JPH0368087B2 - - Google Patents
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- JPH0368087B2 JPH0368087B2 JP8525182A JP8525182A JPH0368087B2 JP H0368087 B2 JPH0368087 B2 JP H0368087B2 JP 8525182 A JP8525182 A JP 8525182A JP 8525182 A JP8525182 A JP 8525182A JP H0368087 B2 JPH0368087 B2 JP H0368087B2
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D9/00—Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor
- C21D9/52—Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor for wires; for strips ; for rods of unlimited length
- C21D9/525—Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor for wires; for strips ; for rods of unlimited length for wire, for rods
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D9/00—Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor
- C21D9/52—Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor for wires; for strips ; for rods of unlimited length
- C21D9/54—Furnaces for treating strips or wire
- C21D9/56—Continuous furnaces for strip or wire
- C21D9/573—Continuous furnaces for strip or wire with cooling
- C21D9/5732—Continuous furnaces for strip or wire with cooling of wires; of rods
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- Thermal Sciences (AREA)
- Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
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- Materials Engineering (AREA)
- Metallurgy (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)
Description
本発明は、鋼線材(以下、単に線材と称す)に
強度と伸線加工性を付与する熱処理方法に関し、
時に高温の線材を温水又は温水溶液中に浸漬し
て、所望の冷却速度を与え、所定の熱処理を施す
方法の改良に関するものである。 高温の鋼線材を温水中で冷却し、熱処理するこ
とは公知(例えば特公昭45−8536号)であり、又
温水中に連続的に浸漬せしめて熱処理することも
公知(例えば特公昭46−8089号)である。これら
の従来の方法では温水の温度として適当な温度を
選ぶことが可能であるが、水の場合は、油と異な
り、熱伝達率が湯温によつて大きく変化するの
で、湯温を相当厳密に管理する必要があること、
並びに例えば熱間圧延された線材を処理する場合
には、線材が温水中に持ち込む熱量はきわめて大
きく、このため湯温を所望の温度に保持する大規
模な設備を必要とするという大きな問題もあるの
で、湯温を沸騰点とし、蒸発熱を利用して冷却す
ることが行なわれているのが普通である。 このように沸騰水を用いる時に、冷却条件が安
定するという利点があるが、逆にそのままでは、
冷却条件を変化させることが困難であつて、場合
によつては冷却速度が遅過ぎることがあり、例え
ば太径の線材になると、所望の熱処理が行なえな
いという問題点がある。この点を解決するものと
し、例えば線材の表面に核沸騰の核となり得るよ
うな被覆を施してから、温水中に浸漬する方法
(特開昭48−34727号)や、或いは冷却の初期の冷
却速度を早くするために、冷水などを吹付けて予
備冷却する方法、又は沸騰点より低い湯槽中に先
ず浸漬して急速冷却し、次いで沸騰水中で冷却す
る方法(特公昭55−16217号)などが既に提案さ
れている。 これらの公知の方法のうち、特開昭48−34727
号の方法では、被覆状態が安定しないために、冷
却条件の均一性に乏しく、特公昭55−16217号の
方法では、冷却速度を50℃/秒以上に大きくする
ために、70℃以下の温水を使用するので、冷却条
件が安定せず、時として評円に部分的過冷却を生
じるなど、予備冷却の終了時点の管理に困難を伴
なう。さらに熱間圧延の線材の場合には仕上温度
のばらつきや、スケールの付着状況のばらつきな
どによつて、予備冷却の終点管理はきわめて困難
