発明は、予め使用する触媒のNH3最大吸
着量を求めておき、排ガス通気時に脱硝装置から
出る排ガスのNOX量をガス分析計によつて監視
しておき、NOX量が所定の値になると電磁弁を
開いてNH3注入管から前記NH3最大吸着量以内
の過剰のNH3を所定時間注入する。そしてNH3
の注入が完了すると電磁弁を閉じることにより、
NH3の注入を停止する。この電磁弁を閉じた後
の脱硝反応は、触媒に吸着されている余剰の
NH3が触媒から離脱して脱硝反応に関与する仕
組みになつている。すなわち、前記触媒に吸着さ
れた余剰のNH3が、排ガスの流量の変動、NOX
濃度の変動、NOとNO2の比率の変動ならびに前
記分析計の応答遅れなどを補償するバツフアーと
なつている。 前述のようにこの方法では、排ガスの通気時に
過剰のNH3を注入して、その一部を直接排ガス
の脱硝反応に関与させ、残りのNH3を触媒に吸
着させようとするものである。 しかし、処理すべき多量の排ガスを流している
ときに、過剰のNH3を注入して、その一部を脱
硝反応に関与させながら、余剰のNH3ガスを触
媒に吸着させることは、実質的にはほとんど不可
能である。すなわち、多量の排ガスをNH3ガス
と同伴して流していることからガス流速が速くな
つている。そのため、注入したときには反応に関
与しない余剰のNH3ガスは触媒に吸着される前
に排ガスによつて流されてしまい、ほとんど触媒
には吸着されない。そうなると、脱硝装置出口に
NH3ガスが漏洩して二次公害を引き起こすばか
りでなく、前記電磁弁を閉じてNH3ガスの供給
を停止した後にはほとんど脱硝反応が行われず、
NOXがそのまま大気中に排出されることになる。 なお、排ガスと一緒にNH3ガスを流しても、
NH3が触媒に吸着されるようにするためは、脱
硝装置内のガス流速を遅くして吸着時間を長くす
ればよい。しかし、そうするためには脱硝装置内
の空間を大きくとる必要があり、その結果必然的
に装置が大型化し、設計的ならびに経済的に好ま
しいことではない。 本発明はこのような従来技術の欠点を解決する
もので、その目的とするところは、起動、停止を
頻繁に繰り返すプラントであつても、起動直後か
ら効率良く脱硝することができる脱硝方法を提供
することにある。 [課題を解決するための手段] 前記目的を達成するため、本発明は、触媒を内
蔵した脱硝装置を排ガスダクト内に設け、この脱
硝装置の上流に還元剤を注入する注入手段を設け
て、排ガスダクト内に還元剤を注入して処理すべ
き排ガス中の窒素酸化物を還元する乾式脱硝方法
において、 前記脱硝装置への排ガス通気停止前から遅くと
も次の脱硝装置の起動前に、前記注入手段により
過剰の還元剤を排ガスダクト内に注入して、この
過剰の還元剤を予め触媒に吸着させ、しかる後に
排ガスダクト内に処理すべき排ガスを通気して排
ガス中の窒素酸化物を還元することを特徴とする
ものある。 [作用] 前述のように、本発明は、脱硝装置の起動前に
過剰の還元剤を注入して、この過剰の還元剤を排
ガス通気前に予め触媒に吸着させるものである。 このように起動前に還元剤を注入するのである
から、還元剤の吸着に十分な時間がとれる。しか
も、処理すべき多量の排ガスとともに還元剤を流
していた従来提案のものに比較して格段に流速が
遅い。このようなことから、還元剤を触媒に十分
吸着させることができ、排ガスの通気前から還元
剤をラジカルな状態にしておくことができる。 このことは特に起動時において重要なことであ
る。すなわち、例えばボイラなどの起動時におい
ては、特に排ガス中のNOX含有量が多く、しか
も排ガス温度が比較的低いという、脱硝にとつて
は最も悪い状態にある。このような条件下のと
き、本発明のように排ガスの通気前から還元剤を
ラジカルな状態にしておくことができれば、脱硝
反応を効率的に進行させることができる。 [実施例] 次に本発明の実施例について説明するが、その
