JPH0372949B2 - - Google Patents
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- JPH0372949B2 JPH0372949B2 JP56172310A JP17231081A JPH0372949B2 JP H0372949 B2 JPH0372949 B2 JP H0372949B2 JP 56172310 A JP56172310 A JP 56172310A JP 17231081 A JP17231081 A JP 17231081A JP H0372949 B2 JPH0372949 B2 JP H0372949B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- magnetic
- coercive force
- magnetic field
- soft
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-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01R—MEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
- G01R33/00—Arrangements or instruments for measuring magnetic variables
- G01R33/02—Measuring direction or magnitude of magnetic fields or magnetic flux
Landscapes
- Physics & Mathematics (AREA)
- Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Measuring Magnetic Variables (AREA)
Description
本発明は、真空蒸着、電子線蒸着あるいはスパ
ツタリング蒸着により、保磁力の異なる2種類の
磁性薄膜を重ねて形成し、この薄膜のフオトリソ
技術を用いて作成したコイルを設けてなる薄膜磁
気センサに関するものである。 すなわち、ガラス、磁器、あるいは表面に非磁
性の酸化膜を設けたたとえばシリコン(Si)ウエ
ハの上に、Fe−Co−Vの組成からなり2層の磁
性薄膜を、成分比を変えて重ねて形成し、その上
に絶縁膜を介してピツクアツプ用コイルを薄膜の
フオトリソ技術を用いて作成したコイルを設けて
のち、モールドして構成した薄膜磁気センサであ
る。 従来、外部磁場の変化量、あるいは変化を検出
する磁気センサには、半導体材料、磁性材料など
を用いた多くのセンサが開発され、実用化されて
いる。たとえば、半導体材料を用いたものでは、
ホール素子、FET素子がある。これらはInSb、
GaAs等の−化合物、SiあるいはGeなどが主
に使用されている。磁性材料を用いたものではメ
モリ素子、磁気抵抗素子、磁気ヘツドなどがあ
り、パーマロイ、センダスト、Ni−ZnやMn−
Znフエライトなどが使用されている。 また、特開昭53−137641号公報には線状の磁性
体を機械的、熱的処理を加え、磁性線の表面近く
の層(第2の磁気的部分)の磁気的特性を変え、
内部(第1の磁気的部分)の磁気特性より保磁力
を大きくし、これに巻線してなる磁気デバイスが
開示されている。これは第2の磁気的部分の保磁
力が、第1の磁気的部分の保磁力より大きくなつ
ている。すなわち、保磁力の小さい磁気的部分の
保磁力の大きい磁気的部分によつて、円周方向に
おおわれている構造である。 この磁気デバイスはたとえば外部磁場の大き
さ、方向を線の長手方向において変えるとき、保
磁力の大きい部分は、保磁力の小さい部分と磁気
的に相互作用が働いているから、両者の磁化方向
が同一方向で外部磁場と逆方向をとつている場
合、保磁力の小さい部分が磁化反転するのはその
保磁力HC1より大きく保磁力の大きい部分の保磁
力HC2より小さい外部磁場でおこる。また、外部
磁場と保磁力の大きい部分の磁化方向が同じで、
保磁力の小さい部分の磁化方向のみがそれらと逆
方向をとつている場合は、保磁力の小さい部分の
磁化反転を保磁力の大きい部分が助けることにな