になる問題を有している。さらに前述の如く湯温
を一定に保持するための特別の設備も大きな問題
点となる。 本発明は、上述の問題点を解決するため、種々
検討の結果成されたもので、特別な温度勾配を持
つ水槽を使用することにより、線材表面の過冷組
織の生成を防止し得て、しかも冷却条件の管理が
し易い鋼線材の熱処理方法を提供するものであ
る。 高炭素鋼線材のパテンチング処理を例にとる
と、一般に線材のオーステナイト化温度は900°〜
1000℃であり、今例えば950℃とし、これを50℃
の温水で予備冷却して、変態点付近の温度、例え
ば650℃まで冷却し、次いで沸騰水中で冷却処理
するというパテンチング処理を考える。 この場合、予備冷却処理が安定し難い理由は、
湯温が低いので、膜沸騰による冷却でも線材の中
芯部の冷却速度が50℃/秒以上となり、表面では
さらに速やかな冷却となるので、僅かな浸漬時間
の差が表面温度に大きく現われ易く、しかも膜沸
騰の安定度が低いので、局部的に核沸騰を起して
冷却速度が著しく大きくなる危険があるためであ
る。結果として、特に表面に局部的な温度むらを
生じ、場所によつては過冷却部にマルテンサイト
やベイナイトを生ずる危険があるものである。従
つて浸漬時間の管理や、湯温の管理を行なつて
も、得られる終点温度のばらつきが大きく問題と
なつてくる。 本発明者等は、この予備冷却速度を不必要に速
くせず、しかも冷却上重要な変態点付近の温度範
囲のみの冷却速度を大きくすることを種々検討
し、これにより管理し易く、又太径の線材におい
ても抗張力の高い直接熱処理線材とし得ることを
見立出し、本発明を成すに至つたものである。 即ち本発明は、高温にある鋼線材を高水中又は
添加剤を福く水溶液中に連続的に浸漬して熱処理
する方法において、前記線材のA1変態点直上付
近からの冷却処理を、前記線材の進行方向の少な
くとも中間に温度勾配を有し、かつ入口側の温度
を沸騰点以下の低温とし、出口側の温度を前記入
口側より高温にした前記温水又は温水溶液の槽中
に前記線材を通過せしめて行なうことを特徴とす
る鋼線材の熱処理方法である。 本発明において、鋼線材は、C0.01〜1.0%を含
む炭素鋼、これに不可避的な不純物、強度を向上
するための他の元素等を含む鋼などより成る鋼線
材である。 又高温にある鋼線材とは、熱間圧延された高温
の線材、又は再加熱された高温の線材(含伸線途
中の線材)を意味する。 以下、本発明の図面を用いて実施例により説明
する。 第1図は本発明方法の実施例に用いられる連続
熱処理装置の例を示す縦断面図および湯温分布図
である。図において、高温にある鋼線材1は、予
備冷却槽部2、温度勾配槽部3、後冷却槽部4を
連続的に通過して巻取られる。各槽部2,3,4
内には温水又は添加剤を含む温水溶液が収容され
ている。添加剤としては、例えばPVA(ポリビニ
ールアルコール)等の界面活性剤、防錆又は潤滑
皮膜等の効果を有する物質などが用いられる。 予備冷却槽部2および後冷却槽部4の湯温は下
図に示すように、沸騰点付近に保持され、温度勾
配槽部3の湯温は、入口側の温度が沸騰点以下の
低温(例、80℃)に、出口側の温度が入口側より
高い温度(例、沸騰点100℃)にされ、この槽部
で全部又は一部の区間は入口側より出口側に向つ
て沸騰点以下の低温から沸騰点に近づく高温まで
の温度勾配が進行方向に設けられている。この出
口側の温度は入口側の温度より高いことが必要
で、沸騰点より相当低くても良い。16,17は
それぞれ槽部2,3を出た線材1の温度を測定す
るための線用測温計である。 高温(例、950℃)にある鋼線材1は先ず槽部
2中の沸騰水により予備冷却され、線温をA1変
態点直上付近(例、750℃)の持ち来たされる。
この場合の線材の冷却は膜沸騰によれので、冷却
速度は比較的遅く、非常に安定しており、線材の
温度管理も容易である。 なお、本発明方法ではこの予備冷却は必ずしも
必要ではなく、最初の線温(例、800℃以下)に
よつては、これを省略し、最初から温度勾配槽部
3に浸漬しても良い。 次に、A1変態点直上付近の線材1は温度勾配
槽部3に導びかれて冷却処理される。この冷却処
理は、入口側部分の低温部では冷却速度が最も大
きく、その後の冷却速度は次第に減少し、出口側
部分では沸騰水中の冷却速度に近付けるようにし
て過冷現象の発生を防止すると共に、太径の線材
にも所望の熱処理が行なえるようにしたものであ
る。 この場合の冷却条件は線材の冷却速度、槽内の
温度分布、浸漬時間即ち浸漬長さを調節すること
によつて調節され、さらに温度勾配の作成に当つ
ては、後述するように湯の蒸発分を補なう補給水
を使用して形成させる。 本発明方法による熱処理による機構について、
さらに詳しく説明する。 例えば高温の高炭素鋼線材を連続冷却によつて
パテンチングする場合(熱間圧延された高温の線
材を沸騰水中に浸漬冷却する場合もこれに該当す
る)に、実質的に抗張力に影響を及ぼす冷却速度
は所謂変態点以下での冷却速度であり、しかも変
態が完了した後は、冷却速度は無関係になること
に注目すると、予備冷却として上述するように通
常の沸騰水中浸漬を用いれば充分で、しかもスケ
ール生成の抑止も可能であること、又この場合の
冷却速度であれば、変態点付近の温度(例えば
750℃)になるまでに例えば10〜15秒かかるので、
この浸漬時間を調節することによる線温管理が容
易であることが分る。沸騰水中冷却による冷却速
度では、線材の表面と中芯との温度差は略20℃
(線径10mm)と小さく、50℃の温水の場合の略60
℃(又はそれ以上)比べて、過冷の起る確率は大