前に本発明者らが行つた実験例から説明する。 本発明者らはNH3接触還元脱硝法において、
NH3注入後のNH3吸着量の変化ならびに脱硝率
の変化について測定し、その結果を第2図ならび
に第3図に示す。これらの図から明らかなよう
に、NH3注入開始後、脱硝率が定常値になるま
でに数時間を要することがわかる。 このことについて、その原因を反応機構の面か
ら種々検討した結果、次のような結論に至つた。 なお、これらの実験条件は、ガス温度200℃、
面積速度6m/h、ガスは灯油燃焼ガス、NO値
200ppm、NH3注入量200ppmである。 これらの図から明らかなように、第3図に示す
NH3注入開始後からの脱硝率と、第2図に示す
触媒上に吸着されているNH3吸着量の経時変化
はよく一致している。これをもとに、脱硝率Xと
NH3吸着量Qとの関係を調べると、次式のよう
な関係が成立する。 ln1/1X−=const.・Q ただし式中 X:脱硝率 Q:NH3吸着量 const.:定数 この式によれば、脱硝率XがNH3を注入し始
めて直ちに高くならないのは、NH3の供給量が
すくないので、触媒上のNH3吸着量が定常値に
なるまでに時間がかかるためであることが判明し
た。 一方、脱硝率Xを大きくするためには、触媒上
のNH3吸着量を増大させればよいことになる。 この吸着NH3の性質について調べた結果、吸
着したNH3はきわめて安定であり、一旦触媒上
に吸着されたNH3は脱硝装置の停止期間中も変
化はなく、触媒上に吸着されたままであることも
判明した。 本発明は、この吸着NH3の驚くべき安定性を
脱硝装置に応用したものである。 すなわち、NH3の注入開始時点を脱硝装置の
起動前にして、多量のNH3すなわち、脱硝反応
に必要なNH3量に比べて過剰なNH3量を触媒上
に吸着されば、起動前からNH3をラジカルな状
態に維持しておくことができ、ガスタービンや中
間負荷ボイラのように起動、停止を頻繁に繰り返
すものにおいても、起動直後から効率よく脱硝す
ることができる。 [実施例] 次に、本発明を実施例により詳細に説明する。 実施例 1 10〜20メツシユに成形・整粒したTi系触媒を、
脱硝装置の反応管に充填する。次の第1表に示す
ガスを350℃に加熱し、これを前記反応管に空間
速度50000h-1で通気させて30分間通気状態を維持
した。その後、NH3濃度を300ppmに増大させて
30分間、同一条件に保持した後にガスの通気を停
止し、直ちに大気中に取り出してそのまま12時間
放置した。 このNH3を吸着した触媒を再び反応管に充填
し、第1表の組成のガスを通しながら、第4図に
示すように常温から350℃まで昇温し、そのとき
の脱硝率の変化を測定した。この結果を第5図の
二点鎖線の曲線Aで示す。この曲線に示されてい
るように起動時から脱硝率が高くなり、脱硝装置
への排ガス通気前に過剰のNH3量を注入するこ
とが、再起動時の脱硝率を高くすることに最も有
効であることがわかる。
酸化物(以下、NOXという)を除去する乾式脱
硝装置へ還元剤として例えばアンモニア(NH3)
などを注入して、NOXを還元する乾式脱硝方法
に関するものである。 [従来技術] 近年、我が国においては重油供給量のひつ迫か
ら、石油依存の是正を計るために、従来の重油専
焼から石炭専焼へと燃料を変換しつつあり、特に
事業所ボイラにおいては石炭専焼の大容量火力発
電所が建設されている。 ところが、石炭燃料は石油燃料に比べて燃焼性
が悪いので、排ガス中に含まれているNOX及び
未燃分が発生しやすい。このNOXの低減対策の
ために火炎の分割、排ガスの再循環、二段燃焼及
び炉内脱硝などを採用して、緩慢な燃焼を行わせ
てNOXを低減することが行われている。 そしてこの石炭専焼火力においては、ボイラ負
荷が常に全負荷(100%負荷)で運転される場合
は少なく、負荷を80%負荷、50%負荷、25%負荷