り、HC1程度の磁場で、より急しゆんに保磁力の
小さい部分の磁化反転を生じる。これら保磁力の
小さい部分の外部磁場の影響による磁化反転によ
り電磁誘導現象が生じ、線に巻いてあるピツクア
ツプ用コイルに電流が発生し、コイル両端に、前
者の場合は小さいパルス電圧、後者の場合は、大
きいパルス電圧が得られる。このパルス電圧の大
きさ、急峻さは第一磁性体よりなるものよりはる
かに優れている。また単一磁性体からなるもの
は、ピツクアツプコイルに発生するパルスの幅は
外部磁場の変化の速度に依存し、遅ければ広く、
速ければ狭くなるという様に一定したパルス電圧
が得られない。 このように特開昭53−137641号公報のものは、
優れた特性をもつた磁気デバイスであるがその製
造方法は複雑なものであり、歩留り良く製造する
ことが困難である。また、直径が250ミクロンの
細線を用いているが、より小さいデバイスを作成
することは非常に困難であるというよりできなく
なる。さらには、このようなデバイスを多数なら
べてマトリツクスを作成したり、微小な磁場を検
出するような磁気センサを作成する場合も、これ
に適する磁気デバイスを作成することはできな
い。 本発明はこれらの諸問題、難点を大幅に解決し
ようとするものである。すなわち、薄膜構造にす
ることにより、 (1) 数ミクロン〜数十ミクロンのような微小な磁
気センサに仕上げることができる。 (2) 集積密度を高くできることから多数のセンサ
からなるマトリツクスが高密度にできる。 (3) 製造が容易となる。 (4) 量産性に富んでいる。 などの優れた特徴が得られる。 以下に本発明の一実施例を図面を用いて説明す
る。 第2図は本発明の一実施例の構成を示す。 本実施例の薄膜磁気センサは、Fe−Co−Vを
材料とし、真空蒸着、電子線蒸着、あるいはスパ
ツタリング蒸着によつて第2図の基板1上に異な
る保磁力の磁性薄膜2,3を2層重ねて析出す
る。保磁力を異にするには、Fe−Co−Vの組成
の成分比を変えておこなう。Fe−Co−F磁性材
料の組成と保磁力の関係を一部調べると、おおむ
ね第1図の通りであつた。この領域ではVの添加
量が最も保磁力に効果的に影響する。よつて、保
磁力の異なる磁性薄膜、すなわち保磁力の小さい
磁性薄膜2と大きい磁性薄膜3の2層の構成とな
るが、その大きさの差はあまり大きくても、結果
として得られるピツクアツプコイルに発生するパ
ルス電圧が得られにくい。発明者による実験では
保磁力の大きい磁性薄膜(以後この薄膜をハード
膜と呼ぶ)の保磁力は、保磁力の小さい磁性薄膜
(以下この薄膜をソフト膜と呼ぶ)の保磁力より
約5倍〜20倍程度の範囲でパルス特性が得られ
た。しかし、倍率をさらに大きくするとパルス電
圧はしだいに小さくなる。また倍率をこれより小
さくして行つてもソフト膜とハード膜の相互作用
が弱いためか、パルス電圧は小さくなるとともに
パルス幅が広くなる。これは、ハード膜の保磁力
が大きすぎるとソフト膜の磁化方向が外部磁場が
なくてもハード膜の磁化方向に強制的にむけられ
てしまいパルス電圧が得られにくいと考えられ
る。またハード膜の保磁力がソフト膜の保磁力よ
りは大きいが近い値になると、外部磁場に対しソ
フト膜の磁化反転を効果的に抑制あるいは助ける
ことが出来ず、単一膜に近いパルス電圧が得られ
ることになると思われる。外部磁場に対し、ソフ
ト膜とハード膜の保磁力の相互作用を効果的に生
じさせるためには第1図において、ソフト膜、ハ
ード膜の成分比を前述の比率に選ぶことが好まし
い。 すなわち、ソフト膜の組成は、Fe:35〜52重
量%、Co:41〜63重量%、V:1〜8重量%の
領域、ハード膜の組成は、Fe:25〜51重量%、
Co:40〜63重量%、V:2〜15重量%である。 なお、これらFe−Co−Vの組成比以外のとこ
ろで磁性材料の保磁力の組合せは適当にとり得る
が、後述するように基板の熱膨張係数の大きさが
磁性膜のそれと大きく異なると、2層膜として析
出したとき見かけの保磁力は変つてしまい、ソフ
ト膜2、ハード膜3の組合せが決めにくく、また
作成条件に対し安定につくりにくくなる。 このようなソフト膜2、ハード膜3を前述の方
法で基板1上に蒸着して形成するのであるが、膜
の磁化方向が等方向であると、所望のパルスが得
られない。両方の膜とも磁化容易軸を持ち、お互