幅に減少する。 次いで線材は例えば80℃前後の温水中に浸漬さ
れて冷却を受けるが、線材の移動速度と温水の流
速との関係が一定であれば、温水は処理される線
材から移動する熱量によつて湯温が次第に上昇
し、線材の進行方向に沿つて湯温が次第に高くな
るという温度勾配を定常的に持つようになる。線
材が槽を出る時の線材の温度は、その時の温水の
流量、湯温によつて定まるが、このことはこれら
の条件を適当に選べば、線材の温度を所望の値に
することが可能であることを示している。 第1図に示す水補給装置5はこの原理を利用し
て温度勾配槽部3内に所望の温度勾配を形成する
ため設けられたものである。図において、水補給
装置5には、湯タンク6と混合タンク8が設けら
れ、湯タンク6からの100℃の湯7と補給用の水
9が混合タンク8に注入され、撹拌器10により
混合されて80℃の温水が作成され、温水11がバ
ルブ12により温度勾配槽部3の入口側に補給さ
れる。 湯タンク6の100℃の湯は、温度勾配槽部3か
らポンプ13により汲上げられる。又湯タンク6
からはバルブ14により後冷却槽部4に湯が補給
され、又剰余湯はバルブ15により排出される。
18〜23ほ温水用測温計である。 このように構成された水補給装置5を適当に操
作することにより、次の実施例で述べるように温
度勾配槽部3内に所望の温度勾配を定常状態で作
成し得る。 なおT1,T2,T3は各部の湯温の例を示すもの
で、T1=80℃、T2=100℃、T3=90℃である。 以下、実施例によりさらに詳しく述べる。 実施例 第1図に示す連続熱処理装置を用いて10mmの
0.8%C鋼線材のパテンチング処理を行なつた。 先ず950℃の温度の線材1を槽部2中の100℃の
沸騰水中に浸漬し、予備冷却した。この時の冷却
速度は略18℃/秒であり、約11秒で線温750℃に
達した。線材の中芯と表面の温度差は略20℃で、
表面では約740℃、中芯では約760℃となつた。線
材の温度は出口側の線用測温計16で測定され、
浸漬時間即ち浸漬長さが調節されるようになつて
いる。100℃の沸騰水中の膜沸騰冷却速度は非常
に安定しており、浸漬時間によつて出口温度を管
理することが可能である。 次いで、線材1は槽部3中の80℃から100℃ま
で進行方向に変化する温度勾配を有する温水中に
導かれ、浸漬冷却された80℃以上の温度では、冷
却速度は沸騰水中冷却よりも大きくなるが、膜沸
騰が充分に安定であり、湯温と浸漬時間で冷却条
件を管理することが出来る。この段階で線温を例
えば750℃から625℃に低下させる。 最後に、線材1は槽部4中の100℃の沸騰水中
に浸漬冷却され、変態を完了させ、約100℃にな
つた線材を槽部4から引き出し、パテンチング処
理した線材を得た。 かように処理された線材は、従来の沸騰水中の
みで処理した場合と比べて、A1変態点直上から
実際に変態が完了するまでの、所謂オーステナイ
トと擬安定域並びに変態中での冷却速度を大きく
することができるので、得られた線材の性能が良
好になると共に、又太径の線材に対しても好まし
い冷却条件を形成することになる。 なお、温度勾配槽3中の沸騰点以下の温度
(「サブクール」状態と呼ばれる)の温水は、線材
1との接触で湯温が上昇するので、所望の条件を
得るため、次のように流量、初期湯温を変化させ
て調節した。 前述のように、予備冷却で線材は950℃から750
℃に冷却され、この間線材1Kgから失なわれる熱
量は30Kcalとなり、湯は0.056蒸発して失なわ
れる。 次にサブクール状態での冷却では、線材は750
℃から625℃まで冷却され、この間に失なわれる
熱量は18.8Kcalであるが、蒸発は無い。 そして最後に線材は沸騰水中の冷却で、625℃
から100℃に冷却され、96Kcalが失なわれ、蒸発
量は0.178である。従つて全蒸発量は0.234と
なり、線材1Kg当り0.234の温水の補給が必要
となる。 サブクールの温水の作成のために、この補給水
と100℃の湯とを混合するとすれば、80℃の温水
とするには、補給水の温度を常温(20℃)とすれ
ば、この3倍の湯と混合すれば良いことになる。
即ち本発明方法では、温度勾配槽部からの100℃
の湯0.702を20℃の水0.234と混合タンク8で
混合して作つた80℃の温水0.936を、温度勾配
槽部3の線材1Kg当りに接触せしめれば、蒸発分
を補充し得て、しかも図に示す温度分布を保持し
得、サブクール状態での冷却を挿入することがで
きる。しかしこの場合には、湯温は線材の入口部
分では80℃であるが、出口部分では100℃に上昇
する。 この段階で失なわれる線材の熱量が1Kg当り
18.8Kcalであり、湯量が0.936であるから20℃
上昇する計算になる。(20℃の水0.234が80℃上
昇して100℃になると考えても良い。)このよう
に、補給水を使用して線材の進行方向に定常的な
温度勾配を持たせることも本発明の一つの特徴で
ある。この場合には、温水と線材との間の速度差
は無関係であり、このことは冷却条件の管理に有
利である。本実施例の如く、温水が100℃に上昇
する場合には、供給する温水量によつて、この区
間の線材の温度低下量が一義的に定まることにな
り、過冷却を防止する点も含め、冷却条件の管理
に好都合である。なお100℃に上昇する時には、
サブクールの槽部3と次の後冷却槽部4との間の
仕切りを除いても良い。 サブクールの槽部3で失なわれる熱量は前述の
ように線材1Kg当り18.8Kcalであるから、そのサ
ブクールの温水が線材と接触して湯温が上昇する
のを仮に1℃に抑えようとすれば線材1Kg当り