へと上げ、下げして運転したり、運転を停止する
などの中間負荷を担う火力発電プラントへ移行し
つつある。 一方、この中間負荷火力用には起動特性のよい
ガスタービンと排熱回収ボイラを組合わせた、い
わゆるコンバインドサイクルプラントのように、
電力需要の多い昼間のみ運転して、夜間は運転を
停止するものが建設されようとしている。 ところが、この石炭専焼の中間負荷用ボイラ、
ガスタービンにおいてもNOX排出濃度の規制強
化にともない、従来の燃焼改善に加えて、NH3
を還元剤として触媒の存在下で脱硝を行う乾式接
触還元脱硝装置を設置するプラントが増加してい
る。 それは石炭専焼ボイラにおいては、石炭の燃焼
性が悪いのでNOX量が増加し、ガスタービンプ
ラトにおいては酸素量が多く高温燃焼を行うため
に、石炭専焼ボイラと同様に排ガス中には多量の
NOXを含有しているので、第1図に示すような
脱硝装置8がプラント中に設置されている。 第1図は、この脱硝装置8が設置されたボイラ
の代表的な煙風道系統を示す図である。 同図に示すように、空気ダクト1内に導入され
た燃焼用空気は押込通風機2にて昇圧され、空気
予熱器3で排ガスダクト4内を流通する高温の排
ガスによつて加熱された後、ウインドボツクス5
よりボイラ6へ供給される。 一方、ボイラ6内で燃焼した排ガスは、排ガス
ダクト4でNH3注入管7からNH3が混入され、
それの下流に配置された脱硝装置8内の触媒9に
よつて脱硝が行われ、排ガス中のNOXは除去さ
れて、その後空気予熱器3、集塵機10、誘引通
風機11で昇圧されて大気へ放出される。 ところが、係る脱硝装置8は触媒9の種類によ
つても多少反応温度は異なるが、最も効率の高い
温度範囲は300〜400℃の比較的高温で、温度範囲
はいたつて狭い。そのため、中間負荷火力用のボ
イラやガスタービンのように常に部分負荷で運転
されるものにおいては、負荷変動によつて排ガス
温度が変動して、触媒9の使用可能領域を外れて
しまうという問題がある。 この場合、排ガス温度が高過ぎると、触媒9の
変質が生じて触媒としての機能が損なわれる。ま
た、排ガス温度が低過ぎると、排ガス中に存在す
る無水硫酸(SO3)と反応して、やはり触媒機能
が劣化する。 従つて、これら部分負荷時における排ガスは、
ガスバイパス方式、アフターバーニングなどによ
つて温度制御が行われたり、あるいは触媒性能の
改良により、部分負荷時の脱硝は解決されつつあ
る。 [発明が解決しようとする課題] ところが、中間負荷火力用のボイラやガスター
ビンにおける脱硝装置の欠点は、これらのボイラ
やガスタービンが頻繁に起動、停止を繰り返すこ
とによつて、起動直後には多量のNOXが発生し、
しかもガス温度が低いことから、NH3を注入し
てから脱硝反応の進行状態が定常になるまでには
数時間を要する。そのため、起動直後に排出され
るNOXの低減が新な問題となる。 従来、安定した脱硝を行うため、特開昭55−
1858号公報に記載されているような発明が提案さ
れている。 この発明は、予め使用する触媒のNH3最大吸
着量を求めておき、排ガス通気時に脱硝装置から
出る排ガスのNOX量をガス分析計によつて監視
しておき、NOX量が所定の値になると電磁弁を
開いてNH3注入管から前記NH3最大吸着量以内
の過剰のNH3を所定時間注入する。そしてNH3
の注入が完了すると電磁弁を閉じることにより、
NH3の注入を停止する。この電磁弁を閉じた後
の脱硝反応は、触媒に吸着されている余剰の
NH3が触媒から離脱して脱硝反応に関与する仕
組みになつている。すなわち、前記触媒に吸着さ
れた余剰のNH3が、排ガスの流量の変動、NOX
濃度の変動、NOとNO2の比率の変動ならびに前
記分析計の応答遅れなどを補償するバツフアーと
なつている。 前述のようにこの方法では、排ガスの通気時に
過剰のNH3を注入して、その一部を直接排ガス