が平行でなければならない。このように磁化容易
軸を膜に持たせ、しかも方向をお互に平行にする
には、磁場中蒸着などの手法をとり膜形成するこ
とである。 また、基板1上へソフト膜2、ハード膜3を形
成する場合、真空槽内で蒸着しておこなうが、こ
のときソフト膜2とハード膜3の界面に、水分、
あるいは他の吸着ガスなどにより生ずる酸化膜、
あるいは、歪などによる磁気特性の大きく変化し
た層ができると、両者の膜間の相互作用が得られ
なくなる。 これを防ぐのに、ソフト膜2、ハード膜3を同
一槽の中で真空を破らず、つづけて蒸着し形成す
ることが必要である。また、歪は膜自身の磁気特
性すらも大きく変えてしまうので、基板1の物理
定数である熱膨張係数を特にソフト膜のそれとで
きるだけ合せることが重要である。またハード膜
3の熱膨張係数も基板1やソフト膜と大きく違わ
ない方が、パルスの発生する磁場のばらつきが少
なくなる。 ハード膜3を基板上に形成したのち、ソフト膜
2を重ねて形成した場合、あらかじめ基板1の熱
膨張係数をソフト膜2の値とできるだけ合せてお
いても、ハード膜3の影響を直接受けて、ソフト
膜2に歪が多く加わり磁気特性が変動してしま
う。これはハード膜3の厚さにも敏感である。し
かしソフト膜2を基板1上に析出したのち、ハー
ド膜3をソフト膜2に重ねて形成すると、これら
の影響は改良される。 このように基板1上に重ねて形成された2枚の
磁性薄膜2,3を、たとえば、適当な大きさのた
んざく状にするには、フオトリソ技術を用いてお
こなえば容易にできる。本実施例ではフオトレジ
ストにシプレー社のAZ1350Jを用い、40ミクロン
×250ミクロンのたんざく状のものを作成した。
磁性膜のエツチングは塩化鉄の水溶液を用いた。 たんざく状の2層よりなる磁性薄膜2,3の上
に、電気絶縁をおこなうため、スパツタリング蒸
着でSiO2膜4を全面に形成する。SiO2膜4の膜
厚は5000Å程度にした。つぎに、SiO2膜4上に
ピツクアツプコイル形成するためのAl膜を全面
に蒸着したのち、フオトリソ技術でたんざく状の
磁性薄膜2,3上にピツクアツプ用コイル5を形
成した。なお第2図中の6,6′は電極用パツト
である。 以下に本発明の実施例を具体的に説明する。 実施例 1 ソフト膜用磁性材料としてFe:Co:V=35〜
52:41〜63:1〜8(重量比)の組成比のものを、
ハード膜用磁性材料としてFe:Co:V=25〜
51:40〜63:2〜5(重量%)の組成比のものを
用いた。基板1には、ボロシリケートガラスを用
いた。この基板1の熱膨張係数は、主としてホー
酸とシリカの成分比を変えることにより、約55×
10-7/℃〜80×10-7/℃程度まで変化しうる。電
子線蒸着で基板1上にソフト膜2を3000Åの厚み
に析出し、つづけて2500Åの膜厚のハード膜3を
ソフト膜2に重ねて析出した。ソフト膜2とハー
ド膜3の組合せは第1表に示した通りにいろいろ
と変えて析出した。この2層膜を40ミクロン×
250ミクロンのたんざく状に、フオトリソ技術を
もちいて形成した。エツチングは塩化第2鉄の水
溶性をもちいておこなつた。 つぎにSiO2膜4をスパツタリング方法で、た
んざく状にした磁性薄膜上全面に析出した。この
SiO2膜4は5000Å程度とした。 コイル5の形成はAlを基板の全面に真空状着
で析出させることにより行つた。Alの膜厚は0.8
ミクロン、巻数は8ターンであつた。 つぎにダイシング機械をもちいて切断し、チツ
プ化したのち、リードフレーム上にマウントし、
25ミクロンのAl線をコイルの電極パツド6,
6′とリードフレーム上にワイヤボンドして結線
し最後にモールドした。 このようにできたデバイスを、ソレノイド中に
入れて外部磁場を印加し、ピツクアツプ用コイル
の両端に発生する前述のパルスの電圧を測定し
た。 第4図は、パルス電圧を測定するための測定装
置を示すもので、図中11は交番電圧印加用の電
源、12は交番電圧が印加されるソレノイドコイ
ル、13はソレノイドコイル12内に配置された
薄膜磁気センサ、14は薄膜磁気センサ13に設
けた2層からなる磁性薄膜、15はピツクアツプ
コイル、16はピツクアツプコイルの電極、17
はピツクアツプコイル16の両端に発生するパル
スを評価するためのオツシロスコープである。 この測定装置の動作について説明すると、ま