18.8を必要とする。温度上昇2℃なら9.4と
なる(以下同様)。本例の如く20℃上昇を許すな
らば18.8/20=0.936で良いことになる。そし
て線材1Kg当りこの量の80℃の湯を供給してやれ
ば良いのであり、流速は無関係である。但し、こ
の場合には例えば80℃から81℃までの1℃の上昇
を許すとすると、81℃の温水18.5と20℃の水
0.3を略混合することになるが、20℃の水の流
が蒸発分を補充する量より若干多くなるので、余
分な量(0.3−0.234=0.016)を排出させること
が必要となる。なお、このように蒸発分を上廻る
補給水を必要とする場合には、20℃の水の補給量
を蒸発分の量に止め、水補給装置5内の混合タン
ク8中に乾燥空気を吹き込み、主として蒸発潜熱
を奪う原理で温水を補助的に冷却する方法を採つ
てもよい。この場合、吹き込む空気量を適切(上
述の例の場合約13)にすれば、余分な水量を排
出する必要が全くなくなる。温度上昇20℃未満の
他の温度の場合も同様に計算できる。1℃程度の
上昇なら、温度勾配無しという表現も可能である
が、この条件も本発明の範囲である。 又サブクールの温水中での線材温度の低下を、
供給温水量を増加することによつて例えば750℃
から550℃と任意に大きくすることが出来、この
場合には変態中の発熱を抑えるのに有効であるこ
とも容易に理解される。又100℃の沸騰水中での
予備冷却を行なわない方法も実施可能である。 上述のように、本発明方法において、前述のよ
うな水補給装置5を使用すると、蒸発や線材に付
着して持出されることによつて失なわれる湯量に
略見合う程度の常温の水を用いて、沸騰点以下で
あつて膜沸騰の安定な任意の温度の温水を作成し
て、これを変態が完了するまでの少なくとも一部
の区間において線材の進行方向と同じ方向に流し
て線像と接触せしめ、供給する温水の温度と、線
材の単位重量当りの温水の供給量とを変化させる
ことにより、この区間に進行方向に所望の温水の
温度勾配を定常状態で作成し、これによつてこの
区間での冷却速度を大きくすることができる効果
が得られる。 本発明の実施例として、水補給装置5からの供
給温水の温度を80℃および60℃とし、それぞれ補
給量を表1に示すように変えた時の10mmの0.8
%C鋼線材の冷却曲線の例を示すと、第2図およ
び第3図に示す通りである。 第2図は温度勾配槽部3内での出口側の温度を
100℃とした場合、第3図は温度上昇分を1℃と
した場合を示す。 なお、比較例として100℃の沸騰水中に連続的
に浸漬した場合を同時に示した。 図より、本発明による方法は、比較例に比べ、
サブクールの区間での冷却速度が大きくなり、そ
してこの冷却速度は供給湯温が低い程、又槽内の
湯温上昇が小さい程大きくなることが分る。 又得られたパテンチング処理鋼線材の性能は表
1に示す通りである。
強度と伸線加工性を付与する熱処理方法に関し、
時に高温の線材を温水又は温水溶液中に浸漬し
て、所望の冷却速度を与え、所定の熱処理を施す
方法の改良に関するものである。 高温の鋼線材を温水中で冷却し、熱処理するこ
とは公知(例えば特公昭45−8536号)であり、又
温水中に連続的に浸漬せしめて熱処理することも
公知(例えば特公昭46−8089号)である。これら
の従来の方法では温水の温度として適当な温度を
選ぶことが可能であるが、水の場合は、油と異な
り、熱伝達率が湯温によつて大きく変化するの
で、湯温を相当厳密に管理する必要があること、
並びに例えば熱間圧延された線材を処理する場合
には、線材が温水中に持ち込む熱量はきわめて大
きく、このため湯温を所望の温度に保持する大規
模な設備を必要とするという大きな問題もあるの
で、湯温を沸騰点とし、蒸発熱を利用して冷却す
ることが行なわれているのが普通である。 このように沸騰水を用いる時に、冷却条件が安
定するという利点があるが、逆にそのままでは、
冷却条件を変化させることが困難であつて、場合
によつては冷却速度が遅過ぎることがあり、例え
ば太径の線材になると、所望の熱処理が行なえな
いという問題点がある。この点を解決するものと
し、例えば線材の表面に核沸騰の核となり得るよ
うな被覆を施してから、温水中に浸漬する方法
(特開昭48−34727号)や、或いは冷却の初期の冷
却速度を早くするために、冷水などを吹付けて予
備冷却する方法、又は沸騰点より低い湯槽中に先
ず浸漬して急速冷却し、次いで沸騰水中で冷却す
る方法(特公昭55−16217号)などが既に提案さ
れている。 これらの公知の方法のうち、特開昭48−34727
号の方法では、被覆状態が安定しないために、冷
却条件の均一性に乏しく、特公昭55−16217号の
方法では、冷却速度を50℃/秒以上に大きくする
ために、70℃以下の温水を使用するので、冷却条
件が安定せず、時として評円に部分的過冷却を生
じるなど、予備冷却の終了時点の管理に困難を伴
なう。さらに熱間圧延の線材の場合には仕上温度
のばらつきや、スケールの付着状況のばらつきな
どによつて、予備冷却の終点管理はきわめて困難
になる問題を有している。さらに前述の如く湯温
を一定に保持するための特別の設備も大きな問題
点となる。 本発明は、上述の問題点を解決するため、種々
検討の結果成されたもので、特別な温度勾配を持
つ水槽を使用することにより、線材表面の過冷組
織の生成を防止し得て、しかも冷却条件の管理が
し易い鋼線材の熱処理方法を提供するものであ
る。 高炭素鋼線材のパテンチング処理を例にとる
と、一般に線材のオーステナイト化温度は900°〜
1000℃であり、今例えば950℃とし、これを50℃