の脱硝反応に関与させ、残りのNH3を触媒に吸
着させようとするものである。 しかし、処理すべき多量の排ガスを流している
ときに、過剰のNH3を注入して、その一部を脱
硝反応に関与させながら、余剰のNH3ガスを触
媒に吸着させることは、実質的にはほとんど不可
能である。すなわち、多量の排ガスをNH3ガス
と同伴して流していることからガス流速が速くな
つている。そのため、注入したときには反応に関
与しない余剰のNH3ガスは触媒に吸着される前
に排ガスによつて流されてしまい、ほとんど触媒
には吸着されない。そうなると、脱硝装置出口に
NH3ガスが漏洩して二次公害を引き起こすばか
りでなく、前記電磁弁を閉じてNH3ガスの供給
を停止した後にはほとんど脱硝反応が行われず、
NOXがそのまま大気中に排出されることになる。 なお、排ガスと一緒にNH3ガスを流しても、
NH3が触媒に吸着されるようにするためは、脱
硝装置内のガス流速を遅くして吸着時間を長くす
ればよい。しかし、そうするためには脱硝装置内
の空間を大きくとる必要があり、その結果必然的
に装置が大型化し、設計的ならびに経済的に好ま
しいことではない。 本発明はこのような従来技術の欠点を解決する
もので、その目的とするところは、起動、停止を
頻繁に繰り返すプラントであつても、起動直後か
ら効率良く脱硝することができる脱硝方法を提供
することにある。 [課題を解決するための手段] 前記目的を達成するため、本発明は、触媒を内
蔵した脱硝装置を排ガスダクト内に設け、この脱
硝装置の上流に還元剤を注入する注入手段を設け
て、排ガスダクト内に還元剤を注入して処理すべ
き排ガス中の窒素酸化物を還元する乾式脱硝方法
において、 前記脱硝装置への排ガス通気停止前から遅くと
も次の脱硝装置の起動前に、前記注入手段により
過剰の還元剤を排ガスダクト内に注入して、この
過剰の還元剤を予め触媒に吸着させ、しかる後に
排ガスダクト内に処理すべき排ガスを通気して排
ガス中の窒素酸化物を還元することを特徴とする
ものある。 [作用] 前述のように、本発明は、脱硝装置の起動前に
過剰の還元剤を注入して、この過剰の還元剤を排
ガス通気前に予め触媒に吸着させるものである。 このように起動前に還元剤を注入するのである
から、還元剤の吸着に十分な時間がとれる。しか
も、処理すべき多量の排ガスとともに還元剤を流
していた従来提案のものに比較して格段に流速が
遅い。このようなことから、還元剤を触媒に十分
吸着させることができ、排ガスの通気前から還元
剤をラジカルな状態にしておくことができる。 このことは特に起動時において重要なことであ
る。すなわち、例えばボイラなどの起動時におい
ては、特に排ガス中のNOX含有量が多く、しか
も排ガス温度が比較的低いという、脱硝にとつて
は最も悪い状態にある。このような条件下のと
き、本発明のように排ガスの通気前から還元剤を
ラジカルな状態にしておくことができれば、脱硝
反応を効率的に進行させることができる。 [実施例] 次に本発明の実施例について説明するが、その
前に本発明者らが行つた実験例から説明する。 本発明者らはNH3接触還元脱硝法において、
NH3注入後のNH3吸着量の変化ならびに脱硝率
の変化について測定し、その結果を第2図ならび
に第3図に示す。これらの図から明らかなよう
に、NH3注入開始後、脱硝率が定常値になるま
でに数時間を要することがわかる。 このことについて、その原因を反応機構の面か
ら種々検討した結果、次のような結論に至つた。 なお、これらの実験条件は、ガス温度200℃、
面積速度6m/h、ガスは灯油燃焼ガス、NO値
200ppm、NH3注入量200ppmである。 これらの図から明らかなように、第3図に示す
NH3注入開始後からの脱硝率と、第2図に示す
触媒上に吸着されているNH3吸着量の経時変化
はよく一致している。これをもとに、脱硝率Xと
NH3吸着量Qとの関係を調べると、次式のよう