ず、ソレノイドコイル12へ電源11により交番
電圧を印加すると、ソレノイドコイル12内に交
番磁界が発生する。この交番磁界は、ソレノイド
コイル12内に配置された薄膜磁気センサ13の
磁性薄膜14の面内の一方向に印加される。磁性
薄膜14は、磁化反転によりソレノイドコイル1
5の両端にパルスが発生し、電極16を介してパ
ルス波形がオツシロスコープ17で観測できる。 ソレノイドコイル15に1KHzの正弦波電流を
流して外部磁場を発生させた場合の測定結果を第
1表に示す。 尚、この測定で、外部磁場におけるパルス電圧
の波形は、第5図に示すように、交番磁界Gに対
し電圧値の高いパルスHPと低いパルスLPとが得
られる。
ツタリング蒸着により、保磁力の異なる2種類の
磁性薄膜を重ねて形成し、この薄膜のフオトリソ
技術を用いて作成したコイルを設けてなる薄膜磁
気センサに関するものである。 すなわち、ガラス、磁器、あるいは表面に非磁
性の酸化膜を設けたたとえばシリコン(Si)ウエ
ハの上に、Fe−Co−Vの組成からなり2層の磁
性薄膜を、成分比を変えて重ねて形成し、その上
に絶縁膜を介してピツクアツプ用コイルを薄膜の
フオトリソ技術を用いて作成したコイルを設けて
のち、モールドして構成した薄膜磁気センサであ
る。 従来、外部磁場の変化量、あるいは変化を検出
する磁気センサには、半導体材料、磁性材料など
を用いた多くのセンサが開発され、実用化されて
いる。たとえば、半導体材料を用いたものでは、
ホール素子、FET素子がある。これらはInSb、
GaAs等の−化合物、SiあるいはGeなどが主
に使用されている。磁性材料を用いたものではメ
モリ素子、磁気抵抗素子、磁気ヘツドなどがあ
り、パーマロイ、センダスト、Ni−ZnやMn−
Znフエライトなどが使用されている。 また、特開昭53−137641号公報には線状の磁性
体を機械的、熱的処理を加え、磁性線の表面近く
の層(第2の磁気的部分)の磁気的特性を変え、
内部(第1の磁気的部分)の磁気特性より保磁力
を大きくし、これに巻線してなる磁気デバイスが
開示されている。これは第2の磁気的部分の保磁
力が、第1の磁気的部分の保磁力より大きくなつ
ている。すなわち、保磁力の小さい磁気的部分の
保磁力の大きい磁気的部分によつて、円周方向に
おおわれている構造である。 この磁気デバイスはたとえば外部磁場の大き
さ、方向を線の長手方向において変えるとき、保
磁力の大きい部分は、保磁力の小さい部分と磁気
的に相互作用が働いているから、両者の磁化方向
が同一方向で外部磁場と逆方向をとつている場
合、保磁力の小さい部分が磁化反転するのはその
保磁力HC1より大きく保磁力の大きい部分の保磁
力HC2より小さい外部磁場でおこる。また、外部
磁場と保磁力の大きい部分の磁化方向が同じで、
保磁力の小さい部分の磁化方向のみがそれらと逆
方向をとつている場合は、保磁力の小さい部分の
磁化反転を保磁力の大きい部分が助けることにな
り、HC1程度の磁場で、より急しゆんに保磁力の
小さい部分の磁化反転を生じる。これら保磁力の
小さい部分の外部磁場の影響による磁化反転によ
り電磁誘導現象が生じ、線に巻いてあるピツクア
ツプ用コイルに電流が発生し、コイル両端に、前
者の場合は小さいパルス電圧、後者の場合は、大
きいパルス電圧が得られる。このパルス電圧の大
きさ、急峻さは第一磁性体よりなるものよりはる
かに優れている。また単一磁性体からなるもの
は、ピツクアツプコイルに発生するパルスの幅は
外部磁場の変化の速度に依存し、遅ければ広く、
速ければ狭くなるという様に一定したパルス電圧
が得られない。 このように特開昭53−137641号公報のものは、
優れた特性をもつた磁気デバイスであるがその製
造方法は複雑なものであり、歩留り良く製造する
ことが困難である。また、直径が250ミクロンの
細線を用いているが、より小さいデバイスを作成
することは非常に困難であるというよりできなく
なる。さらには、このようなデバイスを多数なら
べてマトリツクスを作成したり、微小な磁場を検
出するような磁気センサを作成する場合も、これ
に適する磁気デバイスを作成することはできな
い。 本発明はこれらの諸問題、難点を大幅に解決し
ようとするものである。すなわち、薄膜構造にす
ることにより、 (1) 数ミクロン〜数十ミクロンのような微小な磁