の温水で予備冷却して、変態点付近の温度、例え
ば650℃まで冷却し、次いで沸騰水中で冷却処理
するというパテンチング処理を考える。 この場合、予備冷却処理が安定し難い理由は、
湯温が低いので、膜沸騰による冷却でも線材の中
芯部の冷却速度が50℃/秒以上となり、表面では
さらに速やかな冷却となるので、僅かな浸漬時間
の差が表面温度に大きく現われ易く、しかも膜沸
騰の安定度が低いので、局部的に核沸騰を起して
冷却速度が著しく大きくなる危険があるためであ
る。結果として、特に表面に局部的な温度むらを
生じ、場所によつては過冷却部にマルテンサイト
やベイナイトを生ずる危険があるものである。従
つて浸漬時間の管理や、湯温の管理を行なつて
も、得られる終点温度のばらつきが大きく問題と
なつてくる。 本発明者等は、この予備冷却速度を不必要に速
くせず、しかも冷却上重要な変態点付近の温度範
囲のみの冷却速度を大きくすることを種々検討
し、これにより管理し易く、又太径の線材におい
ても抗張力の高い直接熱処理線材とし得ることを
見立出し、本発明を成すに至つたものである。 即ち本発明は、高温にある鋼線材を高水中又は
添加剤を福く水溶液中に連続的に浸漬して熱処理
する方法において、前記線材のA1変態点直上付
近からの冷却処理を、前記線材の進行方向の少な
くとも中間に温度勾配を有し、かつ入口側の温度
を沸騰点以下の低温とし、出口側の温度を前記入
口側より高温にした前記温水又は温水溶液の槽中
に前記線材を通過せしめて行なうことを特徴とす
る鋼線材の熱処理方法である。 本発明において、鋼線材は、C0.01〜1.0%を含
む炭素鋼、これに不可避的な不純物、強度を向上
するための他の元素等を含む鋼などより成る鋼線
材である。 又高温にある鋼線材とは、熱間圧延された高温
の線材、又は再加熱された高温の線材(含伸線途
中の線材)を意味する。 以下、本発明の図面を用いて実施例により説明
する。 第1図は本発明方法の実施例に用いられる連続
熱処理装置の例を示す縦断面図および湯温分布図
である。図において、高温にある鋼線材1は、予
備冷却槽部2、温度勾配槽部3、後冷却槽部4を
連続的に通過して巻取られる。各槽部2,3,4
内には温水又は添加剤を含む温水溶液が収容され
ている。添加剤としては、例えばPVA(ポリビニ
ールアルコール)等の界面活性剤、防錆又は潤滑
皮膜等の効果を有する物質などが用いられる。 予備冷却槽部2および後冷却槽部4の湯温は下
図に示すように、沸騰点付近に保持され、温度勾
配槽部3の湯温は、入口側の温度が沸騰点以下の
低温(例、80℃)に、出口側の温度が入口側より
高い温度(例、沸騰点100℃)にされ、この槽部
で全部又は一部の区間は入口側より出口側に向つ
て沸騰点以下の低温から沸騰点に近づく高温まで
の温度勾配が進行方向に設けられている。この出
口側の温度は入口側の温度より高いことが必要
で、沸騰点より相当低くても良い。16,17は
それぞれ槽部2,3を出た線材1の温度を測定す
るための線用測温計である。 高温(例、950℃)にある鋼線材1は先ず槽部
2中の沸騰水により予備冷却され、線温をA1変
態点直上付近(例、750℃)の持ち来たされる。
この場合の線材の冷却は膜沸騰によれので、冷却
速度は比較的遅く、非常に安定しており、線材の
温度管理も容易である。 なお、本発明方法ではこの予備冷却は必ずしも
必要ではなく、最初の線温(例、800℃以下)に
よつては、これを省略し、最初から温度勾配槽部
3に浸漬しても良い。 次に、A1変態点直上付近の線材1は温度勾配
槽部3に導びかれて冷却処理される。この冷却処
理は、入口側部分の低温部では冷却速度が最も大
きく、その後の冷却速度は次第に減少し、出口側
部分では沸騰水中の冷却速度に近付けるようにし
て過冷現象の発生を防止すると共に、太径の線材
にも所望の熱処理が行なえるようにしたものであ
る。 この場合の冷却条件は線材の冷却速度、槽内の
温度分布、浸漬時間即ち浸漬長さを調節すること
によつて調節され、さらに温度勾配の作成に当つ
ては、後述するように湯の蒸発分を補なう補給水
を使用して形成させる。 本発明方法による熱処理による機構について、
さらに詳しく説明する。 例えば高温の高炭素鋼線材を連続冷却によつて
パテンチングする場合(熱間圧延された高温の線
材を沸騰水中に浸漬冷却する場合もこれに該当す
る)に、実質的に抗張力に影響を及ぼす冷却速度
は所謂変態点以下での冷却速度であり、しかも変
態が完了した後は、冷却速度は無関係になること
に注目すると、予備冷却として上述するように通
常の沸騰水中浸漬を用いれば充分で、しかもスケ
ール生成の抑止も可能であること、又この場合の
冷却速度であれば、変態点付近の温度(例えば
750℃)になるまでに例えば10〜15秒かかるので、
この浸漬時間を調節することによる線温管理が容
易であることが分る。沸騰水中冷却による冷却速
度では、線材の表面と中芯との温度差は略20℃
(線径10mm)と小さく、50℃の温水の場合の略60
℃(又はそれ以上)比べて、過冷の起る確率は大
幅に減少する。 次いで線材は例えば80℃前後の温水中に浸漬さ
れて冷却を受けるが、線材の移動速度と温水の流
速との関係が一定であれば、温水は処理される線
材から移動する熱量によつて湯温が次第に上昇
し、線材の進行方向に沿つて湯温が次第に高くな
るという温度勾配を定常的に持つようになる。線
材が槽を出る時の線材の温度は、その時の温水の
流量、湯温によつて定まるが、このことはこれら
の条件を適当に選べば、線材の温度を所望の値に
することが可能であることを示している。 第1図に示す水補給装置5はこの原理を利用し