な関係が成立する。 ln1/1X−=const.・Q ただし式中 X:脱硝率 Q:NH3吸着量 const.:定数 この式によれば、脱硝率XがNH3を注入し始
めて直ちに高くならないのは、NH3の供給量が
すくないので、触媒上のNH3吸着量が定常値に
なるまでに時間がかかるためであることが判明し
た。 一方、脱硝率Xを大きくするためには、触媒上
のNH3吸着量を増大させればよいことになる。 この吸着NH3の性質について調べた結果、吸
着したNH3はきわめて安定であり、一旦触媒上
に吸着されたNH3は脱硝装置の停止期間中も変
化はなく、触媒上に吸着されたままであることも
判明した。 本発明は、この吸着NH3の驚くべき安定性を
脱硝装置に応用したものである。 すなわち、NH3の注入開始時点を脱硝装置の
起動前にして、多量のNH3すなわち、脱硝反応
に必要なNH3量に比べて過剰なNH3量を触媒上
に吸着されば、起動前からNH3をラジカルな状
態に維持しておくことができ、ガスタービンや中
間負荷ボイラのように起動、停止を頻繁に繰り返
すものにおいても、起動直後から効率よく脱硝す
ることができる。 [実施例] 次に、本発明を実施例により詳細に説明する。 実施例 1 10〜20メツシユに成形・整粒したTi系触媒を、
脱硝装置の反応管に充填する。次の第1表に示す
ガスを350℃に加熱し、これを前記反応管に空間
速度50000h-1で通気させて30分間通気状態を維持
した。その後、NH3濃度を300ppmに増大させて
30分間、同一条件に保持した後にガスの通気を停
止し、直ちに大気中に取り出してそのまま12時間
放置した。 このNH3を吸着した触媒を再び反応管に充填
し、第1表の組成のガスを通しながら、第4図に
示すように常温から350℃まで昇温し、そのとき
の脱硝率の変化を測定した。この結果を第5図の
二点鎖線の曲線Aで示す。この曲線に示されてい
るように起動時から脱硝率が高くなり、脱硝装置
への排ガス通気前に過剰のNH3量を注入するこ
とが、再起動時の脱硝率を高くすることに最も有
効であることがわかる。
【表】
実施例 2
実施例1におけるNH3濃度300ppmに替えて
400ppmとし、ほかの条件は前記実施例1と同一
にして同様の試験を行つた。 このときの脱硝率の変化を測定し、その結果を
第5図の一点鎖線の曲線Bで示す。 実施例 3 実施例1におけるNH3濃度300ppmに替えて
600ppmとし、ほかの条件は前記実施例1と同一
にして同様の試験を行つた。 このときの脱硝率の変化を測定し、その結果を
第5図の実線の曲線Cで示す。 この実施例2、3から明らかなように、脱硝装
置の起動時から高い脱硝率が得られている。 比較例 1 前記実施例で示した高NH3濃度(300ppm)の
吸着処理を行わないで、同様の試験を行つた。 このときの脱硝率の変化を測定し、その結果を
第5図の点線の曲線Dで示す。 この第5図から明らかなように、比較例の場合
起動時の脱硝率が曲線A,B,Cに比べて悪く、
起動時の排ガス通気直後直ちに高い脱硝率を得る
ことができない。 実施例 4 厚さ1mm、幅40mm、長さ100mmのTi系板状触媒
を40mm角のガラス製反応管の中に間隔5mmで8枚
充填して触媒層を形成した。そして第8図に示す
ように、希釈した1000ppmのNH3を6N/分の
割合で触媒層に20分間通し、NH3を触媒に吸着
した。その後、次の表2に示す模擬ガスを
NH3300ppmとともに6N/分の割合で通気し
た。この模擬ガスは第6図に示すように、タービ
ンの起動を模擬するため、予熱器で1時間後に
500℃になるように昇温し、入口NOXは第7図に
示すように300ppmとした。
400ppmとし、ほかの条件は前記実施例1と同一
にして同様の試験を行つた。 このときの脱硝率の変化を測定し、その結果を