気センサに仕上げることができる。 (2) 集積密度を高くできることから多数のセンサ
からなるマトリツクスが高密度にできる。 (3) 製造が容易となる。 (4) 量産性に富んでいる。 などの優れた特徴が得られる。 以下に本発明の一実施例を図面を用いて説明す
る。 第2図は本発明の一実施例の構成を示す。 本実施例の薄膜磁気センサは、Fe−Co−Vを
材料とし、真空蒸着、電子線蒸着、あるいはスパ
ツタリング蒸着によつて第2図の基板1上に異な
る保磁力の磁性薄膜2,3を2層重ねて析出す
る。保磁力を異にするには、Fe−Co−Vの組成
の成分比を変えておこなう。Fe−Co−F磁性材
料の組成と保磁力の関係を一部調べると、おおむ
ね第1図の通りであつた。この領域ではVの添加
量が最も保磁力に効果的に影響する。よつて、保
磁力の異なる磁性薄膜、すなわち保磁力の小さい
磁性薄膜2と大きい磁性薄膜3の2層の構成とな
るが、その大きさの差はあまり大きくても、結果
として得られるピツクアツプコイルに発生するパ
ルス電圧が得られにくい。発明者による実験では
保磁力の大きい磁性薄膜(以後この薄膜をハード
膜と呼ぶ)の保磁力は、保磁力の小さい磁性薄膜
(以下この薄膜をソフト膜と呼ぶ)の保磁力より
約5倍〜20倍程度の範囲でパルス特性が得られ
た。しかし、倍率をさらに大きくするとパルス電
圧はしだいに小さくなる。また倍率をこれより小
さくして行つてもソフト膜とハード膜の相互作用
が弱いためか、パルス電圧は小さくなるとともに
パルス幅が広くなる。これは、ハード膜の保磁力
が大きすぎるとソフト膜の磁化方向が外部磁場が
なくてもハード膜の磁化方向に強制的にむけられ
てしまいパルス電圧が得られにくいと考えられ
る。またハード膜の保磁力がソフト膜の保磁力よ
りは大きいが近い値になると、外部磁場に対しソ
フト膜の磁化反転を効果的に抑制あるいは助ける
ことが出来ず、単一膜に近いパルス電圧が得られ
ることになると思われる。外部磁場に対し、ソフ
ト膜とハード膜の保磁力の相互作用を効果的に生
じさせるためには第1図において、ソフト膜、ハ
ード膜の成分比を前述の比率に選ぶことが好まし
い。 すなわち、ソフト膜の組成は、Fe:35〜52重
量%、Co:41〜63重量%、V:1〜8重量%の
領域、ハード膜の組成は、Fe:25〜51重量%、
Co:40〜63重量%、V:2〜15重量%である。 なお、これらFe−Co−Vの組成比以外のとこ
ろで磁性材料の保磁力の組合せは適当にとり得る
が、後述するように基板の熱膨張係数の大きさが
磁性膜のそれと大きく異なると、2層膜として析
出したとき見かけの保磁力は変つてしまい、ソフ
ト膜2、ハード膜3の組合せが決めにくく、また
作成条件に対し安定につくりにくくなる。 このようなソフト膜2、ハード膜3を前述の方
法で基板1上に蒸着して形成するのであるが、膜
の磁化方向が等方向であると、所望のパルスが得
られない。両方の膜とも磁化容易軸を持ち、お互
が平行でなければならない。このように磁化容易
軸を膜に持たせ、しかも方向をお互に平行にする
には、磁場中蒸着などの手法をとり膜形成するこ
とである。 また、基板1上へソフト膜2、ハード膜3を形
成する場合、真空槽内で蒸着しておこなうが、こ
のときソフト膜2とハード膜3の界面に、水分、
あるいは他の吸着ガスなどにより生ずる酸化膜、
あるいは、歪などによる磁気特性の大きく変化し
た層ができると、両者の膜間の相互作用が得られ
なくなる。 これを防ぐのに、ソフト膜2、ハード膜3を同
一槽の中で真空を破らず、つづけて蒸着し形成す
ることが必要である。また、歪は膜自身の磁気特
性すらも大きく変えてしまうので、基板1の物理
定数である熱膨張係数を特にソフト膜のそれとで
きるだけ合せることが重要である。またハード膜
3の熱膨張係数も基板1やソフト膜と大きく違わ
ない方が、パルスの発生する磁場のばらつきが少
なくなる。 ハード膜3を基板上に形成したのち、ソフト膜
2を重ねて形成した場合、あらかじめ基板1の熱
膨張係数をソフト膜2の値とできるだけ合せてお
いても、ハード膜3の影響を直接受けて、ソフト
膜2に歪が多く加わり磁気特性が変動してしま
う。これはハード膜3の厚さにも敏感である。し
かしソフト膜2を基板1上に析出したのち、ハー
ド膜3をソフト膜2に重ねて形成すると、これら