て温度勾配槽部3内に所望の温度勾配を形成する
ため設けられたものである。図において、水補給
装置5には、湯タンク6と混合タンク8が設けら
れ、湯タンク6からの100℃の湯7と補給用の水
9が混合タンク8に注入され、撹拌器10により
混合されて80℃の温水が作成され、温水11がバ
ルブ12により温度勾配槽部3の入口側に補給さ
れる。 湯タンク6の100℃の湯は、温度勾配槽部3か
らポンプ13により汲上げられる。又湯タンク6
からはバルブ14により後冷却槽部4に湯が補給
され、又剰余湯はバルブ15により排出される。
18〜23ほ温水用測温計である。 このように構成された水補給装置5を適当に操
作することにより、次の実施例で述べるように温
度勾配槽部3内に所望の温度勾配を定常状態で作
成し得る。 なおT1,T2,T3は各部の湯温の例を示すもの
で、T1=80℃、T2=100℃、T3=90℃である。 以下、実施例によりさらに詳しく述べる。 実施例 第1図に示す連続熱処理装置を用いて10mmの
0.8%C鋼線材のパテンチング処理を行なつた。 先ず950℃の温度の線材1を槽部2中の100℃の
沸騰水中に浸漬し、予備冷却した。この時の冷却
速度は略18℃/秒であり、約11秒で線温750℃に
達した。線材の中芯と表面の温度差は略20℃で、
表面では約740℃、中芯では約760℃となつた。線
材の温度は出口側の線用測温計16で測定され、
浸漬時間即ち浸漬長さが調節されるようになつて
いる。100℃の沸騰水中の膜沸騰冷却速度は非常
に安定しており、浸漬時間によつて出口温度を管
理することが可能である。 次いで、線材1は槽部3中の80℃から100℃ま
で進行方向に変化する温度勾配を有する温水中に
導かれ、浸漬冷却された80℃以上の温度では、冷
却速度は沸騰水中冷却よりも大きくなるが、膜沸
騰が充分に安定であり、湯温と浸漬時間で冷却条
件を管理することが出来る。この段階で線温を例
えば750℃から625℃に低下させる。 最後に、線材1は槽部4中の100℃の沸騰水中
に浸漬冷却され、変態を完了させ、約100℃にな
つた線材を槽部4から引き出し、パテンチング処
理した線材を得た。 かように処理された線材は、従来の沸騰水中の
みで処理した場合と比べて、A1変態点直上から
実際に変態が完了するまでの、所謂オーステナイ
トと擬安定域並びに変態中での冷却速度を大きく
することができるので、得られた線材の性能が良
好になると共に、又太径の線材に対しても好まし
い冷却条件を形成することになる。 なお、温度勾配槽3中の沸騰点以下の温度
(「サブクール」状態と呼ばれる)の温水は、線材
1との接触で湯温が上昇するので、所望の条件を
得るため、次のように流量、初期湯温を変化させ
て調節した。 前述のように、予備冷却で線材は950℃から750
℃に冷却され、この間線材1Kgから失なわれる熱
量は30Kcalとなり、湯は0.056蒸発して失なわ
れる。 次にサブクール状態での冷却では、線材は750
℃から625℃まで冷却され、この間に失なわれる
熱量は18.8Kcalであるが、蒸発は無い。 そして最後に線材は沸騰水中の冷却で、625℃
から100℃に冷却され、96Kcalが失なわれ、蒸発
量は0.178である。従つて全蒸発量は0.234と
なり、線材1Kg当り0.234の温水の補給が必要
となる。 サブクールの温水の作成のために、この補給水
と100℃の湯とを混合するとすれば、80℃の温水
とするには、補給水の温度を常温(20℃)とすれ
ば、この3倍の湯と混合すれば良いことになる。
即ち本発明方法では、温度勾配槽部からの100℃
の湯0.702を20℃の水0.234と混合タンク8で
混合して作つた80℃の温水0.936を、温度勾配
槽部3の線材1Kg当りに接触せしめれば、蒸発分
を補充し得て、しかも図に示す温度分布を保持し
得、サブクール状態での冷却を挿入することがで
きる。しかしこの場合には、湯温は線材の入口部
分では80℃であるが、出口部分では100℃に上昇
する。 この段階で失なわれる線材の熱量が1Kg当り
18.8Kcalであり、湯量が0.936であるから20℃
上昇する計算になる。(20℃の水0.234が80℃上
昇して100℃になると考えても良い。)このよう
に、補給水を使用して線材の進行方向に定常的な
温度勾配を持たせることも本発明の一つの特徴で
ある。この場合には、温水と線材との間の速度差
は無関係であり、このことは冷却条件の管理に有
利である。本実施例の如く、温水が100℃に上昇
する場合には、供給する温水量によつて、この区
間の線材の温度低下量が一義的に定まることにな
り、過冷却を防止する点も含め、冷却条件の管理
に好都合である。なお100℃に上昇する時には、
サブクールの槽部3と次の後冷却槽部4との間の
仕切りを除いても良い。 サブクールの槽部3で失なわれる熱量は前述の
ように線材1Kg当り18.8Kcalであるから、そのサ
ブクールの温水が線材と接触して湯温が上昇する
のを仮に1℃に抑えようとすれば線材1Kg当り
18.8を必要とする。温度上昇2℃なら9.4と
なる(以下同様)。本例の如く20℃上昇を許すな
らば18.8/20=0.936で良いことになる。そし
て線材1Kg当りこの量の80℃の湯を供給してやれ
ば良いのであり、流速は無関係である。但し、こ
の場合には例えば80℃から81℃までの1℃の上昇
を許すとすると、81℃の温水18.5と20℃の水
0.3を略混合することになるが、20℃の水の流
が蒸発分を補充する量より若干多くなるので、余
分な量(0.3−0.234=0.016)を排出させること