第5図の一点鎖線の曲線Bで示す。 実施例 3 実施例1におけるNH3濃度300ppmに替えて
600ppmとし、ほかの条件は前記実施例1と同一
にして同様の試験を行つた。 このときの脱硝率の変化を測定し、その結果を
第5図の実線の曲線Cで示す。 この実施例2、3から明らかなように、脱硝装
置の起動時から高い脱硝率が得られている。 比較例 1 前記実施例で示した高NH3濃度(300ppm)の
吸着処理を行わないで、同様の試験を行つた。 このときの脱硝率の変化を測定し、その結果を
第5図の点線の曲線Dで示す。 この第5図から明らかなように、比較例の場合
起動時の脱硝率が曲線A,B,Cに比べて悪く、
起動時の排ガス通気直後直ちに高い脱硝率を得る
ことができない。 実施例 4 厚さ1mm、幅40mm、長さ100mmのTi系板状触媒
を40mm角のガラス製反応管の中に間隔5mmで8枚
充填して触媒層を形成した。そして第8図に示す
ように、希釈した1000ppmのNH3を6N/分の
割合で触媒層に20分間通し、NH3を触媒に吸着
した。その後、次の表2に示す模擬ガスを
NH3300ppmとともに6N/分の割合で通気し
た。この模擬ガスは第6図に示すように、タービ
ンの起動を模擬するため、予熱器で1時間後に
500℃になるように昇温し、入口NOXは第7図に
示すように300ppmとした。
【表】
このときの脱硝率の変化を測定し、その結果を
第9図の実線の曲線Eで示す。 比較例 2 触媒層に前述の模擬ガスを通す同時に、NH3
を300ppm(NOと等モル)注入した。このときの
脱硝率の変化を測定し、その結果を第9図の破線
の曲線Fで示す。 この図から明らかなように、実施例4における
起動時の脱硝率が前記比較例2のものに比較して
非常に高いことがわかる。 前記実施例ではガスタービンの脱硝について説
明したが、本発明はガスタービンの脱硝に限定さ
れるものではなく、広く他の脱硝にも有効ある。 [発明の効果] 本発明によれば、脱硝装置の起動直後から高い
脱硝率を得ることができ、特に中間負荷ボイラや
ガスタービンの排熱回収ボイラなどのように起
動、停止を頻繁に繰り返すものにおいては、起動
時に多量のNOXを発生するので特に有効である。
第9図の実線の曲線Eで示す。 比較例 2 触媒層に前述の模擬ガスを通す同時に、NH3
を300ppm(NOと等モル)注入した。このときの
脱硝率の変化を測定し、その結果を第9図の破線
の曲線Fで示す。 この図から明らかなように、実施例4における
起動時の脱硝率が前記比較例2のものに比較して
非常に高いことがわかる。 前記実施例ではガスタービンの脱硝について説
明したが、本発明はガスタービンの脱硝に限定さ
れるものではなく、広く他の脱硝にも有効ある。 [発明の効果] 本発明によれば、脱硝装置の起動直後から高い
脱硝率を得ることができ、特に中間負荷ボイラや
ガスタービンの排熱回収ボイラなどのように起
動、停止を頻繁に繰り返すものにおいては、起動
時に多量のNOXを発生するので特に有効である。
第1図は、ボイラの代表的な煙風道系統図、第
2図ならびに第3図は、NH3吸着量と脱硝率と
の相関関係を示す特性曲線図、第4図、第6図な
らびに第7図は、実施例に用いた排ガス温度なら
びに入口NOXの変化を示した特性曲線図、第8
図は、還元剤の注入開始時期と注入量を示した
図、第5図ならびに第9図は、脱硝率と時間との
関係を示した特性曲線図、第10図は、還元剤の
注入開始時点を示した説明図である。 4……排ガスダクト、7……NH3注入管、8
……脱硝装置、9……触媒。
2図ならびに第3図は、NH3吸着量と脱硝率と
の相関関係を示す特性曲線図、第4図、第6図な
らびに第7図は、実施例に用いた排ガス温度なら
びに入口NOXの変化を示した特性曲線図、第8
図は、還元剤の注入開始時期と注入量を示した
図、第5図ならびに第9図は、脱硝率と時間との
関係を示した特性曲線図、第10図は、還元剤の