の影響は改良される。 このように基板1上に重ねて形成された2枚の
磁性薄膜2,3を、たとえば、適当な大きさのた
んざく状にするには、フオトリソ技術を用いてお
こなえば容易にできる。本実施例ではフオトレジ
ストにシプレー社のAZ1350Jを用い、40ミクロン
×250ミクロンのたんざく状のものを作成した。
磁性膜のエツチングは塩化鉄の水溶液を用いた。 たんざく状の2層よりなる磁性薄膜2,3の上
に、電気絶縁をおこなうため、スパツタリング蒸
着でSiO2膜4を全面に形成する。SiO2膜4の膜
厚は5000Å程度にした。つぎに、SiO2膜4上に
ピツクアツプコイル形成するためのAl膜を全面
に蒸着したのち、フオトリソ技術でたんざく状の
磁性薄膜2,3上にピツクアツプ用コイル5を形
成した。なお第2図中の6,6′は電極用パツト
である。 以下に本発明の実施例を具体的に説明する。 実施例 1 ソフト膜用磁性材料としてFe:Co:V=35〜
52:41〜63:1〜8(重量比)の組成比のものを、
ハード膜用磁性材料としてFe:Co:V=25〜
51:40〜63:2〜5(重量%)の組成比のものを
用いた。基板1には、ボロシリケートガラスを用
いた。この基板1の熱膨張係数は、主としてホー
酸とシリカの成分比を変えることにより、約55×
10-7/℃〜80×10-7/℃程度まで変化しうる。電
子線蒸着で基板1上にソフト膜2を3000Åの厚み
に析出し、つづけて2500Åの膜厚のハード膜3を
ソフト膜2に重ねて析出した。ソフト膜2とハー
ド膜3の組合せは第1表に示した通りにいろいろ
と変えて析出した。この2層膜を40ミクロン×
250ミクロンのたんざく状に、フオトリソ技術を
もちいて形成した。エツチングは塩化第2鉄の水
溶性をもちいておこなつた。 つぎにSiO2膜4をスパツタリング方法で、た
んざく状にした磁性薄膜上全面に析出した。この
SiO2膜4は5000Å程度とした。 コイル5の形成はAlを基板の全面に真空状着
で析出させることにより行つた。Alの膜厚は0.8
ミクロン、巻数は8ターンであつた。 つぎにダイシング機械をもちいて切断し、チツ
プ化したのち、リードフレーム上にマウントし、
25ミクロンのAl線をコイルの電極パツド6,
6′とリードフレーム上にワイヤボンドして結線
し最後にモールドした。 このようにできたデバイスを、ソレノイド中に
入れて外部磁場を印加し、ピツクアツプ用コイル
の両端に発生する前述のパルスの電圧を測定し
た。 第4図は、パルス電圧を測定するための測定装
置を示すもので、図中11は交番電圧印加用の電
源、12は交番電圧が印加されるソレノイドコイ
ル、13はソレノイドコイル12内に配置された
薄膜磁気センサ、14は薄膜磁気センサ13に設
けた2層からなる磁性薄膜、15はピツクアツプ
コイル、16はピツクアツプコイルの電極、17
はピツクアツプコイル16の両端に発生するパル
スを評価するためのオツシロスコープである。 この測定装置の動作について説明すると、ま
ず、ソレノイドコイル12へ電源11により交番
電圧を印加すると、ソレノイドコイル12内に交
番磁界が発生する。この交番磁界は、ソレノイド
コイル12内に配置された薄膜磁気センサ13の
磁性薄膜14の面内の一方向に印加される。磁性
薄膜14は、磁化反転によりソレノイドコイル1
5の両端にパルスが発生し、電極16を介してパ
ルス波形がオツシロスコープ17で観測できる。 ソレノイドコイル15に1KHzの正弦波電流を
流して外部磁場を発生させた場合の測定結果を第
1表に示す。 尚、この測定で、外部磁場におけるパルス電圧
の波形は、第5図に示すように、交番磁界Gに対
し電圧値の高いパルスHPと低いパルスLPとが得
られる。
【表】
実施例 2
実施例1において、No.12の試料に用いたソフト
膜用磁性材料とハード膜用磁性材料を用い、電子
線蒸着法により、ボロ・シリケートガラス基板1
上にソフト膜を先に析出したのちハード膜をこれ
に重ねて析出して2層の磁性薄膜を形成した場合
と、ハード膜を先に析出したのちソフト膜をこれ
に重ねて析出して2層の磁性薄膜を形成した場合
について比較した。磁性薄膜をたんざく状に形成
する工程以後の方法は実施例1と同様にした。な
おソフト膜、ハード膜の厚みは、それぞれ、3000
Å、2500Åとした。その結果ハード膜を先に析出