が必要となる。なお、このように蒸発分を上廻る
補給水を必要とする場合には、20℃の水の補給量
を蒸発分の量に止め、水補給装置5内の混合タン
ク8中に乾燥空気を吹き込み、主として蒸発潜熱
を奪う原理で温水を補助的に冷却する方法を採つ
てもよい。この場合、吹き込む空気量を適切(上
述の例の場合約13)にすれば、余分な水量を排
出する必要が全くなくなる。温度上昇20℃未満の
他の温度の場合も同様に計算できる。1℃程度の
上昇なら、温度勾配無しという表現も可能である
が、この条件も本発明の範囲である。 又サブクールの温水中での線材温度の低下を、
供給温水量を増加することによつて例えば750℃
から550℃と任意に大きくすることが出来、この
場合には変態中の発熱を抑えるのに有効であるこ
とも容易に理解される。又100℃の沸騰水中での
予備冷却を行なわない方法も実施可能である。 上述のように、本発明方法において、前述のよ
うな水補給装置5を使用すると、蒸発や線材に付
着して持出されることによつて失なわれる湯量に
略見合う程度の常温の水を用いて、沸騰点以下で
あつて膜沸騰の安定な任意の温度の温水を作成し
て、これを変態が完了するまでの少なくとも一部
の区間において線材の進行方向と同じ方向に流し
て線像と接触せしめ、供給する温水の温度と、線
材の単位重量当りの温水の供給量とを変化させる
ことにより、この区間に進行方向に所望の温水の
温度勾配を定常状態で作成し、これによつてこの
区間での冷却速度を大きくすることができる効果
が得られる。 本発明の実施例として、水補給装置5からの供
給温水の温度を80℃および60℃とし、それぞれ補
給量を表1に示すように変えた時の10mmの0.8
%C鋼線材の冷却曲線の例を示すと、第2図およ
び第3図に示す通りである。 第2図は温度勾配槽部3内での出口側の温度を
100℃とした場合、第3図は温度上昇分を1℃と
した場合を示す。 なお、比較例として100℃の沸騰水中に連続的
に浸漬した場合を同時に示した。 図より、本発明による方法は、比較例に比べ、
サブクールの区間での冷却速度が大きくなり、そ
してこの冷却速度は供給湯温が低い程、又槽内の
湯温上昇が小さい程大きくなることが分る。 又得られたパテンチング処理鋼線材の性能は表
1に示す通りである。
【表】
表1より、本発明によるNo.1〜No.4は、比較例
に比べ強度が向上していることが分る。 以上のように構成された本発明方法は次のよう
な効果がある。 (イ) 前述の鋼線材の熱処理方法において、前記線
材のA1変態点直上付近からの冷却処理を、前
記線材の進行方向の少なくとも中間に温度勾配
を有し、かつ入口側の温度を沸騰点以下の低温
とし、出口側の温度を前記入口側より高温にし
た前記温水又は温水溶液の槽中に前記線材を通
過せしめて行なうため、鋼の変態を左右する変
態点以下の区間での冷却が、沸騰点以下の温水
の部分で初めは冷却速度が大きいが、次第に緩
くなるという冷却条件になること、およびこの
区間の線材の温度の低下量を、例えば補給する
温水量を一定にすることによつて常に一定値に
容易になし得るので、結果として過冷却が自ず
と防止されて、全長に亘り均一でベイナイト、
マルテンサイト等の欠陥がなく、強度の高い伸
線加工性の良好な鋼線材が得られ、又冷却条件
の管理が容易であると共に、太径の線材でも高
い引張強さのパテンチング処理線材が得られる
利点がある。 (ロ) 線材の冷却の初期に、予備冷却として沸騰水
を使用し得るため、予備冷却の冷却速度が余り
速くならないので、予備冷却条件の管理を容易
になし得る。 (ハ) 温度勾配槽中の温度勾配を蒸発などによつて
失なわれる分を補給する補給水を使用して作成
することができるので、設備が簡単である。 なお、上述の説明では主として本発明方法を鋼
線材に適用する場合について述べたが、この方法
は鋼の場合に限らず、他の一般の金属線材の熱処
理にも適用し得ることは明らかである。
に比べ強度が向上していることが分る。 以上のように構成された本発明方法は次のよう
な効果がある。 (イ) 前述の鋼線材の熱処理方法において、前記線
材のA1変態点直上付近からの冷却処理を、前
記線材の進行方向の少なくとも中間に温度勾配
を有し、かつ入口側の温度を沸騰点以下の低温
とし、出口側の温度を前記入口側より高温にし
た前記温水又は温水溶液の槽中に前記線材を通
過せしめて行なうため、鋼の変態を左右する変
態点以下の区間での冷却が、沸騰点以下の温水
の部分で初めは冷却速度が大きいが、次第に緩
くなるという冷却条件になること、およびこの
区間の線材の温度の低下量を、例えば補給する
温水量を一定にすることによつて常に一定値に
容易になし得るので、結果として過冷却が自ず
と防止されて、全長に亘り均一でベイナイト、
マルテンサイト等の欠陥がなく、強度の高い伸
線加工性の良好な鋼線材が得られ、又冷却条件
の管理が容易であると共に、太径の線材でも高
い引張強さのパテンチング処理線材が得られる
利点がある。 (ロ) 線材の冷却の初期に、予備冷却として沸騰水
を使用し得るため、予備冷却の冷却速度が余り
速くならないので、予備冷却条件の管理を容易
になし得る。 (ハ) 温度勾配槽中の温度勾配を蒸発などによつて
失なわれる分を補給する補給水を使用して作成
することができるので、設備が簡単である。 なお、上述の説明では主として本発明方法を鋼
線材に適用する場合について述べたが、この方法
は鋼の場合に限らず、他の一般の金属線材の熱処
理にも適用し得ることは明らかである。
第1図は本発明方法の実施例に用いられる連続
熱処理装置の例を示す縦断面図および湯温分布図