注入開始時点を示した説明図である。 4……排ガスダクト、7……NH3注入管、8
……脱硝装置、9……触媒。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 触媒を内蔵した脱硝装置を排ガスダクト内に
設け、この脱硝装置の上流に還元剤を注入する注
入手段を設けて、排ガスダクト内に還元剤を注入
して処理すべき排ガス中の窒素酸化物を還元する
乾式脱硝方法において、 前記脱硝装置への排ガス通気停止前から遅くと
も次の脱硝装置の起動前に、前記注入手段により
過剰の還元剤を排ガスダクト内に注入して、この
過剰の還元剤を予め触媒に吸着させ、しかる後に
排ガスダクト内に処理すべき排ガスを通気して排
ガス中の窒素酸化物を還元することを特徴とする
乾式脱硝方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP57010848A JPS58128126A (ja) | 1982-01-28 | 1982-01-28 | 還元剤の注入方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP57010848A JPS58128126A (ja) | 1982-01-28 | 1982-01-28 | 還元剤の注入方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS58128126A JPS58128126A (ja) | 1983-07-30 |
| JPH0367728B2 true JPH0367728B2 (ja) | 1991-10-24 |
Family
ID=11761767
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP57010848A Granted JPS58128126A (ja) | 1982-01-28 | 1982-01-28 | 還元剤の注入方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS58128126A (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH02211224A (ja) * | 1989-02-10 | 1990-08-22 | Hitachi Zosen Corp | 排ガス中の窒素酸化物の除去方法 |
| JP2002177741A (ja) * | 2000-12-18 | 2002-06-25 | Miura Co Ltd | ボイラにおける脱硝装置の制御方法 |
| JP2006257936A (ja) * | 2005-03-16 | 2006-09-28 | Ngk Insulators Ltd | ディーゼルエンジンの排ガス除塵脱硝方法 |
| JP6204137B2 (ja) * | 2013-09-30 | 2017-09-27 | 三浦工業株式会社 | 脱硝装置付き排ガスボイラ |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS551858A (en) * | 1978-06-21 | 1980-01-09 | Mitsubishi Chem Ind Ltd | Reduction and denitrification by ammonia |
-
1982
- 1982-01-28 JP JP57010848A patent/JPS58128126A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS58128126A (ja) | 1983-07-30 |
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