した場合では、外部磁場をハード膜の保磁力より
大きくしても大きな、しかも急峻なパルス特性は
得られなくて26μV程度の小さいパルスしか得ら
れなかつた。ソフト膜を先に形成した場合では、
パルス電圧が1.75ミリボルトと大きく、しかもパ
ルス幅が0.1マイクロセカンド以下のものが得ら
れた。外部磁場に対するパルス電圧の関係を第3
図に示す。外部磁場の小さい領域では2種類の大
きさの異なるパルスが得られた。 実施例 3 実施例1のNo.12の試料において、その磁性薄膜
の形成方法を次の通りにおこなつた。すなわち基
板上にソフト膜を先に析出したのち、真空槽の真
空を破り、一度常圧の空気中に出し、これを再度
真空中に入れてハード膜をソフト膜に重ねて析出
した。この2層をたんざく状にする工程以後は実
施例1と同じ方法でおこなつた。 このようにして作成した薄膜磁気センサを外部
磁場中に入れ駆動させた。その結果ハード膜の保
磁力以上の磁場を印加しても、大きな、しかも急
峻なパルスは得られなかつた。 以上実施例でも示した如く、本発明においては
ソフト膜、ハード膜を、Fe、Co、Vの組成比を
変えることにより、また基板の熱膨張係数を適当
に選び、ソフト膜を先に析出し、つづけてハード
膜をソフト膜に重ねて析出することによつて、外
部磁場の大きさ、方向の変化に対し、ピツクアツ
プコイルに大きくてしかも急峻なパルス電圧を得
る。このような特性を持つ薄膜磁気センサは、磁
気抵抗特性を利用した薄膜磁気センサ、あるいは
ホール効果を利用したホール素子などにくらべ、
無負荷でしかも出力電圧も大きい。またパルス状
に出力が得られることからデイジタル信号などを
得るセンサとして有用である。さらには、薄膜化
することにより微少化でき、ICなどの集積回路
にも有用である。
膜用磁性材料とハード膜用磁性材料を用い、電子
線蒸着法により、ボロ・シリケートガラス基板1
上にソフト膜を先に析出したのちハード膜をこれ
に重ねて析出して2層の磁性薄膜を形成した場合
と、ハード膜を先に析出したのちソフト膜をこれ
に重ねて析出して2層の磁性薄膜を形成した場合
について比較した。磁性薄膜をたんざく状に形成
する工程以後の方法は実施例1と同様にした。な
おソフト膜、ハード膜の厚みは、それぞれ、3000
Å、2500Åとした。その結果ハード膜を先に析出
した場合では、外部磁場をハード膜の保磁力より
大きくしても大きな、しかも急峻なパルス特性は
得られなくて26μV程度の小さいパルスしか得ら
れなかつた。ソフト膜を先に形成した場合では、
パルス電圧が1.75ミリボルトと大きく、しかもパ
ルス幅が0.1マイクロセカンド以下のものが得ら
れた。外部磁場に対するパルス電圧の関係を第3
図に示す。外部磁場の小さい領域では2種類の大
きさの異なるパルスが得られた。 実施例 3 実施例1のNo.12の試料において、その磁性薄膜
の形成方法を次の通りにおこなつた。すなわち基
板上にソフト膜を先に析出したのち、真空槽の真
空を破り、一度常圧の空気中に出し、これを再度
真空中に入れてハード膜をソフト膜に重ねて析出
した。この2層をたんざく状にする工程以後は実
施例1と同じ方法でおこなつた。 このようにして作成した薄膜磁気センサを外部
磁場中に入れ駆動させた。その結果ハード膜の保
磁力以上の磁場を印加しても、大きな、しかも急
峻なパルスは得られなかつた。 以上実施例でも示した如く、本発明においては
ソフト膜、ハード膜を、Fe、Co、Vの組成比を
変えることにより、また基板の熱膨張係数を適当
に選び、ソフト膜を先に析出し、つづけてハード
膜をソフト膜に重ねて析出することによつて、外
部磁場の大きさ、方向の変化に対し、ピツクアツ
プコイルに大きくてしかも急峻なパルス電圧を得
る。このような特性を持つ薄膜磁気センサは、磁
気抵抗特性を利用した薄膜磁気センサ、あるいは
ホール効果を利用したホール素子などにくらべ、
無負荷でしかも出力電圧も大きい。またパルス状
に出力が得られることからデイジタル信号などを
得るセンサとして有用である。さらには、薄膜化
することにより微少化でき、ICなどの集積回路
にも有用である。
第1図はFe−Co−V系の組成比と保磁力なら
びに飽和磁化の関係を示す図、第2図Aは本発明
の一実施例における薄膜磁気センサの構成を示す