である。第2図および第3図はそれぞれ本発明の
実施例および比較例の冷却曲線を示す図である。 1……鋼線材、2……予備冷却槽部、3……温
度勾配槽、4……後冷却槽部、5……水補給装
置、6……湯タンク、7……湯、8……混合タン
ク、9……補給用の水、10……撹拌器、11…
…温水、12,14,15……バルブ、13……
ポンプ、16,17……線用測温計、18〜23
……温水用測温計、T1,T2,T3……湯温。
熱処理装置の例を示す縦断面図および湯温分布図
である。第2図および第3図はそれぞれ本発明の
実施例および比較例の冷却曲線を示す図である。 1……鋼線材、2……予備冷却槽部、3……温
度勾配槽、4……後冷却槽部、5……水補給装
置、6……湯タンク、7……湯、8……混合タン
ク、9……補給用の水、10……撹拌器、11…
…温水、12,14,15……バルブ、13……
ポンプ、16,17……線用測温計、18〜23
……温水用測温計、T1,T2,T3……湯温。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 高温にある鋼線材を温水中又は添加材を含む
温水溶液中に連続的に浸漬して熱処理をする方法
において、前記線材のA1変態点直上付近からの
冷却処理を、前記線材の進行方向の少なくとも中
間に温度勾配を有し、かつ入口側の温度を沸騰点
以下の低温とし、出口側の温度を前記入口側より
高温にした前記温水又は温水溶液の槽中に前記線
材を通過せしめて行なうことを特徴とする鋼線材
の熱処理方法。 2 A1変態点直上付近からの冷却処理前の予備
冷却を沸騰水又は水溶液中で行なう特許請求の範
囲第1項記載の鋼線材の熱処理方法。 3 A1変態点直上付近からの冷却処理後の冷却
を沸騰点水又は水溶液中で行なう特許請求の範囲
第1項又は第2項記載の鋼線材の熱処理方法。 4 出口側の温度が沸騰点である特許請求の範囲
第1項、第2項又は第3項記載の鋼線材の熱処理
方法。 5 槽中の温度勾配が、蒸発によつて失なわれる
分を補充する補給水を使用して作成される特許請
求の範囲第1項、第2項、第3項又は第4項記載
の鋼線材の熱処理方法。 6 高温にある鋼線材が、熱間圧延された高温の
鋼線材である特許請求の範囲第1項、第2項、第
3項、第4項又は第5項記載の鋼線材の熱処理方
法。 7 高温にある鋼線材が、再加熱された高温の鋼
線材である特許請求の範囲第1項、第2項、第3
項、第4項又は第5項記載の鋼線材の熱処理方
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8525182A JPS58221234A (ja) | 1982-05-19 | 1982-05-19 | 鋼線材の熱処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8525182A JPS58221234A (ja) | 1982-05-19 | 1982-05-19 | 鋼線材の熱処理方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS58221234A JPS58221234A (ja) | 1983-12-22 |
| JPH0368087B2 true JPH0368087B2 (ja) | 1991-10-25 |
Family
ID=13853346
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8525182A Granted JPS58221234A (ja) | 1982-05-19 | 1982-05-19 | 鋼線材の熱処理方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS58221234A (ja) |
Families Citing this family (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| GB2174933B (en) * | 1985-05-17 | 1988-06-02 | Copperweld Corp | A method of cladding a steel core rod |
| GB8523882D0 (en) * | 1985-09-27 | 1985-10-30 | Bekaert Sa Nv | Treatment of steel wires |
| JP5305192B2 (ja) * | 2008-06-26 | 2013-10-02 | 高周波熱錬株式会社 | 鋼棒の塗装装置 |
| TR201810002T4 (tr) * | 2010-12-23 | 2018-08-27 | Bekaert Sa Nv | Bir çelik telin sürekli olarak üretilmesine yönelik proses ve teçhizat. |
| CN105803169B (zh) * | 2016-04-28 | 2017-11-17 | 张家港市东航机械有限公司 | 钢丝水浴和空气冷却淬火机组的保温带线装置 |
-
1982
- 1982-05-19 JP JP8525182A patent/JPS58221234A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS58221234A (ja) | 1983-12-22 |
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