断面図、同Bは同平面図、第3図は本発明により
作成した薄膜磁気センサの外部磁場とパルス電圧
の関係を示す図、第4図はパルス電圧を測定する
ための測定装置の構成を示す概略図、第5図は外
部磁場におけるパルス電圧の波形図である。 1……基板、2,3……磁性薄膜、4……
SiO2膜、5……コイル。
びに飽和磁化の関係を示す図、第2図Aは本発明
の一実施例における薄膜磁気センサの構成を示す
断面図、同Bは同平面図、第3図は本発明により
作成した薄膜磁気センサの外部磁場とパルス電圧
の関係を示す図、第4図はパルス電圧を測定する
ための測定装置の構成を示す概略図、第5図は外
部磁場におけるパルス電圧の波形図である。 1……基板、2,3……磁性薄膜、4……
SiO2膜、5……コイル。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 基板上に、Fe:Co:V=35〜52:41〜63:
1〜8(重量%)からなる組成比の保磁力の小さ
い第1の磁性層膜が形成され、前記第1の磁性層
膜上にFe:Co:V=25〜51:40〜63:2〜15(重
量%)からなる保磁力の大きい第2の磁性層膜が
形成され、その上部に電気的絶縁体の非磁性膜を
介して、フオトリソ技術を用いて構成したピツク
アツプ用薄膜コイルが設けられたことを特徴とす
る薄膜磁気センサ。 2 2層の保磁力の異なる第1と第2の磁性薄膜
の保磁力の大きさの比が5〜20倍であることを特
徴とする特許請求の範囲第1項の薄膜磁気セン
サ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP56172310A JPS5872071A (ja) | 1981-10-27 | 1981-10-27 | 薄膜磁気センサ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP56172310A JPS5872071A (ja) | 1981-10-27 | 1981-10-27 | 薄膜磁気センサ |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5872071A JPS5872071A (ja) | 1983-04-28 |
| JPH0372949B2 true JPH0372949B2 (ja) | 1991-11-20 |
Family
ID=15939541
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP56172310A Granted JPS5872071A (ja) | 1981-10-27 | 1981-10-27 | 薄膜磁気センサ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS5872071A (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE3420709A1 (de) * | 1984-06-02 | 1985-12-05 | Robert Bosch Gmbh, 7000 Stuttgart | Magnetfeldsensor zur messung der feldstaerke eines magnetfeldes und verfahren zu seiner herstellung |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5912142B2 (ja) * | 1977-09-28 | 1984-03-21 | 昭 松下 | 感磁要素 |
| JPS54128775A (en) * | 1978-03-27 | 1979-10-05 | Philips Nv | Thin layer magnetic field sensor |
-
1981
- 1981-10-27 JP JP56172310A patent/JPS5872071A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS5872071A (ja) | 1983-04-28 |
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